JP2006267297A - 静電潜像現像用キャリア、静電潜像現像用現像剤、及び画像形成方法 - Google Patents

静電潜像現像用キャリア、静電潜像現像用現像剤、及び画像形成方法 Download PDF

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晃 松本
Masaru Takahashi
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Shinpei Takagi
慎平 高木
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裕 杉崎
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章洋 飯塚
Kotaro Yoshihara
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Abstract

【課題】帯電性、帯電維持性、環境安定性、転写性、耐久性、耐汚染性に優れた静電潜像現像用キャリア、該キャリアを用いた現像剤、及び、高画質の画像を形成する画像形成方法を提供すること。
【解決手段】芯材と、芯材を被覆する樹脂被覆層と、を有する静電潜像現像用キャリアにおいて、前記樹脂被覆層は、少なくとも窒素原子を含むワックスを含有することを特徴とする静電潜像現像用キャリア。そして、該キャリアを用いた現像剤、及び、画像形成方法を
【選択図】 なし

Description

本発明は電子写真法、静電記録法、静電印刷法などに用いられた静電潜像現像用キャリア、この静電潜像現像用キャリアを用いる静電潜像現像剤、及び、この静電潜像現像剤を用いる画像形成方法に関する。
電子写真法など静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は現在さまざまな分野で利用されている。従来電子写真法においては、感光体や静電記録体上に種々の手段を用いて静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーと呼ばれる検電性微粒子を付着させて静電潜像を現像・可視化する方法が一般的に使用されている。ここで用いる現像剤は、キャリアと呼ばれる担持粒子とトナー粒子の両者を相互に摩擦帯電させてトナーに適当量の正又は負の電荷を付与する二成分現像剤と、磁性トナーなどのようにトナー単独で用いる一成分現像剤に大別される。特に二成分現像剤は、キャリア自身に攪拌、搬送、帯電付与などの機能を持たせ、現像剤に要求される機能の分離を図れるため、設計が容易であることなどの理由で現在広く用いられている。
しかしながら、摩擦帯電に用いる二成分現像剤は、環境変化の影響を受けて帯電レベルが変化し易い。一般的に、低温低湿下では高帯電となり易く、高温高湿下では低帯電となり易い。このため、環境変化に伴う高帯電時の低濃度化や、低帯電時のカブリの発生が、二成分現像剤における問題点であった。
トナーの製法は、従来の乾式の溶融混練粉砕法で作る方法と、液中でトナーを造粒する湿式法に大別される。トナーの小径化、粒度分布のシャープネス化、形状制御の自由度、製造のエネルギーコスト低減等の観点から、湿式法が評価されつつある。しかし、液中で造粒するため、トナー表面に親水基が残存し易く、高湿下で吸湿の原因となり、帯電特性を悪化する傾向がある。このため、湿式法で得たトナーを含有するこれまでの現像剤は、高湿下において帯電特性が劣化する欠点を有していた。
キャリア被覆樹脂による帯電特性をみると、これらの環境変化に伴う帯電変化(環境依存性)は、帯電能力が高い樹脂ほどその変化は大きくなる傾向がある。例えば、被覆樹脂にポリメチルメタクリル酸を用いたキャリアは、ポリスチレンを用いたキャリアより帯電レベルが高いが、環境依存性が大きい。即ち、極性の高い基を有する樹脂材料は、帯電レベルは高いが、環境依存性も大きく、逆に極性の低い樹脂材料は、環境依存性は良好であるが、帯電レベルが低くなる傾向がある。このように、トナーもキャリアも共に所望の帯電レベルを保持し、環境依存性の小さな帯電特性を得ることは難しい。
キャリアの特性には、所望の帯電レベルを長期に渡って維持する帯電維持特性が要求される。キャリアの劣化は、従来より主に2つの原因が挙げられている。1つには、キャリア被覆樹脂表面へのトナー成分の固着が挙げられる。キャリアとは逆極性のトナーや外添剤が付着すると、キャリアの帯電能力が低下する。また、絶縁性のトナーが付着することにより抵抗が上昇する。2つには、経時的にストレスを受けて被覆樹脂が剥がれ、被覆樹脂量の少なくなると帯電能力が低下し、また、芯材が露出すると帯電能力が低下し、抵抗も低下する。
これらの問題に対し、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等を用いて被覆樹脂の表面エネルギーを下げてキャリア表面の汚染を防止したり、被覆樹脂の強度を上げて被膜の剥がれや欠けを抑制することが提案されている。しかし、低表面エネルギー材料は芯材との密着性が悪く、被覆樹脂の耐汚染性と耐剥離性を同時に備えることは大変難しい。
そこで、特開平2−114271号公報では、被覆樹脂の密着性を向上させて帯電維持性を改善する目的で、(メタ)アクリル酸エステル単量体とカルボキシル基を有する単量体との共重合体を被覆したキャリアが提案された。ここで使用するカルボキシル基は、キャリア負帯電性を向上させ、金属等の芯材との密着性を高めて耐久性を上げるのに有効であるが、被覆樹脂の表面に親水性基であるカルボキシル基が露出して吸湿性を呈するため帯電能力が低下し、汚染され易いという欠点があった。
また、特開昭61−80161号公報、特開昭61−80161号公報、特開昭61−80163号公報には、含窒素フッ化アルキル(メタ)アクリレートとビニル系モノマーとの共重合体や、フッ化アルキル(メタ)アクリレートと含窒素ビニル系モノマーとの共重合体などをキャリア芯材表面に被覆することにより、トナーや外添剤に汚染され難く、比較的長寿命の被覆キャリアが提案されている。しかし、フッ素系樹脂は帯電能力が乏しく、高帯電性の極性基を有する含窒素ビニル系モノマーやメチルメタクリル酸エステルモノマーを共重合させると、環境依存性が悪化するという問題があった。
そこで、特開昭59−104664号公報では、環境依存性を解決するために、メタクリル酸エステルモノマーに着目し、耐湿性に優れたメタクリル酸シクロアルキルエステル重合体を被覆したキャリアが提案された。しかし、このキャリアはメチルメタクリル酸に比べ帯電レベルが低く、脆く、芯材との密着性が悪い等の問題があった。
また、これを改善するため、特開平7−114219号公報では、メタクリル酸シクロアルキルエステルとメチルメタクリル酸の共重合体を被覆したキャリアが提案された。しかし、シクロアルキルエステルは脆く剥がれ易く、メチルメタクリル酸の組成比を上げると、環境安定性が悪化することなどから、耐久性及び環境依存性を両立させることは困難であった。
さらに、特開昭60−66264号公報では、アクリル酸ターシャルブチル成分とアクリル酸メチル成分とを含む共重合体を被覆したキャリアが提案された。これらの(メタ)アクリル酸エステル種を2種以上含有させると、ホモポリマーを単独で用いる被覆キャリアより、帯電特性の制御が容易である。しかし、シクロアルキルエステル同様、芯材との密着性が低下し脆くなるため、耐久性が劣り、帯電維持性に問題があった。
また、特開平8−44118号公報、特開平9−288384号公報では、キャリアとしての電気抵抗を低めに制御しつつ、耐久性を得る為に、熱硬化性樹脂とともにワックスを用いた被膜キャリアが提案された。しかし、キャリア表面を60%までしか被覆していない為に十分な耐久性を得るのは困難であった。
また、特開2004−170714号公報では、キャリアとしての電気抵抗を低めに制御しつつ、耐久性を得る為に、樹脂とともにワックスを用いた被膜キャリアが提案された。しかし、樹脂とワックスの親和性が十分でないために被膜層の成分的なムラがあるためやや強度が不十分で、十分な耐久性を得るのは困難であった。
このように、キャリアの信頼性の要求項目である、帯電レベル、帯電維持性、環境安定性、耐汚染性、及び耐久性を同時に満たすことは大変難しいことであった。
特開平2−114271号公報 特開昭61−80161号公報 特開昭61−80161号公報 特開昭61−80163号公報 特開昭59−104664号公報 特開平7−114219号公報 特開昭60−66264号公報 特開平8−44118号公報 特開平9−288384号公報 特開2004−170714号公報
そこで、本発明は、上記の問題を解消し、帯電性、帯電維持性、環境安定性、転写性、耐久性、耐汚染性に優れた静電潜像現像用キャリア、該キャリアを用いた現像剤、及び、高画質の画像を形成する画像形成方法を提供しようとするものである。
本発明は、下記の構成を採用することにより、上記の課題の解決に成功した。
即ち、本発明の静電潜像現像用キャリアは、芯材と、芯材を被覆する樹脂被覆層と、を有し、
前記樹脂被覆層は、少なくとも窒素原子を含むワックスを含有することを特徴としている。
本発明の静電潜像現像用キャリアにおいて、前記樹脂被覆層による前記芯材への被覆率は60%以上であることが好適である。
