JP2018141864A - キャリア芯材 - Google Patents

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Abstract

【課題】低密度であって表面に凹凸が形成されたフェライト粒子から構成されるキャリア芯材を提供する。【解決手段】下記式(1)から算出される凹凸空隙率が4.5%以上10%以下であり、下記式(2)から算出される内部空隙率が2.0%以上20%以下であることを特徴とする。凹凸空隙率(%)=(包絡面積−粒子面積A)/包絡面積×100 ・・・・・(1)内部空隙率(%)=(粒子面積A−粒子面積B)/粒子面積A×100 ・・・(2)式中、包絡面積 :粒子断面の凸部の頂点を結んだ線(包絡線)で囲まれた面の面積粒子面積A:内部空隙を含む粒子断面積粒子面積B:内部空隙を含まない粒子断面積【選択図】図1

Description

本発明はキャリア芯材並びにこれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤に関するものである。
例えば、電子写真方式を用いたファクシミリやプリンター、複写機などの画像形成装置では、感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて可視像化し、この可視像を用紙等に転写した後、加熱・加圧して定着させている。高画質化やカラー化の観点から、現像剤としては、キャリアとトナーとを含むいわゆる二成分現像剤が広く使用されている。
二成分現像剤を用いた現像方式では、キャリアとトナーとを現像装置内で撹拌混合し、摩擦によってトナーを所定量まで帯電させる。そして、回転する現像ローラに現像剤を供給し、現像ローラ上で磁気ブラシを形成させて、磁気ブラシを介して感光体へトナーを電気的に移動させて感光体上の静電潜像を可視像化する。トナー移動後のキャリアは現像ローラ上から剥離され、現像装置内で再びトナーと混合される。このため、キャリアの特性として、磁気ブラシを形成する磁気特性及び所望の電荷をトナーに付与する帯電特性が要求される。このようなキャリアとしては、マグネタイトや各種フェライト等からなるキャリア芯材の表面を樹脂で被覆した、いわゆるコーティングキャリアがこれまで多く用いられていた。
近年、画像形成装置における画像形成速度の高速化という市場要求に対応するため、現像ローラの回転速度を速めて、現像領域への現像剤の単位時間当たりの供給量を増加させる傾向にある。
ところが、画像形成速度の高速化に伴って現像装置内における現像剤の撹拌・搬送速度が速くなると、現像剤にかかるストレスが大きくなって、キャリアの表面にトナーを構成する成分が融着するトナースペントが発生しやすくなる。トナースペントが生じるとキャリアの帯電付与能力が低下して画像濃度の低下を招く。
そこで、キャリアを低密度にして現像剤にかかるストレスを軽減しトナースペントを抑制することが提案されている。例えば、特許文献1では、キャリア芯材の製造工程において焼成温度を下げてグレインの成長を抑え内部に空隙を残してキャリア芯材を多孔質化することが提案されている。また特許文献2では、キャリア芯材の内部に形成された空隙に樹脂を充填する樹脂充填型キャリアが提案されている。そしてまた、特許文献3では、キャリア芯材の製造工程において発生するガス抜けの穴を利用した中空型キャリアが提案されている。
一方、現像領域へのトナー供給量を増加させるために、キャリア芯材の表面を凹凸形状としたり、キャリア芯材の形状を異形化して感光体表面との摩擦抵抗及びキャリア同士の摩擦抵抗を大きくしたりすることが考えられている。
また、キャリア芯材の表面の樹脂被覆層が高抵抗であると、樹脂被覆層での電荷移動が遅くなり現像後のカウンターチャージのリークが円滑に行われず、高速画像形成に対して良好な画像濃度が得られないことがある。このため、キャリア芯材を凹凸形状として樹脂被覆層からキャリア芯材の一部を露出させてカウンターチャージを円滑に逃がすことが考えられている。
特開2013−145300号公報 特開2006−337579号公報 特開2007−34249号公報
ところが、キャリア芯材の内部に空隙を設けて低密度化するためには、焼成工程において温度を低くし時間を短くする必要があるのに対して、キャリア芯材の表面を凹凸化するためには焼成温度を高くし焼成時間を長くする必要があり、キャリア芯材の低密度化と凹凸化と同時に達成することが従来は困難とされていた。
そこで本発明の目的は、低密度であって表面に凹凸が形成されたキャリア芯材を提供することにある。
また本発明の他の目的は、高速の画像形成装置に使用しても安定して良好な画質の画像が得られる電子写真現像剤用キャリア及び電子写真現像剤を提供することにある。
本発明によれば、フェライト粒子から構成されるキャリア芯材であって、下記式(1)から算出される凹凸空隙率が4.5%以上10%以下であり、下記式(2)から算出される内部空隙率が2.0%以上20%以下であることを特徴とするキャリア芯材が提供される。
凹凸空隙率(%)=(包絡面積−粒子面積A)/包絡面積×100 ・・・・・(1)
