JP6156626B2 - 電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリア、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 - Google Patents

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本発明は、複写機、プリンター等に用いられる二成分系電子写真現像剤に使用される電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリア、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤に関する。
電子写真現像方法は、現像剤中のトナー粒子を感光体上に形成された静電潜像に付着させて現像する方法であり、この方法で使用される現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤及びトナー粒子のみを用いる一成分系現像剤に分けられる。
こうした現像剤のうち、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤を用いた現像方法としては、古くはカスケード法等が採用されていたが、現在では、マグネットロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
二成分系現像剤において、キャリア粒子は、現像剤が充填されている現像ボックス内において、トナー粒子と共に攪拌されることによって、トナー粒子に所望の電荷を付与し、さらにこのように電荷を帯びたトナー粒子を感光体の表面に搬送して感光体上にトナー像を形成するための担体物質である。マグネットを保持する現像ロール上に残ったキャリア粒子は、この現像ロールから再び現像ボックス内に戻り、新たなトナー粒子と混合・攪拌され、一定期間繰り返して使用される。
二成分系現像剤は、一成分系現像剤とは異なり、キャリア粒子はトナー粒子と混合・攪拌され、トナー粒子を帯電させ、さらに搬送する機能を有しており、現像剤を設計する際の制御性が良い。従って、二成分系現像剤は高画質が要求されるフルカラー現像装置及び画像維持の信頼性、耐久性が要求される高速印刷を行う装置等に適している。
このようにして用いられる二成分系現像剤においては、画像濃度、カブリ、白斑、階調性、解像力等の画像特性が、初期の段階から所定の値を示し、しかもこれらの特性が耐刷期間中に変動せず、安定に維持されることが必要である。これらの特性を安定に維持するためには、二成分系現像剤中に含有されるキャリア粒子の特性が安定していることが必要になる。
二成分系現像剤を形成するキャリア粒子として、従来は、表面を酸化被膜で覆った鉄粉あるいは表面を樹脂で被覆した鉄粉等の鉄粉キャリアが使用されていた。このような鉄粉キャリアは、磁化が高く、導電性も高いことから、ベタ部の再現性のよい画像が得られやすいという利点がある。
しかしながら、このような鉄粉キャリアは真比重が約7.8と重く、また磁化が高すぎることから、現像ボックス中におけるトナー粒子との攪拌・混合により、鉄粉キャリア表面へのトナー構成成分の融着、いわゆるトナースペントが発生しやすくなる。このようなトナースペントの発生により有効なキャリア表面積が減少し、トナー粒子との摩擦帯電能力が低下しやすくなる。
また、樹脂被覆鉄粉キャリアでは、耐久時のストレスにより表面の樹脂が剥離し、高導電性で絶縁破壊電圧が低い芯材(鉄粉)が露出することにより、電荷のリークが生ずることがある。このような電荷のリークにより、感光体上に形成された静電潜像が破壊され、ベタ部にハケスジ等が発生し、均一な画像が得られにくい。これらの理由から、酸化被膜鉄粉及び樹脂被覆鉄粉等の鉄粉キャリアは、現在では使用されなくなってきている。
近年は、鉄粉キャリアに代わって真比重約5.0程度と軽く、また磁化も低いフェライト粒子をキャリアとして用いたり、さらにフェライト粒子の表面に樹脂を被覆した樹脂コートフェライトキャリアが多く使用されており、現像剤寿命は飛躍的に伸びてきた。
このようなフェライトキャリアの製造方法としては、フェライト原料を所定量混合した後、仮焼、粉砕し、造粒後に焼成を行うのが一般的であり、条件によっては仮焼を省略できる場合もある。
ところで、最近、環境規制が厳しくなり、Ni、Cu、Zn等の金属の使用は避けられるようになってきており、環境規制に適応した金属の使用が求められており、キャリア芯材として用いられるフェライト粒子の組成はCu−Znフェライト、Ni−ZnフェライトからMnを用いたマンガンフェライト、Mn−Mg−Srフェライト等に移行している。
特許文献1(特開2006−337828号公報)には、表面が溝又は筋で10μm四方あたり2〜50の領域に分割されており、マンガンフェライトを主成分とする電子写真用フェライトキャリア芯材が記載されている。このフェライトキャリア芯材は、組成が均一で、一定の表面性、良好な流動性を有し、かつ高磁化、低抵抗であり、このフェライトキャリア芯材に樹脂を被覆したフェライトキャリアを用いた電子写真用現像剤は、帯電の立ち上がりが速く、経時における安定した帯電量を有するとされている。
この特許文献1では、上記のようなフェライトキャリア芯材を製造するために、FeとMnのモル比(Fe/Mn)が4〜16のFeとMnを主成分とする複合酸化物を粉砕、混合後、造粒、焼成し、さらに解砕、分級する製造方法において、焼成を酸素濃度が5体積%以下の雰囲気で行うことが示されている。
しかし、Mnも各種法規制の対象になりつつあり、上記各種重金属はもとよりMnを使用しない新たなキャリア芯材が求められている。
Mnを含有するキャリア芯材に代わるものとして、Mgを含有するキャリア芯材も提案されている。特許文献2(特開2005−162597号公報)には、式XMgFeCa(XはLi、Na、Ti等又はその組み合わせ)で示されるMg系フェライト材料(キャリア芯材)が示され、飽和磁化が30〜80emu/g、絶縁破壊電圧が1.5〜5.0kVであるとされ、このMg系フェライト材料により、高画質化と環境規制への対応を図ることができるとされている。特許文献3(特開2009−237155号公報)には、(MFe3−x)O(MはMg等の金属、0<x<3)で表記されるソフトフェライトを有し、その中にAlが固溶し、0.1〜1質量%のAlが含有されている電子写真現像用キャリア芯材が記載されている。この電子写真現像用キャリア芯材によって、画像異常の原因であるキャリア飛散を抑制し、かつコート芯材に被覆される樹脂の剥離を防止する効果が高いとされているが、CaやAlの添加はフェライト粒子の局所的な高抵抗化と低磁化領域が発生しやすく、必ずしもキャリア飛散の防止に効果があるとはいえない。
また、特許文献4(特開2010−210975号公報)には、マグネシウム元素を1.0〜14.0重量%含むフェライト粒子を有し、該フェライト粒子中のマグネシウム元素の平均分布比Dが1.1〜2.0である静電荷像現像用キャリアが記載されている。この静電荷像現像用キャリアによれば、画像濃度均一性及び印刷物の外観に優れ、低温低湿環境で印刷した後さらに高温高湿環境下に放置した場合においても画像濃度均一性に優れるとされているが、意図的にマグネシウム平均元素分布を制御し、キャリアの特性向上を図ろうとするものではない。
さらに、特許文献5(特開2012−25640号公報)には、(MFe3−x)O(MはMg等の金属、0≦x≦1)で表されるフェライト粒子本体の表面をアルミナで被覆してなるフェライト粒子、及びその表面を樹脂で被覆した電子写真現像用キャリアが記載されている。このフェライト粒子によれば、見掛け密度が小さく、かつ流動性に優れるとされている。
