JP2013205614A - 電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及びこれらの製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 - Google Patents

電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及びこれらの製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 Download PDF

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Abstract

【課題】適度な凹凸、強度及び抵抗や磁化を有し、かつ帯電性に優れ、特に高温高湿下での高帯電及び高抵抗を維持でき環境依存性の良好である電子現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及びこれらの製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を提供する。
【解決手段】Mgを0.9〜3.5重量%、Tiを0.3〜2重量%、Feを66〜71重量%を含有し、FeO含有量が1〜6重量%であり、かつ細孔容積が0.010〜0.025ml/gであるフェライト粒子からなることを特徴とする電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及びこれらの製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を採用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、プリンター等に用いられる二成分系電子写真現像剤に使用される電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及びこれらの製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤に関する。
電子写真現像方法は、現像剤中のトナー粒子を感光体上に形成された静電潜像に付着させて現像する方法であり、この方法で使用される現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤及びトナー粒子のみを用いる一成分系現像剤に分けられる。
こうした現像剤のうち、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤を用いた現像方法としては、古くはカスケード法等が採用されていたが、現在では、マグネットロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
二成分系現像剤において、キャリア粒子は、現像剤が充填されている現像ボックス内において、トナー粒子と共に攪拌されることによって、トナー粒子に所望の電荷を付与し、さらにこのように電荷を帯びたトナー粒子を感光体の表面に搬送して感光体上にトナー像を形成するための担体物質である。マグネットを保持する現像ロール上に残ったキャリア粒子は、この現像ロールから再び現像ボックス内に戻り、新たなトナー粒子と混合・攪拌され、一定期間繰り返して使用される。
二成分系現像剤は、一成分系現像剤とは異なり、キャリア粒子はトナー粒子と混合・攪拌され、トナー粒子を帯電させ、さらに搬送する機能を有しており、現像剤を設計する際の制御性が良い。従って、二成分系現像剤は高画質が要求されるフルカラー現像装置及び画像維持の信頼性、耐久性が要求される高速印刷を行う装置等に適している。
このようにして用いられる二成分系現像剤においては、画像濃度、カブリ、白斑、階調性、解像力等の画像特性が、初期の段階から所定の値を示し、しかもこれらの特性が耐刷期間中に変動せず、安定に維持されることが必要である。これらの特性を安定に維持するためには、二成分系現像剤中に含有されるキャリア粒子の特性が安定していることが必要になる。
二成分系現像剤を形成するキャリア粒子として、従来は、表面を酸化被膜で覆った鉄粉あるいは表面を樹脂で被覆した鉄粉等の鉄粉キャリアが使用されていた。このような鉄粉キャリアは、磁化が高く、導電性も高いことから、ベタ部の再現性のよい画像が得られやすいという利点がある。
しかしながら、このような鉄粉キャリアは真比重が約7.8と重く、また磁化が高すぎることから、現像ボックス中におけるトナー粒子との攪拌・混合により、鉄粉キャリア表面へのトナー構成成分の融着、いわゆるトナースペントが発生しやすくなる。このようなトナースペントの発生により有効なキャリア表面積が減少し、トナー粒子との摩擦帯電能力が低下しやすくなる。
また、樹脂被覆鉄粉キャリアでは、耐久時のストレスにより表面の樹脂が剥離し、高導電性で絶縁破壊電圧が低い芯材(鉄粉)が露出することにより、電荷のリークが生ずることがある。このような電荷のリークにより、感光体上に形成された静電潜像が破壊され、ベタ部にハケスジ等が発生し、均一な画像が得られにくい。これらの理由から、酸化被膜鉄粉及び樹脂被覆鉄粉等の鉄粉キャリアは、現在では使用されなくなってきている。
近年は、鉄粉キャリアに代わって真比重約5.0程度と軽く、また磁化も低いフェライト粒子をキャリアとして用いたり、さらにフェライト粒子の表面に樹脂を被覆した樹脂コートフェライトキャリアが多く使用されており、現像剤寿命は飛躍的に伸びてきた。
このようなフェライトキャリアの製造方法としては、フェライト原料を所定量混合した後、仮焼、粉砕し、造粒後に焼成を行うのが一般的であり、条件によっては仮焼を省略できる場合もある。
ところで、最近、環境規制が厳しくなり、Ni、Cu、Zn等の金属の使用は避けられるようになってきており、環境規制に適応した金属の使用が求められており、キャリア芯材として用いられるフェライト粒子の組成はCu−Znフェライト、Ni−ZnフェライトからMnを用いたマンガンフェライト、Mn−Mg−Srフェライト等に移行している。
特許文献1(特開2006−337828号公報)には、表面が溝又は筋で10μm四方あたり2〜50の領域に分割されており、マンガンフェライトを主成分とする電子写真用フェライトキャリア芯材が記載されている。このフェライトキャリア芯材は、組成が均一で、一定の表面性、良好な流動性を有し、かつ高磁化、低抵抗であり、このフェライトキャリア芯材に樹脂を被覆したフェライトキャリアを用いた電子写真用現像剤は、帯電の立ち上がりが速く、経時における安定した帯電量を有するとされている。
この特許文献1では、上記のようなフェライトキャリア芯材を製造するために、FeとMnのモル比(Fe/Mn)が4〜16のFeとMnを主成分とする複合酸化物を粉砕、混合後、造粒、焼成し、さらに解砕、分級する製造方法において、焼成を酸素濃度が5体積%以下の雰囲気で行うことが示されている。
しかし、Mnも各種法規制の対象になりつつあり、上記各種重金属はもとよりMnを使用しない新たなキャリア芯材が求められている。
Mnを用いたキャリア芯材に代わるものとして、Mgを用いたキャリア芯材が提案されている。例えば、特許文献2(特開2005−162597号公報)には、式XMgFeCa(XはLi、Na、Ti等又はその組み合わせ)で示されるMg系フェライト材料(キャリア芯材)が示され、飽和磁化が30〜80emu/g、絶縁破壊電圧が1.5〜5.0kVであるとされ、このMg系フェライト材料により、高画質化と環境規制への対応を図ることができるとされている。
また、特許文献3(特表2006−524627号公報)には、式MgFeCaで示されるMg系フェライト材料(キャリア芯材)が示され、飽和磁化が30〜80emu/g、絶縁破壊電圧が1.5〜5.0kVであるとされ、環境規制に対応したクリーンな材料で構成され、鮮明で階調性に富みカブリのない高画質像が得られるとされている。
このようにMgを用いたキャリア芯材は提案されているが、一般に磁化と抵抗はトレードオフの関係にあるため、高磁化と中抵抗〜高抵抗といった特性を両立することは難しい。そのため、Mnを添加することで磁化と抵抗のトレードオフの関係を緩和し高磁化かつ中抵抗〜高抵抗を実現し、現在は電子写真現像剤用キャリア芯材として利用されている。しかしながら、上述したように、各種重金属規制の強化に伴いMnを使用しにくい状況となりつつある。
また、Mnを意図的に添加しないMg系キャリア芯材において、従来の焼成方法でも高磁化、かつ中抵抗〜高抵抗を実現する方法としては、本焼成後、表面酸化することで抵抗を所望のレベルに合わせ込む取り組みがなされてきたが、上記トレードオフの関係を十分解決できているとは言えない。
また、特許文献1に記載のMg系フェライト材料(キャリア芯材)はCaを含有しているため焼成が進みやすいため、表面の凹凸が少ない芯材粒子としては良好な特性が得られるものの、後述する本発明に係る芯材粒子(フェライト粒子)と異なり、表面性制御が非常に難しいものとなっている。
また、従来よりMg系フェライトはFe過剰で製造することで磁化を高くすることが出来ることが知られている。しかし、抵抗はFe過剰であるため極めて低いものとなってしまっている。また、Fe過剰のMg系フェライトは、本焼成時の酸素濃度が高い場合や表面酸化によって磁化が急激に低くなると言う特徴を持っており、この現象はマグネタイト中に含まれる2価のFeの酸化によるものと考えられている。
