JP2009217055A - 静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芯材及び該芯材を被覆する樹脂被覆層を有し、キャリア磁気ブラシ時定数が2.4以上3.4以下であり、且つキャリアブラシ抵抗(ρ800/ρ300)が0.9以上であり、更に好ましくは、蛍光X線分析による各種金属Mに基づくNet強度(M Net)が、下記式(1)の関係を満たす静電荷像現像用キャリア、並びに、それを用いた静電荷像現像剤。
0.8≦〔(Al Net)/(Fe Net)〕×100≦2.5・・・式(1)
【選択図】なし
Description
上記技術が進むと、現像器内での現像剤へのストレスが激増し、トナー及びキャリアの劣化が促進される。トナーがストレスを受けると、外添剤がトナー表面に埋没したり、トナー内部成分の表面に露出し、また、キャリア劣化による現像剤抵抗の変化が見られる。また、特に現像装置を小型化する場合には、現像剤保持体径が小さくなるため、現像域が狭く且つ現像剤の受ける電界変化は大きなものとなる。
このため、現像後にキャリアの保持している電荷の減衰速度が遅いと現像されたトナーがキャリアに引き戻されて、画像の後端部に白抜けが発生する。一方、電荷減衰速度を速くするために抵抗を低くすると現像剤抵抗の電界依存性が大きくなり、画像部へのキャリア付着が発生する。
例えば、表面にインジウム層を設けた導電性粒子を樹脂被覆層に分散させたキャリアが提案されており(例えば、特許文献1、2参照)、このキャリアは抵抗調整及びある程度のコート層磨耗には効果があるとされている。また、樹脂被覆層にアルミナ粒子を添加し樹脂被覆層の磨耗を抑制したキャリアが提案されている(例えば、特許文献3参照)。さらに、樹脂被覆層が複数からなるキャリアで最下層に金属酸化物粒子を有するキャリアが提案されている(例えば、特許文献4参照)。このキャリアでは、最下層に抵抗の高い金属酸化物を含ませることでキャリアの抵抗値を高くすることができ、樹脂被覆層の磨耗に対する抵抗値変化も抑制できるとされている。
しかし、キャリアにおける電荷の減衰速度の影響によって生じる白抜けの抑制と、電界変化の影響によって生じる画像部へのキャリア付着の抑制と、の両立したという問題は解決されていない。
すなわち本発明の請求項1に係る発明は、
芯材及び該芯材を被覆する樹脂被覆層を有し、
キャリア磁気ブラシ時定数が2.4以上3.4以下であり、
且つキャリアブラシ抵抗(ρ800/ρ300)が0.9以上である静電潜像現像用キャリアである。
0.8≦〔(Al Net)/(Fe Net)〕×100≦2.5・・・式(1)
最表の樹脂被覆層がカーボンブラックを含有し、前記芯材に最も近い樹脂被覆層がAlを含む化合物を含有する請求項4に記載の静電荷像現像用キャリアである。
前記キャリアが、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリアである静電荷像現像剤である。
前記現像剤が請求項8に記載の静電荷像現像剤である画像形成装置である。
請求項2に係る発明によれば、安定な電気抵抗特性が得られ、画像へのキャリア付着を抑制することができる。
請求項3に係る発明によれば、さらに樹脂被覆層の強度が高くなりキャリア自体の抵抗変化も小さくすることができる。
請求項4に係る発明によれば、使用時のトナーに対するストレスを小さくでき、トナー表面構造の変化を抑制できる。
請求項5に係る発明によれば、画像へのキャリア付着を抑制しつつ、且つ画像部における白抜けの発生が抑制される静電荷像現像用キャリアが効率的に得られる。
請求項6に係る発明によれば、画像へのキャリア付着を抑制しつつ、且つ画像部における白抜けの発生が抑制される静電荷像現像用キャリアが効率的に得られる。
請求項7に係る発明によれば、画像へのキャリア付着を抑制しつつ、且つ画像部における白抜けの発生が抑制される静電荷像現像用キャリアが効率的に得られる。
請求項8に係る発明によれば、画像へのキャリア付着を抑制しつつ、且つ画像部における白抜けの発生が抑制される静電荷像現像剤が得られる。
請求項9に係る発明によれば、画像へのキャリア付着を抑制しつつ、且つ画像部における白抜けの発生が抑制される静電荷像現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高めることができる。
請求項10に係る発明によれば、画像へのキャリア付着を抑制しつつ、且つ画像部における白抜けの発生が抑制された高画質画像を得ることができる。
<静電荷像現像用キャリア>
本実施形態の静電荷像現像用キャリア(以下、「キャリア」という場合がある)は、芯材及び該芯材を被覆する樹脂被覆層を有し、キャリア磁気ブラシ時定数が2.4以上3.4以下であり、且つキャリアブラシ抵抗(ρ800/ρ300)が0.9以上であることを特徴とする。
このため、現像後にキャリアの保持している電荷の減衰速度が遅いと現像されたトナーがキャリアに引き戻されて、画像の後端部に白抜けが発生する。一方、電荷減衰速度を速くするために、抵抗を低くすると現像剤抵抗の電界依存性が大きくなり、画像部へのキャリア付着が発生するという問題があり、電荷減衰速度と抵抗電界依存性とを独立に制御することは困難であった。
