JP2013127615A - 磁性体分散型樹脂キャリア、二成分系現像剤及び磁性体分散型樹脂キャリアの製造方法 - Google Patents

磁性体分散型樹脂キャリア、二成分系現像剤及び磁性体分散型樹脂キャリアの製造方法 Download PDF

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直樹 岡本
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龍一郎 松尾
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Abstract

【課題】 小さい現像バイアスで、現像担持体に十分な量のトナーを安定して供給することのできる、磁性体分散型樹脂キャリアを提供することである。
【解決手段】 磁性体分散型樹脂キャリアコアと該磁性体分散型樹脂キャリアコアの表面に樹脂被覆層を有する磁性キャリアであって、
該磁性体分散型樹脂キャリアコア10.0gを9質量%の塩酸15.0gに15分浸漬させた際の溶出液の溶出2価鉄イオン濃度が、200ppm以上、5900ppm以下であることを特徴とする磁性体分散型樹脂キャリア。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電子写真法及び静電記録法に用いられる磁性体分散型樹脂キャリア、二成分系現像剤及び磁性体分散型樹脂キャリアの製造方法に関する。
二成分系現像剤に用いられるキャリアとして、磁性微粒子と結着樹脂とを有する磁性体分散型樹脂キャリアが挙げられる。特許文献1では、重合法によって作製された、酸化鉄粒子粉末と硬化したフェノール樹脂とを有する複合体芯粒子粉末(キャリア)が記載されている。また、該キャリアは、高い電気抵抗値と正帯電性を有し、しかも、被覆樹脂の剥離耐久性に優れることから、耐久性に優れ、安定した摩擦帯電性を有しているので、電子写真現像剤用キャリアとして好適であることが記載されている。
特許文献2には、ポリエステル樹脂と磁性粒子とカーボンブラックとシリカ粒子を混合、混練、粉砕、分級、熱処理したキャリアが記載されている。特許文献2に記載のキャリアは、磁性粒子が3級アミン化合物により表面処理されていることを特徴としており、長期の連続複写によってもキャリア付着やトナー帯電能の低下が起こらず、複写画像上にカブリを生じないという効果を有することが記載されている。
特登録03407542号公報 特登録04196488号公報
トナーの劣化防止、感光体へのキャリア付着の防止、トナーへのストレス軽減、省電力等の観点から、近年では、画像形成における現像バイアスを小さくすることが検討されている。
特許文献1に記載のキャリアは、高い電気抵抗値を示すため、現像時のキャリア付着の防止には、有効である。しかしながら、小さい現像バイアスで画像形成を行う場合、キャリアの高い電気抵抗によって電界強度が減衰し易く、像担持体へ十分な量のトナーを供給することができない場合がある。その結果、該キャリアを含有する現像剤を用いた場合、トナーの現像性が十分に得られない。
また、特許文献2のキャリアは、樹脂と磁性体を混合、混練、粉砕、熱球形化処理したキャリアで、トナーの帯電量を維持することには適しているが、キャリア中の樹脂の比率が高いために、キャリア表面に存在する磁性体が少ない(詳細は後述する)。そのため、トナーの現像担持体への供給が十分でない場合があり、その結果、トナーの現像性が十分に得られない。
本発明の目的は、小さい現像バイアスで、現像担持体に十分な量のトナーを安定して供給することのできる、磁性体分散型樹脂キャリアを提供することである。
本発明は、磁性酸化鉄粒子と結着樹脂を有する磁性体分散型樹脂キャリアコアを有する磁性体分散型樹脂キャリアであって、該磁性体分散型樹脂キャリアコア10.0gを9質量%の塩酸15.0gに15分浸漬させた際の溶出液の溶出2価鉄イオン濃度が、200ppm以上、5900ppm以下であることを特徴とする磁性体分散型樹脂キャリアに関する。
また、該磁性体分散型樹脂キャリアを用いた二成分系現像剤及び該磁性体分散型樹脂キャリアの製造方法に関する。
本発明の目的は、小さい現像バイアスで、現像担持体に十分な量のトナーを安定して供給することのできる、磁性体分散型樹脂キャリアを提供することである。
従来のキャリアにおける電荷の流れ 従来のキャリアにおける電荷の流れ 本発明のキャリアにおける電荷の流れ キャリアコアの表面改質装置の断面図 キャリアコアの表面改質装置の断面図 キャリアコアの表面改質装置の断面図 比抵抗値を測定する装置の概略構成図 二成分現像剤の摩擦帯電量を測定する装置の説明図 フルカラー画像形成装置の概略構成図 図9の画像形成装置に用いられる現像器の拡大構成図
本発明の磁性体分散型樹脂キャリア(以下、「キャリア」「磁性キャリア」と略することがある)は、磁性体分散型樹脂キャリアコア(以下、「キャリアコア」「磁性キャリアコア」と略することがある)と該磁性体分散型樹脂キャリアコアの表面に樹脂被覆層を有する磁性キャリアである。
本発明者らは、前述の問題点を改良すべく種々研究、検討した結果、該磁性分散型樹脂キャリアコア10.0gを9質量%の塩酸15.0gに15分間浸漬させた際の溶出液の溶出2価鉄イオン濃度(以下、溶出2価鉄イオン濃度と記する)が、200ppm以上、5900ppm以下であることを満足することが、諸特性の改良において、有効であることを見いだし、本発明に達したものである。
本発明者らが検討した結果、キャリアコアの溶出2価鉄イオン濃度が上記範囲内であれば、常温、低湿環境で、連続で画像の出力を行っても、小さい現像バイアスで、現像担持体に十分な量のトナーを安定して供給することができることが分かった。
これは、以下のメカニズムによると考えられる。
安定して連続出力できる、とは即ちトナーがキャリアを介して現像剤担持体に連続して飛翔し続けることである。この現象を可能にするためには、トナーと接しているキャリア表面の電位状態が常に安定した状態にあることが必要である。一方、トナーが磁性キャリア表面から感光体に飛翔したとき、磁性キャリア表面には、トナーとは反対の極性の電荷がキャリア被覆層上に発生する。これをカウンターチャージと呼ぶ。トナーがネガ帯電の場合、カウンターチャージはポジとなる(図1、図2を参照)。カウンターチャージがキャリア表面に蓄積すると、トナーとキャリアの静電的付着力が増加すると考えられる。トナーとキャリアの付着力が増加した現像剤からは、トナーが飛翔(現像)しにくくなる。よって、現像性が低下し、結果、画像濃度低下が発生する。さらには、トナーが磁性キャリア表面から離れにくくなるため、補給されたトナーへの帯電付与能力も低下し、トナーの帯電量分布がブロードになり、かぶりが発生する原因ともなる。
一方、本発明のキャリア(図3を参照)は、磁性体分散型樹脂キャリアコア表面の磁性体成分がコア表面に均一に、短い間隔で露出した状態で存在しているため、キャリア被覆層が存在していても、キャリア表面でトナーの飛翔により発生したカウンターチャージを速やかにキャリア内部に引き込む(カウンターチャージ引き込み効果)ことができる。該カウンターチャージは、キャリア内部に引き込まれた後、隣り合う無数のキャリアを通じて、現像剤担持体に流れ、プリンター本体のアースに落ちると考えている。そのため、キャリア表面のカウンターチャージが残存せず、連続出力しても、トナーを安定して飛翔させることができる。
本発明のキャリアは、常温低湿度環境といった、空気中の絶対水分量が少ない環境下であっても、トナー表面に発生する電荷を良好に逃がすことができ、安定した画像形成を行うことができる。
以上の様に、画像欠陥の改良、省エネルギー対応、トナーへのストレス軽減を実現させるために、小さい現像バイアスでの現像が求められる。
該磁性分散型樹脂キャリアコアの溶出2価鉄イオン濃度が200ppmより小さいコアは、磁性体分散型樹脂キャリアコア表面において、樹脂の存在割合が高く、磁性体の露出が少ないことを意味している(図1、図2)。この場合、カウンターチャージ引き込み効果が少ないので、連続出力時においてキャリア被覆層上に生じたカウンターチャージがキャリア表面にとどまってしまうため、トナーとキャリアの静電的付着量が増加すると考えられる。トナーと磁性キャリアの付着量が増加した現像剤からは、トナーが飛翔(現像)しにくくなる。よって、現像性が低下し、結果、画像濃度低下が発生する場合がある。さらには、トナーが磁性キャリア表面から離れにくくなるため、補給されたトナーへの帯電付与能力も低下し、トナーの帯電量分布がブロードになり、かぶりが発生する原因となる場合がある。
該磁性分散型樹脂キャリアコアの溶出2価鉄イオン濃度が5900ppmより大きいコアは、キャリアコア表面で、磁性体が大きく露出していると考えられる。この場合、キャリアコアの磁性体成分が該キャリアコアから外れた状態で存在することもあり、現像バイアス印加時に、電荷のリークが起こり易くなり、感光体上の潜像を乱すことによる画像不良が発生する場合がある。
なお、ここでいう磁性分散型樹脂キャリアコアの溶出2価鉄イオン濃度は下記測定法によって得られた値である。
<キャリアコアの溶出2価鉄元素濃度の測定>
本発明における溶出2価鉄元素濃度の測定方法を以下に記す。
1.市販の濃塩酸(36質量%濃度)を、超純水で4倍に薄めた塩酸(9質量%濃度)を用意し、23℃45%RH環境下に12時間以上放置する。
2.バイアル瓶(30ml)に、キャリアコア10.0gを入れ、その中に、上記塩酸を15.0g投入する。バイアル瓶にキャップをした後、振とうさせないように、ボールミルにセットする。
3.ボールミル上で、バイアル瓶を60rpmで15分間回転させた後、磁石をバイアル瓶の下にあて、キャリアをバイアル瓶の下部に集めたのち、上澄み液をポリカップに捕集する。
4.別の30mlバイアル瓶を用意する。磁石を上記ポリカップの外側にあて、ポリカップに集めた上澄み液をバイアル瓶に捕集する。
5.捕集した溶液をエスアイアイ・ナノテクノロジー(株)社製SPS500等のICP測定装置により、溶液中に溶出した2価鉄イオン濃度(溶液の質量に対する2価鉄イオンの質量割合)を測定する。100ppmを超える濃度になる場合は、100ppm以下になるように、1.で用意した塩酸を用いて希釈を行ってから2価鉄イオン濃度の測定を行う。そして、測定後、希釈分を差し引くように換算すればよい。