このようにMgを用いたキャリア芯材は提案されているが、一般に磁化と抵抗はトレードオフの関係にあるため、高磁化と中抵抗〜高抵抗といった特性を両立することは難しい。特に酸化しやすい組成のフェライト粒子や比表面積が大きく酸化されやすいフェライト粒子ではトレードオフの傾向は顕著である。そのため、Mnを添加することで磁化と抵抗のトレードオフの関係を緩和し高磁化かつ中抵抗〜高抵抗を実現し、現在は電子写真現像剤用キャリア芯材として利用されている。しかしながら、上述したように、各種重金属規制の強化に伴いMnを使用しにくい状況となりつつある。
特許文献6(特開2010−39368号公報)には、Mg、Ti及びFe、必要に応じてSrを一定量含有し、比表面積が所定範囲にある電子写真現像剤用キャリア芯材が記載されている。この電子写真現像剤用キャリア芯材は、Mnを実質的に含有することなしに、高磁化でありながら中抵抗又は高抵抗といった所望の抵抗が得られるとされている。
このようなMnを意図的に添加しないMg系キャリア芯材において、従来の焼成方法でも高磁化、かつ中抵抗〜高抵抗を実現する方法としては、本焼成後、表面酸化することで抵抗を所望のレベルに合わせ込む取り組みがなされてきたが、上記トレードオフの関係を十分解決できているとは言えない。
特開2006−337828号公報 特開2005−162597号公報 特開2009−237155号公報 特開2010−210975号公報 特開2012−25640号公報 特開2010−39368号公報
従って、本発明の目的は、表面酸化処理を行うことなく、任意の抵抗や磁化を有し、かつ帯電性に優れた電子現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリア、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を提供することにある。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討した結果、フェライト粒子の表面がTi化合物により被覆したフェライトキャリア芯材及びこれに樹脂を被覆したフェライトキャリアが上記目的を達成し得ることを知見し、本発明に至った。本発明は、これらの知見に基づきなされたものである。
すなわち、本発明は、粒子表面近傍にTiが固溶しており、粒子表面近傍が粒子内部よりTiが高含有量であるフェライト粒子であり、粒子表面近傍と粒子内部とのTi含有量の差が1〜5重量%であり、且つ、BET比表面積が0.06〜0.8m /gであることを特徴とする電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材を提供するものである。
本発明は、上記フェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用フェライトキャリアを提供するものである。
本発明は、上記フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤を提供するものである。
本発明に係る上記電子写真現像剤は、補給用現像剤としても用いられる。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、表面酸化処理を行うことなく、任意の抵抗や磁化を有し、かつ帯電性に優れている。そのため、上記フェライトキャリア芯材に樹脂を被覆して得られるフェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤は、各環境下での帯電安定性に優れる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリア>
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子は、表面近傍にTi化合物が固溶している。また、粒子内部と粒子表面近傍とでTi含有量が異なり、粒子表面近傍が粒子内部よりTiが高含有量である。上記の特徴を有するフェライトキャリア芯材は、適度な抵抗や磁化を有し、かつ帯電性に優れ、特に高温高湿下での高帯電を維持でき、環境依存性が良好である。なお、本発明でいうフェライト粒子とは、特記しない限り個々のフェライト粒子の集合体を意味し、また単に粒子とは、個々のフェライト粒子をいう。
従来のフェライト粒子の表面酸化処理による高抵抗化は主としてFe2+の酸化によって達成されるものである。この処理は本焼成後の後工程として簡便に実施できる点を特徴としている反面、Feリッチなフェライト組成では主として磁化の発現を担うマグネタイト組成部が不定比化合物であり、酸化度に応じて結晶構造の組み換えがフェライト粒子全体に容易に広がることで磁化の低下が極めて大きくなる。そのため高抵抗化と磁化のバランスが取ることは容易ではない。
一方、本発明によるフェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子ではあらかじめ高抵抗であり、かつ、ある程度の磁化を有するTi化合物が固溶を本焼成前のフェライト芯材用粒子(仮焼粉の造粒物)に付着させ、その後本焼成を行うことでフェライト粒子表面に高抵抗層を形成させることで高抵抗化を実現する。また、本焼成後に表面酸化処理を行わないこと、及び、磁化を有するTi化合物を使用することで従来の表面酸化処理して得られるフェライト粒子と比較して磁化の低下は圧倒的に少ないのが特徴である。
本発明に係る上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子は、Mgを0.5〜3重量%及びFeを60〜71重量%を含有することが望ましい。
フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子がMgを含有することによって、フェライトキャリアとフルカラー用のトナーで構成される帯電の立ち上がりが良い現像剤を得ることができる。また抵抗を高くすることができる。Mgの含有量が0.5重量%未満では、十分な含有効果が得られず、抵抗が低くなり、カブリの発生や階調性の悪化等、画質が悪化する。また、磁化が高くなりすぎるため、磁気ブラシの穂が硬くなり、はけ筋等の画像欠陥の発生原因となる。一方、Mgの含有量が3重量%を超えると、磁化が低下するためにキャリア飛散が発生するだけでなく、焼成温度が低い場合にはMgに起因する水酸基の影響で水分吸着量が大きくなり帯電量や抵抗といった電気的特性の環境依存性を悪化させる原因となる。
フェライト粒子中のFeの含有量が60重量%未満では、Mg及び/又はTiの含有量が相対的に増えた場合は、非磁性成分及び/又は低磁化成分が増加することを意味しており、所望の磁気特性が得られないのみならず、表面の抵抗とフェライト粒子内部の抵抗の差が広がりすぎることで高電界側において抵抗のブレークダウンが発生し、キャリアとして使用した際に白斑やキャリア飛散の原因となる。Feの含有量が71重量%を超えると、Mg含有効果は得られず実質的にマグネタイトと同等のフェライト粒子になってしまう。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子はTiを0.5〜6重量%含有することが望ましい。Tiは焼成温度を下げる効果を有し、凝集粒子を減らすことができるだけでなく、均一でシワ状の表面性を得ることができる。フェライト粒子中のTiの含有量が0.5重量%未満では、Tiの含有効果が得られず、BET比表面積が高くなりやすく、十分な帯電性が得られない。また、Tiの含有量が6重量%を超えると、磁化の立ち上がりが悪くなり、キャリア飛散の原因となる。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子のTi含有量と被覆しないフェライト粒子(上述したフェライト芯材用粒子)のTi含有量の差、すなわち粒子表面近傍が粒子内部とのTi含有量の差は1〜5重量%であることが好ましい。
