JP2015169776A - 2成分現像剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の軟化点を有するトナーと特定の見掛け密度を有するフェライト芯材キャリアとを有する2成分現像剤を提供することにより、上記課題を解決できることを見出した。
【選択図】なし
Description
2成分現像剤の場合、トナーカートリッジからトナーが現像ユニットへ供給され、トナーは現像ユニット内のキャリアとの混合摩擦により帯電付与され、トナーはキャリアに保持された状態で、磁力を帯びた現像ローラ上で規制部材により薄層化され、現像領域へ搬送される。この場合、トナーへのダメージが1成分現像剤の場合より比較的少ないが、一方で、長期使用によるトナーのキャリアへの付着・融着によるキャリア劣化に伴う帯電不足等が問題となっている。
トリクル現像方式においては、現像剤の排出量を適量かつ安定に保つことが現像剤の長寿命化のために重要となる。具体的には、劣化した現像剤の排出量が少な過ぎると、フレッシュな現像剤と十分に置き換わらずに前述のキャリア劣化に伴う帯電不足を招き、逆に排出量が多すぎると現像ユニット内のキャリア自体の量が過少となってしまい、やはり帯電不足が起こる他、過剰な排出現像剤によって現像ユニットの排出口が閉塞する問題も発生する恐れがある。また、当然この排出量は連続印刷を行っていく中で安定していることも必要である。
寿命化を図るため、キャリアとして、比重の小さい樹脂キャリアや多孔性のフェライトキャリアを使用することが報告されている(特許文献1及び特許文献2)。しかし、これらのキャリアでは、長寿命化はできるが、そのキャリアの製造プロセスが多く生産性及び生産コストに難があるため、性能とコストの両立が求められていた。
本発明の要旨は、以下の通りである。
[1] トナーとキャリアが継続的に補給される電子写真装置に用いられ、且つ該キャリアがフェライト芯材を有するキャリアである現像剤であって、該トナー及び該キャリアが以下の条件を満たすことを特徴とする現像剤。
(1)トナー軟化点が91℃以上123℃以下である
(2)キャリア見掛け密度が1.5g/cm3以上2.2g/cm3以下である
[2] 前記キャリアの表面が樹脂で被覆されており、該キャリアに対する該樹脂の含有量が3.0質量%以上10.0質量%以下であることを特徴とする前記[1]に記載の現像剤。
[3] 前記キャリアを被覆する樹脂がSi元素を有することを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の現像剤。
[4] 前記キャリアの飽和磁化が10Am2/kg以上55Am2/kg以下であることを特徴とする前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の現像剤。
[5] 前記キャリアの平均粒子径が10μm以上50μm以下であることを特徴とする前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の現像剤。
[6] 前記現像剤中のトナーの帯電量が−30μC/g以上−100μC/g以下であることを特徴とする前記[1]乃至[5]のいずれかに記載の現像剤。
[7] 前記フェライト芯材が、内部に空隙を有しないことを特徴とする前記[1]乃至[6]のいずれかに記載の現像剤。
[8] 前記キャリアがMn及びMg元素を有することを特徴とする前記[1]乃至[7]のいずれかに記載の現像剤。
以下、「静電荷像現像用トナー」を単に「トナー」と略記する場合がある。
本発明の現像剤は、トナーとキャリアが継続的に補給される電子写真装置、いわゆるトリクル現像方式を採用した電子写真装置に用いられる現像剤であり、該キャリアはフェライト芯材を有し、該トナー及び該キャリアは以下の条件(1)及び(2)を満たすことを特徴とするものである。
(1)トナー軟化点が91℃以上123℃以下である
(2)キャリア見掛け密度が1.5g/cm3以上2.2g/cm3以下である
トナーは、結着樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナー母粒子とトナー母粒子の表面上に固着又は添着させる外添剤とを有する。
トナー母粒子の製造方法は、本発明の効果を著しく損なわない限り特に限定されないが、溶融混練粉砕法又は乳化重合法、懸濁重合法若しくは溶解懸濁法等の湿式重合法のいずれを用いてもよい。
以下、本発明について溶融混練粉砕法を具体的に取り上げて説明する。
溶融混練粉砕法とは、結着樹脂、着色剤及びワックス、必要に応じて、帯電制御剤、磁性体等を乾式混合した後、押出機等で溶融混練し、次いで粉砕、分級しトナー母粒子を得る方法である。その後、トナー母粒子表面に外添剤を付着または固着させることによりトナーを得ることが出来る。
本発明の現像剤に用いられるトナーの軟化点は、91℃以上123℃以下である。トナーの軟化点の下限は、好ましくは95℃以上であり、より好ましくは98℃以上である。一方、上限は、好ましくは121℃以下である。トナーの軟化点は前記上限を超えると高グロスな画像が得られなくなり、前記下限を下回るとトナー粒子同士が現像ユニット内で融着して粗粒となり、ベタ画像に白斑が発生してしまう場合がある。
本発明で規定するトナー軟化点を実現するためには、融点の低いワックスを用いることが望ましい。具体的には、融点が60℃以上100℃以下のものが好ましい。融点が前記下限を下回ると、保管時にトナーが固結してしまう不具合が生じやすい。一方、融点が前記上限を上回ると、トナー軟化点を本発明で規定する範囲内に調整することが困難となるおそれがある。
本発明に用いられるトナーにおいて、構成する結着樹脂として特に限定はないが、用いることができる結着樹脂としては、例えば、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、ビニル系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−アクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体等を挙げることができる。これらの結着樹脂は単独あるいは複数を併用する形で用いてもよいが、定着性と耐久性の観点からポリエステル樹脂であることが望ましい。
本発明で規定するトナー軟化点を実現するためには、結着樹脂モノマーの種類や配合比率、分子量分布、架橋度など、公知の調整方法を用いることができる。
本発明のトナーにおいて、着色剤としては、トナーに用い得ることが知られているもののなかから適宜選択して用いればよい。着色剤の具体的な例としては、カーボンブラック、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染顔料など、公知の任意の染顔料を単独あるいは複数を併用する形で用いることができる。フルカラートナーの場合にはイエローはベンジジンイエロー、モノアゾ系、縮合アゾ系染顔料、マゼンタはキナクリドン、モノアゾ系染顔料、シアンはフタロシアニンブルーをそれぞれ用いるのが好ましく用いられる。黒色顔料としてはカーボンブラック又は上記に示したイエロー顔
料/マゼンタ顔料/シアン顔料を混合して黒色に調色されたものや磁性体が利用される。
本発明に用いられるトナーに含有されるワックスとしては、公知のワックスを任意に使用することができるが、具体的には以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体(誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物が挙げられる)、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、シリコ−ンワックス。これらワックスは単独で又は2種以上を併せて用いることが可能である。
本発明に用いられるトナーは、必要に応じて、帯電制御剤を含有していてもよく、帯電制御剤としては、アジン系化合物(ニグロシン)、4級アンモニウム塩系化合物、2:1型含金属錯体(クロム錯体)、モノアゾ含金錯体化合物、カーリックスアレン等の樹脂による帯電制御剤等が挙げられる。
帯電制御剤を含有する場合、帯電制御剤の含有量は、特に限定されないが、トナーに対して、下限は、通常0.1wt%以上であり、好ましくは0.25wt%以上であり、一方、上限は、通常5wt%以下であり、好ましくは2wt%以下である。