なお、キャリアが既に二成分系現像剤になっている場合には、以下の方法でキャリアを分離し、さらにキャリア被覆層を除去した後、消磁を行いキャリアコアを抽出した。
i)二成分現像剤を界面活性剤を添加した水に投入し、容器の外側からマグネットを用いて間接的にキャリアを引き付け、水を除くことでトナーを分離除去した。その後水洗を数回行った後乾燥した。
ii)その後、キャリアをトルエンに投入し、容器の外側からマグネットを用いて、間接的にキャリアを引きつけ、トルエン及びトルエンに溶解させたキャリア被覆成分を分離除去した。その後、トルエン洗浄を数回行った後、乾燥した。
なお、着磁後のキャリアコアは、以下の方法により、消磁処理を行った。消磁は、着磁したキャリアが動かないように15mlサンプル瓶に詰め、消磁機(日本電磁測器(株)社製SR−L2520D)を用いて、交流消磁した。
本発明の磁性体分散型樹脂キャリアコアは、磁性粒子が樹脂中に分散した複合体粒子からなるものである。
磁性体分散型樹脂キャリアコアとしては、(1)重合法によって得られるコアと(2)混練粉砕法によって得られるコアがある。
重合法によって得られるコアは、磁性酸化鉄粒子を重合性単量体中に分散させ、硬化させることで、キャリアコアを得る手法である(図1参照)。重合法で得られた従来の磁性体分散型樹脂キャリアコアの表面は図1に示す様に平滑であり、キャリアコアの最表面がコアを構成する樹脂で覆われている。そのため、溶出2価鉄元素濃度が200ppmより小さい値となる。この様なキャリアコアは、キャリアコア表面から磁性体が露出していないため、キャリア被覆層上に生じたカウンターチャージをキャリア内部に引き込む効果が少ない。従って、上述したような効果が得られにくい。
また、混練粉砕法によって得られるコアは、磁性酸化鉄粒子や樹脂などを混合、混練、粉砕、熱球形化処理を施すことでキャリアコアを得る手法である(図2参照)。混練粉砕法で得られた従来の磁性体分散型樹脂キャリアコアの表面は、図2に示す様に、平滑であり、キャリアコアの最表面がコアを構成する樹脂で覆われている。そのため、溶出2価鉄元素濃度が200ppmより小さい値となる。この様なキャリアコアは、キャリアコア表面から磁性体が露出していないため、キャリア被覆層上に生じたカウンターチャージをキャリア内部に引き込む効果が少ない。また、混練粉砕法においては、製法の特性上、磁性体に対する樹脂の比率を重合法のそれよりも高めなければ、キャリアコアを得ることが出来ない。従って、上述したような効果がさらに得られにくい。
本発明の磁性体分散型樹脂キャリアを得る方法としては、例えば、重合法で得られた磁性体分散型樹脂キャリアコアを用い、その表面を処理する方法が挙げられる。表面処理することによって、上記範囲の磁性体粒子がキャリア表面に一部露出した状態となり(図3参照)、キャリア表面のカウンターチャージをキャリア内部に引き込み、逃がすことができるようになる。詳細な製法については、後述する。
本発明の、磁性体分散型樹脂キャリアコアに使用できる磁性体の特徴を以下に示す。
本発明の磁性体分散型樹脂キャリアコアに使用する磁性体の個数平均粒子径が、0.05μm以上0.40μm以下であることで、磁性体の脱離を抑制しつつ、上述した課題をより高いレベルでクリアすることができる。より好ましくは、0.10μm以上0.30μm以下である。
本発明のキャリアのコアに用いられる磁性粒子の粒径の個数平均粒径の測定方法を以下に記載する。磁性粒子の個数平均粒径は、日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡S−4500により5000〜20000倍に拡大した写真画像を用い、ランダムに粒径0.01μm以上の粒子を300個以上抽出し、ニレコ社(株)製の画像処理解析装置Luzex3により水平方向フェレ径をもって金属酸化物粒子の粒径として測定し、平均化処理して個数平均粒径を算出する。
本発明に使用することの出来る磁性体粒子は、特には限定されないが、以下のものを使用することが出来る。
本発明におけるキャリアコアを構成する磁性体粒子としては、これに限定されないが、例えばマグネタイトの如き磁性を示す磁性体が挙げられる。マグネタイト粒子の形態は、立方体状、多面体状、球状、針状、板状等のいずれの形態の粒子をも使用することができるが、磁性体分散型樹脂キャリアコア中にマグネタイト粒子を均一に分散する上で、球状のものが好ましく用いられる。
本発明に用いる磁性体微粒子の飽和磁化は、磁場79.6kA/m(10kエルステッド)のもので60Am/kg以上であることが好ましい。該飽和磁化が60Am/kg未満では、たとえ磁性体微粒子の含有量を多くしたとしても、静電荷像担持体へのキャリア付着が起こり易い傾向にある。なお、磁気力の測定は、東英工業社製のVSMを用いた。
更に、本発明のキャリアおいては、磁性キャリアの総量に対する磁性体の含有量の比率は、80質量%以上99質量%以下が好ましい。80質量%未満の場合、樹脂比率が多くなり、大径粒子ができやすくなる。そのため、感光体へのキャリア付着が生じやすくなる。
本発明のキャリアコアに用いられる磁性粒子は、表面処理することなくそのまま用いることができるが、あらかじめ親油化処理をしておいてもよい。なお、親油化処理がされていない磁性粒子を用いる場合には、懸濁安定剤として、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の親水性有機化合物やフッ化カルシウム等のフッ素化合物などを添加しておくことにより球形粒子が生成しやすくなる。
親油化処理は、金属酸化物粒子等にシラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤等のカップリング剤を添加混合して被覆処理する方法又は界面活性剤を含む水性溶媒中に金属酸化物粒子等を分散させ、該粒子表面に界面活性剤を吸着させる方法等がある。
シラン系カップリング剤としては、疎水性基、アミノ基、エポキシ基を有するものがあり、疎水性基を有するシラン系カップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシ)シラン等がある。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等がある。
エポキシ基を有するシラン系カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシラン等がある。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート等がある。
界面活性剤としては、市販の界面活性剤を使用することができ、酸化鉄粒子表面に有する水酸基と結合が可能な官能基を有するものが望ましく、イオン性で言えばカチオン性、あるいはアニオン性のものが好ましい。
上記いずれの処理方法によっても本発明の目的を達成することができるが、フェノール樹脂との接着性を考慮するとアミノ基、あるいはエポキシ基を有するシラン系カップリング剤による処理が好ましい。
本発明の磁性体分散型樹脂キャリアの樹脂被覆層の平均層厚が、0.1μm以上0.8μm以下であることで、上述した課題をより高いレベルでクリアすることができる。これは、上述の範囲の層厚で、キャリアコアを被覆することで、キャリア表面のカウンターチャージをキャリアコア表面に露出した磁性体に引き込みやすくすることができる。
本発明の樹脂被覆層に使用される樹脂、及び被覆方法について説明する。
本発明のキャリアは、キャリアコア表面に樹脂被覆層を設けて、磁性キャリアとすることができる。
磁性キャリアの樹脂被覆層の形成に用いられる被覆樹脂としては、以下のものが挙げられる。メタクリル酸、メタクリル酸を含むエステルを含有する樹脂、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフロロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフロロカーボン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ノボラック樹脂、低分子量ポリエチレン、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂。
上述した樹脂は、単独でも使用できるが、それぞれを混合して使用してもよい。キャリアコアの被覆を行う際に、上記被覆樹脂は、溶剤に溶解したワニス状にして用いても良いし、溶液を除去後、1〜10μm程度に粉砕した粉体状粒子にして用いても良い。乾式でキャリアコアの被覆を行う際には、粉体状粒子の方がより好ましい。
溶剤に溶解したワニス状の被覆樹脂を用いてキャリアコアの被覆を行う際には、ホソカワミクロン社製のナウターミキサVN型や、(株)パウレック社製のSFP―10型を用いるとよい。スプレー方式で被覆樹脂を含有するワニスを噴霧する工程と、凝集したキャリアを解砕する工程を有するため、キャリアコアを均質に被覆することができ、且つ、凝集物のほとんど無いキャリアを得ることができる。
キャリアコアに対する、被覆樹脂量は、上記の層厚を達成できる量であればよいが、コア粒子100質量部に対して、0.8質量部以上4.0質量部以下であることが好ましい。より好ましくは、0.8質量部以上3.0質量部以下である。被覆樹脂量を上記範囲に制御することで、キャリアコアの特徴である、上述のカウンターチャージ引き込み効果を発揮することが可能となる。
被覆樹脂は、Tgが70℃以上であることが好ましい。これによって、キャリアコアを被覆した後の乾燥処理において、磁性キャリアの凝集が防止される。
樹脂被覆層を形成している樹脂の重量平均分子量Mw(THF可溶分)は、15,000乃至100,000であることが好ましい。これによって、樹脂被覆層とキャリアコアとの密着性が良好になり、均一に近い状態でキャリアコア表面を被覆することができる。
本発明の磁性体分散型樹脂キャリアは、樹脂被覆層中に導電性粒子を含有しているとより好ましい。
