JP7494475B2 - 静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
特許文献1には、「少なくともトナー粒子と外部添加剤とを含む静電潜像現像用トナーにおいて、前記外部添加剤は、チタン化合物A及びチタン化合物Bを含む2種の添加剤であり、前記トナー粒子は、体積平均粒径が4μm乃至8μm、かつ体積粒度分布を示すGSDが1.23以下であり、かつ形状係数SF1が110~14であり、前記チタン化合物A及び前記該チタン化合物Bの粉体抵抗率及び体積平均粒径が所定の条件を満たすことを特徴とする静電潜像現像用トナー。」が開示されている。
また、特許文献2には、「トナー粒子と、個数粒度分布が2つのピークを持つ研磨剤粒子と、個数粒度分布が1つのピークを持つ脂肪酸金属塩粒子と、を有し、
研磨剤粒子の個数粒度分布の2つのピークのうち、小径側ピークの粒径をDaとし、大径側ピークの粒径をDbとし、脂肪酸金属塩粒子の個数粒度分布の1つのピークの粒径をDcとし、前記トナー粒子の体積平均粒径をDtとしたとき、下記式(1)~式(3)の関係を満たす静電荷像現像用トナー。
・式(1): Da≦0.5×Dt
・式(2): Dc≦0.5×Dt
・式(3): Dt≦Db」が開示されている。
また、特許文献3には、「潜像が形成される像担持体と、前記像担持体の表面に非接触状態で対向配置されていて、結晶性ポリエステルを含む非磁性の一成分現像剤を前記像担持体に供給して前記潜像を現像する現像手段と、前記像担持体の表面に接触し、当該像担持体の表面の転写残現像剤を清掃するクリーニングブレードを備えた画像形成装置において、前記像担持体が回転することで前記クリーニングブレードへと到達する前記転写残現像剤が、前記クリーニングブレードと前記像担持体の表面との接触部へ突入することを妨げる方向に重力が働く位置に、前記クリーニングブレードを配置したことを特徴とする画像形成装置。」が開示されている。
特開2005-266560号公報 特開2017-146538号公報 特開2014-149503号公報
本発明の課題は、トナー粒子を含むトナーと、キャリアと、外添剤と、を含有する静電荷像現像剤において、前記外添剤が屈折率又は結晶子径の異なる2種の二酸化チタン粒子のみである静電荷像現像剤に比べ、高密度画像を繰り返し形成したときに生じる、画像の濃度ムラを抑制できる静電荷像現像剤を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
<1>
トナー粒子を含むトナーと、
キャリアと、
屈折率の異なる2種の二酸化チタン粒子、脂肪酸金属塩粒子及び研磨剤を含む外添剤と、
を含有する静電荷像現像剤。
<2>
前記屈折率の異なる2種の二酸化チタン粒子が、前記トナー粒子に付着している二酸化チタン粒子(A)及び前記キャリアに付着している二酸化チタン粒子(B)であり、
前記二酸化チタン粒子(A)の屈折率が、前記二酸化チタン粒子(B)の屈折率よりも低い、前記<1>に記載の静電荷像現像剤。
<3>
前記二酸化チタン粒子(A)の屈折率が、2.0以上2.4未満であり、
前記二酸化チタン粒子(B)の屈折率が、2.4以上2.8以下である、前記<2>に記載の静電荷像現像剤。
<4>
前記脂肪酸金属塩粒子が脂肪酸亜鉛粒子であり、
前記研磨剤がチタン酸金属塩粒子である、前記<1>~<3>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
<5>
前記脂肪酸金属塩粒子がステアリン酸亜鉛粒子であり、
前記研磨剤がチタン酸ストロンチウム粒子である、前記<4>に記載の静電荷像現像剤。
<6>
前記脂肪酸金属塩粒子の含有量は、前記二酸化チタン粒子(A)の含有量に対して1質量%以上10質量%以下である、前記<1>~<5>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
<7>
前記研磨剤の含有量は、前記二酸化チタン粒子(A)の含有量に対して1質量%以上10質量%以下である、前記<1>~<6>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
<8>
前記二酸化チタン粒子(A)の含有量は、前記二酸化チタン粒子(B)の含有量に対して0.1質量%以上50質量%以下である、前記<1>~<7>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
<9>
トナー粒子を含むトナーと、
キャリアと、
結晶子径の異なる2種の二酸化チタン粒子、脂肪酸金属塩粒子及び研磨剤を含む外添剤と、
を含有する静電荷像現像剤。
<10>
前記<1>~<9>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
<11>
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
前記<1>~<9>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
<12>
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
前記<1>~<9>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
<1>、<4>又は<5>に係る発明によれば、トナー粒子を含むトナーと、キャリアと、外添剤と、を含有する静電荷像現像剤において、前記外添剤が屈折率の異なる2種の二酸化チタン粒子のみである静電荷像現像剤に比べ、高密度画像を繰り返し形成したときに生じる、画像の濃度ムラが抑制される静電荷像現像剤が提供される。
<2>に係る発明によれば、前記屈折率の異なる2種の二酸化チタン粒子が、前記トナー粒子に付着している二酸化チタン粒子(A)及び前記キャリアに付着している二酸化チタン粒子(B)であり、前記二酸化チタン粒子(A)の屈折率が、前記二酸化チタン粒子(B)の屈折率と同じ、又は前記二酸化チタン粒子(B)の屈折率よりも高い静電荷像現像剤に比べ、高密度画像を繰り返し形成したときに生じる、画像の濃度ムラが抑制される静電荷像現像剤が提供される。
<3>に係る発明によれば、前記二酸化チタン粒子(A)の屈折率が、2.0未満若しくは2.4以上、又は前記二酸化チタン粒子(B)の屈折率が2.4未満若しくは2.8超過である静電荷像現像剤に比べ、高密度画像を繰り返し形成したときに生じる、画像の濃度ムラが抑制される静電荷像現像剤が提供される。
