JP4661944B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
電子写真法のように、静電潜像を形成し、これを現像する工程を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。この方法による画像の形成は、感光体表面を全体に帯電させた後、この感光体表面に、画像情報に応じたレーザ光により露光して静電潜像を形成し、次いでこの静電潜像を、トナーを含む現像剤で現像してトナー像を形成し、最後にこのトナー像を記録媒体表面に転写・定着することにより行われる。
最近は、高度な情報化社会の進展により、様々な手法で構築された画像を、より高画質の画像で提供することが求められているため、種々の画像形成法において高画質化の研究が進められている。特に電子写真法においては、より高精細な画像を実現するために、より小径で狭い粒度分布を有する等のより高機能なトナーが求められている。
また近年、電子写真法においても省エネルギー化の要求がますます高まり、複写機・プリンターにおいてもエネルギー使用量を少なくするために、より低エネルギーでトナーを定着する技術、より低温で定着し得るトナーが強く求められている。
トナーの定着温度を低くする手段としては、例えば、トナーを構成する樹脂(結着樹脂)のガラス転移温度を低くする技術が知られている。
またトナーの定着性だけでなくトナー粉体の凝集(ブロッキング)、及び凝集による白筋・ぼた落ち・トナーこぼれ筋等の画質欠陥等が起こりにくいことも求められるため、従来のトナーには通常、ガラス転移温度50℃以上の結着樹脂が用いられている。
低温定着性をトナーに得させる手段として、トナーを構成する結着樹脂として結晶性樹脂を用いる方法が古くから知られている(例えば、特許文献1から2参照)。そして、さらに高光沢と定着可能温度域を確保するために、結晶性ポリエステル樹脂とシクロオレフィン系共重合体を用いる技術が提案されている。(特許文献3参照)。
特開平9−197882号公報 特開2001−305796号公報 特開2006−276074号公報
本発明の目的は、トナー粉体流動性、低温定着性、及び定着時の耐オフセット性が良好なトナーが得られる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することである。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち請求項1に係る発明は、
非結晶性ポリエステル樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂と、離型剤と、を含み、トナー中における前記離型剤の含有量が5質量%以上15質量%以下であり、前記トナーの表面離型剤存在比率が10質量%以上35質量%以下であり、前記トナーの示差走査熱量測定の昇温工程において、45℃以上60℃以下の範囲内、65℃以上80℃以下の範囲内、及び85℃以上100℃以下の範囲内に、それぞれ少なくとも1つ以上の吸熱ピークが得られる、静電荷像現像用トナーを製造する方法であり、
前記非結晶性ポリエステル樹脂、前記結晶性ポリエステル樹脂、及び前記離型剤を含むトナー形成材料を混錬する混錬工程、前記混錬工程により形成された混錬物を冷却する冷却工程、及び前記冷却工程により冷却された前記混錬物を粉砕する粉砕工程を有し、
前記混錬工程は、前記85℃以上100℃以下の範囲内に得られる前記吸熱ピークの温度をTa、前記非結晶性ポリエステル樹脂の溶融温度をTmとしたとき、前記トナー形成材料をTa−10℃以上Ta+10℃以下の温度で混錬する第1の混錬工程と、前記第1の混錬工程により混錬された前記トナー形成材料をTm−10℃以上Tm+20℃以下の温度で混錬する第2の混錬工程と、を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項2に係る発明は、
前記非結晶性ポリエステル樹脂は、構成成分としてアルケニルコハク酸成分を含む、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項3に係る発明は、
前記非結晶性ポリエステル樹脂中における前記アルケニルコハク酸成分の含有量は、1質量%以上35質量%以下である、請求項2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項に係る発明は、
前記第2の混錬工程において、前記トナー形成材料100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下の水系媒体を、前記トナー形成材料に添加する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項に係る発明は、
前記冷却工程において、前記混錬物を、4℃/sec以上の平均降温速度で40℃以下まで冷却する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項に係る発明は、
前記粉砕工程において、前記混錬物100質量部に対し、0.1質量部以上5質量部以下の無機酸化物を添加する、請求項から請求項までのいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
本発明の請求項1に係る発明によれば、離型剤の含有量、表面離型剤存在比率吸熱ピークの温度範囲、及び混錬工程における温度を考慮しない場合に比較して、トナー粉体流動性、低温定着性、及び定着時の耐オフセット性が良好なトナーが得られる
請求項2に係る発明によれば、非結晶性ポリエステル樹脂がアルケニルコハク酸成分を含まない場合に比較して、トナー粉体流動性及び低温定着性がより良好なトナーが得られる