樹脂被覆層中に導電性粒子を含有していると、上述した課題をより高いレベルでクリアすることができる。
これは、被覆層中に、導電性粒子が存在することで、被覆層の電気抵抗が低くなり、キャリア表面のカウンターチャージをキャリアコア表面に露出した磁性体に引き込みやすくすることができる。
導電性微粒子としてはカーボンブラックまたは/及び金属酸化物が好ましく用いられる。カーボンブラックの種類としては公知のものが使用できるが、例えばファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどが好ましい。また、金属酸化物としては酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ等及びそれらの混合物が好ましい。これらの導電性微粒子を被覆樹脂中に含有させることで、カウンターチャージの引き込み効果をより大きくすることができるため、小さい現像バイアスで現像担持体に十分な量のトナーを供給することが可能となる。
本発明の磁性体分散型樹脂キャリアコアは、重合法によって得られるコアであるとより好ましい。
キャリアコアが重合法によって得られたときは、上述した課題をより高いレベルでクリアすることができる。重合法によって得られたキャリアの粒度分布がシャープになるために、感光体へのキャリア付着を抑制することができる。
重合法によるキャリアコアは、例えば、磁性体粒子の存在下で、塩基性触媒を用いて、フェノール類とアルデヒド類を反応させることにより得られる。
本発明に用いるフェノール類としては、フェノール自体の他、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールA等のアルキルフェノール類、及びベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子、臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類等のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられるが、この中でフェノールが最も好ましい。フェノール類以外のものを用いた場合には、粒子が生成し難かったり、粒子が生成したとしても不定形状であったりすることがある。
本発明に用いるアルデヒド類としては、ホルマリン又はパラアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド及びフルフラール等が挙げられるが、ホルムアルデヒドが特に好ましい。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は、1.0〜4.0が好ましく、特に好ましくは1.2〜3.0である。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1.0より小さいと、粒子が生成し難かったり、生成したとしても樹脂の硬化が進行し難いために、生成する粒子の強度が弱かったりする傾向があり、一方、アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は4.0よりも大きいと、反応後に水性媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が増加する傾向がある。
本発明に用いる塩基性触媒としては、通常のレゾール樹脂製造に使用されているもの、例えば、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミン等のアルキルアミンが挙げられる。これら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は、0.02〜0.3が好ましい。
反応は、まず、フェノール類、ホルマリン類、水、アンモニア水及び金属酸化物粒子を反応釜中に仕込み、十分に攪拌した後、塩基性触媒を加えて攪拌しながら昇温させ、反応温度を70〜90℃に調整しながら、フェノール樹脂を硬化させる。この時、球形度の高いキャリアコアを得るためにゆるやかに昇温させることが好ましい。昇温速度は、好ましくは0.5〜1.5℃/分、より好ましくは0.8〜1.2℃/分である。
硬化後の反応物を40℃以下に冷却し、得られた水分散液を濾過、遠心分離等の常法に従って固液を分離した後、洗浄して乾燥することにより、金属酸化物粒子とフェノール樹脂をバインダー樹脂として結合してなるキャリアコアが得られる。本発明のキャリアコアの製造方法は、連続法、バッチ法のいずれでも行うことができるが、通常はバッチ法で行われる。
本発明の磁性体分散型樹脂キャリアコアは、機械的衝撃力により表面処理されていることがより好ましい。
機械的衝撃力で表面処理することで、キャリアコア表面における磁性粒子の露出の程度を調整することができ、キャリアコアの溶出2価鉄イオン濃度を調整しやすい。
本発明のキャリアコアを得るためには、重合法で得られた磁性体分散型樹脂粒子に対して、図4に示す様な処理装置を用いて、機械的な表面処理を行うことが特に好ましい。図4の処理装置は、少なくとも複数の撹拌部材3が表面に設置された回転体2と、該回転体2を回転駆動する駆動部8と、該撹拌部材3と間隙を有して設けられた本体ケーシング1とを有する。駆動部8は、回転体2の回転軸方向の一端部に設けられている。該駆動部8によって該回転体2を回転させ、該撹拌部材3によって処理装置中に投入された磁性体分散型樹脂粒子を撹拌、混合することで機械的な衝撃を与える。
図5に示す様に、処理装置に投入された磁性体分散型樹脂粒子が、第一の撹拌部材(3b)により該回転体の軸方向の一方向である駆動部方向(12)に送られ、第二の撹拌部材(3a)により、該駆動部方向の逆方向である反駆動部方向(13)に送られ、該駆動部方向(12)への送りと、該反駆動部方向(13)への送りとを繰り返し行いながら磁性体分散型樹脂粒子表面の処理を行う。これによって、磁性体分散型樹脂粒子の表面に露出した磁性体粒子を発現できると考えられる。
図4に示す装置は、さらに、該本体ケーシング1の内側及び回転体端部側面10にあって、冷熱媒体を流すことのできるジャケット4を有している。また、磁性体分散型樹脂粒子を導入するために、該本体ケーシング1上部に形成された原料投入口5を有している。また、処理後の磁性体分散型樹脂粒子(キャリアコア)を該本体ケーシング1外に排出するために、該本体ケーシング1下部に形成された磁性キャリア排出口6を有している。また、該原料投入口5内に、原料投入口用インナーピース16が挿入されており、該磁性キャリア排出口6内に、磁性キャリア排出口用インナーピース17が挿入されている。
上記処理装置を用いて、磁性体分散型樹脂粒子を処理するための手順を説明する。まず、該原料投入口5から該原料投入口用インナーピース16を取り出し、磁性体分散型樹脂粒子を該原料投入口5より投入する。次に、該駆動部8により該回転体2を回転させ、上記で投入した磁性体分散型樹脂粒子を、該回転体2表面に複数設けられた該撹拌部材3により撹拌、混合しながら表面処理する。処理が終了した後、該磁性キャリア排出口6内の、該磁性キャリア排出口用インナーピース17を取り出し、該駆動部8により該回転体2を回転させ、該製品排出口6からキャリアコアを排出する。
図5に示す通り、処理の際に、該回転体2は該駆動部8方向から見て反時計方向11に回転する。その際、該回転体2中央に位置する3枚の該撹拌部材3bが、該回転体2上部に位置する3枚の該撹拌部材3aの位置へ、夫々該中心軸7に対して垂直に移動する。このとき、該撹拌部材3bにより、該原料投入口5側から投入された磁性体分散型樹脂粒子は、該回転体端部側面から該駆動部8の方向(12)に送られ、該撹拌部材3aにより、該駆動部8から該回転体端部側面の方向(13)に送られる。
図6に示す通り、該回転体上部の該撹拌部材3aと該回転体中央部の該撹拌部材3bを直接重ねた場合、即ち、該撹拌部材3aの端部位置から該回転中心に対して垂直方向に線を引いた際、該撹拌部材3aと該撹拌部材3bとが幅Cだけ重なる位置関係にある。
このような構成によって、該撹拌部材3bにより該回転体端部側面から該駆動部8の方向(12)に送られた処理物と、該撹拌羽根3aにより該駆動部8から該回転体端部側面の方向(13)に送られた処理物同士が衝突する。
つまり、該回転体2の回転により、該回転体端部側面から該駆動部8の方向(12)への送りと、該駆動部8から該回転体端部側面の方向(13)への送りが繰り返し行われ、磁性体分散型樹脂粒子同士の衝突が繰り返し行われる。また、該本体ケーシング1内での磁性体分散型樹脂粒子の移動経路が複雑、且つ、長距離となる。
なお、図6は該幅Cを説明するために、便宜的に該撹拌部材3aと該撹拌部材3bを重ねたもので、この形態のままで被覆処理するものではない。本装置では、ケーシング1と3a、3bとのクリアランス1mm〜5mm、回転速度1000〜5000rpmの条件で機械的衝撃を付与することができる。
なお、磁性体分散型樹脂粒子を機械的に表面処理することにより、溶出2価鉄元素濃度の他に、BET、体積抵抗、表面形状等の物性が変化する。図3に示す様に、表面処理によって磁性体が露出するので、キャリアコアのBETは増加する。体積抵抗値は、樹脂成分がキャリアコア表面から少なくなるためか、若干低下する。極端に衝撃を与え過ぎない限りは、上記の処理を行っても、該磁性体分散型樹脂粒子の平均粒径や、粒度分布には影響しない。
本発明のキャリアコアは、体積分布基準50%粒径(D50)が15乃至70μmであることが好ましい。
本発明のキャリアコアは、体積抵抗値が8.0×10Ω・cm以上2.0×10Ω・cm以下であることが好ましい。より好ましくは、8.0×10Ω・cm以上8.0×10Ω・cm以下である。キャリアコアの体積抵抗値が上記範囲内であることによって、カウンターチャージ引き込み効果が良好に発現される。
本発明のキャリアコアは、BET値(m/g)が0.160以上0.400以下であることが好ましい。より好ましくは、0.180以上0.300以下である。上記範囲内であることで、キャリアコア表面が、図3に示す状態になっており、カウンターチャージ引き込み効果を発現する上で好ましい。
本発明の磁性体分散型樹脂キャリアは、トナーと混合して二成分系現像剤として用いられる。
