JP2012145824A - マゼンタトナー、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

マゼンタトナー、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】青色画像の再現性の低下を抑制するマゼンタトナーの提供。
【解決手段】着色剤と結着樹脂とを含むトナー粒子を含有し、前記着色剤としてカーミン6BとC.I.ピグメントイエロー180とを用い、前記カーミン6Bと前記C.I.ピグメントイエロー180との質量比は99:1乃至10000:1であり、前記結着樹脂として下記一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位を含むポリエステル樹脂を用いるマゼンタトナー。
【化1】


(式(1)において、m及びnは各々独立に2以上4以下の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、マゼンタトナー、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真法のように、静電潜像を形成し、これを現像する工程を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。この方法による画像の形成は、感光体(潜像保持体)表面を全体に帯電させた後、この感光体表面に、画像情報に応じたレーザ光により露光して静電潜像を形成し、次いでこの静電潜像を、トナーを含む現像剤で現像してトナー像を形成し、最後にこのトナー像を記録媒体表面に転写・定着することにより行われる。
電子写真法に用いられるトナーは、通常、可塑性樹脂を顔料、帯電制御材、離型剤、及び磁性体等とともに溶融混錬して冷却した後、これを微粉砕し、さらに分級する混錬粉砕法で製造される。
耐静電オフセット性、低温定着性、及び環境安定性に優れた静電荷像現像用トナーを提供するため、少なくとも樹脂を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、当該樹脂表面に、陰イオン又は陽イオンのいずれか一方のイオン種が、当該樹脂1gあたり5×10-6mol以上200×10-6mol以下存在し、かつ当該静電荷像現像用トナーが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定された重量平均分子量(Mw)が5万以上である成分を5質量%以上20質量%以下含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−204774号公報
本発明は、本構成を有しない場合に比べて、青色画像の再現性の低下を抑制するマゼンタトナーを提供することを目的とする。
即ち、請求項1に係る発明は、着色剤と結着樹脂とを含むトナー粒子を含有し、前記着色剤としてカーミン6BとC.I.ピグメントイエロー180とを用い、前記カーミン6Bと前記C.I.ピグメントイエロー180との質量比は99:1乃至10000:1であり、前記結着樹脂として下記一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位を含むポリエステル樹脂を用いるマゼンタトナーである。
(式(1)において、m及びnは各々独立に2以上4以下の整数を表す。)
請求項2に係る発明は、体積平均粒子径が8μm以上15μm以下である請求項1に記載のマゼンタトナーである。
請求項3に係る発明は、形状係数SF1が140以上160以下である請求項1又は請求項2に記載のマゼンタトナーである。
請求項4に係る発明は、前記トナー粒子が、離型剤として炭化水素系ワックスを含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のマゼンタトナーである。
請求項5に係る発明は、ガラス転移温度が35℃以上50℃以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のマゼンタトナーである。
請求項6に係る発明は、前記トナー粒子が、前記着色剤及び前記結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬して混錬物を得た後、前記混錬物を粉砕することにより得られるものである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のマゼンタトナーである。
請求項7に係る発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマゼンタトナーを含む現像剤である。
請求項8に係る発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマゼンタトナーを収納し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
請求項9に係る発明は、請求項7に記載の現像剤を収納し、潜像保持体表面に形成された静電潜像を前記現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
請求項10に係る発明は、潜像保持体と、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を請求項7に記載の現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、を備える画像形成装置である。
請求項11に係る発明は、複数種のトナーを用い、静電潜像を現像して前記複数種のトナーによる複数のトナー像を形成する現像工程と、
前記複数のトナー像を記録媒体表面に重ね合わせて転写し複数層からなる重ね合わせトナー像を形成する転写工程と、
前記重ね合わせトナー像を定着して画像を形成する定着工程と、を有し、
前記複数種のトナーとして、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマゼンタトナーと、フタロシアニン系顔料を着色剤として含むシアントナーと、を少なくとも用いる画像形成方法である。
請求項1に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、青色画像の再現性の低下を抑制するマゼンタトナーが提供される。
請求項2に係る発明によれば、体積平均粒子径が8μm以上15μm以下の範囲を外れる場合に比較して、青色画像の再現性の低下がさらに抑制される。
請求項3に係る発明によれば、形状係数SF1が140以上160以下の範囲を外れる場合に比較して、青色画像の再現性の低下がさらに抑制される。
請求項4に係る発明によれば、離型剤として炭化水素系ワックスを含まない場合に比較して、青色画像の再現性の低下がさらに抑制される。
請求項5に係る発明によれば、ガラス転移温度が35℃以上50℃以下の範囲を外れる場合に比較して、青色画像の再現性の低下がさらに抑制される。
請求項6に係る発明によれば、トナー粒子が着色剤及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬して混錬物を得た後、この混錬物を粉砕することにより得られるものでない場合に比較して、青色画像の再現性の低下がさらに抑制される。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、青色画像の再現性の低下を抑制する現像剤が提供される。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、青色画像の再現性の低下を抑制するマゼンタトナーの供給を容易にするトナーカートリッジが提供される。
請求項9に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、青色画像の再現性の低下を抑制する現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高められる。
請求項10に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、青色画像の再現性の低下を抑制するマゼンタトナーを用いた画像形成装置が提供される。
請求項11に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、青色画像の再現性の低下を抑制するマゼンタトナーを用いた画像形成方法が提供される。