本発明の静電潜像現像用キャリアにおいて、前記樹脂被覆層は、導電性微粒子を含有することが好適である。また、前記樹脂被覆層は前記ワックスと非結晶性樹脂とを含んでなり、且つ前記ワックスと非結晶性樹脂とが互いに相溶していることが好適である。
本発明の静電潜像現像用キャリアにおいて、前記芯材は、形状係数SF1が125以下で、真比重が3〜5g/cm3の範囲にあり、且つ飽和磁化が40emu/g以上であることが好適である。また、前記芯材は、磁性粉分散型球形芯材であることが好適である。
本発明の静電潜像現像用キャリアにおいて、前記キャリアは、現像担持体上に形成する磁気ブラシ抵抗が10000V/cmの電界強度下で5.0×1011〜1.0×1016Ω・cmであることが好適である、
また、前記キャリア表面に体積抵抗率が1012〜1016Ω・cmの無機酸化物が外添していることが好適である。この場合、前記無機酸化物のキャリア表面被覆率Fは、下記式A及び式Bで表される条件を満たすことが好適である。
式A:F=(√3/2π)×(dc・ρc・Ct)/(dt・ρt・Cc)×100
式B:10≦F≦60
(dt:無機酸化物平均粒径(μm),dc:キャリア平均粒径(μm),ρt:無機酸化物真比重,ρc:キャリア真比重,Ct:無機酸化物重量部,Cc:キャリア重量部)
一方、本発明の静電潜像現像用現像剤は、静電潜像現像用トナーと、上記本発明の静電潜像現像用キャリアと、を有することを特徴としている。
本発明の静電潜像現像用現像剤において、前記静電潜像現像用トナーは、トナー粒子表面にワックス粒子を保持していることまた、前記静電潜像現像用トナーは、カルボキシル基含有単量体を含む結着樹脂を含有してなることが好適である。また、前記静電潜像現像用トナーは、湿式法で製造されてなることが好適である。
また、本発明の画像形成方法は、静電荷担持体上に静電潜像を形成する工程、現像剤担持体上の現像剤で前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程、前記トナー画像を転写体上に転写する工程、及び、前記転写体上のトナー画像を定着する工程を含み、
前記現像剤が、上記本発明の静電潜像現像用現像剤であることを特徴としている。
本発明の画像形成方法において、前記定着する工程は、実質的に離型剤を供給しない定着工程であることが好適である。
本発明によれば、帯電性、帯電維持性、環境安定性、転写性、耐久性、耐汚染性に優れた静電潜像現像用キャリア、該キャリアを用いた現像剤、及び、高画質の画像を形成する画像形成方法を提供することができる。
本発明について詳細に説明する。まず、本発明の静電潜像現像用キャリア(以下、単にキャリアと略記)について説明する。
本発明のキャリアは、樹脂被覆層で被覆された芯材で構成され、この樹脂被覆層に、少なくとも窒素原子を含むワックスが含有されている。
本発明のキャリアでは、樹脂被覆層の構成材料として、窒素原子を含むワックスを適用することで、帯電性、帯電維持性、環境安定性、転写性、耐久性、耐汚染性を向上させることができる。この理由は、以下のように推測される。ワックスは疎水性であり、かつ常温においても比較的柔らかく(例えば、非結晶樹脂と比べて比較的柔らかく)膜強度が低い。これはワックスの分子構造に由来するが、この特性の為にキャリア被覆層にワックスが存在すると、トナー表面に添加されている外添剤と称する微小な粒子、あるいはトナーバルク成分といったトナー成分がキャリア表面に付着し難い。また付着したとしてもその付着部分のワックス分子レベルの剥離によって表面が一新されキャリア表面は付着汚染され難いという効果がある。
さらに、このようなワックスに電気陰性度が小さい窒素原子を含有させると、キャリア表面に電気陰性度が小さい原子が存在することとなり、これにより、例えば、トナーに負電荷を付与する場合、キャリアにより大きな負帯電付与能力を付与でき、トナーの負帯電量を制御しやすくなり有利となる。
また、キャリアの芯材は一般に磁性金属、磁性酸化物、或いは磁性粒子を内部分散した樹脂粒子がある。しかし、これらは親水性であり高湿下において帯電性を低下する欠点を有することから帯電性の環境変動が大きい、また高表面エネルギー材料である為にトナー成分で汚染されやすく、帯電性の維持性が悪いといった問題がある。よって、キャリア表面は疎水性、或いは低表面エネルギーである樹脂で被覆することにより前述の帯電に関する諸問題を改善することができる。
このため、帯電性、帯電維持性、環境安定性、転写性、耐久性、耐汚染性を向上させることができる。
樹脂被覆層は、上記ワックスと共に非結晶性樹脂を併用することが好適である。このワックスと非結晶性樹脂とは互いに相溶した方がよい。相溶することで、キャリア表面の成分的な均一性が向上し組成バラツキが抑制され、帯電付与性が安定するためである。互いに相溶するにはワックスのSP値(溶解度パラメーター)に対する樹脂のSP値(ΔSP値)が小さいことが好ましい。具体的にはHedorsの方法による計算で1.5未満、更に好ましくは0.8未満である。ここで通常の極性をもたないワックスはSP値が小さく、樹脂とのSP値の差が大きい。このため、ワックスとしては窒素原子を有するような極性部を有しSP値が大きめのものが有効である。
ワックスとしては窒素原子を含めば特に制限するものではない。ここで、窒素原子を含むとは、ワックス構成分子内に窒素原子を含むことを意味する。ワックスとして具体的には、例えば、アミド基を有する脂肪酸アマイド、脂肪酸エステルアマイド、尿素結合を有する置換尿素、ウレタン結合を有するウレタンワックス、その他公知のものを使用できる。ワックスの融点は60度以上が好ましい。更に好ましくは80度以上である。融点が60度未満ではキャリアとしての流動性が悪化することがある。
一方、ワックスと共に用いる可能な非結晶性樹脂としては、熱可塑性であることがよく、特に好ましくはフッ素系樹脂が好適に挙げられる。フッ素系樹脂は低表面エネルギーを示す為、前述のようにトナー成分の汚染を抑制でき、帯電性を長期に渡って良好に維持できる。
フッ素系樹脂としては、特に制限するものではなく、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のものの他にフッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデン及び非フッ素化単量体のターポリマーのようなフルオロターポリマー等が挙げられる。
ここで、フッ素含有単量体としては、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ペンタフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレートなどフッ素を含有するフルオロアルキル(メタ)アクリレート系単量体が好適である。
また、フッ素含有単量体の配合量は、被覆樹脂を構成する全単量体に対して0.1〜60.0重量%の範囲、好ましくは0.5〜50.0重量%の範囲が適当である。0.1重量%を下回ると耐汚染性を確保することができないことがあり、60.0重量%を超えると芯材への被覆樹脂の密着性が低下し、かつ帯電性が低下することがあるので適当でない。
また、これらの単量体を共重合する方法としては、ランダム共重合法、グラフト共重合法などを採用することができる。グラフト共重合法は、機能を発現させやすく、心材との密着性を高めることができ、被覆樹脂のガラス転移点を上げることができるなどの利点がある。
ここで、ワックスとそれ以外の樹脂(例えば非結晶性樹脂)とで樹脂被覆層を構成する場合、ワックスとそれ以外の樹脂の重量比は、50:50〜1:99であることが好ましく、より好ましくは60:40〜5:95であり、さらに好ましくは30:70〜10:90である。ワックスの使用量が上記範囲より多いとキャリアの長期使用により被覆量の低下が大きくキャリアの電気抵抗の変化が大きすぎることがある。一方上記範囲より小さいとワックスの効果が小さく、十分なキャリア帯電維持性が得られないことがある。
樹脂被覆層により高い被覆率で芯材表面が被覆されると、キャリアとしての電気抵抗が上昇し、ベタ画像の再現性が悪化することがある。具体的には、樹脂被覆層の被覆によりキャリアは絶縁化され、現像時、現像電極として働きにくくなるので、特に黒ベタ部でエッジ効果が出る等、ソリッドの再現性に劣ることがある。これらを改善するべく、電気抵抗の上昇を回避する目的で、樹脂被覆層に導電性微粒子を分散させることがよい。
この導電性微粒子としては、導電性無機粉が好適に挙げられる。導電性無機粉としては、金属(例えば金、銀、銅)、カーボンブラック、半導電性酸化物(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)、酸化合物(例えば、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム)が挙げられる。また、導電性無機紛としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の表面を酸化スズやカーボンブラック、金属で覆ったもの等も用いることができる。
これらの中でも、製造安定性、コスト、導電性の良さから、導電性無機紛としてはカーボンブラックがよい。カーボンブラック種類としては特に制限されるものではなく公知のものが使用でき、特に好ましくは製造安定性のよいDBP吸油量が50〜300ml/gの範囲のカーボンブラックが好ましい。
