JP2018084722A - トナー及び二成分系現像剤 - Google Patents

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諒文 松原
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裕斗 小野▲崎▼
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Moe Ikeda
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仁思 佐野
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伊知朗 菅野
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武 橋本
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Abstract

【課題】低温定着性を満足しつつ、保存性及び耐久性に優れるトナーを提供する。【解決手段】非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、及び架橋ポリブタジエンを含有するトナー粒子を有するトナーであって、該結晶性ポリエステル樹脂の含有量をa(質量部)とし、該架橋ポリブタジエンの含有量をb(質量部)としたとき、以下の関係式を満たすことを特徴とするトナー。0.1≦(b/a)≦5【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法などの記録方法に用いられるトナー及び二成分系現像剤に関するものである。
近年、画像形成に際して、省エネルギー化への要求の高まりに伴い、定着装置にかかる熱量を削減するために、トナーの定着温度をより低温化させる取り組みが採られるようになってきている。トナーの低温定着性を改善するため、トナーの結着樹脂の軟化温度を低くすると、定着時にトナー像の一部が定着部材に付着し、ホットオフセットが発生しやすくなる。また、トナーの耐熱保存性が低下し、ブロッキングなどの弊害も発生する。
これらの問題を解決しつつ、低温定着性を向上させる方法のひとつとして融点を超えると粘度が大きく低下するシャープメルト性を有した結晶性ポリエステル樹脂を用いる技術が提案されている。結晶性樹脂を用いると、融点以下における耐熱保存性を担保しつつ、トナーの定着温度を下げることができる。しかし、結晶性樹脂は軟質で塑性変形しやすい。従って、結着樹脂として、結晶性樹脂だけを用いるとトナーの機械的耐久性が低く、現像器内での撹拌によってトナーの変形や凝集が生じ、装置内部のトナー汚染など、種種の問題が発生する。
このため、結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を併用したトナーが数多く提案されている。(特許文献1参照)これらは従来の非晶性樹脂のみのトナーに比べ、低温定着性と耐熱保存性とを良く両立させている。しかしながら、トナー表面に露出した結晶性ポリエステル樹脂が原因となり、現像器内における撹拌などの機械的ストレスにより、トナーの凝集に起因する転写抜けが生じたり、装置内部のキヤリアやトナーによる汚染等の問題が生じたりした。
これらの課題を解決するため、いくつかの技術が提案されている。例えば、結晶性樹脂を主成分とする結着樹脂に無機微粒子粉末を添加したトナー組成物(特許文献2)、結晶性ポリエステルと無定形ビニル重合体とを結合させた樹脂を用いたトナー(特許文献3)などが提案されている。
しかしながら、結晶性樹脂に由来する問題が根本的に改善されたものはなく、トナーの機械的耐久性に関する課題を解決できるものはなかった。
特許第3949553号公報 特許第3360527号公報 特開昭63−027855号公報
本発明の目的は、上記の課題を解決したトナーを提供することにある。具体的には、低温定着性を満足しつつ、良好な保存性を有し、かつ長期使用時においても、白斑点のような画像欠陥が少ないトナーを提供することにある。
そこで本発明の一態様は、
非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、及び架橋ポリブタジエンを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結晶性ポリエステル樹脂の含有量をa(質量部)とし、該架橋ポリブタジエンの含有量をb(質量部)としたとき、以下の関係式を満たすトナーを提供することに向けたものである。
0.1≦(b/a)≦5
また、本発明の他の態様は、上記トナーを含む二成分系現像剤の提供に向けたものである。
本発明によれば、低温定着性を満足しつつ、保存性及び耐久性に優れるトナーを提供するができる。
本発明に用いられる表面処理装置を示す図である。
以下に本発明において用いられるトナーの構成を詳述する。
本発明に係るトナーは、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、及び架橋ポリブタジエンを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結晶性ポリエステル樹脂の含有量をa(質量部)とし、該架橋ポリブタジエンの含有量をb(質量部)としたとき、以下の関係式を満たすことを特徴とする。
0.1≦(b/a)≦5
上記のようなトナーを用いることによりトナーの低温定着性を満足しつつ、保存性及び耐久性に優れるトナーを得るにいたった。
本発明において架橋ポリブタジエンとは、ポリブタジエンを不飽和結合部位に反応する架橋剤を用いて反応させたものをさす。ここで用いる架橋剤は不飽和結合部位に反応するものであれば、特に制限はないが、ラジカル性重合開始剤が好ましい。
本発明において、上記課題を解決するに至った理由を以下のように推察している。
低温定着性を向上させるために、非晶性ポリエステルに対して可塑効果を有する結晶性ポリエステルを添加することが有効である。しかし、結晶性ポリエステルを含有させたトナーは、その特性からシャープメルト性を有し低温定着性には優れるが、耐久安定性が不十分であるという問題がある。例えば、トナーが高温環境や機械的ストレスに晒される状況においては、結晶性ポリエステルがトナー表面に染み出す可能性がある。その場合、結晶性ポリエステルが溶融しトナー表面が軟化するため、外添剤が埋没し、その結果、トナーの流動性が低下し耐久性が低下する。さらに、トナー表面の結晶性ポリエステルが溶融し部材に付着することでフィルミングが発生し、部材の耐用寿命の低下や、画像不良の原因となる。従って結晶性ポリエステル樹脂がトナー粒子の表面へ移行することを抑制し、かつ、結晶性ポリエステル樹脂がトナー粒子の表面に露出してもストレスに強い状態を作ることで耐久安定性を高めることができると考えた。
架橋ポリブタジエンは、非晶性ポリエステルより結晶性ポリエステルに極性が近いために、結晶性ポリエステルの周辺に局在する。架橋ポリブタジエンは機械的強度に優れるため、架橋ポリブタジエンが周囲に存在する結晶性ポリエステルの強度を強く保つことができる。また、架橋ポリブタジエンは分子量が大きく動きづらいため、架橋ポリブタジエンが周囲に存在する結晶性ポリエステル樹脂の移動も抑制する。その結果、結晶性ポリエステルのトナー表面への移行を抑制することができる。
上述の理由により、低温定着性を満足しつつ、保存性及び耐久性に優れるトナーを得るができると推察される。
結晶性ポリエステルの含有量をa(質量部)とし、架橋ポリブタジエンの含有量をb(質量部)としたとき、以下の関係式を満たす。
0.1≦(b/a)≦5
前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量aと前記架橋ポリブタジエンの含有量bとの比(b/a)が0.1以上であると、架橋ポリブタジエンが結晶性ポリエステルの機械的強度を高め、かつ結晶性ポリエステルの移動を抑制することができる。(b/a)が5以下であれば架橋ポリブタジエンが結晶性ポリエステルに対して過剰とはならず、保存性の低下などの弊害が生じたりしない。
前記架橋ポリブタジエンは下記式(1)で示される1,2ポリブタジエンユニットを、60mol%以上90mol%以下含むことが好ましく、70mol%以上80mol%以下含むことがより好ましい。
Figure 2018084722
式(1)で示される1,2ポリブタジエンユニットのmol%が、60mol%以上であることで低温定着性を満足し、90mol%以下であることで架橋ポリブタジエンの強度を高めることができる。
前記架橋ポリブタジエンに用いられる、架橋剤を用いて反応させるポリブタジエンは重量平均分子量が10,000以上300,000以下であることが好ましい。
重量平均分子量が10,000以上であることでトナーとしての耐ブロッキング性が良化し、重量平均分子量が300,000以下であることでポリブタジエンの架橋性が高まるためである。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数6以上12以下の脂肪族ジオールと、炭素数6以上12以下の脂肪族ジカルボン酸とを縮重合して得られる脂肪族ポリエステル樹脂であることが好ましい。
脂肪族ジオール及び脂肪族ジカルボン酸の炭素数がこの範囲にあると、低温定着性と保存性が両立できるためである。
[非晶性ポリエステル樹脂]
本発明に係るトナーに用いられる非晶性ポリエステル樹脂は、芳香族ジオールを主成分としたアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合することにより得られた非晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂を得るために用いられる芳香族ジオールとしては、特に限定されないが、下記式(A)で示されるビスフェノール誘導体及び下記式(B)で示されるジオール類が挙げられる。
