JP2016224237A - 電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該樹脂充填型フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 - Google Patents

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隆男 杉浦
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Abstract

【課題】樹脂充填型キャリアの利点を保持しつつ、流動性が良好で、帯電立ち上がり特性に優れることから、耐刷時における帯電変動を防止することができる電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該樹脂充填型フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を提供する。
【解決手段】多孔質フェライト粒子を芯材とし、その空隙に樹脂を充填させて得られる電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアであって、見掛け密度が1.7〜2.1g/cm、かつ下記式(1)で表される体積流動度が2.5〜3.5sec/cmである電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該樹脂充填型フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を採用する。
【数1】
Figure 2016224237

【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、プリンター等に用いられる二成分系電子写真現像剤に使用される電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤に関し、詳しくは現像剤としたときに帯電立ち上がり性に優れ、耐刷時における帯電変動を防止することができる電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該樹脂充填型フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤に関する。
電子写真現像方法は、現像剤中のトナー粒子を感光体上に形成された静電潜像に付着させて現像する方法であり、この方法で使用される現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤及びトナー粒子のみを用いる一成分系現像剤に分けられる。
こうした現像剤のうち、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤を用いた現像方法としては、古くはカスケード法等が採用されていたが、現在では、マグネットロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
二成分系現像剤において、キャリア粒子は、現像剤が充填されている現像ボックス内において、トナー粒子と共に撹拌されることによって、トナー粒子に所望の電荷を付与し、さらにこのように電荷を帯びたトナー粒子を感光体の表面に搬送して感光体上にトナー像を形成するための担体物質である。マグネットを保持する現像ロール上に残ったキャリア粒子は、この現像ロールから再び現像ボックス内に戻り、新たなトナー粒子と混合、撹拌され、一定期間繰り返して使用される。
二成分系現像剤は、一成分系現像剤とは異なり、キャリア粒子はトナー粒子と混合、撹拌され、トナー粒子を帯電させ、さらに搬送する機能を有しており、現像剤を設計する際の制御性が良い。従って、二成分系現像剤は高画質が要求されるフルカラー現像装置及び画像維持の信頼性、耐久性が要求される高速印刷を行う装置等に適している。
このようにして用いられる二成分系現像剤においては、画像濃度、カブリ、白斑、階調性、解像力等の画像特性が、初期の段階から所定の値を示し、しかもこれらの特性が耐刷期間中に変動せず、安定に維持されることが必要である。これらの特性を安定に維持するためには、二成分系現像剤中に含有されるキャリア粒子の特性が安定していることが必要になる。
二成分系現像剤を形成するキャリア粒子として、従来は、各種の、鉄粉キャリア、フェライトキャリア、樹脂被覆フェライトキャリア、磁性粉分散型樹脂キャリア等が使用されていた。
最近、オフィスのネットワーク化が進み、単機能の複写機から複合機への時代に進化し、サービス体制も、契約したサービスマンが定期的にメンテナンスを行って現像剤等を交換するようなシステムから、メンテナンスフリーシステムの時代へシフトしてきており、市場からは、現像剤の更なる長寿命化に対する要求が一層高まってきている。
このような中で、キャリア粒子の軽量化を図り、現像剤寿命を伸ばすことを目的として、微細な磁性微粒子を樹脂中に分散させた磁性粉分散型キャリアも多く提案されている。
このような磁性粉分散型キャリアは、磁性微粒子の量を少なくすることにより真密度を下げることができ、撹拌によるストレスを軽減できるため、被膜の削れや剥離を防止することができ、長期にわたって安定した画像特性を得ることができる。
しかしながら、磁性粉分散型キャリアは、バインダー樹脂が磁性微粒子を覆っているため、キャリア抵抗が高い。そのため、充分な画像濃度を得ることが難しいという問題がある。
また、磁性粉分散型キャリアは、磁性微粒子をバインダー樹脂で固めているものであり、撹拌ストレスや現像機内での衝撃により磁性微粒子が脱離したり、従来用いられてきた鉄粉キャリアやフェライトキャリアに比べ機械的強度に劣るためか、キャリア粒子自体が割れたりするという問題が発生することがあった。そして、脱離した磁性微粒子や割れたキャリア粒子は感光体に付着し、画像欠陥を引き起こす原因となることがあった。
さらに、磁性粉分散型キャリアは、微細な磁性微粒子を用いるため、残留磁化及び保磁力が高くなり、現像剤の流動性が悪くなるという欠点がある。特にマグネットロール上に磁気ブラシを形成した場合、残留磁化及び保磁力があるために、磁気ブラシの穂が硬くなり、高画質を得にくい。また、マグネットロールを離れても、キャリアの磁気凝集がほぐれず、補給されたトナーとの混合が速やかに行われないため、帯電量の立ち上がりが悪く、トナー飛散やかぶりといった画像欠陥を起こすという問題があった。
このような磁性粉分散型キャリアに代わるものとして多孔質フェライト粒子を用いたフェライトキャリア芯材の空隙に樹脂を充填した樹脂充填型フェライトキャリアが提案されている。
特許文献1(特開2006−337579号公報)には、空隙率が10〜60%であるフェライトキャリア芯材に樹脂を充填してなる樹脂充填型フェライトキャリアが、特許文献2(特開2007−57943号公報)には立体的積層構造を持つ樹脂充填型フェライトキャリアが提案されている。また、特許文献3(特開2009−175666号公報)や特許文献4(特開2009−244837号公報)には、樹脂が充填される多孔質フェライト芯材の細孔容積、細孔径及び細孔分布特性が規定されており、それぞれ絶縁破壊電圧が高くかつキャリア粒子の破壊強度を向上させた樹脂充填型フェライトキャリアや、帯電立ち上がり性が速く、帯電変動を引き起こさない樹脂充填型フェライトキャリアも提案されている。さらに、特許文献5(特開2014−197040号公報)には、多孔質フェライト芯材の平均圧縮強度と圧縮強度の変動係数が規定されており、その結果、高いキャリア強度を付与して耐久性を向上させ、かつ耐刷時において帯電特性の安定化した樹脂充填型フェライトキャリアも提案されている。
一方、さらなる高画質化の要求に対して、トナー粒径は、高解像度を得るため小粒径化してきているが、その結果、トナーの流動性は悪化方向に向かうため、現像剤として使用するキャリアに対しては、流動性の良い特性が求められている。しかしながら、これら樹脂充填型キャリアは、真密度が小さいため、樹脂被覆フェライトキャリアに比べ、流動性は悪化傾向にある。その結果、トナーと混合した際に、現像剤の流動性も悪化し、現像機内での搬送性が悪くなり、新たに補給されたトナーとキャリアの間で速やかな摩擦帯電ができず、即ち、帯電量の立ち上がり特性が悪く、適度な帯電量を得ることができない。そして、低帯電のままスリーブ上に搬送されるため、かぶりやトナー飛散の原因となっていた。