Ti含有量の差が1重量%より小さい場合は、複合酸化物粒子の被覆量が少ないため被覆後フェライト芯材用粒子として十分な抵抗が得られず効果が得られない。5重量%より多い場合は磁化が低くなりやすく、キャリア飛散の原因となる可能性がある。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子はSrを0.1〜1.2重量%含有することが望ましい。Srは抵抗や表面性の調整に寄与し、高磁化を保つ効果を有するだけでなく、含有することでフェライト粒子の帯電能力を高める効果も得られ、特にTi存在下ではその効果は大きい。フェライト粒子中のSr含有量が0.1重量%未満の場合には、Srの含有効果が得られず酸素濃度が高い条件で焼成を行った場合に、磁化の低下が大きくなる。Srの含有量が1.2重量%を超えると、残留磁化や保磁力が高くなり、現像剤として用いたとき、はけ筋等の画像欠陥が発生し、画質が低下する。
(Fe、Mg、Ti及びSrの含有量)
これらFe、Mg、Ti及びSrの含有量は、下記によって測定される。
フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)0.2gを秤量し、純水60mlに1Nの塩酸20ml及び1Nの硝酸20mlを加えたものを加熱し、フェライト粒子を完全溶解させた水溶液を準備し、ICP分析装置(島津製作所製ICPS−1000IV)を用いてFe、Mg、Ti及びSrの含有量を測定した。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子は、1K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときのVSM測定による磁化が40〜60Am/kgであることが望ましい。フェライト粒子の1K・1000/4π・A/mにおける磁化が40Am/g未満であると、飛散物磁化が悪化しキャリア付着による画像欠陥の原因となる。一方、フェライト粒子の1K・1000/4π・A/mにおける磁化が60Am/gを超えることは本発明に係るフェライトキャリア芯材の組成の範囲ではない。
(磁気特性)
磁気特性は、振動試料型磁気測定装置(型式:VSM−C7−10A(東英工業社製))を用いて測定した。測定試料(フェライト粒子)は、内径5mm、高さ2mmのセルに詰めて上記装置にセットした。測定は、印加磁場を加え、1K・1000/4π・A/mまで掃引した。次いで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作成した。このカーブのデータより印加磁場が1K・1000/4π・A/mにおける磁化を読み取った。また、残留磁化及び保磁力も同様に算出した。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材として用いられるフェライト粒子は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定される体積平均粒径が好ましくは15〜60μm、より好ましくは15〜50μm、最も好ましくは20〜45μmである。フェライト粒子の体積平均粒径が15μm未満であると、キャリア付着が発生しやすくなるため好ましくない。フェライト粒子の体積平均粒径が60μmを超えると、画質が劣化しやすくなり、好ましくない。
(体積平均粒径)
この体積平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定した。装置として日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)を用いた。屈折率は2.42とし、25±5℃、湿度55±15%の環境下で測定を行った。ここで言う体積平均粒径(メジアン径)とは、体積分布モード、ふるい下表示での累積50%粒子径である。分散媒には水を用いた。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子は、BET比表面積が0.06〜0.8m/gが望ましく、0.08〜0.6m/gであることがさらに望ましい。
BET比表面積が上記範囲よりも小さい場合には、樹脂被覆を行なっても十分に樹脂のアンカー効果が得られないだけでなく、被覆されなかった樹脂によってフェライト粒子同士が凝集してしまうことがある。そのため実質的な被覆樹脂量が減少し、キャリアとしての寿命が短くなったり、凝集したフェライト粒子が現像器中で解されることでフェライト粒子表面が大きく露出し、低抵抗化することでキャリア飛散が発生する原因となる。BET比表面積が上記範囲よりも大きい場合は、被覆樹脂がフェライト粒子表面にとどまらず染み込みすぎることでキャリアとして所望の抵抗と帯電量が得られないことがある。なお、BET比表面積測定を行う際、測定結果は測定サンプルであるフェライト粒子表面の水分の影響を受ける可能性があるので、可能な限りサンプル表面に付着している水分を除去するような前処理を行うことが好ましい。
(BET比表面積)
このBET比表面積の測定は、比表面積測定装置(型式:Macsorb HM model−1208(マウンテック社製))を用いた。測定試料を比表面積測定装置専用の標準サンプルセルに約5〜7g入れ、精密天秤で正確に秤量し、測定ポートに試料(フェライト粒子)をセットし、測定を開始した。測定は1点法で行い、測定終了時に試料の重量を入力すると、BET比表面積が自動的に算出される。なお、測定前に前処理として、測定試料を薬包紙に20g程度を取り分けた後、真空乾燥機で−0.1MPaまで脱気し−0.1MPa以下に真空度が到達していることを確認した後、200℃で2時間加熱した。
環境:温度;10〜30℃、湿度;相対湿度で20〜80% 結露なし
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子は、6.5mmGap印加電圧50Vにおける電気抵抗が1×10〜5×1011Ωであることが望ましい。
6.5mmGap印加電圧50Vにおけるフェライト粒子の電気抵抗が1×10よりも小さい場合は抵抗が低すぎてキャリアとして使用した際に白斑が発生したりキャリア飛散する可能性がある。フェライト粒子の電気抵抗が5×1011Ωよりも高い場合はキャリアとして使用した際にエッジが効きすぎた画像になることがある。
(電気抵抗)
この電気抵抗は、下記によって測定される。
電極間間隔6.5mmで非磁性の平行平板電極(10mm×40mm)を対向させ、その間に、試料(フェライト粒子)200mgを秤量して充填する。磁石(表面磁束密度:1500Gauss、電極に接する磁石の面積:10mm×30mm)を平行平板電極に付けることにより電極間に試料を保持させ、50V、100V、250V、500V及び1000Vの電圧を印加し、それらの印加電圧における抵抗を絶縁抵抗計(SM−8210、東亜ディケーケー(株)製)にて測定した。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリアは、上記フェライトキャリア芯材(フェライト粒子)の表面が樹脂で被覆されている。樹脂被覆回数は1回のみでも良いし、2回以上の複数回樹脂被覆を行なっても良く、所望の特性に応じて被覆回数を決めることができる。また、被覆樹脂の組成、被覆量及び樹脂被覆に使用する装置は被覆回数が2回以上の複数回の場合は、変化させても良いし、変えなくても良い。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリアは、樹脂被覆量が、フェライトキャリア芯材に対して0.1〜10重量%が望ましい。樹脂被覆量が0.1重量%未満ではキャリア表面に均一な被覆層を形成することが難しく、また樹脂被覆量が10重量%を超えるとフェライトキャリア同士の凝集が発生してしまい、歩留まり低下等の生産性の低下と共に、実機内での流動性あるいは帯電量等の現像剤特性変動の原因となる。