本発明において、トナーと磁性キャリアとを混合して二成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると良好な結果が得られる。
組み合わせて用いられるトナーは、結着樹脂、離型剤、着色剤を含有するトナー粒子と、その表面に存在するシリカ微粒子とを有しており、トナーとシリカ粒子に軟X線を照射した際に検出されるケイ素原子由来の光電子エネルギー測定値T(トナー計測値)及びS(シリカ粒子計測値)の比(T/S×100(%))が20%以上80%以下であることが好ましい。
このような二成分系現像剤とすることで、トナーの磁性キャリアへの汚染性が低下し、また現像剤の流動性が安定することで、良好な耐久安定性を達成している。これは、二成分系現像剤に含有される磁性キャリアが、上記範囲の場合、磁性キャリア表面のカウンターチャージをキャリアコア表面に引き込むことができ、そのため、キャリア表面のカウンターチャージが残存せず、連続出力しても、安定した現像を行うことができる。比(T/S×100(%))は、20%以上70%以下であることがより好ましい。
該トナーは、トナー粒子表面にケイ素を含有するシリカ粒子(SiO)を有している。
該シリカ粒子は、トナー粒子に、帯電性能を付与したり、流動性を付与し、該キャリアとの付着力を小さくしたりする働きをすると考えられる。
該光電子エネルギー測定とは、トナー一粒一粒の極表面(深さ5nm程度)に関して、シリカ粒子によるトナー粒子表面の被覆率を正確に把握できるものである。
例えば、個数平均粒径の小さい(10nm程度)シリカ粒子をトナー表面に処理した場合(以後外添とする)、同じ処理量であっても、外添強度の強弱や雰囲気温度の高低、湿度の高低などの条件によって、シリカ粒子がトナー粒子表面に打ち込まれたり、平らに付着せずに、トナー粒子と垂直方向に高さをもって付着したりすることで、トナー粒子表面を覆うシリカの状態が異なってくる。
該シリカ粒子が打ち込まれると、打ち込まれたシリカ粒子からは、該光電子が検出されないため、測定値は小さくなる。また、同じシリカ量を外添しても、トナー粒子と垂直方向に高さをもって付着していると、上側のシリカ粒子からの該光電子を検出し、下側のシリカ粒子からの該光電子は検出されないため、測定値は小さくなる。
本発明では、該シリカ粒子単独で該光電子を測定した結果を100%とし、該シリカ粒子を含有する該トナーを測定した値をTとして、その比率からシリカ粒子によるトナー極表面の被覆率を計測した。
この方法を用いることで、従来の蛍光X線による、定量分析では得られなかった、トナー極表面に存在するシリカのトナー被覆量を詳細に知ることができる。
該光電子エネルギー測定値Tとは、トナーの極表面(深さ5nm程度)に存在するケイ素原子の検出強度をXPS(日本電子(株)製 JPS−9200 光電子分光装置)を用いて測定した値であり、該光電子エネルギー測定値Sとは、既製品のシリカ粒子(日本アエロジル(株) R−972(疎水性フュームドシリカ))を該XPSを用いて測定した値である。尚、XPSを用いた測定においては、シリカ(SiO)中のSi2p結合エネルギー:103.5eVに由来するスペクトル強度の積分値を求める。
以下に、本発明で使用できるケイ素を含有する粒子(シリカ粒子)について説明する。
例えば乾式製法シリカとしては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるもので、従来公知の技術によって製造されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
SiCl+2H+O→SiO+4HCl
また、この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又は塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含する。その粒径は、平均の一次粒径として0.001〜2μmの範囲内であることが好ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
本発明に使用されるトナーには、アルミナ、酸化チタン、ポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンといった珪素を含有しない微粒子が外添されていてもよい。トナーに対して上述した微粒子を添加することによって、トナーとキャリア、あるいはトナー相互の間に微粒子が存在することになり、現像剤の流動性が向上され、さらに現像剤の寿命も向上させることになる。上述した微粒子の平均粒径は0.5μm以下であることが好ましい。平均粒径が0.5μmを超えると流動性向上の効果が少なくなり、現像、転写時に画質を低下させてしまう場合がある。これら微粉末の平均粒径の測定は微粉末を透過電子顕微鏡(H−800、日立製作所製)で観察し、視野中の3万乃至20万倍に拡大した300個の0.01μm以上の粒子を抽出し、平均化処理して個数平均粒径を算出する。その値をもって微粒子の個数平均粒径とする。
シリカ粒子及び上述したシリカ粒子以外の微粒子の表面積としては、BET法による窒素吸着によった比表面積が20m/g以上、特に20〜400m/gの範囲のものが良好である。かかる微粒子の添加量は、トナー100質量部に対して0.1〜20質量部で使用することが好適である。BET比表面積は、湯浅アイオニクス(株)製、全自動ガス吸着量測定装置:オートソーブ1を使用し、吸着ガスに窒素を用い、BET多点法により求める。なお、サンプルの前処理としては、温度50℃で10時間の脱気を行う。
上記微粒子の外添方法は、市販の混合装置を用いることができる。例えば、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド、COMPOSI(何れも日本コークス社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイザー(奈良機械社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、ハイスピードミキサー(深江工業製)等の高速攪拌型混合装置などである。
本発明に使用されるトナーの結着樹脂としては、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンといったスチレン誘導体の重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂;脂肪族多価アルコール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール類、ジフェノール類から選択される単量体を構造単位として有するポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂が挙げられる。架橋したスチレン系樹脂および架橋したポリエステル樹脂等の架橋樹脂でも良い。
スチレン−アクリル系共重合体に使用されるスチレンと重合可能な単量体としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドといったエチレン性2重結合を有するアクリル酸エステル類;マレイン酸、マレイン酸ブチルといったマレイン酸のハーフエステル、およびジエステル類;酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルといったビニルエステル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンといったビニルケトン類を挙げることができる。
架橋剤としては、主として不飽和結合を2個以上有する化合物を挙げることができる。例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートといった不飽和結合を2個以上有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;および不飽和結合を3個以上有する化合物が挙げられる。これらは単独若しくは混合して使用することができる。上述の架橋剤は、結着樹脂を形成するためのモノマーを基準にして、0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%で使用するのが好適である。
本発明に用いられるトナー用の結着樹脂の中で、特に負帯電能の高いポリエステル系樹脂を用いることが好ましい。すなわち、ポリエステル系樹脂は、定着性にすぐれ、カラートナーに適しており、かつ負帯電能が強く安定した帯電が得られる。本発明に用いられるトナーの結着樹脂として特に、次式
Figure 2013127615
(式中Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x、yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
で代表されるビスフェノール誘導体もしくは置換体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸またはその酸無水物またはその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など)とを共縮重合したポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有するのでより好ましい。
本発明に使用されるトナーには、荷電制御剤をトナーに配合して使用しても良い。荷電制御剤の添加によって現像システムに応じた最適の帯電量とすることができる。正荷電制御剤としてはニグロシン、及び脂肪酸金属塩誘導体、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフロロボレートといった4級アンモニウム塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドといったジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートが挙げられる。これらは、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。上述した荷電制御剤のうち特に、ニグロシン系化合物、4級アンモニウム塩が好適である。
