JP2021182073A - フェライトキャリア芯材並びにこれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 - Google Patents

フェライトキャリア芯材並びにこれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 Download PDF

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啓太郎 赤井
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Abstract

【課題】現像メモリが抑制でき、また現像ローラへの現像剤のくみ上げ量及び現像領域への搬送量の低下が生じにくいキャリア芯材を提供する。【解決手段】(MnxMgy)Fe3−(x+y)O4(但し、0.1<x≦1,0.1<y≦1である。)で表される組成を有するフェライトキャリア芯材であって、Mn,Mg,Feの総mol数に対してCaが0.10mol%超1.0mol%未満の範囲含有され、キャリア芯材の帯電量が18μC/g以上であることを特徴とする。ここで、キャリア芯材の粒子の最大山谷深さRzは1.4μm以上であるのが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、フェライトキャリア芯材並びにこれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤に関するものである。
例えば、電子写真方式を用いたファクシミリやプリンター、複写機などの画像形成装置では、感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて可視像化し、この可視像を用紙等に転写した後、加熱・加圧して定着させている。高画質化やカラー化の観点から、現像剤としては、キャリアとトナーとを含むいわゆる二成分現像剤が広く使用されている。
二成分現像剤を用いた現像方式では、キャリアとトナーとが現像装置内で撹拌混合され、摩擦によってトナーが所定量まで帯電される。そして、回転する現像ローラに現像剤が供給され、現像ローラ上で磁気ブラシが形成して、磁気ブラシを介して感光体へトナーが電気的に移動して感光体上の静電潜像が可視像化される。トナー移動後のキャリアは現像ローラ上に残留し、現像装置内で再びトナーと混合される。このため、キャリアの特性として、現像ローラへの移動特性(くみ上げ性)、磁気ブラシを形成する磁気特性と、所望の電荷をトナーに付与する帯電特性および繰り返し使用における耐久性などが要求される。
このようなキャリアとして、マグネタイトや各種フェライト等の磁性粒子の表面を樹脂で被覆したものが一般に用いられている。キャリア芯材としての磁性粒子には、良好な磁気的特性と共に、トナーに対する良好な摩擦帯電特性などが要求される。このような特性を満たすキャリア芯材として種々の形状のものが提案されている。
例えば、現像メモリ(前画像の影響が後画像に表れる現象)等の抑制を目的として、ストロンチウム(Sr)及びケイ素(Si)が特定量含有され、粒子の最大山谷深さRz及びその標準偏差σが特定範囲であるマンガン(Mn)フェライト粒子をキャリア芯材として使用することが提案されている(特許文献1)。またロック型氷砂糖形状及び/又は牡蠣殻形状といった形状が極端に異形化したフェライト芯材も提案されている(特許文献2)。
特開2017−031031号公報 特開2007−148452号公報
しかしながら、粒子の最大山谷深さRzを大きくすなわち粒子表面の凹凸化を進めることによって、キャリア芯材の表面を樹脂被覆した場合にキャリア芯材の一部が表面に露出して樹脂被覆キャリアの電気抵抗が下がって現像メモリの発生はある程度抑制はされるものの、現像剤の現像ローラへのくみ上げ量及び現像領域への現像剤の搬送量が十分でない虞がある。
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、現像メモリが抑制でき、また現像ローラへの現像剤のくみ上げ量及び現像領域への搬送量の低下が生じにくいキャリア芯材を提供することにある。
また本発明の他の目的は、長期間の使用においても安定して良好な画質画像を形成することができる電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤を提供することにある。
前記目的を達成する本発明に係るフェライトキャリア芯材(以下、単に「キャリア芯材と記すことがある。」)は、(MnMg)Fe3−(x+y)(但し、0.1<x≦1,0.1<y≦1である。)で表される組成を有するフェライトキャリア芯材であって、Mn,Mg,Feの総mol数に対してCaが0.10mol%超1.0mol%未満の範囲含有され、帯電量が18μC/g以上であることを特徴とする。
ここで、前記構成のキャリア芯材において、粒子の最大山谷深さRzが1.4μm以上であるのが好ましい。
また本発明によれば、前記のいずれかに記載のキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリアが提供される。
そしてまた本発明によれば、前記記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含むことを特徴とする電子写真用現像剤が提供される。
なお、本発明におけるキャリア芯材の帯電量は次の方法によって測定したものである。
キャリア芯材9.5g、市販のフルカラー機のトナー0.5gを100mlの栓付きガラス瓶に入れ、温度25℃、相対湿度50%の環境下で12時間放置して調湿する。調湿したキャリア芯材とトナーを振とう器で30分間振とうし混合する。ここで、振とう器については、株式会社ヤヨイ製のNEW−YS型を用い、200回/分、角度60°で行った。混合したキャリア芯材とトナーを500mg計量し、帯電量測定装置で帯電量を測定した。帯電量測定装置としては、日本パイオテク社製「STC-1-C1型」を用い、吸引圧力5.0kPa、吸引用メッシュはSUS製の795meshを用いた。同一サンプルについて2回の測定を行い、これらの平均値を帯電量とした。帯電量は下記式から算出される。なお、測定用のトナーとしては株式会社リコー社製「RICOH SP トナー シアン C840用」を用いた。また、測定環境は、温度25℃、相対湿度50%とした。
帯電量(μC/g)=実測電荷(nC)×10×係数(1.0083×10−3)÷トナー重量
(式中、トナー重量=(吸引前重量(g)−吸引後重量(g)))
また、本明細書において示す「〜」は、特に断りのない限り、その前後に記載の数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
本発明に係るキャリア芯材によれば、現像メモリが抑制されると共に、現像ローラへの現像剤のくみ上げ量及び現像領域への搬送量の低下が抑制される。
また本発明に係るキャリア芯材を含む現像剤を用いれば、長期間の使用においても安定して良好な画質画像を形成することができる。
本発明に係るキャリアを用いた現像装置の一例を示す概説図である。
本発明に係るキャリア芯材の大きな特徴の一つは、(MnMg)Fe3−(x+y)(但し、0.1<x≦1,0.1<y≦1である。)で表される組成を有し、Mn(マンガン),Mg(マグネシウム),Fe(鉄)の総mol数に対してCa(カルシウム)が0.10mol%超1.0mol%未満の範囲含有されていることである。Caが上記量含有されることによってキャリア芯材の電気特性、磁気特性、形状特性を所望範囲に調整できる。具体的一例としては、Caが上記量含有されることによって電気抵抗が高くなってキャリア芯材の帯電量が高くなる。
また本発明に係るキャリア芯材のもう一つの大きな特徴は、キャリア芯材の帯電量が18μC/g以上であることである。キャリア芯材の帯電量が18μC/g以上であることによって、その機構は今のところ定かではないがキャリアの経時による帯電量変化が抑制されて現像剤のかさ密度変化が抑制され、現像剤の搬送量の低下が抑制されると推測される。キャリア芯材の帯電量の好ましい上限値は40μC/gであり、より好ましい上限値は30μC/gである。
