JP2019164234A - トナー、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

トナー、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】像担持体の絶縁破壊の発生を抑制しつつ、画像流れの発生及びかぶりの発生を抑制できるトナー、画像形成装置及び画像形成方法を提供する。【解決手段】トナーは、トナー粒子10を含む。トナー粒子10は、トナー母粒子11と、トナー母粒子11の表面に付着した外添剤とを備える。外添剤は、カオリナイト粒子12を含む。カオリナイト粒子12の個数平均一次粒子径は、80nm以上1000nm以下である。カオリナイト粒子12の量は、100質量部のトナー母粒子11に対して0.5質量部以上3.0質量部以下である。カオリナイト粒子12の体積抵抗率は、1.0×105Ω・cm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、トナー、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真法では、像担持体としての電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある。)の表面を帯電させた後、露光することにより感光体上に静電潜像を形成する。次いで、トナーにより静電潜像をトナー像として現像し、トナー像を記録媒体に転写する。そして、記録媒体上のトナー像を定着装置により定着させ、記録媒体上に画像を形成する。
ところで、電子写真法による画像形成プロセスを実施した場合、感光体表面にイオン性物質(例えば、感光体を帯電させる際に発生する放電生成物)が付着する場合がある。この場合、高湿度環境下において画像形成を行うと、イオン性物質に起因する感光体表面の電気抵抗の低下により、感光体上の潜像電荷が乱れ、その結果、画像流れ(詳しくは、画像が擦れたように流れてぼやける現象)が発生する場合がある。
この画像流れに対して、例えば特許文献1では、トナーの外添剤として研磨作用を有する酸化チタン粒子を添加することが検討されている。特許文献1では、外添された酸化チタン粒子が感光体表面に付着したイオン性物質を剥ぎ取ることによって、画像流れの発生を抑制している。
特開2009−98176号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、像担持体の絶縁破壊の発生を抑制しつつ、画像流れの発生及びかぶりの発生を抑制するトナーを得ることは難しい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、像担持体の絶縁破壊の発生を抑制しつつ、画像流れの発生及びかぶりの発生を抑制できるトナー、画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
本発明に係るトナーは、トナー粒子を含む。前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。前記外添剤は、カオリナイト粒子を含む。前記カオリナイト粒子の個数平均一次粒子径は、80nm以上1000nm以下である。前記カオリナイト粒子の量は、前記トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下である。前記カオリナイト粒子の体積抵抗率は、1.0×105Ω・cm以下である。
本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、現像装置と、転写部とを備える。前記現像装置は、前記像担持体の表面に形成された静電潜像に本発明に係るトナーを供給して、前記静電潜像をトナー像として現像する。前記転写部は、前記トナー像を被転写体に転写する。
本発明に係る画像形成方法は、静電潜像の現像と、トナー像の転写とを含む。前記静電潜像の現像では、像担持体の表面に形成された静電潜像に本発明に係るトナーを供給して、前記静電潜像をトナー像として現像する。前記トナー像の転写では、前記トナー像を被転写体に転写する。
本発明に係るトナー、画像形成装置及び画像形成方法によれば、像担持体の絶縁破壊の発生を抑制しつつ、画像流れの発生及びかぶりの発生を抑制できる。
本発明の第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の一例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、トナーは、トナー粒子の集合体(例えば粉体)である。外添剤は、外添剤粒子の集合体(例えば粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から粒子を相当数選び取って、それら粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−950」)を用いて測定されたメディアン径である。粉体の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡を用いて測定した一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。粉体の個数平均一次粒子径は、例えば100個の一次粒子の円相当径の個数平均値である。
帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。摩擦帯電における正帯電性の強さ(又は負帯電性の強さ)は、周知の帯電列などで確認できる。例えばトナーは、日本画像学会から提供される標準キャリア(負帯電性トナー用標準キャリア:N−01、正帯電性トナー用標準キャリア:P−01)と混ぜて攪拌することで、測定対象を摩擦帯電させる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えば帯電量測定装置(Q/mメーター)で測定対象の帯電量を測定し、摩擦帯電の前後での帯電量の変化が大きい測定対象ほど帯電性が強いことを示す。
材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。
酸価の測定値は、何ら規定していなければ、「JIS(日本工業規格)K0070−1992」に従い測定した値である。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。本明細書中では、未処理のカオリナイト粒子(以下、「カオリナイト基体」と記載する。)も、カオリナイト基体に表面処理を施して得たカオリナイト粒子(すなわち、表面処理されたカオリナイト粒子)も、カオリナイト基体の表面に導電層を備えるカオリナイト粒子も、「カオリナイト粒子」と記載する。また、カオリナイト基体を導電層で覆ったカオリナイト粒子(導電層により導電性が付与されたカオリナイト粒子)を、「導電性カオリナイト粒子」と記載する場合がある。
<第1実施形態:トナー>
第1実施形態に係るトナーは、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。第1実施形態に係るトナーは、トナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)を含有する集合体(例えば粉体)である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して2成分現像剤として使用してもよい。
第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。外添剤は、カオリナイト粒子を含む。カオリナイト粒子の個数平均一次粒子径は、80nm以上1000nm以下である。カオリナイト粒子の量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下である。カオリナイト粒子の体積抵抗率は、1.0×105Ω・cm以下である。カオリナイト粒子の体積抵抗率の測定方法は、実施例と同じ方法又はその代替方法である。