負荷電制御剤としては、有機金属錯体、キレート化合物が挙げられる。アセチルアセトンの金属錯体(モノアルキル置換体、ジアルキル置換体を包含する)、サリチル酸系金属錯体(モノアルキル置換体、ジアルキル置換体を包含する)、またはそれらの塩が好ましく、特にはサリチル酸系金属塩が好適である。例えば、アルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシャルブチルサリチルの酸クロム、アルミニウム、ジルコニウム塩または錯体を挙げることができる。
荷電制御剤はトナーに添加する際には、トナーの結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、より好ましくは0.2〜10質量部で使用されることが好適である。特にカラー画像形成に使用される場合には無色若しくは淡色の荷電制御剤を使用することが好ましい。
本発明で使用されるトナーに添加することができる着色剤としては、従来知られている染料及び顔料等を使用することができる。
マゼンタトナー用着色顔料としてはC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207.209、238、C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用染料としては、C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料が挙げられる。
シアントナー用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、及び下記式(I)で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料などが挙げられる。
Figure 2013127615
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20などが挙げられる。
イエロー用着色染料としては、C.I.ソルベントイエロー162等があり、顔料と染料を併用することも好ましい。
また、ブラックトナーについてはカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒等を用いることができるが、それ以外にも上述の顔料を組合せてブラックトナーに用いることができる。例えば、ジスアゾ系イエロー顔料、モノアゾ系レッド顔料及び銅フタロシアニン系ブルー顔料等の顔料を1:1.5〜2.5:0.5〜1.5の配合割合にて用いてブラックトナーとするのが好ましい。
上記着色剤の添加量としては、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜20質量部が良い。
トナーは、さらに熱ロール定着時の離型性を向上させる目的でポリエチレン、ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックスなどのワックス成分を添加しても良い。
本発明に用いられトナーが粉砕法によるトナーの場合、その製造方法としては上述のようなポリエステル系樹脂、あるいはビニル系又は非ビニル系の熱可塑性樹脂、着色剤、荷電制御剤、その他の添加剤をヘンシェルミキサーのような混合機により十分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーといった熱混練機を用いて溶融,混練して樹脂類を十分に混合して、その中に顔料若しくは染料を分散させ、これを冷却後、粉砕、分級操作を行ってトナー粒子を得ることができる。
二成分系現像剤のトナーの摩擦帯電量としては−5mC/kg〜−100mC/kgの範囲であることが好適であり、最も好ましくは−5mC/kg〜−60mC/kgである。トナーの摩擦帯電量の測定条件は後述する。
また、本発明において、重合トナーを用いることができる。重合トナーの製造方法は、例えば、特公昭56−13945号公報に記載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;例えば、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報及び特開昭59−61842号公報に記載されている懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法;単量体には可溶で得られる重合体が不要な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合法又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法;予め1次極性乳化重合粒子を作った後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法を用いトナーを製造する方法;を用いることが可能である。
この中でも、重合性モノマー、着色剤及びワックスを少なくとも含むモノマー組成物を直接重合してトナー粒子を生成する方法が好ましい。
従って、本発明においては比較的容易に粒度分布がシャープな微粒子トナーが得られる常圧下での、または、加圧下での懸濁重合法が好ましい。
本発明に用いられる重合トナーの好ましい形態としては、透過電子顕微鏡(TEM)を用いたトナーの断層面測定法で特にワックスが、外殻樹脂層で内包化されたものである。定着性の観点から多量のワックストナーに含有せしめる必要性から、ワックスを外殻樹脂層で内包化せしめることがトナーの保存性や流動性の点で好ましい。内包化せしめない場合のトナーは、ワックスの分散が均一にできず結果的に粒度分布が広くなり、かつ、装着へのトナー融着も発生しやすい。ワックスを内包化せしめる具体的な方法としては、水系媒体中での材料の極性を主要単量体よりワックスの方を小さく設定し、更に少量の極性の大きな樹脂又は単量体を添加せしめることでワックスを外殻樹脂層で被覆した所謂コア/シェル構造を有するトナーを得ることができる。トナーの粒度分布制御や粒径の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法;機械的装置条件、例えば、ローターの周速、バス回数、撹拌羽根形状の如き撹拌条件又は、容器形状又は、水溶液中での固形分濃度を制御する方法により行うことができる。
重合法を用い直接トナーを得る時には、重合性単量体としては、スチレン、o(m−,p−)−メチルスチレン、m(p−)−エチルスチレン等の如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチルの如きアクリル酸エステル系単量体;アクリル酸エステル系単量体において、アクリル酸部分をメタクリル酸に変えたメタクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミドの如きエン系単量体が好ましく用いられる。
本発明において用いるトナーにコア/シェル構造を形成せしめるためには、極性樹脂を併用することが好ましい。本発明に使用できる極性重合体及び極性共重合体の如き極性樹脂を以下に例示する。
極性樹脂としては、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如き含窒素単量体の重合体もしくは含窒素単量体とスチレン−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;アクリロニトリルの如きニトリル系単量体;塩化ビニルの如き含ハロゲン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸の如き不飽和カルボン酸;不飽和二塩基酸;不飽和二塩基酸無水物;ニトロ系単量体の重合体もしくはそれとスチレン系単量体との共重合体;ポリエステル;エポキシ樹脂;が挙げられる。より好ましいものとして、スチレンとアクリル酸又はメタクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル及びアゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクシルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、2,2−ビス(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン及びトリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンの如き過酸化物系開始剤;過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤;過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウムの如き過硫酸塩;過酸化水素;が使用される。これらは単独で又は2種以上を併用して用いることができる。重合開始剤は重合性単量体100質量部に対して0.5〜20質量部の添加量が好ましい。
本発明では分子量をコントロールするために、公知の架橋剤、連鎖移動剤を添加しても良く、好ましい添加量としては重合性単量体100質量部に対して0.001〜15質量部である。
以下、本発明における、各物性の測定方法に関して記載する。
(i)樹脂のガラス転移点(Tg)
本発明において、樹脂のガラス転移点(Tg)は示差熱分析装置(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)やDSC2920(TAインスツスルメンツジャパン社製)を用い、ASTM D3418‐82に準じて測定する。例えば、下記の条件で測定することができる。
試料:5〜20mg、好ましくは10mg
温度曲線:昇温I (20℃→200℃、昇温速度10℃/min.)
降温I (200℃→10℃、降温速度10℃/min.)
昇温II(10℃→200℃、昇温速度10℃/min.)
