JP6061603B2 - 磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤 - Google Patents
磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6061603B2 JP6061603B2 JP2012225870A JP2012225870A JP6061603B2 JP 6061603 B2 JP6061603 B2 JP 6061603B2 JP 2012225870 A JP2012225870 A JP 2012225870A JP 2012225870 A JP2012225870 A JP 2012225870A JP 6061603 B2 JP6061603 B2 JP 6061603B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- magnetic carrier
- toner
- mass
- magnetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Description
リアであって、
前記樹脂組成物は、
i)温度90℃から150℃において、貯蔵弾性率G’(以下G’)が1.0×10
4(Pa)以上1.0×108(Pa)以下、損失弾性率G”(以下G”)が1.0×10
3(Pa)以上5.0×107(Pa)以下であり、
ii)(G”/G’)で示される損失正接tanδ(以下tanδ)が、90℃以上
150℃以下の範囲に極大を有し、
iii)前記極大時の損失正接tanδの常用対数(log(tanδ))(以下l
og(tanδ))をPとした時、P−0.15となるlog(tanδ)の低温側の温
度をTl(℃)、高温側の温度をTh(℃)としたとき、下記式
30≦Th−Tl≦60(℃)
を満たし、
前記樹脂組成物が、
下記式(A1)で表される鎖式モノマーと、
下記式(A2)で表される脂環式モノマーと
の共重合体を含有することを特徴とする磁性キャリア及びトナーを含む二成分現像剤及び補給用現像剤に関する。
(被覆樹脂)
磁性キャリアコア表面を被覆する樹脂被覆層について説明する。
i)樹脂組成物の温度90℃から150℃において、G’が1.0×104(Pa)以上1.0×108(Pa)以下、損失弾性率G”が1.0×103(Pa)以上5.0×107(Pa)以下であり、
ii)tanδが、90℃以上150℃以下の範囲に極大を有し、
iii)前記極大時のlog(tanδ)をPとした時、P−0.15となるlog(tanδ)の低温側の温度をTl(℃)、高温側の温度をTh(℃)としたとき、下記式を満たすことを特徴とする。
30≦Th−Tl≦60(℃) (式1)
れた1種又は2種以上のモノマーと、下記式(A2)で表される脂環式モノマーから選択
された1種又は2種以上のモノマーとの共重合体を含有する必要がある。
本発明の磁性キャリアコアは、マグネタイト粒子、フェライト粒子、磁性体分散型樹脂粒子等の公知の磁性粒子を用いることができる。中でも多孔質形状の磁性粒子の空孔に樹脂を充填して得られる磁性粒子もしくは磁性体分散型樹脂粒子、すなわち磁性酸化物と樹脂組成物を含有する磁性粒子は、磁性キャリアの比重を小さくすることができる為、長寿命化の観点から好ましい。
次に、本発明で使用されるトナーについて説明する。
(二成分現像剤)
本発明では前記磁性キャリアとトナーを含有する二成分現像剤を用いることで、高画質の画像を得ることができる。本発明の二成分系現像剤においては、前記トナーと前記磁性キャリアの混合比率は磁性キャリア100質量部に対して、トナーは、2質量部以上20質量部以下の範囲で使用することが好ましく、4質量部以上、15質量部以下が特により好ましい。上記範囲とすることで、高画像濃度を維持しつつトナー飛散を低減することができる。
図2において、静電潜像担持体1は図中矢印方向に回転する。静電潜像担持体1は帯電手段である帯電器2により帯電され、帯電した静電潜像担持体1表面には、静電潜像形成手段である露光器3により露光させ、静電潜像を形成する。現像器4は、二成分系現像剤を収容する現像容器5を有し、現像剤担持体6は回転可能な状態で配置され、且つ、現像剤担持体6内部に磁界発生手段をしてマグネット7を内包している。マグネット7の少なくとも一つは潜像担持体に対して対向の位置になるように設置されている。二成分系現像剤は、マグネット7の磁界により現像剤担持体6上に保持され、規制部材8により、二成分系現像剤量が規制され、静電潜像担持体1と対向する現像部に搬送される。現像部においては、マグネット7の発生する磁界により磁気ブラシを形成する。その後、直流電界に交番電界を重畳してなる現像バイアスを印加することにより静電潜像はトナー像として可視像化される。静電潜像担持体1上に形成されたトナー像は、転写帯電器11によって記録媒体12に静電的に転写される。ここで、図3に示すように、静電潜像担持体1から中間転写体9に一旦転写し、その後、記録媒体12へ静電的に転写してもよい。その後記録媒体12は、定着器13に搬送され、ここで加熱、加圧されることにより、記録媒体12上にトナーが定着される。その後、記録媒体12は、出力画像として装置外へ排出される。尚、転写工程後、静電潜像担持体1上に残留したトナーは、クリーナー15により除去される。その後、クリーナー15により清掃された静電潜像担持体1は、前露光16からの光照射により電気的に初期化され、上記画像形成動作が繰り返される。
測定装置は、回転平板型レオメーター「ARES」(TA INSTRUMENTS社製)を用いる。
(1)直径7.9mmのパラレルプレートを用いる。
(2)周波数(Frequency)1.0Hz
(3)印加歪初期値(Strain)を0.1%に設定する。
(4)25〜200℃の間を、昇温速度(Ramp Rate)2.0(℃/min)で測定を行う。尚、測定においては、以下の自動調整モードの設定条件で行う。自動歪み調整モード(Auto Strain)で測定を行う。
(5)最大歪(Max Applied Strain)を20.0%に設定する。
(6)最大トルク(Max Allowed Torque)200.0(g・cm)とし、最低トルク(Min Allowed Torque)0.2(g・cm)と設定する。
