JP2018141864A - キャリア芯材 - Google Patents
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Description
凹凸空隙率(%)=(包絡面積−粒子面積A)/包絡面積×100 ・・・・・(1)
内部空隙率(%)=(粒子面積A−粒子面積B)/粒子面積A×100 ・・・(2)
式中、包絡面積 :粒子断面の凸部の頂点を結んだ線(包絡線)で囲まれた面の面積
粒子面積A:内部空隙を含む粒子断面積
粒子面積B:内部空隙を含まない粒子断面積
3FeCl2(g)+2O2(g)→Fe2O3+3Cl2(g) ・・・・・・(3)
このように各粒子において算出し、100粒子の平均値により凹凸空隙率及び内部空隙率を得る。
原料として、Fe2O3(平均粒径:0.6μm、塩素濃度80ppm)39.7kg、Mn3O4(平均粒径:2μm)19.7kg、SrCO3(平均粒径:0.6μm)0.66kgを純水19.8kg中に分散し、還元剤としてカーボンブラックを180g、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を360g添加し、36.5%の濃塩酸を141g添加して混合物とした。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約140℃の熱風中に噴霧し、粒径10μm〜75μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から粒径25μm以下の微小な粒子は篩を用いて除去した。
この造粒物を、電気炉に投入し1180℃まで5時間かけて昇温した。その後1180℃で3時間保持することにより焼成を行った。その後冷却速度2℃/分で500℃まで冷却した。電気炉内の酸素濃度は7000ppmとなるよう、酸素と窒素とを混合したガスをガス流量(m3/hr)/炉内容積(m3)が4.5((m3/hr)/m3)となるよう、流量調整をして炉内に供給した。
得られた焼成物をハンマーミルで解粒した後に振動篩を用いて分級し、平均粒径34.7μmの焼成物を得た。
次いで、得られた焼成物を大気雰囲気下450℃で1.5時間保持することにより酸化処理(高抵抗化処理)を行い、キャリア芯材を得た。
得られたキャリア芯材の組成、粉体特性、形状特性、磁気特性、電気特性などを後述の方法で測定した。測定結果を表1及び表2に示す。また、図4にキャリア芯材の断面SEM写真を示す。
焼成工程における電気炉温度を1140℃に変更した以外は実施例1と同様にして平均粒径34.6μmのキャリア芯材を作成した。
焼成工程における電気炉温度を1100℃に変更した以外は実施例1と同様にして平均粒径34.6μmのキャリア芯材を作成した。
36.5%濃塩酸の量を188gに変更した以外は実施例1と同様にして平均粒径34.5μmのキャリア芯材を作成した。
36.5%濃塩酸の量を47gに変更した以外は実施例1と同様にして平均粒径34.8μmのキャリア芯材を作成した。
36.5%濃塩酸の量を添加しなかった以外は実施例1と同様にして平均粒径34.6μmのキャリア芯材を作成した。図5にキャリア芯材の断面SEM写真を示す。
焼成工程における電気炉温度を1140℃に変更した以外は比較例1と同様にして平均粒径34.6μmのキャリア芯材を作成した。
焼成工程における電気炉温度を1100℃に変更した以外は比較例1と同様にして平均粒径34.8μmのキャリア芯材を作成した。
焼成工程における電気炉温度を1230℃で8時間保持に変更した以外は実施例1と同様にして平均粒径34.9μmのキャリア芯材を作成した。
Fe2O3(平均粒径:0.8μm、塩素濃度850ppm)を50.0mol、MnO2(平均粒径:0.4μm)をMnO換算で41.5mol、MgOを8.0mol及びCaCO3をCaO換算で0.5molとなるように秤量し、ローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、800℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。乾式ビーズミルで6時間粉砕し、仮焼原料(平均粒径:1.4μm、塩素濃度400ppm)を得た。この仮焼原料を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約140℃の熱風中に噴霧し、粒径10μm〜75μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から粒径25μm以下の微小な粒子は篩を用いて除去した。
この造粒物を、電気炉に投入し1115℃まで4時間かけて昇温した。その後1115℃で3時間保持することにより焼成を行った。その後冷却速度2℃/分で500℃まで冷却した。電気炉内の酸素濃度は12000ppmとなるよう、酸素と窒素とを混合したガスを炉内に供給した。