本発明に用いられるトナーにおいては、外添剤をトナー母粒子の表面に固着又は添着させる。外添剤としては、トナーに用い得ることが知られているもののなかから適宜選択して用いればよい。1種類以上の疎水性シリカ及び無機酸化物微粒子、有機微粒子などを有していてもよく、無機酸化物微粒子としては例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、マグネタイト、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の無機粒子等が挙げられる。有機微粒子としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等の微粒子等が挙げられる。
好ましくは5wt%以下であり、より好ましくは4wt%以下である。
外添剤の添加方法としては、ヘンシェルミキサー等の高速攪拌機を用いる方法や、圧縮剪断応力を加えることの出来る装置による方法等が挙げられる。
外添における温度について、温度上昇を防止するために、容器に冷却装置を設置するか、分段外添することが好ましい。
本発明の現像剤に用いられるキャリアの見掛け密度は、1.5g/cm3以上2.2g/cm3以下である。現像器内におけるトナー及びキャリアへのストレスを低減し劣化を抑制する観点から、1.8g/cm3以上であることが好ましく、一方、2.0g/cm3以下であることが好ましい。キャリアの見掛け密度が前記上限を超えると、現像ユニット内におけるトナーとキャリアの衝突負荷が大きくなり、使用に伴い性能劣化しやすくなる。また、現像剤中の粒子が稠密にパッキングしているため排出量が過剰になりやすく、現像ユニット内のキャリア量が過少となってトナー帯電不足が起こる他、過剰な排出現像剤によって現像ユニットの排出口が閉塞してしまいマシン動作不良や異音等の不具合が発生する場合がある。またキャリアの見掛け密度が前記下限を下回ると、トナーとキャリアの摩擦が不十分となってトナー帯電の不足によるカブリ等の画質不良を生じる場合がある。本発明におけるキャリアの見掛け密度の測定方法は、後述の実施例にて説明する。
本発明の現像剤に用いられるキャリアにはフェライト芯材が用いられる。フェライト芯材は、少なくとも鉄(Fe)を40〜60重量%含有することが好ましく、45〜55重量%含有することがより好ましい。フェライト芯材を構成する鉄以外の金属としては、銅、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、リチウム(Li)、ストロンチウム(Sr)等が挙げられるが、これらの中では、マグネシウム及びマンガンが好ましい。本発明の現像剤に用いられるフェライト芯材は、生産性の観点から、芯材中に空隙を有しないことが好ましい。
粉砕機で粉砕し、造粒、乾燥、焼成、解砕、分級の工程を経て得られた粉体粒子について、機械的処理を行う。なお、本明細書において、機械的処理とは、前述のような回転する攪拌羽根を有する回転式装置等による芯材表面に機械的シェアを与える処理のことをいい、機械的処理の強度を変更することで、芯材の表面状態を制御できると共に、コート樹脂の使用量や芯材の粒度分布によらず、芯材が樹脂で覆われる面積を調整することができる。具体的には、カッターミル、ハンマーミル、アトマイザー、アトライター、バーチカルグラニュレーター、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、スパイラフロー、グラニュレックス等の回転式装置を用いる場合、攪拌羽根の線速度を早くしたり、処理時間を長くしたりすることにより、調整する。
また、本発明の現像剤に用いられるキャリアは、シリコーン系樹脂により被覆されたフェライト芯材であることが好ましい。かかるシリコーン系樹脂としては、オルガノシロキサン結合からなる、メチルシリコーン系樹脂(例えば、ジメチルシリコーン樹脂、メチル
シリコーン樹脂、メチル−ジメチルシリコーン樹脂)等のストレートシリコーン樹脂や変