内部空隙率(%)=(粒子面積A−粒子面積B)/粒子面積A×100 ・・・(2)
式中、包絡面積 :粒子断面の凸部の頂点を結んだ線(包絡線)で囲まれた面の面積
粒子面積A:内部空隙を含む粒子断面積
粒子面積B:内部空隙を含まない粒子断面積
前記構成のキャリア芯材において、フェライト粒子表面の最大山谷深さRzは1.8μm以上3.0μm以下であるのが好ましい。
前記構成のキャリア芯材において、細孔容積は0.005cm/g以上0.040cm/g以下であるのが好ましい。
前記構成のキャリア芯材において、フェライト粒子の組成は、MnO:35〜55mol%、Fe:45〜65mol%を含有し、その一部をSrO:0.1〜5.0mol%で置換したものであるのが好ましい。
前記構成のキャリア芯材において、磁場79.58×10A/m(1000エルステッド)を印加した際の磁化σ1kは50Am/kg以上70Am/kg以下であるのが好ましい。
また本発明によれば、前記のいずれかに記載のキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリアが提供される。
また本発明によれば、前記の電子写真現像用キャリアとトナーとを含む電子写真用現像剤が提供される。
なお、包絡面積、粒子面積A、粒子面積B、最大山谷深さRz、細孔容積の測定方法は後述の実施例において説明する。
本発明のキャリア芯材は従来のものに比べて低密度であるので、現像剤の撹拌・搬送速度が速くなっても現像剤にかかるストレスが抑えられてトナースペントの発生が抑制される。またキャリア芯材の表面に凹凸が形成されているので、現像領域へのトナー供給量が増加し画像形成速度の高速化に対応できる。加えて、キャリア芯材の凸部が樹脂被覆層の表面に露出して、現像後のカウンターチャージのリークが円滑に行われるようになる。
本発明の電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤によれば、高速の画像形成装置に使用しても安定して良好な画質の画像が得られる。
キャリア芯材の粒子断面図である。 凹凸空隙率を説明する図である。 内部空隙率を説明する図である。 実施例1のキャリア芯材の断面SEM写真である。 比較例1のキャリア芯材の断面SEM写真である。 本発明に係るキャリアを用いた現像装置の一例を示す概説図である。
本発明者らは、凹凸形状を有するフェライト粒子から構成されるキャリア芯材において、凹凸形状によって得られるトナー供給性やカウンターチャージのリーク性といった特性を維持しながら、低密度化が図れないか鋭意検討を重ねた。その結果、フェライト粒子の製造工程において原料に塩素を添加することで表面凹凸化と低密度化とが図れることを見出し本発明をなすに至った。
原料に塩素を微量添加することで表面凹凸化と低密度化とが図れる機構は未だ十分には解明されていないが、次のようなものではないかと今のところ推測される。塩素成分を原料に微量添加すると、下記の反応式(3)に示すように、FeCl(g)が生成され、これが粒子表面においてOと反応してFe(マグネタイト)が析出して粒子表面の凹凸化が促進される。また、このように粒子表面の結晶が優先して成長するため、焼結による粒子の収縮が阻害されて粒子内部に空隙が残存し低密度化が図られる。
3FeCl(g)+2O(g)→Fe+3Cl(g) ・・・・・・(3)
本発明では、キャリア芯材の表面凹凸度の指標として前記式(1)から算出される凹凸空隙率を用い、キャリア芯材の粒子密度の指標として前記式(2)から算出される内部空隙率を用いることとした。図1、図2及び図3を用いて凹凸空隙率及び内部空隙率を説明する。
図1、図2及び図3は同一粒子の断面図であって、図1はキャリア芯材の粒子断面図であり、図2は、粒子凸部の頂点を結んだ包絡線を太線で示し、粒子面積A(内部空隙を含む粒子断面積)を斜線領域として示した図であり、図3は粒子面積B(内部空隙を含まない粒子断面積)を斜線領域として示した図である。
凹凸空隙率は、図2において太線で示された包絡線で囲まれた包絡面積から、斜線で示された粒子面積Aを除いた面積、すなわち図2においてグレーで色づけされた部分の面積の包絡面積に対する割合を示すものである。また、内部空隙率は、図2において斜線で示された粒子面積Aから、図3において斜線で示された粒子面積Bを除いた面積、すなわち図3においてグレーで色づけされた粒子内部の空隙部分の面積の粒子面積Aに対する割合を示すものである。
このように各粒子において算出し、100粒子の平均値により凹凸空隙率及び内部空隙率を得る。
本発明では、前記説明した凹凸空隙率が4.5%以上10%以下であることが大きな特徴の一つである。凹凸空隙率を前記範囲とすることによって現像領域へのトナー供給量が増加する。また摩擦帯電によって帯電したカウンターチャージを、樹脂被覆層から一部露出したキャリア芯材から逃がすことができる。凹凸空隙率のより好ましい上限値は8%である。
