JP7257732B2 - キャリア芯材並びにこれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 - Google Patents
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脱磁器(KMD-20C、カネテック株式会社製)を用いてキャリア芯材に減衰交番磁界を加え脱磁した後、30分以内に見掛け密度(AD1)を測定する。キャリア芯材の見掛け密度はJIS Z 2504に準拠して測定する。
脱磁後に1000/(4π)kA/m(1000エルステッド)の磁界下でキャリア芯材を着磁した後、30分以内に見掛け密度(AD2)を測定する。キャリア芯材の見掛け密度はJIS Z 2504に準拠して測定する。
結合粒子の含有率は、観測画像により測定可能である。観測画像による全観測粒子数から、結合粒子数との割合により個数%を求めれば良い。
キャリア芯材の形状を走査電子顕微鏡(日本電子社製:JSM-6510LA)を用いて倍率200倍で撮影した。撮影した画像より視野中で粒子の外縁が確認できる粒子をカウントし全粒子数とし、全粒子中に含まれる結合粒子数をカウントし、結合粒子含有率を算出した。結合粒子含有率の算出にあたってカウントする全粒子数は少なくとも100個以上とし、視野中の全粒子数が100個に満たない場合は、同一試料の別視野画像を用い同様にカウントし全粒子数とした。
ただし、当該画像において、粒径(最大長さ)が3μm以下の微小粒子は、粒子としてカウントはしない。これは、微小粒子は、原料粉の状態であるものか、何らかの理由で破損した粉であり、キャリア芯材としての機能が期待できない不純物である。なお、通常は極めて少数であり、無視できる量でなければならない。さらに、粒子の外縁が確認できる粒子をカウントの対象とする。画像は、粒子が単分散しているものを用い、粒子が重なり、結合粒子であるか判別できない場合は、同一粒子を拡大、または視角を変更し、確認することが望ましい。結合粒子であれば、結合粒子の重心点は、母粒子の重心点と異なるため、横転(回転)しやすく、画像では側面からの視野となり、観測しやすい。
なお、結合粒子は、球形粒子が2個以上5個以下結合した粒子とした。そして、結合粒子では球形粒子と球形粒子とが結合部分を共有した形態で存在しているので、それぞれの球形粒の粒径は、キャリア芯材の形状を走査電子顕微鏡(日本電子社製:JSM-6510LA)を用いて倍率250倍で撮影した画像において、結合粒子の結合部分を除いた領域から粒子を球形近似することによりそれぞれ算出した。
キャリア芯材の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装社製「マイクロトラックModel9320-X100」)を用いて測定した。
超深度カラー3D形状測定顕微鏡(「VK-X100」株式会社キーエンス製)を用い、100倍対物レンズで表面を観察して求めた。具体的には、まず、表面の平坦な粘着テープにフェライト粒子を固定し、100倍対物レンズで測定視野を決定した後、オートフォーカス機能を用いて焦点を粘着テープ面に調整した。フェライト粒子を固定した平坦な粘着テープ面に対し、垂直方向(Z方向)からレーザー光線を照射し、面のX方向Y方向に走査した。また、表面からの反射光の強度が最大となった時のレンズの高さ位置をつなぎ合わせることでZ方向のデータを取得した。これらX、YおよびZ方向の位置データをつなぎ合わせフェライト粒子表面の3次元形状を得た。なお、フェライト粒子表面の3次元形状の取り込みにはオート撮影機能を用いた。
各パラメーターの測定には、粒子粗さ検査ソフトウェア(三谷商事製)を用いて行った。まず、前処理として、得られたフェライト粒子表面の3次元形状の粒子認識と形状選別を行った。粒子認識は以下の方法で行った。撮影によって得られた3次元形状のうち、Z方向の最大値を100%、最小値を0%として最大値から最小値までの間を100等分する。この100~35%にあたる領域を抽出し、独立した領域の輪郭を粒子輪郭として認識した。次に形状選別で粗大、微小、会合などの粒子を除外した。この形状選別を行うことで以降に行う極率補正時の誤差を小さくすることができる。具体的には面積相当径28μm以下、38μm以上、針状比1.15以上に該当する粒子を除外した。ここで針状比とは粒子の最大長/対角幅の比から算出したパラメーターであり、対角幅とは最大長に平行な2本の直線で粒子を挟んだときの2直線の最短距離を表す。
つぎに表面の3次元形状から解析に用いる部分の取り出しを行った。まず上記の方法で認識した粒子輪郭から求められる重心を中心として15.0μmの正方形を描く。描いた正方形の中に21本の平行線を引き、その線分上にあたる粗さ曲線を21本分取り出した。
