JP4889114B2 - 不定形フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンター等に用いられる二成分系電子写真現像剤用の不定形フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤に関し、詳しくは低抵抗化され、かつ高比表面積であり、また低比重で長寿命化された不定形フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いたトナー飛散が防止され、高画像濃度で、高速化及びフルカラー化に対応できる電子写真現像剤に関する。
電子写真法に使用される二成分系現像剤はトナーとキャリアとにより構成されており、キャリアは現像剤ボックス内でトナーと混合攪拌され、トナーに所望の電荷を与え、電荷を帯びたトナーを感光体上の静電潜像に運び、トナー像を形成させる担体物質である。キャリアはトナー像を形成した後も、マグネットに保持され現像ロール上に残り、さらに再び現像ボックスに戻り、新たなトナー粒子と再び混合攪拌され、一定期間繰り返し使用される。
この二成分系現像剤は、一成分系現像剤と異なり、キャリアが、トナー粒子を攪拌し、トナー粒子に所望の帯電性を付与すると共に、トナーを搬送する機能を有しており、現像剤設計において制御性がよいため、特に高画質の要求されるフルカラー機並びに画像維持の信頼性及び耐久性の要求される高速機の分野に広く使用されている。
このような二成分系電子写真現像剤においては、従来、キャリアとして酸化被膜鉄粉、樹脂被覆鉄粉等の鉄粉キャリアが用いられていたが、鉄粉キャリアは、真比重が大きいため、現像機内でのストレスが大きく、その長寿命化が困難である。
そこで、鉄粉キャリアに比べて真比重が小さい、Cu−Znフェライト、Ni−Znフェライト等のフェライトキャリアが用いられている。また、これらのフェライトキャリアは従来の鉄粉キャリアに比べ高画質画像を得るのに有利な特質を多く持っている。
これらフェライトキャリアとしては球状のものが一般に用いられている。しかし、球状フェライトキャリアは高抵抗であり、現像能力が不足し易く、高速化に対応しきれない。また、比表面積も小さく、トナーの保持性が悪いため、カブリやトナー飛散を発生し易い。
そこで、球状フェライトの現像能力を上げるために、フェライトコアの表面に樹脂を被覆し、樹脂中に導電剤を添加し、低抵抗化を図ることが提案されている。しかし、樹脂被覆キャリアは経時の使用によって、樹脂が剥離しやすく、特に導電剤によって低抵抗化されたキャリアは、使用期間中の抵抗変化が大きく、充分な長寿命化が図れない。
また、特許文献1(特開2000−233930号公報)には、酸化マンガンと3価の酸化鉄をフェライト成分とし、これに一定量の酸化チタンを含ませた実質的にスピネル相からなるキャリアコア組成物が記載されている。このように、酸化チタンを含ませることによって、高導電率又は低抵抗率で、飽和磁化を一定限度以上に保つことができる。
しかし、このようにフェライト成分に酸化チタンを含有させることによって、一定の低抵抗を達成できるものの、形状のコントロールがされていないため、キャリア芯材であるフェライト粒子の導電性が低く、また、トナー保持性も充分でないため、目標とする現像能力が得られず、カブリやトナー飛散といった不具合を発生させる。
一方、球状フェライトキャリアに代えて不定形フェライトキャリアを用いることが種々提案されている。例えば特許文献2(特開2002−116582号公報)には、形状係数(SF−1)が130以上の不定形フェライトコアに、導電粉をバインダー樹脂に分散してなるコート層を設けた抵抗が10〜1010Ω・cmのキャリアを用いることが記載されている。
しかし、形状係数(SF−1)を規定したのみでは、キャリア芯材である磁性キャリアの導電性が充分でなく、目標とする現像能力が得られない。また、現像能力を上げるために導電性粉末を多量に使用する必要があるため、カラートナーが汚染され、画質劣化を引き起こし易い。また、このような多量の導電性粉末をコート層中に分散、含有させると、装置内でのストレスによりコート層が剥離、脱離しやすくなるため、キャリアの導電性が失われ、長期にわたって良好な特性を維持することが困難である。
特許文献3(特開平7−261461号公報)には、飽和磁化が100emu/g以上のマグネタイト粒子により平均粒径10〜100μmの非球形状に形成した磁性キャリアが記載されており、画質を向上させ得ると共に、キャリア飛散を防止することができると記載されている。そして、非球形状として多面体形、多面形状、鱗状、偏平状、不定形状等が挙げられている。
この特許文献3は、マグネタイトを非球形状の粒子に形成し、その比表面積を大きくすることを提案するものであるが、形状係数やその形状分布のコントロールがなされていないため、キャリア芯材である磁性キャリアの導電性が低く、またトナー保持性も充分ではないため、高速化に伴って、高い現像能力を得ることは困難であった。
特許文献4(特開2002−182434号公報)には、長軸、短軸及び厚さが一定の関係にあり、磁化容易軸が平面内にある偏平形状の磁性キャリアが記載されている。
しかし、このような磁性キャリアを用いた場合には、接触点が少ないため、導電性が充分ではなく、またトナー保持性も充分ではないため、目標とする現像能力が得られず、カブリやトナー飛散といった不具合を発生させる。また、このような形状を有するキャリアは、機械的衝撃に対して比較的脆い傾向があり、キャリア粒子が破壊されるために、特性が大きく変動する恐れがある。
特開2000−233930号公報 特開2002−116582号公報 特開平7−261461号公報 特開2002−182434号公報
このように、フェライトキャリアを低抵抗化し、かつ高比表面積であり、また低比重で長寿命化し、現像剤としたときにトナー飛散が防止され、高画像濃度で、高速化及びフルカラー化に対応できる試みは達成されていない。
従って、本発明の目的は、低抵抗化され、かつ高比表面積であり、また低比重で長寿命化された不定形フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いることによって、トナー飛散が防止され、高画像濃度で、高速化及びフルカラー化に対応できる電子写真現像剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、低比重で長寿命化のためにはフェライトキャリアが有効であり、低抵抗化を達成するためには、特定の形状の粒子を多く含む樹脂で被覆した不定形フェライトで、形状係数(SF−1)が特定範囲にあり、またその標準偏差(δ)が一定値以下にあり、しかも形状係数(SF−2)も特定範囲にあり、かつ該樹脂の含有量が特定範囲にあるものをキャリアとして用いることが有効であることを知見し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、フェライト粒子からなるキャリア芯材が樹脂で被覆されているフェライトキャリアであって、該フェライトキャリアの粒子形状が不定形であり、40個数%以上が光学電子顕微鏡で目視される不等多角形状の粒子であり、以下に示す数3で示される形状係数(SF−1)が140〜250、その標準偏差(δ)が60以下、以下に示す数4で示される形状係数(SF−2)が120〜150であり、かつ該樹脂の被覆量が該キャリア芯材に対して0.01〜10.0重量%であることを特徴とする不定形フェライトキャリアを提供するものである。
また、上記不定形フェライトキャリアは、上記光学電子顕微鏡で目視される不等多角形状の粒子が50個数%以上存在することが望ましい。
また、上記不定形フェライトキャリアは、上記形状係数(SF−1)が145〜200であることが望ましい。
また、上記不定形フェライトキャリアは、上記形状係数(SF−1)が140以上の粒子の割合が40個数%以上であることが望ましい。
また、上記不定形フェライトキャリアは、上記形状係数(SF−1)の標準偏差(δ)が55以下であることが望ましい。
また、上記不定形フェライトキャリアにおいて、上記フェライト粒子のフェライト組成が下記化2で示されることが望ましい。
また、上記不定形フェライトキャリアにおいて、上記Mが、Mn及び/又はMgであることが望ましい。
また、上記不定形フェライトキャリアにおいて、上記フェライト組成を構成するフェライト成分にチタン化合物がさらに添加されていることが望ましい。
また、上記不定形フェライトキャリアにおいて、上記チタン化合物中のチタン添加量が、上記フェライト組成を構成するフェライト成分100重量部に対して0.01〜5重量部であることが好ましい。
また、上記不定形フェライトキャリアは、見掛け密度が2.40g/cm以下であることが望ましい。
また、上記不定形フェライトキャリアは、比表面積が150cm/g以上であることが望ましい。
また、上記不定形フェライトキャリアは、平均粒径(メディアン径)が30〜120μmであることが望ましい。
また、上記不定形フェライトキャリアは、飽和磁化が75emu/g(A・m/kg)以上であることが望ましい。
また、上記不定形フェライトキャリアは、10〜1010Ωであることが望ましい。
また、本発明は、上記フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤を提供するものである。
また、上記電子写真現像剤において、上記トナーはカラートナーが好ましく用いられる。
本発明に係る不定形フェライトキャリアは、フェライト粒子からなるキャリア芯材を樹脂で被覆したもので、その形状が光学電子顕微鏡で目視される不等多角形状の粒子を主体とし、形状係数(SF−1)が特定範囲にあり、またその標準偏差(δ)が一定値以下であり、しかも形状係数(SF−2)も特定範囲にあり、かつ該樹脂の含有量が特定範囲にあることから、低抵抗化され、かつ高比表面積であり、低比重であることにより長寿命化が達成される。従って、本発明に係る不定形フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤は、トナー飛散が防止され、また高画像濃度であり、現像機の高速化及びフルカラー化に充分対応できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
<本発明に係る不定形フェライトキャリア>
本発明に係る不定形フェライトキャリアは、フェライト粒子からなるキャリア芯材を樹脂で被覆したものであり、光学電子顕微鏡で目視される不等多角形状の樹脂被覆フェライト粒子を主体とする。不等多角形状の樹脂被覆フェライト粒子は、粒子中に40個数%以上存在し、好ましくは50個数%以上、さらに好ましくは60個数%存在する。不等多角形状の樹脂被覆フェライト粒子が粒子中に40個数%未満では、充分な低抵抗化が達成できない。
本発明でいう不等多角形状とは、図1の光学電子顕微鏡写真に示されるように、ロック型氷砂糖のような形状であるものをいう。また、参考として牡蠣殻形状の不定形フェライトキャリアの光学電子顕微鏡写真を図2に示す。
本発明に係る不定形フェライトキャリアは、以下の数5で示される形状係数(SF−1)が140〜250、好ましくは145〜200、さらに好ましくは150〜180である。形状係数(SF−1)が140未満では、粒子径状が球状に近くなり、粒子相互間での接触が少なく、導電性を上げることができない上に、不定形状にした効果が見られず、トナーの保持性が低くなる。250を超えると、形状が針状に近づき、粒子が脆くなるために、現像機内でのストレスによって粒子が砕ける等の問題が発生しやすくなる。
ここで形状係数(SF−1)とは、粒子等の形状を表現する係数として使用され、走査型電子顕微鏡等がとらえた画像の面積、長さ、形状等を高精度に定量解析することができる画像解析という統計的手法に基づくものであり、イメージアナライザー(画像解析ソフトImage−Pro Plus、Media Cybernetics社製)により測定することができる。形状係数(SF−1)は、キャリアの最大長を2乗した値をキャリアの投影面積で割った値にπ/4を掛け、さらに100倍して得られる数値であり、キャリアの形状が球に近いほど100に近い値となる。形状係数(SF−1)は、1粒子毎に算出し、50粒子の平均値をそのキャリアの形状係数とした。
本発明に係る不定形フェライトキャリアは、上記形状係数(SF−1)が140以上の粒子の割合が40個数%以上であることが望ましい。さらに望ましくは50個数%以上、最も望ましくは60個数%以上である。上記形状係数(SF−1)が140以上の粒子の割合が40個数%未満ではキャリアの充分な低抵抗化が図れない。
また、形状係数(SF−1)の標準偏差(δ)は、60以下であり、好ましくは55以下、さらに好ましくは50以下である。標準偏差(δ)が60を超えると粒子の形状分布が広くなり、磁気ブラシが均一に形成されにくくなるために、キャリア付着が発生する。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリアの形状係数(SF−2)は、好ましくは120〜250である。形状係数(SF−2)が120未満であると、粒子表面の凹部が少なく、比表面積を大きくすることが困難となり易い。また、形状係数(SF−2)が250を超えると、粒子表面の凹凸が多く、表面に空孔が多く存在するため、粒子が脆くなり易いため、長期にわたって安定した特性を得ることが困難となる。
この形状係数(SF−2)は、以下の数6によって計算される。
形状係数SF−2は、走査型電子顕微鏡を用いてキャリア粒子を撮影し、その画像を画像解析ソフトImage−Pro Plus、Media Cybernetics社製)を用い解析した。また、これらの形状係数は、1粒子毎に算出し、50粒子の平均値を、そのキャリアの形状係数とした。ここで形状係数100は真円を示す。
本発明に係る不定形フェライトキャリアは、耐久性を上げ、安定した画像特性を長期に渡って得ることを目的として、キャリア芯材の表面に樹脂被覆を施す。被覆樹脂としては、従来から知られている各種の樹脂を用いることが可能である。例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂、あるいはこれらの樹脂から選ばれる少なくとも2種以上の樹脂を混合した樹脂、または、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂等が挙げられる。
樹脂の被覆量は、キャリア芯材に対して0.01〜10.0重量%であり、0.3〜7.0重量%が好ましい。さらに好ましくは0.5〜5.0重量%である。被覆量が0.01重量%未満ではキャリア表面に均一な被覆層を形成することが難しく、また10.0重量%を超えるとキャリア同士の凝集が発生してしまい、歩留まり低下等の生産性の低下と共に、実機内での流動性あるいは帯電量等の現像剤特性変動の原因となる。
被覆された樹脂被膜は現像機内の撹拌やドクターブレードへの衝突により大きなストレスを受けるため、剥離、摩耗し易い。またトナーがキャリア表面に付着するスペント現象も起こり易い。これらの問題点を解決し、長期にわたって安定した現像剤特性を保つためには、耐摩耗性、耐剥離性、耐スペント性が良好である、下記化3に示した式(I)及び/又は(II)を含む樹脂であることが好ましい。また、これらを含むことにより撥水性に対しても効果を有する。
上記化3に示す式(I)及び/又は(II)を含む樹脂の例としては、上記したようなストレートシリコーン樹脂、有機変性シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂等が挙げられる。
また、上記被覆樹脂中には、帯電制御剤としてシランカップリング剤を含有することができる。これは被覆によって芯材露出面積を比較的小さくなるように制御した場合、帯電能力が低下することがあるが、各種シランカップリング剤を添加することにより、コントロールできるためである。使用できるカップリング剤の種類は特に限定されないが、負極性トナーの場合はアミノシランカップリング剤が、正極性トナーの場合はフッ素系シランカップリング剤が好ましい。
上記被覆樹脂中には、導電性微粒子を添加することができる。これは被覆によって樹脂のコーティング量が比較的多くなるように制御した場合、絶対的な抵抗が高くなりすぎて現像能力が低下することがあるためである。しかし導電性微粒子はそれ自身の持つ抵抗が被覆樹脂や芯材としてのフェライトに比べ低抵抗であるため、添加量が多すぎると急激な電荷リークを引き起こす。また、特開2002−116582号公報に記載されているような、コート樹脂層中の含有量が25〜45体積%まで添加すると、使用中に脱離した導電性微粒子によるトナー汚染が激しく好ましくない。そのため、添加量としてはそれに比べて十分低めに設定することが好ましい。本発明に係るキャリア芯材は、形状が十分制御されているため、導電性微粒子を添加しない状態、もしくは極少量の添加量で、充分な画像特性を得ることができる。具体的な添加量としては、被覆樹脂の固形分に対し、0.25〜20.0重量%であり、好ましくは0.5〜15.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。導電性微粒子としては、導電性カーボンや酸化チタン、酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤等が挙げられる。
本発明に係る不定形フェライトキャリアは、上記形状を有していればその組成は特に限定されないが、好ましくはフェライト組成が下記一般式(1)で示されるものである。これらの中でも、MがMn及び/又はMgであるものが特に好ましい。
本発明に係る不定形フェライトキャリアは、上記したフェライト組成を構成するフェライト成分にチタン化合物がさらに添加されることが望ましい。チタン化合物が添加されることによって、フェライト化が促進され、かつ安定するため、形状効果と相まって、高磁化で高導電性の良好な特性が長期にわたって得られ易くなる。チタン化合物としては酸化チタン、二酸化チタン、炭酸チタン等が用いられる。チタン化合物中のチタン添加量は、上記フェライト組成を構成するフェライト成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部である。チタンの添加量が5重量部を超えると、磁化が低下し易くなり、キャリア付着を発生させる原因となる。
本発明に係る不定形フェライトキャリアの見掛け密度は、好ましくは2.40g/cm以下、さらに好ましくは1.50〜2.30g/cmである。見掛け密度が2.40g/cmを超えると、現像機内でのストレスが高まり、長寿命化が困難となる。
この見掛け密度の測定は、JIS−Z2504(金属粉の見掛密度試験法)に従って測定される。
本発明に係る不定形フェライトキャリアの比表面積は、好ましくは150cm/g以上、さらに好ましくは200〜600cm/gである。比表面積が150cm/g未満であると、粒子相互間での接触点が少なく、不定形状にした効果が見られず、導電性を上げることが困難である上に、トナーの保持性が低くなる。
この比表面積の測定は、株式会社島津製作所社製粉体比表面積測定装置(型名:SS−100型)を用いて行う。
本発明に係る不定形フェライトキャリアの平均粒径(メディアン径)は、好ましくは30〜120μmであり、さらに好ましくは35〜110μmである。平均粒径が30μm未満であると、キャリア付着が発生しやすくなり、白斑の原因となる。また、120μmを超えると、画質が粗くなり、所望の解像度が得られにくくなる。また比表面積が小さくなるため、トナーの保持性が悪くなる。その他にも帯電能力が低く、トナーに充分な帯電を与えることが難しくなる。
この平均粒径(メディアン径)の測定は、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)を用いて測定される。
本発明に係る不定形フェライトキャリアの飽和磁化は、好ましくは75emu/g(Am/gkg)以上、さらに好ましくは80〜97emu/g(Am/gkg)である。飽和磁化が75emu/g(Am/gkg)未満であると、キャリア付着が発生しやすくなり、白斑の原因となる。
この磁化の測定は、積分型B−HトレーサーBHU−60型((株)理研電子製)を使用して測定した。電磁石間に磁場測定用Hコイル及び磁化測定用4πIコイルを入れる。この場合、試料は4πIコイルに入れる。電磁石の電流を変化させ磁場Hを変化させたHコイル及び4πIコイルの出力をそれぞれ積分し、H出力をX軸に、4πIコイルの出力をY軸に、ヒステリシスループを記録紙に描く。ここで測定条件としては、試料充填量:約1g、試料充填セル:内径7mmφ±0.02mm、高さ10mm±0.1、4πIコイル:巻数30回にて測定した。
また、本発明に係る不定形フェライトキャリアの抵抗は、好ましくは10〜1010Ωであり、さらに好ましくは10〜10Ωである。キャリアの抵抗が10Ω未満であると、電荷リークが発生しやすくなり、白斑の原因となる。また、キャリアの抵抗が1010Ωを超えると、高抵抗になりすぎるため、現像能力が低下する等の不具合が発生し易くなる。
この不定形フェライトキャリアの抵抗の測定は、図3に示すような測定冶具を用いて行われる。同図において、1は試料(キャリア芯材、樹脂被覆キャリア)、2は磁石、3は電極(真鍮板)、4は絶縁物(フッ素樹脂板)をそれぞれ示す。すなわち、電極間間隔6.5mmの、平行平板電極(面積10×40mm)に試料200mgを秤量し挿入する。次いで磁石(表面磁束密度:1500ガウス、対向する部分の磁石の面積:10×30mm)をN極とS極を対向させ平行平板電極に付けることにより電極間に試料を保持させ、東亜電波工業株式会社製SM−8210を用いて測定した。
<本発明に係る現像剤用フェライトキャリアの製造方法>
次に、本発明に係る現像剤用フェライトキャリアの製造方法の一例について説明する。
先ず、所定組成となるように、フェライト原料を適量秤量した後、さらに二酸化チタン、必要に応じてPVA、水、カーボンブラック等の添加剤を添加し、高速攪拌羽根を有する混合機で混合し、加圧式成形機にて造粒した後、仮焼する。次いで、ロール式粉砕機にて粉砕した後、気流分級機と振動篩を用いて粒度調整を行い、仮焼物を本焼成し、解砕及び分級して不定形フェライト(キャリア芯材)を得る。
また、上記不定形フェライト(キャリア芯材)に、上述したような被覆樹脂を被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、乾式法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等により被覆することができる。被覆率を向上させるためには、流動床による方法が好ましい。
樹脂をキャリア芯材に被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。
<本発明に係る電子写真用現像剤>
本発明に係る電子写真用現像剤について説明する。
本発明の現像剤を構成するトナー粒子には、粉砕法によって製造される粉砕トナー粒子と、重合法により製造される重合トナー粒子とがある。本発明ではいずれの方法により得られたトナー粒子も使用することができる。
粉砕トナー粒子は、例えば、結着樹脂、荷電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等の混合機で充分に混合し、次いで、二軸押出機等で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級し、外添剤を添加後、ミキサー等で混合することにより得ることができる。
粉砕トナー粒子を構成する結着樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、さらにはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは単独または混合して用いられる。
荷電制御剤としては、任意のものを用いることができる。例えば正荷電性トナー用としては、ニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩等を挙げることができ、また、負荷電性トナー用としては、含金属モノアゾ染料等を挙げることができる。
着色剤(色剤)としては、従来より知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。その他、トナーの流動性、耐凝集性向上のためのシリカ粉体、チタニア等のような外添剤をトナー粒子に応じて加えることができる。
重合トナー粒子は、懸濁重合法、乳化重合法、乳化凝集法、エステル伸長重合法、相転乳化法といった公知の方法で製造されるトナー粒子である。このような重合法トナー粒子は、例えば、界面活性剤を用いて着色剤を水中に分散させた着色分散液と、重合性単量体、界面活性剤及び重合開始剤を水性媒体中で混合攪拌し、重合性単量体を水性媒体中に乳化分散させて、攪拌、混合しながら重合させた後、塩析剤を加えて重合体粒子を塩析させる。塩析によって得られた粒子を、濾過、洗浄、乾燥させることにより、重合トナー粒子を得ることができる。その後、必要により乾燥されたトナー粒子に外添剤を添加する。
さらに、この重合トナー粒子を製造するに際しては、重合性単量体、界面活性剤、重合開始剤、着色剤以外に、定着性改良剤、帯電制御剤を配合することができ、これらにより得られた重合トナー粒子の諸特性を制御、改善することができる。また、水性媒体への重合性単量体の分散性を改善するとともに、得られる重合体の分子量を調整するために連鎖移動剤を用いることができる。
上記重合トナー粒子の製造に使用される重合性単量体に特に限定はないが、例えば、スチレン及びその誘導体、エチレン、プロピレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエステル及びメタクリル酸ジエチルアミノエステル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類等を挙げることができる。
上記重合トナー粒子の調製の際に使用される着色剤(色材)としては、従来から知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー及びフタロシアニングリーン等を使用することができる。また、これらの着色剤はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等を用いてその表面が改質されていてもよい。
上記重合トナー粒子の製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を使用することができる。
ここで、アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン、脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等を挙げることができる。さらに、カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。また、両イオン性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩、アルキルアミノ酸等を挙げることができる。
上記のような界面活性剤は、重合性単量体に対して、通常は0.01〜10重量%の範囲内の量で使用することができる。このような界面活性剤の使用量は、単量体の分散安定性に影響を与えるとともに、得られた重合トナー粒子の環境依存性にも影響を及ぼすことから、単量体の分散安定性が確保され、かつ重合トナー粒子の環境依存性に過度の影響を及ぼしにくい上記範囲内の量で使用することが好ましい。
重合トナー粒子の製造には、通常は重合開始剤を使用する。重合開始剤には、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とがあり、本発明ではいずれをも使用することができる。本発明で使用することができる水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、水溶性パーオキサイド化合物を挙げることができ、また、油溶性重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、油溶性パーオキサイド化合物を挙げることができる。
また、本発明において連鎖移動剤を使用する場合には、この連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四臭化炭素等を挙げることができる。
さらに、本発明で使用する重合トナー粒子が、定着性改善剤を含む場合、この定着性改良剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックス等を使用することができる。
また、本発明で使用する重合トナー粒子が、帯電制御剤を含有する場合、使用する帯電制御剤に特に制限はなく、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等を使用することができる。
また、重合トナー粒子の流動性向上等のために使用される外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素微粒子、アクリル微粒子等を挙げることができ、これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
さらに、水性媒体から重合粒子を分離するために使用される塩析剤としては、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の金属塩を挙げることができる。
上記のようにして製造されたトナー粒子の平均粒径は、2〜15μm、好ましくは3〜10μmの範囲内にあり、重合トナー粒子の方が粉砕トナー粒子よりも、粒子の均一性が高い。トナー粒子が2μmよりも小さくなると、帯電能力が低下しカブリやトナー飛散を引き起こし易く、15μmを超えると、画質が劣化する原因となる。
上記のように製造されたキャリアとトナーとを混合し、電子写真用現像剤を得ることができる。キャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は、3〜15%に設定することが好ましい。3%未満であると所望の画像濃度が得にくく、15%を超えると、トナー飛散やかぶりが発生し易くなる。
上記のように混合された現像剤は、有機光導電体層を有する潜像保持体に形成されている静電潜像を、バイアス電界を付与しながら、トナー及びキャリアを有する二成分現像剤の磁気ブラシによって反転現像する現像方式を用いたデジタル方式のコピー機、プリンター、FAX、印刷機等に使用することができる。また、磁気ブラシから静電潜像側に現像バイアスを印加する際に、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法である交番電界を用いるフルカラー機等にも適用可能である。
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
焼成後の組成比がMnO:20mol%、Fe:80mol%となるように原料を秤量し、さらに秤量した原料100重量部に対してTiO:0.1重量部、カーボンブラック:0.2重量部を添加して高速攪拌羽根を有する混合機で混合し、加圧式成形機にて造粒した後、950℃で1時間保持し仮焼成を行なった。これをロール式粉砕機にて粉砕した後、気流分級機と振動篩を用いて粒度調整を行った。この仮焼物を電気炉にて、温度1300℃、酸素濃度0.1%で4時間保持し、本焼成を行なった。その後、解砕及び分級してキャリア芯材を得た。
次に、以下の様に樹脂溶液を調製した。
・シリコーン系樹脂(商品名:SR−2411、固形分20重量%、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製):500重量部
・γ―アミノプロピルトリエトキシシラン:10重量部
・トルエン:300重量部
このように調製された樹脂溶液を上記フェライト粒子1000重量部に流動床コート装置を用いてコーティングし、さらに200℃で2時間焼付けを行い、上記樹脂によって被覆されたフェライトキャリアを得た。こうして得られた樹脂被覆フェライトキャリアの特性を表1に示した。特性は、形状係数(SF−1)、形状係数(SF−1)140以上の割合、その標準偏差(δ)、形状係数(SF−2)、見掛け密度、比表面積、平均粒径(メディアン径)、飽和磁化及び抵抗について測定した。測定方法は上述した通りである。また、このようにして得られた不定形フェライトキャリア(不等多角形状)の電子顕微鏡写真(100倍)を図1に示す。この電子顕微鏡写真からわかるように、80個数%以上の粒子が不等多角形状をしていることがわかる。
得られた樹脂被覆フェライトキャリアを用いて以下のような方法にて現像剤を調製し、実機評価を行った。
このキャリアと共に使用したトナーとしては、東芝テック社製市販のFANTASIA200用トナーを用い、トナー濃度5%になるように現像剤を調製した。
この現像剤を東芝テック社製市販のFANTASIA200を用いて耐刷評価を行った。その際の画像評価(画像濃度、30000枚耐刷印刷後の画像濃度、キャリア付着、トナー飛散、カラートナーの色汚れ)を下記の基準に基づいて行った。その結果を表2に示した。なお、表2の評価において、△以上が実用上問題ないレベルである。
[参考例1]
ロール式粉砕機のロール間ギャップによって粉砕条件を変え、他の条件は実施例1と同様にして、樹脂によって被覆された不定形フェライトキャリアを得た。得られた樹脂被覆フェライトキャリアの特性を実施例1に準じて評価し、その結果を表1に示した。また、このようにして得られた不定形フェライトキャリア(牡蠣殻形状)の電子顕微鏡写真(100倍)を図2に示す。この電子顕微鏡写真からわかるように、80個数%以上の粒子が牡蠣殻形状をしていることがわかる。こうして得られた樹脂被覆フェライトキャリアを用いて実施例1と同様にして現像剤を調製し、実機評価を行い、その結果を表2に示した。
[参考例2]
実施例1と同様にして秤量した後、水15重量%加え、ヘンシェルミキサーにて混合及び造粒した。仮焼成以降は実施例1と同様にして、樹脂によって被覆された不定形フェライトキャリアを得た。この不定形フェライトキャリアを電子顕微鏡写真で観察したところ、80個数%以上の粒子が牡蠣殻形状であった。得られた樹脂被覆フェライトキャリアの特性を実施例1に準じて評価し、その結果を表1に示した。こうして得られた樹脂被覆フェライトキャリアを用いて実施例1と同様にして現像剤を調製し、実機評価を行い、その結果を表2に示した。