(7)歪み調整(Strain Adjustment)を20.0% of Current Strainと設定する。測定においては、自動テンション調整モード(Auto Tension)を採用する。
(8)自動テンションディレクション(Auto Tension Direction)をコンプレッション(Compression)と設定する。
(9)初期スタティックフォース(Initial Static Force)を10.0g、自動テンションセンシティビティ(Auto Tension Sensitivity)を40.0gと設定する。
(10)自動テンション(Auto Tension)の作動条件は、サンプルモデュラス(Sample Modulus)が1.0×103(Pa)以上である
磁性キャリア及びキャリアコアの比抵抗は、図4に概略される測定装置を用いて測定する。なお、磁性キャリアは電界強度2000(V/cm)、キャリアコアは電界強度1000(V/cm)における比抵抗を測定する。
d=d2−d1(mm)
比抵抗(Ω・cm)=(印加電圧(V)/測定電流(A))×S(cm2)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
キャリアコアの磁化の強さは、振動磁場型磁気特性測定装置(Vibrating sample magnetometer)や直流磁化特性記録装置(B−Hトレーサー)で求めることが可能である。後述の実施例においては、振動磁場型磁気特性測定装置BHV−30(理研電子(株)製)で以下の手順で測定する。
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81%
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :23℃、50%RH
JIS−Z2504(金属粉の見かけ密度試験方法)に準じ、金属粉に代えて磁性キャリア、キャリアコアを用いることにより、磁性キャリア、キャリアコアの見かけ密度を求める。
磁性キャリア、キャリアコアの真密度は、乾式自動密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定する。まず、23℃、50%RHの環境に24時間放置したサンプル試料を5g精秤し、測定用セル(10cm3)に入れ、本体試料室に挿入する。測定は、試料サンプル質量を本体に入力し測定をスタートさせることにより自動測定できる。
試料サンプルの真密度(g/cm3)=試料サンプル質量(g)/試料サンプル体積(cm3)
樹脂組成物の溶液粘度はJIS K5101−10.2(3)に準じた測定方法で行い、具体的には液温が25℃に調整された試料を、B型粘度計の3号または4号ローターを用いて、5rpmで60秒、6rpmで60秒、20rpmで60秒、60rpm 60秒の前処理を行った後、60rpmで60秒経過時点に測定した値を代表粘度とする。
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム :Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0(ml/min)
オーブン温度 :40.0℃
試料注入量 :0.10ml
二成分現像剤10gをビーカーに入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を200ml加える。そして、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製)を用いて2分間分散処理を行った。その後、キャリアコアが流れないように、磁性キャリアを磁石で固定しながら、上澄み液を取り除く。この操作を5回以上繰り返し、その後、80℃で窒素フローしている乾燥機に入れて24時間乾燥させ、磁性キャリアを得る。
磁性キャリア10gをトルエン50mlが入ったビーカーに入れる。そして、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製)を用いて2分間分散処理を行う。その後、キャリアコアが流れないように、キャリアコアを磁石で固定しながら、上澄み液を取り除く。この操作を5回以上繰り返し、その後、80℃で窒素フローしている乾燥機に入れて24時間乾燥させ、キャリアコアを得る。前記キャリアコアの質量と磁性キャリアの質量の差分から被覆樹脂量を算出する。
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24(回転/sec)にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力が120Wである超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を使用する。水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
表1で示されるモノマーと、式(1)で示されるような一方の末端にエチレン性不飽和基(メタクリロイル基)を有し、式中Xが表1で示されるモノマーを重合することにより得られたマクロモノマーとを、還流冷却器、温度計、窒素吸い込み管、及びすり合わせ方式撹拌装置を有する四つ口フラスコに加えた。さらにトルエン100質量部、メチルエチルケトン100質量部、及びアゾビスイソバレロニトリル2.0質量部を加えた。得られた混合物を、窒素気流下70℃で10時間保持し、重合反応終了後、洗浄を繰り返し、グラフト共重合体溶液(固形分35質量%)を得た。この溶液のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量は、145,000であった。これを被覆樹脂1とする。得られた被覆樹脂1の物性を表2に示す。
方の末端にエチレン性不飽和基(メタクリロイル基)を有し、式中Xが表1で示されるモノマーを使用することで被覆樹脂2乃至14を得た。得られた被覆樹脂2乃至14の物性を表2に示す。なお、表2中の被覆樹脂15と16は、後述の実施例3と14で述べた通りのものである。
工程1(秤量・混合工程)
Fe2O3 61.7質量%
MnCO3 34.2質量%
Mg(OH)2 3.0質量%