本発明のキャリア芯材の見掛け密度AD(g/cm)は1.80以上2.80以下の範囲が好ましく、より好ましくは2.00以上2.50以下の範囲である。
また、本発明のキャリア芯材の流動度FR(sec/50g)は20以上50以下の範囲が好ましく、より好ましくは24以上40以下の範囲である。流動度FRがこの範囲であるとキャリア芯材を構成する粒子間のストレスが小さく樹脂被覆層の摩耗が抑制される。
本発明のキャリア芯材の体積平均粒径(D50)としては、20μm以上60μm以下の範囲が好ましく、より好ましくは25μm以上40μm以下の範囲である。また、キャリア芯材の粒径22μm以下の割合は5.0%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下である。
本発明のキャリア芯材の電圧1000Vにおける電気抵抗は、5.0×10Ω以上であるのが好ましく、より好ましくは1.0×10Ω以上である。電気抵抗が5.0×10Ω以上であることによって、キャリア芯材への電荷注入が効果的に抑制されキャリア付着が抑えられる。なお、この電気抵抗値は、後述の実施例における静的電気抵抗の測定方法によるものである。
本発明のキャリア芯材の磁気特性は次の範囲が好ましい。なお、これらの磁気特性は後述の実施例における磁気特性の測定方法によるものである。まず、飽和磁化σ(Am/kg)は40以上90以下の範囲が好ましく、55以上70以下の範囲がより好ましい。飽和磁化σが90Am/kgを超えると、現像ローラの外周に形成される磁気ブラシが固くなって磁気ブラシの密度が低くなり現像領域への現像剤の搬送量が不十分となるおそれがある。
また、磁場79.58×10A/m(1,000エルステッド)を印加した際の磁化σ1k(Am/kg)は30以上80以下の範囲が好ましく、より好ましくは45以上65以下の範囲である。また、残留磁化σ(Am/kg)は0.1以上4.0以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.1以上2.5以下の範囲である。残留磁化σが小さすぎると現像ローラへの現像剤のくみ上げ量が低下するおそれがある一方、残留磁化σが大きすぎると現像ローラからのキャリアの剥離が困難になるおそれがある。そしてまた、保持力H(×10/(4π)A/m)は1.0以上25.0以下の範囲が好ましい。
本発明のキャリア芯材の形状特性は次の範囲が好ましい。まず、粒子の最大山谷深さRz(μm)は1.4μm以上が好ましい。最大山谷深さRzが1.4μm以上であることによって現像メモリや現像剤搬送量不足が抑制されやすくなる。粒子の最大山谷深さRzの好ましい上限値は3.0μmであり、より好ましい上限値は2.1μmである。
またキャリア芯材の平均長さRSm(μm)は4.0以上10.0以下の範囲が好ましく、より好ましくは5.0以上8.0以下の範囲である。また、キャリア芯材の歪度Rskは−0.50以上0.00以下の範囲が好ましく、より好ましくは−0.40以上−0.05以下の範囲である。
本発明に係るキャリア芯材の細孔容積PV(cm/g)の好ましい範囲は0.002以上0.100以下の範囲であり、より好ましい範囲は0.002以上0.040以下の範囲である。細孔容積PVが小さすぎると現像ローラへの現像剤のくみ上げ量が低下するおそれがある一方、細孔容積PVが大きすぎるとキャリア芯材の1粒子当たりの磁化が低下してキャリア付着などの新たな不具合が発生するおそれがある。
本発明のキャリア芯材のBET比表面積(m/g)は0.03以上0.50以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.04以上0.30以下の範囲である。本発明のキャリア芯材の真密度(g/cm)は4.2以上5.2以下の範囲が好ましく、より好ましくは4.5以上4.9以下の範囲である。
本発明のキャリア芯材の絶縁破壊電圧BD(V)は2000以上が好ましい。
本発明のキャリア芯材の製造方法に特に限定はないが、以下に説明する製造方法が好適である。
まず、Fe成分原料、Mn成分原料、Mg成分原料、Ca成分原料、そして必要により従来公知の添加剤を秤量する。Fe成分原料としては、Fe等が好適に使用される。Mn成分原料としてはMnCO、Mn等が使用できる。Mg成分原料としてはMgCO、Mg等が使用できる。また、Ca成分原料としては、CaCO、Ca(NO等が好適に使用できる。
次いで、原料を分散媒中に投入しスラリーを作製する。本発明で使用する分散媒としては水が好適である。分散媒には、前記仮焼成原料の他、必要によりバインダー、分散剤等を配合してもよい。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが好適に使用できる。バインダーの配合量としてはスラリー中の濃度が0.1質量%〜2質量%程度とするのが好ましい。また、分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸アンモニウムやメタクリル酸系ポリマー等が好適に使用できる。分散剤の配合量としてはスラリー中の濃度が0.1質量%〜2質量%程度とするのが好ましい。その他、カーボンブラックなどの還元剤、アンモニアなどのpH調整剤、潤滑剤、焼結促進剤等を配合してもよい。スラリーの固形分濃度は50質量%〜90質量%の範囲が望ましい。より好ましくは60質量%〜80質量%である。60質量%以上であれば、造粒物中に粒子内細孔が少なく、焼成時の焼結不足を防ぐことができる。
なお、秤量した原料を混合し仮焼成し解粒した後、分散媒に投入しスラリーを作製してもよい。仮焼成の温度としては750℃〜1000℃の範囲が好ましい。750℃以上であれば、仮焼による一部フェライト化が進み、焼成時のガス発生量が少なく、固体間反応が十分に進むため、好ましい。一方、1000℃以下であれば、仮焼による焼結が弱く、後のスラリー粉砕工程で原料を十分に粉砕できるので好ましい。また、仮焼成時の雰囲気としては大気雰囲気が好ましい。
次に、以上のようにして作製されたスラリーを湿式粉砕する。例えば、ボールミルや振動ミルを用いて所定時間湿式粉砕する。粉砕後の原材料の平均粒径は5μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下である。振動ミルやボールミルには、所定粒径のメディアを内在させるのがよい。メディアの材質としては、鉄系のクロム鋼や酸化物系のジルコニア、チタニア、アルミナなどが挙げられる。粉砕工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。粉砕物の粒径は、粉砕時間や回転速度、使用するメディアの材質・粒径などによって調整される。
そして、粉砕されたスラリーを噴霧乾燥させて造粒する。具体的には、スプレードライヤーなどの噴霧乾燥機にスラリーを導入し、雰囲気中へ噴霧することによって球形に造粒する。噴霧乾燥時の雰囲気温度は100℃〜300℃の範囲が好ましい。これにより、粒径10μm〜200μmの球形の造粒物が得られる。次いで、必要により、得られた造粒物を振動篩を用いて分級し所定の粒径範囲の造粒物を作製する。
次に、前記の造粒物を所定温度に加熱した炉に投入して、フェライト粒子を合成するための一般的な手法で焼成することにより、フェライト粒子を生成させる。焼成温度としては1050℃〜1350℃の範囲が好ましい。より好ましくは1100℃〜1250℃の範囲である。焼成温度が1050℃以下であると、相変態が起こりにくくなるとともに焼結も進みにくくなる。また、焼成温度が1350℃を超えると、過剰焼結による過大グレインの発生がするおそれがある。前記焼成温度に至るまでの昇温速度としては250℃/h〜500℃/hの範囲が好ましい。焼成温度での保持時間は2時間以上が好ましい。フェライト粒子表面の凹凸は焼成工程における酸素濃度によっても調整可能である。具体的には酸素濃度を0.05%〜10%とする。また、冷却時の酸素濃度を焼成時の酸素濃度よりも低くすることによって、フェライト相の酸化状態の調整を図ってもよい。具体的には酸素濃度を0.05%〜21%の範囲とする。昇温・焼結・冷却における酸素濃度は0.05%〜21%の範囲に制御するのが好ましい。より好ましい昇温段階での酸素濃度は0.6%〜5%の範囲である。
