JP6061603B2 - 磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤 - Google Patents

磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法及び静電記録法に用いられる現像剤に含有される磁性キャリア及び磁性キャリアとトナーを有する二成分現像剤並びに補給用現像剤に関するものである。
本発明は、電子写真法及び静電記録法に用いられる現像剤に含有される磁性キャリア、及びこの磁性キャリアとトナーとを有する二成分系現像剤、補給用現像剤に関する。
電子写真法において静電荷像を現像する工程は、帯電させたトナー粒子を静電荷像の静電相互作用を利用して静電荷像上に付着させて画像形成を行うものである。静電荷像を現像するための現像剤には、磁性体を樹脂中に分散してなる磁性トナーを用いる一成分系現像剤と、非磁性トナーを磁性キャリアと混合して用いる二成分系現像剤とがある。特に高画質を要求されるフルカラー複写機又はフルカラープリンタ等のフルカラー画像形成装置では、後者が好適に用いられている。
二成分系現像剤に用いられる磁性キャリアとしては、キャリアの帯電性や耐久性向上などの目的で、フェライト粒子や磁性体分散型樹脂コア、多孔質磁性コア表面に樹脂をコートしたコートキャリアが用いられている。
例えば、多孔質磁性コアを使用し、キャリアコアの比重低減から耐久性を向上させる提案(特許文献1、2)がある。これによりトナー構成成分の付着が抑制されることで二成分現像剤の長寿命化を図ることができる。しかし被覆成分の割れや、キャリアコアからの剥がれに対してはまだ不十分であり、二成分系現像剤の更なる長寿命化には改善の余地がある。
一方、キャリアの被覆成分に関する提案としては、例えば多孔性コアの表面に、コアの表面の少なくとも一部を露出するように被覆された第1の被覆層と、第1の被覆層よりも帯電付与性の高い被覆層を形成し、帯電特性を向上させる提案がある(特許文献3)。これにより、帯電特性は向上するが、高速で印字頻度が非常に高い画像形成装置においては、二成分系現像剤の交換頻度が高くなる場合がある。
また特定のモノマーとメタクリル酸メチルモノマーとの共重合体を被覆し、水に対する接触角が95°以上であるキャリアの提案(特許文献4)がある。このような被覆樹脂を用いることで、帯電安定性が図れ、離型性を向上させることができ、耐久安定性にも優れている。しかし、コア材の種類によってはコアと被覆樹脂の密着性が不安定であり、改善の余地がある。
さらに架橋樹脂粒子含有被覆層を形成したキャリアにより、耐摩耗性を高める提案(特許文献5)がある。これにより耐摩耗性が向上し、二成分系現像剤の長寿命化は大きく改善されている。しかしキャリアコアと密着性に関してさらに改良の余地があり、これらの問題を解決した磁性キャリア、及びこの磁性キャリアを使用した二成分系現像剤、補給用現像剤が待望されることとなった。
特開2009−25600号公報 特開平8−76482号公報 特開2003−131436号公報 特開2007−279588号公報 特開2009−192959号公報
本発明の目的は、前記の課題を解決した磁性キャリア、前記磁性キャリアを用いた二成分系現像剤及び補給用現像剤を提供することにある。具体的には、被覆樹脂のキャリアコア表面に対する密着性を向上し、樹脂被覆層の剥れや欠け、削れを抑制することで現像剤の長寿命化を図る。そして、長期に亘って安定した帯電性と優れた画像品質を得ることができる磁性キャリア、前記磁性キャリアを用いた二成分系現像剤及び補給用現像剤を提供することにある。
本発明は、キャリアコア表面に、樹脂組成物で形成される樹脂被覆層を有する磁性キャ
リアであって、
前記樹脂組成物は、
i)温度90℃から150℃において、貯蔵弾性率G’(以下G’)が1.0×10
4(Pa)以上1.0×108(Pa)以下、損失弾性率G”(以下G”)が1.0×10
3(Pa)以上5.0×107(Pa)以下であり、
ii)(G”/G’)で示される損失正接tanδ(以下tanδ)が、90℃以上
150℃以下の範囲に極大を有し、
iii)前記極大時の損失正接tanδの常用対数(log(tanδ))(以下l
og(tanδ))をPとした時、P−0.15となるlog(tanδ)の低温側の温
度をTl(℃)、高温側の温度をTh(℃)としたとき、下記式
30≦Th−Tl≦60(℃)
を満た
前記樹脂組成物が、
下記式(A1)で表される鎖式モノマーと、
下記式(A2)で表される脂環式モノマーと
の共重合体を含有することを特徴とする磁性キャリア及びトナーを含む二成分現像剤及び補給用現像剤に関する。
Figure 0006061603
[前記式(A1)中、R 1 は炭素数22以下の炭化水素基を示す。]
Figure 0006061603
[前記式(A2)中、R 2 は炭素数5以上10以下の脂環炭化水素基を示す。]
本発明の磁性キャリアを用いることによって、キャリアコアに対する樹脂被覆層の密着性が向上し、樹脂被覆層の剥れ、割れ、削れを抑制し、トナー粒子や外添剤によるキャリア汚染を防ぐことで現像剤の長寿命化を図ることが可能となり、長期に亘り高画質を維持することができる。特にハーフトーン画像とソリッド画像の境界におけるエッジ部の現像阻害(以下、白抜け)、トナー飛散、カブリ、キャリア付着、ハーフトーン現像性に優れた画像品質を安定して得ることができる。
樹脂組成物のlog(tanδ)を示した概略図である。 画像形成装置の概略構成図である。 フルカラー画像形成装置の概略構成図である。 磁性キャリア、キャリアコアの比抵抗値を測定する装置の概略構成図である。 実施例1及び比較例3で用いた樹脂組成物のlog(tanδ)の推移を示した図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<磁性キャリア>
(被覆樹脂)
磁性キャリアコア表面を被覆する樹脂被覆層について説明する。
本発明において磁性キャリアコアの表面を被覆するために用いられる被覆樹脂は、
i)樹脂組成物の温度90℃から150℃において、G’が1.0×104(Pa)以上1.0×108(Pa)以下、損失弾性率G”が1.0×103(Pa)以上5.0×107(Pa)以下であり、
ii)tanδが、90℃以上150℃以下の範囲に極大を有し、
iii)前記極大時のlog(tanδ)をPとした時、P−0.15となるlog(tanδ)の低温側の温度をTl(℃)、高温側の温度をTh(℃)としたとき、下記式を満たすことを特徴とする。
30≦Th−Tl≦60(℃) (式1)
図1は、横軸を温度(℃)とした際の樹脂組成物のlog(tanδ)を示した概略図である。log(tanδ)は90℃以上150℃以下の範囲内に極大値Pを有し、Tp(℃)はlog(tanδ)が極大となる温度を示す。また、Th(℃)はlog(tanδ)がP−0.15となる高温側の温度を示し、Tl(℃)はlog(tanδ)がP−0.15となる低温側の温度を示す。
前記樹脂組成物の温度90℃から150℃におけるG’が1.0×104(Pa)より小さい場合、あるいは樹脂組成物の温度90℃から150℃におけるG”が1.0×103(Pa)より小さい場合には、キャリアコア表面へ被覆した際に、キャリアコアに対する膜厚の均一被覆性が低下する。このようなキャリアは帯電付与能にバラつきがあり、トナーの補給が多量になされるような画像を多量に出力するような状況においては、現像器内にトナーの低帯電量成分が増加し、帯電量分布がブロードになる。その結果、トナーの帯電量低下も顕著になり、ハーフトーン現像性やカブリ悪化、トナー飛散による画像形成装置の汚染を招く。
前記樹脂組成物の温度90℃から150℃におけるG’が1.0×108(Pa)より大きい場合、あるいは樹脂組成物の温度90℃から150℃におけるG”が5.0×107(Pa)より大きい場合には、被覆時にキャリアコア表面への密着性は高まるが、キャリアの合一粒子が増え、体積平均粒径(D50)が大きくなる。その為、キャリアの比表面積が小さくなり、帯電付与能が低下し、画像濃度が安定せずカブリやトナー飛散性を悪化させる。
前記樹脂組成物のtanδが極大となる温度(Tp)が、90℃未満である場合、キャリアコア表面へ被覆した際に、キャリアコアに対する膜厚の均一被覆性が低下する。このようなキャリアは帯電付与能にバラつきがあり、トナーの補給が多量になされるような画像を多量に出力するような状況においては、現像器内にトナーの低帯電量成分が増加し、帯電量分布がブロードになる。その結果、トナーの帯電量低下も顕著になり、ハーフトーン現像性やカブリ悪化、トナー飛散による画像形成装置の汚染を招く。
また、前記樹脂組成物のtanδが極大となる温度(Tp)が150℃を超える場合、被覆時にキャリアコア表面への密着性は高まるが、キャリアの合一粒子が増え、体積平均粒径(D50)が大きくなる。その結果、キャリアの比表面積が小さくなり、帯電付与能が低下し、画像濃度が安定せずカブリやトナー飛散性を悪化させる。
前記樹脂組成物の極大となるlog(tanδ)をP、P−0.15となるlog(tanδ)の低温側の温度をTl(℃)、高温側の温度をTh(℃)としたとき、式(1)を満たす場合においてキャリアコアに対する被覆樹脂の密着性と均一性が高まる。その結果、被覆樹脂の剥れが抑制され、長期使用時や高印字出力時の帯電付与能低下によるトナー飛散やカブリが無い良好な画像が得られる。上記効果をより得る為に、好ましくはTh−Tl(℃)が35℃以上50℃以下である。
Th−Tl(℃)が30℃より小さい場合には、樹脂組成物の結晶化が進み、樹脂被覆層の靭性が低下する。その結果、前記樹脂被覆層が、現像器の撹拌部材等から受ける負荷により割れ、欠け及び削れを引き起こす。このようなキャリアは帯電付与能が低いため、特に高温高湿環境において著しい帯電量低下を招く。また被覆が欠落した部分にトナー構成成分が付着し、キャリアとトナーの帯電極性が近づきキャリア付着が発生する。
Th−Tl(℃)が60℃より大きい場合には、樹脂組成物の付着力が増大する。その結果、キャリア被覆工程において装置への樹脂の付着性が増大し、安定した生産に支障を来たす。
本発明の樹脂組成物は、少なくとも下記式(A1)で表される鎖式モノマーから選択さ
れた1種又は2種以上のモノマーと、下記式(A2)で表される脂環式モノマーから選択
された1種又は2種以上のモノマーとの共重合体を含有する必要がある
Figure 0006061603
[式中、R1は炭素数22以下の炭化水素基を示す。]
Figure 0006061603
[式中、R2は炭素数4以上10以下の脂環式炭化水素基を示す。]
式(A1)で示される構造を有するモノマーを共重合成分として用いることで、得られる樹脂の表層部分が適度に結晶成長し、トナーとの離型性が付与される。そして、トナーへの素早い帯電付与が可能となり、キャリアコア表面に対するトナー構成成分の付着を軽減することができ、高現像性を得ることができる。また、R1が炭素数22以下の炭化水素基であるとキャリアコアとの親和性が高まり、樹脂被覆層の厚みを均一にできる。その結果、高温高湿環境下での高印字出力時においてもトナーの帯電量分布のブロード化を抑制し、カブリが無く安定した画像濃度を維持することができる為、好ましい。また式(A2)で示される脂環式モノマーを共重合成分として用いることで、キャリアコアと樹脂被覆層との密着性を高めることができ、樹脂被覆層の靭性、耐摩耗性を高めることができる。また、後述する微粒子を添加しても樹脂被覆層から脱離し難くなる。