第1実施形態に係るトナーは、上述の構成を備えることにより、像担持体の絶縁破壊(以下、単に「絶縁破壊」と記載することがある。)の発生を抑制しつつ、画像流れの発生及びかぶりの発生を抑制できる。その理由は、以下のように推測される。
カオリナイト粒子は、酸化チタン粒子と同様に感光体表面を研磨する研磨剤として機能すると共に、感光体表面に付着したイオン性物質を吸着する吸着剤として機能する。しかし、転写工程において、トナー母粒子にカオリナイト粒子が付着したまま感光体から被転写体へトナーが転写されると、カオリナイト粒子の研磨機能及び吸着機能が発揮されなくなる。また、トナーが現像装置から感光体へ移動する前において、カオリナイト粒子がトナー母粒子から脱離する場合も、カオリナイト粒子の研磨機能及び吸着機能が発揮されなくなる。
これに対し、第1実施形態に係るトナーでは、外添剤に含まれるカオリナイト粒子の個数平均一次粒子径が80nm以上1000nm以下に調整されている。カオリナイト粒子の個数平均一次粒子径を80nm以上とすることで、転写工程において、トナー母粒子にカオリナイト粒子が付着したまま感光体から被転写体へトナーが転写されることを抑制できる。また、カオリナイト粒子の個数平均一次粒子径を1000nm以下とすることで、トナーが現像装置から感光体へ移動する前において、カオリナイト粒子がトナー母粒子から脱離することを抑制できる。このように、第1実施形態に係るトナーでは、カオリナイト粒子の研磨機能及び吸着機能が発揮されるように、カオリナイト粒子の個数平均一次粒子径が調整されている。更に、第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、カオリナイト粒子をトナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上含む。よって、第1実施形態に係るトナーによれば、研磨機能及び吸着機能を十分に発揮させることができる量のカオリナイト粒子を感光体表面に供給できるため、画像流れの発生を抑制できる。
また、第1実施形態に係るトナーでは、トナー母粒子100質量部に対するカオリナイト粒子の量が3.0質量部以下である。このように、第1実施形態に係るトナーでは、トナー母粒子の帯電を阻害しない程度にカオリナイト粒子の上限量が設けられている。従って、第1実施形態に係るトナーによれば、かぶりの発生を抑制できる。
また、第1実施形態に係るトナーでは、カオリナイト粒子の体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下である。このように、第1実施形態に係るトナーでは、絶縁破壊が発生しない程度にカオリナイト粒子の体積抵抗率の上限が設けられている。従って、第1実施形態に係るトナーによれば、絶縁破壊の発生を抑制できる。なお、絶縁破壊が発生すると、感光体表面が損傷する場合がある。感光体表面の損傷は、黒点画像の原因になる。
第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、シェル層を備えないトナー粒子であってもよいし、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載することがある。)であってもよい。カプセルトナー粒子では、トナー母粒子が、例えば結着樹脂を含有するトナーコアと、トナーコアの表面を覆うシェル層とを備える。シェル層は、樹脂を含む。例えば、低温で溶融するトナーコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図ることが可能になる。シェル層を構成する樹脂中に添加剤が分散されていてもよい。シェル層は、トナーコアの表面全体を覆っていてもよいし、トナーコアの表面を部分的に覆っていてもよい。
第1実施形態に係るトナーにおいて、画像形成に適したトナーを得るためには、トナー母粒子の体積中位径(D50)は、4μm以上9μm以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、例えば主成分として結着樹脂を含有する。結着樹脂を含有するトナー母粒子は、必要に応じて、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を含有してもよい。
[トナー粒子の構成]
以下、図1を参照して、第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。
図1に示すトナー粒子10は、トナー母粒子11と、トナー母粒子11の表面に付着した外添剤とを備える。外添剤は、カオリナイト粒子12を含む。カオリナイト粒子12の個数平均一次粒子径は、80nm以上1000nm以下である。
カオリナイト粒子12の量は、100質量部のトナー母粒子11に対して0.5質量部以上3.0質量部以下である。かぶりの発生をより抑制するためには、カオリナイト粒子12の量は、100質量部のトナー母粒子11に対して2.0質量部以下であることが好ましく、1.0質量部以下であることがより好ましい。
カオリナイト粒子12の体積抵抗率は、1.0×105Ω・cm以下である。カオリナイト粒子12の製造コストを低減しつつ、かぶりの発生をより抑制するためには、カオリナイト粒子12の体積抵抗率は、10Ω・cm以上であることが好ましく、1.0×102Ω・cm以上であることがより好ましい。
[トナー粒子の要素]
次に、第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の要素について説明する。
(結着樹脂)
トナーの低温定着性を向上させるためには、トナー母粒子は、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として使用できる。
熱可塑性樹脂は、一種以上の熱可塑性モノマーを、付加重合、共重合、又は縮重合させることで得られる。なお、熱可塑性モノマーは、単独重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(より具体的には、アクリル酸エステル系モノマー、スチレン系モノマー等)、又は縮重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(例えば、縮重合によりポリエステル樹脂になる多価アルコール及び多価カルボン酸の組合せ)である。
トナーの低温定着性を向上させるためには、トナー母粒子が、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有することが好ましい。ポリエステル樹脂は、一種以上の多価アルコールと一種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、ジオール類、ビスフェノール類等)、及び3価以上のアルコールが挙げられる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸、及び3価以上のカルボン酸が挙げられる。なお、多価カルボン酸の代わりに、多価カルボン酸の無水物、多価カルボン酸ハライド等の縮重合によりエステル結合を形成できる多価カルボン酸誘導体を使用してもよい。
ジオール類の好適な例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ペンテン−1,5−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、1,4−ベンゼンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノール類の好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸等)、及びアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸が挙げられる。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。また、黒色着色剤として、後述する磁性粉を用いてもよい。