本実施形態に係るマゼンタトナーの製造に用いるスクリュー押出機の一例について、スクリューの状態を説明する図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明に係るマゼンタトナー、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法の実施形態について詳細に説明する。
<マゼンタトナー>
本実施形態に係るマゼンタトナー(以下、本実施形態のトナーと称することがある。)は、着色剤と結着樹脂とを含むトナー粒子を含有し、前記着色剤としてカーミン6BとC.I.ピグメントイエロー180とを用い、前記カーミン6Bと前記C.I.ピグメントイエロー180との質量比は99:1乃至10000:1であり、前記結着樹脂として下記一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位を含むポリエステル樹脂を用いるものである。
式(1)において、m及びnは各々独立に2以上4以下の整数を表す。
本実施形態のトナーを用いることで青色画像の再現性の低下が抑制されるのは、明確ではないが、下記理由に基づくものと推察される。
青色画像は、中間転写ベルト等の中間転写体上にマゼンタトナー、シアントナーの順でカラートナーを重ね合わせることで重ね合わせトナー像を形成し、この重ね合わせトナー像を記録媒体に転写後、定着することで得られる。マゼンタとシアンとの組み合わせによって得られる2次色の青色再現時は、最上層のマゼンタトナーの透明性が要求される。青色再現性に対し、青みが強い着色剤であるカーミン6Bは好ましいものの、顔料分散性が悪く、トナー作製の際にトナー中で凝集しやすいため、トナー定着の際において透明性が低く、2次色再現性が低いことがある。特に、繰り返しコピーの際には再現性が低いことがある。
上述の特許文献1には、繰り返しコピーに対し、トナーの粒子表面に陰イオンまたは陽イオンが存在しかつトナー分子量を規定することで、繰り返しコピーでのかぶりが抑制でき、安定した画像の得られる実施形態が提案されている。しかし、この手法ではかぶりは発生しないものの、繰り返しコピーによる色再現性は低下してしまうことがある。したがって、青色再現性には顔料分散性が良好で透明性の高いカーミン6Bを用いたマゼンタトナーが望まれる。
本発明者等は、トナー作製の際に、カーミン6BにC.I.ピグメントイエロー180(PY180)を少量含有させることで、トナー中のカーミン6Bの分散性が向上し、透明性が向上することで高い青色再現性が得られることを見出した。
カーミン6Bがトナー作製の際に凝集するのは、Ca金属イオンによる凝集力によるものと推定した。PY180は、多くのカルボキシル基、アミド基を有し、かつ嵩高い構造のため、酸素部分の共有電子対がCaイオンに強固に配位し、凝集力を中和する。さらにPY180は嵩高い構造のため、立体的にもマゼンタ顔料同士の凝集を阻害できるためと推定される。
また、一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位を含むポリエステル樹脂を用いることにより、さらに顔料凝集が抑制されることを本発明者等は見出した。一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位を含むポリエステル樹脂は、カーミン6Bの分散性が良好であり、顔料の凝集が抑制される。一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位の酸素部分がカーミン6BのCaイオンを中和させ、顔料の凝集を抑制しつつ、分子同士が絡み合うことができるため、良好な顔料分散状態が得られるものと推察される。
本実施形態においては、青色画像を形成する際に本実施形態のトナーと併用されるシアントナーとして、フタロシアニン系顔料を着色剤として含むトナーが望ましい。
以下、本実施形態のトナーの構成について説明する。
本実施形態のトナーは、着色剤と結着樹脂とを含むトナー粒子を含有し、必要に応じて外添剤を含有してもよい。
−着色剤−
本実施形態においては、着色剤としてカーミン6BとC.I.ピグメントイエロー180とが併用される。
本実施形態においては、カーミン6BとC.I.ピグメントイエロー180との質量比は99:1乃至10000:1とされる。カーミン6Bの割合が99:1よりも少ないと、黄色味が強くなり青色再現性低下の問題を生ずることがある。一方、カーミン6Bの割合が10000:1よりも多いと、カーミン6Bが凝集しやすくなり、顔料分散性が低下し、青色再現性低下の問題を生ずることがある。カーミン6BとC.I.ピグメントイエロー180との質量比は500:1乃至5000:1が望ましく、700:1乃至2000:1がさらに望ましい。
本実施形態に係るトナー粒子に含まれる着色剤の総量は、結着樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下の割合であることが好ましい。
本実施形態は、C.I.ピグメントイエロー180を用いることが必須である。C.I.ピグメントイエロー180以外のイエロー顔料を用いた場合、嵩高さ、カーミン6BのCaへの中和力が異なり、カーミン6Bが凝集し、青色再現性低下を抑制できない場合がある。
トナー中のC.I.ピグメントイエロー180およびカーミン6Bを検出する方法として、トナーのトルエン不溶分を抽出後、重量測定、およびIRおよび蛍光X線分析およびNMR分析からPY180量、カーミン6B量、およびカーミン量/PY180量の比を算出できる。
またC.I.ピグメントイエロー180およびカーミン6Bの質量比は以下の方法でも測定できる。
トナーのTHF不溶分に対する直接的なレーザー照射によるイオン化を、レーザー脱離イオン化法(Laser Desorption / Ionization、LDI)により行う。
より詳しくは、トナー1gをTHFに溶解させ、濾過したのち、ろ過分を乾燥させる。該ろ過分を乳鉢ですりつぶしてTHF/MeOH(1/1)の溶液に懸濁させて試料を得る。
測定器はThemo Fisher社製イオントラップ型GC−MS( POLARIS Q)のMS部および直接試料導入法を用い、以下の分析条件にて質量分析を行う。
分析条件:
GC−MS:POLARIS Q
Ion Source Temp:200℃
Electoron Energy:70eV
Emission Current:250μA
Mass Range:m/z 50−1000
Reagent Gas:Methane
直接試料プローブ(DEP)
Rate:20mA(10sec)−5mA/sec−1000mA(30sec)
PY180の質量706
カーミン6Bの質量:424.1
のピーク比より、顔料比を算出する。
−結着樹脂−
本実施形態においては、結着樹脂として一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位を含むポリエステル樹脂が用いられる。ポリエステル樹脂は、重合性単量体としてジカルボン酸とジオールとを重合することで得られる。一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイドは、ポリエステル樹脂のジオール成分として用いられる。
本実施形態において「一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位」とは、重合反応の前には一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイドであったポリエステル樹脂の構成部位をいう。
一般式(1)におけるm、nが1であると、樹脂の親水性が高くなり、疎水性の高い着色剤との分散性が低下することがある。
一方、一般式(1)におけるm、nが5以上であると、トナーの帯電性が変化しやすくなるため現像工程、転写工程におけるトナーの付着量の制御が困難となることがある。
一般式(1)において、m及びnの望ましい範囲は、3または4である。
本実施形態においては、ポリエステル樹脂を合成するに際し、一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド以外のその他のジオールを併用してもよい。その他のジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。