Figure 2018084722
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜7である。)
Figure 2018084722
上記式(A)で示されるビスフェノール誘導体としては、例えば、以下のものが挙げられる。ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等。また、場合により、例えば、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類。ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAなどの他のジオール類を上記式(A)で示されるビスフェノール誘導体又は上記式(B)で示されるジオール類と併用することも可能である。
その他、非晶性ポリエステル樹脂に用いることができるアルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビット、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
上述のように、非晶性ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分の主成分は、芳香族ジオールである。ここで、非晶性ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分において、芳香族ジオールは、80mol%以上100mol%以下の割合で含有することが好ましく、90mol%以上100mol%以下の割合で含有することがより好ましい。
ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられる多価カルボン酸モノマーとしては、以下の多価カルボン酸モノマーを使用することができる。
2価のカルボン酸成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステル。これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸が好ましく用いられる。
3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、例えば、以下のものが挙げられる。1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸無水物又はこれらの低級アルキルエステル。これらのうち、特に1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸又はその誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。これらの2価のカルボン酸等及び3価以上のカルボン酸は、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
本発明では非晶性ポリエステル樹脂として、ポリエステル樹脂を主成分とするならば他の樹脂成分を含有するハイブリッド樹脂であっても良い。例えば、ポリエステル樹脂とビニル系樹脂とのハイブリッド樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂と、ビニル系樹脂又はビニル系共重合体とのハイブリッド樹脂を製造する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
ビニル系樹脂又はビニル系共重合体と、
ビニル系樹脂又はビニル系共重合体と反応しうるポリエステル樹脂を構成するためのモノマーと、
の存在下においてポリエステル樹脂を構成するためのモノマーの重合反応を行う方法。
ポリエステル樹脂と、
ポリエステル樹脂と反応しうるビニル系樹脂又はビニル系共重合体を構成するためのモノマーと、
の存在下においてビニル系樹脂又はビニル系共重合体を構成するためのモノマーの重合反応を行う方法。
ポリエステル樹脂を構成するためのモノマーと、ビニル系樹脂又はビニル系共重合体を構成するためのモノマーとを、同時に反応させる、又は順次反応させる方法。
ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。ビニル系共重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシ基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
また、非晶性ポリエステル樹脂として、ポリエステル樹脂を主成分とするならば、上記のビニル系樹脂以外にも、従来結着樹脂として知られている種々の樹脂化合物を併用することができる。このような樹脂化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、石油系樹脂等。
非晶性ポリエステル樹脂は、通常のポリエステル合成法に従って製造することができる。例えば、前記したカルボン酸単量体とアルコ−ル単量体とをエステル化反応、またはエステル交換反応させた後、減圧下または窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応させることで所望のポリエステル樹脂を得ることができる。
上記エステル化またはエステル交換反応は、必要に応じて硫酸、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸マンガン、酢酸マグネシウムなどの通常のエステル化触媒またはエステル交換触媒を用いて行うことができる。
また、上記重縮合反応は、通常の重合触媒、例えばチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなど公知の触媒を使用して行うことができる。
また、非晶性ポリエステル樹脂のピーク分子量は8,000以上13,000以下であることが、優れた低温定着性と耐ホットオフセット性とを得ることができるという観点から好ましい。また、非晶性ポリエステル樹脂の酸価は15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下において優れた帯電安定性を得ることができるという観点から好ましい。さらに、非晶性ポリエステル樹脂の水酸基価は2mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であることが、優れた低温定着性と保存性とを得ることができるため好ましい。
また、非晶性ポリエステル樹脂は、高分子量の非晶性ポリエステル樹脂(H)と低分子量の非晶性ポリエステル樹脂(L)を混ぜ合わせて使用しても良い。高分子量の非晶性ポリエステル樹脂(H)と低分子量の非晶性ポリエステル樹脂(L)との含有比率(H/L)は質量基準で10/90以上60/40以下であることが、優れた低温定着性と耐ホットオフセット性とを得ることができるため好ましい。
高分子量の非晶性ポリエステル樹脂(H)のピーク分子量は10,000以上20,000以下であることが、優れた耐ホットオフセット性を得ることができるため好ましい。また、高分子量の非晶性ポリエステル樹脂(H)の酸価は15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下において優れた帯電安定性を得ることができるため好ましい。
低分子量の非晶性ポリエステル樹脂(L)の数平均分子量は1,500以上3,500以下であることが、優れた低温定着性を得ることができるため好ましい。また、低分子量の非晶性ポリエステル樹脂(L)の酸価は10mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下において優れた帯電安定性を得ることができるため好ましい。
[結晶性ポリエステル樹脂]
結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数6以上12以下の脂肪族ジオールと、炭素数6以上12以下の脂肪族ジカルボン酸とを縮重合して得られる脂肪族ポリエステル樹脂であることが好ましい。
また、結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数6以上12以下の脂肪族ジオールを80mol%以上含有するアルコール成分と、炭素数6以上12以下の脂肪族ジカルボン酸を80mol%以上含有するカルボン酸成分とを縮重合して得られることがより好ましい。
そして、炭素数6以上12以下の脂肪族ジオールを85mol%以上含有するアルコール成分と、炭素数6以上12以下の脂肪族ジカルボン酸を85mol%以上含有するカルボン酸成分とを縮重合して得られることがさらに好ましい。
脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジオールであることが好ましい。例えば、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、が好ましく例示される。
結晶性ポリエステルのアルコール成分として脂肪族ジオールを主成分とするならば、上記脂肪族ジオール以外の多価アルコール単量体を併せて用いることもできる。
該多価アルコール単量体のうち2価アルコール単量体としては、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等の芳香族アルコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
