JP6459929B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents
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Description
Mp≦Tfb≦Mp+12℃・・・(A)
55℃≦Ts≦70℃・・・(1)
20℃≦|Tfb−T1/2|≦25℃・・・(2)
構成(1):トナー粒子は、トナーコアと、トナーコアを被覆するシェル層とを含む。シェル層は、熱可塑性樹脂を含む。シェル層の厚さは、5nm以上50nm以下である。
構成(2):CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θが23°以上25°以下の範囲に、結晶性樹脂に由来するピークを有する。
構成(3):高化式フローテスターで測定される軟化開始温度Tsが数式(1)を満たす。高化式フローテスターで測定される流出開始温度Tfbと軟化温度T1/2とが数式(2)を満たす。
55℃≦Ts≦70℃・・・(1)
20℃≦|Tfb−T1/2|≦25℃・・・(2)
定着OW(℃)=最高定着温度−最低定着温度・・・(3)
最高定着温度は、ホットオフセットが発生せずにトナーを記録媒体に定着できる最高温度である。最低定着温度は、コールドオフセットが発生せずにトナーを記録媒体に定着できる最低温度である。
構成(4):トナーの軟化温度T1/2は、80℃以上150℃以下である。トナーの流出開始温度Tfbは、60℃以上130℃以下である。
既に述べたように、トナー粒子は、トナーコアと、トナーコアの表面を被覆するシェル層とを含む。以下、トナーコア、シェル層、外添剤を説明する。
トナーコアは、結着樹脂として、結晶性樹脂と、非晶性樹脂とを含む。トナーコアは、内添剤(例えば、着色剤、又は離型剤)を含んでもよい。以下、結着樹脂、及び内添剤を説明する。
結晶性樹脂としては、例えば、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、又は結晶性ポリエーテル樹脂などが挙げられる。これらの結晶性樹脂は、共重合体であってもよい。これらの結晶性樹脂は、1種単独であっても、2種以上を組み合わせてもよい。これらの結晶性樹脂のうち、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
トナーの内添剤としては、例えば、着色剤、又は離型剤が挙げられる。以下、着色剤、及び離型剤について説明する。
[1−2−1.熱可塑性樹脂]
シェル層は、熱可塑性樹脂を含む。シェル層の膜質を向上させるためには、熱可塑性樹脂は、アクリル酸系モノマー由来の繰り返し単位を含むことが好ましく、反応性を有する官能基を持つアクリル酸系モノマー由来の繰り返し単位を含むことがより好ましい。反応性を有する官能基としては、例えば、活性水素原子を有する官能基(より具体的には、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、又はカルバモバイル基(−CONH2)等)、カルボジイミド基、オキサゾリン基、又はグリシジル基が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂のうち、シェル層の形成が容易であることから、(メタ)アクリルアミド由来の繰り返し単位を含む熱可塑性樹脂(より具体的には、ポリアクリルアミド樹脂等)がさらに好ましい。
トナー粒子は、外添剤をさらに有してもよい。外添剤としては、例えば、金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)の微粒子、又はシリカの微粒子が挙げられる。例えば、カップリング剤により外添剤の表面改質(より具体的には、疎水化処理、又は正帯電処理等)をしてもよい。
以下、トナーの製造方法について説明する。トナーの製造方法は、例えば、トナーコア準備工程と、シェル層形成工程とを含む。トナーコア準備工程では、例えば、トナーコアを作製し、トナーコアを準備する。シェル層形成工程では、水性媒体中でトナーコアの表面にシェル層を形成する。シェル形成工程における水性媒体は、水を主成分とする媒体(より具体的には、純水、又は水と極性溶媒との混合液等)である。水性媒体は溶媒として機能してもよい。水性媒体中に溶質が溶けていてもよい。水性媒体は分散媒として機能してもよい。水性媒体中に分散質が分散していてもよい。水性媒体中の極性媒体としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール又はエタノール等)を使用できる。水性媒体としては、結着樹脂の溶解又は離型剤の溶出を抑制する観点から、水が好ましい。