SrCO3 1.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.40、b=0.07、c=0.01、d=0.52
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニアのボール(φ1.0mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。ボールを分離後、ジルコニアのビーズ(φ1.0mm)を用い、湿式ビーズミルで3時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、40μmの球状粒子に造粒した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)で、1150℃で4時間焼成した。
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、多孔質磁性コア粒子を得た。これをキャリアコア1とする。得られたキャリアコア1の物性を表3にまとめた。
キャリアコア1を100.0質量部、混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌機NDMV型)の撹拌容器内に入れ、60℃に温度を保ちながら、2.3kPaまで減圧しながら窒素を導入し、シリコーン樹脂溶液をキャリアコア1に対し樹脂成分として7.5質量部となるように減圧下で滴下し、滴下終了後2時間そのまま撹拌を続けた。その後、70℃まで温度を上げ、減圧下で溶剤を除去して、キャリアコア1の粒子内にシリコーン樹脂溶液から得られるシリコーン樹脂組成物を充填した。冷却後、得られた充填コア粒子を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工業社製のドラムミキサーUD−AT型)に移し、窒素雰囲気、常圧下で、2(℃/min)の昇温速度で、220℃に昇温した。この温度で60分間加熱撹拌を行い、樹脂を硬化させた。熱処理した後、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口150μmの篩で分級してキャリアコア2を得た。得られたキャリアコア2の物性を表3に示す。
工程1(秤量・混合工程)
Fe2O3 61.7質量%
MnCO3 34.2質量%
Mg(OH)2 3.0質量%
SrCO3 1.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で1000℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通り。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.40、b=0.07、c=0.01、d=0.52
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ステンレスボール(φ1.0mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。ボールを分離後、ステンレスボール(φ1.0mm)を用い、湿式ビーズミルで3時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、45μmの球状粒子に造粒した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度0.6体積%)で、1200℃で6時間焼成した。
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、フェライトコア粒子を得た。これをキャリアコア3とする。得られたキャリアコア3の物性を表3に示す。
マグネタイト微粒子(球形、個数平均粒径250nm、飽和磁化50(Am2/kg)、残留磁化4.2(Am2/kg)、保磁力4.4(kA/m)、1000(V/cm)における比抵抗3.3×106(Ω・cm)と、シラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)(マグネタイト微粒子の質量に対して3.0質量%の量)とを、容器に導入した。そして、前記容器内において温度100℃以上で高速混合撹拌して、マグネタイト微粒子を表面処理した。
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド37質量%水溶液) 16質量部
・表面処理した上記マグネタイト微粒子 84質量部
上記材料を反応釜に導入し、温度40℃でよく混合した。
被覆樹脂(1)を固形分10質量%になるようにトルエンに溶解した。その中にカーボンブラック(#25 三菱化学社製)を、被覆樹脂固形分100質量部に対して5質量部を添加し、充分に撹拌、分散させた。
・結着樹脂(ポリエステル樹脂):100質量部
(Tg58℃、酸価25mgKOH/g、水酸基価20mgKOH/g、分子量:Mp5500、Mn2800、Mw50000)
・C.I.ピグメントブルー15:3:5質量部
・1,4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物:0.5質量部
・フィッシャートロプシュワックス:5質量部
(日本精蝋社製、商品名FT−100、融点98℃)
上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝鉄鋼(株)製)にて10kg/hrのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は約150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(T−250:ターボ工業(株)製)にて15kg/hrのFeed量で微粉砕した。そして、重量平均粒径が5.5μmであり、粒径4.0μm以下の粒子を55.6個数%含有し、且つ粒径10.0μm以上の粒子を0.8体積%含有するトナー粒子1を得た。
。
トナー粒子2 100質量部
シリカ(ゾルゲル法で作製したシリカ微粒子にヘキサメチルジシラザン処理1.5質量%で表面処理した後、分級によって所望の粒度分布に調整したもの。) 3.5質量部
