JPH10153915A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH10153915A
JPH10153915A JP9258954A JP25895497A JPH10153915A JP H10153915 A JPH10153915 A JP H10153915A JP 9258954 A JP9258954 A JP 9258954A JP 25895497 A JP25895497 A JP 25895497A JP H10153915 A JPH10153915 A JP H10153915A
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transfer
image carrier
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image
transfer means
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JP9258954A
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English (en)
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Toshihiko Takatani
敏彦 高谷
Fumio Shimazu
史生 島津
Seiichi Yoshida
誠一 吉田
Hideki Onishi
英樹 大西
Tomohiro Oikawa
智博 及川
Yoshie Iwakura
良恵 岩倉
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Priority to US08/938,618 priority patent/US6078772A/en
Priority to CNB971205655A priority patent/CN1154881C/zh
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  • Color Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写ドラムの時定数を規定することによっ
て、転写ドラムによる電界を安定させ、良好な転写を可
能とする。 【解決手段】 表面にトナー像が形成される感光体ドラ
ム15と、感光体ドラム15に転写材を当接させること
によって上記トナー像を転写材に転写する転写ドラム1
1と、転写材にトナー像を転写する前に転写ドラム11
に転写材を静電吸着させるグランドローラ12とを有す
る。転写ドラム11は、導電体層に半導電体層と誘電体
層とが積層されてなる。感光体ドラム15と転写ドラム
11とのニップの幅をL1とし、上記2つのドラムの回
転速度をVpとし、2つのドラム間の、抵抗と静電容量
との積で表される転写ドラム11の時定数をτとする
と、L1/Vp<τの関係が満たされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザープリン
タ、複写機、レーザーファックス、およびそれらの複合
機器等に用いられる画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、感光体ドラムに形成された静
電潜像にトナーを付着させて現像し、このトナー像を、
転写ドラムに巻き付けられた転写材に転写する画像形成
装置がある。
【0003】このような画像形成装置は、例えば図27
に示すように、誘電体層101aを有する円筒101内
部に、転写材Pを吸着するコロナ帯電器102と、感光
体ドラム103表面に形成されたトナー像を転写材Pに
転写させるコロナ帯電器104とが別々に配設されてお
り、各帯電器102・104によって転写材Pの吸着と
転写とを別々に行うようになっている。
【0004】また、図28に示すように、外層の半導電
体層201aと内層の基材201bとの2層構造の円筒
201と、搬送された転写材Pを上記円筒201に沿わ
せて保持するためのグリップ機構202とを備えた画像
形成装置がある。この画像形成装置では、搬送された転
写材Pを上記グリップ機構202によりその端部を掴ん
で円筒201の表面に沿わせた後、円筒201の外層の
半導電体層201aに電圧を印加するか、或いは円筒2
01内部に設けられた帯電器により放電することによっ
て円筒201表面を帯電させて、感光体ドラム103の
トナー像を転写材Pに転写するようになっている。
【0005】ところが、図27に示す画像形成装置で
は、転写ローラである円筒101が誘電体層101aの
みの一層構造となっているため、その内部に、上記した
コロナ帯電器102・104を配設する必要がある。こ
のため、円筒101の大きさが制限され、装置を小型化
することができないという問題が生じている。
【0006】また、図28に示す画像形成装置では、転
写ローラである円筒201を2層構造とすることで、転
写材Pにトナー像を転写するための円筒201の帯電を
行うようになっているので、帯電器の数が少なくて済
む。しかしながら、上記グリップ機構202を備えてい
るので、画像形成装置全体の構成が複雑なものとなり、
これによって、装置全体の部品点数が多くなり、装置の
製造に係る費用が増加するという問題が生じている。
【0007】そこで、上記問題点を解決するために、例
えば特開平2−74975号公報には、接地された金属
ロール上に、導電性ゴムと誘電体フィルムが積層された
転写ドラムの転写材の剥離位置付近にユニポーラ電源に
より駆動されるコロナ帯電器を設けた画像形成装置が開
示されている。上記の画像形成装置では、コロナ帯電器
によって誘電体フィルムに電荷を誘起させて転写材を転
写ドラムに吸着させている。また、転写材が吸着される
とさらに電荷が誘起され、転写が行われる。
【0008】従って、上記の画像形成装置によれば、一
つの帯電器により転写ドラム表面の帯電を行い転写材を
吸着し、転写するようになっているので、転写ドラムを
小型化することができる。また、転写材を保持するため
の上記したグリップ機構202等のような機構を必要と
せず、簡素な構造で転写材を吸着させることができる。
【0009】また、特開平5−173435号公報およ
びUSP5390012には、発泡体からなる弾性層と
弾性層を覆う誘電体層とを少なくとも有する転写ドラム
を備えると共に、感光体ドラム上に順次形成された各色
のトナー像を、上記転写ドラム上に吸着された転写材上
に、順次重ね合わせて転写し、転写材上にカラー画像を
形成する転写装置が開示されている。
【0010】上記転写装置では、転写ドラム上に転写材
を担持させる方法として、電荷付与手段としての吸着ロ
ーラを用いて、転写材を転写ドラム上に静電吸着させて
いる。また、上記転写ドラムにおける上記弾性層と誘電
体層との間に10μm以上の空隙を設けることによっ
て、誘電体層の裏面(転写材のない側)に電荷を蓄積
し、電位維持を環境に左右されない構成としている。こ
れにより、吸着能力、即ち、転写材の吸着性を向上させ
ている。
【0011】また、特公平5−84902号公報には、
感光体ドラム上に形成されるトナー像を転写位置で転写
材に転写するための転写ドラムを有する多重転写装置の
構成が開示されている。上記転写ドラムには、誘電率が
3.0〜13.0、厚さが70〜200μm、臨界表面
張力が40dyne/cm以下の誘電体層が積層されて
いる。このような誘電体層の電気特性によって環境・雰
囲気での転写性能を維持でき、また上記臨界表面張力に
よって転写材分離後の転写ドラム表面のクリーニング性
を保証することができる。
【0012】また、その他、感光体ドラムに形成された
トナー像が転写材に転写される前に一旦重ねて転写され
る中間転写ベルトのクリーニング機構として、例えば特
開平5−323835号公報には、ブラシとブレードを
併用する方法が、特開平5−313512号公報には、
ブラシで中間転写ベルト表面を除電した後、ブレードで
クリーニングする方法がそれぞれ記載されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平2−74975号公報による構成では、コロナ帯電
器の空中放電によって転写ドラムの表面を帯電させてい
るため、空気の温度や湿度等の環境に影響されて、転写
ドラムの表面電位にばらつきが生じ易くなる。従って、
転写材の吸着不良および印字乱れ等が生じ易くなる。ま
た、転写ドラム表面に疵がつくと、空中放電による帯電
では電界領域が小さくなり、上記の疵の部分で転写電界
バランスが狂ってしまう。従って、その部分で転写が行
われると白抜け等の転写不良が生じ、画質の低下を招く
ことになる。
【0014】また、特開平5−173435号公報およ
びUSP5390012による構成では、以下の問題を
有している。一般に、転写材の種類が異なると、転写ド
ラムと吸着ローラとの間を転写材が通過する一定時間
(ニップ時間)内における転写材の帯電電荷量が異なる
ので、感光体ドラムから転写材に静電転写されるときの
転写電界は、転写材の種類の違いによってかなり差があ
ると考えられている。つまり、どのような種類の転写材
においてもニップ時間を一定にした場合、一定時間内に
注入される電荷量が転写材の種類の違いによって異なる
ため、転写材の種類によっては、転写ドラムの静電転写
能力が低下し、感光体ドラムから静電転写されない場合
がある。これにより、感光体ドラム上に形成されたトナ
ー像が転写材に良好に転写されないという問題が生じ
る。
【0015】また、上記と同様に、ニップ時間を一定に
した場合に、転写材の種類によっては、転写ドラムの静
電吸着能力が低下し、転写ドラムへ転写材が静電吸着さ
れない場合がある。これにより、転写ドラムから転写材
が剥がれたりして、感光体ドラム上に形成されたトナー
像が転写材に良好に転写されないという問題が生じる。
【0016】さらに、転写材分離後の転写ドラム表面に
は、転写材吸着電荷やトナーのカウンターチャージ等が
あり、転写ドラム表面の付着トナーの電気的束縛力が強
い場合にはクリーニング性が変化する場合がある。特
に、高電気抵抗トナーではその傾向が強い。このよう
に、クリーニング性が変化して、転写ドラム表面のトナ
ーが除去されにくくなると、転写材の裏面が汚れたり、
次の吸着・転写が良好に行われなくなるという問題が生
じる。
【0017】また、上記した従来の何れの構成において
も、転写ドラムや中間転写ベルトのクリーニング機構や
除電機構としては、感光体ドラムや感光体ベルトといっ
た像担持体で用いられていた方式の単なる流用でしかな
く、転写ドラムに最適化された機構とはなっていない。
そのため、例えばクリーニング後の転写ドラムに残留す
る不要電荷により、転写材を吸着させるための吸着電位
が不安定になって吸着力が低下し、搬送中に転写材が誘
電体層から剥がれたり、位置ずれを生じたりし、ひいて
は、画質の低下が招来されるといった問題点を有してい
る。
【0018】クリーニング後の不要電荷とは、クリーニ
ング機構のブレードが転写ドラムの表面を擦る際に発生
する摩擦帯電とトナーのカウンターチャージとの和に相
当するものである。
【0019】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、その目的は、転写手段の時定数を
規定することによって、転写手段による電界を安定さ
せ、良好な転写を可能とする画像形成装置を提供するこ
とにある。
【0020】また、転写材を静電吸着する誘電体層を有
した転写手段の構成に着目し、転写手段の時定数を規定
することによって、別途に除電装置等を設けることなく
クリーニング後の転写手段表面に残留する不要電荷の除
去を可能とし、常に安定な給紙吸着特性をもって画質を
向上し得る画像形成装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1に記載の画像形成装置は、表面
にトナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電
体層が積層されてなり、上記像担持体に転写材を当接さ
せることによって上記像担持体上に形成されたトナー像
を転写材に転写する転写手段と、該転写手段の外周に配
置され、転写材にトナー像を転写する前に上記転写手段
に転写材を電気的に吸着保持させる吸着手段とを有し、
上記像担持体と転写手段との接触によって形成される接
触部の幅をLとし、像担持体および転写手段の表面速度
をVpとし、像担持体と転写手段との間の、抵抗と静電
容量との積で表される転写手段の時定数をτとすると、
L/Vp<τの関係が満たされていることを特徴として
いる。
【0022】上記の構成によれば、転写手段の導電性基
体側から、あるいは吸着手段側から電圧が印加されて両
者の間に電位差が生じると、吸着手段と転写手段との間
の電界(吸着保持電界と称する)により誘電体層に電荷
が誘起され、転写材が誘電体層に静電吸着される。そし
て、吸着された転写材は、転写手段の回転に伴い搬送さ
れ、像担持体と転写手段との間の接触部に搬送されて像
担持体に当接されたとき、像担持体と転写手段との間に
発生した電界(転写電界と称する)により、トナー像が
転写材上に転写され、その後、転写材は転写手段から剥
離されることとなる。
【0023】このとき、L/Vp<τの関係が満たされ
ている、つまり、転写手段の表面が幅Lだけ移動するの
に要する時間が時定数τよりも小さく設定されているの
で、幅Lの間において転写手段を誘電体として扱うこと
ができ、電荷の移動を抑えることが可能となる。
【0024】従って、接触部における転写電界が常に安
定となるため、転写材の種類あるいは厚さ等の違いによ
る静電転写能力の低下を防ぐことができ、良好なトナー
転写を行うことが可能となる。
【0025】請求項2に記載の画像形成装置は、表面に
トナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電体
層が積層されてなり、上記像担持体上に形成されたトナ
ー像が一時的に静電転写される中間転写手段と、該中間
転写手段に一時的に転写されたトナー像を転写材に静電
転写する転写手段とを有し、上記像担持体と中間転写手
段との接触によって形成される接触部の幅をLとし、像
担持体および中間転写手段の表面速度をVpとし、像担
持体と中間転写手段との間の、抵抗と静電容量との積で
表される中間転写手段の時定数をτとすると、L/Vp
<τの関係が満たされていることを特徴としている。
【0026】上記の構成によれば、中間転写手段と像担
持体との間に電位差が生じると、中間転写手段と像担持