昇温IIで測定されるTgを測定値とする。
測定法:試料をアルミパン中にいれ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。吸熱ピークが出る前と出た後のべースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をガラス転移点Tgとした。
(ii)キャリアコア及び磁性キャリアの粒径
本発明のキャリアコア及び磁性キャリアの粒径は、走査型電子顕微鏡(100〜5000倍)によりランダムに粒径1μm以上のキャリア粒子300個以上抽出し、ニレコ社(株)製の画像処理解析装置Luzex3により水平方向フェレ径をもってキャリア粒径として測定し、個数平均粒径を算出する。この条件で測定した個数基準の粒度分布より個数平均粒径の1/2倍径累積分布以下の累積割合を求め、1/2倍径累積分布以下の累積値を計算する。
(iii)キャリアの真比重の測定
本発明のキャリアの真比重は、マルチボリウム密度計(マイクロメリティクス製)で測定した値で示した。
(iv)体積抵抗値の測定
本発明に用いられる磁性キャリアコア、磁性キャリア、磁性体の体積抵抗値は、図7に概略される測定装置を用いて測定される。抵抗測定セルEに磁性キャリア47を充填し、充填された磁性キャリアに接するように下部電極41および上部電極42を配し、これらの電極間に電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって磁性キャリアの体積抵抗値を求める。
比抵抗の測定条件は、充填された磁性キャリアと電極との接触面積Sを約2.3cm、充填された磁性キャリアの試料厚みLを約0.8mm、上部電極42の荷重を180gとする。
なお、非磁性無機化合物、磁性体および導電性粒子の比抵抗の測定も同様に行うことができる。
(v)キャリアの磁気特性の測定
本発明で使用するキャリアの磁気特性は、理研電子(株)社製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて測定する。キャリア粉体の磁気特性値は79.6kA/m(10kエルステッド)の外部磁場を作り、そのときの磁化の強さを求める。キャリアは体積約0.07cmの円筒状のプラスチック容器に十分密になるようにパッキングした状態に作製する。この状態で磁化モーメントを測定し、実際の試料を入れたときの実際の質量を測定して、磁化の強さ(Am/kg)を求める。
(vi)トナー粒径の測定
トナー粒径の測定の具体例を示す。本発明に用いるトナーの重量平均粒径および個数平均粒径は、コールターカウンターを使用して測定する。電解質溶液100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)0.1〜5ml添加し、これに測定試料を2〜20mg添加する。試料を懸濁した電界液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、前述したコールターカウンターマルチサイザーにより17μmまたは100μm等の適宜トナーサイズに合わせたアパーチャーを用いて体積を基準として0.3〜40μmの粒度分布等を測定するものとする。この条件で測定した個数平均粒径、重量平均粒径をコンピュータ処理により求め、さらに個数基準の粒度分布より個数平均粒径の1/2倍径累積分布以下の累積割合を計算し、1/2倍径累積分布以下の累積値を求める。同様に体積基準の粒度分布より重量平均粒径の2倍径累積分布以上の累積割合を計算し、2倍径累積分布以上の累積値を求める。
(vii)トナーの摩擦帯電量の測定
以下にトナーの摩擦帯電量の測定方法を示す。
図8は二成分現像剤の摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。まず、底にメッシュ目開き30μmのスクリーン1を有する金属製の測定容器2に、スリーブ上から採取した二成分現像剤0.5〜1.5gを入れ金属製の蓋3をする。このときの測定容器2全体の質量を秤りW1(g)とする。次に、吸引機4(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口5から吸引を行い風量調節弁6を調整して真空計7の圧力を4kPaとする。この状態で充分、好ましくは約2分間吸引を行ってトナーを吸引除去する。このときの電位計8の電位をV(ボルト)とする。ここで9はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は下記式の通り計算される。
トナーの摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(W1−W2)
(viii)BET比表面積の測定
BET比表面積の測定は、脱ガス装置バキュプレップ061(マイクロメソティック社製)、BET測定装置ジェミニ2375(島津製作所(株)マイクロメソティック社製)等公知の装置を用いて行う。ここでいうBET比表面積は、多点法BET比表面積の値であり、具体的には、以下のような手順で測定する。
空のサンプルセルの質量を測定した後、サンプルセルに測定試料を7.00g〜7.10g充填する。さらに、脱ガス装置に、試料が充填されたサンプルセルをセットし、室温で7時間脱ガスを行う。脱ガス終了後、サンプルセル全体の質量を測定し、空サンプルセルとの差から試料の正確な質量を算出する。次に、BET測定装置のバランスポートおよび分析ポートに空のサンプルセルをセットする。所定の位置に液体窒素の入ったデュワー瓶をセットし、飽和蒸気圧(P0)測定コマンドにより、P0を測定する。P0測定終了後、分析ポートに脱ガス調製されたサンプルセルをセットし、サンプル質量およびP0を入力後、BET測定コマンドにより測定を開始する。後は自動でBET比表面積が算出される。
(ix)体積分布基準50%粒径(D50)の測定
レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)を用いて、粒度分布測定を行う。測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行う。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33リットル/sec、圧力約17kPaとする。制御は、ソフトウェア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。粒径の標準偏差は、上記粒度分布の測定結果をもとに算出する。
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。
<キャリアコア1の製造例>
・フェノール 9.0質量部
・ホルマリン溶液 13.5質量部
(ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水)
・親油化処理されたマグネタイト 84.0質量部
(個数平均粒径0.25μm、比抵抗5.3×10Ω・cm)
ここで用いたマグネタイトの親油化は、マグネタイトの質量に対して0.5質量%のシランカップリング剤(γ−アミノプロピルエトキシシラン)を、ヘンシェルミキサーを用いて100℃,0.5時間の条件で混合撹拌して処理することによって行った。
上記材料と塩基性触媒として28%アンモニア水2.0質量部、さらに水11質量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、5時間反応・硬化させ重合を行った。その後、30℃まで冷却し、100質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(0.7kPa以下)、180℃で乾燥して、マグネタイトとフェノール樹脂をバインダー樹脂として結合した球状の磁性体分散型樹脂粒子を得た。
上記で得られた磁性体分散型樹脂粒子500gを図4で示す装置に導入し、回転速度3300rpm、冷却水温度5℃、冷却水流量10L/minにて40分間処理を行った。これにより、キャリアコア1を得た。得られたキャリアコアの体積抵抗は、1.2×10Ω・cm、体積分布基準50%粒径36.1μmであった。キャリアコア1の物性を表1に示す。
<キャリア1の製造例>
下記式(4)で示される構造を有する一方の末端にエチレン性不飽和基を有する重量平均分子量5,000のメタクリル酸メチルマクロマー(平均値n=50)35質量部と、下記式(5)で示される構造を有するシクロヘキシルをユニットとしてエステル部位を有するメタクリル酸シクロヘキシルモノマー65質量部を、還流冷却器、温度計、窒素吸い込み管、及びすり合わせ方式撹拌装置を有する四つ口フラスコに加えた。さらにトルエン90質量部、メチルエチルケトン110質量部、及びアゾビスイソバレロニトリル2.0質量部を加えた。得られた混合物を、窒素気流下70℃で10時間保持し、グラフト共重合体溶液(固形分33質量%)を得た。この溶液のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量は、55,000であった。また、Tgは93℃であった。
Figure 2013127615
Figure 2013127615
得られたグラフト共重合体溶液30質量部に、カーボンブラック微粒子(個数分布基準の最大ピーク粒径が30nm、比抵抗が1.0×10−4Ω・cm、東海カーボン社製)1質量部、およびトルエン200質量部を加えた。そして、ホモジナイザーによりよく混合して、コート溶液(樹脂溶液)1を得た。主溶媒であるトルエンの沸点は、110℃である。
このコート溶液を加熱しつつ、剪断力を加えながら徐々に溶媒を揮発させるコート装置を用いてキャリアコア粒子へコート量が1.2質量%になるようにコートを行った。コートに際してはコート溶液を加える量を多くし過ぎると樹脂を介してコア粒子の凝集が起きやすく、また、処理温度を上げすぎた場合、トルエン溶媒がすぐに揮発してしまい、キャリアのコートムラやコア粒子の凝集が起こり易い。従って、処理温度を上げ過ぎないようにしながら、コート溶液を徐々に加え、次のコート溶液を加えて、少しずつコート層に厚みをもたせた。