請求項3に係る発明によれば、アルケニルコハク酸成分の含有量を考慮しない場合に比較して、トナー粉体流動性及び低温定着性がより良好なトナーが得られる
請求項に係る発明によれば、第2の混錬工程において上記範囲の量の水系媒体を添加しない場合に比較して、トナー粉体流動性がより良好なトナーが得られる。
請求項に係る発明によれば、冷却工程における平均降温速度を考慮しない場合に比較して、トナー粉体流動性がより良好なトナーが得られる。
請求項に係る発明によれば、粉砕工程において上記範囲の量の無機酸化物を添加しない場合に比較して、トナー表面に付着する無機酸化物の偏在が抑制されたトナーが得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある)は、非結晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有する結着樹脂と、離型剤と、を含み、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。
またトナー中における前記離型剤の含有量が5質量%以上15質量%以下であり、トナーの表面離型剤存在比率が10質量%以上35質量%以下である。
さらに本実施形態のトナーは、示差走査熱量測定の昇温工程において少なくとも3つの吸熱ピークが得られる。前記3つの吸熱ピークは、具体的には、45℃以上60℃以下の範囲内に得られる吸熱ピーク(以下、「第1の吸熱ピーク」と称する場合がある)、65℃以上80℃以下の範囲内に得られる吸熱ピーク(以下、「第2の吸熱ピーク」と称する場合がある)、及び85℃以上100℃以下の範囲内に得られる吸熱ピーク(以下、「第3の吸熱ピーク」と称する場合がある)で構成されている。
本実施形態のトナーは、上記構成であるため、トナー粉体流動性、低温定着性、及び定着時の耐オフセット性が良好である。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
トナーの示差走査熱量測定の昇温工程において得られる吸熱ピークの温度は、トナー中に含まれる非結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、及び離型剤の種類、並びにそれらの相溶性によって決まるものである。そして本実施形態のトナーは、非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の相溶に由来する上記第1の吸熱ピークと、結晶性ポリエステル樹脂に由来する上記第2の吸熱ピークと、離型剤に由来する上記第3の吸熱ピークが得られるものである。すなわち、本実施形態のトナーは、離型剤と結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が良好であり、かつ、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が良好であると考えられる。
一般的には、混錬粉砕法により作製された離型剤を含むトナーは、トナー製造時の粉砕工程において、結着樹脂と離型剤との界面で選択的に粉砕が生じ、トナー表面における離型剤の露出が多いトナーが形成されることが多い。そして表面の離型剤露出が多いトナーは、粉体流動性の悪化、ソフトブロッキング(黒筋・ぼた汚れ)の発生、トナー供給性の悪化による画像濃度制御困難等を生じさせる場合がある。
一方、離型剤と結晶性樹脂との相溶性、及び結晶性樹脂と非結晶性樹脂との相溶性が良好な場合、結晶性樹脂と相溶した離型剤が非結晶性樹脂中に分散するため、トナー製造時の粉砕工程で、結着樹脂と離型剤との界面における選択的な粉砕が起こりにくくなる。よって、耐オフセット性を向上させる目的でトナー中の離型剤含有量を多くしても、トナー表面における離型剤の露出が抑制されるため、トナーの表面離型剤存在比率が低く抑えられ、耐オフセット性と粉体流動性が両立されると推測される。
すなわち、本実施形態のトナーは、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が良好なため低温定着性が得られることに加え、上記の通り、離型剤含有量及び表面離型剤存在比率が上記範囲であるため耐オフセット性と粉体流動性が得られると推測される。
また、結着樹脂として非結晶性樹脂に加えて結晶性樹脂を併用する場合も、特に結晶性樹脂の比率が非結晶性樹脂の比率より低く、非結晶性樹脂の連続的な相が形成された場合は、製造工程において結晶性樹脂と非結晶性樹脂との界面で選択的に粉砕される場合がある。そしてそのようなトナーは、トナー表面における結晶性樹脂の露出が多く、帯電安定性が低下し、かぶりやトナー飛散等が生じやすい場合がある。
しかし本実施形態のトナーは、上記の通り、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が良好であるため、界面における選択的な粉砕がおこりにくく、トナー表面における結晶性ポリエステル樹脂の露出が抑制される。そのため、低温定着性が良好であると推測される。
さらに、高画質(高解像度)な画像を形成するためにトナーの体積平均粒径を小さくすると、粒径が大きい場合に比べて比表面積が大きいため、トナー表面に露出した離型剤や結晶性樹脂が粉体流動性や帯電安定性に与える影響が大きくなると考えられる。
しかし本実施形態では、上記の通り、トナー表面における離型剤及び結晶性ポリエステル樹脂の露出が少ないため、トナーの体積平均粒径が小さくても、上記粉体流動性が良好であると推測される。
[吸熱ピーク]
以下、トナーの示差走査熱量測定の昇温工程において得られる吸熱ピークについて説明する。