一方、Fe以外の遷移金属を含有しないMg系フェライトの焼成温度は1250〜1350℃程度ときわめて高温であり、キャリア芯材に求められる表面性はほとんど凹凸のないものしか得られないだけでなく、焼成時にキャリア芯材粒子同士が凝集しやすく球形ではない粒子が多く含まれることとなる。そのため、意図的に重金属を含有せず、高磁化、中抵抗〜高抵抗で、かつ適度な凹凸を有する表面性とが揃った形状を実現することはできない。
さらには、Mg系フェライトは、電子写真現像剤として用いたときに、長期間使用による抵抗や各環境下での帯電量を安定に維持することが難しいという課題も有する。
他方、特許文献4(特開2011−112960号公報)には、Mg、Ti及びFeを一定量含有し、細孔容積、ピーク細孔径及び磁気特性が特定範囲にある多孔質フェライト芯材の空隙に樹脂を充填させて得られる電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアが記載されている。このフェライト芯材は、細孔容積が大きく、フェライト粒子が多孔質化しているため、樹脂被覆を行っても、キャリアの強度を保つことができない。
特開2006−337828号公報 特開2005−162597号公報 特表2006−524627号公報 特開2011−112960号公報
従って、本発明の目的は、適度な凹凸、強度及び抵抗や磁化を有し、かつ帯電性に優れ、特に高温高湿下での高帯電及び高抵抗を維持でき環境依存性の良好である電子現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及びこれらの製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を提供することにある。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討した結果、Mg、Ti及びFeを一定量含有し、かつ細孔容積が0.010〜0.025ml/gであるフェライトキャリア芯材及びこれに樹脂を被覆したフェライトキャリアが上記目的を達成し得ることを知見し、またこれらのフェライトキャリア芯材及びフェライトキャリアは、スラリー粒径のD10及びD50を特定範囲することによって製造されることを見出し、本発明に至った。本発明は、これらの知見に基づきなされたものである。
すなわち、本発明は、Mgを0.9〜3.5重量%、Tiを0.3〜2重量%、Feを66〜71重量%を含有し、FeO含有量が1〜6重量%であり、かつ細孔容積が0.010〜0.025ml/gであるフェライト粒子からなることを特徴とする電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材を提供するものである。
本発明の上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材において、上記フェライト粒子はSrを0.1〜1.0重量%含有することが望ましい。
本発明の上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材において、上記フェライト粒子の1K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときのVSM測定による磁化は50〜62Am/kgであることが望ましい。
本発明の上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材において、上記フェライト粒子に表面酸化被膜が形成されていることが望ましい。
本発明の上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材において、上記表面酸化被膜が形成されたフェライト粒子のFeO含有量が0〜0.5重量%であることが望ましい。
本発明の上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材において、上記表面酸化被膜が形成されたフェライト粒子は、常温常湿(N/N)環境下、6.5mmGap印加電圧50Vにおける電気抵抗が5×10〜5×1010Ω、1000Vにおける電気抵抗が1×10〜1×1010Ω、かつ高温高湿(H/H)環境下、6.5mmGap印加電圧50Vにおける電気抵抗が1×10〜1×1010Ωであることが望ましい。
本発明は、上記フェライトキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されている電子写真現像剤用フェライトキャリアを提供するものである。
また、本発明は、Fe、Mg及びTiの各化合物を粉砕、混合、仮焼した後、再度粉砕してスラリーとし、該スラリーを造粒し、得られた造粒物を脱バインダー処理後、本焼成し、さらに解砕、分級するフェライト粒子からなる電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材の製造方法であって、上記スラリーのスラリー粒径D10が4〜8μm、かつスラリー粒径D50が2.5〜4.5μmであることを特徴とする上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材の製造方法を提供するものである。
本発明に係る上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材の製造方法において、上記各化合物に加えてSrの化合物を加えることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材の製造方法において、上記解砕、分級後に、得られたフェライト粒子を表面酸化処理することが望ましい。
本発明は、上記製造方法によって得られたフェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆することを特徴とする電子写真現像剤用フェライトキャリアの製造方法を提供するものである。
本発明は、上記フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤を提供するものである。
本発明に係る上記電子写真現像剤は、補給用現像剤としても用いられる。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、適度な凹凸、強度及び抵抗や磁化を有し、かつ帯電性に優れ、特に高温高湿下での高帯電及び高抵抗を維持でき環境依存性が良好である。そのため、上記フェライトキャリア芯材に樹脂を被覆して得られるフェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤は、長期間の使用においても高い帯電量を維持し、各環境下での帯電安定性にも優れる。また、本発明の製造方法によって、上記フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリアが安定的に生産性をもって得られる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリア>
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子は、Mgを0.9〜3.5重量%、好ましくは0.9〜3重量%、より好ましくは0.9〜2.5重量%、Tiを0.3〜2重量%、好ましくは0.5〜1.8重量%、より好ましくは0.5〜1.6重量%、Feを66〜71重量%、好ましくは67〜71重量%、より好ましくは68〜71重量%含有する。残部はOと随伴不純物であり、随伴不純物は原料に含まれるものや製造工程において混入するものであり、その合計量は0.5重量%以下である。上記組成範囲のフェライト粒子からなるフェライトキャリア芯材は、適度な凹凸及び抵抗や磁化を有し、かつ帯電性に優れ、特に高温高湿下での高帯電を維持でき環境依存性の良好である。なお、なお、本発明でいうフェライト粒子とは、特記しない限り個々のフェライト粒子の集合体を意味し、また単に粒子とは、個々のフェライト粒子をいう。
フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子がMgを含有することによって、フェライトキャリアとフルカラー用のトナーで構成される帯電の立ち上がりが良い現像剤を得ることができる。また抵抗を高くすることができる。Mgの含有量が0.9重量%未満では、十分な添加効果が得られず、抵抗が低くなり、カブリの発生や階調性の悪化等、画質が悪化する。また、磁化が高くなりすぎるため、磁気ブラシの穂が硬くなり、はけ筋等の画像欠陥の発生原因となる。一方、Mgの含有量が3.5重量%を超えると、磁化が低下するためにキャリア飛散が発生するだけでなく、焼成温度が低い場合にはMgに起因する水酸基の影響で水分吸着量が大きくなり帯電量や抵抗といった電気的特性の環境依存性を悪化させる原因となる。
Tiは焼成温度を下げる効果を有し、凝集粒子を減らすことができるだけでなく、均一でシワ状の表面性を得ることができる。フェライト粒子中のTiの含有量が0.3重量%未満では、Tiの含有効果が得られず、BET比表面積が高くなり、十分な帯電性が得られない。また、Tiの含有量が2重量%を超えると、磁化の立ち上がりが悪くなり、キャリア飛散の原因となる。
