JP2013137362A - 二成分現像剤及び現像方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結着樹脂を含むトナーと、多孔質フェライト芯材粒子200の表面に樹脂被覆層220が被覆されてなるキャリア粒子と、を含有する二成分現像剤であって、前記樹脂被覆層220がフェライト粒子230を含み、前記フェライト粒子230の平均粒径が0.1〜1.0μmの範囲内であることを特徴とする二成分現像剤。
【選択図】図2
Description
このような問題を解決するため、キャリアの低比重化が図られ、磁性体分散型のキャリアなどが提案されている。しかしながら、このようなキャリアによっては、当該キャリアが衝撃により破砕、変形を生じやすいという問題がある。
一方、キャリアに樹脂被覆層中に導電性微粒子を入れ、抵抗を調整し、現像性を高め、エッジ効果による白抜けを低減する検討が行われている。例えば、特許文献1に開示されているように、一般的にカーボンブラックを入れることで、キャリア樹脂の導電性を上げ、現像性を高めているが、樹脂被覆層の磨耗、剥離で生じた樹脂粉にカーボンブラックの色が付いており、そのため樹脂粉による画像汚染が問題となる。また、例えば、特許文献2に開示されているように、樹脂被覆層中にマグネタイトを用いることも検討されているが、マグネタイトは残留磁化が高く、キャリアの流動性を低下させるという問題がある。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.結着樹脂を含むトナーと、多孔質フェライト芯材粒子の表面に樹脂被覆層が被覆されてなるキャリア粒子と、を含有する二成分現像剤であって、
前記樹脂被覆層がフェライト粒子を含み、
前記フェライト粒子の平均粒径が0.1〜1.0μmの範囲内であることを特徴とする二成分現像剤。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明では、キャリアを低比重化することで、トナーへのストレスを減らすことができ、その結果、外添剤の埋没を抑制して、転写性の劣化を防止している。
また、キャリアの抵抗調整剤として、磁化を持つフェライト粒子を樹脂被覆層に含ませることによって、キャリアを低抵抗化し、現像性を高めるとともに、エッジ効果を低減することができる。
さらに、従来のカーボンブラックなどの抵抗調整剤は、磁化を持たないため、キャリアから脱離すると、現像スリーブから感光体へ現像され最終的に画像を汚染することがあるが、本発明のように磁化を持つフェライト粒子を使用することで、フェライト粒子が脱離したとしても現像スリーブに磁気で吸引されるため、現像されずに現像器内に留まり、画像を汚染することもない。
また、従来の磁化を持つマグネタイトは画像を汚染しないが、残留磁化が高く、キャリアの流動性を悪化させ、現像スリーブでの現像剤の入れ替え不良や、トナーとの混合不良を発生させるが、本発明で使用するフェライト粒子は残留磁化が低いため、このような現象が発生せず、良好な流動性を持つ。以上のことから、安定的に優れた画像を得ることができる。
本発明の二成分現像剤は、結着樹脂を含むトナーと、多孔質フェライト芯材粒子の表面に樹脂被覆層が被覆されてなるキャリア粒子と、を含有する二成分現像剤であって、前記樹脂被覆層がフェライト粒子を含み、前記フェライト粒子の平均粒径が0.1〜1.0μmの範囲内であることを特徴とする。
本発明で用いられるキャリアは、多孔質フェライト芯材粒子の表面にフェライト粒子を含む樹脂被覆層を設けたものである。
本発明において、芯材粒子及びキャリア粒子についての嵩密度の値は、JIS−Z−2504に準じて、次のようにして求めることができる。
開口310から溢れるまで、漏斗322の排出口320から排出し落下させて開口310から容器312内に流し込み、その後、当該容器312の開口310の面に沿って水平に試料を摺り切ることにより盛り上がった試料部分を除去し、その結果容器310内に充填された試料の質量を測定し、その測定値から、次の式により、試料の嵩密度A(g/cm3)を求める。