〔1〕電荷減衰速度を速くする。
〔2〕抵抗電界依存性を小さくする。
上記のようにして〔1〕および〔2〕を制御し、キャリア磁気ブラシ時定数を2.4以上3.4以下に、且つキャリアブラシ抵抗(ρ800/ρ300)を0.9以上に制御することにより、画像へのキャリア付着を抑制しつつ、且つ画像部における白抜けの発生が抑制される。
これに対し、本実施形態に係るキャリアは、上記〔1〕および〔2〕をより良好に独立制御し、安定な電気抵抗特性を得ると共に、画像へのキャリア付着を抑制する観点から、蛍光X線分析によるNet強度比で以下の要件を満たすことがより好ましいことが見出された。
0.8≦〔(Al Net)/(Fe Net)〕×100≦2.5・・・式(1)
上記式(1)は、具体的にはキャリア中のAl成分と磁性成分との量比範囲を示しており、Al成分がどの程度芯材表面の近傍に存在するかの指標となるものである。
1.0≦〔(Al Net)/(Fe Net)〕×100≦2.0・・・式(1’)
1.0≦〔(Al Net)/(Fe Net)〕×100≦1.5・・・式(1”)
すなわち、本実施形態におけるAl成分は、樹脂被覆層を有するキャリア中の該樹脂被覆層の最表面にはほとんど存在せず、キャリア中の芯材表面の近傍に存在する。したがって、XPSにより検出されるキャリアの最表面の全元素に存在するAlの含有量はかなり少ない範囲となる。
Alの含有量が0.2原子%に満たないと、経時によって例えば樹脂被覆層が磨耗した際に、キャリアの表面抵抗特性に影響を与え画像の悪化が生じる場合があり、一方1.0原子%を超えると、帯電特性に影響を与え、芯材表面の近傍だけでなく樹脂被覆層表面にもかなりAl成分が存在し、樹脂被覆層全体として強度が低下してしまう場合がある。
本実施形態のキャリアは、芯材と該芯材を被覆する樹脂被覆層とを有して構成される。
(芯材)
本実施形態において、キャリアの芯材としては、特に制限はなく、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、又は、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、さらに磁性粉を樹脂中に分散させた磁性粉分散型キャリア等が挙げられ、この中でも、トナーに対するストレスが比較的小さくトナー表面構造の変化を少なくできる点で、磁性粉分散型キャリアが好ましい。
(MO)X(Fe2O3)Y ・・・ 式(2)
(式中、Mは、Cu、Zn、Fe、Mg、Mn、Ca、Li、Ti、Ni、Sn、Sr、Al、Ba、Co、Mo等から選ばれる少なくとも1種を含有する:またX、Yは質量mol比を示し、かつ条件X+Y=100を満たす)
上記磁性粉の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により測定することができる。
また、上記キャリアの芯材には、目的に応じて、更にその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、帯電制御剤、フッ素含有粒子などが挙げられる。
上記の溶融混練法、懸濁重合法、及びスプレードライ法はいずれも、磁性粉をあらかじめ何らかの手段により調製しておき、この磁性粉と樹脂溶液とを混合し、樹脂溶液中に磁性粉を分散させる工程を含む。
本実施形態におけるキャリアは、前記の芯材を被覆する樹脂被覆層を有する。
この樹脂被覆層には、キャリア用の樹脂被覆層の材料として用いられているものであれば公知のマトリックス樹脂が利用でき、二種類以上の樹脂をブレンドして用いてもよい。樹脂被覆層を構成するマトリックス樹脂としては、大別すると、トナーに帯電性を付与するための帯電付与樹脂と、トナー成分のキャリアへの移行を防止するために用いられる表面エネルギーの低い樹脂とが挙げられる。
また、トナーに正帯電性を付与するための帯電付与樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
導電性粒子としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が挙げられ、これらの中ではカーボンブラックが好ましい。これらの導電性粒子は体積平均粒径が1μm以下のものが好ましい。更に、必要に応じて、複数の導電性粒子を併用することができる。
樹脂被覆層(2層以上の樹脂被覆層の場合には導電性粒子が含まれる各層ごと)における導電性粒子の含有量は、樹脂被覆層の強度を保ち、またキャリアの抵抗を調整する観点から、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂の場合、ポリオレフィン系樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂又はその変性品;フッ素樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリカーボネート等が挙げられる。