また本発明では、内部空隙率が2.0%以上20%以下であることも大きな特徴である。内部空隙率を前記範囲とすることによってキャリア芯材の密度が低くなり、撹拌・搬送速度が高速化しても現像剤にかかるストレスの上昇が抑えられトナースペントが抑制される。内部空隙率のより好ましい下限値は3.0%であり、より好ましい上限値は15%である。
本発明のキャリア芯材におけるフェライト粒子表面の最大山谷深さRzは1.8μm以上3.0μm以下の範囲が好ましい。フェライト粒子表面の最大山谷深さRzが前記範囲であると、フェライト粒子同士の間に形成される空間が大きくなり、より多くのトナーがこの空間に取り込まれて現像領域へのトナー供給量が増え、画像形成速度の高速化等に対応できる。最大山谷深さRzのより好ましい範囲は2.0μm以上2.5μm以下の範囲である。フェライト粒子表面の最大山谷深さRzの制御は、凹凸空隙率と同様に原料における塩素の添加量及び製造工程における焼成条件などによって行うことができる。詳細は後述する。
本発明のキャリア芯材における細孔容積は0.005cm/g以上0.040cm/g以下の範囲が好ましい。細孔容積が前記範囲であると内部空隙が適切な範囲となる。細孔容積が0.005cm/g以上の範囲にあることでキャリア一粒子あたりの重量が軽くなり、キャリア摩擦が緩和されトナースペントが軽減される。一方、細孔容積が0.040cm/gを超えると内部空隙が大きくなり過ぎてキャリア一粒子あたりの磁化が小さくなる為に、キャリア飛散を起こしやすくなる。細孔容積のより好ましい範囲は0.006cm/g以上0.031cm/g以下の範囲である。
本発明のキャリア芯材の体積平均粒径(以下、「平均粒径」と記すことがある。)としては、25μm以上50μm未満の範囲が好ましく、より好ましくは30μm以上40μm以下の範囲である。
また、本発明のキャリア芯材における磁場79.58×10A/m(1000エルステッド)を印加した際の磁化σ1kは50Am/kg以上70Am/kg以下であるのが好ましい
本発明のキャリア芯材を構成するフェライト粒子の組成に特に限定はなく、組成式MFe3−X(但し、Mは、Mg,Mn,Ca,Ti,Sr,Cu,Zn,Sr,Niからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素、0<X<1)で表されるものが使用される。これらの中でも、一般式(MnO)x(Fe)yで表され、x,yがそれぞれ35mol%〜55mol%,45〜65mol%であり、MnOの一部をSrOで0.1mol%〜5.0mol%置換したものが好ましい。
本発明のキャリア芯材の製造方法に特に限定はないが、以下に説明する製造方法が好適である。
まず、Fe成分原料とM成分原料、そして必要により添加剤とを秤量して分散媒中に投入し混合してスラリーを作製する。なお、MはMg,Mn,Ca,Ti,Cu,Zn,Sr,Ni等の2価の金属元素から選ばれる少なくとも1種の金属元素である。Fe成分原料としては、Fe等が好適に使用される。M成分原料としては、MnであればMnCO、Mn等が使用でき、MgであればMgO、Mg(OH)、MgCOが好適に使用できる。また、Ca成分原料としては、CaO、Ca(OH)、CaCO等が好適に使用される。
ここで、キャリア芯材の表面を凹凸形状とするとともに低密度化するために、前述のように、塩素を微量添加することが重要である。塩素成分原料としてはHClやFeClなどが挙げられる。塩素の添加量としてはフェライトを構成する元素に対して0.1mol%以上0.5mol%以下が好ましい。
一般に、Fe原料として用いられるFeの工業製品用グレードは不純物として塩素分を数十〜数百ppm含有している。本発明において用いたFeは300ppm以下の塩素分を含んでいる。塩素成分の添加を行わずに造粒物を作製した場合、造粒物中に含まれる塩素分は0.02mol%以下である。
また、塩素と共にSrを微量添加するのが好ましい。単独でSrを微量添加することによってもキャリア芯材表面の凹凸形状が促進されるが、塩素と共にSrを添加することによって、後述の造粒工程において塩素とSrとの化合物、例えばSrClOHが生成され、この化合物を含む造粒物が後述の焼成工程において従来よりも高温で焼成されることで、前記化合物がフェライト結晶成長に影響を与えて所望の凹凸形状が形成されやすくなる。Sr成分原料としてはSrCO、Sr(NOなどが好適に使用される。
本発明で使用する分散媒としては水が好適である。分散媒には、前記Fe成分原料、M成分原料の他、必要によりバインダー、分散剤等を配合してもよい。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが好適に使用できる。バインダーの配合量としてはスラリー中の濃度が0.5〜2質量%程度とするのが好ましい。また、分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム等が好適に使用できる。分散剤の配合量としてはスラリー中の濃度が0.5〜2質量%程度とするのが好ましい。その他、潤滑剤や焼結促進剤等を配合してもよい。スラリーの固形分濃度は50〜90質量%の範囲が望ましい。また、Fe成分原料、M成分原料を分散媒に投入する前に、必要により、粉砕混合の処理をしておいてもよい。