本発明の樹脂組成物は、少なくともマクロモノマーと他のモノマーとを共重合することにより得られた樹脂を少なくとも含有し、該マクロモノマーは、少なくともアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上のモノマーを重合することにより得られたマクロモノマーであることが好ましい。
マクロモノマーを共重合成分として用いることで、キャリアコアと樹脂被覆層との密着性を高めることができ、樹脂被覆層の靭性、耐摩耗性を高めることができる。また、被覆材にカーボンブラック等の微粒子を添加しても脱離し難くなる。これらのアクリル系モノマーやマクロモノマーにおいて、メタクリル酸メチルモノマーは、トナーへの帯電付与能を高めることができ、また高温高湿環境下におけるトナー帯電量を上げることができる。その結果、トナー帯電量の環境変動を抑えることができるため、より好ましく使用できる。
本発明の樹脂組成物は、マクロモノマーを含有する2種以上のモノマーを共重合することにより得られた樹脂組成物であり、前記マクロモノマーの質量比率が全モノマーの質量比100に対し、50以上80以下であることが好ましい。質量比率がこの範囲にあることで、分子の絡み合いが強まりキャリアコアに対する被覆樹脂の密着性が向上する。その結果、現像器の撹拌部材等により負荷を受けても被覆が剥れることは無く、長期に亘り安定した帯電量付与能を維持し、良質な画像を出力することができる。
本発明の樹脂組成物は、固形分濃度35質量%の割合で質量比1:1のトルエン:メチルエチルケトン混合溶剤中に溶解させたときの25℃における溶液粘度が、250(mPa・s)以上700(mPa・s)以下であることが好ましい。前記粘度範囲であるとキャリア同士が合一すること無く、キャリアコアと被覆樹脂との密着性が向上する。また、厚みが均一な樹脂被覆層を形成することができる。この為、キャリアの帯電付与能が低下すること無く、画像濃度上昇やカブリやトナー飛散を抑制できる。
また、本発明の樹脂組成物は、マクロモノマーを含有する2種以上のモノマーを共重合することにより得られた樹脂組成物と、少なくとも1種以上のメタクリル酸エステルモノマーを重合することにより得られた樹脂組成物を混合させてもよい。これらの樹脂組成物の質量基準の混合割合は、マクロモノマーを含有する2種以上のモノマーを共重合することにより得られた樹脂組成物:メタクリル酸エステルモノマーを重合することにより得られた樹脂組成物=1:9乃至9:1が好ましく、8:2乃至5:5であることがより好ましい。
メタクリル酸エステルモノマーを混合することで、分子の絡み合いが強まりキャリアコアへの被覆樹脂の密着性が向上する。その結果、現像器の撹拌部材等により負荷を受けても被覆が剥れることは無く、長期に亘り安定した帯電量付与能を維持し、良質な画像を出力することができる。
本発明の樹脂被覆層は、被覆樹脂中に導電性微粒子を含有することが好ましい。導電性微粒子は、電子写真用キャリアの比抵抗を適宜コントロールすることができる。その結果、トナーが現像された後のカウンターチャージを逃がし、白抜けを抑制することができる。被覆樹脂に添加する導電性微粒子の含有量は、被覆樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。0.1質量部未満では導電性微粒子添加の効果が得られ難く、20質量部を超えると導電性微粒子の脱離による色味低下の懸念がある。導電性微粒子としては、例えばカーボンブラック、酸化チタン、銀などが挙げられる。
また、被覆樹脂中にはトナーへの帯電付与能を高める、離型性を向上させるといった目的で微粒子を含有させてもよい。樹脂被覆層に含まれる微粒子としては、有機材料および無機材料のいずれの微粒子であってもよいが、被覆する際に、微粒子の形状を保持することができる強度を有している架橋樹脂微粒子或いは無機微粒子が好ましい。架橋樹脂微粒子を形成する架橋樹脂としては、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂及びナイロン樹脂が挙げられる。また、無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア等が挙げられる。
樹脂被覆層における前記微粒子の含有量は、被覆樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
本発明を達成する為には、tanδを所望の値にできるかが鍵となる。
本発明の被覆樹脂はモノマーとマクロモノマーとの共重合体が主成分であり、tanδの値を調整する因子として、被覆樹脂の分子量分布や構造、使用するモノマーやマクロモノマーの種類や比率が挙げられる。例えばモノマーやマクロモノマーの種類を固定し、分子量分布も同等であった場合、モノマーで構成される主鎖に対するマクロモノマーで構成される側鎖の比率が大きいほどG’、G”は大きくなる。また、モノマーやマクロモノマーの種類と比率を固定し、主鎖に対する側鎖のマクロモノマー単体の重量平均分子量を大きくした場合、G’は小さくなり、G”は大きくなる。
この傾向を踏まえながらG’、とG”をコントロールし、tanδを所望の値に調整することができる。しかし、主鎖に対する側鎖の分子量を極端に大きくすると、キャリアコア表面への密着性は高まるが、合一した磁性キャリアが増え、トナーとの接触面積が減少し帯電量の著しい低下を招くことが懸念される。その為、離型性も考慮した上でのモノマーやマクロモノマーを選択する必要がある。
また、モノマーとマクロモノマーとの共重合体を主成分とする樹脂組成物に、メタクリル酸エステルモノマーを重合することにより得られた樹脂組成物を混合した場合も、tanδを調製することができる。
前記式(A1)に使用するモノマーとしては、例えば以下のものが挙げられる。メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル3−(トリメトキシシリル)プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸テトラデシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘプタデシル及びメタクリル酸オクタデシル。これらのモノマーから1種又は2種以上を選択することが好ましい。
前記式(A2)に使用するモノマーとしては、例えば以下のものが挙げられる。
メタクリル酸シクロブチル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ジシクロペンテニル及びメタクリル酸ジシクロペンタニル。これらのモノマーから1種又は2種以上を選択することが好ましい。
更に、本発明の樹脂組成物は、共重合体の構成成分として、前記式(A1)、(A2)以外に、その他のモノマーも併用することもできる。その他のモノマーとしては、公知のモノマーが用いられるが、例えば次のようなものが挙げられる。アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸テトラデシル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸ヘプタデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロブチル、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ジシクロペンテニル、アクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸イソボルニル、スチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルメチルケトン等が挙げられる。これらのモノマーから1種又は2種以上を選択してもよい。
本発明で用いられるマクロモノマーとしては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0006061603
(式中、Aはアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルからなるグループより選ばれる1種又は2種以上の化合物を重合成分とする重合体を示し、R3はH又はCH3を示す。)
また、メタクリル酸エステルモノマーとしては、例えば以下のものが挙げられる。メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸n−ブチル。
(キャリアコア)
本発明の磁性キャリアコアは、マグネタイト粒子、フェライト粒子、磁性体分散型樹脂粒子等の公知の磁性粒子を用いることができる。中でも多孔質形状の磁性粒子の空孔に樹脂を充填して得られる磁性粒子もしくは磁性体分散型樹脂粒子、すなわち磁性酸化物と樹脂組成物を含有する磁性粒子は、磁性キャリアの比重を小さくすることができる為、長寿命化の観点から好ましい。
磁性キャリアの比重を下げることは、例えば現像器内の現像剤状態にあるトナーに対する負荷が軽減し、磁性キャリア表面にトナー構成成分の付着を防ぐことができ、キャリア同士の負荷も軽減され、樹脂被覆層の剥れ、欠け、削れの抑制に繋がる。またドット再現性を改善することができ、高精細な画像を得ることができるようになる。
なお、多孔質形状の磁性粒子の空孔に含有させる樹脂としては、被覆樹脂として使用する共重合体樹脂を用いることもできるが、これに限らず、公知の樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、被覆樹脂として用いる共重合体が好ましいが、それ以外にも例えば、以下のものが挙げられる。ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフルオロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフルオロカーボン樹脂、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、ノボラック樹脂、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートといった芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂。
熱硬化性樹脂としては、例えば、以下のものが挙げられる。フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、無水マレイン酸とテレフタル酸と多価アルコールとの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂。