第1の吸熱ピークは、上記の通り45℃以上60℃以下の範囲内に得られるものであり、非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の相溶に由来する。第1の吸熱ピークの温度としては、48℃以上55℃以下が好ましい。上記温度範囲内に第1の吸熱ピークが得られることにより、低温定着性(定着強度の低温化、低温定着(例えば110℃)での高光沢)が得られるとともに、粉砕工程において結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂との界面における割れが生じにくくなり、トナー表面への結晶性樹脂の露出が抑制される。
非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の相溶に由来する吸熱ピークの温度が上記範囲よりも低い場合は、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂との相溶により、結着樹脂のガラス転移温度が低下し、粉体流動性や熱特性が悪化する場合がある。また、非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の相溶に由来する吸熱ピークの温度が上記範囲よりも高い場合は、結晶性ポリエステル樹脂の含有量を増やしても十分な低温定着性が得られない場合がある。
第2の吸熱ピークは、上記の通り65℃以上80℃以下の範囲内に得られるものであり、結晶性ポリエステル樹脂に由来する。第2の吸熱ピークの温度としては、70℃以上80℃以下が好ましい。上記温度範囲内に第2の吸熱ピークが得られることにより、低温定着性が得られる。
結晶性ポリエステル樹脂に由来する吸熱ピークの温度が上記範囲よりも低い場合は、トナー表面の結晶性樹脂の露出により粉体特性が悪くなる場合がある。また、結晶性ポリエステル樹脂に由来する吸熱ピークの温度が上記範囲よりも高い場合は、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が悪くなることにより低温定着性が得られなくなる場合がある。
第3の吸熱ピークは、上記の通り85℃以上100℃以下の範囲内に得られるものであり、離型剤に由来する。第3の吸熱ピークの温度としては、85℃以上95℃以下が好ましい。上記温度範囲内に第3の吸熱ピークが得られることにより、低温定着時(例えば110℃)における記録媒体と定着装置等との剥離性が得られ、広い定着可能温度域(定着時におけるトナーオフセットが発生しない定着温度範囲)が得られる。
離型剤に由来する吸熱ピークの温度が上記範囲よりも低い場合は、定着温度近辺における離型剤の粘度が低すぎることにより十分な剥離性能が得られない場合がある。また、離型剤に由来する吸熱ピークの温度が上記範囲よりも高い場合は、低温定着時の剥離性が低下する場合がある。また特に離型剤に由来する吸熱ピークの温度が100℃よりも高い場合は、混錬条件を如何に工夫しても結晶性樹脂と離型剤との相溶性が得られず、粉砕工程において離型剤がトナー表面に露出しやすくなる場合がある。
本実施形態のトナーは、示差走査熱量測定の昇温工程において、少なくとも上記第1の吸熱ピーク、第2の吸熱ピーク、及び第3の吸熱ピークの3つの吸熱ピークが得られるが、さらにその他の吸熱ピークが得られるものであってもよい。
その他の吸熱ピークとしては、具体的には、例えば、100℃よりも高く120℃以下の範囲内に得られ離型剤に由来する吸熱ピーク等が挙げられる。
また、第1の吸熱ピーク、第2の吸熱ピーク、及び第3の吸熱ピークのいずれについても、複数の吸熱ピークが得られてもよい。
トナーの示差走査熱量測定は、例えば示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)を用い、JIS 7121−1987に準拠して測定される。ここで吸熱ピークの温度とは、測定により得られたDSC曲線における吸熱ピークの頂点の温度を意味する。
以下、本実施形態におけるトナーを構成する成分について詳細に説明する。
[結晶性ポリエステル樹脂]
結晶性ポリエステル樹脂としては、非結晶性ポリエステル樹脂との組み合わせにより上記第1の吸熱ピークの温度が前記範囲内に入り、かつ、第2の吸熱ピークの温度が前記範囲内に入るものであれば、特に限られない。結晶性ポリエステル樹脂としては、具体的には、例えば、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成されたものが挙げられる。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂に由来する第2の吸熱ピークは、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークである。明確な吸熱ピークが得られる結晶性ポリエステル樹脂としては、結晶性主鎖に対して50質量%以下の他成分を共重合させたポリエステル樹脂も含まれる。
結晶性ポリエステル樹脂の構成成分として含まれる多価カルボン酸としては、例えば、種々のジカルボン酸が挙げられるが、中でも脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸が望ましく、特に脂肪族ジカルボン酸は直鎖型のカルボン酸が望ましい。本発明の酸由来構成成分としてのジカルボン酸は、1種に限定されず、2種以上のジカルボン酸由来構成成分を含んでも全く問題ない。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると、アジピン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸が好ましい。