酸化チタン(アナターゼ形の結晶性を有するメタチタン酸をオクチルシラン化合物で表面処理したもの。)
磁性キャリア1の91質量部に対し、トナー1を9質量部加え、振とう機(YS−8D型:(株)ヤヨイ製)にて振とうし、二成分系現像剤300gを調製した。振とう機の振幅条件は200rpm、2分間とした。
条件:
紙 レーザービームプリンター用紙CS−814(81.4g/m2)
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
画像形成速度 A4サイズ、フルカラーで80(枚/min)で出力できるように改造した。
現像条件 現像コントラストを任意値で固定し、本体による自動補正が作動しないよ
うに改造した。
シアン現像器のみ単色で現像できるように改造した。
現像器空回転 本体の現像器のスリーブ周速を自由に変更し、空回転できるように改造し
た。
常温低湿環境下(23℃、5%RH)で初期画像評価を行った。その後、現像器を10時間空回転させた後、転写紙の搬送方向に対して、ハーフトーン横帯(30H 幅10mm)とベタ黒横帯(FFH 幅10mm)を交互に並べたチャートを出力する。その画像をスキャナで読みとり、二値化処理を行う。二値化画像の搬送方向におけるあるラインの輝度分布(256階調)をとった。そのときのハーフトーンの輝度に接線を引き、ベタ部輝度と交わるまでのハーフトーン部後端の接線からずれた輝度の領域(面積:輝度数の和)をもって、白抜け度とし、以下の基準に基づき評価した。
A:20未満:非常に良好。
B:20以上30未満:良好。
C:30以上50未満:本発明において許容レベル。
D:50以上:本発明において不可レベル。
高温高湿環境下(30℃、80%RH)で耐久初期及び耐久画像出力評価(A4横、40%印字比率、5万枚)を行った。耐久初期及び耐久画像出力後に現像器のスリーブ上から現像剤を採集した。得られた現像剤から磁性キャリアとトナーを分離し、磁性キャリアの被覆樹脂量を測定した。被覆樹脂量が算出できることにより、下記の式で耐久初期に対する耐久画像出力後の被覆樹脂量の減少率を計算し、以下の基準で判断した。
(被覆樹脂量減少率)={(耐久初期の被覆樹脂量)−(耐久画像出力後の被覆樹脂量)}/(耐久初期の被覆樹脂量)×100
AA:減少率が1.0%未満:非常に良好。
A:減少率が1.0%以上2.0%未満:良好。
B:減少率が2.0%以上3.0%未満:やや良好。
C:減少率が3.0%以上5.0%未満:本発明において許容レベル。
D:減少率が5.0%以上:本発明において不可レベル。
高温高湿環境下(30℃、80%RH)で耐久初期及び耐久画像出力評価(A4横、40%印字比率、5万枚)を行った後、ベタ画像(FFH)をした。濃度計X−Rite404A(X−Rite社製)により濃度測定を行い、6点の平均値をとって画像濃度とした。耐久初期と耐久画像出力後の画像濃度の差分を以下の基準で判断した。
A:濃度の差分が0.10未満:非常に良好である。
B:濃度の差分が0.10以上0.15未満:良好である。
C:濃度の差分が0.15以上0.20未満:本発明において許容レベル。
D:濃度の差分が0.20以上:本発明において不可レベル。
高温高湿環境下(30℃、80%RH)で耐久初期及び耐久画像出力評価(A4横、40%印字比率、5万枚)を行った後、キャリア付着を評価した。FFH画像を出力し、画像出力途中で電源を切り、クリーニングされる前の静電潜像担持体上を透明な粘着テープを密着させてサンプリングした。そして、3cm×3cm中の静電荷潜像担持体上に付着していた磁性キャリア粒子の個数をカウントし、1cm2当りの付着キャリア粒子の個数を算出し、以下の基準により評価した。
A:2個以下:非常に良好である。
B:3個以上5個以下:良好である。
C:6個以上9個以下:本発明において許容レベルである。
D:10個以上:本発明において不可レベルである。
高温高湿環境下(30℃、80%RH)で耐久初期及び耐久画像出力評価(A4横、40%印字比率、5万枚)を行った後、A4全面ベタ白画像を出力した。カブリは白地部分の白色度をリフレクトメーター(東京電色社製)により測定し、転写前後の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出し、以下の基準により評価した。
A:1.0%未満:非常に良好である。
B:1.0%以上1.5%未満:良好である。
C:1.5%以上2.0%未満:本発明において許容レベル。
D:2.0%以上:本発明において不可レベル。
高温高湿環境下(30℃、80%RH)で耐久初期及び耐久画像出力評価(A4横、40%印字比率、5万枚)を行った後、ハーフトーン画像(30H)をA4で1枚印刷し、デジタルマイクロスコープVHX−500(レンズワイドレンジズームレンズVH−Z100 キーエンス社製)を用い、ドット1000個の面積を測定した。ドット面積の個数平均(S)とドット面積の標準偏差(σ)を算出し、ドット再現性指数を下記式により算出した。そして、ハーフトーン画像のガサツキをドット再現性指数(I)で評価した。
ドット再現性指数(I)=σ/S×100
A:Iが4.0未満:非常に良好。
B:Iが4.0以上6.0未満:良好。
C:Iが6.0以上8.0未満:本発明において許容レベル。
D:Iが8.0以上:本発明において不可レベル。
高温高湿環境下(30℃、80%RH)で耐久初期及び耐久画像出力評価(A4横、40%印字比率、5万枚)を行った後、本体内から現像器を取り出し、現像器及び本体内外のトナー飛散状況を目視し、以下の基準により評価した。
A:トナーの飛散無し:非常に良好。
B:極軽微なトナー飛散有り:良好。
C:トナー飛散は有るが実使用上問題無いレベル:本発明において許容レベル。
D:トナー飛散が有り実使用上問題となるレベル:本発明において不可レベル。
上記評価項目(1)乃至(7)における評価ランクを数値化し(AA=10、A=5、B=4、C=3、D=1)、合計値を以下の基準により判定を行った。
A:35以上40以下:非常に良好。
B:29以上34以下:良好。
C:23以上28以下:やや良好。
D:18以上22以下:実使用において、許容レベル。
E:17以下:本発明において、不可レベル。
