JP6569561B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、静電潜像現像用トナーに関する。
例えば特許文献1では、トナーの熱流動特性(特に、流出開始温度及び軟化点)及び貯蔵弾性率温度依存性曲線(特に、ショルダー温度)に着目して、トナーの低温定着性及び耐熱保存性の両立を図っている。
特許第5624830号公報
特許文献1に開示される技術により、トナーの熱流動特性及び貯蔵弾性率温度依存性曲線を調整することで、トナーの低温定着性及び耐熱保存性の両立を図ることは可能である。しかしながら、トナーの耐ホットオフセット性及びグロスについては、いまだ改善の余地が残されている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性、及びグロスに優れる静電潜像現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明に係る静電潜像現像用トナーは、結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を、複数含む。前記トナーの貯蔵弾性率温度依存性曲線においては、温度69℃以上93℃以下かつ貯蔵弾性率1.00×106Pa以上1.00×107Pa以下の範囲にショルダーが存在し、温度180℃の貯蔵弾性率が1.00×103Pa以上1.00×104Pa以下である。フローテスターで測定された前記トナーの軟化点は、115℃以上125℃以下である。
本発明によれば、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性、及びグロスに優れる静電潜像現像用トナーを提供することが可能になる。
本発明の実施形態に係るトナーの貯蔵弾性率温度依存性曲線の一例を示す図である。 比較例に係るトナーの貯蔵弾性率温度依存性曲線を示す図である。 Tm(軟化点)の測定方法を説明するための図である。
本発明の実施形態について説明する。なお、粉体(より具体的には、トナー母粒子、外添剤、又はトナー等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から平均的な粒子を相当数選び取って、それら平均的な粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された1次粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−750」)を用いて測定した値である。また、ガラス転移点(Tg)は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて「JIS(日本工業規格)K7121−2012」に従って測定した値である。また、軟化点(Tm)は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。また、酸価及び水酸基価の各々の測定値は、何ら規定していなければ、「JIS(日本工業規格)K0070−1992」に従って測定した値である。また、SP値(溶解度パラメーター)は、何ら規定していなければ、Fedorsの計算方法(R.F.Fedors,「Polymer Engineering and Science」,1974年,第14巻,第2号,p147−154)に従って算出した値(単位:(cal/cm31/2、温度:25℃)である。SP値は、式「SP値=(E/V)1/2」(E:分子凝集エネルギー[cal/mol]、V:分子容[cm3/mol])で表される。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
本実施形態に係るトナーは、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態のトナーは、複数のトナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)を含む粉体である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して2成分現像剤を調製してもよい。高画質の画像を形成するためには、キャリアとしてフェライトキャリアを使用することが好ましい。また、長期にわたって高画質の画像を形成するためには、キャリアコアと、キャリアコアを被覆する樹脂層とを備える磁性キャリア粒子を使用することが好ましい。キャリア粒子に磁性を付与するためには、磁性材料(例えば、フェライト)でキャリアコアを形成してもよいし、磁性粒子を分散させた樹脂でキャリアコアを形成してもよい。また、キャリアコアを被覆する樹脂層中に磁性粒子を分散させてもよい。高画質の画像を形成するためには、2成分現像剤におけるトナーの量は、キャリア100質量部に対して、5質量部以上15質量部以下であることが好ましい。なお、2成分現像剤に含まれる正帯電性トナーは、キャリアとの摩擦により正に帯電する。
本実施形態に係るトナーは、例えば電子写真装置(画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。以下、電子写真装置による画像形成方法の一例について説明する。
まず、画像データに基づいて感光体(例えば、感光体ドラムの表層部)に静電潜像を形成する。次に、形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いて現像する。現像工程では、感光体の近傍に配置された現像スリーブ(例えば、現像装置内の現像ローラーの表層部)上のトナー(例えば、キャリア又はブレードとの摩擦により帯電したトナー)を静電潜像に付着させて、感光体上にトナー像を形成する。そして、続く転写工程では、感光体上のトナー像を中間転写体(例えば、転写ベルト)に転写した後、さらに中間転写体上のトナー像を記録媒体(例えば、紙)に転写する。その後、トナーを加熱して、記録媒体にトナーを定着させる。その結果、記録媒体に画像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの4色のトナー像を重ね合わせることで、フルカラー画像を形成することができる。