また、樹脂被覆層には。帯電量を調整する目的で必要に応じて公知の帯電制御剤、架橋樹脂粒子を含有させてもよい。
樹脂被覆層は、その芯材への被覆率が60%以上であることが好ましく、より好ましくは80以上であり、さらに好ましくは90以上である。この被覆率が上記範囲とすることで、樹脂被覆層による上記効果を効果的に発揮することができる。
ここで、被覆率の測定は、次の通りに行なうことができる。芯材に樹脂被覆層が被覆されたキャリア(樹脂被覆キャリア)をXPS(JPS80(日本電子社製))によって炭素、酸素、鉄の元素個数比率を求めて、芯材表面の被覆率を求める。ピーク面積から構成各元素について強度を求め、構成各元素の定量を行なう。なお、定量にはC1s、O1s、Fe1sのピークエリア強度を用いる。
得られた炭素、酸素、鉄の元素個数比率より以下の計算式により鉄量率(atomic%)を計算する。
式:鉄量率=AFe/(Ac+Ao+AFe)×100(%)
(AFe:鉄の元素個数比率、Ac:炭素の元素個数比率、Ao:酸素の元素個数比率)
そして、あらかじめ被覆樹脂のないキャリアも同様に測定して、その表面の元素個数比率を求め、下記式に従って被覆率を算出する。
式:被覆率={1−(樹脂被覆キャリアの鉄量率(atomic%))/(被覆樹脂のないキャリアの鉄量率(atomic%))}×100(%)
なお、今回の樹脂被覆率を求める計算式ではキャリアコア材固有の元素として鉄元素を用いた。同様に、キャリアコアと被覆層の元素量が異なれば、その元素を用いることにより、算出が可能となる。
樹脂被覆層の重量は、キャリア総重量に対して0.05〜5.0重量%の範囲(好ましくは0.5〜3.0重量%の範囲)が画質、二次障害、帯電性をバランスさせるためには適量である。
一方、芯材は、特に制限されるものではないが、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズなどを挙げることができる。その中でも現像に磁気ブラシ法に採用するときには、磁性材料を使用することが好ましい。
芯材の体積平均粒径は、10〜150μm、好ましくは20〜100μmの範囲が適当である。ここで体積平均粒子径は、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分布計(Model9320−X100)を用いて測定することができる。
芯材の形状係数SF1は125以下であることが好ましく、より好ましくは 120 以下である。ここで、形状係数SF1は、スライドガラス上に散布した球形コアの光学顕微鏡像をビデオカメラを介してルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個以上の芯材について最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、ML2/Aの平均値を求めることができる。なお、トナーの場合も同様である。
式:形状係数SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
芯材の真比重は、4〜6g/cm3であることが好ましく、より好ましくは3〜5g/cm3である。ここで、真比重は、次の通りに求めることができる。500mlのメスシリンダーに蒸留水を300g、界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム希釈液を1g投入し、そのときの体積をV0(cm3)とする。次に芯材50gを投入し攪拌して完全に芯材が濡れた状態にし、そのときの体積をV1(cm3)として以下の式で真比重を得ることができる。
式:真比重=50/(V1−V0)(g/cm3
芯材の飽和磁化は40emu/g以上であることが好ましく、より好ましくは45emu/g以上であり、その上限は75emu/g以下である。ここで、キャリア芯材の磁気特性の測定としての装置は振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。本発明においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
芯材は、上記形状係数、上記真比重、上記飽和磁化の範囲を満たすことで、現像機内でのトナーとの攪拌によるトナーへのダメージが抑制され、また、磁気ブラシの穂立ちが比較的柔らかくなるので感光体への現像のさいの現像性が良好になり、その結果、高品質な画像が提供されるので好適である。
芯材としては、特に、磁性紛分散型球形芯材であることが好ましい。この、磁性紛分散型球形芯材は、樹脂中に磁性粉を分散した球形芯材である。この球形芯材は比重が小さいため、トナー及びキャリアに対するストレスを抑制することができる利点があり、上記の被覆樹脂層と組み合わせることにより、帯電維持性及び環境安定性を確保する上で有効である。なお、磁性粉分散型球形芯材に用いる樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の架橋系樹脂や、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。また、磁性紛としては、マグネタイト、マグヘマタイト等の強磁性酸化鉄粒子粉末、鉄以外の金属(Mn,Ni,Zn,Mg,Cu等)を一種又は二種以上含有するスピネルフェライト粒子粉末、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末、表面に酸化被膜を有する鉄や鉄合金の微粒子粉末を用いることができる。好ましくは、マグネタイト等の強磁性酸化鉄粒子粉末である。また、併用する形で非磁性粉末を用いてもよい。非磁性粉末としては、ヘマタイト、ゲーサイト及びイルメナイト等の微粒子粉末を用いることができ、好ましくはヘマタイトである。磁性紛の分散量(含有量)は樹脂に対し70〜99重量%程度が好ましい。
次に、本発明のキャリアの好適な特性について説明する。本発明のキャリアは、現像担持体(現像スリーブ)上に形成する磁気ブラシ抵抗が10000V/cmの電界強度下で5.0×1011〜1.0×1016Ω・cmであることが好ましく、また、キャリア表面に体積抵抗率が1012〜1016Ω・cmの無機酸化物を外添していることが好ましい。これにより、長期にわたって安定し良好な画質維持性を実現できる。
長期にキャリアを含む現像剤を使用することにより、発生する画像欠陥の一つとして感光体上に形成された静電潜像の画像部へのキャリア付着が挙げられる。現像剤中のキャリアに画像部電荷に対向して電荷注入が行われ、それによりキャリア現像が発生する為に生じると考えることができる。このため、現像剤抵抗を高くし又は現像剤抵抗の急激な低下(絶縁破壊)を無くすことにより防止することができるが、より厳密には現像時にかなりの部分のトナーが消費するから、現像剤の抵抗というよりもむしろキャリアの抵抗の制御によって行えばよい。このため、キャリアの磁気ブラシ抵抗を上記範囲に満たすことで長期に渡って現像剤を使用してもキャリア付着が軽減される。この磁気ブラシ抵抗のより好ましい範囲として1.0×1012〜1.0×1015Ω・cm、更に好ましくは1.0×1013〜1.0×1014.5Ω・cmの範囲である。
ここで、キャリアの磁気ブラシ抵抗は次のようにして求めることができる。まず、現像装置の感光体を取り外し、替わりに同一サイズのアルミニウムパイプを装填する。そして、現像剤スリーブにはキャリアによる磁気ブラシを形成させる。次いで現像スリーブに直流電圧を(印加直流電圧)/(アルミニウムパイプと現像スリーブとの間の対向距離)で割った値が所定の電界強度(本発明では10000V/cmの電界強度)となるように印加しこのとき流れる電流の値を測定する。次に印加電圧と電流値から抵抗を求め、求めた抵抗値×(現像スリーブ実効長)÷(アルミニウムパイプと現像スリーブとの間の対向距離)を所定の電界強度時のキャリアの磁気ブラシ抵抗とする。測定時、アルミニウムと対向している現像スリーブ上の磁気ブラシ状のキャリアの単位面積当たりの重量は550g/m2とする。
また、使用初期においてはキャリアは劣化しておらず、現像剤の帯電のチャージアップの発生と同時にキャリア抵抗が高い為エッジ効果が強く現れてソリッド画像の現像濃度の低下する傾向となる。このため、キャリア表面に、体積抵抗率が1012〜1016Ω・cmの無機酸化物を外添させることで、キャリア表面抵抗を下げ、且つ現像剤帯電を低下せしめ、使用初期、特に低温低湿下での現像性を向上させることができる。
無機酸化物としては、通常の電子写真用トナーに帯電調整、粉体流動性調整の目的で添加される無機微微粉体を用いることができる。具体的にはチタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化鉄等が挙げられる。特にチタニアが抵抗制御及び帯電制御の観点で好ましい。
無機酸化物の表面には無機酸化物の抵抗調整、分散性の向上を目的として公知の表面処理をしていることがよい。好ましくは高温高湿化での帯電性向上の為疎水化処理するのがよい。
無機酸化物の表面を処理する処理剤としては、具体的にシリコーンオイル、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシランを疎水化の為表面処理することが好ましく用いられる。
