JP2012208446A - 電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及び電子写真現像剤 - Google Patents

電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及び電子写真現像剤 Download PDF

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健 内藤
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Abstract

【課題】速やかにトナーを帯電させることができ、現像性が高く、良好な画像品質が得られる電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、該フェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用フェライトキャリア、及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を提供する。
【解決手段】流動度が40秒/50g以上であるフェライト粒子からなる電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、該フェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用フェライトキャリア、及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンター等に用いられる二成分系電子写真現像剤に使用される電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及び該フェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆して得られるフェライトキャリア、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤に関する。
電子写真現像方法は、現像剤中のトナー粒子を感光体上に形成された静電潜像に付着させて現像する方法であり、この方法で使用される現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤及びトナー粒子のみを用いる一成分系現像剤に分けられる。
こうした現像剤のうち、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤を用いた現像方法としては、古くはカスケード法等が採用されていたが、現在では、マグネットロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
二成分系現像剤において、キャリア粒子は、現像剤が充填されている現像ボックス内において、トナー粒子と共に攪拌されることによって、トナー粒子に所望の電荷を付与し、さらにこのように電荷を帯びたトナー粒子を感光体の表面に搬送して感光体上にトナー像を形成するための担体物質である。マグネットを保持する現像ロール上に残ったキャリア粒子は、この現像ロールから再び現像ボックス内に戻り、新たなトナー粒子と混合・攪拌され、一定期間繰り返して使用される。
二成分系現像剤は、一成分系現像剤とは異なり、キャリア粒子はトナー粒子と混合・攪拌され、トナー粒子を帯電させ、さらに搬送する機能を有しており、現像剤を設計する際の制御性が良い。従って、二成分系現像剤は高画質が要求されるフルカラー現像装置及び画像維持の信頼性、耐久性が要求される高速印刷を行う装置等に適している。
このようにして用いられる二成分系現像剤においては、画像濃度、カブリ、白斑、階調性、解像力等の画像特性が、初期の段階から所定の値を示し、しかもこれらの特性が耐刷期間中に変動せず、安定に維持されることが必要である。これらの特性を安定に維持するためには、二成分系現像剤中に含有されるキャリア粒子の特性が安定していることが必要になる。
二成分系現像剤を形成するキャリア粒子として、従来は、表面を酸化皮膜で覆った鉄粉あるいは表面を樹脂で被覆した鉄粉等の鉄粉キャリアが使用されていた。このような鉄粉キャリアは、磁化が高く、導電性も高いことから、ベタ部の再現性のよい画像が得られやすいという利点がある。
しかしながら、このような鉄粉キャリアは真比重が約7.8と重く、また磁化が高すぎることから、現像ボックス中におけるトナー粒子との攪拌・混合により、鉄粉キャリア表面へのトナー構成成分の融着、いわゆるトナースペントが発生しやすくなる。このようなトナースペントの発生により有効なキャリア表面積が減少し、トナー粒子との摩擦帯電能力が低下しやすくなる。
また、樹脂被覆鉄粉キャリアでは、耐久時のストレスにより表面の樹脂が剥離し、高導電性で絶縁破壊電圧が低い芯材(鉄粉)が露出することにより、電荷のリークが生ずることがある。このような電荷のリークにより、感光体上に形成された静電潜像が破壊され、ベタ部にハケスジ等が発生し、均一な画像が得られにくい。これらの理由から、酸化皮膜鉄粉及び樹脂被覆鉄粉等の鉄粉キャリアは、現在では使用されなくなってきている。
近年は、鉄粉キャリアに代わって真比重約5.0程度と軽く、また磁化も低いフェライトをキャリアとして用いたり、さらに表面に樹脂を被覆した樹脂コートフェライトキャリアが多く使用されており、現像剤寿命は飛躍的に伸びてきた。
このようなキャリアは、トナーと混合して電子写真現像剤とされる。このキャリアには、電子写真現像剤としたときに、速やかにトナーを帯電させ、現像性を高くし、画像品質性を均一性にさせるものが求められている。
従来、キャリア芯材やキャリアにはトナーとの混合性を向上させるため、流動性の良好なものが求められており、流動度を規定した数多くの提案がなされている。
特許文献1(特開2000−267360号公報)には、結着樹脂と磁性体を含む樹脂キャリアが開示され、その流動度は80秒以下とされており、粉末は全体として球形に近似した形状であると記載されている。
特許文献2(特開2003−323007号公報)には、板状金属酸化物粒子粉末と粒状強磁性鉄化合物粒子粉末とフェノール樹脂とにより得られる球状複合体粒子からなる電子現像剤用磁性キャリアが記載され、流動率と平均粒子径が一定式を満足するものが好ましいとされている。そして、特許文献2の実施例では、流動率は37〜59秒/50gの範囲にある。