本実施形態において、全ジオール由来の繰り返し単位に占める、一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位の割合は、10モル%以上が望ましく、80モル%以上がさらに望ましく、100モル%が特に望ましい。
本実施形態において用いられるジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類;が挙げられ、これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いてもよい。
ポリエステル樹脂の製造は、重合温度を180℃以上230℃以下として行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。
ジカルボン酸やジオール等の重合性単量体が、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い重合性単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い重合性単量体とその重合性単量体と重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
ポリエステル樹脂の製造の際に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。
具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
本実施形態で用いられるポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は35℃以上50℃以下の範囲であることが望ましい。Tgが35℃以上であれば、トナーの保存性や定着画像の保存性の問題が生ずるのを防止できる場合がある。また50℃以下であれば、従来に比べ低温で定着することができるようになる。
ポリエステル樹脂のTgは45℃以上50℃以下であることがより望ましい。
なお、ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた。
本実施形態で用いられるポリエステル樹脂の重量平均分子量は、5000以上30000以下が望ましく、7000以上20000以下がさらに望ましい。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行った。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出したものである。
本実施形態においては、必要に応じて、結着樹脂として上記特定のポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン等のエチレン系樹脂、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)等を主成分とするスチレン系樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリロニトリル等を主成分とする(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂及びこれらの共重合樹脂を併用してもよい。
本実施形態に係るトナー粒子に含まれる結着樹脂の総量は、トナー粒子の固形分総質量に対して、40質量%以上95質量%以下が望ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに望ましい。
−離型剤−
本実施形態においては、トナー粒子が離型剤を含んでもよい。離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス類;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、モノステアリン酸グリセリド、ジステアリン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の高級脂肪酸と単価または多価低級アルコールとのエステルワックス類;ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジステアリン酸ジグリセリド、テトラステアリン酸トリグリセリド等の高級脂肪酸と多価アルコール多量体とからなるエステルワックス類;ソルビタンモノステアレート等のソルビタン高級脂肪酸エステルワックス類;コレステリルステアレート等のコレステロール高級脂肪酸エステルワックス類などが挙げられる。
これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
中でも、炭化水素系ワックスであることが好ましい。離型剤として炭化水素系ワックスを用いることで、本実施形態のトナーに含まれるカーミン6Bの分散性が向上する。極性の低い炭化水素系ワックスは樹脂との相溶性が低く、トナー中での分散性が高く、カーミン6Bのナフタレン部位と相溶しやすい。そのためカーミン6Bの凝集を抑制しつつ、カーミン6Bの分散性を向上させるとの理由から青色画像の再現性の低下がさらに抑制されると考えられる。
炭化水素系ワックスの中でも、パラフィン系ワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物系、石油系ワックス、およびそれらの変性物であるポリアルキレンワックスが定着時の定着画像表面への溶出の均一性、適度な離型剤層の厚みを得られるなどの点でより好ましい。炭化水素系ワックスはパラフィン系ワックスであることがさらに好ましい。
これらの離型剤の添加量としては、トナー粒子の固形分総質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上15質量%以下である。
−その他の成分−
トナー粒子には、目的に応じて、既述の結着樹脂及び着色剤以外に、内添剤、帯電制御剤、有機粒体、滑剤、研磨剤などのその他の成分(粒子)を添加させてもよい。
内添剤としては、磁性粉が挙げられる。磁性粉は、トナーを磁性トナーとして用いる場合に含有し得る。このような磁性粉としては、磁場中で磁化される物質が用いられ、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、マンガン、ニッケル等の金属、合金、またはこれら金属を含有する化合物などが挙げられる。
帯電制御剤としては、特に制限はないが、無色または淡色のものが好ましく使用できる。例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
有機粒体としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の通常トナー表面の外添剤として使用される全ての粒子が挙げられる。なお、これらの有機粒体は、流動性助剤、クリーニング助剤等として使用することができる。
滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩等が挙げられる。
研磨剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化セリウムなどが挙げられる。
前記その他の成分の含有量としては、本実施形態の目的を阻害しない程度であればよく、一般的には極少量であり、具体的にはトナー粒子の固形分総質量に対して、0.01質量%以上5質量%以下の範囲であることが好ましく、0.5質量%以上2質量%以下の範囲であることがより好ましい。
−外添剤−
本実施形態のトナーは、外添剤を含有してもよい。
前記外添剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げられる。これらの中でも、シリカ粒子及び/又はチタニア粒子が望ましく、特に疎水化処理されたシリカ粒子、チタニア粒子が望ましい。
疎水化等の表面改質の手段としては従来公知の方法が用いられる。具体的にはシラン、チタネート、アルミネート等の各カップリング処理が挙げられる。カップリング処理に用いるカップリング剤としては特に制限はないが、例えばメチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェエルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ブロモプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、フルオロアルキルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシランカップリング剤;チタネートカップリング剤;アルミネートカップリング剤;等が好適な例として挙げられる。