性シリコーン系樹脂等が挙げられる。ストレートシリコーン樹脂の市販品としては、信越化学社製「KR-271」、「KR-255」、東レ・ダウコーニング社製「SR-2410」、「SR-2406」、「SR-2411」、東芝シリコーン社製「TSR-127B」、「TSR-144」等がある。また、変性シリコーン系樹脂としては、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等による変性シリコーン樹脂が使用でき、市販品としては、信越化学社製「KR-206」(アルキッド樹脂変性)、「KR-9706」(アクリル樹脂変性)、「ES-1001N」(エポキシ樹脂変性)、東レ・ダウコーニング社製「SR-2101」(アルキッド樹脂変性)等がある。これらのシリコーン系樹脂には、必要に応じ触媒等を添加してもよい。これらのなかでも、流動性及び耐久性の観点から、好ましくはストレートシリコーン樹脂、より好ましくはメチルシリコーン系樹脂によりフェライト芯材が被覆されることが望ましい。
本発明の現像剤に用いられるキャリアの体積平均一次粒子径は、特に限定されないが、通常10μm以上であり、好ましくは20μm以上であり、より好ましくは30μm以上である。一方、通常50μm以下であり、好ましくは40μm以下である。
本発明の現像剤に用いられるキャリアの粒度分布は、画質、流動性、帯電性及びキャリア飛びの観点から、体積粒度分布における累積頻度50%のキャリアの体積粒径(Dc50)が
10〜50μmであり、好ましくは20〜40μm、より好ましくは30〜40μmである
。また、現像剤の流動性の観点から、累積頻度90%のキャリアの体積粒径(Dc90)は45
〜70μmであり、好ましくは50〜60μmである。
キャリアの飽和磁化は、1.1(MA/m)の磁場を印加した時に、10Am2/kg以
上55Am2/kg以下であり、好ましくは45Am2/kg以下である。本発明の現像剤に用いられるキャリアを、上述した粒度分布とし、芯材の被覆材の被覆量を上記(2−2.)で説明した範囲にすると、現像剤の排出量は安定するものの、現像スリーブ上に形成される磁気ブラシが剛直になり、画像の鮮明さが損なわれる傾向にあることが分かった。また、組み合わされるトナーの軟化点が本発明で規定する範囲を満たすような低い軟化点であると、この傾向はさらに顕著になることが分かった。これらを防ぐには、キャリアの飽和磁化を上記範囲までに下げることが有効であることが分かった。
したがって、キャリアの飽和磁化が上記範囲内であると、キャリア飛びを防止しつつ、適度な硬さの磁気ブラシを形成できるため、高品位な画質を得ることができる。なお、本明
細書において、キャリアの飽和磁化は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
本発明の現像剤は、上述したトナーとキャリアを有する。
現像剤とした際の現像剤中におけるトナーの帯電量は、本発明の効果を著しく損なわない限り特に限定されないが、−30μC/g以上−100μC/g以下である。トナー帯電量が前記下限を下回ると、カブリが悪化してトナー消費量が悪化したり、ベタカスレ等が発生する。また前記上限を超えると、刷毛ムラ等が発生する。トナーの帯電量の測定方法は後述の実施例にて説明する。
本発明の2成分現像剤は、トナーとキャリアが継続的に補給される電子写真装置に用いられ、具体的には、トナーカートリッジから現像ユニットに補給用現像剤を供給しながら現像し、現像ユニット内部で過剰になったキャリアを現像ユニットから排出する2成分現像方法、いわゆるトリクル現像方式に使用する現像剤として好適に用いられる。このような機構とすることで、現像ユニット内の現像剤の性能を維持することができ、トナーの帯電量が長期に渡って安定であるためカブリやベタカスレのない高画質な印刷が可能となる。
本発明の現像剤は、上記補給用現像剤として用いられることは必須である。現像ユニットに最初に充填されている現像剤については、補給用現像剤と同一であっても異なっていても構わないが、特性の異なるトナーあるいはキャリアが混ざり合うとトナーの帯電量分布がブロードとなって画像欠陥を生じる場合もあるため、これらは同一であることがより好ましい。
走査型電子顕微鏡にてキャリア粒子100個を観察し、その一次粒子径の平均値を算出して、キャリアの平均粒径とした。
内直径2.82cm、高さ4cmの円筒形状受け器に対し、受け器上面から25mm程度上方より、漏斗等を用いてキャリアを注ぎ込み、受け器内のキャリアが山盛りになったところで山部分を水平に切り落とし、受け器内部に充填されたキャリアの重量(g)を25(cm3)で割った値を、キャリアの見掛け密度(g/cm3)とした。