このようにして得られた焼成物を必要により解粒する。具体的には、例えば、ハンマーミル等によって焼成物を解粒する。解粒工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。また解粒処理後、必要により、粒径を所定範囲に揃えるため分級を行ってもよい。分級方法としては、風力分級や篩分級など従来公知の方法を用いることができる。また、風力分級機で1次分級した後、振動篩や超音波篩で粒径を所定範囲に揃えるようにしてもよい。さらに、分級工程後に、磁場選鉱機によって非磁性粒子を除去するようにしてもよい。フェライト粒子の粒径としては25μm以上50μm未満が好ましい。
その後、必要に応じて、分級後のフェライト粒子を酸化性雰囲気中で加熱して、粒子表面に酸化被膜を形成してフェライト粒子の高抵抗化を図ってもよい(高抵抗化処理)。酸化性雰囲気としては大気雰囲気又は酸素と窒素の混合雰囲気のいずれでもよい。また、加熱温度は200℃以上800℃以下の範囲が好ましく、360℃以上550℃以下の範囲がさらに好ましい。加熱時間は0.5時間以上5時間以下の範囲が好ましい。なお、フェライト粒子の表面と内部とを均質化する観点からは加熱温度は低温であるのが望ましい。
以上のようにして作製したフェライト粒子を本発明のキャリア芯材として用いる。そして、所望の帯電性等を得るために、キャリア芯材の外周を樹脂で被覆して電子写真現像用キャリアとする。
キャリア芯材の表面を被覆する樹脂としては、従来公知のものが使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリ塩化ビニリデン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリスチレン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、並びにポリ塩化ビニル系やポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エストラマー、フッ素シリコーン系樹脂などが挙げられる。
キャリア芯材の表面を樹脂で被覆するには、樹脂の溶液又は分散液をキャリア芯材に施せばよい。塗布溶液用の溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類溶媒;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒などの1種又は2種以上を用いることができる。塗布溶液中の樹脂成分濃度は、一般に0.001質量%以上30質量%以下、特に0.001質量%以上2質量%以下の範囲内にあるのがよい。
キャリア芯材への樹脂の被覆方法としては、例えばスプレードライ法や流動床法あるいは流動床を用いたスプレードライ法、浸漬法等を用いることができる。これらの中でも、少ない樹脂量で効率的に塗布できる点で流動床法が特に好ましい。樹脂被覆量は、例えば流動床法の場合には吹き付ける樹脂溶液量や吹き付け時間によって調整することができる。
キャリアの粒子径は、一般に、体積平均粒子径で20μm以上60μm未満の範囲、特に25μm以上40μm以下の範囲が好ましい。
本発明に係る電子写真用現像剤は、以上のようにして作製したキャリアとトナーとを混合してなる。キャリアとトナーとの混合比に特に限定はなく、使用する現像装置の現像条件などから適宜決定すればよい。一般に現像剤中のトナー濃度は1質量%以上15質量%以下の範囲が好ましい。トナー濃度が1質量%未満の場合、画像濃度が薄くなりすぎ、他方トナー濃度が15質量%を超える場合、現像装置内でトナー飛散が発生し機内汚れや転写紙などの背景部分にトナーが付着する不具合が生じるおそれがあるからである。より好ましいトナー濃度は3質量%以上10質量%以下の範囲である。
トナーとしては、重合法、粉砕分級法、溶融造粒法、スプレー造粒法など従来公知の方法で製造したものが使用できる。具体的には、熱可塑性樹脂を主成分とする結着樹脂中に、着色剤、離型剤、帯電制御剤等を含有させたものが好適に使用できる。
トナーの粒径は、一般に、コールターカウンターによる体積平均粒径で5μm以上15μm以下の範囲が好ましく、7μm以上12μm以下の範囲がより好ましい。
トナー表面には、必要により、改質剤を添加してもよい。改質剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアとトナーとの混合は、従来公知の混合装置を用いることができる。例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、タンブラーミキサー、ハイブリタイザー等を用いることができる。
本発明の現像剤を用いた現像方法に特に限定はないが、磁気ブラシ現像法が好適である。図1に、磁気ブラシ現像を行う現像装置の一例を示す概説図を示す。図1に示す現像装置は、複数の磁極を内蔵した回転自在の現像ローラ3と、現像部へ搬送される現像ローラ3上の現像剤量を規制する規制ブレード6と、水平方向に平行に配置され、互いに逆向きに現像剤を撹拌搬送する2本のスクリュー1,2と、2本のスクリュー1,2の間に形成され、両スクリューの両端部において、一方のスクリューから他方のスクリューに現像剤の移動を可能とし、両端部以外での現像剤の移動を防ぐ仕切板4とを備える。
2本のスクリュー1,2は、螺旋状の羽根13,23が同じ傾斜角で軸部11,21に形成されたものであって、不図示の駆動機構によって同方向に回転し、現像剤を互いに逆方向に搬送する。そして、スクリュー1,2の両端部において一方のスクリューから他方のスクリューに現像剤が移動する。これによりトナーとキャリアからなる現像剤は装置内を常に循環し撹拌されることになる。
一方、現像ローラ3は、表面に数μmの凹凸を付けた金属製の筒状体の内部に、磁極発生手段として、現像磁極N、搬送磁極S、剥離磁極N、汲み上げ磁極N、ブレード磁極Sの5つの磁極を順に配置した固定磁石を有してなる。現像ローラ3の筒状体が矢印方向に回転すると、汲み上げ磁極Nの磁力によって、スクリュー1から現像ローラ3へ現像剤が汲み上げられる。現像ローラ3の表面に担持された現像剤は、規制ブレード6により層規制された後、現像領域へ搬送される。
現像領域では、直流電圧に交流電圧を重畳したバイアス電圧が転写電圧電源8から現像ローラ3に印加される。バイアス電圧の直流電圧成分は、感光体ドラム5表面の背景部電位と画像部電位との間の電位とされる。また、背景部電位と画像部電位とは、バイアス電圧の最大値と最小値との間の電位とされる。バイアス電圧のピーク間電圧は0.5kV〜5kVの範囲が好ましく、周波数は1kHz〜10kHzの範囲が好ましい。またバイアス電圧の波形は矩形波、サイン波、三角波などいずれであってもよい。これによって、現像領域においてトナー及びキャリアが振動し、トナーが感光体ドラム5上の静電潜像に付着して現像がなされる。
その後現像ローラ3上の現像剤は、搬送磁極Sによって装置内部に搬送され、剥離電極Nによって現像ローラ3から剥離して、スクリュー1,2によって装置内を再び循環搬送され、現像に供していない現像剤と混合撹拌される。そして汲み上げ極Nによって、新たに現像剤がスクリュー1から現像ローラ3へ供給される。
なお、図1に示した実施形態では現像ローラ3に内蔵された磁極は5つであったが、現像剤の現像領域での移動量を一層大きくしたり、汲み上げ性等を一層向上させるために、磁極を8極や10極、12極と増やしてももちろん構わない。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
実施例1
原料として、Fe(平均粒径:0.6μm)9.76kg、MgOを2.24kgを混合した。この混合物をローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、850℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。乾式ビーズミルで6時間粉砕し仮焼原料を得た。得られた仮焼成粉を水7.98kg中に分散し、Fe(平均粒径:0.6μm)6.40kg、Mn(平均粒径:2μm)3.11kg、CaCOを156.4g、ポリカルボン酸アンモニウム系分散剤50%含有溶液を236.3g添加し、湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。このスラリーにおける固形分濃度は73.5%、スラリー中の原料の累積分布50%粒径D50は1.0μm、累積分布90%粒径D90は3.8μmであった。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、乾燥造粒粉を得た。なお、このとき、目的の粒度分布以外の造粒粉は篩により除去した。