トナー母粒子は、カラー着色剤を含有していてもよい。カラー着色剤としては、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、及び194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、並びにC.I.バットイエローが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、及び254)が挙げられる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、及び66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、並びにC.I.アシッドブルーが挙げられる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、ライスワックス等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラタム等の鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするエステルワックス;脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックス(例えば、脱酸カルナバワックス)を好適に使用できる。第1実施形態では、一種の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナー母粒子に添加してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。
トナー母粒子に負帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナー母粒子のアニオン性を強めることができる。また、トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。
正帯電性の電荷制御剤の例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等の直接染料;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等の酸性染料;ナフテン酸の金属塩類;高級有機カルボン酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩等の4級アンモニウムカチオン基を有する化合物が挙げられる。これらの電荷制御剤の一種のみを使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
負帯電性の電荷制御剤の例としては、キレート化合物である有機金属錯体が挙げられる。有機金属錯体としては、アセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体、及びこれらの塩が好ましい。
電荷制御剤の含有量は、帯電安定性を向上させるためには、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
(磁性粉)
トナー母粒子は、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)が挙げられる。第1実施形態では、一種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。画像形成に適したトナーを得るためには、磁性粉の含有量は、結着樹脂100質量部に対して50質量部以上100質量部以下であることが好ましい。磁性粉が黒色着色剤としての機能を有する場合についても、磁性粉の含有量の好ましい範囲は上記と同様である。
(外添剤)
第1実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子の表面に付着した外添剤を備える。外添剤は、カオリナイト粒子を含む。
カオリナイトは、化学式Al2Si25(OH)4で表される鉱物であり、粘土鉱物の一種である。カオリナイトは、通常、カオリン(より具体的には、焼成カオリン、未焼成カオリン等)として、広く使用されている。第1実施形態に係るトナーにおいて、外添剤に含まれるカオリナイト粒子としては、例えばカオリンの粉砕物が使用できる。カオリナイト粒子の個数平均一次粒子径を80nm以上1000nm以下の範囲に容易に調整するためには、カオリナイト粒子として焼成カオリンの粉砕物を使用することが好ましい。外添剤に含まれるカオリナイト粒子として焼成カオリンの粉砕物を使用する場合、焼成カオリンを粉砕する装置としては、流動層式対向型ジェットミルが好ましい。カオリナイト粒子の個数平均一次粒子径は、例えば流動層式対向型ジェットミルで焼成カオリンを粉砕する際の条件(より具体的には、粉砕空気圧力、分級ローターの回転速度、粉砕処理回数等)を変更することで調整できる。
カオリナイト粒子の体積抵抗率を1.0×105Ω・cm以下の範囲に容易に調整するためには、カオリナイト基体と、カオリナイト基体の表面に存在する導電層とを備えるカオリナイト粒子(導電性カオリナイト粒子)を使用することが好ましい。導電層は、カオリナイト基体の表面全体を覆っていてもよいし、カオリナイト基体の表面を部分的に覆っていてもよい。カオリナイト粒子の体積抵抗率を1.0×105Ω・cm以下の範囲に容易に調整するためには、導電層としては、SbドープSnO2層、及び酸化インジウムスズ層が好ましく、酸化インジウムスズ層がより好ましい。
カオリナイト基体の表面に酸化インジウムスズ層を形成する方法としては、カオリナイト基体を、酸化インジウムスズ層の原料(以下、ITO処理剤と記載することがある。)を含む液で処理する方法が挙げられる。例えば、カオリナイト基体の粉体を、ITO処理剤を含む液に分散させて、カオリナイト分散液を得た後、カオリナイト分散液を熱処理することによってカオリナイト基体の表面に酸化インジウムスズ層を形成することができる。カオリナイト粒子の体積抵抗率は、例えば上記カオリナイト分散液中のITO処理剤の濃度を変更することにより調整できる。なお、酸化インジウムスズ層は、酸化インジウムスズのみを含む層であってもよく、酸化インジウムスズ以外の導電性材料(より具体的には、金属、炭素材料、導電性高分子等)を更に含む層であってもよい。
トナーが正帯電性トナーである場合、転写工程において、トナー母粒子にカオリナイト粒子が付着したまま感光体から被転写体へトナーが転写されることをより抑制するためには、負帯電性を強めるための表面処理(以下、「負帯電化処理」と記載する場合がある。)が施されたカオリナイト粒子を使用することが好ましい。負帯電化処理のための表面処理剤としては、シラザン化合物(より具体的には、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)等)が特に好ましい。導電性カオリナイト粒子を使用する場合、導電性カオリナイト粒子の導電層の表面が負帯電化処理されていてもよいし、カオリナイト基体の表面領域のうち導電層で覆われていない領域が負帯電化処理されていてもよい。
外添剤は、カオリナイト粒子ではない外添剤粒子(以下、「他の外添剤粒子」と記載する場合がある。)を含んでいてもよい。他の外添剤粒子の好適な例としては、シリカ粒子、及び金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等)の粒子が挙げられる。トナーの流動性を向上させるためには、他の外添剤粒子としては、シリカ粒子が好ましい。
トナーの流動性をより向上させるためには、個数平均一次粒子径5nm以上500nm以下の他の外添剤粒子を使用することが好ましい。
