JP3949553B2 - 画像形成用トナー、トナー容器、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成用トナー、トナー容器、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法による画像形成は、米国特許第2,297,691号明細書(特許文献1)、特公昭49−23910号公報(特許文献2)及び特公昭43−24748号公報(特許文献3)などに各種の方法が記載されているが、一般には光導電性物質を用いて作成された感光体に種々の手段により電気的潜像を形成し、次いで該潜像を現像剤を用いて現像した後、該現像剤による像を必要に応じて紙などに転写し、さらに加熱、加圧あるいは溶剤蒸気などによって定着することにより行われるものである。
【0003】
電気的潜像を現像する方式には、大別して、絶縁性有機液体中に各種の顔料や染料を微細に分散させた液体現像剤を用いる液体現像方式と、カスケード法、磁気ブラシ法、パウダークラウド法などのように天然又は合成樹脂にカーボンブラックなどの着色剤を分散して作成される乾式現像剤(以下トナーと称する)を用いる乾式現像方式があり、近年乾式現像方式が広く使用されている。
【0004】
乾式現像方式で用いられている定着方式としては、そのエネルギー効率の良さから、加熱ヒートローラ方式が広く一般に用いられている。近年は、トナーの低温定着化による省エネルギーを図るため、定着時にトナーに与えられる熱エネルギーは小さくなる傾向にある。1999年度の国際エネルギー機関(IEA)のDSM(Demand−side Management)プログラム中には、次世代複写機の技術調達プロジェクトが存在し、その要求仕様が公表され、30cpm以上の複写機については、前記待機時間が10秒以内、待機時の消費電力が10〜30ワット以下(複写速度で異なる)とするよう、従来の複写機に比べて飛躍的な省エネ化の達成が要求されている。
この要求を達成するための方法の一つとして、加熱ヒートローラー等の定着部材を低熱容量化させて、トナーの温度応答性を向上させる方法が考えられるが、十分満足できるものではない。
前記要求を達成し待機時間を極小にするためには、トナー自体の定着温度を下げ、使用可能時のトナー定着温度を低下させることが必須の技術的達成事項であると考えられる。
【0005】
こうした低温定着化に対応すべく、従来多用されてきたスチレン−アクリル系樹脂にかえて、低温定着性にすぐれ耐熱保存性も比較的良いポリエステル樹脂の使用が試みられている[特開昭60−90344号公報(特許文献4)]、特開昭64−15755号公報(特許文献5)、特開平2−82267号公報(特許文献6)、特開平3−229264号公報(特許文献7)、特開平3−41470号公報(特許文献8)、特開平11−305486号公報(特許文献9)等]。また、低温定着性の改善を目的にバインダー中にガラス転移温度でシャープメルト性を有する特定の非オレフィン系結晶性重合体を添加する試み[特開昭62−63940号公報(特許文献10)]があるが、分子構造、分子量について最適化されているとはいえない。また、同じくシャープメルト性を有する結晶性ポリエステルを用いる試み[特許第2931899号公報(特許文献11)、特開2001−222138号公報(特許文献12)]があるが、特許第2931899号公報(特許文献13)では、結晶性ポリエステルトナーの酸価、水酸基価がそれぞれ5以下、20以下と低く、紙と結晶性ポリエステルとの親和性が低いため十分な低温定着性が得られない。また、結晶性ポリエステルの分子構造、分子量について最適化されておらず、さらに結晶性ポリエステルのシャープメルト性を発揮させるためのトナー中のマイクロドメイン構造についても開示されていないため、十分な低温定着性が得られない。特開2001−222138号公報(特許文献14)においても、結晶性ポリエステルのシャープメルト性を発揮させるためのトナー中のマイクロドメイン構造について開示されていないため、十分な低温定着性が得られない。
したがって、これら従来公知の技術を適用しても、DSM(Demand−side Management)プログラムの仕様を達成することは不可能であり、従来の技術領域よりさらに進んだ低温定着技術の確立が必要である。
更なる低温定着化のためには、樹脂そのものの熱特性をコントロールすることが必要となるが、ガラス転移温度(Tg)を下げすぎると耐熱保存性が悪化し、分子量を小さくして樹脂の軟化温度を下げすぎるとホットオフセット発生温度が低下するなどの問題がある。このため、樹脂そのものの熱特性をコントロールすることにより低温定着性に優れかつホットオフセット発生温度の高いトナーを得るには至っていない。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第2,297,691号明細書
【特許文献2】
特公昭49−23910号公報
【特許文献3】
特公昭43−24748号公報
【特許文献4】
特開昭60−90344号公報
【特許文献5】
特開昭64−15755号公報
【特許文献6】
特開平2−82267号公報
【特許文献7】
特開平3−229264号公報
【特許文献8】
特開平3−41470号公報
【特許文献9】
特開平11−305486号公報
【特許文献10】
特開昭62−63940号公報
【特許文献11】
特許第2931899号公報
【特許文献12】
特開2001−222138号公報
【特許文献13】
特許第2931899号公報
【特許文献14】
特開2001−222138号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などの画像形成法における静電潜像を現像するときに用いられる画像形成用トナーにおいて、低温定着性にすぐれ、かつ耐ホットオフセット性にすぐれた画像形成用トナーを提供するとともに、該トナーを用いるトナー容器、画像形成方法及び画像形成装置を提供することをその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、以下に示す画像形成用トナー、トナー容器、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジが提供される。
(1)少なくともカーボンブラックを含む着色剤、結着樹脂及び離型剤を含有する画像形成用トナーにおいて、該結着樹脂は少なくとも2種類のポリエステル樹脂A、Bを含有し、一方のポリエステル樹脂Aはその粉末X線回折パターンにおいて、2θ=20°〜25°の位置に少なくとも1つの回折ピークが存在する結晶性脂肪族ポリエステル樹脂からなり、他方のポリエステル樹脂Bは該ポリエステルAの軟化温度〔T(F1/2)〕よりも高い軟化温度〔T(F1/2)〕を有する非結晶性ポリエステル樹脂からなり、かつ該ポリエステル樹脂Aと該ポリエステル樹脂Bとは相互に非相溶性であり、該トナーの誘電正接が、2.5×10 −3 〜10.0×10 −3 であることを特徴とする画像形成用トナー。
(2)該ポリエステル樹脂Aは、65〜140℃の軟化温度〔T(F1/2)〕及び65〜140℃のガラス転移温度(Tg)を有し、その分子主鎖中に下記一般式(1)
【化2】
−OOC−R−COO−(CH2)n−
(1)
(式中、Rは炭素数2〜20の炭化水素基を示し、nは2〜20の整数を示す)で表されるエステル結合を少なくとも60モル%含有することを特徴とする前記(1)に記載の画像形成用トナー。
(3)
(4)該トナーのDSCによる吸熱ピーク測定において、少なくとも3つの吸熱ピーク(A)、(B)及び(C)が存在し、該吸熱ピーク(A)が40〜70℃の範囲にピークトップを有するものであり、吸熱ピーク(B)が70〜90℃の範囲にピークトップを有するものであり、該吸熱ピーク(C)が90〜130℃の範囲にピークトップを有するものであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(5)該トナーの粉末X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、2θ=20°〜25°の位置に少なくとも1つの回折ピークが存在することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(6)該結着樹脂における該ポリエステル樹脂Aの含有率が1〜50重量%であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(7)該ポリエステル樹脂Aを構成するアルコール成分が1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの中から選ばれる少なくとも1つからなり、一方、該ポリエステル樹脂Aを構成する酸成分がマレイン酸及びフマル酸の中から選ばれる少なくとも1つからなることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(8)該酸成分が、さらにコハク酸及び/又は無水トリメリット酸を含むことを特徴とする前記(7)に記載の画像形成用トナー。