多孔質形状を有するフェライト粒子の空隙に樹脂成分を充填する方法としては、樹脂成分を溶剤に希釈し、その希釈液中に多孔質磁性コア粒子に添加する方法が挙げられる。ここに用いられる溶剤は、各樹脂成分を溶解できるものであればよい。有機溶剤に可溶な樹脂である場合は、トルエン、キシレン、セルソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノールの如き有機溶剤を用いればよい。また、水溶性の樹脂成分又はエマルジョンタイプの樹脂成分である場合には、水を用いればよい。前記多孔質磁性コア粒子内部に、溶剤で希釈された樹脂成分を添加させる方法としては、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、流動床、及び混練法の如き塗布方法により樹脂成分を含浸させ、その後、溶剤を揮発させる方法が挙げられる。熱硬化性樹脂を充填する場合には、前記溶剤を揮発させた後、用いる樹脂の硬化する温度まで温度を上げて、硬化反応をさせる。
一方、磁性体分散型樹脂粒子の具体的な製造方法としては、以下の方法が挙げられる。例えば、鉄粉、マグネタイト粒子、フェライト粒子の如きサブミクロンの磁性体を熱可塑性樹脂中に分散させるように混練し、所望のキャリア粒径まで粉砕し、必要に応じて熱的または機械的な球形化処理を施して得ることができる。また、上記磁性体をモノマー中に分散させ、モノマーを重合して樹脂を形成することにより製造することも可能である。
この場合の樹脂としては、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂及びポリエーテル樹脂の如き樹脂が挙げられる。樹脂は、一種であっても、二種以上の混合樹脂であってもよい。特に、フェノール樹脂は、キャリアコアの強度を高めるという点で好ましい。真密度や比抵抗の調整は、磁性体の量を調整することによって行うことができる。具体的には、磁性体粒子の場合、キャリアに対して70質量%以上95質量%以下添加することが好ましい。
キャリアコアは、体積平均粒径(D50)が20μm以上80μm以下であることが被覆樹脂を均一に被覆でき、キャリア付着防止及び高画質画像を得るための現像剤磁気ブラシの密度を適度にする上で好ましい。
キャリアコアの比抵抗は、電界強度1000(V/cm)における比抵抗値が1.0×105(Ω・cm)以上1.0×1014(Ω・cm)以下であると良好な現像性が得られるようになる為、好ましい。
キャリコア表面への前記樹脂組成物の被覆処理の方法については、特に制限されず、公知の方法で行うことができる。例えば、キャリアコアと被覆樹脂溶液を撹拌しながら溶剤を揮発させ、キャリアコア表面に被覆樹脂を被覆する所謂浸漬法がある。具体的には、万能混合撹拌機(不二パウダル社製)、ナウターミキサ(ホソカワミクロン社製)等が挙げられる。また、流動層を形成しながらスプレーノズルから被覆樹脂溶液を吹きつけ、キャリアコア表面に被覆樹脂を被覆する方法もある。具体的には、スピラコーター(岡田精工社製)、スパイラフロー(フロイント産業社製)が挙げられる。また、被覆樹脂を粒子の状態で磁性キャリアコアに対して、乾式で被覆を行う方法もある。具体的には、ハイブリダイザー(奈良機械製作所社製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)、ハイフレックスグラル(深江パウテック製)、シータ・コンポーザ(徳寿工作所社製)等の装置を用いた処理方法を挙げることができる。
次に、磁性キャリアについて説明する。
磁性キャリアは、磁化の強さが、5000/4π(kA/m)の磁界下で、40(Am2/kg)以上70(Am2/kg)以下であることが好ましい。磁性キャリアの磁化の強さが上記の範囲内にある場合には、現像スリーブへの磁気的拘束力が適度であるため、キャリア付着の発生をより良好に抑制できる。また、磁気ブラシ中でトナーに与えられるストレスを低減することができるため、トナーの劣化や他の部材に対する付着を良好に抑制できる。
また、磁性キャリアの磁化の強さは、含有される樹脂量で適宜調整することができる。
磁性キャリアの残留磁化は20.0(Am2/kg)以下であることが好ましく、10.0(Am2/kg)以下であることがより好ましい。磁性キャリアの残留磁化が上記の範囲内である場合には、現像剤として特に良好な流動性が得られ、良好なドット再現性が得られる。
磁性キャリアは、真密度が2.5(g/cm3)以上5.5(g/cm3)以下であることが好ましく、3.0(g/cm3)以上5.0(g/cm3)以下であることがより好ましい。この範囲の真密度を有する磁性キャリアを含む二成分系現像剤は、トナーへかかる負荷が少なく、磁性キャリアへのトナー構成成分の付着が抑制される。また、低電界強度における良好な現像性とキャリア付着の防止を両立させるためにもこの範囲の真密度が磁性キャリアにとって好ましい。
磁性キャリアは、体積平均粒径(D50)が21μm以上81μm以下であることが、トナーへの帯電付与能と画像領域へのキャリア付着の抑制と高画質化の観点から好ましい。より好ましくは、25μm以上60μmである。
<トナー>
次に、本発明で使用されるトナーについて説明する。
トナーは、重量平均粒径(D4)が4.0μm以上10.0μm以下であることが高画質及び耐久性を両立するために好ましい。重量平均粒径(D4)が上記の範囲内にある場合には、トナーの流動性が良好であり、十分な帯電量を得やすく、また、良好な解像度を得やすい。
トナーは、結着樹脂と着色剤を含有するトナー粒子を有するものが用いられる。
トナー粒子に含有される結着樹脂としては、例えば、以下のものが挙げられる。ポリエステル、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体の重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂;脂肪族多価アルコール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール類及びジフェノール類から選択される単量体を構造単位として有するポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂。
トナーは、粉砕法で製造されたものであっても、懸濁重合法や乳化凝集法といった水系媒質中でトナー粒子を製造する方法で得られたものであってもよい。
懸濁重合法を行う際に用いることのできる重合性単量体としては、例えば、以下のものが挙げられる。スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、エチレン不飽和モノオレフィレン類のモノマー、ビニルエステル類のモノマー、ビニルエーテル類のモノマー、ビニルケトン類のモノマー、N−ビニル化合物のモノマー、その他のビニルモノマー。
本発明のトナーは、離型剤を含有しても良い。例えば以下のものが使用可能である。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物、カルナバワックス、モンタン酸エステルワックス、ベヘン酸ベヘニルの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して1質量部以上15質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。離型剤の含有量が上記範囲内であると、良好な離型性が得られるとともに磁性キャリアへの汚染性も抑制できる。
また、トナーは荷電制御剤を含有していてもよい。荷電制御剤としては、例えば、有機金属錯体、金属塩、及びキレート化合物が挙げられる。有機金属錯体としては、例えば、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体が挙げられる。その他には、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、エステル類の如きカルボン酸誘導体や芳香族系化合物の縮合体も挙げられる。また、ビスフェノール類、カリックスアレーンの如きフェノール誘導体も荷電制御剤として用いることができる。トナーの帯電立ち上がりを良好にする点から、中でも芳香族カルボン酸の金属化合物が、トナーの帯電の立ち上がりが良好になるという点で好ましい。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、0.2質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。荷電制御剤を上記の範囲内で用いた場合には、高温高湿から低温低湿までの環境において安定した摩擦帯電を行うことができる。
トナーに含有される着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;磁性体;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。
着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207.209、238;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料。
シアントナー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1個以上5個以下で置換した銅フタロシアニン顔料。
イエロー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロー用着色染料としては、C.I.ソルベントイエロー162が挙げられる。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以上20質量部以下であり、最も好ましくは3質量部以上15質量部以下である。
トナーには、トナーとキャリアとの離型性を高めるためのスペーサー粒子として、個数分布基準の最大ピーク粒径80nm以上200nm以下のシリカ粒子が外添されることが好ましい。スペーサー粒子として機能させつつ、トナーからの脱離をより良好に抑制するためには、100nm以上150nm以下であることがより好ましい。
また、トナーの流動性を改善させるためには、個数分布基準の最大ピーク粒径が20nm以上50nm以下の無機微粒子を含有させることが好ましく、両者を併用することも好ましい形態である。
更に、流動性や転写性の向上を狙って、トナー粒子にその他の外添剤が添加されていてもよい。トナー粒子表面に外添される外添剤は、酸化チタン、酸化アルミナ、シリカの如き無機微粒子を含むことが好ましく、複数の種類を併用しても良い。
前記外添剤の総含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.3質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.8質量部以上4.0質量部以下であることがより好ましい。その中で個数分布基準の最大ピーク粒径80nm以上200nm以下のシリカ粒子の含有量は、0.1質量部以上2.5質量部以下、より好ましくは、0.5質量部以上2.0質量部以下である。この範囲内であれば、スペーサー粒子として効果がより顕著となる。
また、外添剤として用いられるシリカ粒子や無機微粒子の表面は、疎水化処理をされていることが好ましい。疎水化処理は、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤の如きカップリング剤;脂肪酸及びその金属塩;シリコーンオイル;またはそれらの組み合わせによってなされることが好ましい。