<6>に係る発明によれば、前記脂肪酸金属塩粒子の含有量が、前記二酸化チタン粒子(A)の含有量に対して1質量%未満、又は10質量%超過である静電荷像現像剤に比べ、高密度画像を繰り返し形成したときに生じる、画像の濃度ムラが抑制される静電荷像現像剤が提供される。
<7>に係る発明によれば、前記研磨剤の含有量が、前記二酸化チタン粒子(A)の含有量に対して1質量%未満、又は10質量%超過である静電荷像現像剤に比べ、高密度画像を繰り返し形成したときに生じる、画像の濃度ムラが抑制される静電荷像現像剤が提供される。
<8>に係る発明によれば、前記二酸化チタン粒子(A)の含有量が、前記二酸化チタン粒子(B)の含有量に対して0.1質量%未満、又は50質量%超過である静電荷像現像剤に比べ、高密度画像を繰り返し形成したときに生じる、画像の濃度ムラが抑制される静電荷像現像剤が提供される。
<9>に係る発明によれば、トナー粒子を含むトナーと、キャリアと、外添剤と、を含有する静電荷像現像剤において、前記外添剤が結晶子径の異なる2種の二酸化チタン粒子のみである静電荷像現像剤に比べ、高密度画像を繰り返し形成したときに生じる、画像の濃度ムラが抑制される静電荷像現像剤が提供される。
<10>~<12>に係る発明によれば、トナー粒子を含むトナーと、キャリアと、屈折率又は結晶子径の異なる2種の二酸化チタン粒子のみを含む外添剤と、を含有する静電荷像現像剤を適用した場合に比べ、高密度画像を繰り返し形成したときに生じる、画像の濃度ムラが抑制されるプロセスカートリッジ、画像形成装置、又は画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
以下、本発明について、一例である実施形態を示し詳細に説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、トナー粒子を含むトナーと、キャリアと、外添剤と、を含有する。
前記外添剤は、屈折率又は結晶子径の異なる2種の二酸化チタン粒子、脂肪酸金属塩粒子及び研磨剤を含む。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、上記構成により、高密度画像を繰り返し形成したときに生じる、画像の濃度ムラが抑制される。その理由は、次の通り推測される。
従来、特性の異なる2種の二酸化チタン粒子を、トナーに外添することで、帯電維持性が向上し、転写性が良好となる技術が知られている。
しかし、高画像密度のプリントが続いた場合には、キャリア表面に2種の二酸化チタン粒子が移行し、2種の二酸化チタン粒子間で負極性差が生じ、部分的に導電パスが不均一になることがある。それにより、部分的なトナーとキャリアの電荷交換性の低下、ひいては帯電分布が広くなることに伴う画像の濃度ムラが発生することがある。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、外添剤として、屈折率又は結晶子径の異なる2種の二酸化チタン粒子、脂肪酸金属塩粒子及び研磨剤を含む。
外添剤として、屈折率又は結晶子径の異なる2種の二酸化チタン粒子を含むことによって、帯電維持性が向上する。
また、外添剤として脂肪酸金属塩粒子を含むことによって、前記2種の二酸化チタン粒子の内、一方の二酸化チタン粒子を優先的に脂肪酸金属塩粒子に付着する。これにより、キャリア表面には前記2種の二酸化チタン粒子の内、片一方の二酸化チタン粒子の存在割合が多くなる。つまり、キャリア表面に2種の二酸化チタン粒子が混在し、キャリア表面の抵抗が不均一になる事による部分的な電荷交換性の低下を抑制できる。ここで、脂肪酸金属塩粒子への、一方の二酸化チタン粒子の優先的な付着は、脂肪酸金属塩粒子及び二酸化チタン粒子の静電的な相互作用によるものと推測される。
さらに、キャリア表面に2種の二酸化チタン粒子が移行した場合でも、外添剤として研磨剤を含むことにより、キャリア表面を研磨し、2種の二酸化チタン粒子が混在する部位を除去することができる。
よって、本実施形態に係る静電荷像現像剤は、高密度画像を繰り返し形成した場合であっても、キャリア表面への2種の二酸化チタン粒子の混在が抑制され、画像の濃度ムラも抑制されると推測される。
(トナー)
トナーはトナー粒子を含む。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
-結着樹脂-
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結着樹脂の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
-着色剤-
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
-離型剤-
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
-その他の添加剤-
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
-トナー粒子の特性等-
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON-II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の平均円形度としては、0.94以上1.00以下が好ましく、0.95以上0.98以下がより好ましい。
トナー粒子の平均円形度は、(円相当周囲長)/(周囲長)[(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)]により求められる。具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA-3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
(キャリア)
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
(外添剤)
外添剤は、屈折率又は結晶子径の異なる2種の二酸化チタン粒子、脂肪酸金属塩粒子及び研磨剤を含む。
-二酸化チタン粒子-
二酸化チタン粒子としては、屈折率又は結晶子径の異なる2種の二酸化チタン粒子を用いる。