(9)該ポリエステル樹脂Bのガラス転移温度(Tg)が40〜70℃であり、その軟化温度〔T(F1/2)〕が120〜160℃であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(10)該離型剤が70〜90℃のガラス転移温度(Tg)を有するものであることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(11)該ポリエステル樹脂Aの酸価が20〜45mgKOH/gであることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(12)該ポリエステル樹脂Aの水酸基価が5〜50mgKOH/gであることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(13)該ポリエステル樹脂Aのオルト−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布において、その重量平均分子量(Mw)が5500〜6500、その数平均分子量(Mn)が1300〜1500、そのMw/Mnが2〜5であることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(14)該トナー又は該ポリエステル樹脂Aの粉末X線回折パターンにおいて、その2θが(i)19°〜20°、(ii)21°〜22°、(iii)23°〜25°及び(iv)29°〜31°の位置に回折ピークが現れることを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(15)該離型剤が、脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスの中から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(16)前記(1)〜(15)のいずれかに記載の画像形成用トナーが充填されたトナー容器。
(17)像担持体上に形成した静電潜像をトナーで現像する画像形成方法において、該トナーとして前記(1)〜(15)のいずれかに記載の画像形成用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
(18)像担持体上に形成した静電潜像をトナーで現像する画像形成装置において、該トナーが前記(1)〜(15)のいずれかに記載の画像形成用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
(19)前記(1)〜(15)のいずれかに記載の画像形成用トナーと、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の中により選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に配設可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のトナーは、その結着樹脂が、少なくとも2種類のポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bを含有し、その一方のポリエステル樹脂Aが、その粉末X線回折パターンにおいて、2θ=20°〜25°の位置に少なくとも1つの回折ピーク、好ましくは2θ=(i)19°〜20°、(ii)21°〜22°、(iii)23°〜25°及び(iv)29°〜31°の位置に回折ピークが存在する結晶性脂肪族ポリエステル樹脂からなることを特徴とする。
【0010】
本発明の結晶性ポリエステル樹脂Aは、好ましくはその分子主鎖中に、下記一般式(1)で表されるエステル結合を少なくとも60モル%含有し、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜95モル%含有する。
【化3】
−OOC−R−COO−(CH2)n− (1)
前記式中、Rは炭素数2〜20の2価炭化水素基を示す。好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜4の肪族基2価炭化水素基である。nは2〜20、好ましくは2〜6の整数である。
前記2価化炭化水素基としては、ポリエステル樹脂Aの結晶性を損なわないものであればどのようなものでもよく、特に制約されない。
この2価炭化水素基には、脂肪族2価炭化水素基及び芳香族2価炭化水素基が包含されるが、好ましい2価炭化水素基は、脂肪族2価炭化水素基である。脂肪族2価炭化水素基には、直鎖状のもの及び分岐鎖状のものが包含されるが、好ましくは直鎖状脂肪族2価炭化水素基である。本発明の場合、Rは、特に、直鎖状不飽和脂肪族2価炭化水素基であるのが好ましい。
前記2価炭化水素基の具体例を示すと、エチレン基、n−プロピレン基、ビニレン基、プロペニレン基、イソプロペニレン基、n−ブチレン基、フェニレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。
【0011】
ポリエステル樹脂Aは、(i)2価カルボン酸又はその反応性誘導体(酸無水物、炭素数1〜4の低級アルキルエステル、酸ハライド等)からなる多価カルボン酸成分と、(ii)ジオールからなる多価アルコール成分とを、常法により重縮合反応させることによって製造することができる。
この場合の、多価カルボン酸成分には、3〜4価のカルボン酸を添加することができる。また、多価ジオール成分には、3〜4価のアルコールを添加することができる。
【0012】
前記2価カルボン酸の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、1,3−n−プロペンジカルボン酸、1,4−n−ブテンジカルボン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸等が挙げられる。前記ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
必要に応じて用いられる3〜4価のカルボン酸の添加量は、全カルボン酸に対して、通常、40モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下であり、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。
【0013】
必要に応じて添加することのできる3〜4価のカルボン酸の具体例を示すと、無水トリメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸等を挙げることができる。
【0014】
前記多価アルコール成分には、必要に応じ、少量の脂肪族系の分岐鎖2価アルコールや環状2価アルコールの他、3価以上の多価アルコールを添加することができる。その添加量は、全アルコールに対して、40モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下であり、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。
必要に応じて添加される多価アルコールを例示すると、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ポリエチレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、グリセリン等が挙げられる。
【0015】
ポリエステル樹脂Aにおいて、その分子量分布は、低温定着性の点から、シャープであるのが好ましく、また、その分子量は、比較的低分子量であるのが好ましい。ポリエステル樹脂Aの分子量は、そのo−ジクロルベンゼン可溶分のGPCによる分子量分布において、その重量平均分子量(Mw)が5500〜6500、その数平均分子量(Mn)が1300〜1500及びそのMw/Mn比が2〜5であることが好ましい。