トナーコアを作製する方法としては、結着樹脂中に、内添剤(例えば、着色剤、又は離型剤)のような成分を良好に分散させることができれば特に限定されず、公知の方法から適宜選択できる。トナーコア準備工程としては、例えば、粉砕法、又は凝集法を用いてトナーコアを作製することが好ましい。
粉砕法では、結着樹脂と、内添剤(例えば、着色剤、又は離型剤)とを混合する。続けて、得られた混合物を溶融し、混練する。続けて、得られた混練物を粉砕する。続けて、得られた粉砕物を分級する。その結果、所望の粒子径を有するトナーコアが得られる。粉砕法によれば、比較的容易にトナーコアを調製できる。トナーコアは粉砕法で作製することが好ましい。
凝集法は、例えば、凝集工程及び合一化工程を含む。凝集工程では、トナーコアを構成する成分ごとに微粒子化された複数種の微粒子(例えば、結晶性樹脂微粒子、非晶性樹脂微粒子、離型剤微粒子、及び着色剤微粒子)を水性媒体中で凝集させて、複数種のトナーコア成分を含む凝集粒子を形成する。合一化工程では、凝集粒子に含まれる成分を水性媒体中で合一化させてトナーコアを得る。凝集法によれば、形状が均一であり、粒子径の揃ったトナーコアを得やすい。
シェル形成工程では、まず、水性媒体に、トナーコア作製工程で得られたトナーコアと、シェル層の材料とを添加し、トナーコア分散液を調製する。シェル層の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子を添加する。水性媒体中では、熱可塑性樹脂粒子がトナーコアの表面に付着する。
洗浄工程では、トナー粒子(トナー母粒子)を洗浄する。好適な洗浄方法としては、例えば、ウェットケーキを水性媒体で洗浄する方法、又は再分散する方法が挙げられる。詳しくは、ウェットケーキを水性媒体で洗浄する方法は、まず、トナー粒子(トナー母粒子)の分散液から、固液分離によりトナー粒子(トナー母粒子)をウェットケーキとして回収する。続いて、得られるウェットケーキを、水性媒体を用いて洗浄する。再分散する方法は、トナー粒子(トナー母粒子)を含む分散液中のトナー粒子(トナー母粒子)を沈降させる。続いて、沈降した分散液の上澄み液を水性媒体と置換する。続いて、置換後にトナー粒子(トナー母粒子)を水性媒体に再分散させる。トナー粒子(トナー母粒子)の分散液中での沈降、又は再分散は、複数回行ってもよい。
乾燥工程では、トナー粒子(トナー母粒子)を乾燥する。好適な乾燥方法としては、例えば、乾燥機(より具体的には、スプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、又は減圧乾燥機)を用いる方法が挙げられる。これらの方法の中では、乾燥中のトナー粒子(トナー母粒子)の凝集を抑制するため、スプレードライヤーを用いる方法が好ましい。スプレードライヤーを用いる場合、トナー母粒子の分散液と共に、シリカのような外添剤の分散液を噴霧することによって、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させることができる。
外添工程では、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。好適な外添方法としては、例えば、外添剤がトナー母粒子の表面に埋没しないような条件で、混合機(より具体的には、FMミキサー、ナウターミキサー(登録商標)等)を用いて、トナー母粒子と外添剤とを混合する方法が挙げられる。
(1−1.非晶性ポリエステル樹脂1の調製)
4つ口フラスコを反応容器として用いた。この反応容器は、窒素導入管、脱水管、攪拌器、加熱器、及び熱電対を備え、容量5Lの4つ口フラスコであった。反応容器内に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(以下、BPA−POと記載することがある)1,575質量部と、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(以下、BPA−EOと記載することがある)163質量部と、フマル酸377質量部と、触媒(酸化ジブチル錫)4質量部とを反応容器に投入した。反応容器内を窒素雰囲気とした。続けて、反応容器の内容物を攪拌しながら反応容器内の温度を220℃まで昇温させた。反応容器内の温度を220℃で維持し、内容物を8時間反応させた。その後、反応容器内の圧力を60mmHgに減圧した。反応容器内の温度を220℃及び反応容器内の圧力を60mmHgに維持し、内容物をさらに反応させ、表1に示す熱特性の物性値(軟化開始温度Ts、及び軟化温度と流出開始温度との差Tfb−T1/2)になるように反応を調整した。内容物の反応は、反応温度及び反応時間により調整した。反応後に得られた反応混合物を210℃に冷却した。トリメリット酸無水物336質量部を反応容器に添加し、さらに反応させた。反応終了後、反応容器の内容物を取り出して冷却し、非晶性ポリエステル樹脂1を得た。