また、二酸化チタン粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に二酸化チタン粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量は、例えば、二酸化チタン粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
二酸化チタン粒子の個数平均粒径としては、0.01μm以上10μm以下が好ましく、0.02μm以上5μm以下がより好ましい。
二酸化チタン粒子の個数平均粒径は、二酸化チタン粒子を含む外添剤が外添されたトナーを、走査型電子顕微鏡(SEM)((株)日立ハイテクノロジーズ製、S-4700)を用いて、倍率4万倍で画像を撮影、加速電圧15kV、エミッション電流20μA、WD15mmで観察。特定したシリカ粒子を画像処理解析ソフトWinRoof(三谷商事(株)製)で解析し、円相当径を求め、少なくとも100個の粒子について粒径(円相当径)を測定し、粒径の個数基準の分布において小径側から累積50%となる粒径である個数平均粒径を求める。
測定対象となる二酸化チタン粒子100個の円相当径を求める画像解析は、解析装置(ERA-8900:エリオニクス社製)を用いて、倍率10,000倍の二次元画像を撮影し、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事社製)を用いて、0.010000μm/pixel条件で投影面積を求め、式:円相当径=2√(投影面積/π)で円相当径を求める。
画像の濃度ムラの抑制の観点から、屈折率の異なる2種の二酸化チタン粒子が、前記トナー粒子に付着している二酸化チタン粒子(A)及び前記キャリアに付着している二酸化チタン粒子(B)であり、前記二酸化チタン粒子(A)の屈折率が、前記二酸化チタン粒子(B)の屈折率よりも低いことが好ましい。
二酸化チタン粒子(A)及び二酸化チタン粒子(B)の屈折率を、上記構成にすることで、画像の濃度ムラが抑制される理由について、以下の様に推測される。
屈折率が低い二酸化チタン粒子(A)は、屈折率の高い二酸化チタン粒子(B)と比較して、負極性が高い傾向にあると推測される。そして、二酸化チタン粒子(B)をキャリアに付着させ、二酸化チタン粒子(A)をトナー表面に付着させることで、トナー及びキャリア間に適度な電位差が生じ、帯電特性が向上する。
また、外添剤として含まれる脂肪酸金属塩粒子は正極性を有する。このため、脂肪酸金属塩粒子は、静電的な相互作用により、負極性の高い二酸化チタン粒子(A)を優先的に付着する。これにより、キャリア表面において二酸化チタン粒子(A)及び二酸化チタン粒子(B)の混在が抑制される。また、キャリア表面に二酸化チタン粒子(A)及び二酸化チタン粒子(B)が混在したとしても、外添剤として含まれる研磨剤により研磨される。
つまり、キャリア表面に2種の二酸化チタン粒子が混在することで引き起こる、部分的な電荷交換性の低下を、より抑制できる。
そのため、画像の濃度ムラが抑制されると推測される。
画像の濃度ムラ抑制の観点から、二酸化チタン粒子(A)と二酸化チタン(B)の屈折率の差は、0.1以上0.8以下であることが好ましく、0.2以上0.6以下であることがより好ましく、0.2以上0.4以下であることが更に好ましい。
二酸化チタン粒子(A)の屈折率は、2.0以上2.4未満であることが好ましく、2.1以上2.4未満であることがより好ましく、2.2以上2.4未満であることが更に好ましい。
また二酸化チタン粒子(B)の屈折率は、2.4以上2.8以下であることが好ましく、2.6以上2.8以下であることがより好ましく、2.6以上2.7以下であることが更に好ましい。
二酸化チタン粒子(A)の屈折率が2.0以上の場合、トナーの過度な帯電が抑制されやすくなるため好ましい。
二酸化チタン粒子(A)の屈折率が2.4未満の場合、トナーが現像に求められる帯電電位となりやすいため好ましい。
そして、二酸化チタン粒子(A)の屈折率が2.0以上2.4未満の場合、画像の濃度ムラが抑制されるため好ましい。
二酸化チタン粒子(B)の屈折率が2.4以上の場合、トナーの過度な帯電が抑制されやすくなるため好ましい。
二酸化チタン粒子(B)の屈折率が2.8以下の場合、トナーが現像に求められる帯電電位となりやすいため好ましい。
そして、二酸化チタン粒子(B)の屈折率が2.4以上2.8以下の場合、画像の濃度ムラが抑制されるため好ましい。
二酸化チタン粒子の屈折率の測定は、先ず、トナー又は現像剤を超音波処理し、得られた外添剤を、遠心分離機を用いて分離し、高比重の二酸化チタン粒子を分離する。得られた二酸化チタン粒子を例えばJIS K7142(2014)に示される測定方法を用いて、屈折率を測定する。
結晶子径の異なる2種の二酸化チタン粒子が、前記トナー粒子に付着している二酸化チタン粒子(A)及び前記キャリアに付着している二酸化チタン粒子(B)であり、前記二酸化チタン粒子(B)の結晶子径が、前記二酸化チタン粒子(A)の結晶子径よりも大きいことが好ましい。
二酸化チタン粒子(A)及び二酸化チタン粒子(B)の結晶子径について、上記構成にすることで、画像の濃度ムラが抑制される理由について、以下の様に推測される。
結晶子径が高い二酸化チタン粒子(B)は、結晶子径の低い二酸化チタン粒子(A)と比較して、導電性が高く帯電性が低い傾向にあると推測される。そして、二酸化チタン粒子(B)をトナーに付着させ、二酸化チタン粒子(A)をキャリア表面に付着させることで、トナー及びキャリア間に適度な電位差が生じ、帯電特性が向上する。
また、外添剤として含まれる脂肪酸金属塩粒子は正極性を有する。このため、脂肪酸金属塩粒子は、静電的な相互作用により、導電性が高く帯電性が低い二酸化チタン粒子(B)を優先的に付着する。これにより、キャリア表面への二酸化チタン粒子(B)の移行が抑制される。また、キャリア表面へ二酸化チタン粒子(B)が移行したとしても、外添剤として含まれる研磨剤により研磨されるため、キャリア表面には二酸化チタン粒子(A)の存在割合が多くなる。
つまり、キャリア表面に2種の二酸化チタン粒子が混在することで引き起こる、部分的な電荷交換性の低下を、より抑制できる。
そのため、画像の濃度ムラが抑制されると推測される。
画像の濃度ムラ抑制の観点から、二酸化チタン粒子(A)と二酸化チタン(B)の結晶子径の差(絶対値)は、24nm以上32nm以下であることが好ましく、25nm以上31nm以下であることがより好ましく、26nm以上30nm以下であることが更に好ましい。
二酸化チタン粒子(A)の結晶子径は、12nm以上16nm未満であることが好ましく、13nm以上15nm未満であることがより好ましく、14nm以上15nm未満であることが更に好ましい。