振動型磁力計VSMP−1S型(東映工業社製)を用い、測定用カプセル(0.0565mL)で測定した。(磁場1.1MA/m)
セイコーインスツルメンツ(株)製示差熱・熱重量同時測定装置EXSTAR TG/DTA6200を用い、空気雰囲気化、測定開始温度30℃、昇温速度20℃/分で800℃まで昇温させた後に5分間保持した条件での質量減少率を測定し、キャリアの樹脂被覆量(%)とした。
フローテスター(CFT−500、島津製作所製)を用いて約1gの試料を昇温速度3℃/min.で加熱しながら、面積1cm2のプランジャーにより30kg/cm2の荷重を与え、孔径1mm、長さ10mmのダイから押し出し、これによりプランジャーストローク−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするとき、h/2に対応する温度を軟化点とした。
評価装置は、市販の非磁性二成分負帯電 トリクル現像方式を採用した複合機を用いた。キャリア180g、トナー20gを十分に混合して作成した現像剤を現像ユニットへ充填し、補給用トナーカートリッジにはキャリア10部を混合したトナーを充填し、5%印字率チャートを50000枚連続印刷した。
グロスは、連続印刷中の3000枚ごとにベタ画像を印刷し、その中央部をグロスメーターVG2000(日本電色工業株式会社製)を用い、投受光角度75°で測定した値の平均値とした。13以上を○、13未満を×と判定した。
白斑は、連続印刷中の3000枚ごとにベタ画像を印刷し、白斑の有無および程度を目視確認した。白斑が全くない、もしくは実使用上問題ないレベルを○、実使用に耐えないレベルを×と判定した。
帯電量の測定には、(株)エトワス社製帯電分離式帯電量測定装置を用いた。現像剤0.1mg、印加電圧−2kV、スリーブ回転数2000rpm、スリーブ回転時間30秒の条件にて測定した。
まず、キャリア芯材が、組成式:MnO・MgO・Fe2O3で示されるフェライト組成になるように、Mn源としてのMnCO3粉、Mg源としてのMg(OH)2および鉄源としてのFe2O3粉をそれぞれ所定量混合して原料調合を行い、混合粉を得た。
この混合粉を900℃設定の加熱炉により3時間大気雰囲気下で仮焼し、得られた仮焼品を冷却後、振動ミルで粉砕してほぼ1μm径の粉体とした。この粉体を乾燥し、さらにその乾燥粉に対して、1重量%の割合で分散剤(商品名:サンノプコSNディスパーサント5468、サンノプコ社製)を水と共に加えて、濃度が70%のスラリーとした。このスラリーを湿式ボールミルに装填して湿式粉砕し、得られた懸濁液をスプレードライヤにて乾燥し、平均粒径約70μmの造粒品を得た。
次にシリコーン系樹脂として(商品名:KR−350、信越化学社製)を、トルエンに溶解してなるコーティング樹脂溶液を準備する。そして、このコーティング樹脂溶液と前記のキャリア芯材とを、キャリア芯材:樹脂溶液=9:1の割合で攪拌機の容器に装入し、該樹脂溶液にキャリア芯材を3時間浸積しながら150℃〜250℃にて加熱撹拌する。これにより、キャリア芯材総重量に対してコーティング樹脂総重量が5.0重量%の割合となるように各キャリア芯材粒子にコーティング樹脂を被覆した。この樹脂被覆された粒子を熱風循環式加熱装置により、250℃で5時間加熱を行い被覆樹脂層を硬化させ、キャリアAを得た。
キャリアAの平均粒径は35μmであり、見掛け密度は1.91g/cm3であり、飽和磁化は38Am2/kgであり、樹脂被覆量は5.0%であった。
キャリアAの製造方法から、篩い分けによる粒度調整、コーティング樹脂溶液とキャリア芯材の浸漬時間を変更することで、キャリアBを得た。
キャリアBの平均粒径は68μmであり、見掛け密度は2.49g/cm3であり、飽和磁化は65Am2/kgであり、樹脂被覆量は2.0%であった。
キャリアAの製造方法から、篩い分けによる粒度調整、コーティング樹脂溶液とキャリア芯材の浸漬時間を変更することで、キャリアCを得た。
キャリアCの平均粒径は35μmであり、見掛け密度は2.48g/cm3であり、飽和磁化は63Am2/kgであり、樹脂被覆量は1.8%であった。
以下に示す配合比により負帯電性非磁性トナーAを作製した。
・樹脂A(ポリエステル 軟化点130℃ ガラス転移点61℃ ゲル分0%)20部