本発明で使用されるキャリアは、その体積基準におけるメディアン径(D50)が15μmから80μmのものが好ましく、20μmから60μmのものがより好ましい。キャリアの体積基準メディアン径を上記範囲とすることにより高画質のトナー画像を安定して形成することが可能になる。前記芯材粒子及びキャリアの体積基準メディアン径は、湿式分散装置を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)(シンパテック社製)」により測定が可能である。
図2は、多孔質フェライト芯材粒子を用いて作製したキャリアの断面を示す模式図である。
図2において、200は多孔質フェライト芯材粒子、210は細孔、220は樹脂被覆層、230は樹脂被覆層中のフェライト粒子を示す。
十分な低比重化が図れ、かつ多孔質フェライト芯材粒子の表面に被覆されてなる樹脂が当該多孔質フェライト芯材粒子の細孔へ浸透しにくくなり、均一な樹脂被覆層を形成し優れた流動性が得られやすくなる。
D=−4γcosθ/P
上記式において、Pは加えられた圧力、Dは細孔径、γは水銀の表面張力、θは水銀と細孔壁面の接触角を表す。ここで、γとθは定数であることから、上記式より加えた圧力Pと細孔径Dの関係が求められ、そのときの水銀の侵入容積を測定することにより、細孔径とその容積分布の関係を導くことができる。
(1)測定試料を複数の穴を開けた市販のゼラチン製のカプセルに投入し、当該カプセルを粉体用のディラトメータ「CD3P」内に入れる。
(2)「Pascal 140」を用いて脱気処理を行った後、水銀を充填して低圧領域
(0〜400kPaの範囲内)下での測定を行い、これを1st Runとする。
(3)上記1st Runの後、再び脱気処理と前記低圧領域下での測定を行い、これを2nd Runとする。
(4)2nd Run実施後、前述したディラトメータ、水銀、カプセル、測定試料を合わせた質量を測定する。
(5)次に、「Pascal 240」を用いて高圧領域(0.1MPa〜200MPaの範囲内)下での測定を行い、この高圧領域下での測定で得られた水銀圧入量を用いて芯材粒子の細孔容積、細孔径分布及びピーク細孔径を求める。
(6)なお、前記芯材粒子の細孔容積、細孔径分布及びピーク細孔径は、水銀の表面張力を480dyn/cm、接触角を141.3°として算出し、ピーク細孔径を当該芯材粒子の細孔径とする。
本発明に使用される芯材粒子は、公知の方法により作製が可能で、例えば、後述する実施例に記載の工程を経て作製することが可能である。以下、本発明に使用される芯材粒子の代表的な作製方法を説明するが、本発明に使用可能な芯材粒子は、以下の工程を経て作製されるものに限定されるものではない。
この工程は、芯材粒子の原材料を適量秤量した後、ボールミルあるいは振動ミル等に投入して乾式の粉砕処理を行う工程で、この粉砕処理は0.5時間以上行うものであり、1時間から20時間行うものが好ましい。この工程で配合する原材料の種類や原材料の粉砕度合いを制御することにより、芯材粒子の空隙率、細孔径、細孔容積、嵩密度を制御することが可能である。
前記粉砕処理により作製された粉砕物を加圧成形機等により、例えば、大きさ1mm角程度のペレットに成形する工程である。また、形成したペレットを所定目開きのふるいにかけ、混在する粗粉あるいは微粉の除去も行う。
形成したペレットを市販の電気炉に投入して、数時間の加熱処理を行う工程である。加熱温度は700℃から1200℃が好ましい。また、この工程で加熱温度や加熱時間を制御することにより、芯材粒子の空隙率、細孔径、細孔容積、嵩密度を制御することが可能である。
細孔の空隙率や連続空隙度が高いものになる傾向を有する。この様な観点から、多孔質の芯材粒子を作製する場合、仮焼成における加熱温度を低めに設定することが好ましい。
上記仮焼成処理を行ったペレット(仮焼成物)をボールミルあるいは振動ミル等を用いて乾式の粉砕処理を行う工程である。なお、乾式の粉砕処理を行う工程では、使用するメディアに粒径1mm以下のビーズを使用することが好ましく、原材料やペレットの均一かつ効果的な分散をより確実に行うことができる。また、使用するビーズの径、組成、粉砕処理時間を制御することにより、原材料やペレットの粉砕度合いを制御することが可能である。