帯電量の立ち上がり特性を改善する手段として、上記した特許文献4には、ピーク細孔径を適切な範囲にすることにより、表面の凹凸度合が変化し、トナーに対して十分なストレスを与えることができ、その結果トナーとの帯電立ち上がり特性を良化させることができると述べられている。しかしながら、流動性自体は依然改良されていないため、さらなる高画質化のため、小粒径化しているトナーに対しては、帯電立ち上がり特性は十分とはいえず、その結果、かぶりやトナー飛散も、満足のゆくものではなかった。また表面の凹凸度合が大きいためか、トナーに与えるストレスやキャリア同士に与えるストレスが大きく、その結果、キャリア表面におけるトナースペントの発生や樹脂被覆膜の剥がれ等により、耐刷時に帯電変動が生じる課題があった。
特開2006−337579号公報 特開2007−57943号公報 特開2009−175666号公報 特開2009−244837号公報 特開2014−197040号公報
従って、本発明の目的は、樹脂充填型キャリアの利点を保持しつつ、流動性が良好で、帯電立ち上がり特性に優れ、かつ耐刷時における帯電変動を防止することができる電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該樹脂充填型フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を提供することにある。
本発明者らは、上述のような課題を解決すべく鋭意検討した結果、樹脂充填型キャリアの見掛け密度と単位体積当たりの流動性指標である体積流動度を、ある一定の範囲内に調整することで、帯電立ち上がり特性に優れ、かつ耐刷時における帯電変動を防止することができることを知見し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、多孔質フェライト粒子を芯材とし、その空隙に樹脂を充填させて得られる電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアであって、見掛け密度が1.7〜2.1g/cm、かつ下記式(1)で表される体積流動度が2.5〜3.5sec/cmであることを特徴とする電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアを提供するものである。
Figure 2016224237
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、上記多孔質フェライト粒子の細孔容積が40〜100mm/g、ピーク細孔径が0.3〜1.0μm、細孔径分布において、下記式(2)で表される細孔径のばらつきdvが1.5以下、平均圧縮強度が100mN以上、圧縮強度の変動係数が50%以下であることが望ましい。
Figure 2016224237
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、上記多孔質フェライト粒子の本焼成前原料の塩素含有量が、80〜300ppmであることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、上記多孔質フェライト粒子に充填する樹脂の量が、上記多孔質フェライト粒子100重量部に対して3〜15重量部であることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、樹脂により表面が被覆されていることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、体積平均粒径が20〜50μm、飽和磁化が30〜80Am/kgであることが望ましい。
また、本発明は、上記樹脂充填型フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤を提供するものである。
本発明に係る上記電子写真現像剤は、補給用現像剤としても用いられる。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、低比重で軽量化が図れるため、耐久性に優れ長寿命化が達成でき、しかも磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、かつ熱や衝撃による割れ、変形、溶融がない。また流動性に優れているため、帯電立ち上がり性が速く、耐刷時における帯電変動を防止することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア>
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、多孔質フェライト粒子を芯材とし、その空隙に樹脂を充填してなり、その見掛け密度は1.7〜2.1g/cm、かつ下記式(1)で表される体積流動度が2.5〜3.5sec/cmであることが必要である。なお、ここでいうフェライト粒子とは、特記しない限りフェライト粒子の集合体を意味し、個々のフェライト粒子というときは単に粒子という。
Figure 2016224237
(FR:流動度)
FRの測定は、上述のように、JIS−Z2502(金属粉の流動度試験法)に従って測定した。
(真密度)
キャリア粒子の真密度は、乾式自動密度計Pycnomatic ATC(ThermoFisher Scientific社製)を用いて測定した。
ここで、これまで、キャリアの流動性を表す指標としては、JIS−Z2502に従った測定値であるFR(流動度)による評価が一般的であった。FRは、50gあたりの移動時間であり、即ち、単位重量当たりの流動度である。しかしながら、実際にキャリアが使用される装置は、現像機という決められた一定の容積をもち、この一定の容積内で、キャリアはトナーと混合化され、流動している。つまり、使用される状態を考慮すると、一定容積内での流動性を評価する必要があるため、これまでのFR値では、キャリアの流動性を表す指標としてはふさわしくなかった。また、樹脂充填型フェライトキャリアは、充填する樹脂量により粒子の真密度をコントールするため、その真密度を考慮した(1)式で与えられる体積流動度によって、はじめて、適切なキャリアの流動性評価を行うことが可能となった。
樹脂充填型フェライトキャリアの見掛け密度が1.7g/cm未満であると、キャリアが軽量過ぎるために帯電付与能力が低下し易い。樹脂充填型フェライトキャリアの見掛け密度が2.1g/cmを超えると、キャリアの軽量化が十分でなく、耐スペント性に劣る。樹脂充填型フェライトキャリアの体積流動度が2.5sec/cm未満であると、流動性が良すぎるため、キャリア同士の接触頻度が増加する。そのため耐刷時において、キャリアに与えるストレスが増加し、表面の樹脂被覆膜の剥がれ等が発生し、帯電変動の原因となる。樹脂充填型フェライトキャリアの体積流動度が3.5sec/cmを超えると、キャリアの流動性が悪いため、トナーとの混合性が落ち、帯電量の立ち上がり特性に劣る。さらに、この見掛け密度と体積流動度の好ましい範囲は、見掛け密度1.8〜2.0g/cm、かつ体積流動度2.5〜3.0sec/cmである。
(見掛け密度)
見掛け密度の測定は、JIS−Z2504(金属粉の見掛け密度試験法)に従って測定した。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、芯材として用いられる多孔質フェライト粒子の組成は、Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Cu、Znから選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。近年の廃棄物規制を始めとする環境負荷低減の流れを考慮すると、Cu、Zn、Niの重金属を、不可避不純物(随伴不純物)の範囲を超えて含まないことが好ましい。
この多孔質フェライト粒子の細孔容積は40〜100mm/g、ピーク細孔径は0.3〜1.0μmであることが必要である。また、この多孔質フェライト粒子の細孔容積は、好ましくは60〜75mm/gである。また多孔質フェライト粒子のピーク細孔径は、好ましくは、0.4〜0.8μmである。
多孔質フェライト粒子の細孔容積が40mm/g未満であると、十分な量の樹脂を充填することができないため軽量化が図れない。また、多孔質フェライト粒子の細孔容積が100mm/gを超えると、樹脂を充填してもキャリアの強度を保つことができない
一方、多孔質フェライト粒子のピーク細孔径が0.3μm未満であると、多孔質フェライト粒子中心部まで樹脂を充填することが著しく困難になる。また、多孔質フェライト粒子のピーク細孔径が1.0μmを超えると、充填後のキャリアに極端な凹凸が発生するため、粒子の強度が劣り、また電荷リークやトナースペントの原因となるため好ましくない。
この多孔質フェライト粒子の細孔径分布において、下記式(2)で表される細孔径のばらつきdvが1.5以下であることが望ましい。
Figure 2016224237