一方、樹脂粒子の粒径が1.5μmを超える場合は、樹脂被覆層から樹脂粒子が脱離し易くなり、帯電付与の機能が発揮できない場合がある。また、粒径如何によっては樹脂被覆層の強度を低下させてしまう場合がある。
また、後述する2層以上の樹脂被覆層の場合、芯材に最も近くAl成分が主に含まれる層の層厚は0.1μm以上1.5μm以下であることが望ましく、0.1μm以上1.0μm以下であることがより好適である。この層の層厚が0.1μmに満たないと、Al成分を芯材表面の近傍に効率的に配置することができない場合がある。一方1.5μmを超えると、キャリアとして樹脂層を厚くする必要が生じて芯材への被覆状態が悪化したり、或いは、効果を得る為に、Al成分含有物質をある程度添加する必要があり、結果として吸水量が多くなり低帯電となったり、高抵抗化してしまう場合がある。
即ち、樹脂被覆層形成用溶液(溶剤中に、樹脂被覆層を形成するマトリックス樹脂の他に、導電性粒子(導電粉)、Al成分、必要に応じて帯電制御の樹脂粒子等を含む溶液)を調製し、この樹脂被覆層形成用溶液中に芯材を浸漬する浸漬法、樹脂被覆層形成用溶液を芯材の表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で樹脂被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中で芯材と樹脂被覆層形成用溶液とを混合し、次いで、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられるが、特に、溶液を用いたものに限定されるものではない。例えば、キャリアの芯材の種類によっては、芯材と樹脂粉末とを共に加熱混合するパウダーコート法などを適宜に採用することもできる。更に、樹脂被覆層を形成した後に、電気炉やキルンなどのような装置により加熱処理することもできる。
上記Al成分は、具体的にはAlを含む化合物である。より具体的には、Alを含む金属、金属酸化物等の金属化合物である。
なお、上記体積平均1次粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マスターサイザー2000、マルバーン社製)を用いて行った。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、2分待って、セル内の濃度が安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積粒度分布に関し、粒径の小さい方から累積して累積50%になったところを体積平均粒径とし、これを外添剤粒子の体積平均1次粒子径とした。
第1の態様は、樹脂被覆層にAl成分を含有させ、これらの成分を芯材表面の近傍に存在させたものである。具体的には、樹脂中に磁性粉が分散されて構成される芯材上に2層以上の樹脂被覆層を有し、最表の樹脂被覆層がカーボンブラックを含有し、芯材に最も近い樹脂被覆層(最下層)がAlを含む化合物を含有する構成となっている。
この場合、最表層と最下層とに含まれるカーボンブラックの量比(最表層/最下層)は、1.0以上とすることが望ましい。
樹脂被覆層中にカーボンブラックが含まれる理由は、前記の通りである。なお、本態様においても前記同様樹脂被覆層を2層以上として、最下層にAl成分を含有させる構成としても良い。
キャリアの磁力が170emu/cm3未満の場合、現像剤保持体上での磁気的ストレスは低減し画像白抜けの画質欠陥には効果が見られるが、現像剤保持体との磁気的拘束力が弱くなるために、現像剤保持体からのトナーやキャリアの飛散が生じ他の部材を汚染することに起因する画質欠陥や感光体上へのキャリア付着に起因する画質欠陥を招く恐れがある。また、キャリアの磁力が250emu/cm3を超える場合、現像剤保持体との磁気的束縛力が大きくなるため、トナーに対するストレスが大きくなりトナー表面に外添剤が埋没し外添剤の緩衝的機能を発現できなくなり、画像白抜けの画質欠陥を招く場合がある。
ここで、キャリアの磁力は、振動試料型磁力計BHV−525(理研電子(株)製)を用い、VSM用常温サンプルケース粉末用(H−2902−151)に一定量サンプルを採り、正秤した後に1kOeの磁場中にて、測定した。
キャリアの球形度が0.980未満の場合、キャリアとしての流動性が悪くなり、現像剤としての流動性が不足することで、結果的に、磁気ブラシの均一性を得ることができない場合がある。
測定サンプルとして、キャリア200mgをエチレングリコール水溶液30mlに添加・攪拌し、上澄み水溶液を除去した残渣中のキャリアを用いて、以下の方法で測定した。測定は、FPIA−3000(シスメックス社製)を使用し、撮影された少なくとも5000個以上各々のキャリア粒子に対して画像解析を行い、統計処理することによって、平均円形度を求めた。ここで、個々の円形度は下記式(3)に基づいて求めた。
式(3): 円形度=円相当径周囲長/周囲長=[2×(A×π)1/2]/PM
(上記式(3)において、Aはキャリア粒子の投影面積、PMはキャリア粒子の周囲長を表す。)