無機酸化物の体積抵抗率は、1012〜1016Ω・cmであることが好ましいが、より好ましくは1012〜1016Ω・cmである。無機酸化物の体積抵抗率が1012Ω・cm未満であると、電荷交換性は向上するものの、高温高湿下の環境で電荷のリークが発生し、カブリの原因となる場合がある。一方、無機酸化物の体積抵抗が1016Ω・cmを超えると、充分な電荷交換性が得られず、特に低温低湿の環境下、迅速な帯電立ち上がりが得られない場合がある。
ここで、無機微粒子の体積抵抗率は、図1に示す装置を用いて行う。図1は体積抵抗値を測定の構成を説明するための構成図である。図1において、厚みHに調整した測定試料6を、上部電極1と下部電極2とで狭持し、上方より加圧手段4で加圧しながらダイヤルゲージ3で厚みを測定し、測定試料6の電気抵抗を上部電極1及び下部電極2と配線で結ばれた高電圧抵抗計5で計測した。具体的には測定試料に成型機にて500kg/cm2の圧力を加えて測定ディスクを作製した。ついでディスクの表面を刷毛で清掃し、セル内の上部電極1と下部電極2との間に挟み込み、ダイヤルゲージで厚みを測定した。次に電圧を印加し、電流値を読み取ることにより体積抵抗率を求めることができる。
無機酸化物のキャリア表面被覆率Fは、下記式A及びBを満たすことが好ましい。
式A:F=(√3/2π)×(dc・ρc・Ct)/(dt・ρt・Cc)×100
式B:10≦F≦60
(dt:無機酸化物平均粒径(μm),dc:キャリア平均粒径(μm),ρt:無機酸化物真比重,ρc:キャリア真比重,Ct:無機酸化物重量部,Cc:キャリア重量部)
無機酸化物の表面被覆率Fが10%以下だと充分な電荷交換性が得られず、特に低温低湿の環境下、迅速な帯電立ち上がりが得られない場合があり、60%以上だと電荷交換性は向上するものの、高温高湿下の環境で電荷のリークが発生し、カブリの原因となる場合がある。
無機酸化物の粒径は10〜200nmのものが好ましく、より好ましくは10〜100nmである。該無機微粒子の粒径が200nmを超えると、現像機内でのストレスにより表面からの脱離が生じたり、機能の維持が困難となる場合がある。一方、該無機酸化物の粒径が10nm未満であると、二次凝集体の凝集力が強くなる場合があり、均一分散が困難な場合、付着状態が不均一になる場合、二次凝集体存在部から電荷のリークが発生しやすくなる場合、トナーの帯電量分布が広がる場合、及びカブリや機内汚染の原因となる場合がある。なお、この粒径は、体積平均粒径を示す。
無機酸化物をキャリア表面(即ち樹脂被覆層表面)に付着添加させる方法としては、通常に用いる混合装置であれば特に限定されるものではない。具体的にはV型ブレンダー、セメントミキサー、ペイントシェーカー、ヘンシェルミキサー、ニーダーコーターなどが挙げられる。
特に、無機酸化物としては、上記理由から、疎水化処理した粒径が10〜200nmであるチタン化合物粒子が特に好ましい。
次に、本発明のキャリアの製造方法について説明する。
代表な方法として、窒素原子を含むワックスとそれ以外の非結晶性樹脂を同時に用いて被覆層を芯材表面に被覆して、キャリアを製造方法を例に挙げると、例えば、1)樹脂可溶な溶媒に非結晶樹脂とワックス粉末を投入して被覆層形成用原料溶液とし、キャリア芯材の粉末を樹脂被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、2)被覆層形成用溶液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、3)キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、4)ニーダーコーター中でキャリア芯材と被覆層形成用溶液を混合し、次いで溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられるが、特に溶液を用いたものに限定されるものではなく、塗布するキャリア芯材によっては、窒素原子を含むワックスとそれ以外の非結晶性樹脂粉末と共に加熱混合するパウダーコート法などを適宜に採用することができる。
また、非結晶性樹脂の被覆層を形成した後窒素原子を含むワックスの被覆層を形成する場合、樹脂可溶な溶媒に非結晶性樹脂を投入して樹脂被覆層形成用原料溶液とし、上記方法でキャリア芯材表面に樹脂被覆層を形成した後、窒素原子を含むワックスと樹脂被覆層をもつキャリア芯材を加熱混合する方法を採用することができる。
樹脂被覆層を形成するための原料溶液に使用する溶剤は、樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化物などを使用することができる。
次に、静電潜像用現像剤について説明する。
本発明の静電現像用現像剤(以下、単に現像剤と略記)は、静電潜像現像用トナー(以下、トナーと略記)と、上記本発明のキャリアとからなる、2成分現像剤である。
本発明の現像剤において、トナーはワックス粒子をトナー表面に保持していることが望ましい。キャリアは現像機内でトナーと攪拌されてトナーに負電荷を付与するが、この攪拌でキャリアはトナーと接触するだけでなく現像機内壁と接触や衝突をするのでキャリア表面の被覆層が磨耗する。すると、この磨耗により負電荷の付与能力や電気抵抗が変化するので好ましくない。トナー表面にあるワックス粒子は、トナーとキャリアと接触すると低い確率だがトナー表面からキャリア表面に移行し、更に攪拌により発生する様様な機械力によってキャリアの樹脂被覆層表面に固着し、更に比較的柔らかいので衝突等の機械力によりキャリア樹脂被覆層表面を被覆するように延伸する。ここで通常の非結晶性樹脂や架橋性樹脂からなる粒子は柔らかさが不十分なので被覆性がよくなく不十分である。
つまり、キャリア樹脂被覆層は現像機が稼動すると樹脂被覆層を磨耗する状況と樹脂被覆層がワックス粒子であたかも被覆され、被覆層が保護される状況が同時に発生するので、樹脂被覆層の磨耗の進行を抑制することができる。
トナーに保持(含有)するワックス粒子の粒径は体積平均粒子径で0.1〜15μmの範囲であり、好ましくは0.1〜10μmである。この粒径が0.1μm未満だとトナーからキャリアへの移行確率が小さくなり効果が得られなくなり、15μmより大きいとトナー表面に保持し難くなり、現像時のトナーからの脱離等から機内汚染が著しくなることがある。
トナーに保持(含有)するワックス粒子のトナーに対する添加量は0.1〜5重量%であり、好ましくは0.1〜1重量%である。この添加量が0.1重量%未満では効果が得られなくなり、5重量%より大きいとトナーの流動性が悪化してしまうことがある。
トナーに保持(含有)するワックス粒子の構成材料としては、公知のものが使用でき、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのごとき動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が挙げられる。
特に、トナーに保持(含有)するワックス粒子の構成材料としては、窒素原子を有するワックスが好ましい。キャリアの樹脂被覆層を被覆していない状態(例えば初期)と被覆している場合とで、トナーへの負電荷付与性が大きく変化しないからである。窒素原子を有するワックスは窒素原子を含めば特に制限するものではなく、例えば、アミド基を有する脂肪酸アマイド、脂肪酸エステルアマイド、尿素結合を有する置換尿素、ウレタン結合を有するウレタンワックス、その他公知のものを使用できる。ワックス粒子の融点は60度以上が好ましい。更に好ましくは80度以上である。融点が60度未満ではトナーとしての流動性が悪化することがある。
ここで、上記本発明のキャリアを使用するときに、トナーの結着樹脂としては特に制限を設けるわけではないが、カルボキシル基含有単量体を含むことにより、トナー側の負帯電性を向上させ、現像剤としての帯電特性を維持することが有効である。トナー結着樹脂のカルボキシル基含有単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、アコニット酸、アトロパ酸、アリルマロン酸、アンゲリカ酸、イソクロトン酸、イタコン酸、10−ウンデセン酸、エライジン酸、エルカ酸、オレイン酸、オルト−カルボキシケイ皮酸、クロトン酸、クロロアクリル酸、クロロイソクロトン酸、クロロクロトン酸、クロロフマル酸、クロロマレイン酸、ケイ皮酸、シクロヘキセンジカルボン酸、シトラコン酸、ヒドロキシケイ皮酸、ジヒドロキシケイ皮酸、チグリン酸、ニトロケイ皮酸、ビニル酢酸、フェニルケイ皮酸、4−フェニル−3−ブテン酸、フェルラ酸、フマル酸、ブラシジン酸、2−(2−フリル)アクリル酸、ブロモケイ皮酸、ブロモフマル酸、ブロモマレイン酸、ベンジリデンマロン酸、ベンゾイルアクリル酸、4−ペンテン酸、マレイン酸、メサコン酸、メチルケイ皮酸、メトキシケイ皮酸などが挙げられる。このうち重合体形成反応の容易性などからアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸等が好ましい。このカルボキシル基含有単量体を含む結着樹脂は、キャリア被覆樹脂層で使用する樹脂(例えば非結晶樹脂)と同じものでもよいし、異なる構造のものであってもよい。カルボキシル基を含有していれば、同一の効果を得ることができる。