本実施形態に係るトナーは、複数のトナー粒子を含む。トナー粒子は、外添剤を備えていてもよい。トナー粒子が外添剤を備える場合には、トナー粒子はトナー母粒子と外添剤とを備える。外添剤はトナー母粒子の表面に付着する。トナー母粒子は、結着樹脂を含有する。トナー母粒子は、必要に応じて、結着樹脂以外に、内添剤(例えば、離型剤、着色剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を含有していてもよい。なお、必要がなければ外添剤を割愛してもよい。外添剤を割愛する場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、シェル層を備えないトナー粒子(以下、非カプセルトナー粒子と記載する)であってもよいし、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載する)であってもよい。カプセルトナー粒子では、トナー母粒子が、コアと、コアの表面を覆うシェル層とを備える。シェル層は、実質的に樹脂から構成される。例えば、低温で溶融するコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図ることが可能になる。シェル層を構成する樹脂中に添加剤が分散していてもよい。シェル層は、コアの表面全体を覆っていてもよいし、コアの表面を部分的に覆っていてもよい。トナーの定着性を向上させるためには、カプセルトナー粒子のコアが、実質的に熱可塑性樹脂から構成されることが好ましい。カプセルトナー粒子では、後述する非カプセルトナー粒子におけるトナー母粒子をコアとして使用できる。シェル層は、実質的に熱硬化性樹脂から構成されてもよいし、実質的に熱可塑性樹脂から構成されてもよいし、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との両方を含有していてもよい。
本実施形態に係るトナーは、次に示す基本構成を有する静電潜像現像用トナーである。
(トナーの基本構成)
トナーが、結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を、複数含む。トナーの貯蔵弾性率温度依存性曲線(縦軸:貯蔵弾性率、横軸:温度)においては、温度69℃以上93℃以下かつ貯蔵弾性率1.00×106Pa以上1.00×107Pa以下の範囲にショルダーが存在し、温度180℃の貯蔵弾性率が1.00×103Pa以上1.00×104Pa以下である。フローテスターで測定されたトナーの軟化点は、115℃以上125℃以下である。なお、貯蔵弾性率温度依存性曲線の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。
上記基本構成を有するトナーは、貯蔵弾性率温度依存性曲線(以下、G’温度依存性曲線と記載する)について、次に示す特性を有する。
・温度60℃以上の領域にショルダーが存在する。以下、温度60℃以上の領域に存在するショルダーを高温ショルダーと記載し、温度60℃未満の領域に存在するショルダーを低温ショルダーと記載する。
・高温ショルダーの温度(以下、ショルダー温度TSと記載する)が69℃以上93℃以下である。
・高温ショルダーの貯蔵弾性率(以下、貯蔵弾性率G’Sと記載する)が1.00×106Pa以上1.00×107Pa以下である。
・温度180℃の貯蔵弾性率(以下、貯蔵弾性率G’180と記載する)が1.00×103Pa以上1.00×104Pa以下である。
図1に、上記基本構成を有するトナーのG’温度依存性曲線の一例を示す。図1に示すG’温度依存性曲線には、温度範囲25℃以上200℃以下において、2つのショルダーS1及びS2が存在する。ショルダーS1は、低温ショルダーに相当する。ショルダーS1の温度は、例えば25℃以上55℃以下である。ショルダーS2は高温ショルダーに相当する。ショルダーS2の温度(ショルダー温度TS)は69℃以上93℃以下である。ショルダー温度TSは、例えば、トナーのTg(ガラス転移点)よりも高い。なお、トナーの温度を常温(約25℃)から一定速度で上昇させた場合、トナーの温度の上昇に伴ってトナーの貯蔵弾性率が低下する傾向がある。また、トナーのG’温度依存性曲線中にショルダーが存在する場合には、トナーの温度が上昇してショルダーの温度になった時点でトナーの貯蔵弾性率が急激に低下し始め、ある程度の期間そのまま大きな変化率でトナーの貯蔵弾性率が低下した後、次第にその変化率が小さくなる傾向がある。ショルダーの温度では、トナーの貯蔵弾性率の変化率(G’温度依存性曲線の傾きに相当)が急激に変化する。G’温度依存性曲線において、傾きが急激に変わっている箇所(一点)が明確に判断できない場合には、傾きが急激に変わる前の曲線の接線と、傾きが急激に変わった後の曲線の接線との交点を、ショルダーとする。
比較例として、高温ショルダーが存在しないG’温度依存性曲線を、図2に示す。図2に示すG’温度依存性曲線には、温度範囲25℃以上200℃以下において、1つのショルダーS1のみが存在する。ショルダーS1は、低温ショルダーに相当する。
高温ショルダーが存在するトナーのG’温度依存性曲線を得るためには、トナー粒子中に、結晶性指数0.90以上1.15未満の結晶性ポリエステル樹脂を含有させることが好ましく、結晶性指数0.95以上1.05未満の結晶性ポリエステル樹脂を含有させることがより好ましい。樹脂の結晶性指数は、樹脂の融点(Mp)に対する樹脂の軟化点(Tm)の比率(=Tm/Mp)に相当する。非結晶性樹脂については、明確なMpを測定できないことが多い。樹脂のMp及びTmはそれぞれ、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法で測定できる。結晶性ポリエステル樹脂の結晶性指数は、結晶性ポリエステル樹脂を合成するための材料(例えば、アルコール及び/又はカルボン酸)の種類又は使用量を変更することで、調整できる。トナー粒子は、結晶性ポリエステル樹脂を1種類だけ含有してもよいし、2種以上の結晶性ポリエステル樹脂を含有してもよい。
ショルダー温度TS、貯蔵弾性率G’S、及び貯蔵弾性率G’180は、例えば、トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の種類及び量を変えることで、調整できる。トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の融点が高いほど、ショルダー温度TSが高くなる傾向がある。
また、上記基本構成を有するトナーでは、フローテスターで測定されたトナーのTm(軟化点)が115℃以上125℃以下である。詳しくは、フローテスターで測定されたトナーのS字カーブ(縦軸:ストローク、横軸:温度)から、トナーのTm(軟化点)を読み取ることができる。例えば、図3に示されるS字カーブにおいて、ストロークの最大値をS1とし、低温側のベースラインのストローク値をS2とすると、S字カーブ中のストロークの値が「(S1+S2)/2」となる温度が、Tm(軟化点)に相当する。
上記基本構成を有するトナーでは、トナー粒子が、結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂を含有する。また、トナーのG’温度依存性曲線では、温度69℃以上93℃以下の高温ショルダーが存在する。こうした高温ショルダーがトナーのG’温度依存性曲線中に存在する場合、トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の結晶化速度は速い傾向がある。結晶化速度の速い結晶性ポリエステル樹脂をトナー粒子に含有させることで、十分なトナーの耐熱保存性を確保し易くなる。高温ショルダーが存在しない場合、又は高温ショルダーの温度(ショルダー温度TS)が低過ぎる場合には、トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂(ひいては、トナー)のシャープメルト性が強くなり過ぎる傾向がある。トナーのシャープメルト性が強過ぎると、トナーにより形成される画像の光沢度が定着温度の変化に応じて大きく変化し易くなり、画像にグロスむらが生じ易くなる。他方、高温ショルダーの温度(ショルダー温度TS)が高過ぎる場合には、トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂(ひいては、トナー)のシャープメルト性が弱くなり過ぎる傾向がある。トナーのシャープメルト性が弱過ぎると、トナーの低温定着性が不十分になり易くなる。なお、ショルダー温度TSとしては、75℃以上85℃以下の温度が特に好ましい。
上記基本構成を有するトナーのG’温度依存性曲線では、高温ショルダーの貯蔵弾性率(貯蔵弾性率G’S)が1.00×106Pa以上1.00×107Pa以下である。貯蔵弾性率G’Sが大き過ぎる場合には、トナー溶融の初動(溶け始め)が遅くなる傾向がある。トナー溶融の初動が遅くなると、トナーの低温定着性が不十分になり易い。他方、貯蔵弾性率G’Sが小さ過ぎる場合には、トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の結晶化が弱い(十分に結晶化しない)傾向がある。トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の結晶化が弱い場合、トナーの耐熱保存性が不十分になり易い。なお、貯蔵弾性率G’Sとしては、5.00×106Pa以上8.00×106Pa以下の貯蔵弾性率が特に好ましい。
上記基本構成を有するトナーのG’温度依存性曲線では、温度180℃の貯蔵弾性率(貯蔵弾性率G’180)が1.00×103Pa以上1.00×104Pa以下である。貯蔵弾性率G’180が大き過ぎる場合には、トナーの高い弾性に起因して画像のグロスが不十分になり易くなる。他方、貯蔵弾性率G’180が小さ過ぎる場合には、高温定着時にトナーのオフセット(ホットオフセット)が生じ易くなる。なお、貯蔵弾性率G’180としては、6.00×103Pa以上8.00×103Pa以下の貯蔵弾性率が特に好ましい。
さらに発明者は、トナー粒子中のゲル分(軟らかい成分)の量を適切な範囲に調整することで、トナーの耐ホットオフセット性及びグロスを両立させることができることを見出した。フローテスターで測定されたトナーの軟化点(Tm)が高いほど、トナー粒子中にゲル分が多い傾向がある。トナー粒子中のゲル分の量が多過ぎても少な過ぎても、トナーにより形成される画像にグロスむらが生じ易くなる。また、トナー粒子中のゲル分の量が少な過ぎる場合には、高温定着時にトナーのオフセット(ホットオフセット)が生じ易くなる。上記基本構成を有するトナーでは、フローテスターで測定されたトナーのTmが115℃以上125℃以下である。上述の、ショルダー温度TS、貯蔵弾性率G’S、及び貯蔵弾性率G’180に加えて、さらに軟化点(Tm)を、上記基本構成で規定される範囲にすることで、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性、及びグロスに優れる静電潜像現像用トナーが得られる。なお、トナーのTmとしては、120℃以上125℃以下が特に好ましい。
トナーの耐ホットオフセット性を向上させるためには、トナー粒子中の非結晶性ポリエステル樹脂の分子量を大きくすることも考えられる。しかし、分子量の大きい非結晶性ポリエステル樹脂をトナー粒子に含有させると、画像にグロスむらが生じ易くなる。この理由は、トナー粒子中のゲル分が十分に溶融せず、画像(トナー)表面の平滑性を阻害するためであると考えられる。トナーの耐ホットオフセット性及びグロスの両立を図るためには、非結晶性ポリエステル樹脂中のテトラヒドロフラン不溶分の割合が15質量%以上25質量%以下であることが好ましい。
耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性、及びグロスに優れるトナーを得るためには、結晶性ポリエステル樹脂の量は、非結晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して15質量部以上25質量部以下であることが好ましい。
トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図るためには、トナー母粒子の体積中位径(D50)が4μm以上9μm以下であることが好ましい。
以下、非カプセルトナー粒子の構成の好適な例について説明する。トナー母粒子及び外添剤について、順に説明する。トナーの用途に応じて必要のない成分(例えば、内添剤又は外添剤)を割愛してもよい。
[トナー母粒子]
(結着樹脂)
トナー母粒子では、一般に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、水酸基価、酸価、Tg、又はTm等)を調整することができる。結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナー母粒子はアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合には、トナー母粒子はカチオン性になる傾向が強くなる。
前述の基本構成を有するトナーでは、トナー母粒子が、結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂を含有する。ポリエステル樹脂は、1種以上のアルコールと1種以上のカルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂はアルコール成分と酸成分とを含む。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、ジオール類又はビスフェノール類等)又は3価以上のアルコールを好適に使用できる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸を好適に使用できる。