チタンカップリング剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート。
また、シランカップリング剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン。
脂肪酸としては、例えば、以下のものが挙げられる。ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸の如き長鎖脂肪酸。それらの脂肪酸金属塩の金属としては、例えば、亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムが挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルが挙げられる。
疎水化処理は、被処理粒子に対して1質量%以上30質量%以下(より好ましくは3質量%以上7質量%以下)の疎水化処理剤を被処理粒子に添加して、被処理粒子を被覆することにより行われることが好ましい。
疎水化処理された外添剤の疎水化の程度は特に限定されないが、例えば、処理後の疎水化度が40以上98以下であることが好ましい。疎水化度とは、試料のメタノールに対する濡れ性を示すものであり、疎水性の指標である。
<現像剤>
(二成分現像剤)
本発明では前記磁性キャリアとトナーを含有する二成分現像剤を用いることで、高画質の画像を得ることができる。本発明の二成分系現像剤においては、前記トナーと前記磁性キャリアの混合比率は磁性キャリア100質量部に対して、トナーは、2質量部以上20質量部以下の範囲で使用することが好ましく、4質量部以上、15質量部以下が特により好ましい。上記範囲とすることで、高画像濃度を維持しつつトナー飛散を低減することができる。
前記磁性キャリアとトナーを含有する二成分現像剤は、トナー及び磁性キャリアを含有する補給用現像剤且つ現像器内で過剰になった磁性キャリアを現像器から排出する二成分現像方法にも使用することができ、前記補給用現像剤として使用できる。
前記補給用現像剤は、現像剤の耐久性を高めるという観点から、前記磁性キャリア1質量部に対して前記トナーを2質量部以上50質量部以下の配合割合で含有させることが好ましい。
次に本発明の磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤を用いる現像装置を備えた画像形成装置について例を挙げて説明するが、本発明の現像方法に使用される現像装置はこれに限る物ではない。
<画像形成方法>
図2において、静電潜像担持体1は図中矢印方向に回転する。静電潜像担持体1は帯電手段である帯電器2により帯電され、帯電した静電潜像担持体1表面には、静電潜像形成手段である露光器3により露光させ、静電潜像を形成する。現像器4は、二成分系現像剤を収容する現像容器5を有し、現像剤担持体6は回転可能な状態で配置され、且つ、現像剤担持体6内部に磁界発生手段をしてマグネット7を内包している。マグネット7の少なくとも一つは潜像担持体に対して対向の位置になるように設置されている。二成分系現像剤は、マグネット7の磁界により現像剤担持体6上に保持され、規制部材8により、二成分系現像剤量が規制され、静電潜像担持体1と対向する現像部に搬送される。現像部においては、マグネット7の発生する磁界により磁気ブラシを形成する。その後、直流電界に交番電界を重畳してなる現像バイアスを印加することにより静電潜像はトナー像として可視像化される。静電潜像担持体1上に形成されたトナー像は、転写帯電器11によって記録媒体12に静電的に転写される。ここで、図3に示すように、静電潜像担持体1から中間転写体9に一旦転写し、その後、記録媒体12へ静電的に転写してもよい。その後記録媒体12は、定着器13に搬送され、ここで加熱、加圧されることにより、記録媒体12上にトナーが定着される。その後、記録媒体12は、出力画像として装置外へ排出される。尚、転写工程後、静電潜像担持体1上に残留したトナーは、クリーナー15により除去される。その後、クリーナー15により清掃された静電潜像担持体1は、前露光16からの光照射により電気的に初期化され、上記画像形成動作が繰り返される。
図3は、本発明の画像形成方法をフルカラー画像形成装置に適用した概略図の一例を示す。
図中のK、Y、C、Mなどの画像形成ユニットの並びや回転方向を示す矢印は何らこれに限定されるものではない。ちなみにKはブラック、Yはイエロー、Cはシアン、Mはマゼンタを意味している。図3において、静電潜像担持体1K、1Y、1C、1Mは図中矢印方向に回転する。各静電潜像担持体は帯電手段である帯電器2K、2Y、2C、2Mにより帯電され、帯電した各静電潜像担持体表面には、静電潜像形成手段である露光器3K、3Y、3C、3Mにより露光し、静電潜像を形成する。その後、現像手段である現像器4K、4Y、4C、4Mに具備される現像剤担持体6K、6Y、6C、6M上に担持された二成分系現像剤により静電潜像はトナー像として可視像化される。さらに転写手段である中間転写帯電器10K、10Y、10C、10Mにより中間転写体9に転写される。さらに転写手段である転写帯電器11により、記録媒体12に転写され、記録媒体12は、定着手段である定着器13により加熱圧力定着され、画像として出力される。そして、中間転写体9のクリーニング部材である中間転写体クリーナー14は、転写残トナーなどを回収する。本発明の現像方法としては、具体的には、現像剤担持体に交流電圧を印加して、現像領域に交番電界を形成しつつ、磁気ブラシが感光体に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)6と感光ドラムとの距離(S−D間距離)は、100μm以上1000μm以下であることが、キャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなる。1000μmを超えると磁極S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性が劣ったり、磁性コートキャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
交番電界のピーク間の電圧は300V以上3000V以下が好ましく、周波数は500Hz以上10000Hz以下、好ましくは1000以上7000Hz以下であり、それぞれプロセスにより適宜選択して用いることができる。この場合、交番電界を形成するための交流バイアスの波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形が挙げられる。ときにトナー像の形成速度の変化に対応するためには、非連続の交流バイアス電圧を有する現像バイアス電圧(断続的な交番重畳電圧)を現像剤担持体に印加して現像を行うことが好ましい。印加電圧が300Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。また、3000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、潜像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにも依るが200V以下、より好ましくは150V以下が良い。コントラスト電位としては、十分な画像濃度が出るように100V以上400V以下が好ましく用いられる。
また、周波数が500Hzより低いと、プロセススピードにも関係するが、静電潜像担感光体の構成としては、通常、画像形成装置に用いられる感光体と同じで良く、例えば、アルミニウム、SUS等の導電性基体の上に、順に導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、必要に応じて電荷注入層を設ける構成の感光体が挙げられる。
導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層は、通常、感光体に用いられるもので良い。
感光体の最表面層として、例えば電荷注入層あるいは保護層を用いてもよい。
上記磁性キャリア、キャリアコア及びトナーの各種物性の測定法について以下に説明する。
<被覆樹脂の貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”及び損失正接tanδの測定方法>
測定装置は、回転平板型レオメーター「ARES」(TA INSTRUMENTS社製)を用いる。
測定試料は、25℃の環境下で、錠剤成型器を用いて、直径7.9mm、厚さ2.0±0.3(mm)の円板状に加圧成型した試料を用いる。
前記試料をパラレルプレートに装着し、室温(25℃)から180℃に20分間で昇温して、試料の形を整えた後、粘弾性の測定開始温度である25℃まで冷却し、測定を開始する。この際、初期のノーマルフォースが0になるようにサンプルをセットすることが、重要である。また、以下に述べるように、その後の測定においては、自動テンション調整(Auto Tension Adjustment ON)にすることで、ノーマルフォースの影響をキャンセルできる。
測定は、以下の条件で行う。
(1)直径7.9mmのパラレルプレートを用いる。
(2)周波数(Frequency)1.0Hz
(3)印加歪初期値(Strain)を0.1%に設定する。
(4)25〜200℃の間を、昇温速度(Ramp Rate)2.0(℃/min)で測定を行う。尚、測定においては、以下の自動調整モードの設定条件で行う。自動歪み調整モード(Auto Strain)で測定を行う。
(5)最大歪(Max Applied Strain)を20.0%に設定する。
(6)最大トルク(Max Allowed Torque)200.0(g・cm)とし、最低トルク(Min Allowed Torque)0.2(g・cm)と設定する。
(7)歪み調整(Strain Adjustment)を20.0% of Current Strainと設定する。測定においては、自動テンション調整モード(Auto Tension)を採用する。
(8)自動テンションディレクション(Auto Tension Direction)をコンプレッション(Compression)と設定する。
(9)初期スタティックフォース(Initial Static Force)を10.0g、自動テンションセンシティビティ(Auto Tension Sensitivity)を40.0gと設定する。
(10)自動テンション(Auto Tension)の作動条件は、サンプルモデュラス(Sample Modulus)が1.0×103(Pa)以上である
<磁性キャリア、キャリアコアの比抵抗測定>
磁性キャリア及びキャリアコアの比抵抗は、図4に概略される測定装置を用いて測定する。なお、磁性キャリアは電界強度2000(V/cm)、キャリアコアは電界強度1000(V/cm)における比抵抗を測定する。