実施例1と同様に、磁性キャリア2とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は0.9%であり、極めて良好であった。実施例2では、キャリアコアに磁性体分散型樹脂粒子用いたが、実施例1と遜色無く、総合判定の結果は、非常に良好であった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア3とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。磁性キャリア3に用いた被覆樹脂15は、被覆樹脂11とポリメタクリル酸メチルを質量比7:3で混合することでtanδを調整した。前記ポリメタクリル酸メチルは、重量平均分子量130000であり、固形分濃度35質量%の割合で、質量比1:1のトルエン:メチルエチルケトン混合溶剤中に溶解させたときの25℃における溶液粘度は、750(mPa・S)であった。得られた被覆樹脂15の物性値を表2に示す。補給用現像剤は、実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は0.9%であった。実施例3では、マクロモノマーを含有していないポリメタクリル酸メチル樹脂を混合したが、実施例1と遜色無く、総合判定の結果は、非常に良好であった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア4とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は1.4%であった。実施例4では、キャリアコアにバルクフェライト粒子を用いた。キャリアコアに樹脂を含有していない為、被覆樹脂の親和性が僅かながら低下した。また、実施例1、2のキャリアより比重が上がったことによりトナーへの負荷が高くなった為、耐久後のカブリに若干影響が見受けられたが、総合判定の結果は、良好なであった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア5とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は1.6%であった。実施例5では、被覆樹脂のマクロモノマーの分子量を下げ、側鎖マクロモノマーの重量比を上げることでtanδを調整した。また、磁性キャリア5は多孔質磁性粒子を用いているが、空孔に被覆樹脂が含浸し、樹脂被覆層の厚みに若干バラつきが生じた。その為、耐久後、ハーフトーン現像性、カブリに若干影響が見受けられたが、総合判定の結果は、良好であった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア6とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は2.0%であった。実施例6では、マクロモノマーのモノマーとしてメタクリル酸メチルとスチレンとを重合してtanδを調整した。その影響で実施例1及び2と比較し、耐久評価での被覆樹脂量の減少率が僅かに上がった。その為、トナー帯電量の絶対値が若干低下し、キャリア付着で軽微な影響が見受けられたが、総合判定の結果は、良好であった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア7とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は2.1%であった。実施例7では、主鎖モノマーにシリコンアクリル系モノマーであるメタクリル酸3―(トリメトキシシリル)プロピルを使用した。その影響で樹脂被覆層の靭性が若干小さくなり、樹脂被覆層の剥がれに伴うトナー構成成分の付着に起因し、耐久後のキャリア付着に影響が少し見受けられたが、総合判定の結果は、良好であった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア8とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は2.0%であった。実施例8では、被覆樹脂の主鎖モノマーやマクロモノマーを変更することで、樹脂の溶液粘度が700(mPa・s)と高めになった。また、主鎖モノマーにスチレンを用いたことで、被覆樹脂の親和性が低下した。その影響で、一部樹脂被覆層の厚みが不均一で合一した磁性キャリアが見られ、トナー帯電量の絶対値が若干低めに推移した。その為、、初期からカブリが、やや高めであったが耐久での大幅な悪化は無く、総合判定の結果は、良好であった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア9とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は2.4%であった。実施例9では、マクロモノマーの重量平均分子量が下がったことで、樹脂の溶液粘度が250(mPa・s)と低めになった。その影響で一部磁性キャリアの樹脂被覆層の厚みが不均一となり、耐久でトナー帯電量分布が若干ブロード化しトナー飛散が発生したが、実使用上問題無いレベルであり、総合判定の結果は、やや良好であった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア10とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は2.8%であった。実施例10では、全モノマーの質量比100に対し、マクロモノマーの質量比を80とした影響で溶液粘度は710(mPa・s)と高くなった。その影響で磁性キャリアの合一が見られ、トナー帯電量の絶対値が低下した。その結果、ハーフトーン現像性が低下傾向を示したが、総合判定の結果は、やや良好であった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア11とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は2.9%であった。実施例11では、全モノマーの質量比100に対し、マクロモノマーの質量比を50としたことで溶液粘度は240(mPa・S)に低下した。その影響で樹脂被覆層とキャリアコアとの密着性が下がり、耐久で一部樹脂被覆層の剥れが発生し、トナー構成成分の付着があり、帯電付与能が低下した。