JP5207702B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、像担持体上に形成された静電像をトナーにより可視化して画像を得る複写機、プリンターなどの画像形成装置に関するものである。より詳細には、現像剤としてトナーとキャリアとを備える2成分現像剤を用いる画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式を用いた複写機、プリンターなどの画像形成装置では、像担持体としての電子写真感光体(以下、単に「感光体」という。)の表面を一様に帯電させた後、その表面を画像情報に応じて露光する。これによって、感光体の表面に静電像(潜像)を形成する。感光体に形成された静電像は、現像器が現像剤を用いてトナー像として現像する。感光体上のトナー像は、直接又は中間転写体を介して転写材に転写する。その後、転写材にトナー像を定着させることによって記録画像を得る。
現像剤としては、実質的にトナー粒子のみから成る1成分現像剤と、トナー粒子とキャリア粒子とを備えた2成分現像剤とがある。2成分現像剤を用いた現像方式は、一般に、より高精細で色味の良好な画像を形成できる点などにおいて有利である。
2成分現像剤は、一般的に、粒径が5μm〜100μm程度の磁性粒子(キャリア)と、粒径が1μm〜10μm程度のトナーとが所定の混合比で混合されたものである。キャリアは、帯電したトナーを担持して現像部まで搬送する働きをする。又、トナーは、キャリアと混合されることにより、摩擦帯電により所定の極性の所定の帯電量に帯電される。
ところで、近年、電子写真方式の複写機、プリンターなどの画像形成装置のデジタル化、フルカラー化、高速化が進むにつれ、その出力画像がオリジナルの出力物としての価値を持ち、更には印刷市場への参入も非常に期待されている。従って、より高品位(高精細)で安定した画質の画像を出力できることが求められている。このような、高精細な画質を得るための取り組みの1つとして、2成分現像剤中のキャリアの電気的抵抗を高抵抗化する手法が提案されている(特許文献1:特開平08−160671号公報)。
つまり、通常、2成分現像剤を用いた現像方式では、現像器が備える現像剤担持体上に担持された2成分現像剤が、感光体上の静電像と対向する現像部まで搬送される。そして、現像剤担持体上の2成分現像剤の穂立ちを感光体に接触又は近接させる。その後、現像剤担持体と感光体との間に印加された所定の現像バイアスによって、トナーのみが感光体上に転移される。これにより、感光体上に静電像に応じたトナー像が形成される。この際、トナーを担持して搬送するキャリアの電気的抵抗が低いと、現像剤担持体よりキャリアを通じて静電像に電荷が注入され、静電像が乱される場合がある。静電像に電荷が注入されると、静電像が帯電されることで電位が上がり、画像濃度が薄くなることがある。
尚、現像バイアスとしては、直流電圧成分と交流電圧成分とが重畳された交番バイアス電圧が広く用いられている。
近年、上述のような印刷市場への参入などのために、高解像度での静電像の形成がなされるようになってきている。例えば、2400dpiの場合、1dpiのドット形成幅は約20μmと、極めて微小である。例えば、このような高解像度での静電像の形成がなされる場合などには、上述のような現像剤担持体からのキャリアを介した電荷注入で静電像は大きく影響を受け易くなる。従って、このような微小な静電像を壊すことなく、現像工程を終了させることが求められている。
従来、感光体としては、金属基体の上に有機材料から成る電荷発生層、電荷輸送層、表面保護層が積層されたOPC(有機光導電体)感光体が広く用いられている。
一方、上述のような高解像度な静電像を形成するには、感光体に、アモルファスシリコン(非晶質シリコン)感光体(以下「a−Si感光体」という。)等の単層系の感光体を用いるのが有効であることが分かっている。その理由の1つは、次のように考えられる。即ち、OPC感光体では、感光体の内部の電荷発生機構が感光体の基体付近に存在する。これに対し、a−Si感光体では、感光体の内部の電荷発生機構が感光体の表面にある。そのため、a−Si感光体では、内部で発生した電荷が感光体の表面に至るまでに拡散することなく、極めて高精彩な静電像が得られる。
しかしながら、a−Si感光体は、OPC感光体と比べてその表面抵抗が低く、上述のような現像剤担持体からのキャリアを介した電荷注入の影響がOPC感光体より非常に大きくなる。従って、a−Si感光体を用いる場合には、形成された静電像が容易に乱されることになるので、キャリアの電気的抵抗を高く設定するか、交番バイアス電圧とされる現像バイアスのVpp(ピーク間電圧)を小さくして、電荷の移動量を抑えることが一層求められる。
ここで、現像バイアスのVppを小さくすると、現像剤担持体からのキャリアを介した電荷注入は低減されるが、現像剤にかかる電界が弱まる。そのため、キャリアからトナーを引き離す力が低減し、現像性が低下することになる。従って、高画質な画像形成を行なうためには、キャリアの電気的抵抗をより高く設定することが有効となる。
特開平08−160671号公報
しかしながら、キャリアの電気的抵抗を高抵抗化すると、現像性、即ち、トナーがキャリアから引き離される(吐き出される)能力が低下し易くなることが分かっている。
前述したように、2成分現像剤のキャリアは、トナーを現像部へ搬送する役割と共に、摩擦帯電によりトナーに対し電荷付与を行なう役割を担っている。そのため、キャリアは、トナーの帯電極性とは逆極性の電荷が与えられ、帯電することになる。例えば、トナーが負極性に帯電するときには、キャリアには正極性の電荷が付与される。
この際、キャリアの電気的抵抗が高いとキャリアに蓄積された電荷が移動し難くなるため、このキャリアの電荷とトナーの電荷とが引き合って大きな付着力となり、トナーがキャリアから引き離され難くなる。キャリアの電気的抵抗が低ければ、キャリア内の電荷がキャリアの表面で拡散し易くなるため、トナーとキャリアとの付着力も小さくなり、トナーはキャリアから引き離され易くなる。
図2は、電気的な抵抗特性の異なる従来の一般的な2種類のキャリア(低抵抗キャリアA、高抵抗キャリアB)を用いた場合の現像性の差を示す。図2の横軸は現像バイアスのピーク間電圧Vppを示し、縦軸は感光体上に形成されたトナー像のトナー層の単位面積当りの帯電量Q/S[C/cm2]を示している。このQ/S[C/cm2]としては、最高濃度を得る際の感光体上のトナー層のトナーの単位重量当たりの帯電量Q/M[μC/g]と、そのトナー層のトナー乗り量M/S[mg/cm2]とを掛け合わせた値を用いている。上記Q/S[C/cm2]は、現像剤の現像能力、即ち、トナーがキャリアとトナーとの間の付着力に打ち勝って、感光体上にどれだけ転移されたかを示す。
尚、図2は、感光体として、膜厚(感光層の厚さ)30μmのOPC感光体を用いた場合の結果を示している。
図2から、現像バイアスのVppが大きい場合には、高抵抗キャリアBであっても低抵抗キャリアAと同等のQ/S[C/cm2]が得られることが分かる。これに対して、現像バイアスのVppが低い場合には、キャリアからトナーを引き離すための電界が小さくなり、高抵抗キャリアBでは現像性が低下していることが分かる。即ち、トナーにかかる力のうち、トナーとキャリアとの間の付着力が非常に大きくなり、現像性が低下することになる。
更に、現像性は、感光体の静電容量に大きく影響される。感光体の静電容量(単位面積当たりの静電容量)が大きくなるのに伴って現像性が許容範囲を超えて低下すると、様々な画像欠陥が発生するようになる。次に、感光体の静電容量と現像性について説明する。
例えば、OPC感光体上に、次の条件で最高濃度のトナー像を形成する場合について考える。現像コントラスト(感光体上の画像部電位と現像バイアスの直流電圧との電位差)Vcont=250V、トナーの電荷量Q/M=−30μC/g、トナー乗り量M/S=0.65mg/cm2。このトナー像のトナー層がOPC感光体上で作る電位(充電電位)ΔVは、OPC感光体の膜厚を30μmとした場合、下記式から計算される。
Figure 0005207702
[ここで、
Q/Mは感光体上における単位重量あたりのトナー電荷量
M/Sは感光体上における最高濃度部の単位面積あたりのトナー重量
λtは感光体上における最高濃度部のトナー層厚
dは感光体の膜厚
εtはトナー層の比誘電率
εdは感光体の比誘電率
ε0は真空の誘電率]
上記条件の場合、ΔV=243Vとなり、Vcont=250Vを埋めていることになる。即ち、静電像の電位を、トナー層の電荷によって、十分に埋めている状態(充電効率97%)となっている。
一方、a−Si感光体は、OPC感光体と比べて比誘電率が約3倍大きい(a−Si感光体:約10、OPC感光体:約3.3)材料特性を有している。従って、a−Si感光体は、OPC感光体と同等な膜厚(例えば30μm)を有する場合は、OPC感光体の静電容量(例えば、0.97×10-6F/m2)の3倍の静電容量(例えば、2.95×10-6F/m2)を持つことになる。