また、ポリエステル樹脂Aは、結晶性であることを特徴とし、その粉末X線回折パターンにおいて、回折ピークが現れることにより結晶性の有無を確認できる。具体的には、ポリエステル樹脂A、トナー又は結着樹脂の回折パターンにおいて、その2θが20°〜25°の位置に少なくとも1つの回折ピークが存在すること、好ましくはその2θが、少なくとも(i)19°〜20°、(ii)21°〜22°、(iii)23°〜25°及び(iv)29°〜31°の位置に回折ピークが存在することを特徴とする。ポリエステル樹脂Aの結晶性は、ポリエステル樹脂A、結着樹脂又はトナーにおけるこの回折ピークの存在により確認される。
【0016】
ポリエステル樹脂Aについての前記分子量分布は、横軸をlog(M:分子量)とし、縦軸を重量%とする分子量分布図に基づくものである。本発明で用いるポリエステル樹脂Aの場合、この分子量分布図において、3.5〜4.0(重量%)の範囲に分子量ピークを有することが好ましく、また、そのピークの半値幅が1.5以下であることが好ましい。
【0017】
ポリエステル樹脂Aにおいて、そのガラス転移温度(Tg)及び軟化温度〔T(F1/2)〕は、トナーの耐熱保存性及び耐オフセット性が悪化しない範囲で低いことが望ましいが、一般的には、そのTgは65〜140℃、好ましくは90〜135℃であり、そのT〔T(F1/2)〕は65〜140℃、好ましくは80〜125℃である。Tg及びT〔T(F1/2)〕が前記範囲より高くなると、トナーの定着下限温度が高くなるため、トナーの低温定着性が悪化する。
ポリエステル樹脂Aは、その酸成分として、直鎖状不飽和脂肪族ジカルボン酸を用いたことから、芳香族ジカルボン酸を用いた場合に比べて結晶構造を容易に形成する。
【0018】
ポリエステル樹脂Bは非結晶性の樹脂であり、その軟化温度〔T(F1/2)〕は、ポリエステル樹脂AのT(F1/2)よりも高く、好ましくは20〜60℃程度高く、かつ120〜160℃、好ましくは130〜150℃の範囲にあるのが望ましい。そのTgは40〜70℃、好ましくは45〜65℃である。T(F1/2)が前記範囲よりも低くなると、トナーの耐ホットオフセット性が悪化し、一方、前記範囲よりも高くなると、トナー製造時の溶融混練工程において、ポリエステル樹脂Bを溶融させるために高温を要するため製造コストが高くなること、およびトナーが高弾性のため混練シェアがかかり高い混練動力を要すること、および粉砕工程における粉砕効率が悪いく製造コストが高くなる等の不具合が生じる。Tgが前記範囲よりも低くなると、トナーの耐熱保存性が著しく悪化し、ブロッキングを生じる。Tgが前記範囲よりも高くなると、トナーの低温定着性が悪化する。
【0019】
ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量(Mw)はTHF可溶分で、3000〜100000、好ましくは6000〜80000であり、その数平均分子量(Mn)はTHF可溶分で1500〜4000、好ましくは1800〜4000であり、そのMw/Mn比は、2〜50、好ましくは4〜40である。
【0020】
ポリエステル樹脂Bの分子構造は非晶性の構造を有するものであればよく、特に制約されない。該ポリエステル樹脂Bとしては、トナー用結着樹脂として一般的に使用されている各種の構造の非晶性ポリエステルが使用可能であるが、本発明の場合、その分子主鎖中に下記一般式(2)で表されるエステル結合を少なくとも60モル%含有するものが好ましい。
【化4】
−OOC−R1−COO−R2− (2)
R1及びR2は炭素数2〜20の2価炭化水素基を示す。
【0021】
前記2価炭化水素基R1は、非結晶性のポリエステル樹脂を与えるものであればよく、特に制約されない。この炭化水素基には、脂肪族2価炭化水素基又は芳香族2価炭化水素基が包含される。脂肪族2価炭化水素基には、炭素数2〜20、好ましくは2〜14のアルキレン基及び炭素数4〜12、好ましくは6〜8のシクロアルキレン基が包含される。芳香族基には、炭素数6〜14、好ましくは6〜12のアリーレン基及び炭素数8〜12のアリーレンジアルキレン基が包含される。
前記2価炭化水素基R1は、2価カルボン酸残基であるが、本発明では、特に、フマル酸、テレフタル酸、ドデセニル無水コハク酸等の2価カルボン酸から誘導された残基であるのが好ましい。
【0022】
前記R2は、2価アルコール残基を示すが、この2価アルコール残基には、従来公知の脂肪族系及び芳香族系の2価アルコールから誘導された残基が包含される。このような2価アルコール残基には、炭素数2〜14、好ましくは2〜12のアルキレンジオールや炭素数5〜14、好ましくは6〜8のシクロアルキルアルキレンジオール等の脂肪族ジオールから誘導された残基が包含される。
【0023】
また、前記2価アルコール残基には、炭素数が8〜18、好ましくは8〜15のアリーレンジアルキレンジオールから誘導された残基の他、下記一般式(3)で表されるジオールから誘導された残基が包含される。
【化5】
前記式中、R3は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R4、R5は炭素数2〜4のアルキレン基を示す。n、mは1〜16、好ましくは2〜14の整数を示す。
前記一般式(3)の二価アルコール(ジオール)としては、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物や、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等を挙げることができる。
【0024】
前記ポリエステル樹脂Bにおいて、その二価カルボン酸成分及び/又は2価アルコール成分には、芳香族環が含まれているのが好ましい。また、十分な耐ホットオフセット性を達成するためには、ポリエステル樹脂Bはクロロホルムに不溶なゲルを有するものであることが好ましい。この場合、該ゲルの割合は、2〜40重量%、好ましくは5〜30重量%である。
本発明で用いるポリエステル樹脂Bの場合、芳香族環成分は、分子主鎖中に、全エステル結合に対して、30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは60〜100モル%である。
【0025】
ポリエステル樹脂Bは、(i)2価カルボン酸又はその反応性誘導体(酸無水物、炭素数1〜4の低級アルキルエステル、酸ハライド等)からなる多価カルボン酸成分と、(ii)2価アルコールからなる多価アルコール成分とを、常法により重縮合反応させることによって製造することができる。この場合、多価カルボン酸成分には、必要に応じ、少量の3価以上の多価カルボン酸を添加することができる。3価以上の多価カルボン酸には、芳香族3価カルボン酸(無水トリメリット酸等)が包含される。これらの3価以上の多価カルボン酸の添加量は、全カルボン酸に対して、通常、30モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。
【0026】
前記多価アルコールには、必要に応じ、少量の3価以上の多価アルコール(グリセリン等)を添加することができる。その3価以上の多価アルコールの添加量は、全アルコールに対して、20モル%以下、好ましくは10モル%以下である。
ポリエステル樹脂Bは、非晶性のものである。このポリエステル樹脂Bの非晶性は、そのX線パターンにおいて、その2θ=20°〜25°の位置に回折ピークが存在しないことで確認することができる。
【0027】
本発明で用いるポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとは、相互に非相溶性のものであるが、この場合の非相溶性は、一方のポリエステル樹脂Aが結晶性であり、他方のポリエステル樹脂Bが非晶性であることの他、ポリエステル樹脂Aが脂肪族系のもので、ポリエステル樹脂Bが芳香族系のものであること等により達成されるものである。
【0028】
本発明でトナーに用いる結着樹脂は、前記ポリエステル樹脂A、Bのみからなるのが好ましいが、必要に応じ、トナーの性能を損なわない範囲で、他の樹脂を併用することもできる。
ポリエステル樹脂以外の使用可能な樹脂を例示すると、次のようなものを挙げることができる。なお、これらの樹脂は単独使用に限らず、2種以上併用することも可能である。
ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、スチレン/クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/塩化ビニル共重合体、スチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体(スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン/メタクリル酸エステル共重合体(スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン/α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単独重合体又は共重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン/酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン/エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂等。
これらの樹脂の製造法は、特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合のいずれも利用できる。
また、上記樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ポリエステル樹脂と同じく、熱保存性の関係から55℃以上がよく、より好ましくは60℃以上が良い。
【0029】
本発明で用いるポリエステル樹脂Aは、酸価又は水酸基価を有するが、その酸価は20〜45mgKOH/g、好ましくは25〜40mgKOH/gである。その水酸基価は5〜50mgKOH/g、好ましくは10〜45mgKOH/gである。
【0030】
本発明で用いる結着樹脂において、それに含有されるポリエステル樹脂A、Bは、50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%である。また、結着樹脂中に含まれるポリエステル樹脂Aの割合は、1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%である。ポリエステル樹脂Bに対するポリエステル樹脂Aの重量比[A]/[B]は、0.01〜0.5、好ましくは0.05〜0.3である。
【0031】
本発明においてトナーに使用される離型剤としては、従来公知の各種のものが使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用することが好ましい。
カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5KOHmg/g以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。
モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14KOHmg/gであることが好ましい。
酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30であることが好ましい。
その他の離型剤としては、固形シリコーンワニス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、低分子量ポリプロピレンワックス等、従来公知のいかなる離型剤をも混合して使用できる。
【0032】
離型剤としては、70〜90℃のガラス転移温度(Tg)を有するものが好ましい。70℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、90℃より高いと、低温での離型性が発揮されず耐ホットオフセット性の悪化、定着機への紙の巻付き等が発生する。
これらの離型剤の使用量は、結着樹脂中、1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0033】
本発明で用いる着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0034】
本発明のトナーには、必要に応じて帯電制御剤、流動性改良剤などを配合することも可能である。
帯電制御剤としては、ニグロシン染料、金属錯塩型染料、第四級アンモニウム塩等の従来公知のいかなる極性制御剤も、単独あるいは混合して使用できる。これらの極性制御剤の使用量は、トナー結着樹脂に対し、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。
特に、サリチル酸金属錯体、好ましくは6配位の構成を取りうる3価以上の金属を有する錯体が前記理由により良い。ここで、3価以上の金属の例としては、Al、Fe、Cr、Zr等が挙げられる。
【0035】
流動性改良剤としては、疎水性シリカ、酸化チタン、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム等、従来公知のいかなる流動性改良剤をも単独あるいは混合して使用できるが、特に疎水性シリカ又は酸化チタンが流動性向上、帯電安定化及び画質安定化の点で優れている。より好ましくは疎水性シリカと酸化チタンを組み合わせて用いると流動性と帯電性の安定した良好なトナーを得ることができる。これらの流動性改良剤の使用量は、トナー重量に対し、0.1〜5%%、好ましくは0.5〜2%である。
【0036】
更に、本発明のトナーは、磁性体を含有した磁性トナーとして用いることができる。トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。特にマグネタイトが磁気特性の点で好ましい。
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては、結着樹脂成分100重量部に対し約15〜200重量部、特に好ましくは結着樹脂100重量部に対し20〜100重量部である。
【0037】
本発明のトナーは、一成分現像剤としても、キャリアと組み合わせてなる二成分現像剤としても用いることができる。
本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合のキャリアとしては、従来公知の各種のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで処理した物などが挙げられる。
【0038】
本発明におけるキャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合スチレン分が30重量%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなるからである。
本発明におけるキャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に、接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電材、荷電制御剤等を含有してもよい。
【0039】
本発明のトナーの粒径については特に限定的でないが、細線再現性等に優れた高画質を得るためには、体積平均粒径が5〜10μmであることが好ましい。
【0040】
本発明のトナーは、従来公知の各種の方法によって製造することができる。このような方法としては、通常の粉砕法でもよいし、粉砕法以外の方法、例えば、重合法等を挙げることができる。
【0041】
本発明のトナーは、該トナー中に結晶性の低分子量脂肪族ポリエステル樹脂Aを含有させたことから、高められた低温定着性を有する。即ち、本発明のトナーを、そのポリエステル樹脂Aのガラス転移温度(Tg)以上に加熱溶融させたときには、該ポリエステル樹脂Aは結晶転移を起こすと同時に、固体状態から溶融粘度の低い溶融液に急激に変化し、紙への高い定着機能を発現する。この場合、ポリエステル樹脂AのTg及びT(F1/2)は低温度であることから、本発明のトナーは高められた低温定着性を有するものとなる。
【0042】
本発明のトナーは、該トナー中に実質上相互に非相溶性のポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとを含有させ、両者をトナー中に非相溶の相分離状態に存在させたことから、すぐれた耐ホットオフセット性と低温定着性を有する。即ち、本発明のトナーでは、ポリエステル樹脂A、Bは相分離状態で存在することから、ポリエステル樹脂A、Bは、それぞれの固有の特性を発現する。即ち、ポリエステル樹脂A、Bのうち、配合割合の多い一方の樹脂がトナー中に連続相として存在し、配合割合の少ない他方の樹脂は、その連続相を形成する樹脂中に不連続相として存在する。そして、高いT(F1/2)を有するポリエステルBはトナーの弾性を高め、耐ホットオフセット性を向上させ、一方、低いT(F1/2)を有するポリエステルAは低温定着性を向上させる。