従来のキャリア芯材の製造方法では、成分原料を混合した混合粉を仮焼成することも行われている。仮焼成する目的の一つは、Fe成分原料などに含まれる塩素成分を蒸発除去するためである。本発明のキャリア芯材に係る製造方法では、前述のように、本焼成の際に塩素成分が存在していることが望ましいため、仮焼成を経ることなく本焼成を行うのが望ましい。
次に、以上のようにして作製されたスラリーを湿式粉砕する。例えば、ボールミルや振動ミルを用いて所定時間湿式粉砕する。粉砕後の原材料の平均粒径は5μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下である。振動ミルやボールミルには、所定粒径のメディアを内在させるのがよい。メディアの材質としては、鉄系のクロム鋼や酸化物系のジルコニア、チタニア、アルミナなどが挙げられる。粉砕工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。粉砕物の粒径は、粉砕時間や回転速度、使用するメディアの材質・粒径などによって調整される。
そして、粉砕されたスラリーを噴霧乾燥させて造粒する。具体的には、スプレードライヤーなどの噴霧乾燥機にスラリーを導入し、雰囲気中へ噴霧することによって球状に造粒する。噴霧乾燥時の雰囲気温度は100〜300℃の範囲が好ましい。これにより、粒径10〜200μmの球状の造粒物が得られる。なお、得られた造粒物は、振動篩等を用いて、粗大粒子や微粉を除去し粒度分布をシャープなものとするのが望ましい。
次に、造粒物を所定温度に加熱した炉に投入して、フェライト粒子を合成するための一般的な手法で焼成することにより、フェライト粒子を生成させる。ここで、焼成温度としては従来よりも高い1140℃〜1220℃の範囲が好ましい。かかる焼成温度に至るまでの昇温速度としては250℃/h〜500℃/hの範囲が好ましい。また、焼成雰囲気は酸素濃度が100ppm〜30000ppmの範囲が好ましい。
このようにして得られた焼成物を必要により解粒する。具体的には、例えば、ハンマーミル等によって焼成物を解粒する。解粒工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。そして、必要により、粒径を所定範囲に揃えるため分級を行ってもよい。分級方法としては、風力分級や篩分級など従来公知の方法を用いることができる。また、風力分級機で1次分級した後、振動篩や超音波篩で粒径を所定範囲に揃えるようにしてもよい。さらに、分級工程後に、磁場選鉱機によって非磁性粒子を除去するようにしてもよい。
その後、必要に応じて、分級後の粉末(焼成物)を酸化性雰囲気中で加熱して、粒子表面に酸化被膜を形成してフェライト粒子の高抵抗化を図ってもよい(高抵抗化処理)。酸化性雰囲気としては大気雰囲気又は酸素と窒素の混合雰囲気のいずれでもよい。また、加熱温度は、200〜800℃の範囲が好ましく、250〜600℃の範囲がさらに好ましい。加熱時間は0.5時間〜5時間の範囲が好ましい。
以上のようにして作製したフェライト粒子を本発明のキャリア芯材として用いる。そして、所望の帯電性等を得るために、キャリア芯材の外周を樹脂で被覆して電子写真現像用キャリアとする。
キャリア芯材の表面を被覆する樹脂としては、従来公知のものが使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリ塩化ビニリデン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリスチレン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、並びにポリ塩化ビニル系やポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エストラマー、フッ素シリコーン系樹脂などが挙げられる。
キャリア芯材への樹脂の被覆方法は特に限定されないが、物理的なストレスによって被覆する衝撃法などを用いることができる。樹脂被覆量は、例えば衝撃法の場合には樹脂仕込み量や撹拌時間によって調整することができる。
キャリアの粒子径は、一般に、体積平均粒径で25μm〜50μmの範囲、特に30μm〜40μmの範囲が好ましい。
本発明に係る電子写真用現像剤は、以上のようにして作製したキャリアとトナーとを混合してなる。キャリアとトナーとの混合比に特に限定はなく、使用する現像装置の現像条件などから適宜決定すればよい。一般に現像剤中のトナー濃度は1質量%〜15質量%の範囲が好ましい。トナー濃度が1質量%未満の場合、画像濃度が薄くなりすぎ、他方トナー濃度が15質量%を超える場合、現像装置内でトナー飛散が発生し機内汚れや転写紙などの背景部分にトナーが付着する不具合が生じるおそれがあるからである。より好ましいトナー濃度は3質量%〜10質量%の範囲である。
トナーとしては、重合法、粉砕分級法、溶融造粒法、スプレー造粒法など従来公知の方法で製造したものが使用できる。具体的には、熱可塑性樹脂を主成分とする結着樹脂中に、着色剤、離型剤、帯電制御剤等を含有させたものが好適に使用できる。