しかし、これらの特許文献1及び特許文献2は樹脂キャリア又はバインダ型キャリアと呼ばれるキャリアに関するものであり、フェライトキャリアではない。このような形態の異なるキャリアの流動性を同列に論じることはできない。
特許文献3(特開平7−175264号公報)には、シリコーン樹脂を被覆したフェライトキャリアにおいて、BET値が250〜350cm/g、流動度が31秒/50g以上等の特性を有する芯材が提案されており、結晶を大きく、形状として球状から外れる形となるとされている。そして、特許文献3の実施例の流動度は31.1〜35.4秒/50gの範囲にある。
特許文献4(特開平10−39548号公報)には、流動率が5〜120s/50gであるフェライト粒子からなるフェライトキャリアが記載されており、この範囲を超えると、現像剤の流動性が低下しトナーの迅速な攪拌ができずトナー濃度の均一性が低下しやすく、この範囲未満では、現像機からの粒子からのこぼれなどが起きやすく取り扱いが困難であり、トナー帯電付与能力が低くなるとされている。この特許文献4の実施例の流動率は27〜35s/50gの範囲にある。
特許文献5(特開2002−357930号公報)には、見掛け密度と流動度の積が一定範囲にある電子現像剤用キャリアが記載され、実施例の流動度は27.9〜44.0秒/50gの範囲である。
これら特許文献3〜特許文献5は、フェライト粒子等のキャリア芯材又はこれに樹脂を被覆したキャリアの流動度を規定するものであるが、これら実施例の流動度は4.4秒/50g以下であり、流動性の良いキャリア芯材やキャリアが用いられている。
特開2000−267360号公報 特開2003−323007号公報 特開平7−175264号公報 特開平10−39548号公報 特開2002−357930号公報
上述したように、従来においては、電子写真現像剤用キャリア芯材又はこれに樹脂を被覆したキャリアにおいては、いずれも流動性を良くして、換言すれば流動度の値を小さくして、トナーとの帯電性を良好とし、現像剤特性を向上させようとするものであるが、十分な結果は得られていない。
従って、本発明の目的は、速やかにトナーを帯電させることができ、現像性が高く、良好な画像品質が得られる電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、該フェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用フェライトキャリア、及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を提供することにある。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討した結果、従来の知見にも拘わらず、流動性が一定限度劣り、しかも表面に不均一な凹凸を有するフェライトキャリア芯材が上記課題を解決することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、流動度が40秒/50g以上であるフェライト粒子からなることを特徴とする電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材を提供することにある。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、粒子表面の焼結一次粒子の大きさ(グレインサイズ)が不均一であることが望ましい。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、体積平均粒径20〜45μm、飽和磁化が55〜75Am/kgであることが望ましい。
また、本発明は、上記フェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用フェライトキャリアを提供するものである。
さらに、本発明は、上記フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤を提供するものである。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆したフェライトキャリアを用いることにより、速やかにトナーを帯電させることができ、このフェライトキャリアを用いた電子写真現像剤は、現像性が高く、良好な画像品質を得ることができる。
図1は、実施例1で得られたフェライト粒子の電子顕微鏡写真(×450)であり、表面に極端に大きいグレインと小さいグレインとが混在するような不均一な粒子を示す。 図2は、比較例1で得られたフェライト粒子の電子顕微鏡写真(×450)であり、表面の凹凸(グレイン)が小さく、その大きさが比較的均一な粒子を示す。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材及び電子写真現像剤用フェライトキャリア>
本発明に係る電子現像剤用フェライトキャリア芯材は、フェライト粒子からなり、その組成は限定されないが、特に、Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Tiから選ばれる少なくとも1種を含むフェライトであることが望ましい。近年の廃棄物規制を始めとする環境負荷低減の流れを考慮すると、Cu、Zn、Niの重金属を、不可避不純物(随伴不純物)の範囲を超えて含まないことが好ましい。
空隙率の高いフェライト粒子も用いることができる。その場合には、フェライト粒子の空隙部分に樹脂を充填した樹脂充填型フェライトキャリアとして用いられる。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材の流動度は、40秒/50g以上で、望ましくは42〜80秒/50gである。フェライトキャリア芯材の流動度が40秒/50g未満では、フェライトキャリア芯材の流動性が良いため、これを用いたフェライトキャリアの流動性が良好であるにも拘わらず、摩擦力が低いため、トナーとの混合性は劣ったものとなる。また、フェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してフェライトキャリアとして現像剤に用いた場合には、得られる現像剤は、高現像性が得られず、また画像品質の均一性も得られない。この流動度は、下記によって測定される。