抵抗測定セルAは、断面積2.4cm2の穴の開いた円筒状容器(PTFE樹脂製)17、下部電極(ステンレス製)18、支持台座(PTFE樹脂製)19、上部電極(ステンレス製)20から構成される。支持台座19上に円筒状容器18を載せ、試料(磁性キャリア又はキャリアコア)21を厚さ約1mmになるように充填し、充填された試料5に上部電極20を載せ、試料の厚みを測定する。図4(a)に示す如く、試料のないときの間隙をd1とし、図4(b)に示す如く、厚さ約1mmになるように試料を充填したときの間隙d2とすると、試料の厚みdは下記式で算出される。
d=d2−d1(mm)
この時、試料の厚みdが0.95mm以上1.04mm以下となるように試料の質量を適宜変える。
電極間に直流電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって資料の比抵抗を求めることができる。測定には、エレクトロメーター22(ケスレー6517A ケスレー社製)及び制御用に処理コンピュータ23を用いる。
制御用の処理コンピュータにナショナルインスツルメンツ社製の制御系と制御ソフトウエア(LabVEIW ナショナルインスツルメンツ社製)を用いた。
測定条件として、試料と電極との接触面積S=2.4cm2、試料の厚み0.95mm以上1.04mm以下になるように実測した値dを入力する。また、上部電極の荷重270g、最大印加電圧1000Vとする。
比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm2)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
磁性キャリア及びキャリアコアの前記電界強度における比抵抗は、グラフ上の前記電界強度における比抵抗をグラフから読み取る。
<キャリアコアの磁化の強さの測定方法>
キャリアコアの磁化の強さは、振動磁場型磁気特性測定装置(Vibrating sample magnetometer)や直流磁化特性記録装置(B−Hトレーサー)で求めることが可能である。後述の実施例においては、振動磁場型磁気特性測定装置BHV−30(理研電子(株)製)で以下の手順で測定する。
円筒状のプラスチック容器にキャリアコアを十分に密に充填したものを試料とする。前記容器に充填した試料の実際の質量を測定する。その後、瞬間接着剤により試料が動かないようにプラスチック容器内の試料を接着する。
標準試料を用いて、5000/4π(kA/m)での外部磁場軸及び磁化モーメント軸の校正を行う。
スイープ速度5(min/roop)とし、5000/4π(kA/m)の外部磁場を印加した磁化モーメントのループから磁化の強さを測定した。これらより、試料重さで除して、キャリアコアの磁化の強さ(Am2/kg)を求める。
<磁性キャリア、キャリアコアの体積平均粒径(D50)の測定方法>
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
磁性キャリア、キャリアコアの体積平均粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33(l/sec)、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積平均の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。測定条件は下記の通りである。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81%
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :23℃、50%RH
<磁性キャリア、キャリアコアの見かけ密度の測定方法>
JIS−Z2504(金属粉の見かけ密度試験方法)に準じ、金属粉に代えて磁性キャリア、キャリアコアを用いることにより、磁性キャリア、キャリアコアの見かけ密度を求める。
<磁性キャリア、キャリアコアの真密度の測定方法>
磁性キャリア、キャリアコアの真密度は、乾式自動密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定する。まず、23℃、50%RHの環境に24時間放置したサンプル試料を5g精秤し、測定用セル(10cm3)に入れ、本体試料室に挿入する。測定は、試料サンプル質量を本体に入力し測定をスタートさせることにより自動測定できる。
自動測定の測定条件は、20.000psig(2.392×102kPa)で調整されたヘリウムガスを用いる。試料室内に10回パージした後、試料室内の圧力変化が0.005(psig/min)(3.447×10-2kPa/min)になる状態を平衡状態とし、平衡状態になるまで繰り返しヘリウムガスをパージする。平衡状態の時の本体試料室の圧力を測定する。その平衡状態に達した時の圧力変化により試料サンプル体積が算出できる(ボイルの法則)。
試料サンプル体積が算出できることにより、以下の式で試料サンプルの真密度が計算できる。
試料サンプルの真密度(g/cm3)=試料サンプル質量(g)/試料サンプル体積(cm3
この自動測定により5回繰り返し測定した値の平均値をキャリアコアの真比重(g/cm3)とする。
<樹脂組成物の溶液粘度の測定方法>
樹脂組成物の溶液粘度はJIS K5101−10.2(3)に準じた測定方法で行い、具体的には液温が25℃に調整された試料を、B型粘度計の3号または4号ローターを用いて、5rpmで60秒、6rpmで60秒、20rpmで60秒、60rpm 60秒の前処理を行った後、60rpmで60秒経過時点に測定した値を代表粘度とする。
<被覆樹脂及びトナーの結着樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法>
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。試料としては、被覆樹脂、または、トナーを用いる。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム :Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0(ml/min)
オーブン温度 :40.0℃
試料注入量 :0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)で作成した分子量校正曲線を使用する。
<二成分現像剤から磁性キャリアを分離する方法>
二成分現像剤10gをビーカーに入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を200ml加える。そして、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製)を用いて2分間分散処理を行った。その後、キャリアコアが流れないように、磁性キャリアを磁石で固定しながら、上澄み液を取り除く。この操作を5回以上繰り返し、その後、80℃で窒素フローしている乾燥機に入れて24時間乾燥させ、磁性キャリアを得る。
<磁性キャリアの被覆樹脂量を測定する方法>
磁性キャリア10gをトルエン50mlが入ったビーカーに入れる。そして、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製)を用いて2分間分散処理を行う。その後、キャリアコアが流れないように、キャリアコアを磁石で固定しながら、上澄み液を取り除く。この操作を5回以上繰り返し、その後、80℃で窒素フローしている乾燥機に入れて24時間乾燥させ、キャリアコアを得る。前記キャリアコアの質量と磁性キャリアの質量の差分から被覆樹脂量を算出する。
<トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24(回転/sec)にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力が120Wである超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を使用する。水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以下、実施例を参照して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
<被覆樹脂用共重合体1乃至14の製造例>
表1で示されるモノマーと、式(1)で示されるような一方の末端にエチレン性不飽和基(メタクリロイル基)を有し、式中Xが表1で示されるモノマーを重合することにより得られたマクロモノマーとを、還流冷却器、温度計、窒素吸い込み管、及びすり合わせ方式撹拌装置を有する四つ口フラスコに加えた。さらにトルエン100質量部、メチルエチルケトン100質量部、及びアゾビスイソバレロニトリル2.0質量部を加えた。得られた混合物を、窒素気流下70℃で10時間保持し、重合反応終了後、洗浄を繰り返し、グラフト共重合体溶液(固形分35質量%)を得た。この溶液のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量は、145,000であった。これを被覆樹脂1とする。得られた被覆樹脂1の物性を表2に示す。
Figure 0006061603
また、被覆樹脂1の製造と同様にして、表1に示すモノマーと、式(1)で示される一
方の末端にエチレン性不飽和基(メタクリロイル基)を有し、式中Xが表1で示されるモノマーを使用することで被覆樹脂2乃至14を得た。得られた被覆樹脂2乃至14の物性を表2に示す。なお、表2中の被覆樹脂15と16は、後述の実施例3と14で述べた通りのものである。
Figure 0006061603
Figure 0006061603
<多孔質磁性コア粒子の製造例>
工程1(秤量・混合工程)
Fe23 61.7質量%
MnCO3 34.2質量%
Mg(OH)2 3.0質量%
SrCO3 1.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。
その後、ジルコニア(φ10mm)のボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2(仮焼成工程)
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe23)d
上記式において、a=0.40、b=0.07、c=0.01、d=0.52
工程3(粉砕工程)
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニアのボール(φ1.0mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。ボールを分離後、ジルコニアのビーズ(φ1.0mm)を用い、湿式ビーズミルで3時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
工程4(造粒工程)
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、40μmの球状粒子に造粒した。
工程5(本焼成工程)
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)で、1150℃で4時間焼成した。
工程6(選別工程)