体との間の電界(トナー保持電界と称する)により誘電
体層に電荷が誘起され、トナー像が一旦中間転写手段に
静電転写される。一方、転写材は、中間転写手段と転写
手段との間に搬送されて中間転写手段に当接されたと
き、中間転写手段と転写手段との間に発生した電界(転
写電界と称する)により、トナー像が転写材上に転写さ
れ、その後、転写材は転写手段から剥離されることとな
る。尚、カラー画像の場合には、中間転写手段にトナー
像を重ね転写し、重ね転写されたトナー像を一括して転
写材上に転写してもよい。
【0027】このとき、L/Vp<τの関係が満たされ
ている、つまり、中間転写手段の表面が幅Lだけ移動す
るのに要する時間が時定数τよりも小さく設定されてい
るので、幅Lの間において中間転写手段を誘電体として
扱うことができ、電荷の移動を抑えることが可能とな
る。
【0028】従って、接触部におけるトナー保持電界が
常に安定するため、転写材の種類あるいは厚さ等の違い
によるトナー保持能力の低下を防ぐことができ、良好な
トナー転写を行うことが可能となる。
【0029】請求項3に記載の画像形成装置は、表面に
トナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電体
層が積層されてなり、上記像担持体に転写材を当接させ
ることによって上記像担持体上に形成されたトナー像を
転写材に転写する転写手段と、該転写手段の外周に配置
され、転写材にトナー像を転写する前に上記転写手段に
転写材を電気的に吸着保持させる吸着手段とを有し、上
記転写手段による転写位置から上記吸着手段による吸着
位置までの転写手段上の距離をLとし、像担持体および
転写手段の表面速度をVpとし、像担持体と転写手段と
の間の、抵抗と静電容量との積で表される転写手段の時
定数をτとすると、L/Vp<τの関係が満たされてい
ることを特徴としている。
【0030】上記の構成によれば、請求項1と同様に、
吸着保持電界によって転写材が転写手段に静電吸着さ
れ、転写電界によってトナー像が転写材上に転写され
る。
【0031】このとき、L/Vp<τの関係が満たされ
ている、つまり、転写手段の表面が吸着位置から転写位
置までの距離Lだけ移動するのに要する時間が時定数τ
よりも小さく設定されているので、距離Lの間において
転写手段を誘電体として扱うことができ、電荷の移動を
抑えることが可能となる。
【0032】従って、距離Lの間での吸着保持電界が常
に安定するため、転写材の種類あるいは厚さ等の違いに
よる静電吸着能力の低下を防ぐことができ、良好なトナ
ー転写を行うことが可能となる。
【0033】請求項4に記載の画像形成装置は、表面に
トナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電体
層が積層されてなり、上記像担持体上に形成されたトナ
ー像が一時的に静電転写される中間転写手段と、該中間
転写手段に一時的に転写されたトナー像を転写材に静電
転写する転写手段とを有し、上記像担持体から中間転写
手段にトナー像が転写される第1の転写位置から、上記
中間転写手段から転写材にトナー像が転写される第2の
転写位置までの中間転写手段上の距離をLとし、像担持
体および中間転写手段の表面速度をVpとし、像担持体
と中間転写手段との間の、抵抗と静電容量との積で表さ
れる中間転写手段の時定数をτとすると、L/Vp<τ
の関係が満たされていることを特徴としている。
【0034】上記の構成によれば、請求項2と同様に、
トナー保持電界により第1の転写位置にて一旦中間転写
手段表面上にトナー像が転写され、その後、転写電界に
より第2の転写位置にて転写材上にトナー像が転写され
る。
【0035】このとき、L/Vp<τの関係が満たされ
ている、つまり、中間転写手段の表面が第1の転写位置
から第2の転写位置までの距離Lだけを移動するのに要
する時間が時定数τよりも小さく設定されているので、
距離Lの間において中間転写手段を誘電体として扱うこ
とができ、電荷の移動を抑えることが可能となる。
【0036】従って、距離Lの間でのトナー保持電界が
安定するため、転写材の種類あるいは厚さ等の違いによ
るトナー保持能力の低下を防ぐことができ、良好なトナ
ー転写を行うことが可能となる。
【0037】請求項5に記載の画像形成装置は、表面に
トナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電体
層が積層されてなり、上記像担持体に転写材を当接させ
ることによって上記像担持体上に形成されたトナー像を
転写材に転写する転写手段と、該転写手段の外周に配置
され、転写材にトナー像を転写する前に上記転写手段に
転写材を電気的に吸着保持させる吸着手段とを有し、上
記転写手段の外周の長さをLとし、像担持体および転写
手段の表面速度をVpとし、像担持体と転写手段との間
の、抵抗と静電容量との積で表される転写手段の時定数
をτとすると、L/Vp<τの関係が満たされているこ
とを特徴としている。
【0038】上記の構成によれば、請求項1と同様に、
吸着保持電界によって転写材が転写手段に静電吸着さ
れ、転写電界によってトナー像が転写材上に転写され
る。
【0039】このとき、L/Vp<τの関係が満たされ
ている、つまり、転写手段の表面が1周するのに要する
時間が時定数τよりも小さく設定されているので、長さ
Lにおいて転写手段を誘電体として扱うことができ、電
荷の移動を抑えることが可能となる。
【0040】従って、長さLの間での吸着保持電界が常
に安定するため、転写材の種類あるいは厚さ等の違いに
よる静電吸着能力の低下を防ぐことができ、良好なトナ
ー転写を行うことが可能となる。
【0041】請求項6に記載の画像形成装置は、表面に
トナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電体
層が積層されてなり、上記像担持体上に形成されたトナ
ー像が一時的に静電転写される中間転写手段と、該中間
転写手段に一時的に転写されたトナー像を転写材に静電
転写する転写手段とを有し、上記中間転写手段の外周の
長さLとし、像担持体および中間転写手段の表面速度を
Vpとし、像担持体と中間転写手段との間の、抵抗と静
電容量との積で表される中間転写手段の時定数をτとす
ると、L/Vp<τの関係が満たされていることを特徴
としている。
【0042】上記の構成によれば、請求項2と同様に、
トナー保持電界により一旦中間転写手段表面上にトナー
像が転写され、その後、転写電界により転写材上にトナ
ー像が転写される。
【0043】このとき、L/Vp<τの関係が満たされ
ている、つまり、中間転写手段の表面が1周するのに要
する時間が時定数τよりも小さく設定されているので、
長さLの間において中間転写手段を誘電体として扱うこ
とができ、電荷の移動を抑えることが可能となる。
【0044】従って、長さLの間でのトナー保持電界が
安定するため、転写材の種類あるいは厚さ等の違いによ
るトナー保持能力の低下を防ぐことができ、良好なトナ
ー転写を行うことが可能となる。
【0045】請求項7に記載の画像形成装置は、表面に
トナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電体
層が積層されてなり、上記像担持体に転写材を当接させ
ることによって上記像担持体上に形成されたトナー像を
転写材に転写する転写手段と、該転写手段の外周に配置
され、転写材にトナー像を転写した後に上記転写手段表
面に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを有
し、上記転写手段による転写位置から上記クリーニング
手段によるクリーニング位置までの転写手段上の距離を
Lとし、像担持体および転写手段の表面速度をVpと
し、像担持体と転写手段との間の、抵抗と静電容量との
積で表される転写手段の時定数をτとすると、L/Vp
>τの関係が満たされていることを特徴としている。
【0046】上記の構成によれば、請求項1と同様に、
吸着保持電界によって転写材が転写手段に静電吸着さ
れ、転写電界によってトナー像が転写材上に転写された
後、クリーニング手段によって残留トナーが除去され
る。
【0047】このとき、L/Vp>τの関係が満たされ
ている、つまり、転写手段の表面が転写位置からクリー
ニング位置までの距離Lだけ移動するのに要する時間が
時定数τよりも大きく設定されているので、距離Lの間
において不要電荷が減衰して、クリーニング手段に残留
トナーが達したときにはトナーの付着力は対向電荷と物
理的付着力のみとなる。
【0048】従って、クリーニング手段によるトナーの
除去を容易に行うことができ、トナーが転写手段表面に
残存するのを防止することができる。これにより、次の
転写時に、良好なトナー転写を行うことが可能となる。
【0049】請求項8に記載の画像形成装置は、表面に
トナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電体
層が積層されてなり、上記像担持体上に形成されたトナ
ー像が一時的に静電転写される中間転写手段と、該中間
転写手段に一時的に転写されたトナー像を転写材に静電
転写する転写手段と、上記中間転写手段の外周に配置さ
れ、転写材にトナー像を転写した後に上記中間転写手段
表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを
有し、上記像担持体から中間転写手段にトナー像が転写
される転写位置から、上記クリーニング手段によるクリ
ーニング位置までの中間転写手段上の距離をLとし、像
担持体および中間転写手段の表面速度をVpとし、像担
持体と中間転写手段との間の、抵抗と静電容量との積で
表される中間転写手段の時定数をτとすると、L/Vp
>τの関係が満たされていることを特徴としている。
【0050】上記の構成によれば、請求項2と同様に、
トナー保持電界により転写位置にて一旦中間転写手段表
面上にトナー像が転写され、その後、転写電界により転
写材上にトナー像が転写され、クリーニング手段により
残留トナーが除去される。
【0051】このとき、L/Vp>τの関係が満たされ
ている、つまり、中間転写手段の表面が転写位置からク
リーニング位置までの距離Lだけを移動するのに要する
時間が時定数τよりも大きく設定されているので、距離
Lの間において不要電荷が減衰して、クリーニング手段
に残留トナーが達したときにはトナーの付着力は対向電
荷と物理的付着力のみとなる。
【0052】従って、クリーニング手段によるトナーの
除去を容易に行うことができ、トナーが中間転写手段表
面に残存するのを防止することができる。これにより、
次の転写時に、良好なトナー転写を行うことが可能とな
る。
【0053】また、請求項9に記載の画像形成装置は、
上記の課題を解決するために、表面にトナー像が形成さ
れる像担持体と、導電性基体の上に誘電体層が積層され
てなり、上記誘電体層に静電吸着された転写材を回転に
伴い上記像担持体に当接させて像担持体上に形成された
トナー像を転写材に転写する転写手段と、上記転写手段
の外周で、かつ転写位置より上流側に配設され、転写材
を上記誘電体層に静電吸着させる吸着手段と、上記転写
手段の外周で、かつ転写位置より下流側に配設され、転
写材剥離後の転写手段表面に残留するトナーを除去する
クリーニング手段とを有し、上記クリーニング手段によ
るクリーニング位置から上記吸着手段による吸着位置ま
での転写手段外周面上の距離をLとし、像担持体及び転
写手段の表面速度をVpとし、像担持体と転写手段との
間の、抵抗と静電容量との積で表される転写手段の時定
数をτとすると、L/Vp>τの関係が満たされている
ことを特徴としている。
【0054】上記の構成によれば、転写手段の導電性基
体側から、或いは吸着手段側から電圧が印加されて両者
の間に電位差が生じると、吸着手段と転写手段との間
(吸着位置)の電界(吸着保持電界と称する)により誘
電体層に電荷が誘起され、転写材が誘電体層に静電吸着
される。そして、吸着された転写材は、転写手段の回転
に伴い搬送され、像担持体と転写手段との間に搬入され
て像担持体に当接されたとき、像担持体と転写手段との
間に発生している電界(転写電界と称する)により、ト
ナー像が転写材上に転写され、その後、転写材が転写手
段より剥離されることとなる。
【0055】転写材剥離後の転写手段は、クリーニング
手段によりクリーニング位置で転写手段表面に残留する
トナーが除去された後、再び吸着位置に到達して、次の
転写材が静電吸着されることとなる。
【0056】このとき、L/Vp>τの関係が満たされ
ている、つまり、クリーニング手段によるクリーニング
を受けた転写手段表面(外周面)上の一点が吸着位置ま
で距離Lだけ移動するのに要する時間が時定数τよりも
大きく設定されているので、吸着位置に達するまでの距
離Lの移動の間に、転写手段に残留している不要電荷が
減衰し、吸着手段に達したときには、設定通りの吸着手
段と転写手段との間に発生する吸着保持電界による電荷
のみとなる。
【0057】したがって、吸着電位が常に安定化し、転
写材を転写手段における誘電体層上に安定して吸着させ
ることができ、転写手段から転写材が剥がれたり、搬送
中に位置ずれを生じたりすることを防止することができ
る。
【0058】また、上記の画像形成装置において、より
好ましくは、転写手段における導電性基体と誘電体層と
の間に、少なくとも一層の弾性抵抗体からなる層が介在
されている構成である。
【0059】つまり、これによれば、誘電体層の裏面
(弾性抵抗体層側の面)側に形成された弾性抵抗体層に
よりクッション性が高められるので、転写手段と像担持
体との当接や、転写手段と吸着手段との当接による誘電
体層の劣化が抑制されると共に、押圧力でも調整可能な
ニップ幅の調節を容易に行えるようになる。
【0060】また、上記の画像形成装置において、より
好ましくは、転写手段における導電性基体と誘電体層と
の間に、少なくとも一層の弾性抵抗体からなる層が介在
され、かつ、該弾性抵抗体層と誘電体層との間に、空隙
が形成されている構成である。
【0061】これによれば、前述と同様の弾性抵抗体層
によるクッション性の付与に加えて、転写手段と吸着手
段との間に電位差が生じたときにこの弾性抵抗体層と誘
電体層との間に形成された空隙に放電現象が発生し、こ
の放電により誘電体層の裏面に電荷が生じて、転写材に
対して強い吸着力が生まれる。したがって、さらに転写
材の吸着が安定化し、転写材を転写手段における誘電体
層上により一層安定して吸着させることができる。
【0062】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の第1の実施形態について図1