また、該多価アルコール単量体のうち3価以上の多価アルコール単量体としては、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の脂肪族アルコール等が挙げられる。
さらに、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分として脂肪族ジオールを主成分とするならば、併せて1価のアルコ−ルを用いてもよい。該1価のアルコールとしては、例えば、以下のものが挙げられる。n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、ラウリルアルコール、2−エチルヘキサノール、デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ドデシルアルコール等の1官能性アルコールなど。
一方、脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。具体例としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステルを加水分解したものなども含まれる。
結晶性ポリエステルのカルボン酸成分として脂肪族ジカルボン酸を主成分とするならば、脂肪族ジカルボン酸以外の多価カルボン酸を併せて用いることもできる。
その他の多価カルボン酸単量体のうち、2価のカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸;n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸の脂肪族カルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステルなども含まれる。
また、その他のカルボン酸単量体のうち、3価以上の多価カルボン酸としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、等の脂肪族カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステル等の誘導体等も含まれる。
さらに、本発明において、結晶性ポリエステルのカルボン酸成分として脂肪族ジカルボン酸を主成分とするならば、併せて1価のカルボン酸を含有していてもよい。1価のカルボン酸としては、例えば、以下のものが挙げられる。安息香酸、ナフタレンカルボン酸、サリチル酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、フェノキシ酢酸、ビフェニルカルボン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸などのモノカルボン酸。
結晶性ポリエステル樹脂は、通常のポリエステル合成法に従って製造することができる。例えば、前記したカルボン酸単量体とアルコ−ル単量体とをエステル化反応、またはエステル交換反応させた後、減圧下または窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応させることで所望のポリエステル樹脂を得ることができる。
上記エステル化またはエステル交換反応は、必要に応じて硫酸、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、2−エチルヘキサン酸錫、酢酸マンガン、酢酸マグネシウムなどの通常のエステル化触媒またはエステル交換触媒を用いて行うことができる。
また、上記重縮合反応は、通常の重合触媒、例えばチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、2−エチルヘキサン酸錫、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなど公知の触媒を使用して行うことができる。重合温度、触媒量は特に限定されるものではなく、適宜に決めればよい。
エステル化もしくはエステル交換反応または重縮合反応において、得られる結晶性ポリエステル樹脂の強度を上げるために全単量体を一括仕込みしたりしてもよい。また低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させたりする等の方法を用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の原料モノマーであるアルコール成分とカルボン酸成分とのモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、0.80以上1.20以下であることが好ましい。
本発明において結晶性ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下含有することが好ましく、より好ましくは1質量部以上22質量部以下であり、さらに好ましくは2質量部以上18質量部以下である。結晶性ポリエステル樹脂が上記範囲にあると、定着性と帯電緩和の両立が可能となる。
<架橋ポリブタジエン>
架橋ポリブタジエンを架橋する前のポリブタジエンは重量平均分子量が10,000以上300,000以下であることが好ましい。重量平均分子量が10,000以上であることによってトナーとしての耐ブロッキング性が良化し、300,000以下であることによって架橋反応の反応性が高まるため、好ましい。
ポリブタジエンを構成するモノマーユニットとしてはシス1,4−ポリブタジエンユニット、トランス1,4−ポリブタジエンユニット、1,2−ポリブタジエンユニットが挙げられる。
また、前記1,2−ポリブタジエンの立体異性体としてランダムに異なる異性体が連なっているアタクチック構造体、同じ異性体が連なっているイソタクチック構造体、交互に異なる異性体が連なっているシンジオタクチック構造体が挙げられる。
また、ポリブタジエンは必要に応じてその他のユニットを含むことも可能であるが、1,2−ポリブタジエンユニットを有し、その一部がシンジオタクチック構造体を形成していることが結晶性を有するために好ましい。結晶性を有していることによって、結晶性ポリエステルの結晶性を乱すことなく高温での保存性がより良好になる。
該架橋ポリブタジエンは、該架橋ポリブタジエンを構成する全モノマーユニットに対して、下記式(1)で示される1,2−ポリブタジエンユニットを60mol%以上90mol%以下含有することが好ましい。
Figure 2018084722
式(1)で示される1,2ポリブタジエンユニットのmol%が、60mol%以上であることで低温定着性を満足し、90mol%以下であることで架橋ポリブタジエンの強度を高めることができる。
前記ポリブタジエンユニットのmol%および前記1,2−ポリブタジエンが形成する構造体の比は一般的な分析手法を用いて測定することができ、例えば、核磁気共鳴法(NMR)などの手法が適用できる。
また、物性に影響しない程度であれば、1,2−ポリブタジエンユニット、シス1,4−ポリブタジエンユニット、トランス1,4−ポリブタジエンユニット以外のユニットを含んでもよい。ポリブタジエン以外のユニットの含有量としてはポリブタジエン100質量部に対して10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、実質的に0質量部であることがさらに好ましい。
また、ポリブタジエンの融点が60℃以上80℃以下であることが好ましい。融点が60℃以上になることによって高温での保存性が良化し、融点が80℃以下になることによって光沢性が良化する。
なおポリブタジエンの融点は示査走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
具体的には、0.01〜0.02gの試料をアルミニウム製のパンに精秤し、昇温速度10℃/分で、0℃から200℃まで昇温し、DSC曲線を得る。
得られたDSC曲線より、吸熱ピークのピーク温度を融点とする。
本発明に係るトナーにおいてはポリブタジエンの不飽和結合部位を架橋剤によって架橋させる必要がある。架橋させる方法としては不飽和結合部位に反応する任意の架橋剤を用いて実施することができるが、ラジカル重合開始剤を添加し架橋させることが好ましい。
ラジカル重合開始剤として、例えば、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ヒドロクロリド等のアゾビスニトリル類、アセチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、α−クミルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート等のパーオキシエステル、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド等のヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシカーボネート等の有機過酸化物類、過酸化水素等の無機過酸化物類、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類等のラジカル重合開始剤。
ラジカル重合開始剤の量としては、トナー中に含有する樹脂100質量部に対して0.1質量部以上2.0質量部以下であることが好ましい。ラジカル開始剤が前記範囲となることで低温定着性と耐ホットオフセット性がより高いレベルで両立できる。
架橋ポリブタジエンは、架橋ポリブタジエンを構成する全モノマーユニットに対して、1,2−ポリブタジエンユニットを60mol%以上90mol%以下含むことが好ましく、より好ましくは70mol%以上80mol%以下である。