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、多孔質磁性コア粒子を得た。これをキャリアコア1とする。得られたキャリアコア1の物性を表3にまとめた。
工程7(樹脂充填工程)
キャリアコア1を100.0質量部、混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌機NDMV型)の撹拌容器内に入れ、60℃に温度を保ちながら、2.3kPaまで減圧しながら窒素を導入し、シリコーン樹脂溶液をキャリアコア1に対し樹脂成分として7.5質量部となるように減圧下で滴下し、滴下終了後2時間そのまま撹拌を続けた。その後、70℃まで温度を上げ、減圧下で溶剤を除去して、キャリアコア1の粒子内にシリコーン樹脂溶液から得られるシリコーン樹脂組成物を充填した。冷却後、得られた充填コア粒子を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気、常圧下で、2(℃/min)の昇温速度で、220℃に昇温した。この温度で60分間加熱撹拌を行い、樹脂を硬化させた。熱処理した後、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口150μmの篩で分級してキャリアコア2を得た。得られたキャリアコア2の物性を表3に示す。
<フェライトコア粒子の製造例>
工程1(秤量・混合工程)
Fe23 61.7質量%
MnCO3 34.2質量%
Mg(OH)2 3.0質量%
SrCO3 1.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。
その後、ジルコニア(φ10mm)のボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
工程2(仮焼成工程)
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で1000℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通り。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe23)d
上記式において、a=0.40、b=0.07、c=0.01、d=0.52
工程3(粉砕工程)
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ステンレスボール(φ1.0mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。ボールを分離後、ステンレスボール(φ1.0mm)を用い、湿式ビーズミルで3時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
工程4(造粒工程)
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、45μmの球状粒子に造粒した。
工程5(本焼成工程)
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度0.6体積%)で、1200℃で6時間焼成した。
工程6(選別工程)
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、フェライトコア粒子を得た。これをキャリアコア3とする。得られたキャリアコア3の物性を表3に示す。
<磁性体分散型樹脂コア粒子製造例>
マグネタイト微粒子(球形、個数平均粒径250nm、飽和磁化50(Am2/kg)、残留磁化4.2(Am2/kg)、保磁力4.4(kA/m)、1000(V/cm)における比抵抗3.3×106(Ω・cm)と、シラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)(マグネタイト微粒子の質量に対して3.0質量%の量)とを、容器に導入した。そして、前記容器内において温度100℃以上で高速混合撹拌して、マグネタイト微粒子を表面処理した。
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド37質量%水溶液) 16質量部
・表面処理した上記マグネタイト微粒子 84質量部
上記材料を反応釜に導入し、温度40℃でよく混合した。
その後、撹拌しながら平均昇温速度3(℃/min)で、温度85℃に加熱し、28質量%アンモニア水4質量部および水25質量部を反応釜に加えた。温度85℃にて保持し、3時間重合反応させて硬化させた。このときの撹拌翼の周速は1.8(m/sec)とした。
重合反応させた後、温度30℃まで冷却して水を添加した。上澄み液を除去して得られた沈殿物を水洗し、さらに風乾した。得られた風乾物を、減圧下(5hPa以下)にて、温度60℃で乾燥して、磁性体分散型樹脂コア粒子を得た。これをキャリアコア4とする。
得られたキャリアコア4の物性を表3にまとめた。
Figure 0006061603
<磁性キャリア1の製造例>
被覆樹脂(1)を固形分10質量%になるようにトルエンに溶解した。その中にカーボンブラック(#25 三菱化学社製)を、被覆樹脂固形分100質量部に対して5質量部を添加し、充分に撹拌、分散させた。
次にコート装置として万能混合撹拌機(不二パウダル製)を用い、キャリアコア1 100質量部に対して、被覆樹脂量(固形分として)が1.5質量部になるようコート溶液を3回に分けて投入した。その際、混合機内を減圧し、窒素を導入して、雰囲気を窒素置換した。温度65℃に加熱し、窒素雰囲気で減圧(700MPa)を保ちつつ、撹拌し、キャリアから溶剤を除去した。さらに撹拌を行いつつ、窒素を導入しながら温度100℃に加熱し、1時間保持した。冷却後、磁性キャリア1を得た。得られた磁性キャリア1の物性を表4に示す。
さらに磁性キャリア1と同様、表2に示す被覆樹脂(キャリアコア100質量部に対して樹脂固形分1.5質量部で固定)、カーボンブラック、キャリアコアの組み合わせで磁性キャリア2乃至18を得た。カーボンブラックの被覆樹脂固形成分100質量部に対する添加部数及び得られた磁性キャリアの物性値を表4に示す。
Figure 0006061603
〔トナー粒子1の製造〕
・結着樹脂(ポリエステル樹脂):100質量部
(Tg58℃、酸価25mgKOH/g、水酸基価20mgKOH/g、分子量:Mp5500、Mn2800、Mw50000)
・C.I.ピグメントブルー15:3:5質量部
・1,4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物:0.5質量部
・フィッシャートロプシュワックス:5質量部
(日本精蝋社製、商品名FT−100、融点98℃)
上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝鉄鋼(株)製)にて10kg/hrのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は約150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(T−250:ターボ工業(株)製)にて15kg/hrのFeed量で微粉砕した。そして、重量平均粒径が5.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子を55.6個数%含有し、且つ粒径10.0μm以上の粒子を0.8体積%含有するトナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子1を回転式分級機(TTSP100、ホソカワミクロン(株)製)にて、微粉及び粗粉をカットする分級を行い、重量平均粒径が6.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子の存在率が25.6個数%、且つ粒径10.0μm以上の粒子を3.0体積%含有するトナー粒子2を得た。
さらに、下記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス社製)に投入し、回転羽根の周速を35.0(m/sec)とし、混合時間3分で混合することにより、トナー粒子aの表面に、シリカと酸化チタンを付着させトナー1を得た。
トナー粒子2 100質量部
シリカ(ゾルゲル法で作製したシリカ微粒子にヘキサメチルジシラザン処理1.5質量%で表面処理した後、分級によって所望の粒度分布に調整したもの。) 3.5質量部
酸化チタン(アナターゼ形の結晶性を有するメタチタン酸をオクチルシラン化合物で表面処理したもの。)
<実施例1>
磁性キャリア1の91質量部に対し、トナー1を9質量部加え、振とう機(YS−8D型:(株)ヤヨイ製)にて振とうし、二成分系現像剤300gを調製した。振とう機の振幅条件は200rpm、2分間とした。
一方、補給用現像剤は、樹脂被覆層の耐久性をより明確に評価する為、磁性キャリアは含有せず、トナー1のみを補給用現像剤として、補給現像剤収容装置内の補給用現像剤容器に充填した。
この二成分系現像剤および補給用現像剤を用いて以下の評価を行った結果を表及び次に示す。
画像形成装置として、キヤノン製カラー複写機imageRUNNER ADVANCE C9075 PRO改造機を用い、シアンの現像器に二成分系現像剤を入れ、補給用現像剤容器をセットし、画像を形成し、耐久試験前後での各種評価を行った。耐久試験として、温度23℃/湿度5RH%(以下「N/L」)の印刷環境の下で、現像器を10時間、空回転させた。また、温度30℃/湿度80RH%(以下「H/H」)の印刷環境の下では、画像比率40%のFFH出力のチャートを用いて、5万枚を出力した。FFHとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFHが256階調の256階調目(ベタ部)である。
条件:
紙 レーザービームプリンター用紙CS−814(81.4g/m2
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
画像形成速度 A4サイズ、フルカラーで80(枚/min)で出力できるように改造した。
現像条件 現像コントラストを任意値で固定し、本体による自動補正が作動しないよ
うに改造した。
シアン現像器のみ単色で現像できるように改造した。
現像器空回転 本体の現像器のスリーブ周速を自由に変更し、空回転できるように改造し
た。
(1)白抜け
常温低湿環境下(23℃、5%RH)で初期画像評価を行った。その後、現像器を10時間空回転させた後、転写紙の搬送方向に対して、ハーフトーン横帯(30H 幅10mm)とベタ黒横帯(FFH 幅10mm)を交互に並べたチャートを出力する。その画像をスキャナで読みとり、二値化処理を行う。二値化画像の搬送方向におけるあるラインの輝度分布(256階調)をとった。そのときのハーフトーンの輝度に接線を引き、ベタ部輝度と交わるまでのハーフトーン部後端の接線からずれた輝度の領域(面積:輝度数の和)をもって、白抜け度とし、以下の基準に基づき評価した。
A:20未満:非常に良好。
B:20以上30未満:良好。
C:30以上50未満:本発明において許容レベル。
D:50以上:本発明において不可レベル。
(2)被覆樹脂量減少率