また二酸化チタン粒子(B)の結晶子径は、40nm以上44nm以下であることが好ましく、41nm以上43nm以下であることがより好ましく、42nm以上43nm以下であることが更に好ましい。
二酸化チタン粒子(A)の結晶子径が12nm以上の場合、トナーの過度な帯電が抑制されやすくなるため好ましい。
二酸化チタン粒子(A)の結晶子径が16nm未満の場合、トナーが現像に求められる帯電電位となりやすいため好ましい。
そして、二酸化チタン粒子(A)の結晶子径が12nm以上16nm未満の場合、画像の濃度ムラが抑制されるため好ましい。
二酸化チタン粒子(B)の結晶子径44nm以上の場合、トナーの過度な帯電が抑制されやすくなるため好ましい。
二酸化チタン粒子(B)の結晶子径が40nm以下の場合、トナーが現像に求められる帯電電位となりやすいため好ましい。
そして、二酸化チタン粒子(B)の結晶子径が40nm以上44nm以下の場合、画像の濃度ムラが抑制されるため好ましい。
本実施態様における「結晶子」とは、多結晶体を構成する個々の単結晶、又は、非晶質中に観測される単結晶を意味する。
また、本実施態様における「結晶子径」は、結晶体を構成する最小単位の結晶子の平均径を表す。
本実施形態におけるチタン酸化物粒子の結晶子径の測定方法は、以下の通りである。
本実施形態における結晶子径は、次のようにして求める。
X線回折装置を用いて、目的の結晶体を測定し、以下のScherrerの式から求める。
D=K×λ/(β×cosθ)
D:結晶子径(nm)、
K:Scherrer定数、
λ:X線波長、
β:回折線の拡がり、
θ:回折角(2θ/θ)
二酸化チタン粒子(A)の結晶構造はアナターゼ型であり、二酸化チタン粒子(B)の結晶構造はルチル型であることが好ましい。
画像の濃度ムラの抑制の観点から、二酸化チタン粒子(A)の含有量は、二酸化チタン粒子(B)の含有量に対して0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、0.4質量%以上1質量%以下であることが更に好ましく、0.5質量%以上0.6質量%以下であることがもっとも好ましい。
二酸化チタン粒子(A)及び二酸化チタン粒子(B)の合計の含有量は、静電荷像現像剤全質量に対して0.1質量%以上0.8質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上0.6質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以上0.4質量%以下であることが更に好ましい。
-脂肪酸金属塩粒子-
脂肪酸金属塩粒子は、脂肪酸と金属とからなる塩の粒子であり、正帯電性を有する。
脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸の何れでもよい。脂肪酸の炭素数は、10以上25以下(好ましくは、12以上22以下)の脂肪酸が挙げられる。なお、脂肪酸の炭素数は、カルボキシ基の炭素を含む。
脂肪酸としては、例えば、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等の不飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸;が挙げられる。これらの脂肪酸の中でも、画像の濃度ムラの抑制の観点から、ステアリン酸、ラウリン酸が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。
金属としては、2価の金属がよい。金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、バリウム、亜鉛が挙げられる。これらの中でも、画像の濃度ムラの抑制の観点から、金属は、亜鉛が好ましい。
脂肪酸金属塩粒子としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸銅、ステアリン酸鉛、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸ナトリウム等のステアリン酸の金属塩;パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム等のパルミチン酸の金属塩;ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸マンガン、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸鉄、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸アルミニウム等のラウリン酸の金属塩;オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸アルミニウム、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム等のオレイン酸の金属塩;リノール酸亜鉛、リノール酸コバルト、リノール酸カルシウム等のリノール酸の金属塩;リシノール酸亜鉛、リシノール酸アルミニウム等のリシノール酸の金属塩;などの各粒子が挙げられる。
これらの中でも、画像の濃度ムラの抑制の観点から、脂肪酸金属塩粒子としては、脂肪酸亜鉛粒子が好ましく、ステアリン酸亜鉛粒子、又はラウリン酸亜鉛粒子がより好ましく、ステアリン酸亜鉛粒子がさらに好ましい。
脂肪酸金属塩粒子の製造方法としては、特に限定されず、例えば、脂肪酸アルカリ金属塩をカチオン置換する方法;直接脂肪酸と水酸化金属とを反応させる方法;などが挙げられる。
脂肪酸金属塩粒子として、ステアリン酸亜鉛粒子の製造方法を例に挙げると、例えば、ステアリン酸ナトリウムをカチオン置換する方法;ステアリン酸と水酸化亜鉛とを反応させる方法;などが挙げられる。
脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径は、0.5μm以上3.0μm以下が好ましく、1.0μm以上2.5μm以下がより好ましい。
脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径は、次の方法により測定された値である。
