JP7224812B2 - 磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤、及び画像形成方法 - Google Patents

磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤、及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法を用いて静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用される磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤、及びそれを用いた画像形成方法に関する。
従来、電子写真方式の画像形成方法は、静電潜像担持体上に種々の手段を用いて静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させて、静電潜像を現像する方法が一般的に使用されている。現像方法としては、磁性キャリアと呼ばれる担体粒子をトナーと混合し、摩擦帯電させて、トナーに適当量の正または負の電荷を付与し、その電荷をドライビングフォースとして現像する二成分現像方式が広く採用されている。
現像剤の撹拌性、搬送性、帯電性などの改善について磁性キャリアに担わせることができ、トナーとの機能分担を明確にすることができる。そのため、二成分現像方式には、現像剤性能の制御性が良いなどの利点がある。
一方、近年、電子写真分野の技術進化により、装置の高速化、高寿命化はもとより高精細化、画像品位の安定化を有することがますます厳しく要求されてきている。このような要求に応えるため、磁性キャリアの高性能化が求められている。
環境安定性を高めるために、磁性コア粒子と磁性コア粒子を被覆する被覆層の間に中間層を用いる提案がなされている(特許文献1参照)。このキャリアは、磁性コア粒子上に、摩擦帯電制御機能を有するアミノシランカップリング剤により形成された中間層を設け、その中間層と結合反応可能な材料を含有する離型性被覆層を設けてなることを特徴とする。
さらに、特に高温高湿下で長期間放置した際でも帯電量を安定させる提案がなされている(特許文献2参照)。このキャリアは、アミノシランカップリング剤を含む被覆層を表面に有する磁性コア粒子に、磁性コア粒子表面に存在するものとは構造が異なるアミノシランカップリング剤を含有した被覆樹脂を表面に有していることが特徴である。
しかしながら、近年のように高速複写かつ、画像濃度に寄らず長期使用時においても安定した画像品質が求められる中では、高画質化、環境変化に対する追従性にはさらなる改善が求められた。
特開2000-314990号公報 特開2011-158831号公報
特許文献1~2の磁性キャリアにより、高画質化、環境変化に対する追従性といった課題は改善された。
しかしながら、高温高湿下から低温低湿下までの様々な環境で、文字印刷のように低画像濃度の成果物を出力した場合においても、初期から多数枚の画像形成後に至るまで、高品位な画像を安定して得るということに対する要求はますます高まっている。そして、この要求を満足する磁性キャリア、二成分系現像剤、及びそれを用いた画像形成方法の開発が急務となっている。
本発明の目的は、上記のごとき要求に応えることができる磁性キャリアを提供するものである。
本発明者らは、下記に示すような樹脂被覆層を有する磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアを使用することで、高温高湿下から低温低湿下までの様々な環境で、文字印刷のように低画像濃度の成果物を出力した場合においても、初期から多数枚の画像形成後に至るまで、高品位な画像を安定して得られるようになることを見出した。
すなわち、本発明は、表面にアミノ基を有する磁性キャリアコア粒子と、前記磁性キャリアコア粒子表面上に形成された樹脂被覆層とを有する磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであって、
前記樹脂被覆層は、ビニル系共重合体と下記式(1)で示される化合物とを含有し、
前記式(1)で示される化合物の含有量が、前記樹脂被覆層に含まれる樹脂成分100質量部に対して5質量部以上30質量部以下であり、
X線光電子分光法(XPS)により測定された前記磁性キャリアコア粒子のN元素含有率が0.50質量%以上7.00質量%以下であることを特徴とする。
Figure 0007224812000001
(式中、R1は、炭素数6~12の鎖状アルキル基を表し、R2は、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基を表す。)
また、本発明は、上記の磁性キャリアを含有する二成分系現像剤、補給用現像剤に関する。
更に、本発明は、上記の二成分系現像剤、および/または補給用現像剤を用いる画像形成方法に関する。
高温高湿下から低温低湿下までの様々な環境で、文字印刷のように低画像濃度の成果物を出力した場合においても、初期から多数枚の画像形成後に至るまで、高品位な画像を安定して得られる。
画像形成装置の概略図である。 画像形成装置の概略図である。 磁性キャリアの比抵抗の測定装置の概略図である。 電流値の測定装置の概略図である。 分子量分布曲線における樹脂成分の分割方法を示す図である。 分子量分布曲線における樹脂成分の分割方法を示す図である。
通常、低印字濃度での長期間使用時は、現像剤、特にトナーへの過剰帯電が発生し、使用初期の出力画像に比べて長期間使用後の出力画像は画像濃度が低下する。特にこの現象は低温低湿下で顕著に発生するため、これを改善するために導電性粒子等を添加して帯電緩和性を向上させ、長期間使用後の出力画像の画像濃度を抑制する方法がある。しかし、帯電緩和性を高めすぎると、特に高温高湿下環境においては電荷の漏えいが発生し、かえって使用初期と長期間使用後での画像濃度の変化が大きくなる場合がある。そのため、低温低湿下から高温高湿下までのいずれの環境においても使用初期と同様の高品位な画像を安定して得ることは困難であった。
そこで本発明者らは、低温低湿下から高温高湿下までのいずれの環境においても使用初期と同様の高品位な画像を安定して得ることを目的に鋭意検討した。その結果、表面にアミノ基を有する磁性キャリアコア粒子と、前記磁性キャリアコア粒子表面上に形成された樹脂被覆層とを有する磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであって、前記樹脂被覆層は、ビニル系共重合体と下記式(1)で示される化合物とを含有することが重要であることを見出した。
Figure 0007224812000002
(式中、R1は、炭素数6~12の鎖状アルキル基を表し、R2は、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基を表す。)
<被覆樹脂層>
磁性キャリアコア粒子表面にアミノ基が存在していることにより、式(1)で示される化合物の有するアルキル基(R1)が、磁性キャリアの表面方向に向くように樹脂被覆層中で配向する。これにより、磁性キャリア自体の帯電緩和性が適切に制御される。その結果、低温低湿下から高温高湿下までのいずれの環境においても使用初期と同様の高品位な画像を安定して得ることが可能となったと考えられる。
帯電緩和性の制御の観点から、式(1)で示される化合物において、R1は、炭素数6~12の鎖状アルキル基であることが必要であり、炭素数6~10の鎖状アルキル基であることが好ましい。アルキル基の炭素数が上記の範囲内である場合、適度な帯電緩和性が得られ、高温高湿下および低温低湿下のいずれであっても画像濃度の変化を抑制することができる。
式(1)で示される化合物の鎖状アルキル基は、直鎖アルキル基であることが好ましい。前記アルキル基が直鎖状の場合は、樹脂被覆層中での化合物の配向がより良好となり、帯電安定性がより高まり、画像濃度の変化が抑制される。
式(1)で示される化合物のアルキル基以外の官能基(OR2)は、メトキシ基もしくはエトキシ基である。いずれかの官能基である場合、樹脂被覆層中での式(1)で示される化合物の配向がより良好になり、帯電安定性がより高まり、画像濃度の変化が抑制される。
樹脂被覆層中の式(1)で示される化合物の含有量は、樹脂被覆層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下であることが好ましい。化合物の含有量が上記の範囲内である場合、電荷緩和性が適度であり、画像濃度の変化をより良好に抑制することができる。
次に、被覆樹脂層に含まれる被覆樹脂について説明する。
樹脂被覆層は、ビニル系共重合体を含有する。
ビニル系共重合体としては、分子構造中に環状炭化水素基を有するビニル系モノマーと他のビニル系モノマーとの共重合体(樹脂A)であることが好ましい。その中でも、脂環式の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとビニル系マクロモノマーとの共重合体であることがより好ましい。尚、脂環式の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとは、以下の式(2)で表される構造を有する化合物である。
Figure 0007224812000003
(Rは、脂環式の炭化水素基を表す。)
脂環式の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いることで、樹脂被覆層の表面を平滑にすることができる。これによって、磁性キャリアに対するトナー由来成分の付着を抑制し、帯電能低下を抑えることができる。また、ビニル系マクロモノマーを用いることで、磁性キャリアコア粒子との密着性が向上し、画像濃度安定性が向上する。