架橋ポリブタジエン中の式(1)に示されるポリブタジエンユニットの含有量が60mol%以上であることで低温定着性を満足し、90mol%以下であることで架橋ポリブタジエンの強度を高めることができる。
架橋ポリブタジエン中の式(1)に示されるポリブタジエンユニット(以下、「(1)ユニット」とも記載する。)のmol%は、以下の式によって算出される。
Figure 2018084722
ここで、ヨウ素価とは、ある物質100gが反応するハロゲンの量を、ヨウ素のグラム数に換算した値であり、例えば、JIS K 0070などにその測定法が示されている。このヨウ素価は、物質中の炭素−炭素不飽和結合の量を推測するのに用いられる値であり、一般に不飽和結合量が多いほどヨウ素価が大きな値となる。本発明においてヨウ素価は、JIS K 0070に則して測定した値とする。
<ワックス>
本発明に係るトナーはワックスを含有していてもよい。用いられるワックスとしては、以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸のような飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸の不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールのような飽和アルコール類;ソルビトールのような多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、及びモンタン酸のような脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、及びメリシルアルコールのようなアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、及びラウリン酸アミドのような脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、及びヘキサメチレンビスステアリン酸アミドのような飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、及びN,N’ジオレイルセバシン酸アミドのような不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、及びN,N’ジステアリルイソフタル酸アミドのような芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、及びステアリン酸マグネシウムのような脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸のようなビニル系モノマーを用いてグラフト化させたクス類;ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、低温定着性、及び耐ホットオフセット性を向上させるという観点で、低分子量ポリプロピレン、パラフィンワックス、及びフィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス、又は、カルナバワックスのような脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。本発明においては、耐ホットオフセット性がより向上する点で、炭化水素系ワックスがより好ましい。
本発明において、ワックスの含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
また、ワックスの示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される最大吸熱ピークのピーク温度は、45℃以上140℃以下であることが好ましく、60℃以上120℃以下であることがさらに好ましい。ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内である場合、トナーの耐ブロッキング性と耐ホットオフセット性を高いレベルで両立させることができるため、より好ましい。
<着色剤>
本発明において、トナー粒子は、着色剤を含有してもよい。用いられる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色トナー用着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
上記着色剤の含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して、0.1質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
<荷電制御剤>
トナー粒子は、必要に応じて荷電制御剤を含有してもよい。
トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩又はスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物。カルボン酸塩又はカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン。
ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
荷電制御剤は、トナー粒子に対して内添してもよいし外添してもよい。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して、0.2質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。
<無機粒子>
本発明に係るトナーは、必要に応じて無機微粒子を含有してもよい。
該無機微粒子は、トナー粒子に内添してもよいし、外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。
外添剤として含有する場合は、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微粒子のような無機微粒子が好ましい。
該無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
該無機微粒子がトナーの流動性を向上させるために使用される場合は、その比表面積が50m/g以上400m/g以下であることが好ましい。
一方、該無機微粒子がトナーの耐久性を向上させるために使用される場合は、その比表面積が10m/g以上50m/g以下であることが好ましい。
該流動性向上や耐久性向上を両立させるためには、比表面積が50m/g以上400m/g以下の無機微粒子と、比表面積が10m/g以上50m/g以下の無機微粒子とを併用してもよい。
該無機微粒子を外添剤として含有させる場合は、トナー粒子100.0質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。トナー粒子と無機微粒子との混合は、ヘンシェルミキサーのような公知の混合機を用いるとよい。
<現像剤>
本発明に係るトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、また、長期にわたり安定した画像を供給するために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることもできる。
磁性キャリアとしては、例えば、以下のものを使用できる。酸化鉄;鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、及び希土類のような金属粒子、それらの合金粒子、それらの酸化物粒子。フェライトなどの磁性体;磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)。
本発明に係るトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、磁性キャリアとトナーの混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度が、2質量%以上15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは4質量%以上13質量%以下である。
<製造方法>
本発明に係るトナーの製造方法としては、特段の制限なく従来公知の方法を用いることができる。具体的には、懸濁重合製法;溶解懸濁製法;乳化凝集製法;スプレードライ法;溶融混練製法等が挙げられる。
以下、溶融混練法を用いたトナー粒子の製造手順について説明する。
<溶融混練法>
まず、原料混合工程では、トナー原料として、結着樹脂、ワックス、並びに、重合体Aなどを所定量秤量して配合し、混合する。
該混合に使用される装置の一例としては、ヘンシェルミキサー(商品名、日本コークス工業(株)製);スーパーミキサー(商品名、(株)カワタ製);リボコーン(商品名、(株)大川原製作所製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(商品名、ホソカワミクロン(株)製);スパイラルピンミキサー(商品名、太平洋機工(株)製);レーディゲミキサー(商品名、(株)マツボー製)などがある。
次に、得られた混合物を溶融及び混練して、樹脂類を溶融し、その中にワックスなどを分散させる(溶融混練工程)。
溶融混練に使用される装置の一例としては、以下のものが挙げられる。TEM型押し出し機(商品名、東芝機械(株)製);TEX二軸混練機(商品名、(株)日本製鋼所製);PCM混練機(商品名、(株)池貝製);ニーデックス(商品名、日本コークス工業(株)製)。連続生産できるなどの優位性から、バッチ式練り機よりも、1軸又は2軸押出機といった連続式の練り機が好ましい。