上記粉砕処理により作製された粉砕物に水を添加し、湿式のボールミルや振動ミルを用いて粉砕処理を行い、所望の粒径を有する粉砕物を分散させたスラリーを作製する工程である。なお、この工程でスラリー中の粉砕物の粒径を制御することにより、芯材粒子の細孔径を制御することが可能である。
上記湿式粉砕工程で作製したスラリー中に、分散液やポリビニルアルコール等のバインダーを添加し、粘度を調整した後、スプレードライヤーを用いて当該スラリーより造粒を行い、形成した造粒物を乾燥させる工程である。この工程でスラリー中に添加するバインダーや水の量あるいは乾燥度合いを制御することにより、芯材粒子の空隙率、細孔径、細孔容積、後述する嵩密度を制御することが可能である。
上記造粒工程で造粒物を乾燥させた後、当該造粒物を電気炉等の加熱手段に投入し、窒素ガス供給等により酸素濃度を制御しながら、800℃から1400℃の温度で1時間から24時間加熱処理することにより焼成物を形成する工程である。なお、この工程で焼成方法や加熱温度(焼成温度)、加熱時間(焼成時間)、窒素ガスの供給量や水素ガスによる還元雰囲気の形成等を制御することにより、芯材粒子の空隙率、細孔径、細孔容積、後述する嵩密度を制御することが可能である。
上記本焼成工程により形成された焼成物を解砕、分級処理して、所定粒径の芯材粒子を形成する工程である。この工程では、公知の分級方法を実施することが可能で、例えば、
公知の風力分級や、メッシュろ過法、沈降法等を用いることにより、形成した焼成物を所望の粒径に粒度調整することが可能である。
を施すことも可能である。酸化被膜形成処理は、例えば、前述したロータリー式電気炉やバッチ式電気炉等の一般的な電気炉を用い、300℃から700℃の加熱温度で熱処理を行うことにより実施可能である。また、酸化被膜形成処理を実施する前に還元処理を行うことも可能である。酸化被膜の厚さは、0.1nmから5μmが好ましく、上記範囲の芯材粒子を用いて作製したキャリアがトナーに対して良好な帯電付与性能を長期にわたり安定して発現する等、芯材粒子が適度な導電性を安定的に維持することができる。
本発明における樹脂被覆層は、フェライト粒子を含み、前記フェライト粒子の平均粒径が0.1〜1.0μmの範囲内であることを特徴とする。また、より好ましくは0.2〜0.8μmの範囲内である。ここで、フェライト粒子の平均粒径を0.1〜1.0μmの範囲内としたのは、0.1μm未満であると、磁化が発生せずに画像を汚染してしまうためであり、1.0μmを超えると樹脂被覆層からフェライト粒子が脱離し易くなるためである。
フェライト粒子は、多孔質フェライト芯材粒子に対して、0.01〜1質量部の範囲内で含まれていることが好ましく、より好ましくは、0.1〜0.8質量部の範囲内である。
フェライト粒子は、上述の多孔質フェライト芯材粒子を微粉砕したものを用いることができる。微粉砕する手段としては、例えばボールミルあるいは振動ミル等が挙げられる。尚、前記フェライト粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡「JSM-7410」(日本電子社製)を用いて粒子の50000倍の写真を撮影し、粒子200個についてそれぞれ最大長(粒子の周上の任意の2点間のうち最大の長さ)を測定し、その個数平均値を平均粒径とする。尚、粒子が凝集体として撮影される場合には、凝集体を形成する一次粒子の粒子径を測定するものとする。
測定温度0℃〜200℃の範囲内、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行った。
Chemical社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成する。また、検出器には屈折率検出器を用いる。
芯材粒子の表面に樹脂被覆層をする方法としては、乾式コート法、湿式コート法が挙げられるが、乾式コート法による樹脂被覆層は芯材粒子の細孔まで樹脂が入り込まず、より嵩密度の低いキャリアを作製することができ好ましい。
乾式コート法は、機械的衝撃や熱を加えて樹脂を芯材粒子の表面にコートする方法であり、下記の工程により、樹脂被覆層を形成する方法である。
1:被覆しようとする樹脂粒子及びフェライト粒子、必要により添加する固形物(例えば、無機粒子)を分散したコート材を、芯材粒子とともに機械的に撹拌し、芯材粒子表面にコート材を付着させる。