この造粒粉を、電気焼成炉に投入し、温度1250℃で保持時間3時間として、本焼成を行った。その後酸素濃度0.75%で6時間かけて冷却した。得られた焼成物は解粒後に篩を用いて分級し、平均粒径35.9μmのキャリア芯材を得た。
得られたキャリア芯材の見掛け密度、流動度、体積平均粒径(平均粒径)、磁気特性、細孔容積、BET比表面積、静的電気抵抗、真密度を下記に示す方法で測定した。測定結果を表1及び表2に示す。なお、以下の実施例及び比較例のキャリア芯材についても同様の方法で物性測定した。
実施例2
実施例1で得られたキャリア芯材に対して、温度400℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例2に係るキャリア芯材を得た。
実施例3
実施例1で得られたキャリア芯材に対して、温度420℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例3に係るキャリア芯材を得た。
実施例4
実施例1で得られたキャリア芯材に対して、温度440℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例4に係るキャリア芯材を得た。
実施例5
実施例1で得られたキャリア芯材に対して、温度460℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例5に係るキャリア芯材を得た。
実施例6
実施例1で得られたキャリア芯材に対して、温度480℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例6に係るキャリア芯材を得た。
実施例7
原料として、Fe(平均粒径:0.6μm)8.13kg、MgOを1.87kgを混合した。この混合物をローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、850℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。乾式ビーズミルで6時間粉砕し、仮焼原料を得た。得られた仮焼成粉を水8.12kg中に分散し、Fe(平均粒径:0.6μm)7.99kg、Mn(平均粒径:2μm)3.89kg、CaCOを159.7g、ポリカルボン酸アンモニウム系分散剤50%含有溶液を240.3g添加し、湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。このスラリーにおける固形分濃度は73.5%、スラリー中の原料の累積分布50%粒径D50は1.1μm、累積分布90%粒径D90は6.1μmであった。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、乾燥造粒粉を得た。なお、このとき、目的の粒度分布以外の造粒粉は篩により除去した。
この造粒粉を、電気焼成炉に投入し、温度1250℃で保持時間3時間として、本焼成を行った。その後酸素濃度0.75%で6時間かけて冷却した。得られた焼成物は解粒後に篩を用いて分級し、平均粒径35.7μmのキャリア芯材を得た。
実施例8
実施例7で得られたキャリア芯材に対して、温度400℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例8に係るキャリア芯材を得た。
実施例9
実施例7で得られたキャリア芯材に対して、温度420℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例9に係るキャリア芯材を得た。
実施例10
実施例7で得られたキャリア芯材に対して、温度440℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例10に係るキャリア芯材を得た。
実施例11
実施例7で得られたキャリア芯材に対して、温度460℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例11に係るキャリア芯材を得た。
実施例12
実施例7で得られたキャリア芯材に対して、温度480℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例12に係るキャリア芯材を得た。
実施例13
原料として、Fe(平均粒径:0.6μm)6.50kg、MgOを1.50kgを混合した。この混合物をローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、850℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。乾式ビーズミルで6時間粉砕し、仮焼原料を得た。得られた仮焼成粉を水8.25kg中に分散し、Fe(平均粒径:0.6μm)9.56kg、Mn(平均粒径:2μm)4.66kg、CaCOを162.8g、ポリカルボン酸アンモニウム系分散剤50%含有溶液を244.1g添加し、湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。このスラリーにおける固形分濃度は73.5%、スラリー中の原料の累積分布50%粒径D50は1.1μm、累積分布90%粒径D90は5.1μmであった。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、乾燥造粒粉を得た。なお、このとき、目的の粒度分布以外の造粒粉は篩により除去した。
この造粒粉を、電気焼成炉に投入し、温度1250℃で保持時間3時間として、本焼成を行った。その後酸素濃度0.75%で6時間かけて冷却した。得られた焼成物は解粒後に篩を用いて分級し、平均粒径36.2μmのキャリア芯材を得た。
実施例14
実施例13で得られたキャリア芯材に対して、温度400℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例14に係るキャリア芯材を得た。
実施例15
実施例13で得られたキャリア芯材に対して、温度420℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例15に係るキャリア芯材を得た。
実施例16
実施例13で得られたキャリア芯材に対して、温度440℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例16に係るキャリア芯材を得た。
実施例17
実施例13で得られたキャリア芯材に対して、温度460℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例17に係るキャリア芯材を得た。
実施例18
実施例13で得られたキャリア芯材に対して、温度480℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例18に係るキャリア芯材を得た。
実施例19
原料として、Fe(平均粒径:0.6μm)14.34kg、Mn(平均粒径:2μm)4.62kg、MgOを1.04kgを混合した。この混合物をローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、850℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。乾式ビーズミルで6時間粉砕し、仮焼原料を得た。得られた仮焼成粉を水7.12kg中に分散し、CaCOを149.5g、ポリカルボン酸アンモニウム系分散剤50%含有溶液を219.7g添加し、湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。このスラリーにおける固形分濃度は73.5%、スラリー中の原料の累積分布50%粒径D50は1.5μm、累積分布90%粒径D90は5.3μmであった。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約220℃の熱風中に噴霧し、乾燥造粒粉を得た。なお、このとき、目的の粒度分布以外の造粒粉は篩により除去した。