前記芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−4’−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられ、中でもテレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸が、入手容易性の観点で好ましい。但し、結晶性ポリエステル樹脂中に構成成分として含まれる芳香族ジカルボン酸の含有量は、20構成モル%以下であることが好ましく、より好ましくは10構成モル%以下、更に好ましくは5構成モル%以下である。芳香族ジカルボン酸の含有量が20構成モル%を超えると結晶性が阻害され、結晶性ポリエステル樹脂特有の画像光沢性が得られない場合がある。
結晶性ポリエステル樹脂の構成成分として含まれる多価アルコールとしては、脂肪族ジオールが好ましく、鎖炭素数が7から22の範囲である直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。
脂肪族ジオールが分岐型である場合、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点降下を起こし、耐トナーブロッキング性、画像保存性、低温定着性が悪化してしまう場合がある。また、前記鎖炭素数が7未満であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合、融点が高くなり、狙いの吸熱ピークの温度が得られなくなる場合がある。即ち低温定着性(例えば110℃以下で定着)・画像高光沢を得られなくなるばかりか、離型剤との混合性が悪くなり、結果的にトナー表面の離型剤露出量が多くなり、粉体流動性を損なうこととなる場合がある。一方、前記鎖炭素数が20を超えると、実用上の材料入手が困難であり、コストの点でも好ましくない。前記鎖炭素数は、14以下がより好ましい。
脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘンキンサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂中に構成成分として含まれる多価アルコールのうち、脂肪族ジオールの割合が80構成モル%以上であることが好ましく、90構成モル%以上であることがより好ましく、必要に応じてその他の多価アルコール成分が含まれる。前記脂肪族ジオールの割合が、80構成モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び低温定着性、画像光沢性が悪化してしまう場合がある。
必要に応じて含まれるその他の多価アルコール成分としては、例えば、2重結合を持つジオール由来構成成分が挙げられる。
前記2重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。多価アルコール成分中における2重結合を持つジオールの割合としては、20構成モル%以下が好ましく、10構成モル%以下がより好ましい。前記割合が、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、画像の保存性が悪くなる場合がある。
前記結晶性ポリエステル樹脂の融点は、60℃以上85℃以下の範囲である事が好ましく、65℃以上80℃以下の範囲にあるのがより好ましい。前記融点が60℃未満であると、結晶性ポリエステル樹脂の融点と離型剤の融点との差が大きいため、十分な攪拌混合が行われにくく、離型剤と結晶性ポリエステル樹脂とを相溶させることが困難となり、トナー表面における離型剤露出が多くなる場合がある。また前記融点が85℃を超えると、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が低下し、十分な低温定着性及び粉体流動性が得られなくなる場合がある。
トナー中における結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、1質量%以上40質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上20質量%以下である。前記含有量が2質量%より少ない場合は、低温定着性及び画像光沢性が得られない場合がある。また、前記含有量が20質量%を超える場合は、結晶性樹脂のもつ軟らかさが原因となるトナーつぶれ等が発生したり、感光体のフィルミングや帯電ロール、転写ロール等の部材の汚染により画質欠陥が生じやすくなる場合がある。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造され、例えば、直接重縮合、エステル交換法等を、モノマーの種類によって使い分けて製造する。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため一概には言えないが、通常1/1が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、例えば、重合温度180から230℃の間で行われ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させる。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから、主成分と伴に重縮合させるとよい。
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用される触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、すず、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜燐酸化合物、りん酸化合物、及び、アミン化合物等が挙げられ、具体的には以下の化合物が挙げられる。例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