表1に示す熱特性の物性値(軟化開始温度Ts、及び軟化温度と流出開始温度との差Tfb−T1/2)になるように反応を調整した以外は、非晶性ポリエステル樹脂1の作製と同様にして、非晶性ポリエステル樹脂2〜5を得た。
(2−1.結晶性ポリエステル樹脂1の調製)
4つ口フラスコを反応容器として用いた。この反応容器は、窒素導入管、脱水管、攪拌器、加熱器、及び熱電対を備え、容量5Lの4つ口フラスコであった。反応容器に、1,6−ヘキサンジオール132質量部と、1,10−デカンジカルボン酸230質量部と、触媒(酸化ジブチル錫)1質量部と、ハイドロキノン0.3質量部とを投入した。次いで、反応容器内を窒素雰囲気とした。その後、反応容器の内容物を攪拌しながら反応容器内の温度を200℃まで昇温させた。反応容器内の温度を200℃に維持し、副生水を留去しながら、内容物を5時間反応させた。その後、反応容器内の圧力を5mmHg以上20mmHg以下に減圧した。反応容器内の温度を200℃及び反応容器内の圧力を5mmHg以上20mmHg以下に維持し、内容物をさらに反応させた。反応終了後、反応容器の内容物を取り出して冷却し、結晶性ポリエステル樹脂1を得た。
(3−1.トナーコア1の調製)
結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂1:85質量部及び結晶性ポリエステル樹脂1:15質量部と、着色剤としてシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン))5質量部と、離型剤としてエステルワックス(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」)5質量部とを、FMミキサー(日本コークス株式会社製「FM−20B」)を用いて混合した。得られた混合物を、二軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて溶融して混練し、混練物を得た。混練物を加熱し、結晶性ポリエステル樹脂の結晶状態を調整(以下、温調と記載することがある)した。温調は、55℃で12時間行った。温調後、混練物を粉砕機(株式会社ホソカワケミクロン製「ロートプレックス(登録商標)16/8型」)で粗粉砕した。粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS」)を用いて、粗粉砕物を微粉砕した。得られた微粉砕物をエルボージェット(日鉄鉱業株式会社製「EJ−LABO型式EJ−L−3」)で分級して、体積中位径(D50)6.0μmのトナーコア1を得た。また、トナーコア1の摩擦帯電量は、−20μC/gであった。トナーコア1のゼータ電位は、−30mVであった。
温調を行った時間を12時間から表1に記載の時間に変更した以外は、トナーコア1と同様にして、それぞれトナーコア2〜3及びトナーコア7〜8を調製した。非晶性ポリエステル樹脂1を表1に記載の非晶性ポリエステル樹脂に変更した以外は、トナーコア1と同様にして、トナーコア4〜5及びトナーコア9〜10を調製した。温調を行わなかったこと以外は、トナーコア1と同様にして、トナーコア6を調製した。トナーコア2〜10の体積中位径(D50)は、いずれも6.0μmであった。トナーコア2〜10の摩擦帯電量は、いずれも−20μC/gであった。トナーコア2〜10のゼータ電位は、いずれも−30mVであった。
(4−1.トナー母粒子1の作製)
3つ口フラスコを反応容器として用いた。この反応容器は、熱電対、及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコである。反応容器に、イオン交換水300mLを入れた。その後、反応容器をウォーターバスに設置し、反応容器内の温度を30℃に保持した。次いで、反応容器内に希塩酸を加えて、反応容器内の水性媒体のpHを4に調整した。pH調整後、反応容器内に、シェル層の原料として熱可塑性樹脂水溶液(DIC株式会社製「BECKAMINE(登録商標) A−1」固形分濃度11質量%の水溶性ポリアクリルアミドの水溶液)4mLを添加した。次いで、反応容器内の内容物を攪拌し、シェル層の原料を水性媒体に溶解させ、シェル層の原料の水溶液(A)を得た。