フェライト粒子中のFeの含有量が66重量%未満では、Mg及び/又はTiの含有量が相対的に増えた場合は、非磁性成分及び/又は低磁化成分が増加することを意味しており、所望の磁気特性が得られないだけでなく、表面酸化処理前のフェライト粒子において必要十分なFeO量が生成しにくくなるため、表面酸化処理後の表面の抵抗と芯材粒子内部の抵抗の差が広がりすぎることで高電界側において抵抗のブレークダウンが発生し、キャリアとして使用した際に白斑やキャリア飛散の原因となる。Feの含有量が71重量%を超えると、Mg及び/又はTiの含有効果は得られず実質的にマグネタイトと同等のフェライトキャリア芯材になってしまう。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子はSrを0.1〜1.0重量%含有することが望ましい。Srは抵抗や表面性の調整に寄与し、表面酸化の際に高磁化を保つ効果を有するだけでなく、含有することで芯材の帯電能力を高める効果も得られ、特にTi存在下ではその効果は大きい。フェライト粒子中のSr含有量が0.1重量%未満の場合には、Srの含有効果が得られず酸素濃度が高い条件で焼成を行った場合に、磁化の低下が大きくなる。Srの含有量が1.0重量%を超えると、残留磁化や保磁力が高くなり、現像剤として用いたとき、はけ筋等の画像欠陥が発生し、画質が低下する。
(Fe、Mg、Ti及びSrの含有量)
これらFe、Mg、Ti及びSrの含有量は、下記によって測定される。
フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)0.2gを秤量し、純水60mlに1Nの塩酸20ml及び1Nの硝酸20mlを加えたものを加熱し、フェライト粒子を完全溶解させた水溶液を準備し、ICP分析装置(島津製作所製ICPS−1000IV)を用いてFe、Mg、Ti及びSrの含有量を測定した。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子のFeO含有量は1〜6重量%である。FeO含有量が、上記範囲であれば、表面酸化処理を行う際に含有しているFeOがほかのマグネタイトも含むフェライト成分よりも優先的に酸化されるので、フェライト粒子表面からだけではなく、内部からも酸化が進むことになり、抵抗のブレークダウンが発生しにくくなり重金属を含有しないフェライトキャリアの従来からの致命的な欠陥である高電界側の低抵抗化を抑制することができる。FeO含有量が1重量%未満では、表面酸化処理を行った際にフェライト粒子表面からの酸化が支配的であり表面付近のみが高抵抗化され、内部の抵抗は低いままの状態になるため、高電界側の抵抗のブレークダウンを抑制できず、キャリアとして使用した際には白斑、キャリア飛散の原因となる。FeO含有量が6重量%を超えると、表面酸化処理を行ってもフェライト粒子内部にFeOが残るため、磁化が低くなりすぎキャリア飛散の原因となるか、抵抗の低いFeOが残留することで高電界側の抵抗のブレークダウンを抑制できず、キャリアとして使用した際には白斑の原因となる。フェライト粒子の結晶構造は下記により測定される。
(結晶構造の測定:X線回折測定)
測定装置としてパナリティカル社製「X’PertPRO MPD」を用いた。X線源としてCo管球(CoKα線)を、光学系として集中光学系及び高速検出器「X‘Celarator」を用いて、測定は0.2°/secの連続スキャンで行った。測定結果は通常の粉末の結晶構造解析と同様に解析用ソフトウエア「X’Pert
HighScore」を用いてデータ処理し、結晶構造の同定し、得られた結晶構造を精密化することで体積換算の存在比率を算出した。存在比率の算出に際してマグネシウムフェライトとFeのピークの分離が難しいためスピネル相として取り扱い、それ以外の結晶構造はそれぞれの存在比率を算出した。なお、結晶構造の同定を行う際にFe、Oを必須元素としMg、Ti、Srは含有する可能性のある元素とした。また、X線源についてはCu管球でも問題なく測定できるが、Feを多く含んだサンプルの場合には測定対象となるピークと比較してバックグラウンドが大きくなるので、Co管球を用いる方が好ましい。また、光学系は平行法でも同様の結果が得られる可能性があるが、X線強度が低く測定に時間がかかるため集中光学系での測定が好ましい。さらに、連続スキャンの速度は特に制限はないが結晶構造の解析を行う際に十分なS/N比を得るためにスピネル構造の(311)面のピーク強度が約50000cpsとなるようにし、粒子の特定の優先方向への配向がないようにサンプルセルにキャリア芯材をセットし測定を行った。
マグネシウムフェライトを構成するスピネル構造としてMgFeが代表的なものであるが、元素の構成比からもわかるようにFe過剰であるためMgの一部がFeに置換され形式的にMgFey−x、(MgFe1−x)(Mgx‘Fe1−x’等で表現される結晶構造、及び、その一部がTiで置換されたものも含み、さらに、非酸化性雰囲気で焼成されることにより周期的にスピネル構造に格子欠陥が含まれるものもスピネル構造の中に含むものとした。
また、Fe及びTiを含有する酸化物としてはFeTiO、FeTiOが代表的であるが、Tiと比べてFeが圧倒的に存在量としては多く、FeTiO以外に(FeTiO(Fe、Fe(FeTi)O、(FeTi1−x)(Fex‘Ti1−x’)O等で表現される物質のうち、結晶構造がスピネル構造となっているものについてはスピネル構造を持つ物質として含むものとし、結晶構造及びその一部がMgに置換されたもの、さらに非酸化性雰囲気で焼成されることにより周期的に上記結晶構造に格子欠陥が含まれるものも含まれるものとした。一方で、上記物質の中でFeと同様の結晶構造を持つものについてはFeの一部として取り扱った。
上記に例示した物質は、マグネシウムフェライトの代わりに格子定数の長さや組成比によっては便宜的にFeと同様のスピネル構造として測定されることもある。本発明で言うFeとは、Feの一部がMgとTiで置換しているものも含み、FeのみだけでなくFe+Mg+Tiの合計モル数とOモル数の比が2.5:4〜3:4のものを含むものとし、さらに非酸化性雰囲気で焼成されることにより周期的にスピネル構造に格子欠陥が存在するものも含むものとした。なお、結晶構造の測定方法については前述の通りである。
また、本発明に係るフェライト粒子にはFeOが含有されているが、本発明で言うFeOとはFeOのみだけでなくFeとOの比が1:0.8〜1:1.05のものを含むものとした。
Sr化合物としてはSrフェライトやストロンチウムフェライトの前駆体であるSrFe等、SrFeであらわされるSr−Fe化合物、SrTiO等、SrTiであらわされるSr−Ti化合物、SrFeの一部をTiで置換したSr−Fe−Ti化合物等がある。また、上記結晶構造以外に、非酸化性雰囲気で焼成されることにより周期的に上記結晶構造に格子欠陥が含まれるものも含むものとした。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子の細孔容積は0.010〜0.025ml/g、好ましくは0.012〜0.022ml/gである。ピーク細孔径は0.1〜1μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜1μmである。
フェライト粒子の細孔容積が0.010ml/g未満であると、樹脂被覆を行った際に十分なアンカー効果を得ることが出来ないだけでなく、フェライト粒子のグレインの大きさが大きくなりすぎ芯材粒子が粒子内部の応力で割れやすくなり樹脂被覆を行っても十分なキャリアの強度を保てない。また、フェライト粒子の細孔容積が0.025ml/gを超えると、フェライト粒子が多孔質化していることを意味し、樹脂被覆を行ってもキャリアの強度を保つことができない。
フェライト粒子のピーク細孔径が0.01μm未満であると、被覆する樹脂の接触角、表面張力等にもよるが、樹脂を被覆する際にフェライト粒子の凹部に樹脂が行き渡りにくくなるため、過剰な樹脂がフェライト粒子同士もしくは樹脂被覆したフェライト粒子同士を凝集させる原因となり、凝集がほぐれた際の急激なキャリアの特性変化によって白斑等の画像欠陥の発生原因となる可能性がある。また、フェライト粒子のピーク細孔径が1μmを超えると、被覆樹脂がフェライト粒子の表面にとどまらず、フェライト粒子内部に含浸し、所望のキャリア特性が得られないことがある。なお、表面酸化処理はフェライトの粒界成長よりもはるかに低い条件で行われるため、細孔容積及びピーク細孔径はほとんど変化しない。
(フェライト粒子の細孔径及び細孔容積)
このフェライト粒子の細孔径及び細孔容積の測定は、次のようにして行われる。すなわち、水銀ポロシメーターPascal140とPascal240(ThermoFisher Scientific社製)を用いて測定した。ディラトメータはCD3P(粉体用)を使用し、サンプル(フェライト粒子)は複数の穴を開けた市販のゼラチン製カプセルに入れて、ディラトメータ内に入れた。Pascal140で脱気後、水銀を充填し低圧領域(0〜400Kpa)を測定し、1st Runとした。次に再び脱気と低圧領域(0〜400Kpa)の測定を行い、2nd Runとした。2nd Runの後、ディラトメーターと水銀とカプセルとサンプルを合わせた重量を測定した。次にPascal240で高圧領域(0.1Mpa〜200Mpa)を測定した。この高圧部の測定で得られた水銀圧入量をもって、フェライト芯材粒子の細孔容積、細孔径分布及びピーク細孔径を求めた。また、細孔径を求める際には水銀の表面張力を480dyn/cm、接触角を141.3°として計算した。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子は、1K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときのVSM測定による磁化が50〜62Am/kgであることが望ましい。フェライト粒子の1K・1000/4π・A/mにおける磁化が50Am/g未満であると、飛散物磁化が悪化しキャリア付着による画像欠陥の原因となる。一方、本発明の上記組成範囲では、フェライト粒子は62Am/gを超えることはない。この磁気特性(磁化)は、下記によって測定される。