なお、測定はHPFモード(高分解能モード)、希釈倍率10倍で行った。また、データの解析に当たっては、測定ノイズ除去の目的で、個数粒径解析範囲を3〜80μmの範囲、円形度解析範囲を0.850乃至1.000の範囲で実施した。
キャリアの体積平均粒径が25μm未満の場合、キャリア粒子1個当たりの磁力が弱まり、現像剤保持体への磁気的拘束力が弱まり、感光体へのキャリアの付着が生じる場合がある。また、キャリアの体積平均粒径が100μmを超える場合、粒子形状が球状から歪み、細線再現性が悪くなる場合がある。
ここで、キャリアの体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定された値をいう。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、全核体に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
本実施形態の静電荷像現像剤(以下、「現像剤」という場合がある)は、既述の本実施形態のキャリアとトナーとを含んで構成される。以下、本実施形態に用いられるトナーについて説明する。
前記トナーは、具体的には結着樹脂及び着色剤を含み、必要に応じて、離型剤やその他の成分を含有するトナー母粒子に、金属酸化物等の外添剤が外添されてなる。以下、これらの成分についてより詳細に説明する。
トナー(トナー母粒子)に用いられる結着樹脂としては、公知のものを使用できる。
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体及び共重合体を例示することができる。
これらの中では、特に、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体が好ましい。
トナー(トナー母粒子)を構成する着色剤としては、特に制限はなく、染料及び顔料のどちらでもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が好ましい。
好ましい顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジジンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料が使用できる。
以上の着色剤は、単独で使用可能な他、2種類以上組み合わせて使用してもよい。なお、着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等の各色トナーが得られる。
本実施形態におけるトナーには、必要に応じて、離型剤や帯電制御剤などのその他の成分が内添されてもよい。
離型剤は、一般に離型性を向上させる目的で使用される。離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられる。本発明において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
離型剤の融解温度としては50℃以上120℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。離型剤の融解温度が50℃未満では離型剤の変化温度が低すぎ、耐ブロッキング性が劣ったり、複写機内温度が高まった時に現像性が悪化したりする場合がある。
湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
また、上記方法で得られたトナー母粒子をコア粒子にして、更に樹脂粒子を付着させた後、加熱融合してコアシェル構造を有するトナーを製造することもできる。
これらの金属酸化物粒子は単独で用いても、また複数種を混合して用いても良い。また、これらのトナーに対する添加量は特に制限はないが、0.1質量%以上10質量%以下の範囲で好ましく用いられる。より具体的には、0.2質量%以上6質量%以下程度の範囲である。
更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機などを使って、得られたトナー中の粗大粒子を取り除いてもよい。
トナーの体積平均粒径が8μmを超えると、細線の再現性、ハーフトーンの粒状性等の画質が悪化し、写真画質等を出力した際、良好な画質を得ることが難しくなる場合がある。また、トナーの体積平均粒径が2μm未満の場合、粉体特性及び帯電特性が非常に悪化し、従来の画像形成装置による高速での出力は困難となる場合がある。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg乃至50mg加える。これを電解液100ml乃至150ml中に添加する。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm乃至60μmの範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
形状係数SF1が120未満であると、感光体上の転写残トナーのブレードクリ−ニング性を損ない、140を超えるとトナーの流動性が低下し、初期から転写性に悪影響を及ぼすことがある。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(5)