(流動度)
JIS Z 2502「金属粉の流動度試験方法」に準拠して行われ、試料(フェライトキャリア芯材)50gをオリフィス孔径2.63mmのロートに注ぎ、流下する時間(秒)を測定する。
本発明では、フェライトキャリア芯材の流動性が上記のように劣るため、表面に樹脂を被覆した後のフェライトキャリアの流動性も劣ったものとなる。従来の知見では、キャリア芯材又はキャリアの流動性を高めることで、トナーとの混合性を向上させるのが一般的であるが、本発明では、流動性が悪いことが、摩擦力が高いこととなり、このことを利用して、より速やかにトナーと混合できることを見出した。これによって、フルカラー画像の高速印刷のようなトナーの消費が激しいシステムにおいても、次々と補給されるトナーを、速やかに帯電させることが可能となる。また、流動性に劣ることで、磁気ブラシの密度が高まり、高現像性を可能にしている。さらに、流動性が劣ることで、現像器内での現像剤の偏りが発生しにくく、均一な磁気ブラシを形成できるため、画像品質の均一性が良好となる。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、粒子表面の焼結一次粒子の大きさ(グレインサイズ)が不均一であることが望ましい。粒子表面の焼結一次粒子の大きさ(グレインサイズ)の不均一さは電子顕微鏡(SEM)によって観察される。
(粒子表面の焼結一次粒子の大きさ(グレインサイズ)の不均一さの観察)
キャリア粒子の形状及び表面性は、走査型電子顕微鏡(JSM−6100型日本電子株式会社製)を用い、加速電圧20kVにて、2次電子像を撮影した。得られた電子顕微鏡写真を観察し、確認した。
キャリア粒子の表面性は、トナーとの摩擦性に大きく影響を及ぼし、帯電性を決める大きな要因である。従来は、トナーによるキャリアの表面汚染を軽減するために、表面が平滑(スムース)なキャリアを用いられることが多かった。このような表面が平滑なフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)は、確かにトナーによるキャリアの表面汚染を軽減することは可能であったが、滑り性が良いために、トナーを素早く帯電させるには不向きであった。
一方、表面に凹凸を持つフェライトキャリア芯材も提案されている。このようなフェライトキャリア芯材は、比較的低温で焼成されるため、焼成工程において粒子の凝集の発生がなく、円形度が高く形状の良い芯材となりやすい。そのため、流動性が非常に良い芯材となる。トナーを速やかに帯電させるために表面に凹凸を設けても、流動性が良すぎるために、所望の帯電性が得られなかったり、現像剤の偏りが生じたりして、全てを満足できるものではなかった。
逆に、形状を悪くすることで流動性を低下させ、また適当に表面が荒れているために、帯電性にも優れるようなフェライトキャリア芯材を作成することは可能である。しかし、このように形状に劣るフェライトキャリア芯材は、現像剤に用いて、マグネットロールに保持させたとき、ブラシ(穂立ち)の均一性が悪く、画質を劣化させる原因となる。また、形状の劣る粒子は、粒子間の磁気力が弱くなるため、キャリア付着を誘発しやすく、上述のような優れた帯電性や偏りのない現像剤となったとしても、実用できるものではない。
そこで、球形で均一な形状を保ったまま、流動性に劣ったものとし、トナーとの摩擦力を上げる方法として、上記のような不均一な凹凸を有する表面性を形成させることを見出した。
フェライトは、焼成温度を上げていくに従って、結晶成長が進み、表面の凹凸が小さくなってくる。表面の凹凸の1つ1つを、焼結一次粒子(あるいは結晶一次粒子径)、これをグレインと呼ぶ場合があるが、焼成温度が高くなるにつれて、このグレインの成長が進む。一般的には、このグレインの大きさが均一であることが好ましく、いかに均一に形成させるかという点について研究がなされてきた。本発明においては、これとは逆に、極端に大きいグレインと小さいグレインとが混在するような不均一な粒子を形成させることによって、上述のような効果、つまり、球形で均一な形状を保ったまま、流動性を劣ったものとし、トナーとの摩擦力を上げることが可能となった。本発明では、電子顕微鏡写真によって観察し、画像解析等によってグレインの大きさ(径、面積等)を測定し、その分布等を数値化することによって、表面の不均一性を表わすことができる。
上述のような極端に大きいグレインと小さいグレインとが混在するような不均一な粒子の電子顕微鏡写真を図1に示す。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、体積平均粒径が20〜45μmであることが望ましい。近年の、特に高速機やフルカラー機において、トナーを十分に帯電させるためには、キャリアが十分な表面積を持つことが重要である。そのためには、粒子径を小さくすることが効果的である。一方、粒子径が小さくなりすぎると、1粒子が持つ磁化が急激に低くなるため、キャリア付着を誘発しやすくなる。従って、粒子径は小さすぎても好ましくない。このため、体積平均粒径は上記範囲が望ましい。この体積平均粒は下記によって測定される。
(体積平均粒径)
レーザー回折散乱法により測定した。装置として日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)を用いた。屈折率は2.42とし、25±5℃、湿度55±15%の環境下で測定を行った。ここで言う平均粒径(メジアン径)とは、体積分布モード、ふるい下表示での累積50%粒子径である。
キャリアサンプルの分散は、分散液として0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、超音波工業社製ウルトラソニックホモジナイザー(UH−3C)にて1分間の超音波処理とした。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、飽和磁化が55〜75Am/kgであることが望ましい。キャリア付着を抑制するために、キャリアの持つ磁化は高い方が好ましい。しかし、磁化が高すぎると、磁気ブラシが硬くなり、高画質を得にくくなる。このため、飽和磁化は上記範囲が望ましい。この飽和磁化は下記によって測定される。