仮に、上記OPC感光体の場合と同様のVcont(=250V)、トナーの電荷量Q/M(=−30μC/g)の条件でa−Si感光体上に最高濃度のトナー像を形成した場合について考える。この場合、上記式から、ΔV=250Vを満たすために必要なトナー量は、1.15mg/cm2となり、上記OPC感光体の場合の約1.7倍のトナー量がa−Si感光体上に転移されることになる。逆に言えば、約1/1.7の現像コントラストVcontで、トナー乗り量M/S=0.65mg/cm2が得られることになる。従って、a−Si感光体の場合、Vcont=147V程度で、高濃度部の電荷を満たすことになる。
しかしながら、例えば、軽印刷市場に投入しようとする場合などには、幅広い階調性が得られることが求められるため、Vcont=147Vではγ特性が急峻となり、高い階調性を得ることが困難となる場合がある。
又、OPC感光体であっても、静電像の鮮鋭化を目的とし、感光体の膜厚(感光層の厚さ)を低減させる試みがなされている。このような場合であっても、感光体の膜厚が小さくなることによって感光体の静電容量がより大きくなるため、上記a−Si感光体について説明したものと同様な問題が発生することがある。
このような感光体の比誘電率が大きかったり或いは感光体の膜厚が小さかったりすることによる問題に対処するためには、トナー像のトナー層のQ/S[C/cm2]を上げる、即ち、トナーの帯電量Q/M[μC/g]を上げる方法が考えられる。例えば、トナー帯電量Q/M[μC/g]を、上述の−30μC/gに対して−60μC/gとする。この状態で、例えば、現像コントラストVcontが240Vである時に、トナー乗り量M/S[mg/cm2]を0.65mg/cm2得ることができれば、トナー層が作るΔVは238V(即ち、約240V)となり、充電効率は約100%となる。
しかしながら、実際には、トナーの帯電量Q/M[μC/g]が高くなると、キャリア及びトナーの静電気力が非常に大きくなるため、現像性が著しく低下する場合がある。
通常、静電容量が大きな感光体に対し、高抵抗キャリア、高Q/Mトナーを使用する場合においては、高抵抗キャリアが形成する弱い電界であっても、十分にトナーがキャリアから引き離されるようにコントロールされている。即ち、トナーの形状や外添剤、更にはキャリアの表面の材料により、キャリアとトナーとの間の付着力(クーロン力+ファンデルワールス力+架橋力)がコントロールされている。しかし、長期の耐久等によりトナーやキャリアの表面の状態が変化すると、上記付着力を制御できなくなる場合がある。
例えば、トナーには、帯電量や流動性をコントロールするために様々な粒子(シリカ等)が表面に外添されており、この外添剤は、トナーとキャリアとの間においてスペーサー粒子としても働き、トナーとキャリアとの間の付着力に大きく影響を及ぼしている。そのため、例えば、低印字比率の画像出力が長期にわたって続くような場合、現像剤は現像器の中でくり返し剪断力を受け、外添剤がトナーの表面に埋め込まれたり離脱したりして、上述のスペーサーとしての効果が低減する場合がある。その結果、トナーとキャリアとの間の付着力が大幅に増加することになる。従って、長期の画像出力後では、初期と比べて十分な現像性を確保できなくなり、画像不良等が発生する可能性がある。
例えば、使用する現像剤によっては、初期にはVcont=240VでM/S=0.65mg/cm2を確保することができていたものが、耐久によりVcont=240VでM/S=0.45mg/cm2しか得られない場合がある。この場合、Vcontに対する充電電位ΔVは、
152V/240V≒0.63
となり、感光体上のトナー層が作る電位ΔVは、63%程度しかVcontを埋めないことになる。
このような、静電像の電位をトナーの電荷で埋めない状態を「充電不良」と表現することができる。この「充電不良」の状態になると、画像不良が発生するようになる。
例えば、低濃度のハーフトーン画像の後に、高濃度のベタ画像(最高画像濃度レベルの画像)が連続して出力される場合、現像部(現像ニップ)内で高濃度部側の電位をトナーが埋めていないと、境界部で、低濃度部から高濃度部への回りこみ電界が残留する。この回りこみ電界は、境界部における低濃度側のトナーを高濃度側に移動させるように働くため、所謂、「白抜け」が発生する。即ち、「白抜け」は、低濃度部と高濃度部との境界で画像が白くなってしまう現象である。又、高濃度部において、エッジ部と中央部の電界強度差により、エッジにトナーが集まる、所謂、「ハキヨセ」現象が発生する。即ち、「ハキヨセ」は、画像のエッジが他より濃度が高くなってしまう現象である。
以上説明したように、例えばa−Si感光体のように表面抵抗が低い感光体の場合、形成される静電像を忠実に現像するためには、現像時に静電像に対して電荷注入が発生しない電気的に高抵抗なキャリアが望まれる。一方、a−Si感光体や薄膜OPC感光体のような、静電容量が大きい感光体に対しては、トナーの帯電量Q/M[μC/g]を高くすることが白抜け等の画像欠陥を発生させず、安定して且つ十分な階調性を得るに有効な手段となる。しかし、トナーの帯電量Q/M[μC/g]を高くすると現像性が著しく低下する場合がある。この現像性の低下は、キャリアの電気的抵抗が大きくなればなるほど顕著になる。
このように、トナーとキャリアとを備える2成分現像剤を用いる画像形成装置において、現像時における静電像への電荷注入を防止すべくキャリアの電気的抵抗を高く設定し、又、静電容量が大きい感光体に対応すべくトナーの帯電量を高めることがある。そして、このような場合においても、トナーが静電像の電位を埋める現像能力を低下させないことが望まれる。
本発明の目的は、トナーとキャリアとを備える2成分現像剤を用いる画像形成装置において、キャリアを介した静電像への電荷注入を抑制しながら、良好な現像性を得ることを可能とする画像形成装置を提供することである。
本発明の他の目的は、高抵抗キャリアを用いながら、帯電量の高いトナーを用いる場合であっても現像性を飛躍的に高める現像方式をもった画像形成装置を提供することである。
本発明の他の目的は、静電容量が大きい感光体を用いる場合であっても、長期にわたり、高精細且つ安定した画像の形成を可能とする画像形成装置を提供することである。
本発明の他の目的は、像担持体と現像剤担持体との間の電界の変化に応じたキャリア抵抗特性を適正に設定した画像形成装置を提供することである。
本発明の更なる目的及び特徴とするところは添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより一層明らかになるだろう。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、像担持体と、トナーとキャリアを備える現像剤を担持する現像剤担持体と、を有し、前記現像剤担持体は、前記像担持体に形成された静電像を前記現像剤で現像し、前記現像剤担持体と前記像担持体との間に交番電界を形成するために、前記現像剤担持体は交番電圧が印加される画像形成装置において、
前記キャリアに与えられる電界強度を横軸、前記キャリアの抵抗率を縦軸とし、縦軸を対数とする片対数グラフにおいて、
電界強度Eb、Edを
Eb=|(Vp1−VL)/D|
Ed=|(Vp2−VL)/D|
(ただし、
VLは、最高濃度を得るための前記静電像の電位[V]、
Vp1は、前記交番電圧におけるピーク電位のうち、前記VLの部分に対しトナーを前記像担持体に向けて移動させるような電位差を設けるピーク電位[V]、
Vp2は、前記交番電圧におけるピーク電位のうち、前記VL電位に対しトナーを前記現像剤担持体に向けて移動させるような電位差を設けるピーク電位[V]、
Dは、前記像担持体と前記現像剤担持体との間の最近接距離[m])
とするとき、
Edにおける傾きをK1、Ebにおける傾きをK2とすると、0≧K1>K2を満たし、前記電界強度Ebにおける前記キャリアの抵抗率ρbが、
1.1×106×en<ρb<6.0×107[Ω・m]
(ただし、eは自然対数の底であり、n=4×Eb×10-7
を満たすことを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、トナーとキャリアとを備える2成分現像剤を用いる画像形成装置において、キャリアを介した静電像への電荷注入を抑制しながら、良好な現像性を得ることが可能となる。又、本発明によれば、高抵抗キャリアを用いながら、帯電量の高いトナーを用いる場合であっても現像性を飛躍的に高める現像方式を実現できる。又、本発明によれば、静電容量が大きい感光体を用いる場合であっても、長期にわたり、高精細且つ安定した画像の形成を可能とすることができる。又、本発明によれば、像担持体と現像剤担持体との間の電界の変化に応じたキャリア抵抗特性を適正に設定することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
[画像形成装置]
図24は、本発明の一実施例に係る画像形成装置100の要部の概略断面構成を示す。