ここに用いられる被覆樹脂は、組み合わせるトナー、使用される環境等によって適宜選択できる。その種類は特に限定されないが、例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂等が挙げられる。本発明では、アクリル樹脂、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂が最も好ましく用いられる。
またキャリアの電気抵抗や帯電量、帯電速度をコントロールすることを目的に、被覆樹脂中に導電剤を含有することができる。導電剤はそれ自身の持つ電気抵抗が低いことから、含有量が多すぎると急激な電荷リークを引き起こしやすい。従って、含有量としては、被覆樹脂の固形分に対し0.25〜20.0重量%であり、好ましくは0.5〜15.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。導電剤としては、導電性カーボン、酸化チタンや酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤が挙げられる。
また、上記被覆樹脂中には、帯電制御剤を含有させることができる。帯電制御剤の例としては、トナー用に一般的に用いられる各種の帯電制御剤、各種シランカップリング剤及び無機微粒子等が挙げられる。これは被覆層の形成によって芯材露出面積を比較的小さくなるように制御した場合、帯電付与能力が低下することがあるが、各種の帯電制御剤やシランカップリング剤を添加することにより、コントロールできるためである。使用できる帯電制御剤やカップリング剤の種類は特に限定されないが、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等の帯電制御剤、アミノシランカップリング剤やフッ素系シランカップリング剤等が好ましい。帯電制御に使用できる無機微粒子としては電気陰性度が偏った物質を用いれば良く、シリカ等を用いることが好ましい。
<本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリアの製造方法>
次に、本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材及びキャリアの製造方法について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子の製造方法は、例えば次のように行われる。
(フェライト芯材用粒子の調製)
Fe及びMgの各化合物、さらに必要に応じてTi等の化合物を粉砕、混合、仮焼した後、ロッドミルで粉砕し、フェライト芯材用仮焼粉(粒子)とする。
フェライト芯材用仮焼粉の好ましい組成の一例は、Fe60〜71重量%、Mg0.5〜3重量%、Ti0〜2重量%、Sr0〜1.5重量%である。
上記のフェライト芯材用仮焼粉の組成範囲を満たすことでTi化合物を被覆後、電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として必要十分な各種特性を得ることが出来る。
上記したフェライト芯材用仮焼粉を水及び必要に応じ分散剤、バインダー等を添加し、スラリーとし、粘度調整後、スプレードライヤーにて粒状化し、造粒を行い、さらに脱バインダー処理してフェライト芯材用粒子を得る。脱バインダー処理は600〜1000℃で行われる。
上記スラリーのスラリー粒径D50が0.5〜4.5μmであることが望ましい。スラリー粒径を上記範囲とすることによって、所望のBET比表面積を有したフェライト粒子を得ることができる。スラリー粒径D50が0.5μm未満では、粉砕後の仮焼粉の比表面積が大きくなりすぎフェライト粒子の焼成が進みすぎることによって所望のBET比表面積を持ったフェライト粒子が得られない。4.5μmを超えると樹脂被覆した際に所望のキャリア特性が得られないだけでなく得られたフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)及び/又はフェライトキャリアの強度が悪化し、破砕されたフェライト粒子の破片が画像欠陥の原因となる可能性がある。
スラリー粒径を上記範囲とするには、本造粒用のスラリーを調製する際に粉砕時間を制御するか、粉砕メディアを目標のスラリー粒径及び粒度分布になるように選択するか、湿式サイクロンを用いてスラリー中に存在する原料粒子を分級すればよい。湿式サイクロンを用いた場合には分級後のスラリーの固形分が異なるので再度固形分の調整が必要になるものの、短時間で目標のスラリー粒径とすることができるため、粉砕時間の制御と組み合わせて用いてもよい。
(フェライト被覆用TiO粒子の調製)
酢酸水にシランカップリング剤を添加し、ホモジナイザー混合攪拌し、TiO粒子を添加し、アンモニア水でpH調整し、さらに攪拌し、得られたスラリーを固液分離し、乾燥させた後、粉砕し、フェライト被覆用TiO粒子とする。なお、ここでは、Ti化合物としてTiOを例示したが、これに限らず、SrTiO、MgTiO、MgTiO、FeTiO、FeTiO等のTi化合物も使用可能である。
フェライト被覆用TiO粒子は体積平均粒径が0.05μm〜0.5μmであることが望ましい。0.05μmよりも小さい場合にはシランカップリング剤による表面処理を行う際に粒子同士の分散させるのが困難になり、シランカップリング剤で処理した被覆粒子は凝集体となり、所望の被覆量でフェライト芯材粒子表面に被覆しても被覆層にムラができやすく、キャリア芯材として十分な抵抗が得られない可能性がある。0.5μmを超えると被覆粒子間に隙間が出来やすく、本焼成後に1つのキャリア芯材粒子表面に部分的に磁化の低い領域が生成することで飛散物磁化が低下し、キャリアとして使用する際のキャリア飛散の原因となる。
フェライト被覆用粒子は、フェライト芯材用TiO粒子の体積平均粒径にもよるが、フェライト芯材用粒子に対して2〜9重量%であることが好ましい。2重量%よりも少ない場合は、本焼成後に十分な抵抗が得られない。9重量%よりも多い場合にはフェライト芯材用粒子に付着しなかったフェライト被覆用粒子同士が凝集し、低磁化粒子を形成することがあり、キャリアとして使用する際のキャリア飛散の原因となる。
フェライト被覆用TiO粒子はシランカップリング剤で帯電付与されていることが好ましい。シランカップリング剤は炭素数8〜10の直鎖アルキル基を有し、かつ、メトキシ基もしくはエトキシ基を有しているものが好ましい。アルキル基の炭素数が7以下の場合、最小被覆面積/フェライト被覆用TiO粒子のBET比表面積×フェライト被覆用TiO粒子の重量に相当する添加量で帯電付与の処理を行ったとしても十分な帯電付与が出来ず、フェライト芯材粒子に凝集体で付着してしまう可能性がある。11以上の場合は疎水性が強すぎるため、シランカップリング剤の水中での処理が困難になる。メトキシ基及びエトキシ基以外の反応基を有している場合、シランカップリング剤の加水分解の速度が遅くなりすぎるため、シランカップリング剤処理の時間がかかりすぎ、生産性が劣るため使用できない。