得られたキャリア粒子をオーブンを用いて100℃で2時間キュアし、その後、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いてコートキャリアの分級を行ない、200メッシュ以下の粒子をキャリア1とした。
得られたキャリア1の体積分布基準50%粒径は36.7μmであった。
また、キャリアの体積抵抗を測定したところ、1.0×10Ω・cmであり、磁気力を測定したところ、65Am/kgであった。キャリア1の物性を表2に示す。
[キャリアコア2〜5、12、及び14〜16の製造例]
キャリアコア1の調製において、磁性体分散型樹脂粒子1を図4に示す処理装置で処理する際の条件を表1に示す様に変更したこと以外は、キャリアコア1の調製と同様にして、キャリアコア2〜5、及び14〜16を得た。各キャリアコアの物性を表1に示す。
[キャリアコア6〜10、及び13の製造例]
キャリアコア1の調製において、磁性体粒子を表1に示す粒径に変更し、また、図4に示す処理装置で処理する際の条件を表1に示す様に変更したこと以外は、キャリアコア1の調製と同様にして、キャリアコア6〜10、及び13を得た。各キャリアコアの物性を表1に示す。
[キャリアコア11の製造例]
マグネタイト微粒子と、マグネタイト微粒子の質量に対して3.0質量%の量のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)とを、フラスコに導入した。そして、該フラスコ内において100℃以上で高速混合撹拌して、マグネタイト微粒子を表面処理した。
・スチレン−アクリル酸ブチル共重合体 100質量部
(共重合比:スチレン/アクリル酸ブチル=90/10、分子量(Mw)18000、花王社製)
・マグネタイト微粒子 500質量部
(個数平均粒径240nm、磁化の強さ65Am/kg)
・シリカ(AEROSIL200:日本アエロジル社製) 2質量部
上記成分をヘンシェルミキサーで十分混合した後、ベント2軸押し出し混練機(PCM−30:池貝鉄工(株)社製)により180℃で溶融混練し、フェザーミルにて粗粉砕した。さらに、ジェット粉砕機(IDS−2型:日本ニューマチック工業(株)社製)により微粉砕し、風力分級機(MS−1型:ホソカワミクロン(株)社製)により分級を行った。その後、サフュージングシステム(SFS−2型:日本ニューマチック工業(株)社製)により320℃で加熱処理を行い、体積基準の50%粒径38.0μmの磁性体分散型樹脂粒子2を得た。次いで、磁性体分散型樹脂粒子2を図4に示す処理装置で、表1に示す様な条件で処理を行うことでキャリアコア11を得た。
[キャリアコア17の製造例]
キャリアコア1の製造例に記載のマグネタイトとフェノール樹脂をバインダー樹脂として結合した球状の磁性体分散型樹脂粒子を得た。その後、得られた磁性体分散型樹脂粒子400gをハイブリダイザーNHS−2型(奈良機械製作所社製)を用いて、回転数3300rpm、処理時間40分の処理を行った。これにより、キャリアコア17を得た。得られたキャリアコア1の物性を表1に示す。
[キャリアコア18の製造例]
キャリアコア1の製造例に記載のマグネタイトとフェノール樹脂をバインダー樹脂として結合した球状の磁性体分散型樹脂粒子を得た。その後、得られた磁性体分散型樹脂粒子500gをFM10C/1型(日本コークス社製)を用いて、回転数3300rpm、処理時間40分の処理を行った。これにより、キャリアコア18を得た。得られたキャリアコア1の物性を表1に示す。
<キャリア2〜15及び17〜24の製造例>
キャリア1の製造例において、コート量、及び被覆層中に含有させる導電性粒子(カーボンブラック)の質量部数を表2に示すように変更したこと以外は、キャリア1の調製と同様にして、キャリア2〜15、及び17〜24を得た。各キャリアの物性を表2に示す。
<キャリア16の製造例>
キャリア1の製造例において、被覆層中に含有させる導電性粒子を酸化チタン微粒子(個数分布基準の最大ピーク粒径が60nm、テイカ社製酸化チタン微粒子にオクチルトリエトキシシランを12質量%表面処理した粒子、比抵抗が5.0×10Ω・cm)4.0質量部に変更したこと以外は、キャリア1の調製と同様にして、キャリア16を得た。キャリア16のキャリア物性を表2に示す。
<トナー1の製造例>
・スチレン 2.00mol
・2−エチルヘキシルアクリレート 0.20mol
・フマル酸 0.14mol
・α−メチルスチレンの2量体 0.03mol
・ジクミルパーオキサイド 0.05mol
上記混合物を滴下ロートに入れた。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
7.00mol
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
3.00mol
・テレフタル酸 3.00mol
・無水トリメリット酸 1.70mol
・フマル酸 5.00mol
・テレフタル酸チタン 0.2g
上記混合物を、ガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れた。
この四つ口フラスコに、前述の滴下ロート、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、該四つ口フラスコをマントルヒーター内においた。次に、該四つ口フラスコ内に窒素ガスを流しつつ、フラスコの内容物を撹拌しながら徐々に昇温して145℃とした。145℃に達した後、前述の滴下ロートの内容物を、4時間かけて滴下した。滴下終了後、200℃に昇温して、同温度で4時間反応させて、重量平均分子量78,000、数平均分子量3,500の樹脂1を得た。
・樹脂1 100質量部
・フィッシャートロプシュワックス 4.5質量部
(最大吸熱ピークのピーク温度:80℃)
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 4.5質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕して粗砕物を得た。得られた粗砕物を、高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて粉砕した。さらにコアンダ効果を利用した多分割分級機により、該粉砕物を分級して分級品を得た。
さらに、ハイブリダイザー(奈良機械製作所社製)を用いて、回転数7000rpm、処理時間1分、処理回数5回の条件で、該分級品の表面改質を行い、シアントナー粒子を得た。
・得られたシアントナー粒子(500g) 100質量部
・ルチル型酸化チタン微粉末 0.8質量部
(BET比表面積=100m/g、チタン酸粉末100質量部に対して、イソブチルトリメトキシシラン10質量部で処理したもの)
・疎水化処理したシリカ 1.0質量部
(個数分布における最大ピーク粒径100nm、シリカ粉末100質量部に対して、イソブチルトリメトキシシラン8質量部で処理したもの、BET比表面積:30m/g)
上記材料を図4に示す処理装置に投入し、1000rpmで5分間処理を行った。
上記処理後、第二の疎水化処理シリカ0.7質量部(BET比表面積90m2/g、個数分布における最大ピーク粒径30nm、シリカ微粉体100質量部に対して、気相中で、ヘキサメチルジシラザン15質量部で疎水化処理したもの)をさらに、図4に示す装置に投入し、1000rpmで3分間処理を行った。
その後、目開き約70μmの金属メッシュ(#300)を通過させ、シアントナー1を得た。
シアントナー1の重量平均粒径(D4)は、6.6μmであった。
また、ケイ素原子由来の光電子エネルギー測定値T(トナー計測値)及びS(シリカ粒子計測値)の比 T/S×100(%)が50%であった。
<トナー2の製造例>
トナー1の製造例において、C.I.ピグメントブルー15:3顔料の代わりに、キナクリドン顔料7.5質量部を使用すること以外は、トナー1の製造例と同様にして、マゼンタ色のトナー2を得た。得られたトナー2は、重量平均粒径6.7μmであった。
また、ケイ素原子由来の光電子エネルギー測定値T(トナー計測値)及びS(シリカ粒子計測値)の比 T/S×100(%)が52%であった。
<トナー3の製造例>
トナー1の製造例において、C.I.ピグメントブルー15:3顔料の代わりに、ピグメントイエロー180顔料6.5質量部を使用すること以外は、トナー1の製造例と同様にして、イエロー色のトナー3を得た。得られたトナー3は、重量平均粒径6.7μmであった。また、該T/S×100(%)が51%であった。
<トナー4の製造例>
トナー1の製造例において、C.I.ピグメントブルー15:3顔料の代わりに、カーボンブラック(東海カーボン社製、#4400)を使用すること以外は、トナー1の製造例と同様にして、ブラック色のトナー4を得た。得られたトナー4は、重量平均粒径6.7μmであった。また、該T/S×100(%)が51%であった。
<トナー5の製造例>
トナー1の製造例において、第二の疎水化処理シリカ0.1質量部使用すること以外は、トナー1の製造例と同様にして、シアン色のトナー5を得た。得られたトナー5は、重量平均粒径6.7μmであった。また、該T/S×100(%)が20%であった。
<トナー6の製造例>
トナー1の製造例において、第二の疎水化処理シリカ1.2質量部使用すること以外は、トナー1の製造例と同様にして、シアン色のトナー6を得た。得られたトナー4は、重量平均粒径6.7μmであった。また、該T/S×100(%)が80%であった。
<実施例1>
[二成分系現像剤の調製]
100質量部の磁性キャリア1と、10質量部のシアントナー1とを、V型混合機を用いて5分間混合し、目開き250μmの篩に通すことにより、二成分系現像剤を調製した。
[評価方法]
得られた二成分系現像剤を用いて、下記の評価を行った。評価結果を表2に示す。