ヨウ化カリウム等を溶解させることにより比重1.5以上2.0以下に調整した水に界面活性剤を添加した水溶液に、現像剤を分散させる。その後、分散液を24時間放置することで水溶液よりも比重の軽いトナー粒子および脂肪酸金属塩粒子は、水溶液上部に分離し、水溶液よりも比重の重いキャリア、二酸化チタン粒子及び研磨剤は水溶液の下部に沈殿する。水溶液上部に分離したトナー粒子および脂肪酸金属塩粒子を採取し、室温(25℃)で採取液を乾燥させたサンプルをSEM観察し、トナー粒子を除く粒径0.1μm以上の粒子を脂肪酸金属塩粒子とする。
そして、画像解析によって、測定対象となる脂肪酸金属塩粒子100個それぞれの円相当径を求め、その個数基準の分布における小径側から個数累積50%(50個目)の円相当径を個数平均粒径とする。
測定対象となる脂肪酸金属塩粒子100個の円相当径を求める画像解析は、解析装置(ERA-8900:エリオニクス社製)を用いて、倍率10,000倍の二次元画像を撮影し、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事社製)を用いて、0.010000μm/pixel条件で投影面積を求め、式:円相当径=2√(投影面積/π)で円相当径を求める。
また、別途、脂肪酸金属塩粒子を入手、又は現像剤から採取する場合は、入手又は採取した脂肪酸金属塩粒子を測定対象とし、上記測定を行う。
脂肪酸金属塩粒子の含有量は、画像の濃度ムラの抑制の観点から、二酸化チタン粒子(B)の含有量に対して1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上9質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上8質量%以下であることが更に好ましい。
脂肪酸金属塩粒子の含有量は、二酸化チタン粒子(B)の含有量に対して1質量%以上であると、キャリア表面への二酸化チタン粒子(B)の移行が抑制されるため好ましい。
脂肪酸金属塩粒子の含有量は、二酸化チタン粒子(B)の含有量に対して10質量%以下であると、トナーが現像に求められる帯電電位となりやすいため好ましい。
脂肪酸金属塩粒子の含有量は、トナー粒子に対して0.01質量%以上0.5質量%以下であることが好ましく、0.02質量%以上0.1質量%以下であることがより好ましく、0.03質量%以上0.06質量%以下であることが更に好ましい。
-研磨剤-
研磨剤としては、特に限定されないが、例えば、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、ジルコニア等の二酸化チタン及びシリカ以外の金属酸化物;炭化ケイ素等の炭化物;窒化ホウ素等の窒化物;ピロリン酸カルシウム粒子等のピロリン酸塩;炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩;チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等のチタン酸金属塩粒子;などの無機粒子が挙げられる。研磨剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、画像の濃度ムラの抑制の観点から、研磨剤は、チタン酸金属塩粒子が好ましく、チタン酸ストロンチウム粒子がより好ましい。
研磨剤は、例えば、疎水化処理剤により表面に疎水化処理が施されていてもよい。疎水化処理剤としては、例えば、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)を有する公知の有機珪素化合物が挙げられ、具体例には、例えば、シラザン化合物(例えばメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシランなどのシラン化合物、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン等)等が挙げられる。疎水化処理剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
研磨剤の個数平均粒径は、画像の濃度ムラの抑制の観点から、0.5μm以上5.0μm以下が好ましく、0.5μm以上3.0μm以下がより好ましい。0.5μm以上2.0μm以下が更に好ましい。
研磨剤の個数平均粒径は、次の方法により測定された値である。
ヨウ化カリウム等を溶解させることにより比重1.5以上2.0以下に調整した水に界面活性剤を添加した水溶液に、現像剤を分散させる。その後、分散液を24時間放置することで水溶液よりも比重の軽いトナー粒子および脂肪酸金属塩粒子は、水溶液上部に分離し、水溶液よりも比重の重いキャリア、二酸化チタン粒子及び研磨剤は水溶液の下部に沈殿する。水溶液下部に沈殿したキャリア、二酸化チタン粒子及び研磨剤を採取し、室温(25℃)で採取液を乾燥させたサンプルをSEM観察し、キャリア及び二酸化チタン粒子を除く粒径0.1μm以上の粒子を研磨剤とする。
そして、画像解析によって、測定対象となる研磨剤100個それぞれの円相当径を求め、その個数基準の分布における小径側から個数累積50%(50個目)の円相当径を個数平均粒径とする。
測定対象となる研磨剤100個の円相当径を求める画像解析は、解析装置(ERA-8900:エリオニクス社製)を用いて、倍率10,000倍の二次元画像を撮影し、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事社製)を用いて、0.010000μm/pixel条件で投影面積を求め、式:円相当径=2√(投影面積/π)で円相当径を求める。
また、別途、研磨剤を入手、又は現像剤から採取する場合は、入手又は採取した研磨剤を測定対象とし、上記測定を行う。
研磨剤の含有量は、二酸化チタン粒子(A)の含有量に対して1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上9質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上7質量%以下であることが更に好ましい。
研磨剤の含有量は、二酸化チタン粒子(A)の含有量に対して1質量%以上であると、キャリア表面上における2種の二酸化チタン粒子の混在が抑制されるため好ましい。
研磨剤の含有量は、二酸化チタン粒子(A)の含有量に対して10質量%以下であると、トナーが現像に求められる帯電レベルとなりやすいため好ましい。
研磨剤の含有量は、静電荷像現像剤全質量に対して0.0001質量%以上0.005質量%以下であることが好ましく、0.0002質量%以上0.001質量%以下であることがより好ましく、0.0003質量%以上0.0006質量%以下であることが更に好ましい。