・樹脂B(ポリエステル 軟化点99℃ ガラス転移点64℃ ゲル分0%)80部
・カーボンブラック(商品名 三菱化学(株) MA77)6部
・ワックスA(エステルワックス 商品名 日油(株) WEP−3)4部
・帯電制御剤A(商品名 保土ヶ谷化学(株) T78)1部
上記の原材料をヘンシェルミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練した後、粗粉砕し、ジェットミル粉砕機で微粉砕した後、分級して体積平均粒径7μmのトナー母体を得た。
・トナー母体 100部
・疎水性シリカ(平均粒径50nm、ヘキサメチルジシラザン処理) 0.7部
・疎水性シリカ(平均粒径7nm、ヘキサメチルジシラザン処理) 0.5部
・疎水性チタニア(平均粒径15nm、イソブチルシラン処理) 0.3部
トナーAの軟化点は101℃であった。
トナーAの製造方法から、樹脂Aを50部に、樹脂Bを50部に、ワックスAをワックスB(エステルワックス 商品名 日油(株) WEP−9)2.5部に変更した以外は同様にして、トナーBを得た。
トナーBの軟化点は111℃であった。
トナーBの製造方法から、樹脂Aを90部に、樹脂Bを10部に変更した以外は同様にして、トナーCを得た。
トナーCの軟化点は119℃であった。
トナーBの製造方法から、樹脂Aを樹脂C(ポリエステル 軟化点144℃ ガラス転移点63℃ ゲル分4%)に、樹脂Bを樹脂D(ポリエステル 軟化点118℃ ガラス転移点63℃ ゲル分0%)に変更した以外は同様にして、トナーDを得た。
トナーDの軟化点は121℃であった。
トナーBの製造方法から、樹脂A 50部を樹脂E(ポリエステル 軟化点145℃ ガラス転移点60℃ ゲル分40%)60部に、樹脂Bを40部に変更した以外は同様にして、トナーEを得た。
トナーEの軟化点は124℃であった。
トナーBの製造方法から、樹脂Aを80部に、樹脂Bを20部に、カーボンブラックを9部に、ワックスB 2.5部をワックスC(エステルワックス 商品名 日油(株) WEP−5)2部およびワックスD(ポリエチレンワックス 商品名 三洋化成工業(株) ビスコール660P)1.5部に、帯電制御剤Aを帯電制御剤B(商品名 オリエント化学工業(株) ボントロンS34)に変更した以外は同様にして、トナーFを得た。トナーFの軟化点は120℃であった。
トナーAの製造方法から、樹脂Aを0部に、樹脂Bを100部に変更した以外は同様にして、トナーGを得た。
トナーGの軟化点は90℃であった。
各トナーおよびキャリアの評価結果を下表に示す。
それぞれの実施例および比較例において、表に記載のトナーおよびキャリアを用い、前述の評価方法に従った判定結果および測定結果を示したものである。
Claims (8)
- トナーとキャリアが継続的に補給される電子写真装置に用いられ、且つ該キャリアがフェライト芯材を有するキャリアである現像剤であって、該トナー及び該キャリアが以下の条件を満たすことを特徴とする現像剤。
(1)トナー軟化点が91℃以上123℃以下である
(2)キャリア見掛け密度が1.5g/cm3以上2.2g/cm3以下である - 前記キャリアの表面が樹脂で被覆されており、該キャリアに対する該樹脂の含有量が3.0質量%以上10.0質量%以下であることを特徴とする前記請求項1に記載の現像剤。
- 前記キャリアを被覆する樹脂がSi元素を有することを特徴とする前記請求項1又は2に記載の現像剤。
- 前記キャリアの飽和磁化が10Am2/kg以上55Am2/kg以下であることを特徴とする前記請求項1乃至3のいずれかに記載の現像剤。
- 前記キャリアの平均粒子径が10μm以上50μm以下であることを特徴とする前記請求項1乃至4のいずれかに記載の現像剤。
- 前記現像剤中のトナーの帯電量が−30μC/g以上−100μC/g以下であることを特徴とする前記請求項1乃至5のいずれかに記載の現像剤。
- 前記フェライト芯材が、内部に空隙を有しないことを特徴とする前記請求項1乃至6のいずれかに記載の現像剤。
- 前記キャリアがMn及びMg元素を有することを特徴とする前記請求項1乃至7のいずれかに記載の現像剤。
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