JP5464645B2 - 電子写真現像剤用キャリア及び該キャリアを用いた電子写真現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンター等に用いられる電子写真現像剤用キャリア及び該キャリアを用いた電子写真現像剤に関する。
電子写真現像方法は、現像剤中のトナー粒子を感光体上に形成された静電潜像に付着させて現像する方法であり、この方法で使用される現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤及びトナー粒子のみを用いる一成分系現像剤に分けられる。
こうした現像剤のうち、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤を用いた現像方法としては、古くはカスケード法等が採用されていたが、現在では、マグネットロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
二成分系現像剤において、キャリア粒子は、現像剤が充填されている現像ボックス内において、トナー粒子と共に攪拌されることによって、トナー粒子に所望の電荷を付与し、さらにこのように電荷を帯びたトナー粒子を感光体の表面に搬送して感光体上にトナー像を形成するための担体物質である。マグネットを保持する現像ロール上に残ったキャリア粒子は、この現像ロールから再び現像ボックス内に戻り、新たなトナー粒子と混合・攪拌され、一定期間繰り返して使用される。
二成分系現像剤は、一成分系現像剤とは異なり、キャリア粒子はトナー粒子と混合・攪拌され、トナー粒子を帯電させ、さらに搬送する機能を有しており、現像剤を設計する際の制御性が良い。従って、二成分系現像剤は高画質が要求されるフルカラー現像装置及び画像維持の信頼性、耐久性が要求される高速印刷を行う装置等に適している。
このようにして用いられる二成分系現像方法においては、画像濃度、カブリ、白斑、階調性、解像力等の画像特性が、初期の段階から所定の値を示し、しかもこれらの特性が耐刷期間中に変動せず、安定に維持されることが必要である。これらの特性を安定に維持するためには、二成分系現像剤中に含有されるキャリア粒子の特性が安定していることが必要になる。
二成分系現像剤を形成するキャリア粒子として、従来は、表面を酸化被膜で覆った鉄粉あるいは表面を樹脂で被覆した鉄粉等の鉄粉キャリアが使用されていた。このような鉄粉キャリアは、磁化が高く、導電性も高いことから、ベタ部の再現性のよい画像が得られやすいという利点がある。
しかしながら、このような鉄粉キャリアは真比重が約7.8と重く、また磁化が高すぎることから、現像ボックス中におけるトナー粒子との攪拌・混合により、鉄粉キャリア表面へのトナー構成成分の融着、いわゆるトナースペントが発生しやすくなる。このようなトナースペントの発生により有効なキャリア表面積が減少し、トナー粒子との摩擦帯電能力が低下しやすくなる。
また、樹脂被覆鉄粉キャリアでは、耐久時のストレスにより表面の樹脂が剥離し、高導電性で絶縁破壊電圧が低い芯材(鉄粉)が露出することにより、電荷のリークが生ずることがある。このような電荷のリークにより、感光体上に形成された静電潜像が破壊され、ベタ部にハケスジ等が発生し、均一な画像が得られにくい。これらの理由から、酸化被膜鉄粉及び樹脂被覆鉄粉等の鉄粉キャリアは、現在では使用されなくなってきている。
近年は、鉄粉キャリアに代わって真比重約5.0程度と軽く、また磁化も低いフェライトをキャリアとして用いたり、さらに表面に樹脂を被覆した樹脂被覆フェライトキャリアが多く使用されており、現像剤寿命は飛躍的に伸びてきた。
この樹脂被覆フェライトキャリアにおいても、トナーと共に現像剤としたときに、使用に伴い、被覆樹脂の剥離やトナー成分がキャリアに付着(スペント)することにより、現像剤の流動性が変化したり、帯電量が安定的に維持できなくなったりし、キャリアの寿命が短かった。このような問題を解決するための提案が種々なされている。
特許文献1(特開2007−218955号公報)には、高電圧印加の条件での高抵抗維持性及び耐スペント性に優れた電子写真現像剤が提案されているが、樹脂被覆量はキャリア芯材100重量部に対して5〜20重量部が望ましいと記載され、多量の樹脂で被覆することが記載されているが、このような被覆量では、経時の使用に伴って帯電量の上昇が発生し、画像濃度不足になることが予測される。また、特許文献1では水銀圧入法による細孔分布において細孔の総容積が0.03〜0.15ml/gと多く、樹脂被覆時に樹脂が細孔に多く入り込むことが考えられる。これも帯電量上昇の原因となり、画像濃度不足に繋がる。
特許文献2(特開平05−333603号公報)には、キャリア表面に結晶粒に基づく凹凸を有し、その最大頻度粒子の形状係数1.10以上(SF−2)であるキャリアとゲル分率が30%以上に架橋されたトナーの組み合わせによりトナースペント等の劣化が少ない長寿命現像剤が提案されている。形状係数はキャリア表面の凹凸の平均値を表す指標であり、異形粒子が存在することも考えられるため、キャリアを形状係数のみによって規定するだけでは流動性を表すには不十分である。異形粒子が存在し、キャリアの流動性が悪化すると現像器内で現像剤の偏りが生じ、現像時には左右現像ムラとなって画像に現れてしまう不具合が懸念される。
特許文献3(WO2007/063933号公報)には、キャリア芯材表面に被覆樹脂との接着強度を向上させるための凹凸を備える球状の樹脂コートフェライトキャリアが提案されているが、細筋状のしわ模様の凹凸形状であるため、トナースペントしやすく、かつキャリア形状が球状のため見掛け密度も高くなりキャリア同士のストレスが増加するため、トナースペントが助長され、キャリアの流動性が悪化し、現像時の左右濃度ムラとなってしまう不具合が懸念される。
特許文献4(特開2005−99643号公報)には、脂肪酸金属塩がトナーの表面から離脱し、それがキャリアの表面に付着したり、2成分現像剤の潤滑剤として作用し、2成分現像剤の流動特性が変化して現像剤の搬送バランスが崩れるため、最初に使用するスタート現像剤中のキャリアよりも嵩密度の小さいキャリアとトナーを含む流動性の低い追加の2成分現像剤を随時追加することによって、現像剤の流動性が高くなりすぎないように抑制する画像形成方法が提案されているが、スタート現像剤とは異なった特性を持つ現像剤を随時追加するため、現像剤としての生産性が悪いこと、現像剤流動性以外の諸特性のコントロールが難しい等の欠点があった。
このように、流動性や帯電量の変化が小さく、画像に左右現像ムラや画像濃度の低下が生じることのない電子写真現像剤用キャリアが求められている。
特開2007−218955号公報 特開平05−333603号公報 WO2007/063933号公報 特開2005−99643号公報
従って、本発明の目的は、現像剤としたときに、経時において流動性が安定し、帯電量変動が小さく、画像に左右現像ムラや画像濃度の低下が生じない電子写真現像剤用キャリア及び該キャリアを用いた電子写真現像剤を提供することにある。