他の外添剤粒子は、表面処理されていてもよい。例えば、他の外添剤粒子としてシリカ粒子を使用する場合、表面処理剤によりシリカ粒子の表面に疎水性及び/又は正帯電性が付与されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等)、シラザン化合物(より具体的には、鎖状シラザン化合物、環状シラザン化合物等)、及びシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)が挙げられる。表面処理剤としては、シランカップリング剤及びシラザン化合物が特に好ましい。シランカップリング剤の好適な例としては、シラン化合物(より具体的には、メチルトリメトキシシラン、アミノシラン等)が挙げられる。シラザン化合物の好適な例としては、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)が挙げられる。シリカ基体(未処理のシリカ粒子)の表面が表面処理剤で処理されると、シリカ基体の表面に存在する多数のヒドロキシル基(−OH)が部分的に又は全体的に、表面処理剤に由来する官能基に置換される。その結果、表面処理剤に由来する官能基(詳しくは、ヒドロキシル基よりも疎水性及び/又は正帯電性の強い官能基)を表面に有するシリカ粒子が得られる。
外添剤が他の外添剤粒子を含む場合、トナー母粒子からの他の外添剤粒子の脱離を抑制しながら外添剤の機能を十分に発揮させるためには、他の外添剤粒子の量が、トナー母粒子100質量部に対して、0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
トナーが正帯電性トナーである場合において、画像流れの発生及びかぶりの発生をより抑制するためには、負帯電化処理されたカオリナイト粒子を、トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上1.0質量部以下の量で外添させることが好ましい。同様の理由から、体積抵抗率1.0×102Ω・cm以上1.0×105Ω・cm以下であり、かつ負帯電化処理されたカオリナイト粒子を、トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上1.0質量部以下の量で外添させることがより好ましい。
[トナーの製造方法]
次に、第1実施形態に係るトナーの好適な製造方法について説明する。
(トナー母粒子の調製工程)
まず、凝集法又は粉砕法によりトナー母粒子を調製する。凝集法は、例えば、凝集工程及び合一化工程を含む。凝集工程では、トナー母粒子を構成する成分を含む微粒子を水性媒体中で凝集させて、凝集粒子を形成する。合一化工程では、凝集粒子に含まれる成分を水性媒体中で合一化させてトナー母粒子を形成する。
次に粉砕法を説明する。粉砕法によれば、比較的容易にトナー母粒子を調製できる上、製造コストの低減が可能である。粉砕法でトナー母粒子を調製する場合、トナー母粒子の調製工程は、例えば溶融混練工程と、粉砕工程とを備える。トナー母粒子の調製工程は、溶融混練工程の前に混合工程を更に備えてもよい。また、トナー母粒子の調製工程は、粉砕工程後に、微粉砕工程及び分級工程の少なくとも一方を更に備えてもよい。
混合工程では、例えば、結着樹脂と、必要に応じて添加する内添剤とを混合して、混合物を得る。溶融混練工程では、トナー材料を溶融し混練して、溶融混練物を得る。トナー材料としては、例えば混合工程で得られる混合物が用いられる。粉砕工程では、得られた溶融混練物を、例えば室温(25℃)まで冷却した後、粉砕して粉砕物を得る。粉砕工程で得られた粉砕物の小径化が必要な場合は、粉砕物を更に粉砕する工程(微粉砕工程)を実施してもよい。また、粉砕物の粒径を揃える場合は、得られた粉砕物を分級する工程(分級工程)を実施してもよい。以上の工程により、粉砕物であるトナー母粒子が得られる。
(外添工程)
その後、混合機を用いて、得られたトナー母粒子と、カオリナイト粒子を少なくとも含む外添剤とを混合して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。こうして、トナー粒子を含むトナーが製造される。
<第2実施形態:画像形成装置>
次に、図2を参照して、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の一例について説明する。第2実施形態に係る画像形成装置は、上述した第1実施形態に係るトナーを用いて画像を形成する画像形成装置である。以下、図1に示した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図2に示すように、画像形成装置100は、現像装置13と、像担持体としての感光体ドラム20と、帯電装置21と、露光装置22と、転写ローラー23と、クリーニングブレード25と、定着装置30とを備える。現像装置13は、現像ローラー14と、トナー供給ローラー18と、トナー帯電部材19と、トナー収容部Rとを備える。感光体ドラム20は、表層部に感光層20Aを備える。
帯電装置21は、感光体ドラム20の感光層20Aを一様に帯電させる。帯電装置21としては、接触帯電方式で感光層20Aを帯電させる帯電装置(例えば、直流電圧、又は直流電圧に交流電圧を重畳した電圧の印加により帯電させる帯電ローラー)が好ましい。また、露光装置22は、帯電装置21によって一様に静電気を帯びた感光層20Aに選択的に光を照射して静電潜像を形成する。露光装置22としては、例えばLEDヘッドを使用できる。
現像装置13は、トナー収容部Rに上述した第1実施形態に係るトナー(図2に示す画像形成装置100では、上述した第1実施形態の一例であるトナー粒子10を含む磁性トナー)を収容している。なお、2成分現像剤を使用する場合は、トナー収容部Rに、上述した第1実施形態に係るトナーとキャリアとを含む2成分現像剤が収容される。
現像装置13は、感光体ドラム20の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して、感光体ドラム20上において、静電潜像をトナー像として現像する。詳しくは、現像装置13は、磁性1成分ジャンピング現像方式で静電潜像を現像する。画像形成装置100は、現像装置13のトナー収容部Rにトナーを補給するためのトナーコンテナ(図示せず)を備えていてもよい。
現像ローラー14は、シャフト15と、マグネットロール16と、筒状の現像スリーブ17とを備える。現像スリーブ17は、シャフト15(固定軸)の周りを回転できるように支持されている。現像ローラー14は、トナー収容部Rから供給されたトナーを担持できるように構成される。トナー供給ローラー18は、トナー収容部Rに収容されているトナーを現像ローラー14に供給する。トナー供給ローラー18は、現像剤(磁性トナー)を攪拌する役割を担ってもよい。トナー帯電部材19(例えば、ドクターブレード)は、現像ローラー14の表面に担持されたトナーを帯電させる。トナー帯電部材19は、トナー(詳しくは、磁性トナー)を現像スリーブ17に押し付けるように作用する。トナー帯電部材19は、現像ローラー14上のトナーの量(トナー層の厚さ)を規制する役割を担ってもよい。トナー帯電部材19は、例えば強磁性材料から構成される。トナーは、感光体ドラム20に供給される前に、現像装置13内で、現像スリーブ17又はトナー帯電部材19との摩擦により帯電する。例えば、正帯電性トナーは正に帯電する。
現像装置13による現像工程では、現像スリーブ17上のトナー(詳しくは、帯電したトナー)が感光体ドラム20に供給され、供給されたトナーが、感光体ドラム20の感光層20Aに形成された静電潜像のうち露光された部分に選択的に付着することで、感光体ドラム20の感光層20A上にトナー像が形成される。
転写ローラー23は、感光体ドラム20に対向する。転写ローラー23と感光体ドラム20との間を記録媒体P(被転写体)が通過するように、転写ローラー23と感光体ドラム20との間には記録媒体Pの搬送路が設けられている。転写ローラー23には、所定のタイミングでバイアス(電圧)が印加される。転写ローラー23は、バイアス(電圧)が印加されることで、電気的な力(詳しくは、感光体ドラム20と記録媒体Pとの電位差)に基づき感光体ドラム20上のトナー像を記録媒体P(詳しくは、感光体ドラム20と転写ローラー23との間に位置する記録媒体P)に転写する。すなわち、図2に示す画像形成装置100では、転写ローラー23が、転写部に相当する。
定着装置30は、第1ローラー31(例えば、ヒーターを備える加熱ローラー)と、第2ローラー32(例えば、ヒーターを備えない非加熱ローラー)とを備える。定着装置30は、記録媒体Pの表面(感光体ドラム20側の面)に存在するトナー像(詳しくは、転写工程で記録媒体Pに転写されたトナー像)に第1ローラー31が接触し、記録媒体Pの裏面に第2ローラー32が接触するように、記録媒体Pを挟むことで、トナー像を記録媒体Pに定着させる。