ジオール類の好適な例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジ1,2−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリ1,2−プロパンジオール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノール類の好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、又はイソドデシルコハク酸等)、又はアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、又はイソドデセニルコハク酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性、及びグロスに優れるトナーを得るためには、トナー母粒子が、次に示す第1結晶性ポリエステル樹脂及び第2結晶性ポリエステル樹脂の少なくとも一方を含有することが好ましい。
第1結晶性ポリエステル樹脂は、酸成分としてフマル酸を含む結晶性ポリエステル樹脂である。第1結晶性ポリエステル樹脂は、アルコール成分として1種以上のビスフェノール類(より具体的には、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物等)を含んでいてもよい。
第2結晶性ポリエステル樹脂は、酸成分としてセバシン酸を含む結晶性ポリエステル樹脂である。
第1結晶性ポリエステル樹脂及び第2結晶性ポリエステル樹脂はそれぞれ、アルコール成分として1種以上のジオール類(より具体的には、1,4−ブタンジオール又は1,6−ヘキサンジオール等)を含むことが好ましい。
トナー母粒子において結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂とを適度に相溶させるためには、トナー母粒子が、SP値10.0以上12.0以下の結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
トナー母粒子において結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂とを適度に相溶させるためには、トナー母粒子が、非結晶性ポリエステル樹脂として、1種以上のビスフェノール類(より具体的には、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物等)と1種以上の2価カルボン酸と1種以上の3価カルボン酸との重合体を含有することが好ましく、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物とビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物とドデセニルコハク酸とテレフタル酸とトリメリット酸との重合体を含有することが特に好ましい。耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性、及びグロスに優れるトナーを得るためには、非結晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分及び酸成分の総量(100モル%)に対して、3価カルボン酸の量(非結晶性ポリエステル樹脂の酸成分に複数種の3価カルボン酸が含まれる場合には、それらの合計量)が3モル%以上15モル%以下であることが好ましい。非結晶性ポリエステル樹脂中の3価カルボン酸の量が多いほどトナー粒子中のゲル分の量が多くなる傾向がある。
また、トナー母粒子は、結着樹脂として、ポリエステル樹脂以外の樹脂を含有してもよい。ポリエステル樹脂以外の結着樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂のような熱可塑性樹脂が好ましい。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として好適に使用できる。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。着色剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含んでいてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー母粒子は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含んでいてもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを好適に使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を好適に使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを好適に使用できる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含んでいてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素ワックス;酸化ポリエチレンワックス又はそのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物性ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物性ワックス;オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムのような鉱物ワックス;モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような、脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを好適に使用できる。1種類の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナー母粒子に添加してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナー母粒子に負帯電性の電荷制御剤(より具体的には、有機金属錯体又はキレート化合物等)を含ませることで、トナー母粒子のアニオン性を強めることができる。また、トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤(より具体的には、ピリジン、ニグロシン、又は4級アンモニウム塩等)を含ませることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナー母粒子に電荷制御剤を含ませる必要はない。