本発明者らは検討の結果、表面に一定の凹凸かつ細孔を有するフェライト粒子をキャリア芯材(キャリア粒子)として使用することによって、キャリア粒子同士の接触ポイントが少なく、かつ見掛け密度も低いため、スペントしにくく、流動性の変化が少ないことを見出した。すなわち、キャリア粒子表面の凹の部分にスペントが集中しやすく、凸の部分にはスペントしないため現像剤の流動性は変化せず、左右濃度ムラの無い画像が安定的に得られ、ある程度の樹脂被覆量がある場合でも、キャリア粒子表面の凸の部分がリークポイントとなるため、帯電量上昇を防ぐことができ、安定的な帯電量を保ち、画像濃度の低下が回避できることを知見し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、Mn、Mg、Li、Sr、Cu、Zn、Bi、Zrから選ばれる少なくとも1種を含むフェライトからなり、かつその表面に凹凸及び細孔を有するキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用キャリアであって、水銀圧入法によって得られる上記キャリア芯材の浸入細孔容積値(a)と浸出細孔容積値(b)の比(b/a)が0.2〜0.8であり、浸入細孔容積値が0.002ml/g〜0.02ml/gであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリアを提供するものである。
本発明に係る上記電子写真現像剤用キャリアにおいて、上記フェライトがMn−Mg−Srフェライトであることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用キャリアにおいて、上記キャリア芯材の水銀圧入法による浸入細孔容積値が0.0085ml/g〜0.020ml/gであることがさらに望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用キャリアにおいて、上記キャリア芯材の形状係数SF−2が102〜140であることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用キャリアにおいて、上記キャリア芯材の平均粒径が20〜60μm、3K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときの磁化が20〜80Am/kgであることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用キャリアにおいて、上記樹脂がシリコーン樹脂又はその変性樹脂であることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用キャリアにおいて、Si/Fe値が0.003〜0.02であることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用キャリアは、電流値が0.5〜20μA、見掛け密度が1.8〜2.4g/cm、流動度が26〜50秒/50gであることが望ましい。
また、本発明は、キャリアとトナーとからなる電子写真現像剤を提供するものである。
本発明に係る上記電子写真現像剤用キャリアは、補給用現像剤としても用いられる。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア及びこれを用いた電子写真現像剤によって、経時の使用においても、現像機内での流動性が変わらず、画像に左右現像ムラが生じず、ある程度の樹脂被覆量においても一定のリークポイントがあり、帯電量上昇を防ぐことができ、帯電量変動が小さく、画像濃度の低下を防止できる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<本発明に係る電子写真現像剤用キャリア>
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアは、Mn、Mg、Li、Sr、Cu、Zn、Bi、Zrから選ばれる少なくとも1種を含むフェライトからなり、かつその表面に凹凸及び細孔を有するキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用キャリアである。
本発明に用いられるキャリア芯材は、細孔を有し、水銀圧入法によって得られる上記キャリア芯材の浸入細孔容積値(a)と浸出細孔容積値(b)の比(b/a)が0.2〜0.8、好ましくは0.35〜0.65である。水銀ポロシメーターによる細孔容積測定において、その測定値は外部に通じている細孔の容積を表している。浸入細孔容積は、印加圧力によって水銀が物質に浸入したときの容積を表しており、浸出細孔容積は、印加された圧力を徐々に減圧していったときの容積を示している。これらは印加圧力(減圧)及びその印加(減圧)速度に応じて、それぞれ浸入曲線、浸出曲線を描く。通常、物質に細孔が多く存在するときは、水銀の高い表面張力のために浸入曲線と浸出曲線は異なる曲線を描き、これに伴い浸入細孔容積と浸出細孔容積も異なってくる。一方、物質に細孔がほとんど無い場合には、浸入曲線と浸出曲線は同じような曲線を描き、浸入細孔容積と浸出細孔容積はほぼ一致する。これらの差から、キャリアの凹凸の度合いを規定できると考えられる。上記比b/aが0.2〜0.8の間であると、適度な凸部及び細孔が存在し、キャリア粒子同士の接触ポイントが少なく、かつ見掛け密度も低いため、スペントしにくく、流動性の変化が少ない。さらには、スペントは主に凹部に集中し、凸部にはスペントしないため、現像剤の流動性は変化しにくい。また、ある程度の樹脂被覆量がある場合でも、キャリア粒子表面の凸の部分がリークポイントとなり、帯電量上昇を防ぐことが出来る。
上記比b/aが0.2未満であると細孔が非常に多いことが予測されるため、使用中にキャリアの割れや欠けが発生してしまい、キャリアの流動性が悪化し、現像時の左右現像ムラに繋がるばかりでなく、流動性の悪化に伴い帯電量減衰を起こし、使用中において安定な帯電量を保つことが出来ない。一方、上記比b/aが0.8を超えると細孔がほとんど存在しないことが予測されるため、使用中にコート膜が剥離したり、スペントが進行することにより、流動性が変化しやすい。また、一定のリークポイントが無いため帯電量上昇を起こし、画像濃度不足に陥る。
本発明に用いられるキャリア芯材は、水銀圧入法による浸入細孔容積値が0.002〜0.02ml/gであり、望ましくは0.005〜0.015ml/g、さらに望ましくは0.0085〜0.015ml/gである。このことは適度の細孔を有することを意味する。浸入細孔容積値が0.002ml/g未満では、細孔がほとんど存在しないことが予測され、一定のリークポイントが確保できないため帯電量が上昇し、画像濃度不足が懸念され、かつスペントやコート剥離等の影響により流動性が変化する。また、0.02ml/gを超える場合には、細孔が非常に多いことが予測されるため、使用中にキャリアの割れや欠けが発生してしまい、キャリアの流動性が悪化し、現像時の左右現像ムラに繋がったり、帯電量減衰が起こることが予測される。
(浸入細孔容積値及び浸出細孔容積値)