トナー(トナー粒子)は、形状係数SF1が100〜140の範囲のものが適当であり、そのようなトナーを製造するには湿式法が適している。湿式法には、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させた樹脂微粒子分散液と、着色剤分散液、離型剤分散液、必要に応じて帯電制御剤等の分散液を混合し、凝集粒子を形成し、加熱融合合一させてトナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合してトナー粒子を得る懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法などがある。その中でも、乳化重合凝集法が最適である。
トナーに用いる結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、10−ウンデセン酸等の不飽和カルボン酸、カルボキシルスチレン等のカルボキシル基を有するスチレン誘導体類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のαメチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体及び共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレンアクリル酸アルキル共重合体、スチレンメタクリル酸アルキル共重合体、スチレンアクリロニトリル共重合体、スチレンブタジエン共重合体、スチレン無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
トナーに用いる着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.
ピグメント・イエロー173、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
トナーのバルクに用いるワックスとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのごとき動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物等を代表的なものとして例示することができ、その他公知のものを使用できる。
トナーには、必要に応じて帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。なお、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解し難い材料を使用するのが好ましい。本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナー、磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
これらトナーには、公知の帯電制御剤、流動性向上剤、定着助剤等の添加剤の他に、必要に応じて磁性体粉末を含有させてもよい。トナー粒径は高画質化に伴い小径とする傾向に有り、2〜12μm、好ましくは5〜10μmの体積平均粒径を有することが望ましい。
本発明の画像形成方法は、静電荷担持体上に静電潜像を形成する工程、現像剤担持体上の現像剤で静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程、トナー画像を転写体上に転写する工程、及び、転写体上のトナー画像を定着する工程を含み、現像剤として上記本発明のキャリアを含有するものを使用することにより、環境依存性を抑制し良好な画像の形成を行うことができる。
これらの各工程は、公知の各手段により行うことができるが、定着する工程は、実質的に離型剤を定着部材に供給しない工程であることがよい。例えば、定着する工程においては、加熱ロールなどの定着部材表面に塗布されるシリコーンオイル等の離型剤を実質的に供給しなくてよい。ただし、高速印刷に対応する場合などにおいては、離型性を確実に確保するために、極わずかな離型性液体の供給も可能である。この場合の供給量は、たとえば、A4サイズ(210mm×297mm)の記録媒体1枚当たり1μl以下で十分である。
また、現像してトナー画像を形成するための現像剤担持用磁気スリーブ(現像担持体)は、材質、磁力等公知のものを用いることがでるが、スリーブ表面はRzが15〜25μm、Raが1〜5μmの微細な凹凸を持たせることにより、現像剤の搬送安定性を確保し、キャリアの飛散を抑制し、ディフエクトのない良好な画像を形成することができる。
なお、通常用いられるれるスリーブはRzが10μm以下のものが主流であるが、小径のキャリア、形状係数の小さいキャリア(形状係数SF1が125より小さいもの)、小径のトナー、形状係数の小さいトナー(形状係数SF1が140より小さいもの)のいづれかを用いるとき、あるいは、それぞれを組み合わせて使用するときには、現像剤の搬送が不安定となるので、これらの現像剤を使用するときには、上記の磁気スリーブを使用することが、現像剤の特性を最大限に引き出すのに有効である。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、これらの例示により本発明が限定されるものではない。
なお、本実施例において、各測定は以下の通りに行った。
(粒度及び粒度分布測定方法)
本発明における粒度及び粒度分布測定について述べる。本発明において測定する粒子が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用した。
測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求めた。測定する粒子数は50000であった。
また、本発明におけるトナーの粒度分布は以下の方法により求めた。測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから体積累積分布を描き、累積16%となる体積平均粒径をD16と定義し、累積50%となる体積平均粒径をD50と定義する。さらに累積84%となる体積平均粒径をD84と定義する。
本発明における体積平均粒径は該D50であり、GSDは以下の式によって算出した。
式:GSD=(D84/D16)0.5
同様に、測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから数累積分布を描き、累積50%となる粒径を数平均粒径と定義する。
また本発明において測定する粒子が2μm未満の場合、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定した。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とした。
(重量平均分子量の測定方法)
重量平均分子量は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(融点、ガラス転移温度の測定方法)
融点及びガラス転移温度は、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。
主体極大ピークの測定には、パーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
(結晶性の測定)
樹脂における結晶性の有無については、上記方法により測定された熱吸収曲線が JIS K7121の融解温度の定義に従い、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と融解ピーク(吸熱ピーク)の低温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線の交点(融解開始温度)と高温側のベースラインを低温側に延長した直線と融解ピーク(吸熱ピーク)の高温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線の交点(融解終了温度)の温度差が50℃以内であって、その曲線の形態が同じくJIS K7121で示される階段状形状を示さない場合を結晶性を有すると判断した。
以下、本実施例に用いる各種材料について説明する。
(非結晶性被覆樹脂Aの調製)
メチルメタクリレート38重量部、イソブチルメタクリレート50重量部、メタクリル酸2重量部、及び、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート10重量部を用い、トルエン溶媒を用いた溶液重合によりランダム共重合させて、重量平均分子量Mwが50000、ガラス転移点Tgが85度、溶解度パラメータ(SP値)が9.44の被覆樹脂Aを得た。
(非結晶性被覆樹脂Bの調製)
メチルメタクリレート38重量部、ターシャルブチルメタクリレート40重量部、メタクリル酸2重量部、及び、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート20重量部を用い、トルエン溶媒を用いた溶液重合によりランダム共重合させて、Mwが45000、Tgが87度、SP値が9.36の被覆樹脂Bを得た。
(非結晶性被覆樹脂Cの調製)
メチルメタクリレート98重量部、及び、メタクリル酸2重量部を用い、トルエン溶媒を用いた溶液重合によりランダム共重合させて、Mwが56000、Tgが93度、SP値が9.85の被覆樹脂Cを得た。