-他の外添剤-
外添剤として、二酸化チタン粒子、脂肪酸金属塩粒子及び研磨剤以外の、他の外添剤を含んでもよい。
他の外添剤としては、例えば、個数平均粒径1μm以下(好ましくは500nm以下)の無機粒子(以下、「小径無機粒子」とも称する)が挙げられる。なお、小径無機粒子の個数平均粒径は、研磨剤粒子の個数平均粒径と同じ方法により測定される値である。
小径無機粒子として、SiO、CuO、SnO、Fe、BaO、CaO、KO、NaO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
他の外添剤としての小径無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、小径無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
他の外添剤としては、樹脂粒子(ポリスレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
他の外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容した現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(一次転写手段の一例)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と同極性の(-)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体は記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。また、「部」及び「%」は特に断りがない限り質量基準である。
<トナー粒子の作製>
(トナー粒子(1))
-ポリエステル樹脂分散液の調製-
・エチレングリコール〔和光純薬工業(株)製〕 37部
・ネオペンチルグリコール〔和光純薬工業(株)製〕 65部
・1,9-ノナンジオール〔和光純薬工業(株)製〕 32部
・テレフタル酸〔和光純薬工業(株)製〕 96部
上記モノマーをフラスコに仕込み、1時間をかけて温度200℃まで上げ、反応系内が攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間をかけて240℃まで温度を上げ、240℃で更に4時間脱水縮合反応を継続し、酸価が9.4mgKOH/g、重量平均分子量13,000、ガラス転移温度62℃であるポリエステル樹脂Aを得た。
次いで、ポリエステル樹脂Aを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)に毎分100部の速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクに試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cmの条件でキャビトロンを運転し、
体積平均粒径160nm、固形分30%、ガラス転移温度62℃、重量平均分子量Mwが13,000の樹脂粒子が分散された非晶性ポリエステル樹脂分散液を得た。
-着色剤粒子分散液の調製-
・シアン顔料〔PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製〕 10部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製〕 2部
・イオン交換水 80部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー〔HJP30006、(株)スギノマシン製〕により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20%の着色剤粒子分散液を得た。
-離型剤粒子分散液の調製-
・パラフィンワックス〔HNP 9、日本精鑞社製〕 50部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬製〕 2部
・イオン交換水 200部
上記成分を120℃に加熱して、IKA社製、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分20%の離型剤粒子分散液を得た。
-トナー粒子の作製-
・ポリエステル樹脂粒子分散液 200部
・着色剤粒子水分散液 25部
・離型剤粒子分散液 30部
・ポリ塩化アルミニウム 0.4部
・イオン交換水 100部
上記の成分をステンレス製フラスコに投入し、IKA社製のウルトラタラックスを用い十分に混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分保持した後、ここに上記と同じポリエステル樹脂分散液を緩やかに70部追加した。
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを8.0 に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、攪拌軸のシールを磁力シールして攪拌を継続しながら90℃まで加熱して3時間保持した。反応終了後、降温速度を2℃/分で冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに30℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで攪拌・洗浄した。この洗浄操作をさらに6回繰り返し、濾液のpHが7.54、電気伝導度6.5μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5A ろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子(1)を得た。
トナー粒子(1)の体積平均粒径D50vは5.8μmであった。
<外添剤の作製>
(研磨剤粒子の作製(Ab1))
メタチタン酸スラリーに、酸化チタンと等モル量の塩化ストロンチウムを加えた後、炭酸ガスを1L/minの流量で酸化チタンの2倍のモル量吹き込むと同時にアンモニア水を添加した。この時のpH値は8であった。沈殿物を水洗した後、110℃で24時間乾燥後、800℃で焼結させて、機械粉砕し、分級することでチタン酸ストロンチウム粒子からなる研磨剤粒子(Ab1)を作製した。得られた研磨剤粒子(Ab1)の個数平均粒径は以下のとおりである。