この造粒粉を、電気焼成炉に投入し、温度1250℃で保持時間3時間として、本焼成を行った。その後酸素濃度0.75%で6時間かけて冷却した。得られた焼成物は解粒後に篩を用いて分級し、平均粒径35.6μmのキャリア芯材を得た。
実施例20
原料として、Fe(平均粒径:0.6μm)28.68kg、Mn(平均粒径:2μm)9.24kg、MgOを2.08kgを混合した。この混合物をローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、850℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。乾式ビーズミルで6時間粉砕し、仮焼原料を得た。得られた仮焼成粉を水14.85kg中に分散し、CaCOを299.0g、ポリカルボン酸アンモニウム系分散剤50%含有溶液を439.4g添加し、湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。このスラリーにおける固形分濃度は73.5%、スラリー中の原料の累積分布50%粒径D50は1.6μm、累積分布90%粒径D90は6.3μmであった。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、乾燥造粒粉を得た。なお、このとき、目的の粒度分布以外の造粒粉は篩により除去した。
この造粒粉を、電気焼成炉に投入し、温度1250℃で保持時間3時間として、本焼成を行った。その後酸素濃度0.75%で6時間かけて冷却した。得られた焼成物は解粒後に篩を用いて分級し、平均粒径35.7μmのキャリア芯材を得た。
実施例21
実施例20で得られたキャリア芯材に対して、温度420℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例21に係るキャリア芯材を得た。
実施例22
実施例20で得られたキャリア芯材に対して、温度440℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例22に係るキャリア芯材を得た。
実施例23
実施例20で得られたキャリア芯材に対して、温度460℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例23に係るキャリア芯材を得た。
実施例24
実施例20で得られたキャリア芯材に対して、温度480℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例24に係るキャリア芯材を得た。
実施例25
原料として、Fe(平均粒径:0.6μm)18.64kg、Mn(平均粒径:2μm)6.01kg、MgOを1.35kgを混合した。この混合物をローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、850℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。乾式ビーズミルで6時間粉砕し、仮焼原料を得た。得られた仮焼成粉を水14.71kg中に分散し、CaCOを295.6g、ポリカルボン酸アンモニウム系分散剤50%含有溶液を435.4g添加し、湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。このスラリーにおける固形分濃度は73.5%、スラリー中の原料の累積分布50%粒径D50は1.1μm、累積分布90%粒径D90は5.2μmであった。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、乾燥造粒粉を得た。なお、このとき、目的の粒度分布以外の造粒粉は篩により除去した。
この造粒粉を、電気焼成炉に投入し、温度1250℃で保持時間3時間として、本焼成を行った。その後酸素濃度0.75%で6時間かけて冷却した。得られた焼成物は解粒後に篩を用いて分級し、平均粒径36.0μmのキャリア芯材を得た。
実施例26
実施例25で得られたキャリア芯材に対して、温度420℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例26に係るキャリア芯材を得た。
実施例27
実施例25で得られたキャリア芯材に対して、温度440℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例27に係るキャリア芯材を得た。
実施例28
実施例25で得られたキャリア芯材に対して、温度460℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例28に係るキャリア芯材を得た。
実施例29
実施例25で得られたキャリア芯材に対して、温度480℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例29に係るキャリア芯材を得た。
実施例30
原料として、Fe(平均粒径:0.6μm)28.68kg、Mn(平均粒径:2μm)9.24kg、MgOを2.08kgを混合した。この混合物をローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、850℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。乾式ビーズミルで6時間粉砕し、仮焼原料を得た。得られた仮焼成粉を水14.85kg中に分散し、CaCOを217.5g、ポリカルボン酸アンモニウム系分散剤50%含有溶液を439.4g添加し、湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。このスラリーにおける固形分濃度は73.5%、スラリー中の原料の累積分布50%粒径D50は1.5μm、累積分布90%粒径D90は6.1μmであった。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、乾燥造粒粉を得た。なお、このとき、目的の粒度分布以外の造粒粉は篩により除去した。
この造粒粉を、電気焼成炉に投入し、温度1250℃で保持時間3時間として、本焼成を行った。その後酸素濃度0.75%で6時間かけて冷却した。得られた焼成物は解粒後に篩を用いて分級し、平均粒径36.2μmのキャリア芯材を得た。
実施例31
原料として、Fe(平均粒径:0.6μm)28.68kg、Mn(平均粒径:2μm)9.24kg、MgOを2.08kgを混合した。この混合物をローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、850℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。乾式ビーズミルで6時間粉砕し、仮焼原料を得た。得られた仮焼成粉を水14.78kg中に分散し、CaCOを108.7g、ポリカルボン酸アンモニウム系分散剤50%含有溶液を439.4g添加し、湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。このスラリーにおける固形分濃度は73.5%、スラリー中の原料の累積分布50%粒径D50は1.6μm、累積分布90%粒径D90は6.1μmであった。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、乾燥造粒粉を得た。なお、このとき、目的の粒度分布以外の造粒粉は篩により除去した。
この造粒粉を、電気焼成炉に投入し、温度1250℃で保持時間3時間として、本焼成を行った。その後酸素濃度0.75%で6時間かけて冷却した。得られた焼成物は解粒後に篩を用いて分級し、平均粒径35.6μmのキャリア芯材を得た。
実施例32