その結果、カブリ、ハーフトーン現像性、トナー飛散に影響が見受けられたが、総合判定の結果は、やや良好であった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア12とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は3.3%であった。実施例12では、全モノマーの質量比100に対し、マクロモノマーの質量比を81としたことで樹脂被覆層の靭性が若干低下した。その影響で、耐久が進むと現像器の撹拌ストレスにより樹脂被覆層の割れや欠けが生じた。その結果、磁性キャリア表面にトナー構成成分の付着が見られ、キャリアとトナーの帯電極性が近づきキャリア付着に影響が見受けられた。また、帯電付与能低下によるトナー飛散が見られたが、実使用上問題無いレベルであり、総合判定の結果は、やや良好であった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア13とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は3.7%であった。実施例13では、全モノマーの質量比100に対し、マクロモノマーの質量比を49としたことで樹脂被覆層とキャリアコアとの密着性が低下し、樹脂被覆層の剥れが若干発生した。その影響で帯電付与能が低下傾向を示した。その結果、カブリ、トナー飛散に若干影響が見受けられたが、総合判定の結果は、やや良好であった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア14とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。磁性キャリア14に用いた被覆樹脂16は、被覆樹脂11と被覆樹脂14を質量比7:3で混合することでtanδを調整した。得られた被覆樹脂16の物性値を表2に示す。補給用現像剤は、実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は4.0%であった。実施例14では、Th−Tl(℃)が小さくなった為、樹脂被覆層とキャリアコアとの密着性が低下し、一部、樹脂被覆層の剥れが生じた。その結果、耐久後のハーフトーン現像性、カブリ、トナー飛散に影響が見受けられたが、総合判定の結果は、やや良好であった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア1とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。一方、磁性キャリア1を10質量部に対し、トナー1を90質量部加え、常温常湿環境下(23℃、50%RH)において、V型混合機(徳寿工作所社製)により60Hzの条件で5分間混合し、補給用現像剤として、補給用現像剤容器に充填した。
実施例1と同様に、磁性キャリア15とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は4.9%であった。比較例1では、マクロモノマーに重量平均分子量が小さいアクリル酸メチルを用い、全モノマーの質量比100に対し、マクロモノマーの質量比を20としたことで、tanδの変化率が大きくなりTh−Tl(℃)が29℃になった。その影響で被覆層の密着性が低下し、樹脂被覆層の剥れが若干発生したが、全般的に画像特性は製品として問題無いレベルであり、総合判定の結果は、実使用において許容レベルであった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア16とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は5.0%であった。比較例2では、全モノマーの質量比100に対し、マクロモノマーの質量比を85としたことで、Th−Tl(℃)が61℃になった。その影響で被覆樹脂の密着性が高すぎ、キャリア被覆工程で装置への樹脂付着も激増し、生産性が悪化した。また、磁性キャリアの合一が非常に目立った。その結果、帯電付与能の低下により、トナー飛散、カブリが悪化し、画像濃度が著しく上昇し、総合判定の結果は、不可レベルであった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア17とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。比較例3では、被覆樹脂の主鎖モノマーを変更し、さらに全モノマーの質量比100に対し、マクロモノマーの質量比を90とした。その結果、残留モノマーが増え、分子量にバラつきが生じ、Th−Tl(℃)は17℃になった。比較例3の樹脂組成物のlog(tanδ)の推移を図5に示す。また、分子量のバラつきの影響で、樹脂被覆層の靭性が極端に悪化した。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は5.7%であり、樹脂被覆層の割れ、欠けが生じていた。その結果、トナー構成成分の付着による帯電付与能が低下し、キャリア汚染が発生し、特にカブリ、キャリア付着、ハーフトーン現像性が著しく悪化し、総合判定の結果は、不可レベルであった。詳細結果を表5に示す。
実施例1と同様に、磁性キャリア18とトナー1を使用して実施例1と同じ比率で二成分系現像剤を調製した。補給用現像剤は実施例1と同様、トナー1を補給用現像剤容器に充填した。得られた現像剤を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。耐久評価による被覆樹脂量の減少率は6.4%であった。比較例4では、被覆樹脂にマクロモノマーを使用しなかった為、温度90℃から150℃におけるG’が小さくなり、その影響でTh−Tl(℃)が14℃になった。前記樹脂をキャリアコア表面へ被覆した際、適正な粘弾性を有していない為、キャリアコアに対する膜圧の均一被覆性が著しく低下した。その結果、帯電付与能が不均一となり、耐久で帯電量分布がブロードになった。その為、全体的に画像特性が悪化したが、特にトナー飛散、画像濃度上昇が顕著であり、総合判定の結果は、不可レベルであった。詳細結果を表5に示す。
Claims (11)
- 磁性キャリアコア、および、