得られた焼成物をハンマーミルで解粒した後に振動篩を用いて分級し、平均粒径32.8μmの焼成物を得た。
次いで、得られた焼成物を大気雰囲気下450℃で1.5時間保持することにより酸化処理(高抵抗化処理)を行い、キャリア芯材を得た。
(Feの分析)
鉄元素を含むキャリア芯材を秤量し、塩酸と硝酸の混酸水に溶解させた。この溶液を蒸発乾固させた後、硫酸水を添加して再溶解し過剰な塩酸と硝酸とを揮発させる。この溶液に固体Alを添加して液中のFe3+を全てFe2+に還元する。続いて、この溶液中のFe2+イオンの量を過マンガン酸カリウム溶液で電位差滴定することにより定量分析し、Fe(Fe2+)の滴定量を求めた。
(Mnの分析)
キャリア芯材のMn含有量は、JIS G1311−1987記載のフェロマンガン分析方法(電位差滴定法)に準拠して定量分析を行った。本願発明に記載したキャリア芯材のMn含有量は、このフェロマンガン分析方法(電位差滴定法)で定量分析し得られたMn量である。
(Mgの分析)
キャリア芯材のMg含有量は、以下の方法で分析を行った。本願発明に係るキャリア芯材を酸溶液中で溶解し、ICPにて定量分析を行った。本願発明に記載したキャリア芯材のMg含有量は、このICPによる定量分析で得られたMg量である。
(Caの分析)
キャリア芯材のCa含有量は、Mgの分析同様にICPによる定量分析で行った。
(Srの分析)
キャリア芯材のSr含有量は、Mgの分析同様にICPによる定量分析で行った。
キャリア芯材の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装社製「マイクロトラックModel9320−X100」)を用いて測定した。
超深度カラー3D形状測定顕微鏡(「VK−X100」株式会社キーエンス製)を用い、100倍対物レンズで表面を観察して求めた。具体的には、まず、表面の平坦な粘着テープにキャリア芯材を固定し、100倍対物レンズで測定視野を決定した後、オートフォーカス機能を用いて焦点を粘着テープ面に調整した。キャリア芯材を固定した平坦な粘着テープ面に対し、垂直方向(Z方向)からレーザー光線を照射し、面のX方向Y方向に走査した。また、表面からの反射光の強度が最大となった時のレンズの高さ位置をつなぎ合わせることでZ方向のデータを取得した。これらX、YおよびZ方向の位置データをつなぎ合わせキャリア芯材表面の3次元形状を得た。なお、キャリア芯材表面の3次元形状の取り込みにはオート撮影機能を用いた。
各パラメータの測定には、粒子粗さ検査ソフトウェア(三谷商事製)を用いて行った。まず、前処理として、得られたキャリア芯材表面の3次元形状の粒子認識と形状選別を行った。粒子認識は以下の方法で行った。撮影によって得られた3次元形状のうち、Z方向の最大値を100%、最小値を0%として最大値から最小値までの間を100等分する。この100〜35%にあたる領域を抽出し、独立した領域の輪郭を粒子輪郭として認識した。次に形状選別で粗大、微小、会合などの粒子を除外した。この形状選別を行うことで以降に行う極率補正時の誤差を小さくすることができる。具体的には面積相当径28μm以下、38μm以上、針状比1.15以上に該当する粒子を除外した。ここで針状比とは粒子の最大長/対角幅の比から算出したパラメータであり、対角幅とは最大長に平行な2本の直線で粒子を挟んだときの2直線の最短距離を表す。
つぎに表面の3次元形状から解析に用いる部分の取り出しを行った。まず上記の方法で認識した粒子輪郭から求められる重心を中心として一辺の長さが15.0μmの正方形を描く。描いた正方形の中に21本の平行線を引き、その線分上にあたる粗さ曲線を21本分取り出した。
室温専用振動試料型磁力計(VSM)(東英工業社製「VSM−P7」)を用いて、外部磁場を0〜79.58×104A/m(10000エルステッド)の範囲で1サイクル連続的に印加して、磁場79.58×103A/m(1,000エルステッド)を印加した際の磁化σ1k、飽和磁化σsを測定した。
キャリア芯材の真密度は、Quantachrome社製、「ULTRA PYCNOMETER 1000」を用いて測定を行った。
細孔容積の測定については、以下の通り行った。評価装置は、Quantachrome社製のPOREMASTER−60GTを使用した。具体的には、測定条件としては、Cell Stem Volume:0.5ml、Headpressure:20PSIA、水銀の表面張力:485.00erg/cm2、水銀の接触角:130.00degrees、高圧測定モード:Fixed Rate、Moter Speed:1、高圧測定レンジ:20.00〜10000.00PSIとし、サンプル1.200gを秤量して0.5ml(cc)のセルに充填して測定を行った。また、10000.00PSI時の容積B(ml/g)から100PSI時の容積A(ml/g)を差し引いた値を、細孔容積とした。