(磁性粉)
トナー母粒子は、磁性粉を含んでいてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれら金属の1種以上を含む合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)を好適に使用できる。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
[外添剤]
トナー母粒子の表面に外添剤(詳しくは、複数の外添剤粒子を含む粉体)を付着させてもよい。例えば、トナー母粒子(粉体)と外添剤(粉体)とを一緒に攪拌することで、物理的な力でトナー母粒子の表面に外添剤が付着(物理的結合)する。外添剤は、例えばトナーの流動性又は取扱性を向上させるために使用される。トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の量が、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。また、トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の粒子径は0.01μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
外添剤粒子としては、無機粒子が好ましく、シリカ粒子、又は金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)の粒子が特に好ましい。1種類の外添剤を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤を併用してもよい。
[トナーの製造方法]
前述の基本構成を有するトナーを容易かつ好適に製造するためには、例えば、次に示す溶融混練工程、粉砕工程、洗浄工程、乾燥工程、及び外添工程を含むトナーの製造方法が好ましい。
(溶融混練工程)
以下、溶融混練工程の一例について説明する。溶融混練工程では、結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂を含むトナー材料(例えば、結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、着色剤、離型剤、及び電荷制御剤)を混合して、混合物を得る。続けて、得られた混合物を溶融混練し、溶融混練物を得る。トナー材料の混合には、混合装置(例えば、FMミキサー)を好適に使用できる。混合物の溶融混練には、二軸押出機、三本ロール混練機、又は二本ロール混練機を好適に使用できる。なお、トナー材料としては、結着樹脂及び着色剤を含むマスターバッチを用いてもよい。
(粉砕工程)
以下、粉砕工程の一例について説明する。まず、ドラムフレーカーのような冷却固化装置を用いて溶融混練物を冷却することにより固化する。続けて、第1の粉砕装置を用いて、得られた固化物を粗粉砕する。その後、得られた粗粉砕物を、第2の粉砕装置を用いてさらに粉砕し、所望の粒子径を有する粉体を得る。
(洗浄工程)
粉砕工程の後、例えば水を用いてトナー母粒子を洗浄してもよい。トナー母粒子の洗浄方法としては、例えば、トナー母粒子を含む分散液を固液分離して、ウェットケーキ状のトナー母粒子を回収し、回収されたウェットケーキ状のトナー母粒子を水で洗浄する方法が好ましい。また、トナー母粒子の洗浄方法としては、トナー母粒子を含む分散液中のトナー母粒子を沈降させ、上澄み液を水と置換し、置換後にトナー母粒子を水に再分散させる方法が好ましい。
(乾燥工程)
洗浄工程の後、トナー母粒子を乾燥してもよい。例えば、乾燥機(より具体的には、スプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、又は減圧乾燥機等)を用いてトナー母粒子を乾燥することができる。乾燥中のトナー母粒子の凝集を抑制するためには、スプレードライヤーを用いてトナー母粒子を乾燥することが好ましい。スプレードライヤーを用いる場合には、例えば、外添剤(より具体的には、シリカ粒子等)が分散した分散液をトナー母粒子に噴霧することで、乾燥工程と後述の外添工程とを同時に行うことが可能になる。
(外添工程)
トナー母粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。混合機を用いて、トナー母粒子に外添剤が埋め込まれないような条件でトナー母粒子と外添剤とを混合することで、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させることができる。
上記工程により、トナー粒子を多数含むトナーを製造することができる。なお、必要のない工程は割愛してもよい。例えば、市販品をそのまま材料として用いることができる場合には、市販品を用いることで、その材料を調製する工程を割愛できる。また、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させない(外添工程を割愛する)場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。また、所定の化合物を得るために、原料として、その化合物の塩、エステル、水和物、又は無水物を使用してもよい。効率的にトナーを製造するためには、多数のトナー粒子を同時に形成することが好ましい。同時に製造されたトナー粒子は、互いに略同一の構成を有すると考えられる。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係るトナーTA−1〜TA−9及びTB−1〜TB−9(それぞれ静電潜像現像用トナー)を示す。また、表2及び表3には、表1に示されるトナーの製造に用いられる結晶性ポリエステル樹脂A1〜A4及び非結晶性ポリエステル樹脂B1〜B5を示す。
Figure 0006569561
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以下、トナーTA−1〜TA−9及びTB−1〜TB−9の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。また、Tg(ガラス転移点)、Mp(融点)、及びTm(軟化点)の測定方法はそれぞれ、何ら規定していなければ、次に示すとおりである。
<Tg及びMpの測定方法>