クリーニングブレード25は、転写ローラー23による転写工程よりも後のタイミングで、感光体ドラム20上の不要なトナー(感光体ドラム20の表面に付着している残留トナー)を除去する。
また、画像形成装置100は、感光体ドラム20の表面を摺擦する摺擦ローラー24を更に備える。詳しくは、摺擦ローラー24は、トナー像が記録媒体Pに転写された後の感光体ドラム20の表面に圧接され、感光体ドラム20の表面を摺擦するように構成される。すなわち、図2に示す画像形成装置100では、摺擦ローラー24が、摺擦部材に相当する。摺擦ローラー24は、転写ローラー23(転写部)よりも感光体ドラム20の回転方向の下流側、かつクリーニングブレード25よりも感光体ドラム20の回転方向の上流側に位置する。摺擦ローラー24は、例えば、金属シャフトの表面が、発泡ウレタンのような弾性部材で覆われた構造を有する。摺擦ローラー24は、感光体ドラム20の表面に当接した状態で回転できるように設けられている。感光体ドラム20の表面に残留したトナーが摺擦ローラー24のローラー表面に付着すると、摺擦ローラー24のローラー表面に均一な厚さのトナー層が形成される。トナー層中にはカオリナイト粒子(外添剤)が含まれる。カオリナイト粒子は、研磨剤として機能する。摺擦ローラー24は、トナーがローラー表面に付着した状態で感光体ドラム20の表面を摺擦することにより、ローラー表面に付着したトナー中のカオリナイト粒子を研磨剤として、感光体ドラム20の表面を研磨するように構成される。摺擦ローラー24のローラー回転速度は、感光体ドラム20の回転速度よりも速いことが好ましい。こうした回転速度の違いにより、摺擦ローラー24によって感光体ドラム20の表面が的確に研磨されるようになる。摺擦ローラー24は、感光体ドラム20の表面を研磨することによって、画像形成過程で感光体ドラム20の表面に付着したイオン性物質(特に、感光体ドラム20の感光層20Aを帯電させる際に発生する放電生成物)を除去する。
感光体ドラム20の感光層20Aとしては、例えば、アモルファスシリコンを含有する感光層、又は有機光導電体を含有する感光層が使用できる。通常、アモルファスシリコンを含有する感光層を表層部に備えた感光体(以下、アモルファスシリコン感光体と記載することがある。)は、感光層表面の親水性が比較的高いため、感光層表面に放電生成物が付着し易くなり、画像流れが発生し易くなる。しかし、画像形成装置100では、上述した第1実施形態に係るトナーを用いてトナー像を形成するため、アモルファスシリコン感光体を使用しても、画像流れの発生を抑制できる。
上述のように、カオリナイト粒子は、感光体ドラム20の表面を研磨する研磨剤として機能すると共に、感光体ドラム20の表面に付着したイオン性物質を吸着する吸着剤として機能する。このため、カオリナイト粒子を研磨剤として感光体ドラム20の表面を研磨することで、画像形成過程で感光体ドラム20の表面に付着したイオン性物質を除去し易くなる。よって、画像形成装置100によれば、感光体ドラム20の表面に存在するイオン性物質が的確に除去されるため、画像流れの発生を抑制できる。
また、画像形成装置100では、上述した第1実施形態に係るトナーを用いて画像を形成する。第1実施形態に係るトナーは、上述したように、絶縁破壊の発生を抑制しつつ、かぶりの発生を抑制できる。従って、画像形成装置100によれば、絶縁破壊の発生を抑制しつつ、かぶりの発生を抑制できる。
以上、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の一例について説明したが、第2実施形態に係る画像形成装置は、上述した画像形成装置100に限定されない。例えば、上述した画像形成装置100は、摺擦ローラー24を備える画像形成装置であったが、第2実施形態に係る画像形成装置は、図2に示す画像形成装置100から摺擦ローラー24を除いた画像形成装置であってもよい。こうした画像形成装置では、クリーニングブレード25にカオリナイト粒子が供給されることによって、感光体ドラム20とクリーニングブレード25との間に挟まれたカオリナイト粒子が、感光体ドラム20の表面に存在するイオン性物質を除去するように作用する。
<第3実施形態:画像形成方法>
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成方法について説明する。第3実施形態に係る画像形成方法は、例えば上述した第2実施形態に係る画像形成装置を用いて画像を形成する方法である。以下、第3実施形態に係る画像形成方法の好適な一例を説明する。
第3実施形態に係る画像形成方法の好適な一例は、静電潜像の現像と、トナー像の転写とを含む。静電潜像の現像では、像担持体(例えば、図2に示される感光体ドラム20)の表面に形成された静電潜像に、上述した第1実施形態に係るトナーを供給して、静電潜像をトナー像として現像する。トナー像の転写では、トナー像を被転写体(例えば、図2に示される記録媒体P)に転写する。
第3実施形態に係る画像形成方法の好適な一例は、上述した第1実施形態に係るトナーを用いて現像するため、画像形成装置100と同様の理由により、絶縁破壊の発生を抑制しつつ、画像流れの発生及びかぶりの発生を抑制できる。
以下、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。
<カオリナイト粒子の調製>
[カオリナイト粒子KAの調製]
流動層式対向型ジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製「100AFG」)を用いて、粉砕空気圧力0.60MPa、分級ローターの回転速度13500rpm、粉砕処理回数2回の条件で、焼成カオリン(BASF社製「Satintone(登録商標)SP−33」)を粉砕し、カオリナイト基体の粉体を得た。得られたカオリナイト基体の粉体10質量部を、ITO処理剤を含む液に分散させて、カオリナイト分散液を得た。ITO処理剤を含む液としては、混合溶媒(質量比1:1でトルエンとキシレンとを混合した液)90質量部に、オクチル酸インジウム2.0質量部とp−トルイル酸スズ0.20質量部とを溶解させた液を使用した。続けて、得られたカオリナイト分散液を攪拌しながら、温度180℃で60分間の熱処理を行い、乾燥したカオリナイト粒子の粉体を得た。得られたカオリナイト粒子は、乾燥により凝集していた。このため、得られたカオリナイト粒子の粉体を、解砕した後、分級した。その結果、カオリナイト粒子KAの粉体が得られた。カオリナイト粒子KAは、カオリナイト基体と、カオリナイト基体の表面に存在する酸化インジウムスズ層とを備えていた。
[カオリナイト粒子KBの調製]
粉砕空気圧力0.55MPa、分級ローターの回転速度14000rpm、粉砕処理回数4回の条件で流動層式対向型ジェットミルによる粉砕を行ったこと以外は、カオリナイト粒子KAの調製と同様の方法で、カオリナイト粒子KBの粉体を得た。カオリナイト粒子KBは、カオリナイト基体と、カオリナイト基体の表面に存在する酸化インジウムスズ層とを備えていた。
[カオリナイト粒子KCの調製]
粉砕空気圧力0.55MPa、分級ローターの回転速度12000rpm、粉砕処理回数1回の条件で流動層式対向型ジェットミルによる粉砕を行ったこと以外は、カオリナイト粒子KAの調製と同様の方法で、カオリナイト粒子KCの粉体を得た。カオリナイト粒子KCは、カオリナイト基体と、カオリナイト基体の表面に存在する酸化インジウムスズ層とを備えていた。
[カオリナイト粒子KDの調製]
ITO処理剤を含む液として、混合溶媒(質量比1:1でトルエンとキシレンとを混合した液)90質量部に、オクチル酸インジウム1.5質量部とp−トルイル酸スズ0.15質量部とを溶解させた液を使用したこと以外は、カオリナイト粒子KAの調製と同様の方法で、カオリナイト粒子KDの粉体を得た。カオリナイト粒子KDは、カオリナイト基体と、カオリナイト基体の表面に存在する酸化インジウムスズ層とを備えていた。
[カオリナイト粒子KEの調製]