電極として表面を電解研磨した板厚2mmの真鍮板2枚を電極間距離が2mmとなるように配置し、2枚の電極板の間の空隙にキャリア芯材200mgを装入したのち、それぞれの電極板の背後に断面積240mm2の磁石を配置して電極間に被測定粉体のブリッジを形成させた状態で電極間に1000Vの直流電圧を印加し、キャリア芯材を流れる電流値を4端子法により測定した。その電流値と、電極間距離2mmおよび断面積240mm2からキャリア芯材の電気抵抗を算出した。
キャリア芯材を樹脂中に分散させ、真空脱泡処理を施すことでキャリア芯材内に樹脂を充填させた後、補助板に塗布し、温度200℃で20分間熱処理を行って樹脂を硬化させた。その後クロスセッションポリッシャー(SM-09010日本電子株式会社製)を用いてキャリア芯材をカットした。そしてキャリア芯材の断面を走査型電子顕微鏡(JSM−6510LA型日本電子株式会社製)で撮影した。撮影した画像から画像解析ソフト(Image−Pro Plus、Media Cybernetics社製)を用いて、包絡面積(図形の凸部を結んだ時の面積,μm2)、粒子面積A〈空隙を含む,μm2〉、粒子面積B〈空隙を含まない,μm2〉を測定した。各面積は1粒子毎に算出し、100粒子の平均値をそのキャリア芯材の包絡面積(μm2)、粒子面積A(μm2)、粒子面積B(μm2)とした。そして、以下の計算式から各空隙率を算出した。
空隙率(%)=(包絡面積-粒子面積B)/包絡面積×100
凹凸空隙率(%)=(包絡面積−粒子面積A)/包絡面積×100
内部空隙率(%)=(粒子面積A−粒子面積B)/粒子面積A×100
現像剤を36時間撹拌した後、現像剤からキャリアを抜き取り、走査型電子顕微鏡(JSM−6510LA型日本電子株式会社製)で観察すると共に、表面にトナーが融着したキャリアの個数割合を測定した。
「◎」:トナーの融着したキャリア個数割合が0.5%未満であった。
「○」:トナーの融着したキャリア個数割合が0.5以上1.0%未満であった。
「△」:トナーの融着したキャリア個数割合が1.0以上5.0%未満であった。
「×」:トナーの融着したキャリア個数割合が5.0%以上であった。
現像剤を図4に示す構造の現像装置(現像ローラの周速度Vs:406mm/sec,感光体ドラムの周速度Vp:205mm/sec,感光体ドラム−現像ローラ間距離:0.3mm)に投入し、初期及び10K印刷後の黒ハーフトーン画像3枚(5ポイント/枚)の平均画像濃度を反射濃度計(東京電色社製の型番TC−6D)を用いて測定し、次の下記基準で評価した。
「◎」:初期と10K印刷後の濃度差が0.1未満
「○」:初期と10K印刷後の濃度差が0.1以上0.2未満
「△」:初期と10K印刷後の濃度差が0.2以上0.3未満
「×」:初期と10K印刷後の濃度差が0.3以上
5 感光体ドラム
Claims (7)
- フェライト粒子から構成されるキャリア芯材であって、
下記式(1)から算出される凹凸空隙率が4.5%以上10%以下であり、
下記式(2)から算出される内部空隙率が2.0%以上20%以下である
ことを特徴とするキャリア芯材。
凹凸空隙率(%)=(包絡面積−粒子面積A)/包絡面積×100 ・・・・・(1)
内部空隙率(%)=(粒子面積A−粒子面積B)/粒子面積A×100 ・・・(2)
式中、包絡面積 :粒子断面の凸部の頂点を結んだ線(包絡線)で囲まれた面の面積
粒子面積A:内部空隙を含む粒子断面積
粒子面積B:内部空隙を含まない粒子断面積 - フェライト粒子の最大山谷深さRzが1.8μm以上3.0μm以下である請求項1記載のキャリア芯材。
- 細孔容積が0.005cm3/g以上0.040cm3/g以下である請求項1又は2記載のキャリア芯材。
- フェライト粒子の組成が、MnO:35mol%〜55mol%、Fe2O3:45mol%〜65mol%を含有し、その一部をSrO:0.1mol%〜5.0mol%で置換したものである請求項1〜3のいずれかに記載のキャリア芯材。
- 磁場79.58×103A/m(1000エルステッド)を印加した際の磁化σ1kが50Am2/kg以上70Am2/kg以下である請求項1〜4のいずれかに記載のキャリア芯材。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリア。
- 請求項6記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含む電子写真用現像剤。
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