測定装置として、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いた。測定装置を用いて試料の吸熱曲線を測定することにより、試料のTg及びMpを求めた。具体的には、試料(例えば、ポリエステル樹脂)約15mgをアルミ皿(アルミニウム製の容器)に入れて、そのアルミ皿を測定装置の測定部にセットした。また、リファレンスとして空のアルミ皿を使用した。吸熱曲線の測定では、測定部の温度を、測定開始温度10℃から150℃まで10℃/分の速度で昇温させた(RUN1)。その後、測定部の温度を150℃から10℃まで10℃/分の速度で降温させた。続けて、測定部の温度を再び10℃から150℃まで10℃/分の速度で昇温させた(RUN2)。RUN2により、試料の吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)を得た。得られた吸熱曲線から、試料のMp及びTgを読み取った。吸熱曲線中、融解熱による最大ピーク温度が試料のMp(融点)に相当する。また、吸熱曲線中、比熱の変化点(ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点)の温度(オンセット温度)が試料のTg(ガラス転移点)に相当する。
<Tmの測定方法>
高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)に試料(例えば、トナー)をセットし、ダイス細孔径1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、昇温速度6℃/分の条件で、1cm3の試料を溶融流出させて、試料のS字カーブ(縦軸:ストローク、横軸:温度)を求めた。続けて、得られたS字カーブから試料のTmを読み取った。
[トナーの製造方法]
(結晶性ポリエステル樹脂の合成)
温度計(熱電対)、脱水管、窒素導入管、及び攪拌装置を備えた容量5Lの4つ口フラスコ内に、表2に示すアルコール成分(成分1)及び酸成分(成分2)と、1,4−ベンゼンジオール2.5gとを入れた。例えば、結晶性ポリエステル樹脂A1の合成では、アルコール成分として、1,6−ヘキサンジオール1360g(95モル部)及びBPA−PO(ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物)220g(5モル部)を添加し、酸成分として、フマル酸2100g(100モル部)を添加した(表2参照)。
続けて、温度170℃でフラスコ内容物を5時間反応させた。続けて、温度210℃でフラスコ内容物を1.5時間反応させた。続けて、減圧雰囲気(圧力8kPa)かつ温度210℃の条件で、反応生成物(樹脂)の軟化点(Tm)が表2に示す温度になるまで、フラスコ内容物を反応させた。その結果、結晶性ポリエステル樹脂(結晶性ポリエステル樹脂A1〜A4)が得られた。得られた結晶性ポリエステル樹脂A1〜A4の物性は、表2に示すとおりであった。例えば、結晶性ポリエステル樹脂A1に関しては、軟化点(Tm)が82.2℃、融点(Mp)が84.5℃、結晶性指数が0.97、酸価(AV)が1mgKOH/g、水酸基価(OHV)が14mgKOH/g、SP値が10.9であった。
(非結晶性ポリエステル樹脂の合成)
温度計(熱電対)、脱水管、窒素導入管、及び攪拌装置を備えた容量5Lの4つ口フラスコ内に、表3に示すアルコール成分(成分1)及び酸成分(成分2)と、酸化ジブチル錫4gとを入れた。例えば、非結晶性ポリエステル樹脂B1の合成では、アルコール成分として、BPA−PO(ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物)1750g(35モル部)及びBPA−EO(ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物)1620g(33モル部)を添加し、酸成分として、n−ドデセニル無水コハク酸270g(5モル部)、テレフタル酸1000g(20モル部)、及び無水トリメリット酸300g(7モル部)を添加した(表3参照)。
続けて、温度220℃でフラスコ内容物を9時間反応させた。続けて、減圧雰囲気(圧力8kPa)で、反応生成物(樹脂)の軟化点(Tm)が表3に示す温度になるまで、フラスコ内容物を反応させた。その結果、非結晶性ポリエステル樹脂(非結晶性ポリエステル樹脂B1〜B5)が得られた。得られた非結晶性ポリエステル樹脂B1〜B5の物性は、表3に示すとおりであった。例えば、非結晶性ポリエステル樹脂B1に関しては、軟化点(Tm)が130.1℃、ガラス転移点(Tg)が56.2℃、THF不溶分(ゲル分に相当)の割合が20質量%、酸価(AV)が15mgKOH/g、水酸基価(OHV)が41mgKOH/gであった。なお、THF(テトラヒドロフラン)不溶分の割合(単位:質量%)は、次に示す方法で測定した。
<THF不溶分の測定方法>
容量5mLのサンプル瓶に、THF(テトラヒドロフラン)5mLと、試料(非結晶性ポリエステル樹脂)100mgとを入れて、温度25℃かつ湿度50%RHの環境下で12時間静置した。続けて、シリンジを用いて、サンプル瓶内の上澄み液0.1mLをサンプルパン(アルミニウム製容器)に移した。続けて、そのサンプルパンを、熱重量測定装置(パーキンエルマー社製「Pyris1 TGA」、測定方式:下吊り式の天秤)にセットした。その後、熱重量測定装置の測定部(サンプルパン周辺)の温度をコントロールして、サンプルパン内のTHFを蒸発させた。詳しくは、熱重量測定装置において、熱風温度を35℃から速度35℃/分で100℃まで上昇させた後、熱風温度100℃で10分間保った。続けて、THFを蒸発させた後にサンプルパン内に残った固形分(THF溶解分)の質量M(単位:mg)を測定した。得られた質量Mは、上澄み液0.1mLについての測定値である。よって、THF5mLに投入した試料100mgのうち、THFに溶解した分は「質量M×50」(単位:mg)に相当する。また、試料(非結晶性ポリエステル樹脂)中のテトラヒドロフラン不溶分(THF不溶分)の割合(単位:質量%)は、「100−(質量M×50)」に相当する。