(磁気特性)
振動試料型磁気測定装置(型式:VSM−C7−10A(東英工業社製))を用いた。測定試料(フェライト粒子)は、内径5mm、高さ2mmのセルに詰めて上記装置にセットした。測定は、印加磁場を加え、1K・1000/4π・A/mまで掃引した。次いで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製した。このカーブのデータより印加磁場が1K・1000/4π・A/mにおける磁化を読み取った。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子は、BET比表面積が0.1〜0.35m/g、好ましくは0.1〜0.3m/gであることが望ましい。
BET比表面積が上記範囲よりも小さい場合には、樹脂被覆を行なっても十分に樹脂のアンカー効果が得られないだけでなく、被覆されなかった樹脂によってフェライト粒子同士が凝集してしまうことがある。そのため実質的な被覆樹脂量が減少し、キャリアとしての寿命が短くなったり、凝集したフェライト粒子が現像器中で解されることでフェライト粒子表面が大きく露出し、低抵抗化することでキャリア飛散が発生する原因となる。BET比表面積が上記範囲よりも大きい場合は、被覆樹脂がフェライト粒子表面にとどまらず染み込みすぎることでキャリアとして所望の抵抗と帯電量が得られないことがある。なお、BET比表面積測定を行う際、測定結果は測定サンプルであるフェライト粒子表面の水分の影響を受ける可能性があるので、可能な限りサンプル表面に付着している水分を除去するような前処理を行うことが好ましい。なお、BET比表面積の値は本発明のフェライトの組成では表面酸化処理の前後でサンプルへの水分の影響等を考慮しても5%程度しか変動しない。
(BET比表面積)
このBET比表面積の測定は、比表面積測定装置(型式:Macsorb HM model−1208(マウンテック社製))を用いた。測定試料を比表面積測定装置専用の標準サンプルセルに約5〜7g入れ、精密天秤で正確に秤量し、測定ポートに試料(フェライト粒子)をセットし、測定を開始した。測定は1点法で行い、測定終了時に試料の重量を入力すると、BET比表面積が自動的に算出される。なお、測定前に前処理として、測定試料を薬包紙に20g程度を取り分けた後、真空乾燥機で−0.1MPaまで真空度を脱気し、−0.1MPa以下に真空度が到達していることを確認した後、200℃で2時間加熱した。
環境:温度;10〜30℃、湿度;相対湿度で20〜80% 結露なし
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材として用いられるフェライト粒子は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定される体積平均粒径が好ましくは15〜60μm、より好ましくは15〜50μm、最も好ましくは20〜45μmである。フェライト粒子の体積平均粒径が15μm未満であると、キャリア付着が発生しやすくなるため好ましくない。フェライト粒子の体積平均粒径が60μmを超えると、画質が劣化しやすくなり、好ましくない。
(体積平均粒径)
この体積平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定した。装置として日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)を用いた。屈折率は2.42とし、25±5℃、湿度55±15%の環境下で測定を行った。ここで言う体積平均粒径(メジアン径)とは、体積分布モード、ふるい下表示での累積50%粒子径である。分散媒には水を用いた。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子は、強度が好ましくは22体積%以下である。
フェライト粒子の強度が22体積%を超える場合には、フェライト粒子が割れやすくなっていることを意味しており、キャリアとして使用した時にキャリアが割れ、欠けが発生し、感光体にダメージを与え、白斑等の画像欠陥の原因になる。
(フェライト粒子の強度)
フェライト粒子の強度は下記によって測定される。
装置として日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)及びシンパテック社製レーザ回折式粒度分布測定装置「HELOS SYSTEM」を用い、「HELOS SYSTEMで測定した21μm以下の体積頻度」−「マイクロトラック(Model9320−X100)で測定した22μm以下の体積頻度」の値を強度とした。上記の通り、HELOS SYSTEMとマイクロトラックで同一サンプルの比較測定を行うことで、フェライト粒子の強度が相対的に測定できる。これはHELOS SYSTEMにおいてサンプルを分散する際のストレスがより強くかかるため、フェライト粒子の強度が部分から破壊されやすく、同一サンプルをマイクロトラックで測定した場合と比べて粒度分布の小粒径側の体積頻度が大きくなるためであり、サンプルミル等による小型粉砕機を用いた強度測定方法と比較しても、サンプルの粒度分布の影響やサンプルミル内のカッター回転数やカッターの劣化度合いの影響は受けにくいために再現性にも優れていることはいうまでもない。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材に用いられるフェライト粒子は、表面が酸化処理されていることが望ましい。この表面酸化処理によって形成される表面酸化被膜の厚さは、0.1nm〜5μmであることが好ましい。表面酸化被膜の厚さが0.1nm未満であると、表面酸化被膜層の効果が小さく、表面酸化被膜の厚さが5μmを超えると、明らかに磁化が低下したり、高抵抗になりすぎるため、現像能力が低下する等の不具合が発生し易くなる。また、必要に応じて、表面酸化処理の前に還元を行ってもよい。表面酸化被膜の厚さは酸化被膜が形成されていることが確認できる程度の高倍率のSEM写真から直接的に測定しても良いし、X線回折の測定結果からFeピーク生成及びそのピークの積分強度の変化から知ることも出来る。表面酸化被膜の存在の有無は、表面酸化処理前後の抵抗の変化から間接的に知ることもできる。なお、表面酸化被膜は芯材表面に均一で形成されていても良いし、部分的に表面酸化被膜が形成されていても良い。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられる表面酸化被膜形成後のフェライト粒子は、FeO含有量が0〜0.5重量%であることが望ましい。FeO含有量が、上記範囲であれば芯材内部と芯材表面の抵抗差が比較的小さくなるので電子写真現像剤用フェライトキャリアとして好適に使用できる。FeO含有量が0.5重量%を超えると、抵抗の低いFeOが残留し、高電界側の抵抗のブレークダウンを抑制できず、フェライトキャリアとして使用した際には白斑の原因となるか、磁化が下がりすぎてキャリア飛散の原因になる。フェライト粒子の結晶構造は上記により測定される。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられる表面酸化被膜形成後のフェライト粒子は、常温常湿(N/N)環境下、6.5mmGap印加電圧50Vにおける電気抵抗が5×10〜5×1010Ω、1000Vにおける電気抵抗が1×10〜1×1010Ω、かつ高温高湿(H/H)環境下、6.5mmGap印加電圧50Vにおける電気抵抗が1×10〜1×1010Ωであることであることが望ましい。
ここで各環境下の条件は次の通りである。
常温常湿(N/N)環境=温度20〜25℃、相対湿度50〜60%
高温高湿(H/H)環境=温度30〜35℃、相対湿度80〜85%
なお、低温低湿(L/L)環境とは、温度10〜15℃、相対湿度10〜15%である。
N/N環境下、6.5mmGap印加電圧50Vにおけるフェライト粒子の電気抵抗が5×10よりも小さい場合は抵抗が低すぎてキャリアとして使用した際に白斑が発生したりキャリア飛散する可能性がある。フェライト粒子の電気抵抗が5×1010Ωよりも高い場合はキャリアとして使用した際にエッジが効きすぎた画像になることがある。
N/N環境下、6.5mmGap印加電圧1000Vにおけるフェライト粒子の電気抵抗が1×10よりも小さい場合は抵抗が低すぎてキャリアとして使用した際に白斑が発生したり、キャリアが飛散する可能性がある。フェライト粒子の電気抵抗が1×1010Ωよりも高い場合はキャリアとして使用した際に電荷が適度に逃がせないため、チャージアップの原因となる。
また、H/H環境下、6.5mmGap印加電圧50Vにおけるフェライト粒子の電気抵抗が1×10よりも小さい場合には低抵抗によるキャリア飛散の原因となる可能性がある。また、フェライト粒子の電気抵抗が1×1010Ωよりも大きい場合には得られた画像のエッジが立ちやすいことと、相対的にH/H環境下ではキャリアの帯電量が下がりやすいことの相乗効果でトナー消費量が多くなる可能性がある。
(電気抵抗)
この電気抵抗は、下記によって測定される。