トナーの粒径は、一般に、コールターカウンターによる体積平均粒径で5μm〜15μmの範囲が好ましく、7μm〜12μmの範囲がより好ましい。
トナー表面には、必要により、改質剤を添加してもよい。改質剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアとトナーとの混合は、従来公知の混合装置を用いることができる。例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、タンブラーミキサー、ハイブリタイザー等を用いることができる。
本発明の現像剤を用いた現像方法に特に限定はないが、磁気ブラシ現像法が好適である。図4に、磁気ブラシ現像を行う現像装置の一例を示す概説図を示す。図4に示す現像装置は、複数の磁極を内蔵した回転自在の現像ローラ3と、現像部へ搬送される現像ローラ3上の現像剤量を規制する規制ブレード6と、水平方向に平行に配置され、互いに逆向きに現像剤を撹拌搬送する2本のスクリュー1,2と、2本のスクリュー1,2の間に形成され、両スクリューの両端部において、一方のスクリューから他方のスクリューに現像剤の移動を可能とし、両端部以外での現像剤の移動を防ぐ仕切板4とを備える。
2本のスクリュー1,2は、螺旋状の羽根13,23が同じ傾斜角で軸部11,21に形成されたものであって、不図示の駆動機構によって同方向に回転し、現像剤を互いに逆方向に搬送する。そして、スクリュー1,2の両端部において一方のスクリューから他方のスクリューに現像剤が移動する。これによりトナーとキャリアからなる現像剤は装置内を常に循環し撹拌されることになる。
一方、現像ローラ3は、表面に数μmの凹凸を付けた金属製の筒状体の内部に、磁極発生手段として、現像磁極N、搬送磁極S、剥離磁極N、汲み上げ磁極N、ブレード磁極Sの5つの磁極を順に配置した固定磁石を有してなる。現像ローラ3が矢印方向に回転すると、汲み上げ磁極Nの磁力によって、スクリュー1から現像ローラ3へ現像剤が汲み上げられる。現像ローラ3の表面に担持された現像剤は、規制ブレード6により層規制された後、現像領域へ搬送される。
現像領域では、直流電圧に交流電圧を重畳したバイアス電圧が電源8から現像ローラ3に印加される。バイアス電圧の直流電圧成分は、感光体ドラム5表面の背景部電位と画像部電位との間の電位とされる。また、背景部電位と画像部電位とは、バイアス電圧の最大値と最小値との間の電位とされる。バイアス電圧のピーク間電圧は0.5〜5kVの範囲が好ましく、周波数は1〜10kHzの範囲が好ましい。またバイアス電圧の波形は矩形波、サイン波、三角波などいずれであってもよい。これによって、現像領域においてトナー及びキャリアが振動し、トナーが感光体ドラム5上の静電潜像に付着して現像がなされる。
その後現像ローラ3上の現像剤は、搬送磁極Sによって装置内部に搬送され、剥離電極Nによって現像ローラ3から剥離して、スクリュー1,2によって装置内を再び循環搬送され、現像に供していない現像剤と混合撹拌される。そして汲み上げ極Nによって、新たに現像剤がスクリュー1から現像ローラ3へ供給される。
なお、図4に示した実施形態では現像ローラ3に内蔵された磁極は5つであったが、現像剤の現像領域での移動量を一層大きくしたり、汲み上げ性等を一層向上させたりするために、磁極を8極や10極、12極と増やしてももちろん構わない。
(実施例1)
原料として、Fe(平均粒径:0.6μm、塩素濃度80ppm)39.7kg、Mn(平均粒径:2μm)19.7kg、SrCO(平均粒径:0.6μm)0.66kgを純水19.8kg中に分散し、還元剤としてカーボンブラックを180g、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を360g添加し、36.5%の濃塩酸を141g添加して混合物とした。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約140℃の熱風中に噴霧し、粒径10μm〜75μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から粒径25μm以下の微小な粒子は篩を用いて除去した。
この造粒物を、電気炉に投入し1180℃まで5時間かけて昇温した。その後1180℃で3時間保持することにより焼成を行った。その後冷却速度2℃/分で500℃まで冷却した。電気炉内の酸素濃度は7000ppmとなるよう、酸素と窒素とを混合したガスをガス流量(m/hr)/炉内容積(m)が4.5((m/hr)/m)となるよう、流量調整をして炉内に供給した。
得られた焼成物をハンマーミルで解粒した後に振動篩を用いて分級し、平均粒径34.7μmの焼成物を得た。
次いで、得られた焼成物を大気雰囲気下450℃で1.5時間保持することにより酸化処理(高抵抗化処理)を行い、キャリア芯材を得た。
得られたキャリア芯材の組成、粉体特性、形状特性、磁気特性、電気特性などを後述の方法で測定した。測定結果を表1及び表2に示す。また、図4にキャリア芯材の断面SEM写真を示す。