脂環式の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸シクロブチル、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ジシクロペンテニル、アクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸シクロブチル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸ジシクロペンテニル及びメタクリル酸ジシクロペンタニルなどが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を選択して使用してもよい。
ビニル系マクロモノマーとしては特に限定されないが、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、またはメタクリル酸2-エチルヘキシルからなる群より選択される1種以上のモノマーを重合させた重合体部を有する(メタ)アクリル酸エステルがあげられる。尚、重合体部を有する(メタ)アクリル酸エステルとは、以下の式(3)で表される構造を有する化合物である。
Figure 0007224812000004
(Aは、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びメタクリル酸2-エチルヘキシルからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体から1つの水素原子を除去して形成される1価の基を表す。)
ビニル系マクロモノマー中(或いはそれに由来するユニット中)の重合体部のピーク分子量は1000以上9500以下であることが好ましい。マクロモノマー部のピーク分子量が1000以上であると、後述する樹脂Bのマクロモノマー部への入り込みがより効果的に発現し、樹脂被覆層の靱性、耐摩耗性の向上し、画像濃度の変化がより抑制される。一方、マクロモノマー部のピーク分子量が9500以下であると、樹脂被覆層の電荷緩和性が十分に得られ、長期使用時の画像濃度の変化が抑制される。
脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル(Ma)とビニル系マクロモノマー(Mb)との比(質量基準)は、Ma:Mb=1:1~9:1であることが好ましい。Ma:Mbが上記の範囲内である場合、樹脂被覆層の靱性、耐摩耗性が良好となり、長期間使用時に樹脂被覆層の剥がれや削れを抑制でき、画像濃度の変化も抑制できる。また、樹脂被覆層の電荷緩和性も十分に有するため、長期使用時の画像濃度の変化が抑制される。
樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は、被覆の安定性から、20,000以上75,000以下であることが好ましく、25,000以上70,000以下であることがより好ましい。
また、脂環式の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルおよびマクロモノマー以外のモノマーとして、その他の(メタ)アクリル系モノマーをモノマーとして用い、共重合体としてもよい。その他の(メタ)アクリル系モノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル(n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル又はtert-ブチル。以下同様)、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸およびメタクリル酸などが挙げられる。
樹脂被覆層の強靭化と電荷緩和性の観点から、ビニル系共重合体は、上記の樹脂Aに加えて以下の樹脂Bを含有することが好ましい。
樹脂被覆層に用いられる樹脂Bとしては、スチレン系モノマーと、下式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が好ましい。
Figure 0007224812000005
(式中、Rは炭素数2~8の鎖状アルキル基を表す。)
スチレン系モノマーを用いることにより、ガラス転移点を高くすることができ、低分子量でも樹脂被覆層の強靭性を維持することができる。また、上記の(メタ)アクリル酸エステルを含むことにより、樹脂Aに含まれるマクロモノマー由来のユニットとの親和性が高まり、樹脂Bのマクロモノマー部への入り込みがより効果的に発現し、樹脂被覆層の靱性、耐摩耗性の向上と画像面内の濃度ムラや細線再現性の低下の抑制が両立できる。
スチレン系モノマーは特に制限されず、例えば、以下のものを用いることができる。
スチレン;α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチル、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレンなどのスチレン誘導体。
樹脂Bとして用いられる樹脂としては特に限定されないが、例えば、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-アクリル酸ブチル共重合体、スチレン-アクリル酸オクチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン-メタクリル酸オクチル共重合体の如きスチレン系共重合体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて使用しても良い。
樹脂Bにおいて、スチレン系モノマーに対する上記の(メタ)アクリル酸エステルの割合は、質量基準で、5~6000ppmであることが好ましく、10~5000ppmであることがより好ましい。両モノマーの割合を上記範囲にすることにより、樹脂被覆層の強靭性が高まるとともに(メタ)アクリル酸エステルモノマー部とマクロモノマー部の親和性がより高まり、樹脂被覆層の靱性、耐摩耗性の向上と画像面内の濃度ムラや細線再現性の低下の抑制が良好に両立できる。
ビニル系共重合体の分子量分布において、長寿命化と画像面内の濃度ムラや細線再現性の低下の抑制の観点から、樹脂B由来のピークが分子量2000以上9000以下の範囲に存在することが好ましい。樹脂B由来のピークが分子量1000未満の場合、樹脂被覆層の靱性、耐摩耗性が低下し、長期間使用時に樹脂被覆層の剥がれや削れが発生する場合があり、画像濃度の変化が顕著となる傾向にある。樹脂B由来のピークが分子量9500より大きい場合、樹脂B由来の帯電緩和性が十分に発現しないため、画像面内の濃度ムラや細線再現性が低下傾向にある。
ビニル系共重合体中の樹脂Aの割合は、10~99質量%であることが好ましく、樹脂Bの割合は、1~90質量%であることが好ましい。より好ましくは、樹脂Aの割合が50~80質量%であり、樹脂Bの割合が20~50質量%である。上記の範囲内であれば、樹脂被覆層の靱性、耐摩耗性の向上と画像面内の濃度ムラや細線再現性の低下の抑制が両立できる。
被覆樹脂量は、磁性キャリアコア粒子100質量部に対し1.0質量部以上3.0質量部以下であることが好ましい。被覆樹脂量が1.0質量部以上の場合は樹脂の強靭性、耐摩耗性が高まり、画像濃度の変化が抑制される。被覆樹脂量が3.0質量部以下の場合、帯電の緩和性がより高まり、画像面内の濃度ムラや細線再現性の低下がより抑制される。
<磁性キャリアコア粒子>
次に、磁性キャリアコア粒子について説明する。
磁性キャリアに用いる磁性キャリアコア粒子としては、公知の磁性キャリアコア粒子を用いることができるが、空孔部に樹脂を含有する多孔質磁性コア粒子を用いることがより好ましい。これらは、磁性キャリアの真密度を低くできるため、トナーへの負荷を軽減することができる。これにより、長期間の使用においても、画質の劣化が少なく、トナーとキャリアで構成された現像剤の交換頻度を減らすことが可能となる。
多孔質磁性コア粒子について説明する。
多孔質磁性コア粒子の材質としては、マグネタイト又はフェライトが好ましい。さらに、多孔質磁性コア粒子の材質は、フェライトであることが多孔質磁性コア粒子の多孔質の構造を制御したり、抵抗を調整できるため、より好ましい。
フェライトは次の一般式で表される金属酸化物である。
(M1O)(M2O)(Fe
(式中、M1は1価の金属であり、M2は2価の金属であり、x+y+z=1.0としたとき、x及びyは、それぞれ0≦(x,y)≦0.8であり、zは、0.2<z<1.0である)
式中において、M1及びM2としては、Li、Fe、Mn、Mg、Sr、Cu、Zn、Ca、からなる群から選ばれる1種類以上の金属原子を用いることが好ましい。そのほかにもNi、Co、Ba、Y、V、Bi、In、Ta、Zr、B、Mo、Na、Sn、Ti、Cr、Al、Si、希土類なども用いることができる。
磁性キャリアでは、磁化量を適度に維持し、細孔径を所望の範囲にするためや多孔質磁性コア粒子表面の凹凸状態を好適にすることが求められる。また、フェライト化反応の速度を容易にコントロールでき、多孔質磁性コアの比抵抗と磁気力を好適にコントロールできることも求められる。以上の観点から、Mn元素を含有する、Mn系フェライト、Mn-Mg系フェライト、Mn-Mg-Sr系フェライト、Li-Mn系フェライトがより好ましい。
以下に、磁性キャリアコア粒子として多孔質フェライト粒子を用いる場合の製造工程を詳細に説明する。
・工程1(秤量・混合工程)
上記フェライトの原料を、秤量し、混合する。
フェライト原料としては、上記金属元素の金属粒子、又はその酸化物、水酸化物、シュウ酸塩、炭酸塩などが挙げられる。
混合する装置としては、例えば以下のものが挙げられる。ボールミル、遊星ミル、ジオットミル、振動ミル。特にボールミルが混合性の観点から好ましい。
具体的には、ボールミル中に、秤量したフェライト原料、ボールを入れ、0.1~20.0時間、粉砕・混合する。