上記式(5)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
次に、本実施形態の静電荷像現像剤を用いた画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤として前記本実施形態の静電荷像現像剤を用いるものである。
以下、本実施形態の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
本実施形態のプロセスカートリッジは、現像剤保持体を少なくとも備え、前記本実施形態の静電荷像現像剤を収めるものである。
図2は、本実施形態の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置(現像剤保持体)111、クリーニングブレードを備えた感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、300は記録紙である。
まず、実施例、比較例で用いたキャリア、トナー等の物性測定方法について説明する。
(樹脂の分子量)
樹脂の分子量分布は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回折粒度測定器(島津製作所製、SALD2000A)で測定した。
キャリア磁気ブラシ時定数の測定方法を、図3(A)を用いて説明する。
本実施例におけるキャリア磁気ブラシ時定数は、実際の現像装置と像保持体(感光体)との構成におけるキャリア磁気ブラシ電位の時定数である。現像剤保持体32A表面に磁気ブラシを形成させ、像保持体30A表面に設置した金属板36Aに実際の現像装置と同じ配列になるように対向させ、現像剤保持体32Aおよび像保持体30Aに直流電圧を印加し金属板36Aの表面電位を測定し、金属板36Aの表面電位が印加電位の20%と80%になる時間の遅れ時間(ms)を測定して、そのキャリアの時定数とした(現像剤保持体32A:φ30、長さ90mm)。
対向電極:φ85、長さ110mmの像保持体30A+金属板(アルミ板)36A
現像剤保持体32A上のキャリア量:50mg/mg
現像剤保持体32A−対向電極の距離:0.35mm
印加電位:300V
測定環境:温度20℃、湿度50%RH
キャリア時定数=Log(遅れ時間)
キャリアブラシ抵抗の測定方法を、図3(B)を用いて説明する。
本実施例におけるキャリアブラシ抵抗は、実際の現像装置と像保持体(感光体)との構成における電気抵抗である。現像剤保持体32B表面に磁気ブラシを形成させ、像保持体と同一サイズの対向電極(アルミパイプ)30Bを実際の現像装置と同じ配置になるように対向させ、現像剤保持体32Bおよびアルミパイプ30Bに直流電圧を印加し、電流値から求めた抵抗を現像剤38Bで覆われた現像剤保持体32Bの長さ(単位:cm)で割った値である。
現像剤保持体32B:φ30、長さ90mm
対向電極(アルミパイプ)30B:φ85、長さ110mm
現像剤保持体32B上のキャリア量:50mg/mg
現像剤保持体32B−対向電極の距離:0.5mm
印加電位:300V、800V
測定環境:温度20℃、湿度50%RH
キャリアブラシ抵抗(ρ)
=Log((現像剤保持体32B長さ)/距離×印加電位/電流値)
=Log(90/0.5×印加電位/電流値)=Log(180×印加電位/電流値)
蛍光X線解析装置(島津製作所社製、XRF−1500)を用いて、キャリア0.6gにセルロースを混合しディスクを成型し、X線出力40V−70mA、測定面積10mm(直径)、測定時間15分の条件で、定性定量全元素分析法にて測定し、このデータの特定しようとする金属のKα強度をNet強度とした。なお、このピークに他の元素のピークが重なる場合には、ICP発光分光法や、原子吸光法にて解析したうえで、前記特定金属分の強度を求めることができる。
キャリア表面の全元素に対するAlの含有量は、X線光電子分光法(XPS)により以下の測定により求めた。
測定器:日本電子株式会社製、JPS−9000MX
測定強度:10kV、30mA
Source:MgKα
分析領域:6mm×6mm
上記測定器および測定条件にて得られた各元素に由来するピーク強度より鉄元素の含有量を算出した。なお、Arイオン等によるエッチングは行っていないことから、測定深さは5nm程度と考えられる。
(Alを含む金属化合物粒子)
樹脂被覆層、芯材添加用の金属化合物粒子として、以下を用意した。
−アルミナ粒子−
アルミナ粒子としては、体積平均1次粒径が0.20μmのAl2O3粒子をデシルシランにより15%シランカップリング処理したものを用いた。
AlCl3及びTiCl4を分離した蒸発装置で気化し、かつこれらのクロリド蒸気を窒素によりバーナー混合層に導入し、これらを水素、乾燥空気および酸素と混合し、反応層にて燃焼させた。その後、反応生成物を1100℃に冷却、分離した。更に500〜700℃の温度の湿った空気にて処理することにより150〜200の下記粒子を得た。
・ドープTi(1)(Alドープ量:32%)