これら水銀圧入法によって得られる浸入細孔容積値及び浸出細孔容積値は、次のようにして求められる。水銀ポロシメーターPascal140とPascal240(ThermoFisher Scientific社製)を用いて測定した。ディラトメータはCD3P(粉体用)を使用し、サンプル(キャリア芯材)は複数の穴を開けた市販のゼラチン製カプセルに入れて、ディラトメータ内に入れた。Pascal140で脱気後、水銀を充填し低圧領域(0〜400Kpa)を測定し、1st Runとした。次に再び脱気と低圧領域(0〜400Kpa)の測定を行い、2nd Runとした。2nd Runの後、ディラトメータと水銀とカプセルとサンプルを合わせた重量を測定した。次にPascal240で高圧領域(0.1Mpa〜200Mpa)を測定した。この高圧部の測定で得られた水銀圧入量をもって、サンプル(キャリア芯材)の浸入細孔容積を求め、また水銀減圧時に示される最終水銀残存量をもって、浸出細孔容積を求めた。また、細孔径を求める際には水銀の表面張力を480dyn/cm、接触角を141.3°として計算した。
本発明に用いられるキャリア芯材の形状係数SF−2は、102〜140であることが望ましい。形状係数SF−2は、キャリア(芯材)の投影周囲長を2乗した値をキャリア(芯材)の投影面積で割った値に4πで除し、さらに100倍して得られる数値であり、キャリア(芯材)の形状が球に近いほど100に近い値になる。キャリア芯材の形状係数SF−2が102より低いと真球に近づくため、コア材表面に凹凸が存在しないと考えられ、使用中における帯電量上昇による画像濃度不足及び流動性の変化が懸念される。また、形状係数SF−2が140を超えると形状が悪化(異形粒子混入)し、流動性の悪化及び帯電量減衰などの不具合が生じる。
(形状係数:SF−2)
この形状係数SF−2は、下記の数1に示す式によって求められる。
Figure 0005464645
本発明に用いられるキャリア芯材の組成が、Mn、Mg、Li、Sr、Cu、Zn、Bi、Zrから選ばれる少なくとも1種を含むフェライトである。キャリア付着の抑制のためには、キャリアの磁化を高めることが必要である。また、キャリアの磁化を高めつつ、被覆樹脂が削れた場合にもある程度の抵抗、帯電量を保つためには、上記のような元素によって構成されるフェライトであることが必要である。フェライトとしては、後述する実施例に示されるようにMn−Mg−Srフェライトが好ましい。
本発明に用いられるキャリア芯材は、平均粒径が20〜60μmであることが望ましい。キャリア芯材の粒径が20μmより小さいと、キャリア付着が発生してしまう。60μmより大きいと、キャリア側の比表面積が小さくなるため、キャリアがトナーを抱え切れずにトナー飛散を起こしてしまったり、これを避けるためにトナー濃度を下げた場合には画像濃度不足や画質低下が生じる。
(平均粒径)
平均粒径はレーザー回折式粒度分布測定装置により測定される。装置として日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)を用いた。分散媒には水を用いた。
本発明に用いられるキャリア芯材は、3K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときの磁化が20〜80Am/kgであることが望ましい。キャリア芯材の磁化が20Am/kgより小さいと、キャリア付着が発生してしまう。磁化が80Am/kgより大きいと、磁気ブラシの穂立ちが長く穂立ち先端が固くなるため、感光体への当たりが強くなることにより、画像欠陥(例えばハケ筋)が発生したり、現像剤密度が低いために画像濃度不足が生じる。
(磁気特性)
磁化は、次のようにして測定される。積分型B−HトレーサーBHU−60型(理研電子社製)を使用して測定した。電磁石間に磁場測定用Hコイル及び磁化測定用4πIコイルを入れる。この場合、試料は4πIコイルに入れる。電磁石の電流を変化させ磁場Hを変化させたHコイル及び4πIコイルの出力をそれぞれ積分し、H出力をX軸に、4πIコイルの出力をY軸に、ヒステリシスループを記録紙に描く。ここで測定条件としては、試料充填量:約1g、試料充填セル:内径7mmφ±0.02mm、高さ10mm±0.1mm、4πIコイル:巻数30回にて測定した。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアは、上記キャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる。樹脂被覆量は、キャリア芯材に対して0.1〜10重量%が望ましく、好ましくは0.5〜5.0重量%、特に好ましくは1.0〜3.5重量%である。被覆量が0.1重量%未満では所望の電流値が得られず、さらには帯電量制御が難しく、また10重量%を超えるとキャリア同士の凝集が発生してしまい、歩留まり低下等の生産性の低下と共に、実機内での流動性あるいは帯電量等の現像剤特性変動の原因となる。
ここに用いられる樹脂は、組み合わせるトナー、使用される環境等によって適宜選択できる。その種類は特に限定されないが、例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂等が挙げられる。
本発明では、シリコーン樹脂又はその変性樹脂が最も好ましく用いられる。トナー成分のスペント防止、キャリア粒子への均一な樹脂被覆、表面酸化防止、環境変動に対する影響低減、現像剤の寿命の延長、キャリア付着防止、感光体のキャリアによるキズあるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御または帯電量、キャリア抵抗の調節等の目的を考慮すると、シリコーン樹脂又はその変性樹脂が有効である。
被覆樹脂としてシリコーン樹脂又はその変性樹脂を用いた場合には、Si/Feが0.003〜0.02であることが望ましい。Si/Feはキャリア表面上に存在するSi量を示している指標となっており、表面に凹凸を持つキャリアにおいて樹脂は主に凹部へ集中すると考えられる。この場合、Si/Feが0.003未満では、表面に現れている樹脂が少ない(被覆量が少ない)ため、キャリア芯材凸部位が多く露出し電荷リークが起こり、帯電量が低下してしまう。逆にSi/Feが0.02を超えると表層の樹脂量が多いため帯電量が上昇してしまい、画像濃度低下等が生じる。
(Si/Feの測定)
Si/Feの測定方法は、次のように測定される。すなわち、試料約5gを秤量し、ルースパウダー法を用いて測定セルを準備し、蛍光X線分析装置(Rigaku社製 ZSX−100S)を用いて定量分析を行った。分析結果の計算方法は、以下の数2に示す通りである。
Figure 0005464645
本発明では、被覆樹脂中に界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤を含有することにより、被覆樹脂の分散性が向上し、均一な皮膜を形成することができ、よりシャープな帯電量分布が得られ、また、スペント性が良好となり、ひいては、長期にわたり帯電安定性及び画像安定性を確保することができる。
本発明では、キャリアの帯電付与能力をコントロールする目的で、被覆樹脂中に帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤の例としては、トナー用に一般的に用いられる各種の帯電制御剤や各種シランカップリング剤が挙げられる。使用できる帯電制御剤やシランカップリング剤の種類は特に限定されないが、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等の帯電制御剤やアミノシランカップリング剤等が好ましい。