本焼成の温度を1250℃で保持時間4.5時間とし、その後酸素濃度0.75%で9時間かけて冷却した以外は実施例19と同様にして、平均粒径35.2μmのキャリア芯材を得た。
実施例33
得られた焼成物を解粒後に篩を用いて分級を調整した以外は実施例32と同様にして、平均粒径39.4μmのキャリア芯材を得た。
実施例34
得られた焼成物を解粒後に篩を用いて分級を調整した以外は実施例32と同様にして、平均粒44.0μmのキャリア芯材を得た。
実施例35
実施例32で得られたキャリア芯材に対して、温度360℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、実施例35に係るキャリア芯材を得た。
比較例1
原料として、Fe(平均粒径:0.6μm)9.18kg、Mn(平均粒径:2μm)2.96kg、MgOを0.67kgを混合した。この混合物をローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、850℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。乾式ビーズミルで6時間粉砕し、仮焼原料を得た。得られた仮焼成粉を水14.63kg中に分散し、CaCOを293.2g、ポリカルボン酸アンモニウム系分散剤50%含有溶液を432.9g添加し、湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。このスラリーにおける固形分濃度は73.5%、スラリー中の原料の累積分布50%粒径D50は1.0μm、累積分布90%粒径D90は5.7μmであった。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、乾燥造粒粉を得た。なお、このとき、目的の粒度分布以外の造粒粉は篩により除去した。
この造粒粉を、電気焼成炉に投入し、温度1250℃で保持時間3時間として、本焼成を行った。その後酸素濃度0.75%で6時間かけて冷却した。得られた焼成物は解粒後に篩を用いて分級し、平均粒径36.2μmのキャリア芯材を得た。
比較例2
比較例1で得られたキャリア芯材に対して、温度420℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、比較例2に係るキャリア芯材を得た。
比較例3
比較例1で得られたキャリア芯材に対して、温度440℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、比較例3に係るキャリア芯材を得た。
比較例4
比較例1で得られたキャリア芯材に対して、温度460℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、比較例4に係るキャリア芯材を得た。
比較例5
比較例1で得られたキャリア芯材に対して、温度480℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、比較例5に係るキャリア芯材を得た。
比較例6
原料として、Fe(平均粒径:0.6μm)28.68kg、Mn(平均粒径:2μm)9.24kg、MgOを2.08kgを混合した。この混合物をローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、850℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。乾式ビーズミルで6時間粉砕し、仮焼原料を得た。得られた仮焼成粉を水14.76kg中に分散し、CaCOを54.4g、ポリカルボン酸アンモニウム系分散剤50%含有溶液を439.4g添加し、湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。このスラリーにおける固形分濃度は73.5%、スラリー中の原料の累積分布50%粒径D50は1.6μm、累積分布90%粒径D90は6.4μmであった。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、乾燥造粒粉を得た。なお、このとき、目的の粒度分布以外の造粒粉は篩により除去した。
この造粒粉を、電気焼成炉に投入し、温度1250℃で保持時間3時間として、本焼成を行った。その後酸素濃度0.75%で6時間かけて冷却した。得られた焼成物は解粒後に篩を用いて分級し、平均粒径35.7μmのキャリア芯材を得た。
比較例7
原料として、Fe(平均粒径:0.6μm)20.80kg、Mn(平均粒径:2μm)8.12kgを水11.50kg中に分散し、ポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を180.0g、pH調整剤としてアンモニア水を10.0g、還元剤としてカーボンブラックを63.0g添加し、湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。このスラリーにおける固形分濃度は75%、スラリー中の原料の累積分布50%粒径D50は0.6μm、累積分布90%粒径D90は1.5μmであった。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、乾燥造粒粉を得た。なお、このとき、目的の粒度分布以外の造粒粉は篩により除去した。
この造粒粉を、電気焼成炉に投入し、温度1200℃で保持時間2.5時間として、本焼成を行った。その後酸素濃度1.30%で5.5時間かけて冷却した。得られた焼成物は解粒後に篩を用いて分級し、平均粒径34.0μmのキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材に対して、温度410℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し、比較例7に係るキャリア芯材を得た。
(見掛け密度(AD))
キャリア芯材の見掛け密度はJIS Z 2504に準拠して測定した。
(流動度(FR))
キャリア芯材の流動度はJIS Z 2502に準拠して測定した。
(体積平均粒子径(D50)及び粒径22μm以下の割合(%))
キャリア芯材の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装社製「マイクロトラックModel9320−X100」)を用いて測定した。
(磁気特性)
室温専用振動試料型磁力計(VSM)(東英工業社製「VSM−P7」)を用いて、外部磁場を0〜79.58×10A/m(10000エルステッド)の範囲で1サイクル連続的に印加して、飽和磁化σ、残留磁化σ、保持力H及び磁場79.58×10A/m(1,000エルステッド)を印加した際の磁化σ1k(Am/kg)を測定した。
(静的電気抵抗)
電極として表面を電解研磨した板厚2mmの真鍮板2枚を電極間距離が2mmとなるように配置し、2枚の電極板の間の空隙にキャリア芯材200mgを装入したのち、それぞれの電極板の背後に断面積240mmの磁石を配置して電極間に被測定粉体のブリッジを形成させた状態で電極間に100V、500V、1000Vの直流電圧を印加し、キャリア芯材を流れる電流値を4端子法により測定し抵抗を求めた。(また、その電流値と、電極間距離2mmおよび断面積240mmからキャリア芯材の静的電気抵抗の体積抵抗率も算出可能である。)
(充填式電気抵抗)
断面積1.3cmの塩化ビニル製の円柱状パイプ(半径0.643cm)の底面に黄銅製底板電極を設置し、秤量したサンプル5gを投入したのち、黄銅製円柱状電極をパイプの上から挿入し、黄銅製底板電極と黄銅製円柱状電極でサンプルを挟み込む。その後、サンプル充填前の数値とサンプル充填後の黄銅製円柱状電極の端部位置から変異センサー値の差を算出し、試料層の厚さとした。その後、サンプルを充填した状態で電極間に100V、250V、500V、750V、1000Vの直流電圧を印加し、絶縁抵抗計(東亜電波工業製、Type SM−8215)を用いてキャリア芯材の抵抗値を測定した。そして下記式から比抵抗を算出した。
比抵抗(Ω・cm)=絶縁抵抗計の値(Ω)×試料層の断面積(cm2)÷試料層の厚さ(cm)
(絶縁破壊電圧,B.D.)
