JP6916727B2 - キャリア芯材 - Google Patents
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Description
原料として、Fe2O3(平均粒径:0.6μm)20.3kg、Mn3O4(平均粒径:0.9μm)9.7kg、SrCO3(平均粒径:0.6μm)0.312kgを純水10.0kg中に分散し、還元剤としてカーボンブラックを120g、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を180g、塩酸(35wt%水溶液)を151g添加して混合物とした。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、粒径10μm〜75μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から粒径25μm以下の微小な粒子は篩を用いて除去した。
この造粒物を、電気炉に投入し1200℃まで4.5時間かけて昇温した。その後1200℃で8時間保持することにより焼成を行った。その後10時間かけて室温まで冷却した。このとき、電気炉内の酸素濃度は0.5%とした。
得られた焼成物をハンマーミル(三庄インダストリー社製「ハンマークラッシャーNH−34S」,スクリーン目開き:0.3mm)で解粒、振動篩を用いて分級した。分級した焼成物を大気雰囲気下、温度460℃で1時間さらに高抵抗化処理しフェライト粒子本体を得た。
表面処理剤としてミリスチン酸(炭素数14個)0.031gを用いた以外は実施例1と同様にして平均粒径34.6μmのキャリア芯材及びキャリアを得た。
得られたキャリア芯材の粉体特性、磁気特性、ブリッジ抵抗測定法による比抵抗、キャリアの動的抵抗率などを後述の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
表面処理剤としてラウリン酸(炭素数12個)0.026gを用いた以外は実施例1と同様にして平均粒径34.5μmのキャリア芯材及びキャリアを得た。
得られたキャリア芯材の粉体特性、磁気特性、ブリッジ抵抗測定法による比抵抗、キャリアの動的抵抗率などを後述の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
表面処理剤としてデカン酸(炭素数10個)0.022gを用いた以外は実施例1と同様にして平均粒径34.1μmのキャリア芯材及びキャリアを得た。
得られたキャリア芯材の粉体特性、磁気特性、ブリッジ抵抗測定法による比抵抗、キャリアの動的抵抗率などを後述の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
原料として、塩酸(35wt%水溶液)を72g添加した以外は実施例1と同様にして平均粒径35.0μmのキャリア芯材及びキャリアを得た。
得られたキャリア芯材の粉体特性、磁気特性、ブリッジ抵抗測定法による比抵抗、キャリアの動的抵抗率などを後述の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
原料として、SrCO3(平均粒径:0.6μm)0.151kgを用い、塩酸(35wt%水溶液)を添加しなかった以外は実施例1と同様にして平均粒径35.2μmのキャリア芯材及びキャリアを得た。
得られたキャリア芯材の粉体特性、磁気特性、ブリッジ抵抗測定法による比抵抗、キャリアの動的抵抗率などを後述の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
得られたフェライト粒子本体2.2kgに対し、表面処理剤としてのオレイン酸(炭素数18個)0.1gを用いた以外は実施例5と同様にして平均粒径33.4μmの表面がオレイン酸で処理されたキャリア芯材及びキャリアを得た。
得られたフェライト粒子本体2.2kgに対し、表面処理剤としてのステアリン酸(炭素数18個)0.050gを用いた以外は実施例1と同様にして平均粒径33.9μmの表面がステアリン酸で処理されたキャリア芯材及びキャリアを得た。
得られたフェライト粒子本体2.2kgに対し、表面処理剤としてのステアリルアミン(炭素数18個)0.028gを用いた以外は実施例1と同様にして平均粒径33.9μmの表面がステアリルアミンで処理されたキャリア芯材及びキャリアを得た。
得られたフェライト粒子本体2.2kgに対し、表面処理剤としてのドデシルりん酸(炭素数12個)0.030gを用いた以外は実施例1と同様にして平均粒径35.0μmの表面がドデシルりん酸で処理されたキャリア芯材及びキャリアを得た。