【0043】
なお、トナー中において、ポリエステル樹脂A、Bが相分離状態で存在するか否かは、以下に示す▲1▼〜▲3▼のいずれかの方法により確認することができる。
【0044】
▲1▼トナー断面の透過型電子顕微鏡(TEM)によるトナー断面の観察により相分離構造の形成の有無を確認できる。ポリエステル樹脂A、Bが相分離している場合には、例えば、着色剤として加えたカーボンブラックがポリエステル樹脂A中に分散せずポリエステル樹脂B中に選択的に分散することから、TEMによりカーボンブラックの存在しない個所が島状に存在することを観察することにより相分離構造を確認できる。
【0045】
▲2▼トナーのDSCによる吸熱ピーク測定により相分離構造の形成の有無を確認できる。DSC吸熱ピーク測定において、少なくともポリエステル樹脂B、離型剤及びポリエステル樹脂Aにそれぞれ帰属される3つの吸熱ピーク(A)、(B)、(C)が存在し、ポリエステル樹脂Bに帰属される吸熱ピーク(A)が40〜70℃の範囲にピークトップを有するものであり、離型剤に帰属される吸熱ピーク(B)が70〜90℃の範囲にピークトップを有するものであり、ポリエステル樹脂Aに帰属される吸熱ピーク(C)が90〜130℃の範囲にピークトップを有するものである。
ポリエステル樹脂A、Bが相分離したトナーのDSC吸熱曲線を図1に、相分離構造が形成されていないトナーのDSC吸熱曲線を図2に示す。これらの吸熱曲線からわかるように、トナーが相分離構造を有する場合には3成分はそれぞれ別個の吸熱ピークを有し、相分離構造が形成されていない場合は3成分の吸熱ピークが重なり合う。
【0046】
▲3▼トナーの粉末X線回折装置によるX線回折パターン測定により、相分離構造の形成の有無を確認できる。これは、本発明のトナーの場合、結晶性を有するポリエステル樹脂Aが結晶性を保持した状態で非晶質のポリエステル樹脂Bと相分離した状態でトナー中に存在することから、ポリエステル樹脂Aに帰属される回折ピークが少なくとも2θ=20°〜25°の位置に存在する。相分離構造が形成されていない場合は、ポリエステル樹脂Aの結晶構造が維持されずに非晶質のポリエステル樹脂Bと相溶するためにポリエステル樹脂Aに帰属する回折ピークが現れない。
【0047】
また、本発明のトナーにおいては、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bの相分離構造の形成が保持された状態で、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとが均一に分散する、すなわち、トナー中に、微小なマイクロドメインを形成して均一に存在することが望ましい。その均一性の指標としては、TEMによるトナー断面の撮影によるポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bのマイクロドメイン径を測定する方法と、着色剤として用いるカーボンブラック等の分散性の指標であるトナーの誘電正接を測定する方法の2つの方法がある。このうち、トナーの誘電正接を測定する方法については、本発明のトナーの場合、カーボンブラック等がポリエステル樹脂B中にのみ存在することから、誘電正接の測定値がポリエステル樹脂Bのマイクロドメインの分散度合いの指標に相当する。従って、方法は、定量性のある評価法である。そこで、本発明では、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bの分散性をトナーの誘電正接測定により行うこととした。
【0048】
本発明のトナーは、誘電正接が2.5×10−3〜10.0×10−3であることが好ましく、特に好ましくは2.5×10−3〜7.5×10−3である。トナーの誘電正接を2.5×10−3〜7.5×10−3の範囲にすることにより、トナー中での着色剤等の分散状態が均一で、しかも微分散された状態になり、これにより、トナーの帯電量分布が一定の狭い範囲内に制御されており、優れた電荷保持性及び安定性が得られる。
【0049】
ここで、トナーの誘電正接が10.0×10−3を超える場合は、導電性が高くなり、これにより帯電不良が生じ、地汚れやトナー飛散等が増加する傾向が見られる。又、トナー中の着色剤等の分散性も悪化するため、トナーの帯電量分布が不均一になり、高品位の画像が安定して得られない。また、トナーの誘電正接が2.5×10−3未満の場合は、抵抗が高くなるため帯電量が上昇し、画像濃度が低下する傾向が見られる。
【0050】
ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとがの相分離した状態で、しかもポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとが均一に分散した状態は、混練条件をコントロールすることにより得ることができる。混練条件については、混練物より大きな混練シェアがかかるよう、低温(混練物がが溶融状態になる範囲での最低温度)で混練を行うことが望ましい。混練温度が高すぎる場合、均一な分散状態が得られないだけでなく、溶融混練時にポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとが化学反応し、相分離構造が得られない。従って、混練温度については、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bの各T(F1/2)、化学的反応性(溶解性パラメータ)を考慮し、溶融混練が可能な範囲内において最低温度で混練することが望ましい。
【0051】
本発明においては、トナー製造の際の混練操作により、溶融粘度の低いポリエステル樹脂Aによって、混練時のせん弾力を吸収し、高いT(F1/2)を有する、高分子量のポリエステル樹脂B(巨大コンフォメーションであるため切断され易い)を切断することなくポリエステル樹脂Bの成分量を保持できるので、耐ホットオフセット性が改善されることが確認された。
【0052】
以下において、本明細書で示した物性値の測定に用いた方法及び装置について具体的に示す。
【0053】
(1)軟化温度〔T(F1/2)〕
このT(F1/2)は、樹脂の溶融しやすさの指標となるもので、T(F1/2)が高くなるとその樹脂の溶融性が悪くなり、その樹脂を溶融に高い温度を要することとなり、一方、T(F1/2)が低くなると、その樹脂の溶融性がよくなり、その樹脂の溶融を低い温度で行なうことができる。
このT(F1/2)は以下のようにして測定される。
高架式フローテスターCFT−500(島津製作所製)を用い、ダイス径1mm、ダイス径1mm、加圧10kg/cm2、昇温速度3℃/minの条件下で1cm3の試料を溶融流出させた時の流出開始点から流出終了点までの流出量の1/2に相当する温度を測定し、これをT(F1/2)とする。
【0054】
(2)樹脂のガラス転移温度(Tg)
このTgは、理学電機社製のRigaku THRMOFLEX TG8110により、昇温速度10℃/minの条件にてDSC測定を行い、そのDSC測定での2回目の昇温時における接線法により求める。
(3)樹脂の酸価及び水酸基価
これらの測定方法は、JIS K0070に規定の方法による。但しサンプルが溶解しない場合は、溶媒にジオキサンまたはTHF、オルト−ジクロロベンゼン等の溶媒を用いる。
【0055】
(4)トナーの誘電正接の測定
まず、約2mm厚のペレット状に成形したトナーを、固体用電極(安藤電気(株)製SE−70形)にセットし、そして上記電極間に1kHzの交流を印加したときの位相のずれを誘電体損測定器(安藤電気(株)製TR−10C型)によって測定し、これによりトナーの誘電正接を算出した。
(5)トナーのDSCにより吸熱測定
前記Tgの測定に用いたのと同じDSC測定装置を用いる。
【0056】
(6)樹脂の分子量分布
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)を用いて測定する。この場合の測定は、以下のようにして行う。
145℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶離液として0.3%BHT入りのオルト−ジクロロベンゼンを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.3重量%に調整した樹脂の140℃オルト−ジクロロベンゼン溶解液を50〜200μl注入して測定する。
