JP3768555B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばカラー複写機や、カラープリンタ等の画像形成装置に係わり、詳しくは、複数の像担持体に像形成を行ない、これらの像を用紙などの転写材に順次転写してハードコピーを得る画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真を用いたカラー画像形成装置の多くは、1つの像担持体としての感光体ドラムが1回転するごとにイエロー,マゼンダ,シアン,ブラックのトナー像を形成し、順次用紙に転写する方式が採用されている。このような方式の場合、1つの画像を形成するにあたり、感光体ドラムが4周せねばならないことから、画像形成速度が遅いという問題がある。
【0003】
そこで、近時、画像形成速度を速くする事ができる感光体ドラム4連タンデム方式の画像形成装置が提案されている。
この方式は、像担持体である感光体ドラムを4本平行に並べ、それぞれの感光体ドラム上に、イエロー,マゼンダ,シアン,ブラックのトナーを用いてトナー像を形成し、これらのトナー像を転写材搬送部材としての転写材搬送ベルトに保持されて搬送される1枚の転写材に順次転写し、カラー画像を得る方式である。
【0004】
この感光体ドラム4連タンデム方式は、前記方式と比較して同一のプロセス速度で4倍に早められるという長所を有している。
しかし、従来においては、各感光体ドラムに形成されたトナー像を転写材に静電的に転写するための転写手段である転写コロナ帯電器を各感光体ドラムに対応してそれぞれ合計4つ設ける必要があると共に、さらには、転写材を転写材搬送ベルトに静電的に吸着させるための吸着手段としての吸着コロナ帯電器、及び、転写材搬送ベルトに残留している電荷が前記吸着コロナ帯電器による吸着作用を妨げないように転写材搬送ベルトを除電するベルト除電手段としてのACコロナ除電器等が必要としている。このように、コロナ放電発生部材の数が前述の従来方式に比べて多くなるため、必然的にオゾン発生量が多くなり、大掛かりなオゾン除去装置等を付設して対処しなければならず、コスト的にも、装置の小形化を図る上でも大きな障害となるといった問題があった。
【0005】
また、感光体ドラム4連タンデム方式は、転写材をトナー像の転写ポジションに順次搬送してトナー像を重ね合わせることにより所定の色を再現するものであるため、転写材が搬送途上でズレた場合、転写されるトナー像相互にズレが生じ、画像品質に大きく影響する。フルカラープリンタの場合、モノクロプリンタと違って、少しでもトナー像の重ね位置が違うと再現される色は全く別の物になってしまう。このため、転写材搬送ベルトへの転写材の吸着を十分にして転写材のズレを無くす必要があるが、単に転写材搬送ベルトへの吸着力を増すようにするとトナー像の転写等に悪影響を与えてしまうため、転写材搬送部材への転写材の吸着が十分でないことによる色ズレが発生し易いという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来、提案されている感光体ドラム4連タンデム方式の画像形成装置にあっては、コロナ放電発生部材の数が従来方式に比べて多くなるため、必然的にオゾン発生量が多くなり、大掛かりなオゾン除去装置等を付設して対処しなければならず、コスト的にも、装置の小形化を図る上でも大きな障害となるといった問題があった。
【0007】
また、転写材搬送部材への転写材の吸着が十分でないことによる色ズレが発生し易いという問題もあった。
本発明は、上記事情に基づきなされたもので、第1の目的とするところは、オゾン発生量を少なくでき、大掛かりなオゾン除去装置等を必要とせず、低コスト化、装置の小形化等を可能とした画像形成装置を提供するものである。
【0008】
また、第2の目的とするところは、オゾン発生量を少なくでき、大掛かりなオゾン除去装置等を必要とせず、低コスト化、装置の小形化等を可能とすると共に、トナー転写不良など他へ悪影響を与えることなく確実に転写材を転写材搬送部材に吸着保持させる事ができ、色ズレのない画像品質の良い画像形成を可能とした画像形成装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像形成装置、列設された複数の像担持体にそれぞれ対応して設けられ、各像担持体上にそれぞれ画像を形成する複数の画像形成手段と、駆動回転部材と従動回転部材に掛け渡されて中途部が前記各像担持体に対向するよう張設され、画像を転写するための転写材を前記各像担持体に対して順次搬送する無端状の転写材搬送部材と、この転写材搬送部材に保持される転写材を供給する転写材供給手段と、この転写材供給手段による前記転写材搬送部材への転写材の供給位置の近傍に設けられ、供給された転写材に吸着バイアスを印加することにより前記転写材搬送部材に吸着保持させる転写材吸着手段と、前記転写材搬送部材の裏面かつ前記各像担持体にそれぞれ対応する位置に面接触あるいは線接触して設けられ、前記転写材搬送部材に吸着保持されて搬送される転写材に対して前記吸着バイアスと逆極性の転写バイアスを印加して前記各像担持体上に形成された画像をそれぞれ転写する複数の接触型転写手段と、を具備し、前記転写材の搬送方向に沿って最も下流に位置する最終ポジションの像担持体を通過した前記転写材搬送部材に残存する電荷を消失させるための除電装置を不要とするため、前記転写材搬送部材の移動速度V(mm/sec)、前記最終ポジションの像担持体に対応する転写位置から前記転写材吸着手段が配設された転写材吸着位置までの転写材搬送部材の走行距離L1(mm)、各像担持体間距離X(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εを、 L1/V≧(ε・ε・ρ)×7 且つ X/V≦(ε・ε ・ρ)×15 且つ 5×10 ≦ρ≦10 14 の関係を満たすように設定したものである。
【0010】
また、本発明の画像形成装置は、列設された複数の像担持体にそれぞれ対応して設けられ、各像担持体上にそれぞれ画像を形成する複数の画像形成手段と、駆動回転部材と従動回転部材に掛け渡されて中途部が前記各像担持体に対向するよう張設され、画像を転写するための転写材を前記各像担持体に対して順次搬送する無端状の転写材搬送部材と、この転写材搬送部材に保持される転写材を供給する転写材供給手段と、この転写材供給手段による前記転写材搬送部材への転写材の供給位置の近傍に設けられ、供給された転写材に吸着バイアスを印加することにより前記転写材搬送部材に吸着保持させる転写材吸着手段と、前記転写材搬送部材の裏面かつ前記各像担持体にそれぞれ対応する位置に多数の接触点をもって接触して設けられ、前記転写材搬送部材に吸着保持されて搬送される転写材に対して前記吸着バイアスと逆極性の転写バイアスを印加して前記各像担持体上に形成された画像をそれぞれ転写する複数の接触型転写手段と、を具備し、前記転写材の搬送方向に沿って最も下流に位置する最終ポジションの像担持体を通過した前記転写材搬送部材に残存する電荷を消失させるための除電装置を不要とするため、前記転写材搬送部材の移動速度V(mm/sec)、前記最終ポジションの像担持体に対応する転写位置から前記転写材吸着手段が配設された転写材吸着位置までの転写材搬送部材の走行距離L1(mm)、各像担持体間距離X(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εを、 L1/V≧(ε・ε ・ρ)×7 且つ X/V≦(ε・ε ・ρ)×20 且つ 5×10 ≦ρ≦10 15 の関係を満たすように設定したものである。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、列設された複数の像担持体にそれぞれ対応して設けられ、各像担持体上にそれぞれ画像を形成する複数の画像形成手段と、駆動回転部材と従動回転部材に掛け渡されて中途部が前記各像担持体に対向するよう張設され、画像を転写するための転写材を前記各像担持体に対して順次搬送する無端状の転写材搬送部材と、この転写材搬送部材の裏面かつ前記各像担持体にそれぞれ対応する位置に面接触あるいは線接触して設けられ、前記転写材を前記転写材搬送部材に吸着保持すると共に前記各像担持体上に形成された画像を前記転写材上にそれぞれ転写する複数の接触型転写手段と、を具備し、転写材の搬送方向に沿って最も下流に位置する最終ポジションの像担持体を通過した前記転写材搬送部材に残存する電荷を消失させるための除電装置、および前記転写材搬送部材に供給される転写材を該転写材搬送部材に吸着保持させるための転写材吸着手段を不要とするため、前記転写材搬送部材の移動速度V(mm/sec)、前記転写材の搬送方向の最も下流に位置する最終転写位置から前記転写材の搬送方向の最も上流に位置する第1転写位置までの転写材搬送部材の走行距離L2(mm)、各像担持体間距離X(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εを、 L2/V≧(ε・ε ・ρ)×10且つ X/V≦(ε・ε ・ρ)×15 且つ 5×10 ≦ρ≦10 14 の関係を満たすようにしたものである。