2:その後、機械的衝撃や熱を加えて芯材粒子表面に付着させたコート材中の樹脂粒子及びフェライト粒子を溶融或いは軟化させて固着し、樹脂被覆層を形成する。
3:必要に応じ1〜2の工程を繰り返し、所望の厚さの樹脂被覆層を形成する。
(1)流動層式スプレーコート法
流動層式スプレーコート法(以下、溶剤コート法とも云う)は、樹脂を溶剤に溶解した溶液中にフェライト粒子を分散した塗布液を、流動性スプレーコート装置を用いて芯材粒子の表面にスプレー塗布し、次いで乾燥して樹脂被覆層を作製する方法
(2)浸漬式コート法
浸漬式コート法は、樹脂を溶剤に溶解した溶液中にフェライト粒子を分散した塗布液中に芯材粒子を浸漬して塗布処理し、次いで乾燥して樹脂被覆層を作製する方法
(3)重合法
重合法は、反応性化合物を溶剤に溶解した溶液中にフェライト粒子を分散した塗布液中に、芯材粒子を浸漬して塗布処理し、次いで熱等を加えて重合反応を行って樹脂被覆層を作製する方法
本発明では、湿式コート法、乾式コート法、湿式コート法と乾式コート法を組み合わせたコート法により樹脂被覆層を形成できる。
本発明で用いられるトナーは、トナー母体粒子に外添剤を付着させて得られたものが好ましい。トナー母体粒子に外添剤を付着させて得られたトナーは、二成分現像剤の流動性が向上、転写率が向上、クリーニング性が向上し好ましい。
本発明の現像方法は、上記二成分現像剤を用いたトナー補給と同時に新しいキャリアを補給する現像方式で現像することを特徴とする。この現像方式は、オートリファイニング現像方式とも呼ばれるものである。オートリファイニング現像方式とは、現像により消費されるトナーに対応してトナーを補給すると共に、キャリアを追加し、現像器内のキャリアを少しずつ入れ替えることにより帯電量の変化を抑制して、現像濃度を安定化する現像方式のことである。
図3は、現像器の拡大概略断面図である。なお、図3における図示の矢印は各ローラーの回転方向を示し、二重矢印は現像剤の搬送方向を示す。
トナー濃度とは、二成分現像剤Dを構成しているトナーの割合を示す。現像器ハウジング101内の二成分現像剤Dの内、トナーは現像によって消費されるがキャリアについては消費されないので、現像時間が長くなるに従って二成分現像剤Dを構成しているトナーの割合が減少する。消費されたトナーは逐次補給される。この際、トナーと同時にキャリアも補給する構成である。補給用のトナー中にはキャリアが10質量%から30質量%含有されているとよい。また、ここでは二成分現像剤Dの使用に従い、逐次廃棄する構成としており、一定量以上の容量を超える二成分現像剤Dは逐次現像器1より廃棄されていく。
画像形成装置としては、例えば静電潜像担持体である感光体と、トナーと同極性のコロナ放電によって当該感光体の表面に一様な電位を与える帯電手段と、一様に帯電された感光体の表面上に画像データに基づいて像露光を行うことにより静電潜像を形成させる露光手段と、トナーを感光体の表面に搬送して前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成する上述のオートリファイニング現像方式の現像器と、当該トナー像を必要に応じて中間転写体を介して転写材に転写する転写手段と、転写材上のトナー像を定着させる定着手段を有するものを用いることができる。
このような構成を有する画像形成装置の中でも、複数の感光体に係る画像形成ユニットが中間転写体に沿って設けられた構成のカラー画像形成装置、特に、感光体が中間転写体上に直列配置させたタンデム型カラー画像形成装置に好適に用いることができる。
さらに、トナーは、静電潜像担持体の線速が100〜500mm/secの範囲内とされる高速機に好適に用いることができる。
<芯材1の作製>
MnO:35mol%、MgO:14.5mol%、Fe2O3:50mol%及びSrO:0.5mol%になるように原料を秤量し、水と混合した後、湿式のメディアミルで5時間粉砕してスラリーを得た。