次に、得られた溶融混練物は、2本ロールなどで圧延され、水冷などで冷却する。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、粉砕機で粗粉砕した後、さらに、微粉砕機で微粉砕する。粉砕機としては、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルが挙げられる。微粉砕機としては、例えば、クリプトロンシステム(商品名、(株)アーステクニカ製)、スーパーローター(商品名、日清エンジニアリング(株)製)、ターボ・ミル(商品名、フロイント・ターボ(株)製)やエアージェット方式による微粉砕機が挙げられる。
その後、必要に応じて分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。分級機や篩分機としては、例えば以下のものが挙げられる。慣性分級方式のエルボージェット(商品名、日鉄鉱業(株)製)、遠心力分級方式のターボプレックス(商品名、ホソカワミクロン(株)製)、TSPセパレータ(商品名、ホソカワミクロン(株)製)、ファカルティ(商品名、ホソカワミクロン(株)製)。
<乳化凝集法>
他の製造方法として乳化凝集法について説明する。
乳化凝集法とは、目的の粒子径に対して、十分に小さい樹脂微粒子を前もって準備し、その樹脂微粒子を水系媒体中で凝集することによりコア粒子を製造する製造方法である。乳化凝集法では、樹脂微粒子の乳化工程、凝集工程、融合工程、冷却工程、洗浄工程を経てトナー粒子が製造される。また必要に応じて、冷却工程後にシェル化工程を加え、コアシェルトナーにすることもできる。
<樹脂微粒子の乳化工程>
ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂微粒子は公知の方法で調製できる。例えば、前記樹脂を有機溶剤に溶かして水系媒体に添加し、界面活性剤や高分子電解質と共にホモジナイザーなどの分散機により水系媒体に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を除去することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。溶解させるために使用する有機溶剤としては、前記樹脂を溶解させるものであればどのようなものでも使用可能であるが、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、クロロホルムなどが優れた溶解性を有するため好ましい。
また、水系媒体中に前記樹脂と界面活性剤、塩基等を加え、クレアミックス、ホモミキサー、ホモジナイザーなどの高速剪断力をかける分散機により実質的に有機溶媒を含まない水系媒体で乳化分散することが環境負荷の点からこの好ましい。特に、沸点が100℃以下の有機溶剤の含有量が、100μg/g以下であることが好ましい。上記の範囲内の場合、トナーを製造する際、有機溶剤を除去、回収する工程が新たに必要にならず、廃水処理対策に負荷がかからない。なお水系媒体中の有機溶剤含有量はガスクロマトグラフィー(GC)を用いて測定することができる。
乳化時に使用する界面活性剤としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、以下のものが挙げられる。硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、カルボン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤など。当該界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂微粒子の体積基準のメジアン径(D50)は0.05μm以上1.0μm以下が好ましく、0.05μm以上0.4μm以下がより好ましい。樹脂微粒子の体積基準のメジアン径(D50)が0.05μm以上1.0μm以下であれば、トナー粒子として適切な体積基準のメジアン径(D50)である4.0μm以上7.0μm以下のトナー粒子を得ることが容易になる。なお体積基準のメジアン径(D50)は動的光散乱式粒度分布計(商品名 ナノトラックUPA−EX150:日機装(株)製)を使用することで測定可能である。
<凝集工程>
凝集工程とは、上述の樹脂微粒子、色材微粒子、離型剤微粒子を必要量に応じて混合し混合液を調製し、ついで、調製された混合液中に含まれる粒子を凝集し、凝集体を形成させる工程である。当該凝集体を形成させる方法としては、例えば凝集剤を上記混合液中に添加・混合し、温度、機械的動力等を適宜加える方法が好適に例示できる。
上記凝集剤としては、例えば、ナトリウム、カリウム等の1価の金属の金属塩;カルシウム、マグネシウム等の2価の金属の金属塩;鉄、アルミニウム等の3価の金属の金属塩があげられる。
前記凝集剤の添加・混合は、混合液中に含まれる樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以下の温度で行うことが好ましい。この温度条件下で上記混合を行うと、凝集が安定した状態で進行する。上記混合は、公知の混合装置、ホモジナイザー、ミキサー等を用いて行うことができる。
ここで形成される凝集体の重量平均粒径としては、特に制限はないが、通常、得ようとするトナー粒子の重量平均粒径と同じ程度になるよう4.0μm以上7.0μm以下に制御するとよい。制御は、例えば、上記凝集剤等の添加・混合時の温度と上記撹拌混合の条件を適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。なお、トナー粒子の粒度分布はコールター法による粒度分布解析装置(商品名 コールターマルチサイザーIII:ベックマン・コールター(株)製)にて測定できる。
<融合工程>
融合工程とは、上記凝集体を、樹脂のガラス転移温度(Tg)以上に加熱し融合することで、凝集体表面を平滑化させた粒子を製造する工程である。一次融合工程に入る前に、トナー粒子間の融着を防ぐため、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤等を適宜投入することができる。
キレート剤の例としては、以下のものが挙げられる。エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びそのNa塩等のアルカリ金属塩、グルコン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、クエン酸カリウム及びクエン酸ナトリウム、ニトロトリアセテート(NTA)塩、COOH及びOHの両方の官能性を含む多くの水溶性ポリマー類(高分子電解質)。
上記加熱の温度としては、凝集体に含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)から、樹脂が熱分解する温度の間であればよい。加熱・融合の時間としては、加熱の温度が高ければ短い時間で足り、加熱の温度が低ければ長い時間が必要である。すなわち、加熱・融合の時間は、加熱の温度に依存するので一概に規定することはできないが、一般的には10分〜10時間である。
<冷却工程>
冷却工程とは、上記粒子を含む水系媒体の温度を、コア用樹脂のガラス転移温度(Tg)より低い温度まで冷却する工程である。冷却をTgより低い温度まで行わないと、粗大粒子が発生してしまう。具体的な冷却速度は0.1℃/分以上50℃/分以下である。
<洗浄乾燥工程>
上記工程を経て作製した粒子を、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムでpHを調整されたイオン交換水で洗浄濾過を行い、続いて、イオン交換水で洗浄、濾過を複数回行う。その後、乾燥し、乳化凝集トナー粒子を得ることができる。
また、必要に応じ、上記の製法により得られたトナー粒子表面に無機微粉体や樹脂粒子などの添加剤を加えて混合分散させ、その分散させた状態で熱風による表面処理により添加剤をトナー粒子表面に固着させる熱処理工程を行うことが好ましい。
例えば、図1で表される表面処理装置を用いて熱風により表面処理を行い、必要に応じて分級をすることによりトナーを得ることができる。
図1に示す表面処理装置によって熱処理を実施する方法を具体的に例示する。
原料定量供給手段1により定量供給された混合物は、圧縮気体流量調整手段2により調整された圧縮気体によって、原料供給手段の鉛直線上に設置された導入管3に導かれる。導入管3を通過した混合物は、原料供給手段の中央部に設けられた円錐状の突起状部材4により均一に分散され、放射状に広がる8方向の供給管5に導かれ熱処理が行われる処理室6に導かれる。
処理室6に供給された混合物は、処理室内に設けられた混合物の流れを規制するための規制手段9によって、その流れが規制される。このため処理室6に供給された混合物は、処理室内を旋回しながら熱処理された後、冷却される。
供給された混合物を熱処理するための熱は、熱風供給手段7から供給され、分配部材12で分配され、熱風を旋回させるための旋回部材13により、処理室内に熱風を螺旋状に旋回させて導入される。その構成としては、熱風を旋回させるための旋回部材13が、複数のブレードを有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。処理室内に供給される熱風は、熱風供給手段7の出口部における温度が100℃以上300℃以下であることが好ましく、130℃以上170℃以下であることがより好ましい。熱風供給手段7の出口部における温度が上記の範囲内であれば、混合物を加熱しすぎることに起因するトナー粒子の融着や合一を抑制しつつ、トナー粒子を均一に球形化処理することが可能となる。熱風は熱風供給手段出口11から供給される。