原料として、Fe2O3(平均粒径:0.6μm)21.5kg、Mn3O4(平均粒径:0.9μm)7.5kg、MgO(平均粒径:0.8μm)1.0kg、SrCO3(平均粒径:0.6μm)0.25kgを純水10.0kg中に分散し、還元剤としてカーボンブラックを120g、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を180g、塩酸(35wt%水溶液)を76g添加して混合物とした。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、粒径10μm〜75μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から粒径25μm以下の微小な粒子は篩を用いて除去した。
この造粒物を、電気炉に投入し1200℃まで4.5時間かけて昇温した。その後1200℃で8時間保持することにより焼成を行った。その後10時間かけて室温まで冷却した。このとき、電気炉内の酸素濃度は1.0%とした。
得られた焼成物をハンマーミル(三庄インダストリー社製「ハンマークラッシャーNH−34S」,スクリーン目開き:0.3mm)で解粒、振動篩を用いて分級を行うことにより、平均粒径34.4μmのキャリア芯材を得た。
キャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製する際に、アクリル/スチレン混合樹脂量を66gから44gに減らした以外は比較例1と同様にして平均粒径34.4μmのキャリアを得た。
得られたキャリア芯材の粉体特性、磁気特性、ブリッジ抵抗測定法による比抵抗、キャリアの動的抵抗率などを後述の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
得られたフェライト粒子本体2.2kgに対し、表面処理剤としてシランカップリング剤である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを2.2gと、溶媒としてのメタノール550gと水22gを万能撹拌機(ダルトン社製 型式:5DM−L−03−r)を用いて30℃の温度下で1時間混合した。その後、120℃まで昇温し溶媒であるメタノールを揮発させたのち、1時間撹拌を行った。140℃に設定された送風乾燥機(エスペック社製 MODEL:PHH−102)で2時間加熱処理を行い、得られた乾燥物を、目開き75μmの振動篩にて解粒処理を行った以外は実施例5と同様にして平均粒径34.7μmの表面が表面処理剤で処理されたキャリア芯材及びキャリアを得た。
得られたキャリア芯材の粉体特性、磁気特性、ブリッジ抵抗測定法による比抵抗、キャリアの動的抵抗率などを後述の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
表面処理剤としての3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを1.1g用いた以外は比較例3と同様にして平均粒径35.1μmの表面が表面処理剤で処理されたキャリア芯材及びキャリアを得た。
得られたキャリア芯材の粉体特性、磁気特性、ブリッジ抵抗測定法による比抵抗、キャリアの動的抵抗率などを後述の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
表面処理剤としての2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを2.2g用いた以外は比較例3と同様にして平均粒径34.8μmの表面が表面処理剤で処理されたキャリア芯材及びキャリアを得た。
得られたキャリア芯材の粉体特性、磁気特性、ブリッジ抵抗測定法による比抵抗、キャリアの動的抵抗率などを後述の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
表面処理剤としてオクタン酸(炭素数8個)0.018gを用いた以外は実施例1と同様にして平均粒径34.1μmのキャリア芯材及びキャリアを得た。
得られたキャリア芯材の粉体特性、磁気特性、ブリッジ抵抗測定法による比抵抗、キャリアの動的抵抗率などを後述の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
(Feの分析)
鉄元素を含むキャリア芯材を秤量し、塩酸と硝酸の混酸水に溶解させた。この溶液を蒸発乾固させた後、硫酸水を添加して再溶解し過剰な塩酸と硝酸とを揮発させる。この溶液に固体Alを添加して液中のFe3+を全てFe2+に還元する。続いて、この溶液中のFe2+イオンの量を過マンガン酸カリウム溶液で電位差滴定することにより定量分析し、Fe(Fe2+)の滴定量を求めた。
