JP5957623B1 - キャリア芯材 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェライト粒子から構成されるキャリア芯材において、Srの添加による残留磁化の上昇を抑えながら粒子の凹凸化を図る。【解決手段】Fe:45〜65wt%、Mn:15〜30wt%、Sr:0.1〜5.0wt%、Ti:0.1〜2.5wt%を含有するフェライト粒子から構成されるキャリア芯材であって、Ti/Srをmol比で2.0以下とし、Srフェライトの板状結晶が表面に析出しているフェライト粒子の個数割合を10個数%以下とする。ここで、算術平均粗さRaは0.3μm以上で、1個粒子の算術平均粗さRaが0.1μm以下であるフェライト粒子の個数割合は10個数%以下であるのが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、キャリア芯材に関し、より詳細にはフェライト粒子から構成されるキャリア芯材などに関するものである。
例えば、電子写真方式を用いたファクシミリやプリンター、複写機などの画像形成装置では、感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて可視像化し、この可視像を用紙等に転写した後、加熱・加圧して溶融定着させている。高画質化やカラー化の観点から、現像剤としては、キャリアとトナーとを含むいわゆる二成分現像剤が広く使用されている。
二成分現像剤を用いた現像方式では、キャリアとトナーとを現像装置内で撹拌混合し、摩擦によってトナーを所定量まで帯電させる。そして、回転する現像ローラに現像剤を供給し、現像ローラ上で磁気ブラシを形成させて、磁気ブラシを介して感光体へトナーを電気的に移動させて感光体上の静電潜像を可視像化する。トナー移動後のキャリアは現像ローラから剥離され、現像装置内で再びトナーと混合される。このため、キャリアの特性として、磁気ブラシを形成する磁気特性と、所望の電荷をトナーに付与する帯電特性などが要求される。
このようなキャリアとして、マグネタイトや各種フェライト等の磁性粒子の表面を樹脂で被覆したものが一般に用いられている。キャリア芯材としての磁性粒子には、良好な磁気的特性と共に、トナーに対する良好な摩擦帯電特性が要求される。このような特性を満たすキャリア芯材として種々の形状のものが提案されている。
例えば特許文献1では、Srを含有し、特定の形状と磁気特性とを有する電子写真現像用フェライトキャリア芯材が提案されている。また、特許文献2では、特定の組成を有し、格子定数が特定範囲で表面酸化被膜が形成された電子写真現像用フェライトキャリア芯材が提案されている。
特開2012−159642号公報 特開2013−178414号公報 特開2012−88629号公報(比較例4)
しかしながら、Srの添加によってキャリア芯材の凹凸化を図ると、SrFe1219が生成してキャリア芯材の残留磁化が高くなる。
現像後のキャリア、すなわち、感光体表面の静電潜像にトナーが移動した後のキャリアは、現像ローラから剥離し現像装置内で再びトナーと混合する必要があるところ、キャリア芯材の残留磁化が高くなると、現像ローラからのキャリアの剥離が難しくなり、トナー付着量の少ないキャリアが再び現像領域に搬送されることになる。これにより、画像濃度ムラが発生することがある。
そこで、本発明の目的は、フェライト粒子から構成されるキャリア芯材において、Srの添加による残留磁化の上昇を抑えながら粒子の凹凸化を図ることにある。
また、本発明の他の目的は、長期間の使用においても安定して良好な画質画像を形成することができる電子写真現像剤用キャリア及び電子写真現像剤を提供することである。
前記目的を達成する本発明に係るキャリア芯材は、Fe:45〜65wt%、Mn:15〜30wt%、Sr:0.1〜5.0wt%、Ti:0.1〜2.5wt%を含有するフェライト粒子から構成されるキャリア芯材であって、Ti/Srがmol比で2.0以下であり、Srフェライトの板状結晶が表面に析出しているフェライト粒子の個数割合が10個数%以下であることを特徴とする。なお、本明細書において「〜」は特に断りのない限り、その前後に記載の数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
ここで、キャリア芯材の算術平均粗さRaは0.3μm以上であり、1個粒子の算術平均粗さRaが0.1μm以下のフェライト粒子の個数割合は10個数%以下であるのが好ましい。
キャリア芯材の残留磁化σrは0.9(A・m/kg)以下であるのが好ましい。
磁場1000(10/4π・A/m)における磁化σ1kは50〜70Am/kgの範囲であるのが好ましい。
また下記式(1)から算出されるキャリア芯材の包絡係数Eは6.0以上であるのが好ましい。
E=[(L1−L2)/L2]×100 ・・・・・・(1)