画像形成装置100は、像担持体としての円筒型の感光体(感光ドラム)1を有する。感光体1の周囲には、帯電手段としての帯電器2、露光手段としての露光器3、現像手段としての現像器4、転写手段としての転写帯電器5、クリーニング手段としてのクリーナー7、前露光手段としての前露光器8などが配置されている。又、転写材Sの搬送方向において、感光体1と転写帯電器5とが対向する転写部よりも下流には、定着手段としての定着器6が配置されている。
感光体1としては、一般的なOPC感光体、a−Si感光体を用いることができる。
OPC感光体は、導電性基体上に、有機光導電体を主成分とする光導電層を備えた感光層(感光膜)が形成されて成る。OPC感光体は、一般的には、図25のように金属基体(感光体用支持体)11の上に有機材料から成る電荷発生層12、電荷輸送層13、表面保護層14が積層されて構成される。
又、a−Si感光体は、導電性基体上に、非晶質シリコン(アモルファスシリコン)を主成分とする光導電層(アモルファスシリコン層)を備えた感光層(感光膜)を有する。a−Si感光体としては、一般的に、次のような層構成のものがある。即ち、図26(a)に示すa−Si感光体は、感光体用支持体(基体)21の上に、感光膜22が設けられている。該感光膜22は、a−Si:H、X(Hは水素原子、Xはハロゲン原子)からなり光導電性を有する光導電層23で構成されている。図26(b)に示すa−Si感光体は、感光体用支持体21の上に、感光膜22が設けられている。該感光膜22は、a−Si:X、Xからなり光導電性を有する光導電層23と、アモルファスシリコン系表面層24とから構成されている。図26(c)に示すa−Si感光体は、感光体用支持体21の上に、感光膜22が設けられている。該感光膜22は、a−Si:H、Xからなり光導電性を有する光導電層23と、アモルファスシリコン系表面層24と、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層25とから構成されている。図26(d)に示すa−Si感光体は、感光体用支持体21の上に、感光膜22が設けられている。該感光膜22は、光導電層23を構成するa−Si:H、Xからなる電荷発生層26ならびに電荷輸送層27と、アモルファスシリコン系表面層24とから構成されている。
尚、感光体1としては、上述のような層構成のものに限定されるものではなく、その他の層構成の感光体も用いることができる。
感光体1は、図24に示すように、図示矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転する感光体1の表面は、帯電器2により略一様に帯電される。そして、露光器3に対向する位置では、画像信号に対応して発光されるレーザーが露光器3から照射され、感光体1上に原稿画像に対応した静電像が形成される。
感光体1に形成された静電像は、感光体1の回転により現像器4に対向する位置まで到達すると、現像器4内の非磁性トナー粒子(トナー)と磁性キャリア粒子(キャリア)とを備える2成分現像剤によりトナー像として現像される。静電像は、2成分現像剤のうち実質的にトナーのみで現像される。
現像器4は、2成分現像剤を収容する現像容器(現像器本体)44を有する。又、現像器4は、現像剤担持体としての現像スリーブ41を有する。現像スリーブ41は、現像容器44の開口部に回転可能に配置され、且つ、内部に磁界発生手段としてのマグネット42を内包している。本実施例では、現像スリーブ41は、その表面が、感光体1と対向する現像部Gにおいて感光体1の表面移動方向と同方向に移動するように回転駆動される。2成分現像剤は、現像スリーブ41の表面上に担持された後、規制部材43によって量が規制され、感光体1と対向する現像部Gまで搬送される。キャリアは、帯電したトナーを担持して現像部Gまで搬送する働きをする。又、トナーは、キャリアと混合されることにより、摩擦帯電により所定の極性の所定の帯電量に帯電される。現像スリーブ41上の2成分現像剤は、現像部Gにおいて、マグネット42の発生する磁界により穂立ちして磁気ブラシを形成する。そして、本実施例では、この磁気ブラシを感光体1の表面に接触させ、又現像スリーブ41に所定の現像バイアスを印加することにより、2成分現像剤からトナーのみを感光体1上の静電像に転移させる。
感光体1上に形成されたトナー像は、転写帯電器5によって転写材S上に静電的に転写される。その後、転写材Sは、定着器6に搬送され、ここで加熱、加圧されることにより、その表面にトナーが定着される。その後、転写材Sは、出力画像として装置外に排出される。
尚、転写工程後に感光体1上に残留したトナーは、クリーナー7によって除去される。その後、クリーナー7によって清掃された感光体は、前露光器8からの光照射により電気的に初期化され、上記の画像形成動作が繰り返される。
[キャリアの電気的抵抗]
前述のように、トナーとキャリアとを備える2成分現像剤を用いる画像形成装置において、現像時における静電像への電荷注入を防止すべくキャリアの電気的抵抗を高く設定し、又、静電容量が大きい感光体に対応すべくトナーの帯電量を高めることがある。そして、このような場合においても、トナーが静電像の電位を埋める現像能力を低下させないことが望まれる。
従って、本発明の目的の1つは、高抵抗キャリアを用いながら、帯電量の高いトナーを用いる場合であっても現像性を飛躍的に高める現像方式を提案することである。又、本発明の他の目的の1つは、これにより、静電容量が大きい感光体を用いる場合であっても、長期にわたり、高精細且つ安定した画像の形成を可能とすることである。
そこで、本実施例では、現像バイアス下におけるキャリアの電気的抵抗の電界依存性を制御する。以下、詳しく説明する。
図3は、電気的な抵抗特性の異なる従来の一般的な2種類のキャリア(低抵抗キャリアA、高抵抗キャリアB)における抵抗率ρ[Ω・m]の電界依存性を示す。図3の横軸は電界[V/m]を示し、縦軸は抵抗率ρ[Ω・m]を示す。但し、縦軸は対数表示(対数軸)の片対数グラフである。以下、同様に、抵抗率ρのグラフはその数値を対数で記述する。
ここで、キャリアの抵抗率ρ[Ω・m]は、図4に示すような装置を用いて計測することができる。即ち、所定の周速(表面移動速度)で回転するアルミニウム製の円筒体(以下、「アルミドラム」という。)Drに、キャリアのみを内包した現像器4の現像スリーブ41を所定の距離(最近接距離)をあけて対向させる。そして、所定の周速で現像スリーブ41を回転させながら、アルミドラムDrと現像スリーブ41との間にAC電圧を印加して、図中Zで示したインピーダンス測定装置によりキャリアのインピーダンスを測定する。その測定値からキャリアの抵抗率を算出することができる。
尚、アルミドラムDrの周速、現像スリーブ41の周速は、それぞれ実際の画像形成装置の感光ドラムの周速、現像スリーブの周速と同じにするのが良い。又、アルミドラムDrと現像スリーブ41との距離は、実際の画像形成装置の感光ドラムと現像スリーブとの距離にするのが良い。
又、横軸の電界E[V/m]は、アルミドラムDrと現像スリーブ41との最近接位置(アルミドラムDr−現像スリーブ41間の最近接距離D)における電界強度であり、アルミドラムDrと現像スリーブ41との間の印加電圧を距離Dで割ったものである。
図3中に一点鎖線で示すラインが低抵抗キャリアAの抵抗率の電界依存性であり、破線で示すラインが高抵抗キャリアBの抵抗率の電界依存性である。尚、各キャリアは、約100Vのバイアス印加時の抵抗率が下記の程度のものである。
低抵抗キャリアA:約9.0×106Ω・m
高抵抗キャリアB:約1.0×108Ω・m
図3から、どちらのキャリアも抵抗率に電界依存性を持つ(即ち、電界が大きくなると、抵抗率が減少する。)が、低抵抗キャリアAの方が、高抵抗キャリアBよりも、その電界依存性の傾き(変化率)が大きいことが分かる。低抵抗キャリアA、高抵抗キャリアBの両方とも、上記傾きは、キャリアに印加される電界の変化に対して実質的に一定、即ち直線であった。
尚、上述したキャリアの抵抗率は、キャリアのみでの測定結果であり、トナーと混合された2成分現像剤の状態になると、キャリア間に電気的に高抵抗なトナーが存在するため、上述したキャリアのみの抵抗率より若干大きいものとなる。しかしながら、現像動作中では、トナーがキャリアから引き離され、キャリアのみの状態に近くなることから、上述のようにして計測された抵抗率が実際に近い状態を示している。従って、本明細書では、上述のようにして計測されたキャリアのみの抵抗率を用いて説明する。
図5は、現像動作時における感光体1上の静電像の電位及び現像スリーブ41に印加される現像バイアスを示している。図5の横軸は時間を示し、縦軸は電位を示す。
本実施例では、現像バイアスとしては、一般的な矩形波の現像バイアス(交番電圧)が用いられる。この現像バイアスは、ACバイアスに、Vdcで示されるDCバイアス成分が重畳された現像バイアスである。この現像バイアスが、感光体1の静電像と現像スリーブ41との間に印加される。
尚、本実施例では、静電像は、画像部に露光を行うことによって静電像を形成するイメージ露光方式にて形成されるものとして説明する。又、本実施例では、感光体1は、負極性に帯電されるものとして説明する。更に、本実施例では、トナーはキャリアとの摩擦帯電により負極性に帯電され、現像方式としては、感光体の帯電極性と同極性に帯電したトナーを用いる(感光体上の露光された画像部を現像する)反転現像方式を用いるものとして説明する。
図5中、VDは、感光体1の帯電電位であり、本実施例では、帯電手段により負極性に帯電されている。図5中、VLは、露光手段により露光された画像部の領域であり、最高濃度を得るための電位となっている。即ち、VL電位部は、トナーTの付着量がもっとも多くなる領域である。
現像スリーブ41には、上述のように矩形波の現像バイアスが印加されている。そのため、現像スリーブ41にピーク電位のうちVp1電位が付与された時には、VL電位部に対して最も大きな電位差が形成され、この電位差による電界(以下「現像電界」という。)によって、トナーTが感光体1に転移される。又、逆に、現像スリーブ41にピーク電位のうちVp2電位が付与された時には、VL電位の部分に対し、現像電界が形成される時とは逆方向の電位差が形成され、VL電位部よりトナーTが現像スリーブ41側に引き戻される電界(以下「引き戻し電界」という。)が形成される。このようにして、現像バイアスが印加された現像スリーブ41は、VL電位部に対して交番電界を形成する。又、現像バイアスが印加された現像スリーブ41は、VD電位部に対しても交番電界を形成する。
ここで、図6を参照して、現像バイアスのVL電位に対する時間的変化を考えると、図6中に示すa、b、c、d、eの各時点での電界Ea、Eb、Ec、Edは、それぞれ下記式で表される。
Ea=Ec=Ee=|(Vdc−VL)/D|
Eb=|(Vp1−VL)/D|
Ed=|(Vp2−VL)/D|
[ここで、
VLは、最高濃度を得るための静電像の電位[V]
Vp1は、交番電圧におけるピーク電位のうち、VL電位に対しトナーを感光体に向けて移動させるような電位差を設けるピーク電位[V]
Vp2は、交番電圧におけるピーク電位のうち、VL電位に対しトナーを現像剤担持体に向けて移動させるような電位差を設けるピーク電位[V]
Vdcは、現像バイアスのDCバイアス成分[V]
Dは、感光体1と現像スリーブ41との間の最近接距離[m]]
尚、Vp1、Vp2は、トナーの帯電極性に応じて、下記式で表される。
トナーが−極性の場合:Vp1=Vdc−|Vpp/2|
トナーが+極性の場合:Vp1=Vdc+|Vpp/2|
トナーが−極性の場合:Vp2=Vdc+|Vpp/2|
トナーが+極性の場合:Vp2=Vdc−|Vpp/2|
[但し、
Vppは、交番電圧におけるピーク間電圧、
Vdcは、現像バイアスのDCバイアス成分]
即ち、電界Ea、Ec及びEeは、現像バイアスのDCバイアスと感光体1上の静電像の最高濃度部の電位(VL電位)との間の電位差を、感光体1と現像スリーブ41との最近接位置における距離Dで割ったものである。電界Eb(現像電界)は、感光体1上のVL電位との間に、トナーを感光体1に向けて移動させる側の電界を形成する電位差を設けるピーク電位と、感光体1上のVL電位との間の電位差を、感光体1と現像スリーブ41との最近接距離Dで割ったものである。又、電界Ed(引き戻し電界)は、感光体1上のVL電位との間に、トナーを現像スリーブ41に向けて移動させる側の電界を形成する電位差を設けるピーク電位と、VL電位との間の電位差を、感光体1と現像スリーブ41との最近接距離Dで割ったものである。
一方、図3を参照して説明したように、キャリアの抵抗率は電界依存性を持つ。そのため、図7中矢印で示すように、現像バイアス下では、電界強度がEa→Eb→Ec→Ed→Eeと変化するのに応じて、キャリアの抵抗率が変化することになる。従って、例えば低抵抗キャリアAの場合は、その抵抗率はR1→R3→R1→R2→R1と変化し、高抵抗キャリアBの場合は、その抵抗率はR4→R6→R4→R5→R4と変化することになる。
この抵抗率の変化を時間変化に対してプロットすると図8に示すようになる。
即ち、低抵抗キャリアAの場合は、現像電界がかかる時のキャリアの抵抗率は、より低い抵抗率R3となる。これに対して、高抵抗キャリアBの場合は、現像電界がかかる時のキャリアの抵抗率はより高いR6程度である。つまり、現像電界がかかる時のキャリアの抵抗率の低下率は、高抵抗キャリアBでは、低抵抗キャリアAと比較して小さい。この差が、キャリア内の電荷移動に影響を及ぼし、現像性の差となる。
ここで、図1に、本実施例に従うキャリアC(以下、単に「キャリアC」という。)の抵抗率の電界依存性を示す。図1から分かるように、比較例としての、低抵抗キャリアA、高抵抗キャリアBの場合と同様に、キャリアCの抵抗率は電界依存性を持つが、キャリアCの場合は、所定の電界Epでその抵抗率の電界依存性の傾き(変化率)が急峻となる特性を有する。
即ち、キャリアCは、その抵抗率ρが、現像スリーブ41の電位と感光体1上の静電像の電位との電位差ΔVを、感光体1と現像スリーブ41との最近接距離Dで割った値である電界強度E(=ΔV/D)の変化に対して、傾き(Δρ/ΔE)を有する。そして、キャリアCは、Ed<Ep<Ebの関係が成り立つ電界強度Epで抵抗率ρの電界依存性の傾き(Δρ/ΔE)が変化する。
尚、キャリアの抵抗率の電界依存性の傾き(変化率)は、該抵抗率を片対数グラフの縦軸(対数軸)にとり、電界強度を横軸にとった場合に実質的に直線関係となる、抵抗率と電界強度との関係の傾きで代表される。
又、キャリアCは、電界強度Edにおける抵抗率ρの電界依存性の傾き(Δρ/ΔE)をK1とし、電界強度Ebにおける抵抗率ρの電界依存性の傾き(Δρ/ΔE)をK2とした場合、0≧K1>K2の関係が成り立つ。即ち、K1が0でないとき、K1とK2は同符号(ここでは負)である。
従って、図1に示すように、キャリアCが上述のような現像バイアスを受けると、電界強度がEa→Eb→Ec→Ed→Eeと変化するのに応じて、キャリアの抵抗率はR7→R9→R7→R8→R7と変化する。
このキャリアCの抵抗率の変化を時間変化に対してプロットすれば、図9(b)に示すようになる。図9(a)は、図8と同様のキャリアA及びキャリアBにおける抵抗率の変化を示す。
即ち、キャリアCの抵抗率は、現像電界Ebが印加されている間は、より低い抵抗率R9となり、逆に引き戻し電界Edが印加されている間は、より高い抵抗率R8が維持されていることになる。
キャリアCは、現像電界Ebが形成された時のみ、その抵抗率が急激に低下し、キャリアに蓄えられた逆電荷が拡散し易くなり、トナーとキャリアとの付着力が低減する。従って、高抵抗キャリアBより、トナーがキャリアから引き離され易くなる。
一方、引き戻し電界Edが形成された時は、キャリアの抵抗率が高くなるので、電荷の移動は鈍いものとなり、現像スリーブ41側からキャリアに逆極性の電荷が流れ難い状態になる。そのため、キャリアには逆電荷があまり存在しないことになる。従って、引き戻し電界が印加された場合、感光体1からトナーが再度キャリアに引き戻され、拘束される機会も少なくなる。
このように、キャリアCでは、現像電界Ebが印加される時のみ電気的抵抗が低くなり、低抵抗キャリアAのように現像性が確保され、逆に引き戻し電界Edが印加される時には、高い電気的抵抗が維持され、引き戻し力が弱くなる。その結果、高抵抗キャリアBよりトータルで現像性が高くなる。
次に、感光体1上の静電像の電位を乱す電荷注入についてキャリアCの作用を説明する。ここでは、感光体1としてa−Si感光体を用いた場合の電荷注入を例にとり、説明を行なう。
図10に、キャリアA、B、CにおけるVL電位に対する電荷注入量を示す。図10の横軸は、現像スリーブ41の電位と感光体1上のVL電位との間で形成される電界Eを示し、縦軸は、VL電位と、そのVL電位部の電荷注入後の電位VL’との差、即ち、|VL−VL’|を示している。
ここで、VL’とVLは、図11に示すように、感光体1の表面移動方向において現像部Gよりも下流において表面電位計Vsにて計測されたものである。現像器4が無い状態で測定された電位をVL(前述したVL電位と同等)とし、現像器4が設置され、所定の現像バイアスが印加された場合のVL電位をVL’と定義している。
即ち、図10は、VL電位が現像部Gを通過する際に、そのVL電位部に接触しているキャリアからの電荷注入により、どれだけ電位が変化するかを模式的に示したものである。
図10は、低抵抗キャリアAでは、電界Efにて電荷注入が始まり、キャリアCでは、電界Egにて電荷注入が始まることを意味している。
この電界Ef、Egにおけるキャリアの抵抗率を、図1のグラフより求めると、図12に示すように、電界EfにおけるキャリアAの抵抗率はρAs、電界EgにおけるキャリアCの抵抗率はρCsとなる。
更に、プロットEf,ρAsと、プロットEg,ρCsとを結んだラインを注入閾値抵抗ラインρsとすれば、該注入閾値抵抗ラインρsよりキャリアの抵抗率が下回ると、感光体への電荷注入が起こることを意味している。
ここで、電界Ef、Egを現像電界Eb及び引き戻し電界Edと比較してみると、キャリアAでは、
Ef<Ed、Ef<Eb
の関係となっている。そのため、現像時でも引き戻し時でも現像注入が発生していることが分かる。
一方、キャリアCでは、
Eg>Ed、Eg>Eb
の関係となっている。そのため、現像時でも引き戻し時でも現像注入が発生しない。