・ドープTi(2)(Alドープ量:15%)
・ドープTi(3)(Alドープ量:48%)
−芯材粒子(1)−
ヘンシェルミキサーに、体積平均粒径0.25μmの球状マグネタイト粒子粉末500部を投入し、十分に攪拌した後、チタネート系カップリング剤3.0部を添加し、100℃まで昇温し30分間良く混合攪拌することによりチタネート系カップリング剤被覆された球状マグネタイト粒子を得た。次に、1Lの四つ口フラスコに、フェノール65部、35%ホルマリン98部、親油化処理された上記マグネタイト粒子500部、25%アンモニア水15部、及び水65部を投入し攪拌混合した。次に、攪拌しながら60分間で85℃に上昇させ、同温度で120分間反応させた。その後、25℃まで冷却し、500mlの水を添加した後、上澄み液を除去、沈殿物を水洗した。
150℃乃至180℃で乾燥して、体積平均粒径35μmの芯材粒子を得た。
芯材粒子(1)の作製において、混合時に粉体としてマグネタイトに加えて、前記ドープチタニア(1)20部を添加した以外は、芯材粒子(1)の作製に準じて、体積平均粒径35μmの芯材粒子(2)を得た。
−樹脂被覆層形成液(A1)(最表層形成用)−
下記組成の成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、樹脂被覆層形成液(A1)を調製した。
・トルエン:85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比:75/25):15部
・カーボンブラック(Regal330、キャボット社製):3.7部
−樹脂被覆層形成液(A2)(最表層形成用)−
下記組成の成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、樹脂被覆層形成液(A2)を調製した。
・トルエン:85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比:75/25):15部
・カーボンブラック(Regal330、キャボット社製):2.4部
−樹脂被覆層形成液(A3)(最表層形成用)−
下記組成の成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、樹脂被覆層形成液(A3)を調製した。
・トルエン:85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比:75/25):15部
・カーボンブラック(Regal330、キャボット社製):2.1部
−樹脂被覆層形成液(A4)(最表層形成用)−
下記組成の成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、樹脂被覆層形成液(A4)を調製した。
・トルエン:85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比:75/25):15部
・カーボンブラック(Regal330、キャボット社製):1.6部
−樹脂被覆層形成液(A5)(最表層形成用)−
下記組成の成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、樹脂被覆層形成液(A5)を調製した。
・トルエン:85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比:75/25):15部
・カーボンブラック(Regal330、キャボット社製):4.3部
下記組成の成分を60分間スターラーにて攪拌/分散し、樹脂被覆層形成液(B1)を調製した。
・前記アルミナ粒子:3.0部
・MEK:85部
・ポリウレタンイソシアネート:15部
樹脂被覆層形成用溶液(B1)の調製において、アルミナ粒子の代わりに、表1に各々示した金属化合物粒子、カーボンブラック(CB)を表1に記載の量用いた以外は、同様にして樹脂被覆層形成液(B2)乃至(B5)を各々調製した。
芯材粒子(1)100部と樹脂被覆層形成液(B1)1.0部とを真空脱気型ニーダに入れ、90℃で30分攪拌した後、30分間、−96kPaで乾燥して第一樹脂被覆層(下層)を有する磁性粒子を得た。次いで、この磁性粒子100部と樹脂被覆層形成液(A1)13.8部とを真空脱気型ニーダに入れ、90℃で30分攪拌した後、−65kPaで5分、−70kPaで3分攪拌した後更に減圧して脱気、乾燥させ第二樹脂被覆層(最表層)を形成した。
これを冷却した後に目開き75μmの篩にて凝集による粗大粉を除去し、体積平均粒径が36μmのキャリアAを得た。
キャリアAの作製において、第一樹脂被覆層(下層)形成時に用いる樹脂被覆層形成液(B1)の代わりに表1に各々示した樹脂被覆層形成液を用い、また、第二樹脂被覆層(最表層)形成時に用いる樹脂被覆層形成液(A1)の代わりに表1に各々示した樹脂被覆層形成液およびその量を用いた以外は、キャリアAの作製に準じてキャリアB乃至F、I乃至Kを作製した。
なお、これらのキャリアにおける体積平均粒径キャリアAと同程度であった。