(式中、L1はキャリア芯材投影像の外周長を表し、L2はキャリア芯材投影像の包絡線の長さを表す。)
キャリア芯材の帯電量は50〜70μC/gの範囲であるのが好ましい。
また本発明によれば、前記のいずれかに記載のキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリアが提供される。
さらに本発明によれば、前記の電子写真現像用キャリアとトナーとを含む電子写真用現像剤が提供される。
本発明のキャリア芯材では、Srの添加による残留磁化の上昇を抑えることができるので、現像後のキャリアを現像ローラから剥離することが容易となる。この結果、現像領域へは現像ローラに新たに供給された、所定のトナーが付着したキャリアが搬送され画像濃度ムラが抑制される。
また、キャリア芯材の凹凸化が図られるので、樹脂被覆してキャリアとされた際にキャリア芯材の一部が外部に露出し、現像ローラ上にキャリアが連なって磁気ブラシを形成したときに、キャリア芯材の露出部分が繋がるようにしてキャリアの有する電荷(カウンターチャージ)が現像ローラに流れるようになる。これにより、カウンターチャージがキャリアに蓄積されることに起因する、感光体上に移動したトナーがキャリアに引き戻される不具合が抑制される。
また、本発明の電子写真現像剤用キャリア及び電子写真現像剤によれば、長期間の使用においても安定して良好な画質画像を形成することができる。
実施例1のキャリア芯材のSEM写真であって、板状結晶の析出が確認される部分を楕円で囲んでいる。 超深度カラー3D形状測定顕微鏡の観察画面例である。 本発明に係るキャリアを用いた現像装置の一例を示す概説図である。
本発明者等は、Srの添加によってキャリア芯材の凹凸化を図りながら、残留磁化の上昇を抑えられないか鋭意検討を重ねた結果、Srと共にTiを所定の割合で添加すればよいことを見出した。すなわち、本発明の大きな特徴の一つは、Srの含有量が0.1〜5.0wt%、Tiの含有量が0.1〜2.5wt%であって、Ti/Srのmol比が2.0以下であることにある。
Srを含有させることにより、焼成工程における昇温段階でまずSrフェライト(SrFe1219)の板状結晶が生成する。このSrフェライトの板状結晶の生成によって、次に生成するMnフェライトの粒子の周方向への結晶成長が阻害されて半径方向すなわち粒子外方への成長が促される。これによって粒子の凹凸化が進む。そして、焼成温度に達するとSrフェライトが分解する一方、Mnフェライトの生成が本格化する。その後、冷却段階において、Tiが存在しない場合にはSrフェライトの板状結晶が再び生成されるが、Tiが存在する場合にはSrフェライトよりもチタン酸ストロンチウム(SrTiO)が優先して生成される。これによってSrフェライトの再生成が抑制される。この結果、得られるフェライト粒子は、表面が凹凸で且つSrフェライトに起因する残留磁化の上昇が抑制されたものとなる。
Srの含有量が0.1wt%未満であると粒子の十分な凹凸化が図れない。一方、Srの含有量が5.0wt%を超えるとフェライト粒子の残留磁化が大きくなりすぎ、現像ローラからのキャリアの剥離が困難になる。
また、Tiの含有量が0.1wt%未満であるとSrフェライトの生成を十分には抑制できない。一方、Tiの含有量が2.5wt%を超えると、磁力が下がり過ぎキャリア飛散が多くなる。
そしてまた、Ti/Srのmol比が2.0以下であることも重要である。前記のmol比が2.0を超えると、昇温段階におけるSrフェライトの生成が抑えられ粒子の凹凸化が図れない。
本発明のキャリア芯材では、Srフェライトの板状結晶が表面に析出しているフェライト粒子の個数割合は10個数%以下である必要がある。Srフェライトの板状結晶が表面に析出しているフェライト粒子の個数割合が10個数%を超えると、残留磁化や保磁力が増加し画像濃度ムラが生じやすくなる。
フェライト粒子表面の凹凸化とSrフェライトの再析出の抑制は、前述のようにTiを添加する他、焼成工程における酸素濃度調整によっても制御できる。詳細は、後述するキャリア芯材の製造において説明する。
なお、Srフェライトの板状結晶とは、図1に示されるような粒子表面に観察される最大長と最短長を有した板状の結晶のこという。板状結晶の最大長は粒子半径以上である。また、板状結晶のアスペクト比 最大長/最短長は3以上である。
本発明のキャリア芯材の算術平均粗さRaは0.3μm以上であるのが好ましい。加えて、1個粒子の算術平均粗さRaが0.1μm以下のフェライト粒子、すなわち表面の凹凸が少ないフェライト粒子の個数割合が10個数%以下であるのが好ましい。キャリア芯材の算術平均粗さRaを0.3μm以上とし、表面の凹凸が少ないフェライト粒子を10個数%以下に抑えることによって、キャリアにカウンターチャージが蓄積されるのが抑えられ、トナーに対する良好な摩擦帯電性が得られる。
