JP2012145824A - マゼンタトナー、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】着色剤と結着樹脂とを含むトナー粒子を含有し、前記着色剤としてカーミン6BとC.I.ピグメントイエロー180とを用い、前記カーミン6Bと前記C.I.ピグメントイエロー180との質量比は99:1乃至10000:1であり、前記結着樹脂として下記一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位を含むポリエステル樹脂を用いるマゼンタトナー。
【化1】
(式(1)において、m及びnは各々独立に2以上4以下の整数を表す。)
【選択図】なし
Description
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
前記複数のトナー像を記録媒体表面に重ね合わせて転写し複数層からなる重ね合わせトナー像を形成する転写工程と、
前記重ね合わせトナー像を定着して画像を形成する定着工程と、を有し、
前記複数種のトナーとして、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマゼンタトナーと、フタロシアニン系顔料を着色剤として含むシアントナーと、を少なくとも用いる画像形成方法である。
本実施形態に係るマゼンタトナー(以下、本実施形態のトナーと称することがある。)は、着色剤と結着樹脂とを含むトナー粒子を含有し、前記着色剤としてカーミン6BとC.I.ピグメントイエロー180とを用い、前記カーミン6Bと前記C.I.ピグメントイエロー180との質量比は99:1乃至10000:1であり、前記結着樹脂として下記一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位を含むポリエステル樹脂を用いるものである。
青色画像は、中間転写ベルト等の中間転写体上にマゼンタトナー、シアントナーの順でカラートナーを重ね合わせることで重ね合わせトナー像を形成し、この重ね合わせトナー像を記録媒体に転写後、定着することで得られる。マゼンタとシアンとの組み合わせによって得られる2次色の青色再現時は、最上層のマゼンタトナーの透明性が要求される。青色再現性に対し、青みが強い着色剤であるカーミン6Bは好ましいものの、顔料分散性が悪く、トナー作製の際にトナー中で凝集しやすいため、トナー定着の際において透明性が低く、2次色再現性が低いことがある。特に、繰り返しコピーの際には再現性が低いことがある。
上述の特許文献1には、繰り返しコピーに対し、トナーの粒子表面に陰イオンまたは陽イオンが存在しかつトナー分子量を規定することで、繰り返しコピーでのかぶりが抑制でき、安定した画像の得られる実施形態が提案されている。しかし、この手法ではかぶりは発生しないものの、繰り返しコピーによる色再現性は低下してしまうことがある。したがって、青色再現性には顔料分散性が良好で透明性の高いカーミン6Bを用いたマゼンタトナーが望まれる。
カーミン6Bがトナー作製の際に凝集するのは、Ca金属イオンによる凝集力によるものと推定した。PY180は、多くのカルボキシル基、アミド基を有し、かつ嵩高い構造のため、酸素部分の共有電子対がCaイオンに強固に配位し、凝集力を中和する。さらにPY180は嵩高い構造のため、立体的にもマゼンタ顔料同士の凝集を阻害できるためと推定される。
また、一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位を含むポリエステル樹脂を用いることにより、さらに顔料凝集が抑制されることを本発明者等は見出した。一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位を含むポリエステル樹脂は、カーミン6Bの分散性が良好であり、顔料の凝集が抑制される。一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位の酸素部分がカーミン6BのCaイオンを中和させ、顔料の凝集を抑制しつつ、分子同士が絡み合うことができるため、良好な顔料分散状態が得られるものと推察される。
本実施形態のトナーは、着色剤と結着樹脂とを含むトナー粒子を含有し、必要に応じて外添剤を含有してもよい。
本実施形態においては、着色剤としてカーミン6BとC.I.ピグメントイエロー180とが併用される。
本実施形態においては、カーミン6BとC.I.ピグメントイエロー180との質量比は99:1乃至10000:1とされる。カーミン6Bの割合が99:1よりも少ないと、黄色味が強くなり青色再現性低下の問題を生ずることがある。一方、カーミン6Bの割合が10000:1よりも多いと、カーミン6Bが凝集しやすくなり、顔料分散性が低下し、青色再現性低下の問題を生ずることがある。カーミン6BとC.I.ピグメントイエロー180との質量比は500:1乃至5000:1が望ましく、700:1乃至2000:1がさらに望ましい。
本実施形態は、C.I.ピグメントイエロー180を用いることが必須である。C.I.ピグメントイエロー180以外のイエロー顔料を用いた場合、嵩高さ、カーミン6BのCaへの中和力が異なり、カーミン6Bが凝集し、青色再現性低下を抑制できない場合がある。
またC.I.ピグメントイエロー180およびカーミン6Bの質量比は以下の方法でも測定できる。
より詳しくは、トナー1gをTHFに溶解させ、濾過したのち、ろ過分を乾燥させる。該ろ過分を乳鉢ですりつぶしてTHF/MeOH(1/1)の溶液に懸濁させて試料を得る。
測定器はThemo Fisher社製イオントラップ型GC−MS( POLARIS Q)のMS部および直接試料導入法を用い、以下の分析条件にて質量分析を行う。
GC−MS:POLARIS Q
Ion Source Temp:200℃
Electoron Energy:70eV
Emission Current:250μA
Mass Range:m/z 50−1000
Reagent Gas:Methane
Rate:20mA(10sec)−5mA/sec−1000mA(30sec)
カーミン6Bの質量:424.1
のピーク比より、顔料比を算出する。
本実施形態においては、結着樹脂として一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位を含むポリエステル樹脂が用いられる。ポリエステル樹脂は、重合性単量体としてジカルボン酸とジオールとを重合することで得られる。一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイドは、ポリエステル樹脂のジオール成分として用いられる。
一方、一般式(1)におけるm、nが5以上であると、トナーの帯電性が変化しやすくなるため現像工程、転写工程におけるトナーの付着量の制御が困難となることがある。
一般式(1)において、m及びnの望ましい範囲は、3または4である。
ジカルボン酸やジオール等の重合性単量体が、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い重合性単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い重合性単量体とその重合性単量体と重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
ポリエステル樹脂のTgは45℃以上50℃以下であることがより望ましい。
なお、ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行った。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出したものである。
本実施形態においては、トナー粒子が離型剤を含んでもよい。離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス類;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、モノステアリン酸グリセリド、ジステアリン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の高級脂肪酸と単価または多価低級アルコールとのエステルワックス類;ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジステアリン酸ジグリセリド、テトラステアリン酸トリグリセリド等の高級脂肪酸と多価アルコール多量体とからなるエステルワックス類;ソルビタンモノステアレート等のソルビタン高級脂肪酸エステルワックス類;コレステリルステアレート等のコレステロール高級脂肪酸エステルワックス類などが挙げられる。
これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
トナー粒子には、目的に応じて、既述の結着樹脂及び着色剤以外に、内添剤、帯電制御剤、有機粒体、滑剤、研磨剤などのその他の成分(粒子)を添加させてもよい。
研磨剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化セリウムなどが挙げられる。
本実施形態のトナーは、外添剤を含有してもよい。
前記外添剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げられる。これらの中でも、シリカ粒子及び/又はチタニア粒子が望ましく、特に疎水化処理されたシリカ粒子、チタニア粒子が望ましい。
本実施形態のトナーの形状係数SF1は140以上160以下の範囲であることが望ましい。トナーの形状係数SF1を前述の範囲とすることで、トナーの形状が不定形となり、トナー定着像のころがりによるトナー飛散が抑制され、かつ、トナー凸部が発生することにより、トナー同士が接触する面積が低下しトナー表面のカーミン6Bの接触が低減して定着時にカーミン6Bが凝集しにくくなり、定着画像中のカーミン6Bの分散性が良好となるため青色画像の再現性の低下がさらに抑制される。
上記形状係数SF1は、145以上155以下の範囲であることがより望ましい。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(2)
上記式(2)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
トナーのガラス転移温度(Tg)は、40℃以上50℃以下の範囲であることがより好ましい。
本実施形態のトナーの製造方法は特に限定されず、公知である混練粉砕法等の乾式法や、乳化凝集法や懸濁重合法等の湿式法等によってトナー粒子を作製し、必要に応じてトナー粒子に外添剤を外添する。これらの方法の中でも、混練粉砕法が好ましい。
混練粉砕法は、より詳細には、着色剤及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬する混錬工程と、前記混錬物を粉砕する粉砕工程とに分けられる。必要に応じて、混錬工程により形成された混錬物を冷却する冷却工程等、他の工程を有してもよい。
各工程について詳しく説明する。
混錬工程は、着色剤及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬する。
混錬工程においては、トナー形成材料100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下の水系媒体(例えば、蒸留水やイオン交換水等の水、アルコール類等)を添加することが望ましい。
スクリュー押出し機11は、スクリュー(図示せず)を備えたバレル12と、バレル12にトナーの原料であるトナー形成材料を注入する注入口14と、バレル12中のトナー形成材料に水系媒体を添加するための液体添加口16と、バレル12中でトナー形成材料が混錬されて形成された混錬物を排出する排出口18と、から構成されている。
ついで、送りスクリュー部SBにおいて、液体添加口16からバレル12に水系媒体を注入することにより、トナー形成材料に水系媒体を添加する。また図1では、送りスクリュー部SBにおいて水系媒体を注入する形態を示しているが、これに限られず、ニーディング部NBにおいて水系媒体が注入されてもよく、送りスクリュー部SB及びニーディング部NBの両方において水系媒体が注入されてもよい。すなわち、水系媒体を注入する位置及び注入箇所は、必要に応じて選択される。
最後に、ニーディング部NBにより溶融混錬されて形成された混錬物は、送りスクリュー部SCにより排出口18に輸送され、排出口18から排出される。
以上のようにして、図1に示したスクリュー押出機11を用いた混錬工程が行われる。
冷却工程は、上記混錬工程において形成された混錬物を冷却する工程であり、冷却工程では、混錬工程終了の際における混錬物の温度から4℃/sec以上の平均降温速度で40℃以下まで冷却することが好ましい。混錬物の冷却速度が遅い場合、混錬工程において結着樹脂中に細かく分散された混合物(着色剤と、必要に応じてトナー粒子内に内添される離型剤等の内添剤との混合物)が再結晶化し、分散径が大きくなる場合がある。一方、上記平均降温速度で急冷すると、混錬工程終了直後の分散状態がそのまま保たれるため好ましい。なお上記平均降温速度とは、混錬工程終了の際における混錬物の温度(例えば図1のスクリュー押出し機11を用いた場合は、t2℃)から40℃まで降温させる速度の平均値をいう。
冷却工程における冷却方法としては、具体的には、例えば、冷水又はブラインを循環させた圧延ロール及び挟み込み式冷却ベルト等を用いる方法が挙げられる。なお、前記方法により冷却を行う場合、その冷却速度は、圧延ロールの速度、ブラインの流量、混錬物の供給量、混錬物の圧延時のスラブ厚等で決定される。スラブ厚は、1から3mmの薄さであることが好ましい。
冷却工程により冷却された混錬物は、粉砕工程により粉砕され、粒子が形成される。粉砕工程では、例えば、機械式粉砕機、ジェット式粉砕機等が使用される。
粉砕工程により得られた粒子は、必要に応じて、目的とする範囲の体積平均粒子径のトナー粒子を得るため、分級工程により分級を行ってもよい。分級工程においては、従来から使用されている遠心式分級機、慣性式分級機等が使用され、微粉(目的とする範囲の粒径よりも小さい粒子)及び粗粉(目的とする範囲の粒径よりも大きい粒子)が除去される。
得られたトナー粒子は、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、既述の特定シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機粒子を添加付着してもよい。これらは、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等によって行われ、段階を分けて付着される。
上記外添工程の後に、必要に応じて篩分工程を設けてもよい。篩分方法としては、具体的には、例えば、ジャイロシフター、振動篩分機、風力篩分機等が挙げられる。篩分することにより、外添剤の粗粉等が取り除かれ、感光体上の筋の発生、装置内のぼた汚れなどが抑制される。
本実施形態の現像剤は、本実施形態のトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態のトナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
次に、本実施形態の現像剤を用いた本実施形態の画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、潜像保持体と、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を本実施形態の現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、を備える。
図2は、4連タンデム方式のカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1〜第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」ということがある。)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
このようにして感光体1Y上に形成された静電潜像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ね合わされて重ね合わせトナー像が形成される。
尚、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介して重ね合わせトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
図3は、本実施形態の現像剤を収納するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、および除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
上記プロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。尚、300は記録紙である。
トナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収容するトナーカートリッジにおいて、前記トナーが既述した本実施形態のトナーとしたものである。なお、トナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収められてもよい。
・オキシメタン(1.1)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 40部
・エチレングリコール 10部
・テレフタル酸 45部
・フマル酸 5部
以上を撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた丸底フラスコに投入し、マントルヒーターを用い200℃まで昇温させた。次いで、ガス導入管より窒素ガスを導入し、フラスコ内を不活性ガス雰囲気に保ちながら攪拌した。その後、原料混合物100部に対して、ジブチルスズオキシド0.05部を添加し、反応物の温度を200℃に保ちながら12時間反応させることで結着樹脂1-1を得た。
得られた樹脂TgはDSC測定から、44℃であった。
オキシメタン(1.1)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをポリオキシエチレン(1.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとした以外は、結着樹脂1-1と同じ組成、合成方法で結着樹脂1-2を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、44℃であった。
オキシメタン(1.1)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをポリオキシプロピレン(1.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとした以外は、結着樹脂1-1と同じ組成、合成方法で結着樹脂1-3を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、44℃であった。
オキシメタン(1.1)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをポリオキシブチレン(1.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとした以外は、結着樹脂1-1と同じ組成、合成方法で結着樹脂1-4を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、44℃であった。
オキシメタン(1.1)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをポリオキシペンテン(1.5)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとした以外は、結着樹脂1-1と同じ組成、合成方法で結着樹脂1-5を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、44℃であった。
テレフタル酸 35部、フマル酸 15部とした以外は、結着樹脂1-3と同じ組成、合成方法で結着樹脂2を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、34℃であった。
テレフタル酸 36部、フマル酸 14部とした以外は、結着樹脂1-3と同じ組成、合成方法で結着樹脂3を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、35℃であった。
テレフタル酸 37部、フマル酸 13部とした以外は、結着樹脂1-3と同じ組成、合成方法で結着樹脂4を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、36℃であった。
テレフタル酸 41部、フマル酸 9部とした以外は、結着樹脂1-3と同じ組成、合成方法で結着樹脂5を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、40℃であった。
テレフタル酸 49部、フマル酸 1部とした以外は、結着樹脂1-3と同じ組成、合成方法で結着樹脂6を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、48℃であった。
ポリオキシプロピレン(1.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 41部、エチレングリコール 9部とした以外は、結着樹脂1-3と同じ組成、合成方法で結着樹脂7を得た。得られた樹脂TgはDSC測定から、51℃であった。
・結着樹脂1−3:1760部
・離型剤(ポリプロピレン;三井化学社製、三井HI-WAX NP055):100部
・カーミン6B(大日精化社製、セイカファストPR-57-1):99.55部
・C.I.ピグメントイエロー180(クラリアント社製、Novoperm Yellow P−H9:0.05部
・40nmシリカ:(日本アエロジル社製、OX−50):20部
・ロジン:(ハリマ化成社製、ハートールRX):20部
・フィード部(ブロック12A及び12B)設定温度 20℃
・ニーディング部1混錬設定温度(ブロック12Cから12E) 120℃
・ニーディング部2混錬設定温度(ブロック12Fから12J) 135℃
・水系媒体(蒸留水)添加量:原料供給量100部に対して 1.5部
この時の排出口(排出口18)での混錬物温度は、125℃であった。
この後粗粉分級機内蔵の粉砕機(AFG400)にて、粉砕し、粉砕粒子を得た。その後、慣性式分級機にて分級を行い、微粉・粗粉を除去し、トナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子1の形状係数SF1は150であった。
トナー1をトルエンに溶解させ、不溶分を抽出し、IRおよび蛍光X線分析およびNMR分析からカーミン量/PY180量の比が1991であることを確認した。
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂1−4を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー2を得た。
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂1−2を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー3を得た。
C.I.ピグメントイエロー180の含有量を0.01016部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー4を得た。
カーミン6Bの含有量を100部、C.I.ピグメントイエロー180の含有量を1部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー5を得た。
カーミン6Bの含有量を99.99部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー6を得た。
カーミン6Bの含有量を99.01部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー7を得た。
C.I.ピグメントイエロー180の含有量を0.9部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー8を得た。
C.I.ピグメントイエロー180の含有量を0.012部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー9を得た。
粉砕機の粉砕条件及び慣性式分級機の分級条件を調整した以外はトナー1の作製と同様にしてトナー10乃至トナー17を得た。
離型剤としてポリプロピレンに代えてポリエチレン(三洋化成社製、サンワックス151P)を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー18を得た。
離型剤としてポリプロピレンに代えてフィッシャートロプシュワックス(日本精鑞社製、FNP0092)を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー19を得た。
離型剤としてポリプロピレンに代えてポリエステル(日本油脂社製、WEP5)を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー20を得た。
離型剤としてポリプロピレンに代えてカルナウバワックス(加藤洋行社製、カルナウバワックス1号)を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー21を得た。
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂2を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー22を得た。
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂3を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー23を得た。
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂4を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー24を得た。
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂5を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー25を得た。
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂6を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー26を得た。
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂7を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー27を得た。
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂1−5を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー28を得た。
結着樹脂1−3に代えて結着樹脂1−1を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー29を得た。
カーミン6Bの含有量を98.5部、C.I.ピグメントイエロー180の含有量を1.15部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー30を得た。
カーミン6Bの含有量を99.1部、C.I.ピグメントイエロー180の含有量を0.009部とした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー31を得た。
カーミン6Bの代わりにC.I.ピグメントレッド238(PR238;大日精化社製、Permanent Carmine 3810)を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー32を得た。
C.I.ピグメントイエロー180の代わりにC.I.ピグメントイエロー74(PY74;クラリアント社製、Hansa Yellow 5GX01)を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー33を得た。
カーミン6Bの代わりにPR238を、C.I.ピグメントイエロー180の代わりにPY74を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー33を得た。
着色剤としてフタロシアニン系顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化社製):100部を用いた以外はトナー1の作製と同様にしてシアントナーを得た。
ニーダーにMn−Mgフェライト〔平均粒径50μm:パウダーテック社製〕を1,000部投入し、スチレン−メタクリル酸メチル−アクリル酸共重合体〔重合比率39:60:1(モル比)、Tg100℃、重量平均分子量73,000:綜研化学(株)製〕150部をトルエン700部に溶かした溶液を加え、25℃で20分混合した後、70℃に加熱して減圧乾燥した後、取り出し、コートキャリアを得た。さらに得たコートキャリアを75μm目開きのメッシュでふるい、粗粉を除去してキャリア1を得た。
キャリア1と、トナー1乃至34又はシアントナーとをそれぞれ、質量比95:5の割合でVブレンダーに入れ20分間撹拌し、マゼンタ現像剤1乃至34及びシアン現像剤を得た。
富士ゼロックス社製、ApeosPort−C4300に、マゼンタ現像剤1乃至34、及び、シアン現像剤を充填した。枚葉印刷用ジャパンカラー2007(JCS2007)テストフォーム2(絵柄)を用い、コート紙(127.9g/m3)上に画像を形成した。繰り返しコピー回数1000回後の画質と初期(コピー回数1回目)の画質とを比較し、青色再現性を目視にて確認した。青色再現性は、ミュージシャン(3人娘)画像のうち、中央の人物の青系の着物の色を下記基準に基づいて評価した。
A:初期画質と比較して、同等なレベル
B:初期画質と比較して、差異がわずかにあるものの違和感のないレベル
C:初期画質と比較して、差異があるものの違和感のないレベル
D:初期画質と比較して、差異が明らかにあり、違和感のあるレベル
2Y,2M,2C,2K,108 帯電ローラ
3Y,3M,3C,3K レーザ光線
3 露光装置
4Y,4M,4C,4K,111 現像装置(現像手段)
5Y,5M,5C,5K 1次転写ローラ
6Y,6M,6C,6K,113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y,8M,8C,8K トナーカートリッジ
10Y,10M,10C,10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28,115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
32 搬送ロール(排出ロール)
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ,
P,300 記録紙(被転写体)
Claims (11)
- 着色剤と結着樹脂とを含むトナー粒子を含有し、前記着色剤としてカーミン6BとC.I.ピグメントイエロー180とを用い、前記カーミン6Bと前記C.I.ピグメントイエロー180との質量比は99:1乃至10000:1であり、前記結着樹脂として下記一般式(1)で示されるビスフェノールAエチレンオキサイド由来の繰り返し単位を含むポリエステル樹脂を用いるマゼンタトナー。
(式(1)において、m及びnは各々独立に2以上4以下の整数を表す。) - 体積平均粒子径が8μm以上15μm以下である請求項1に記載のマゼンタトナー。
- 形状係数SF1が140以上160以下である請求項1又は請求項2に記載のマゼンタトナー。
- 前記トナー粒子が、離型剤として炭化水素系ワックスを含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のマゼンタトナー。
- ガラス転移温度が35℃以上50℃以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のマゼンタトナー。
- 前記トナー粒子が、前記着色剤及び前記結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬して混錬物を得た後、前記混錬物を粉砕することにより得られるものである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のマゼンタトナー。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマゼンタトナーを含む現像剤。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマゼンタトナーを収納し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項7に記載の現像剤を収納し、潜像保持体表面に形成された静電潜像を前記現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 潜像保持体と、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を請求項7に記載の現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、を備える画像形成装置。
- 複数種のトナーを用い、静電潜像を現像して前記複数種のトナーによる複数のトナー像を形成する現像工程と、
前記複数のトナー像を記録媒体表面に重ね合わせて転写し複数層からなる重ね合わせトナー像を形成する転写工程と、
前記重ね合わせトナー像を定着して画像を形成する定着工程と、を有し、
前記複数種のトナーとして、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマゼンタトナーと、フタロシアニン系顔料を着色剤として含むシアントナーと、を少なくとも用いる画像形成方法。
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