次に、このようにして得られたキャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製した。具体的には、シリコーン樹脂450重量部と、(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン9重量部とを、溶媒としてのトルエン450重量部に溶解してコート溶液を作製した。このコート溶液を、流動床型コーティング装置を用いてキャリア芯材50000重量部に塗布し、温度300℃の電気炉で加熱してキャリアを得た。以下、比較例についても同様にしてキャリアを得た。
得られたキャリアと平均粒径5.0μm程度のトナーとを、ポットミルを用いて所定時間混合し、二成分系の電子写真現像剤を得た。この場合、キャリアとトナーとをトナーの重量/(トナーおよびキャリアの重量)=5/100となるように調整した。以下、全ての比較例についても同様にして現像剤を得た。得られた現像剤について後述の実機評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例2)
焼成工程における電気炉温度を1140℃に変更した以外は実施例1と同様にして平均粒径34.6μmのキャリア芯材を作成した。
(実施例3)
焼成工程における電気炉温度を1100℃に変更した以外は実施例1と同様にして平均粒径34.6μmのキャリア芯材を作成した。
(実施例4)
36.5%濃塩酸の量を188gに変更した以外は実施例1と同様にして平均粒径34.5μmのキャリア芯材を作成した。
(実施例5)
36.5%濃塩酸の量を47gに変更した以外は実施例1と同様にして平均粒径34.8μmのキャリア芯材を作成した。
(比較例1)
36.5%濃塩酸の量を添加しなかった以外は実施例1と同様にして平均粒径34.6μmのキャリア芯材を作成した。図5にキャリア芯材の断面SEM写真を示す。
(比較例2)
焼成工程における電気炉温度を1140℃に変更した以外は比較例1と同様にして平均粒径34.6μmのキャリア芯材を作成した。
(比較例3)
焼成工程における電気炉温度を1100℃に変更した以外は比較例1と同様にして平均粒径34.8μmのキャリア芯材を作成した。
(比較例4)
焼成工程における電気炉温度を1230℃で8時間保持に変更した以外は実施例1と同様にして平均粒径34.9μmのキャリア芯材を作成した。
(比較例5)
Fe(平均粒径:0.8μm、塩素濃度850ppm)を50.0mol、MnO(平均粒径:0.4μm)をMnO換算で41.5mol、MgOを8.0mol及びCaCOをCaO換算で0.5molとなるように秤量し、ローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、800℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。乾式ビーズミルで6時間粉砕し、仮焼原料(平均粒径:1.4μm、塩素濃度400ppm)を得た。この仮焼原料を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約140℃の熱風中に噴霧し、粒径10μm〜75μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から粒径25μm以下の微小な粒子は篩を用いて除去した。
この造粒物を、電気炉に投入し1115℃まで4時間かけて昇温した。その後1115℃で3時間保持することにより焼成を行った。その後冷却速度2℃/分で500℃まで冷却した。電気炉内の酸素濃度は12000ppmとなるよう、酸素と窒素とを混合したガスを炉内に供給した。
得られた焼成物をハンマーミルで解粒した後に振動篩を用いて分級し、平均粒径32.8μmの焼成物を得た。
次いで、得られた焼成物を大気雰囲気下450℃で1.5時間保持することにより酸化処理(高抵抗化処理)を行い、キャリア芯材を得た。
(組成分析)
(Feの分析)
鉄元素を含むキャリア芯材を秤量し、塩酸と硝酸の混酸水に溶解させた。この溶液を蒸発乾固させた後、硫酸水を添加して再溶解し過剰な塩酸と硝酸とを揮発させる。この溶液に固体Alを添加して液中のFe3+を全てFe2+に還元する。続いて、この溶液中のFe2+イオンの量を過マンガン酸カリウム溶液で電位差滴定することにより定量分析し、Fe(Fe2+)の滴定量を求めた。
(Mnの分析)
キャリア芯材のMn含有量は、JIS G1311−1987記載のフェロマンガン分析方法(電位差滴定法)に準拠して定量分析を行った。本願発明に記載したキャリア芯材のMn含有量は、このフェロマンガン分析方法(電位差滴定法)で定量分析し得られたMn量である。
(Mgの分析)
キャリア芯材のMg含有量は、以下の方法で分析を行った。本願発明に係るキャリア芯材を酸溶液中で溶解し、ICPにて定量分析を行った。本願発明に記載したキャリア芯材のMg含有量は、このICPによる定量分析で得られたMg量である。
(Caの分析)