さらに熱処理された熱処理トナー粒子は冷風供給手段8から供給される冷風によって冷却される。冷風供給手段8から供給される冷風の温度は−20℃〜30℃であることが好ましい。冷風の温度が上記の範囲内であれば、熱処理トナー粒子を効率的に冷却することができ、混合物の均一な球形化処理を阻害することなく、熱処理トナー粒子の融着や合一を抑制することができる。冷風の絶対水分量は、0.5g/m以上15.0g/m以下であることが好ましい。
次に、冷却された熱処理トナー粒子は、処理室の下端にある回収手段10によって回収される。なお、回収手段10の先にはブロワー(不図示)が設けられ、それにより吸引搬送される構成となっている。
また、粉体粒子供給口14は、供給された混合物の旋回方向と熱風の旋回方向が同方向になるように設けられており、表面処理装置の回収手段10は、旋回された粉体粒子の旋回方向を維持するように、処理室6の外周部に設けられている。さらに、冷風供給手段8から供給される冷風は、装置外周部から処理室6の内周面に、水平かつ接線方向から供給されるよう構成されている。粉体供給口から供給される熱処理前トナー粒子の旋回方向、冷風供給手段8から供給された冷風の旋回方向、熱風供給手段7から供給された熱風の旋回方向がすべて同方向である。そのため、処理室内で乱流が起こらず、装置内の旋回流が強化され、熱処理前トナー粒子に強力な遠心力がかかり、熱処理前トナー粒子の分散性がさらに向上するため、合一粒子の少ない、形状の揃った熱処理トナー粒子を得ることができる。
その後、必要に応じ選択された無機微粉体や樹脂粒子などの外部添加剤を加えて混合他の無機微粒子を外添し、流動性付与、帯電安定性を向上させてもよい。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー(商品名、ホソカワミクロン(株)製)、メカノハイブリッド(商品名、日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。
以下に、トナー及び原材料の各種物性の測定法について以下に説明する。
次に、本発明に関わる各物性の測定方法について記載する。
トナー及び原材料の各種物性の測定法について以下に説明する。
<樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定>
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(商品名、TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂約5mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。一度180℃まで昇温させ10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前のベースラインを延長した直線を第1の直線とし、比熱変化が出た後のベースラインを延長した直線を第2の直線とし、第1の直線と第2の直線とから縦軸方向に等距離にある直線を第3の直線とする。第3の直線と示差熱曲線の階段状変化部分との交点の温度(いわゆる、中間点ガラス転移温度)を、樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。
<ワックス・結晶性樹脂のDSC吸熱量(ΔH)の測定>
本発明におけるワックス、結晶性樹脂の最大吸熱ピークのピーク温度(Tp)は、DSC Q1000(商品名、TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/分
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料約5mgを精秤し、銀製のパンの中に入れ、一回測定を行う。リファレンスとしては銀製の空パンを用いる。
トナーを試料とする場合において、ワックス及び結晶性樹脂以外の樹脂の吸熱ピークが結着樹脂由来の最大吸熱ピークと重なっていない場合には、得られた最大吸熱ピークの吸熱量をそのままワックス及び結晶性樹脂に由来する最大吸熱ピークの吸熱量として扱う。
一方、トナーを試料とする場合において、ワックス及び結着樹脂以外の樹脂の吸熱ピークが結着樹脂由来の最大吸熱ピークと重なっている場合は、ワックス及び結着樹脂以外の樹脂に由来する吸熱量を、得られた最大吸熱ピークの吸熱量から差し引く必要がある。
なお、最大吸熱ピークとは、ピークが複数あった場合に、吸熱量が最大となるピークのことを意味する。また、最大吸熱ピークの吸熱量(ΔH)はピークの面積から装置付属の解析ソフトを用いて計算により求める。
<GPCによる重量平均分子量の測定>
温度40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHFを毎分1mLの流速で流し、THF試料溶液を約100μL注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、東ソー(株)製あるいは昭和電工(株)製の分子量が10〜10程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。なお、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば以下の組み合せを挙げることができる。
昭和電工(株)製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合せ。
東ソー(株)製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合せ。
また、試料は以下のようにして作製する。
試料をTHF中に入れ、25℃で数時間静置した後、十分振とうし、THFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、さらに12時間以上静置する。その時THF中への静置時間が24時間となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2μm以上0.5μm以下、例えばマイショリディスクH−25−2(商品名、東ソー(株)製)など使用できる。)を通過させたものをGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)の試料とする。また、試料濃度は、樹脂成分が0.5mg/mL以上5.0mg/mL以下となるように調製する。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(商品名、ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
コンタミノンN:非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス(株)製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<平均円形度の測定方法>
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下のとおりである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。さらに測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(商品名「VS−150」、(株)ヴェルヴォクリーア製)を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス(株)製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス(株)による校正作業が行われた、シスメックス(株)が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<非晶性ポリエステル樹脂Aの製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:71.9質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:
26.8質量部(0.16モル;多価カルボン酸総モル数に対して96.0mol%)
・チタンテトラブトキシド:0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:
1.3質量部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して4.0mol%)
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持した状態で、1時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)5,000である非晶性ポリエステル樹脂Aを得た。
<非晶性ポリエステル樹脂Bの製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:71.8質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:
15.0質量部(0.09モル;多価カルボン酸総モル数に対して55.0mol%)
・アジピン酸:
6.0質量部(0.04モル;多価カルボン酸総モル数に対して25.0mol%)
・チタンテトラブトキシド:0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。
次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:
6.4質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して20.0mol%)
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持した状態で、15時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)100000である非晶性ポリエステル樹脂Bを得た。
<結晶性ポリエステル樹脂C1の製造例>
・1,6−ヘキサンジオール:
34.5質量部(0.29モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・ドデカン二酸:
65.5質量部(0.29モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2−エチルヘキサン酸錫:0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
次に、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持した状態で、4時間反応させた。
その後、再び反応槽内を5kPa以下へ減圧して200℃で3時間反応させることにより、結晶性ポリエステル樹脂C1を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂C2〜C6の製造例>
ジオール、ジカルボン酸が表1に示すものとなるように適宜条件を変更した以外は、結晶性ポリエステル樹脂C1の製造例と同様の操作を行い、結晶性ポリエステル樹脂C2〜C6を得た。
Figure 2018084722
<架橋ポリブタジエンD1の製造例>
(架橋ポリブタジエン分散液の製造)
・トルエン(和光純薬工業(株)製) 300質量部
・ポリブタジエンD1 100質量部
以上の処方を混合し、90℃で溶解させた。
別途、イオン交換水700gにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.7g、ラウリン酸ナトリウム1.5g、N,N−ジメチルアミノエタノール3.6gを加え90℃で加熱溶解させた。次いで前記のトルエン溶液と水溶液を混ぜ合わせ、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス(商品名、プライミクス(株)製)を用いて7,000rpmで攪拌した。さらに、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)用いて200MPaの圧力で乳化した。その後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、イオン交換水で濃度調整を行いポリブタジエン微粒子D1の濃度20%の水系分散液を得た。
続いて得られた分散液500gを撹拌させながら、ラジカル重合開始剤として過硫酸ナトリウムを0.5g添加した。その後、90℃まで加熱し3時間撹拌した。さらに室温まで冷却することで架橋ポリブタジエン微粒子D1分散液を得た。
さらにエバポレーターを用いて、水を除去し、架橋ポリブタジエン微粒子D1を得た。得られた架橋ポリブタジエン微粒子D1の体積基準のメジアン径(D50)は、0.40μmであった。
<架橋ポリブタジエンD2〜D9の製造例>
得られる架橋ポリブタジエンの1,2−ポリブタジエンユニット含有量[mol%]が表2に示す値となるように適宜条件を変更した以外は、架橋ポリブタジエンD1の製造例と同様の操作を行い、架橋ポリブタジエンD2〜D9を得た。
<ポリブタジエンD10の製造例>
ラジカル重合剤を加えず、架橋反応を行わないことを除いて架橋ポリブタジエンD9の製造例と同様の操作を行い、架橋されていないポリブタジエンD10を得た。
Figure 2018084722
<トナー1の製造例>
・非晶性ポリエステル樹脂A 72質量部
・非晶性ポリエステル樹脂B 28質量部
・結晶性ポリエステル樹脂C1 5質量部
・架橋ポリブタジエンD1 5質量部
・炭化水素ワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃) 5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 7質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.3質量部
上記材料をヘンシェルミキサーFM−75型(商品名、日本コークス工業(株)製)を用いて、回転数20/秒、回転時間5分で混合した後、温度150℃に設定した二軸混練機PCM−30型(商品名、(株)池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、ジェット気流式粉砕機I−20ジェットミル(商品名、日本ニューマチック工業(株)製)を用いて微粉砕した。さらにファカルティF−300(商品名、ホソカワミクロン(株)製)を用い、分級を行い、トナー熱処理粒子1を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130/秒、分散ローター回転数を120/秒とした。
得られたトナー熱処理粒子1 100質量部に、疎水性シリカ(BET:200m/g)1.0質量部、イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子(BET:80m/g)1.0質量部を添加した。そして、ヘンシェルミキサーFM−75型(商品名、日本コークス工業(株)製)で回転数30/秒、回転時間10分で混合して、トナー1を得た。
得られたトナー1のDSC測定において、結晶性ポリエステルに由来する吸熱ピークが観察された。
<トナー2の製造例>
(非晶性ポリエステル分散液の製造)
・トルエン(和光純薬工業(株)製) 300質量部
・非晶性ポリエステル樹脂A 72質量部
・非晶性ポリエステル樹脂B 28質量部
以上の処方を混合し、90℃で溶解させた。
別途、イオン交換水700gにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.7g、ラウリン酸ナトリウム1.5g、N,N−ジメチルアミノエタノール1.65gを加え90℃で加熱溶解させた。次いで上記のトルエン溶液と水溶液を混ぜ合わせ、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス(商品名、(株)プライミクス製)を用いて7,000rpmで攪拌した。さらに、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(商品名、吉田機械興業(株)製)用いて200MPaの圧力で乳化した。その後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、イオン交換水で濃度調整を行い樹脂微粒子の濃度20%の水系分散液(非晶性ポリエステル微粒子分散液)を得た。
該樹脂微粒子の体積基準のメジアン径(D50)を動的光散乱式粒度分布径(商品名 ナノトラック:日機装(株)製)を用いて測定したところ、0.25μmであった。
(結晶性ポリエステル分散液)
結晶性ポリエステル樹脂C1を80質量部、イオン交換水720質量部を各々ステンレスビーカーに入れ、99℃に加熱した。結晶性ポリエステル樹脂C1が溶融した時点で、ホモジナイザーを用いて攪拌した。次いで、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、商品名 ネオゲンRK、固形分:20%)2.0質量部を滴下しながら、乳化分散を行い、結晶性ポリエステル樹脂C1分散液(固形分:10%)を得た。
(着色剤微粒子分散液の製造)
・着色剤 10.0質量部
(シアン顔料 大日精化工業(株)製:Pigment Blue 15:3)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK) 1.5質量部
・イオン交換水 88.5質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(商品名、吉田機械興業(株)製)を用いて約1時間分散させた後、着色剤を分散させて着色剤微粒子の濃度10%の水系分散液(着色剤微粒子分散液)を調製した。得られた着色剤微粒子の体積基準のメジアン径(D50)は動的光散乱式粒度分布径ナノトラック(商品名、日機装(株)製)を用いて測定し、0.20μmであった。
(ワックス分散液)
・炭化水素ワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃) 45質量部
・アニオン性界面活性剤 5質量部
・イオン交換水 150質量部
以上の材料を95℃に加熱して、ホモジナイザーを用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が210nmである離型剤を分散させて離型剤分散液(ワックス濃度:20%)を調製した。
<トナー3〜7の製造例>
トナー1の製造例において、結晶性ポリエステル樹脂の種類を表3に示すように変更した以外はトナー1の製造例と同様の操作を行い、トナー3〜7を得た。
得られたトナー3〜7のDSC測定において、結晶性ポリエステル樹脂に由来する吸熱ピークが観察された。
<トナー8〜19の製造例>
トナー4の製造例において、結晶性ポリエステル樹脂の部数、及び/又は架橋ポリブタジエンの種類、部数、を表3に示すように変更した以外はトナー4の製造例と同様の操作を行い、トナー8〜19を得た。
得られたトナー8〜19のDSC測定において、結晶性ポリエステルに由来する吸熱ピークが観察された。
<トナー20〜21の製造例>