ITO処理剤を含む液として、混合溶媒(質量比1:1でトルエンとキシレンとを混合した液)90質量部に、オクチル酸インジウム2.0質量部とp−トルイル酸スズ0.20質量部とヘキサメチルジシラザン1.0質量部とを溶解させた液を使用したこと以外は、カオリナイト粒子KAの調製と同様の方法で、カオリナイト粒子KEの粉体を得た。カオリナイト粒子KEは、カオリナイト基体と、カオリナイト基体の表面に存在する酸化インジウムスズ層とを備えていた。また、カオリナイト粒子KEは、シラザン化合物(ヘキサメチルジシラザン)で表面処理されていた。つまり、カオリナイト粒子KEは、負帯電化処理されていた。
[カオリナイト粒子KFの調製]
粉砕空気圧力0.60MPa、分級ローターの回転速度14500rpm、粉砕処理回数4回の条件で流動層式対向型ジェットミルによる粉砕を行ったこと以外は、カオリナイト粒子KAの調製と同様の方法で、カオリナイト粒子KFの粉体を得た。カオリナイト粒子KFは、カオリナイト基体と、カオリナイト基体の表面に存在する酸化インジウムスズ層とを備えていた。
[カオリナイト粒子KGの調製]
粉砕空気圧力0.50MPa、分級ローターの回転速度11500rpm、粉砕処理回数1回の条件で流動層式対向型ジェットミルによる粉砕を行ったこと以外は、カオリナイト粒子KAの調製と同様の方法で、カオリナイト粒子KGの粉体を得た。カオリナイト粒子KGは、カオリナイト基体と、カオリナイト基体の表面に存在する酸化インジウムスズ層とを備えていた。
[カオリナイト粒子KHの調製]
ITO処理剤を含む液として、混合溶媒(質量比1:1でトルエンとキシレンとを混合した液)90質量部に、オクチル酸インジウム1.2質量部とp−トルイル酸スズ0.12質量部とを溶解させた液を使用したこと以外は、カオリナイト粒子KAの調製と同様の方法で、カオリナイト粒子KHの粉体を得た。カオリナイト粒子KHは、カオリナイト基体と、カオリナイト基体の表面に存在する酸化インジウムスズ層とを備えていた。
[カオリナイト粒子KIの調製]
以下の点を変更したこと以外は、カオリナイト粒子KAの調製と同様の方法で、カオリナイト粒子KIの粉体を得た。カオリナイト粒子KIの調製では、粉砕空気圧力0.55MPa、分級ローターの回転速度14000rpm、粉砕処理回数4回の条件で流動層式対向型ジェットミルによる粉砕を行った。カオリナイト粒子KIの調製では、ITO処理剤を含む液として、混合溶媒(質量比1:1でトルエンとキシレンとを混合した液)90質量部に、オクチル酸インジウム1.5質量部とp−トルイル酸スズ0.15質量部とを溶解させた液を使用した。カオリナイト粒子KIは、カオリナイト基体と、カオリナイト基体の表面に存在する酸化インジウムスズ層とを備えていた。
[カオリナイト粒子KJの調製]
以下の点を変更したこと以外は、カオリナイト粒子KAの調製と同様の方法で、カオリナイト粒子KJの粉体を得た。カオリナイト粒子KJの調製では、粉砕空気圧力0.55MPa、分級ローターの回転速度12000rpm、粉砕処理回数1回の条件で流動層式対向型ジェットミルによる粉砕を行った。カオリナイト粒子KJの調製では、ITO処理剤を含む液として、混合溶媒(質量比1:1でトルエンとキシレンとを混合した液)90質量部に、オクチル酸インジウム1.5質量部とp−トルイル酸スズ0.15質量部とを溶解させた液を使用した。カオリナイト粒子KJは、カオリナイト基体と、カオリナイト基体の表面に存在する酸化インジウムスズ層とを備えていた。
[カオリナイト粒子KKの調製]
以下の点を変更したこと以外は、カオリナイト粒子KAの調製と同様の方法で、カオリナイト粒子KKの粉体を得た。カオリナイト粒子KKの調製では、粉砕空気圧力0.55MPa、分級ローターの回転速度14000rpm、粉砕処理回数4回の条件で流動層式対向型ジェットミルによる粉砕を行った。カオリナイト粒子KKの調製では、ITO処理剤を含む液として、混合溶媒(質量比1:1でトルエンとキシレンとを混合した液)90質量部に、オクチル酸インジウム4.0質量部とp−トルイル酸スズ0.40質量部とを溶解させた液を使用した。カオリナイト粒子KKは、カオリナイト基体と、カオリナイト基体の表面に存在する酸化インジウムスズ層とを備えていた。
[カオリナイト粒子KLの調製]
以下の点を変更したこと以外は、カオリナイト粒子KAの調製と同様の方法で、カオリナイト粒子KLの粉体を得た。カオリナイト粒子KLの調製では、粉砕空気圧力0.55MPa、分級ローターの回転速度12000rpm、粉砕処理回数1回の条件で流動層式対向型ジェットミルによる粉砕を行った。カオリナイト粒子KLの調製では、ITO処理剤を含む液として、混合溶媒(質量比1:1でトルエンとキシレンとを混合した液)90質量部に、オクチル酸インジウム4.0質量部とp−トルイル酸スズ0.40質量部とを溶解させた液を使用した。カオリナイト粒子KLは、カオリナイト基体と、カオリナイト基体の表面に存在する酸化インジウムスズ層とを備えていた。
[カオリナイト粒子KMの調製]
ITO処理剤を含む液として、混合溶媒(質量比1:1でトルエンとキシレンとを混合した液)90質量部に、オクチル酸インジウム4.0質量部とp−トルイル酸スズ0.40質量部とを溶解させた液を使用したこと以外は、カオリナイト粒子KAの調製と同様の方法で、カオリナイト粒子KMの粉体を得た。カオリナイト粒子KMは、カオリナイト基体と、カオリナイト基体の表面に存在する酸化インジウムスズ層とを備えていた。
上記のようにして調製した各カオリナイト粒子の粉体に関して、個数平均一次粒子径及び体積抵抗率を測定した。各カオリナイト粒子の個数平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した粒子投影像を画像解析することにより求めた。詳しくは、カオリナイト粒子の粉体の投影像に含まれる100個の一次粒子の各々について測定された円相当径の個数平均値を、測定対象のカオリナイト粒子の個数平均一次粒子径とした。画像解析には、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を使用した。また、体積抵抗率の測定方法は、以下のとおりであった。
<体積抵抗率の測定方法>
電気抵抗計(株式会社三菱ケミカルアナリテック製「MCP−PD51」)を用いて、各カオリナイト粒子の体積抵抗率を測定した。まず、円筒形の金属製セルに、2.0gの試料(測定対象のカオリナイト粒子の粉体)を充填した。続けて、セル内の試料の上下に、それぞれ試料に接するように電極面積S(単位:cm2)の上部電極及び下部電極を設置した。電極面積Sは、電極と試料との接触面積に相当する。続けて、上部電極に荷重5kNを加えた。この荷重5kNを加えた状態の試料の厚さをM(単位:cm)とした。更に、この状態で電極間に電圧V0を印加し、電圧V0の印加時に流れる電流I(単位:A)から、式「体積抵抗率=(V0/I)×(S/M)」に基づいて体積抵抗率(単位:Ω・cm)を求めた。上記式において、電圧V0は100Vであり、電極面積Sは2.54cm2であり、試料の厚さMは0.30cmであった。
各カオリナイト粒子の個数平均一次粒子径、体積抵抗率及び負帯電化処理の有無を表1に示す。
Figure 2019164234
<トナーTA−1の作製>
[ポリエステル樹脂の合成]
温度計、ガラス製の窒素導入管、ステンレススチール製の攪拌羽根、及び流下式コンデンサー(熱交換器)を備えた容量2Lの4つ口フラスコ内に、エチレングリコール55モル部と、テレフタル酸40モル部と、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物5モル部とを入れた。続けて、そのフラスコをマントルヒーター上にセットした。そして、窒素導入管を通じてフラスコ内に窒素ガスを導入し、フラスコ内を窒素雰囲気(不活性雰囲気)にした。続けて、窒素雰囲気下、フラスコ内容物を攪拌しながら温度200℃まで昇温させて、窒素雰囲気かつ温度200℃の条件で、フラスコ内容物を攪拌しながら反応(縮重合反応)させた。