電極として表面を電解研磨した板厚2mmの真鍮板2枚を電極間距離が2mmとなるように配置し、2枚の電極板の間の空隙にキャリア200mgを装入したのち、それぞれの電極板の背後に断面積240mmの磁石を配置して電極間に被測定粉体のブリッジを形成させた状態で電極間に直流電圧を100V〜2000Vまで100Vごとに段階的に印加していき、電流値が100mAを超えた電圧を絶縁破壊電圧とした。2000Vで電流値が100mAを超えない場合は、絶縁破壊電圧を2000Vとした。
(細孔容積)
評価装置は、Quantachrome社製のPOREMASTER−60GTを使用した。具体的には、測定条件としては、
Cell Stem Volume:0.5cm
Headpressure:20PSIA、
水銀の表面張力:485.00erg/cm
水銀の接触角:130.00degrees、
高圧測定モード:Fixed Rate、
Moter Speed:1、
高圧測定レンジ:20.00〜10000.00PSI
とし、サンプル1.500gを秤量して0.5cm(cc)のセルに充填して測定を行った。また、10000PSI時の容積B(cm/g)から60PSI時の容積A(cm/g)を差し引いた値を、細孔容積とした。
(BET比表面積)
BET一点法比表面積測定装置(株式会社マウンテック製、型式:Macsorb HM model−1208)を用いて、サンプル5.00gを容積5cmのセルに充填し、200℃で、30分間脱気して測定を行った。
(真密度)
キャリア芯材の真密度は、Quantachrome社製、「ULTRA PYCNOMETER 1000」を用いて測定を行った。
(最大山谷深さRz,平均長さRSm,歪度Rsk)
超深度カラー3D形状測定顕微鏡(「VK−X100」株式会社キーエンス製)を用い、100倍対物レンズで表面を観察して求めた。具体的には、まず、表面の平坦な粘着テープにフェライト粒子を固定し、100倍対物レンズで測定視野を決定した後、オートフォーカス機能を用いて焦点を粘着テープ面に調整した。フェライト粒子を固定した平坦な粘着テープ面に対し、垂直方向(Z方向)からレーザー光線を照射し、面のX方向Y方向に走査した。また、表面からの反射光の強度が最大となった時のレンズの高さ位置をつなぎ合わせることでZ方向のデータを取得した。これらX、YおよびZ方向の位置データをつなぎ合わせフェライト粒子表面の3次元形状を得た。なお、フェライト粒子表面の3次元形状の取り込みにはオート撮影機能を用いた。
各パラメータの測定には、粒子粗さ検査ソフトウェア(三谷商事製)を用いて行った。まず、前処理として、得られたフェライト粒子表面の3次元形状の粒子認識と形状選別を行った。粒子認識は以下の方法で行った。撮影によって得られた3次元形状のうち、Z方向の最大値を100%、最小値を0%として最大値から最小値までの間を100等分する。この100〜35%にあたる領域を抽出し、独立した領域の輪郭を粒子輪郭として認識した。次に形状選別で粗大、微小、会合などの粒子を除外した。この形状選別を行うことで以降に行う極率補正時の誤差を小さくすることができる。具体的には面積相当径28μm以下、38μm以上、針状比1.15以上に該当する粒子を除外した。また、実施例33に関しては、D50に合わせて面積相当径35μm以下、45μm以上、針状比1.15以上に該当する粒子を除外した。実施例34に関しては、D50に合わせて面積相当径40μm以下、50μm以上、針状比1.15以上に該当する粒子を除外した。ここで針状比とは粒子の最大長/対角幅の比から算出したパラメータであり、対角幅とは最大長に平行な2本の直線で粒子を挟んだときの2直線の最短距離を表す。
つぎに表面の3次元形状から解析に用いる部分の取り出しを行った。まず上記の方法で認識した粒子輪郭から求められる重心を中心として15.0μmの正方形を描く。描いた正方形の中に21本の平行線を引き、その線分上にあたる粗さ曲線を21本分取り出した。
キャリア芯材は略球形状であるため、取り出した粗さ曲線は、バックグラウンドとして一定の曲率を持っている。このため、バックグラウンドの補正として、最適な二次曲線をフィッティングし、粗さ曲線から差し引く補正を行った。この場合、ローパスフィルターを1.5μmの強度で適用し、カットオフ値λを80μmとした。
最大山谷深さRzは、粗さ曲線の中で最も高い山の高さと最も深い谷の深さの和として求めた。以上説明した最大高さRzの測定は、JIS B0601(2001年度版)に準拠して行われるものである。最大高さRzの算出には、各パラメータの平均値として、50粒子の平均値を用いることとした。
平均長さRSmは、粗さ曲線のうち、谷と山の組み合わせを一つの要素と規定し、それぞれの要素の長さを平均したものである。以上説明した平均長さRSmの測定は、JIS B0601(2001年度版)に準拠して行われるものである。平均長さRSmの算出には、各パラメータの平均値として、50粒子の平均値を用いることとした。
(歪度Rsk)
歪度Rskについては、粗さ曲線を以下の数1に示す式にあてはめて算出した。
Figure 2021182073
ここで、数1の式中、Rnは、基準長さ15μmにおけるn番目の山または谷の平均線との差異を示し、二乗平均平方根高さRqは以下の数2に示す式によって求められる。
Figure 2021182073
ここで、得られた歪度Rskは、その値が大きいほど、谷に位置する領域に偏ることを示すものである。
(現像メモリ)
得られたキャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製した。具体的には、シリコーン樹脂450質量部と、(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン9質量部とを、溶媒としてのトルエン450質量部に溶解してコート溶液を作製した。このコート溶液を、流動床型コーティング装置を用いてキャリア芯材50000質量部に塗布し、温度300℃の電気炉で加熱してキャリアを得た。以下、全ての実施例、比較例についても同様にしてキャリアを得た。