また、被覆樹脂には、キャリアの電気抵抗や帯電量、帯電速度をコントロールすることを目的として導電剤を含有することができる。導電剤はそれ自身の持つ電気抵抗が低いことから、含有量が多すぎると急激な電荷リークを引き起こしやすい。従って導電剤の含有量としては、樹脂固形分に対し0.25〜20.0重量%であり、好ましくは0.5〜15.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。導電剤としては、導電性カーボンや酸化チタン、酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤が挙げられる。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアは、キャリアの電流値が0.5〜20μAであることが望ましい。キャリアの電流値が0.5μA未満だと現像時に帯電量が上昇してしまい、画像濃度低下が生じる。また、キャリアの電流値が20μAを超えると現像剤帯電量の放置低下が発生しやすくなり、トナー飛散等が起こりやすくなる。
(電流値)
この電流値の測定は、次のように行った。すなわち、試料(キャリア)800g秤量し、温度20〜26℃、湿度50〜60%RHの環境に15分以上曝露した後、直径6.0cmのマグネットローラーとAl素管を電極とし、その間隔を6.0mmに配置した電流値測定装置を用いて、マグネットローラー回転数129rpm、印加電圧200Vの条件にて測定した。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアは、見掛け密度が1.8〜2.4g/cmであることが望ましい。見掛け密度が1.8g/cm未満だと、キャリア内部に空孔が多いため、キャリア強度が低下し、キャリアの割れや欠けに繋がり、流動性低下やキャリア付着が起こりやすくなり、帯電量減衰もまた懸念される。また、見掛け密度が2.4g/cmを超えると、キャリア表面に十分な凹凸が形成されないことがあり、使用中における帯電量上昇による画像濃度不足及び流動性の変化が懸念される。
(見掛け密度)
JIS Z 2504(金属粉見掛密度試験方法)に準拠して測定した。詳細は下記の通りである。
1.装置
粉末見掛密度計は漏斗、コップ、漏斗支持器、支持棒及び支持台から構成されるものを用いる。天秤は、秤量200gで感量50mgのものを用いる。
2.測定方法
(1)試料(キャリア)は少なくとも150g以上とする。
(2)試料は孔径2.5+0.2/−0mmのオリフィスを持つ漏斗に注ぎ流れ出た試料が、コップ一杯になってあふれ出るまで流し込む。
(3)あふれ始めたら直ちに試料の流入をやめ、振動を与えないようにコップの上に盛り上がった試料をへらでコップの上端に沿って平らにかきとる。
(4)コップの側面を軽く叩いて、試料を沈ませコップの外側に付着した試料を除去して、コップ内の試料の重量を0.05gの精度で秤量する。
3.計算
前項2−(4)で得られた測定値に0.04を乗じた数値をJIS−Z8401(数値の丸め方)によって小数点以下第2位に丸め、「g/cm」の単位の見掛け密度とする。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアは、流動度が26〜50秒/50gであることが望ましい。流動度が26秒/50g未満だと、流動性が良すぎてしまいトナースペントを助長してしまい、使用中における流動性低下、帯電量減衰が懸念される。流動度が50秒/50gを超えると現像器内で十分な流動性が得られないため、トナーとの混合がうまくいかずトナー飛散の原因となる。
(流動度)
この流動度は、JIS Z 2502(金属粉流動性試験方法)に準拠して測定した。
上述したような本発明に係る電子写真現像剤用キャリアは、キャリア粒子同士の接触ポイントが少なく、かつ見掛け密度も低いため、スペントしにくく、流動性の変化が少ない。キャリア粒子表面の凹の部分にスペントが集中しやすく、キャリア粒子表面の凸の部分にはスペントしないため、現像剤の流動性は変化しない。よって、左右現像ムラの無い画像が安定的に得られる。また、ある程度の樹脂被覆量がある場合でも、キャリア粒子表面の凸の部分がリークポイントとなり、帯電量の上昇を防ぐことができ、安定的な帯電量を保つことができるため、安定した画像濃度が得られる。
<本発明に係る電子写真現像剤用キャリアの製造方法>
次に、本発明に係る電子写真現像剤用キャリアの製造方法について説明する。
先ず、所定組成となるように、キャリア芯材原料を適量秤量した後、ボールミル又は振動ミル等で0.5時間以上、好ましくは1〜20時間粉砕、混合する。このようにして得られた粉砕物を加圧成型器等によりペレット化した後、例えば800〜1200℃の温度で仮焼成する。加圧成型器は使用せずに、粉砕した後、水を加えてスラリー化し、スプレードライヤーを用いて粒状化してもよい。
仮焼成後、さらにボールミル又は振動ミル等で粉砕した後、水及び必要に応じて分散剤、PVA等のバインダー等を適量添加してスラリーとなし、粘度調整後、スプレードライヤーにて粒状化し、酸素濃度を制御した適当な焼成条件にて、例えば1050〜1250℃、好ましくは1100〜1200℃で1〜24時間保持し、本焼成を行う。仮焼成後に粉砕する際は、水を加えて湿式ボールミルや湿式振動ミル等で粉砕してもよい。
このように本焼成して得られた焼成物を、解砕し、分級する。分級方法としては、既存の風力分級、メッシュ濾過法、沈降法等を用いて所望の粒径に粒度調整したキャリア芯材を得る。その後、必要に応じて酸化皮膜処理を施し、表面に酸化皮膜を形成し、電気抵抗調整を行うことができる。酸化皮膜処理は、一般的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、例えば、300〜800℃で熱処理を行う。
本発明で用いられるキャリア芯材の浸入細孔容積値(a)と浸出細孔容積値(b)の比(b/a)、浸入細孔容積値を上記範囲とするには、上記した製造方法において、例えば次の方法により行う。
本発明に係る製造方法では、スラリー粒径を制御することで適当な範囲のb/aを得ることができる。具体的には、スラリー平均粒径が1.0〜4.0μmであり、好ましくは1.5〜3.5μmで行うことで、キャリア表面の適度な凹凸及びキャリア内部の細孔を形成し、一定のリークポイントを確保することができる。スラリー平均粒径が1.0μm未満の場合には、本焼成後のキャリア表面及びその内部構造が緻密になり、その結果キャリア表面が平滑化してしまう。この場合、適度な凹凸が得られず、一定のリークポイントを得ることが出来ずに帯電量上昇を起こしてしまう。一方、スラリー平均粒径が4.0μmを超える場合には、逆にキャリア表面及び内部構造が粗となるため、キャリア自体の強度が弱くなり、使用中にキャリアの割れや欠けが発生してしまい、その結果キャリアの流動性が悪化し、現像時の左右現像ムラに繋がる。
また、焼成温度はキャリアの平均粒径によって調整が必要であるが、具体的には、小粒径の場合は温度がかかりやすいため低温側で焼成し、粒径が大きくなるに従い焼成温度を上げていき、b/aや浸入細孔容積値が範囲内に収まるように1050℃から1250℃の間で調整を行う。ただし、上記スラリー平均粒径測定は、前述した日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)により行った。