フェライト被覆用TiO粒子に対してシランカップリング剤処理を行う時のシランカップリング剤の添加量Aは、処理を行うフィラーとなるTiO粒子のBET比表面積と使用するシランカップリング剤の最小被覆面積にもよるが、フィラー100重量%に対して0.1〜20重量%の範囲で行われる。0.1重量%よりも小さい場合は、フェライト被覆用TiO粒子に帯電付与が十分行えないため、フェライト被覆用TiO粒子同士が凝集し、フェライト芯材用粒子に凝集体で付着してしまい、本焼成後に1つのキャリア芯材用粒子表面に部分的に磁化の低い領域が生成することで飛散物磁化が低下し、キャリアとして使用する際のキャリア飛散の原因となる可能性がある。20重量%を超える場合、過剰なシランカップリング剤による帯電付与の影響が大きく、フェライト芯材用粒子に密にフェライト被覆用TiO粒子が付着しないため、本焼成後に十分な抵抗が得られないだけでなく、フェライト芯材用粒子に付着しなかったフェライト被覆用TiO粒子同士が凝集し、低磁化粒子を形成することがあり、キャリアとして使用する際のキャリア飛散の原因となる。
(フェライト粒子の調製)
上記のようにして得られたフェライト芯材用粒子にフェライト被覆用TiO粒子を添加し、混合ミルで混合し、フェライト粒子用原料とした。このフェライト粒子用原料を不活性雰囲気又は弱酸化性雰囲気、例えば窒素雰囲気下や酸素濃度が3体積%以下の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下、950〜1230℃で行う。
その後、焼成物を解砕、分級を行ってフェライト粒子を得る。分級方法としては、既存の風力分級、メッシュ濾過法、沈降法等を用いて所望の粒径に粒度調整する。乾式回収を行う場合は、サイクロン等で回収することも可能である。
このようにして、上記各特性を有する本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子が得られる。
本焼成前のフェライト芯材用粒子の表面に微粒子を付着させた後に本焼成を行う方法については前述の通り提案されているが、乾式で帯電付与の前処理を行わない微粒子を用いて本焼成前のフェライト芯材用粒子の表面に付着させる場合、付着させる微粒子の凝集が激しくフェライト芯材用粒子に付着しにくいか、大きな凝集体として付着するため組成の偏りが大きく、本焼成後に得られたフェライト粒子の特性は決して良くない。
本発明に係るフェライト粒子においては付着させるフェライト被覆用TiO粒子の表面に対して易分散性を得られるようにするため、帯電付与の表面処理を行うことを特徴としている。帯電付与の表面処理を行うことで粒子同士の凝集が減少し、本焼成前のフェライト芯材用TiO粒子に付着しやすくなる。また、フェライト芯材用粒子の帯電極性と逆極性の表面処理剤を用いることで本焼成前のフェライト芯材用粒子に付着したフェライト被覆用TiO粒子の脱離を防止する効果が得られる。
湿式による本焼成前のフェライト芯材用粒子に対する微粒子の表面被覆は、表面被覆を行なったフェライト粒子用原料ごと溶媒となる液体の除去が必要となるため、工程として大掛かりになるためコストがかさむ。乾式による微粒子のフェライト芯材用粒子への被覆は微粒子の表面処理のみを行えば良く、容易に行え、コストの上昇も少ないのが特徴である。
本発明の電子写真現像剤用フェライトキャリアは、上記フェライトキャリア芯材(フェライト粒子)の表面に、上記した樹脂を被覆し、樹脂被膜を形成する。被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等により被覆することができる。被覆率を向上させるためには、流動床による方法が好ましい。
樹脂をフェライトキャリア芯材に被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。UV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用いる。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。
<本発明に係る電子写真用現像剤>
次に、本発明に係る電子写真用現像剤について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤は、上述した電子写真現像剤用フェライトキャリアとトナーとからなるものである。
本発明の電子写真現像剤を構成するトナー粒子には、粉砕法によって製造される粉砕トナー粒子と、重合法により製造される重合トナー粒子とがある。本発明ではいずれの方法により得られたトナー粒子も使用することができる。
粉砕トナー粒子は、例えば、結着樹脂、荷電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等の混合機で充分に混合し、次いで、二軸押出機等で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級し、外添剤を添加後、ミキサー等で混合することにより得ることができる。
粉砕トナー粒子を構成する結着樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、更にはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは単独又は混合して用いられる。
荷電制御剤としては、任意のものを用いることができる。例えば正荷電性トナー用としては、ニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩等を挙げることができ、また、負荷電性トナー用としては、含金属モノアゾ染料等を挙げることができる。
着色剤(色材)としては、従来より知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。その他、トナーの流動性、耐凝集性向上のためのシリカ粉体、チタニア等のような外添剤をトナー粒子に応じて加えることができる。
重合トナー粒子は、懸濁重合法、乳化重合法、乳化凝集法、エステル伸長重合法、相転乳化法といった公知の方法で製造されるトナー粒子である。このような重合法トナー粒子は、例えば、界面活性剤を用いて着色剤を水中に分散させた着色分散液と、重合性単量体、界面活性剤及び重合開始剤を水性媒体中で混合攪拌し、重合性単量体を水性媒体中に乳化分散させて、攪拌、混合しながら重合させた後、塩析剤を加えて重合体粒子を塩析させる。塩析によって得られた粒子を、濾過、洗浄、乾燥させることにより、重合トナー粒子を得ることができる。その後、必要により乾燥されたトナー粒子に機能付与のため外添剤を添加することもできる。
更に、この重合トナー粒子を製造するに際しては、重合性単量体、界面活性剤、重合開始剤、着色剤以外に、定着性改良剤、帯電制御剤を配合することができ、これらにより得られた重合トナー粒子の諸特性を制御、改善することができる。また、水性媒体への重合性単量体の分散性を改善するとともに、得られる重合体の分子量を調整するために連鎖移動剤を用いることができる。
上記重合トナー粒子の製造に使用される重合性単量体に特に限定はないが、例えば、スチレン及びその誘導体、エチレン、プロピレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエステル及びメタクリル酸ジエチルアミノエステル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類等を挙げることができる。
上記重合トナー粒子の調製の際に使用される着色剤(色材)としては、従来から知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー及びフタロシアニングリーン等を使用することができる。また、これらの着色剤はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等を用いてその表面が改質されていてもよい。