電極間間隔6.5mmにて非磁性の平行平板電極(10mm×40mm)を対向させ、その間に、試料(フェライト粒子)200mgを秤量して充填する。磁石(表面磁束密度:1500Gauss、電極に接する磁石の面積:10mm×30mm)を平行平板電極に付けることにより電極間に試料を保持させ、50V又は1000Vの電圧を印加し、50V又は1000Vの印加電圧における抵抗を絶縁抵抗計(SM−8210、東亜ディケーケー(株)製)にて測定した。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられる表面酸化被膜形成後のフェライト粒子のブレークダウン電圧は、500V以上であることであることが望ましい。
ブレークダウン電圧が500Vよりも低い場合は、樹脂被覆を行っても抵抗が低すぎてキャリアとして使用した際に白斑が発生したり、キャリア飛散する可能性がある。
(ブレークダウン電圧)
ブレークダウン電圧は次のようにして測定される。すなわち、N/N環境下、電極間間隔2mmにて非磁性の平行平板電極(10mm×40mm)を対向させ、その間に、試料(フェライト粒子)200mgを秤量して充填する。磁石(表面磁束密度:1500Gauss、電極に接する磁石の面積:10mm×30mm)を平行平板電極に付けることにより電極間に試料を保持させ、電極にはエレクトロメーター(KEITHLEY社製 絶縁抵抗計model6517A)をつなぎ、印加電圧を変化させながら電流値を測定し、エレクトロメーターの定格出力である1mAを超えたところをブレークダウン電圧とした。なお、測定条件はエレクトロメーターのSTAIRCASEモードを使用し、電圧印加を50Vから開始し、10V刻みで1000Vまで階段状に変化させるようにした。また、各印加電圧において5秒間維持した。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリアは、上記フェライトキャリア芯材(フェライト粒子)の表面が樹脂で被覆されている。樹脂被覆回数は1回のみでも良いし、2回以上の複数回樹脂被覆を行なっても良く、所望の特性に応じて被覆回数を決めることができる。また、被覆樹脂の組成、被覆量及び樹脂被覆に使用する装置は被覆回数が2回以上の複数回の場合は、変化させても良いし、変えなくても良い。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリアは、樹脂被覆量が、フェライトキャリア芯材に対して0.1〜10重量%が望ましい。樹脂被覆量が0.1重量%未満ではキャリア表面に均一な被覆層を形成することが難しく、また樹脂被覆量が10重量%を超えるとフェライトキャリア同士の凝集が発生してしまい、歩留まり低下等の生産性の低下と共に、実機内での流動性あるいは帯電量等の現像剤特性変動の原因となる。
ここに用いられる被覆樹脂は、組み合わせるトナー、使用される環境等によって適宜選択できる。その種類は特に限定されないが、例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂等が挙げられる。本発明では、アクリル樹脂、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂が最も好ましく用いられる。
またキャリアの電気抵抗や帯電量、帯電速度をコントロールすることを目的に、被覆樹脂中に導電剤を含有することができる。導電剤はそれ自身の持つ電気抵抗が低いことから、含有量が多すぎると急激な電荷リークを引き起こしやすい。従って、含有量としては、被覆樹脂の固形分に対し0.25〜20.0重量%であり、好ましくは0.5〜15.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。導電剤としては、導電性カーボン、酸化チタンや酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤が挙げられる。
また、上記被覆樹脂中には、帯電制御剤を含有させることができる。帯電制御剤の例としては、トナー用に一般的に用いられる各種の帯電制御剤、各種シランカップリング剤及び無機微粒子等が挙げられる。これは被覆層の形成によって芯材露出面積を比較的小さくなるように制御した場合、帯電付与能力が低下することがあるが、各種の帯電制御剤やシランカップリング剤を添加することにより、コントロールできるためである。使用できる帯電制御剤やカップリング剤の種類は特に限定されないが、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等の帯電制御剤、アミノシランカップリング剤やフッ素系シランカップリング剤等が好ましい。帯電制御に使用できる無機微粒子としては電気陰性度が偏った物質を用いれば良く、シリカ等を用いることが好ましい。
<本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリアの製造方法>
次に、本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材及びキャリアの製造方法について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子の製造方法は、Fe、Mg及びTiの各化合物、さらに必要に応じてSrの化合物を粉砕、混合、仮焼した後、再度粉砕してスラリーとし、該スラリーを造粒し、得られた造粒物を脱バインダー処理後、本焼成し、さらに解砕、分級、必要に応じて表面酸化処理する。
Fe、Mg及びTi、必要に応じてSrの各化合物を粉砕、混合、仮焼を行った後、再度粉砕してスラリーとし、該スラリーを造粒して造粒物を調製する方法は、特に制限はなく、従来公知の方法が採用することができ、例えば原料としてFeとTiOとMgO、Mg(OH)及び/又はMgCOとSrCOとを混合し、大気下、仮焼成する。仮焼成後、得られた仮焼物をさらにボ−ルミル又は振動ミル等で粉砕した後、水及び必要に応じ分散剤、バインダー等を添加し、スラリーとし、粘度調整後、スプレードライヤーにて粒状化し、造粒を行う。仮焼後に粉砕する際は、水を加えて湿式ボールミルや湿式振動ミル等で粉砕しても良い。なお、バインダーとしてはポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンを使うことが好ましい。
本発明の製造方法では、スラリーのスラリー粒径D10が4〜8μm、かつ、スラリー粒径D50が2.5〜4.5μmであることが必要である。
スラリー粒径を上記範囲とすることによって、Ti存在下で所望の細孔容積、ピーク細孔径及びBET比表面積を有したフェライト粒子を得ることができる。
スラリー径D10が4μm未満では、粉砕後の原料粒子の比表面積が大きくなりすぎ、焼成が進みすぎることによって所望の細孔容積、ピーク細孔径及びBET比表面積を持ったフェライト粒子が得られない。8μmを超えると、得られたフェライト粒子の形状が悪くなるだけでなく、細孔容積、ピーク細孔径のバランスが崩れ、樹脂被覆した際に所望のキャリア特性が得られない。また、スラリー粒径D50が2.5μm未満では、フェライト粒子の焼成が進みすぎることによって所望の細孔容積、ピーク細孔径及びBET比表面積を持ったフェライト粒子が得られない。4.5μmを超えると、細孔容積、ピーク細孔径のバランスが崩れ、樹脂被覆した際に所望のキャリア特性が得られないだけでなく得られたフェライト粒子の強度が悪化し、破砕されたフェライト粒子の破片が画像欠陥の原因となる可能性がある。
スラリー粒径を上記範囲とするには、本造粒用のスラリーを調製する際に粉砕時間を制御するか、粉砕メディアを目標のスラリー粒径及び粒度分布になるように選択するか、湿式サイクロンを用いてスラリー中に存在する原料粒子を分級すればよい。湿式サイクロンを用いた場合には分級後のスラリーの固形分が異なるので再度固形分の調整が必要になるものの、短時間で目標のスラリー粒径とすることができるため、粉砕時間の制御と組み合わせて用いてもよい。
次に、本発明の製造方法では、得られた造粒物をバインダー処理後、本焼成を行う。ここで、脱バインダー処理は、600〜1000℃で行われ、本焼成は、不活性雰囲気又は弱酸化性雰囲気、例えば窒素雰囲気下や酸素濃度が3体積%以下の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下、1060〜1170℃で行われる。
その後、焼成物を解砕、分級を行ってフェライト粒子を得る。分級方法としては、既存の風力分級、メッシュ濾過法、沈降法等を用いて所望の粒径に粒度調整する。乾式回収を行う場合は、サイクロン等で回収することも可能である。
本発明の製造方法では、解砕、分級後のフェライト粒子に、表面酸化処理を行って電気抵抗調整することが望ましい。表面酸化処理温度は400〜700℃が好ましい。表面酸化処理温度が400℃よりも低い場合はフェライト粒子表面の酸化が十分に進まないため、所望の抵抗特性が得られない可能性がある。表面酸化処理温度が700℃よりも高い場合はMnの酸化が進みすぎ、スピネル構造の結晶性が悪くなることに起因してフェライト粒子の抵抗が下がるため好ましくない。
表面酸化処理は、一般的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、例えば、700℃以下で熱処理を行う。酸化被膜を均一にフェライト粒子表面に形成させるためにはロータリー式電気炉を用いることが好ましい。
このようにして、上記各特性を有する本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いられるフェライト粒子が得られる。