キャリアAの作製において、芯材粒子(1)の代わりに芯材粒子(2)を用い、樹脂被覆層は樹脂被覆層形成液(1)を用いて最表層のみを形成した以外は、キャリアAの作製に準じてキャリアGを作製した。
このキャリアGの体積平均粒径は37μmであった。
キャリアAの作製において、芯材粒子(1)の代わりにMn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)を用いまた、第二樹脂被覆層(最表層)形成時に用いる樹脂被覆層形成液(A1)の量を表1に記載の量に変更した以外は、キャリアAの作製に準じてキャリアHを作製した。
このキャリアHの体積平均粒径は36μmであった。
芯材として芯材粒子(1)を用い、樹脂被覆層を形成せずそのままのものをキャリアLとした。
このキャリアMの体積平均粒径は35μmであった。
また、前述の方法によりX線光電子分光法(XPS)による最表面における全元素に対するAlの含有量についても測定を行った。
結果を前記各組成とともに表1にまとめて示す。
(トナー(1))
−樹脂粒子分散液の調製−
・スチレン(和光純薬製):320部
・n−ブチルアクリレート(和光純薬製):80部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):9部
・1,10−デカンジオールジアクリレート(新中村化学工業製):1.5部
・ドデカンチオール(和光純薬製):2.7部
上記の各成分を混合溶解し、これをアニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウ・ケミカル日本製)4部を含有するイオン交換水550部に溶解し、更に攪拌槽中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで、系内の窒素置換を十分に行った後、攪拌槽内を攪拌しながら攪拌槽ジャケットを槽内温度が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより体積平均粒径240nm、固形分量42.9%、ガラス転移点50.6℃、Mw33900、Mn10200の樹脂粒子分散液を得た。
・Magenta顔料(C.I.Pigment Red 122):90部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR):10部
・イオン交換水:240部
上記の各成分を攪拌槽で混合し、これを分散圧力245MPaに設定したアルティマイザーHJP−25008(株式会社スギノマシン製)を用いて分散処理し、着色剤粒子分散液を調製した。着色剤粒子分散液における着色剤の平均粒径は125nmであった。
・パラフィンワックス(PolyWax850、東洋ペトロライト社製):30部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR):2.5部
・イオン交換水:67.5部
上記の成分を95℃に加熱して、ホモジナイザーを用いて分散した後、ダイノーミルで分散処理してワックス分散液(離型剤分散液)を得た。分散ワックスの平均粒径は240nmであった。
なお、これらの樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、離型剤分散液の粒径測定には、マイクロトラック(日機装(株)製、マイクロトラックUPA9340)を用いた。
(凝集工程)
・イオン交換水:400部
・樹脂粒子分散液:240部
・着色剤粒子分散液:64部
・離型剤分散液:56部
・無機粒子分散液(日産化学社製、スノーテックスOL):12部
・無機粒子分散液(日産化学社製、スノーテックスOS):10部
以上の混合成分を攪拌槽中に投入し、ホモジナイザーで十分に混合・分散した後、凝集剤〔浅田化学社製、ポリ塩化アルミニウム〕0.5部と、イオン交換水100部との混合液を、攪拌槽を攪拌しながら10分間かけて添加し、添加終了後そのまま40℃まで緩やかに加熱して30分間保持した後49℃まで加熱した。49℃で40分保持した後、コールター−マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)で粒径を測定すると体積平均粒径4.8μmの凝集粒子が生成していることが確認された。更に、加熱用ジャケットの温度を上げて52℃で40分間保持した。
上記のように調製した凝集粒子を含む分散液に、更に、前記樹脂粒子分散液65部を緩やかに添加し、更に加熱用ジャケットの温度を上げて53℃で1時間保持した。得られた付着粒子について、体積平均粒径を測定すると5.7μmであった。
次に、pHが6.0になるように1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加した後、攪拌を継続しながら85℃まで緩やかに加熱し60分間保持した。その後96℃まで加熱し、1mol/リットルの硝酸水溶液をpH5.0になるまで加え、5時間保持した。
その後、得られたトナースラリーを40℃まで冷却し、更にこのスラリーを目開き15μm網で篩分処理した後、フィルタープレス(東京エンジニアリング社製)でろ過した。