(キャリアIの調製)
・フェライト粒子(Mn−Mgフェライト):100重量部
(真比重4.7g/cm3、体積平均粒径40μm、飽和磁化66emu/g、形状係数SF1=114)
・非結晶性被覆樹脂A:1.4重量部
・カーボンブラック(VXC−72、キャボット社製) 0.12重量部
・架橋メラミン樹脂粒子:0.3重量部
(トルエン不溶、エポスターS、日本触媒社製)
・ラウリン酸アマイド粉末:0.2重量部
(融点:87度、SP値:10.69、日本化成株式会社製)
・トルエン:14重量部
まず、被覆樹脂A、カーボンブラック、架橋メラミン樹脂粒子をトルエンに投入してサンドミルで攪拌分散し樹脂被覆層形成用溶液を調製し、フェライト粒子とともに真空脱気型ニーダーに入れて温度60℃を保ち10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去してフェライト粒子表面に樹脂被覆層を形成した後、ラウリン酸アマイド粉末を投入し140度を保ち30分間攪拌した後、樹脂被覆層形成キャリアを目開き75μmの網で篩分してキャリアIを得た。樹脂被覆層による被覆率Fは95%であった(非結晶性被覆樹脂とラウリン酸アマイドのΔSP値:1.25)
また、得られたキャリアの磁気ブラシ抵抗は、1×1015Ω・cmであった。
(キャリアIIの調製)
・フェライト粒子(Mn−Mgフェライト):100重量部
(真比重4.7g/cm3、体積平均粒径40μm、飽和磁化68emu/g、形状係数SF1=120)
・非結晶性被覆樹脂B:1.3重量部
・カーボンブラック(VXC−72、キャボット社製):0.12重量部
・架橋メラミン樹脂粒子:0.3重量部
(トルエン不溶、エポスターS、日本触媒社製)
・ステアリン酸アマイド粉末:0.4重量部
(融点:101度、SP値:9.86、日本化成株式会社製)
・トルエン:14重量部
まず、被覆樹脂B、カーボンブラック、架橋メラミン樹脂粒子をトルエンに投入してサンドミルで攪拌分散し樹脂被覆層形成用溶液を調製し、フェライト粒子とともに真空脱気型ニーダーに入れて温度60℃を保ち10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去してフェライト粒子表面に樹脂被覆層を形成した後、ステアリン酸アマイド粉末を投入し140度を保ち30分間攪拌した後、樹脂被覆層形成キャリアを目開き75μmの網で篩分してキャリアIIを得た。樹脂被覆層による被覆率は87%であった(非結晶性被覆樹脂とステアリン酸アマイドのΔSP値:0.50)。
また、得られたキャリアの磁気ブラシ抵抗は、1×1014.5Ω・cmであった。
(キャリアIIIの調製)
・磁性粉分散型キャリアコア(磁性粉分散型型球形芯体:戸田工業社製):100重量部
(マトリックス樹脂:フェノール樹脂、真比重3.7g/cm3、体積平均粒径40μm、飽和磁化60emu/g、形状係数SF1=105)
・非結晶性被覆樹脂C:1.5重量部
・カーボンブラック(VXC−72、キャボット社製):0.08重量部
・架橋メラミン樹脂粒子:0.3重量部
(トルエン不溶、エポスターS、日本触媒社製)
・ステアリン酸アマイド粉末:0.3重量部
(融点:101度、SP値:9.86、日本化成株式会社製)
・トルエン:14重量部
まず、被覆樹脂C、カーボンブラック、架橋メラミン樹脂粒子をトルエンに投入してサンドミルで攪拌分散し樹脂被覆層形成用溶液を調製し、磁性粉分散型キャリアコアとともに真空脱気型ニーダーに入れて温度60℃を保ち10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して磁性粉分散型キャリアコア表面に樹脂被覆層を形成した後、ステアリン酸アマイド粉末を投入し150度を保ち30分間攪拌した後、樹脂被覆層形成キャリアを目開き75μmの網で篩分してキャリアIIIを得た。樹脂被覆層による被覆率は93%であった(非結晶性被覆樹脂とステアリン酸アマイドのΔSP値:0.01)。
また、得られたキャリアの磁気ブラシ抵抗は、1×1015.5Ω・cmであった。
(キャリアIVの調製)
・フェライト粒子(Mn−Mgフェライト):100重量部
(真比重4.7g/cm3、体積平均粒径40μm、飽和磁化67emu/g、形状係数SF1=117)
・非結晶性被覆樹脂A:1.4重量部
・カーボンブラック(VXC−72、キャボット社製):0.12重量部
・ステアリン酸アマイド粉末:0.2重量部
(融点:101度、SP値:9.86、日本化成株式会社製)
・トルエン:14重量部
まず、被覆樹脂A、カーボンブラックをトルエンに投入してサンドミルで攪拌分散し樹脂被覆層形成用溶液を調製し、フェライト粒子とともに真空脱気型ニーダーに入れて温度60℃を保ち10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去してフェライト粒子表面に樹脂被覆層を形成した後、ステアリン酸アマイド粉末を投入し150度を保ち30分間攪拌した後、樹脂被覆層形成キャリアを目開き75μmの網で篩分してキャリアIVを得た。樹脂被覆層による被覆率は82%であった(非結晶性被覆樹脂とステアリン酸アマイドのΔSP値:0.42)。
また、得られたキャリアの磁気ブラシ抵抗は、1×1013Ω・cmであった。
(キャリアVの調製)
・フェライト粒子(Mn−Mgフェライト):100重量部
(真比重4.7g/cm3、体積平均粒径40μm、飽和磁化67emu/g、形状係数SF1=117)
・非結晶性被覆樹脂C:0.8重量部
・ステアリン酸アマイド粉末:0.3重量部
(融点:101度、SP値:9.86、日本化成株式会社製)
・トルエン:14重量部
まず、被覆樹脂Cをトルエンに投入してサンドミルで攪拌分散し樹脂被覆層形成用溶液を調製し、フェライト粒子とともに真空脱気型ニーダーに入れて温度60℃を保ち10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去してフェライト粒子表面に樹脂被覆層を形成した後、ステアリン酸アマイド粉末を投入し140度を保ち30分間攪拌した後、樹脂被覆層形成キャリアを目開き75μmの網で篩分してキャリアVを得た。樹脂被覆層による被覆率は60%であった(非結晶性被覆樹脂とステアリン酸アマイドのΔSP値:0.01)

また、得られたキャリアの磁気ブラシ抵抗は、1×1012.5Ω・cmであった。
(キャリアVIの調製)
キャリアIの調整において、ラウリン酸アマイド粉末を被覆樹脂等と共にトルエンに投
入してサンドミルで攪拌分散し樹脂被覆層形成用溶液を調製し、フェライト粒子とともに真空脱気型ニーダーに入れて温度60℃を保ち10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去した後、更に150度を保ち20分間攪拌した後、樹脂被覆層形成キャリアを目開き75μmの網で篩分してキャリアVIを得た。樹脂被覆層による被覆率は83%であった(非結晶性被覆樹脂とラウリン酸アマイドのΔSP値:1.25)。
また、得られたキャリアの磁気ブラシ抵抗は、1×1013.5Ω・cmであった。
(キャリアVIIの調製)
・フェライト粒子(Mn−Mgフェライト):100重量部
(真比重4.7g/cm3、体積平均粒径40μm、飽和磁化67emu/g、形状係数SF1=117)
・非結晶性被覆樹脂A:1.2重量部
・トルエン:14重量部
まず、被覆樹脂Aをトルエンに投入して樹脂被覆層形成用溶液を調製し、フェライト粒子とともに真空脱気型ニーダーに入れて温度60℃を保ち10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去してフェライト粒子表面に樹脂被覆層を形成した樹脂被覆層形成キャリアを目開き75μmの網で篩分してキャリアVIIを得た。樹脂被覆層による被覆率は73%であった。
また、得られたキャリアの磁気ブラシ抵抗は、1×1012.5Ω・cmであった。
(キャリアVIIIの調製)
・フェライト粒子(Mn−Mgフェライト):100重量部
(真比重4.7g/cm3、体積平均粒径40μm、飽和磁化67emu/g、形状係数SF1=117)
・非結晶性被覆樹脂C:1.1重量部
・ポリエチレンワックスPE130粉末:0.2重量部
(融点:130度、SP値:7.89、三井化学株式会社製)
・トルエン:14重量部
まず、被覆樹脂Cをトルエンに投入して樹脂被覆層形成用溶液を調製し、フェライト粒子とともに真空脱気型ニーダーに入れて温度60℃を保ち10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去してフェライト粒子表面に樹脂被覆層を形成した後、ポリエチレンワックスPE130粉末を投入し150度を保ち30分間攪拌した後、樹脂被覆層を形成した樹脂被覆層形成キャリアを目開き75μmの網で篩分してキャリアVIIIを得た。樹脂被覆層による被覆率は65%であった(非結晶性被覆樹脂とポリエチレンワックスのΔSP値:1.96)。
また、得られたキャリアの磁気ブラシ抵抗は、1×1012.0Ω・cmであった。
(キャリアIXの調製)
・フェライト粒子(Mn−Mgフェライト):100重量部
(真比重4.7g/cm3、体積平均粒径40μm、飽和磁化67emu/g、形状係数SF1=117)
・非結晶性被覆樹脂C:0.5重量部
・ステアリン酸アマイド粉末:0.1重量部
(融点:101度、SP値:9.86、日本化成株式会社製)