更に、必要に応じて種々の添加剤を外添してもよく、これらの添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子等のクリーニング助剤やジンクステアリルアミド、チタン酸ストロンチウム等の感光体付着物除去を目的とした研磨剤等があげられる。
前記外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下の範囲が望ましく、0.3質量部以上2質量部以下の範囲がより望ましい。添加量が0.1質量部以上であれば、トナーの流動性が確保される。一方、該添加量が5質量部以下であれば、過剰被覆状態による過剰無機酸化物の接触部材への移行に起因する二次障害の発生が抑制される。
(トナーの特性)
本実施形態のトナーの形状係数SF1は140以上160以下の範囲であることが望ましい。トナーの形状係数SF1を前述の範囲とすることで、トナーの形状が不定形となり、トナー定着像のころがりによるトナー飛散が抑制され、かつ、トナー凸部が発生することにより、トナー同士が接触する面積が低下しトナー表面のカーミン6Bの接触が低減して定着時にカーミン6Bが凝集しにくくなり、定着画像中のカーミン6Bの分散性が良好となるため青色画像の再現性の低下がさらに抑制される。
上記形状係数SF1は、145以上155以下の範囲であることがより望ましい。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(2)により求められる。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(2)
上記式(2)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
SF1は、主に顕微鏡画像または走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(2)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
本実施形態のトナーの体積平均粒子径は8μm以上15μm以下の範囲であることが望ましく、より望ましくは9μm以上14μm以下の範囲であり、さらに望ましくは10μm以上12μm以下の範囲である。トナーの体積平均粒子径を前述の範囲とすることで、光沢度を保ち色域を保ちつつ、かつトナー表面積を制御することによりトナー表面のカーミン6B量を抑制し、定着時における定着画像内のカーミン6Bの凝集が抑制されることから青色画像の再現性の低下がさらに抑制される。
なお、上記体積平均粒子径の測定は、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で行われる。この際、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行った。
本実施形態のトナーのガラス転移温度(Tg)は35℃以上50℃以下であることが好ましい。トナーのガラス転移温度(Tg)が上記範囲であると、現像器内でトナー同士の凝集が抑制され、現像時のボタ落ちが抑制され、かつ定着時に均一に溶融するため、定着画像内でもカーミン6Bの凝集が抑制されることから青色画像の再現性の低下がさらに抑制される。
トナーのガラス転移温度(Tg)は、40℃以上50℃以下の範囲であることがより好ましい。
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計〔マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001〕を用い、JIS 7121−1987に準拠した測定により得られる値である。装置の検出部の温度補正にはインジウムと亜鉛との混合物の融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。試料(トナー)はアルミニウム製パンに入れ、試料の入ったアルミニウム製パンと対照用の空のアルミニウム製パンとをセットし、昇温速度10℃/minで測定する。測定により得られるDSC曲線の吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度をもってガラス転移温度とする。
<トナーの作製方法>
本実施形態のトナーの製造方法は特に限定されず、公知である混練粉砕法等の乾式法や、乳化凝集法や懸濁重合法等の湿式法等によってトナー粒子を作製し、必要に応じてトナー粒子に外添剤を外添する。これらの方法の中でも、混練粉砕法が好ましい。
混練粉砕法は、着色剤及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬して混錬物を得た後、前記混錬物を粉砕することによりトナー粒子を作製する方法である。混練粉砕法でトナー粒子を作製し、トナーを得ることで、安定してカーミン6Bの分散の良好なトナーとなることから青色画像の再現性の低下がさらに抑制される。
混練粉砕法は、より詳細には、着色剤及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬する混錬工程と、前記混錬物を粉砕する粉砕工程とに分けられる。必要に応じて、混錬工程により形成された混錬物を冷却する冷却工程等、他の工程を有してもよい。
各工程について詳しく説明する。
−混錬工程−
混錬工程は、着色剤及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬する。
混錬工程においては、トナー形成材料100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下の水系媒体(例えば、蒸留水やイオン交換水等の水、アルコール類等)を添加することが望ましい。
混錬工程に用いられる混錬機としては、例えば、1軸押出し機、2軸押出し機等が挙げられる。以下、混錬機の一例として、送りスクリュー部と2箇所のニーディング部とを有する混錬機について図を用いて説明するが、これに限られるわけではない。
図1は、本実施形態のトナーの製造方法における混錬工程で用いるスクリュー押出機の一例について、スクリューの状態を説明する図である。
スクリュー押出し機11は、スクリュー(図示せず)を備えたバレル12と、バレル12にトナーの原料であるトナー形成材料を注入する注入口14と、バレル12中のトナー形成材料に水系媒体を添加するための液体添加口16と、バレル12中でトナー形成材料が混錬されて形成された混錬物を排出する排出口18と、から構成されている。
バレル12は、注入口14に近いほうから順に、注入口14から注入されたトナー形成材料をニーディング部NAに輸送する送りスクリュー部SA、トナー形成材料を第1の混錬工程により溶融混錬するためのニーディング部NA、ニーディング部NAにおいて溶融混錬されたトナー形成材料をニーディング部NBに輸送する送りスクリュー部SB、トナー形成材料を第2の混錬工程により溶融混錬し混錬物を形成するニーディング部NB、及び形成された混錬物を排出口18に輸送する送りスクリュー部SCに分かれている。
またバレル12の内部には、ブロックごとに異なる温度制御手段(図示せず)が備えられている。すなわち、ブロック12Aからブロック12Jまで、それぞれ異なる温度に制御してもよい構成となっている。なお図1は、ブロック12A及びブロック12Bの温度をt0℃に、ブロック12Cからブロック12Eの温度をt1℃に、ブロック12Fからブロック12Jの温度をt2℃に、それぞれ制御している状態を示している。そのため、ニーディング部NAのトナー形成材料はt1℃に加熱され、ニーディング部NBのトナー形成材料はt2℃に加熱される。
結着樹脂、着色剤、及び必要に応じて離型剤等を含むトナー形成材料を、注入口14からバレル12へ供給すると、送りスクリュー部SAによりニーディング部NAへトナー形成材料が送られる。このとき、ブロック12Cの温度がt1℃に設定されているため、トナー形成材料は加熱されて溶融状態へと変化した状態で、ニーディング部NAに送り込まれる。そして、ブロック12D及びブロック12Eの温度もt1℃に設定されているため、ニーディング部NAではt1℃の温度でトナー形成材料が溶融混錬される。結着樹脂及び離型剤は、ニーディング部NAにおいて溶融状態となり、スクリューによりせん断を受ける。