得られたキャリアと平均粒径5.0μm程度のトナーとを、ポットミルを用いて所定時間混合し、二成分系の電子写真現像剤を得た。この場合、キャリアとトナーとをトナーの重量/(トナーおよびキャリアの重量)=5/100となるように調整した。以下、全ての実施例、比較例についても同様にして現像剤を得た。得られた現像剤を、図1に示す構造の現像装置(現像ローラの周速度Vs:406mm/sec,感光体ドラムの周速度Vp:205mm/sec,感光体ドラム−現像ローラ間距離:0.3mm)に投入し、感光体ドラムの長手方向にベタ画像部と非画像部とが隣り合い、その後は広い面積の中間調が続く画像を初期と20万枚画像形成後に取得し、現像ローラ2周目の現像ローラ1周目のベタ画像が現像された領域とそうでない領域との画像濃度を反射濃度計(東京電色社製の型番TC−6D)を用いて測定し、その差を求め下記基準で評価した。
「○」:0.006未満
「△」:0.006以上0.020未満
「×」:0.020以上
(帯電量)
キャリア芯材9.5g、市販のフルカラー機のトナー0.5gを100mlの栓付きガラス瓶に入れ、温度25℃、相対湿度50%の環境下で12時間放置して調湿する。調湿したキャリア芯材とトナーを振とう器で30分間振とうし混合する。ここで、振とう器については、株式会社ヤヨイ製のNEW−YS型を用い、200回/分、角度60°で行った。混合したキャリア芯材とトナーを500mg計量し、帯電量測定装置で帯電量を測定した。帯電量測定装置としては、日本パイオテク社製「STC-1-C1型」を用い、吸引圧力5.0kPa、吸引用メッシュはSUS製の795meshを用いた。同一サンプルについて2回の測定を行い、これらの平均値を帯電量とした。帯電量は下記式から算出される。なお、測定用トナーとしては株式会社リコー社製「RICOH SP トナー シアン C840用」を用いた。また、測定環境は、温度25℃、相対湿度50%とした。
帯電量(μC/g)=実測電荷(nC)×10×係数(1.0083×10−3)÷トナー重量
(式中、トナー重量=(吸引前重量(g)−吸引後重量(g)))
(搬送量低下率)
小型現像装置(ローラ径:16mm、溝形ローラ、非磁性規制板ギャップ0.6mm)に、前述の二成分系の電子写真現像剤(現像剤)を80g投入し、ローラ回転数250rpmで3分間及び180分間撹拌した後、現像ローラに横4cm縦1cmで両端円形にくりぬいた面積3.785cmのパッチをあて、フィルター付き吸引装置を用いてパッチ内の現像剤を吸引してフィルターに回収した。回収前後でのフィルターの重量を測定し、フィルターの重量差を求め、下記式から単位面積当たりの現像剤の搬送量を算出した。
Figure 2021182073
そして、撹拌時間3分後と撹拌時間180分後の単位面積当たりの現像剤の搬送量から下記式により搬送量の低下率を求めた。
Figure 2021182073
「〇」:搬送量の低下率10%未満(小数点第一位以下切り捨て)
「×」:搬送量の低下率10%以上(小数点第一位以下切り捨て)
Figure 2021182073
Figure 2021182073
表1及び表2に示されるように、実施例1,7,13,19,20,25,30,31のキャリア芯材は組成比をそれぞれ変えたものである。そして、実施例2〜6,実施例8〜12,実施例14〜18,実施例21〜24,実施例26〜29のキャリア芯材は前記実施例のキャリア芯材と同一組成で酸化処理を行うと共に酸化処理温度を変えたものである。また、実施例32〜34のキャリア芯材は同一組成で平均粒径を変化させたものであり、実施例35のキャリア芯材は実施例32のキャリア芯材に酸化処理を行ったものである。
これらの実施例1〜35のキャリア芯材を用いた樹脂被覆キャリアでは、現像領域への現像剤の搬送量の低下率は10%未満といずれも良好であった。また現像メモリについても、粒子の最大山谷深さRzが1.4μm未満である実施例7〜12及び実施例33,34のキャリア芯材を用いた樹脂被覆キャリアでは、わずかながら現像メモリが見られたが実使用上問題のない範囲であった。またそれ以外の実施例のキャリア芯材を用いた樹脂被覆キャリアでは現像メモリは見られなかった。
これに対して、帯電量が18μC/g未満である比較例1〜5のキャリア芯材を用いた樹脂被覆キャリアでは10%以上の搬送量の低下が発生した。また、Mn,Mg,Feの総mol数に対するCa含有量が0.10mol%以下で、帯電量も18μC/g未満である比較例6,7のキャリア芯材を用いた樹脂被覆キャリアでも10%以上の搬送量の低下が発生した。
本発明に係るキャリア芯材によれば、現像メモリが抑制でき、また現像ローラへの現像剤のくみ上げ量及び現像領域への搬送量の低下が生じにくい。
3 現像ローラ
5 感光体ドラム

Claims (4)

  1. (MnMg)Fe3−(x+y)(但し、0.1<x≦1,0.1<y≦1である。)で表される組成を有するフェライトキャリア芯材であって、
    Mn,Mg,Feの総mol数に対してCaが0.10mol%超1.0mol%未満の範囲含有され、
    帯電量が18μC/g以上である
    ことを特徴とするフェライトキャリア芯材。
  2. 粒子の最大山谷深さRzが1.4μm以上である請求項1に記載のフェライトキャリア芯材。
  3. 請求項1又は2に記載のフェライトキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリア。
  4. 請求項3に記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含むことを特徴とする電子写真用現像剤。
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