上記重合トナー粒子の製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を使用することができる。
ここで、アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン、脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等を挙げることができる。更に、カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。また、両イオン性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩、アルキルアミノ酸等を挙げることができる。
上記のような界面活性剤は、重合性単量体に対して、通常は0.01〜10重量%の範囲内の量で使用することができる。このような界面活性剤は、単量体の分散安定性に影響を与えるとともに、得られた重合トナー粒子の環境依存性にも影響を及ぼす。上記範囲内の量で使用することは単量体の分散安定性の確保と重合トナー粒子の環境依存性を低減する観点から好ましい。
重合トナー粒子の製造には、通常は重合開始剤を使用する。重合開始剤には、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とがあり、本発明ではいずれをも使用することができる。本発明で使用することができる水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、水溶性パーオキサイド化合物を挙げることができ、また、油溶性重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、油溶性パーオキサイド化合物を挙げることができる。
また、本発明において連鎖移動剤を使用する場合には、この連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四臭化炭素等を挙げることができる。
更に、本発明で使用する重合トナー粒子が、定着性改善剤を含む場合、この定着性改良剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックス等を使用することができる。
また、本発明で使用する重合トナー粒子が、帯電制御剤を含有する場合、使用する帯電制御剤に特に制限はなく、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等を使用することができる。
また、重合トナー粒子の流動性向上等のために使用される外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を挙げることができ、これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
更に、水性媒体から重合粒子を分離するために使用される塩析剤としては、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の金属塩を挙げることができる。
上記のようにして製造されたトナー粒子の体積平均粒径は、2〜15μm、好ましくは3〜10μmの範囲内にあり、重合トナー粒子の方が粉砕トナー粒子よりも、粒子の均一性が高い。トナー粒子が2μmよりも小さくなると、帯電能力が低下しかぶりやトナー飛散を引き起こしやすく、15μmを超えると、画質が劣化する原因となる。
上記のように製造されたキャリアとトナーとを混合し、電子写真現像剤を得ることができる。キャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は、3〜15重量%に設定することが好ましい。3重量%未満であると所望の画像濃度が得にくく、15重量%を超えると、トナー飛散やかぶりが発生しやすくなる。
本発明に係る電子写真現像剤は、補給用現像剤として用いることもできる。この際のキャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は100〜3000重量%に設定することが好ましい。
上記のように調製された本発明に係る電子写真現像剤は、有機光導電体層を有する潜像保持体に形成されている静電潜像を、バイアス電界を付与しながら、トナー及びキャリアを有する二成分現像剤の磁気ブラシによって反転現像する現像方式を用いたデジタル方式のコピー機、プリンター、FAX、印刷機等に使用することができる。また、磁気ブラシから静電潜像側に現像バイアスを印加する際に、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法である交番電界を用いるフルカラー機等にも適用可能である。
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
(フェライト芯材用粒子の調製)
Feを90モル、MgCOを9モル、及び、SrCOを1モルとなるように秤量し、さらに、還元剤としてカーボンブラックを原料重量に対して1.2重量%添加したものを混合、粉砕後、ローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを950℃にて酸素濃度0体積%下の窒素雰囲気下、ロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。これをロッドミルにて粉砕したものをフェライト芯材用仮焼粉とした。
このフェライト芯材用仮焼粉を湿式ビーズミルで1時間粉砕し、バインダー成分としてPVAをスラリー固形分に対して1.5重量%となるように添加し、ポリカルボン酸系分散剤をスラリーの粘度が2〜3ポイズになるように添加した。この際のスラリー粒径のD50は3.29μmであった。
このようにして得られた粉砕スラリーをスプレードライヤーにて造粒、乾燥し、酸素濃度0体積%下の窒素雰囲気下、ロータリーキルンを用いて800℃で脱バインダー処理し、フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
(フェライト被覆用TiO粒子の調製)
5重量%の酢酸水にデシルトリメトキシシランを添加し、ホモジナイザーで30分間混合撹拌し、次いで体積平均粒径0.12μmのTiOを固形分で20重量%となるように添加した。さらに15分間撹拌を続けた後、アンモニア水を添加し、pHを8.5とした後15分間撹拌を継続した。得られたスラリーを固液分離し、熱風乾燥機で120℃、8時間乾燥させて水分を完全に除去したあと、ヘンシェルミキサーを使って粉砕しフェライト被覆用TiO粒子とした。
上記処理することで得られたフェライト被覆用TiO粒子を、上記脱バインダー処理済みのフェライト芯材用粒子に対して4重量%添加し、混合ミルで30分間混合撹拌した。得られた混合物を80メッシュの振動ふるいで凝集体をほぐし、フェライト粒子用原料とした。
上記で得られたフェライト粒子用原料を、電気炉を用いて、酸素濃度0体積%下の窒素雰囲気下、1115℃で4時間保持し、本焼成を行なった。その後、解砕し、さらに分級してフェライト芯材粒子を得た。
[実施例2]
Feを89モル、MgCOを9モル、及びTiOを2モルとなるようにした以外は実施例1と同様の方法でフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[実施例3]
Feを89モル、MgCOを9モル、TiOを1モル、及びSrCOを1モルとなるようにした以外は実施例1と同様の方法でフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[実施例4]