また、適当な範囲のb/a及び浸入細孔容積値を得るためには、スラリー固形比を40〜70重量%で行うことが重要であり、好ましくは50〜60重量%である。スラリー固形比が40重量%未満の場合には、粒状化された一粒子当たりの粒子密度が低いため、本焼成後に得られたキャリアのキャリア表面及び内部構造が粗となるため、キャリア強度に劣りやすい。一方、スラリー固形比が70重量%を超える場合には、粒状化された一粒子当たりの粒子密度が高いため、本焼成後に得られたキャリアの表面及び内部構造が緻密となるため、スラリー平均粒径が1.0μm未満の場合と同様に、キャリア表面が平滑化してしまい、キャリア表面の適度な凹凸が得られない。さらには、スラリー粘度が高くなるため、造粒時のスラリー供給が困難になるばかりでなく、スラリー溶媒である水の表面張力が落ちるため、粒状化された粒子が異形となることが懸念される。このようにスラリー固形比を40重量%から70重量%の範囲で行うことで、キャリア表面の適度な凹凸及びキャリア内部の細孔を形成することができる。
さらに、適当な範囲のb/a及び浸入細孔容積値を得るためには、仮焼成工程を800℃〜1200℃の間で行うことが重要であり、好ましくは900〜1100℃である。仮焼成温度が800℃未満の場合には、フェライト化反応が充分に進まず、本焼成後に得られたキャリアのキャリア表面及び内部構造が粗となるためキャリア自体の強度が弱くなるばかりでなく、所望の電流値、磁化が得られない。一方、仮焼成温度が1200℃を超える場合には、次工程でのスラリー化の際、粉砕が困難となり、所望のスラリー粒径が得られない。その結果、適度な凹凸及びキャリア内部の細孔を得ることができない。
本発明の電子写真現像剤用キャリアは、上記キャリア芯材の表面に、上記した樹脂を被覆し、樹脂被膜を形成する。被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等により被覆することができる。被覆率を向上させるためには、流動床による方法が好ましい。
樹脂をキャリア芯材に被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。UV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用いる。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。
<本発明に係る電子写真現像剤>
次に、本発明に係る電子写真用現像剤について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤は、上記した電子写真現像剤用キャリアとトナーとからなるものである。
本発明の電子写真現像剤を構成するトナー粒子には、粉砕法によって製造される粉砕トナー粒子と、重合法により製造される重合トナー粒子とがある。本発明ではいずれの方法により得られたトナー粒子も使用することができる。
粉砕トナー粒子は、例えば、結着樹脂、荷電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等の混合機で充分に混合し、次いで、二軸押出機等で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級し、外添剤を添加後、ミキサー等で混合することにより得ることができる。
粉砕トナー粒子を構成する結着樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、さらにはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは単独又は混合して用いられる。
荷電制御剤としては、任意のものを用いることができる。例えば正荷電性トナー用としては、ニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩等を挙げることができ、また、負荷電性トナー用としては、含金属モノアゾ染料等を挙げることができる。
着色剤(色材)としては、従来より知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。その他、トナーの流動性、耐凝集性向上のためのシリカ粉体、チタニア等のような外添剤をトナー粒子に応じて加えることができる。
重合トナー粒子は、懸濁重合法、乳化重合法、乳化凝集法、エステル伸長重合法、相転乳化法といった公知の方法で製造されるトナー粒子である。このような重合法トナー粒子は、例えば、界面活性剤を用いて着色剤を水中に分散させた着色分散液と、重合性単量体、界面活性剤及び重合開始剤を水性媒体中で混合攪拌し、重合性単量体を水性媒体中に乳化分散させて、攪拌、混合しながら重合させた後、塩析剤を加えて重合体粒子を塩析させる。塩析によって得られた粒子を、濾過、洗浄、乾燥させることにより、重合トナー粒子を得ることができる。その後、必要により乾燥されたトナー粒子に外添剤を添加する。
さらに、この重合トナー粒子を製造するに際しては、重合性単量体、界面活性剤、重合開始剤、着色剤以外に、定着性改良剤、帯電制御剤を配合することができ、これらにより得られた重合トナー粒子の諸特性を制御、改善することができる。また、水性媒体への重合性単量体の分散性を改善するとともに、得られる重合体の分子量を調整するために連鎖移動剤を用いることができる。
上記重合トナー粒子の製造に使用される重合性単量体に特に限定はないが、例えば、スチレン及びその誘導体、エチレン、プロピレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエステル及びメタクリル酸ジエチルアミノエステル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類等を挙げることができる。
上記重合トナー粒子の調製の際に使用される着色剤(色材)としては、従来から知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー及びフタロシアニングリーン等を使用することができる。また、これらの着色剤はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等を用いてその表面が改質されていてもよい。
上記重合トナー粒子の製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を使用することができる。
ここで、アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン、脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等を挙げることができる。さらに、カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。また、両イオン性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩、アルキルアミノ酸等を挙げることができる。
上記のような界面活性剤は、重合性単量体に対して、通常は0.01〜10重量%の範囲内の量で使用することができる。このような界面活性剤の使用量は、単量体の分散安定性に影響を与えるとともに、得られた重合トナー粒子の環境依存性にも影響を及ぼすことから、単量体の分散安定性が確保され、かつ重合トナー粒子の環境依存性に過度の影響を及ぼしにくい上記範囲内の量で使用することが好ましい。
重合トナー粒子の製造には、通常は重合開始剤を使用する。重合開始剤には、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とがあり、本発明ではいずれをも使用することができる。本発明で使用することができる水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、水溶性パーオキサイド化合物を挙げることができ、また、油溶性重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、油溶性パーオキサイド化合物を挙げることができる。
また、本発明において連鎖移動剤を使用する場合には、この連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四臭化炭素等を挙げることができる。
さらに、本発明で使用する重合トナー粒子が、定着性改善剤を含む場合、この定着性改良剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックス等を使用することができる。
また、本発明で使用する重合トナー粒子が、帯電制御剤を含有する場合、使用する帯電制御剤に特に制限はなく、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等を使用することができる。
また、重合トナー粒子の流動性向上等のために使用される外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を挙げることができ、これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
さらに、水性媒体から重合粒子を分離するために使用される塩析剤としては、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の金属塩を挙げることができる。
上記のようにして製造されたトナー粒子の平均粒径は、2〜15μm、好ましくは3〜10μmの範囲内にあり、重合トナー粒子の方が粉砕トナー粒子よりも、粒子の均一性が高い。トナー粒子が2μmよりも小さくなると、帯電能力が低下しカブリやトナー飛散を引き起こしやすく、15μmを超えると、画質が劣化する原因となる。
上記のように製造されたキャリアとトナーとを混合し、電子写真現像剤を得ることができる。キャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は、3〜15重量%に設定することが好ましい。3重量%未満であると所望の画像濃度が得にくく、15重量%を超えると、トナー飛散やかぶりが発生しやすくなる。
本発明に係る電子写真現像剤は、補給用現像剤として用いることもできる。すなわち、本発明に係る電子写真現像剤を用いることにより、画像特性が長期に渡って安定するが、さらに安定性を高めるために補給トナー中にキャリアを含有させて使用することができる。この際のキャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は100〜3000重量%に設定することが好ましい。
上記のように調製された本発明に係る電子写真現像剤は、有機光導電体層を有する潜像保持体に形成されている静電潜像を、バイアス電界を付与しながら、トナー及びキャリアを有する二成分現像剤の磁気ブラシによって反転現像する現像方式を用いたデジタル方式のコピー機、プリンター、FAX、印刷機等に使用することができる。また、磁気ブラシから静電潜像側に現像バイアスを印加する際に、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法である交番電界を用いるフルカラー機等にも適用可能である。
MnO:35mol%、MgO:14.5mol%、Fe:50mol%及びSrO:0.5mol%になるように原料を秤量し、湿式のメディアミルで5時間粉砕してスラリーを得た。得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、真球状の粒子を得た。この粒子を粒度調整した後、950℃で2時間加熱し、仮焼成を行った。
次いで、適度な細孔を得るために、水を溶媒とし、スラリーの固形比を55重量%に調製し、1/8インチ径のステンレスビーズを用いて湿式ボールミルで1時間粉砕した後、さらに1/16インチ径のステンレスビーズを用いて4時間粉砕し、スラリー平均粒径を3.0μmとした。このスラリーに分散剤を適量添加し、また造粒される粒子の強度を確保する目的で、バインダーとしてPVAを固形分に対して2重量%添加し、スプレードライヤーにより造粒、乾燥し、造粒物を325Mの目開きのジャイロシフターで粒度調整をし、電気炉にて、温度1150℃、酸素濃度2体積%で10時間保持し、本焼成を行った。
その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、フェライト粒子からなるキャリア芯材を得た。
次に、樹脂溶液として、固形分が20重量%の縮合架橋型メチル系シリコーン樹脂(製品名:SR2411 東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を準備した。上記シリコーン樹脂925重量部(固形分換算で185重量部)、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン3.7重量部、トルエン500重量部を混合した。
上記のように製造したキャリア芯材を用い、上記のように調製した樹脂溶液をフェライト芯材に対して固形分比が2.5重量%となるように混合し、浸漬法を用いて60℃に加温しながら攪拌し、溶媒を蒸発させながらキャリア芯材表面に樹脂を被覆した。
その後、バッチ式オーブンを用いて200℃の温度で30分保持し、樹脂を硬化させた。続いて、165Mの目開きの振動篩にて粒子同士の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除き、樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
実施例1と同様の方法によって造粒を行い、その後325Mの目開きのジャイロシフターの代わりに250Mの目開きのジャイロシフターを用いて粒度調整を行い、焼成温度を1150℃から1200℃に変更して本焼成を行った。これら以外は実施例1の条件と同一にしてフェライト粒子からなるキャリア芯材を得た。
次に、実施例1と同一の樹脂溶液を調製し、上記キャリア芯材を用い、キャリア芯材に対して樹脂の固形分比が2.0重量%となるように混合し、浸漬法を用いて60℃に加温しながら攪拌し、溶媒を蒸発させながらキャリア芯材表面に樹脂を被覆した。
その後、バッチ式オーブンを用いて200℃の温度で30分保持し、樹脂を硬化させた。続いて、150Mの目開きの振動篩にて粒子同士の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除き、樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
比較例
〔比較例1〕