次に、ニーディング部NAにおける混錬を経たトナー形成材料は、送りスクリュー部SBによりニーディング部NBへと送られる。
ついで、送りスクリュー部SBにおいて、液体添加口16からバレル12に水系媒体を注入することにより、トナー形成材料に水系媒体を添加する。また図1では、送りスクリュー部SBにおいて水系媒体を注入する形態を示しているが、これに限られず、ニーディング部NBにおいて水系媒体が注入されてもよく、送りスクリュー部SB及びニーディング部NBの両方において水系媒体が注入されてもよい。すなわち、水系媒体を注入する位置及び注入箇所は、必要に応じて選択される。
上記のように、液体添加口16からバレル12に水系媒体が注入されることにより、バレル12中のトナー形成材料と水系媒体とが混合し、水系媒体の蒸発潜熱によりトナー形成材料が冷却され、トナー形成材料の温度が適切に保たれる。
最後に、ニーディング部NBにより溶融混錬されて形成された混錬物は、送りスクリュー部SCにより排出口18に輸送され、排出口18から排出される。
以上のようにして、図1に示したスクリュー押出機11を用いた混錬工程が行われる。
−冷却工程−
冷却工程は、上記混錬工程において形成された混錬物を冷却する工程であり、冷却工程では、混錬工程終了の際における混錬物の温度から4℃/sec以上の平均降温速度で40℃以下まで冷却することが好ましい。混錬物の冷却速度が遅い場合、混錬工程において結着樹脂中に細かく分散された混合物(着色剤と、必要に応じてトナー粒子内に内添される離型剤等の内添剤との混合物)が再結晶化し、分散径が大きくなる場合がある。一方、上記平均降温速度で急冷すると、混錬工程終了直後の分散状態がそのまま保たれるため好ましい。なお上記平均降温速度とは、混錬工程終了の際における混錬物の温度(例えば図1のスクリュー押出し機11を用いた場合は、t2℃)から40℃まで降温させる速度の平均値をいう。
冷却工程における冷却方法としては、具体的には、例えば、冷水又はブラインを循環させた圧延ロール及び挟み込み式冷却ベルト等を用いる方法が挙げられる。なお、前記方法により冷却を行う場合、その冷却速度は、圧延ロールの速度、ブラインの流量、混錬物の供給量、混錬物の圧延時のスラブ厚等で決定される。スラブ厚は、1から3mmの薄さであることが好ましい。
−粉砕工程−
冷却工程により冷却された混錬物は、粉砕工程により粉砕され、粒子が形成される。粉砕工程では、例えば、機械式粉砕機、ジェット式粉砕機等が使用される。
−分級工程−
粉砕工程により得られた粒子は、必要に応じて、目的とする範囲の体積平均粒子径のトナー粒子を得るため、分級工程により分級を行ってもよい。分級工程においては、従来から使用されている遠心式分級機、慣性式分級機等が使用され、微粉(目的とする範囲の粒径よりも小さい粒子)及び粗粉(目的とする範囲の粒径よりも大きい粒子)が除去される。
−外添工程−
得られたトナー粒子は、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、既述の特定シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機粒子を添加付着してもよい。これらは、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等によって行われ、段階を分けて付着される。
−篩分工程−
上記外添工程の後に、必要に応じて篩分工程を設けてもよい。篩分方法としては、具体的には、例えば、ジャイロシフター、振動篩分機、風力篩分機等が挙げられる。篩分することにより、外添剤の粗粉等が取り除かれ、感光体上の筋の発生、装置内のぼた汚れなどが抑制される。
<現像剤>
本実施形態の現像剤は、本実施形態のトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態のトナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いてもよい。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等が挙げられる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
前記二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲が好ましく、3:100乃至20:100程度の範囲がより好ましい。
<画像形成装置および画像形成方法>
次に、本実施形態の現像剤を用いた本実施形態の画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、潜像保持体と、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を本実施形態の現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、を備える。
尚、この画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して着脱可能なカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。該プロセスカートリッジとしては、本実施形態の現像剤を収納し、潜像保持体表面に形成された静電潜像を前記現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に着脱される本実施形態のプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態の画像形成装置の一例を示すが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。尚、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、4連タンデム方式のカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1〜第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」ということがある。)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図中における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20内面に接する駆動ローラ22および支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に予め定められた張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の潜像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
上述した第1〜第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、潜像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電潜像を形成する露光装置3、静電潜像に帯電したトナーを供給して静電潜像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ(1次転写手段)5Y、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V以上−800V以下程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