(飽和磁化及び1000エルステッド時の磁化)
この磁化の測定は、積分型B−HトレーサーBHU−60型(株式会社理研電子製)を使用して測定した。電磁石間に磁場測定用Hコイル及び磁化測定用4πIコイルを入れる。この場合、試料は4πIコイルに入れる。電磁石の電流を変化させ磁場Hを変化させたHコイル及び4πIコイルの出力をそれぞれ積分し、H出力をX軸に、4πIコイルの出力をY軸に、ヒステリシスループを記録紙に描く。ここで測定条件としては、試料充填量:約1g、試料充填セル:内径7mmφ±0.02mm、高さ10mm±0.1mm、4πIコイル:巻数30回、印加磁場3000エルステッドにて測定した。
この時、3000エルステッド印加時の磁化を飽和磁化とした。また、記録紙に描かれたヒステリシスループから、1000エルステッド印加時の磁化を読み取り、1000エルステッド時の磁化とした。
また、本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、その表面に所望によって酸化皮膜を有する。酸化皮膜の厚さは0.0001〜10μmであることが望ましい。このような酸化皮膜を有することにより高磁化でありながら高抵抗といった所望の抵抗が得られる。なお、酸化皮膜は芯材表面に均一で形成されていても良いし、部分的に酸化皮膜形成されていても良い。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、その表面に樹脂を被覆し、電子写真現像剤用フェライトキャリアとされる。
ここで用いられる被覆樹脂としては、特に制限されず、例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂等が挙げられる。使用中の機械的ストレスによる樹脂の脱離を考慮すると、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。具体的な熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂及びそれらを含有する樹脂等が挙げられる。
フェライトキャリア芯材への樹脂の被覆量は、フェライトキャリア芯材100重量部に対して、0.5〜5.0重量部が好ましい。これら被覆樹脂中には、導電性の向上や帯電制御のために、導電剤や帯電制御剤を適宜、適量含有することができる。
導電剤としては、導電性カーボンや酸化チタン、酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤が挙げられる。
また、帯電制御剤の例としては、トナー用に一般的に用いられる各種の帯電制御剤や、各種シランカップリング剤が挙げられる。使用できる帯電制御剤やカップリング剤の種類は特に限定されないが、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等の帯電制御剤、アミノシランカップリング剤やフッ素系シランカップリング剤等が好ましい。
<本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリアの製造方法>
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリアの製造方法について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材の製造方法は、所定のフェライト原料(各化合物)を粉砕、混合、仮焼成を行った後、再度粉砕、混合、造粒し、得られた造粒物を所望により一次焼成した後、本焼成し、さらに解砕、分級、必要に応じて表面酸化処理する。
これらの各化合物を粉砕、混合、仮焼を行った後、再度粉砕、混合、造粒して造粒物を調製する方法は、特に制限はなく、従来公知の方法が採用することができ、乾式による方法を用いても湿式による方法を用いてもよい。例えばフェライト原料を混合し、大気下、仮焼成する。仮焼成後、得られた仮焼物をさらにボ−ルミル又は振動ミル等で粉砕した後、水及び必要に応じ分散剤、バインダー等を添加し、粘度調整後、スプレードライヤーにて粒状化し、造粒を行う。仮焼後に粉砕する際は、水を加えて湿式ボールミルや湿式振動ミル等で粉砕しても良い。なお、バインダーとしてはポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンを使うことが好ましい。所望の特性が得られる場合にはこの仮焼成は必ずしも行わなくてもよい。
本発明の製造方法では、得られた造粒物を必要に応じて一次焼成した後、本焼成を行う。ここで、一次焼成は600〜1000℃で行われ、本焼成は、1000〜1300℃で行われる。本焼成雰囲気は、流動性や表面不均一性を考慮して適宜選択される。
その後、焼成物を解砕、分級を行ってフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)を得る。分級方法としては、既存の風力分級、メッシュ濾過法、沈降法など用いて所望の粒径に粒度調整する。乾式回収を行う場合は、サイクロン等で回収することも可能である。粒度調整を行う際は上述の分級方法を2種類以上選んで実施しても良いし、1種類の分級方法で条件を変更して粗粉側粒子と微粉側粒子を除去しても良い。
その後、必要に応じて、表面を低温加熱することで酸化被膜処理を施し、電気抵抗調整を行うことができる。酸化被膜処理は、一般的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、例えば、600℃以下で熱処理を行う。酸化被膜を均一に芯材粒子に形成させるためにはロータリー式電気炉を用いることが好ましい。
本発明では、電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材の流動度を特定するものであるが、フェライトキャリアの流動性を調整する方法は、幾つかの方法があり、単独もしくは組み合わせて用いることができる。以下に、フェライトキャリアの流動性を調整する方法について詳述する。
フェライトキャリアは、芯材であるフェライト粒子の表面に、有機樹脂被覆を施す樹脂被覆フェライトキャリアが一般的である。従って、キャリアの流動性を調整する方法として、芯材と被覆樹脂のそれぞれを調整することができる。被覆樹脂は、キャリア粒子の最表面に存在するため、キャリアの流動性を変化させる大きな要因となるが、同時に、使用中に剥離、摩耗やトナー成分による汚染が発生するため、常に変化することとなる。従って、被覆樹脂によってキャリアの流動性を調整すると、上述のような、使用期間中の変化によって流動性も変化するため、所望の流動性を維持しにくくなり好ましくない。被覆樹脂による流動性の調整方法としては、樹脂の種類と被覆量によって調整する方法があり、硬い樹脂ほど流動性が良くなり、被覆量が多いほど流動性が悪くなる。また、樹脂中に、無機微粒子や有機樹脂微粒子を添加することで、流動性を調整することが可能である。シリカ、酸化チタン等の無機微粒子やアクリル樹脂微粒子やメラミン樹脂微粒子を添加することで、流動性を調整することができる。
しかし、上述のような理由から、キャリアの流動性のベースは、芯材によって決められる。芯材の流動性を調整する方法は様々あるが、磁気的な制御と力学的な制御に大別される。
磁気的な制御として、最も有効なのは残留磁化、保磁力を高める方法である。一般的に、電子写真現像剤用フェライトキャリアには、ソフトフェライト(軟磁性)が用いられる。このソフトフェライトは、残留磁化、保磁力が非常に小さいが、そこに、ハードフェライト(硬磁性)成分を配合すると、残留磁化、保磁力を高めることができる。残留磁化、保磁力が高いと、磁場がないところでも粒子は磁気を帯びており、粒子間の凝集力が高くなるため流動性が劣ったものとなる。また、磁場があるところでは、それは顕著である。ハードフェライトとして、一般的には、Srフェライト、Baフェライト、Caフェライトが挙げられる。これらは、予め原料の段階で混合しておき、焼成工程において、ソフトフェライト中に、ハードフェライト成分が固溶したような形になる。
次に、力学的な制御方法としては、粒径及び粒径分布、形状、表面性、密度といった要因が挙げられる。粒径が小さく、粒径分布が広い方が、流動性が劣ったものとなりやすい。球形状に比べて、異形粒子は流動性が劣る。表面性については、凹凸があり、その凹凸の高低差が大きいほど、流動性は劣る。さらに、密度が小さく、粒子として軽い方が、流動性が劣る。粒径や粒度分布については、焼成後の粒度調整工程において、分級する径(カット径)を適宜調整することによって、任意の粒径及び粒径分布が得られる。形状については、粒子を作る工程、電子写真現像剤用キャリアの一般的な製造工程においては、造粒工程に用いるスプレードライヤーの条件を変更することで調整する。
通常は、スプレードライヤー工程においては球形粒子ができるが、スプレーするスラリーの粘度、表面張力や固形分比、スラリー供給量や乾燥するために導入する温風の温度等を変更することで、異形粒子を作ることができる。例えば、固形分比が低く、温風の温度を非常に高くすると、スプレーされた直後に水分が急激に蒸発するため、破裂したような異形粒子を得ることができる。
また、焼成工程において、焼成温度を高くすると、結晶成長時の粒子間の凝集が強固になり、それを解す際に、割れた粒子や欠けた粒子が発生し、形状が劣ったものとなる。表面の凹凸も、焼成温度に依存する傾向が強く、焼成温度が高いと表面の凹凸がなくなり、焼成温度が低いと凹凸のある表面性になる。一般的には、表面の凹凸があるほうが流動性は劣るが、表面の凹凸を減らすために焼成温度を高めると、上述のような粒子凝集が発生してしまい、逆に流動性が劣ったものとなる。低温で焼成し、粒子凝集が少なく、球形度が高い粒子の方が、ある程度の凹凸があっても、流動性が良くなる。密度を調整する方法として、MgやLi等の軽元素を用いる方法がある。しかし、一般的には、磁化も低くなるため、キャリア付着との関係でバランスをとる必要がある。低い温度で焼成した場合、結晶成長が完全に進まず、粒子内部に空隙(細孔)が残ることがある。こういった場合、粒子の密度が低くなるため、組成を変えないでも流動性を劣ったものとすることができる。
以上のような方法を単独で、あるいは幾つかを組み合わせることによって、他の特性とのバランスが良い、所望とする流動性を持つフェライトキャリアを得ることができる。
本発明では、電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材の表面の焼結一次粒子径(グレインサイズ)が不均一であることが望ましい。フェライトを焼成すると、結晶成長が進み、グレインを形成するようになる。一般のフェライト用途では、このグレインサイズを微妙に調整することで様々な特性や特徴を発現させ、またその大きさが均一になるようにすることを目的として、様々な改良や提案がなされている。
本発明においては、このグレインの大きさが均一ではなく、極端に大きいグレインと小さいグレインとが混在するような不均一な粒子を形成させることによって、上述のような効果、つまり、球形で均一な形状を保ったまま、流動性が劣るものとし、トナーとの摩擦力を上げることが可能となる。このように不均一なグレインを形成させる方法としては、スラリー粒径及びその分布、結晶成長阻害(もしくは促進)成分の配合、結晶成長速度の異なる成分の配合等が挙げられる。スラリー粒径が極端に小さいと、結晶成長が急激に進むことがあり、焼成工程における熱のかかり方の微妙な違いによって、グレインサイズに大きな分布ができる。逆に、スラリー粒径が大きく、その分布が広いと、結晶成長が進みやすい部分と進みにくい部分があるため不均一になる。
結晶成長を阻害もしくは促進するような成分を適量配合させることによって、結晶成長が阻害される部分もしくは促進される部分を意図的に作り出すことができる。また、結晶成長が進みやすい組成(成分)と進みにくい組成(成分)とを共存させることで、不均一な表面性を形成させることができる。
スピネル型のフェライトに比べ、マグネトプランバイト型のフェライトの方が、結晶成長速度が遅いと言われており、スピネル型のフェライト組成を主成分として、そこに、マグネトプランバイト型のフェライト組成を適量は配合することで、結晶成長速度の差が発生し、不均一な表面性にすることができる。
上述のような方法に、焼成工程における昇温速度、最高温度維持時間、冷却速度及び焼成雰囲気を適宜組み合わせることによって、さらに幅広く、ある程度精度のある制御が可能となる。例えば、昇温速度や冷却速度が速いと不均一な表面性になりやすいし、低温でゆっくりと時間をかけて焼成すると、均一な表面性になりやすい。また、焼成雰囲気としては、酸素濃度は高い方が結晶成長が進みにくいため、不均一な表面性になりやすい傾向がある。
以上のような方法を単独で、あるいはいくつかを組み合わせることによって、球形度がある程度高くても、不均一な表面性を持ち、また流動性に劣るフェライトキャリアを得ることができる。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリアは、上記フェライトキャリア芯材の表面に、上記した樹脂を被覆し、樹脂被膜を形成する。被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等により被覆することができる。被覆率を向上させるためには、流動床による方法が好ましい。
樹脂をフェライトキャリア芯材に被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。UV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用いる。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。
<本発明に係る電子写真現像剤>
次に、本発明に係る電子写真用現像剤について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤は、上記した電子写真現像剤用樹脂被覆キャリアとトナーとからなるものである。
本発明の電子写真現像剤を構成するトナー粒子には、粉砕法によって製造される粉砕トナー粒子と、重合法により製造される重合トナー粒子とがある。本発明ではいずれの方法により得られたトナー粒子を使用することができる。
粉砕トナー粒子は、例えば、結着樹脂、荷電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等の混合機で充分に混合し、次いで、二軸押出機等で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級し、外添剤を添加後、ミキサー等で混合することにより得ることができる。
粉砕トナー粒子を構成する結着樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、さらにはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは単独又は混合して用いられる。
荷電制御剤としては、任意のものを用いることができる。例えば正荷電性トナー用としては、ニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩等を挙げることができ、また、負荷電性トナー用としては、含金属モノアゾ染料等を挙げることができる。
着色剤(色材)としては、従来より知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。その他、トナーの流動性、耐凝集性向上のためのシリカ粉体、チタニア等のような外添剤をトナー粒子に応じて加えることができる。
重合トナー粒子は、懸濁重合法、乳化重合法、乳化凝集法、エステル伸長重合法、相転乳化法といった公知の方法で製造されるトナー粒子である。このような重合法トナー粒子は、例えば、界面活性剤を用いて着色剤を水中に分散させた着色分散液と、重合性単量体、界面活性剤及び重合開始剤を水性媒体中で混合攪拌し、重合性単量体を水性媒体中に乳化分散させて、攪拌、混合しながら重合させた後、塩析剤を加えて重合体粒子を塩析させる。塩析によって得られた粒子を、濾過、洗浄、乾燥させることにより、重合トナー粒子を得ることができる。その後、必要により乾燥されたトナー粒子に外添剤を添加する。
さらに、この重合トナー粒子を製造するに際しては、重合性単量体、界面活性剤、重合開始剤、着色剤以外に、定着性改良剤、帯電制御剤を配合することができ、これらにより得られた重合トナー粒子の諸特性を制御、改善することができる。また、水性媒体への重合性単量体の分散性を改善するとともに、得られる重合体の分子量を調整するために連鎖移動剤を用いることができる。
上記重合トナー粒子の製造に使用される重合性単量体に特に限定はないが、例えば、スチレン及びその誘導体、エチレン、プロピレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエステル及びメタクリル酸ジエチルアミノエステル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類等を挙げることができる。
上記重合トナー粒子の調製の際に使用される着色剤(色材)としては、従来から知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー及びフタロシアニングリーン等を使用することができる。また、これらの着色剤はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等を用いてその表面が改質されていてもよい。
上記重合トナー粒子の製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を使用することができる。
ここで、アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン、脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等を挙げることができる。さらに、カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。また、両イオン性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩、アルキルアミノ酸等を挙げることができる。
上記のような界面活性剤は、重合性単量体に対して、通常は0.01〜10重量%の範囲内の量で使用することができる。このような界面活性剤の使用量は、単量体の分散安定性に影響を与えるとともに、得られた重合トナー粒子の環境依存性にも影響を及ぼすことから、単量体の分散安定性が確保され、かつ重合トナー粒子の環境依存性に過度の影響を及ぼしにくい上記範囲内の量で使用することが好ましい。