MnO:35mol%、MgO:14.5mol%、Fe:50mol%及びSrO:0.5mol%になるように原料を秤量し、湿式のメディアミルで5時間粉砕してスラリーを得た。得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、真球状の粒子を得た。この粒子を粒度調整した後、1180℃で2時間加熱し、仮焼成を行った。
次いで、水を溶媒とし、スラリーの固形比を75重量%に調製し、所望のスラリー粒径を得るために、1/8インチ径のステンレスビーズを用いて湿式ボールミルで1時間粉砕した後、さらに1/16インチ径のステンレスビーズを用いて8時間粉砕し、スラリー平均粒径を0.8μmとした。このスラリーに分散剤を適量添加し、また造粒される粒子の強度を確保する目的で、バインダーとしてPVAを固形分に対して2重量%添加し、スプレードライヤーにより造粒、乾燥し、造粒物を250Mの目開きのジャイロシフターで粒度調整をし、電気炉にて、温度1300℃、酸素濃度2体積%で10時間保持し、本焼成を行った。
その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、フェライト粒子からなるキャリア芯材を得た。
次に、樹脂溶液として、固形分が20重量%の縮合架橋型メチル系シリコーン樹脂(製品名:SR2411 東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を準備した。上記シリコーン樹脂925重量部(固形分換算で185重量部)、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン3.7重量部、トルエン500重量部を混合した。
実施例1と同様の樹脂溶液を調製し、上記キャリア芯材を用い、キャリア芯材に対して固形分比が1.0重量%となるように混合し、浸漬法を用いて60℃に加温しながら攪拌し、溶媒を蒸発させながらキャリア芯材表面に樹脂を被覆した。
その後、バッチ式オーブンを用いて200℃の温度で30分保持し、樹脂を硬化させた。続いて、150Mの目開きの振動篩にて粒子同士の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除き、樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
〔比較例2〕
実施例1と同様の方法によって造粒を行い、造粒物を250Mの目開きのジャイロシフターで粒度調整をし、その後得られた造粒物を可燃性ガス燃焼炎中に投入し急冷し、回収した後、さらに分級、磁力選鉱を行ってフェライト粒子からなるキャリア芯材を得た。
次に、実施例1と同様の樹脂溶液を調製し、上記キャリア芯材を用い、キャリア芯材に対して樹脂の固形分比が0.8重量%となるように混合し、浸漬法を用いて60℃に加温しながら攪拌し、溶媒を蒸発させながらキャリア芯材表面に樹脂を被覆した。
その後、バッチ式オーブンを用いて200℃の温度で30分保持し、樹脂を硬化させた。続いて、150Mの目開きの振動篩にて粒子同士の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除き、樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
〔比較例3〕
MnO:35mol%、MgO:14.5mol%、Fe:50mol%及びSrO:0.5mol%になるように原料を秤量し、湿式のメディアミルで5時間粉砕してスラリーを得た。得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、真球状の粒子を得た。この粒子を粒度調整した後、680℃で2時間加熱し、仮焼成を行った。
次いで、水を溶媒とし、スラリーの固形比を55重量%に調製し、所望のスラリー粒径を得るために、1/8インチ径のステンレスビーズを用いて湿式ボールミルで1時間粉砕した後、さらに1/16インチ径のステンレスビーズを用いて4時間粉砕し、スラリー平均粒径を3.0μmとした。このスラリーに分散剤を適量添加し、また造粒される粒子の強度を確保する目的で、バインダーとしてPVAを固形分に対して2重量%添加し、スプレードライヤーにより造粒、乾燥し、造粒物を200Mの目開きのジャイロシフターで粒度調整をし、電気炉にて、温度1040℃、酸素濃度2体積%で10時間保持し、本焼成を行った。
その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、フェライト粒子からなるキャリア芯材を得た。
次に、樹脂溶液として、固形分が20重量%の縮合架橋型メチル系シリコーン樹脂(製品名:SR2411 東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を準備した。上記シリコーン樹脂925重量部(固形分換算で185重量部)、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン3.7重量部、トルエン500重量部を混合した。
上記のように製造したキャリア芯材を用い、上記のように調製した樹脂溶液をフェライト芯材に対して固形分比が3.0重量%となるように混合し、浸漬法を用いて60℃に加温しながら攪拌し、溶媒を蒸発させながらキャリア芯材表面に樹脂を被覆した。
その後、バッチ式オーブンを用いて200℃の温度で30分保持し、樹脂を硬化させた。続いて、120Mの目開きの振動篩にて粒子同士の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除き、樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
〔比較例4〕
実施例1と同様の原料を用い、仮焼成まで実施例1と同様に行った。次いで、水を溶媒とし、スラリーの固形比を35重量%に調製し、所望のスラリー粒径を得るために、1/8インチ径のステンレスビーズを用いて湿式ボールミルで1時間粉砕した後、さらに1/16インチ径のステンレスビーズを用いて2時間粉砕し、スラリー平均粒径を4.5μmとした。このスラリーに分散剤を適量添加し、また造粒される粒子の強度を確保する目的で、バインダーとしてPVAを固形分に対して2重量%添加し、スプレードライヤーにより造粒、乾燥し、造粒物を325Mの目開きのジャイロシフターで粒度調整をし、電気炉にて、温度1080℃、酸素濃度2体積%で10時間保持し、本焼成を行った。
その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、フェライト粒子からなるキャリア芯材を得た。
次に、樹脂溶液として、固形分が20重量%の縮合架橋型メチル系シリコーン樹脂(製品名:SR2411 東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を準備した。上記シリコーン樹脂925重量部(固形分換算で185重量部)、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン3.7重量部、トルエン500重量部を混合した。
上記のように製造したキャリア芯材を用い、上記のように調製した樹脂溶液をフェライト芯材に対して固形分比が3.0重量%となるように混合し、浸漬法を用いて60℃に加温しながら攪拌し、溶媒を蒸発させながらキャリア芯材表面に樹脂を被覆した。