本発明の電子写真現像剤用フェライトキャリアは、上記フェライトキャリア芯材(フェライト粒子)の表面に、上記した樹脂を被覆し、樹脂被膜を形成する。被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等により被覆することができる。被覆率を向上させるためには、流動床による方法が好ましい。
樹脂をフェライトキャリア芯材に被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。UV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用いる。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。
<本発明に係る電子写真用現像剤>
次に、本発明に係る電子写真用現像剤について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤は、上述した電子写真現像剤用フェライトキャリアとトナーとからなるものである。
本発明の電子写真現像剤を構成するトナー粒子には、粉砕法によって製造される粉砕トナー粒子と、重合法により製造される重合トナー粒子とがある。本発明ではいずれの方法により得られたトナー粒子も使用することができる。
粉砕トナー粒子は、例えば、結着樹脂、荷電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等の混合機で充分に混合し、次いで、二軸押出機等で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級し、外添剤を添加後、ミキサー等で混合することにより得ることができる。
粉砕トナー粒子を構成する結着樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、更にはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは単独又は混合して用いられる。
荷電制御剤としては、任意のものを用いることができる。例えば正荷電性トナー用としては、ニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩等を挙げることができ、また、負荷電性トナー用としては、含金属モノアゾ染料等を挙げることができる。
着色剤(色材)としては、従来より知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。その他、トナーの流動性、耐凝集性向上のためのシリカ粉体、チタニア等のような外添剤をトナー粒子に応じて加えることができる。
重合トナー粒子は、懸濁重合法、乳化重合法、乳化凝集法、エステル伸長重合法、相転乳化法といった公知の方法で製造されるトナー粒子である。このような重合法トナー粒子は、例えば、界面活性剤を用いて着色剤を水中に分散させた着色分散液と、重合性単量体、界面活性剤及び重合開始剤を水性媒体中で混合攪拌し、重合性単量体を水性媒体中に乳化分散させて、攪拌、混合しながら重合させた後、塩析剤を加えて重合体粒子を塩析させる。塩析によって得られた粒子を、濾過、洗浄、乾燥させることにより、重合トナー粒子を得ることができる。その後、必要により乾燥されたトナー粒子に機能付与のため外添剤を添加することもできる。
更に、この重合トナー粒子を製造するに際しては、重合性単量体、界面活性剤、重合開始剤、着色剤以外に、定着性改良剤、帯電制御剤を配合することができ、これらにより得られた重合トナー粒子の諸特性を制御、改善することができる。また、水性媒体への重合性単量体の分散性を改善するとともに、得られる重合体の分子量を調整するために連鎖移動剤を用いることができる。
上記重合トナー粒子の製造に使用される重合性単量体に特に限定はないが、例えば、スチレン及びその誘導体、エチレン、プロピレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエステル及びメタクリル酸ジエチルアミノエステル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類等を挙げることができる。
上記重合トナー粒子の調製の際に使用される着色剤(色材)としては、従来から知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー及びフタロシアニングリーン等を使用することができる。また、これらの着色剤はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等を用いてその表面が改質されていてもよい。
上記重合トナー粒子の製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を使用することができる。
ここで、アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン、脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等を挙げることができる。更に、カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。また、両イオン性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩、アルキルアミノ酸等を挙げることができる。
上記のような界面活性剤は、重合性単量体に対して、通常は0.01〜10重量%の範囲内の量で使用することができる。このような界面活性剤は、単量体の分散安定性に影響を与えるとともに、得られた重合トナー粒子の環境依存性にも影響を及ぼす。上記範囲内の量で使用することは単量体の分散安定性の確保と重合トナー粒子の環境依存性を低減する観点から好ましい。
重合トナー粒子の製造には、通常は重合開始剤を使用する。重合開始剤には、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とがあり、本発明ではいずれをも使用することができる。本発明で使用することができる水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、水溶性パーオキサイド化合物を挙げることができ、また、油溶性重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、油溶性パーオキサイド化合物を挙げることができる。
また、本発明において連鎖移動剤を使用する場合には、この連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四臭化炭素等を挙げることができる。
更に、本発明で使用する重合トナー粒子が、定着性改善剤を含む場合、この定着性改良剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックス等を使用することができる。
また、本発明で使用する重合トナー粒子が、帯電制御剤を含有する場合、使用する帯電制御剤に特に制限はなく、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等を使用することができる。
また、重合トナー粒子の流動性向上等のために使用される外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を挙げることができ、これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
更に、水性媒体から重合粒子を分離するために使用される塩析剤としては、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の金属塩を挙げることができる。
上記のようにして製造されたトナー粒子の体積平均粒径は、2〜15μm、好ましくは3〜10μmの範囲内にあり、重合トナー粒子の方が粉砕トナー粒子よりも、粒子の均一性が高い。トナー粒子が2μmよりも小さくなると、帯電能力が低下しかぶりやトナー飛散を引き起こしやすく、15μmを超えると、画質が劣化する原因となる。
上記のように製造されたキャリアとトナーとを混合し、電子写真現像剤を得ることができる。キャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は、3〜15重量%に設定することが好ましい。3重量%未満であると所望の画像濃度が得にくく、15重量%を超えると、トナー飛散やかぶりが発生しやすくなる。
本発明に係る電子写真現像剤は、補給用現像剤として用いることもできる。この際のキャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は100〜3000重量%に設定することが好ましい。
上記のように調製された本発明に係る電子写真現像剤は、有機光導電体層を有する潜像保持体に形成されている静電潜像を、バイアス電界を付与しながら、トナー及びキャリアを有する二成分現像剤の磁気ブラシによって反転現像する現像方式を用いたデジタル方式のコピー機、プリンター、FAX、印刷機等に使用することができる。また、磁気ブラシから静電潜像側に現像バイアスを印加する際に、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法である交番電界を用いるフルカラー機等にも適用可能である。
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