多孔質フェライト粒子の細孔径分布のばらつきdv値が1.5を超えると、粒子間の凹凸と芯材形状のばらつきが大きくなることを意味している。従って、dv値が所望の範囲を超えると、帯電の立ち上がりや帯電変動及び粒子の形状や充填による凝集について、粒子間ばらつきが発生しやすい。
(多孔質フェライト粒子の細孔径及び細孔容積)
この多孔質フェライト粒子の細孔径及び細孔容積の測定は、次のようにして行われる。すなわち、水銀ポロシメーターPascal140とPascal240(ThermoFisher Scientific社製)を用いて測定した。ディラトメーターはCD3P(粉体用)を使用し、サンプルは複数の穴を開けた市販のゼラチン製カプセルに入れて、ディラトメーター内に入れた。Pascal140で脱気後、水銀を充填し低圧領域(0〜400Kpa)を測定し、1st Runとした。次に再び脱気と低圧領域(0〜400Kpa)の測定を行い、2nd Runとした。2nd Runの後、ディラトメーターと水銀とカプセルとサンプルを合わせた重量を測定した。次にPascal240で高圧領域(0.1Mpa〜200Mpa)を測定した。この高圧部の測定で得られた水銀圧入量をもって、多孔質フェライト粒子の細孔容積、細孔径分布及びピーク細孔径を求めた。また、細孔径を求める際には水銀の表面張力を480dyn/cm、接触角を141.3°として計算した。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、芯材である多孔質フェライト粒子の平均圧縮強度は100mN以上、望ましくは100〜250mN、さらに望ましくは120〜250mNである。平均圧縮強度が100mN未満では、樹脂を充填してフェライトキャリアとして用いたときに、高いキャリア強度が得られず、耐久性に劣る。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、芯材である多孔質フェライト粒子の圧縮強度の変動係数は50%以下であり、40%以下であることが望ましく、さらに望ましくは35%以下である。圧縮強度の変動係数が50%を超えると、圧縮強度のバラツキが大きくなりすぎ、たとえ平均圧縮強度が所望の範囲にあったとしても、弱い粒子の存在確率が増し、高いキャリア強度が得られず、耐久性に劣る。
(平均圧縮強度及び圧縮強度の変動係数)
株式会社エリオニクス社製の超微小押し込み硬さ試験機ENT−1100aを使用した。ガラス板上に分散させた多孔質フェライト粒子を試験機にセットし、25℃の環境下で測定した。試験には直径50μmφの平圧子を使用し、49mN/sの負荷速度で490mNまで荷重した。粒子の選択は、超微小押し込み硬さ試験機の測定画面(横130μm×縦100μm)に1粒子だけで存在している多孔質フェライト粒子で、かつ球形を成し、ENT−1100a付属のソフトで計測される長径と短径の平均値がキャリア体積平均粒径の±2μmのものを使用した。荷重−変位曲線の傾きが0に近づいたときを粒子の破壊とし、変曲点の荷重を圧縮強度とした。100粒子の圧縮強度を測定し、最大値と最小値それぞれから10個を除いた80個をデータとして採用し、平均圧縮強度を求めた。
圧縮強度変動係数は、上記80個の標準偏差を算出し、下記式から求めた。
Figure 2016224237
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、芯材である多孔質フェライト粒子の本焼成前原料の塩素含有量は、80〜300ppmであることが必要であり、望ましくは、100〜200ppmである。原料中の塩素は、フェライト化する際の焼結性や結晶の微細構造(結晶粒径分布、粒界構造)に影響を及ぼすことが知られている。そこで、本発明者らは、鋭意、検討した結果、上記のような、焼結性や結晶性に影響を与える原料中の塩素量を制御することで、本発明において、最も重要な流動性を、所望の範囲に制御するが可能であることを知見した。
ここで、本焼成前原料とは、フェライト化するために行う「本焼成工程」に入る前の原料粉体のことである。
樹脂充填型フェライトキャリアの体積流動度を制御する方法としては、様々あるが、その一つとして、使用する芯材である多孔質フェライト粒子の流動性を調整することにより、キャリアの体積流動度を制御する方法がある。詳細なメカニズムは不明であるが、本焼成前原料の塩素量が300ppmを超え増加すると、焼結時の結晶微細化構造が乱れ不均一になるため、結晶粒子の大きさも不均一となり、結晶粒の集合体である多孔質フェライト粒子の球状度が落ちる。その結果、芯材の見掛け密度の低下や流動性が悪化し、樹脂充填後のキャリアの体積流動度も悪化することにより、帯電の立ち上がり特性が悪化する。また、結晶粒の大きさが不均一になることは、結晶粒子間の隙間である細孔径も大きくなり、さらに結晶微細化構造の不均一化は、粒子の強度低下を引き起こし、耐刷におけるストレスにより、キャリア粒子自体の割れが生じ、帯電変動を引き起こす原因となる。一方、本焼成前原料中の塩素量が低下する、つまり80ppm未満となると、上述とは逆に、焼結性が向上するため、多孔質フェライト粒子の球状度が向上し、その結果、見掛け密度は上昇し、流動性は良化するが、体積流動度が速くなりすぎ、上述したような不具合が発生する原因となる。
(塩素量測定)
本焼成前原料中の塩素量は、蛍光X線元素分析装置により測定を行った。測定装置としては株式会社リガク製ZSX PrimusIIを用いた。サンプル約5gを真空用粉末試料容器(RS640:株式会社リガク製)に入れ、試料フォルダにセットし、上記測定装置にて、塩素量の測定を行った。ここで、測定条件としては、Cl−Kα線を測定線とし、管電圧50kV、管電流50mA、分光結晶にGe、検出器としてPC(プロポーショナルカウンター)を用いた。
次に、既知の塩素量別サンプル(12ppm、144ppm、308ppm、521ppm、1008ppm)を準備し、上記条件にて塩素の蛍光X線強度値の測定を行い、検量線を作成した。サンプルの塩素量は、測定した蛍光X線強度値から、この検量線を用いて、算出を行った。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型キャリアでは、上記多孔質フェライト粒子に充填する樹脂の量が、上記多孔質フェライト粒子100重量部に対して、3〜15重量部が望ましく、より望ましくは、4〜10重量部であり、さらに望ましくは、5〜7重量部である。樹脂の充填量が3重量部未満であると、樹脂充填が不十分なキャリアとなり、樹脂充填による帯電量の制御が困難となる。また、樹脂の充填量が15重量部を超えると、充填時に凝集粒子が発生しやすくなり、帯電変動の原因となる。
多孔質フェライト粒子に充填する樹脂は、特に制限されず、組み合わせるトナー、使用される環境等によって適宜選択できる。例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂等が挙げられる。使用中の機械的ストレスによる樹脂の脱離を考慮すると、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。具体的な熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂及びそれらを含有する樹脂が挙げられる。特に、ある程度の硬度が得られる上に、表面張力が低いために、キャリアとして用いられた場合にトナースペントに対して有利な、シリコーン系樹脂が好ましく用いられる。
キャリアの電気抵抗や帯電量、帯電速度をコントロールすることを目的に、充填樹脂中に導電剤を添加することができる。導電剤はそれ自身の持つ電気抵抗が低いことから、添加量が多すぎると急激な電荷リークを引き起こしやすい。従って、添加量としては、充填樹脂の固形分に対し0.25〜20.0重量%であり、好ましくは0.5〜15.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。導電剤としては、導電性カーボンや酸化チタン、酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤が挙げられる。
また、充填樹脂中には、帯電制御剤を含有させることができる。帯電制御剤の例としては、トナー用に一般的に用いられる各種の帯電制御剤や、各種シランカップリング剤が挙げられる。これは多量の樹脂を充填した場合、帯電付与能力が低下することがあるが、各種の帯電制御剤やシランカップリング剤を添加することにより、コントロールできるためである。使用できる帯電制御剤やカップリング剤の種類は特に限定されないが、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等の帯電制御剤、アミノシランカップリング剤やフッ素系シランカップリング剤等が好ましい。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、被覆樹脂により表面被覆することが望ましい。キャリア特性、特に帯電特性を初めとする電気特性はキャリア表面に存在する材料や性状に影響されることが多い。従って、適当な樹脂を表面被覆することによって、所望とするキャリア特性を、精度良く調整することができる。