ないし図18に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0063】本実施形態にかかる画像形成装置は、図2
に示すように、トナーによる画像が形成される転写材P
(図11参照)をストックし、供給する給紙部1、トナ
ー像を転写材Pに転写する転写部2、トナー像を形成す
る現像部3、および転写材Pに転写されたトナー像を融
着させて定着させる定着部4から構成されている。
【0064】上記給紙部1には、本体最下段に着脱自在
に配設され、転写材Pをストックして上記転写部2に供
給する給紙カセット5、および本体正面側に設けられ、
正面から転写材Pを手差しで一枚ずつ供給する手差し供
給部6が設けられている一方、上記給紙カセット5の最
上部から、転写材Pを一枚ずつ送り出すピックアップロ
ーラ7、ピックアップローラ7により送り出された転写
材Pを搬送するプリフィードローラ(PFローラ)8、
および手差し供給部6から供給された転写材Pを搬送す
る手差しローラ9、および上記PFローラ8、手差しロ
ーラ9により搬送された転写材Pをカールするプリカー
ルローラ10が設けられている。
【0065】上記給紙カセット5には、上方にバネ等に
より付勢された送り出し部材5aが設けられ、この送り
出し部材5a上に転写材Pを積層するようになってい
る。これによって、給紙カセット5の転写材Pは、最上
部が上記ピックアップローラ7に当接し、ピックアップ
ローラ7の矢印方向の回転により一枚ずつPFローラ8
に送り出され、プリカールローラ10に搬送される。
【0066】一方、手差し供給部6から供給された転写
材Pも、手差しローラ9によりプリカールローラ10に
搬送される。上記プリカールローラ10は、前述したよ
うに搬送された転写材Pをカールさせるが、これは、転
写材Pが転写部2に備えられた円筒状の転写ドラム11
の表面に吸着され易いようにするためである。
【0067】上記転写部2には、上記の転写ドラム(転
写手段)11が設けられている。この転写ドラム11の
周りには、転写ドラム11に転写材Pを静電吸着させる
接地されたグランドローラ12(吸着手段)、吸着され
た転写材Pが転写ドラム11から落ちないようにガイド
するガイド部材13、吸着された転写材Pを転写ドラム
11から強制的に剥離する剥離爪14が配設されてい
る。尚、この転写ドラム11の構造の詳細は後述する。
【0068】また、転写ドラム11の周りには、転写材
Pが転写ドラム11より剥離された後に転写ドラム11
に作用し、転写ドラム11に付着した残留トナーを除去
するクリーニング装置(クリーニング手段)11bが配
設されている。これにより、転写ドラム11は、次の転
写材Pが吸着されるまでに清掃され、次の転写材Pの吸
着が安定して行われると共に、転写材Pの裏汚れが防止
される。
【0069】さらに、転写ドラム11の周りには、トナ
ーがクリーニング装置11bにより除去された後に転写
ドラム11に作用し、転写材Pの剥離時等に転写ドラム
11に付与された残留電荷を除去する除電装置11aが
設けられている。上記除電装置11aは、前記グランド
ローラ12の上流側に設けられている。これにより、転
写ドラム11には、残留電荷が存在せず、次の転写材P
の吸着が安定して行われる。また、転写材P剥離後の電
位を基準レベルにして、次の転写時の転写電界を安定に
することができる。
【0070】また、現像部3には、上記転写ドラム11
に圧接する感光体ドラム(像担持体)15が設けられて
いる。この感光体ドラム15は、接地された導電性のア
ルミニウム素管15aからなり、その表面にOPC(有
機光半導体)膜15b(図8参照)が塗布されている。
尚、OPCの他には、Seを用いることもできる。
【0071】そして、この感光体ドラム15の周りに
は、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各トナー
を収納した現像器16、17、18、19が放射状に配
設されると共に、感光体ドラム15表面を帯電する帯電
器20、感光体ドラム15表面の残留トナーを掻き取り
除去するクリーニングブレード21が配設されており、
上記各トナー毎に、感光体ドラム15上にトナー像が形
成される。
【0072】上記の感光体ドラム15と転写ドラム11
とは、転写効率および画質から転写位置Xで8kgの圧
力が加わるように圧接されている。尚、上記帯電器20
は、一般的にはコロナチャージが用いられるが、帯電用
のローラを用いることもできる。
【0073】また、定着部4には、所定温度・圧力によ
りトナー像を融着して転写材Pに定着する定着ローラ2
3と、トナー像転写後、転写ドラム11から剥離爪14
によって剥離された転写材Pを上記定着ローラ23まで
ガイドする定着ガイド22とが設けられている。また、
上記定着部4の転写材搬送方向の下流側には、排出ロー
ラ24が設けられ、定着後の転写材Pを装置本体から排
出トレイ25上に排出するようになっている。
【0074】上記の構成による画像形成装置の動作は、
以下の通りである。まず、自動給紙の場合、本体最下段
に設けられた給紙カセット5により、転写材Pを最上部
から順番にピックアップローラ7にて一枚ずつPFロー
ラ8に送り出す。次いで、PFローラ8を通過した転写
材Pは、プリカールローラ10によって、転写ドラム1
1形状に沿ってカールされる。
【0075】一方、手動給紙の場合、本体正面に設けら
れた手差し供給部6から転写材Pを一枚ずつ送り出す
と、転写材Pは、手差しローラ9によりプリカールロー
ラ10に搬送される。そして、転写材Pは、プリカール
ローラ10にて転写ドラム11形状に沿ってカールされ
る。
【0076】次いで、プリカールローラ10にてカール
された転写材Pは、転写ドラム11とグランドローラ1
2との間に搬送される。すると、転写ドラム11表面に
誘起された電荷によって転写材P表面に電荷が誘起され
る。これにより、転写材Pが転写ドラム11表面に静電
吸着される。
【0077】このとき、上記感光体ドラム15によっ
て、一色毎に帯電・露光・現像・転写が繰り返される。
従って、カラー転写の場合、転写ドラム11に静電吸着
された転写材Pに対して、転写ドラム11が一回転する
毎に、一色ずつのトナー像が転写材Pに転写され、最大
4回転で1つのカラー画像を得ることができる。但し、
白黒画像、もしくはモノカラー画像を得る場合には、転
写ドラム11の回転は、一回で良い。
【0078】その後、転写ドラム11に吸着された転写
材Pは、転写ドラム11と感光体ドラム15との圧接部
である転写位置Xまで搬送され、感光体ドラム15上に
形成されたトナーの電荷と転写材P表面の電荷との電位
差により転写材Pに上記のトナー像が転写される。
【0079】さらに、転写材P上に全てのトナー像が転
写されれば、転写材Pは、転写ドラム11の円周上に離
接可能に設けられた剥離爪14により転写ドラム11表
面から強制的に剥離され、定着ガイド22へと導かれ
る。
【0080】その後、定着ガイド22によって定着ロー
ラ23までガイドされ、転写材Pのトナー像は、定着ロ
ーラ23の温度と圧力により転写材P上に融着され、定
着される。そして、定着済の転写材Pは、排出ローラ2
4により排出トレイ25上に排出される。
【0081】ここで、上記転写ドラム11の構造につい
て詳細に説明する。上記転写ドラム11は、図3に示す
ように、基材として円筒状のアルミニウムからなる導電
体層(導電性基体)26を有し、その上面に、半導電体
層27および誘電体層28がこの順に積層されている。
また、上記導電体層26には、電圧を印加するための電
源部32が接続されており、導電体層26全周にわたっ
て安定した電圧が保持されるようになっている。
【0082】上記半導電体層27は、カーボン等の導電
性微粒子(0.1〜10μm)が5〜30重量部混入さ
れた発泡ウレタン(発泡弾性抵抗体)からなり、これに
より、転写ドラム11の表面にクッション性が付与され
ると共に、発泡体であるため表面に無数の微細な凹部が
形成され、誘電体層28との間に空隙が形成されてい
る。転写ドラム11の導電体層26に電圧が印加されて
前述のグランドローラ12との間に電位差を生じたと
き、この空隙には放電現象が生じ、この放電により誘電
体層28の裏面(半導電体層27側の面)に電荷が生じ
て、転写材Pに対して強い吸着力が生まれる。
【0083】誘電体層28はPVDF(ポリフッ化ビニ
リデン)シートからなり、約50〜250μmの厚みに
押し出した後に定型の型にセットして加熱焼成して作成
される。
【0084】上記各層26・27・28は、接着剤等に
より接着されるのではなく、例えば図4に示すように、
シート状に形成された半導電体層27および誘電体層2
8の各両端部に設けられた各層を貫通する複数の貫通穴
29…に、シート押さえ板30に設けられたボス30a
…を嵌合させ、さらに、このボス30a…を導電体層2
6上面に設けられた開口部26aに嵌合させて半導電体
層27および誘電体層28を導電体層26に固定する。
【0085】上記の固定方法では、半導電体層27及び
誘電体層28は、上記シート押さえ板30により導電体
層26の内側にテンションをかけるようになっており、
これによって、各層の浮きや弛みを防止するようになっ
ている。このような固定方法とすることで、半導電体層
27と誘電体層28との間に半導電体層27表面の凹部
にて形成される空隙は、例えば両者を接着材等を用いて
固定した構成よりも確実に保持力が上がる。
【0086】また、上記の固定方法の他に、例えば図5
に示すように、両端部にボス31a…、中央に固定部材
31bが設けられたシート押さえ部材31によって、半
導電体層27および誘電体層28からなるシートを導電
体層26に固定する方法がある。上記固定方法では、導
電体層26の開口部26aの両端側に設けられた嵌合穴
26b…に、上記のシート押さえ部材31のボス31a
…を嵌合させ、上記の開口部26aに、シート押さえ部
材31の固定部材31bを挿入し、半導電体層27およ
び誘電体層28からなるシートを導電体層26に固定す
る。
【0087】その他、空隙を保持しながら誘電体層28
と半導電体層27とを固定する方法としては、発泡体で
ある半導電体層27の上に誘電体層28となるシートを
圧入するようにしてもよい。
【0088】尚、もちろん、上記各層26・27・28
を、接着剤等により接着する構成でもよい。しかしなが
ら、特に半導電体層27と誘電体層28とを接着により
固定すると、空隙が接着剤にて埋まるため、半導電体層
27を構成する発泡体の表面の凹部が微細な場合、空隙
が確保され難くなるといった欠点がある。その一方、半
導電体層27を構成する発泡体の表面が粗く、上記した
空隙が大きく成りすぎた場合は、吸着が良好になる反
面、転写位置で電界の乱れが起こって転写特性を不安定
化し、画像の乱れを生じさせるといったマイナス面があ
るので、接着剤によりある程度埋める構成とすればよ
い。また、接着固定の場合、上記導電体層26と半導電
体層27との接着には、カーボンを分散させた導電性接
着剤を用いればよい。半導電体層27の表面粗さは、U
SP5390012に開示されているように、JIS・
B0601で求めることができる。
【0089】転写ドラム11の誘電体層28の幅は、図
6に示すように、感光体ドラム15を形成する感光体素
管(アルミニウム素管15a)の幅よりも大きく、ま
た、この感光体素管幅は有効転写幅よりも大きく、さら
に、この有効転写幅は有効画像幅(OPC膜15bの塗
布幅)よりも大きくなっている。
【0090】これは、転写ドラム11の各層の幅が、図
7に示すように、導電体層26>半導電体層27>誘電
体層28の関係となるように形成されると、半導電体層
27が感光体ドラム15の接地されたアルミニウム素管
15aに接触する虞があるからである。
【0091】つまり、電源部32によって導電体層26
にプラスの電圧が印加されると、導電体層26にプラス
電荷が誘起され、このプラス電荷が半導電体層27表面
に移動する。このとき、感光体ドラム15の接地された
アルミニウム素管15aと、上記半導電体層27とが接
触すれば、半導電体層27に帯電した電荷が全て上記ア
ルミニウム素管15aに移行し、誘電体層28の表面に
マイナス電荷を誘起させることができなくなる。このた
め、転写ドラム11は、OPC膜15b上に吸着された
マイナス電荷のトナーを吸着することができず、転写不
良が生じる。
【0092】そこで、転写ドラム11の各層は、図8に
示すように、導電体層26と誘電体層28との幅を同じ
にし、半導電体層27の幅を上記のそれぞれの幅よりも
小さくすることで、半導電体層27と接地されたアルミ
ニウム素管15aとの接触を防止し、電荷のリークを防
止することができる。これにより、転写ドラム11は、
OPC膜15b上に吸着されたマイナス電荷のトナーを
吸着することができ、転写不良を無くすことができる。
【0093】次に、上記転写ドラム11による転写材P
の吸着・転写動作について、図9ないし図11を参照し
ながら以下に説明する。尚、転写ドラム11の導電体層
26には、電源部32よりプラスの電圧が印加されてい
るものとする。
【0094】まず、転写材Pの吸着行程を説明する。転
写材Pが転写ドラム11に静電吸着するのは、接触帯電
により導電体層26に印加した電圧と逆極性の電荷が転
写材Pに付与されるために起こる。接触帯電の機構は、
パッシェン放電と電荷注入からなっている。
【0095】つまり、図9に示すように、転写ドラム1
1に搬送された転写材Pは、グランドローラ12により
誘電体層28表面に押しつけられ、半導電体層27に蓄
積された電荷が誘電体層28に移行する。これによっ
て、誘電体層28が半導電体層27と接する面にプラス
電荷が誘起される。
【0096】そして、図11に示すように、グランドロ
ーラ12と転写ドラム11の誘電体層28との距離が接
近し、上記誘電体層28とグランドローラ12との密接
部分、即ちニップにかかる電界強度が強くなるにつれ
て、空中絶縁破壊が起き、領域(I)において、転写ド
ラム11側からグランドローラ12側へ放電、即ち、パ
ッシェン放電が起こる。
【0097】これにより、転写ドラム11表面(即ち、
誘電体層28が転写材Pと接する面)にはマイナス電荷
が誘起され、転写材Pの内側(即ち、誘電体層28との
接触面側)にはプラス電荷が誘起される。
【0098】さらに、放電終了後、上記グランドローラ
12と転写ドラム11との間のニップ、即ち領域(II)
において、グランドローラ12側から転写ドラム11側
へ電荷注入が起き、転写材Pの外側(即ち、グランドロ
ーラ12と接する側)にはさらにマイナス電荷が誘起さ
れる。
【0099】このようにして、転写材Pの外側に蓄積さ
れた電荷は、導電体層26に印加されている電圧と逆極
性を示すため、転写材Pと導電体層26との間で静電吸
着力が働き、転写材Pは転写ドラム11に静電吸着す
る。つまり、転写材Pの帯電電位が高いほど転写ドラム
11への静電吸着力が大きいと考えられる。
【0100】また、グランドローラ12および転写ドラ
ム11が回転することで、転写ドラム11表面は均一に
帯電される。そして、転写ドラム11に吸着された転写
材Pは、外側がマイナスに帯電した状態で、転写ドラム
11の矢印方向の回転に伴って、トナー像の転写位置X
(図9参照)に搬送され、トナー像の転写が行われる。
【0101】次いで、転写材Pの転写行程を説明する。
感光体ドラム15は、図10に示すように、表面にマイ
ナス電荷を有するトナーが吸着されている。従って、表
面がマイナスに帯電している転写材Pが、転写位置Xに
搬送されれば、転写材Pと感光体ドラム15上のトナー
間には一見斥力が生じるように思われるが、転写材Pと
感光体ドラム15上のトナーとの間に生じる斥力を相殺
する引力が電源部32によって生じる。この結果、トナ
ー像は転写材P上に転写される。
【0102】このような吸着・転写では、従来のように
空中放電による電荷注入による転写材Pの吸着、転写を
行うのではなく、電荷の誘起による転写材Pの吸着、転
写を行うため、電圧も低くてすみ、電圧のコントロール
も行い易い。また、空中放電のように、空気の温湿度等
の環境に影響されにくいので、転写ドラム11の表面電
位にばらつきが生じなくなり、転写材Pの吸着不良およ
び印字みだれ等をなくすことができる。また、転写ドラ
ム11の帯電を接触帯電により行っているので、転写ド
ラム11表面に疵がついても、電界領域が変化しないの
で、転写ドラム11表面の疵の部分で電界バランスが狂
うことがない。これにより、転写効率を向上させること
ができる。
【0103】尚、転写ドラム11とグランドローラ12
とのニップ幅は、例えば転写ドラム11の半導電体層2
7の硬度を変えることによって、或いは、転写ドラム1
1と感光体ドラム15との間の接触圧を変えることによ
って調整することができる。
【0104】次に、転写ドラム11とグランドローラ1
2のニップ(吸着位置)について説明する。
【0105】一般に、転写材Pの種類が異なることによ
り、上記グランドローラ12と転写ドラム11間に形成
されるニップ幅を転写材Pの任意の位置が通過する時
間、即ちニップ時間内における転写材Pの帯電電荷量が
異なることが知られている。即ち、転写材Pの種類によ
って、転写材Pを吸着する吸着保持電界が異なる場合が
ある。
【0106】ここで、上記ニップ時間の調整方法につい
て説明する。本画像形成装置は、図12に示すように、
転写材Pの種類を検知するための転写材検知センサ33
を備えている。上記転写材検知センサ33は、図示しな
い制御手段に接続され、この制御手段の制御により、転
写ドラム11に転写材Pが静電吸着される前に、転写ド
ラム11へと搬送される転写材Pの物性を測定すること
で、転写材Pの種類を検知するようになっている。
【0107】つまり、上記転写材検知センサ33は、例
えば透過率を測定することで、紙であるかOHP用の合
成樹脂シートであるかを検知したり、例えば紙の厚さを
検知することで、厚紙であるか薄紙であるかを検知する
ようになっている。そして、ここで検知された転写材P
の種類(例えば、紙であるかOHP用の合成樹脂シート
であるか、または、厚紙か薄紙であるか)によって、ニ
ップ時間を調整するような構成となっている。
【0108】上記ニップ時間は、(転写ドラム11とグ
ランドローラ12との間に形成されるニップ幅)/(転
写ドラム11の回転速度)によって決定される。また、
上記ニップ幅は、例えば半導電体層27の硬度を変える
ことによって調整することができる。
【0109】尚、半導電体層27の硬度は、アスカーC
で規定されている。上記のアスカーCとは、日本ゴム協
会における規格であり、先端形状が球になっている硬度
測定用の針をスプリングの力で試料の表面に押しつけ、
試料の抗力とスプリングの力とのバランスがとれたとき
に、針が試料を押し込んでいる深さ(押し込み深さ)で
硬度を表すものである。アスカーCの規格では、55g
の荷重をスプリングに与えたときの針の押し込み深さ
が、その針の最大変位と等しくなるような試料の硬度を
0度とし、855gの荷重をスプリングに与えたときの
針の押し込み深さが0となるような試料の硬度を100
度に定めている。ここで、アスカーCと転写材Pの吸着
効果との関係を表1に示す。
【0110】
【表1】
【0111】表1において、( ○ )とは、吸着効果が大
きいことを示し、転写ドラム11が4回転(4色のトナ
ーを転写)する間中、転写材Pが転写ドラム11に安定
して静電吸着されている状態をいう。また、( △ )と
は、吸着効果が小さいことを示し、転写ドラム11が4
回転する間中、転写材Pが転写ドラム11に静電吸着さ
れているが、転写材Pの先端もしくは後端が浮いている
状態をいう。さらに、(× )とは、吸着効果がないこと
を示し、転写ドラム11が4回転する間に、転写材Pが
転写ドラム11から剥がれてしまう状態をいう。
【0112】表1に記載の結果から、半導電体層27の
硬度は、アスカーCで20〜80の範囲内に設定するこ
とで、転写材Pの吸着効果があることが判る。つまり、
半導電体層27の硬度は、アスカーCで20〜80の範
囲内が、転写ドラム11が4回転する間中、転写材Pを
転写ドラム11上に静電吸着させることができるので好
ましい。さらに、半導電体層27の硬度は、アスカーC
で25〜50の範囲内が、転写ドラム11が4回転する
間中、転写材Pを転写ドラム11上にさらに安定して静
電吸着させることができるので、最も好ましい。
【0113】尚、半導電体層27の硬度がアスカーCで
20より小さい場合、硬度が低すぎて、転写材Pに逆向
きの(転写ドラム11に沿わない)カールが生じる。こ
の結果、転写材Pを安定して転写ドラム11上に静電吸
着させることができないので、好ましくない。
【0114】一方、半導電体層27の硬度がアスカーC
で80より大きい場合、硬度が高すぎるため、転写ドラ
ム11とグランドローラ12との間のニップ幅が小さく
なり、この結果、転写材Pを安定して転写ドラム11上
に静電吸着させることができないので、好ましくない。
さらに、半導電体層27の硬度がアスカーCで80より
大きい場合、硬度が高すぎるため、感光体ドラム15と
転写ドラム11との間に過大の接触圧がかかり、感光体
の耐久性が悪くなる。
【0115】また、上記ニップ幅は、転写ドラム11と
グランドローラ12との間の接触圧を変えることによっ
て調整することもできる。転写ドラム11とグランドロ
ーラ12との接触圧は、例えば、グランドローラ12の
下側に、図13に示すグランドローラ12を押圧するた
めの偏芯カム34を設け、この偏芯カム34がグランド
ローラ12を押圧する力を調整することで、変更するこ
とができる。
【0116】上記偏芯カム34は、軸(芯)34aと、
軸34aの両端に設けられた同じ楕円形の平板からなる
押圧部材34b・34bからなっている。この偏芯カム
34は、上記押圧部材34b・34bが、グランドロー
ラ12の長手方向両側面部の中心から長手方向に延びる
グランドローラ12の回転軸12aに接触するように設
けられている。尚、軸34aは、押圧部材34bの中心
から外れた位置で押圧部材34bを支えるようになって
おり、また、グランドローラ12と平行になるように設
けられている。
【0117】上記転写ドラム11とグランドローラ12
との接触圧は、転写ドラム11、グランドローラ12、
および偏芯カム34を側面(図13のG側)から見た図
14に示すように、軸34aと回転軸12aとの間の距
離が最も離れる(図中、軸34aから押圧部材34bの
周縁部までの距離がHとなる)ときに最大となり、軸3
4aと回転軸12aとの間の距離が最も接近する(図
中、軸34aから押圧部材34bの周縁部までの距離が
Iとなる)ときに最小となる。
【0118】これにより、偏芯カム34を回転させるこ
とで、偏芯カム34がグランドローラ12を押圧する力
を調整し、転写ドラム11とグランドローラ12との接
触圧を調整する。尚、上記押圧部材34bは、回転軸1
2aとの接触部分、即ち、周縁部が曲線によって形成さ
れているものであれば特に限定されるものではなく、円
形の板でも球でも構わない。ここで、ニップ幅と転写材
Pの吸着効果との関係を表2に示す。尚、( ○、△、×
)は、前記表1の場合と同様である。
【0119】
【表2】
【0120】表2に記載の結果から、ニップ幅を0.5
mm〜5.0mmの範囲内に設定することで、転写ドラ
ム11が4回転する間中、転写材Pを転写ドラム11上
に静電吸着させることができることが判る。即ち、ニッ
プ幅は、0.5mm〜5.0mmの範囲内が、力学的強
度(機械的強度)において適しており、1.0mm〜
4.0mmの範囲内が、力学的強度(機械的強度)にお
いて最も適している。
【0121】尚、上記ニップ幅が0.5mmより小さい
場合、グランドローラ12が転写ドラム11に従動せ
ず、転写ドラム11が4回転する間、安定して転写材P
を吸着し、搬送することができないため、好ましくな
い。一方、ニップ幅が5.0mmより大きい場合、ニッ
プ圧が強すぎて、転写材Pに逆向きの(転写ドラム11
に沿わない)カールが生じる。この結果、転写材Pを安
定して転写ドラム11上に静電吸着させることができな
いので、好ましくない。
【0122】上述したように、ニップ時間は、転写ドラ
ム11の回転速度が一定であれば、半導電体層27の硬
度および/または転写ドラム11とグランドローラ12
との接触圧を変更することで、容易に変更することがで
きる。一方、ニップ幅を一定にし、転写ドラム11の回
転速度を可変にすることでニップ時間を調整することも
できる。但し、転写ドラム11の回転速度によってニッ
プ時間を変更する場合、ニップ時間を増やすためには、
転写ドラム11の回転速度を遅くする必要がある。この
ように転写ドラム11の回転速度を遅くした場合、毎分
あたりの転写効率が低下する。以上のことから、ニップ
時間を、半導電体層27の硬度および/または転写ドラ
ム11とグランドローラ12との接触圧を調整すること
で変更する方法が、より好ましい。
【0123】次に、転写材Pの種類と、ニップ時間内に
おける転写材Pの帯電電荷量との関係を、図15〜図1
8に基づいて、以下に説明する。
【0124】図15は、前記パッシェン放電後の電荷注
入機構を示す等価回路である。Vaは電源部32から導
電体層26に印加される印加電圧を表し、R1は半導電
体層27の抵抗を表し、R2は半導電体層27と誘電体
層28との間の接触抵抗を表し、R3は誘電体層28の
抵抗を表し、R4は転写材Pの抵抗を表し、R5は転写
材Pとグランドローラ12との間の接触抵抗を表す。ま
た、C2は半導電体層27と誘電体層28との間の静電
容量を表し、C3は誘電体層28の静電容量を表し、C
4は転写材Pの静電容量を表し、C5はグランドローラ
12と転写材Pとの間の静電容量を表す。
【0125】ここで、上記転写材Pに蓄積される電荷量
(電位)を求めるため、パッシェン放電により帯電した
電荷量(電位)を初期電位として上記の等価回路をC5
にかかる電位差について解いた。そして、パッシェン放
電、電荷注入の両方の帯電電位トータルが転写材Pの帯
電電位となるようにして求めた転写材Pの最終帯電電位
V1の解析式は、次のようになる。
【0126】V1=A×(b’×eBt−c’×eCt) ここで、式中、A,B,C,b’,c’は上記回路に依
存した定数(各層の抵抗値、静電容量等の依存)となっ
ている。よって、最終帯電電位V1は時間経過tと共に
変化する指数関数の和として表すことができる。
【0127】ここで、半導電体層27の抵抗値(体積抵
抗率)107 Ω・cm、誘電体層28の抵抗値(体積抵
抗率)109 Ω・cm、印加電圧3.0kVとし、転写
材Pを紙として、ニップ時間と、ニップ時間における電
荷注入量を上記解析式に基づいて求めた転写材Pの帯電
電位(帯電電荷量)との関係をグラフにした。この結
果、図16に示すように、ニップ時間の変化に伴って、
転写材Pの帯電電荷量は、極大値を有することが判っ
た。
【0128】ここで、転写ドラム11の回転速度を85
mm/秒、転写ドラム11とグランドローラ12との間
に形成されるニップ幅を4mmとすると、ニップ時間
は、0.047秒となる。図16の結果から、ニップ時
間0.047秒における転写材Pの帯電電荷量(−17
40V)は初期帯電電荷量(−1800V)より少なく
なっていることから、転写材Pの静電吸着力は、弱くな
ることが判る。
【0129】この場合、少なくとも初期帯電電荷量より
電荷注入後の帯電電荷量が低くならないように設定する
ためには、ニップ幅を小さくする(例えば3mmにす
る)か、あるいは、転写ドラム11の回転速度を速くす
る(例えば95mm/秒)ことで、ニップ時間を調整す
ることが考えられる。さらに、効率よく電荷注入が行わ
れるためには、転写材Pの帯電電荷量が極大値(ニップ
時間0.01秒)となる場合において電荷注入が行われ
るように、ニップ幅を0.85mmに設定するか、転写
ドラム11の回転速度を300mm/秒にすることが考
えられる。
【0130】このように、ニップ時間と、ニップ時間に
おける電荷注入量との関係から静電気的に最適なニップ
幅を算出し、この静電気的に最適なニップ幅と、前記機
械的強度における最適なニップ幅との両方を加味したニ
ップ幅を最適なニップ幅とすることで、効率よく電荷注
入を行うことができるニップ時間を設定することができ
る。
【0131】以上のことから、ニップ時間の変化に伴う
転写材Pの帯電電荷量が極大値をもつ場合は、転写材P
の帯電電荷量が初期帯電電荷量より低くならないように
ニップ時間を設定することで、転写材Pを安定して転写
ドラム11の誘電体層28上に静電吸着させることがで
きる。さらに、上記極大値をニップ通過時間とすること
によって、さらに効率よく電荷注入を行い、転写材Pを
さらに効率よく帯電させることができる。これにより、
転写材Pをさらに安定して誘電体層28上に静電吸着さ
せることができる。これにより、感光体ドラム15上に
形成された各色のトナー像が全て転写材Pに転写される
前に、転写材Pが転写ドラム11上から剥がれることな
く、感光体ドラム15から転写材Pへの良好なトナー転
写を行うことができる。従って、常に安定した画像を供
給することができる。
【0132】また、転写材Pを紙から、OHP用の合成
樹脂シートに変えた以外は、同じ条件(半導電体層27
の抵抗値(体積抵抗率)107 Ω・cm、誘電体層28
の抵抗値(体積抵抗率)109 Ω・cm、印加電圧3.
0kV)で、ニップ時間と、ニップ時間における電荷注
入量を上記解析式に基づいて求めた帯電電位との関係を
グラフにしたところ、図17に示す結果が得られた。
【0133】この結果、転写材PとしてOHP用の合成
樹脂シートを用いた場合の転写材Pの帯電電荷量は、ニ
ップ時間が長くなるに従って増加する傾向にあることが
判る。つまり、設定されたニップ時間が、例えば表1ま
たは表2に示す機械的ニップ条件(半導電体層27の硬
度をアスカーCで20〜80に設定するか、あるいは、
転写ドラム11とグランドローラ12との間のニップ幅
を0.5mm〜5.0mmに設定する)を満足するもの
であれば、電荷注入は常に行われる。ここで、電荷注入
前に対する電荷注入後の転写材Pの帯電電位差と転写材
Pの吸着効果およびプリント効率との関係を表3に示
す。尚、表3において、(○)とは、吸着効果が大きい
と共に、プリント効率が良いことを示す。また、(×)
とは、吸着効果がないかあるいはプリント効率が悪いこ
とを示す。
【0134】
【表3】
【0135】表3に記載の結果から、電荷注入前後で1
000Vを越える電位差を設けると、転写材Pの吸着力
が弱まり、転写ドラム11が4回転する間に、転写材P
が転写ドラム11から剥がれてしまうことが判る。この
理由としては、電荷付与量を多くするために、例えばニ
ップ幅を大きくしてニップ時間を増やすことで、転写ド
ラム11とグランドローラ12との間のニップ圧が大き
くなり、転写材Pに転写ドラム11とは逆向きの(転写
ドラム11に沿わない)カールが生じる等の機械的理由
が考えられる。一方、電荷付与量を多くするために、ニ
ップ幅はそのままで、プロセススピードを遅くする、即
ち、転写ドラム11の回転速度を遅くすることにより、
ニップ時間を増やすことができる。この場合は、100
0Vを越える電位差を生じるだけの電荷付与量を与える
ことができるプロセススピードでは遅すぎるため、毎分
あたりのプリント効率が悪くなる。以上のことから、電
荷注入前後の電位差は、0V±1000Vの範囲内が最
も適している。
【0136】従って、上記のように、ニップ時間が長く
なるにつれて転写材Pの帯電電荷量が増加する場合は、
ニップ時間を、電荷注入前の転写材Pの帯電電位と電荷
注入後の帯電電位との差が0V±1000Vの範囲内と
なるように設定することで、転写材Pを安定して誘電体
層28上に静電吸着させることができる。これにより、
感光体ドラム15上に形成された各色のトナー像が全て
転写材Pに転写される前に、転写材Pが転写ドラム11
上から剥がれることなく、感光体ドラム15から転写材
Pへの良好なトナー転写を行うことができる。従って、
常に安定した画像を供給することができる。
【0137】さらに、半導電体層27の抵抗値(体積抵
抗率)並びに誘電体層28の抵抗値(体積抵抗率)を高
く(半導電体層27の抵抗値(体積抵抗率)109 Ω・
cm、誘電体層28の抵抗値(体積抵抗率)1010Ω・
cm)し、印加電圧3.0kVとし、転写材Pを紙とし
て、ニップ時間と、ニップ時間における電荷注入量を上
記解析式に基づいて求めた帯電電位との関係をグラフに
したところ、図18に示す結果が得られた。
【0138】この結果、転写材Pが紙の場合は、半導電
体層27および導電体層28の抵抗値を高くすると、ニ
ップ幅通過後は電荷注入は全く行われず、転写材Pの帯
電電荷量は、ニップ時間が長くなるにつれて初期帯電電
荷量より減少する傾向にあることが判る。ここで、電荷
注入前に対する電荷注入後の帯電電位率と転写材Pの吸
着効果との関係を表4に示す。尚、(○、×)は、表1
の場合と同様に吸着効率の良・不良を示す。
【0139】
【表4】
【0140】表4に記載の結果から、電荷注入前に対す
る電荷注入後の帯電電位(帯電電荷量)率が初期電位
(初期帯電電荷量)の50%以上であれば、転写ドラム
11が4回転する間中、転写材Pを転写ドラム11上に
安定して静電吸着させることができることが判る。
【0141】このことから、転写材Pの帯電電荷量が、
ニップ時間が長くなるにつれて初期帯電電荷量より減少
する傾向にある場合には、ニップ時間が、例えば表1ま
たは表2に記載の機械的ニップ条件(半導電体層27の
硬度をアスカーCで20〜80に設定するか、あるい
は、転写ドラム11とグランドローラ12との間のニッ
プ幅を0.5mm〜5.0mmに設定する)を満足し、
転写材Pの帯電電荷量が、初期帯電電荷量の50%以上
となるようにニップ時間を設定すれば、転写材Pを転写
ドラム11上に安定して静電吸着することができる。
尚、この場合、上記機械的ニップ条件を満足し、転写材
Pの帯電電荷量が、初期帯電電荷量の50%以上となる
ようにするためには、例えば、ニップ幅を0.85mm
に設定するか、転写ドラム11の回転速度を300mm
/秒に設定することで、ニップ時間を0.01秒にする
ことが考えられる。
【0142】従って、上記のように、転写材Pの帯電電
荷量が、ニップ時間が長くなるにつれて初期帯電電荷量
より減少する場合には、転写材Pの帯電電荷量が、初期
帯電電荷量の50%以上となるように、ニップ時間を設
定することで、転写材Pを安定して誘電体層28上に静
電吸着させることができる。これにより、感光体ドラム
15上に形成された各色のトナー像が全て転写材Pに転
写される前に、転写材Pが転写ドラム11上から剥がれ
ることなく、感光体ドラム15から転写材Pへの良好な
トナー転写を行うことができる。従って、常に安定した
画像を供給することができる。
【0143】また、転写材Pの種類、半導電体層27の
物性値(体積抵抗率)、誘電体層28の物性値(体積抵
抗率)、および印加電圧を種々変更して実験を行ったと
ころ、ニップ時間と、転写材Pの帯電電位との関係を示
すグラフの傾向は、図16〜図18に示すグラフの何れ
かに相当することが確認できた。
【0144】このように、ニップ時間と転写材Pの帯電
電荷量との関係は、半導電体層27の物性(抵抗)、誘
電体層28の物性(抵抗)、印加電圧、あるいは転写材
Pの種類が変わっても、3種類のパターン(ニップ時間
の変化に伴って転写材Pの帯電電荷量が極大値を有する
パターン、ニップ時間が長くなるにつれて転写材Pの帯
電電荷量が増加するパターン、および、ニップ時間が長
くなるにつれて転写材Pの帯電電荷量が減少するパター
ン)に大別されることが判った。
【0145】そこで、予め、転写材Pの種類別に、任意
の半導電体層27や誘電体層28等を用いた場合におけ
る転写材Pの帯電電荷量とニップ時間との関係を求めて
おけば、半導電体層27の物性(抵抗)、誘電体層28
の物性(抵抗)、印加電圧、あるいは転写材Pの種類が
変わっても、用いる転写材Pの種類によって、転写材P
を安定して誘電体層28上に静電吸着させるためには、
どのようにニップ時間を変更すればよいか容易に判断す
ることができる。
【0146】また、予め、転写材Pの種類によってニッ
プ時間と転写材Pの帯電電荷量との関係を求めておけ
ば、ニップ時間を、用いた転写材Pの種類に応じて、転
写材Pを誘電体層28上に安定して静電吸着させるため
の電荷量を効率よく与え得る好適なニップ時間に変更す
ることができる。さらに、このように、用いる転写材P
の帯電電荷量とニップ時間との関係に基づいてニップ時
間を変更することで、転写材Pを安定して誘電体層28
上に静電吸着させることができる。
【0147】このように、転写材検知センサ33によっ
て検知された転写材Pの種類に応じてニップ時間を変え
ることにより、効率良く電荷注入を行うことができる。
これにより、安定して転写材Pを転写ドラム11上に静
電吸着させることができる。
【0148】尚、転写材Pの種類を検知する手段は特に
限定されるものではなく、また、転写材Pの種類を何に
よって判断するかも、特に限定されるものではない。転
写材Pの種類は、使用者が目視によって判断し、この結
果に基づいて、ニップ手段を変更する処理を使用者が行
うこともできるが、転写材Pの種類を検知する手段(例
えば転写材検知センサ33)を用いて転写材Pの種類を
検知し、予め記憶手段に記憶しておいたニップ時間と転
写材Pの帯電電荷量との関係に基づいて、例えば前記偏
芯カム34の制御により、転写ドラム11とグランドロ
ーラ12との接触圧をかえることで、自動的に、ニップ
時間を転写材Pを転写ドラム11に安定して静電吸着さ
せることができるよう変更することができる。
【0149】次に、転写ドラム11と感光体ドラム15
のニップ(転写位置、接触部)について説明する。
【0150】上述したように、転写材Pの種類が異なる
ことにより、上記グランドローラ12と転写ドラム11
との間に形成されるニップ幅を転写材Pの任意の位置が
通過する時間、即ちニップ時間内における転写材Pの帯
電電荷量が異なる。従って、感光体ドラム15と転写ド
ラム11との間のニップにて転写が行われる際に、転写
材Pの種類の違いによって転写電界が変化する場合があ
る。
【0151】特に、転写材Pが高抵抗のOHPやコーテ
ィング紙等の場合、転写材Pが繰り返し感光体ドラム1
5に接触することによって、転写材Pの表面電位が変化
して、実効転写電位差が正規の値からずれてしまうこと
がある。
【0152】そこで、本実施形態の画像形成装置におい
ては、転写部2が、τ>L1/Vpの関係を満たすよう
に設計されている。但し、図1に示すように、L1は上
記転写ドラム11と感光体ドラム15との接触によって
形成されるニップ幅、Vpは転写ドラム11および感光
体ドラム15の回転速度(表面速度)、τは転写ドラム
11の時定数である。
【0153】ここで、時定数τは、 τ=CR=εε0 ρ で表される。但し、Rは転写ドラム11の抵抗、Cは転
写ドラム11の静電容量、εは転写ドラム11の比誘電
率、ε0 は真空の誘電率、ρは転写ドラム11の体積抵
抗率である。
【0154】上記時定数τは、JIS・K6911に示
されている体積抵抗測定方法等を用いて転写ドラム11
の体積抵抗率ρを求めて転写ドラム11の抵抗Rを算出
し、さらに転写ドラム11の静電容量Cを求めることで
得られる。尚、実効的な時定数τは、感光体ドラム15
に用いるアルミニウム管と同一のものを、使用条件と同
じ圧力・設定位置で転写ドラム11に押し当て、印加電
圧を加えて回転動作した後に、静止させて転写ドラム1
1の表面電位を計測することによって測定可能である。
【0155】このように、転写部2が上記の条件を満た
す、即ちニップ幅L1を転写ドラム11の表面(外周
面)が移動するのに要する時間(L1/Vp)が時定数
τよりも小さく設定されているので、ニップ幅L1の間
で転写ドラム11を誘電体として扱うことができる。従
って、転写ドラム11と感光体ドラム15との間の転写
電界がニップ幅L1中で変動することがなく、少なくと
もニップ幅L1では安定した転写電界を得ることができ
る。特に、 τ>10×(L1/Vp) とすれば、ニップ幅L1の間で転写ドラム11を全くの
絶縁体と考えることができることが計算により得られて
おり、より安定な転写電界が得られる。
【0156】ここで、回転速度Vpを85mm/秒、ニ
ップ幅L1を約3mmとすると、時間(L1/Vp)は
0.035秒となる。また、転写ドラム11の誘電体層
28はPVDFのシートから形成されるが、このシート
の厚さをそれぞれ25μm、50μm、100μm、2
50μmとし、比誘電率εを7.0〜14.0、体積抵
抗率ρを1×109 〜1×1015Ω・cmとして転写性
能評価を行ったところ、いずれも印加電圧を調整して8
0%以上の良好な転写性能を得ることができた。
【0157】尚、転写ドラム11とグランドローラ12
とのニップ幅の場合と同様に、上記ニップ幅L1は、例
えば転写ドラム11の半導電体層27の硬度を変えるこ
とによって調整することができる。また、ニップ幅L1
は、転写ドラム11と感光体ドラム15との間の接触圧
を変えることによって調整することもできる。
【0158】以上のように、本実施形態の画像形成装置
は、転写部2がτ>L1/Vpの関係を満たしているの
で、転写ドラム11を誘電体として扱うことができ、安
定な転写電界を得ることができる。これにより、転写材
Pの種類が異なっても良好なトナー転写を行うことが可
能となる。また、安価な材料からなる転写ドラム11を
用いても、上記関係を満たしていれば良好な転写ができ
るので、低コストの画像形成装置とすることが可能とな
る。
【0159】また、前述したように、転写ドラム11
は、導電性基体である導電体層26の上に、発泡ウレタ
ンからなる半導電体層27を介して誘電体層28が積層
された多層構造であるので、半導電体層27によりクッ
ション性が付与されることとなり、誘電体層28の劣化
が抑制され、ランニングコストの削減が図れる。また、
半導電体層27の有する弾性により、ニップ幅の調節も
容易に行えるようになり、最適な転写性能が得られるニ
ップ幅を容易に得られる。
【0160】また、半導電体層27を発泡体で構成して
誘電体層28と半導電体層27との間に空隙が形成され
るようにし、この空隙に生じる放電によって誘電体層2
8の背面(半導電体層27側)に電荷を生じさせ、転写
材Pに対する強い吸着力を得るようになっているので、
これによっても、吸着特性がさらに良好となり、吸着不
良による画質低下を確実に防止する。
【0161】尚、転写位置Xでは感光体ドラム15によ
る圧力によって空隙が押しつぶされ、無くなるか、少な
くとも小さくなるので、空隙による放電現象にて転写電
界が乱され、画質が低下することはない。つまり、誘電
体層28と接触する半導電体層27がない部分では空隙
を吸着保持電界に用い、転写領域では誘電体層28で決
定される転写電界を用いることができる。尚、空隙は、
誘電体層28の背面の全域ではなく、一部だけに存在す
るように構成してもよく、また、発泡体の微細な凹部に
よるものに限定されるものではなく、半導電体層27の
表面を凹凸に加工して形成させることもできる。
【0162】但し、このように空隙を有する構成におい
ては、熱膨張係数が半導電体層27よりも誘電体層28
の方が大きい場合には転写ドラム11の変形によってし
わが発生しやすい。そこで、半導電体層27の熱膨張係
数を誘電体層28の熱膨張係数より大きく設定してお
く。このように、熱の発生に伴って締まる構成としてお
くことで、上記のようなしわの発生を容易に防止して、
吸着・転写不良がなく、かつクリーニング時の接触が安
定となる。
【0163】〔実施の形態2〕本発明の第2の実施形態
について図21に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお説明の便宜上、前記の実施形態の図面に示した
部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0164】本実施形態にかかる画像形成装置は、図2
1に示すように、実施形態1の転写部2の代わりに、転
写部61を備えており、その他の構成については実施形
態1と同じである。
【0165】上記転写部61には、感光体ドラム15上
に形成されたトナー像を、転写位置Xにて順に重ね転写
させる中間転写ドラム(中間転写手段)62が設けられ
ている。この中間転写ドラム62は、上記実施形態1の
転写ドラム11と同様の構成とすればよい。
【0166】中間転写ドラム62の周りには、感光体ド
ラム15からトナー像が転写される前に、中間転写ドラ
ム62を電気的に帯電させるためのローラ帯電器64が
設けられている。上記ローラ帯電器64は、接地あるい
は電源に接続されている。尚、ローラ帯電器64以外に
コロナ帯電器を用いてもよい。
【0167】また、中間転写ドラム62の周りには、転
写材を搬送し、中間転写ドラム62上の転写位置Yに転
写材を当接させる給紙ローラ63が配設されている。こ
の転写位置Yでは、中間転写ドラム62にバイアス電圧
を印加することによって、中間転写ドラム62上のトナ
ー像が一括して転写材に転写される。尚、バイアス電圧
以外の転写手段としては、転写材の背面(中間転写ドラ
ム62側とは反対側)からの帯電や、ローラを用いるも
のがある。
【0168】さらに、中間転写ドラム62の周りには、
転写材にトナー像を転写した後に、中間転写ドラム62
に付着した残留トナーを除去するクリーニング装置11
b、および中間転写ドラム62の誘電体層の残留電荷を
除去する除電装置11aが配設されている。
【0169】ところで、中間転写ドラム62を用いた場
合には、特に、高抵抗の中間転写ドラム62が繰り返し
感光体ドラム15と接触することによって、中間転写ド
ラム62の表面電位が変化して、実効電位差が正規の値
からずれてしまうことがある。
【0170】そこで、本実施形態の画像形成装置におい
ては、転写部61が、 τ>L2/Vp の関係を満たすように設計されている。但し、L2は上
記中間転写ドラム62と感光体ドラム15との接触によ
って形成されるニップ幅、Vpは中間転写ドラム62お
よび感光体ドラム15の回転速度、τは中間転写ドラム
62の時定数である。
【0171】ここで、時定数τは、 τ=CR=εε0 ρ で表される。但し、Rは中間転写ドラム62の抵抗、C
は中間転写ドラム62の静電容量、εは中間転写ドラム
62の比誘電率、ε0 は真空の誘電率、ρは中間転写ド
ラム62の体積抵抗率である。ここで、時定数τの測定
方法は、実施形態1と同様である。
【0172】このように、転写部61が上記の条件を満
たす、即ちニップ幅L2を中間転写ドラム62の表面が
移動する時間(L2/Vp)が時定数τよりも小さく設
定されているので、ニップ幅L2の間で中間転写ドラム
62を誘電体として扱うことができる。従って、中間転
写ドラム62と感光体ドラム15との間のトナー保持電
界がニップ幅L2中で変動することがなく、少なくとも
ニップ幅L2では安定したトナー保持電界を得ることが
できる。特に、 τ>10×(L2/Vp) とすれば、ニップ幅L2の間で中間転写ドラム62を全
くの絶縁体と考えることができることが計算により得ら
れており、より安定なトナー保持電界が得られる。ここ
で、回転速度Vpを85mm/秒、ニップ幅L2を約3
mmとすると、時間(L2/Vp)は0.035秒とな
る。
【0173】以上により、本画像形成装置は、転写材の
種類が異なっても良好なトナー転写を行うことが可能と
なる。また、安価な材料からなる中間転写ドラム62を
用いても、上記関係を満たしていれば良好な転写ができ
るので、低コストの画像形成装置とすることが可能とな
る。
【0174】〔実施の形態3〕本発明の第3の実施形態
について図22に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお説明の便宜上、前記の実施形態の図面に示した
部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0175】本実施形態にかかる画像形成装置は、図2
2に示すように、実施形態1と同様の構造である転写部
2を有する。
【0176】上記画像形成装置においては、転写部2
が、 τ>L3/Vp の関係を満たすように設計されている。但し、L3は上
記転写ドラム11と感光体ドラム15との接触によって
形成される転写位置Xから、転写ドラム11とグランド
ローラ12との接触によって形成される吸着位置Zまで
の転写ドラム11上の距離、Vpは転写ドラム11およ
び感光体ドラム15の回転速度、τは転写ドラム11の
時定数である。ここで、時定数τの定義および測定方法
は、実施形態1と同様である。
【0177】このように、感光体ドラム15と転写ドラ
ム11とグランドローラ12とが上記の条件を満たす、
即ち距離L3を転写ドラム11の表面が移動する時間
(L3/Vp)が時定数τよりも小さければ、距離L3
の間で転写ドラム11を誘電体として扱うことができ
る。従って、グランドローラ12で帯電された転写材の
電位が維持され、吸着保持電界が距離L3中で変動する
ことがなく、安定した吸着保持電界にすることができ
る。特に、 τ>10×(L3/Vp) とすれば、距離L3の間で転写ドラム11を全くの絶縁
体と考えることができることが計算により得られてお
り、より安定な吸着保持電界が得られる。ここで、回転
速度Vpを85mm/秒、距離L3を約40mmとする
と、時間(L3/Vp)は0.5秒となる。
【0178】以上により、本画像形成装置は、転写材の
種類が異なっても良好な転写材吸着を行うことが可能と
なる。また、安価な材料からなる転写ドラム11を用い
ても、上記関係を満たしていれば良好な吸着ができるの
で、低コストの画像形成装置とすることが可能となる。
【0179】〔実施の形態4〕本発明の第4の実施形態
について図23に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお説明の便宜上、前記の実施形態の図面に示した
部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0180】本実施形態にかかる画像形成装置は、図2
3に示すように、実施形態2と同様の構造である転写部
61を有する。
【0181】上記画像形成装置においては、転写部61
が、 τ>L4/Vp の関係を満たすように設計されている。但し、L4は上
記中間転写ドラム62と感光体ドラム15との接触によ
って形成される転写位置X(第1の転写位置)から転写
位置Y(第2の転写位置)までの中間転写ドラム62上
の距離、Vpは中間転写ドラム62および感光体ドラム
15の回転速度、τは中間転写ドラム62の時定数であ
る。ここで、時定数τの定義は実施形態2と、時定数τ
の測定方法は実施形態1と同様である。
【0182】このように、転写部61が上記の条件を満
たす、即ち距離L4を中間転写ドラム62の表面が移動
する時間(L4/Vp)が時定数τよりも小さく設定さ
れているので、距離L4の間で中間転写ドラム62を誘
電体として扱うことができる。従って、トナー保持電界
が距離L4中で変動することがなく、安定したトナー保
持電界にすることができる。特に、 τ>10×(L4/Vp) とすれば、距離L4の間で中間転写ドラム62を全くの
絶縁体と考えることができることが計算により得られて
おり、より安定なトナー保持電界が得られる。ここで、
回転速度Vpを85mm/秒、距離L4を約40mmと
すると、時間(L4/Vp)は0.5秒となる。
【0183】以上により、本画像形成装置は、転写材の
種類が異なっても良好なトナー保持を行うことが可能と
なる。また、安価な材料からなる中間転写ドラム62を
用いても、上記関係を満たしていれば良好なトナー保持
ができるので、低コストの画像形成装置とすることが可
能となる。
【0184】〔実施の形態5〕本発明の第5の実施形態
について図24に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお説明の便宜上、前記の実施形態の図面に示した
部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0185】本実施形態にかかる画像形成装置は、図2
4に示すように、実施形態1と同様の構造である転写部
2を有する。但し、転写ドラム11の誘電体層を形成す
るPVDFのシートは、50〜250μmの厚さに限ら
れず、最大1mmまで作成できる。
【0186】上記画像形成装置においては、転写部2
が、 τ>L5/Vp の関係を満たすように設計されている。但し、L5は上
記転写ドラム11上の任意の点が転写位置Xを通過して
から再度転写位置Xを通過するまでの距離(転写ドラム
11の外周)、Vpは転写ドラム11および感光体ドラ
ム15の回転速度、τは転写ドラム11の時定数であ
る。ここで、時定数τの定義および測定方法は、実施形
態1と同様である。
【0187】このように、転写部2が上記の条件を満た
す、即ち転写ドラム11が一回転する時間(L5/V
p)が時定数τよりも小さく設定されているので、L5
/Vpの間で転写ドラム11を誘電体として扱うことが
できる。従って、吸着保持電界が距離L5中で変動する
ことがなく、安定した吸着保持電界にすることができ
る。特に、 τ>10×(L5/Vp) とすれば、距離L5の間で転写ドラム11を全くの絶縁
体と考えることができることが計算により得られてお
り、より安定な吸着保持電界が得られる。ここで、回転
速度Vpを85mm/秒、距離L5を約440mmとす
ると、時間(L5/Vp)は5秒となる。
【0188】以上により、転写材の種類が異なっても良
好な転写材吸着を行うことが可能となる。また、安価な
材料からなる転写ドラム11を用いても、上記関係を満
たしていれば良好な吸着ができるので、低コストの画像
形成装置とすることが可能となる。
【0189】〔実施の形態6〕本発明の第6の実施形態
について図25に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお説明の便宜上、前記の実施形態の図面に示した
部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0190】本実施形態にかかる画像形成装置は、図2
5に示すように、実施形態2と同様の構造である転写部
61を有する。
【0191】上記画像形成装置においては、転写部61
が、 τ>L6/Vp の関係を満たすように設計されている。但し、L6は上
記中間転写ドラム62上の任意の点が転写位置Xを通過
して再度転写位置Xを通過するまでの距離(中間転写ド
ラム62の外周)、Vpは中間転写ドラム62および感
光体ドラム15の回転速度、τは中間転写ドラム62の
時定数である。ここで、時定数τの定義は実施形態2
と、時定数τの測定方法は実施形態1と同様である。
【0192】このように、転写部61が上記の条件を満
たす、即ち中間転写ドラム62が一回転する時間(L6
/Vp)が時定数τよりも小さければ、L6/Vpの間
で中間転写ドラム62を誘電体として扱うことができ
る。従って、トナー保持電界が距離L6中で変動するこ
とがなく、安定したトナー保持電界にすることができ
る。特に、 τ>10×(L6/Vp) とすれば、距離L6の間で中間転写ドラム62を全くの
絶縁体と考えることができることが計算により得られて
おり、より安定なトナー保持電界が得られる。ここで、
回転速度Vpを85mm/秒、距離L6を約40mmと
すると、時間(L6/Vp)は0.5秒となる。
【0193】以上により、転写材の種類が異なっても良
好なトナー保持を行うことが可能となる。また、安価な
材料からなる中間転写ドラム62を用いても、上記関係
を満たしていれば良好なトナー保持ができるので、低コ
ストの画像形成装置とすることが可能となる。
【0194】〔実施の形態7〕本発明の第7の実施形態
について図26に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお説明の便宜上、前記の実施形態の図面に示した
部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0195】本実施形態にかかる画像形成装置は、図2
6に示すように、実施形態1と同様の構造である転写部
2を有する。但し、転写位置Xからクリーニング位置W
までの間に、除電装置を設ける必要はない。
【0196】上記画像形成装置においては、転写部2
が、 τ<L7/Vp の関係を満たすように設計されている。但し、L7は感
光体ドラム15と転写ドラム11との接触によって形成
される転写位置Xから、クリーニング装置11bによる
クリーニング位置Wまでの転写ドラム11上の距離、V
pは転写ドラム11および感光体ドラム15の回転速
度、τは転写ドラム11の時定数である。ここで、時定
数τの定義および測定方法は、実施形態1と同様であ
る。
【0197】このように、転写部2が上記の条件を満た
す、即ち距離L7を転写ドラム11の表面が移動する時
間(L7/Vp)が時定数τよりも大きいので、転写ド
ラム11の表面、界面、もしくはトラッピングのすべて
を含めても、距離L7の間で転写ドラム11の不要電荷
が減衰する。従って、残留トナーがクリーニング装置1
1bに達したときには、トナーの付着力は対向電荷と物
理的付着力のみとなる。
【0198】従って、転写位置Xからクリーニング位置
Wまでの間に、除電装置を設けなくてもよいので、装置
の小型化を図ることが可能となる。
【0199】〔実施の形態8〕本発明の第8の実施形態
について図20に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお説明の便宜上、前記の実施形態の図面に示した
部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0200】本実施形態にかかる画像形成装置は、図2
0に示すように、実施形態2と同様の構造である転写部
61を有する。但し、転写位置Xからクリーニング位置
Wまでの間に、除電装置を設ける必要はない。
【0201】上記画像形成装置においては、転写部61
が、 τ<L8/Vp の関係を満たすように設計されている。但し、L8は上
記感光体ドラム15と中間転写ドラム62との接触によ
って形成される転写位置Xから、クリーニング装置11
bによるクリーニング位置Wまでの中間転写ドラム62
上の距離、Vpは中間転写ドラム62および感光体ドラ
ム15の回転速度、τは中間転写ドラム62の時定数で
ある。ここで、時定数τの定義は実施形態2と、時定数
τの測定方法は実施形態1と同様である。
【0202】このように、転写部61が上記の条件を満
たす、即ち距離L8を中間転写ドラム62の表面が移動
する時間(L8/Vp)が時定数τよりも大きいので、
中間転写ドラム62の表面、界面、もしくはトラッピン
グのすべてを含めても、距離L8の間で中間転写ドラム
62上の不要電荷が減衰する。従って、残留トナーがク
リーニング装置11bに達したときには、トナーの付着
力は対向電荷と物理的付着力のみとなる。
【0203】従って、転写位置Xからクリーニング位置
Wまでの間に、除電装置を設けなくてもよいので、装置
の小型化を図ることが可能となる。
【0204】〔実施の形態9〕本発明の第9の実施形態
について図29に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお説明の便宜上、前記の実施形態の図面に示した
部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0205】本実施形態にかかる画像形成装置は、図2
9に示すように、実施形態1と同様の構造である転写部
2を有する。但し、転写位置Xからクリーニング位置W
までの間に、除電装置を設ける必要はない。
【0206】転写ドラム11表面に不要電荷が残留して
いると、次の転写材の給紙吸着が悪影響を被るので、転
写材を転写ドラム11に静電吸着により効率よく給紙吸
着させるためには、転写ドラム11に残留する不要電荷
を除電することが大切である。
【0207】そこで、上記画像形成装置においては、転
写部2が、 τ<L9/Vp の関係を満たすように設計されている。この式における
L9は、図1に示すように、クリーニング装置11bが
転写ドラム11に作用するクリーニング位置Wから、グ
ランドローラ12と転写ドラム11とが接した吸着位置
Zまでの転写ドラム11上の距離、Vpは転写ドラム1
1および感光体ドラム15の回転速度(表面速度)、τ
は転写ドラム11の時定数である。ここで、時定数τの
定義および測定方法は、実施形態1と同様である。
【0208】このように、転写部2が、上記の条件を満
たす、つまり、クリーニング装置11bによるクリーニ
ングを受けた転写ドラム11表面上の一点が吸着位置Z
まで距離L9だけ移動するのに要する時間が転写ドラム
11の時定数τよりも大きく設定されているので、吸着
位置Zに達するまでの距離L9の移動の間に、転写ドラ
ム11の表面、界面、もしくはトラッピングのすべてを
含めても、残留している不要電荷が減衰し、吸着位置Z
に達したときには、設定通りの転写ドラム11とグラン
ドローラ12との間に発生する吸着保持電界による電荷
のみとなる。
【0209】したがって、除電装置等を別途この位置に
設けなくとも、吸着電位が常に安定化し、転写材を転写
ドラム11における誘電体層28上に安定して吸着させ
ることができ、転写ドラム11から転写材が剥がれた
り、搬送中に位置ずれを生じたりすることを防止でき
る。
【0210】以上のように、本実施形態の画像形成装置
は、転写部2が、上記の条件を満たす、即ち距離L9を
転写ドラム11の表面が移動する時間(L9/Vp)が
転写ドラム11の時定数τよりも大きいので、転写ドラ
ム11の表面、界面、もしくはトラッピングのすべてを
含めても、距離L9の間で不要電荷が減衰する。したが
って、再び吸着位置Zに到達したときには、正しい吸着
電位で吸着されることとなり、安定に行える。
【0211】尚、上記実施形態1ないし9では上記半導
電体層27を発泡ウレタンで形成したが、EPDM(エ
チレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム)あるいはシ
リコンに、カーボン等の導電性微粒子を混入し、必要な
抵抗を有するように調整した発泡弾性抵抗体を用いても
よい。
【0212】また、上記半導電体層27は発泡弾性抵抗
体以外に、NBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体ゴム)、NBRとSBR(スチレン−ブタジエンゴ
ム)との混合物、あるいはエピクロロヒドリンの混合物
等を用い、これらに、カーボン等の導電性微粒子を混入
して必要な抵抗を得るようにしたものを使用してもよ
い。但し、この場合には半導電体層27と誘電体層28
との間に発泡体による空隙が形成されないため、空隙に
起こる放電現象による吸着力の増長は望めないものの、
電界変化のない均一な転写電界が実現されるので、吸着
特性よりも転写特性を優先させる場合は、好ましい構成
である。
【0213】また、実施形態9の発泡ウレタンのように
弾性の優れた発泡体を用いた構成において、吸着特性よ
りも転写特性を優先させたい場合には、商品名ハヤコー
ト(サンハヤト(株)製)や帯電防止グリースなどを用
いて、発泡弾性抵抗層表面の凹部を埋め、誘電体層との
密着性を向上させればよい。このような方法は、誘電体
層28の表面から電荷補充可能なプレチャージング機能
を持った転写ドラムの構成において、転写特性を効果的
に安定化させることができる。
【0214】さらに、上記実施形態1ないし9では上記
誘電体層28をPVDFで形成したが、この他に、ナイ
ロン6、ナイロン66、PTFE(四フッ化エチレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)とウ
レタンとの共重合体、あるいはPET(ポリエチレンテ
レフタレート)等がいずれも使用可能である。
【0215】PVDFシートを誘電体層28として用い
る構成においては、シートの厚さをそれぞれ25μm、
50μm、100μm、250μmとし、比誘電率εを
7.0〜14.0、体積抵抗率ρを1×109 〜1×1
15Ω・cmとして転写性能評価を行ったところ、いず
れも印加電圧を調整して80%以上の良好な転写性能を
得ることが確認されている。
【0216】尚、上記実施形態1ないし9では、半導電
体層27および誘電体層28からなる多層構造の転写ド
ラム11(あるいは中間転写ドラム62)を用いたが、
図19に示すように、内層に導電体層26、外層に誘電
体層42が形成された単層の転写ドラム41(あるいは
中間転写ドラム)としてもよい。この場合、誘電体層4
2の電気的体積抵抗率を調整し、誘電体層42の誘電率
(約10)とで時定数を決定する。この転写ドラム41
は、例えば誘電体層42としてNBRにSBRを混合し
て加硫した後に、ペーパーや砥石で表面を研磨していく
ことで、所望の寸法に成形できる。このような転写ドラ
ム41は、構造が簡単であるため、画像形成装置の低コ
スト化が図れる。
【0217】尚、上記実施形態2、4、6、8における
中間転写ドラム62は、前述のように転写ドラム11と
同じ構成としてもよいが、PVDF、シリコン、PE
T、ナイロン、およびテフロン等で形成された高誘電体
層をアルミニウム基体に貼り付けて形成してもよい。ま
た、ドラム以外にベルトを用いた構成とすることもで
き、この場合には高誘電体層にアルミ蒸着したり、導電
性グリース(商品名ハヤコート;サンハヤト(株)社
製)を塗布したりして形成することができる。
【0218】尚、上記実施形態1ないし8では、電圧が
印加された転写ドラム11と、接地されたグランドロー
ラ12とを用いたが、転写ドラムを接地し、吸着手段と
してのローラに電圧を印加する構成とすることもでき
る。この場合では、上記ローラへの印加電圧を+300
V以上とすれば、吸着が可能となる。
【0219】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に記載
の画像形成装置は、表面にトナー像が形成される像担持
体と、導電性基体に誘電体層が積層されてなり、上記像
担持体に転写材を当接させることによって上記像担持体
上に形成されたトナー像を転写材に転写する転写手段
と、該転写手段の外周に配置され、転写材にトナー像を
転写する前に上記転写手段に転写材を電気的に吸着保持
させる吸着手段とを有し、上記像担持体と転写手段との
接触によって形成される接触部の幅をLとし、像担持体
および転写手段の表面速度をVpとし、像担持体と転写
手段との間の、抵抗と静電容量との積で表される転写手
段の時定数をτとすると、L/Vp<τの関係が満たさ
れている構成である。
【0220】これにより、接触部における転写電界が常
に安定するため、転写材の種類あるいは厚さ等の違いに
よる静電転写能力の低下を防ぐことができ、良好なトナ
ー転写を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0221】請求項2に記載の画像形成装置は、表面に
トナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電体
層が積層されてなり、上記像担持体上に形成されたトナ
ー像が一時的に静電転写される中間転写手段と、該中間
転写手段に一時的に転写されたトナー像を転写材に静電
転写する転写手段とを有し、上記像担持体と中間転写手
段との接触によって形成される接触部の幅をLとし、像
担持体および中間転写手段の表面速度をVpとし、像担
持体と中間転写手段との間の、抵抗と静電容量との積で
表される中間転写手段の時定数をτとすると、L/Vp
<τの関係が満たされている構成である。
【0222】これにより、接触部におけるトナー保持電
界が常に安定するため、転写材の種類あるいは厚さ等の
違いによるトナー保持力の低下を防ぐことができ、良好
なトナー転写を行うことが可能となるという効果を奏す
る。
【0223】請求項3に記載の画像形成装置は、表面に
トナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電体
層が積層されてなり、上記像担持体に転写材を当接させ
ることによって上記像担持体上に形成されたトナー像を
転写材に転写する転写手段と、該転写手段の外周に配置
され、転写材にトナー像を転写する前に上記転写手段に
転写材を電気的に吸着保持させる吸着手段とを有し、上
記転写手段による転写位置から上記吸着手段による吸着
位置までの転写手段上の距離をLとし、像担持体および
転写手段の表面速度をVpとし、像担持体と転写手段と
の間の、抵抗と静電容量との積で表される転写手段の時
定数をτとすると、L/Vp<τの関係が満たされてい
る構成である。
【0224】これにより、距離Lの間での吸着保持電界
が常に安定するため、転写材の種類あるいは厚さ等の違
いによる静電吸着能力の低下を防ぐことができ、良好な
トナー転写を行うことが可能となるという効果を奏す
る。
【0225】請求項4に記載の画像形成装置は、表面に
トナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電体
層が積層されてなり、上記像担持体上に形成されたトナ
ー像が一時的に静電転写される中間転写手段と、該中間
転写手段に一時的に転写されたトナー像を転写材に静電
転写する転写手段とを有し、上記像担持体から中間転写
手段にトナー像が転写される第1の転写位置から、上記
中間転写手段から転写材にトナー像が転写される第2の
転写位置までの中間転写手段上の距離をLとし、像担持
体および中間転写手段の表面速度をVpとし、像担持体
と中間転写手段との間の、抵抗と静電容量との積で表さ
れる中間転写手段の時定数をτとすると、L/Vp<τ
の関係が満たされている構成である。
【0226】これにより、距離Lの間でのトナー保持電
界が安定するため、転写材の種類あるいは厚さ等の違い
によるトナー保持能力の低下を防ぐことができ、良好な
トナー転写を行うことが可能となるという効果を奏する
という効果を奏する。
【0227】請求項5に記載の画像形成装置は、表面に
トナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電体
層が積層されてなり、上記像担持体に転写材を当接させ
ることによって上記像担持体上に形成されたトナー像を
転写材に転写する転写手段と、該転写手段の外周に配置
され、転写材にトナー像を転写する前に上記転写手段に
転写材を電気的に吸着保持させる吸着手段とを有し、上
記転写手段の外周の長さをLとし、像担持体および転写
手段の表面速度をVpとし、像担持体と転写手段との間
の、抵抗と静電容量との積で表される転写手段の時定数
をτとすると、L/Vp<τの関係が満たされている構
成である。
【0228】これにより、長さLの間での吸着保持電界
が常に安定するため、転写材の種類あるいは厚さ等の違
いによる静電吸着能力の低下を防ぐことができ、良好な
トナー転写を行うことが可能となるという効果を奏す
る。
【0229】請求項6に記載の画像形成装置は、表面に
トナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電体
層が積層されてなり、上記像担持体上に形成されたトナ
ー像が一時的に静電転写される中間転写手段と、該中間
転写手段に一時的に転写されたトナー像を転写材に静電
転写する転写手段とを有し、上記中間転写手段の外周の
長さLとし、像担持体および中間転写手段の表面速度を
Vpとし、像担持体と中間転写手段との間の、抵抗と静
電容量との積で表される中間転写手段の時定数をτとす
ると、L/Vp<τの関係が満たされている構成であ
る。
【0230】これにより、長さLの間でのトナー保持電
界が安定するため、転写材の種類あるいは厚さ等の違い
によるトナー保持能力の低下を防ぐことができ、良好な
トナー転写を行うことが可能となるという効果を奏す
る。
【0231】請求項7に記載の画像形成装置は、表面に
トナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電体
層が積層されてなり、上記像担持体に転写材を当接させ
ることによって上記像担持体上に形成されたトナー像を
転写材に転写する転写手段と、該転写手段の外周に配置
され、転写材にトナー像を転写した後に上記転写手段表
面に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを有
し、上記転写手段による転写位置から上記クリーニング
手段によるクリーニング位置までの転写手段上の距離を
Lとし、像担持体および転写手段の表面速度をVpと
し、像担持体と転写手段との間の、抵抗と静電容量との
積で表される転写手段の時定数をτとすると、L/Vp
>τの関係が満たされている構成である。
【0232】これにより、クリーニング手段によるトナ
ーの除去を容易に行うことができ、トナーが転写手段表
面に残存するのを防止することができる。この結果、次
の転写時に、良好なトナー転写を行うことが可能となる
という効果を奏する。
【0233】請求項8に記載の画像形成装置は、表面に
トナー像が形成される像担持体と、導電性基体に誘電体
層が積層されてなり、上記像担持体上に形成されたトナ
ー像が一時的に静電転写される中間転写手段と、該中間
転写手段に一時的に転写されたトナー像を転写材に静電
転写する転写手段と、上記中間転写手段の外周に配置さ
れ、転写材にトナー像を転写した後に上記中間転写手段
表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを
有し、上記像担持体から中間転写手段にトナー像が転写
される転写位置から、上記クリーニング手段によるクリ
ーニング位置までの中間転写手段上の距離をLとし、像
担持体および中間転写手段の表面速度をVpとし、像担
持体と中間転写手段との間の、抵抗と静電容量との積で
表される中間転写手段の時定数をτとすると、L/Vp
>τの関係が満たされている構成である。
【0234】これにより、クリーニング手段によるトナ
ーの除去を容易に行うことができ、トナーが中間転写手
段表面に残存するのを防止することができる。この結
果、次の転写時に、良好なトナー転写を行うことが可能
となるという効果を奏する。
【0235】また、請求項9に記載の画像形成装置は、
表面にトナー像が形成される像担持体と、導電性基体の
上に誘電体層が積層されてなり、該誘電体層に静電吸着
された転写材を回転に伴い上記像担持体に当接させて像
担持体上に形成されたトナー像を転写材に転写する転写
手段と、上記転写手段の外周で、かつ転写位置より上流
側に配設され、転写材を上記誘電体層に静電吸着させる