・工程2(仮焼成工程)
粉砕・混合したフェライト原料を、大気中又は窒素雰囲気下で焼成温度700~1200℃で、0.5~5.0時間仮焼成し、フェライト化する。焼成には、例えば以下の炉が用いられる。バーナー式焼却炉、ロータリー式焼成炉、電気炉などが挙げられる。
・工程3(粉砕工程)
工程2で作製した仮焼フェライトを粉砕機で粉砕する。
粉砕機としては、所望の粒径が得られれば特に限定されない。例えば以下のものがあげられる。クラッシャーやハンマーミル、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ジオットミルなどが挙げられる。
フェライト粉砕品を所望の粒径にするために、例えば、ボールミルやビーズミルでは用いるボールやビーズの素材、粒径、運転時間を制御することが好ましい。具体的には、仮焼フェライトスラリーの粒径を小さくするためには、比重の重いボールを用いたり、粉砕時間を長くすればよい。また、仮焼フェライトの粒度分布を広くするためには、比重の大きいボールやビーズを用い、粉砕時間を短くすることで得ることができる。また、粒径の異なる複数の仮焼フェライトを混合することでも分布の広い仮焼フェライトを得ることができる。
また、ボールミルやビーズミルは、乾式より湿式の法が、粉砕品がミルの中で舞い上がることがなく粉砕効率が高い。このため、乾式より湿式の方がより好ましい。
・工程4(造粒工程)
仮焼フェライトの粉砕品に対し、水、バインダーと、必要に応じて、細孔調整剤を加える。細孔調整剤としては、発泡剤や樹脂微粒子が挙げられる。発泡剤として、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸アンモニウムが挙げられる。樹脂微粒子として、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体のようなスチレン共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂;脂肪族多価アルコール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール類及びジフェノール類から選択されるモノマーを構造単位として有するポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂の微粒子が挙げられる。
上記バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが用いられる。
工程3において、湿式で粉砕した場合は、フェライトスラリー中に含まれている水も考慮し、バインダーと必要に応じて細孔調整剤を加えることが好ましい。
得られたフェライトスラリーを、噴霧乾燥機を用い、100~200℃の加温雰囲気下で、乾燥・造粒する。噴霧乾燥機としては、所望の多孔質磁性コア粒子の粒径が得られれば特に限定されない。例えば、スプレードライヤーが使用できる。
・工程5(本焼成工程)
次に、造粒品を800~1400℃で1~24時間焼成する。
焼成温度を上げ、焼成時間を長くすることで、多孔質磁性コア粒子の焼成が進み、その結果、細孔径は小さく、かつ、細孔の数も減る。
・工程6(選別工程)
以上の様に焼成した粒子を解砕した後に、必要に応じて、分級や篩で篩分して粗大粒子や微粒子を除去してもよい。
磁性コア粒子の体積分布基準50%粒径(D50)は、18.0~68.0μmであることが、画像へのキャリア付着とガサツキの抑制のためより好ましい。
・工程7(充填工程)
多孔質磁性コア粒子は、内部の細孔容積によっては物理的強度が低くなることがあり、磁性キャリアとしての物理的強度を高めるために、多孔質磁性コア粒子の空孔の少なくとも一部に樹脂の充填を行うことが好ましい。多孔質磁性コア粒子に充填される樹脂の量としては、多孔質磁性コア粒子に対して2~15質量%であることが好ましい。磁性キャリア毎の樹脂含有量にバラつきが少なければ、内部空隙内の一部にのみ樹脂が充填されていても、多孔質磁性コア粒子の表面近傍の空隙にのみ樹脂が充填され内部に空隙が残っていても、内部空隙が完全に樹脂で充填されていてもよい。
多孔質磁性コア粒子の空孔に、樹脂を充填する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、及び流動床のような塗布方法により多孔質磁性コア粒子を樹脂溶液に含浸させ、その後、溶剤を揮発させる方法が挙げられる。多孔質磁性コア粒子の空隙に樹脂を充填させる方法としては、樹脂を溶剤に希釈し、これを多孔質磁性コア粒子の空隙に添加する方法が採用できる。ここで用いられる溶剤は、樹脂を溶解できるものであればよい。有機溶剤に可溶な樹脂である場合は、有機溶剤として、トルエン、キシレン、セルソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノールが挙げられる。また、水溶性の樹脂又はエマルジョンタイプの樹脂である場合には、溶剤として水を用いればよい。
樹脂溶液における樹脂固形分の量は、好ましくは1~50質量%であり、より好ましくは1~30質量%である。上記の範囲内であれば、多孔質磁性コア粒子の空隙に樹脂溶液が均一に浸透しやすく、また、多孔質磁性コア粒子への樹脂の付着力が適度となる。
多孔質磁性コア粒子の空隙に充填する樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のどちらを用いてもかまわない。多孔質磁性コア粒子に対する親和性が高いものであることが好ましく、親和性が高い樹脂を用いた場合には、多孔質磁性コア粒子の空隙への樹脂の充填時に、同時に多孔質磁性コア粒子表面も樹脂で覆うこともできる。
充填する樹脂として、熱可塑性樹脂としては、以下のものが挙げられる。ノボラック樹脂、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリアリレート、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、以下のものが挙げられる。フェノール系樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、などが挙げられる。
磁性キャリアコア粒子の表面には、アミノ基が存在している。磁性キャリアコア粒子の表面にアミノ基が存在していることによって、被覆樹脂層に含まれる式(1)で表される化合物との相互作用が生じ、本発明の効果が発現するものである。
磁性キャリアコア粒子表面に存在しているアミノ基の存在量は、X線光電子分光法(XPS)を利用して磁性キャリアコア表面の元素分析を行い、それに基づき、N元素含有率を求めることで確認できる。N元素含有率0.50質量%以上7.00質量%以下が好ましく、1.00質量%以上5.00質量%以下であることがさらに好ましい。磁性キャリアコア表面のN元素含有率が0.50質量%以上であると、式(1)で示される化合物の配向状態が良好となり、高温高湿下で画像濃度の変化が抑制される傾向にある。磁性キャリアコア表面のN元素含有率が7.00質量%以下であると、低温低湿下での過剰帯電が抑制されるため、低温低湿下で画像濃度の変化が抑制される傾向にある。
磁性キャリアコア粒子表面にアミノ基を存在させる方法としては、アミノ基を有するシランカップリング剤で、処理前粒子の表面を処理する方法が好ましい。詳細には、温度60~80℃の加熱下で、トルエンなどの有機溶剤で10倍程度に希釈したアミノ基を有するシランカップリング剤を、磁性キャリアコア粒子表面に塗布し、その後、窒素雰囲気下、温度140~160℃で1~3時間加熱すればよい。アミノ基を有するシランカップリング剤としては、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシランを例示することができる。
<磁性キャリア>
本発明の磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子の表面上に、樹脂被覆層を有する。
本発明の磁性キャリアコア粒子の表面を樹脂で被覆する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、乾式法、及び流動床のような塗布方法により被覆する方法が挙げられる。
また、樹脂被覆層に導電性を有する粒子や荷電制御性を有する粒子や材料を含有させて用いてもよい。導電性を有する粒子としては、カーボンブラック、マグネタイト、グラファイト、酸化亜鉛、酸化錫が挙げられる。
導電性を有する粒子の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが磁性キャリアの抵抗を調整するためには好ましい。
荷電制御性を有する粒子としては、有機金属錯体の粒子、有機金属塩の粒子、キレート化合物の粒子、モノアゾ金属錯体の粒子、アセチルアセトン金属錯体の粒子、ヒドロキシカルボン酸金属錯体の粒子、ポリカルボン酸金属錯体の粒子、ポリオール金属錯体の粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂の粒子、ポリスチレン樹脂の粒子、メラミン樹脂の粒子、フェノール樹脂の粒子、ナイロン樹脂の粒子、シリカの粒子、酸化チタンの粒子、アルミナの粒子など挙げられる。荷電制御性を有する粒子の添加量としては、被覆樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上50.0質量部以下であることが摩擦帯電量を調整するためには好ましい。
磁性キャリアは、500V印加時の電流値が10.0μA以上100.0μA以下であることが好ましい。電流値が10.0μA以上では、画像面内の濃度ムラや文字品位の低下がより抑制され、電流値が100.0μA以下であると、十分に帯電されていないトナーが非画像部に転移してしまう、いわゆる「カブリ」の発生が抑制される。