・研磨剤粒子(Ab1):チタン酸ストロンチウム粒子(個数平均粒径0.12μm)
(二酸化チタン粒子の作製(A2~A5、B2~B5))
-二酸化チタン粒子(A2)-
まず、イルメナイトを硫酸に溶解させ、鉄粉を分離し、TiOSOを加水分解してTiO(OH)を生成させる湿式沈降法を用いてTiO(OH)を製造した。なお、TiO(OH)の製造の過程で、加水分解と核生成のための分散調整及び水洗を行った。
水1000部中に得られたTiO(OH)100部を分散し、これにイソブチルトリメトキシシラン20部を室温(25℃)で撹拌しながら滴下した。次いで、これをろ過し、水洗を繰り返した。そして、イソブチルトリメトキシシランで表面疎水化処理されたメタチタン酸を130℃で乾燥し、体積平均粒子径20nm、BET比表面積が132m/gであり、比重が3.4である二酸化チタン粒子(A2)を作製した。
-二酸化チタン粒子(A3)-
イソブチルトリメトキシシランで表面疎水化処理されたメタチタン酸を160℃で乾燥した以外は二酸化チタン粒子(A2)と同様にして、二酸化チタン粒子(A3)を得た。
-二酸化チタン粒子(A4)-
イソブチルトリメトキシシランで表面疎水化処理されたメタチタン酸を100℃で乾燥した以外は二酸化チタン粒子(A2)と同様にして、二酸化チタン粒子(A4)を得た。
-二酸化チタン粒子(A5)-
イソブチルトリメトキシシランで表面疎水化処理されたメタチタン酸を200℃で乾燥した以外は二酸化チタン粒子(A2)と同様にして、二酸化チタン粒子(A5)を得た。
-二酸化チタン粒子(B2)-
イソブチルトリメトキシシランで表面疎水化処理されたメタチタン酸を400℃で乾燥した以外は二酸化チタン粒子(A2)と同様にして、二酸化チタン粒子(B2)を得た。
-二酸化チタン粒子(B3)-
イソブチルトリメトキシシランで表面疎水化処理されたメタチタン酸を600℃で乾燥した以外は二酸化チタン粒子(A2)と同様にして、二酸化チタン粒子(B3)を得た。
-二酸化チタン粒子(B4)-
イソブチルトリメトキシシランで表面疎水化処理されたメタチタン酸を350℃で乾燥した以外は二酸化チタン粒子(A2)と同様にして、二酸化チタン粒子(B4)を得た。
-二酸化チタン粒子(B5)-
イソブチルトリメトキシシランで表面疎水化処理されたメタチタン酸を700℃で乾燥した以外は二酸化チタン粒子(A2)と同様にして、二酸化チタン粒子(B5)を得た。
<キャリアの作製>
トルエン14部とスチレン-メチルメタクリレート共重合体(重合質量比90:10、重量平均分子量8万)2部とカーボンブラック(キャボット社製R330)0.2部とを混合しスターラーで10分間攪拌し分散液を調製した。次いで、分散液とフェライト粒子(体積平均粒径36μm)100部とを真空脱気型ニーダーに入れて60℃において30分間攪拌し、次いで、加温しながら減圧して脱気し乾燥させてキャリアを得た。
<外添キャリア(C1)の作製>
キャリア100部に二酸化チタン粒子(B)として二酸化チタン粒子(B1)0.05部を加え、V型ブレンダーにて入れ40rpmで20分間撹拌した後、目開き75μmの篩を通過させることで外添キャリア(C1)を作製した。
<外添キャリア(C2)~(C5)の作製>
二酸化チタン粒子(B)の種類及び添加量を表1記載のものに変更した以外は、外添キャリア(C1)と同様にして、外添キャリア(C2)~(C5)を得た。
<トナー(T1)の作製>
トナー粒子(1)100部に対して、二酸化チタン粒子(A)として二酸化チタン粒子(A1)1部、脂肪酸金属塩粒子(FM1)0.04部、研磨剤粒子(Ab1)0.04部及びシリカ粒子(エアロジル社製A200)2.0部を加え、ヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー(T1)を得た。
<トナー(T2)~(T11)の作製>
二酸化チタン粒子(A)、脂肪酸金属塩粒子及び研磨剤粒子の種類及び添加量を表2記載のものに変更した以外は、トナー(T1)と同様にして、トナー(T2)~(T11)を得た。
<実施例1>
そして、得られたトナー(T1)と外添キャリア(C1)とを、トナー:外添キャリア=5:95(質量比)の割合でVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、現像剤(1)を得た。
<実施例2~19、比較例1>
表3に従って、トナー及び外添キャリアの種類を変更した以外は、実施例1と同様にして、現像剤を得た。
<評価>
各例で得られた現像剤を用い、画像濃度ムラについて評価を行った。結果を表3に示す。
(画像濃度ムラの評価)
画像濃度ムラの評価は、次のようにして行った。
得られた現像剤を、正電荷トナーで現像可能な様に調整した画像形成装置「DocuCentreColor450CP(富士ゼロックス社製)」の現像装置に充填し、高温高湿(28℃、85%RH)環境下で1晩放置した後、低温低湿(10℃,15%RH)環境下で1晩放置した。
その後、低温低湿(10℃,15%RH)環境下のまま、画像密度2.5%の画像を10,000枚出力した後、画像密度80%の画像を出力し、X-rite938(X-rite社製)を用いて画像中の5か所の画像濃度を測定し平均画像濃度及び標準偏差を算出した。
評価基準は、以下の通りである。
-評価基準-
A:標準偏差≦0.1
B:0.1<標準偏差≦0.3
C:0.3<標準偏差≦0.5
D:0.5<標準偏差≦0.7
表2に記載された、二酸化チタン粒子(A)の詳細は下記の通りである。
・二酸化チタン粒子(A1):STT100H、テイカ(株)、屈折率2.2、結晶子径14nm、個数平均粒径0.02μm
・二酸化チタン粒子(A2):焼成温度を130℃にして作製した二酸化チタン粒子(商品名等)、屈折率2.1、結晶子径13nm、個数平均粒径0.02μm
・二酸化チタン粒子(A3):焼成温度を160℃にして作製した二酸化チタン粒子、屈折率2.3、結晶子径15nm、個数平均粒径0.02μm
・二酸化チタン粒子(A4):焼成温度を100℃にして作製した二酸化チタン粒子、屈折率2.0、結晶子径12nm、個数平均粒径0.02μm
・二酸化チタン粒子(A5):焼成温度を200℃にして作製した二酸化チタン粒子、屈折率2.4、結晶子径16nm、個数平均粒径0.02μm
表1に記載された、二酸化チタン粒子(B)、脂肪酸金属塩粒子及び研磨剤の詳細は下記の通りである。
・二酸化チタン粒子(B1):JMT2000、テイカ(株)、屈折率2.7、結晶子径42nm、個数平均粒径0.02μm