(トナー母粒子の作製)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、結着樹脂(各トナーに定められた、表1に示される結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂)と、着色剤(カーボンブラック:三菱化学株式会社製「MA−100」)5質量部と、離型剤(エステルワックス:日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」)4質量部と、電荷制御剤(4級アンモニウム塩:オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」)1質量部とを混合した。例えば、トナーTA−1の製造では、結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂A1を20質量部、非結晶性ポリエステル樹脂B1を100質量部、それぞれ添加した(表1参照)。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度6kg/時、軸回転速度160rpm、シリンダー温度120℃の条件で溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、冷却された混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)16/8型」)を用いて粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS型」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)7μmのトナー母粒子が得られた。
(外添工程)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転速度3000rpm、ジャケット温度20℃の条件で、トナー母粒子100質量部と、疎水性シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」)1.5質量部と、導電性酸化チタン微粒子(チタン工業株式会社製「EC−100」)0.8質量部とを、2分間混合した。これにより、トナー母粒子の表面に外添剤が付着した。その後、300メッシュ(目開き48μm)の篩を用いて篩別を行った。その結果、多数のトナー粒子を含むトナー(トナーTA−1〜TA−9及びTB−1〜TB−9)が得られた。
上記のようにして得られたトナーTA−1〜TA−9及びTB−1〜TB−9に関して、トナーのTm(軟化点)、及びG’温度依存性曲線の特性(高温ショルダーの有無、ショルダー温度TS、並びに貯蔵弾性率G’S及びG’180)の各々の測定結果は、表4に示すとおりであった。例えば、トナーTA−1に関しては、Tm(軟化点)が121℃であり、G’温度依存性曲線において、温度60℃以上の領域にショルダー(高温ショルダー)が存在し、そのショルダーの温度(ショルダー温度TS)が75℃であり、そのショルダーの貯蔵弾性率(貯蔵弾性率G’S)が6.50×106Paであり、温度180℃の貯蔵弾性率(貯蔵弾性率G’180)が6.50×103Paであった。
Figure 0006569561
トナーのTm(軟化点)の測定方法は、高化式フローテスターを用いた前述の方法であった。トナーのG’温度依存性曲線の測定方法は、次に示すとおりであった。
<G’温度依存性曲線の測定方法>
試料(トナー)0.2gをペレット成形機にセットし、試料に圧力4MPaを加えて、直径10mm、厚さ2mmの円柱状のペレットを得た。続けて、得られたペレットを測定装置にセットした。測定装置としては、レオメーター(アントンパール社製「PhysicaMCR−301」)を用いた。測定装置のシャフト(詳しくは、モーターで駆動されるシャフト)の先端には、測定治具(パラレルプレートPP10Dispo)を取り付けた。ペレットは、測定装置のプレート(詳しくは、ヒーターで加熱されるヒート台)上に載せた。プレート上のペレットを110℃まで加熱して、ペレット(トナーの塊)を一度溶融させた。トナー全体が溶融したところで、溶融したトナーに上から測定治具(パラレルプレートPP10Dispo)を密着させて、平行な2枚のプレート(上:測定治具、下:ヒート台)の間にトナーを挟んだ。そして、トナーを40℃まで冷却した。その後、測定装置を用いて、測定温度範囲40℃〜200℃、昇温速度2℃/分、振動周波数1Hzの条件で、試料(トナー)のG’温度依存性曲線(縦軸:貯蔵弾性率、横軸:温度)を測定した。そして、得られたG’温度依存性曲線から、高温ショルダーの有無、ショルダー温度TSと、貯蔵弾性率G’Sと、貯蔵弾性率G’180とを読み取った。
[評価方法]
各試料(トナーTA−1〜TA−9及びTB−1〜TB−9)の評価方法は、以下のとおりである。
(定着性及びグロス)
現像剤用キャリア(FS−C5250DN用キャリア)100質量部と、試料(トナー)5質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、2成分現像剤を調製した。
上述のようにして調製した2成分現像剤を用いて画像を形成して、最低定着温度及び最高定着温度を評価した。評価機としては、Roller−Roller方式の加熱加圧型の定着装置を有するカラープリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5250DN」を改造して定着温度を変更可能にした評価機)を用いた。上述のようにして調製した2成分現像剤を評価機の現像装置に投入し、試料(補給用トナー)を評価機のトナーコンテナに投入した。
温度23℃かつ湿度55%RHの環境下、上記評価機を用いて、紙(富士ゼロックス株式会社製「C290」:A4サイズ、90g/m2の普通紙)の後端から10mmまでの部分に、線速200mm/秒、トナー載り量1.0mg/cm2の条件で、大きさ25mm×25mmのソリッド画像を形成した。続けて、画像が形成された紙を評価機の定着装置に通した。
最低定着温度の評価では、定着温度の設定範囲が100℃以上200℃以下であった。定着装置の定着温度を100℃から2℃ずつ上昇させて、ソリッド画像(トナー像)を紙に定着できる最低温度(最低定着温度)を測定した。トナーを定着させることができたか否かは、以下に示すような折擦り試験で確認した。詳しくは、定着装置に通した評価用紙を、画像を形成した面が内側となるように半分に折り曲げ、布帛で被覆した1kgの分銅を用いて、折り目上の画像を5往復摩擦した。続けて、紙を広げ、紙の折り曲げ部(ソリッド画像が形成された部分)を観察した。そして、折り曲げ部のトナーの剥がれの長さ(剥がれ長)を測定した。剥がれ長が1mm以下となる定着温度のうちの最低温度を、最低定着温度とした。最低定着温度が140℃以下であれば○(良い)と評価し、最低定着温度が140℃を超えれば×(良くない)と評価した。