磁性キャリアの比抵抗は、電界強度2000V/cmにおける比抵抗値が1.0×10Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であることが好ましい。比抵抗値が1.0×10Ω・cm以上では、「カブリ」の発生が抑制され、比抵抗値が1.0×1010Ω・cm以下の場合、画像面内の濃度ムラや文字品位の低下がより抑制される。
<トナー>
次に、好ましいトナーの構成を以下に詳述する。
トナーは、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有する。
結着樹脂としては、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でもビニル樹脂とポリエステル樹脂が帯電性や定着性でより好ましい。特にポリエステル樹脂が好ましい。また、結着樹脂は、異なる種類や異なる物性(分子量、酸価など)を有する樹脂を併用してもよい。
結着樹脂のガラス転移温度は好ましくは45~80℃、より好ましくは55~70℃である。数平均分子量(Mn)は2,500~50,000であることが好ましく、重量平均分子量(Mw)は10,000~1,000,000であることが好ましい。
トナーの可塑効果を促進し、低温定着性を向上させる目的で、トナーに結晶性ポリエステル樹脂を添加してもよい。
結晶性ポリエステルとしては、炭素数2~22の脂肪族ジオールと、炭素数2~22の脂肪族ジカルボン酸とを主成分として含む単量体組成物の重縮合体が例としてあげられる。
炭素数2~22(より好ましくは炭素数6~12)の脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジオールであることが好ましい。これらの中でも、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、及び1,6-ヘキサンジオールのような直鎖脂肪族、α,ω-ジオールが好ましく例示される。
アルコール成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数2~22の脂肪族ジオールから選ばれるアルコールである。
脂肪族ジオール以外の多価アルコールを用いることもできる。多価アルコールのうち2価アルコールとしては、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等の芳香族アルコール;1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
3価以上の多価アルコールとしては、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセリン、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の脂肪族アルコール等が挙げられる。
さらに、結晶性ポリエステルの特性を損なわない程度に1価のアルコールを用いてもよい。
一方、炭素数2以上22以下(より好ましくは炭素数6以上12以下)の脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。これらの酸無水物又は低級アルキルエステルを加水分解したものなども含まれる。
カルボン酸成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸から選ばれるカルボン酸である。
炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸以外の多価カルボン酸を用いることもできる。その他の多価カルボン酸単量体のうち、2価のカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸;n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸の脂肪族カルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステルなども含まれる。
また、3価以上の多価カルボン酸としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、等の脂肪族カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステル等の誘導体等も含まれる。
さらに、結晶性ポリエステルの特性を損なわない程度に1価のカルボン酸を含有していてもよい。
結晶性ポリエステルは、通常のポリエステル合成法に従って製造することができる。例えば、前記したカルボン酸単量体とアルコール単量体とをエステル化反応、又はエステル交換反応せしめた後、減圧下または窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応させることで所望の結晶性ポリエステルを得ることができる。
結晶性ポリエステルの使用量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1~30質量部であり、より好ましくは0.5~20質量部であり、さらに好ましくは3~15質量部である。
本発明で使用される着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調整したものが挙げられる。
マゼンタトナー用着色顔料しては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254、269;C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。
着色剤には、顔料単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点から好ましい。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料。
シアントナー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチルを1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料。
イエロー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74,83、93、95、97,109、110、111、120、127、128、129、147、155、168、174、180、181、185、191;C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162などの染料も使用することができる。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1~30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~20質量部であり、特に好ましくは3~15質量部である。
本発明のトナーは、その帯電性をさらに安定化させる為に必要に応じて荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤は、結着樹脂100質量部当り0.5~10質量部使用するのが好ましい。
荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
トナーを負帯電性に制御する負荷電性制御剤として、例えば有機金属錯体又はキレート化合物が有効である。モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体が挙げられる。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、その無水物、又はそのエステル類、又は、ビスフェノールのフェノール誘導体類が挙げられる。
トナーを正帯電性に制御する正荷電性制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム-1-ヒドロキシ-4-ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのキレート顔料として、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物等)、高級脂肪酸の金属塩として、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキシド等のジオルガノスズオキサイドやジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレートが挙げられる。
本発明において、離型剤を、トナー粒子中に含有させてもかまわない。離型剤としては次のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスが好ましく使用できる。また、酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
離型剤の量は、結着樹脂100質量部あたり0.1~20質量部が好ましく、0.5~10質量部がより好ましい。
また、離型剤の示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の最大吸熱ピーク温度で規定される融点は、65~130℃であることが好ましい。より好ましくは80~125℃であることがよい。