このトナーケーキをランデルミルRM−1(徳寿工作所製)にて解砕し、乾燥原料としての湿潤トナーを得て、これを気流式乾燥機として、フラッシュジェットドライヤ(セイシン企業製)を用い、乾燥を実施し、体積平均粒径6.0μmのマゼンタトナー母粒子を得た。
キャリアA:92部と前記トナー:8部とを、Vブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、200μmの網目を有するシーブで篩うことによりMagentaの現像剤Aを作製した。
同様にして、キャリアB乃至Lを各々用いて、現像剤B乃至Lを作製した。
評価機として、DocuPrint C3200A(富士ゼロックス社製)を使用し、この評価機に現像剤Aを投入し、低温低湿(10℃、15%RH)の環境下で画像密度が30%の5cm×5cmのパッチの中に、画像密度100%の3cm×3cmのパッチがある、トータル画像濃度10%のプリントサンプルを用いて画像を出力した。評価は、初期(10枚目)と、800000枚プリント後について行った。
尚、本画像形成方法は像保持体上に静電荷像を形成する工程と、現像剤を用いて前記静電荷像を現像してトナー画像を形成する工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する工程と、前記トナー画像を熱定着する工程と、を含むものであり、プロセススピードを350mm/secとした。
上記プリントサンプルの画像の後端部側の低濃度画像の濃度低下の幅または濃度低下の度合いを、限度見本を作製して、目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
G0:後端白抜けが全く見られない状態。
G1:ルーペ使用下で後端白抜けが確認されるが、目視では、後端白抜けが見られず、実使用上問題ない状態。
G2:目視でかすかに後端白抜けが見られるが、実使用上問題ない状態。
G3:目視で後端白抜けが見られる状態。
G4:目視で明らかに後端白抜けが見られる状態。
実施例1において、現像剤Aの代わりに現像剤B乃至Lを用いた以外は、実施例1に準じて評価を行った。
結果をまとめて表2に示す。
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
30A 感光体(像保持体)
30B 対向電極(アルミパイプ)
32A、32B 現像剤保持体
34A、34B 現像装置
36A 金属板(アルミ板)
38B 現像剤
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
P、300 記録紙(被転写体)
Claims (10)
- 芯材及び該芯材を被覆する樹脂被覆層を有し、
キャリア磁気ブラシ時定数が2.4以上3.4以下であり、
且つキャリアブラシ抵抗(ρ800/ρ300)が0.9以上であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。 - 蛍光X線分析による各種金属Mに基づくNet強度(M Net)が、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用キャリア。
0.8≦〔(Al Net)/(Fe Net)〕×100≦2.5・・・式(1) - X線光電子分光法(XPS)による最表面における全元素に対するAlの含有量が0.2原子%以上1.0原子%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 前記芯材が、磁性粉が樹脂中に分散されて構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 芯材上に2層以上の樹脂被覆層を有し、
最表の樹脂被覆層がカーボンブラックを含有し、前記芯材に最も近い樹脂被覆層がAlを含む化合物を含有することを特徴とする請求項4に記載の静電荷像現像用キャリア。 - 前記芯材に最も近い樹脂被覆層が、さらにカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項5に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 前記芯材がAlを含む化合物を含有し、樹脂被覆層がカーボンブラックを含有することを特徴とする請求項4に記載の静電荷像現像用キャリア。
- キャリア及びトナーを含み、
前記キャリアが、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリアであることを特徴とする静電荷像現像剤。 - 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項8に記載の静電荷像現像剤を収めることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、
前記現像剤が請求項8に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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