Feを3.12モル、MgOを0.37モル、SrCOを0.02モル及びTiOを0.075モルとなるように秤量し、さらに、還元剤としてカーボンブラックを原料重量に対して2重量%添加したものを混合、粉砕後、ローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを1030℃にて酸素濃度0体積%下の窒素雰囲気下、ロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。
これを乾式ビーズミルにて粗粉砕した後、湿式ビーズミルで1時間粉砕し、バインダー成分としてPVAをスラリー固形分に対して1.5重量%となるように添加し、ポリカルボン酸系分散剤をスラリーの粘度が2〜3ポイズになるように添加した。この際のスラリー粒径のD10は5.671μm、D50は3.542μmであった。
このようにして得られた粉砕スラリーをスプレードライヤーにて造粒、乾燥し、酸素濃度0体積%下の窒素雰囲気下、ロータリーキルンを用いて850℃で脱バインダー処理し、電気炉を用いて、酸素濃度0体積%下の窒素雰囲気下、1115℃で4時間保持し、本焼成を行なった。その後、解砕し、さらに分級してフェライト粒子を得た。
さらに得られたフェライト粒子を表面酸化処理温度630℃、大気雰囲気の条件下、ロータリー式の電気炉で表面酸化処理を行い表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
このようにして得られた表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)にアクリル変性シリコーン樹脂(KR−9706、信越化学社製)を被覆樹脂とし、これにアミノシランカップリング剤(KBM−603、信越化学社製)、カーボンブラック(ケッチエンブラックEC600JD、ライオン社製)、シリカ(ヒュームドシリカAREOSIL200、日本アエロジル社製)及び触媒(TC−751、マツモトファィンケミカル社製)を添加し、万能混合撹拌機により塗布した。このとき樹脂溶液はフェライトキャリア芯材に対する樹脂の固形分で1.8重量%となるように樹脂を秤量し、樹脂の固形分に対してアミノシランカップリング剤を10重量%、カーボンブラックを8重量%、シリカを1.2重量%及び触媒を4.5重量%それぞれ添加し、樹脂の固形分が20重量%となるようにトルエンとMEKを重量比で3:1に混合した溶剤を添加し、IKA社製ホモジナイザーT65D ULTRA−TURRAXで3分間前分散を行った後、縦型ビーズミル5分間分散処理を行ったものを樹脂溶液として使用した。樹脂を塗布した後、完全に揮発分をなくすために200℃設定の万能混合攪拌機で2時間撹拌しながら乾燥させた。その後、凝集粒子を解砕し樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例2]
湿式ビーズミルの粉砕時間を2時間とした以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例3]
湿式ビーズミルの粉砕時間を0.75時間とした以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例4]
本焼成温度を1085℃とした以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例5]
本焼成温度を1135℃とした以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例6]
表面酸化処理温度を530℃とした以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例7]
表面酸化処理温度を680℃とした以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例8]
MgOを0.2モルとなるように添加した以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例9]
MgOを0.55モルとなるように添加した以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例10]
SrCOを添加しない以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例11]
SrCOを0.05モルとなるように添加した以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例12]
TiOを0.04モルとなるように添加した以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例13]
TiOを0.15モルとなるように添加した以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例14]
本焼成温度を1135℃とし、かつ分級条件を変更して体積平均粒径を25.69μm、とし、フェライトキャリア芯材に対するアクリル変性シリコーン樹脂の被覆量を2.2重量%にした以外は、実施例1と同様にしての表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[実施例15]
還元剤の添加量を1重量%、本焼成温度を1105℃とし、かつ分級条件を変更して体積平均粒径を41.93μm、とし、フェライトキャリア芯材に対するアクリル変性シリコーン樹脂の被覆量を1.4重量%にした以外は、実施例1と同様にしての表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
比較例
[比較例1]
湿式ビーズミルの粉砕時間を6時間とした以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[比較例2]
湿式ビーズミルの粉砕時間を0.25時間とした以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[比較例3]
本焼成温度を1050℃とした以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[比較例4]
本焼成温度を1185℃とした以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[比較例5]
MgOを0.09モルとなるように添加した以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[比較例6]
MgOを0.8モルとなるように添加した以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[比較例7]
SrCOを0.07モルとなるように添加した以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
[比較例8]
TiOを0.25モルとなるように添加した以外は、実施例1と同様にして表面酸化処理済みのフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)及び樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
実施例1〜15及び比較例1〜8の配合割合(原料比率モル)、使用還元剤、仮焼成条件(温度及び雰囲気)、粉砕・本造粒条件(スラリー粒径、粉砕時間)を表1に示し、使用バインダー(種類及び添加量)、脱バインダー条件(処理温度、雰囲気)、本焼成条件(焼成温度及び雰囲気)、表面酸化処理条件(処理温度及び雰囲気)を表2に示す。また、表面酸化処理前の磁気特性(磁化、残留磁化及び保磁力)、粉体特性(体積平均粒径、BET比表面積、細孔容積、ピーク細孔径及び粒子強度)を表3に示し、帯電特性、化学分析及び組成を表4に示す。
さらに、実施例1〜15及び比較例1〜8の表面酸化処理後の磁気特性(磁化、残留磁化及び保磁力)、組成、電気抵抗及びブレークダウン電圧を表5に示す。また、実施例1〜15及び比較例1〜8の被覆樹脂(種類及び被覆量)、添加剤1〜4(添加量)及びコーティング条件(装置、温度及び時間)を表6に示し、フェライトキャリア特性の評価(帯電量及び変化率)を表7に示す。ここにおいて、表4及び表7に示す帯電量の測定方法は下記の通りである。また、その他の各測定方法は上述の通りである。
(帯電量)
試料(フェライトキャリア芯材又はフェライトキャリア)と、フルカラープリンターに使用されている市販の負極性トナーで平均粒径が約6μmのものを、トナー濃度を6.5重量%(トナー重量=3.25g、キャリア重量=46.75g)に秤量した。秤量したキャリア及びトナーを、後述の各環境下に12時間以上暴露した。その後、キャリアとトナーを50ccのガラス瓶に入れ、100rpmの回転数にて、30分間撹拌を行った。
帯電量測定装置として、直径31mm、長さ76mmの円筒形のアルミ素管(以下、スリーブ)の内側に、N極とS極を交互に合計8極の磁石(磁束密度0.1T)を配置したマグネットロールと、該スリーブと5.0mmのGapをもった円筒状の電極を、該スリーブの外周に配置した。
このスリーブ上に、現像剤0.5gを均一に付着させた後、外側のアルミ素管は固定したまま、内側のマグネットロールを100rpmで回転させながら、外側の電極とスリーブ間に、直流電圧2000Vを60秒間印加し、トナーを外側の電極に移行させた。このとき、円筒状の電極にはエレクトロメーター(KEITHLEY社製 絶縁抵抗計model6517A)をつなぎ、移行したトナーの電荷量を測定した。