被覆樹脂は特に制限されない。例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂等が挙げられる。特に帯電の立ち上がり特性に優れた、アクリル樹脂、アクリル−スチレン系樹脂等が好ましく用いられる。また、樹脂の被覆量は、樹脂充填型フェライトキャリア(樹脂被覆前)100重量部に対して、0.5〜5.0重量部が好ましい。
これら被覆樹脂中にも上記と同様な目的で導電剤や帯電制御剤を含有することができる。導電剤や帯電制御剤の種類や添加量は、上記充填樹脂の場合と同様である。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの体積平均粒径(D50)は、20〜50μmであることが望ましく、この範囲でキャリア付着が防止され、また良好な画質が得られる。体積平均粒径が20μm未満であると、キャリア付着の原因となるため好ましくない。また、体積平均粒径が50μmを超えると、帯電付与能力の低下による画質劣化の原因となるため好ましくない。
(体積平均粒径)
この体積平均粒径の測定は、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)を用いて測定される。分散媒には水を用いた。試料(樹脂充填型フェライトキャリア)10gと水80mlを100mlのビーカーにいれ、分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)を2〜3滴添加する。次いで超音波ホモジナイザー(SMT.CO.LTD.製 UH−150型)を用い、出力レベル4に設定し、20秒間分散を行った。その後、ビーカー表面にできた泡を取り除き、試料を装置へ投入した。24μm未満の粒子の体積%も同様に測定して算出した。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの飽和磁化は、30〜80Am/kgが望ましい。飽和磁化が30Am/kg未満であると、キャリア付着の原因となるため望ましくない。飽和磁化が80Am/kgを超えると、磁気ブラシの穂が硬くなるために、良好な画質を得ることが難しい。
(磁気特性)
この飽和磁化の測定は、積分型B−HトレーサーBHU−60型((株)理研電子製)を使用して測定した。電磁石間に磁場測定用Hコイル及び磁化測定用4πIコイルを入れる。この場合、試料(樹脂充填型フェライトキャリア)は4πIコイルに入れる。電磁石の電流を変化させ磁場Hを変化させたHコイル及び4πIコイルの出力をそれぞれ積分し、H出力をX軸に、4πIコイルの出力をY軸に、ヒステリシスループを記録紙に描く。ここで測定条件としては、試料充填量:約1g、試料充填セル:内径7mmφ±0.02mm、高さ10mm±0.1mm、4πIコイル:巻数30回にて測定した。
<本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの製造方法>
次に、本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの製造方法の一例について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの芯材である多孔質フェライト粒子を製造する場合、原材料を適量秤量した後、ボ−ルミル又は振動ミル等で0.5時間以上、好ましくは1〜20時間粉砕混合する。原料は特に制限されない。
このようにして得られた粉砕物について、加圧成型機等を用いてペレット化した後、700〜1200℃の温度で仮焼成する。加圧成型機を使用せずに、粉砕した後、水を加えてスラリー化し、スプレードライヤーを用いて粒状化しても良い。
仮焼成後、さらにボ−ルミル又は振動ミル等で粉砕した後、水及び必要に応じ分散剤、バインダー等を添加し、粘度調整後、スプレードラヤーにて粒状化し、酸素濃度を制御し、1000〜1500℃の温度で1〜24時間保持し、本焼成を行う。仮焼成後に粉砕する際は、水を加えて湿式ボールミルや湿式振動ミル等で粉砕しても良い。
上記のボールミルや振動ミル等の粉砕機は特に限定されないが、原料を効果的かつ均一に分散させるためには、使用するメディアに1mm以下の粒径を持つ微粒なビーズを使用することが好ましい。また使用するビーズの径、組成、粉砕時間を調整することによって、粉砕度合いをコントロールすることができる。
次いで、得られた造粒物を、400〜1000℃で加熱し、添加した分散剤やバインダーといった有機成分の除去を行う(脱バイ工程)。分散剤やバインダーが残ったまま本焼成を行うと、有機成分の分解、酸化によって本焼成装置内の酸素濃度が変動しやすく、磁気特性に大きく影響を与えるため、安定して製造することが困難である。また、これらの有機成分は多孔質性の制御、つまりフェライトの結晶成長を変動させる原因となる。
その後、得られた造粒物を、酸素濃度の制御された雰囲気下で、800〜1500℃の温度で、1〜24時間保持し、本焼成を行う(本焼成工程)。その際、ロータリー式電気炉やバッチ式電気炉または連続式電気炉等を使用し、本焼成時の雰囲気も、窒素等の不活性ガスや水素や一酸化炭素等の還元性ガスを打ち込んで、酸素濃度の制御を行っても良い。
このようにして得られた焼成物を、粉砕し、分級する。分級方法としては、既存の風力分級、メッシュ濾過法、沈降法等を用いて所望の粒径に粒度調整する。
その後、必要に応じて、表面を低温加熱することで酸化被膜処理を施し、電気抵抗調整を行うことができる。酸化被膜処理は、一般的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、例えば300〜700℃で熱処理を行うことができる。この処理によって形成された酸化被膜の厚さは、0.1nm〜5μmであることが好ましい。0.1nm未満であると、酸化被膜層の効果が小さく、5μmを超えると、磁化が低下したり、高抵抗になりすぎたりするため、所望の特性を得にくくなり好ましくない。また、必要に応じて、酸化被膜処理の前に還元を行っても良い。
このようにして得られた多孔質フェライト粒子(芯材)に樹脂を充填する方法としては、様々な方法が使用できる。その方法としては、例えば乾式法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリードライ方式、万能撹拌機等による液浸乾燥法等が挙げられる。
上記樹脂を充填する工程において、減圧下で多孔質フェライト粒子と充填樹脂を混合撹拌しながら、多孔質フェライト粒子の空孔に樹脂を充填することが好ましい。このように減圧下で樹脂を充填することによって、空孔部分に効率良く樹脂を充填することができる。減圧の程度としては、10〜700mmHgが好ましい。700mmHgを超えると減圧する効果がなく、10mmHg未満では、充填工程中に樹脂溶液が沸騰しやすくなるため、効率良い充填ができなくなる。また、上記樹脂を充填する工程を複数回に分けて行ってもよい。
樹脂を充填させた後、必要に応じて各種の方式によって加熱し、充填した樹脂を芯材に密着させる。加熱方式としては、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。温度は、充填する樹脂によって異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げることにより、衝撃に対して強い樹脂充填型フェライトキャリアを得ることができる。
上述のように、多孔質フェライト粒子に樹脂を充填した後、樹脂により表面を被覆することが望ましい。キャリア特性、特に帯電特性を初めとする電気特性はキャリア表面に存在する材料や性状に影響されることが多い。従って、適当な樹脂を表面被覆することによって、所望とするキャリア特性を、精度良く調整することができる。被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、乾式法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリードライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等により被覆することができる。被覆率を向上させるためには、流動床による方法が好ましい。樹脂被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。UV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用いる。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。被覆樹脂は上述した通りである。