本発明のキャリア芯材の残留磁化は、0.9(A・m/kg)以下であるのが好ましい。キャリア芯材の残留磁化が0.9(A・m/kg)を超えると、キャリアの流動性、帯電付与能力が悪化し、トナー飛散が生じやすくなる。より好ましい残留磁化は、0.7(A・m/kg)〜0.9(A・m/kg)である。
本発明のキャリア芯材の磁場1000(10/4π・A/m)における磁化σ1kは50〜70Am/kgの範囲であるのが好ましい。キャリア芯材の磁化σ1kをこの範囲とすることによって、現像ローラ表面の磁気ブラシの形成と現像ローラからのキャリアの剥離の容易性とのバランスが図られる。
本発明のキャリア芯材の保持力は、11(Oe:A/m×10/(4π))未満であるのが好ましい。キャリア芯材の保持力が11(A/m×10/(4π))以上あると、キャリアの流動性、帯電付与能力が悪化しやすくなる。より好ましい保持力は、8(A/m×10/(4π))以上11(A/m×10/(4π))未満である。
また、本発明のキャリア芯材の包絡係数Eは6.0以上であるのが好ましい。粒子表面の凹凸が少ないほど包絡係数はゼロに近づく。本発明では、キャリア芯材の包絡係数Eを前記範囲とする、すなわちキャリア芯材表面に所定の凹凸を形成することによって、樹脂被覆キャリアとしたときに、キャリア芯材の凸部の一部が露出するようにした。これにより、トナーとの摩擦帯電によってカウンターチャージがキャリアに蓄積されていくのが抑制される。
本発明のキャリア芯材の帯電量は50〜70μC/gの範囲が好ましい。帯電量をこの範囲とすることによってトナーに対する良好な帯電付与性が得られ、優れた画質を得ることができる。
本発明のキャリア芯材を構成するフェライト粒子の主組成はMnフェライトであり、Feを45〜65wt%、Mnを15〜30wt%含有する。
本発明のキャリア芯材の粒径に特に限定はないが、体積平均粒子径で数十μm程度が好ましく、粒度分布はシャープであるのが好ましい。
本発明のキャリア芯材の製造方法に特に限定はないが、以下に説明する製造方法が好適である。
まず、Fe成分原料、Mn成分原料、Sr成分原料、Ti成分原料を秤量し、原料混合粉を作製する。Fe成分原料としては、Fe等が好適に使用される。Mn成分原料としては、MnCO、Mn等が好適に使用され、Sr成分原料としては、SrCO、Sr(NOなどが好適に使用され、Ti成分原料としては、TiOなどが好適に使用される。
次いで、作製した原料混合粉を仮焼成する。仮焼成の温度としては750℃〜900℃の範囲が好ましい。750℃以上であれば、仮焼による一部フェライト化が進み、焼成時のガス発生量が少なく、固体間反応が十分に進むため好ましい。一方、900℃以下であれば、仮焼による焼結が弱く、後のスラリー粉砕工程で原料を十分に粉砕できるので好ましい。また、仮焼成時の雰囲気としては大気雰囲気が好ましい。
そして、仮焼成した原料を解粒して分散媒中に投入しスラリーを作製する。なお、仮焼成することなく原料混合粉を分散媒中に投入しスラリーを作製してもよい。本発明で使用する分散媒としては水が好適である。分散媒には、前記仮焼成原料の他、必要によりバインダー、分散剤等を配合してもよい。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが好適に使用できる。バインダーの配合量としてはスラリー中の濃度が0.5質量%〜2質量%程度とするのが好ましい。また、分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム等が好適に使用できる。分散剤の配合量としてはスラリー中の濃度が0.5質量%〜2質量%程度とするのが好ましい。その他、潤滑剤や焼結促進剤等を配合してもよい。スラリーの固形分濃度は50質量%〜90質量%の範囲が望ましい。より好ましくは60質量%〜80質量%である。60質量%以上であれば、造粒品中に粒子内細孔が少なく、焼成時の焼結不足を防ぐことができる。一方、80質量%以下であれば、会合粒子が少なく、粒子形状による流動性悪化を防ぐことができる。
次に、以上のようにして作製されたスラリーを湿式粉砕する。例えば、ボールミルや振動ミルを用いて所定時間湿式粉砕する。粉砕後の原材料の体積平均粒径は10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下である。振動ミルやボールミルには、所定粒径のメディアを内在させるのがよい。メディアの材質としては、鉄系のクロム鋼や酸化物系のジルコニア、チタニア、アルミナなどが挙げられる。粉砕工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。粉砕物の粒径は、粉砕時間や回転速度、使用するメディアの材質・粒径などによって調整される。
そして、粉砕されたスラリーを噴霧乾燥させて造粒する。具体的には、スプレードライヤーなどの噴霧乾燥機にスラリーを導入し、雰囲気中へ噴霧することによって球状に造粒する。噴霧乾燥時の雰囲気温度は100℃〜300℃の範囲が好ましい。これにより、粒径10μm〜200μmの球状の造粒物が得られる。なお、得られた造粒物は、振動ふるい等を用いて、粗大粒子や微粉を除去し粒度分布をシャープなものとするのが望ましい。