キャリア芯材のCa含有量は、Mgの分析同様にICPによる定量分析で行った。
(Srの分析)
キャリア芯材のSr含有量は、Mgの分析同様にICPによる定量分析で行った。
(平均粒径の測定方法)
キャリア芯材の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装社製「マイクロトラックModel9320−X100」)を用いて測定した。
(最大山谷深さRzの測定方法)
超深度カラー3D形状測定顕微鏡(「VK−X100」株式会社キーエンス製)を用い、100倍対物レンズで表面を観察して求めた。具体的には、まず、表面の平坦な粘着テープにキャリア芯材を固定し、100倍対物レンズで測定視野を決定した後、オートフォーカス機能を用いて焦点を粘着テープ面に調整した。キャリア芯材を固定した平坦な粘着テープ面に対し、垂直方向(Z方向)からレーザー光線を照射し、面のX方向Y方向に走査した。また、表面からの反射光の強度が最大となった時のレンズの高さ位置をつなぎ合わせることでZ方向のデータを取得した。これらX、YおよびZ方向の位置データをつなぎ合わせキャリア芯材表面の3次元形状を得た。なお、キャリア芯材表面の3次元形状の取り込みにはオート撮影機能を用いた。
各パラメータの測定には、粒子粗さ検査ソフトウェア(三谷商事製)を用いて行った。まず、前処理として、得られたキャリア芯材表面の3次元形状の粒子認識と形状選別を行った。粒子認識は以下の方法で行った。撮影によって得られた3次元形状のうち、Z方向の最大値を100%、最小値を0%として最大値から最小値までの間を100等分する。この100〜35%にあたる領域を抽出し、独立した領域の輪郭を粒子輪郭として認識した。次に形状選別で粗大、微小、会合などの粒子を除外した。この形状選別を行うことで以降に行う極率補正時の誤差を小さくすることができる。具体的には面積相当径28μm以下、38μm以上、針状比1.15以上に該当する粒子を除外した。ここで針状比とは粒子の最大長/対角幅の比から算出したパラメータであり、対角幅とは最大長に平行な2本の直線で粒子を挟んだときの2直線の最短距離を表す。
つぎに表面の3次元形状から解析に用いる部分の取り出しを行った。まず上記の方法で認識した粒子輪郭から求められる重心を中心として一辺の長さが15.0μmの正方形を描く。描いた正方形の中に21本の平行線を引き、その線分上にあたる粗さ曲線を21本分取り出した。
キャリア芯材は略球形状であるため、取り出した粗さ曲線は、バックグラウンドとして一定の曲率を持っている。このため、バックグラウンドの補正として、最適な二次曲線をフィッティングし、粗さ曲線から差し引く補正を行った。この場合、ローパスフィルタを1.5μmの強度で適用し、カットオフ値λを80μmとした。
最大山谷深さRzは、粗さ曲線の中で最も高い山の高さと最も深い谷の深さの和として求めた。以上説明した最大高さRzの測定は、JIS B0601(2001年度版)に準拠して行われるものである。最大高さRzの算出には、各パラメータの平均値として、50粒子の平均値を用いることとした。
(磁気特性)
室温専用振動試料型磁力計(VSM)(東英工業社製「VSM−P7」)を用いて、外部磁場を0〜79.58×10A/m(10000エルステッド)の範囲で1サイクル連続的に印加して、磁場79.58×10A/m(1,000エルステッド)を印加した際の磁化σ1k、飽和磁化σを測定した。
(真密度)
キャリア芯材の真密度は、Quantachrome社製、「ULTRA PYCNOMETER 1000」を用いて測定を行った。
(細孔容積)
細孔容積の測定については、以下の通り行った。評価装置は、Quantachrome社製のPOREMASTER−60GTを使用した。具体的には、測定条件としては、Cell Stem Volume:0.5ml、Headpressure:20PSIA、水銀の表面張力:485.00erg/cm、水銀の接触角:130.00degrees、高圧測定モード:Fixed Rate、Moter Speed:1、高圧測定レンジ:20.00〜10000.00PSIとし、サンプル1.200gを秤量して0.5ml(cc)のセルに充填して測定を行った。また、10000.00PSI時の容積B(ml/g)から100PSI時の容積A(ml/g)を差し引いた値を、細孔容積とした。
(電気抵抗)
電極として表面を電解研磨した板厚2mmの真鍮板2枚を電極間距離が2mmとなるように配置し、2枚の電極板の間の空隙にキャリア芯材200mgを装入したのち、それぞれの電極板の背後に断面積240mm2の磁石を配置して電極間に被測定粉体のブリッジを形成させた状態で電極間に1000Vの直流電圧を印加し、キャリア芯材を流れる電流値を4端子法により測定した。その電流値と、電極間距離2mmおよび断面積240mmからキャリア芯材の電気抵抗を算出した。
(空隙率、凹凸空隙率、内部空隙率)