樹脂充填型フェライトキャリアの体積流動度を制御する方法としては、様々あるが、粉体の流動性は、球状度の依存性が大きく、球状度が向上すると、粉体の流動性は良化傾向となるため、キャリアの球状度をコントロールすることが重要である。キャリアの球状度をコントロールする方法として、例えば、樹脂充填や表面樹脂被覆により発生する凝集粒子の度合を一定範囲内に抑えることで、キャリアの流動性を制御することが出来る。充填する樹脂量や表面被覆する樹脂量が多いと、表面に存在する樹脂量が多くなり、その樹脂を介してキャリア同士が結着し、粒子の凝集体として存在する。そのためキャリア粒子全体の球状度が落ち、キャリア自体の流動性が悪化し、体積流動度は大きくなる。このように、充填樹脂量や表面被覆樹脂量を調整することで、キャリアの体積流動度を制御することが出来る。
また、芯材である多孔質フェライト粒子自体の球状度をコントールすることも重要である。充填樹脂量や表面被覆樹脂量を調整し、凝集粒子の度合を適切化しても、芯材自体の球状度が適切でないと、キャリアの流動性、即ち体積流動度は所望の範囲内に収まらない。多孔質フェライト粒子の球状度をコントールする方法も、様々あるが、例えば、スプレードライヤーにて球状化した造粒粉の球状度をコントロールすることで、本焼成後の多孔質フェライト粒子の球状度を制御することが出来る。造粒粉の球状度をコントールする方法としては、仮焼成後の粉砕スラリーの粘度を、添加する分散剤やバインダーの量により調整する方法や、スプレードライヤーの乾燥条件(風量、温度)を調整する方法がある。造粒粉の球状度が悪化していると、本焼成後の多孔質フェライト粒子自体の球状度も悪化し、その結果、キャリア自体の流動性が悪化し、体積流動度は大きくなる。
さらに、多孔質フェライト粒子の球状度をコントールする方法で、最も重要なことは、多孔質フェライト粒子を構成する個々の結晶粒子の大きさと分布を制御することである。結晶粒子の大きさが小さく、その分布が均一であれば、結晶粒子の集合体である多孔質フェライト粒子の球状度は良化する傾向にある。具体的な製造条件としては、例えば、造粒時のスラリーの粒径や、本焼成前原料中の塩素含有量の制御が挙げられる。スラリーの粒径は、仮焼成後の粉砕条件により調整することができ、装置の粉砕強度を上げたり、粉砕時間を長くすることで、スラリー粒径を小さくすることができる。このようにすることで、焼結時に微細な大きさの結晶粒子となり、その結果、多孔質フェライト粒子の球状度が向上し、その流動性も良化する傾向となる。
また、本焼成前原料中の塩素は、フェライト粒子の焼結性や結晶性に影響を及ぼし、その含有量に関しては、80〜300ppmの範囲内に制御することが好ましい。塩素含有量が増加すると、結晶粒子の成長度合いが乱れ、結晶粒子の大きさにバラツキが生じる。その結果、多孔質フェライト粒子の球状度は悪化し、その流動性も悪化する傾向となる。
本焼成前原料中の塩素量を調整する方法としては、例えば、本焼成前の段階で塩素含有量が所望の値になるようなグレードの出発原料を選択すること、仮焼成工程及び/又は脱バイ工程において、処理温度や処理時間を調整すること、それらの工程において、塩素を効率よく除去するために、炉内に何らかの気体(空気、窒素等)を導入し、炉内に気体の流れを作り、その気体と共に塩素を炉外に排出する方法等が挙げられる。また、必要に応じて複数回の加熱工程を行っても良い。さらに、元々塩素含有量の少ない原材料を使用して、造粒時に、塩化化合物(塩化アンモニウム、塩化鉄等)を添加し、本焼成前の段階で塩素含有量が所望の値になるよう調整する方法も可能である。
樹脂充填型フェライトキャリアの見掛け密度を制御する方法としては、充填する樹脂量や表面被覆樹脂量、さらには、配合する原料種、原料の粉砕度合い、仮焼成の有無、仮焼成温度、仮焼成時間、本焼成方法、本焼成温度、本焼成時間等の様々な方法で行うことができる。これらのコントロール方法は特に限定されるものではないが、その一例を以下に示す。
充填する樹脂量や表面被覆する樹脂量は増加するとキャリアの見掛け密度は増加するが、ある一定範囲を超えると、表面に存在する樹脂量が多くなり、その樹脂を介してキャリア同士が結着し、凝集粒子体存在量が増加するため、逆に見掛け密度は低下する。
しかしながら、最もキャリアの見掛け密度に与える影響が大きいのは、芯材である多孔質フェライト粒子の見掛け密度である。多孔質フェライト粒子の見掛け密度は、配合する原料種として、水酸化物や炭酸塩を用いた方が、酸化物を用いた場合に比べて見掛け密度は小さくなりやすく、また、仮焼成を行わないか、または仮焼成温度が低い方、もしくは本焼成温度が低く、本焼成時間が短い方が、見掛け密度は小さくなりやすい。
多孔質フェライト粒子の細孔容積、ピーク細孔径及び細孔径のばらつきをコントロールする方法としては、配合する原料種、原料の粉砕度合い、仮焼成の有無、仮焼成温度、仮焼成時間、スプレードライヤーによる造粒時のバインダー量、本焼成方法、本焼成温度、本焼成時間、本焼成雰囲気(窒素ガス、水素ガス、一酸化炭素ガス等による還元、酸素による酸化等)等の様々な方法で行うことができる。これらのコントロール方法は特に限定されるものではないが、その一例を以下に示す。
すなわち、配合する原料種として、水酸化物や炭酸塩を用いた方が、酸化物を用いた場合に比べて細孔容積は大きくなりやすく、また、仮焼成を行わないか、または仮焼成温度が低い方、もしくは本焼成温度が低く、本焼成時間が短い方が、細孔容積は大きくなりやすい。
さらに、本焼成における昇温速度や冷却速度を変えることによって、細孔容積や細孔径の分布を変えることができ、昇温速度が速いと細孔容積が大きくなりやすく、冷却速度が遅いと結晶成長が均一化するためか、細孔径の分布が狭くなりやすい。
ピーク細孔径については、使用する原料、特に仮焼成後の原料の粉砕度合を強くし、粉砕の一次粒子径が細かい方が小さくなりやすい。また、本焼成時に窒素等の不活性ガスを用いるよりは、水素や一酸化炭素等の還元性ガスを導入することで、ピーク細孔径を小さくすることが可能となる。
さらに、細孔径のばらつきについては、使用する原料、特に仮焼成後の原料の粉砕度合を強くし、粉砕粒径の分布をシャープにすることで、細孔径のばらつきを低減することができる。
これらのコントロール方法を、単独もしくは組み合わせて使用することにより、所望の細孔容積、ピーク細孔径及び細孔径のばらつきをもった多孔質フェライト粒子を得ることができる。
多孔質フェライト粒子の平均圧縮強度を一定以上とし、圧縮強度の変動係数を一定以下とする方法としては、仮焼成条件、粉砕条件及び本焼成条件を厳密に制御することが必要である。詳述すると、仮焼成温度は高いほうが好ましい。仮焼成の段階で原料のフェライト化が進んでいた方が、本焼成の段階で粒子内に生じる歪を低減できる。粉砕条件として、粉砕時間が長い方が好ましい。スラリーの粒径を小さくしておくことで、多孔質フェライト粒子内にかかる外的ストレスが均一に分散されるようになる。本焼成条件として、焼成時間が長い方が好ましい。焼成時間が短いと焼成物にムラができ、圧縮強度を含む諸物性にバラツキが生じる
<本発明に係る電子写真現像剤>
次に、本発明に係る電子写真現像剤について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤は、上記した電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアとトナーとからなるものである。
本発明の電子写真現像剤を構成するトナー粒子には、粉砕法によって製造される粉砕トナー粒子と、重合法により製造される重合トナー粒子とがある。本発明ではいずれの方法により得られたトナー粒子を使用することができる。
粉砕トナー粒子は、例えば、結着樹脂、荷電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等の混合機で充分に混合し、次いで、二軸押出機等で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級し、外添剤を添加後、ミキサー等で混合することにより得ることができる。
粉砕トナー粒子を構成する結着樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、さらにはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは単独又は混合して用いられる。
荷電制御剤としては、任意のものを用いることができる。例えば正荷電性トナー用としては、ニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩等を挙げることができ、また、負荷電性トナー用としては、含金属モノアゾ染料等を挙げることができる。