ここで、仮にキャリアAにおいて、例えばEd<Ef<Ebの関係となる引き戻し電界Ed’、現像電界Eb’を選択したとする。この場合でも、引き戻し電界Ed’では電荷注入が発生しないが、現像電界Eb’ではやはり電荷注入が発生してしまうことになる。
図13(a)、(b)は、図9(a)、(b)に抵抗率ρAs及びρCsを示すラインを重ねたものである。例えば、低抵抗キャリアAでは、現像電界Eb及び引き戻し電界Edが印加される際、キャリアの抵抗率が図中ρAsを下回る、つまり注入閾値抵抗ラインρsを下回るため、VLの静電像電位に対して電荷注入が発生する。一方、キャリアCでは、電界Eb及びEdにおいて、キャリアの抵抗率がρCsを上回る、つまり注入閾値抵抗ラインρsを上回るため、電荷注入が発生しない。
このように、本実施例の抵抗特性をもつキャリアを用いることにより、キャリアから静電像への電荷注入が発生しないことにより、VL電位が上がることがないので、画像濃度が薄くなることを抑制できる。
以上、キャリアCの電気的な抵抗特性を模式的に説明した。上述のキャリアCのような電気的な抵抗特性を持つことにより、従来の低抵抗キャリアを用いる場合の課題であるキャリアを介した静電像への電荷注入を防止しつつ、従来の高抵抗キャリアを用いる場合と比較して現像性を飛躍的に高めることが可能となる。即ち、上述のような構成を有するキャリアを使用することで、帯電量の高いトナーの現像性を飛躍的に高めることができ、静電容量が大きい感光体であっても、長期にわたり、高精細かつ安定した画像形成を可能とすることが可能となる。
以下、より具体的な試験例に則して本実施例の効果を更に詳しく説明する。
(試験例1)
本実施例の効果を確認するために、従来の低抵抗キャリアA及び高抵抗キャリアB、並びに、本実施例に従うキャリアCを用いて比較評価を行った。
・低抵抗キャリアA:
低抵抗キャリアAとしては、例えば、コア材として下記式(1)又は(2)で表される磁性を有するマグネタイト及びフェライトを用いるものが挙げられる。
MO・Fe23 ・・・(1)
M・Fe24 ・・・(2)
[式中、Mは3価、2価又は1価の金属イオンを示す。]
Mとしては、Be、Mg、Ca、Rb、Sr、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、Pb及びLiが挙げられ、これらは、単独或いは複数で用いることができる。
上記の磁性を有する金属化合物粒子の具体的化合物としては、例えば、Cu−Zn−Fe系フェライト、Mn−Mg−Fe系フェライト、Mn−Mg−Sr−Fe系フェライト及びLi−Fe系フェライトの如き鉄系酸化物が挙げられる。
フェライト粒子の製造方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、次のような方法を挙げることができる。即ち、粉砕されたフェライト組成物に、バインダー、水、分散剤、有機溶剤等を混合し、スプレードライヤー法や流動造粒法を用いて粒子を形成する。その後、ロータリーキルンや回分式焼成炉で700〜1400℃、好ましくは800〜1300℃の範囲の温度で焼成する。次いで、篩分分級して粒度分布を制御して、キャリア用の芯材粒子とする。更に、フェライト粒子表面に、浸漬法によりシリコーン樹脂等の樹脂を0.1〜1.0質量%程度コートする。
このようにして作製されたキャリアを、ここでは低抵抗キャリアAと呼ぶ。
・高抵抗キャリアB:
高抵抗キャリアBとしては、例えば、次のようなものを挙げることができる。
第1には、マグネタイト粒子と熱可塑性樹脂とを溶融混練し、粉砕して製造する磁性体分散型樹脂キャリアをコア材として用いるものである。第2には、マグネタイト粒子と熱可塑性樹脂とを溶媒中に溶融分散させたスラリーをスプレードライヤー等により噴霧乾燥させて製造する磁性体分散型樹脂キャリアをコア材として用いるものである。第3には、マグネタイト粒子及びヘマタイト粒子存在下でフェノールを直接重合により反応硬化させた磁性体分散型樹脂キャリアをコア材として用いるものである。斯かるキャリアのコア材に、更に流動層コーティング装置などにより、熱可塑性樹脂等の樹脂を1.0〜4.0質量%程度コートする。
このようにして作製されたキャリアを、ここでは高抵抗キャリアBと呼ぶ。
・本実施例に従うキャリアC:
一方、本実施例に従うキャリアCとしては、例えば、ポーラス状のコアにシリコーン樹脂等の樹脂を流し込み、コア内の空隙を樹脂で充填したポーラス状樹脂充填キャリアを用いることができる。
斯かるキャリアCの作製方法としては、次のような方法を挙げることができる。最初に、上記低抵抗キャリアAに用いられるような金属酸化物、酸化鉄(Fe23)及び添加物を所定量秤量し、混合する。上記添加物としては、周期律表のIA、IIA、IIIA、IVA、VA、IIIB及びVB族に属する元素1種類以上の酸化物、例えば、BaO、Al23、TiO2、SiO2、SnO2及びBi25などを挙げることができる。次に、得られた混合物を700〜1000℃の範囲で5時間仮焼し、その後、0.3〜3μm程度の粒径に粉砕する。得られた粉砕物に、必要に応じて結着剤、更には発泡剤を加え、100〜200℃の加熱雰囲気下で噴霧乾燥し、20〜50μm程度の大きさに造粒する。その後、酸素濃度5%以下の不活性ガス(例えば、N2ガス等)の雰囲気下で焼結温度1000〜1400℃で8〜12時間焼成する。これによりポーラス状のコアが得られる。次いで、シリコーン樹脂を浸漬法により8〜15質量%充填し、180〜220℃不活性ガス雰囲気下でそのシリコーン樹脂を硬化させる。
上述した製法において、コアのポーラス度、並びに、コア自身の電気的抵抗、更には、充填するシリコーン樹脂等の樹脂量等を制御することで、変曲点、傾きK1・K2、電界Eb・Ed印加時の抵抗率等のキャリアの抵抗率の電界依存性を制御可能となる。
上記の如く制御することにより、キャリアCの内部において、絶縁部と導電部を所望の状態に混在させることが可能となり、キャリアを流れる電荷量を制御することが可能となる。例えば、キャリアAのように、コア全てが導電性な材料で形成されたキャリアの場合、現像バイアスが印加された際、キャリア内及びキャリア間で電気的なパスができやすく、急激に抵抗値が低下することになる。しかしながら、本実施例に従うキャリアCの内部は、ポーラス状コアの空隙に、樹脂が充填されているため、該樹脂部において電荷の流れがある程度食い止められる構成となっている。従って、現像バイアスが印加された際、急激な抵抗低下が生じず、所望の電界強度において、抵抗を低下させることが可能となる。
又、コアのポーラス度や抵抗値は、前述した発泡剤量、並びに、焼成雰囲気をコントロールするための不活性ガス濃度、及び、焼結温度をコントロールすることで制御が可能となる。例えば、下記表1に示す条件で作製されたキャリアの抵抗率を図27に示す。
Figure 0005207702
キャリアC−1は、焼結温度を低くすること、並びに、発泡剤量を多くすることでポーラス度を大きくし、充填される樹脂量が多くなるように制御している。樹脂を多く充填することにより抵抗値を大きくすることが可能となり、更には、焼成雰囲気をコントロールするための酸素濃度を高くすることでコアの抵抗値を高くすることが可能である。
一方、キャリアC−2は、焼結温度を高くすること、並びに、発泡剤量を少なくすることでポーラス度を小さくし、充填される樹脂量が少なくなるように制御している。充填される樹脂が少なければ抵抗値を低くすることが可能となり、更には、焼成雰囲気をコントロールするための酸素濃度を低くすることでコアの抵抗値を低くすることが可能である。
このように、各工程における製造上の制御を行なうことにより、所望の変曲点、並びにK1、K2等を得ることが可能となる。
・比較評価:
図14は、低抵抗キャリアA、高抵抗キャリアB及びキャリアCの抵抗率の電界依存性を示す。低抵抗キャリアA、高抵抗キャリアB及びキャリアCのいずれも、抵抗率に電界依存性を有し、概略、電界が大きくなると、抵抗率が低下する。
それぞれのキャリアの抵抗率ρは、図4に示す装置を用いて計測されたものである。即ち、300mm/secの周速(表面移動速度)で回転するアルミドラムDrに、キャリアのみを充填した現像器4の現像スリーブ41を300μmの距離(最近接距離)をあけて対向させる。そして、現像スリーブ41を540mm/secの周速で回転させながら、アルミドラムDrと現像スリーブ41との間にAC電圧を印加して、キャリアのインピーダンス測定を行い、その測定値よりキャリアの抵抗値Rを求めた。その際、インピーダンス測定は、インピーダンス測定装置ZとしてのSolartron社製 126096Wにて行なった。又、アルミドラムDrとキャリアとの接触している面積Sを計測し、下記式より、キャリアの抵抗率ρを求めた。
Figure 0005207702
又、横軸の電界Eは、アルミドラムDrと現像スリーブ41との最近接位置(最近接距離D)における電界強度であり、アルミドラムDrと現像スリーブ41との間の印加電圧を単純に距離Dで割ったものである。
図15は、実際の現像動作時における、感光体1上の静電像の電位及び現像スリーブ41に印加される現像バイアスを示している。図15の横軸は時間を示し、縦軸は電位を示す。