キャリア芯材を樹脂中に分散させ、真空脱泡処理を施すことでキャリア芯材内に樹脂を充填させた後、補助板に塗布し、温度200℃で20分間熱処理を行って樹脂を硬化させた。その後クロスセッションポリッシャー(SM-09010日本電子株式会社製)を用いてキャリア芯材をカットした。そしてキャリア芯材の断面を走査型電子顕微鏡(JSM−6510LA型日本電子株式会社製)で撮影した。撮影した画像から画像解析ソフト(Image−Pro Plus、Media Cybernetics社製)を用いて、包絡面積(図形の凸部を結んだ時の面積,μm)、粒子面積A〈空隙を含む,μm〉、粒子面積B〈空隙を含まない,μm〉を測定した。各面積は1粒子毎に算出し、100粒子の平均値をそのキャリア芯材の包絡面積(μm)、粒子面積A(μm)、粒子面積B(μm)とした。そして、以下の計算式から各空隙率を算出した。
空隙率(%)=(包絡面積-粒子面積B)/包絡面積×100
凹凸空隙率(%)=(包絡面積−粒子面積A)/包絡面積×100
内部空隙率(%)=(粒子面積A−粒子面積B)/粒子面積A×100
(トナースペント)
現像剤を36時間撹拌した後、現像剤からキャリアを抜き取り、走査型電子顕微鏡(JSM−6510LA型日本電子株式会社製)で観察すると共に、表面にトナーが融着したキャリアの個数割合を測定した。
「◎」:トナーの融着したキャリア個数割合が0.5%未満であった。
「○」:トナーの融着したキャリア個数割合が0.5以上1.0%未満であった。
「△」:トナーの融着したキャリア個数割合が1.0以上5.0%未満であった。
「×」:トナーの融着したキャリア個数割合が5.0%以上であった。
(画像濃度差)
現像剤を図4に示す構造の現像装置(現像ローラの周速度Vs:406mm/sec,感光体ドラムの周速度Vp:205mm/sec,感光体ドラム−現像ローラ間距離:0.3mm)に投入し、初期及び10K印刷後の黒ハーフトーン画像3枚(5ポイント/枚)の平均画像濃度を反射濃度計(東京電色社製の型番TC−6D)を用いて測定し、次の下記基準で評価した。
「◎」:初期と10K印刷後の濃度差が0.1未満
「○」:初期と10K印刷後の濃度差が0.1以上0.2未満
「△」:初期と10K印刷後の濃度差が0.2以上0.3未満
「×」:初期と10K印刷後の濃度差が0.3以上
凹凸空隙率が4.7%〜7.2%で、内部空隙率が3.2%〜14.5%である実施例1〜5のキャリア芯材では、トナースペントが発生したキャリアの個数割合は1.0%未満と良好であり、また10K印刷後の画像濃度変化も0.2未満と良好であった。
これに対して、凹凸空隙率が2.9%と低く、内部空隙率も0.7%と低い比較例1のキャリア芯材では、トナースペントが発生したキャリアの個数割合が1.0%以上と多く、また10K印刷後の画像濃度変化も0.3以上と大きかった。
内部空隙率は本発明の規定を満たすものの、凹凸空隙率が2.8%及び2.7%と低い比較例2及び比較例3のキャリア芯材では、いずれも10K印刷後の画像濃度変化が0.3以上と大きかった。
反対に、凹凸空隙率は6.3%と本発明の規定を満たすものの、内部空隙率が0.2%と低い比較例4のキャリア芯材では、トナースペントが発生したキャリアの個数割合が1.0%以上と多かった。
また、MnMg系フェライト粒子から構成される比較例5のキャリア芯材は、凹凸空隙率が4.0%と低く、10K印刷後の画像濃度変化が0.2以上と大きかった。
3 現像ローラ
5 感光体ドラム

Claims (7)

  1. フェライト粒子から構成されるキャリア芯材であって、
    下記式(1)から算出される凹凸空隙率が4.5%以上10%以下であり、
    下記式(2)から算出される内部空隙率が2.0%以上20%以下である
    ことを特徴とするキャリア芯材。
    凹凸空隙率(%)=(包絡面積−粒子面積A)/包絡面積×100 ・・・・・(1)
    内部空隙率(%)=(粒子面積A−粒子面積B)/粒子面積A×100 ・・・(2)
    式中、包絡面積 :粒子断面の凸部の頂点を結んだ線(包絡線)で囲まれた面の面積
    粒子面積A:内部空隙を含む粒子断面積
    粒子面積B:内部空隙を含まない粒子断面積
  2. フェライト粒子の最大山谷深さRzが1.8μm以上3.0μm以下である請求項1記載のキャリア芯材。
  3. 細孔容積が0.005cm/g以上0.040cm/g以下である請求項1又は2記載のキャリア芯材。
  4. フェライト粒子の組成が、MnO:35mol%〜55mol%、Fe:45mol%〜65mol%を含有し、その一部をSrO:0.1mol%〜5.0mol%で置換したものである請求項1〜3のいずれかに記載のキャリア芯材。
  5. 磁場79.58×10A/m(1000エルステッド)を印加した際の磁化σ1kが50Am/kg以上70Am/kg以下である請求項1〜4のいずれかに記載のキャリア芯材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリア。
  7. 請求項6記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含む電子写真用現像剤。
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