(Mnの分析)
キャリア芯材のMn含有量は、JIS G1311−1987記載のフェロマンガン分析方法(電位差滴定法)に準拠して定量分析を行った。本願発明に記載したキャリア芯材のMn含有量は、このフェロマンガン分析方法(電位差滴定法)で定量分析し得られたMn量である。
(Mgの分析)
キャリア芯材のMg含有量は、以下の方法で分析を行った。本願発明に係るキャリア芯材を酸溶液中で溶解し、ICPにて定量分析を行った。本願発明に記載したキャリア芯材のMg含有量は、このICPによる定量分析で得られたMg量である。
(Srの分析)
キャリア芯材のSr含有量は、Mgの分析同様にICPによる定量分析で行った。
超深度カラー3D形状測定顕微鏡(「VK−X100」株式会社キーエンス製)を用い、100倍対物レンズで表面を観察して求めた。具体的には、まず、表面の平坦な粘着テープにフェライト粒子を固定し、100倍対物レンズで測定視野を決定した後、オートフォーカス機能を用いて焦点を粘着テープ面に調整した。フェライト粒子を固定した平坦な粘着テープ面に対し、垂直方向(Z方向)からレーザー光線を照射し、面のX方向Y方向に走査した。また、表面からの反射光の強度が最大となった時のレンズの高さ位置をつなぎ合わせることでZ方向のデータを取得した。これらX、YおよびZ方向の位置データをつなぎ合わせフェライト粒子表面の3次元形状を得た。なお、フェライト粒子表面の3次元形状の取り込みにはオート撮影機能を用いた。
各パラメーターの測定には、粒子粗さ検査ソフトウェア(三谷商事製)を用いて行った。まず、前処理として、得られたフェライト粒子表面の3次元形状の粒子認識と形状選別を行った。粒子認識は以下の方法で行った。撮影によって得られた3次元形状のうち、Z方向の最大値を100%、最小値を0%として最大値から最小値までの間を100等分する。この100〜35%にあたる領域を抽出し、独立した領域の輪郭を粒子輪郭として認識した。次に形状選別で粗大、微小、会合などの粒子を除外した。この形状選別を行うことで以降に行う極率補正時の誤差を小さくすることができる。具体的には面積相当径28μm以下、38μm以上、針状比1.15以上に該当する粒子を除外した。ここで針状比とは粒子の最大長/対角幅の比から算出したパラメーターであり、対角幅とは最大長に平行な2本の直線で粒子を挟んだときの2直線の最短距離を表す。
つぎに表面の3次元形状から解析に用いる部分の取り出しを行った。まず上記の方法で認識した粒子輪郭から求められる重心を中心として15.0μmの正方形を描く。描いた正方形の中に21本の平行線を引き、その線分上にあたる粗さ曲線を21本分取り出した。
フェライト粒子は略球形状であるため、取り出した粗さ曲線は、バックグラウンドとして一定の曲率を持っている。このため、バックグラウンドの補正として、最適な二次曲線をフィッティングし、粗さ曲線から差し引く補正を行った。この場合、ローパスフィルターを1.5μmの強度で適用し、カットオフ値λを80μmとした。
また、解析に用いるキャリア芯材の平均粒子径については32〜34μmに限定した。このように測定対象となるキャリア芯材の平均粒子径を狭い範囲に限定することで、曲率補正の際に生じる残渣による誤差を小さくすることができる。
キャリア芯材の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装社製「マイクロトラックModel9320−X100」)を用いて測定した。
炭素量を赤外線吸収法で測定した。具体的には、キャリア芯材1gを酸素気流中で燃焼させて、キャリア芯材に含有された炭素を二酸化炭素とし、赤外線吸収検出器(LECOジャパン株式会社製、炭素硫黄分析装置「CS−200型」)で二酸化炭素の赤外線吸収量を測定して炭素量を算出した。
室温専用振動試料型磁力計(VSM)(東英工業社製「VSM−P7」)を用いて、外部磁場を0〜79.58×104A/m(10000エルステッド)の範囲で1サイクル連続的に印加して、飽和磁化、残留磁化、保磁力及び79.58×103A/m(1000エルステッド)の磁場における磁化σ1k(Am2/kg)をそれぞれ測定した。
電極として表面を電解研磨した板厚2mmの真鍮板2枚を電極間距離が2mmとなるように配置し、2枚の電極板の間の空隙にキャリア芯材200mgを装入した後、それぞれの電極板の背後に断面積240mm2の磁石を配置して電極間にキャリア芯材のブリッジを形成させた状態で電極間に100V、1000Vの直流電圧を印加し、キャリア芯材を流れる電流値を4端子法により測定した。測定した電流値と、電極間距離2mmおよび断面積240mm2からキャリア芯材の比抵抗を算出した。