その後、バッチ式オーブンを用いて200℃の温度で30分保持し、樹脂を硬化させた。続いて、165Mの目開きの振動篩にて粒子同士の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除き、樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
実施例1〜2及び比較例1〜4により得られたキャリア芯材の浸入細孔容積値(a)と浸出細孔容積値(b)の比(b/a)、浸入細孔容積値、平均粒径、形状係数SF−2及び磁化を表1に示す。また実施例1〜2及び比較例1〜4により得られたャリアの見掛け密度、流動度、Si/Fe(初期値)及び電流値を表1に示す。これらの測定方法は、上述の通りである。
また、実施例1〜2及び比較例1〜4により得られたキャリアを用いて現像剤を調製し、この現像剤によってデベロッパーフローレート及び帯電量を評価した結果を表2に示す。デベロッパーフローレート及び帯電量の測定方法は下記の通りである。
(デベロッパーフローレート)
トナー濃度を8重量%に調整した現像剤50g(キャリア46g、トナー4g)を50ccのガラス瓶に入れ、ターブラーミキサー(TURBULA/Willy A.Bachofen AG Maschinenfabrik社製)を用いて回転周速96rpmで撹拌を行った。トナーはフルカラー複合機に使用されている市販の負極性トナー(マゼンタトナー、富士ゼロックス社製DocuPrint C3540用)を用いた。
デベロッパーフローレートの測定方法は、JIS Z 2502に準拠し測定する。但し、攪拌後の現像剤はJISに記載されている漏斗のオリフィス径(2.63±0.02mm)では落下しない場合があるため、オリフィス径5.0mmの漏斗を使用した。
ここで、トナーと5分間撹拌後のデベロッパーフローレートを初期とし、攪拌5時間後のデベロッパーフローレートを攪拌後とした。初期デベロッパーフローレートと攪拌後デベロッパーフローレートの変化率が100%に近いほど、長期の攪拌ストレスによって現像器内での現像剤の流動性が変動しないため、実際の長期の使用においても安定した現像剤流動特性であることを示している。つまり、流動特性が変わらないということは、長期の使用においても現像器内での左右現像剤密度が変わらず、左右現像ムラの無い安定した出力画像が得られるということを示している。これらの結果から、初期デベロッパーフローレートは主としてキャリアのb/a値及び流動度に影響されているように見え、また、攪拌後デベロッパーフローレートは主としてb/a値に影響されているように見える。
デベロッパーフローレート変化率の計算方法は以下の通りである。
Figure 0005464645
(帯電量)
デベロッパーフローレートと同様の方法によって、現像剤を作製した。
ここで、トナーと5分間撹拌後の帯電量を初期帯電量とし、攪拌5時間後の帯電量を攪拌後帯電量とした。初期帯電量と撹拌5時間後帯電量の差が小さいほど、長期の撹拌ストレスによって帯電量が変動しないため、実際の長期の使用においても安定した帯電特性であることを示している。これらの結果から、初期帯電量は主としてb/a値及びSi/Fe値に影響されているように見え、また、初期帯電量と攪拌5時間後の帯電量の差は主としてb/a及び電流値に影響されているように見える。
Figure 0005464645
Figure 0005464645
表2に示した結果から明らかなように、実施例1及び2に示した樹脂被覆フェライトキャリアは、デベロッパーフローレートの評価において非常に優れた結果を示しており、初期帯電量と攪拌後の帯電量差にも大きな変化が見られない。
これに対して、比較例1〜4で得られた樹脂被覆フェライトキャリアは、実施例1及び2で得られた樹脂被覆フェライトキャリアに比べて、デベロッパーフローレートの評価が悪く、また帯電量の安定性は著しく劣る結果となった。
b/aの値が0.8以上であった比較例1においては、実施例1及び2で得られた樹脂被覆フェライトキャリアに比べて、デベロッパーフローレートは速くなり、帯電量の安定性については著しく悪い結果となった。火炎中に投入して作製された芯材を使用した比較例2については、デベロッパーフローレートは比較例1よりさらに速くなり、帯電量の安定性についても著しく悪い結果となった。また、比較例3及び4においては、現像剤の流動性が低下した上、帯電量安定性についても著しく劣る結果となった。これは、b/aが小さく、細孔が非常に多いことが予測され、攪拌中にキャリア粒子に割れ欠けが発生したためと思われる。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア及びこれを用いた電子写真現像剤は、経時において流動性が安定し、帯電量変動が小さいため、画像に左右現像ムラや画像濃度の低下が生じない。
従って、本発明に係る電子写真現像剤用キャリア及びこれを用いた電子写真現像剤は、高画質の要求されるフルカラー機並びに画像維持の信頼性及び耐久性の要求される高速機等の分野に広く使用可能である。

Claims (10)

  1. Mn、Mg、Li、Sr、Cu、Zn、Bi、Zrから選ばれる少なくとも1種を含むフェライトからなり、かつその表面に凹凸及び細孔を有するキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用キャリアであって、水銀圧入法によって得られる上記キャリア芯材の浸入細孔容積値(a)と浸出細孔容積値(b)の比(b/a)が0.2〜0.8であり、浸入細孔容積値が0.002ml/g〜0.02ml/gであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
  2. 上記フェライトがMn−Mg−Srフェライトである請求項1に記載の電子写真現像剤用キャリア。
  3. 上記キャリア芯材の水銀圧入法による浸入細孔容積値が0.0085ml/g〜0.02ml/gである請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用キャリア。
  4. 上記キャリア芯材の形状係数SF−2が102〜140である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
  5. 上記キャリア芯材の平均粒径が20〜60μm、3K・1000/4π・A/mの磁場をかけたときの磁化が20〜80Am/kgである請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
  6. 上記樹脂がシリコーン樹脂又はその変性樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
  7. Si/Fe値が0.003〜0.02である請求項6に記載の電子写真現像剤用キャリア。
  8. 電流値が0.5〜20μA、見掛け密度が1.8〜2.4g/cm、流動度が26〜50秒/50gである請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアとトナーとからなる電子写真現像剤。
  10. 補給用現像剤として用いられる請求項9に記載の電子写真現像剤。
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