トナーには、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得る微粉体を流動性向上剤として用いてもかまわない。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ等をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施し、疎水化処理したものであり、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30~80の範囲の値を示すように処理したものが特に好ましい。
外添剤は、トナー100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.2~8質量部である。
<二成分系現像剤>
トナーと磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、二成分系現像剤中のトナー濃度として、2~15質量%であることが好ましく、より好ましくは4~13質量%である。
また、現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低下に応じて現像器に補給するための補給用現像剤では、補給用磁性キャリア1質量部に対して、トナーを2質量部以上50質量部以下含有させることが好ましい。
<画像形成方法/画像形成装置>
次に本発明の磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤を用いる現像装置を備えた画像形成装置について例を挙げて説明する。
一般的な画像形成方法においては、静電潜像担持体を帯電する帯電工程、前記静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像を二成分系現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程、前記トナー像を中間転写体を介して又は介さずに、転写材に転写する転写工程、及び転写された前記トナー像を前記転写材に定着する定着工程を経て画像形成が行われる。
また、現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低減に応じて、補給用現像剤が現像器に補給され、現像器内で過剰になった磁性キャリアを必要に応じて現像器から排出するという制御を行ってもよい。
以下、図面を用いてより詳細に説明する。図1おいて、静電潜像担持体1は図中矢印方向に回転する。静電潜像担持体1は帯電手段である帯電器2により帯電され、帯電した静電潜像担持体1表面には、静電潜像形成手段である露光器3により露光させ、静電潜像を形成する。現像器4は、二成分系現像剤を収容する現像容器5を有し、現像剤担持体6は回転可能な状態で配置され、且つ、現像剤担持体6内部に磁界発生手段をしてマグネット7を内包している。マグネット7の少なくとも一つは潜像担持体に対して対向の位置になるように設置されている。二成分系現像剤は、マグネット7の磁界により現像剤担持体6上に保持され、規制部材8により、二成分系現像剤量が規制され、静電潜像担持体1と対向する現像部に搬送される。現像部においては、マグネット7の発生する磁界により磁気ブラシを形成する。その後、直流電界に交番電界を重畳してなる現像バイアスを印加することにより静電潜像はトナー像として可視像化される。静電潜像担持体1上に形成されたトナー像は、転写帯電器11によって記録媒体12に静電的に転写される。ここで、図2に示すように、静電潜像担持体1から中間転写体9に一旦転写し、その後、転写材(記録媒体)12へ静電的に転写してもよい。その後記録媒体12は、定着器13に搬送され、ここで加熱、加圧されることにより、記録媒体12上にトナーが定着される。その後、記録媒体12は、出力画像として装置外へ排出される。尚、転写工程後、静電潜像担持体1上に残留したトナーは、クリーナー15により除去される。その後、クリーナー15により清掃された静電潜像担持体1は、前露光16からの光照射により電気的に初期化され、上記画像形成動作が繰り返される。
図2は、フルカラー画像形成装置の概略図の一例を示す。
図中のK、Y、C、Mなどの画像形成ユニットの並びや回転方向を示す矢印は何らこれに限定されるものではない。ちなみにKはブラック、Yはイエロー、Cはシアン、Mはマゼンタを意味している。図2において、静電潜像担持体1K、1Y、1C、1Mは図中矢印方向に回転する。各静電潜像担持体は帯電手段である帯電器2K、2Y、2C、2Mにより帯電され、帯電した各静電潜像担持体表面には、静電潜像形成手段である露光器3K、3Y、3C、3Mにより露光し、静電潜像を形成する。その後、現像手段である現像器4K、4Y、4C、4Mに具備される現像剤担持体6K、6Y、6C、6M上に担持された二成分系現像剤により静電潜像はトナー像として可視像化される。さらに転写手段である中間転写帯電器10K、10Y、10C、10Mにより中間転写体9に転写される。さらに転写手段である転写帯電器11により、記録媒体12に転写され、記録媒体12は、定着手段である定着器13により加熱圧力定着され、画像として出力される。そして、中間転写体9のクリーニング部材である中間転写体クリーナー14は、転写残トナーなどを回収する。本発明の現像方法としては、具体的には、現像剤担持体に交流電圧を印加して、現像領域に交番電界を形成しつつ、磁気ブラシが感光体に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)6と感光ドラムとの距離(S-D間距離)は、100~1000μmであることが、キャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。
交番電界のピーク間の電圧(Vpp)は300~3000V、好ましくは500~1800Vである。また周波数は500~10000Hz、好ましくは1000~7000Hzであり、それぞれプロセスにより適宜選択して用いることができる。この場合、交番電界を形成するための交流バイアスの波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形が挙げられる。ときにトナー像の形成速度の変化に対応するためには、非連続の交流バイアス電圧を有する現像バイアス電圧(断続的な交番重畳電圧)を現像剤担持体に印加して現像を行うことが好ましい。
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにも依るが200V以下、より好ましくは150V以下が良い。コントラスト電位としては、十分な画像濃度が出るように100~400Vが好ましく用いられる。
また、静電潜像担感光体としては、公知の感光体を用いることができる。例えば、アルミニウム、SUS等の導電性基体の上に、順に導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、必要に応じて電荷注入層を設ける構成の感光体が挙げられる。導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層は、通常、感光体に用いられるもので良い。感光体の最表面層として、例えば電荷注入層あるいは保護層を用いてもよい。
<測定方法>
次に、本発明において規定される各物性の測定方法について記載する。
(i)磁性キャリア粒子、磁性キャリアコア粒子の比抵抗測定
磁性キャリア粒子及び磁性キャリアコア粒子の比抵抗は、図3に概略される測定装置を用いて測定する。なお、磁性キャリアは電界強度2000(V/cm)、多孔質磁性コアは電界強度300(V/cm)における比抵抗を測定する。
抵抗測定セルAは、断面積2.4cmの穴の開いた円筒状容器(PTFE樹脂製)17、下部電極(ステンレス製)18、支持台座(PTFE樹脂製)19、上部電極(ステンレス製)20から構成される。支持台座19上に円筒状容器18を載せ、試料(磁性キャリア又はキャリアコア)21を厚さ約1mmになるように充填し、充填された試料5に上部電極20を載せ、試料の厚みを測定する。図3(a)に示す如く、試料のないときの間隙をd1とし、図3(b)に示す如く、厚さ約1mmになるように試料を充填したときの間隙d2とすると、試料の厚みdは下記式で算出される。
d=d2-d1(mm)
試料の厚みdが0.95mm以上1.04mm以下となるように、試料の質量は適宜調整される。
電極間に直流電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって試料の比抵抗を求めることができる。測定には、エレクトロメーター22(ケスレー6517A ケスレー社製)及び制御用に処理コンピュータ23を用いる。
制御用の処理コンピュータにナショナルインスツルメンツ社製の制御系と制御ソフトウエア(LabVEIW ナショナルインスツルメンツ社製)を用いた。
測定条件として、試料と電極との接触面積S=2.4cm、試料の厚み0.95mm以上1.04mm以下になるように実測した値dを入力する。また、上部電極の荷重270g、最大印加電圧1000Vとする。
比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
磁性キャリア粒子及び磁性キャリアコア粒子の前記電界強度における比抵抗は、グラフ上の前記電界強度における比抵抗をグラフから読み取る。
(ii)磁性キャリア粒子、磁性キャリアコア粒子の体積平均粒径(D50)の測定方法
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
体積平均粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33L/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積平均の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3-202D)を用いて行う。測定条件は下記の通りである。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81%