・二酸化チタン粒子(B2):焼成温度を400℃にして作製した二酸化チタン粒子。屈折率2.6、結晶子径41nm、個数平均粒径0.02μm
・二酸化チタン粒子(B3):焼成温度を600℃にして作製した二酸化チタン粒子屈折率2.8、結晶子径43nm、個数平均粒径0.02μm
・二酸化チタン粒子(B4):焼成温度を350℃にして作製した二酸化チタン粒子屈折率2.5、結晶子径40nm、個数平均粒径0.02μm
・二酸化チタン粒子(B5):焼成温度を700℃にして作製した二酸化チタン粒子屈折率2.9、結晶子径44nm、個数平均粒径0.02μm
・脂肪酸金属塩粒子(FM1):日油(株)のMz-2を、エルボージェット分級装置(日鉄鉱業(株)EJ-L-3(LABO))を用いて分級し、個数平均粒径:1μmとしたもの。
・脂肪酸金属塩粒子(FM2):日油(株)のMz-2を、エルボージェット分級装置(日鉄鉱業(株)EJ-L-3(LABO))を用いて分級し、個数平均粒径:5μmとしたもの。
・脂肪酸金属塩粒子(FM3):日油(株)のMz-2を、エルボージェット分級装置(日鉄鉱業(株)EJ-L-3(LABO))を用いて分級し、個数平均粒径:0.5μmとしたもの。
・脂肪酸金属塩粒子(FM4):日油(株)のMz-2を、エルボージェット分級装置(日鉄鉱業(株)EJ-L-3(LABO))を用いて分級し、個数平均粒径:10μmとしたもの。
・研磨剤粒子(Ab1):チタン酸ストロンチウム粒子(個数平均粒径1.0μm)
・研磨剤粒子(Ab2):チタン酸ストロンチウム粒子(個数平均粒径5.0μm)
・研磨剤粒子(Ab3):チタン酸ストロンチウム粒子(個数平均粒径0.5μm)
「極性」は、脂肪酸金属塩粒子の表面電位の符号を表す。
トナー種(T7)に記載された「-」は、脂肪酸金属塩粒子及び研磨剤を含まないことを示す。
表3に記載された、「(A)/(B)×100」は、静電荷像現像剤中の二酸化チタン粒子(B)の含有量に対する、二酸化チタン粒子(A)の含有量の質量%を示す。
表3に記載された、「(FM)/(A)×100」は、二酸化チタン粒子(A)の含有量に対する、脂肪酸金属塩粒子の含有量の質量%を示す。
表3に記載された、「(Ab)/(A)×100」は、二酸化チタン粒子(A)の含有量に対する、研磨剤の含有量の質量%を示す。


上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、高密度画像を繰り返し形成したときに生じる、画像の濃度ムラが抑制されていることがわかる。
1Y、1M、1C、1K 感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (12)

  1. トナー粒子を含むトナーと、
    キャリアと、
    屈折率の異なる2種の二酸化チタン粒子、脂肪酸金属塩粒子及び研磨剤を含む外添剤と、
    を含有し、
    前記屈折率の異なる2種の二酸化チタン粒子が、前記トナー粒子に付着している二酸化チタン粒子(A)及び前記キャリアに付着している二酸化チタン粒子(B)であり、
    前記二酸化チタン粒子(A)の屈折率が、前記二酸化チタン粒子(B)の屈折率よりも低
    前記二酸化チタン粒子(A)の含有量は、前記二酸化チタン粒子(B)の含有量に対して0.01質量%以上1質量%以下である、静電荷像現像剤。
  2. 前記二酸化チタン粒子(A)の屈折率が、2.0以上2.4未満であり、
    前記二酸化チタン粒子(B)の屈折率が、2.4以上2.8以下である、請求項1に記載の静電荷像現像剤。
  3. 前記二酸化チタン粒子(A)の結晶子径が12nm以上16nm未満であり、
    前記二酸化チタン粒子(B)の結晶子径が40nm以上44nm以下である、請求項2に記載の静電荷像現像剤。
  4. 前記脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径が、1.0μm以上2.5μm以下である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤。
  5. 前記脂肪酸金属塩粒子が脂肪酸亜鉛粒子であり、
    前記研磨剤がチタン酸金属塩粒子である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤。
  6. 前記脂肪酸金属塩粒子がステアリン酸亜鉛粒子であり、
    前記研磨剤がチタン酸ストロンチウム粒子である、請求項5に記載の静電荷像現像剤。
  7. 前記脂肪酸金属塩粒子の含有量は、前記二酸化チタン粒子(A)の含有量に対して1質量%以上10質量%以下である、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤。
  8. 前記研磨剤の含有量は、前記二酸化チタン粒子(A)の含有量に対して1質量%以上10質量%以下である、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤。
  9. トナー粒子を含むトナーと、
    キャリアと、
    結晶子径の異なる2種の二酸化チタン粒子、脂肪酸金属塩粒子及び研磨剤を含む外添剤と、
    を含有し、
    前記結晶子径の異なる2種の二酸化チタン粒子が、前記トナー粒子に付着している二酸化チタン粒子(A)及び前記キャリアに付着している二酸化チタン粒子(B)であり、
    前記二酸化チタン粒子(B)の結晶子径が、前記二酸化チタン粒子(A)の結晶子径よりも大き
    前記二酸化チタン粒子(A)の含有量は、前記二酸化チタン粒子(B)の含有量に対して0.01質量%以上1質量%以下である、静電荷像現像剤。
  10. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  11. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項1~請求項のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  12. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項1~請求項のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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