得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、真球状の粒子を得た。空隙率ならびに連続空隙度を調整するために、MnO原料としては炭酸マンガンを、MgO原料としては水酸化マグネシウムを用いた。この粒子を粒度調整した後、950℃で2時間加熱し、仮焼成を行った。次いで、空隙率を高めにしつつ適度な流動性を得るために、直径0.3cmのステンレスビーズを用いて湿式ボールミルで1時間粉砕したのち、さらに直径0.5cmのジルコニアビーズを用いて4時間粉砕した。このスラリーに分散剤を適量添加し、又造粒される粒子の強度を確保し、空隙率ならびに連続空隙度を調整する目的で、バインダーとしてPVAを固形分に対して0.8質量%添加した。次いで、スプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電気炉にて、温度1150℃、酸素濃度0体積%で3.5時間保持し、本焼成を行った。
その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、多孔質な芯材1を得た。
芯材1の作製で用いた炭酸マンガンの代わりに二酸化マンガンを用い、添加するバインダーの量を0.5質量%にし、電気炉にて、温度1200℃、酸素濃度1.5体積%で6時間保持し、本焼成を行った以外は、芯材1の作製と同様にして、多孔質な「芯材2」を作製した。
芯材1の作製で用いた炭酸マンガンの代わりに四酸化三マンガンを用い、電気炉にて、温度1125℃、酸素濃度0.5体積%で4時間保持し、本焼成を行った以外は、芯材3の作製と同様にして、多孔質な「芯材3」を作製した。
直径0.5cm径のジルコニアビーズに代えて、0.15mmのステンレスビーズを用い、添加する添加するバインダーの量を1.0質量%にし、電気炉にて、温度1100℃で本焼成を行った以外は、芯材1の作製と同様にして、多孔質な「芯材4」を作製した。
芯材1の作製の仮焼成温度を950℃から1100℃に変更、その後の粉砕時間を12時間、本焼成を1300℃にて2時間、酸素濃度2.5%で行った以外は、芯材1の作製と同様にして、多孔質な「芯材5」を作製した。
芯材1の作製の電気炉の温度条件を、1350℃にて6時間保持し、本焼成を行った以外は、芯材1の作製と同様にして、多孔質ではない「芯材6」を作製した。
「芯材粒子1」をボールミルを用いて粉砕し、粉砕時間を調整し、0.05μm、0.1μm、0.3μm、1μm、1.2μmのフェライト粒子を作製した。
<キャリア1の作製>
「芯材粒子1」100質量部と、芯材粒子1を微粉砕した上記フェライト粒子(0.3μm)0.4質量部、メタクリル酸シクロヘキシルとメタクリル酸メチル共重合体(共重合比1:1)よりなる被覆用微粒子(重量平均分子量:40万、ガラス転移点:115℃、粒径(D50):100nm)5質量部とからなるキャリア原料を「撹拌羽根付高速撹拌混合機」に投入し、予備混合工程として、周速1m/secで2分間低速混合・撹拌した。その後、キャリア中間体形成工程として、ジャケットに冷水を通過させ、40℃にて周速8m/secで20分間混合・撹拌し、キャリア中間体を形成した。その後、キャリア粒子形成工程として、ジャケットに蒸気を通過させ、キャリア中間体を120℃にて周速8m/secで30分間撹拌してキャリア粒子よりなる「キャリア1」を作製した。キャリアの粒子径は35μm、樹脂被覆層の膜厚は、1.0μmであった。尚、樹脂被覆層の膜厚は前記の方法により測定して得られた値である。
「芯材1」を用い、下記表1に示すようにフェライト粒子の粒子径と添加部数を変え、キャリア1と同様の方法で、キャリア2〜6を得た。
「芯材2〜6」を用い、キャリア1と同様の方法で、キャリア7〜11を得た。
「芯材1」を用い、マグネタイト BL−10(チタン工業社製)を用いて、キャリア1と同様の方法で、キャリア12を得た。
「芯材1」を用い、カーボンブラック MOGUL L(CABOT社製)を用いて、キャリア1と同様の方法で、キャリア13を得た。
「芯材1」を用い、フェライト粒子を添加せずに、キャリア1と同様の方法で、キャリア14を得た。
「芯材1」を用い、下記表1に示すようにフェライト粒子の粒子径と添加部数を変え、キャリア1と同様の方法で、キャリア15〜16を得た。
「bizhub C360」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)で使用している「シアントナー」を準備した。