次に、造粒物を所定温度に加熱した炉に投入して、フェライト粒子を合成するための一般的な手法で焼成することにより、フェライト粒子を生成させる。焼成温度としては1100℃以上1300℃以下の範囲が好ましい。焼成温度が1100℃より低い温度であると、相変態が起こりにくくなるとともに焼結も進みにくくなり、Srフェライトの板状結晶が得られず粒子の凹凸化が促進しないおそれがある。また、焼成温度が1300℃を超えると、過剰焼結による過大グレインの発生がするおそれがある。前記焼成温度に至るまでの昇温速度としては200℃/h〜500℃/hの範囲が好ましい。
ここで重要なことは、焼成工程における酸素濃度を昇温及び焼結時は高くして、冷却時は低くすることである。焼成工程における昇温及び焼結時の酸素濃度を高くすることによって、Srフェライトの板状結晶の析出を促進させて粒子の凹凸化を図る。具体的には、酸素濃度を30000ppm〜8000ppmの範囲とする。一方、冷却時は酸素濃度を低くすることによって、焼結段階で一旦分解したSrフェライトの再析出を抑制する。具体的には酸素濃度を8000ppm未満の範囲とする。これにより、Tiの添加と相まって、粒子の凹凸化が図れると同時にSrフェライトの析出の抑制が図れる。
このようにして得られたフェライト粒子を必要により解粒する。具体的には、例えば、ハンマーミル等によって焼成物を解粒する。解粒工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。そして、必要により、粒径を所定範囲に揃えるため分級を行ってもよい。分級方法としては、風力分級や篩分級など従来公知の方法を用いることができる。また、風力分級機で1次分級した後、振動篩や超音波篩で粒径を所定範囲に揃えるようにしてもよい。さらに、分級工程後に、磁場選鉱機によって非磁性粒子を除去するようにしてもよい。フェライト粒子の体積平均粒子径としては20μm〜60μmの範囲が好ましい。
その後、必要に応じて、分級後のフェライト粒子を酸化性雰囲気中で加熱して、粒子表面に酸化被膜を形成してフェライト粒子の高抵抗化を図ってもよい(高抵抗化処理)。酸化性雰囲気としては大気雰囲気又は酸素と窒素の混合雰囲気のいずれでもよい。また、加熱温度は、200℃〜800℃の範囲が好ましく、250℃〜600℃の範囲がさらに好ましい。加熱時間は0.5時間〜5時間の範囲が好ましい。
以上のようにして作製したフェライト粒子を本発明のキャリア芯材として用いる。そして、所望の帯電性等を得るために、キャリア芯材の外周を樹脂で被覆して電子写真現像用キャリアとする。
キャリア芯材の表面を被覆する樹脂としては、従来公知のものが使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリ塩化ビニリデン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリスチレン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、並びにポリ塩化ビニル系やポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エストラマー、フッ素シリコーン系樹脂などが挙げられる。
キャリア芯材の表面を樹脂で被覆するには、樹脂の溶液又は分散液をキャリア芯材に施せばよい。塗布溶液用の溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類溶媒;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒などの1種又は2種以上を用いることができる。塗布溶液中の樹脂成分濃度は、一般に0.001質量%〜30質量%、特に0.001質量%〜2質量%の範囲内にあるのがよい。
キャリア芯材への樹脂の被覆方法としては、例えばスプレードライ法や流動床法あるいは流動床を用いたスプレードライ法、浸漬法等を用いることができる。これらの中でも、少ない樹脂量で効率的に塗布できる点で流動床法が特に好ましい。樹脂被覆量は、例えば流動床法の場合には吹き付ける樹脂溶液量や吹き付け時間によって調整することができる。
キャリアの粒子径は、一般に、体積平均粒子径で10μm〜200μmの範囲、特に20μm〜60μmの範囲が好ましい。
本発明に係る電子写真用現像剤は、以上のようにして作製したキャリアとトナーとを混合してなる。キャリアとトナーとの混合比に特に限定はなく、使用する現像装置の現像条件などから適宜決定すればよい。一般に現像剤中のトナー濃度は1質量%〜15質量%の範囲が好ましい。トナー濃度が1質量%未満の場合、画像濃度が薄くなりすぎ、他方トナー濃度が15質量%を超える場合、現像装置内でトナー飛散が発生し機内汚れや転写紙などの背景部分にトナーが付着する不具合が生じるおそれがあるからである。より好ましいトナー濃度は3質量%〜10質量%の範囲である。