トナーコア1をトナーコア2〜5に変更した以外は、トナー母粒子1と同様にして、それぞれトナー母粒子2〜5を含む分散液を得た。熱可塑性樹脂水溶液の添加量以外は、トナー母粒子1と同様にして、それぞれトナー母粒子6〜7を含む分散液を得た。トナーコア1をトナーコア6〜10に変更した以外は、トナー母粒子1と同様にして、それぞれトナー母粒子R1〜R5を含む分散液を得た。熱可塑性樹脂水溶液の添加量以外は、トナー母粒子1と同様にして、それぞれトナー母粒子R6〜R7を含む分散液を得た。トナー母粒子2〜14の有するシェル層の厚さを表2にまとめた。
ブフナーロートを用いて、トナー母粒子1を含む分散液からトナー母粒子1のウェットケーキを採取した。トナー母粒子1のウェットケーキを再度イオン交換水に分散させてトナー母粒子1を洗浄した。トナー母粒子1のイオン交換水による同様の洗浄を5回繰り返した。
洗浄工程を経た後、トナー母粒子1のウェットケーキを、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーを連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)に供給することにより、スラリー中のトナー母粒子1を乾燥させて、トナー母粒子1を得た。連続式表面改質装置の乾燥条件は、熱風温度45℃、ブロアー風量2m3/分であった。
容量10LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、乾燥工程で得られたトナー母粒子1:100質量部と、外添剤としてシリカ(日本アエロジル株式会社製「REA90」)1.0質量部とを5分間混合して外添剤を付着させた。その後、200メッシュ(目開き75μm)の篩によりトナー1を篩別した。
<8.X線回折スペクトルの測定>
試料(トナー)をX線回折装置(株式会社リガク製「RINT(登録商標) 1100」)のサンプルホルダーに充填して、以下の条件でX線回折スペクトルを測定した。得られたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θが23°以上25°以下の範囲に、結晶性樹脂に由来するピークが存在するか確認した。
X線管球:Cu
CuKα特性X線の波長:1.542Å
管電圧:40kV
管電流:30mA
測定範囲(2θ):15°以上30°以下(スタート角:15°、ストップ角:30°)
走査速度:10°/分
X線検出器:リガク株式会社製「Ultra」
トナー1.1質量部を10MPaの圧力で加圧成型し、直径1cmの円柱型の成型サンプル(体積1cm3)を作製した。作製した成型サンプルを測定用試料とした。高化式フローテスターに成型サンプルをセットした。常温高湿(温度:23℃±5℃、湿度:50%RH±10%RH)環境下において、以下の条件でトナーを溶融させて流出させた。このようにしてトナーのS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)を測定した。
プランジャー荷重:20kg/cm2
ダイス細孔径:1mm
ダイスの長さ:1mm
昇温速度6℃/分
予熱時間:5分
得られたS字カーブから前述の読み取り方法に基づいて、トナーの軟化開始温度Ts、流出開始温度Tfb、軟化温度T1/2を決定した。
日本画像学会から提供される標準キャリアN−01(負帯電極性トナー用標準キャリア)と、標準キャリアの質量に対して7質量%のトナーコアとを、ターブラ(登録商標)ミキサーを用いて30分間混合した。得られた混合物を測定用試料とした。Q/mメーター(TREK社製「MODEL 210HS−2A」)を用いて、標準キャリアと摩擦させた場合のトナーコアの摩擦帯電量を測定した。
トナーコア0.2gと、イオン交換水80g(80mL)及び1%濃度のノニオン系界面活性剤(日本触媒株式会社製「K−85」ポリビニルピロリドン)20gとを、マグネットスターラーを用いて混合し、トナーコアを均一に溶媒に分散させて分散液を得た。その後、分散液に希塩酸を加えて、分散液のpHを4に調整し、pH4のトナーコアの分散液を得た。pH4のトナーコアの分散液を測定試料として用い、分散液中のトナーコアのゼータ電位を、ゼータ電位・粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製「Delsa Nano HC」)を用いて測定した。
<12.トナーの帯電安定性>
(12−1.トナーの帯電量)
Cu−Znフェライトキャリア(パウダーテック株式会社製、体積固有抵抗値1×107Ω・cm、飽和磁化70emu/g、粒子径35μm)を、フッ素樹脂(総研化学社製「LF−40」)のキシレン溶液(固形分濃度5%)で被覆し、その後フッ素樹脂で被覆されたCu−Znフェライトキャリアを220℃で1時間焼成した。その後、得られた焼成物を冷却した後、解砕して樹脂被覆量20質量%の樹脂被覆フェライトキャリアを得た。得られた樹脂被覆フェライトキャリアと、試料(トナー)とを、ボールミルを用いて30分間混合し、トナー濃度10質量%の評価用現像剤(2成分現像剤)を調製した。