本試験例では、現像バイアスとしては、ピーク間電圧Vpp=1.8kV、DC成分Vdc=−350V、周波数f=12KHz(1周期83.3μsec)の矩形波の現像バイアス(交番電圧)が用いられる。この現像バイアスが、現像スリーブ41に印加される。
本試験例では、静電像は、イメージ露光方式で形成される。又、本試験例では、トナーはキャリアとの摩擦帯電により負極性に帯電され、現像方式としては、反転現像方式が用いられる。
図15中、VDは感光体1の帯電電位(暗部電位)であり、本試験例では、帯電器2により−500Vに帯電されている。図15中、VLは、露光器3により露光された画像部の電位(明部電位)であり、最高濃度を得るための電位である−100Vに設定されている。
現像スリーブ41には、上述のような矩形波の現像バイアスが印加されている。そのため、Vp1電位=−1250Vが付与された時には、VL電位=−100Vに対して最も大きな電位差(=1150V)が形成され、この電位差により形成される現像電界によって、トナーがキャリアから引き離される。又、現像スリーブ41にVp2電位=+550Vが付与された時には、VL電位(=−100V)に対し650Vの電位差が形成され、VL電位部よりトナーが現像スリーブ41側に引き戻される引き戻し電界が形成される。
図16を参照して、現像バイアスのVL電位に対する時間的変化を考えると、a、b、c、d、eの各時点での電界Ea、Eb、Ec、Ed、Eeは、それぞれ下記式で算出される。尚、感光体1と現像スリーブ41との間の最近接距離Dは300μmに設定されている。
Ea=Ec=Ee=|(Vdc−VL)/D|=0.83×106V/m
Eb=|(Vp1−VL)/D|=3.8×106V/m
Ed=|(Vp2−VL)/D|=2.2×106V/m
従って、図14及び図16から、現像バイアス下におけるキャリアの抵抗率の変化を時間変化に対してプロットすると、低抵抗キャリアA及びキャリアBの場合は図17に示すようになる。
即ち、低抵抗キャリアAの場合は、現像電界Ebの印加時のキャリアの抵抗率R3は(電界3.3×105V/mの時の抵抗率ρ=9.0×106Ω・mから)約5.0×104Ω・mである。つまり、この時、キャリアの抵抗率は非常に低下し、その結果、キャリア内の電荷移動が容易なものとなる。尚、電界Ea、Ec及びEeが印加されている時の低抵抗キャリアAの抵抗率R1は約4.7×106Ω・mである。又、引き戻し電界Edが印加されている時の低抵抗キャリアAの抵抗率R2は約6.2×105Ω・mである。
又、高抵抗キャリアBの場合は、現像電界Ebの印加時のキャリアの抵抗率R6は(電界3.3×105V/mの時の抵抗率ρ=1.0×108Ω・mから)約6.0×107Ω・mである。つまり、この時、キャリアの抵抗率は低下するが、その低下率は小さく、その結果、キャリア内の電荷移動が行なわれず、低抵抗キャリアAよりも現像性が低下することになる。尚、電界Ea、Ec及びEeが印加されている時の高抵抗キャリアBの抵抗率R4は約9.3×107Ω・mである。又、引き戻し電界Edが印加されている時の高抵抗キャリアBの抵抗率R5は約7.7×107Ω・mである。
一方、本実施例に従うキャリアCの場合は、図14に示すように、2.2×106〜3.2×106V/m付近の電界Ep(より詳細には、本試験例では、2.7×106V/m)でその抵抗率の変化(電界依存性)の傾きが急峻となる特性(変曲点P)を有する。
即ち、前述のように、キャリアCは、Ed<Ep<Ebの関係が成り立つ電界強度Epで抵抗率ρの電界依存性の傾き(Δρ/ΔE)が変化する。この傾きを、抵抗率についてグラフの縦軸の指数表示を用いて表すと、本試験例のキャリアCでは、電界強度Edにおける抵抗率ρの電界依存性の傾きK1は、−2.14[Ω・m2/V]である。又、電界強度Ebにおける抵抗率ρの電界依存性の傾きK2は、−3.73[Ω・m2/V]である。即ち、0≧K1>K2が成り立つ。
そのため、現像バイアスを受けると、電界強度がEa→Eb→Ec→Ed→Eeと変化するのに応じて、キャリアCの抵抗率はR7→R9→R7→R8→R7と変化し、抵抗率R9の時のみ抵抗率が大幅に低下するようになっている。
このキャリアCの抵抗率の変化を時間変化に対してプロットすれば、図18に示すようになる。
即ち、キャリアCの抵抗率は、現像電界Ebが印加されている間は、Eb>Epであることから、抵抗率R9が約6.5×106Ω・mとなる。逆に、引き戻し電界Edが印加されている間は、Ed<Epであることから、抵抗率R8が約5.8×107Ω・mとなる。
尚、電界Ea、Ec及びEeが印加されている時のキャリアCの抵抗率R7は約8.6×107Ω・mである。
キャリアCは、現像電界Ebが形成された時のみ、その抵抗率が2桁程度低下し、トナーとキャリアとの付着力が低減する。従って、高抵抗キャリアBより、トナーがキャリアから引き離され易くなる。一方、引き戻し電界Edが形成された時は、キャリアの抵抗率が高くなるので、電荷の移動は鈍いものとなる。従って、現像電界Edが印加された時には現像スリーブ41側からキャリアに逆極性の電荷が流れ難い状態になっているので、キャリアには逆電荷があまり存在しないことになる。従って、感光体1からトナーが再度キャリアに引き戻され、拘束される機会も少なくなる。
このように、キャリアCでは、現像電界Ebが印加される時のみ電気的抵抗が低くなり、低抵抗キャリアAのように現像性が確保され、逆に引き戻し電界Edが印加される時には、高い電気的抵抗が維持され、高抵抗キャリアBのように引き戻し力が弱くなる。その結果、高抵抗キャリアBよりトータルで現像性が高くなる。
図19は、感光体1としてOPC感光体を用いて実際に現像動作を行なった際の現像性を調べた結果を示す。図2と同様、図19の横軸は現像バイアスのVppを示し、縦軸は感光体1上に現像されたトナー像を形成するトナー層の単位面積当りの帯電量Q/S[C/cm2]を示している。又、図19は、膜厚(感光層の厚さ)が30μmで比誘電率が3.3のOPC感光体に対して、Q/M=−30μC/gのトナーを用いて、Vcont=250V(周波数12kHz、矩形波)で現像した際の、Q/S[C/cm2]のVpp依存性を示している。
図19から、キャリアCを用いる場合の方が、従来の高抵抗キャリアBを用いる場合よりもQ/S[C/cm2]のVpp依存性が少ないことが分かる。又、キャリアCを用いる場合は、低抵抗キャリアAを用いる場合と比較しても、Vpp=1.0kV程度まで現像性に差がないことが分かる。
例えば、高抵抗キャリアBを用いる場合、Vpp=1kVの時に、M/S=0.5mg/cm2程度しか得られないのに対し、低抵抗キャリアA及びキャリアCでは、同Vppの時に、M/S=0.65mg/cm2以上を確保することが可能となる。
これは、現像バイアスのVppの値を1.0kV以上、例えば1.6kVと決めた状態で、長期の画像出力を行なう際に、トナーの外添剤が離脱・埋め込みにより低減し、トナーとキャリアとの間の付着力が増加したとしても現像性が低下しないことを示している。現像剤に印加される電界に対し、現像性に余裕があるためである。
図20は、感光体1としてa−Si感光体を用いて実際に現像動作を行った際の現像性を調べた結果を示す。図20の横軸及び縦軸は、図2及び図19と同様である。
図20は、Q/M=約−60μC/gのトナーを使用し、膜厚(感光層の厚さ)が30μmで比誘電率が10のa−Si感光体を用いた場合の結果を示している。現像バイアスの設定は、図19に結果を示した上記OPC感光体を用いた場合と同様である。
尚、低抵抗キャリアAを用いて上記a−Si感光体に対して現像動作を行うと、現像時にキャリアを介して感光体1に電荷が注入され、感光体1上の静電像電位が乱されてしまう。そのため、図20には、低抵抗キャリアAを用いた場合のデータは載せていない。
図20から、高抵抗キャリアBを用いる場合、Vpp=1.8kVの時でも、M/S=0.4mg/cm2程度しか得ることができないのに対して、キャリアCを用いる場合、同Vppの時に、M/S=0.6mg/cm2程度が得られることが分かる。このように、感光体1の静電容量が大きい場合、本実施例の効果がより顕著に得られることが分かった。
本発明者らの検討によれば、感光体1の単位面積当たりの静電容量が、1.7×10-6F/m2以上である場合には、現像性の低下を防止する上記効果が特に顕著に表れる。一般に、a−Si感光体は、上記範囲の静電容量を有する。又、膜厚が比較的薄くされたOPC感光体においても、上記範囲の静電容量を有することがある。又、通常における感光体1の膜厚は、約20μm以上なので単位面積当たりの静電容量は、1.46×10-6F/m2程度以下である。
尚、感光体1の単位面積当たりの静電容量は、次のようにして求めることができる。
C=(ε0×εd)/d
C:静電容量
ε0:真空の誘電率
εd:感光体の誘電率
d:感光体の膜厚
次に、感光体1の静電像の電位を乱す電荷注入について説明する。
ここでは、電荷注入の影響を受けやすい条件として、感光体1としてa−Si感光体を用い、又キャリアとして低抵抗キャリアAを用いて、図12を参照して前述した電荷注入が始まる電界について検討した。