トナーとしては、重合法、粉砕分級法、溶融造粒法、スプレー造粒法など従来公知の方法で製造したものが使用できる。具体的には、熱可塑性樹脂を主成分とする結着樹脂中に、着色剤、離型剤、帯電制御剤等を含有させたものが好適に使用できる。
トナーの粒径は、一般に、コールターカウンターによる体積平均粒径で5μm〜15μmの範囲が好ましく、7μm〜12μmの範囲がより好ましい。
トナー表面には、必要により、改質剤を添加してもよい。改質剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアとトナーとの混合は、従来公知の混合装置を用いることができる。例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、タンブラーミキサー、ハイブリタイザー等を用いることができる。
本発明の現像剤を用いた現像方法に特に限定はないが、磁気ブラシ現像法が好適である。図3に、磁気ブラシ現像を行う現像装置の一例を示す概説図を示す。図3に示す現像装置は、複数の磁極を内蔵した回転自在の現像ローラ3と、現像部へ搬送される現像ローラ3上の現像剤量を規制する規制ブレード6と、水平方向に平行に配置され、互いに逆向きに現像剤を撹拌搬送する2本のスクリュー1,2と、2本のスクリュー1,2の間に形成され、両スクリューの両端部において、一方のスクリューから他方のスクリューに現像剤の移動を可能とし、両端部以外での現像剤の移動を防ぐ仕切板4とを備える。
2本のスクリュー1,2は、螺旋状の羽根13,23が同じ傾斜角で軸部11,21に形成されたものであって、不図示の駆動機構によって同方向に回転し、現像剤を互いに逆方向に搬送する。そして、スクリュー1,2の両端部において一方のスクリューから他方のスクリューに現像剤が移動する。これによりトナーとキャリアからなる現像剤は装置内を常に循環し撹拌されることになる。
一方、現像ローラ3は、表面に数μmの凹凸を付けた金属製の筒状体の内部に、磁極発生手段として、現像磁極N、搬送磁極S、剥離磁極N、汲み上げ磁極N、ブレード磁極Sの5つの磁極を順に配置した固定磁石を有してなる。現像ローラ3が矢印方向に回転すると、汲み上げ磁極Nの磁力によって、スクリュー1から現像ローラ3へ現像剤が汲み上げられる。現像ローラ3の表面に担持された現像剤は、規制ブレード6により層規制された後、現像領域へ搬送される。
現像領域では、直流電圧に交流電圧を重畳したバイアス電圧が転写電圧電源8から現像ローラ3に印加される。バイアス電圧の直流電圧成分は、感光体ドラム5表面の背景部電位と画像部電位との間の電位とされる。また、背景部電位と画像部電位とは、バイアス電圧の最大値と最小値との間の電位とされる。バイアス電圧のピーク間電圧は0.5〜5kVの範囲が好ましく、周波数は1〜10kHzの範囲が好ましい。またバイアス電圧の波形は矩形波、サイン波、三角波などいずれであってもよい。これによって、現像領域においてトナー及びキャリアが振動し、トナーが感光体ドラム5上の静電潜像に付着して現像がなされる。
その後現像ローラ3上の現像剤は、搬送磁極Sによって装置内部に搬送され、剥離電極Nによって現像ローラ3から剥離して、スクリュー1,2によって装置内を再び循環搬送され、現像に供していない現像剤と混合撹拌される。本発明のキャリア芯材を用いた現像剤では、剥離電極Nによる現像ローラ3からの剥離が円滑に行われる。そして汲み上げ極Nによって、新たに現像剤がスクリュー1から現像ローラ3へ供給される。これにより、画像濃度ムラが防止される。
なお、図3に示した実施形態では現像ローラ3に内蔵された磁極は5つであったが、現像剤の現像領域での移動量を一層大きくしたり、汲み上げ性等を一層向上させるために、磁極を8極や10極、12極と増やしてももちろん構わない。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
実施例1
キャリア芯材を次のようにして作製した。Feを8.0mol、Tiを0.10mol、Srを0.15mol及びMn4.0molとなるようにFe、TiO、SrCO及びMnを水に分散し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を0.6wt%添加して混合物とした。この混合物の固形分濃度は75wt%であった。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、粒径10〜75μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から、網目54μmの篩網を用いて粗粒を分離し、網目33μmの篩網を用いて微粒を分離した。