縮重合反応中にモノマー(詳しくは、添加した上記エチレングリコール、テレフタル酸、及び1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物)が飛散及び昇華により減少したため、その減少量に相当する量のモノマーを補給した。縮重合反応中にフラスコ内の樹脂を少量採取して酸価を測定し、フラスコ内の樹脂の酸価が8mgKOH/gになった時点で縮重合反応を停止した。その後、フラスコ内容物を、ステンレススチール製の容器(バット)に取り出した後、温度25℃まで冷却して、ポリエステル樹脂を得た。
[トナー母粒子の作製]
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20」)を用いて、前述の手順で合成したポリエステル樹脂100質量部と、磁性粉(マグネタイト:三井金属鉱業株式会社製「TN−15」)85質量部と、第1電荷制御剤(藤倉化成株式会社製「アクリベ−ス(登録商標)FCA−207P」、成分:4級アンモニウムカチオン基を有するスチレン−アクリル酸系樹脂)3質量部と、第2電荷制御剤(ニグロシン染料:オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)N−71」)1質量部と、離型剤(エステルワックス:日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3」)5質量部とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度100g/分、軸回転速度150rpm、溶融混練温度(シリンダー温度)120℃の条件で溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、冷却された混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて、設定粒子径2mmの条件で粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルT250」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、風力分級機(コアンダ効果を利用した分級機:日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)8μmのトナー母粒子が得られた。
[外添工程]
続けて、得られたトナー母粒子を外添処理した。詳しくは、100質量部のトナー母粒子と、0.8質量部の正帯電性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA200」、内容:表面処理により疎水性及び正帯電性が付与された乾式シリカ粒子、表面処理剤:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)及びアミノシラン、個数平均一次粒子径:12nm)と、1.0質量部のカオリナイト粒子KAとを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20」)を用いて回転速度2000rpmの条件で5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させた。次いで、得られた粉体を、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別を行った。その結果、正帯電性のトナーTA−1が得られた。
<トナーTA−2〜TA−22及びTB−1〜TB−10の作製>
カオリナイト粒子の種類及びその添加量を表2に示すとおりとしたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で、トナーTA−2〜TA−22及びTB−1〜TB−10をそれぞれ得た。ただし、トナーTB−6の作製では、カオリナイト粒子の代わりに、導電性酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製「EC−100」、個数平均一次粒子径:300nm、体積抵抗率:10Ω・cm)を使用した。トナーTB−6の作製では、導電性酸化チタン粒子の添加量は、トナー母粒子100質量部に対して1.0質量部とした。得られたトナーTA−2〜TA−22及びTB−1〜TB−10は、何れも正帯電性のトナーであった。なお、表2において、カオリナイト粒子の添加量は、100質量部のトナー母粒子に対するカオリナイト粒子の質量部数を示す。
Figure 2019164234
<評価方法>
各試料(トナーTA−1〜TA−22及びTB−1〜TB−10)の評価方法は、以下のとおりである。
[第1画像形成装置の準備]
第1画像形成装置としては、モノクロプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−4020DN」、像担持体:アモルファスシリコン感光体)を使用した。トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−22及びTB−1〜TB−10の何れか)を、第1画像形成装置の現像装置及びトナーコンテナに投入した。
[第2画像形成装置の準備]
第2画像形成装置としては、モノクロプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−4020DN」、像担持体:アモルファスシリコン感光体)に摺擦ローラー(摺擦部材)を搭載した画像形成装置を使用した。摺擦ローラーは、金属シャフトと、金属シャフトを覆う発泡ウレタン層とを備えていた。第2画像形成装置は、摺擦ローラーの金属シャフトを回転させるためのモーターを更に備えていた。トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−22及びTB−1〜TB−10の何れか)を、第2画像形成装置の現像装置及びトナーコンテナに投入した。
[画像流れ]
常温常湿環境(温度23℃かつ湿度50%RH)下、所定の画像形成装置(詳しくは、前述の手順で準備した第1画像形成装置又は第2画像形成装置)を用いて、5000枚の紙(A4サイズの普通紙)に文字を含む画像パターン(JIS X 6931)を連続印刷する耐刷試験を行った。そして、最後に印刷された画像パターン(JIS X 6931)中の文字の画質(詳しくは、画像流れによる文字の識別性の低下度合)を目視で評価した。
続けて、上記耐刷試験後の画像形成装置を高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)に移し、同環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下に24時間静置した。続けて、その画像形成装置を用いて、同環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下、上記画像パターン(JIS X 6931)を1枚の紙(A4サイズの普通紙)に印刷した。そして、印刷された画像パターン(JIS X 6931)中の文字の画質(詳しくは、画像流れによる文字の識別性の低下度合)を目視で評価した。
第1画像形成装置及び第2画像形成装置の各々について、上述の常温常湿環境(温度23℃かつ湿度50%RH)における評価と、上述の高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)における評価を行い、下記基準に従って画像流れを評価した。
(評価基準)
A(非常に良い):高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下で印刷された画像パターンの文字認識の程度は、常温常湿環境(温度23℃かつ湿度50%RH)下で印刷された画像パターンの文字認識の程度と同等であった。
B(良い):高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下で印刷された画像パターンの文字認識の程度は、常温常湿環境(温度23℃かつ湿度50%RH)下で印刷された画像パターンの文字認識の程度よりも劣った。しかし、高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下で印刷された画像パターンについても、文字認識は可能であった。