測定機としては、Waters製150CV型、カラムとしてShodex AT−G+AT−806MS(2本)を用いることが出来る。
試料の分子量測定に当っては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。スライス幅は0.05秒である。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いる。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0057】
(7)離型剤のガラス転移温度(Tg)
前記樹脂のTg測定と同様にし測定する。
【0058】
(8)トナーの体積平均粒径
米国のコールター・エレクトロニクス社製のコールターカウンターTA IIを用いて測定する。
(9)トナー断面の観察
トナー断面の観察は、日立透過型電子顕微鏡H−9000を用い、加速電圧300kVの条件でトナー粒子を約100μmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により約10000倍で観察を行い、写真撮影をした。
【0059】
(10)粉末X線回折測定
粉末X線回折測定は、理学電機RINT1100を用い、管球をCu、管電圧−電流を50kV−30mAの条件で広角ゴニオメーターを用いて測定した。
【0060】
(11)樹脂の分子構造
固体C13−NMR(日本電子製のFT−NMR SYSTEM JNM−α400)を用い、観測核C13、基準物質アダマンタン、積算回数8192回、パルス系列CPMAS。IRMOD:IRLEV、観測周波数100.4MHz、OBSET:134500Hz、POINT:4096、PD:7.0sec、SPIN6088Hzの条件で行い、分子構造推定はソフトウエアとしてChem Draw Pro Ver.4.5を用いて行った。
固体C13−NMRでの分子構造解析結果を裏つける測定として、次の二つの測定を併用した。
(a)フーリエ変換赤外線分光光度(FT−IR)透過法にて試料を測定し、標準スペクトル比較から構造を推定する。
測定機 :Nicolet Magna 850
測定範囲:4000〜400cm−1
標準試料:KBr
(B)熱分解ガスクロマトグラム質量分析計による熱分解性生物の構造推定
設置 :島津製作所 GC−17A、島津 CR−4A
熱分解温度:日本分析工業 JHB−3S
熱分解温度:試料加熱温度×時間を590℃×4秒
カラム :DB−5(JアンドW Co.)L=30m、I.D=0.25mm、Film=0.25mm
カラム温度:50℃(保持時間1分)から10℃/分で300℃まで昇温
インジェクション温度:320℃
キャリアガス圧力:90kPr(保持時間2分)から2kPa/分で150kPaまで昇圧
検出器 :FID
【0061】
本発明のトナーは、これを一成分現像剤あるいは二成分現像剤のいずれで用いる場合においても、トナー容器に充填される。そしてトナーが充填されたトナー容器は、画像形成装置とは別途に流通され、ユーザーが画像形成装置に装着して画像形成するのが、一般的である。
前記トナー充填のための容器として用いられるものは限定的でなく、従来のボトル型あるいはカートリッジ型に限らず用いられる。
また、画像形成装置とは電子写真法によって画像を形成するための装置であれば限定されず、例えば複写機とかプリンターが包含される。
【0062】
本発明における画像形成方法及び画像形成装置の実施の形態を図3を用いて説明する。ここで、図3は、本発明のトナーを用いて画像を形成するための方法及び装置の一例を示す概略構成図である。
【0063】
図3において、像担持体である感光体1は図中の矢印方向(反時計回り)に回転され、帯電ローラ2により一様に帯電される。その後、図示しない露光部からの原稿像の露光あるいは図示しない光書き込み装置からのレーザ光による光書き込み等により像露光され、感光体1上には静電潜像が形成される。現像装置(画像形成装置)3内には、現像剤4が入っている。この現像剤4には、キャリアとトナーの混合体である二成分現像剤が用いられる。現像剤4を撹拌すると、摩擦帯電によりトナーが帯電する。現像装置3の感光体1との対向位置には、内部に複数の磁石あるいは複数の磁極を有するマグネットローラが配設された現像スリーブ5が配置されており、現像剤4は磁力により現像スリーブ5上に担持されて感光体1との対向位置に搬送され、感光体1上の静電潜像をトナーで現像する。
【0064】
感光体1の回転方向で現像装置3の下流側には転写ベルト6が配設されており、この転写ベルト6は駆動ローラと従動ローラに張架されて図中の矢印方向に回動される。また、転写ベルト6は図示しない接離機構により感光体1に対して接離可能に設けられており、転写時には感光体1に接触してニップ部を形成し転写紙Sを搬送する。また、転写ベルト6の裏面側にはバイアスローラ6aを介して図示しない電源によりトナーと逆極性の電圧(転写出力)が印加されている。
【0065】
図示しない給紙部から搬送された転写紙Sは、感光体1への作像タイミングに合わせてレジストローラ18により感光体1と転写ベルト6のニップ部に給紙され、感光体1上に現像されたトナー像は、上記転写ベルト6と感光体1間の電界により、感光体1と転写ベルト6の間に挾まれた転写紙S上に転写される。トナー像が転写された転写紙Sは、その後、転写ベルト6により搬送され、図示しない定着装置を通り抜け、この際、トナー像は転写紙上に熱溶着される。そして定着後の転写紙Sは図示しない排紙部に排紙される。一方、転写しきれずに感光体上に残ったトナーは、クリーニングブレード7により堰き止められ、回収ばね8により回収コイル9の上に入れられる。そして回収コイル9によりトナーはリサイクルトナーとして、現像装置3に戻される。またクリーニング後の感光体1は除電ランプ20で除電される。
【0066】
【実施例】
以下、本発明を下記の実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、部数はすべて重量部である。
【0067】
<トナーの製造例1>
ポリエステル樹脂A1 30部
ポリエステル樹脂B1 70部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスス(Tg:83℃) 5部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10部
【0068】
上記のトナー構成材料をヘンシェルミキサー中で十分撹拌混合した後、2軸押出し機にて混練し、冷却後粉砕、分級し体積平均径6.8μmの母体トナーを得た。混錬条件については、混練物を低温(混練物が溶融状態になる範囲での最低温度)の状態で混錬を行うべく、混錬機の温度設定を行った結果、混練機出口での混錬品の温度が120℃となるよう混錬機の温度設定を行った。得られたトナー母体に疎水性シリカ0.5wt%と酸化チタン0.3wt%を添加混合し、最終的なトナーとした。
【0069】
<トナーの製造例2>
トナーの製造例1でポリエステルA1をポリエステルA2に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0070】
<トナーの製造例3>
トナーの製造例1でポリエステルA1をポリエステルA3に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0071】
<トナーの製造例4>
トナーの製造例1でポリエステルA1をポリエステルA4に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0072】
<トナーの製造例5>
トナーの製造例1でポリエステルA1をポリエステルA5に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0073】
<トナーの製造例6>
処方を下記のものに変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
ポリエステル樹脂A1 60部
ポリエステル樹脂B1 40部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスス(Tg:83℃) 5部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10部
【0074】
<トナーの製造例7>
処方を下記のものに変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