図21は、低抵抗キャリアAを用い、感光体1としてa−Si感光体を用いた場合の電荷注入の発生状況を調べた結果の一例を示す。
図21は、感光体1上に形成された静電像のVL電位及びVD電位が、現像バイアス下でキャリアと接触することによりどれだけ変化するのか、即ち、ΔVL、ΔVDを、Vppを振って調べた結果を示したものである。ΔVL、ΔVDは、下記式で示される。
ΔVL=VL−VL’
[但し、
VLは、元々の(キャリアが接触する前の)最高濃度部(ベタ黒部)の電位
VL’は、キャリアが接触した後のVL電位]
ΔVD=VD−VD’
[但し、
VDは、元々の(キャリアが接触する前の)非画像部(ベタ白部)の電位
VD’は、キャリアが接触した後のVD電位]
ここで、上記VL、VL’、VD、VD’は、図11に示すように、感光体1の表面移動方向において現像部Gよりも下流において表面電位計Vsにて計測されたものである。現像器4が無い状態でVL、VDを測定し、現像器4が設置され所定の現像バイアスが印加された状態でVL’、VD’を測定する。
尚、現像バイアスは、周波数f=12kHz(矩形波)、Vdc=−350Vの交番バイアスである。又、キャリアを接触させない場合のVL電位、VD電位は、それぞれ、VL=−100V、VD=−500Vに設定した。
図21(a)中、■でプロットしたラインはVL電位に対する電荷注入量を示す。Vpp=0.7kVの時には、VL’=−125Vとなり、ΔVL=約25Vとなる。又、Vpp=1.3kVの時には、VL’=−165Vとなり、ΔVL=約65Vとなる。更に、Vpp=1.8kVの時には、VL’=−200Vとなり、ΔVL=約100Vとなる。
又、図21(a)中、△でプロットしたラインはVD電位に対する電荷注入量を示す。Vpp=1kV、1.3kV、1.8kVにおいて、それぞれΔVD=約−25V、−45V、−75Vとなる。
図21(a)のグラフより、電荷注入量が0となるVppは、VL電位に対しては約0.35kVであり、この際の電界は、
Ef1=|(Vp1−VL)/D|=1.4×106V/m
となる。
一方、図21(a)のグラフより、電荷注入量が0となるVppは、VD電位に対しては約0.5kVであり、この際の電界も、
Ef2=|(Vp2−VD)/D|=1.4×106V/m
となる。
即ち、キャリアの抵抗率が、上記1.4×106V/mの電界が印加されている時のキャリアの抵抗率より低くなると、キャリアを介した感光体1上の静電像への電荷注入が発生することになる。そして、上記電界が印加されている時のキャリアAの抵抗率ρ=ρAsは、約2.2×106Ω・mとなることが分かった。
上記結果を図14と照らし合わせたものを図22に示し、又図17と合わせたものを図23(a)に示す。
又、上記同様の実験をキャリアCで行なった結果を図21(b)に示す。
図21(b)中、◆でプロットしたラインはVL電位に対する電荷注入量を示す。
Vpp=1.8kVの時には、VL’=−100Vで、ΔVL=0Vとなる。又、Vpp=2.0kVの時、VL’=約−110Vで、ΔVL=10Vとなる。更に、Vpp=2.2kVの時、VL’=約−125Vで、ΔVL=25Vとなる。
又、図21(b)中、◇でプロットしたラインはVD電位に対する電荷注入量を示す。Vpp=2.0kV、2.2kV、それぞれΔVD=0V、−10Vとなる。
図21(b)のグラフより、電荷注入量が0となるVppは、VL電位に対しては約1.9kVであり、この際の電界は、
Eg1=|(Vp1−VL)/D|=4.0×106V/m
となる。
一方、図21(b)のグラフより、電荷注入量が0となるVppは、VD電位に対しては約2.1kVであり、この際の電界も、
Eg2=|(Vp2−VD)/D|=4.0×106V/m
となる。
即ち、キャリアCの抵抗率が、上記4.0×106V/mの電界が印加されている時のキャリアの抵抗率より低くなると、静電像への電荷注入が発生することになる。そして、上記電界が印加されている時のキャリアCの抵抗率ρ=ρCsは、約5.0×106Ω・mとなることが分かった。
上記結果を図14と照らし合わせたものを図22に示し、又図18と合わせたものを、図23(b)に示す。
図22、23に示すように、例えば、現像バイアスにおけるVppが1.8kVの場合、即ち、現像電界Eb=3.8×106V/m、引き戻し電界Ed=2.2×106V/mが形成された時を考える。ここで、電界Eb、Edが印加された時のキャリアAの抵抗率を、それぞれρAEb、ρAEdとする。又、電界Eb、Edが印加された時のキャリアCの抵抗率を、それぞれρCEb、ρCEdとする。
この時、キャリアAでは、
ρAs>ρAEd、ρAEb
の関係である。そのため、現像電界Eb及び引き戻し電界Edの両方の形成時で、電荷注入が発生することになる。
一方、キャリアCでは、
ρCs<ρCEd、ρCEb
の関係である。そのため、現像電界Eb及び引き戻し電界Edの両方の形成時で、電荷注入が防止される。
ここで、上記ρAsとρCsを結んだラインを注入閾値抵抗ラインρsとすると、キャリアの抵抗率が、該ラインρs以下になると、電荷注入が発生することを意味している。以下、注入閾値抵抗ラインρsついて説明する。
キャリアAにおいて、電荷注入が始まる抵抗率はρAsとなることを上述して説明した。この際、キャリアを通して流れる電流量は、約2.2×10-4Aとなっている。一方、キャリアCにおける抵抗率ρCs時の電流値も、約2.2×10-4Aとなる。即ち、キャリアにある一定以上の電流値(電流閾値)が流れ始めた状態が、電荷注入が始まる状態と考えられる。従って、注入閾値抵抗ラインρs上の抵抗率は、上記電流閾値(一定値)における抵抗率を示すことになる。そのため、該注入閾値抵抗ラインρsより下の抵抗率になると、上記電流閾値より多くの電流が流れていることになる(図30に示す注入閾値電流ラインLを参照)。このように、注入閾値抵抗ラインρsは、電荷注入の閾値を意味する。
ここで、注入閾値抵抗ラインρsを近似すると、
ρs=1.1×106×eN[Ω・m]
[ここで、
eは自然対数の底(e≒2.71828)であり、又
N=4×E×10-7
となる。そして、現像電界Ebにおけるキャリアの抵抗率をρsEbとすると、該抵抗率が、下記式、
ρsEb=1.1×106×en[Ω・m]
[ここで、
eは自然対数の底(e≒2.71828)であり、又
n=4×Eb×10-7
で表される抵抗率ρsEbを上回っていれば、現像電界印加時に電荷注入が防止されることを示している。
図29に示すように、本例では、キャリアAにおける電界Eb印加時の抵抗率ρAEbは約5.0×104Ω・mである。一方、キャリアCにおける電界Eb印加時の抵抗率ρCEbは約6.5×106Ω・mである。ここで、注入閾値抵抗ラインρs上における電界Eb印加時の抵抗率ρsEbは約5.1×106Ω・mである。そのため、ρAEb<ρsEb<ρCEbの関係となり、キャリアAでは電荷注入が発生するが、キャリアCでは電荷注入は発生しない。
又、本例では、キャリアAにおける電界Ed印加時の抵抗率ρAEdは約6.2×105Ω・mである。一方、キャリアCにおける電界Ed印加時の抵抗率ρCEdは約5.8×107Ω・mである。電荷注入を抑制するために、キャリアCにおける電界Ed印加時の抵抗率ρCEd(抵抗率ρd)は、6.2×105Ω・mよりも大きいことが望ましい。ここで、注入閾値抵抗ラインρs上における電界Ed印加時の抵抗率ρsEdは約2.6×106Ω・mである。そのため、ρAEd<ρsEd<ρCEdの関係となり、キャリアAでは電荷注入が発生するが、キャリアCでは電荷注入は発生しない。
次に、電界Eb、Edと注入閾値抵抗ラインρsの関係について説明する。ここでは、説明をよりわかり易くするために、キャリアCと特性がよく似たキャリアDを用いて説明する。
キャリアDは、前述したように、製造過程における焼結温度や発泡剤量をコントロールして、キャリアCとは異なる変曲点及びK1、K2の有するものである。図28に、キャリアA、B、Cと共に、キャリアDの抵抗率の電界依存性を示す。
キャリアDは、キャリアCに近い特性を持つが、現像電界Eb=3.8×106V/m(Vpp1.8kV)の印加時における抵抗率ρDEbが、注入閾値抵抗ラインρsを下回る。そのため、ρsEb>ρDEbの関係となり、電界Eb印加時に電荷注入が発生する。
このように、キャリアCと同様に変曲点及びK1、K2を持つようなキャリアであっても、電界Ebにおける抵抗率が注入閾値ラインρsを下回ると、電荷注入が発生することになる。
但し、このような場合、電界Eb、Edの値、即ち、現像バイアスに関わるVpp等を下げることにより、電荷注入を防止することが可能となる。
例えば、Vpp=1.3kVの場合、現像電界Eb=3.0×106V/m、引き戻し電界Ed=1.3×106V/mとなる。この場合、キャリアDの電界Eb印加時の抵抗率ρDEbは約1×107Ω・mとなる。一方、現像電界Eb=3.0×106V/mの印加時の注入閾値抵抗ラインρs上の抵抗率ρsEbは3.7×106Ω・mとなる。従って、ρsEb<ρDEbの関係となるため、Vpp=1.3kVでは電荷注入が発生しないことになる。