動的抵抗率は、図3に示すように、キャリア撹拌部、現像ローラとアルミ電極からなる装置を用いて測定を行った。キャリア120gを図3に示す装置に充填し、現像ローラをアルミ電極に対してギャップd=0.055cmの間隔をあけて対向させ、対向部において、現像ローラを40rpm、アルミ電極を25rpmの回転数で同一方向に回転させた。この状態で、現像ローラとアルミ電極間に300Vの直流電圧Vを印加したときの電流Iを計測し、キャリアの磁気ブラシ状態での動的抵抗率を求めた。
また、本測定においては、現像ローラとして直径30mm長さ100mmのビーズブラスト処理を施したアルミ円筒体、アルミ電極として直径30mm長さ100mmのアルミ円筒体を用い、現像ローラと規制板の距離を0.5mmとなるように調整し測定を行った。このとき、キャリアの形成する磁気ブラシとアルミ電極との接触面積Sを3.25cm2として下記に示す式により動的抵抗率の算出を行った。直流電圧源としては、松定プレシジョン社製HJPQ−1*30を用い、エィーディシー社製8240型デジタルエレクトロメーターを用いて電流Iを測定した。
動的抵抗率(Ω・cm)=(V/I)×(S/d)
(式中、V:直流電圧値,I:電流値,S:接触面積,d:現像ローラとアルミ電極との間のギャップ)
得られたキャリアと平均粒径5.0μm程度のトナーとを、ポットミルを用いて所定時間混合し、二成分系の電子写真現像剤を得た。この場合、キャリアとトナーとをトナーの質量/(トナーおよびキャリアの質量)=5/100となるように調整した。以下、全ての実施例、比較例についても同様にして現像剤を得た。
図2に示した構造の現像装置(現像ローラの周速度Vs:406mm/sec,感光体ドラムの周速度Vp:205mm/sec,感光体ドラム−現像ローラ間距離:0.3mm)に、作製した二成分現像剤を投入し、初期、1000枚印刷後、10000枚印刷後にそれぞれ評価用画像を各3枚印刷し、ゴースト現象、キャリア飛散、トナー飛散を下記の手順及び基準で評価した。表2に評価結果を示す。
前記評価機による評価用画像3枚について1枚当たり5カ所の濃度を分光濃度計(X−Rite社製のX−Rite 504)を用いて測定し下記基準で評価した。
「◎」:濃度の濃淡差の最大が0.03未満である。
「○」:濃度の濃淡差の最大が0.03以上0.06未満である。
「△」:濃度の濃淡差の最大が0.06以上0.10未満である。
「×」:濃度の濃淡差の最大が0.10以上である。
初期、1000枚印刷後、10000枚印刷後の感光体(ドラム)上のキャリアをセロハンテープによって剥がし取り、単位面積当たりの個数を計測し下記基準で評価した。
「◎」:キャリアが0個。
「○」:キャリアが1個〜5個
「△」:キャリアが6個〜10個
「×」:11個以上
トナー飛散について、良好なレベルを「○」、問題があり使用できないレベルを「×」とした。
5 感光体ドラム
Claims (8)
- フェライト粒子からなるキャリア芯材であって、
前記フェライト粒子の粒子本体の表面が表面処理剤で被覆されており、
前記フェライト粒子の粒子本体の最大高さRzが1.3μm以上3.0μm以下であり、
前記表面処理剤が炭素数10個以上22個以下で官能基(ただし、シラノール基及びアルコキシシリル基を除く。)を有する脂肪族化合物である
ことを特徴とするキャリア芯材。 - 前記官能基がカルボキシル基、アミノ基及びリン酸基の少なくとも1つである請求項1記載のキャリア芯材。
- ブリッジ抵抗測定法による電圧100V印加時の比抵抗が1.5×109Ωcm以下である請求項1又は2記載のキャリア芯材。
- ブリッジ抵抗測定法による電圧1000V印加時の比抵抗に対する電圧100V印加時の比抵抗が1倍以上10倍以下である請求項1〜3のいずれかに記載のキャリア芯材。
- 炭素含有量が0.0025質量%以上0.0120質量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載のキャリア芯材。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリア。
- 前記樹脂が(メタ)アクリル樹脂又は(メタ)アクリル/スチレン混合樹脂である請求項6記載の電子写真現像用キャリア。
- 請求項6又は7記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含むことを特徴とする電子写真用現像剤。
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