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :23℃、50%RH
(iii)多孔質磁性コアの細孔径及び細孔容積の測定
多孔質磁性コアの細孔径分布は、水銀圧入法により測定される。
測定原理は、以下の通りである。
本測定では、水銀に加える圧力を変化させ、その際の細孔中に浸入した水銀の量を測定する。細孔内に水銀が浸入し得る条件は、圧力P、細孔直径D、水銀の接触角と表面張力をそれぞれθとσとすると、力の釣り合いから、PD=-4σCOSθで表せる。接触角と表面張力を定数とすれば、圧力Pとそのとき水銀が浸入し得る細孔直径Dは反比例することになる。このため、圧力Pとそのときに浸入液量Vを、圧力を変えて測定し得られる、P-V曲線の横軸Pを、そのままこの式から細孔直径に置き換え、細孔分布を求めている。
測定装置としては、ユアサアイオニクス社製、全自動多機能水銀ポロシメータPoreMasterシリーズ・PoreMaster-GTシリーズや、島津製作所社製、自動ポロシメータオートポアIV 9500 シリーズ等を用いて測定することができる。
具体的には、株式会社 島津製作所社のオートポアIV9520を用いて、下記条件・手順にて測定を行った。
測定条件
測定環境 20℃
測定セル 試料体積 5cm、圧入体積 1.1cm、用途 粉体用
測定範囲 2.0psia(13.8kPa)以上、59989.6psia(413.7kPa)以下
測定ステップ 80ステップ
(細孔径を対数で取った時に、等間隔になるようにステップを刻む)
圧入パラメータ 排気圧力 50μmHg
排気時間 5.0min
水銀注入圧力 2.0psia(13.8kPa)
平衡時間 5secs
高圧パラメータ 平衡時間 5secs
水銀パラメータ 前進接触角 130.0degrees
後退接触角 130.0degrees
表面張力 485.0mN/m(485.0dynes/cm)
水銀密度 13.5335g/mL
測定手順
(1)多孔質磁性コアを、約1.0g秤量し試料セルに入れる。秤量値を入力する。
(2)低圧部で、2.0psia(13.8kPa)以上、45.8psia(315.6kPa)以下の範囲を測定。
(3)高圧部で、45.9psia(316.3kPa)以上、59989.6psia(413.6kPa)以下の範囲を測定。
(4)水銀注入圧力及び水銀注入量から、細孔径分布を算出する。
(2)、(3)、(4)は、装置付属のソフトウエアにて、自動で行った。
上記の様にして計測した細孔径分布から、0.1~3.0μmの細孔径の範囲における微分細孔容積が最大となる細孔径を読み取り、それをもって、微分細孔容積が極大となる細孔径とする。
また、0.1~3.0μmの細孔径の範囲における微分細孔容積を積分した細孔容積を、付属のソフトウエアを用いて算出し、細孔容積とした。
(iv)磁性キャリアからの樹脂被覆層の分離及び樹脂被覆層中の樹脂A及びBの分取
磁性キャリアから樹脂被覆層を分離する方法としては、磁性キャリアをカップに取り、トルエンを用いて被覆用樹脂を溶出させる方法がある。
溶出させた樹脂を乾固させたのち、テトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、以下の装置を用いて分取する。
[装置構成]
LC-908(日本分析工業株式会社製)
JRS-86(同社;リピートインジェクタ)
JAR-2(同社;オートサンプラー)
FC-201(ギルソン社;フラクッションコレクタ)
[カラム構成]
JAIGEL-1H~5H(20φ×600mm:分取カラム)(日本分析工業株式会社製)
[測定条件]
温度:40℃
溶媒:THF
流量:5mL/min.
検出器:RI
被覆用樹脂の分子量分布に基づき、下記方法で特定した樹脂構成を用いて、樹脂A、被覆用樹脂Bのピーク分子量(Mp)となる溶出時間を予め測定し、その前後でそれぞれの樹脂成分を分取する。その後溶剤を除去し、乾燥させ、樹脂A、樹脂Bを得る。
なお、フーリエ変換赤外分光分析装置(Spectrum One:PerkinElmer社製)を用いて吸光波数から原子団を特定し、樹脂A、樹脂Bの樹脂構成を特定することができる。
(v)樹脂被覆層における、樹脂A、樹脂B及び樹脂被覆層の重量平均分子量(Mw)、ピーク分子量(Mp)及び含有量比の測定
樹脂A、樹脂B、及び樹脂被覆層に含有される樹脂全体の重量平均分子量(Mw)及びピーク分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下の手順で測定する。
まず、測定試料は以下のようにして作製する。
試料(磁性キャリアから分離した被覆用樹脂、分取装置で分取した樹脂A及び樹脂B)と、テトラヒドロフラン(THF)とを5mg/mLの濃度で混合し、室温にて24時間静置して、試料をTHFに溶解した。その後、サンプル処理フィルター(マイショリディスクH-25-2 東ソー社製)を通過させたものをGPCの試料とする。
次に、GPC測定装置(HLC-8120GPC 東ソー社製)を用い、前記装置の操作マニュアルに従い、下記の測定条件で測定する。
(測定条件)
装置:高速GPC「HLC8120 GPC」(東ソー社製)
カラム:Shodex KF-801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :THF
流速 :1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量 :0.10mL
また、試料の重量平均分子量(Mw)及びピーク分子量(Mp)の算出にあたって、検量線は、標準ポリスチレン樹脂(東ソー社製TSK スタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500)により作成した分子量較正曲線を使用する。
また、含有量比については、分子量分布測定のピーク面積比により求める。図5のように、領域1と領域2が完全に分かれているものは、それぞれの領域の面積比から、樹脂の含有量比を求める。図6のように、それぞれの領域が重なる場合は、GPC分子量分布曲線の変極点から垂直に横軸に降ろした線で分割し、図6に示す領域1と領域2の面積比から含有量比を求める。
(vi)XPSによるN元素含有率の測定法
インジウム箔上に上記手順により樹脂被覆層を取り除いた磁性キャリア粒子を張り付ける。その際、インジウム箔部が露出しないように粒子を均一に張り付ける。XPS分析の測定条件は以下の通りである。
装置 :PHI5000VERSAPROBE II(アルバック・ファイ株式会社)
照射線 :Al Kd線
出力 :25W 15kV
PassEnergy:29.35eV
Stepsize :0.125eV
XPSピーク:C2P、N2P、O2P、Fe2P、Si2D
それぞれのピークから算出したN元素の元素%を質量%に換算したものをN元素含有率とする。
(vii)電流値の測定
磁性キャリアを800g秤量し、温度20~26℃、湿度50~60%RHの環境に15分以上暴露した。その後、図4示すマグネットローラーとAl素管を電極とし、その間隔を4.5mmに配置した電流値測定装置を用いて印加電圧500Vにて測定した。
(viii)重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)の測定方法
重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いた。実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れる。この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、分析/個数統計値(算術平均)画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
(ix)粒径4.0μm以下の粒子の存在率の算出方法
トナー中の4.0μm以下の粒子の存在率(個数%)は、前記のMultisizer 3の測定を行った後、(1)専用ソフトでグラフ/個数%に設定して測定結果のチャートを個数%表示とする。(2)書式/粒径/粒径統計画面における粒径設定部分の「<」にチェック、その下の粒径入力部に「4」を入力する。そして、(3)分析/個数統計値(算術平均)画面を表示したときの「<4μm」表示部の数値が、トナー中の4.0μm以下の粒子の存在率(個数%)である。
(x)粒径10.0μm以上の粒子の存在率の算出方法
トナー中の10.0μm以上の粒子の存在率(体積%)は、前記のMultisizer 3の測定を行った後、(1)専用ソフトでグラフ/体積%に設定して測定結果のチャートを体積%表示とする。(2)書式/粒径/粒径統計画面における粒径設定部分の「>」にチェック、その下の粒径入力部に「10」を入力する。そして、(3)分析/体積統計値(算術平均)画面を表示したときの「>10μm」表示部の数値が、トナー中の10.0μm以上の粒子の存在率(体積%)である。
以下、実施例を参照して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
<充填樹脂1および2の製造>
樹脂成分としてのメチルシリコーンオリゴマー(KR-400:信越シリコーン(株)社製)と、添加剤としてのγ-アミノプロピルトリエトキシシラン(KBM-903:信越シリコーン(株)社製)とを、表1に記載の比率で混合することで、充填樹脂1および2を得た。
Figure 0007224812000006
<樹脂A-1の製造例>
表2に記載の原料(合計100.0部)を、還流冷却器、温度計、窒素吸い込み管及びすり合わせ方式撹拌装置を配した4ツ口フラスコに添加し、更にトルエン100.0部、メチルエチルケトン100.0部、アゾビスイソバレロニトリル2.4部を加え、窒素気流下80℃で10時間保ち、重合を完了させた。その後、溶媒を除去し、樹脂A-1を得た。