最高定着温度の評価では、定着温度の設定範囲が150℃以上230℃以下であった。定着装置の定着温度を150℃から2℃ずつ上昇させて、オフセットが発生しない最高温度(最高定着温度)を測定した。定着装置に通した評価用紙について、目視によりオフセットが発生した(定着ローラーにトナーが付着した)か否かを確認した。また、定着温度150℃、160℃、及び170℃の各々で形成された画像については、ハンディ光沢計(株式会社堀場製作所製「グロスチェッカーIG−331」)を用いて、測定角度60°の条件で光沢値を測定した。定着性(詳しくは、耐ホットオフセット性)に関しては、最高定着温度が200℃以上であれば○(良い)と評価し、最高定着温度が200℃未満であれば×(良くない)と評価した。グロスに関しては、光沢値が15超であれば○(良い)と評価し、光沢値が15以下であれば×(悪い)と評価した。
(耐熱保存性)
試料(トナー)2gを容量20mLのポリエチレン製容器に入れて、その容器を、55℃に設定された恒温器内に3時間静置した。その後、恒温器から取り出したトナーを室温(約25℃)まで冷却して、評価用トナーを得た。
続けて、得られた評価用トナーを、質量既知の200メッシュ(目開き75μm)の篩に載せた。そして、トナーを含む篩の質量を測定し、篩別前のトナーの質量を求めた。続けて、その篩をパウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)にセットし、パウダーテスターのマニュアルに従い、レオスタッド目盛り5の条件で30秒間、篩を振動させ、評価用トナーを篩別した。そして、篩別後に、トナーを含む篩の質量を測定することで、篩上に残留したトナーの質量を求めた。篩別前のトナーの質量と、篩別後のトナーの質量(篩別後に篩上に残留したトナーの質量)とから、次の式に基づいて凝集度(単位:質量%)を求めた。
凝集度=100×篩別後のトナーの質量/篩別前のトナーの質量
凝集度が20質量%以下であれば○(良い)と評価し、凝集度が20質量%を超えれば×(良くない)と評価した。
[評価結果]
トナーTA−1〜TA−9及びTB−1〜TB−9の各々の評価結果を、表5に示す。表5は、定着性(最高定着温度及び最低定着温度)、耐熱保存性(凝集度)、及びグロス(光沢値)の各々の測定値を示している。
Figure 0006569561
トナーTA−1〜TA−9(実施例1〜9に係るトナー)はそれぞれ、前述の基本構成を有していた。詳しくは、トナーTA−1〜TA−9ではそれぞれ、トナー粒子が、結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂を含有していた。また、表4に示されるように、トナーのG’温度依存性曲線においては、温度69℃以上93℃以下かつ貯蔵弾性率1.00×106Pa以上1.00×107Pa以下の範囲にショルダーが存在し、温度180℃の貯蔵弾性率が1.00×103Pa以上1.00×104Pa以下であった。また、フローテスターで測定されたトナーの軟化点は、115℃以上125℃以下であった。
表5に示されるように、トナーTA−1〜TA−9(実施例1〜9に係るトナー)はそれぞれ、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性、及びグロスに優れていた。
本発明に係る静電潜像現像用トナーは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。

Claims (8)

  1. 結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を、複数含む静電潜像現像用トナーであって、
    前記トナーの貯蔵弾性率温度依存性曲線においては、温度69℃以上93℃以下かつ貯蔵弾性率1.00×10Pa以上1.00×10Pa以下の範囲にショルダーが存在し、温度180℃の貯蔵弾性率が1.00×10Pa以上1.00×10Pa以下であり、
    フローテスターで測定された前記トナーの軟化点は、115℃以上125℃以下であり、
    前記結晶性ポリエステル樹脂は、前記結晶性ポリエステル樹脂を合成するための酸成分としてフマル酸を含み、
    前記結晶性ポリエステル樹脂は、前記結晶性ポリエステル樹脂を合成するためのアルコール成分として1種以上のビスフェノール類を含む、静電潜像現像用トナー。
  2. 前記非結晶性ポリエステル樹脂中のテトラヒドロフラン不溶分の割合は15質量%以上25質量%以下である、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 前記結晶性ポリエステル樹脂の量は、前記非結晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して15質量部以上25質量部以下である、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 前記結晶性ポリエステル樹脂は、前記結晶性ポリエステル樹脂を合成するためのアルコール成分として1種以上のジオール類をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
  5. 前記トナー粒子は、前記非結晶性ポリエステル樹脂として、1種以上のビスフェノール類と1種以上の2価カルボン酸と1種以上の3価カルボン酸との重合体を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
  6. 前記非結晶性ポリエステル樹脂を合成するためのアルコール成分及び酸成分の総量に対して、前記1種以上の3価カルボン酸の量は、3モル%以上15モル%以下である、請求項5に記載の静電潜像現像用トナー。
  7. 前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性指数は0.90以上1.15未満である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
  8. 結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を、複数含む静電潜像現像用トナーであって、
    前記トナーの貯蔵弾性率温度依存性曲線においては、温度69℃以上93℃以下かつ貯蔵弾性率1.00×10Pa以上1.00×10Pa以下の範囲にショルダーが存在し、温度180℃の貯蔵弾性率が1.00×10Pa以上1.00×10Pa以下であり、
    フローテスターで測定された前記トナーの軟化点は、115℃以上125℃以下であり、
    前記結晶性ポリエステル樹脂は、前記結晶性ポリエステル樹脂を合成するための酸成分としてセバシン酸を含む、静電潜像現像用トナー。
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