60秒経過後、印加していた電圧を切り、マグネットロールの回転を止めた後、外側の電極を取り外し、電極に移行したトナーの重量を測定した。
測定された電荷量と移行したトナー重量から、帯電量を計算した。
各環境下とは、低温低湿(L/L)環境、常温常湿(N/N)環境及び高温高湿(H/H)環境であり、その温度及び湿度条件は上述の通りである。
フェライトキャリア芯材については、低温低湿(L/L)環境、常温常湿(N/N)環境及び高温高湿(H/H)環境下の12時間後の帯電量を表4に示し、フェライトキャリアについては、常温常湿(N/N)環境下の初期(30分後)、12時間後及び48時間後の帯電量を表7に示した。また、初期(30分後)及び48時間後の帯電量から帯電量の変化率((48時間後の帯電量/初期帯電量)×100)を計算し、併せて表7に示す。
Figure 2013205614
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実施例1〜15は、表面酸化処理前のフェライト粒子の磁気特性、BET比表面積、細孔容積、ピーク細孔径、粒子強度及びFeOが適当な範囲となった。表面酸化処理後には磁気特性、電気抵抗が良好で、ブレーク電圧も高いフェライトキャリア芯材であった。そして、フェライトキャリア芯材に樹脂を被覆したフェライトキャリアは、帯電量が所望の範囲にあり、その変化率も低いものであった。
これに対し、比較例1は表面酸化処理前の細孔容積が大きくなりすぎ、粒子強度が劣り、キャリアとして使用し難いフェライト粒子となった。しかも、表面酸化処理前のFeO生成量が多く、表面酸化処理後も抵抗が低いFeOを含有しているため十分な抵抗が得られず、かつ、ブレークダウン電圧が低いものとなり、白斑等の画像欠陥の発生が懸念されるだけでなく、磁化が下がりすぎキャリア飛散も懸念されるフェライトキャリア芯材となった。さらには、フェライト粒子のピーク細孔径が小さいので、表面に樹脂を被覆した時にフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)表面にトナーと同極性のシリカが残りやすくなっていたためキャリアの帯電レベルが下がってしまいキャリアとして使用できないものとなった。
比較例2は、表面酸化処理前のフェライト粒子の細孔容積が小さくなりすぎ粒子強度に劣り、やはりキャリアとして使用し難いフェライト粒子となった。また、表面酸化処理後のブレークダウン電圧が低いものとなり、白斑等の画像欠陥の発生が懸念されるフェライトキャリア芯材となった。さらに、このフェライトキャリア芯材に樹脂を被覆したフェライトキャリアは、初期の帯電レベルは高いものの、フェライト粒子の細孔容積が小さく、樹脂のアンカー効果が得られなかったため、帯電量の変化率が極めて大きいものとなりキャリアとして使用できないものとなった。
比較例3は、比較例1と同様に、表面酸化処理前の細孔容積が大きくなりすぎ、粒子強度が劣り、キャリアとして使用し難いフェライト粒子となった。また、表面酸化処理後にフェライト粒子表面とフェライト粒子内部で抵抗が大きく異なりブレークダウン電圧が低いものとなり、白斑等の画像欠陥の発生が懸念されるフェライトキャリア芯材となっただけでなく、磁化が下がりすぎキャリア飛散も懸念されるフェライトキャリア芯材となった。さらには、比較例1と同様に、フェライト粒子のピーク細孔径が小さいので、表面に樹脂を被覆した時にフェライトキャリア芯材(フェライト粒子)表面にトナーと同極性のシリカが残りやすくなっていたためキャリアの帯電レベルが下がってしまいキャリアとして使用できないものとなった。
比較例4は、比較例2と同様に、表面酸化処理前のフェライト粒子の細孔容積が小さくなりすぎ粒子強度に極めて劣り、やはりキャリアとして使用し難いフェライト粒子となった。また、このフェライトキャリア芯材に樹脂を被覆したフェライトキャリアは、初期の帯電レベルは高いものの、フェライト粒子の細孔容積が小さく、樹脂のアンカー効果が得られなかったため、帯電量の変化率が極めて大きいものとなりキャリアとして使用できないものとなった。
比較例5は、Feの含有量が多くなりすぎ、磁化が高くなりすぎたため、ハケ筋等の画像欠陥の発生が懸念されるフェライト粒子となった。表面酸化処理後にブレークダウン電圧が低いものとなり、白斑等の画像欠陥の発生が懸念されるフェライトキャリア芯材となった。
比較例6〜8は、Mgの含有量が多く、磁化が下がりすぎキャリア飛散が懸念されるフェライト粒子となった。特に、比較例7は、比較例1と同様に、表面酸化処理前の細孔容積が大きくなりすぎ、粒子強度が劣り、キャリアとして使用し難いフェライト粒子となった。また、フェライト粒子表面とフェライト粒子内部で抵抗が大きく異なりブレークダウン電圧が低いものとなり、白斑等の画像欠陥の発生が懸念されるフェライトキャリア芯材となっただけでなく、磁化が極めて低く、キャリア飛散も懸念されるフェライトキャリア芯材となった。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、適度な凹凸、強度及び抵抗や磁化を有し、かつ帯電性に優れ、特に高温高湿下での高帯電及び高抵抗を維持でき環境依存性の良好である。そのため、上記フェライトキャリア芯材に樹脂を被覆して得られるフェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤は、長期間の使用においても高い帯電量を維持し、各環境下での帯電安定性にも優れる。また、本発明の製造方法によって、上記フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリアが安定的に生産性をもって得られる。
従って、本発明は、特に高画質の要求されるフルカラー機並びに画像維持の信頼性及び耐久性の要求される高速機の分野に広く使用可能である。

Claims (13)

  1. Mgを0.9〜3.5重量%、Tiを0.3〜2重量%、Feを66〜71重量%を含有し、FeO含有量が1〜6重量%であり、かつ細孔容積が0.010〜0.025ml/gであるフェライト粒子からなることを特徴とする電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  2. 上記フェライト粒子がSrを0.1〜1.0重量%含有する請求項1に記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  3. 上記フェライト粒子の1K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときのVSM測定による磁化が50〜62Am/kgである請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  4. 上記フェライト粒子に表面酸化被膜が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  5. 上記フェライト粒子のFeO含有量が0〜0.5重量%である請求項4に記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  6. 上記フェライト粒子は、常温常湿(N/N)環境下、6.5mmGap印加電圧50Vにおける抵抗が5×10〜5×1010Ω、1000Vにおける抵抗が1×10〜1×1010Ω、かつ高温高湿(H/H)環境下、6.5mmGap印加電圧50Vにおける抵抗が1×10〜1×1010Ωである請求項4又は5に記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のフェライトキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されている電子写真現像剤用フェライトキャリア。
  8. Fe、Mg及びTiの各化合物を粉砕、混合、仮焼した後、再度粉砕してスラリーとし、該スラリーを造粒し、得られた造粒物を脱バインダー処理後、本焼成し、さらに解砕、分級するフェライト粒子からなる電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材の製造方法であって、
    上記スラリーのスラリー粒径D10が4〜8μm、かつスラリー粒径D50が2.5〜4.5μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材の製造方法。
  9. 上記各化合物に加えてSrの化合物を加える請求項8に記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材の製造方法。
  10. 上記解砕、分級後に、得られたフェライト粒子を表面酸化処理する請求項8又は9に記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材の製造方法。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載の製造方法によって得られたフェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆することを特徴とする電子写真現像剤用フェライトキャリアの製造方法。
  12. 請求項7に記載のフェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤。
  13. 補給用現像剤として用いられる請求項12に記載の電子写真現像剤。
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