Figure 0007224812000007
<樹脂B-1の製造例>
オートクレーブにキシレン500質量部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で185℃まで昇温した。表3に記載の原料と、ジ-t-ブチルパーオキサイド50質量部、およびキシレン200質量部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を185℃にコントロールしながら、3時間連続的に滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完了させ、溶媒を除去し、樹脂B-1を得た。
Figure 0007224812000008
<磁性キャリアコア粒子1の製造例>
・工程1(秤量・混合工程)
Fe 68.3質量%
MnCO 28.5質量%
Mg(OH) 2.0質量%
SrCO 1.2質量%
上記フェライト原材料を秤量し、フェライト原料80質量部に水20質量部を加え、その後、直径(φ)10mmのジルコニアを用いてボールミルで3時間湿式混合しスラリーを調製した。スラリーの固形分濃度は、80質量%とした。
・工程2(仮焼成工程)
混合したスラリーをスプレードライヤー(大川原化工機社製)により乾燥した後、バッチ式電気炉で、窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)、温度1050℃で3.0時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
・工程3(粉砕工程)
仮焼フェライトをクラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、水を加え、スラリーを調製した。スラリーの固形分濃度を70質量%とした。1/8インチのステンレスビーズを用いた湿式ボールミルで3時間粉砕し、スラリーを得た。さらにこのスラリーを直径1mmのジルコニアを用いた湿式ビーズミルで4時間粉砕し、体積基準の50%粒子径(D50)が1.3μm仮焼フェライトスラリーを得た。
・工程4(造粒工程)
上記仮焼フェライトスラリーに、100質量部に対し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール1.5質量部の割合で添加した後、スプレードライヤー(大川原化工機社製)で球状粒子に造粒、乾燥した。得られた造粒物に対して、粒度調整を行った後、ロータリー式電気炉を用いて700℃で2時間加熱し、分散剤やバインダー等の有機物を除去した。
・工程5(焼成工程)
窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)で、室温から焼成温度(1100℃)になるまでの時間を2時間とし、温度1100℃で4時間保持し、焼成した。その後、8時間をかけて温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程)
凝集した粒子を解砕した後に、目開き150μmの篩で篩分して粗大粒子を除去、風力分級を行って微粉を除去し、さらに磁力選鉱により低磁力分を除去して多孔質磁性コア粒子を得た。得られた多孔質磁性コア粒子は、多孔質粒子であり、細孔径は0.60μm、細孔容積は75mm/gであった。
多孔質磁性コア粒子を100質量部、混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌機NDMV型)の撹拌容器内に入れ、60℃に温度を保ち、常圧で充填樹脂1を5質量部滴下した。
滴下終了後、時間を調整しながら撹拌を続け、70℃まで温度を上げ、多孔質磁性コア粒子内に樹脂組成物を充填した。
冷却後、得られた樹脂充填型磁性コア粒子を、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD-AT型)に移し、窒素雰囲気下で、2℃/分の昇温速度で、攪拌しながら140℃まで上昇させた。その後140℃で50分間加熱撹拌を続けた。
その後、室温まで冷却し、樹脂が充填、硬化されたフェライト粒子を取り出し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。さらに、振動篩にて粗大粒子を取り除いたのち、遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に投入し、スクリュー状の撹拌羽根を、公転を1分間に3.5回転させ、自転を1分間に100回転させながら撹拌し、窒素を流量0.1m/minでフローさせ、減圧状態(75mmHg)に調整した。温度70℃に加熱した後、トルエンで10倍に希釈したγ-アミノプロピルトリエトキシシランを、装置内の樹脂充填キャリア粒子100質量部に対して0.50質量部投入した。20分間塗布操作を行い、その後回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD-AT型)に移した。混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度150℃で2時間熱処理し、アミノ基を表面に有し、樹脂が充填された磁性キャリアコア粒子1を得た。尚、得られた磁性キャリアコア粒子1におけるN元素含有率は3.0%であった。詳細を表4に示す。
<磁性キャリアコア粒子2~12>
表4に示すように材料の種類、添加量を変えた以外は磁性キャリアコア粒子1の製造例と同様にして、磁性キャリアコア粒子2~12を得た。
Figure 0007224812000009
<磁性キャリア1の製造例>
・磁性キャリアコア粒子1 100質量部
・樹脂A-1 1.40質量部
・樹脂B-1 0.60質量部
・n-オクチルトリエトキシシラン 0.20質量部
樹脂成分(樹脂A-1、樹脂B-1の合計)が5質量%になるようにトルエンで希釈し、さらにn-オクチルトリエトキシシランを添加したのち充分に攪拌して、樹脂溶液を調製した。その後、温度60℃で維持されている遊星運動型混合機(ホソカワミクロン社製のナウタミキサVN型)に、100部の磁性キャリアコア粒子1を入れ、上記の樹脂溶液の1/2の量を投入した。30分間溶媒除去及び塗布操作を行った後、樹脂溶液の残りを投入し、40分間溶媒除去及び塗布操作を行った。
その後、樹脂被覆層で被覆された粒子を、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD-AT型)に移し、混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下にて温度120℃で2時間熱処理した。得られた粒子に対して磁力選鉱を行って低磁力品を分別し、開口150μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、磁性キャリア1を得た。
<磁性キャリア2~26の製造例>
表5に示すように材料の種類、添加量を変えた以外は磁性キャリアの製造例1と同様にして、磁性キャリア2~26を得た。
Figure 0007224812000010
<トナーの製造例>
・結着樹脂(ポリエステル) 100質量部
(Tg:57℃、酸価:12mgKOH/g、水酸基価:15mgKOH/g)
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.5質量部
・3,5-ジ-t-ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.2質量部
・ノルマルパラフィンワックス(融点:90℃) 6.0質量部
上記の材料を、ヘンシェルミキサー(FM-75J型、日本コークス工業(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(商品名:PCM-30型、池貝鉄鋼(株)製)にて、10kg/hrのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(商品名:T-250、ターボ工業(株)製)にて、15kg/hrのFeed量で微粉砕した。こうして、重量平均粒径が5.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子を55.6個数%含有し、粒径10.0μm以上の粒子を0.8体積%含有する粒子を得た。
得られた粒子を回転式分級機(商品名:TTSP100、ホソカワミクロン(株)製)にて、微粉及び粗粉をカットする分級を行った。こうして、重量平均粒径が6.0μmであり、粒径4.0μm以下の粒子の存在率が27.8個数%、かつ粒径10.0μm以上の粒子の存在率が2.2体積%であるシアントナー粒子1を得た。
さらに、下記材料をヘンシェルミキサー(商品名:FM-75J型、日本コークス工業(株)製)に投入し、回転羽根の周速を35.0(m/秒)とし、混合時間3分で混合することにより、シアントナー1を得た。
・シアントナー粒子1: 100質量部
・シリカ粒子: 0.5質量部
(一次粒子の個数平均粒径が10nmのシリカ粒子にヘキサメチルジシラザンで表面処理したもの)
・酸化チタン粒子: 0.5質量部
(一次粒子の個数平均粒径が30nmのメタチタン酸をオクチルシラン化合物で表面処理したもの)
<二成分系現像剤の調製>
磁性キャリア1~26とトナー1を用いて、トナー濃度が8%となるように、振とう機(YS-8D型:(株)ヤヨイ製)にて振とうし、二成分系現像剤1~26を調製した。振とう機の振とう条件は200rpm、2分間とした。
一方、1質量部の磁性キャリア1~26に対し、トナー1を9質量部加え、V型混合機により5分間混合し、補給用現像剤1~26を調製した。
<実施例1~20、比較例1~6>