ポリエステル樹脂A1 0.5部
ポリエステル樹脂B1 90.5部
脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス(Tg83℃) 5部
カーボンブラック(三菱化学 #44) 10部
【0075】
<トナーの製造例8>
トナーの製造例1でポリエステルB1をポリエステルB2に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0076】
<トナーの製造例9>
トナーの製造例1でポリエステルB1をポリエステルB3に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0077】
<トナーの製造例10>
トナーの製造例1でポリエステルB1をポリエステルB4に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0078】
<トナーの製造例11>
トナーの製造例1の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスをポリエチレンワックス(Tg110℃)に変更した以外は、トナーの製造例1と同様な方法によってトナーを得た。
【0079】
<トナーの製造例12>
トナーの製造例1の脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスをポリエチレンワックス(Tg58℃)に変更した以外は、トナーの製造例1と同様な方法によってトナーを得た。
【0080】
<トナーの製造例13>
トナーの製造例1でポリエステルA1をポリエステルA6に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0081】
<トナーの製造例14>
トナーの製造例1でポリエステルA1をポリエステルA7に変更した以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0082】
<トナーの製造例15>
トナーの製造例1で混練機出口での混錬品の温度が160℃となるよう混錬機の温度設定を行った以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0083】
<トナーの製造例16>
トナーの製造例1で混練機出口での混錬品の温度が200℃となるよう混錬機の温度設定を行った以外はトナーの製造例1と同様にトナーを作成した。
【0084】
<ポリエステルの製造>
ポリエステルA1〜A7は表1に示した組成物を、温度計、攪拌器、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、窒素ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気下に保った状態で昇温し160℃に保って5時間、続いて200℃で2時間反応させ各ポリエステルを得た。
表1に各ポリエステルA1〜A7の成分組成(モル比)を示し、表2に各ポリエステルA1〜A7の物性値を示す。
なお、表1に示したBPA/EO付加物は、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物2.2モル付加物を示し、BPA/PO付加物は、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物2.2モル付加物を示す。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
尚、結晶性の有りのものとは、粉末X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、少なくとも2θ=19〜20°、21〜22°、23〜25°、29〜31°の位置に回折ピークが現れたものである。推定分子式有りのものとは固体C13NMRにより一般式(1)の分子構造の存在が確認されたものである。
【0088】
<ポリエステルの製造>
ポリエステルB1〜B4は表3に示した組成物を、温度計、攪拌器、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、窒素ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気下に保った状態で昇温し、次いで0.05gのジブチルスズオキシドを加えて温度を200℃に保って8時間反応させ各ポリエステルを得た。
表3に各ポリエステルB1〜B4の成分組成(モル比)を示し、表4に各ポリエステルB1〜B4の物性値を示す。
なお、表3に示したBPA/EO付加物は、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(2.2モル付加物)を示し、BPA/PO付加物は、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(2.2モル付加物)を示す。
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
<キャリアの製造例>
芯材 Cu−Znフェライト粒子(体積平均径:45μm) 5000部
コート材
トルエン 450部
シリコーン樹脂SR2400
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50%) 450部
アミノシランSH6020
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製) 10部
カーボンブラック 10部
【0092】
上記コート材を10分間スターラーで分散してコート液を調製し、このコート液と芯材を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた、旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、当該コート液を芯材上に塗布した。
次いで、得られたキャリアを電気炉で250℃で2時間焼成を行い、製造例のキャリア粒子(3kOe印加時の飽和磁化65emu/g、3kOe印加時の残留磁化0emu/g、比抵抗3.2×108Ω・cm、体積平均径45μm)を得た。
【0093】
<現像剤の製造例>
上記製造例1〜16のトナー2.5部と、上記製造例のキャリア97.5部をターブラーミキサーで混合し、製造例1〜16に対応する各トナーに対応する現像剤(1)〜(16)を得た。
【0094】
実施例1〜14、比較例1〜2
各実施例で使用した現像剤1〜16の特性評価方法について、説明する。
【0095】
1)定着性評価
定着ローラーとしてテフロン(R)ローラーを有する(株)リコー製複写機 MF2200の定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200の紙をセットし、複写テストを行った。このときの結果を表5に示した。
定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)とホットオフセット温度(耐ホットオフセット温度)を求めた。従来の低温定着トナーの定着下限温度は140〜150℃程度である。
尚、低温定着の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150mm/sec、面圧1.2Kgf/cm2、ニップ幅3mm、高温オフセットの評価条件は紙送りの線速度を50mm/sec、面圧2.0Kgf/cm2、ニップ幅4.5mmと設定した。
【0096】
各特性評価の基準は以下のとおりである。
▲1▼ 低温定着性(5段階評価)
◎;130℃未満
○;130〜140℃
□;140〜150℃
△;150〜160℃
×;160℃以上
▲2▼ ホットオフセット性(5段階評価)
◎;201℃以上
○;200〜191℃
□:190〜181℃
△;180〜171℃
×;170℃以下
【0097】
2)地汚れ評価
(株)リコー製MF−2200に現像剤をセットし、常温/常湿の環境下において100,000枚の連続複写を行い、非画像部における地汚れの発生の程度を目視にて評価した。
◎:非常に良好なレベル
○:良好なレベル
□:一般的なレベル
△:実用上は問題のないレベル
×:実用上問題があるレベル
【0098】
3)熱保存性の評価
ガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽にて24時間放置する。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)にて針入度を測定する。この値が大きいトナー程、熱に対する保存性が優れている。この値が5mm以下の場合は、使用上問題が発生する可能性が高い。
針入度に基づく熱保存性の判定基準は次の通りである。
貫通、
○25mm以上
□20〜25mm
△15〜20mm
×15mm未満
【0099】
4)トナーの分散状態の評価方法
トナー粒子を約100μmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により約10000倍で観察を行い、写真撮影をした。この写真を画像評価することによりトナー中のポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとの不連続相の有無を確認した。
【0100】
5)粉砕性の評価
平均粒径1mm以下に破砕されている混練物を、日本ニューマティック社製のIDS型粉砕機で粉砕したときの単位時間あたりの処理量から粉砕容易性を求めた。単位時間あたりの処理量が大きいほど粉砕が容易であり、トナーの生産性に優れる。
単位時間あたりの処理量に基づく粉砕容易性の判定基準は次の通りである。
◎1.5kg/H以上
○0.8〜1.5kg/H
□0.5〜0.8kg/H
△0.2〜0.5kg/H
×0.2kg/H未満
【0101】
各実施例におけるトナーおよび現像剤の評価結果を表5及び表6を示す。
【0102】
【表5】
【0103】
【表6】
【0104】
尚、トナー相分離構造有りのものとはTEMによるトナー断面観察において、相分離構造が確認されたものである。トナー吸熱ピーク有りのものとはDSC測定において少なくとも3つの吸熱ピーク(A)、(B)、(C)が存在し、吸熱ピーク(A)が40〜70℃の範囲にピークトップを有するものであり、かつ吸熱ピーク(B)が70〜90℃の範囲にピークトップを有するものであり、かつ吸熱ピーク(C)が90〜130℃の範囲にピークトップを有するものであることが確認されたものである.結晶性有りのものとは、粉末X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、少なくとも2θ=20〜25°の位置に回折ピークの存在が確認されたものである。
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立させ、定着温度幅の広いトナー、トナー容器、現像方法、装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】相分離構造を形成するトナーのDSC曲線
【図2】相分離構造を形成しないトナーのDSC曲線
【図3】本発明に係る画像形成方法及び装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
2 帯電ローラ
3 現像装置
4 現像剤
5 現像スリーブ(現像剤担持体)
6 転写ベルト(転写手段)
6a バイアスローラ
7 クリーニングブレード
8 回収ばね
9 回収コイル
10 感光体及びクリーニングユニット(PCU)
13 搬送スクリュー
14 パドル(撹拌機構)
16 反射濃度検知センサー(Pセンサー)
17 トナー濃度センサー
18 レジストローラ
20 除電ランプ
S 転写紙
Claims (18)
- 少なくともカーボンブラックを含む着色剤、結着樹脂及び離型剤を含有する画像形成用トナーにおいて、該結着樹脂は少なくとも2種類のポリエステル樹脂A、Bを含有し、一方のポリエステル樹脂Aはその粉末X線回折パターンにおいて、2θ=20°〜25°の位置に少なくとも1つの回折ピークが存在する結晶性脂肪族ポリエステル樹脂からなり、他方のポリエステル樹脂Bは該ポリエステルAの軟化温度〔T(F1/2)〕よりも高い軟化温度〔T(F1/2)〕を有する非結晶性ポリエステル樹脂からなり、かつ該ポリエステル樹脂Aと該ポリエステル樹脂Bとは相互に非相溶性であり、該トナーの誘電正接が、2.5×10 −3 〜10.0×10 −3 であることを特徴とする画像形成用トナー。
- 該トナーのDSCによる吸熱ピーク測定において、少なくとも3つの吸熱ピーク(A)、(B)及び(C)が存在し、該吸熱ピーク(A)が40〜70℃の範囲にピークトップを有するものであり、吸熱ピーク(B)が70〜90℃の範囲にピークトップを有するものであり、該吸熱ピーク(C)が90〜130℃の範囲にピークトップを有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成用トナー。
- 該トナーの粉末X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、2θ=20°〜25°の位置に少なくとも1つの回折ピークが存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 該結着樹脂における該ポリエステル樹脂Aの含有率が1〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 該ポリエステル樹脂Aを構成するアルコール成分が1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの中から選ばれる少なくとも1つからなり、一方、該ポリエステル樹脂Aを構成する酸成分がマレイン酸及びフマル酸の中から選ばれる少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 該酸成分が、さらにコハク酸及び/又は無水トリメリット酸を含むことを特徴とする請求項6に記載の画像形成用トナー。
- 該ポリエステル樹脂Bのガラス転移温度(Tg)が40〜70℃であり、その軟化温度〔T(F 1/2 )〕が120〜160℃であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 該離型剤が70〜90℃のガラス転移温度(Tg)を有するものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 該ポリエステル樹脂Aの酸価が20〜45mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 該ポリエステル樹脂Aの水酸基価が5〜50mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 該ポリエステル樹脂Aのオルト−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布において、その重量平均分子量(Mw)が5500〜6500、その数平均分子量(Mn)が1300〜1500、そのMw/Mnが2〜5であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 該トナー又は該ポリエステル樹脂Aの粉末X線回折パターンにおいて、その2θが(i)19°〜20°、(ii)21°〜22°、(iii)23°〜25° 及び(iv)29°〜31°の位置に回折ピークが現れることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 該離型剤が、脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスの中から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成用トナーが充填されたトナー容器。
- 像担持体上に形成した静電潜像をトナーで現像する画像形成方法において、該トナーとして請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
- 像担持体上に形成した静電潜像をトナーで現像する画像形成装置において、該トナーが請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成用トナーと、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の中より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在に配設可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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