この造粒物を、電気炉に投入し1170℃まで5時間かけて昇温した。その後1170℃で15時間保持することにより焼成を行った。その後冷却速度2℃/分で500℃まで冷却した。昇温段階及び焼成温度の保持段階での電気炉内の酸素濃度は10000ppm、冷却段階での酸素濃度は5000ppmとなるよう、酸素と窒素とを混合したガスを炉内に供給した。
得られた焼成物をハンマーミルで解粒した後に振動ふるいを用いて分級し、体積平均粒径34.9μmの焼成物を得た。
次いで、得られた焼成物を大気雰囲気下450℃で1.5時間保持することにより酸化処理(高抵抗化処理)を行い、キャリア芯材を得た。
得られたキャリア芯材の組成、形状特性、磁気特性、帯電特性などを後述の方法で測定した。測定結果を表2に示す。また、図1に、実施例1のキャリア芯材のSEM写真を示す。
次に、このようにして得られたキャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製した。具体的には、シリコーン樹脂450重量部と、(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン9重量部とを、溶媒としてのトルエン450重量部に溶解してコート溶液を作製した。このコート溶液を、流動床型コーティング装置を用いてキャリア芯材50000重量部に塗布し、温度300℃の電気炉で加熱してキャリアを得た。以下、比較例についても同様にしてキャリアを得た。
得られたキャリアと体積平均粒径5.0μm程度のトナーとを、ポットミルを用いて所定時間混合し、二成分系の電子写真現像剤を得た。この場合、キャリアとトナーとをトナーの重量/(トナーおよびキャリアの重量)=5/100となるように調整した。以下、全ての比較例についても同様にして現像剤を得た。得られた現像剤について後述の実機評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例2)
焼成工程における電気炉温度を1200℃に変更した以外は実施例1同様にして平均粒径34.9μmのキャリア芯材を作成した。
(実施例3)
Tiを0.05モル、Srを0.08モルに変更した以外は実施例1同様にして平均粒径34.8μmのキャリア芯材を作成した。
(実施例4)
Tiを0.4モル、Srを0.4モルに変更した以外は実施例1同様にして平均粒径34.7μmのキャリア芯材を作成した。
(実施例5)
Tiを0.15モル、Srを0.08モルに変更した以外は実施例1同様にして平均粒径34.6μmのキャリア芯材を作成した。
(比較例1)
Tiを0.0モル、Srを0.06モル、焼成温度を1200℃3時間保持、電気炉内の酸素濃度は10000ppm一定、冷却速度を4℃/分に変更した以外は実施例1同様にして平均粒径34.6μmのキャリア芯材を作成した。
(比較例2)
Srを0.15モルに変更した以外は比較例1同様にして平均粒径34.3μmのキャリア芯材を作成した。
(比較例3)
Srを0.21モルに変更した以外は比較例1同様にして平均粒径34.2μmのキャリア芯材を作成した。
(比較例4)
Tiを0.24モル、Srを0.08モルに変更した以外は実施例1同様にして平均粒径33.8μmのキャリア芯材を作成した。
(比較例5)
Feを8.0モル、Tiを0.10モル、Srを0.15モル、Mn2.8モル、Mg1.2モルとなるようにFe、TiO、SrCO、Mn及びMgOを用い、保持時間を4時間、電気炉内の酸素濃度は5000ppm一定にした以外は実施例1同様にして平均粒径33.2μmのキャリア芯材を作成した。
(比較例6)
Tiを0.2モルに変更した以外は比較例5同様にして平均粒径33.8μmのキャリア芯材を作成した。
(組成分析)
(Feの分析)
鉄元素を含むキャリア芯材を秤量し、塩酸と硝酸の混酸水に溶解させた。この溶液を蒸発乾固させた後、硫酸水を添加して再溶解し過剰な塩酸と硝酸とを揮発させる。この溶液に固体Alを添加して液中のFe3+を全てFe2+に還元する。続いて、この溶液中のFe2+イオンの量を過マンガン酸カリウム溶液で電位差滴定することにより定量分析し、Fe(Fe2+)の滴定量を求めた。
(Mnの分析)
キャリア芯材のMn含有量は、JIS G1311−1987記載のフェロマンガン分析方法(電位差滴定法)に準拠して定量分析を行った。本願発明に記載したキャリア芯材のMn含有量は、このフェロマンガン分析方法(電位差滴定法)で定量分析し得られたMn量である。
(Mgの分析)
キャリア芯材のMg含有量は、以下の方法で分析を行った。本願発明に係るキャリア芯材を酸溶液中で溶解し、ICPにて定量分析を行った。本願発明に記載したキャリア芯材のMg含有量は、このICPによる定量分析で得られたMg量である。
(Srの分析)
キャリア芯材のSr含有量は、Mgの分析同様にICPによる定量分析で行った。
(Tiの分析)
キャリア芯材のTi含有量は、Mgの分析同様にICPによる定量分析で行った。