○(良い):初期のトナーの帯電量、及び耐刷試験後のトナーの帯電量が、ともに15μC/g以上25μC/g以下であった。
×(悪い):初期のトナーの帯電量、及び耐刷試験後のトナーの帯電量のうち少なくとも一方が、15μC/g未満、又は25μC/g超であった。
トナーの帯電量測定で用いた2成分現像剤と同様の2成分現像剤(評価用現像剤)を調製した。評価機としてカラープリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5300DN」)を用いた。評価用現像剤を評価機の現像装置に投入し、試料(トナー)を評価機のトナーコンテナに投入した。評価機を用いて、常温常湿(温度:20℃、湿度:65%RH)環境下及び線速170mm/秒にて、印字率5%で1枚印字した後に、印字率100%のソリッド画像を形成した。評価用画像は、トナー量0.4mg/cm2の正方形(30mm×30mm)のソリッド画像(0.4mg/cm2)であった。記録媒体は、カラー兼用紙(富士ゼロックス株式会社製「C2紙」70g/m2)であった。形成したソリッド画像の画像濃度を、反射濃度計(X−Rite社製「SpectroEye(登録商標)LT」)を用いて測定した。得られた画像濃度を初期の画像濃度とした。続けて、評価機を用いて、常温常湿(温度:20℃、湿度:65%RH)環境下及び線速170mm/秒にて、印字率5%で10,000枚印字した後、印字率100%のソリッド画像を形成した。形成したソリッド画像の画像濃度を、反射濃度計(X−Rite社製「SpectroEye(登録商標)LT」)を用いて測定した。得られた画像濃度を耐刷試験(10K)後の画像濃度とした。
試料(トナー)3gを容量20mLのポリ容器に秤量し、60℃に設定された恒温器内に3時間静置することで、耐熱保存性評価用の試料を得た。その後、保存性評価用の試料を、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)のマニュアルに従い、レオスタッド目盛り2、時間30秒の条件で、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。篩別後に、篩上に残留した試料の質量を測定した。篩別前の試料の質量と、篩別後に篩上に残留した試料の質量とから、下記の数式(4)に従ってトナーの凝集度(質量%)を算出した。
凝集度(質量%)=(篩上に残留した試料の質量/篩別前の試料の質量)×100・・・(4)
算出された凝集度から、下記基準に従ってトナーの耐熱保存性を評価した。
○(良い):凝集度が10質量%以下であった。
×(悪い):凝集度が10質量%超であった。
(14−1.最低定着温度)
トナーの帯電量測定で用いた2成分現像剤と同様の2成分現像剤(評価用現像剤)を調製した。評価機としてカラープリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5400DN」)の改造機を用いた。この評価機は、定着装置をRoller−Roller方式の加熱加圧型に改造したカラープリンターである。評価機を用いて、線速200mm/秒、ニップ通過時間40ミリ秒、ニップ幅8mm、トナー載り量1.0mg/cm2の条件で、90g/m2の紙(A4サイズの評価用紙)に、大きさ25mm×25mm、印字率100%のソリッド画像を形成した。続けて、画像が形成された紙を定着装置に通し、画像を形成した。得られた定着後の画像を折り曲げ、1kgの分銅にて5往復し、折り目の剥がれた幅が1mm未満となるか確認した。折り目の剥がれた幅が1mm未満となる画像をコールドオフセットが発生しない画像であると評価した。定着温度の設定範囲は100℃以上200℃以下であった。詳しくは、定着装置の定着温度を100℃から徐々に上昇させて、コールドオフセットが発生せずにトナー(ソリッド画像)を紙に定着できる最低温度(最低定着温度)を決定した。得られた最低定着温度から、下記の基準に基づいてトナーの低温定着性を評価した。
○(良い):最低定着温度が140℃以下であった。
×(悪い):最低定着温度が140℃超であった。