前記磁性キャリアコアの表面に樹脂組成物で形成されている樹脂被覆層
を有する磁性キャリアであって、
前記樹脂組成物は、
(i)温度90℃から150℃において、貯蔵弾性率G’が1.0×104(Pa)以
上1.0×108(Pa)以下であり、損失弾性率G”が1.0×103(Pa)以上5.
0×107(Pa)以下であり、
(ii)損失弾性率G”/貯蔵弾性率G’で示される損失正接tanδが、90℃以上
150℃以下の範囲に極大を有し、
(iii)前記極大時の損失正接tanδの常用対数(log(tanδ))をPとし
、P−0.15となるlog(tanδ)の低温側の温度をTl(℃)とし、高温側の温
度をTh(℃)としたとき、下記式
30≦Th−Tl≦60(℃)
を満たし、
前記樹脂組成物が、
下記式(A1)で表される鎖式モノマーと、
下記式(A2)で表される脂環式モノマーと
の共重合体を含有することを特徴とする磁性キャリア。
- 前記樹脂組成物が、マクロモノマーと他のモノマーとの共重合体である樹脂を含有し、
前記マクロモノマーが、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、
メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル
、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルからなる群より選択される少なくと
も1種のモノマーの重合体であるマクロモノマーである請求項1に記載の磁性キャリア。 - 前記樹脂組成物が、マクロモノマーを含有する2種以上のモノマーの共重合体を含む樹
脂組成物であり、前記マクロモノマーの質量比率が、全モノマーの質量を100としたと
き、50以上80以下である請求項1又は2に記載の磁性キャリア。 - 前記樹脂組成物を固形分濃度35質量%の割合で、質量比1:1のトルエン:メチルエ
チルケトン混合溶剤中に溶解させたときの25℃における溶液粘度が、250(mPa・
s)以上700(mPa・s)以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁性キャ
リア。 - 前記樹脂組成物が、
マクロモノマーを含有する2種以上のモノマーの共重合体である樹脂と、
メタクリル酸エステルモノマーの重合体を含む樹脂組成物と、
の混合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁性キャリア。 - 前記樹脂被覆層が導電性微粒子を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁性キ
ャリア。 - 前記磁性キャリアコアが、磁性酸化物および樹脂組成物を含有する請求項1〜6のいず
れか1項に記載の磁性キャリア。 - 前記磁性キャリアコアが、多孔質磁性コア粒子および前記多孔質磁性コア粒子の空孔に
充填されている樹脂を有する請求項7に記載の磁性キャリア。 - 前記磁性キャリアコアが、結着樹脂および前記結着樹脂中に分散している磁性体を有す
る請求項7に記載の磁性キャリア。 - 磁性キャリアとトナーを含む二成分系現像剤であって、前記磁性キャリアが請求項1〜
9のいずれか1項に記載の磁性キャリアである二成分系現像剤。 - 磁性キャリアとトナーを含む補給用現像剤を現像器に補給しながら現像し、前記現像器
内で過剰になった磁性キャリアを必要に応じて現像器から排出する二成分現像方法に使用
するための補給用現像剤であって、
前記補給用現像剤が、前記磁性キャリア1質量部に対して前記トナーを2質量部以上5
0質量部以下の割合で含有し、
前記磁性キャリアが、請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁性キャリアである補給用現像剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012225870A JP6061603B2 (ja) | 2012-10-11 | 2012-10-11 | 磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012225870A JP6061603B2 (ja) | 2012-10-11 | 2012-10-11 | 磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014077902A JP2014077902A (ja) | 2014-05-01 |
JP2014077902A5 JP2014077902A5 (ja) | 2015-11-26 |
JP6061603B2 true JP6061603B2 (ja) | 2017-01-18 |
Family
ID=50783246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012225870A Active JP6061603B2 (ja) | 2012-10-11 | 2012-10-11 | 磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6061603B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6632249B2 (ja) * | 2014-08-26 | 2020-01-22 | キヤノン株式会社 | 磁性キャリア及び二成分系現像剤 |
JP6659142B2 (ja) * | 2016-01-08 | 2020-03-04 | キヤノン株式会社 | 磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤、及び画像形成方法 |
JP7293010B2 (ja) | 2018-08-08 | 2023-06-19 | キヤノン株式会社 | 磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤、及び画像形成方法 |
JP7130518B2 (ja) * | 2018-09-28 | 2022-09-05 | キヤノン株式会社 | 磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤、及び画像形成方法 |