(磁力の測定)
磁気的特性を示す磁化の測定については、VSM(東英工業株式会社製、VSM−P7)を用いて、飽和磁化σs及び磁化σ1k、残留磁化σr、保磁力Hcをそれぞれ測定した。
(体積平均粒径)
キャリア芯材の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装社製「マイクロトラックModel9320−X100」)を用いて測定した。
(Srフェライトの板状結晶が表面に析出している粒子個数割合)
得られた粒子について走査電子顕微鏡(日本電子社製)を用いて組成像、倍率1000倍にて観察した。観察された粒子300粒子の中から粒子表面にFe−Sr−Oを成分とした板状の析出物が確認された粒子を、Srフェライトの板状結晶が粒界に析出している粒子として、1個としてカウントし、全測定数の内、その個数割合を算出した。図1に、倍率1000倍での粒子観察SEM写真を示す。このSEM写真において楕円で囲んだ部分が長方形状の結晶の析出が確認された部分である。Srフェライトの板状結晶は、粒子界面にあって、外形がほぼ長方形であることが多い。本発明にかかる偏析は、粒界に形成され、その形状は粒状の析出物と非相似形であり、明らかに軸比が異なる形状である。すなわち、板状結晶とは、倍率1000倍での粒子観察SEM像の視野において、当該視野において最大距離の長さ(μm)である最長と最短長さである最短(μm)との比であるアスペクト比 最長/最短で3以上を有するものである。また、板状結晶析出物が認められた部分をEDSマッピング像で確認したところ、SrとFe成分が多く含まれている偏析であることがわかった。また、その他矩形で囲った粒状の析出物にはSr及びTi成分が多く含まれており、SrTiO3系の析出物であることがわかった。
(算術平均粗さRaの算出)
超深度カラー3D形状測定顕微鏡(VK−X100、株式会社キーエンス製)を用い、150倍対物レンズで表面を観察して求めた。具体的には、まず表面の平坦な粘着テープにキャリア芯材の粒子を固定し、150倍対物レンズで測定視野を決定した後、オートフォーカス機能を用いて焦点を粘着テープ面に調整し、オート撮影機能を用いてキャリア芯材の粒子表面の3次元形状を取り込んだ。
各パラメータの測定には、粒子粗さ検査ソフトウェア(三谷商事製)を用いて行った。まず、前処理として、得られたフェライト粒子の粒子認識と形状選別を行った。粒子認識は以下の方法で行った。撮影によって得られた3次元形状のうち、高さ方向の最大値を100%、最小値を0%として最大値から最小値までの間を100等分する。この100〜35%にあたる領域を抽出し、独立した領域の輪郭を粒子輪郭として認識した。次に形状選別で粗大、微小、会合などの粒子を除外した。この形状選別を行うことで以降に行う極率補正時の誤差を小さくすることができる。具体的には面積相当径28μm以下、面積相当径38μm以下、針状比1.15以上に該当する粒子を除外した。ここで針状比とは粒子の最大長/対角幅の比から算出したパラメータであり、対角幅とは最大長に平行な2本の直線で粒子を挟んだときの2直線の最短距離を表す。
つぎに表面の3次元形状から解析に用いる部分の取り出しを行った。図2に、観察画面の概略図を示す。フェライト粒子の表面の中央部分に長さ15.0μmの水平方向に延びる線分31を引き、その上下に0.75μm間隔で10本ずつ平行線を追加した場合の線分上にあたる粗さ曲線を、計21本分取り出した。図2において、上側の10本の線分32a、下側の10本の線分32bを簡略的に示している。
フェライト粒子は略球形状であるため、取り出した粗さ曲線は、バックグラウンドとして一定の曲率を持っている。このため、バックグラウンドの補正として、最適な二次曲線をフィッティングし、粗さ曲線から差し引く補正を行った。この場合ローパスフィルタを1.5μmの強度で適用し、カットオフ値λを80μmとした。
算術平均粗さRaについては、粗さ曲線の絶対値の平均を示したものであり、以下の数式1に示す式によって求められる。
ここで、f(x)は粗さ曲線、Lは粗さ曲線の長さを示す。
算術平均粗さRaについては、JIS B0601(2001年度版)に準拠して行われるものである。
また、解析に用いるキャリア芯材の平均粒子径については32〜34μmに限定した。このように測定対象となるキャリア芯材の平均粒子径を狭い範囲に限定することで、曲率補正の際に生じる残渣による誤差を小さくすることができる。
なお、パラメータの平均値として、300粒子の平均値を用いることとした。
(帯電量)