[参考例3]
仮焼成温度を850℃に設定し、ロール式粉砕機のロール間ギャップによって粉砕条件を変え、他の条件は実施例1と同様にして、樹脂によって被覆された不定形フェライトキャリアを得た。この不定形フェライトキャリアを電子顕微鏡写真で観察したところ、60個数%以上の粒子が牡蠣殻形状であった。得られた樹脂被覆フェライトキャリアの特性を実施例1に準じて評価し、その結果を表1に示す。こうして得られた樹脂被覆フェライトキャリアを実施例1と同様にして現像剤を調製し、実機評価を行い、その結果を表2に示した。
[比較例1]
焼成後の組成比がMnO:20mol%、Fe:80mol%となるように原料を秤量し、水を加え、湿式ボールミルで5時間粉砕、混合し、乾燥させた後、950℃で1時間保持し仮焼成を行なった。この仮焼粉に水を加え、湿式ボールミルで7時間粉砕して得られたスラリーに分散剤及びバインダーを適量添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒及び乾燥し造粒物を得た。得られた造粒物を電気炉にて、温度1300℃、酸素濃度0.1%で4時間保持し、本焼成を行なった。その後、解砕及び分級してキャリア芯材を得た。このキャリア芯材を実施例1と同様にして樹脂で被覆し、樹脂によって被覆されたフェライトキャリアを得た。このフェライトキャリアを電子顕微鏡写真で観察したところ、ほぼ全ての粒子が真球状であった。得られた樹脂被覆フェライトキャリアの特性を実施例1に準じて評価し、その結果を表1に示す。こうして得られた樹脂被覆フェライトキャリアを用いて実施例1と同様にして現像剤を調製し、実機評価を行い、その結果を表2に示した。
[比較例2]
パウダーテック社製球状鉄粉(ASRV−100)を芯材として用いた。この鉄粉粒子の芯材を実施例1と同様にして樹脂で被覆し、樹脂によって被覆された鉄粉キャリアを得た。この鉄粉キャリアを電子顕微鏡写真で観察したところ、ほぼ全ての粒子が真球状であった。得られた樹脂被覆鉄粉キャリアの特性を実施例1に準じて評価し、その結果を表1に示した。こうして得られた樹脂被覆鉄粉キャリアを実施例1と同様にして現像剤を調製し、実機評価を行い、その結果を表2に示した。
[比較例3]
焼成後の組成比がCuO:20mol%、ZnO:25mol%、Fe:55mol%となるように原料を秤量し、水を加え、湿式ボールミルで5時間粉砕、混合し、乾燥させた後、950℃で1時間保持し仮焼成を行った。この仮焼粉に水を加え、湿式ボールミルで7時間粉砕して得られたスラリーに分散剤及びバインダーを適量添加し、次いでスプレードライヤーにより、造粒及び乾燥し造粒物を得た。得られた造粒物をバーナー炉にて温度1200℃で4時間保持し、本焼成を行った。その後、解砕及び分級してキャリア芯材を得た。
次いで以下の様に樹脂溶液を調製した。
・シリコーン系樹脂(商品名:SR−2411、固形分20重量%、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製):500重量部
・γ―アミノプロピルトリエトキシシラン:10重量部
・ケッチェンブラックEC(ケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社製):30重量部
・トルエン:300重量部
このように調製された樹脂溶液を上記フェライト粒子1000重量部に流動床コート装置を用いてコーティングし、さらに200℃で2時間焼付けを行い、上記樹脂によって被覆されたフェライトキャリアを得た。このフェライトキャリアを電子顕微鏡写真で観察したところ、ほぼ全ての粒子が真球状であった。得られた樹脂被覆フェライトキャリアの特性を実施例1に準じて評価し、その結果を表1に示す。こうして得られた樹脂被覆フェライトキャリアを用いて実施例1と同様にして現像剤を調製し、実機評価を行い、その結果を表2に示した。
[比較例4]
特開2002−116582号公報のキャリアAの製造に用いられている「EFY−50BW」(パウダーテック社製)を不定形キャリア芯材として用いた。
次いで以下の様に樹脂溶液を調製した。
・シリコーン系樹脂(商品名:SR−2411、固形分20重量%、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製):500重量部
・γ―アミノプロピルトリエトキシシラン:10重量部
・ケッチェンブラックEC(ケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社製):60重量部
・トルエン:600重量部
このように調製された樹脂溶液を上記フェライト粒子1000重量部に流動床コート装置を用いてコーティングし、さらに200℃で2時間焼付けを行い、上記樹脂によって被覆されたフェライトキャリアを得た。このときコート樹脂層中における導電性微粒子の含有量は、60重量%であり、体積換算すると約30体積%となる。この不定形フェライトキャリアを電子顕微鏡写真で観察したところ、約70%の粒子が不等多角形状であった。得られた樹脂被覆フェライトキャリアの特性を実施例1に準じて評価し、その結果を表1に示す。こうして得られた樹脂被覆フェライトキャリアを用いて実施例1と同様にして現像剤を調製し、実機評価を行い、その結果を表2に示した。
(画像濃度)
適正露光条件下で現像を行い、ベタ部の画像濃度をX−Rite(X−Rite,Inc.社製)によって測定し、ランク付けを行った。
◎:1.6以上
○:1.4以上1.6未満
△:1.2以上1.4未満
▲:1.0以上1.2未満
×:1.0未満