Feを88モル、MgCOを9モル、TiOを2モル、及びSrCOを1モルとなるようにした以外は実施例1と同様の方法でフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[実施例5]
Feを86モル、MgCOを9モル、TiOを4モル、及びSrCOを1モルとなるようにした以外は実施例1と同様の方法でフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[実施例6]
Feを88モル、MgCOを6モル、TiOを2モル、及びSrCOを1モルとなるようにした以外は実施例1と同様の方法でフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[実施例7]
Feを85モル、MgCOを12モル、TiOを2モル、及びSrCOを1モルとなるようにした以外は実施例1と同様の方法でフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[実施例8]
本焼成温度を1020℃とした以外は、実施例4と同様にしてフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[実施例9]
本焼成温度を1175℃とした以外は、実施例4と同様にしてフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[実施例10]
本造粒スラリーの粉砕時間を変えてスラリー粒径を2.2μmとした以外は、実施例4と同様にしてフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[実施例11]
本造粒スラリーの粉砕時間を変えてスラリー粒径を4.17μmとした以外は、実施例4と同様にしてフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[実施例12]
フェライト被覆用TiO粒子を、上記脱バインダー処理済みのフェライト芯材用粒子に対して3.5重量%添加した以外は、実施例4と同様にしてフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[実施例13]
フェライト被覆用TiO粒子を、上記脱バインダー処理済みのフェライト芯材用粒子に対して5重量%添加した以外は、実施例4と同様にしてフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[実施例14]
フェライト被覆用TiO粒子を、上記脱バインダー処理済みのフェライト芯材用粒子に対して2.5重量%添加した以外は、実施例1と同様にしてフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[実施例15]
フェライト被覆用TiO粒子を、上記脱バインダー処理済みのフェライト芯材用粒子に対して7重量%添加した以外は、実施例5と同様にしてフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[比較例1]
フェライト被覆粒子を添加しなかった以外は、実施例4と同様にしてフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[比較例2]
比較例1で得られたフェライト粒子をさらに大気中にて540℃で表面酸化処理した以外は、比較例1と同様にしてフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[比較例3]
比較例1で得られたフェライト粒子をさらに大気中にて650℃で表面酸化処理した以外は、比較例1と同様にしてフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[比較例4]
フェライト被覆用TiO粒子を、上記脱バインダー処理済みのフェライト芯材用粒子に対して1.5重量%添加した以外は、実施例1と同様にしてフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
[比較例5]
フェライト被覆用TiO粒子を、上記脱バインダー処理済みのフェライト芯材用粒子に対して10重量%添加した以外は、実施例5と同様にしてフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
実施例1〜15及び比較例1〜5で用いられたフェライト芯材用粒子の配合割合(原料比率モル及び炭素量)、仮焼条件(仮焼温度及び雰囲気)、本造粒条件、脱バインダー処理条件を表1に示し、得られたフェライト芯材用粒子の化学分析結果、TiOの物性(平均粒径、BET比表面積)及びシランカップリング剤処理条件(処理剤、処理量、処理温度及び処理時間)を表2に示す。また、実施例1〜15及び比較例1〜5のフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)に使用されたフェライト芯材用粒子、フェライト芯材粒子に対する表面処理済TiOの添加量及び混合時間、本焼成条件(焼成温度及び雰囲気)及び表面酸化処理条件(処理温度及び雰囲気)を表3に示し、得られたフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)の化学分析結果、磁気特性(磁化、残留磁化及び保磁力)及び粉体特性(平均粒径、BET比表面積、及び、Ti被覆量)を表4に示す。さらに、実施例1〜15及び比較例1〜5により得られたフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)の6.5mmGapのブリッジ式抵抗(50V、100V、250V、500V及び1000V)及び各環境下での帯電量を表5に示す。ここにおいて、表5に示す帯電量の測定方法は下記の通りである。また、その他の各測定方法は上述の通りである。
(フェライトキャリア芯材の帯電量)
試料(フェライト粒子)と、フルカラープリンターに使用されている市販の負極性トナーで平均粒径が約5.5μmのものを、トナー濃度を6.5重量%(トナー重量=3.25g、フェライトキャリア芯材(フェライト粒子)重量=46.75g)に秤量した。秤量したフェライトキャリア芯材及びトナーを、後述の各環境下に12時間以上暴露した。その後、フェライトキャリア芯材とトナーを50ccのガラス瓶に入れ、100rpmの回転数にて、30分間撹拌を行った。
帯電量測定装置として、直径31mm、長さ76mmの円筒形のアルミ素管(以下、スリーブ)の内側に、N極とS極を交互に合計8極の磁石(磁束密度0.1T)を配置したマグネットロールと、該スリーブと5.0mmのGapをもった円筒状の電極を、該スリーブの外周に配置した。
このスリーブ上に、現像剤0.5gを均一に付着させた後、外側のアルミ素管は固定したまま、内側のマグネットロールを100rpmで回転させながら、外側の電極とスリーブ間に、直流電圧2000Vを60秒間印加し、トナーを外側の電極に移行させた。このとき、円筒状の電極にはエレクトロメーター(KEITHLEY社製 絶縁抵抗計model6517A)をつなぎ、移行したトナーの電荷量を測定した。
60秒経過後、印加していた電圧を切り、マグネットロールの回転を止めた後、外側の電極を取り外し、電極に移行したトナーの重量を測定した。
測定された電荷量と移行したトナー重量から、帯電量を計算した。
ここで各環境下の条件は次の通りである。
常温常湿(N/N)環境=温度20〜25℃、相対湿度50〜60%
低温低湿(L/L)環境=温度10〜15℃、相対湿度10〜15%