静電潜像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電潜像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内に収納されているイエロー現像剤は、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定められた1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写位置へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに予め定められた1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向かう静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性(+)の極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部(図示せず)によって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ね合わされて重ね合わせトナー像が形成される。
第1〜第4ユニットを通して4色のトナー像が重ね合わされた中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に予め定められたタイミングで給紙され、予め定められた2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性(−)の極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向かう静電気力が重ね合わせトナー像に作用され、中間転写ベルト20上の重ね合わせトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれ重ね合わせトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬送ロール(排出ロール)32により搬送され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
尚、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介して重ね合わせトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
図2に示すカラー画像形成装置によれば、複数種のトナーを用い、静電潜像を現像して前記複数種のトナーによる複数のトナー像を形成する現像工程と、前記複数のトナー像を記録媒体表面に重ね合わせて転写し複数層からなる重ね合わせトナー像を形成する転写工程と、前記重ね合わせトナー像を定着して画像を形成する定着工程と、を有する画像形成方法が実施される。この場合において、マゼンタトナーとして本実施形態のトナーを用い、シアントナーとしてフタロシアニン系顔料を着色剤として含むシアントナーを用いることで、本実施形態の画像形成方法が実施される。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図3は、本実施形態の現像剤を収納するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、および除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
上記プロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。尚、300は記録紙である。
図3で示すプロセスカートリッジ200では、感光体107、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせてもよい。本実施形態のプロセスカートリッジでは、現像装置111のほかには、感光体107、帯電装置108、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備えてもよい。
次に、トナーカートリッジについて説明する。
トナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収容するトナーカートリッジにおいて、前記トナーが既述した本実施形態のトナーとしたものである。なお、トナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収められてもよい。
なお、図2に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しない現像剤供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されている現像剤が少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(結着樹脂1−1の合成)
・オキシメタン(1.1)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 40部
・エチレングリコール 10部
・テレフタル酸 45部
・フマル酸 5部
以上を撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた丸底フラスコに投入し、マントルヒーターを用い200℃まで昇温させた。次いで、ガス導入管より窒素ガスを導入し、フラスコ内を不活性ガス雰囲気に保ちながら攪拌した。その後、原料混合物100部に対して、ジブチルスズオキシド0.05部を添加し、反応物の温度を200℃に保ちながら12時間反応させることで結着樹脂1-1を得た。
得られた樹脂TgはDSC測定から、44℃であった。
(結着樹脂1−2の合成)
オキシメタン(1.1)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをポリオキシエチレン(1.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとした以外は、結着樹脂1-1と同じ組成、合成方法で結着樹脂1-2を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、44℃であった。
(結着樹脂1−3の合成)
オキシメタン(1.1)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをポリオキシプロピレン(1.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとした以外は、結着樹脂1-1と同じ組成、合成方法で結着樹脂1-3を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、44℃であった。
(結着樹脂1−4の合成)
オキシメタン(1.1)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをポリオキシブチレン(1.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとした以外は、結着樹脂1-1と同じ組成、合成方法で結着樹脂1-4を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、44℃であった。
(結着樹脂1−5の合成)
オキシメタン(1.1)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをポリオキシペンテン(1.5)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとした以外は、結着樹脂1-1と同じ組成、合成方法で結着樹脂1-5を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、44℃であった。
(結着樹脂2の合成)
テレフタル酸 35部、フマル酸 15部とした以外は、結着樹脂1-3と同じ組成、合成方法で結着樹脂2を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、34℃であった。
(結着樹脂3の合成)
テレフタル酸 36部、フマル酸 14部とした以外は、結着樹脂1-3と同じ組成、合成方法で結着樹脂3を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、35℃であった。
(結着樹脂4の合成)
テレフタル酸 37部、フマル酸 13部とした以外は、結着樹脂1-3と同じ組成、合成方法で結着樹脂4を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、36℃であった。
(結着樹脂5の合成)