しかしながら、上述のようにVppを下げることにより、現像時の電荷注入を防止することが可能となるが、その分、逆にトナーを現像するための電界強度が弱まるため、現像性そのものに影響を与える。そのため、際限なくVppを下げることは望ましくない。
適正なVppは、選ぶトナーとキャリアの付着力によって変化するが、好ましくは、
1.6×106[V/m]<Eb<3.9×106[V/m]
1.6×105[V/m]<Ed<2.5×106[V/m]
である。
従って、上記Eb、Edの範囲において、キャリア抵抗率の変曲点Epが
Ed<Ep<Eb
を満たすように調整することが望まれる。
又、現像電界Ebが印加されている時のキャリアの抵抗率ρbは、好ましくは、6.0×107Ω・m未満である。これより大きい場合には、トナーとキャリアとの付着力を低減させることができずに、良好な現像性を得ることができない虞がある。
即ち、好ましくは、現像電界Ebは、
1.6×106[V/m]<Eb<3.9×106[V/m]
の範囲である。
そして、好ましくは、斯かる電界Ebが印加されている時のキャリアCの抵抗率ρbは、ρsEb=1.1×106×en[Ω・m]
[ここで、
eは自然対数の底であり、又
n=4×Eb×10-7
で示す注入閾値抵抗ラインより大きく、
ρsEb<ρb
の関係を満たす。
又、好ましくは、斯かる電界Ebが印加されている時のキャリアCの抵抗率ρbは6.0×107Ω・m未満である。
このように、1.6×106[V/m]<Eb<3.9×106[V/m]の範囲の電界Ebが印加されている時のキャリアCの抵抗率ρb[Ω・m]が、
ρsEb<ρb<6.0×107
の関係を満たすことが望まれる。
尚、上述では、特に、電荷注入の影響を受け易い条件として、感光体1としてa−Si感光体を用いて、静電像への電荷注入を防止するためのキャリアの抵抗率を検討した例について説明した。本発明者らの検討によれば、斯かる検討により得られた静電像への電荷注入を防止するためのキャリアの抵抗率の設定とすることによって、OPC感光体など他の感光体を用いる場合であっても、良好に静電像への電荷注入を防止することができる。
以上説明したように、上述のようなキャリアCの電気的な抵抗特性を有することにより、ACバイアスとDCバイアスとが重畳された現像バイアス(交番バイアス電圧)の印加中に、現像電界Ebが形成された時のみキャリアの抵抗値が低下する。これにより、キャリアの周りに形成される電界が大きくなり、トナーがキャリアから引き離される力が、高抵抗キャリアBより大きくなり、現像性が向上する。又、現像動作時の現像電界Ebが形成された時のキャリアの抵抗率ρbが上記ρsEbより大きくなるようにキャリアの材料及び構成を調整することにより、現像動作時のキャリアを介した感光体1上の静電像への電荷注入を防止することが可能となる。
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではないことを理解されたい。
例えば、上記各実施例では、感光体は負極性に帯電し、イメージ露光方式によって感光体上に静電像が形成されるものとして説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、感光体の帯電極性は正極性であってもよい。又、トナーが付着すべきではない非画像部に露光を行うことで静電像を形成する背景露光方式によって、感光体に静電像が形成されてもよい。又、現像方式としては、感光体の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーを用いる(感光体の露光されていない画像部を現像する)正規現像方式を用いてもよい。
現像バイアス印加中のキャリアの抵抗率変動を説明するためのグラフ図である。 キャリアによる現像性の差を説明するためのグラフ図である。 現像バイアス印加中のキャリアの抵抗率変動を説明するためのグラフ図である。 キャリアの抵抗率の測定方法を説明するための模式図である。 現像バイアスと静電像の電位の関係を説明するための説明図である。 現像バイアスと静電像の電位の関係を説明するための説明図である。 現像バイアス印加中のキャリアの抵抗率変動を説明するためのグラフ図である。 現像バイアス下における時間変化に対するキャリアの抵抗率変動を説明するためのチャート図である。 現像バイアス下における時間変化に対するキャリアの抵抗率変動を説明するためのチャート図である。 感光体への現像時の電荷注入量を調べた結果を示すグラフ図である。 電荷注入量の測定方法を説明するための模式図である。 現像バイアス印加中のキャリアの抵抗率変動と電荷注入閾値を説明するためのグラフ図である。 現像バイアス下における時間変化に対するキャリアの抵抗率変動と電荷注入閾値を説明するためのチャート図である。 試験例における現像バイアス印加中のキャリアの抵抗率変動を説明するためのグラフ図である。 試験例における現像バイアスと静電像の電位の関係を説明するための説明図である。 試験例における現像バイアスと静電像の電位の関係を説明するための説明図である。 試験例における現像バイアス下における時間変化に対するキャリアの抵抗率変動を説明するためのチャート図である。 試験例における現像バイアス下における時間変化に対するキャリアの抵抗率変動を説明するためのチャート図である。 試験例におけるキャリアによる現像性の差(OPC感光体を用いた場合)を説明するためのグラフ図である。 試験例におけるキャリアによる現像性の差(a−Si感光体を用いた場合)を説明するためのグラフ図である。 試験例におけるキャリアの電荷注入量を調べた結果を示すグラフ図である。 試験例における現像バイアス印加中のキャリアの抵抗率変動と電荷注入閾値を説明するためのグラフ図である。 試験例における現像バイアス下における時間変化に対するキャリアの抵抗率変動と電荷注入閾値を説明するためのグラフ図である。 本発明を適用し得る画像形成の一実施例の概略断面構成図である。 感光体の層構成の一例を説明するための模式図である。 感光体の層構成の他の例を説明するための模式図である。 本発明に従うキャリアの種類による抵抗率変動の差を説明するためのグラフ図である。 現像バイアス印加中のキャリアの抵抗率変動と電荷注入閾値を説明するためのグラフ図である。 現像バイアス印加中のキャリアの抵抗率変動と電荷注入閾値を説明するためのグラフ図である。 キャリアに流れる電流と電荷注入との関係を説明するためのグラフ図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電器
3 露光器
4 現像器
5 転写帯電器
6 定着器
7 クリーナー

Claims (5)

  1. 像担持体と、トナーとキャリアを備える現像剤を担持する現像剤担持体と、を有し、前記現像剤担持体は、前記像担持体に形成された静電像を前記現像剤で現像し、前記現像剤担持体と前記像担持体との間に交番電界を形成するために、前記現像剤担持体は交番電圧が印加される画像形成装置において、
    前記キャリアに与えられる電界強度を横軸、前記キャリアの抵抗率を縦軸とし、縦軸を対数とする片対数グラフにおいて、
    電界強度Eb、Edを
    Eb=|(Vp1−VL)/D|
    Ed=|(Vp2−VL)/D|
    (ただし、
    VLは、最高濃度を得るための前記静電像の電位[V]、
    Vp1は、前記交番電圧におけるピーク電位のうち、前記VLの部分に対しトナーを前記像担持体に向けて移動させるような電位差を設けるピーク電位[V]、
    Vp2は、前記交番電圧におけるピーク電位のうち、前記VL電位に対しトナーを前記現像剤担持体に向けて移動させるような電位差を設けるピーク電位[V]、
    Dは、前記像担持体と前記現像剤担持体との間の最近接距離[m])
    とするとき、
    Edにおける傾きをK1、Ebにおける傾きをK2とすると、0≧K1>K2を満たし、前記電界強度Ebにおける前記キャリアの抵抗率ρbが、
    1.1×106×en<ρb<6.0×107[Ω・m]
    (ただし、eは自然対数の底であり、n=4×Eb×10-7
    を満たすことを特徴とする画像形成装置。
  2. 1.6×106<Eb<3.9×106[V/m]
    1.6×105<Ed<2.5×106[V/m]
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記像担持体の静電容量は1.7×10-6[F/m2〕以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記像担持体は、アモルファスシリコン層を備える感光体であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記電界強度Edにおける前記キャリアの抵抗率ρdは、6.2×105[Ω・m]よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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