重合トナー粒子の製造には、通常は重合開始剤を使用する。重合開始剤には、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とがあり、本発明ではいずれも使用することができる。本発明で使用することができる水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、水溶性パーオキサイド化合物を挙げることができ、また、油溶性重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、油溶性パーオキサイド化合物を挙げることができる。
また、本発明において連鎖移動剤を使用する場合には、この連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四臭化炭素等を挙げることができる。
さらに、本発明で使用する重合トナー粒子が、定着性改善剤を含む場合、この定着性改良剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックス等を使用することができる。
また、本発明で使用する重合トナー粒子が、帯電制御剤を含有する場合、使用する帯電制御剤に特に制限はなく、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等を使用することができる。
また、重合トナー粒子の流動性向上等のために使用される外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を挙げることができ、これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
さらに、水性媒体から重合粒子を分離するために使用される塩析剤としては、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の金属塩を挙げることができる。
上記のようにして製造されたトナー粒子の平均粒径は、2〜15μm、好ましくは3〜10μmの範囲内にあり、重合トナー粒子の方が粉砕トナー粒子よりも、粒子の均一性が高い。トナー粒子が2μmよりも小さくなると、帯電能力が低下しカブリやトナー飛散を引き起こしやすく、15μmを超えると、画質が劣化する原因となる。
上記のように製造された樹脂被覆キャリアとトナーとを混合し、電子写真現像剤を得ることができる。樹脂被覆キャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は3〜15重量%に設定することが好ましい。3重量%未満であると所望の画像濃度が得にくく、15重量%を超えると、トナー飛散やかぶりが発生しやすくなる。
本発明に係る電子写真現像剤は、補給用現像剤としても用いることもできる。この際の樹脂被覆キャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は100〜3000重量%に設定することが好ましい。
上記のように調製された本発明に係る電子写真現像剤は、有機光導電体層を有する潜像保持体に形成されている静電潜像を、バイアス電界を付与しながら、トナー及びキャリアを有する二成分現像剤の磁気ブラシによって反転現像する現像方式を用いたデジタル方式のコピー機、プリンター、FAX、印刷機等に使用することができる。また、磁気ブラシから静電潜像側に現像バイアスを印加する際に、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法である交番電界を用いるフルカラー機等にも適用可能である。
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
MnO:35.2mol%、MgO:14.5mol%、Fe:50mol%及びSrO:0.3mol%になるように原料を秤量し、湿式のメディアミルで5時間粉砕してスラリーを得た。得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、真球状の粒子を得た。この粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、大気雰囲気下で、950℃で2時間加熱し、仮焼成を行った。
次いで、水を溶媒とし、スラリーの固形比を55重量%に調整し、1/8インチ径のステンレスビーズを用いて湿式ボールミルで1時間粉砕した後、さらに1/16インチ径のステンレスビーズを用いて1時間粉砕し、スラリー平均粒径を約3.5μmとした。このスラリーに分散剤を適量添加し、また造粒される粒子の強度を確保する目的で、バインダーとしてPVAを固形分に対して2重量%添加し、スプレードライヤーにより造粒、乾燥し、造粒物を325Mの目開きのジャイロシフターで粒度調整をした。その後、ロータリーキルンを用いて、大気雰囲気下で、650℃で加熱し、バインダー成分を除去した後、電気炉にて、温度1210℃、酸素濃度1体積%で5時間保持し、本焼成を行った。
その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
比較例
[比較例1]
MnOが47mol%、MgOが3mol%、Feが50mol%になるようにMnO、MgO及びFeを秤量し、さらにこれらの金属酸化物100重量部に対して、3重量部のBi及び3重量部のZrOを秤量して添加した。
この混合物を湿式ボールミルで5時間混合、粉砕後、ロータリーキルンを用いて、950℃で1時間保持し、仮焼成を行った。こうして得られた仮焼成物を、湿式ボールミルで7時間粉砕し、平均粒径を0.8μmとした。
上記のようにして得られたスラリーに分散剤及びバインダーを適量添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後、この造粒物を、電気炉で温度1140℃、酸素濃度0.1%の条件で6時間保持し、本焼成を行った。得られた焼成物を、解砕後、分級して粒度調整を行い、フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