(30000枚耐刷印刷後の画像濃度)
適正露光条件下で30000枚耐刷印刷を行い、ベタ部の画像濃度をX−Rite(X−Rite,Inc.社製)によって測定し、上記(画像濃度)と同様にランク付けを行った。
(キャリア付着)
適正露光条件下で現像を行い、画像上のキャリア付着による白斑のレベルを目視によって判定し、ランク付けを行った。
◎:A3用紙10枚中に白斑が無いこと
○:A3用紙10枚中に1〜5個
△:A3用紙10枚中に6〜10個
▲:A3用紙10枚中に11〜20個
×:A3用紙10枚中に21個以上
(トナー飛散)
30000枚耐刷印刷後の機内を観察し、目視にて判定しランクづけを行った。
◎:機内汚染が全くなく、きれいな状態が保たれている
○:多少機内汚染しているが、きれいな状態である
△:機内汚染しているが、問題ないレベルである
▲:機内汚染がひどく、用紙上にも問題が現れてしまう
×:使用に耐えない
(カラートナーの色汚れ)
適正露光条件下で現像を行い、目視によって判定し、ランク付けを行った。
◎:全く色汚れがなく、きれいな画像である
○:多少色汚れしているが、きれいな画像である
△:色汚れしているが、使用可能なレベルである
▲:色汚れがひどく、使用可能なレベルを下回っている
×:使用に耐えない
(総合判定)
◎:全てにおいて非常に良好である
○:良好である
△:若干悪い点もあるが使用可能レベル
▲:使用可能なレベルを下回っている
×:使用に耐えない
表2の結果から明らかなように、実施例1及び参考例1〜3は、画像濃度、30000枚耐刷印刷後の画像濃度、キャリア付着、トナー飛散、カラートナーの色汚れのいずれにおいても実用レベルにある。特に実施例2はすべての項目において優れている。これに対して比較例1〜4は、30000枚耐刷印刷後の画像濃度、トナー飛散等において劣っている。
本発明に係る不定形フェライトキャリアは、キャリア芯材を樹脂で被覆したもので、その形状が不等多角形状からなる粒子を主体とし、形状係数(SF−1)が特定範囲にあり、またその標準偏差(δ)が一定値以下であり、しかも形状係数(SF−2)も特定範囲にあり、かつ該樹脂の含有量が特定範囲にあるから、低抵抗化され、かつ高比表面積であり、低比重であるため長寿命化が達成される。従って、本発明に係る不定形フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤は、トナー飛散が防止され、また高画像濃度であり、現像機の高速化及びフルカラー化に充分対応することができる。
図1は、実施例1より得られた不定形フェライトキャリア(不等多角形状)の電子顕微鏡写真(100倍)である。 図2は、参考例1より得られた不定形フェライトキャリア(牡蠣殻形状)の電子顕微鏡写真(100倍)である。 図3は、抵抗測定に用いられた測定冶具の説明図である。
1:試料(キャリア芯材、樹脂被覆キャリア)
2:磁石
3:電極(真鍮板)
4:絶縁物(フッ素樹脂板)

Claims (16)

  1. フェライト粒子からなるキャリア芯材が樹脂で被覆されているフェライトキャリアであって、該フェライトキャリアの粒子形状が不定形であり、40個数%以上が光学電子顕微鏡によって目視される不等多角形状の粒子であり、以下に示す数1で示される形状係数(SF−1)が140〜250、その標準偏差(δ)が60以下、以下に示す数2で示される形状係数(SF−2)が120〜150であり、かつ該樹脂の被覆量が該キャリア芯材に対して0.01〜10.0重量%であることを特徴とする不定形フェライトキャリア。

  2. 光学電子顕微鏡によって目視される上記不等多角形状の粒子が50個数%以上存在する請求項1に記載の不定形フェライトキャリア。
  3. 上記形状係数(SF−1)が145〜200である請求項1又は2に記載の不定形フェライトキャリア。
  4. 上記形状係数(SF−1)が140以上の粒子の割合が40個数%以上である請求項3に記載の不定形フェライトキャリア。
  5. 上記形状係数(SF−1)の標準偏差(δ)が55以下である請求項1〜4のいずれかに記載の不定形フェライトキャリア。
  6. 上記フェライト粒子のフェライト組成が、下記化1で示される請求項1〜5のいずれかに記載の不定形フェライトキャリア。
  7. 上記Mが、Mn及び/又はMgである請求項6に記載の不定形フェライトキャリア。
  8. 上記フェライト組成を構成するフェライト成分にチタン化合物がさらに添加されている請求項6又は7に記載の不定形フェライトキャリア。
  9. 上記チタン化合物中のチタン添加量が、上記フェライト組成を構成するフェライト成分100重量部に対して0.01〜5重量部である請求項8に記載の不定形フェライトキャリア。
  10. 見掛け密度が2.40g/cm以下である請求項1〜9のいずれかに記載の不定形フェライトキャリア。
  11. 比表面積が150cm/g以上である請求項1〜10のいずれかに記載の不定形フェライトキャリア。
  12. 平均粒径(メディアン径)が30〜120μmである請求項1〜11のいずれかに記載の不定形フェライトキャリア。
  13. 飽和磁化が75emu/g(A・m/kg)以上である請求項1〜12のいずれかに記載の不定形フェライトキャリア。
  14. 抵抗が10×1010Ωである請求項1〜13のいずれかに記載の不定形フェライトキャリア。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の不定形フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤。
  16. 上記トナーがカラートナーである請求項15に記載の電子写真現像剤。
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