着色剤(色剤)としては、従来より知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。その他、トナーの流動性、耐凝集性向上のためのシリカ粉体、チタニア等のような外添剤をトナー粒子に応じて加えることができる。
重合トナー粒子は、懸濁重合法、乳化重合法、乳化凝集法、エステル伸長重合法、相転乳化法といった公知の方法で製造されるトナー粒子である。このような重合法トナー粒子は、例えば、界面活性剤を用いて着色剤を水中に分散させた着色分散液と、重合性単量体、界面活性剤及び重合開始剤を水性媒体中で混合攪拌し、重合性単量体を水性媒体中に乳化分散させて、攪拌、混合しながら重合させた後、塩析剤を加えて重合体粒子を塩析させる。塩析によって得られた粒子を、濾過、洗浄、乾燥させることにより、重合トナー粒子を得ることができる。その後、必要により乾燥されたトナー粒子に外添剤を添加する。
さらに、この重合トナー粒子を製造するに際しては、重合性単量体、界面活性剤、重合開始剤、着色剤以外に、定着性改良剤、帯電制御剤を配合することができ、これらにより得られた重合トナー粒子の諸特性を制御、改善することができる。また、水性媒体への重合性単量体の分散性を改善するとともに、得られる重合体の分子量を調整するために連鎖移動剤を用いることができる。
上記重合トナー粒子の製造に使用される重合性単量体に特に限定はないが、例えば、スチレン及びその誘導体、エチレン、プロピレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエステル及びメタクリル酸ジエチルアミノエステル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類等を挙げることができる。
上記重合トナー粒子の調製の際に使用される着色剤(色材)としては、従来から知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー及びフタロシアニングリーン等を使用することができる。また、これらの着色剤はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等を用いてその表面が改質されていてもよい。
上記重合トナー粒子の製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を使用することができる。
ここで、アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン、脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等を挙げることができる。さらに、カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。また、両イオン性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩、アルキルアミノ酸等を挙げることができる。
上記のような界面活性剤は、重合性単量体に対して、通常は0.01〜10重量%の範囲内の量で使用することができる。このような界面活性剤の使用量は、単量体の分散安定性に影響を与えるとともに、得られた重合トナー粒子の環境依存性にも影響を及ぼすことから、単量体の分散安定性が確保され、かつ重合トナー粒子の環境依存性に過度の影響を及ぼしにくい上記範囲内の量で使用することが好ましい。
重合トナー粒子の製造には、通常は重合開始剤を使用する。重合開始剤には、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とがあり、本発明ではいずれも使用することができる。本発明で使用することができる水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、水溶性パーオキサイド化合物を挙げることができ、また、油溶性重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、油溶性パーオキサイド化合物を挙げることができる。
また、本発明において連鎖移動剤を使用する場合には、この連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四臭化炭素等を挙げることができる。
さらに、本発明で使用する重合トナー粒子が、定着性改善剤を含む場合、この定着性改良剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックス等を使用することができる。
また、本発明で使用する重合トナー粒子が、帯電制御剤を含有する場合、使用する帯電制御剤に特に制限はなく、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等を使用することができる。
また、重合トナー粒子の流動性向上等のために使用される外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を挙げることができ、これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
さらに、水性媒体から重合粒子を分離するために使用される塩析剤としては、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の金属塩を挙げることができる。
上記のようにして製造されたトナー粒子の平均粒径は、2〜15μm、好ましくは3〜10μmの範囲内にあり、重合トナー粒子の方が粉砕トナー粒子よりも、粒子の均一性が高い。トナー粒子が2μmよりも小さくなると、帯電能力が低下しカブリやトナー飛散を引き起こしやすく、15μmを超えると、画質が劣化する原因となる。
上記のように製造されたキャリアとトナーとを混合し、電子写真現像剤を得ることができる。キャリアとトナーの混合比、すなわちトナー濃度は、3〜15重量%に設定することが好ましい。3重量%未満であると所望の画像濃度が得にくく、15重量%を超えると、トナー飛散やかぶりが発生しやすくなる。
上記のように製造されたキャリアとトナーとを混合し得られた現像剤を、補給用現像剤として用いることができる。この場合、キャリアとトナーの混合比、キャリア1重量部に対して、トナー2〜50重量部の比率で混合される。
上記のように調製された本発明に係る電子写真現像剤は、有機光導電体層を有する潜像保持体に形成されている静電潜像を、バイアス電界を付与しながら、トナー及びキャリアを有する二成分現像剤の磁気ブラシによって反転現像する現像方式を用いたデジタル方式のコピー機、プリンター、FAX、印刷機等に使用することができる。また、磁気ブラシから静電潜像側に現像バイアスを印加する際に、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法である交番電界を用いるフルカラー機等にも適用可能である。
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
〔実施例1〕
MnO:39.0mol%、MgO:9.3mol%、Fe:51.0mol%及びSrO:0.7mol%になるように原料を秤量し、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)で4.5時間粉砕し、得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。Fe原料としては酸化第二鉄を、MnO原料としては四酸化三マンガンを、MgO原料としては酸化マグネシウムを、SrO原料としては、炭酸ストロンチウムをそれぞれ用いた。また、使用した原料の中で、酸化第二鉄の塩素量は502ppm、酸化マグネシウムの塩素量は151ppmであった。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、ロータリー式電気炉で、1060℃で3時間加熱し、仮焼成を行った。次いで、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)を用いて平均粒径が約4μmまで粉砕した後、水を加え、さらに湿式のメディアミル(縦型ビーズミル、1/16インチ径のステンレスビーズ)を用いて2時間の粉砕を行った後、粉砕能力の高い湿式の横型ビーズミル(0.5mm径のジルコニアビーズ)にてさらに3時間粉砕を行った。このスラリーの粒径をマイクロトラックにて測定した結果、D50は1.6μmであった。このスラリーに分散剤を適量添加し、バインダーとしてPVA(20重量%溶液)を固形分に対して0.2重量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、得られた粒子(造粒物)の粒度調整を行い、その後、脱バイ工程として、ロータリー式電気炉で、900℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーといった有機成分の除去を行い、本焼成前原料を得た。この本焼成前原料の塩素量の測定結果は、100ppmであった。
その後、トンネル式電気炉にて、焼成温度1070℃、酸素ガス濃度1.2容量%雰囲気下にて、5時間保持した。この時、昇温速度を150℃/時、冷却速度を110℃/時とした。その後、解砕し、さらに分級して粒度調整を行い、磁力選鉱により低磁力品を分別し、多孔質フェライト粒子(芯材)を得た。このフェライト粒子の細孔容積は65mm/g、ピーク細孔径は0.55μm、細孔径のばらつきdvは0.2、平均圧縮強度は151mN、圧縮強度変動係数は25%であった。
ベースポリマーとしてメチル其のみを官能基としてもつポリオルガノシロキサンを65重量部、架橋剤としてメチルエチルケトオキシムシランを35重量部、希釈溶剤としてトルエンを400重量部準備し、全てを混合し、室温硬化型のメチルシリコーン樹脂溶液を作成した(ここで樹脂固形分をベースポリマー+架橋剤の重量とし、樹脂溶液濃度としては20重量%)。
次に、このメチルシリコーン樹脂溶液を25重量部(樹脂溶液濃度20重量%のため固形分としては5重量部)に、触媒として、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)を、樹脂固形分に対して25重量%(Ti原子換算で3重量%)加えたあと、アミノシランカップリング剤として3-アミノプロピルトリエトキシシシランを、樹脂固形分に対して5重量%添加し、充填樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、上記多孔質フェライト粒子100重量部と、60℃、6.7kPa(約50mmHg)の減圧下で混合撹拌し、トルエンを揮発させながら、樹脂を多孔質フェライト粒子の空隙に浸透、充填させた。容器内を常圧に戻し、常圧下で撹拌を続けながら、トルエンをほぼ完全に除去したのち、充填装置内から取り出し、容器に入れ、熱風加熱式のオーブンに入れ、220℃で2時間、加熱処理を行った。
その後、室温まで冷却し、樹脂が硬化されたフェライト粒子を取り出し、200Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き樹脂が充填された樹脂充填フェライト粒子を得た。
次に、固形のアクリル樹脂(製品名:BR−80、三菱レーヨン社製)を準備し、上記アクリル樹脂20重量部をトルエン80重量部に混合して、アクリル樹脂をトルエンに溶解させ、樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液に、さらに導電性制御剤子として、カーボンブラック(製品名:Mogul L、Cabot社製)をアクリル樹脂に対して3重量部添加し、被覆樹脂溶液を得た。
得られた樹脂充填フェライト粒子を万能混合撹拌器に投入し、上記のアクリル樹脂溶液を添加して、液浸乾燥法により樹脂被覆を行った。この際、アクリル樹脂は、樹脂充填フェライト粒子の重量に対して2重量部とした。樹脂被覆した後、145℃で2時間加熱を行った後、200Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き表面に樹脂被覆を施した樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
〔実施例2〕
仮焼成条件として、仮焼成温度を1000℃に、脱バイ条件として、脱バイ温度を700℃に変更し、スラリー粒径D50が1.5μmとした以外は、実施例1と同様にして、多孔質フェライト粒子(芯材)を得た。この多孔質フェライト粒子に、実施例1と同様にシリコーン樹脂を充填し、またアクリル樹脂を被覆して、樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
〔実施例3〕
脱バイ条件として、脱バイ温度を1000℃に、本焼成条件として本焼成温度を1080℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質フェライト粒子(芯材)を得た。この多孔質フェライト粒子に、実施例1と同様にシリコーン樹脂を充填し、樹脂充填フェライト粒子を得た。この樹脂充填フェライト粒子の重量に対して、被覆するアクリル樹脂量を1重量部に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂被覆を行い、樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
〔比較例1〕
MnO:39.0mol%、MgO:9.3mol%、Fe:51.0mol%及びSrO:0.7mol%になるように原料を秤量したが、原料種として、Fe原料としては塩素含有量が990ppmの酸化第二鉄を、MgO原料としては塩素含有量が733ppmの水酸酸化マグネシウムを使用した。上記以外のMnO原料及びSrO原料については、実施例1と同様のものを使用した。これら秤量した原料を、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)で4.5時間粉砕し、得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、ロータリー式電気炉で、900℃で3時間加熱し、仮焼成を行った。次いで、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)を用いて平均粒径が約4μmまで粉砕した後、水を加え、さらに湿式のメディアミル(縦型ビーズミル、1/16インチ径のステンレスビーズ)を用いて2時間の粉砕を行った。このスラリーの粒径をマイクロトラックにて測定した結果、D50は、2.3μmであった。このスラリーに分散剤を適量添加し、バインダーとしてPVA(20重量%溶液)を固形分に対して0.2重量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、得られた粒子(造粒物)の粒度調整を行い、その後、脱バイ工程として、ロータリー式電気炉で、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーといった有機成分の除去を行い、本焼成前原料を得た。
その後は、本焼成条件として、本焼成温度を1130℃、酸素ガス濃度を1.5容量%に変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質フェライト粒子(芯材)を得た。この多孔質フェライト粒子に、メチルシリコーン樹脂溶液を40重量部(樹脂溶液濃度20重量%のため固形分としては8重量部)に変更した以外は、実施例1と同様にシリコーン樹脂を充填し、樹脂充填フェライト粒子を得た。この樹脂充填フェライト粒子に、実施例1と同様にして樹脂被覆を行い、樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
〔比較例2〕
本焼成条件として、本焼成温度を1130℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質フェライト粒子(芯材)を得た。この多孔質フェライト粒子に、メチルシリコーン樹脂溶液を17.5重量部(樹脂溶液濃度20重量%のため固形分としては3.5重量部)に変更した以外は、実施例1と同様にシリコーン樹脂を充填し、樹脂充填フェライト粒子を得た。この樹脂充填フェライト粒子の重量に対して、被覆するアクリル樹脂を1重量部に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂被覆を行い、樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
〔比較例3〕
脱バイ条件として、脱バイ温度を1030℃、脱バイ時間を4時間に、本焼成条件として、本焼成温度を1100℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質フェライト粒子(芯材)を得た。この多孔質フェライト粒子に、比較例2と同様にシリコーン樹脂を充填し、次いでアクリル樹脂を被覆して、樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた樹脂充填型フェライトキャリアで使用した本焼成前原料の塩素含有量、本焼成温度、本焼成酸素濃度、多孔質フェライト粒子の特性(細孔容積、ピーク細孔径、細孔径のバラツキdv、平均圧縮強度、圧縮強度変動係数)、樹脂充填量及び樹脂被覆量を表1に示す。また、樹脂充填型フェライトキャリアのキャリア特性(見掛け密度、真密度、流動度、体積流動度、体積平均粒径、飽和磁化)、帯電量立ち上がり速度、帯電量立ち上がり評価、帯電変動変化率及び帯電変動評価を表2に示す。体積流動度は真密度及び流動度の値から算出を行った。また、帯電量立ち上がり速度及び帯電変動変化率は、下記によって測定した。その他の測定方法は上述の通りである。さらに、帯電量立ち上がり評価及び帯電変動評価については下記の評価基準に基づいて行った。
(帯電量立ち上がり特性評価)
フルカラープリンターに使用されている市販の負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製700Digital Color Press用)を用い、トナー濃度を10重量%(トナー重量=5.0g、キャリア重量=45.0g)に調整した。トナー濃度を調整した現像剤を50ccのガラス瓶に入れ、50rpmの回転数にて、5分及び60分間撹拌を行い、各々の帯電量を、吸引式帯電量測定装置(Epping q/m−meter、PES−Laboratoriumu社製)により測定し求めた。ここで、下記式により帯電量の立ち上がり速度を算出した。数値が100%に近いほど、帯電量の立ち上がり速度が速いことを表す。
Figure 2016224237
(帯電量立ち上がり特性の評価基準)
帯電量立ち上がり特性の評価基準は下記の通りである。
◎:95%以上:トナー補給時に帯電量が速やかに立ち上がり、トナー飛散やカブリ等の発生は全くみられず、非常に良好なレベルである。
○:90%以上95%未満:トナー補給時に帯電量が十分立ち上がるため、トナー飛散やカブリ等の発生はみられず、良好なレベルである。
△:80%以上90%未満:トナー補給時に帯電量が速やかに立ち上がらないため、トナー飛散やカブリ等は若干発生するが、ぎりぎり使用に耐え得るレベルである。
×:80%未満:トナー補給時に帯電量が速やかに立ち上がらないため、トナー飛散やカブリ等の画像欠陥が発生するため、使用に耐え得るレベルではない。
(帯電変動評価)
帯電量は、キャリアとトナーとの混合物を、吸引式帯電量測定装置(Epping q/m−meter、PES−Laboratoriumu社製)により測定し求めた。トナーはフルカラープリンターに使用されている市販の負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製700Digital Color Press用)を用い、現像剤量を10g、トナー濃度を10重量%に調整した。このように調製した現像剤を50ccのガラス瓶に入れ、そのガラス瓶を直径130mm、高さ200mmの円柱のホルダーに収納、固定し、株式会社シンマルエンタープライズ社製のターブラーミキサーにて、5分攪拌し、635Mの網を用いて、帯電量を測定し、初期帯電量とした。
上述したトナーと同じ市販の負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製700Digital Color Press用)を用い、現像剤量を10g、トナー濃度を10重量%に調整し、50ccのガラス瓶に入れ、そのガラス瓶を浅田鉄工株式会社製のペイントシェーカーにて、1時間攪拌した。攪拌終了後、現像剤を取り出し、635Mの網を用いて、トナーを吸引し、キャリアのみを取り出した。得られたキャリアを全量使用し、再度、同条件にて、計10回繰り返しを行った。10回目の撹拌が終了し、得られたキャリアを、上述した帯電量の測定方法にて、帯電量を測定し、耐久後の帯電量とした。
そして、下記式により、帯電量変動変化率を算出し、帯電変動特性とした。
Figure 2016224237
(帯電変動特性の評価基準)
帯電変動特性の評価基準は下記の通りである。
◎:90%以上110%未満:耐刷時の帯電変動は殆どないことが予測されるため、トナー飛散やカブリ等の発生は全くみられず、非常に良好なレベルである。
○:80%以上90%未満、110%以上130%未満:耐刷時の帯電変動は僅かである事が予測されるため、トナー飛散やカブリ等の発生はみられず、良好なレベルである。
△:70%以上80%未満、130%以上150%未満:耐刷時に帯電変動が予測され、トナー飛散やカブリ等は若干発生するが、ぎりぎり使用に耐え得るレベルである。
×:70%未満、150%以上:耐刷時に大幅な帯電変動が予測され、トナー飛散やカブリ等の画像欠陥が発生するため、使用に耐え得るレベルではない。
Figure 2016224237
Figure 2016224237
実施例1〜3に示した樹脂充填型フェライトキャリアは、見掛け密度と体積流動度が適正な範囲内にあるため、帯電立ち上がり特性と帯電変動特性の評価は良好であることが示された。従って、これらのキャリアを現像剤に実際に使用した場合、トナー補給時にも帯電量が速やかに立ち上がり、耐刷時においても帯電変動が少ないため、経時においても、トナー飛散やカブリといった画像欠陥のない良好な画像品質が安定的に得られることが容易に想定される。また、補給用現像剤としても好適に使用できることが推察される。
一方、比較例1に示した樹脂充填型フェライトキャリアは、塩素含有量の高い出発原料を使用し、仮焼成温度や脱バイ温度が、実施例に比べ低温であるため、本焼成前原料中の塩素量は適正範囲よりも高くなった。その結果、焼結性が低下するため、本焼成温度を高目に設定し、細孔容積を適切な範囲内としたが、ピーク細孔径や平均圧縮強度、さらにキャリアの見掛け密度や体積流動度は、適正範囲外の結果となった。体積流動度の悪化や圧縮強度の低下により、帯電立ち上がり特性と帯電変動特性に関する評価結果は劣るものであった。
また、比較例2及び3に示した樹脂充填型フェライトキャリアも、見掛け密度や体積流動度が適正な範囲にないため、帯電立ち上がり特性と帯電変動特性に関する評価結果は劣るものであった。
上記の様に、比較例1〜3で得られたキャリアを実際に使用した場合、トナー補給時に帯電量が速やかに立ち上がらなかったり、耐刷時においては帯電量が著し変動するため、トナー飛散やカブリといった画像欠陥を助長し、良好な画像品質を安定的に維持できないことが容易に想像される。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、樹脂充填型キャリアの利点を保持しつつ、流動性が良好で、帯電立ち上がりが速く、耐刷時における帯電変動を防止することができる。
従って、本発明は、特に高画質の要求されるフルカラー機並びに画像維持の信頼性及び耐久性の要求される高速機の分野に広く使用可能である。

Claims (8)

  1. 多孔質フェライト粒子を芯材とし、その空隙に樹脂を充填させて得られる電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアであって、見掛け密度が1.7〜2.1g/cm、かつ下記式(1)で表される体積流動度が2.5〜3.5sec/cmであることを特徴とする電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
    Figure 2016224237
  2. 上記多孔質フェライト粒子の細孔容積が40〜100mm/g、ピーク細孔径が0.3〜1.0μm、細孔径分布において、下記式(2)で表される細孔径のばらつきdvが1.5以下、平均圧縮強度が100mN以上、圧縮強度の変動係数が50%以下である請求項1に記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
    Figure 2016224237
  3. 上記多孔質フェライト粒子の本焼成前原料の塩素含有量が、80〜300ppmである請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  4. 上記多孔質フェライト粒子に充填する樹脂の量が、上記多孔質フェライト粒子100重量部に対して3〜15重量部である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  5. 樹脂により表面が被覆されている請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  6. 体積平均粒径が20〜50μm、飽和磁化が30〜80Am/kgである請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂充填型フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤。
  8. 補給用現像剤として用いられる請求項7記載の電子写真現像剤。
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