前述した「キャリア1〜16」とトナーを下記の様に配合して二成分現像剤1〜16を作製した。二成分現像剤の作製は、配合比をキャリア100質量部に対してトナーの量を表2の通りにし、常温常湿(温度20℃、相対湿度50%RH)環境下で、Vブレンダを用いてトナーとキャリアを混合することにより行った。Vブレンダの回転数を20rpm、撹拌時間を20分にして処理を行い、さらに、混合物を目開き125μmのメッシュで篩い分けて作製した。
上記で作製した現像剤を下記の画像評価装置に順次装填し、プリントを行い以下の評価を行った。
画像評価装置としては、デジタルカラー複合機「bizhub C360」改造機(コニカミノルタビジネステクノロジーズ製)を用いた。
プリントは、上記で作製したトナーと現像剤を順番に装填し、20℃、50%RHの環境で20万枚行った。尚、プリントは、画素率が1%の画像(文字画像が7%、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像)を用い、A4判上質紙(64g/m2)に行った。尚、評価は◎、○を合格とする。
初期と20万枚プリント終了後、画素濃度が1.30のソリッド画像(20mm×50mm)を形成し、下記式により転写率を求めて、評価を行った。
転写率(%)=(転写材に転写されたトナーの質量/感光体上に現像されたトナーの質量)×100
尚、転写率は、85%以上を合格とする。
キャリア付着は、常温常湿(20℃、50%RH)のプリント環境で、印字率5%の文字画像を20万枚プリント終了後、ベタ画像(50mm×50mm)のプリントを行い、ベタ画像上に付着したキャリア粒子の個数を、拡大鏡を使用して目視により評価した。尚、キャリア付着は、10個以下を合格とする。
プリント初期時に、画像濃度0.5のべたハーフトーン画像のプリント方向後部に画像濃度1.2〜1.3のベタ画像が存在する画像をプリントし、べた画像との境界付近のハーフトーン画像に白抜けが発生するかどうかを評価した。
◎:白抜けなし
○:白抜けはしていないが濃度が若干薄くなっている
×:白抜け発生
初期と20万枚印刷後において、ベタ画像の印刷を行い、画像むら(ゴースト)の発生の有無を下記価基準により行った。
なお、ゴーストとは、現像スリーブ上の現像剤の入れ替え不良により、画像濃度が徐々低下する現象をいう。
《評価基準》
◎:ベタ画像に濃度むら発生なし
○:ベタ画像に軽微な濃度むらが発生している(実用上問題ないレベル)
×:ベタ画像に濃度むらが発生している(実用上問題となるレベル)。
20万枚印刷後において、ベタ画像の印刷を行い、画像汚染の発生の有無を下記価基準により行った。
《評価基準》
◎:画像に汚染なし
○:画像にわずかに黒い斑点が見られる(実用上問題ないレベル)
×:画像にあきらかに黒い斑点が見られる(実用上問題となるレベル)。
210 細孔
220 樹脂被覆層
230 フェライト粒子
Claims (5)
- 結着樹脂を含むトナーと、多孔質フェライト芯材粒子の表面に樹脂被覆層が被覆されてなるキャリア粒子と、を含有する二成分現像剤であって、
前記樹脂被覆層がフェライト粒子を含み、
前記フェライト粒子の平均粒径が0.1〜1.0μmの範囲内であることを特徴とする二成分現像剤。 - 前記キャリア粒子の嵩密度が1.1〜2.0g/cm3の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の二成分現像剤。
- 前記フェライト粒子が前記多孔質フェライト芯材粒子に対して、0.01〜1質量部の範囲内で含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の二成分現像剤。
- 前記キャリア粒子の前記樹脂被覆層が、乾式コート法を用いて作製された層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の二成分現像剤を用いて、トナー補給と同時に新しいキャリアを補給する現像方式で現像することを特徴とする現像方法。
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