高温高湿環境下(30℃、80%RH)で耐久初期及び耐久画像出力評価(A4横、40%印字比率、5万枚)を行った。耐久初期及び耐久画像出力後に現像器のスリーブ上から現像剤を採集した。得られた現像剤から磁性キャリアとトナーを分離し、磁性キャリアの被覆樹脂量を測定した。被覆樹脂量が算出できることにより、下記の式で耐久初期に対する耐久画像出力後の被覆樹脂量の減少率を計算し、以下の基準で判断した。
(被覆樹脂量減少率)={(耐久初期の被覆樹脂量)−(耐久画像出力後の被覆樹脂量)}/(耐久初期の被覆樹脂量)×100
AA:減少率が1.0%未満:非常に良好。
A:減少率が1.0%以上2.0%未満:良好。
B:減少率が2.0%以上3.0%未満:やや良好。
C:減少率が3.0%以上5.0%未満:本発明において許容レベル。
D:減少率が5.0%以上:本発明において不可レベル。
(3)画像濃度
高温高湿環境下(30℃、80%RH)で耐久初期及び耐久画像出力評価(A4横、40%印字比率、5万枚)を行った後、ベタ画像(FFH)をした。濃度計X−Rite404A(X−Rite社製)により濃度測定を行い、6点の平均値をとって画像濃度とした。耐久初期と耐久画像出力後の画像濃度の差分を以下の基準で判断した。
A:濃度の差分が0.10未満:非常に良好である。
B:濃度の差分が0.10以上0.15未満:良好である。
C:濃度の差分が0.15以上0.20未満:本発明において許容レベル。
D:濃度の差分が0.20以上:本発明において不可レベル。
(4)キャリア付着
高温高湿環境下(30℃、80%RH)で耐久初期及び耐久画像出力評価(A4横、40%印字比率、5万枚)を行った後、キャリア付着を評価した。FFH画像を出力し、画像出力途中で電源を切り、クリーニングされる前の静電潜像担持体上を透明な粘着テープを密着させてサンプリングした。そして、3cm×3cm中の静電荷潜像担持体上に付着していた磁性キャリア粒子の個数をカウントし、1cm2当りの付着キャリア粒子の個数を算出し、以下の基準により評価した。
A:2個以下:非常に良好である。
B:3個以上5個以下:良好である。
C:6個以上9個以下:本発明において許容レベルである。
D:10個以上:本発明において不可レベルである。
(5)カブリ
高温高湿環境下(30℃、80%RH)で耐久初期及び耐久画像出力評価(A4横、40%印字比率、5万枚)を行った後、A4全面ベタ白画像を出力した。カブリは白地部分の白色度をリフレクトメーター(東京電色社製)により測定し、転写前後の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出し、以下の基準により評価した。
A:1.0%未満:非常に良好である。
B:1.0%以上1.5%未満:良好である。
C:1.5%以上2.0%未満:本発明において許容レベル。
D:2.0%以上:本発明において不可レベル。
(6)ハーフトーン現像性
高温高湿環境下(30℃、80%RH)で耐久初期及び耐久画像出力評価(A4横、40%印字比率、5万枚)を行った後、ハーフトーン画像(30H)をA4で1枚印刷し、デジタルマイクロスコープVHX−500(レンズワイドレンジズームレンズVH−Z100 キーエンス社製)を用い、ドット1000個の面積を測定した。ドット面積の個数平均(S)とドット面積の標準偏差(σ)を算出し、ドット再現性指数を下記式により算出した。そして、ハーフトーン画像のガサツキをドット再現性指数(I)で評価した。
ドット再現性指数(I)=σ/S×100
ガサツキの評価基準としては、以下の基準により評価した。
A:Iが4.0未満:非常に良好。
B:Iが4.0以上6.0未満:良好。
C:Iが6.0以上8.0未満:本発明において許容レベル。
D:Iが8.0以上:本発明において不可レベル。
(7)トナー飛散
高温高湿環境下(30℃、80%RH)で耐久初期及び耐久画像出力評価(A4横、40%印字比率、5万枚)を行った後、本体内から現像器を取り出し、現像器及び本体内外のトナー飛散状況を目視し、以下の基準により評価した。
A:トナーの飛散無し:非常に良好。
B:極軽微なトナー飛散有り:良好。
C:トナー飛散は有るが実使用上問題無いレベル:本発明において許容レベル。
D:トナー飛散が有り実使用上問題となるレベル:本発明において不可レベル。
(8)総合判定
上記評価項目(1)乃至(7)における評価ランクを数値化し(AA=10、A=5、B=4、C=3、D=1)、合計値を以下の基準により判定を行った。
A:35以上40以下:非常に良好。
B:29以上34以下:良好。
C:23以上28以下:やや良好。
D:18以上22以下:実使用において、許容レベル。
E:17以下:本発明において、不可レベル。
実施例1において、耐久評価による被覆樹脂量の減少率は0.9%と極めて良好であった。実施例1の樹脂組成物のlog(tanδ)の推移を図5に示す。その他の評価おいても非常に優れた画像特性を示し、総合判定の結果は、非常に良好であった。詳細結果を表5に示す。
<実施例2>
実施例1と同様に、磁性キャリア2とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は0.9%であり、極めて良好であった。実施例2では、キャリアコアに磁性体分散型樹脂粒子用いたが、実施例1と遜色無く、総合判定の結果は、非常に良好であった。詳細結果を表5に示す。
<実施例3>
実施例1と同様に、磁性キャリア3とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。磁性キャリア3に用いた被覆樹脂15は、被覆樹脂11とポリメタクリル酸メチルを質量比7:3で混合することでtanδを調整した。前記ポリメタクリル酸メチルは、重量平均分子量130000であり、固形分濃度35質量%の割合で、質量比1:1のトルエン:メチルエチルケトン混合溶剤中に溶解させたときの25℃における溶液粘度は、750(mPa・S)であった。得られた被覆樹脂15の物性値を表2に示す。補給用現像剤は、実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は0.9%であった。実施例3では、マクロモノマーを含有していないポリメタクリル酸メチル樹脂を混合したが、実施例1と遜色無く、総合判定の結果は、非常に良好であった。詳細結果を表5に示す。
<実施例4>
実施例1と同様に、磁性キャリア4とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は1.4%であった。実施例4では、キャリアコアにバルクフェライト粒子を用いた。キャリアコアに樹脂を含有していない為、被覆樹脂の親和性が僅かながら低下した。また、実施例1、2のキャリアより比重が上がったことによりトナーへの負荷が高くなった為、耐久後のカブリに若干影響が見受けられたが、総合判定の結果は、良好なであった。詳細結果を表5に示す。
<実施例5>
実施例1と同様に、磁性キャリア5とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は1.6%であった。実施例5では、被覆樹脂のマクロモノマーの分子量を下げ、側鎖マクロモノマーの重量比を上げることでtanδを調整した。また、磁性キャリア5は多孔質磁性粒子を用いているが、空孔に被覆樹脂が含浸し、樹脂被覆層の厚みに若干バラつきが生じた。その為、耐久後、ハーフトーン現像性、カブリに若干影響が見受けられたが、総合判定の結果は、良好であった。詳細結果を表5に示す。
<実施例6>
実施例1と同様に、磁性キャリア6とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は2.0%であった。実施例6では、マクロモノマーのモノマーとしてメタクリル酸メチルとスチレンとを重合してtanδを調整した。その影響で実施例1及び2と比較し、耐久評価での被覆樹脂量の減少率が僅かに上がった。その為、トナー帯電量の絶対値が若干低下し、キャリア付着で軽微な影響が見受けられたが、総合判定の結果は、良好であった。詳細結果を表5に示す。
<実施例7>
実施例1と同様に、磁性キャリア7とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は2.1%であった。実施例7では、主鎖モノマーにシリコンアクリル系モノマーであるメタクリル酸3―(トリメトキシシリル)プロピルを使用した。その影響で樹脂被覆層の靭性が若干小さくなり、樹脂被覆層の剥がれに伴うトナー構成成分の付着に起因し、耐久後のキャリア付着に影響が少し見受けられたが、総合判定の結果は、良好であった。詳細結果を表5に示す。
<実施例8>
実施例1と同様に、磁性キャリア8とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は2.0%であった。実施例8では、被覆樹脂の主鎖モノマーやマクロモノマーを変更することで、樹脂の溶液粘度が700(mPa・s)と高めになった。また、主鎖モノマーにスチレンを用いたことで、被覆樹脂の親和性が低下した。その影響で、一部樹脂被覆層の厚みが不均一で合一した磁性キャリアが見られ、トナー帯電量の絶対値が若干低めに推移した。その為、、初期からカブリが、やや高めであったが耐久での大幅な悪化は無く、総合判定の結果は、良好であった。詳細結果を表5に示す。
<実施例9>
実施例1と同様に、磁性キャリア9とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は2.4%であった。実施例9では、マクロモノマーの重量平均分子量が下がったことで、樹脂の溶液粘度が250(mPa・s)と低めになった。その影響で一部磁性キャリアの樹脂被覆層の厚みが不均一となり、耐久でトナー帯電量分布が若干ブロード化しトナー飛散が発生したが、実使用上問題無いレベルであり、総合判定の結果は、やや良好であった。詳細結果を表5に示す。
<実施例10>
実施例1と同様に、磁性キャリア10とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は2.8%であった。実施例10では、全モノマーの質量比100に対し、マクロモノマーの質量比を80とした影響で溶液粘度は710(mPa・s)と高くなった。その影響で磁性キャリアの合一が見られ、トナー帯電量の絶対値が低下した。その結果、ハーフトーン現像性が低下傾向を示したが、総合判定の結果は、やや良好であった。詳細結果を表5に示す。
<実施例11>
実施例1と同様に、磁性キャリア11とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は2.9%であった。実施例11では、全モノマーの質量比100に対し、マクロモノマーの質量比を50としたことで溶液粘度は240(mPa・S)に低下した。その影響で樹脂被覆層とキャリアコアとの密着性が下がり、耐久で一部樹脂被覆層の剥れが発生し、トナー構成成分の付着があり、帯電付与能が低下した。その結果、カブリ、ハーフトーン現像性、トナー飛散に影響が見受けられたが、総合判定の結果は、やや良好であった。詳細結果を表5に示す。
<実施例12>