C(良くない):高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下で印刷された画像パターンには、文字認識の不可能な箇所が存在した。
[絶縁破壊]
高温高湿環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下、第1画像形成装置を用いて、5000枚の紙(A4サイズの普通紙)に印字率20%の画像を連続印刷する耐刷試験を行った。続けて、その第1画像形成装置を同環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下に24時間静置した。続けて、その第1画像形成装置を用いて、同環境(温度35℃かつ湿度80%RH)下、5000枚の紙(A4サイズの普通紙)に印字率20%の画像を連続印刷する耐刷試験を行った後、白紙画像を1000枚の紙(A4サイズの普通紙)に連続で出力した。続けて、出力された1000枚の紙の各々について、像担持体(感光体ドラム)の回転周期で黒点の有無を確認した。そして、下記基準に従って絶縁破壊を評価した。
(評価基準)
A(良い):1000枚の紙の何れにも黒点がなかった。
B(良くない):1000枚の紙の何れかで黒点があった。
[かぶり]
常温常湿環境(温度23℃かつ湿度50%RH)下、第1画像形成装置を用いて1枚の紙(A4サイズの普通紙)に白紙画像を出力し、かぶり濃度(FD)を測定した。かぶり濃度(FD)の測定には、白色光度計(有限会社東京電色製「TC−6DS」)を用いた。かぶり濃度(FD)が0.010以下であればA(良い)と評価し、かぶり濃度(FD)が0.010を超えていればB(良くない)と評価した。なお、かぶり濃度(FD)は、出力後の紙の白紙画像形成部の反射濃度からベースペーパー(未印刷紙)の反射濃度を引いた値とした。
[評価結果]
トナーTA−1〜TA−22及びTB−1〜TB−10について、画像流れ、絶縁破壊、及びかぶりの各々の評価結果を、表3に示す。画像流れに関しては、第1画像形成装置を用いて評価した結果を「画像流れ(摺擦無し)」に示し、第2画像形成装置を用いて評価した結果を「画像流れ(摺擦有り)」に示す。なお、表3において、画像流れ(摺擦有り)の欄の「−」は、第2画像形成装置による評価を行わなかったことを示す。
Figure 2019164234
表1及び表2に示すように、トナーTA−1〜TA−22では、外添剤がカオリナイト粒子を含んでいた。トナーTA−1〜TA−22では、カオリナイト粒子の個数平均一次粒子径が80nm以上1000nm以下であった。トナーTA−1〜TA−22では、カオリナイト粒子の量がトナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下であった。トナーTA−1〜TA−22では、カオリナイト粒子の体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以下であった。
表3に示すように、トナーTA−1〜TA−22では、画像流れ(摺擦無し)の評価がA(非常に良い)又はB(良い)であった。また、トナーTA−1〜TA−22では、画像流れ(摺擦有り)の評価がA(非常に良い)であった。よって、トナーTA−1〜TA−22は、画像流れの発生を抑制できていた。トナーTA−1〜TA−22では、絶縁破壊の評価がA(良い)であった。よって、トナーTA−1〜TA−22は、絶縁破壊の発生を抑制できていた。トナーTA−1〜TA−22では、かぶりの評価がA(良い)であった。よって、トナーTA−1〜TA−22は、かぶりの発生を抑制できていた。
表2に示すように、トナーTB−1、TB−7及びTB−9では、カオリナイト粒子の量がトナー母粒子100質量部に対して0.5質量部未満であった。表2に示すように、トナーTB−2、TB−8及びTB−10では、カオリナイト粒子の量がトナー母粒子100質量部に対して3.0質量部を超えていた。表1及び表2に示すように、トナーTB−3では、カオリナイト粒子の個数平均一次粒子径が80nm未満であった。表1及び表2に示すように、トナーTB−4では、カオリナイト粒子の個数平均一次粒子径が1000nmを超えていた。表1及び表2に示すように、トナーTB−5では、カオリナイト粒子の体積抵抗率が1.0×105Ω・cmを超えていた。表2に示すように、トナーTB−6では、外添剤がカオリナイト粒子を含んでいなかった。
表3に示すように、トナーTB−1、TB−3、TB−4、TB−6、TB−7及びTB−9では、画像流れ(摺擦無し)の評価がC(良くない)であった。よって、トナーTB−1、TB−3、TB−4、TB−6、TB−7及びTB−9は、画像流れの発生を抑制できていなかった。トナーTB−5では、絶縁破壊の評価がB(良くない)であった。よって、トナーTB−5は、絶縁破壊の発生を抑制できていなかった。トナーTB−2、TB−8及びTB−10では、かぶりの評価がB(良くない)であった。よって、トナーTB−2、TB−8及びTB−10は、かぶりの発生を抑制できていなかった。
以上の結果から、本発明に係るトナーによれば、絶縁破壊の発生を抑制しつつ、画像流れの発生及びかぶりの発生を抑制できることが示された。
本発明に係るトナーは、例えば複合機又はプリンターにおいて画像を形成するために利用することができる。
10 トナー粒子
11 トナー母粒子
12 カオリナイト粒子
13 現像装置
20 感光体ドラム
20A 感光層
23 転写ローラー
24 摺擦ローラー
100 画像形成装置

Claims (9)

  1. トナー粒子を含むトナーであって、
    前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備え、
    前記外添剤は、カオリナイト粒子を含み、
    前記カオリナイト粒子の個数平均一次粒子径は、80nm以上1000nm以下であり、
    前記カオリナイト粒子の量は、前記トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下であり、
    前記カオリナイト粒子の体積抵抗率は、1.0×105Ω・cm以下である、トナー。
  2. 前記カオリナイト粒子は、カオリナイト基体と、前記カオリナイト基体の表面に存在する導電層とを備える、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記導電層は、酸化インジウムスズ層である、請求項2に記載のトナー。
  4. 前記トナーは、正帯電性トナーであり、
    前記カオリナイト粒子は、負帯電性を強めるための表面処理が施されている、請求項1〜3の何れか一項に記載のトナー。
  5. 前記カオリナイト粒子は、シラザン化合物で表面処理されている、請求項4に記載のトナー。
  6. 像担持体と、
    前記像担持体の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して、前記静電潜像をトナー像として現像する現像装置と、
    前記トナー像を被転写体に転写する転写部と
    を備える画像形成装置であって、
    前記トナーは、請求項1〜5の何れか一項に記載のトナーである、画像形成装置。
  7. 前記トナー像が転写された後の前記像担持体の前記表面に圧接され、前記像担持体の前記表面を摺擦する摺擦部材を更に備える、請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記像担持体は、アモルファスシリコンを含有する感光層を表層部に備える、請求項6又は7に記載の画像形成装置。
  9. 像担持体の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して、前記静電潜像をトナー像として現像することと、
    前記トナー像を被転写体に転写することと
    を備える画像形成方法であって、
    前記トナーは、請求項1〜5の何れか一項に記載のトナーである、画像形成方法。
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