・トルエン:14重量部
まず、被覆樹脂Cをトルエンに投入して樹脂被覆層形成用溶液を調製し、フェライト粒子とともに真空脱気型ニーダーに入れて温度60℃を保ち10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去してフェライト粒子表面に樹脂被覆層を形成した後、ステアリン酸アマイド粉末を投入し140度を保ち30分間攪拌した後、樹脂被覆層形成キャリアを目開き75μmの網で篩分してキャリアIXを得た。樹脂被覆層による被覆率は52%であった(非結晶性被覆樹脂とステアリン酸のΔSP値:0.01)。
また、得られたキャリアの磁気ブラシ抵抗は、1×1011.5Ω・cmであった。
(キャリアXの調製)
・キャリアA(上記調製):100部
・デシルトリメトキシシラン処理酸化チタンA:0.05部
(体積平均粒径:15nm,体積抵抗:5.0×1014Ω・cm)
上記組成を、V型ブレンダー(容積5L)に上記キャリアAとデシルトリメトキシシラン処理酸化チタンAを入れ40rpmで20分間撹拌した後、目開き75μmの篩を通過させることで無機微粒子外添キャリアを調整した。このキャリア表面に添加する無機酸化物のキャリア表面被覆率は、37.5%であった。
また、得られたキャリアの磁気ブラシ抵抗は、1×1014.0Ω・cmであった。
(トナー粒子aの調製)
−樹脂微粒子分散液の調製−
・スチレン(和光純薬製):325重量部
・nブチルアクリレート(和光純薬製):75重量部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):9重量部
・1’10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5重量部
・ドデカンチオール(和光純薬製):2.7重量部
上記成分を混合溶解したものに、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4重量部をイオン交換水550重量部に溶解した溶液を加えてフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、さらに、過硫酸アンモニウム6重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。次いで充分にフラスコ内の窒素置換を十分に行った後、フラスコ内の溶液を攪拌しながらオイルバスで70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、固形分量42%のアニオン性の樹脂微粒子分散液を得た。
樹脂微粒子分散液中の樹脂微粒子は、体積平均粒径が196nm、ガラス転移温度が51.5℃、重量平均分子量Mwが32400であった。
−着色剤粒子分散液の調製−
・青色顔料(銅フタロシアニンB15:3:大日精化製):45重量部
・非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400):5重量部
・イオン交換水:200重量部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散した後に、アルティマイザー(対抗衝突型湿式粉砕機:杉野マシン製)を用い圧力245Mpaで15分間分散処理を行い、着色剤粒子の体積平均粒径が162nmで固形分量が20.0%の着色剤粒子分散液を得た。
−離形剤粒子分散液の調整−
・パラフィンワックス:45重量部
(日本精蝋(株)製:HNP0190、融点85℃)
・イオン性界面活性剤Neogen RK(第一工業製薬):5重量部
・イオン交換水:200重量部
上記成分を混合し120℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離形剤粒子の体積平均粒径が210nm、固形分量が22.0%の離型剤粒子分散液を得た。
−凝集粒子分散液の調製−
・樹脂微粒子分散液:80重量部
・着色剤分散液:30重量部
・離型剤分散液:30重量部
・ポリ塩化アルミニウム:0.41重量部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら47℃まで加熱した。その後45℃に冷却して25分間保持して凝集粒子分散液を得た。得られた凝集粒子を光学顕微鏡で観察すると、体積平均粒径が約5.1μmであった。
−付着粒子分散液の調製−
上記の凝集粒子分散液に、樹脂微粒子分散液を20重量部緩やかに追加した。そして、加熱用オイルバスの温度を50℃に上げて40分間保持して付着粒子分散液を得た。得られた付着粒子を光学顕微鏡で観察すると、体積平均粒径が約5.9μmであった。
−トナー粒子の製造−
上記の付着粒子分散液にアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)を3g追加し、前記ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら、95℃まで加熱して2時間保持した。その後、冷却し、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥してトナー粒子aを得た。得られたトナー粒子aの体積平均粒径D50は6.1μm、形状係数SF1は129であった。
(トナーb(溶融混練トナー)粒子の調製)
・スチレン/n−ブチルメタクリレート樹脂:89重量部
(共重合比70:30、重量平均分子量Mw200000、三洋化成社製)
・カーボンブラック(モーガルL、キャボット社製) 6重量部
・ポリプロピレンワックス(660P、三洋化成社製) 5重量部
上記成分を用いて溶融混練粉砕法で体積平均粒径6.2μmのトナーb粒子を得た。
−外部添加剤(1)−
針状のルチル型酸化チタンのデシルシラン処理化合物(体積平均粒径=15nm、粉体抵抗=1013Ω・cm)
−外部添加剤(2)−
ゾルゲル法で得たシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕により、得られる球形単分散シリカ(形状係数SF1=105、体積平均粒径=135nm、粉体抵抗=1015Ω・cm)
−外部添加剤(3)−
・ラウリン酸アマイド:45重量部
(融点:87度、日本化成株式会社製)
・イオン性界面活性剤Neogen RK(第一工業製薬):5重量部
・イオン交換水:200重量部
以上の成分を98℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が250nmの離型剤を分散してなる離型剤分散液を得た。この分散液を凍結乾燥して窒素原子を有するワックス粒子粉末を得た。
(実施例1〜9及び比較例1〜2の現像剤の調製)
上記の各トナー粒子a及びb100重量部に対して、外部添加剤(1)を1部及び外部添加剤(2)、(3)をそれぞれ1部加え、ヘンシェルミキサーを用いて30m/秒で10分間ブレンドした後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、外添トナーa及びbを調製した。
次に、表1に従った組合せで、各外添トナーa及びb 7重量部と、キャリアI〜X 100重量部をVブレンダーを用いて40rpmで20分間攪拌し、125μm網目のシーブを用いて篩分を行い、実施例1〜6、比較例1〜2及び実施例8〜9の現像剤を得た。
更に、表1に従った組合せで、トナーa粒子100重量部に対して、外部添加剤(1)を1部及び外部添加剤(2)を1部加え、同様にブレンドして外添トナーcを調製した。更に同様に外添トナーc 7重量部と、キャリアI 100重量部をVブレンダーを用いて40rpmで20分間攪拌し、125μm網目のシーブを用いて篩分を行い、実施例7の現像剤を得た。
(評価法1)
上記実施例及び比較例の現像剤を用いFuji Xerox社製複写機Docu Centre Color 500を用いて実機走行評価を行った。
実施例1〜9及び比較例1〜2のいずれも、Fuji Xerox社製複写機Docu Centre Color 500に標準に用いられている現像機の磁気スリーブ表面がRz:20μm、Ra:3μmの微細な凹凸を有する以外は同一の仕様の磁気スリーブをDocu Centre Color 500用現像機に用いて画像形成を行って評価した。ここでRzは10点平均粗さを、Raは中心線平均粗さを表す。
更にDocu Centre Color 400CPを改造して定着設定温度を変化できるようにして定着のオフセット発生温度の評価を行った。なお。Docu Centre Color 400CPは離型剤供給無のベルト定着システム塔載している。
−オフセット性−
Docu Centre Color 500を用いてA4の転写紙(J紙)に縦5cm、横4cmのソリッド未定着トナー像を作製した。このときトナー量が0.5〜0.6mg/cm2となるように、トナー像を作製した。次に、定着ベルト温度が自由に設定でき、モニターできるようにDocu Centre Color 400CPを改造したものを用いてテストを行った。すなわち、定着ベルト表面温度を段階的に変化させ、各表面温度において上記トナー像を保持する転写紙を処理して未定着トナー像の定着を行った。この際、余白部分にトナー汚れが生じるか否かの観察を行い、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域とした。