実施例1と同様に、磁性キャリア12とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は3.3%であった。実施例12では、全モノマーの質量比100に対し、マクロモノマーの質量比を81としたことで樹脂被覆層の靭性が若干低下した。その影響で、耐久が進むと現像器の撹拌ストレスにより樹脂被覆層の割れや欠けが生じた。その結果、磁性キャリア表面にトナー構成成分の付着が見られ、キャリアとトナーの帯電極性が近づきキャリア付着に影響が見受けられた。また、帯電付与能低下によるトナー飛散が見られたが、実使用上問題無いレベルであり、総合判定の結果は、やや良好であった。詳細結果を表5に示す。
<実施例13>
実施例1と同様に、磁性キャリア13とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は3.7%であった。実施例13では、全モノマーの質量比100に対し、マクロモノマーの質量比を49としたことで樹脂被覆層とキャリアコアとの密着性が低下し、樹脂被覆層の剥れが若干発生した。その影響で帯電付与能が低下傾向を示した。その結果、カブリ、トナー飛散に若干影響が見受けられたが、総合判定の結果は、やや良好であった。詳細結果を表5に示す。
<実施例14>
実施例1と同様に、磁性キャリア14とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。磁性キャリア14に用いた被覆樹脂16は、被覆樹脂11と被覆樹脂14を質量比7:3で混合することでtanδを調整した。得られた被覆樹脂16の物性値を表2に示す。補給用現像剤は、実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は4.0%であった。実施例14では、Th−Tl(℃)が小さくなった為、樹脂被覆層とキャリアコアとの密着性が低下し、一部、樹脂被覆層の剥れが生じた。その結果、耐久後のハーフトーン現像性、カブリ、トナー飛散に影響が見受けられたが、総合判定の結果は、やや良好であった。詳細結果を表5に示す。
<実施例15>
実施例1と同様に、磁性キャリア1とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。一方、磁性キャリア1を10質量部に対し、トナー1を90質量部加え、常温常湿環境下(23℃、50%RH)において、V型混合機(徳寿工作所社製)により60Hzの条件で5分間混合し、補給用現像剤として、補給用現像剤容器に充填した。
高温高湿環境下(30℃、80%RH)における耐久試験の耐久画像出力枚数が15万枚であること以外は、実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は0.5%であった。初期及び耐久後も実施例1と比較し、遜色無い非常に優れた画像特性を示し、総合判定の結果は、非常に良好であった。詳細結果を表5に示す。
<比較例1>
実施例1と同様に、磁性キャリア15とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は4.9%であった。比較例1では、マクロモノマーに重量平均分子量が小さいアクリル酸メチルを用い、全モノマーの質量比100に対し、マクロモノマーの質量比を20としたことで、tanδの変化率が大きくなりTh−Tl(℃)が29℃になった。その影響で被覆層の密着性が低下し、樹脂被覆層の剥れが若干発生したが、全般的に画像特性は製品として問題無いレベルであり、総合判定の結果は、実使用において許容レベルであった。詳細結果を表5に示す。
<比較例2>
実施例1と同様に、磁性キャリア16とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は5.0%であった。比較例2では、全モノマーの質量比100に対し、マクロモノマーの質量比を85としたことで、Th−Tl(℃)が61℃になった。その影響で被覆樹脂の密着性が高すぎ、キャリア被覆工程で装置への樹脂付着も激増し、生産性が悪化した。また、磁性キャリアの合一が非常に目立った。その結果、帯電付与能の低下により、トナー飛散、カブリが悪化し、画像濃度が著しく上昇し、総合判定の結果は、不可レベルであった。詳細結果を表5に示す。
<比較例3>
実施例1と同様に、磁性キャリア17とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。比較例3では、被覆樹脂の主鎖モノマーを変更し、さらに全モノマーの質量比100に対し、マクロモノマーの質量比を90とした。その結果、残留モノマーが増え、分子量にバラつきが生じ、Th−Tl(℃)は17℃になった。比較例3の樹脂組成物のlog(tanδ)の推移を図5に示す。また、分子量のバラつきの影響で、樹脂被覆層の靭性が極端に悪化した。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は5.7%であり、樹脂被覆層の割れ、欠けが生じていた。その結果、トナー構成成分の付着による帯電付与能が低下し、キャリア汚染が発生し、特にカブリ、キャリア付着、ハーフトーン現像性が著しく悪化し、総合判定の結果は、不可レベルであった。詳細結果を表5に示す。
<比較例4>
実施例1と同様に、磁性キャリア18とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は6.4%であった。比較例4では、被覆樹脂にマクロモノマーを使用しなかった為、温度90℃から150℃におけるG’が小さくなり、その影響でTh−Tl(℃)が14℃になった。前記樹脂をキャリアコア表面へ被覆した際、適正な粘弾性を有していない為、キャリアコアに対する膜圧の均一被覆性が著しく低下した。その結果、帯電付与能が不均一となり、耐久で帯電量分布がブロードになった。その為、全体的に画像特性が悪化したが、特にトナー飛散、画像濃度上昇が顕著であり、総合判定の結果は、不可レベルであった。詳細結果を表5に示す。
Figure 0006061603
1、1K、1Y、1C、1M:静電潜像担持体、2、2K、2Y、2C、2M:帯電器、3、3K、3Y、3C、3M:露光器、4、4K、4Y、4C、4M:現像器、5:現像容器、6、6K、6Y、6C、6M:現像剤担持体、7:マグネット、8:規制部材、9:中間転写体、10K、10Y、10C、10M:中間転写帯電器、11:転写帯電器、12:記録媒体、13:定着器、14:中間転写体クリーナー、15、15K、15Y、15C、15M:クリーナー、16:前露光、17:円筒状容器、18:下部電極、19:支持台座、20:上部電極、21:磁性キャリアまたはキャリアコア、22:エレクトロメーター、23:処理コンピュータ、d1:試料が無い時の間隙、d2:試料を充填した時の間隙

Claims (11)

  1. 磁性キャリアコア、および、
    前記磁性キャリアコアの表面に樹脂組成物で形成されている樹脂被覆層
    を有する磁性キャリアであって、
    前記樹脂組成物は、
    (i)温度90℃から150℃において、貯蔵弾性率G’が1.0×104(Pa)以
    上1.0×108(Pa)以下であり、損失弾性率G”が1.0×103(Pa)以上5.
    0×107(Pa)以下であり、
    (ii)損失弾性率G”/貯蔵弾性率G’で示される損失正接tanδが、90℃以上
    150℃以下の範囲に極大を有し、
    (iii)前記極大時の損失正接tanδの常用対数(log(tanδ))をPとし
    、P−0.15となるlog(tanδ)の低温側の温度をTl(℃)とし、高温側の温
    度をTh(℃)としたとき、下記式
    30≦Th−Tl≦60(℃)
    を満た
    前記樹脂組成物が、
    下記式(A1)で表される鎖式モノマーと、
    下記式(A2)で表される脂環式モノマーと
    の共重合体を含有することを特徴とする磁性キャリア。
    Figure 0006061603
    [前記式(A1)中、R 1 は炭素数22以下の炭化水素基を示す。]
    Figure 0006061603
    [前記式(A2)中、R 2 は炭素数5以上10以下の脂環炭化水素基を示す。]
  2. 前記樹脂組成物が、マクロモノマーと他のモノマーとの共重合体である樹脂を含有し、
    前記マクロモノマーが、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、
    メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル
    、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルからなる群より選択される少なくと
    も1種のモノマーの重合体であるマクロモノマーである請求項1に記載の磁性キャリア。
  3. 前記樹脂組成物が、マクロモノマーを含有する2種以上のモノマーの共重合体を含む樹
    脂組成物であり、前記マクロモノマーの質量比率が、全モノマーの質量を100としたと
    き、50以上80以下である請求項1又は2に記載の磁性キャリア。
  4. 前記樹脂組成物を固形分濃度35質量%の割合で、質量比1:1のトルエン:メチルエ
    チルケトン混合溶剤中に溶解させたときの25℃における溶液粘度が、250(mPa・
    s)以上700(mPa・s)以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の磁性キャ
    リア。
  5. 前記樹脂組成物が、
    マクロモノマーを含有する2種以上のモノマーの共重合体である樹脂と、
    メタクリル酸エステルモノマーの重合体を含む樹脂組成物と、
    の混合物である請求項1〜のいずれか1項に記載の磁性キャリア。
  6. 前記樹脂被覆層が導電性微粒子を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の磁性キ
    ャリア。
  7. 前記磁性キャリアコアが、磁性酸化物および樹脂組成物を含有する請求項1〜のいず
    れか1項に記載の磁性キャリア。
  8. 前記磁性キャリアコアが、多孔質磁性コア粒子および前記多孔質磁性コア粒子の空孔に
    充填されている樹脂を有する請求項に記載の磁性キャリア。
  9. 前記磁性キャリアコアが、結着樹脂および前記結着樹脂中に分散している磁性体を有す
    る請求項に記載の磁性キャリア。
  10. 磁性キャリアとトナーを含む二成分系現像剤であって、前記磁性キャリアが請求項1〜
    のいずれか1項に記載の磁性キャリアである二成分系現像剤。
  11. 磁性キャリアとトナーを含む補給用現像剤を現像器に補給しながら現像し、前記現像器
    内で過剰になった磁性キャリアを必要に応じて現像器から排出する二成分現像方法に使用
    するための補給用現像剤であって、
    前記補給用現像剤が、前記磁性キャリア1質量部に対して前記トナーを2質量部以上5
    0質量部以下の割合で含有し、
    前記磁性キャリアが、請求項1〜のいずれか1項に記載の磁性キャリアである補給用現像剤。
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