該二成分系現像剤を用い、imageRUNNER ADVANCEC5051(キヤノン社製)改造機を用いて、画像面積が5%となるチャートを、1枚間欠で、2万枚出力する耐久試験を行った。記録媒体としてはキヤノン製 CS−680(A4)を用いた。耐久試験は、常温且つ低湿度環境下(23.5℃、10%RH)にて行った。以下、NL環境と記す。 なお、imageRUNNER ADVANCEC5051について、改造した点は以下のとおりである。まず、現像バイアスを1.65kVppから1.00kVppに変更した。そして、ベタ画像を現像後、緊急停止が出来るようにした。
NL環境では、感光体上のトナー載り量(現像量)と、カブリレベルを確認した。また、耐久後のカブリを測定した。
(感光体上のトナー載り量)
NL環境下において、耐久試験前(初期)及び上記耐久試験後に、ベタ画像を現像し、その途中で装置を緊急停止した。そして、感光体上のトナーを一定面積吸引し、吸引したトナーの質量を測定することにより、感光体上に現像されたトナー載り量(mg/cm)を測定した。トナー載り量を測定することで、磁性キャリアのトナー現像能力を評価することができる。
A:トナー載り量が0.45以上である。
B:トナー載り量が0.38以上0.45未満である。
C:トナー載り量が0.30以上0.38未満である。
D:トナー載り量が0.25以上0.30未満である。
E:トナー載り量が0.25未満である。
(カブリ)
NL環境下及びHH環境下において、上記耐久試験後にベタ白画像を出力し、以下の様にしてカブリを測定した。まず、画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)を、アンバーフィルターを搭載したREFLECTOMETER MODEL TC−6DS(東京電色株式会社製)によって測定した。そして、出力したベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。これらの測定値を用いて、カブリ値[%]を下記式により求めた。
カブリ値[%]=Dr[%]−Ds[%]
A:カブリ値が0.7%未満である。
B:カブリ値が0.7%以上1.2%未満である。
C:カブリ値が1.2%以上1.5%未満である。
D:カブリ値が1.5%以上2.0%未満である。
E:カブリ値が2.0%以上である。
以上の評価結果を表3に記す。実施例1では、2万枚の耐久後でも、感光体上の乗り量、カブリレベルともに良好な結果が得られた。
<実施例2〜16>
実施例1において、磁性キャリア2〜5を用いること以外は同様にして評価を行ったところ、表3のように良好な結果が得られた。
<比較例1>
実施例1において、磁性キャリア17を用いること以外は同様にして評価を行ったところ、表3のように2万枚耐久後のトナー載り量、カブリが若干劣る結果となった。これは、図2に示すように、キャリアコア中の磁性体粒子がコア表面に露出していないために、カウンターチャージの引き込み効果が発現しにくいためであると考えられる。
<比較例2>
実施例1において、磁性キャリア18を用いること以外は同様にして評価を行ったところ、表3のように2万枚耐久後のトナー載り量が若干劣る結果となった。これは、図1に示すように、キャリアコア中の磁性体粒子がコア表面に露出していないために、カウンターチャージの引き込み効果が発現しにくいためであると考えられる。
<比較例3>
実施例1において、磁性キャリア19を用いること以外は同様にして評価を行ったところ、表3のように2万枚耐久後のカブリが若干劣る結果となった。これは、図3に示すように、キャリアコア中の磁性体粒子がコア表面に露出しているが、表面に露出している磁性体の量が多くなりすぎて、キャリア被覆層形成後も、キャリア表面に磁性体が露出しているキャリア粒子が存在するためであると考えられる。
<実施例17〜19>
実施例1において、磁性キャリア20〜22を用いること以外は同様にして評価を行ったところ、表3のように良好な結果が得られた。
<比較例4>
実施例1において、磁性キャリア18を用いること以外は同様にして評価を行ったところ、表3のように2万枚耐久後のトナー載り量が若干劣る結果となった。これは、図1に示すように、キャリアコア中の磁性体粒子がコア表面に露出していないために、カウンターチャージの引き込み効果が発現しにくいためであると考えられる。
<比較例5>
実施例1において、磁性キャリア18を用いること以外は同様にして評価を行ったところ、表3のように2万枚耐久後のトナー載り量、カブリが若干劣る結果となった。これは、図1に示すように、キャリアコア中の磁性体粒子がコア表面に露出していないために、カウンターチャージの引き込み効果が発現しにくいためであると考えられる。
<実施例20〜24>
実施例1において、トナーを2〜6を用いること以外は同様にして評価を行ったところ、表3のように良好な結果が得られた。
Figure 2013127615
Figure 2013127615
Figure 2013127615
1 本体ケーシング
2 回転体
3、3a、3b 撹拌部材
4 ジャケット
5 原料投入口
6 製品排出口
7 中心軸
8 駆動部
10 回転体端部側面
11 回転方向
12 送り方向(駆動部方向)
13 送り方向(反駆動部方向)
16 原料投入口用インナーピース
17 製品排出口用インナーピース
18 ローター
C 撹拌部材の重なり部分を示す間隔
D 撹拌部材の幅
E 回転体を回転させた際の撹拌部材の軌跡の幅
41 下部電極
42 上部電極
43 絶縁物
44 電流計
45 電圧計
46 定電圧装置
47 磁性キャリア
48 ガイドリング
E 抵抗測定セル
L 試料厚み
Pa,Pb,Pc,Pd 画像形成ユニット
61a 感光体
62a 帯電ローラ
63a 現像器
64a 転写ブレード
65a 補給用現像剤容器
67a 露光光
68 転写材担持体
69 分離帯電器
70 定着装置
71 定着ローラ
72 加圧ローラ
75,76 加熱手段
79 クリーニング装置
80 駆動ローラ
81 ベルト従動ローラ
82 ベルト除電器
83 レジストローラ
6 現像スリーブ
7 規制ブレード
8 マグネットロール
9 補給用現像剤収容装置
10,11 現像剤搬送スクリュー
17 現像槽
34 現像剤排出口
35 現像剤回収口
36 連通管
37 現像剤一次保管部
38 現像剤回収オーガ

Claims (9)

  1. 磁性体分散型樹脂キャリアコアと該磁性体分散型樹脂キャリアコアの表面に樹脂被覆層を有する磁性体分散型樹脂キャリアであって、
    該磁性体分散型樹脂キャリアコア10.0gを9質量%の塩酸15.0gに15分間浸漬させた際の溶出液の2価鉄イオン濃度が、200ppm以上5900ppm以下であることを特徴とする磁性体分散型樹脂キャリア。
  2. 該磁性体分散型樹脂キャリアコアに含有される磁性体の個数平均粒子径が、0.05μm以上0.40μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性体分散型樹脂キャリア。
  3. 該樹脂被覆層の平均層厚が、0.1μm以上0.8μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性体分散型樹脂キャリア。
  4. 該樹脂被覆層に導電性粒子が含まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁性体分散型樹脂キャリア。
  5. 該磁性体分散型樹脂キャリアコアが、重合法によって得られる粒子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁性体分散型樹脂キャリア。
  6. 該磁性体分散型樹脂キャリアコアが、重合法によって得られた粒子に対し、機械的衝撃力により表面処理を施すことにより得られることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁性体分散型樹脂キャリア。
  7. トナーと磁性キャリアを含有する二成分系現像剤であって、
    該磁性キャリアが、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁性体分散型樹脂キャリアであることを特徴とする二成分系現像剤。
  8. 該トナーは、結着樹脂、離型剤、着色剤を含有するトナー粒子と、その表面にシリカ微粒子を有するトナーであって、
    該トナーは、トナーとシリカ粒子に軟X線を照射した際に検出されるケイ素原子由来の光電子エネルギー測定値T(トナー計測値)及びS(シリカ粒子計測値)の比(T/S×100(%))が20%以上80%以下であることを特徴とする請求項7に記載の二成分系現像剤。
  9. 磁性酸化鉄粒子と結着樹脂を有する磁性体分散型樹脂粒子を表面処理する表面処理工程を有する磁性体分散型樹脂キャリアコアの製造方法であって、
    該表面処理工程は、複数の撹拌部材を表面に有する回転体と、該回転体を回転駆動する駆動部と、該撹拌部材と間隙を有して設けられた本体ケーシングとを有する処理装置を用いて、該磁性体分散型樹脂粒子の表面処理を行うことで、該磁性体分散型樹脂キャリアコアを得る工程であり、
    該表面処理工程では、該回転体を回転させ、該処理装置中に投入された該磁性体分散型樹脂粒子を撹拌することで、第一の撹拌部材により、該回転体の軸方向の一方向である駆動部方向に送られた後、第二の撹拌部材により、該回転体の軸方向の逆方向である、反駆動部方向に送られ、
    該駆動部方向への送りと、該反駆動部方向への送りとを繰り返し行いながら該磁性体分散型樹脂粒子の表面に機械的表面処理が行われ、
    該磁性体分散型樹脂キャリアコアは、該磁性体分散型樹脂キャリアコア10.0gを9質量%の塩酸15.0gに15分浸漬させた際の溶出液の溶出2価鉄イオン濃度が、200ppm以上、5900ppm以下であることを特徴とする磁性体分散型樹脂キャリアコアの製造方法。
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