定着OWを求めるには、最低定着温度及び最高定着温度が必要となる。最低定着温度は前述のように求めた。最高定着温度は、以下のようにして測定した。トナーの帯電量測定で用いた2成分現像剤と同様の2成分現像剤(評価用現像剤)を調製した。評価機としてカラープリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5400DN」)の改造機を用いた。この評価機は、定着装置をRoller−Roller方式の加熱加圧型に改造したカラープリンターである。評価機を用いて、線速200mm/秒、ニップ通過時間40ミリ秒、ニップ幅8mm、トナー載り量1.0mg/cm2の条件で、90g/m2の紙(A4サイズの評価用紙)に、大きさ25mm×25mm、印字率100%のソリッド画像を形成した。続けて、画像が形成された紙(未定着画像紙)を定着装置に通し画像を形成した。続けて、画像が形成されていない紙(未形成紙)を1枚定着装置に通し、評価用の紙とした。より具体的には、定着装置は定着ローラーを備えていた。定着ローラーの周面が、記録媒体と接触して回転しながら画像を定着した。定着ローラーが一回転することで、未定着紙上の画像が定着され、定着ローラーの次の一回転で未形成紙が定着ローラーの周面と接触した。得られた評価用の紙を目視で観察した。印字率100%のソリッド画像の一部が、定着ローラーを介して評価用の紙に移っていないか確認した。評価用の紙に印字率100%のソリッド画像の一部が移っていない場合、ホットオフセットは発生していないと評価した。定着温度の設定範囲は100℃以上200℃以下であった。詳しくは、定着装置の定着温度を200℃から徐々に降下させて、ホットオフセットが発生せずにトナー(ソリッド画像)を紙に定着できる最高温度(最高定着温度)を決定した。得られた最高定着温度、及び前述の最低定着温度から、数式(3)を用いて定着OWを求めた。得られた定着OWから、下記の基準に基づいて定着OWを評価した。
○(良い):定着OWが40℃以上であった。
×(悪い):定着OWが40℃未満であった。
トナーの帯電量測定で用いた2成分現像剤と同様の2成分現像剤(評価用現像剤)を調製した。評価機としてページプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社「FS−C5300DN」)を用いた。評価用現像剤を評価機の現像機に投入し、試料(トナー)を評価機のトナーコンテナに投入した。評価機を用いて常温常湿(温度:20℃、湿度:65%RH)環境下及び線速170mm/秒で、評価用画像を記録媒体に形成した。評価用画像は、トナー量0.4mg/cm2の正方形(30mm×30mm)のソリッド画像(0.4mg/cm2)であった。記録媒体は、カラー兼用紙(富士ゼロックス株式会社製「C2紙」70g/m2)であった。グロスチェッカー(株式会社堀場製作所製「IG−331」)を用いて、得られた評価用画像のグロスを測定した。得られたグロス値から、下記の基準に従って画像のグロス性を評価した。
○(良い):グロス値が5以上15以下であった。
×(悪い):グロス値が5未満又は15超であった。
Tfb 流出開始温度
T1/2 軟化温度
Claims (4)
- 複数のトナー粒子を含む静電潜像現像用トナーであって、
前記トナー粒子は、トナーコアと、前記トナーコアを被覆するシェル層とを含み、
前記トナーコアは、結着樹脂を含み、
前記結着樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とからなり、
前記シェル層は、熱可塑性樹脂を含み、
前記シェル層の厚さは、5nm以上50nm以下であり、
CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θが23°以上25°以下の範囲にピークを有し、前記ピークは、前記結晶性ポリエステル樹脂に由来するピークであり、
高化式フローテスターで測定される軟化開始温度Tsが数式(1)を満たし、高化式フローテスターで測定される流出開始温度Tfbと軟化温度T1/2とが数式(2)を満たす、静電潜像現像用トナー。
55℃≦Ts≦70℃・・・(1)
20℃≦|Tfb−T1/2|≦25℃・・・(2) - 前記結晶性ポリエステル樹脂は、1,6−ヘキサンジオールに由来する繰返し単位と、1,10−デカンジカルボン酸に由来する繰返し単位とを含む、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリアクリルアミド樹脂である、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記流出開始温度Tfbが60℃以上130℃以下であり、前記軟化温度T1/2が80℃以上150℃以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015230829A JP6459929B2 (ja) | 2015-11-26 | 2015-11-26 | 静電潜像現像用トナー |
Applications Claiming Priority (1)
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