調製された二成分系現像剤および補給用現像剤を用いて以下の評価を行った。尚、実施例9~20は参考例として記載するものである。
画像形成装置として、キヤノン製カラー複写機imagePRESS C850 改造機を用いた。
尚、画像形成に際しては、シアン色の現像器に入っている現像剤を上記の二成分系現像剤1~26に入れ替え、また、シアン色の補給用現像剤容器に入っている補給用現像剤を上記の補給用現像剤1~26に入れ替えた。また、改造点は以下のとおりである。
(1)現像コントラストを任意値で調整可能にし、本体による自動補正が作動しないように改造した。
(2)現像バイアスの交流成分を、周波数2.0kHzとし、ピーク間の電圧(Vpp)を0.7kVから1.8kVまで0.1kV刻みで変更できるように改造した。
(3)単色で画像形成できるように改造した。
上記の改造機を用い、転写紙として、レーザービームプリンター用紙CS-814(81.4g/m)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社から入手可能)を用いて、シアン色単色で画像形成を行い、以下の評価試験を行った。
画像形成には、画像比率1%のFFH出力のチャートを用いた。FFHとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFHが256階調の256階調目(ベタ部)である。
N/L環境(温度23℃/湿度5RH%)下或いはH/H環境(温度30℃/湿度80RH%)下で、転写紙(CS-814)に15mm×15mmの大きさのFFH画像(紙上のトナー載り量:0.35mg/cm)を、紙の中央部および端部の計9か所に出力した。各画像の中央部の濃度をX-Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X-Rite 404A)により測定して、得られた画像濃度の平均値を求めた。さらに、同環境において画像比率1%のFFH出力のチャートで10,000枚出力を行った後、出力を行う前と同様にして評価画像の出力を行い、得られた画像濃度の平均値を求めた。同様にして、総出力枚数が50,000枚になるまで、10,000枚ごとに画像濃度の平均値を求めた。得られた6つの平均値のうちの最大値と最小値との差を算出し、以下の基準により評価した。評価結果を表6に示す。
<評価基準>
A:差が0.02以下
B:差が0.02より大きく0.05以下
C:差が0.05より大きく0.08以下
D:差が0.08より大きく0.10以下
E:差が0.10より大きく0.13以下
F:差が0.13より大きく0.15以下
G:差が0.15より大きく0.20以下
H:差が0.20より大きい
Figure 0007224812000011
1、1K、1Y、1C、1M 静電潜像担持体
2、2K、2Y、2C、2M 帯電器
3、3K、3Y、3C、3M 露光器
4、4K、4Y、4C、4M 現像器
5 現像容器
6、6K、6Y、6C、6M 現像剤担持体
7 マグネット
8 規制部材
9 中間転写体
10K、10Y、10C、10M 中間転写帯電器
11 転写帯電器
12 転写材(記録媒体)
13 定着器
14 中間転写体クリーナー
15、15K、15Y、15C、15M クリーナー
16 前露光
17 円筒状容器
18 下部電極
19 支持台座
20 上部電極
21 磁性キャリア又はキャリアコア
22 エレクトロメーター
23 処理コンピュータ
d1 試料が無い時の間隙
d2 試料を充填した時の間隙

Claims (9)

  1. 表面にアミノ基を有する磁性キャリアコア粒子と、前記磁性キャリアコア粒子表面上に形成された樹脂被覆層とを有する磁性キャリア粒子を有する磁性キャリアであって、
    前記樹脂被覆層は、ビニル系共重合体と下記式(1)で示される化合物とを含有し、
    前記式(1)で示される化合物の含有量が、前記樹脂被覆層に含まれる樹脂成分100質量部に対して5質量部以上30質量部以下であり、
    X線光電子分光法(XPS)により測定された前記磁性キャリアコア粒子のN元素含有率が0.50質量%以上7.00質量%以下であることを特徴とする磁性キャリア。
    Figure 0007224812000012

    (式中、R1は、炭素数6~12の鎖状アルキル基を表し、R2は、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基を表す。)
  2. 前記式(1)におけるR1が直鎖アルキル基である請求項1に記載のキャリア。
  3. 前記式(1)におけるR1が炭素数が6~10の鎖状アルキル基である請求項1または2に記載のキャリア。
  4. 前記樹脂被覆層が、樹脂A及び樹脂Bを含有し、
    前記樹脂Aが、
    (a)下式(2)で表される脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、
    Figure 0007224812000013

    (Rは、脂環式の炭化水素基を表す。)
    (b)下式(3)で表されるビニル系マクロモノマーと
    Figure 0007224812000014

    (Aは、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びメタクリル酸2-エチルヘキシルからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体から1つの水素原子を除去して形成される1価の基を表す。)
    の共重合体であり、
    前記樹脂Bが、
    (c)スチレン系モノマーと、
    (d)下記式(4)で示される(メタ)アクリル酸エステルモノマーと
    Figure 0007224812000015

    (式中、Rは炭素数2~8の鎖状アルキル基を表す。)
    の共重合体である請求項1乃至のいずれか一項に記載のキャリア。
  5. X線光電子分光法(XPS)により測定された前記磁性キャリアコア粒子のN元素含有率が1.00質量%以上5.00質量%以下である請求項1乃至のいずれか一項に記載のキャリア。
  6. 結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーと、磁性キャリアとを含有する二成分系現像剤であって、
    前記磁性キャリアが請求項1乃至のいずれか一項に記載の磁性キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤。
  7. 静電潜像担持体を帯電する帯電工程、前記静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像を二成分系現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程、前記トナー像を中間転写体を介して又は介さずに、転写材に転写する転写工程、及び転写された前記トナー像を前記転写材に定着する定着工程を有する画像形成方法であって、
    前記二成分系現像剤として、請求項に記載の二成分系現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
  8. 静電潜像担持体を帯電する帯電工程、静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像を現像器内の二成分系現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程、前記トナー像を中間転写体を介して又は介さずに、転写材に転写する転写工程、転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程を有し、現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低減に応じて、補給用現像剤が現像器に補給され、現像器内で過剰になった磁性キャリアが必要に応じて現像器から排出される画像形成方法に使用するための補給用現像剤であって、
    前記補給用現像剤は、補給用磁性キャリアと、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーとを含有し、
    前記補給用現像剤は、前記補給用磁性キャリア1質量部に対して、前記トナーを2質量部以上50質量部以下含有しており、
    前記補給用磁性キャリアは、請求項1乃至のいずれか一項に記載の磁性キャリアであることを特徴とする補給用現像剤。
  9. 静電潜像担持体を帯電する帯電工程、静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像を現像器内の二成分系現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程、前記トナー像を中間転写体を介して又は介さずに、転写材に転写する転写工程、転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程を有し、現像器内の二成分系現像剤のトナー濃度の低減に応じて、補給用現像剤が現像器に補給され、現像器内で過剰になった磁性キャリアが必要に応じて現像器から排出される画像形成方法であって、
    前記補給用現像剤は、補給用磁性キャリアと、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー粒子を有するトナーとを含有し、
    前記補給用現像剤は、前記補給用磁性キャリア1質量部に対して、前記トナーを2質量部以上50質量部以下含有しており、
    前記補給用磁性キャリアは、請求項1乃至のいずれか一項に記載の磁性キャリアであることを特徴とする画像形成方法。
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