テレフタル酸 41部、フマル酸 9部とした以外は、結着樹脂1-3と同じ組成、合成方法で結着樹脂5を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、40℃であった。
(結着樹脂6の合成)
テレフタル酸 49部、フマル酸 1部とした以外は、結着樹脂1-3と同じ組成、合成方法で結着樹脂6を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、48℃であった。
(結着樹脂7の合成)
ポリオキシプロピレン(1.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 41部、エチレングリコール 9部とした以外は、結着樹脂1-3と同じ組成、合成方法で結着樹脂7を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、51℃であった。
(トナー1の作製)
・結着樹脂1−3:1760部
・離型剤(ポリプロピレン;三井化学社製、三井HI-WAX NP055):100部
・カーミン6B(大日精化社製、セイカファストPR-57-1):99.55部
・C.I.ピグメントイエロー180(クラリアント社製、Novoperm Yellow P−H9:0.05部
・40nmシリカ:(日本アエロジル社製、OX−50):20部
・ロジン:(ハリマ化成社製、ハートールRX):20部
以上の成分を、75Lヘンシェルミキサーにて原料ブレンドを行い、その後、図1のスクリュー構成を有する連続混錬機(2軸押出し機)にて、以下条件にて混錬を実施した。なお、スクリューの回転数は500rpmである。
・フィード部(ブロック12A及び12B)設定温度 20℃
・ニーディング部1混錬設定温度(ブロック12Cから12E) 120℃
・ニーディング部2混錬設定温度(ブロック12Fから12J) 135℃
・水系媒体(蒸留水)添加量:原料供給量100部に対して 1.5部
この時の排出口(排出口18)での混錬物温度は、125℃であった。
この混錬物を、内部を−5℃のブラインを通した圧延ロール及び2℃の冷水冷却のスラブ挟み込み式の冷却ベルトにて急冷却を行い、冷却後、ハンマーミルで破砕を行った。急冷却速度は冷却ベルトの速度を変化させて確認したが、平均降温速度は10℃/secであった。
この後粗粉分級機内蔵の粉砕機(AFG400)にて、粉砕し、粉砕粒子を得た。その後、慣性式分級機にて分級を行い、微粉・粗粉を除去し、トナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子1の形状係数SF1は150であった。
得られたトナー粒子1の100部に、30nmのシリカ(日本アエロジル社製、MOXにイソブチルトリメトキシシラン処理したもの)1.0部、及び16nmのシリカ(日本アエロジル社製、R972)0.5部を加え、ヘンシェルミキサーで、3分間(回転翼の先端速度、22m/s)で混合し、トナー1を得た。トナー1の形状係数SF1はトナー粒子1の値と同じであった。
トナー1をトルエンに溶解させ、不溶分を抽出し、IRおよび蛍光X線分析およびNMR分析からカーミン量/PY180量の比が1991であることを確認した。
(トナー2の作製)
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂1−4を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー2を得た。
(トナー3の作製)
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂1−2を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー3を得た。
(トナー4の作製)
C.I.ピグメントイエロー180の含有量を0.01016部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー4を得た。
(トナー5の作製)
カーミン6Bの含有量を100部、C.I.ピグメントイエロー180の含有量を1部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー5を得た。
(トナー6の作製)
カーミン6Bの含有量を99.99部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー6を得た。
(トナー7の作製)
カーミン6Bの含有量を99.01部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー7を得た。
(トナー8の作製)
C.I.ピグメントイエロー180の含有量を0.9部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー8を得た。
(トナー9の作製)
C.I.ピグメントイエロー180の含有量を0.012部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー9を得た。
(トナー10乃至17の作製)
粉砕機の粉砕条件及び慣性式分級機の分級条件を調整した以外はトナー1の作製と同様にしてトナー10乃至トナー17を得た。
(トナー18の作製)
離型剤としてポリプロピレンに代えてポリエチレン(三洋化成社製、サンワックス151P)を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー18を得た。
(トナー19の作製)
離型剤としてポリプロピレンに代えてフィッシャートロプシュワックス(日本精鑞社製、FNP0092)を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー19を得た。
(トナー20の作製)
離型剤としてポリプロピレンに代えてポリエステル(日本油脂社製、WEP5)を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー20を得た。
(トナー21の作製)
離型剤としてポリプロピレンに代えてカルナウバワックス(加藤洋行社製、カルナウバワックス1号)を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー21を得た。
(トナー22の作製)
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂2を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー22を得た。
(トナー23の作製)
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂3を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー23を得た。
(トナー24の作製)
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂4を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー24を得た。
(トナー25の作製)
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂5を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー25を得た。
(トナー26の作製)
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂6を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー26を得た。
(トナー27の作製)
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂7を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー27を得た。
(トナー28の作製)
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂1−5を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー28を得た。
(トナー29の作製)
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂1−1を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー29を得た。
(トナー30の作製)
カーミン6Bの含有量を98.5部、C.I.ピグメントイエロー180の含有量を1.15部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー30を得た。
(トナー31の作製)
カーミン6Bの含有量を99.1部、C.I.ピグメントイエロー180の含有量を0.009部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー31を得た。
(トナー32の作製)
カーミン6Bの代わりにC.I.ピグメントレッド238(PR238;大日精化社製、Permanent Carmine 3810)を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー32を得た。
(トナー33の作製)
C.I.ピグメントイエロー180の代わりにC.I.ピグメントイエロー74(PY74;クラリアント社製、Hansa Yellow 5GX01)を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー33を得た。
(トナー34の作製)
カーミン6Bの代わりにPR238を、C.I.ピグメントイエロー180の代わりにPY74を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー33を得た。
(シアントナーの作製)
着色剤としてフタロシアニン系顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化社製):100部を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてシアントナーを得た。
<キャリアの製造>
ニーダーにMn−Mgフェライト〔平均粒径50μm:パウダーテック社製〕を1,000部投入し、スチレン−メタクリル酸メチル−アクリル酸共重合体〔重合比率39:60:1(モル比)、Tg100℃、重量平均分子量73,000:綜研化学(株)製〕150部をトルエン700部に溶かした溶液を加え、25℃で20分混合した後、70℃に加熱して減圧乾燥した後、取り出し、コートキャリアを得た。さらに得たコートキャリアを75μm目開きのメッシュでふるい、粗粉を除去してキャリア1を得た。
<現像剤の製造>
キャリア1と、トナー1乃至34又はシアントナーとをそれぞれ、質量比95:5の割合でVブレンダーに入れ20分間撹拌し、マゼンタ現像剤1乃至34及びシアン現像剤を得た。
<評価>
富士ゼロックス社製、ApeosPort−C4300に、マゼンタ現像剤1乃至34、及び、シアン現像剤を充填した。枚葉印刷用ジャパンカラー2007(JCS2007)テストフォーム2(絵柄)を用い、コート紙(127.9g/m)上に画像を形成した。繰り返しコピー回数1000回後の画質と初期(コピー回数1回目)の画質とを比較し、青色再現性を目視にて確認した。青色再現性は、ミュージシャン(3人娘)画像のうち、中央の人物の青系の着物の色を下記基準に基づいて評価した。
−青色再現性の判断基準−
A:初期画質と比較して、同等なレベル
B:初期画質と比較して、差異がわずかにあるものの違和感のないレベル
C:初期画質と比較して、差異があるものの違和感のないレベル
D:初期画質と比較して、差異が明らかにあり、違和感のあるレベル
得られた結果を、結着樹脂に含まれる一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位におけるm及びnの値、C.I.ピグメントイエロー180(PY180)の含有量、カーミン6Bの含有量、カーミン6BとC.I.ピグメントイエロー180との質量比(カーミン量/PY180量)、トナーの体積平均粒子径、トナーのSF1、離型剤の種類、結着樹脂の種類、及び、トナーのガラス転移温度と共に表1及び表2に示す。
1Y,1M,1C,1K,107 感光体(像保持体)
2Y,2M,2C,2K,108 帯電ローラ
3Y,3M,3C,3K レーザ光線
3 露光装置
4Y,4M,4C,4K,111 現像装置(現像手段)
5Y,5M,5C,5K 1次転写ローラ
6Y,6M,6C,6K,113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y,8M,8C,8K トナーカートリッジ
10Y,10M,10C,10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28,115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
32 搬送ロール(排出ロール)
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ,
P,300 記録紙(被転写体)

Claims (11)

  1. 着色剤と結着樹脂とを含むトナー粒子を含有し、前記着色剤としてカーミン6BとC.I.ピグメントイエロー180とを用い、前記カーミン6Bと前記C.I.ピグメントイエロー180との質量比は99:1乃至10000:1であり、前記結着樹脂として下記一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位を含むポリエステル樹脂を用いるマゼンタトナー。


    (式(1)において、m及びnは各々独立に2以上4以下の整数を表す。)
  2. 体積平均粒子径が8μm以上15μm以下である請求項1に記載のマゼンタトナー。
  3. 形状係数SF1が140以上160以下である請求項1又は請求項2に記載のマゼンタトナー。
  4. 前記トナー粒子が、離型剤として炭化水素系ワックスを含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のマゼンタトナー。
  5. ガラス転移温度が35℃以上50℃以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のマゼンタトナー。
  6. 前記トナー粒子が、前記着色剤及び前記結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬して混錬物を得た後、前記混錬物を粉砕することにより得られるものである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のマゼンタトナー。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマゼンタトナーを含む現像剤。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマゼンタトナーを収納し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  9. 請求項7に記載の現像剤を収納し、潜像保持体表面に形成された静電潜像を前記現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  10. 潜像保持体と、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を請求項7に記載の現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、を備える画像形成装置。
  11. 複数種のトナーを用い、静電潜像を現像して前記複数種のトナーによる複数のトナー像を形成する現像工程と、
    前記複数のトナー像を記録媒体表面に重ね合わせて転写し複数層からなる重ね合わせトナー像を形成する転写工程と、
    前記重ね合わせトナー像を定着して画像を形成する定着工程と、を有し、
    前記複数種のトナーとして、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマゼンタトナーと、フタロシアニン系顔料を着色剤として含むシアントナーと、を少なくとも用いる画像形成方法。
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