吸着手段と、上記転写手段の外周で、かつ転写位置より
下流側に配設され、転写材剥離後の転写手段表面に残留
するトナーを除去するクリーニング手段とを有し、上記
クリーニング手段によるクリーニング位置から上記吸着
手段による吸着位置までの転写手段外周面上の距離をL
とし、像担持体及び転写手段の表面速度をVpとし、像
担持体と転写手段との間の、抵抗と静電容量との積で表
される転写手段の時定数をτとすると、L/Vp>τの
関係が満たされている構成である。
【0236】これにより、転写手段に残留している不要
電荷を次の転写材の吸着までに減衰させて吸着電位を常
に安定化させ、転写材を転写手段における誘電体層上に
安定して吸着させることができる。その結果、転写材の
剥がれや、搬送中の位置ずれを防止し、ひいては画質の
向上を図り得るという効果を奏する。
【0237】請求項10に記載の画像形成装置は、上記
請求項1ないし9の何れかの構成において、転写手段に
おける導電性基体と誘電体層との間に、少なくとも一層
の弾性抵抗体からなる層が介在されている構成である。
【0238】これにより、請求項1ないし9の何れかの
構成による効果に加えて、誘電体層の下層側に形成され
た弾性抵抗体層によりクッション性を高め、転写手段と
像担持体との当接や、転写手段と吸着手段との当接によ
る誘電体層の劣化を抑制すると共に、ニップ幅の調節を
容易に行えるので、ランニングコストの削減及び、最適
なニップ幅によって転写を安定化してさらなる画質向上
が図れるという効果を奏する。
【0239】請求項11に記載の画像形成装置は、上記
請求項1ないし9の何れかの構成において、導電性基体
と誘電体層との間に、少なくとも一層の弾性抵抗体から
なる層が介在され、かつ、該弾性抵抗体層と誘電体層と
の間に、空隙が形成されている構成である。
【0240】これにより、請求項1ないし9の何れか、
及び請求項10の構成による効果に加えて、弾性抵抗体
層と誘電体層との間に形成された空隙に発生する放電に
より、転写材に対して強い吸着力が生まれるので、転写
材を転写手段における誘電体層上により安定して吸着さ
せることができ、その結果、さらなる画質の向上を図り
得るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に
おける転写ドラムと感光体ドラムとのニップ幅を示す説
明図である。
【図2】上記転写ドラムを備えた画像形成装置の構成図
である。
【図3】上記転写ドラムを示す構成図である。
【図4】上記転写ドラムを構成する導電体層と、シート
状の半導電体層および誘電体層との接続状態を示す説明
図である。
【図5】上記転写ドラムを構成する導電体層と、半導電
体層および誘電体層との接続状態を示す他の説明図であ
る。
【図6】上記転写ドラムの帯電幅と有効画像幅との比較
を示す説明図である。
【図7】上記転写ドラムと感光体ドラムの電荷移動を示
し、転写ドラムの各層の幅が、誘電体層<半導電体層<
導電体層となる場合の電荷移動を示す説明図である。
【図8】上記転写ドラムと感光体ドラムの電荷移動を示
し、転写ドラムの各層の幅が、半導電体層<誘電体層=
導電体層となる場合の電荷移動を示す説明図である。
【図9】上記転写ドラムの帯電状態を示す説明図であっ
て、転写材が転写ドラムに搬送された初期の状態を示す
説明図である。
【図10】上記転写ドラムの帯電状態を示す説明図であ
って、転写材が転写ドラムの転写位置に搬送された状態
を示す説明図である。
【図11】上記転写ドラムとグランドローラとの間のニ
ップにおけるパッシェン放電を示す説明図である。
【図12】上記画像形成装置における転写材検知センサ
を示す構成図である。
【図13】上記転写ドラムとグランドローラとの間の接
触圧を変えるための構成を示す斜視図である。
【図14】図13においてG側から見た側面図である。
【図15】上記転写ドラムとグランドローラとの間にお
ける電荷注入機構の等価回路を示す回路図である。
【図16】転写材の帯電電荷量とニップ時間との関係を
示すグラフである。
【図17】図16とは条件が異なる場合の、転写材の帯
電電荷量とニップ時間との関係を示すグラフである。
【図18】図16とはさらに条件が異なる場合の、転写
材の帯電電荷量とニップ時間との関係を示すグラフであ
る。
【図19】本発明にかかる画像形成装置に備えられた他
の転写ドラムを示す構成図である。
【図20】本発明の第8の実施形態に係る画像形成装置
における転写位置からクリーニング位置までの距離を示
す説明図である。
【図21】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置
における中間転写ドラムと感光体ドラムとのニップ幅を
示す説明図である。
【図22】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置
における転写位置から吸着位置までの距離を示す説明図
である。
【図23】本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置
における第1の転写位置から第2の転写位置までの距離
を示す説明図である。
【図24】本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置
における転写ドラムの外周の長さを示す説明図である。
【図25】本発明の第6の実施形態に係る画像形成装置
における中間転写ドラムの外周の長さを示す説明図であ
る。
【図26】本発明の第7の実施形態に係る画像形成装置
における転写位置からクリーニング位置までの距離を示
す説明図である。
【図27】従来の画像形成装置の概略構成図である。
【図28】従来の他の画像形成装置の概略構成図であ
る。
【図29】本発明の第9の実施形態に係る画像形成装置
におけるクリーニング位置から吸着位置までの距離を示
す説明図である。
【符号の説明】
11 転写ドラム(転写手段) 11b クリーニング装置(クリーニング手段) 12 グランドローラ(吸着手段) 15 感光体ドラム(像担持体) 26 導電体層(導電性基体) 27 半導電体層 28 誘電体層 62 中間転写ドラム(中間転写手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 英樹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 及川 智博 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 岩倉 良恵 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にトナー像が形成される像担持体と、 導電性基体に誘電体層が積層されてなり、上記像担持体
    に転写材を当接させることによって上記像担持体上に形
    成されたトナー像を転写材に転写する転写手段と、 該転写手段の外周に配置され、転写材にトナー像を転写
    する前に上記転写手段に転写材を電気的に吸着保持させ
    る吸着手段とを有し、 上記像担持体と転写手段との接触によって形成される接
    触部の幅をLとし、像担持体および転写手段の表面速度
    をVpとし、像担持体と転写手段との間の、抵抗と静電
    容量との積で表される転写手段の時定数をτとすると、
    L/Vp<τの関係が満たされていることを特徴とする
    画像形成装置。
  2. 【請求項2】表面にトナー像が形成される像担持体と、 導電性基体に誘電体層が積層されてなり、上記像担持体
    上に形成されたトナー像が一時的に静電転写される中間
    転写手段と、 該中間転写手段に一時的に転写されたトナー像を転写材
    に静電転写する転写手段とを有し、 上記像担持体と中間転写手段との接触によって形成され
    る接触部の幅をLとし、像担持体および中間転写手段の
    表面速度をVpとし、像担持体と中間転写手段との間
    の、抵抗と静電容量との積で表される中間転写手段の時
    定数をτとすると、L/Vp<τの関係が満たされてい
    ることを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】表面にトナー像が形成される像担持体と、 導電性基体に誘電体層が積層されてなり、上記像担持体
    に転写材を当接させることによって上記像担持体上に形
    成されたトナー像を転写材に転写する転写手段と、 該転写手段の外周に配置され、転写材にトナー像を転写
    する前に上記転写手段に転写材を電気的に吸着保持させ
    る吸着手段とを有し、 上記転写手段による転写位置から上記吸着手段による吸
    着位置までの転写手段上の距離をLとし、像担持体およ
    び転写手段の表面速度をVpとし、像担持体と転写手段
    との間の、抵抗と静電容量との積で表される転写手段の
    時定数をτとすると、L/Vp<τの関係が満たされて
    いることを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】表面にトナー像が形成される像担持体と、 導電性基体に誘電体層が積層されてなり、上記像担持体
    上に形成されたトナー像が一時的に静電転写される中間
    転写手段と、 該中間転写手段に一時的に転写されたトナー像を転写材
    に静電転写する転写手段とを有し、 上記像担持体から中間転写手段にトナー像が転写される
    第1の転写位置から、上記中間転写手段から転写材にト
    ナー像が転写される第2の転写位置までの中間転写手段
    上の距離をLとし、像担持体および中間転写手段の表面
    速度をVpとし、像担持体と中間転写手段との間の、抵
    抗と静電容量との積で表される中間転写手段の時定数を
    τとすると、L/Vp<τの関係が満たされていること
    を特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】表面にトナー像が形成される像担持体と、 導電性基体に誘電体層が積層されてなり、上記像担持体
    に転写材を当接させることによって上記像担持体上に形
    成されたトナー像を転写材に転写する転写手段と、 該転写手段の外周に配置され、転写材にトナー像を転写
    する前に上記転写手段に転写材を電気的に吸着保持させ
    る吸着手段とを有し、 上記転写手段の外周の長さをLとし、像担持体および転
    写手段の表面速度をVpとし、像担持体と転写手段との
    間の、抵抗と静電容量との積で表される転写手段の時定
    数をτとすると、L/Vp<τの関係が満たされている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】表面にトナー像が形成される像担持体と、 導電性基体に誘電体層が積層されてなり、上記像担持体
    上に形成されたトナー像が一時的に静電転写される中間
    転写手段と、 該中間転写手段に一時的に転写されたトナー像を転写材
    に静電転写する転写手段とを有し、 上記中間転写手段の外周の長さLとし、像担持体および
    中間転写手段の表面速度をVpとし、像担持体と中間転
    写手段との間の、抵抗と静電容量との積で表される中間
    転写手段の時定数をτとすると、L/Vp<τの関係が
    満たされていることを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】表面にトナー像が形成される像担持体と、 導電性基体に誘電体層が積層されてなり、上記像担持体
    に転写材を当接させることによって上記像担持体上に形
    成されたトナー像を転写材に転写する転写手段と、 該転写手段の外周に配置され、転写材にトナー像を転写
    した後に上記転写手段表面に残留したトナーを除去する
    クリーニング手段とを有し、 上記転写手段による転写位置から上記クリーニング手段
    によるクリーニング位置までの転写手段上の距離をLと
    し、像担持体および転写手段の表面速度をVpとし、像
    担持体と転写手段との間の、抵抗と静電容量との積で表
    される転写手段の時定数をτとすると、L/Vp>τの
    関係が満たされていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】表面にトナー像が形成される像担持体と、 導電性基体に誘電体層が積層されてなり、上記像担持体
    上に形成されたトナー像が一時的に静電転写される中間
    転写手段と、 該中間転写手段に一時的に転写されたトナー像を転写材
    に静電転写する転写手段と、 上記中間転写手段の外周に配置され、転写材にトナー像
    を転写した後に上記中間転写手段表面に残留したトナー
    を除去するクリーニング手段とを有し、 上記像担持体から中間転写手段にトナー像が転写される
    転写位置から、上記クリーニング手段によるクリーニン
    グ位置までの中間転写手段上の距離をLとし、像担持体
    および中間転写手段の表面速度をVpとし、像担持体と
    中間転写手段との間の、抵抗と静電容量との積で表され
    る中間転写手段の時定数をτとすると、L/Vp>τの
    関係が満たされていることを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】表面にトナー像が形成される像担持体と、 導電性基体の上に誘電体層が積層されてなり、上記誘電
    体層に静電吸着された転写材を回転に伴い上記像担持体
    に当接させて像担持体上に形成されたトナー像を転写材
    に転写する転写手段と、 上記転写手段の外周で、かつ転写位置より上流側に配設
    され、転写材を上記誘電体層に静電吸着させる吸着手段
    と、 上記転写手段の外周で、かつ転写位置より下流側に配設
    され、転写材剥離後の転写手段表面に残留するトナーを
    除去するクリーニング手段とを有し、 上記クリーニング手段によるクリーニング位置から上記
    吸着手段による吸着位置までの転写手段外周面上の距離
    をLとし、像担持体及び転写手段の表面速度をVpと
    し、像担持体と転写手段との間の、抵抗と静電容量との
    積で表される転写手段の時定数をτとすると、L/Vp
    >τの関係が満たされていることを特徴とする画像形成
    装置。
  10. 【請求項10】上記転写手段における導電性基体と誘電
    体層との間に、少なくとも一層の弾性抵抗体からなる層
    が介在されていることを特徴とする請求項1ないし9の
    何れかに記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】上記転写手段における導電性基体と誘電
    体層との間に、少なくとも一層の弾性抵抗体からなる層
    が介在され、かつ、該弾性抵抗体層と誘電体層との間
    に、空隙が形成されていることを特徴とする請求項1な
    いし9の何れかに記載の画像形成装置。
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