キャリア芯材9.5g、市販のフルカラー機のトナー0.5gを100mlの栓付きガラス瓶に入れ、25℃、相対湿度50%の環境下で12時間放置して調湿する。調湿したキャリア芯材とトナーを振とう器で15分間振とうさせ混合する。ここで、振とう器については、株式会社ヤヨイ製のNEW−YS型を用い、126回/分、角度60°で行った。撹拌15分後の電子写真現像剤を300mg採取し、ユーテック社製のEA02と自動吸引装置を用い、吸引圧力High、分離用メッシュをSUS製の795mesh、トナーの捕集器具をフィルターカプセル(ユーテック社製EA010C)として90秒吸引後の帯電量を測定した。同一サンプルについて2回の測定を行い、これらの平均値をキャリア芯材の帯電量とした。キャリア芯材の帯電量は下記式から算出した。なお、測定環境は、温度25℃、相対湿度50%とした。
帯電量(μC/g)=実測電荷(μC)÷トナー重量
(式中、トナー重量=フィルターカプセル吸引後重量(g)−フィルターカプセル吸引前重量(g))
(包絡係数)
走査型電子顕微鏡(日本電子製「JSM−6510LA」)を用いて、加速電圧は5kV、スポットサイズは45,倍率は450倍として、粒子が重ならないように撮影した。その画像情報を、インターフェースを介してメディアサイバネティクス社製画像解析ソフト(Image−Pro PLUS)に導入して解析を行い、粒子の周囲長及び粒子の包絡線の長を求め、前記式(1)より包絡係数Eを算出した。また、包絡係数Eは、1粒子毎に算出し、300粒子の平均値を算出した。
(実機評価)
図3に示した構造の現像装置(現像ローラの周速度Vs:406mm/sec,感光体ドラムの周速度Vp:205mm/sec,感光体ドラム−現像ローラ間距離:0.3mm)に、作製した二成分現像剤を投入し、初期、1k印刷後、10k印刷後にそれぞれ評価用画像を3枚印刷し、1枚当たり5カ所の濃度を反射濃度計(東京電色社製の型番TC−6D)を用いて測定し下記基準で評価した。
「◎」:濃度の濃淡差の最大が0.1未満であり、濃度ムラが視認できない。
「○」:濃度の濃淡差の最大が0.1以上0.2未満あり、濃度ムラが視認できない。
「△」:濃度の濃淡差の最大が0.2以上0.3未満あり、濃度ムラが視認できる。
「×」:濃度の濃淡差の最大が0.3以上であり、濃度ムラが視認でき使用できない。
実施例1〜5のキャリア芯材では、残留磁化σrが0.9(A・m/kg)以下と現像ローラからの剥離が容易なものとなり、10k印刷後でも画像濃度ムラは視認できなかった。また、帯電量は52.0〜61.0μC/gの範囲と所望の帯電付与性を有していた。
これに対して、Tiを添加しなかった比較例1〜3のキャリア芯材では、Srの添加量に比例して、Srフェライトの析出したフェライト粒子が33個数%〜83個数%と多くなり、残留磁化σrも0.8〜4.2(A・m/kg)と高くなった。このため、10k印刷後に画像濃度ムラが視認された。
Ti/Srのmol比が3.0と高かった比較例4のキャリア芯材では、粒子の凹凸化が進まず帯電量は42.3μC/gと低く、1k印刷後及び10k印刷後に画像濃度ムラが視認された。
MnMgフェライト組成の比較例5,6のキャリア芯材では、所定量のSr及びTiを添加しても粒子の凹凸化が進まず、帯電量は45.3μC/g及び47.2μC/gと低く、10k印刷後に画像濃度ムラが視認された。
本発明に係るキャリア芯材によれば、Srの添加による残留磁化の上昇を抑えながら粒子の凹凸化を図ることができ有用である。
3 現像ローラ
5 感光体ドラム

Claims (8)

  1. Fe:45〜65wt%、Mn:15〜30wt%、Sr:0.1〜5.0wt%、Ti:0.1〜2.5wt%を含有するフェライト粒子から構成されるキャリア芯材であって、
    Ti/Srがmol比で2.0以下であり、
    Srフェライトの板状結晶が表面に析出しているフェライト粒子の個数割合が10個数%以下であることを特徴とするキャリア芯材。
  2. 算術平均粗さRaが0.3μm以上であり、
    1個粒子の算術平均粗さRaが0.1μm以下であるフェライト粒子の個数割合が10個数%以下である請求項1記載のキャリア芯材。
  3. 残留磁化σrが0.9(A・m/kg)以下である請求項1又は2に記載のキャリア芯材。
  4. 磁場1000(10/4π・A/m)における磁化σ1kが50〜70Am/kgの範囲である請求項1〜3のいずれかに記載のキャリア芯材。
  5. 下記式(1)から算出される包絡係数Eが6.0以上である請求項1〜4のいずれかに記載のキャリア芯材。
    E=[(L1−L2)/L2]×100 ・・・・・・(1)
    (式中、L1はキャリア芯材投影像の外周長を表し、L2はキャリア芯材投影像の包絡線の長さを表す。)
  6. 帯電量が50〜70μC/gの範囲である請求項1〜5のいずれかに記載のキャリア芯材。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリア。
  8. 請求項7記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含む電子写真用現像剤。
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