−帯電量測定−
高温高湿及び低温低湿における帯電量は、高温高湿:28℃、90%RH、低温低湿:10℃、115%RHの各雰囲気下にトナー組生物、キャリヤの双方をそれぞれ24時間放置し、蓋付きガラスビンにTC6%になるように、トナー組成物、キャリヤを採取し、それぞれの雰囲気下でターブラ攪拌を行い、攪拌された現像剤を25℃、55%RHの条件下で東芝社製TB200にて測定した(初期帯電量に相当する)。
また、実機評価試験における帯電量は、現像器中のマグスリーブ上の現像剤を採取し、上記と同様25℃、55%RHの条件下で東芝社製TB200にて測定した(10万枚複写後帯電量(μC/g)に相当する)
なお、初期帯電量において、高温高湿、低温低湿での帯電量の差が5μC/g未満を○、5〜10μC/gの範囲を△、10μC/gより大きい場合を×として判定を行った。
また、帯電維持性は、まず帯電変化量を初期帯電量から10万枚後帯電量を引いた絶対値とし、高温高湿、低温低湿での値の内、大きい値が5μC/g未満を○、5〜10μC/gの範囲を△、10μC/gより大きい場合を×として判定を行った。
(評価法2)
上記実施例及び比較例の現像剤を用いて、Docu Center Color 400改造機(富士ゼロックス社製)により、低温・低湿(10℃,20%RH)の環境下で50000枚のプリントテスト(画像面積:5%)を行い、更に高温・高湿(30℃,85%RH)の環境下で150000枚のプリントテスト(画像面積:5%)を行い、10枚後(初期)及び200000枚後の画像濃度、感光体上のカブリ、キャリア付着の評価を行った。
−初期の現像性の評価−
各現像剤を低温・低湿(10℃,20%RH)の環境下で一晩放置し、2cm×5cmのパッチを2個所有する画像をコピーし、ハードストップにて現像量を測定した。感光体上の2個所の現像部分をそれぞれテープ上に粘着性を利用し転写して、トナー付着テープの重量を測定し、テープの重量を差し引いた後に平均化することにより現像量を求めた。
−20万枚後の現像性の評価−
低温・低湿(10℃,20%RH)の環境下で50000枚のプリントテスト(画像面積:5%)を行い、更に高温・高湿(30℃,85%RH)の環境下で150000枚のプリントテスト(画像面積:5%)を行い、合計20万枚プリントテストした後、2cm×5cmのパッチを2個所有する画像をコピーし、ハードストップにて現像量を測定した。感光体上の2個所の現像部分を各々テープ上に粘着性を利用し転写して、トナー付着テープ重量を測定し、テープ重量を差し引いた後に平均化することにより現像量を求めた。
−初期及び20万枚後のかぶり及び画像中キャリア付着評価−
非画像部を同様にテープ上に転写し、ルーペあるいは顕微鏡を用い、1cm2当たりのトナー及びキャリア個数を数え、トナーカブリは100個未満を○、100個から500個までを△、それより多い場合を×として評価した。
また画像中のキャリア付着については、2cm×2cmのパッチを2個所有する画像をコピーし、ハードストップし、感光体上の2個所の現像部分をそれぞれテープ上に粘着性を利用し転写して、テープに付着した1cm2当たりのキャリアの付着量個数を数え評価した。
また、キャリア付着は5個未満を○、5個から10個までを△、11個以上を×とした。なお、トナーとキャリアの区別は主に粒径差及び形状により判定している。
以上の評価法による結果を表1〜表3に示す。
Figure 2006267297
Figure 2006267297
Figure 2006267297
これらの結果から、樹脂被覆層に窒素原子を有するワックスを含有するキャリアを用いた現像剤は、帯電の環境安定性、帯電維持性が良好であり、また、定着のオフセットが発生しない温度範囲(非オフセット温度領域)も広いことがわかる。また、ワックス粒子を含有しているトナーを用いると、特に効果が高いことがわかる。
また、キャリア表面の樹脂被覆層の被覆率が60%以下のキャリアを用いた現像剤は、実施例8の結果のように非オフセット温度領域が広いものの、他の実施例に比べ、帯電の環境安定性がやや劣り、長期複写使用において帯電量が若干低下し帯電維持性が劣っていた。これにより、樹脂被覆層の被覆率は60%以上がより効果的であることがわかる。
一方、被覆層にワックスを含有しないキャリアを用いた現像剤は、比較例1の結果のように帯電の環境安定性がやや悪く、長期複写使用において帯電量が低下し帯電維持性が不良であった。また、定着のオフセットが発生しない温度範囲(非オフセット温度領域)も狭かった。
また窒素原子を有しないワックスを使用したキャリアを用いた現像剤は、比較例2の結果のように帯電の環境安定性は良いが、長期複写使用において帯電量が低下し帯電維持性が不良であった。
さらに、所定の磁気ブラシ抵抗を満たしたり、所定の体積抵抗率を有する無機酸化物をキャリアに外添することで、現像性が良好となり、かぶりやキャリア付着による画像欠陥も少ないことがわかる。また、現像性が良好になることがわかる。
以上のことから、本発明のキャリアを使用することで、帯電性、帯電維持性、環境安定性、耐久性、耐汚染性に優れ、定着性に悪影響を及ぼさない静電潜像現像用キャリアを提供することができ、高画質の画像の形成を可能となることがわかる。
体積抵抗値を測定の構成を説明するための構成図である。
符号の説明
1 上部電極
2 下部電極
3 ダイヤルゲージ
4 加圧手段
5 高電圧抵抗計
6 測定試料

Claims (15)

  1. 芯材と、芯材を被覆する樹脂被覆層と、を有する静電潜像現像用キャリアにおいて、
    前記樹脂被覆層は、窒素原子を含むワックスを含有することを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
  2. 前記樹脂被覆層による前記芯材への被覆率は、60%以上であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
  3. 前記樹脂被覆層は、導電性微粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
  4. 前記樹脂被覆層は前記ワックスと非結晶性樹脂とを含んでなり、且つ前記ワックスと非結晶性樹脂とが互いに相溶していることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
  5. 前記芯材は、形状係数SF1が125以下で、真比重が3〜5g/cm3の範囲にあり、且つ飽和磁化が40emu/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
  6. 前記芯材は、磁性粉分散型球形芯材であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
  7. 前記キャリアは、現像担持体上に形成する磁気ブラシ抵抗が10000V/cmの電界強度下で5.0×1011〜1.0×1016Ω・cmであることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
  8. 前記キャリア表面に体積抵抗率が1012〜1016Ω・cmの無機酸化物が外添していることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
  9. 前記無機酸化物のキャリア表面被覆率Fは、下記式A及び式Bで表される条件を満たすことを特徴とする請求項8に記載の静電潜像現像用キャリア。
    式A:F=(√3/2π)×(dc・ρc・Ct)/(dt・ρt・Cc)×100
    式B:10≦F≦60
    (dt:無機酸化物平均粒径(μm),dc:キャリア平均粒径(μm),ρt:無機酸化物真比重,ρc:キャリア真比重,Ct:無機酸化物重量部,Cc:キャリア重量部)
  10. 静電潜像現像用トナーと、請求項1〜9のいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリアと、を有することを特徴とする静電潜像現像用現像剤。
  11. 前記静電潜像現像用トナーは、トナー粒子表面にワックス粒子を保持していることを特徴とする請求項10に記載の静電潜像現像用現像剤。
  12. 前記静電潜像現像用トナーは、カルボキシル基含有単量体を含む結着樹脂を含有してなることを特徴とする請求項10に記載の静電潜像現像用現像剤。
  13. 前記静電潜像現像用トナーは、湿式法で製造されてなることを特徴とする請求項10に記載の静電潜像現像用現像剤。
  14. 静電荷担持体上に静電潜像を形成する工程、現像剤担持体上の現像剤で前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程、前記トナー画像を転写体上に転写する工程、及び、前記転写体上のトナー画像を定着する工程を含む画像形成方法において、
    前記現像剤が、請求項10〜13のいずれか1項に記載の静電潜像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
  15. 前記定着する工程は、実質的に離型剤を供給しない定着工程であることを特徴とする請求項14に記載の画像形成方法。
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