原料として、Fe2O3を10000gを純水3340g中に分散し、還元剤としてカーボンブラック25gと、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を35g添加して混合物とした。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約140℃の熱風中に噴霧し(ディスク回転数17000rpm)、粒径10μm~200μmの乾燥造粒物を得た。
(キャリア芯材Aの作製)
前記で得られた乾燥造粒物を電気炉に投入し3000ppmの酸素雰囲気下で温度1050℃で3時間焼成した。得られた焼成物をハンマーミルで解砕した後に振動篩を用いて分級し、体積平均粒径35μmのキャリア芯材Aを得た。
(キャリア芯材Bの作製)
前記で得られた乾燥造粒物を電気炉に投入し、5000ppmの酸素雰囲気下で温度1250℃で3時間焼成した。得られた焼成物をハンマーミルで解砕した後に振動篩を用いて分級し、体積平均粒径35μmのキャリア芯材Bを得た。
(キャリア芯材の作製)
キャリア芯材Aとキャリア芯材Bとを重量比で90:10の割合で混合し実施例1のキャリア芯材とした。
キャリア芯材の脱磁後及び着磁後の見掛け密度及びその比率、流動度、平均粒径、最大山谷深さRzが1.8μm以上の粒子個数%、磁気特性、結合粒子の割合、現像メモリーを前述及び後述の方法で測定した。測定結果を表2に示す。また、図1に実施例1のキャリア芯材のSEM写真を示す。
下記表1に示す原料配合量及び焼成温度でキャリア芯材Aを作製し、表1に示す混合比でキャリア芯材Aとキャリア芯材Bと混合して実施例2~4,比較例1~3のキャリア芯材を作製した。作製したキャリア芯材の脱磁後及び着磁後の見掛け密度及びその比率、流動度、平均粒径、最大山谷深さRzが1.8μm以上の粒子個数%、磁気特性、結合粒子の割合、現像メモリーを前述及び後述の方法で測定した。測定結果を表2に示す。また、図3に実施例2のキャリア芯材のSEM写真を示す。
キャリア芯材の流動度はJIS Z 2502に準拠して測定した。
室温専用振動試料型磁力計(VSM)(東英工業社製「VSM-P7」)を用いて、外部磁場を0~79.58×104A/m(10000エルステッド)の範囲で1サイクル連続的に印加して、磁場79.58×103A/m(1000エルステッド)を印加した際の磁化σ1k、飽和磁化σs、残留磁化σr、保磁力Hcを測定した。
得られたキャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製した。具体的には、シリコーン樹脂450重量部と、(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン9重量部とを、溶媒としてのトルエン450重量部に溶解してコート溶液を作製した。このコート溶液を、流動床型コーティング装置を用いてキャリア芯材50000重量部に塗布し、温度300℃の電気炉で加熱してキャリアを得た。以下、全ての実施例、比較例についても同様にしてキャリアを得た。
得られた現像剤を、図4に示す構造の現像装置(現像スリーブの周速度Vs:406mm/sec,感光体ドラムの周速度Vp:205mm/sec,感光体ドラム-現像スリーブ間距離:0.3mm)に投入し、感光体ドラムの長手方向にベタ画像部と非画像部とが隣り合い、その後は広い面積の中間調が続く画像を初期と20万枚画像形成後に取得し、現像ローラ2周目の現像ローラ1周目のベタ画像が現像された領域とそうでない領域との画像濃度を反射濃度計(東京電色社製の型番TC-6D)を用いて測定し、その差を求め下記基準で評価した。結果を表2に合わせて示す。
「◎」:0.003未満
「○」:0.003以上0.006未満
「△」:0.006以上0.020未満
「×」:0.020以上
5 感光体ドラム
Claims (4)
- 球形粒子が2個~5個の結合した結合粒子が5個数%以上20個数%以下含まれ、
前記結合粒子以外の通常粒子は球形で、
残留磁化σ r が1.3Am 2 /kg以上5.1Am 2 /kg以下で、
体積平均粒径が25μm以上50μm未満で、
減衰交番磁界を加えて脱磁したときの見掛け密度(AD1)と、脱磁後に1000/(4π)kA/m(1000エルステッド)の磁界下で着磁したときの見掛け密度(AD2)との比(AD2/AD1)が0.90以上0.98以下である
ことを特徴とするキャリア芯材。 - 最大山谷深さRzが1.8μm以上である粒子が5個数%以上含まれる請求項1に記載のキャリア芯材。
- 請求項1又は2に記載のキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリア。
- 請求項3記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含む電子写真用現像剤。
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