【0012】
また、本発明の画像形成装置は、列設された複数の像担持体にそれぞれ対応して設けられ、各像担持体上にそれぞれ画像を形成する複数の画像形成手段と、駆動回転部材と従動回転部材に掛け渡されて中途部が前記各像担持体に対向するよう張設され、画像を転写するための転写材を前記各像担持体に対して順次搬送する無端状の転写材搬送部材と、この転写材搬送部材の裏面かつ前記各像担持体にそれぞれ対応する位置に多数の接触点をもって接触して設けられ、前記転写材を前記転写材搬送部材に吸着保持すると共に前記各像担持体上に形成された画像を前記転写材上にそれぞれ転写する複数の接触型転写手段と、を具備し、転写材の搬送方向に沿って最も下流に位置する最終ポジションの像担持体を通過した前記転写材搬送部材に残存する電荷を消失させるための除電装置、および前記転写材搬送部材に供給される転写材を該転写材搬送部材に吸着保持させるための転写材吸着手段を不要とするため、前記転写材搬送部材の移動速度V(mm/sec)、前記転写材の搬送方向の最も下流に位置する最終転写位置から前記転写材の搬送方向の最も上流に位置する第1転写位置までの転写材搬送部材の走行距離L2(mm)、各像担持体間距離X(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εを、 L2/V≧(ε・ε ・ρ)×10且つ X/V≦(ε・ε ・ρ)×20 且つ 5×10 ≦ρ≦10 15 の関係を満たすようにしたものである。
【0013】
【作用】
記画像形成装置によれば、転写材の搬送速度V(mm/sec)、転写材の搬送方向の最も下流に位置する最終ポジションの像担持体に対応する転写材剥離位置から転写材吸着手段が配設された転写材吸着位置までの転写材搬送部材の走行距離L1(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εが、L1/V≧(ε・ε・ρ)×7の関係を満たすようにした。このように、転写材搬送部材の電気的特性を調整することにより、画像形成が終了し転写材が剥離された後の転写材搬送部材に残存した電荷は、次の転写サイクルが開始するまでに、転写に悪影響を与えない程度以上に消失し、これにより、従来、必要としていた最もオゾン発生量の多い転写材搬送部材除電用のACコロナ除電装置が不要となり、オゾン発生量を少なくでき、大掛かりなオゾン除去装置等を必要とせず、低コスト化、装置の小形化等が可能となる。
【0014】
また、上記画像形成装置によれば、転写材の搬送速度V(mm/sec)、転写材の搬送方向の最も下流に位置する最終転写位置から転写材の搬送方向の最も上流に位置する第1転写位置までの距離L2(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εが、L2/V≧(ε・ε・ρ)×10の関係を満たすようにした。このように、転写材搬送部材の電気的特性を調整することにより、転写材搬送部材に転写材を吸着保持させるための転写材吸着手段を持たず、転写手段で転写材吸着も行なうことができる。また、画像形成が終了し転写材が剥離された後の転写材搬送部材に残存した電荷は、次の転写サイクルが開始するまでに、転写に悪影響を与えない程度以上に消失し、これにより、従来、必要としていた最もオゾン発生量の多い転写材搬送部材除電用のACコロナ除電装置が不要となり、オゾン発生量を少なくでき、大掛かりなオゾン除去装置等を必要とせず、低コスト化、装置の小形化等が可能となる。
【0015】
また、上記画像形成装置によれば、転写材搬送部材の裏面かつ各像担持体にそれぞれ対応する位置に面接触あるいは線接触すると共に転写バイアスが印加され、転写材搬送部材に保持されて搬送される転写材に対して各像担持体上に形成された画像をそれぞれ転写する複数の転写手段を設けると共に、転写材の搬送速度V(mm/sec)、各像担持体間距離X(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εが、X/V≦(ε・ε・ρ)×15かつ5×10≦ρ≦1014の関係を満たすようにした。このように、コロナ転写を用いずに、面接触あるいは線接触する接触型転写手段を用いて転写を行なうようにしたから、これらの部分からのオゾン発生が無く全体のオゾン発生量を少なくでき、大掛かりなオゾン除去装置等を必要とせず、低コスト化、装置の小形化等が可能となる。
【0016】
また、ソリッドローラやフィルムシートなど接触型転写手段においては、転写材搬送部材の抵抗が高すぎると、良好に複数の色を重ねて転写できないという問題が生じるため、転写材搬送部材の抵抗をある程度低く設定することが必要となるが、転写材搬送部材は静電気的に転写材を吸着して搬送する機能も要求されることから、所定以上の抵抗を有する必要がある。転写材保持部材が転写材を十分に吸着していないと、搬送中に転写材がスリップし、画像ズレが発生する。転写材は、転写位置を通過する際に、転写電界により吸着力を得るが、この吸着力が次の転写位置に達するまで維持されなければならないが、上記の関係を満たす事により、画像ズレが生じないように転写材の吸着を十分に維持する事ができ、色ズレのない画像品質の良い画像形成が可能となる。
【0017】
また、上記画像形成装置によれば、転写材搬送部材の裏面かつ各像担持体にそれぞれ対応する位置に多数の接触点をもって接触すると共に転写バイアスが印加され、転写材搬送部材に保持されて搬送される転写材に対して各像担持体上に形成された画像をそれぞれ転写する複数の転写手段を設けると共に、転写材の搬送速度V(mm/sec)、各像担持体間距離X(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εが、X/V≦(ε・ε・ρ)×20かつ5×10≦ρ≦1015の関係を満たすようにした。このように、コロナ転写を用いずに、多数の接触点をもって接触する接触型転写手段を用いて転写を行なうようにしたから、これらの部分からのオゾン発生が無く全体のオゾン発生量を少なくでき、大掛かりなオゾン除去装置等を必要とせず、低コスト化、装置の小形化等が可能となる。
【0018】
また、ブラシやスポンジローラ,フェルトなどの布状の接触型転写手段においては、転写材搬送部材の抵抗が高すぎると、良好に複数の色を重ねて転写できないという問題が生じるため、転写材搬送部材の抵抗をある程度低く設定することが必要となるが、転写材搬送部材は静電気的に転写材を吸着して搬送する機能も要求されることから、所定以上の抵抗を有する必要がある。転写材保持部材が転写材を十分に吸着していないと、搬送中に転写材がスリップし、画像ズレが発生する。転写材は、転写位置を通過する際に、転写電界により吸着力を得るが、この吸着力が次の転写位置に達するまで維持されなければならないが、上記の関係を満たす事により、画像ズレが生じないように転写材の吸着を十分に維持する事ができ、色ズレのない画像品質の良い画像形成が可能となる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の第1の実施例について図1〜図6を参照して説明する。
まず、図1及び図2を参照して画像形成装置としての4連タンデム方式のカラープリンタの全体構成を説明する。なお、図2は図1の要部の構成を模式的に描いたものである。
【0020】
このカラープリンタは、順次平行状態に列設された4つの像担持体としての感光体ドラム2Y,2M,2C,2BKと、これら各感光体ドラム2Y,2M,2C,2BKにそれぞれ対応して設けられ、その各感光体ドラム2Y,2M,2C,2BK上にそれぞれ画像を形成する複数の画像形成手段150Y,150M,150C,150BKと、前記感光体ドラム2Y,2M,2C,2BKに対して順次用紙からなる転写材8を搬送する搬送手段200と、前記感光体ドラム2Y,2M,2C,2BKにそれぞれ対応して設けられ、前記搬送手段200で搬送される転写材8に対して前記感光体ドラム2Y,2M,2C,2BK上に形成されたトナー画像をそれぞれ転写する複数の転写手段としての転写コロナ帯電器5Y,5M,5C,5BKを有する。
【0021】
また、4組の画像形成手段150Y,150M,150C,150BKは、固体走査ヘッド1Y,1M,1C,1BK,等倍結像光学系などからなる記録部と、帯電装置3Y,3M,3C,3BK、現像装置4Y,4M,4C,4BK、クリーニング装置6Y,6M,6C,6BK、除電装置7Y,7M,7C,7BKなどからなる画像形成部からなっている。
【0022】
イエロー画像形成手段150Yについて説明する。なお、マゼンダ画像形成手段150M、シアン画像形成手段150C、ブラック画像形成手段150BKは、これから説明するイエロー画像形成手段150Yにおけるイエロー(Y)を、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)に置き換えた、同じ構成部材および作用より成り立っているので、説明を簡略化するため、これらの画像形成手段については説明を省略する。
【0023】
図示しない印字制御部から送られてくるイエローの画像データにしたがって固体走査ヘッド1Yが感光体ドラム2Yに対して露光光を出力する。この固体走査ヘッド1Yは、主走査方向ライン上に微小な発光部が等間隔に配設された構造を持ち、印字すべきパターンに応じて印字制御部から送られてくるオンーオフ信号に応じて、主走査方向ラインの個別発光部を点灯制御することにより、この発光部の光を1対1に結像する等倍結像光学系によって、感光体ドラム2Y上に光を結像して露光を行なう。
【0024】
なお、具体的には、固体走査ヘッド1Yには解像度400DPIのLEDヘッドアレイを、等倍結像光学系にはセルフォックレンズアレイを用いた。
感光体ドラム2Yの周囲には、感光体ドラム2Yの表面を帯電する帯電装置 3Y、固体走査ヘッド1Y、現像装置4Y、転写コロナ帯電器5Y、クリーニング装置6Y、除電装置7Yが配設されている。
【0025】
感光体ドラム2Yは、駆動モータ(図示しない)により、プリント速度は8枚/分であり、プロセス速度は50mm/secとなるように、V0 の外周速度で回転駆動される。この感光体ドラム2Yは、感光体ドラム2Yの表面に接して設けられている導電性を有する帯電ローラからなる帯電装置3Yによって−500v程度の表面電位に帯電される。なお、この帯電装置3Yを構成する帯電ローラには、図示されていない帯電バイアス電源が接続されており、−1050vの帯電バイアスが印加されている。また、感光体ドラム2Yの表面に接触することによって従動回転している。
【0026】
感光体ドラム2Yの表面は、有機系光導電体によって形成されている。この光導電体は、通常は高抵抗であるが、光が照射されると、光照射部の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電したイエロー感光体ドラム2Yの表面に、イエロー印字パターンに応じた光を、固体走査ヘッド1Yから等倍結像光学系を通して照射することによって、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体ドラム2Yの表面に形成される。
【0027】
静電潜像とは、帯電によって感光体ドラム2Yの表面に形成される像であり、固体走査ヘッド1Yからの光照射によって、光導電体の被照射面の比抵抗が低下し、感光体ドラム2Y表面の帯電した電荷が流れ、一方、固体走査ヘッド1Yからの光照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
【0028】
このようにして帯電された感光体ドラム2Y上の露光位置に、固体走査ヘッド1Yの光が結像され、潜像が形成された感光体ドラム2Yは、現像位置までV0 の速度で回転する。そして、この現像位置で、感光体ドラム2Y上の潜像は、現像装置4Yによって可視像であるトナー像化される。
【0029】
現像装置4Y内には、イエロー染料を含み樹脂にて形成されるイエロートナーが準備されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体ドラム2Y上に帯電した帯電荷と同極性の電荷を持つ。感光体ドラム2Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、帯電が除去された潜像部にのみイエロートナーが静電的に付着して、潜像がイエロートナーによって現像される(反転現像)。
【0030】
イエローのトナー像が形成された感光体ドラム2Yは、引続き外周V0 で回転し、転写位置の地点で転写コロナ帯電器5Yによって、転写材供給手段としての転写材供給装置40によりタイミングを取って供給され、転写材搬送部材である半導電性ベルトあるいは高抵抗ベルトからなる転写材搬送ベルト12上に後述するようにして吸着保持された転写材(用紙)8上にトナー像が転写される。
【0031】
転写材供給装置40は、ピックアップローラ9、フィードローラ対10、および、レジストローラ対11からなる。ピックアップローラ9によって、給紙カセット39内から持ち上げられた転写材8は、フィードローラ対10によって1枚だけレジストローラ対11に搬送される。レジストローラ対11は、転写材8の姿勢を正した後、転写材搬送ベルト12上に送る。レジストローラ対11の外周速度及び転写材搬送ベルト12の周速は、感光体ドラム2Yの周速V0 と等速になるように設定されている。転写材8は、その一部をレジストローラ対11に保持された状態で、感光体ドラム2Yと等速のV0 で転写材搬送ベルト12と共に感光体ドラム2Yの転写位置に送られる。
【0032】
また、転写材搬送ベルト12は、無端構造を有していて、定着装置13側の駆動回転部材としての駆動ローラ16と転写材供給口側の従動回転部材としての従動ローラ17とによって保持されている。駆動ローラ16及び従動ローラ17は、転写材搬送ベルト12の蛇行防止の観点から、高精度が要求されるため金属ローラにより構成されている。
【0033】
転写材搬送ベルト12は、この実施例では、厚み100μm、抵抗1013Ω・cmのカーボンを分散したポリイミドベルトを用いている。この転写材搬送ベルト12の材質はポリイミドに限定されるものではなく、PET、PVDF、ウレタンラバーなどにより構成されるものでもよい。
【0034】
駆動ローラ16は、図示しない駆動モータからその駆動力を伝達され、前述したように感光体ドラム2Y,2M,2C,2BKの外周速度V0 と転写材搬送ベルト12の外周速度が等速になるように駆動されている。また、従動ローラ17は、その両端軸部を従動ローラ保持部材21,21(一方のみ図示)によって回転可能に保持されていると共に、従動ローラ保持部材21,21が付勢部材である圧縮スプリング18,18(一方のみ図示)によって外方押されることで、駆動ローラ16から離れる方向に押され、転写材搬送ベルト12に所定のテンションを付与するようになっている。
【0035】
また、転写材搬送ベルト12の転写材8の供給位置の近傍、すなわち、レジストローラ対11の配設位置近傍には、前記転写材搬送ベルト12に転写材8を吸着保持させるための転写材吸着手段として107 Ω・cmの抵抗を有するゴムローラからなる転写材吸着ローラ50が、転写材搬送ベルト12に転接して設けられ従動回転するようになっている。転写材吸着ローラ50には吸着バイアス供給手段としての吸着バイアス供給電源300が接続され、転写材吸着ローラ50に吸着バイアスが印加されるようになっている。
【0036】
レジストローラ対11を介して供給された転写材8は、吸着バイアスが印加された転写材吸着ローラ50と、接地された金属ローラである従動ローラ17との間で形成される電界により、転写材搬送ベルト12に静電的に吸着される。なお、吸着バイアスとしては、転写バイアスとは逆極性の−1500vが印加されている。
【0037】
転写材吸着ローラ50は、安定した吸着ニップを形成するため、また、リークによるベルトの破損を防ぐため、所定の弾性、所定の抵抗を有する必要がある。ゴム硬度に関しては、あまり柔らかすぎると変形が問題になり、固すぎるとニップ形成が不十分になることから、25度〜70度(JIS−A)の範囲が良い。
【0038】
また、転写材吸着ローラ50の抵抗は、低すぎるとリークによる転写材搬送ベルト12の破損が発生し、高すぎると十分な吸着電界が形成できないことから、105 〜1012Ω・cmの抵抗が適当である。また、吸着バイアスとしてプラス極性のバイアスを印加すると、転写材8が転写前からプラスの電荷を有してしまい、第1転写領域以前に第1ステーションの感光体ドラム2Y上に形成されたイエロートナー像の転写が開始してしまい、転写ブレが発生してしまう。よって、転写バイアスとは逆極性のマイナス極性である必要がある。
【0039】
本実施例において、転写材吸着ローラ50としては、φ6mmの金属シャフトの周りに3mmの肉厚で導電性ウレタンゴムを配設した構成となっており、導電性ウレタンゴムの抵抗は107 Ω・cm、ゴム硬度は55度(JIS−A)のものを用いている。
【0040】
また、転写材8は転写材搬送ベルト12に吸着保持されつつ、第1ステーションの感光体ドラム2Yと、転写材搬送ベルト12が形成する転写位置に送られ挟持される。そして、この第1の転写位置において、転写コロナ帯電器5Yにより転写材搬送ベルト12の背面よりプラス極性の電荷が付与され、感光体ドラム2Yとの間に形成される電界により、マイナス極性を有するイエロー印字信号に基づく印字パターンのイエロートナー像が感光体ドラム2Yから離脱して転写材8に転写される。
【0041】
こうして、イエロートナー像が転写された転写材8は、次にマゼンダ画像形成手段150Mに、さらにシアン画像形成手段150Cに、さらにブラック画像形成手段150BKに順次対向するように搬送され、前記イエロートナー像上にマゼンダトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像が重ねて転写される。
【0042】
色重ね画像を形成した転写材8は、駆動ローラ16の曲率により転写材搬送ベルト12から自然剥離して、定着装置13へと送り込まれる。定着装置13は、ヒータを組み込んだ加熱ローラとこれに圧接する加圧ローラを有し、これら加熱ローラと加圧ローラとの圧接部(ニップ部)である定着ポイントを転写材8が通過することで、この転写材8上に電荷力によって載っているだけのトナー像を溶融圧着して転写材8への永久定着を行なう。定着の完了した転写材8は、送り出しローラ14によって排紙トレイ15に搬出される。
【0043】
一方、転写位置を通過した各色の感光体ドラム2Y,2M,2C,2BKは、そのまま外周速度V0 にて回転駆動され、クリーニング装置6Y,6M,6C,6BKによって残留トナーや紙粉がクリーニングされ、さらに、除電装置7Y,7M,7C,7BKの除電ランプで表面の電位が一定にされ、必要に応じて再び帯電装置3Y,3M,3C,3BKからの一連のプロセスに入る。
【0044】
また、単色印字の場合は、上述した任意の単色の記録部・画像形成部による作像を行なう。このとき、選択された色以外の記録部・画像形成部は動作を行なわないようになっている。
【0045】
上記のように構成された画像形成装置としての4連タンデム方式のカラープリンタにおいては、各感光体ドラム2Y,2M,2C,2BKに対応すると転写領域を通過する際には、転写材8の表面にマイナス電荷が感光体ドラム2Y,2M,2C,2BKとの放電により残り、図3に示すように、転写材8と転写材搬送ベルト12との吸着力をより強固なものとなる。
【0046】
転写材8は、第1転写位置で第1色のイエロートナー像が転写された後、第4転写位置で第4色のブラックトナー像が転写されるまで転写材搬送ベルト12に吸着されて搬送され、第4転写位置を通過直後、駆動ローラ16の曲率により転写材搬送ベルト12から自然剥離し、上述したように定着装置13に送り込まれる。
【0047】
次に、連続してプリントした場合について考える。図1及び図2に示す感光体ドラム2BKに対応する第4転写位置を通過してから、転写材吸着ローラ50までの距離Lは約420mm、時間にして8.4secとなっている。第4転写位置を通過した直後(図2中、A点)の転写材搬送ベルト12の表面電位は約−700vであったが、転写材吸着ローラ50への突入寸前(図2中、B点)での表面電位は−30vとなっていた。A点で検出された電荷は、転写を通過するごとに蓄積されたもので、この電荷がそのまま残っていると、転写材吸着ローラ50が配置された吸着部で転写材8を吸着するための電界が得られない。
【0048】
そこで、どの程度までこの電荷が消失すれば吸着が行なえるかを調べた。
図4は、吸着位置への突入電位を変化させるための実験機を示すもので、転写材吸着ローラ50の配設位置の上流に転写材搬送ベルト12を挟んだ1対のローラ60a、60bを設け、これらローラ60a、60b間にバイアス供給手段としてのバイアス供給電源310が接続され、転写材搬送ベルト12にバイアスを印加することにより、転写材吸着ローラ50が配設された吸着位置に突入時の転写材搬送ベルト12の表面電位をコントロールし、ベルト電位と吸着力の関係を調べた。なお、図中70a、70bはベルト除電を行なうための除電ローラ対で、除電ローラ70bにはバイアス供給手段としてのバイアス供給電源320を介してバイアスが印加されている。
【0049】
ベルト吸着力は詳しく説明するように、1cm×20cmの転写材8としての用紙を転写材吸着ローラ50により転写材搬送ベルト12に吸着させて、転写材吸着ローラ50の配設位置を通過した直後にバネ秤で測定した。なお、転写材吸着ローラ50によるベルト吸着バイアスは−1500vとした。
【0050】
その結果、転写材搬送ベルト12の表面電位がプラスあるいはマイナス側で小さければ、吸着力が強く、マイナス側に大きく帯電されていると吸着力が小さい事がわかった。そして、ベルト表面電位が−400vより絶対値が小さければ(あるいはプラスであれば)、後述する画像ズレが発生しないための最低吸着力0.7gf/cm2 以上が得られる事がわかった。
【0051】
次に、転写材搬送ベルト12の抵抗、誘電率、第4転写位置の通過後から吸着位置までの時間(L/V)と吸着突入時の電位の関係について述べる。
転写材搬送ベルト12の抵抗や、誘電率によって各色トナー像の転写位置での適性転写バイアス条件が異なるが、適性条件下においては、抵抗、誘電率が異なっても、ブラックトナー像の第4転写位置を通過した後のベルト残存電荷によるベルト電位は−500〜−800vの範囲である。
【0052】
そこで、図5に示すように、第4転写位置で、バイアス供給手段としてのバイアス供給電源330が接続されたローラ80aと、接地されたローラ80bで転写材搬送ベルト12を−700v程度に帯電させ、吸着位置に到達した時のベルト表面電位(図中Bでの電位)を、ベルト誘電率、体積抵抗、およびベルト移動速度を変化させて測定した。
【0053】
その結果を図6に示す。第4転写位置から吸着位置までの時間がベルト時定数の0.7倍以上であれば、吸着位置に到達したときのベルト表面電位は−400vより小さくなっていることが分かる。
【0054】
つまり、転写材搬送ベルト12の移動速度V(mm/sec)、最終ステーションであるところの第4転写位置から次の転写サイクルであるところの吸着位置までの距離L1(mm)、体積抵抗ρ(Ω・cm)、比誘電率εが、
L1/V≧(ε・ε0・ρ)×7
ε0=8.854×10-12m=8.85×10-15F/mm
の関係を満たしていれば、転写材吸着ローラ50へ突入する際のベルト電位が転写材8を吸着するに足りる電位に減衰しており、色ズレのない良好な画像が得られることがわかる。
【0055】
次に、図7及び図8を参照して、本発明の第2の実施例について説明する。
なお、この第2の実施例の説明において、前述の第1の実施例(図2参照)と事なる部分のみを説明し、同一部分は同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0056】
この第2の実施例は、図7に示すように、転写材吸着ローラ50を持たない構成となっている。すなわち、このプリンタは、駆動ローラ11aとピンチローラ11bからなるレジストローラ対11を介して送られる転写材8を用紙ガイド82を介して第1転写位置に供給し、この第1転写位置において転写コロナ帯電器5Yの働きで第1の像であるイエロートナー像を転写材8に転写すると同時に、転写材8を転写材搬送ベルト12に吸着するようにしたものである。
【0057】
転写材吸着ローラ50を有しないこと以外は、第1の実施例(図2参照)のカラープリンタとまったく同一の構成となっている。ベルト抵抗、材質、厚さやその他のプロセス構成も、全く同様なものになっている。プロセス速度は50mm/sec、第4転写位置から第1転写位置までのベルトの移動距離は400mmとなっている。
【0058】
この場合、第1の実施例(図2参照)の例と違い、次の転写サイクルの開始は、第1転写位置ということになる。先に示した、第1〜第4転写位置までの適性転写条件が、本実施例でも適性転写条件となる。
【0059】
しかしながら、この適性転写条件は、しばらくマシンが停止状態で放置され転写材搬送ベルト12の残存電荷がない状態での適性条件である。連続プリントを行なったときにベルト電位が残存していると、転写の適性バイアス条件が異なってくる。
【0060】
図8に、第1転写位置に突入時の転写材搬送ベルト12の表面電位とその時の第1転写位置での適性転写バイアス条件の関係を示す。残存電荷が多いほど、適性転写条件は高くなっていき、残存電荷によるベルト表面電位が−300v以上になると、残存電荷がない(つまりベルト表面電位が0v)の時の適性バイアスでは、転写不良が発生することがわかる。
【0061】
つまり、連続プリントを行なった場合でも、第4転写位置を通過した際にベルト表面に存在する電荷が減衰し、第1転写位置に至ったときには表面電位が−300vより小さくなっていないと、一定条件の転写条件での連続プリントを行なうことができないことを示唆している。
【0062】
先に示した図6から明らかなように、次サイクルの開始である第1転写位置に至るまでに残存電位が−300vより小さくなり、良好な転写を行なうためには、転写材搬送ベルト12の移動速度V(mm/sec)、最終ステーションであるところの第4転写位置から次の転写サイクルの開始であるところの第1転写位置までの距離L2(mm)、体積抵抗ρ(Ω・cm)、比誘電率εが、
L2/V≧(ε・ε0 ・ρ)×10
の関係を満たしていなければならない。
【0063】
この実施例においては、L2=400、V=50、ε=9、ρ=1013Ω・cmとなっており、上記式が成立しており、転写材搬送ベルト12の除電なしで連続プリントを行なっても良好な画像が得られた。
【0064】
次に、図9ないし図14を参照して、本発明の第3の実施例について説明する。
なお、この第3の実施例の説明において、前述の第1の実施例(図2参照)と異なる部分のみを説明し、同一部分は同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0065】
この第3の実施例は、図9に示すように、転写材搬送ベルト12に対して面接触あるいは線接触する接触型転写手段である転写ローラ5Ya,5Ma,5Ca,5BKaを用いたカラープリンタの例を示す。
【0066】
非接触型転写手段である転写コロナ帯電装置5Y,5M,5C,5BKに変えて、接触型転写手段である転写ローラ5Ya,5Ma,5Ca,5BKaを用いた事と、プロセス速度が25mm/secと遅いこと以外は前述の第1の実施例(図2参照)と同様な構成になっている。
【0067】
この第3の実施例は、プリント速度は4枚/分で、転写位置間の距離は75mmとなっている。また、転写材搬送ベルト12は、ポリイミドにカーボンを分散させた、誘電率9、体積抵抗5×1012Ω・cm、厚み100μmとなっている。さらに、転写ローラ5Ya,5Ma,5Ca,5BKaには、それぞれバイアス供給手段としてのバイアス供給電源340が接続された状態となっており、転写バイアスとしては、第1転写ローラ5Yaが1000v、第2転写ローラ5Maが1050v、第3転写ローラ5Caが1150v、第4転写ローラ5BKaが1300vそれぞれ印加されるようになっている。
【0068】
次に、転写材搬送ベルト12の抵抗と転写性能について述べる。
転写は、第1転写に比較して第4転写が難しい。図10にはベルト抵抗と、その抵抗値で転写バイアスを最適化した状態での第4転写でのベタ画像の転写効率の関係を調べた。転写効率は以下の式で計算しており、75%以上であれば良好な画像が得られる。
【0069】
転写効率
=画像濃度/(転写残りをテーピングしたサンプルの濃度+画像濃度)(%)
なお、濃度測定はマクベスRD918で行なった。
【0070】
図10からわかる通り、ベルト抵抗が低くなるほど適性転写条件は低いほうにシフトし、5×108 Ω・cm以下および1014Ω・cm以上では適性転写条件が存在しない。
【0071】
転写材8は、転写材吸着ローラ50により転写材搬送ベルト12に吸着され、第1転写に突入する。第1転写位置においては、イエロートナー像が転写されつつ、転写材8が感光体ドラム2Yから離れる際に放電により転写材8の表面にはマイナス電荷が残存する。
【0072】
この転写材8に残ったマイナス電荷が、転写材8を転写材搬送ベルト12に吸着させる。よって、転写材8が次の転写ポイントに到達するまでにある程度の電荷を保持させるだけの電荷保持力が必要である。
【0073】
転写を通過した後、次の転写ステーションまで転写材8を静電吸着できないと転写材8の走行が不安定になり色ズレが発生する。この転写材8に残ったマイナス極性の電荷は、転写材8および転写材搬送ベルト12の有する時定数に応じて減衰する。転写材8の抵抗は、環境により105 /1011Ω・cmの間で変化するが、転写材搬送ベルト12の抵抗(環境によらず5×1012Ω・cmでほぼ一定)のほうが十分に抵抗が高ければ、時定数は転写材搬送ベルト12の特性により決まる。転写材搬送ベルト12の誘電率は9なので、時定数τ=ε・ε0 ・ρ=45秒となる。
【0074】
図9のプリンタでは、転写ステーション間の距離が75mmであり、プロセス速度が20mm/secであることを考えるとステーション間の移動速度は3秒となり、時定数より小さい
【0075】
そこで、マゼンダ、シアン、ブラックの第2ないし第4の画像形成ステーションを取外した状態として、1cm×20cmの横長の転写材(紙)8に糸をつけて第1の画像形成ステーションに転写ONの状態で通過させ、第1の画像形成ステーションを通過した直後にマシンの動作を止め、3秒後(実施例での転写間時間)にベルト進行方向と水平にバネ秤で引張って吸着力を測定したところ、60gfの吸着力が検出された。
【0076】
この吸着力は単位面積辺りの吸着力に直すと3gf/cm2 となり、十分な吸着がされているといえる。実際に、ラダーチャートのプリントを行なっても色ズレは最大35μmであり問題ないレベルである。
【0077】
ここで、印字ズレの許容値および印字ズレと吸着力との関係について述べる。評価チャートとしては図11に示すように、2ドットペアラインのラダーチャートを用いている。印字ズレの測定は、東京光電子製の画像解析装置を用い、図12のような副走査方向の位置ズレ△dを行なった。
【0078】
A4サイズ全面について測定された△dのうち大きい値5%をカットした時の最大値△dmax を印字ズレを示す値としている。転写材搬送ベルト12と転写材8の吸着力は、転写材搬送ベルト12の固有抵抗、厚み、誘電率、転写電界の強さなどによって異なる。これらのパラメータを変化させ、上記方式での吸着力の測定と、印字ズレの測定を行ない、合わせて、3mm四方の格子を重ねて印字し、目視で印字ズレの有無を確認した。その結果を図12に示す。
【0079】
印字ズレが50μmを越えると、目視で印字ズレが確認でき、80μmを越えると明らかに印字ズレがあると認識できる。よって、実用上の印字ズレの限界値は80μmといえる。図13に示した吸着力と印字ズレの関係から、次ステーションに到達した際に必要な吸着力は、0.7gf/cm2 であることが分かった。本実施例では、吸着力が3gf/cm2 であったため、印字ズレは35μmであり、印字ズレが問題ないレベルとなっている。このように、次ステーションで吸着力が維持されているということは、転写材搬送ベルト12には先ほど述べた、転写極性とは逆のマイナス電荷が残存していることになり、第2転写位置以降の転写電圧は第1転写位置と比較して、順次高くなっていくことを示唆している。
【0080】
事実、第1の転写ローラ5Yaの転写バイアスは、4.2〜5.0kvであるのに対して、第2の転写ローラ5Maは4.6〜5.3kv、第3の転写ローラ5Caは5.2〜5.7kv、第4の転写ローラ5BKaは6/0〜6.3kvと適性転写バイアスが高くなっている。また、このように転写材搬送ベルト12に前段の転写電荷が残存している後段の転写では、適性転写領域が狭くなっていることにも注意が必要である。よって、転写で与えられた吸着電荷は、次の転写位置までに適度に残存し、適度に消失することが望ましい。
【0081】
転写、あるいは転写材吸着ローラ50で2〜4gf/cm2 の吸着力が与えられ、次の転写位置に至るまでに、吸着力が0.7gf/cm2 以下にならない程度に消失し、かつ良好に転写される状態(一般的に転写で付与された電荷が、次の転写に到達するまでに20〜80%消失する)が転写を良好に行ないつつ印字ズレもない良好な状態である。
【0082】
そこで、第1の転写位置を通過した後に,転写材8の吸着力がほぼ3gf/cm2 程度になるよう転写バイアスを調節し、第2の転写位置に至った時の吸着力を、ベルト抵抗、誘電率、おわびプロセス速度を変えて測定した。
【0083】
第1〜第2の転写の時間とベルト時定数τの比と、吸着力の関係図を図14に示した。転写間時間が、ベルト時定数の1.5倍以下であれば、必要吸着力0.7gf/cm2 が維持される。
【0084】
つまり、以下の条件が満たされれば印字ズレは発生しない。
/V(ε・ε0・ρ)×15
この式を満たしている図9の実施例のマシンは印字ズレもなく良好な転写画像が得られている。
【0085】
なお、実施例では転写ローラ5Ya,5Ma,5Ca,5BKaに、107 Ω・cmの抵抗を有する導電性EPDMローラを用いた。φ6mm金属シャフトに4mmの肉厚でゴムを配設しφ14mmのローラ形状とした。ゴム硬度は45度(JIS−A)のものを用いている。また、転写ローラ5Ya,5Ma,5Ca,5BKaは、転写材搬送ベルト12と従動するようになっており、ある程度以上の硬度がないとスムーズに回転しない。しかし、硬すぎると適度な転写ニップが形成できないため、30度〜80度程度の硬度が適当である。また、転写ローラ5Ya,5Ma,5Ca,5BKaの抵抗は104 Ω・cm以下ではリークによるベルト破損が発生し、ベルト抵抗より2オーダ以上抵抗が低くないと、十分な転写電界が形成できない。
【0086】
なお、この第3の実施例において、転写材搬送ベルト12に対して面接触あるいは線接触する接触型転写手段としてソリッドローラからなる転写ローラ5Ya,5Ma,5Ca,5BKaを用いた場合の例を示したが、図15に示すように、ウレタンゴムブレード、シリコンゴムブレード、樹脂シートなどの板状部材に導電性を付与させ、かつバイアス供給手段としてのバイアス供給電源340が接続された転写部材5Yb,5Mb,5Cb,5BKbを用いても、全く同様に、上記式が満たされていれば印字ズレが発生しないことが確認されている。なお、この第3の実施例の変形例の説明において、前述の第3の実施例(図9参照)と異なる部分のみを説明し、同一部分は同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0087】
次に、図16ないし図20を参照して、本発明の第4の実施例について説明する。
なお、この第4の実施例の説明において、前述の第1の実施例(図2参照)と異なる部分のみを説明し、同一部分は同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0088】
この第4の実施例は、図16に示すように、転写材搬送ベルト12に対して多数の接触点をもって接触し、かつバイアス供給手段としてのバイアス供給電源340が接続された接触型転写手段である転写ブラシ5Yc,5Mc,5Cc,5BKcを用いたカラープリンタの例を示す。
【0089】
非接触型転写手段である転写コロナ帯電装置5Y,5M,5C,5BKに変えて、接触型転写手段である転写ブラシ5Yc,5Mc,5Cc,5BKcを用いた事と、ベルト抵抗は1013Ω・cmのものに変更している以外は前述の第1の実施例(図2参照)と同様な構成になっている。
【0090】
この実施例では転写ブラシ5Yc,5Mc,5Cc,5BKcとして、図17のごとき、ブラシ繊維100をアルミ板102でカシメた構成のものを用いている。毛足の長さは7mm、ブラシの繊維の太さは6D(デニール)、繊維密度は16万本/inch、抵抗は108 Ω・cmである。転写ブラシ5Yc,5Mc,5Cc,5BKcは100μm厚のマイラ(図示しない)の裏打ちがあり、ブラシ繊維100を転写材搬送ベルト12に押付ける構造になっている。
【0091】
ブラシ抵抗の適性範囲は105 〜109 Ω・cmであり、低いとリークが発生し、高いと転写不良が発生する。なお、適性抵抗範囲の上限は、転写材搬送ベルト12のベルト抵抗に依存しており、ベルト抵抗と比較して、1.5オーダ以上低い必要がある。なお、ローラの場合は2オーダ以上低くないと転写電界が形成できなかったが、ブラシのほうが放電効率が良いため、1.5オーダ程度低ければ転写が行なえる。
【0092】
ブラシ繊維密度の適性範囲は1万〜40万本/inchの範囲であり、それ以下では転写画像が筋状になり、それ以上の高密度なものは製造できない。また、ブラシ太さの適性範囲は1〜10D(デニール)で、細すぎると切れが発生し、太すぎるとやはり筋画像が発生する。
【0093】
このように、接触点を多数有する転写ブラシ5Yc,5Mc,5Cc,5BKcを使用した場合、面あるいは線接触する転写部材を使用した場合と比較して適性ベルト抵抗がシフトする。図16の実施例においてベルト抵抗を変化させ、適性転写バイアスにおいて転写効率を測定した結果を図19に示す。図から解る通り、適性ベルト抵抗が高抵抗側にシフトする。適性転写条件は、5×109 〜1015Ω・cmが適性ベルト抵抗となっている。
【0094】
また、ドラム間距離と時定数の比と、吸着力の関係のグラフ(図20)も僅かに違っており、転写ローラの場合より、転写材搬送ベルト12の吸着力が強くなっている。転写ローラのように面あるいは線接触する転写部材は、ほぼ理想的なパッシェン放電にベルト裏面に電荷を付与するが、ブラシ等のように多数の接触点を有する転写部材では、局所的にパッシェン放電とは異なった放電による電荷付与が見られる。この放電形態の違いから、電位減衰の様子が異なっていると思われる。
【0095】
以上、示したように、多数の接触点を有する転写部材を用いた場合、印字ズレが起きないための吸着力0.7gf/cm2 を得るためには、X/Vが時定数τの2倍より小さければ良い、つまり下式を満たしていれば良い。
【0096】
X/V≦(ε・ε0 ・ρ)×20
実施例では、X=75、V=25、ε=9、ρ=1013であり、上記式を満たしており、印字ズレもなく良好な転写画像が得られている。
【0097】
また、この実施例においては、前述のブラシ繊維100をアルミ板102でカシメた構成の転写ブラシ5Yc,5Mc,5Cc,5BKc(図17参照)に限らず、図18に示すように、アルミ板104にブラシ繊維100をベルト移動方向に寸法Hの厚みを持って植設してなる転写ブラシ5Yc′,5Mc′,5Cc′,5BKc′を使用しても良い。さらには、図示しないが、スポンジ状の導電性部材や、フェルト、布などの導電部材などの多数の接触点を有する転写部材であっても全く同様の効果が得られることが確認された。
その他、本発明は、本発明の要旨を変えない範囲で種々変形実施可能なことは勿論である。
【0098】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したようにしたから、次のような効果を奏する。
本発明の画像形成装置によれば、転写材搬送部材の移動速度V(mm/sec)、転写材の搬送方向の最も下流に位置する最終ポジションの像担持体に対応する転写位置から転写材吸着手段が配設された転写材吸着位置までの転写材搬送部材の走行距離L1(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εが、L1/V≧(ε・ε・ρ)×7の関係を満たすようにした。このように、転写材搬送部材の電気的特性を調整することにより、画像形成が終了し転写材が剥離された後の転写材搬送部材に残存した電荷は、次の転写サイクルが開始するまでに、転写に悪影響を与えない程度以上に消失し、これにより、従来、必要としていた最もオゾン発生量の多い転写材搬送部材除電用のACコロナ除電装置が不要となり、オゾン発生量を少なくでき、大掛かりなオゾン除去装置等を必要とせず、低コスト化、装置の小形化等が可能となる。
【0099】
また、本発明の画像形成装置によれば、転写材搬送部材の移動速度V(mm/sec)、転写材の搬送方向の最も下流に位置する最終転写位置から転写材の搬送方向の最も上流に位置する第1転写位置までの距離L2(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εが、L2/V≧(ε・ε・ρ)×10の関係を満たすようにした。このように、転写材搬送部材の電気的特性を調整することにより、転写材搬送部材に転写材を吸着保持させるための転写材吸着手段を持たず、転写手段で転写材吸着も行なうことができる。また、画像形成が終了し転写材が剥離された後の転写材搬送部材に残存した電荷は、次の転写サイクルが開始するまでに、転写に悪影響を与えない程度以上に消失し、これにより、従来、必要としていた最もオゾン発生量の多い転写材搬送部材除電用のACコロナ除電装置が不要となり、オゾン発生量を少なくでき、大掛かりなオゾン除去装置等を必要とせず、低コスト化、装置の小形化等が可能となる。
【0100】
また、本発明の画像形成装置によれば、転写材搬送部材の裏面かつ各像担持体にそれぞれ対応する位置に面接触あるいは線接触して転写バイアスを印加し、転写材を転写材搬送部材に吸着保持させるとともに各像担持体上に形成された画像をそれぞれ転写材上に転写する複数の接触型転写手段を設けると共に、転写材搬送部材の移動速度V(mm/sec)、各像担持体間距離X(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εが、X/V≦(ε・ε・ρ)×15かつ5×10≦ρ≦1014の関係を満たすようにした。このように、コロナ転写を用いずに、面接触あるいは線接触する接触型転写手段を用いて転写を行なうようにしたから、これらの部分からのオゾン発生が無く全体のオゾン発生量を少なくでき、大掛かりなオゾン除去装置等を必要とせず、低コスト化、装置の小形化等が可能となる。
【0101】
また、ソリッドローラやフィルムシートなど接触型転写手段においては、転写材搬送部材の抵抗が高すぎると、良好に複数の色を重ねて転写できないという問題が生じるため、転写材搬送部材の抵抗をある程度低く設定することが必要となるが、転写材搬送部材は静電気的に転写材を吸着して搬送する機能も要求されることから、所定以上の抵抗を有する必要がある。転写材保持部材が転写材を十分に吸着していないと、搬送中に転写材がスリップし、画像ズレが発生する。転写材は、転写位置を通過する際に、転写電界により吸着力を得るが、この吸着力が次の転写位置に達するまで維持されなければならないが、上記の関係を満たす事により、画像ズレが生じないように転写材の吸着を十分に維持する事ができ、色ズレのない画像品質の良い画像形成が可能となる。
【0102】
また、本発明の画像形成装置によれば、転写材搬送部材の裏面かつ各像担持体にそれぞれ対応する位置に多数の接触点をもって接触して転写バイアスを印加し、転写材を転写材搬送部材に吸着保持させるとともに各像担持体上に形成された画像をそれぞれ転写材上に転写する複数の接触型転写手段を設けると共に、転写材搬送部材の移動速度V(mm/sec)、各像担持体間距離X(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εが、X/V≦(ε・ε・ρ)×20かつ5×10≦ρ≦1015の関係を満たすようにした。このように、コロナ転写を用いずに、多数の接触点をもって接触する接触型転写手段を用いて転写を行なうようにしたから、これらの部分からのオゾン発生が無く全体のオゾン発生量を少なくでき、大掛かりなオゾン除去装置等を必要とせず、低コスト化、装置の小形化等が可能となる。
【0103】
また、上記の関係を満たす事により、画像ズレが生じないように転写材の吸着を十分に維持する事ができ、色ズレのない画像品質の良い画像形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す4連タンデム方式カラープリンタの概略図。
【図2】同実施例のカラープリンタの要部の構成を模式的に示す図。
【図3】同実施例における転写材の吸着位置への突入電位と吸着力の関係を示す図。
【図4】同実施例における吸着位置への突入電位を変化させるための実験機を模式的に示す図。
【図5】同実施例におけるベルト時定数と吸着位置への突入電位の関係を調べる実験機を模式的に示す図。
【図6】同実施例におけるベルト時定数とマシン構造と吸着部への突入電位の関係を示す図。
【図7】本発明の第2の実施例である4連タンデム方式カラープリンタの要部の構成を模式的に示す図。
【図8】同実施例における第1転写位置でのベルト電位と適性転写バイアスの関係を示す図。
【図9】本発明の第3の実施例である4連タンデム方式カラープリンタの要部の構成を模式的に示す図。
【図10】同実施例におけるベルト抵抗と第4転写位置の転写効率の関係を示す図。
【図11】同実施例におけるラダーチャートを示す図。
【図12】同実施例における色ズレ状態を示す説明図。
【図13】同実施例における吸着力と色(印字)ズレの関係を示す図。
【図14】同実施例におけるベルト時定数、転写間距離、ベルト速度と吸着力の関係を示す図。
【図15】本発明の第3の実施例の変形例である4連タンデム方式カラープリンタの要部の構成を模式的に示す図。
【図16】本発明の第4の実施例の変形例である4連タンデム方式カラープリンタの要部の構成を模式的に示す図。
【図17】同実施例における転写ブラシの正面図及び側面図。
【図18】同実施例における転写ブラシの異なる例を示す正面図及び側面図。
【図19】同実施例におけるベルト抵抗と第4転写の転写効率の関係を示す図。
【図20】同実施例におけるベルト時定数、転写間距離、ベルト速度と吸着力の関係を示す図。
【符号の説明】
1Y,1M,1C,1BK…個体走査ヘッド、2Y,2M,2C,2BK…感光体ドラム(像担持体)、3Y,3M,3C,3BK…帯電装置、4Y,4M,4C,4BK…現像装置、5Y,5M,5C,5BK…転写コロナ帯電器(転写手段)、5Ya,5Ma,5Ca,5BKa…転写ローラ(転写手段)、5Yb,5Mb,5Cb,5BKb…板状転写部材(転写手段)、5Yc,5Mc,5Cc,5BKc…転写ブラシ(転写手段)、5Yc′,5Mc′,5Cc′,5BKc′…幅広転写ブラシ(転写手段)、6Y,6M,6C,6BK…クリーニング装置、7Y,7M,7C,7BK…除電装置、8…転写材、9…ピックアップローラ、10…フィードローラ対、11…レジストローラ対、12…転写材搬送ベルト(転写材搬送部材)、13…定着装置、16…駆動ローラ(駆動回転部材)、17…従動ローラ(従動回転部材)、40…転写材供給装置(転写材供給手段)、150Y,150M,150C,150BK…画像形成手段、200…搬送手段、300…バイアス供給電源(バイアス供給手段)、340…バイアス供給電源(バイアス供給手段)。

Claims (4)

  1. 列設された複数の像担持体にそれぞれ対応して設けられ、各像担持体上にそれぞれ画像を形成する複数の画像形成手段と、
    駆動回転部材と従動回転部材に掛け渡されて中途部が前記各像担持体に対向するよう張設され、画像を転写するための転写材を前記各像担持体に対して順次搬送する無端状の転写材搬送部材と、
    この転写材搬送部材に保持される転写材を供給する転写材供給手段と、
    この転写材供給手段による前記転写材搬送部材への転写材の供給位置の近傍に設けられ、供給された転写材に吸着バイアスを印加することにより前記転写材搬送部材に吸着保持させる転写材吸着手段と、
    前記転写材搬送部材の裏面かつ前記各像担持体にそれぞれ対応する位置に面接触あるいは線接触して設けられ、前記転写材搬送部材に吸着保持されて搬送される転写材に対して前記吸着バイアスと逆極性の転写バイアスを印加して前記各像担持体上に形成された画像をそれぞれ転写する複数の接触型転写手段と、を具備し、
    前記転写材の搬送方向に沿って最も下流に位置する最終ポジションの像担持体を通過した前記転写材搬送部材に残存する電荷を消失させるための除電装置を不要とするため、前記転写材搬送部材の移動速度V(mm/sec)、前記最終ポジションの像担持体に対応する転写位置から前記転写材吸着手段が配設された転写材吸着位置までの転写材搬送部材の走行距離L1(mm)、各像担持体間距離X(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εを、
    L1/V≧(ε・ε・ρ)×7 且つ
    X/V≦(ε・ε ・ρ)×15 且つ
    5×10 ≦ρ≦10 14
    の関係を満たすように設定したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 列設された複数の像担持体にそれぞれ対応して設けられ、各像担持体上にそれぞれ画像を形成する複数の画像形成手段と、
    駆動回転部材と従動回転部材に掛け渡されて中途部が前記各像担持体に対向するよう張設され、画像を転写するための転写材を前記各像担持体に対して順次搬送する無端状の転写材搬送部材と、
    この転写材搬送部材に保持される転写材を供給する転写材供給手段と、
    この転写材供給手段による前記転写材搬送部材への転写材の供給位置の近傍に設けられ、供給された転写材に吸着バイアスを印加することにより前記転写材搬送部材に吸着保持させる転写材吸着手段と、
    前記転写材搬送部材の裏面かつ前記各像担持体にそれぞれ対応する位置に多数の接触点をもって接触して設けられ、前記転写材搬送部材に吸着保持されて搬送される転写材に対して前記吸着バイアスと逆極性の転写バイアスを印加して前記各像担持体上に形成された画像をそれぞれ転写する複数の接触型転写手段と、を具備し、
    前記転写材の搬送方向に沿って最も下流に位置する最終ポジションの像担持体を通過した前記転写材搬送部材に残存する電荷を消失させるための除電装置を不要とするため、前記転写材搬送部材の移動速度V(mm/sec)、前記最終ポジションの像担持体に対応する転写位置から前記転写材吸着手段が配設された転写材吸着位置までの転写材搬送部材の走行距離L1(mm)、各像担持体間距離X(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εを、
    L1/V≧(ε・ε・ρ)×7 且つ
    X/V≦(ε・ε ・ρ)×20 且つ
    5×10 ≦ρ≦10 15
    の関係を満たすように設定したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 列設された複数の像担持体にそれぞれ対応して設けられ、各像担持体上にそれぞれ画像を形成する複数の画像形成手段と、
    駆動回転部材と従動回転部材に掛け渡されて中途部が前記各像担持体に対向するよう張設され、画像を転写するための転写材を前記各像担持体に対して順次搬送する無端状の転写材搬送部材と、
    この転写材搬送部材の裏面かつ前記各像担持体にそれぞれ対応する位置に面接触あるいは線接触して設けられ、前記転写材を前記転写材搬送部材に吸着保持すると共に前記各像担持体上に形成された画像を前記転写材上にそれぞれ転写する複数の接触型転写手段と、を具備し、
    転写材の搬送方向に沿って最も下流に位置する最終ポジションの像担持体を通過した前記転写材搬送部材に残存する電荷を消失させるための除電装置、および前記転写材搬送部材に供給される転写材を該転写材搬送部材に吸着保持させるための転写材吸着手段を不要とするため、前記転写材搬送部材の移動速度V(mm/sec)、前記転写材の搬送方向の最も下流に位置する最終転写位置から前記転写材の搬送方向の最も上流に位置する第1転写位置までの転写材搬送部材の走行距離L2(mm)、各像担持体間距離X(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εを、
    L2/V≧(ε・ε・ρ)×10且つ
    X/V≦(ε・ε ・ρ)×15 且つ
    5×10 ≦ρ≦10 14
    の関係を満たすように設定したことを特徴とする画像形成装置。
  4. 列設された複数の像担持体にそれぞれ対応して設けられ、各像担持体上にそれぞれ画像を形成する複数の画像形成手段と、
    駆動回転部材と従動回転部材に掛け渡されて中途部が前記各像担持体に対向するよう張設され、画像を転写するための転写材を前記各像担持体に対して順次搬送する無端状の転写材搬送部材と、
    この転写材搬送部材の裏面かつ前記各像担持体にそれぞれ対応する位置に多数の接触点をもって接触して設けられ、前記転写材を前記転写材搬送部材に吸着保持すると共に前記各像担持体上に形成された画像を前記転写材上にそれぞれ転写する複数の接触型転写手段と、を具備し、
    転写材の搬送方向に沿って最も下流に位置する最終ポジションの像担持体を通過した前記転写材搬送部材に残存する電荷を消失させるための除電装置、および前記転写材搬送部材に供給される転写材を該転写材搬送部材に吸着保持させるための転写材吸着手段を不要とするため、前記転写材搬送部材の移動速度V(mm/sec)、前記転写材の搬送方向の最も下流に位置する最終転写位置から前記転写材の搬送方向の最も上流に位置する第1転写位置までの転写材搬送部材の走行距離L2(mm)、各像担持体間距離X(mm)、転写材搬送部材の体積抵抗ρ(Ω・cm)、転写材搬送部材の比誘電率εを、
    L2/V≧(ε・ε・ρ)×10且つ
    X/V≦(ε・ε ・ρ)×20 且つ
    5×10 ≦ρ≦10 15
    の関係を満たすように設定したことを特徴とする画像形成装置。
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