表3に示すように、架橋ポリブタジエンを用いない(トナー20)、又は結晶性ポリエステルを用いない(トナー21)以外はトナー14の製造例と同様の操作を行い、トナー20〜21を得た。
得られたトナー20のDSC測定において、結晶性ポリエステルに由来する吸熱ピークが観察された。
Figure 2018084722
<磁性キャリア粒子1の製造例>
・工程1(秤量・混合工程):
Fe 62.7質量部
MnCO 29.5質量部
Mg(OH) 6.8質量部
SrCO 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した。その後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1,000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記のとおりである。
(MnO)(MgO)(SrO)(Fe
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
・工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機(株))で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1,300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1,150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で凝集した粒子を取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積基準のメジアン径(D50)37.0μmの磁性キャリア粒子1を得た。
<被覆樹脂1の調製>
(1)シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量%
(2)メチルメタクリレートモノマー 0.2質量%
(3)メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5,000のマクロモノマー)
(4)トルエン 31.3質量%
(5)メチルエチルケトン 31.3質量%
(6)アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、(1)〜(5)を、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした。その後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、減圧乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30質量部、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
<被覆樹脂溶液1の調製>
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
トルエン 66.4質量%
カーボンブラック 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m/g、DBP吸油量75mL/100g)
を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過をおこない、被覆樹脂溶液1を得た。
<磁性キャリア1の製造例>
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている減圧脱気型ニーダーに、被覆樹脂溶液1を投入した。被覆樹脂溶液1の投入量は、トナー粒子1の100質量部に対して、樹脂成分が2.5質量部になる量とした。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積基準のメジアン径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
以上のトナー1〜21と磁性キャリア1で、トナー濃度が8.0質量%になるようにV型混合機(V−10型:(株)徳寿製作所)で0.5/秒、回転時間5分で混合し、二成分系現像剤1〜21を得た。
<実施例>
画像形成装置として、キヤノン(株)デジタル複合機imageRUNNER ADVANCE C9075 PROを用い、定着温度、プロセススピードを自由に設定できるように改造した。この改造機のシアン位置の現像器に二成分系現像剤を入れ、静電潜像担持体または、紙上のトナーの載り量が所望になるように現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、レーザーパワーを調整し、後述の評価を行った。結果を表4に示す。
<評価1:保存性>
100ccの樹脂製カップにトナー5gを入れ、温度及び湿度可変型の恒温槽(温度55℃、相対湿度41%)に48時間静置し、静置後にトナーの凝集性を評価した。凝集性は、ホソカワミクロン(株)製パウダーテスタPT−X(商品名)を用いて0.5mmの振幅にて10秒間、目開き20μmのメッシュで振るった際に、残ったトナーの残存率を評価指標とした。
(評価基準)
A:残存率2.0%未満
B:残存率2.0%以上、10.0%未満
C:残存率10.0%以上、15.0%未満
D:残存率15.0%以上
<評価2:耐久性>
紙:A4用紙 CS−680(68.0g/m
(キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
紙上のトナーの載り量:0.35mg/cm(FFh画像)
評価画像:上記A4用紙画像比率100%のチャート
定着試験環境:高温高湿環境:温度30℃/相対湿度85%
耐久画像出力試験として、画像比率0.1%のFFh出力の帯チャートを用いて、A4用紙に10,000枚出力を行った。その後、上記評価画像を出力し、画像中の白斑点の個数を目視で確認した。なお、FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
(評価基準)
A:白斑点が5個未満
B:白斑点が5個以上、10個未満
C:白斑点が10個以上、15個未満
D:白斑点が15個以上、20個未満
E:白斑点が20個以上
<評価3:低温定着性>
紙:A4用紙 CS−680(68.0g/m
(キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
紙上のトナーの載り量:1.20mg/cm
評価画像:上記A4用紙の中心に10cmの画像を配置
定着試験環境:低温低湿環境:温度15℃/相対湿度10%
紙上のトナーの載り量が上記の値になるように、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、及びレーザーパワーを調整した後、プロセススピードを450mm/秒、定着温度を130℃に設定し低温定着性を評価した。画像濃度低下率の値を低温定着性の評価指標とした。画像濃度低下率は、X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を用いて、先ず、中心部の画像濃度を測定した。次に、画像濃度を測定した部分に対し、4.9kPa(50g/cm)の荷重をかけてシルボン紙(Lenz Cleaning Paper “dasper(R)”,Ozu Paper Co.Ltd)により定着画像を摺擦(5往復)し、画像濃度を再度測定した。そして、摺擦前後での画像濃度低下率(%)を以下のように定義し、評価を行った。
Figure 2018084722
(評価基準)
A:濃度低下率2.0%未満
B:濃度低下率2.0%以上、5.0%未満
C:濃度低下率5.0%以上、7.5%未満
D;濃度低下率7.5%以上、10.0%未満
E:濃度低下率10.0%以上
以上の評価方法・基準により二成分系現像剤を評価した結果を表4に示す。
Figure 2018084722
1.原料定量供給手段 2.圧縮気体流量調整手段
3.導入管 4.突起状部材
5.供給管 6.処理室
7.熱風供給手段 8.冷風供給手段
9.規制手段 10.回収手段
11.熱風供給手段出口 12.分配部材
13.旋回部材 14.粉体粒子供給口


Claims (5)

  1. 非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、及び架橋ポリブタジエンを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該結晶性ポリエステル樹脂の含有量をa(質量部)とし、該架橋ポリブタジエンの含有量をb(質量部)としたとき、以下の関係式を満たすことを特徴とするトナー。
    0.1≦(b/a)≦5
  2. 該架橋ポリブタジエンは、該架橋ポリブタジエンを構成する全モノマーユニットに対して、下記式(1)で示される1,2−ポリブタジエンユニットを60mol%以上90mol%以下含有する請求項1に記載のトナー。
    Figure 2018084722
  3. 該架橋ポリブタジエンを架橋する前のポリブタジエンの重量平均分子量が10,000以上300,000以下である請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数6以上12以下の脂肪族ジオールと、炭素数6以上12以下の脂肪族ジカルボン酸とを縮重合して得られた脂肪族ポリエステル樹脂である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー及び磁性キャリアを含む二成分系現像剤。

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