高温高湿(H/H)環境=温度30〜35℃、相対湿度80〜85%
Figure 0006156626
Figure 0006156626
Figure 0006156626
Figure 0006156626
Figure 0006156626
実施例1〜15のフェライト粒子の磁気特性、BET比表面積、電気抵抗及び各環境下での帯電量はいずれも良好で、表面酸化処理を行わなくても6.5mmGapの50Vにおける抵抗が高いフェライトキャリア芯材が得られた。
これに対し、比較例1のフェライト粒子は磁化が高かったものの、抵抗が低く、フェライトキャリア芯材としては使用できないものであった。
比較例2のフェライト粒子は、比較例1よりも抵抗は高くなったものの、磁化が下がり、フェライトキャリア芯材としては使用できないものであった。
比較例3のフェライト粒子は、比較例2のフェライト粒子よりも抵抗は高かったが、比較例2よりも磁化が低く、フェライトキャリア芯材としては使用できないものであった。
比較例4のフェライト粒子は、抵抗が低くなりすぎ、フェライトキャリア芯材としては使用できないものであった。
比較例5のフェライト粒子は、抵抗が高くなりすぎ、また磁化が低く、フェライトキャリア芯材としては使用できないものであった。
[実施例16]
実施例1で得られたフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)に100重量部に一次平均粒径0.17μmのアクリル変性シリコーン樹脂(シリコーン・アクリルグラフト共重合体)粉末を4.5重量部添加し、容積3LのV型混合機で10分間混合し、得られた混合物を210℃設定の熱風乾燥機に2時間入れて樹脂の溶融を行いフェライトキャリア芯材に樹脂被覆を行った。その後、凝集粒子を解砕し樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例17]
実施例2で得られたフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)を用いた以外は、実施例16と同様に樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例18]
実施例3で得られたフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)を用いた以外は、実施例16と同様に樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例19]
実施例4で得られたフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)を用いた以外は、実施例16と同様に樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例20]
実施例5で得られたフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)を用いた以外は、実施例16と同様に樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例21]
実施例6で得られたフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)を用いた以外は、実施例16と同様に樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例22]
実施例7で得られたフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)を用いた以外は、実施例16と同様に樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例23]
実施例8で得られたフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)を用いた以外は、実施例16と同様に樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例24]
実施例9で得られたフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)を用いた以外は、実施例16と同様に樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例25]
実施例10で得られたフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)を用いた以外は、実施例16と同様に樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例26]
実施例11で得られたフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)を用いた以外は、実施例16と同様に樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
実施例16〜26のフェライトキャリアに使用したフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)、樹脂被覆の条件(被覆用樹脂、被覆量、硬化温度、硬化時間)、得られたフェライトキャリアの平均粒径及び各環境下での帯電量を表7に示す。なお、平均粒径及び帯電量の測定方法は、上述のフェライトキャリア芯材の測定方法と同様である。
Figure 0006156626
表6の結果から明らかなように、実施例16〜26のフェライトキャリアは、各環境下での帯電性が良好であった。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、適度な抵抗や磁化を有し、かつ帯電性に優れ、特に高温高湿下での高帯電及び高抵抗を維持でき環境依存性が良好である。そのため、上記フェライトキャリア芯材に樹脂を被覆して得られるフェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤は、各環境下での帯電安定性に優れる。
従って、本発明は、特に高画質が要求されるフルカラー機並びに画像維持の信頼性及び耐久性の要求される高速機の分野に広く使用可能である。

Claims (4)

  1. 粒子表面近傍にTiが固溶しており、粒子表面近傍が粒子内部よりTiが高含有量であるフェライト粒子であり、粒子表面近傍と粒子内部とのTi含有量の差が1〜5重量%であり、且つ、BET比表面積が0.06〜0.8m /gであることを特徴とする電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  2. 請求項1に記載のフェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用フェライトキャリア。
  3. 請求項2に記載のフェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤。
  4. 補給用現像剤として用いられる請求項3に記載の電子写真現像剤。
JP2013057158A 2013-03-19 2013-03-19 電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリア、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 Active JP6156626B2 (ja)

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