実施例1及び比較例1で得られたフェライトキャリア芯材の体積平均粒径、飽和磁化、1000エルステッド印加時の磁化、見掛け密度、流動度、粒子表面の不均一さ、現像剤の偏り及び現像率を評価して結果を表1に示す。また、実施例1及び比較例1により得られたフェライト粒子の表面状態を示す電子顕微鏡写真(×450)を図1及び図2にそれぞれ示す。
表1において、見掛け密度、現像剤偏り及び現像率は下記に基づいて測定又は評価した。その他の評価方法は上述した通りである。
(見掛け密度)
JIS Z 2504に準拠して測定した。詳細は下記の通りである。
1.装置
粉末見掛密度計は漏斗、コップ、漏斗支持器、支持棒及び支持台から構成されるものを用いる。天秤は、秤量200gで感量50mgのものを用いる。
2.測定方法
(1)試料は、少なくとも150g以上とする。
(2)試料は孔径2.5+0.2/−0mmのオリフィスを持つ漏斗に注ぎ流れ出た試料が、コップ一杯になってあふれ出るまで流し込む。
(3)あふれ始めたら直ちに試料の流入をやめ、振動を与えないようにコップの上に盛り上がった試料をへらでコップの上端に沿って平らにかきとる。
(4)コップの側面を軽く叩いて、試料を沈ませコップの外側に付着した試料を除去して、コップ内の試料の重量を0.05gの精度で秤量する。
3.計算
前項2−(4)で得られた測定値に0.04を乗じた数値をJIS−Z8401(数値の丸め方)によって小数点以下第2位に丸め、「g/cm3」の単位の見掛け密度とする。
(現像剤偏り)
キャリア368gと市販のトナー32gをビニール袋に入れ、数回、上下に振って予備混合した。予備混合した現像剤を、500ccのプラスチック容器に入れ、ターブラミキサーにて10分混合し、現像剤を得た。
得られた現像剤を、キヤノン社製フルカラー複合機PIXCEL C2150から現像器の部分を取り出し、モーターを設置し、回転数と回転時間を任意に設定できるように改造した。
この試験用現像器に上記の現像剤を入れ、100rpmで30秒撹拌し、現像剤の偏りを目視で観察した。
(現像率)
初めに、現像剤を以下の条件で作成した。
フェライトキャリアと、フルカラープリンターに使用されている市販の負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製DocuPrintC3540用)を、トナー濃度を8重量%(トナー重量=1.4g、キャリア重量=18.6g)に秤量した。秤量したキャリア及びトナーを、NN環境(温度20〜25℃、相対湿度50〜60%)下に12時間以上暴露した。その後、キャリアとトナーを50ccのガラス瓶に入れ、ターブラーミキサーにて、10分間撹拌を行った。
次に、上記の現像剤の現像性を、小型現像試験機を用いて評価した。すなわち、直径31mm、長さ76mmの円筒形のアルミ素管(以下、スリーブ)の内側に、N極とS極を交互に合計8極の磁石(磁束密度0.1T)を配置したマグネットロールと、該スリーブと5.0mmのGapをもった円筒状の電極を、該スリーブの外周に配置した。
このスリーブ上に、現像剤を0.5gを均一に付着させた後、外側のアルミ素管は固定したまま、内側のマグネットロールを100rpmで回転させながら、外側の電極とスリーブ間に、直流電圧500Vを90秒間印可し、トナーを外側の電極に移行させた。
90秒経過後、印可していた電圧を切り、マグネットロールの回転を止めた後、外側の電極を取り外し、外側の電極に移行したトナーの量を測定した。ここで、0.5gの現像剤中に含まれるトナーは0.04gであるため、以下の数1に示す計算式を用いて、現像率を算出した。この数値が高い程、現像性が良いことを示している。
表1と図1の結果から、実施例1のフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)は、流動性が悪く、粒子表面の結晶一次粒子径(グレインサイズ)が不均一である。特に、図1中には、丸印で示した極端に大きいグレインの存在が認められる。そのため、現像剤の偏りがなく、現像率の結果から高い現像性を示している。一方、表1と図2の結果から、比較例1のフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)は、流動性が悪く、粒子表面の結晶一次粒子径(グレインサイズ)が比較的均一であるため、現像剤の偏りが観察され、現像率の結果から現像性も、実施例1に比べてかなり劣っている。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリアは、現像剤に用いた時に速やかにトナーを帯電させることができる。このため、本発明の電子写真現像剤は、現像性が高く、良好な画像品質が得られる。
従って、本発明は、高画質の要求されるフルカラー機並びに画像維持の信頼性及び耐久性の要求される高速機の分野において広く使用可能である。

Claims (5)

  1. 流動度が40秒/50g以上であるフェライト粒子からなることを特徴とする電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  2. 粒子表面の焼結一次粒子の大きさが不均一である請求項1に記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  3. 体積平均粒径20〜45μm、飽和磁化が55〜75Am/kgである請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のフェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用フェライトキャリア。
  5. 請求項4に記載のフェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤。
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JP2018128619A (ja) * 2017-02-10 2018-08-16 Dowaエレクトロニクス株式会社 キャリア芯材並びにこれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤
JP7129142B2 (ja) 2016-07-22 2022-09-01 Dowaエレクトロニクス株式会社 キャリア芯材

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