WO2022224309A1 (ja) * | 2021-04-19 | 2022-10-27 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | モノマー組成物、成形体、ボンド磁石、及び圧粉磁心 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5072486B2 (ja) * | 2007-08-27 | 2012-11-14 | キヤノン株式会社 | 二成分系現像剤、補給用現像剤、及び画像形成方法 |
JP5106308B2 (ja) * | 2008-03-06 | 2012-12-26 | キヤノン株式会社 | 磁性キャリア及び二成分系現像剤 |
JP5517520B2 (ja) * | 2009-07-30 | 2014-06-11 | キヤノン株式会社 | 磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤 |
JP2011065092A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像用キャリアの製造方法、静電荷像現像用現像剤、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 |
-
2012
- 2012-10-11 JP JP2012225870A patent/JP6061603B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014077902A (ja) | 2014-05-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6632249B2 (ja) | 磁性キャリア及び二成分系現像剤 | |
JP6418992B2 (ja) | 磁性キャリアおよびその製造方法 | |
JP6700909B2 (ja) | 磁性キャリア | |
JP5106308B2 (ja) | 磁性キャリア及び二成分系現像剤 | |
JP5513387B2 (ja) | 磁性キャリア、二成分系現像剤及び画像形成方法 | |
JP2015179258A (ja) | 磁性キャリアおよび二成分系現像剤 | |
JP2014006513A (ja) | 磁性キャリア及び二成分系現像剤 | |
JP2010061120A (ja) | 磁性キャリア及び二成分系現像剤 | |
JP6320147B2 (ja) | 磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤、及び画像形成方法 | |
JP6659142B2 (ja) | 磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤、及び画像形成方法 | |
JP7293009B2 (ja) | 磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤、及び画像形成方法 | |
JP6061603B2 (ja) | 磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤 | |
JP6362425B2 (ja) | 磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤、及び画像形成方法 | |
JP2017003858A (ja) | キャリア及び現像剤 | |
JP6362426B2 (ja) | 磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤、及び画像形成方法 | |
JP5511416B2 (ja) | 磁性キャリア及び二成分系現像剤 | |
JP5495633B2 (ja) | 磁性キャリア及び二成分系現像剤 | |
JP5517520B2 (ja) | 磁性キャリア、二成分系現像剤及び補給用現像剤 | |
JP3284488B2 (ja) | 二成分系現像剤,現像方法及び画像形成方法 | |
JP6270522B2 (ja) | 磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤及び画像形成方法 | |
JP2011033861A (ja) | 磁性キャリア、二成分現像剤及び補給用現像剤 | |
JP2015203742A (ja) | 磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤及び画像形成方法 | |
JP6711626B2 (ja) | 磁性キャリア、二成分系現像剤、画像形成方法、補給用現像剤 | |
JP2011141350A (ja) | 磁性キャリア及び二成分系現像剤 | |
JP5219682B2 (ja) | 磁性キャリア及び二成分系現像剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151006 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20151006 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160629 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160705 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160902 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161115 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161213 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6061603 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |