JP2020060675A - 正帯電性トナー、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像流れの発生を抑制しつつ、画像形成に適した帯電量を確保できる正帯電性トナーを提供する。また、画像流れの発生を抑制しつつ、高画質の画像を形成できる画像形成装置及び画像形成方法を提供する。【解決手段】正帯電性トナーは、トナー粒子10を含む。トナー粒子10は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。トナー母粒子は、酸価10.0mgKOH/g以上のポリエステル樹脂と、4級アンモニウムカチオン基を含む化合物と、チタン酸ストロンチウム粒子とを含む。外添剤は、チタン酸ストロンチウム粒子を含まない。画像形成装置100は、像担持体20と、現像装置13と、転写部23とを備える。現像装置13は、像担持体20の表面に形成された静電潜像にトナー粒子10を含む正帯電性トナーを供給して、静電潜像をトナー像として現像する。転写部23は、トナー像を被転写体Pに転写する。【選択図】図1
Description
本発明は、正帯電性トナー、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真法では、像担持体としての電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)の表面を帯電させた後、露光することにより感光体上に静電潜像を形成する。次いで、トナーにより静電潜像をトナー像として現像し、トナー像を記録媒体に転写する。そして、記録媒体上のトナー像を定着装置により定着させ、記録媒体上に画像を形成する。
ところで、電子写真法による画像形成プロセスを実施した場合、感光体表面にイオン性物質(例えば、感光体を帯電させる際に発生する放電生成物)が付着する場合がある。この場合、高湿度環境下において画像形成を行うと、イオン性物質に起因する感光体表面の電気抵抗の低下により、感光体上の潜像電荷が乱れ、その結果、画像流れ(詳しくは、画像が擦れたように流れてぼやける現象)が発生する場合がある。
この画像流れに対して、研磨作用を有する粒子(以下、研磨剤と記載することがある)を、トナーの外添剤として添加することが検討されている。例えば、外添剤として酸化チタン粒子を使用すると、外添された酸化チタン粒子が感光体表面に付着したイオン性物質を剥ぎ取ることによって、画像流れの発生が抑制される。
しかし、酸化チタン粒子は、REACH規則(欧州連合における化学品の登録、評価、認可及び制限に関する規則)に適合させることが困難になる可能性があるため、酸化チタン粒子の代わりとなる研磨剤が望まれている。
酸化チタン粒子以外の研磨剤としてチタン酸ストロンチウム粒子を外添したトナーが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、チタン酸ストロンチウム粒子を外添剤として使用すると、トナーの流動性が低下するため、画像形成に適した帯電量を確保することが困難となることが、本発明者の検討により判明した。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像流れの発生を抑制しつつ、研磨剤としてチタン酸ストロンチウム粒子を使用しても画像形成に適した帯電量を確保できる正帯電性トナーを提供することである。また、本発明の別の目的は、画像流れの発生を抑制しつつ、高画質の画像を形成できる画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
本発明に係る正帯電性トナーは、トナー粒子を含む。前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。前記トナー母粒子は、結着樹脂と、正帯電性電荷制御剤と、チタン酸ストロンチウム粒子とを含む。前記結着樹脂は、酸価10.0mgKOH/g以上のポリエステル樹脂を含む。前記正帯電性電荷制御剤は、4級アンモニウムカチオン基を含む化合物を含有する。前記外添剤は、チタン酸ストロンチウム粒子を含まない。
本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、現像装置と、転写部とを備える。前記現像装置は、前記像担持体の表面に形成された静電潜像に本発明に係る正帯電性トナーを供給して、前記静電潜像をトナー像として現像する。前記転写部は、前記トナー像を被転写体に転写する。
本発明に係る画像形成方法は、現像工程と、転写工程とを含む。前記現像工程では、像担持体の表面に形成された静電潜像に本発明に係る正帯電性トナーを供給して、前記静電潜像をトナー像として現像する。前記転写工程では、前記トナー像を被転写体に転写する。
本発明に係る正帯電性トナーによれば、画像流れの発生を抑制しつつ、研磨剤としてチタン酸ストロンチウム粒子を使用しても画像形成に適した帯電量を確保できる。また、本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法によれば、画像流れの発生を抑制しつつ、高画質の画像を形成できる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、トナーは、トナー粒子の集合体(例えば粉体)である。外添剤は、外添剤粒子の集合体(例えば粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体、外添剤粒子の粉体、チタン酸ストロンチウム粒子の粉体等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から粒子を相当数選び取って、それら粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−950」)を用いて測定されたメディアン径である。粉体の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡を用いて測定した、100個の一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。なお、粒子の個数平均一次粒子径は、特に断りがない限り、粉体中の粒子の個数平均一次粒子径を指す。
帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。例えばトナーは、日本画像学会から提供される標準キャリア(負帯電極性トナー用標準キャリア:N−01、正帯電極性トナー用標準キャリア:P−01)と混ぜて攪拌することで、測定対象を摩擦帯電させる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えば吸引式小型帯電量測定装置(トレック社製「MODEL 212HS」)で測定対象の帯電量を測定し、摩擦帯電の前後での帯電量の変化が大きい測定対象ほど帯電性が強いことを示す。
軟化点(Tm)の測定値は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。高化式フローテスターで測定されたS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)において、「(ベースラインストローク値+最大ストローク値)/2」となる温度が、Tm(軟化点)に相当する。ガラス転移点(Tg)の測定値は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて「JIS(日本工業規格)K7121−2012」に従って測定した値である。示差走査熱量計で測定された吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)において、ガラス転移に起因する変曲点の温度(詳しくは、ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点の温度)が、Tg(ガラス転移点)に相当する。
酸価及び水酸基価の各々の測定値は、何ら規定していなければ、「JIS(日本工業規格)K0070−1992」に従い測定した値である。
数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)の各々の測定値は、何ら規定していなければ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを包括的に「(メタ)アクリロニトリル」と総称する場合がある。
<第1実施形態:正帯電性トナー>
第1実施形態に係る正帯電性トナー(以下、単に「トナー」と記載することがある)は、静電潜像の現像に好適に用いることができる。第1実施形態に係るトナーは、トナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)の集合体(例えば粉体)である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して、2成分現像剤を調製してもよい。
第1実施形態に係る正帯電性トナー(以下、単に「トナー」と記載することがある)は、静電潜像の現像に好適に用いることができる。第1実施形態に係るトナーは、トナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)の集合体(例えば粉体)である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して、2成分現像剤を調製してもよい。
第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。トナー母粒子は、結着樹脂と、正帯電性電荷制御剤と、チタン酸ストロンチウム粒子とを含む。結着樹脂は、酸価10.0mgKOH/g以上のポリエステル樹脂を含む。正帯電性電荷制御剤は、4級アンモニウムカチオン基を含む化合物を含有する。外添剤は、チタン酸ストロンチウム粒子を含まない。
第1実施形態に係るトナーにおいて、チタン酸ストロンチウム粒子(例えば、チタン酸ストロンチウム粒子の粉体)は、内添剤としてトナー母粒子に含有される。第1実施形態に係るトナーを用いて電子写真法による画像形成プロセスを実施すると、例えばトナー母粒子の表面に部分的に露出したチタン酸ストロンチウム粒子が、研磨剤として機能し、感光体表面に付着したイオン性物質を剥ぎ取るように作用する。また、チタン酸ストロンチウム粒子は、イオン性物質を吸着する能力が酸化チタン粒子よりも高い。よって、チタン酸ストロンチウム粒子は、イオン性物質を吸着することにより、イオン性物質を除去することもできる。従って、第1実施形態に係るトナーによれば、チタン酸ストロンチウム粒子を内添剤として使用しても、イオン性物質を除去できるため、画像流れの発生を抑制できる。
他方、本発明者の検討により、研磨剤としてのチタン酸ストロンチウム粒子と、正帯電性電荷制御剤としての4級アンモニウムカチオン基を含む化合物とを併用すると、チタン酸ストロンチウム粒子の研磨剤としての機能が低下しやすくなることが判明した。本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、酸価10.0mgKOH/g以上のポリエステル樹脂を含む結着樹脂を使用することにより、チタン酸ストロンチウム粒子と、4級アンモニウムカチオン基を含む化合物とを併用しても、チタン酸ストロンチウム粒子の研磨剤としての機能が低下しにくくなることを見出した。即ち、第1実施形態に係るトナーでは、酸価10.0mgKOH/g以上のポリエステル樹脂を含む結着樹脂を使用するため、チタン酸ストロンチウム粒子と、4級アンモニウムカチオン基を含む化合物とを併用しても、画像流れの発生を抑制できる。
また、第1実施形態に係るトナーでは、外添剤がチタン酸ストロンチウム粒子を含まない。よって、第1実施形態に係るトナーは、流動性の低下が抑制されるため、画像形成に適した帯電量を確保できる。従って、第1実施形態に係るトナーによれば、研磨剤としてチタン酸ストロンチウム粒子を使用しても画像形成に適した帯電量を確保できる。
第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、シェル層を備えないトナー粒子であってもよいし、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載することがある)であってもよい。カプセルトナー粒子では、トナー母粒子が、結着樹脂、正帯電性電荷制御剤及びチタン酸ストロンチウム粒子を含むトナーコアと、トナーコアの表面を覆うシェル層とを備える。シェル層は、樹脂を含む。例えば、低温で溶融するトナーコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図ることが可能になる。シェル層を構成する樹脂中に添加剤が分散されていてもよい。シェル層は、トナーコアの表面全体を覆っていてもよいし、トナーコアの表面を部分的に覆っていてもよい。
第1実施形態において、画像形成に適したトナーを得るためには、トナー母粒子の体積中位径(D50)は、4μm以上9μm以下であることが好ましい。
第1実施形態に係るトナーにおいて、画像流れの発生をより抑制するためには、トナー母粒子中のチタン酸ストロンチウム粒子の量は、結着樹脂100質量部に対して5.0質量部以上であることが好ましい。また、画像形成に適した帯電量を容易に確保しつつ、低温定着性に優れるトナーを得るためには、トナー母粒子中のチタン酸ストロンチウム粒子の量は、結着樹脂100質量部に対して20.0質量部以下であることが好ましく、10.0質量部以下であることがより好ましい。
第1実施形態に係るトナーにおいて、画像流れの発生をより抑制するためには、チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均一次粒子径は、360nm以上であることが好ましく、380nm以上であることがより好ましい。また、画像形成に適した帯電量を容易に確保するためには、チタン酸ストロンチウム粒子の個数平均一次粒子径は、800nm以下であることが好ましく、600nm以下であることがより好ましい。
第1実施形態に係るトナーにおいて、画像形成に適した帯電量を容易に確保するためには、ポリエステル樹脂の酸価は、20.0mgKOH/g以下であることが好ましい。なお、ポリエステル樹脂の酸価は、例えば、ポリエステル樹脂を合成する際の反応時間、及び実施例において後述する架橋剤の添加量の少なくとも1つを変更することにより調整できる。
REACH規則に容易に適合させるためには、第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、酸化チタン粒子を含まないことが好ましい。
上述したように、トナー母粒子は、結着樹脂と、正帯電性電荷制御剤と、チタン酸ストロンチウム粒子とを含む。また、トナー母粒子は、必要に応じて、正帯電性電荷制御剤及びチタン酸ストロンチウム粒子以外の内添剤(例えば、着色剤、離型剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を含有してもよい。以下、第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の要素について説明する。
[トナー粒子の要素]
(結着樹脂)
結着樹脂は、酸価10.0mgKOH/g以上のポリエステル樹脂を含む。画像流れの発生をより抑制するためには、トナー母粒子は、酸価10.0mgKOH/g以上のポリエステル樹脂を、結着樹脂の全質量に対して、80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上100質量%以下の範囲で含むことが更に好ましい。
(結着樹脂)
結着樹脂は、酸価10.0mgKOH/g以上のポリエステル樹脂を含む。画像流れの発生をより抑制するためには、トナー母粒子は、酸価10.0mgKOH/g以上のポリエステル樹脂を、結着樹脂の全質量に対して、80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上100質量%以下の範囲で含むことが更に好ましい。
ポリエステル樹脂は、一種以上の多価アルコールと一種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、ジオール類、ビスフェノール類等)、及び3価以上のアルコールが挙げられる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸、及び3価以上のカルボン酸が挙げられる。なお、多価カルボン酸の代わりに、多価カルボン酸の無水物、多価カルボン酸ハライド等の縮重合によりエステル結合を形成できる多価カルボン酸誘導体を使用してもよい。
ジオール類の好適な例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ペンテン−1,5−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、1,4−ベンゼンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノール類の好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、コハク酸、ドデカン二酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸等)、及びアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸が挙げられる。
トナー母粒子は、結着樹脂として、酸価10.0mgKOH/g以上のポリエステル樹脂以外の樹脂(他の樹脂)を含有してもよい。他の樹脂としては、例えば、酸価10.0mgKOH/g未満のポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂等)、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等)も、他の樹脂として使用できる。
(正帯電性電荷制御剤)
正帯電性電荷制御剤は、4級アンモニウムカチオン基を含む化合物を含有する。画像流れの発生をより抑制するためには、4級アンモニウムカチオン基を含む化合物としては、4級アンモニウム塩に由来する繰返し単位を含む樹脂(以下、4級アンモニウム塩系樹脂と記載することがある)、及び繰返し単位を有しない4級アンモニウム塩化合物(以下、4級アンモニウム塩系低分子化合物と記載することがある)からなる群より選択される一種以上が好ましい。画像流れの発生を更に抑制するためには、トナー母粒子は、正帯電性電荷制御剤として4級アンモニウム塩系樹脂を含有することが好ましい。
正帯電性電荷制御剤は、4級アンモニウムカチオン基を含む化合物を含有する。画像流れの発生をより抑制するためには、4級アンモニウムカチオン基を含む化合物としては、4級アンモニウム塩に由来する繰返し単位を含む樹脂(以下、4級アンモニウム塩系樹脂と記載することがある)、及び繰返し単位を有しない4級アンモニウム塩化合物(以下、4級アンモニウム塩系低分子化合物と記載することがある)からなる群より選択される一種以上が好ましい。画像流れの発生を更に抑制するためには、トナー母粒子は、正帯電性電荷制御剤として4級アンモニウム塩系樹脂を含有することが好ましい。
4級アンモニウム塩系樹脂としては、例えば4級アンモニウムカチオン基を含むビニル化合物の重合体、及び4級アンモニウムカチオン基を含むビニル化合物と他のビニル化合物との共重合体が挙げられる。なお、ビニル化合物は、ビニル基(CH2=CH−)、又はビニル基中の水素が置換された基を有する化合物(より具体的には、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン等)である。ビニル化合物は、上記ビニル基等に含まれる炭素−炭素二重結合(C=C)により付加重合して、高分子(樹脂)になり得る。
4級アンモニウムカチオン基を含むビニル化合物としては、例えばビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩、2−(アクリロイルオキシ)エチルトリアルキルアンモニウム塩、及び2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリアルキルアンモニウム塩が挙げられる。これらの塩に含まれるアニオンとしては、ハロゲン化物イオン等の無機アニオンであっても、p−トルエンスルホン酸アニオン等の有機アニオンであってもよい。
ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩としては、例えばビニルベンジルトリメチルアンモニウム塩(より具体的には、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等)、ビニルベンジルトリエチルアンモニウム塩(より具体的には、ビニルベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等)、ビニルベンジルジメチルエチルアンモニウム塩(より具体的には、ビニルベンジルジメチルエチルアンモニウムクロライド等)、ビニルベンジルジメチルイソプロピルアンモニウム塩(より具体的には、ビニルベンジルジメチルイソプロピルアンモニウムクロライド等)、ビニルベンジルn−ブチルジメチルアンモニウム塩(より具体的には、ビニルベンジルn−ブチルジメチルアンモニウムクロライド等)、及びビニルベンジルジメチルペンチルアンモニウム塩(より具体的には、ビニルベンジルジメチルペンチルアンモニウムクロライド等)が挙げられる。
2−(アクリロイルオキシ)エチルトリアルキルアンモニウム塩としては、例えば2−(アクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(アクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド等)、2−(アクリロイルオキシ)エチルジメチルエチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(アクリロイルオキシ)エチルジメチルエチルアンモニウムクロライド等)、2−(アクリロイルオキシ)エチルトリエチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(アクリロイルオキシ)エチルトリエチルアンモニウムクロライド等)、及び2−(アクリロイルオキシ)エチルジメチルn−ペンチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(アクリロイルオキシ)エチルジメチルn−ペンチルアンモニウムクロライド等)が挙げられる。
2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリアルキルアンモニウム塩としては、例えば2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド等)、2−(メタクリロイルオキシ)エチルジメチルエチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(メタクリロイルオキシ)エチルジメチルエチルアンモニウムクロライド等)、及び2−(メタクリロイルオキシ)エチルジメチルn−ペンチルアンモニウム塩(より具体的には、2−(メタクリロイルオキシ)エチルジメチルn−ペンチルアンモニウムクロライド等)が挙げられる。
4級アンモニウムカチオン基を含むビニル化合物と共重合可能な他のビニル化合物としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等のスチレン系化合物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル系化合物;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。4級アンモニウムカチオン基を含むビニル化合物は、これらの他のビニル化合物の一種と共重合させてもよく、これらの他のビニル化合物の二種以上と共重合させてもよい。
4級アンモニウム塩系低分子化合物としては、例えば、ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、及びジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩が挙げられる。
トナー母粒子が正帯電性電荷制御剤として4級アンモニウム塩系樹脂を含有する場合、画像形成に適した帯電量を容易に確保するためには、4級アンモニウム塩系樹脂の量は、結着樹脂100質量部に対して5.0質量部以上であることが好ましい。また、画像流れの発生をより抑制するためには、4級アンモニウム塩系樹脂の量は、結着樹脂100質量部に対して15.0質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子が正帯電性電荷制御剤として4級アンモニウム塩系低分子化合物を含有する場合、画像形成に適した帯電量を容易に確保するためには、4級アンモニウム塩系低分子化合物の量は、結着樹脂100質量部に対して0.5質量部以上であることが好ましい。また、画像流れの発生をより抑制するためには、4級アンモニウム塩系低分子化合物の量は、結着樹脂100質量部に対して3.0質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、4級アンモニウムカチオン基を含む化合物以外の正帯電性電荷制御剤(他の正帯電性電荷制御剤)を含有してもよい。ただし、画像形成に適した帯電量を容易に確保するためには、トナー母粒子は、正帯電性電荷制御剤として4級アンモニウムカチオン基を含む化合物のみを含有することが好ましい。
他の正帯電性電荷制御剤の例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等の直接染料;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等の酸性染料;ナフテン酸の金属塩類;高級有機カルボン酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミドが挙げられる。これらの他の正帯電性電荷制御剤の一種のみを使用してもよく、二種以上の他の正帯電性電荷制御剤を組み合わせて使用してもよい。
(チタン酸ストロンチウム粒子)
チタン酸ストロンチウム粒子を構成するチタン酸ストロンチウム(組成式:SrTiO3)は、チタン酸化合物の一種である。チタン酸ストロンチウム粒子は、表面処理(例えば疎水化処理)されていてもよい。つまり、第1実施形態に係るトナーにおいて使用可能なチタン酸ストロンチウム粒子は、未処理のチタン酸ストロンチウム粒子であってもよく、未処理のチタン酸ストロンチウム粒子(チタン酸ストロンチウム基体)に表面処理を施して得た粒子であってもよい。
チタン酸ストロンチウム粒子を構成するチタン酸ストロンチウム(組成式:SrTiO3)は、チタン酸化合物の一種である。チタン酸ストロンチウム粒子は、表面処理(例えば疎水化処理)されていてもよい。つまり、第1実施形態に係るトナーにおいて使用可能なチタン酸ストロンチウム粒子は、未処理のチタン酸ストロンチウム粒子であってもよく、未処理のチタン酸ストロンチウム粒子(チタン酸ストロンチウム基体)に表面処理を施して得た粒子であってもよい。
チタン酸ストロンチウム粒子の製造方法は、特に限定されない。また、第1実施形態に係るトナーでは、市販のチタン酸ストロンチウム粒子を使用することもできる。
チタン酸ストロンチウム粒子の製造方法としては、酸化チタン又はメタチタン酸と、炭酸ストロンチウムとを混合し、焼成して製造する方法が挙げられる。また、より微細なチタン酸ストロンチウム粒子を製造する方法として、常圧加熱反応法がある。
常圧加熱反応法としては、例えば、チタン化合物の加水分解物とストロンチウム化合物とを、強アルカリ水溶液中で反応させる方法、チタン化合物の加水分解物とストロンチウム化合物とを、過酸化水素の存在下で湿式反応させる方法、溶液状態のストロンチウム化合物と、溶液状態又はスラリー状態のチタン化合物とを、混合しながら加熱する方法、及びチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品とストロンチウム源とを混合し、得られた混合物を50℃以上の温度に加熱しながら、混合物にアルカリ水溶液を添加する方法が挙げられる。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。また、黒色着色剤として、後述する磁性粉を用いてもよい。
トナー母粒子は、カラー着色剤を含有していてもよい。カラー着色剤としては、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、及び194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、並びにC.I.バットイエローが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、及び254)が挙げられる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、及び66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、並びにC.I.アシッドブルーが挙げられる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、耐オフセット性に優れるトナーを得る目的で使用される。耐オフセット性に優れるトナーを得るためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、耐オフセット性に優れるトナーを得る目的で使用される。耐オフセット性に優れるトナーを得るためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、エステルワックス、ポリオレフィンワックス(より具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等)、マイクロクリスタリンワックス、フッ素樹脂ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、及びカスターワックスが挙げられる。エステルワックスとしては、天然エステルワックス(より具体的には、カルナバワックス、ライスワックス等)、及び合成エステルワックスが挙げられる。第1実施形態では、一種の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナー母粒子に添加してもよい。
(磁性粉)
トナー母粒子は、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)が挙げられる。第1実施形態では、一種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。画像形成に適したトナーを得るためには、磁性粉の含有量は、結着樹脂100質量部に対して50質量部以上100質量部以下であることが好ましい。磁性粉が黒色着色剤としての機能を有する場合についても、磁性粉の含有量の好ましい範囲は上記と同様である。
トナー母粒子は、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)が挙げられる。第1実施形態では、一種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。画像形成に適したトナーを得るためには、磁性粉の含有量は、結着樹脂100質量部に対して50質量部以上100質量部以下であることが好ましい。磁性粉が黒色着色剤としての機能を有する場合についても、磁性粉の含有量の好ましい範囲は上記と同様である。
(外添剤)
第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子の表面に付着した外添剤を備える。外添剤は、チタン酸ストロンチウム粒子を含まない。
第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子の表面に付着した外添剤を備える。外添剤は、チタン酸ストロンチウム粒子を含まない。
外添剤に含まれる外添剤粒子としては、チタン酸ストロンチウム粒子以外の粒子であれば、特に限定されない。チタン酸ストロンチウム粒子以外の粒子の中では、酸化チタン粒子以外の無機粒子が好ましい。外添剤粒子が酸化チタン粒子以外の無機粒子である場合、REACH規則に容易に適合させることができる。酸化チタン粒子以外の無機粒子の好適な例としては、シリカ粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化亜鉛粒子、及びチタン酸バリウム粒子が挙げられる。第1実施形態では、一種類の外添剤粒子を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤粒子を併用してもよい。
画像形成に適した帯電量を容易に確保するためには、外添剤粒子としては、シリカ粒子及び酸化アルミニウム粒子から選択される一種以上が好ましく、酸化アルミニウム粒子がより好ましい。
外添剤粒子は、表面処理されていてもよい。例えば、外添剤粒子としてシリカ粒子を使用する場合、表面処理剤によりシリカ粒子の表面に疎水性及び/又は正帯電性が付与されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等)、シラザン化合物(より具体的には、鎖状シラザン化合物、環状シラザン化合物等)、及びシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)が挙げられる。表面処理剤としては、シランカップリング剤及びシラザン化合物が特に好ましい。シランカップリング剤の好適な例としては、シラン化合物(より具体的には、メチルトリメトキシシラン、アミノシラン等)が挙げられる。シラザン化合物の好適な例としては、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)が挙げられる。シリカ基体(未処理のシリカ粒子)の表面が表面処理剤で処理されると、シリカ基体の表面に存在する多数のヒドロキシ基(−OH)が部分的に又は全体的に、表面処理剤に由来する官能基に置換される。その結果、表面処理剤に由来する官能基(詳しくは、ヒドロキシ基よりも疎水性及び/又は正帯電性の強い官能基)を表面に有するシリカ粒子が得られる。
トナー母粒子からの外添剤粒子の脱離を抑制しながら外添剤の機能を十分に発揮させるためには、外添剤粒子の量が、トナー母粒子100質量部に対して、0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
(材料の組合せ)
画像流れの発生を更に抑制しつつ、画像形成に適した帯電量を容易に確保するためには、トナー母粒子が、正帯電性電荷制御剤として4級アンモニウム塩系樹脂を含有し、外添剤が、外添剤粒子としてシリカ粒子及び酸化アルミニウム粒子を含有することが好ましい。同様の理由から、トナー母粒子が、正帯電性電荷制御剤としてスチレンとアクリル酸n−ブチルと2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリアルキルアンモニウム塩との共重合体を含有し、外添剤が、外添剤粒子としてシリカ粒子及び酸化アルミニウム粒子を含有することがより好ましい。
画像流れの発生を更に抑制しつつ、画像形成に適した帯電量を容易に確保するためには、トナー母粒子が、正帯電性電荷制御剤として4級アンモニウム塩系樹脂を含有し、外添剤が、外添剤粒子としてシリカ粒子及び酸化アルミニウム粒子を含有することが好ましい。同様の理由から、トナー母粒子が、正帯電性電荷制御剤としてスチレンとアクリル酸n−ブチルと2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリアルキルアンモニウム塩との共重合体を含有し、外添剤が、外添剤粒子としてシリカ粒子及び酸化アルミニウム粒子を含有することがより好ましい。
[トナーの製造方法]
次に、第1実施形態に係るトナーの好適な製造方法について説明する。
次に、第1実施形態に係るトナーの好適な製造方法について説明する。
(トナー母粒子の調製工程)
まず、凝集法又は粉砕法によりトナー母粒子を調製する。凝集法は、例えば、凝集工程及び合一化工程を含む。凝集工程では、トナー母粒子を構成する成分を含む微粒子を水性媒体中で凝集させて、凝集粒子を形成する。合一化工程では、凝集粒子に含まれる成分を水性媒体中で合一化させてトナー母粒子を形成する。
まず、凝集法又は粉砕法によりトナー母粒子を調製する。凝集法は、例えば、凝集工程及び合一化工程を含む。凝集工程では、トナー母粒子を構成する成分を含む微粒子を水性媒体中で凝集させて、凝集粒子を形成する。合一化工程では、凝集粒子に含まれる成分を水性媒体中で合一化させてトナー母粒子を形成する。
次に粉砕法を説明する。粉砕法によれば、比較的容易にトナー母粒子を調製できる上、製造コストの低減が可能である。粉砕法でトナー母粒子を調製する場合、トナー母粒子の調製工程は、例えば溶融混練工程と、粉砕工程とを備える。トナー母粒子の調製工程は、溶融混練工程の前に混合工程を更に備えてもよい。また、トナー母粒子の調製工程は、粉砕工程後に、微粉砕工程及び分級工程の少なくとも一方を更に備えてもよい。
混合工程では、結着樹脂と、正帯電性電荷制御剤と、チタン酸ストロンチウム粒子と、必要に応じて添加する他の内添剤とを混合して、混合物を得る。溶融混練工程では、トナー材料を溶融し混練して、溶融混練物を得る。トナー材料としては、例えば混合工程で得られる混合物が用いられる。粉砕工程では、得られた溶融混練物を、例えば室温(25℃)まで冷却した後、粉砕して粉砕物を得る。粉砕工程で得られた粉砕物の小径化が必要な場合は、粉砕物を更に粉砕する工程(微粉砕工程)を実施してもよい。また、粉砕物の粒径を揃える場合は、得られた粉砕物を分級する工程(分級工程)を実施してもよい。以上の工程により、粉砕物であるトナー母粒子が得られる。
(外添工程)
その後、混合機を用いて、得られたトナー母粒子と、外添剤とを混合して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。こうして、トナー粒子を含むトナーが製造される。
その後、混合機を用いて、得られたトナー母粒子と、外添剤とを混合して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。こうして、トナー粒子を含むトナーが製造される。
<第2実施形態:画像形成装置>
次に、図1を参照して、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の一例について説明する。第2実施形態に係る画像形成装置は、上述した第1実施形態に係るトナーを用いて画像を形成する画像形成装置である。なお、参照する図1は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の大きさ、個数、形状等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。
次に、図1を参照して、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の一例について説明する。第2実施形態に係る画像形成装置は、上述した第1実施形態に係るトナーを用いて画像を形成する画像形成装置である。なお、参照する図1は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の大きさ、個数、形状等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。
図1に示すように、画像形成装置100は、現像装置13と、像担持体としての感光体ドラム20と、帯電装置21と、露光装置22と、転写ローラー23と、クリーニングブレード25と、定着装置30とを備える。現像装置13は、現像ローラー14と、トナー供給ローラー18と、トナー帯電部材19と、トナー収容部Rとを備える。感光体ドラム20は、表層部に感光層20Aを備える。
帯電装置21は、感光体ドラム20の感光層20Aを一様に帯電させる。帯電装置21としては、接触帯電方式で感光層20Aを帯電させる帯電装置(例えば、直流電圧、又は直流電圧に交流電圧を重畳した電圧の印加により帯電させる帯電ローラー)が好ましい。また、露光装置22は、帯電装置21によって一様に静電気を帯びた感光層20Aに選択的に光を照射して静電潜像を形成する。露光装置22としては、例えばLEDヘッドを使用できる。
現像装置13は、トナー収容部Rに上述した第1実施形態に係るトナー(図1に示す画像形成装置100では、上述した第1実施形態の一例であるトナー粒子10を含む磁性トナー)を収容している。なお、2成分現像剤を使用する場合は、トナー収容部Rに、上述した第1実施形態に係るトナーとキャリアとを含む2成分現像剤が収容される。
現像装置13は、感光体ドラム20の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して、感光体ドラム20上において、静電潜像をトナー像として現像する。詳しくは、現像装置13は、磁性1成分ジャンピング現像方式で静電潜像を現像する。画像形成装置100は、現像装置13のトナー収容部Rにトナーを補給するためのトナーコンテナ(図示せず)を備えていてもよい。
現像ローラー14は、シャフト15と、マグネットロール16と、筒状の現像スリーブ17とを備える。現像スリーブ17は、シャフト15(固定軸)の周りを回転できるように支持されている。現像ローラー14は、トナー収容部Rから供給されたトナーを担持できるように構成される。トナー供給ローラー18は、トナー収容部Rに収容されているトナーを現像ローラー14に供給する。トナー供給ローラー18は、現像剤(磁性トナー)を攪拌する役割を担ってもよい。トナー帯電部材19(例えば、ドクターブレード)は、現像ローラー14の表面に担持されたトナーを帯電させる。トナー帯電部材19は、トナー(詳しくは、磁性トナー)を現像スリーブ17に押し付けるように作用する。トナー帯電部材19は、現像ローラー14上のトナーの量(トナー層の厚さ)を規制する役割を担ってもよい。トナー帯電部材19は、例えば強磁性材料から構成される。トナーは、感光体ドラム20に供給される前に、現像装置13内で、現像スリーブ17又はトナー帯電部材19との摩擦により正に帯電する。
現像装置13による現像工程では、現像スリーブ17上のトナー(詳しくは、帯電したトナー)が感光体ドラム20に供給され、供給されたトナーが、感光体ドラム20の感光層20Aに形成された静電潜像のうち露光された部分に選択的に付着することで、感光体ドラム20の感光層20A上にトナー像が形成される。
転写ローラー23は、感光体ドラム20に対向する。転写ローラー23と感光体ドラム20との間を記録媒体P(被転写体)が通過するように、転写ローラー23と感光体ドラム20との間には記録媒体Pの搬送路が設けられている。転写ローラー23には、所定のタイミングでバイアス(電圧)が印加される。転写ローラー23は、バイアス(電圧)が印加されることで、電気的な力(詳しくは、感光体ドラム20と記録媒体Pとの電位差)に基づき感光体ドラム20上のトナー像を記録媒体P(詳しくは、感光体ドラム20と転写ローラー23との間に位置する記録媒体P)に転写する。すなわち、図1に示す画像形成装置100では、転写ローラー23が、転写部に相当する。
定着装置30は、第1ローラー31(例えば、ヒーターを備える加熱ローラー)と、第2ローラー32(例えば、ヒーターを備えない非加熱ローラー)とを備える。定着装置30は、記録媒体Pの表面(感光体ドラム20側の面)に存在するトナー像(詳しくは、転写工程で記録媒体Pに転写されたトナー像)に第1ローラー31が接触し、記録媒体Pの裏面に第2ローラー32が接触するように、記録媒体Pを挟むことで、トナー像を記録媒体Pに定着させる。
クリーニングブレード25は、転写ローラー23による転写工程よりも後のタイミングで、感光体ドラム20上の不要なトナー(感光体ドラム20の表面に付着している残留トナー)を除去する。
また、画像形成装置100は、感光体ドラム20の表面を摺擦する摺擦ローラー24を更に備える。詳しくは、摺擦ローラー24は、トナー像が記録媒体Pに転写された後の感光体ドラム20の表面に圧接され、感光体ドラム20の表面を摺擦するように構成される。摺擦ローラー24は、転写ローラー23(転写部)よりも感光体ドラム20の回転方向の下流側、かつクリーニングブレード25よりも感光体ドラム20の回転方向の上流側に位置する。摺擦ローラー24は、例えば、金属シャフトの表面が、発泡ウレタンのような弾性部材で覆われた構造を有する。摺擦ローラー24は、感光体ドラム20の表面に当接した状態で回転できるように設けられている。
感光体ドラム20の表面に残留したトナーが摺擦ローラー24のローラー表面に付着すると、摺擦ローラー24のローラー表面に均一な厚さのトナー層が形成される。トナー層中には、トナー粒子10が含まれる。トナー粒子10には、チタン酸ストロンチウム粒子が含まれる。トナー粒子10に含まれるチタン酸ストロンチウム粒子のうち、例えばトナー母粒子の表面に部分的に露出したチタン酸ストロンチウム粒子は、研磨剤として機能する。摺擦ローラー24は、トナーがローラー表面に付着した状態で感光体ドラム20の表面を摺擦することにより、ローラー表面に付着したトナー中のチタン酸ストロンチウム粒子を研磨剤として、感光体ドラム20の表面を研磨するように構成される。摺擦ローラー24のローラー回転速度は、感光体ドラム20の回転速度よりも速いことが好ましい。こうした回転速度の違いにより、摺擦ローラー24によって感光体ドラム20の表面が的確に研磨されるようになる。摺擦ローラー24は、感光体ドラム20の表面を研磨することによって、画像形成過程で感光体ドラム20の表面に付着したイオン性物質(特に、感光体ドラム20の感光層20Aを帯電させる際に発生する放電生成物)を除去する。
上述のように、チタン酸ストロンチウム粒子は、感光体ドラム20の表面を研磨する研磨剤として機能すると共に、感光体ドラム20の表面に付着したイオン性物質を吸着する吸着剤として機能する。このため、チタン酸ストロンチウム粒子を研磨剤として感光体ドラム20の表面を研磨することで、画像形成過程で感光体ドラム20の表面に付着したイオン性物質を除去し易くなる。よって、画像形成装置100によれば、感光体ドラム20の表面に存在するイオン性物質が的確に除去されるため、画像流れの発生を抑制できる。
また、画像形成装置100では、摺擦ローラー24により、一部のトナー母粒子が圧壊される。この場合、圧壊されたトナー母粒子から出たチタン酸ストロンチウム粒子は、感光体ドラム20とクリーニングブレード25との間に到達し、感光体ドラム20の表面を研磨(又は、感光体ドラム20の表面に存在するイオン性物質を吸着)する。よって、画像形成装置100によれば、クリーニングブレード25により残留トナーを除去する際に、感光体ドラム20の表面に存在するイオン性物質を除去することもできる。
感光体ドラム20の感光層20Aとしては、例えば、アモルファスシリコンを含有する感光層、又は有機光導電体を含有する感光層が使用できる。通常、アモルファスシリコンを含有する感光層を表層部に備える感光体(以下、アモルファスシリコン感光体と記載することがある)は、感光層表面の親水性が比較的高いため、感光層表面に放電生成物が付着し易くなり、画像流れが発生し易くなる。しかし、画像形成装置100では、上述した第1実施形態に係るトナーを用いてトナー像を形成するため、アモルファスシリコン感光体を使用しても、画像流れの発生を抑制できる。
また、画像形成装置100では、上述した第1実施形態に係るトナーを用いて画像を形成する。第1実施形態に係るトナーは、上述したように、画像形成に適した帯電量を確保できる。従って、画像形成装置100によれば、高画質(例えば、画像濃度が適正な範囲)の画像を形成できる。
<第3実施形態:画像形成方法>
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成方法について説明する。第3実施形態に係る画像形成方法は、例えば上述した第2実施形態に係る画像形成装置を用いて画像を形成する方法である。以下、第3実施形態に係る画像形成方法の一例を説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成方法について説明する。第3実施形態に係る画像形成方法は、例えば上述した第2実施形態に係る画像形成装置を用いて画像を形成する方法である。以下、第3実施形態に係る画像形成方法の一例を説明する。
第3実施形態に係る画像形成方法の一例は、現像工程と、転写工程とを含む。現像工程では、像担持体(例えば、図1に示される感光体ドラム20)の表面に形成された静電潜像に、上述した第1実施形態に係るトナーを供給して、静電潜像をトナー像として現像する。転写工程では、トナー像を被転写体(例えば、図1に示される記録媒体P)に転写する。
第3実施形態に係る画像形成方法の一例は、上述した第1実施形態に係るトナーを用いて現像するため、画像形成装置100と同様の理由により、画像流れの発生を抑制しつつ、高画質(例えば、画像濃度が適正な範囲)の画像を形成できる。
以下、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
<ポリエステル樹脂の合成>
[ポリエステル樹脂P1の合成]
テレフタル酸1245gと、イソフタル酸1245gと、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数:2モル)1248gと、エチレングリコール744gとを、4つ口フラスコ(容量:5L)に入れた。次に、フラスコ内部を窒素雰囲気とし、フラスコの内容物を攪拌しながらフラスコ内部の温度を250℃まで上昇させた。その後、常圧かつ250℃の条件で4時間反応を行った。次いで、三酸化アンチモン0.875gと、トリフェニルホスフェート0.548gと、テトラブチルチタネート0.102gとを、フラスコに更に加えた。次いで、フラスコ内部の圧力を0.04kPaに減圧し、フラスコ内部の温度を280℃まで上昇させた後、6時間反応を行った。次いで、トリメリット酸(架橋剤)30.0gをフラスコに更に加えた。フラスコ内部の圧力を常圧に戻し、フラスコ内部の温度を270℃まで降下させた後、1時間反応を行った。反応が終了した後、反応生成物をフラスコから取り出して冷却し、結着樹脂としてのポリエステル樹脂P1を得た。得られたポリエステル樹脂P1は、ガラス転移点(Tg)が53.8℃であり、軟化点(Tm)が100.5℃であり、数平均分子量(Mn)が1295であり、質量平均分子量(Mw)が14500であり、分子量分布(Mw/Mn)が11.2であり、酸価が16.8mgKOH/gであり、水酸基価が22.8mgKOH/gであった。
[ポリエステル樹脂P1の合成]
テレフタル酸1245gと、イソフタル酸1245gと、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数:2モル)1248gと、エチレングリコール744gとを、4つ口フラスコ(容量:5L)に入れた。次に、フラスコ内部を窒素雰囲気とし、フラスコの内容物を攪拌しながらフラスコ内部の温度を250℃まで上昇させた。その後、常圧かつ250℃の条件で4時間反応を行った。次いで、三酸化アンチモン0.875gと、トリフェニルホスフェート0.548gと、テトラブチルチタネート0.102gとを、フラスコに更に加えた。次いで、フラスコ内部の圧力を0.04kPaに減圧し、フラスコ内部の温度を280℃まで上昇させた後、6時間反応を行った。次いで、トリメリット酸(架橋剤)30.0gをフラスコに更に加えた。フラスコ内部の圧力を常圧に戻し、フラスコ内部の温度を270℃まで降下させた後、1時間反応を行った。反応が終了した後、反応生成物をフラスコから取り出して冷却し、結着樹脂としてのポリエステル樹脂P1を得た。得られたポリエステル樹脂P1は、ガラス転移点(Tg)が53.8℃であり、軟化点(Tm)が100.5℃であり、数平均分子量(Mn)が1295であり、質量平均分子量(Mw)が14500であり、分子量分布(Mw/Mn)が11.2であり、酸価が16.8mgKOH/gであり、水酸基価が22.8mgKOH/gであった。
[ポリエステル樹脂P2の合成]
フラスコ内部の温度を280℃まで上昇させた後の反応時間を8時間に変更したこと、及びトリメリット酸の添加量を11.0gに変更したこと以外は、ポリエステル樹脂P1の合成と同じ方法でポリエステル樹脂P2を得た。得られたポリエステル樹脂P2は、ガラス転移点(Tg)が52.1℃であり、軟化点(Tm)が95.5℃であり、数平均分子量(Mn)が1125であり、質量平均分子量(Mw)が11800であり、分子量分布(Mw/Mn)が10.5であり、酸価が11.6mgKOH/gであり、水酸基価が23.5mgKOH/gであった。
フラスコ内部の温度を280℃まで上昇させた後の反応時間を8時間に変更したこと、及びトリメリット酸の添加量を11.0gに変更したこと以外は、ポリエステル樹脂P1の合成と同じ方法でポリエステル樹脂P2を得た。得られたポリエステル樹脂P2は、ガラス転移点(Tg)が52.1℃であり、軟化点(Tm)が95.5℃であり、数平均分子量(Mn)が1125であり、質量平均分子量(Mw)が11800であり、分子量分布(Mw/Mn)が10.5であり、酸価が11.6mgKOH/gであり、水酸基価が23.5mgKOH/gであった。
[ポリエステル樹脂P3の合成]
フラスコ内部の温度を280℃まで上昇させた後の反応時間を4時間に変更したこと、及びトリメリット酸の添加量を45.0gに変更したこと以外は、ポリエステル樹脂P1の合成と同じ方法でポリエステル樹脂P3を得た。得られたポリエステル樹脂P3は、ガラス転移点(Tg)が52.1℃であり、軟化点(Tm)が95.5℃であり、数平均分子量(Mn)が1325であり、質量平均分子量(Mw)が16800であり、分子量分布(Mw/Mn)が12.7であり、酸価が19.5mgKOH/gであり、水酸基価が22.1mgKOH/gであった。
フラスコ内部の温度を280℃まで上昇させた後の反応時間を4時間に変更したこと、及びトリメリット酸の添加量を45.0gに変更したこと以外は、ポリエステル樹脂P1の合成と同じ方法でポリエステル樹脂P3を得た。得られたポリエステル樹脂P3は、ガラス転移点(Tg)が52.1℃であり、軟化点(Tm)が95.5℃であり、数平均分子量(Mn)が1325であり、質量平均分子量(Mw)が16800であり、分子量分布(Mw/Mn)が12.7であり、酸価が19.5mgKOH/gであり、水酸基価が22.1mgKOH/gであった。
[ポリエステル樹脂P4の合成]
セバシン酸1245gと、ドデカン二酸1245gと、1,4ブタンジオール1248gと、1,6ヘキサンジオール744gとを、4つ口フラスコ(容量:5L)に入れた。次に、フラスコ内部を窒素雰囲気とし、フラスコの内容物を攪拌しながらフラスコ内部の温度を250℃まで上昇させた。その後、常圧かつ250℃の条件で4時間反応を行った。次いで、テトラメチルチタネート0.875gと、ジイソオクチルホスフェート0.548gと、トリフェニルホスフェート0.102gとを、フラスコに更に加えた。次いで、フラスコ内部の圧力を0.04kPaに減圧し、フラスコ内部の温度を280℃まで上昇させた後、6時間反応を行った。次いで、トリメリット酸(架橋剤)30.0gをフラスコに更に加えた。フラスコ内部の圧力を常圧に戻し、フラスコ内部の温度を270℃まで降下させた後、1時間反応を行った。反応が終了した後、反応生成物をフラスコから取り出して冷却し、結着樹脂としてのポリエステル樹脂P4を得た。得られたポリエステル樹脂P4は、ガラス転移点(Tg)が52.6℃であり、軟化点(Tm)が106.2℃であり、数平均分子量(Mn)が1250であり、質量平均分子量(Mw)が13500であり、分子量分布(Mw/Mn)が10.8であり、酸価が15.2mgKOH/gであり、水酸基価が18.6mgKOH/gであった。
セバシン酸1245gと、ドデカン二酸1245gと、1,4ブタンジオール1248gと、1,6ヘキサンジオール744gとを、4つ口フラスコ(容量:5L)に入れた。次に、フラスコ内部を窒素雰囲気とし、フラスコの内容物を攪拌しながらフラスコ内部の温度を250℃まで上昇させた。その後、常圧かつ250℃の条件で4時間反応を行った。次いで、テトラメチルチタネート0.875gと、ジイソオクチルホスフェート0.548gと、トリフェニルホスフェート0.102gとを、フラスコに更に加えた。次いで、フラスコ内部の圧力を0.04kPaに減圧し、フラスコ内部の温度を280℃まで上昇させた後、6時間反応を行った。次いで、トリメリット酸(架橋剤)30.0gをフラスコに更に加えた。フラスコ内部の圧力を常圧に戻し、フラスコ内部の温度を270℃まで降下させた後、1時間反応を行った。反応が終了した後、反応生成物をフラスコから取り出して冷却し、結着樹脂としてのポリエステル樹脂P4を得た。得られたポリエステル樹脂P4は、ガラス転移点(Tg)が52.6℃であり、軟化点(Tm)が106.2℃であり、数平均分子量(Mn)が1250であり、質量平均分子量(Mw)が13500であり、分子量分布(Mw/Mn)が10.8であり、酸価が15.2mgKOH/gであり、水酸基価が18.6mgKOH/gであった。
[ポリエステル樹脂P5の合成]
フラスコ内部の温度を280℃まで上昇させた後の反応時間を9時間に変更したこと、及びトリメリット酸の添加量を7.0gに変更したこと以外は、ポリエステル樹脂P1の合成と同じ方法でポリエステル樹脂P5を得た。得られたポリエステル樹脂P5は、ガラス転移点(Tg)が51.9℃であり、軟化点(Tm)が82.2℃であり、数平均分子量(Mn)が1065であり、質量平均分子量(Mw)が10600であり、分子量分布(Mw/Mn)が10.0であり、酸価が7.2mgKOH/gであり、水酸基価が24.1mgKOH/gであった。
フラスコ内部の温度を280℃まで上昇させた後の反応時間を9時間に変更したこと、及びトリメリット酸の添加量を7.0gに変更したこと以外は、ポリエステル樹脂P1の合成と同じ方法でポリエステル樹脂P5を得た。得られたポリエステル樹脂P5は、ガラス転移点(Tg)が51.9℃であり、軟化点(Tm)が82.2℃であり、数平均分子量(Mn)が1065であり、質量平均分子量(Mw)が10600であり、分子量分布(Mw/Mn)が10.0であり、酸価が7.2mgKOH/gであり、水酸基価が24.1mgKOH/gであった。
<トナーの作製>
以下、トナーTA−1〜TA−10及びTB−1〜TB−5の作製方法について説明する。
以下、トナーTA−1〜TA−10及びTB−1〜TB−5の作製方法について説明する。
[トナーTA−1の作製]
(トナー母粒子の調製工程)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部のポリエステル樹脂P1と、90.0質量部の磁性粉(マグネタイト:三井金属鉱業株式会社製「TN−15」)と、10.0質量部の正帯電性電荷制御剤(藤倉化成株式会社製「アクリベース(登録商標)FCA−201−PS」、成分:スチレンとアクリル酸n−ブチルと2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリアルキルアンモニウム塩との共重合体)と、4.0質量部の離型剤(カルナバワックス:東亜化成株式会社製)と、10.0質量部のチタン酸ストロンチウム粒子(富士チタン工業株式会社製「HPST−1S」、個数平均一次粒子径:400nm)とを、回転速度200rpmの条件で4分間混合した。
(トナー母粒子の調製工程)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部のポリエステル樹脂P1と、90.0質量部の磁性粉(マグネタイト:三井金属鉱業株式会社製「TN−15」)と、10.0質量部の正帯電性電荷制御剤(藤倉化成株式会社製「アクリベース(登録商標)FCA−201−PS」、成分:スチレンとアクリル酸n−ブチルと2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリアルキルアンモニウム塩との共重合体)と、4.0質量部の離型剤(カルナバワックス:東亜化成株式会社製)と、10.0質量部のチタン酸ストロンチウム粒子(富士チタン工業株式会社製「HPST−1S」、個数平均一次粒子径:400nm)とを、回転速度200rpmの条件で4分間混合した。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−26SS」)を用いて、材料供給速度50g/分、軸回転速度100rpm、溶融混練温度(シリンダー温度)100℃の条件で溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、冷却された混練物をジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製「MJT−1」)に投入し、混練物を粉砕しつつ分級した。その結果、体積中位径(D50)8μmのトナー母粒子が得られた。
(外添工程)
続けて、得られたトナー母粒子を外添処理した。詳しくは、100質量部のトナー母粒子と、0.6質量部のシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA200」)と、0.6質量部の酸化アルミニウム粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROXIDE(登録商標)Alu C」)とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて回転速度2000rpmの条件で5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させた。
続けて、得られたトナー母粒子を外添処理した。詳しくは、100質量部のトナー母粒子と、0.6質量部のシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA200」)と、0.6質量部の酸化アルミニウム粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROXIDE(登録商標)Alu C」)とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて回転速度2000rpmの条件で5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させた。
次いで、得られた粉体を、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別を行った。その結果、正帯電性のトナーTA−1が得られた。
[トナーTA−2〜TA−10及びTB−1〜TB−3の作製]
ポリエステル樹脂の種類、正帯電性電荷制御剤の種類及びその使用量、並びに内添剤としてのチタン酸ストロンチウム粒子の使用量を、表1に示すとおりとしたこと以外は、トナーTA−1の作製と同じ方法で、トナーTA−2〜TA−10及びTB−1〜TB−3をそれぞれ得た。得られたトナーTA−2〜TA−10及びTB−1〜TB−3は、いずれも正帯電性のトナーであった。なお、表1において、PSは、スチレンとアクリル酸n−ブチルと2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリアルキルアンモニウム塩との共重合体(藤倉化成株式会社製「アクリベース(登録商標)FCA−201−PS」)を指す。また、表1において、P−51は、4級アンモニウム塩系低分子化合物(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」)を指す。また、表1において、正帯電性電荷制御剤の使用量及びチタン酸ストロンチウム粒子の使用量は、いずれも100質量部のポリエステル樹脂に対する質量部数を示す。
ポリエステル樹脂の種類、正帯電性電荷制御剤の種類及びその使用量、並びに内添剤としてのチタン酸ストロンチウム粒子の使用量を、表1に示すとおりとしたこと以外は、トナーTA−1の作製と同じ方法で、トナーTA−2〜TA−10及びTB−1〜TB−3をそれぞれ得た。得られたトナーTA−2〜TA−10及びTB−1〜TB−3は、いずれも正帯電性のトナーであった。なお、表1において、PSは、スチレンとアクリル酸n−ブチルと2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリアルキルアンモニウム塩との共重合体(藤倉化成株式会社製「アクリベース(登録商標)FCA−201−PS」)を指す。また、表1において、P−51は、4級アンモニウム塩系低分子化合物(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」)を指す。また、表1において、正帯電性電荷制御剤の使用量及びチタン酸ストロンチウム粒子の使用量は、いずれも100質量部のポリエステル樹脂に対する質量部数を示す。
[トナーTB−4の作製]
以下の点を変更したこと以外は、トナーTA−1の作製と同じ方法で、正帯電性のトナーTB−4を得た。
以下の点を変更したこと以外は、トナーTA−1の作製と同じ方法で、正帯電性のトナーTB−4を得た。
(変更点)
トナーTB−4の作製では、トナー母粒子の調製工程においてチタン酸ストロンチウム粒子を使用しなかった。トナーTB−4の作製では、外添工程において、0.6質量部のシリカ粒子及び0.6質量部の酸化アルミニウム粒子と共に、0.8質量部のチタン酸ストロンチウム粒子(富士チタン工業株式会社製「HPST−1S」)をトナー母粒子の表面に付着(外添)させた。
トナーTB−4の作製では、トナー母粒子の調製工程においてチタン酸ストロンチウム粒子を使用しなかった。トナーTB−4の作製では、外添工程において、0.6質量部のシリカ粒子及び0.6質量部の酸化アルミニウム粒子と共に、0.8質量部のチタン酸ストロンチウム粒子(富士チタン工業株式会社製「HPST−1S」)をトナー母粒子の表面に付着(外添)させた。
[トナーTB−5の作製]
トナー母粒子の調製工程において、10.0質量部のチタン酸ストロンチウム粒子の代わりに3.0質量部の酸化チタン粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROXIDE(登録商標)TiO2 P25」)を使用したこと以外は、トナーTA−1の作製と同じ方法で、正帯電性のトナーTB−5を得た。
トナー母粒子の調製工程において、10.0質量部のチタン酸ストロンチウム粒子の代わりに3.0質量部の酸化チタン粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROXIDE(登録商標)TiO2 P25」)を使用したこと以外は、トナーTA−1の作製と同じ方法で、正帯電性のトナーTB−5を得た。
<評価方法>
各試料(トナーTA−1〜TA−10及びTB−1〜TB−5)の評価方法は、以下のとおりである。
各試料(トナーTA−1〜TA−10及びTB−1〜TB−5)の評価方法は、以下のとおりである。
[画像流れ]
評価機としては、モノクロプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「ECOSYS(登録商標)LS−4200DN」、像担持体:アモルファスシリコン感光体)に摺擦ローラーを搭載した画像形成装置を使用した。摺擦ローラーは、金属シャフトと、金属シャフトを覆う発泡ウレタン層とを備えていた。評価機は、摺擦ローラーの金属シャフトを回転させるためのモーターを更に備えていた。
評価機としては、モノクロプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「ECOSYS(登録商標)LS−4200DN」、像担持体:アモルファスシリコン感光体)に摺擦ローラーを搭載した画像形成装置を使用した。摺擦ローラーは、金属シャフトと、金属シャフトを覆う発泡ウレタン層とを備えていた。評価機は、摺擦ローラーの金属シャフトを回転させるためのモーターを更に備えていた。
トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−10及びTB−1〜TB−5のいずれか)を、評価機の現像装置及びトナーコンテナに投入した。次いで、評価機を用いて、温度23℃かつ湿度55%RHの環境下、5000枚の印刷用紙(A4サイズの普通紙)に、短冊状のソリッド画像を連続印刷する耐刷試験を行った。短冊状のソリッド画像の長さ(印刷用紙の長手方向の寸法)は、印刷用紙の全長と同じであり、短冊状のソリッド画像の幅(印刷用紙の短手方向の寸法)は、20mmであった。
次いで、評価機から像担持体を取り出した後、取り出された像担持体を、温度28℃かつ湿度80%RHの環境下で12時間放置した。次いで、12時間放置した像担持体を、上記評価機に組み込んで、温度28℃かつ湿度80%RHの環境下、1枚の印刷用紙(A4サイズの普通紙)の全面にハーフトーン画像(画像濃度:50%)を出力した。次いで、出力した画像を目視で観察し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
A(良い):ハーフトーン画像がぼやけることなく出力されており、画像流れを確認できなかった。
B(良くない):ハーフトーン画像が、画像流れによりぼやけた状態で出力されていた。
A(良い):ハーフトーン画像がぼやけることなく出力されており、画像流れを確認できなかった。
B(良くない):ハーフトーン画像が、画像流れによりぼやけた状態で出力されていた。
[帯電量]
評価機としては、上記画像流れの評価に用いた評価機と同じ評価機を用いた。トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−10及びTB−1〜TB−5のいずれか)を、評価機の現像装置に投入した。次いで、評価機を用いて、温度23℃かつ湿度55%RHの環境下、白紙画像を印刷用紙(A4サイズの普通紙)に100枚連続で出力することにより、評価機の現像装置を駆動させた。
評価機としては、上記画像流れの評価に用いた評価機と同じ評価機を用いた。トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−10及びTB−1〜TB−5のいずれか)を、評価機の現像装置に投入した。次いで、評価機を用いて、温度23℃かつ湿度55%RHの環境下、白紙画像を印刷用紙(A4サイズの普通紙)に100枚連続で出力することにより、評価機の現像装置を駆動させた。
上記白紙画像の出力において、1枚目の出力が終わったタイミングと、100枚目の出力が終わったタイミングとの各々で、評価機の現像装置の現像スリーブに付着したトナーを取り出した後、温度23℃かつ湿度55%RHの環境下、取り出されたトナーの帯電量(単位:μC/g)を、吸引式小型帯電量測定装置(トレック社製「MODEL 212HS」)を用いて測定した。以下、1枚目の出力が終わったタイミングで測定された帯電量を、「初期帯電量E1」(又は、単に「E1」)と記載する。また、100枚目の出力が終わったタイミングで測定された帯電量を、「連続出力後の帯電量E2」(又は、単に「E2」)と記載する。
(評価基準)
初期帯電量E1及び連続出力後の帯電量E2の双方が5.0μC/g以上であれば、「画像形成に適した帯電量を確保できている」と評価した。一方、初期帯電量E1及び連続出力後の帯電量E2の少なくとも一方が5.0μC/g未満であれば、「画像形成に適した帯電量を確保できていない」と評価した。
初期帯電量E1及び連続出力後の帯電量E2の双方が5.0μC/g以上であれば、「画像形成に適した帯電量を確保できている」と評価した。一方、初期帯電量E1及び連続出力後の帯電量E2の少なくとも一方が5.0μC/g未満であれば、「画像形成に適した帯電量を確保できていない」と評価した。
[画像濃度]
評価機としては、上記画像流れの評価に用いた評価機と同じ評価機を用いた。トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−10及びTB−1〜TB−5のいずれか)を、評価機の現像装置に投入した。次いで、評価機を用いて、温度23℃かつ湿度55%RHの環境下、1枚の印刷用紙(A4サイズの普通紙)に、トナー載り量6.0g/m2の条件で、大きさ25mm×25mmのソリッド画像を形成した。次いで、形成したソリッド画像の画像濃度(以下、初期IDと記載する)を、白色光度計(有限会社東京電色製「TC−6D」)を用いて測定した。
評価機としては、上記画像流れの評価に用いた評価機と同じ評価機を用いた。トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−10及びTB−1〜TB−5のいずれか)を、評価機の現像装置に投入した。次いで、評価機を用いて、温度23℃かつ湿度55%RHの環境下、1枚の印刷用紙(A4サイズの普通紙)に、トナー載り量6.0g/m2の条件で、大きさ25mm×25mmのソリッド画像を形成した。次いで、形成したソリッド画像の画像濃度(以下、初期IDと記載する)を、白色光度計(有限会社東京電色製「TC−6D」)を用いて測定した。
次いで、評価機を用いて、温度23℃かつ湿度55%RHの環境下、白紙画像を印刷用紙(A4サイズの普通紙)に100枚連続で出力することにより、評価機の現像装置を駆動させた。次いで、温度23℃かつ湿度55%RHの環境下、1枚の印刷用紙(A4サイズの普通紙)に、トナー載り量6.0g/m2の条件で、大きさ25mm×25mmのソリッド画像を形成した。次いで、形成したソリッド画像の画像濃度(以下、連続出力後IDと記載する)を、白色光度計(有限会社東京電色製「TC−6D」)を用いて測定した。
(評価基準)
初期ID及び連続出力後IDの双方が1.10以上であれば、「高画質の画像を形成できている」と評価した。一方、初期ID及び連続出力後IDの少なくとも一方が1.10未満であれば、「高画質の画像を形成できていない」と評価した。
初期ID及び連続出力後IDの双方が1.10以上であれば、「高画質の画像を形成できている」と評価した。一方、初期ID及び連続出力後IDの少なくとも一方が1.10未満であれば、「高画質の画像を形成できていない」と評価した。
[低温定着性]
評価機としては、上記画像流れの評価に用いた評価機を改造して定着温度を変更可能にした画像形成装置を使用した。
評価機としては、上記画像流れの評価に用いた評価機を改造して定着温度を変更可能にした画像形成装置を使用した。
トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−10及びTB−1〜TB−5のいずれか)を、評価機の現像装置及びトナーコンテナに投入した。次いで、評価機を用いて、温度23℃かつ湿度55%RHの環境下、紙(モンディ社製「NAUTILUS」、サイズ:A4、坪量:80g/m2)に、トナー載り量0.4mg/cm2の条件で、大きさ25mm×25mmのソリッド画像(詳しくは、未定着のトナー像)を形成した。続けて、画像が形成された紙を評価機の定着装置に通した。この際、定着装置の定着温度を170℃から1℃ずつ上げながら各定着温度について定着の可否を判定し、ソリッド画像(トナー像)を紙に定着できる最低温度(最低定着温度)を測定した。
トナーを定着させることができたか否かは、以下に示すような擦り試験で確認した。詳しくは、白色光度計(有限会社東京電色製「TC−6D」)を用いて、定着装置に通した紙上のソリッド画像の画像濃度(以下、擦り前IDと記載する)を測定した。続けて、布帛で被覆した1kgの分銅を用いて、紙上の画像を10往復摩擦した。続けて、白色光度計(有限会社東京電色製「TC−6D」)を用いて、紙上の画像の画像濃度(以下、擦り後IDと記載する)を測定した。続けて、式「定着率=100×擦り後ID/擦り前ID」に従って、定着率(単位:%)を求めた。定着率が90%以上となる定着温度のうちの最低温度を、最低定着温度とした。最低定着温度が220℃以下であれば低温定着性が「良い」と評価し、最低定着温度が220℃を超える場合、低温定着性が「良くない」と評価した。
[評価結果]
トナーTA−1〜TA−10及びTB−1〜TB−5について、画像流れの評価、帯電量、画像濃度、及び最低定着温度の各々の結果を、表2に示す。
トナーTA−1〜TA−10及びTB−1〜TB−5について、画像流れの評価、帯電量、画像濃度、及び最低定着温度の各々の結果を、表2に示す。
トナーTA−1〜TA−10では、トナー粒子が、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えていた。トナーTA−1〜TA−10では、トナー母粒子が、結着樹脂と、正帯電性電荷制御剤と、チタン酸ストロンチウム粒子とを含んでいた。また、トナーTA−1〜TA−10では、一部のチタン酸ストロンチウム粒子がトナー母粒子の表面に部分的に露出していた。
表1に示すように、トナーTA−1〜TA−10では、結着樹脂が酸価10.0mgKOH/g以上のポリエステル樹脂であった。トナーTA−1〜TA−10では、正帯電性電荷制御剤が、4級アンモニウムカチオン基を含む化合物であった。トナーTA−1〜TA−10では、外添剤がチタン酸ストロンチウム粒子を含んでいなかった。
表2に示すように、トナーTA−1〜TA−10では、画像流れの評価がAであった。よって、トナーTA−1〜TA−10は、画像流れの発生を抑制できていた。トナーTA−1〜TA−10では、E1及びE2の双方が5.0μC/g以上であった。よって、トナーTA−1〜TA−10は、画像形成に適した帯電量を確保できていた。
表1に示すように、トナーTB−1、TB−4及びTB−5では、トナー母粒子がチタン酸ストロンチウム粒子を含んでいなかった。トナーTB−2及びTB−3では、結着樹脂が酸価10.0mgKOH/g未満のポリエステル樹脂であった。
表2に示すように、トナーTB−1〜TB−3及びTB−5では、画像流れの評価がBであった。よって、トナーTB−1〜TB−3及びTB−5は、画像流れの発生を抑制できていなかった。トナーTB−4では、E2が5.0μC/g未満であった。よって、トナーTB−4は、画像形成に適した帯電量を確保できていなかった。
以上の結果から、本発明に係るトナーによれば、画像流れの発生を抑制しつつ、研磨剤としてチタン酸ストロンチウム粒子を使用しても画像形成に適した帯電量を確保できることが示された。
本発明に係るトナーは、例えば複合機又はプリンターにおいて画像を形成するために利用することができる。
10 トナー粒子
13 現像装置
20 感光体ドラム(像担持体)
20A 感光層
23 転写ローラー(転写部)
100 画像形成装置
P 記録媒体(被転写体)
13 現像装置
20 感光体ドラム(像担持体)
20A 感光層
23 転写ローラー(転写部)
100 画像形成装置
P 記録媒体(被転写体)
Claims (10)
- トナー粒子を含む正帯電性トナーであって、
前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備え、
前記トナー母粒子は、結着樹脂と、正帯電性電荷制御剤と、チタン酸ストロンチウム粒子とを含み、
前記結着樹脂は、酸価10.0mgKOH/g以上のポリエステル樹脂を含み、
前記正帯電性電荷制御剤は、4級アンモニウムカチオン基を含む化合物を含有し、
前記外添剤は、チタン酸ストロンチウム粒子を含まない、正帯電性トナー。 - 前記トナー母粒子において、前記チタン酸ストロンチウム粒子の量は、前記結着樹脂100質量部に対して5.0質量部以上20.0質量部以下である、請求項1に記載の正帯電性トナー。
- 前記4級アンモニウムカチオン基を含む化合物は、4級アンモニウム塩に由来する繰返し単位を含む樹脂である、請求項1又は2に記載の正帯電性トナー。
- 前記4級アンモニウム塩に由来する繰返し単位を含む樹脂の量は、前記結着樹脂100質量部に対して5.0質量部以上15.0質量部以下である、請求項3に記載の正帯電性トナー。
- 前記外添剤は、酸化アルミニウム粒子を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の正帯電性トナー。
- 前記ポリエステル樹脂の酸価は、20.0mgKOH/g以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の正帯電性トナー。
- 前記トナー粒子は、酸化チタン粒子を含まない、請求項1〜6のいずれか一項に記載の正帯電性トナー。
- 像担持体と、
前記像担持体の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して、前記静電潜像をトナー像として現像する現像装置と、
前記トナー像を被転写体に転写する転写部と
を備える画像形成装置であって、
前記トナーは、請求項1〜7のいずれか一項に記載の正帯電性トナーである、画像形成装置。 - 前記像担持体は、アモルファスシリコンを含有する感光層を表層部に備える、請求項8に記載の画像形成装置。
- 像担持体の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して、前記静電潜像をトナー像として現像することと、
前記トナー像を被転写体に転写することと
を備える画像形成方法であって、
前記トナーは、請求項1〜7のいずれか一項に記載の正帯電性トナーである、画像形成方法。
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JP2018191675A JP2020060675A (ja) | 2018-10-10 | 2018-10-10 | 正帯電性トナー、画像形成装置及び画像形成方法 |
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