また、結晶性ポリエステル樹脂として、高温高湿(28℃85%)環境における抵抗値が1.0×1014以上1.0×1016以下である高抵抗結晶性ポリエステル樹脂を使用すると、特に高温高湿環境における現像性、転写性、及び帯電量保持性が良好となる。前記高抵抗結晶性ポリエステル樹脂は、上記多価アルコール成分及び多価カルボン酸成分のうち、炭素鎖6以上のもの同士を、好ましくは炭素鎖9以上のもの同士を使用した時に得られる。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、10000以上30000以下が好ましい。重量平均分子量が10000以下では、結晶性樹脂の強度が弱く、感材へのフィルミング等が発生してしまう場合がある。また、30000以上では、非結晶性樹脂との相溶性が弱くなり、超低温定着性及び高光沢性が得られない場合がある。
[非結晶性ポリエステル樹脂]
非結晶性ポリエステル樹脂としては、上記結晶性ポリエステル樹脂との組み合わせにより上記第1の吸熱ピークの温度が前記範囲内に入るものであれば、特に限られない。非結晶性ポリエステル樹脂としては、具体的には、例えば、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成されたものが挙げられる。
多価アルコール成分としては、例えば、2価のアルコール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチレグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が用いられる。また、3価以上のアルコール成分としては、グリセリン、ソルビトール、1,4ソルビタン、トリメチロールプロパン等が用いられる。
また、上記多価アルコール成分と縮合させる2価カルボン酸成分としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸およびこれらの酸の低級アルキルエステルが用いられる。
また、多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、さらにこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、酸成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていることが好ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散が良好になる点で有効である。
多価カルボン酸成分としては、上記の中でも、アルケニルコハク酸成分(特に好ましくはドデセニルコハク酸成分)を含むことが、結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が良好であり、超低温定着性に優れるという点で好ましい。例えば、アルケニルコハク酸成分を含む非結晶性ポリエステル樹脂は、高温高湿環境(28℃85%)においても高抵抗を示すものの非結晶性樹脂との相溶性が劣るような結晶性ポリエステル樹脂(例えば、炭素鎖数9以上のカルボン酸成分と炭素鎖数9以上のアルコール成分とを縮重合して得られる結晶性ポリエステル樹脂)に対しても良好な相溶性を示すため、超低温定着性及び高温高湿環境(28℃85%)における電気特性(現像性、転写性、帯電保持性等)の双方を満足する。
非結晶性ポリエステル樹脂中におけるアルケニルコハク酸成分の含有量は、1質量%以上35質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以上30質量%以下である。アルケニルコハク酸の含有量が1質量%より少ないと、結晶性ポリエステル樹脂との相溶性に寄与せず、特に上記のような高抵抗結晶性樹脂を用いた場合は、超低温定着性が得られない場合がある。また、アルケニルコハク酸の含有量が35質量%を超えると、非結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度が55℃以上にならず、熱保管性等に劣る場合がある。
非結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、50℃以上68℃以下が好ましく、53℃以上65℃以下がより好ましく、55℃以上63℃以下がさらに好ましい。
また非結晶性ポリエステル樹脂の溶融温度は、95℃以上140℃以下が好ましく、100℃以上135℃以下がより好ましく、105℃以上130℃以下がさらに好ましい。
非結晶性ポリエステル樹脂は、重量平均分子量が15000以上100000以下の樹脂を使用することが好ましい。重量平均分子量が15000を下回る場合は、樹脂弾性が低くなりすぎ、高温定着時(例えば210℃)でのオフセット発生、剥離不良の発生などの問題が生じる場合がある。また重量平均分子量が100000を上回るケースでは、アルキルコハク酸等を多く使用し結晶性樹脂との相溶性を上げた場合においても、低温定着性及び高光沢性を損ねる場合がある。
また非結晶性ポリエステル樹脂は、場合によっては、低分子量の非結晶性ポリエステル樹脂と高分子量の非結晶性ポリエステル樹脂を混合したものであっても構わない。ここでいう低分子量の非結晶性ポリエステル樹脂とは重量平均分子量が10000以上30000未満、高分子量の非結晶性ポリエステル樹脂とは重量平均分子量が30000以上100000未満の樹脂を指す。低分子量の非結晶性ポリエステル樹脂と高分子量の非結晶性ポリエステル樹脂との混合樹脂を使用することにより、更なる剥離性能向上と高光沢性付与が実現される。上記混合樹脂としては、例えば、18000程度の重量平均分子量の非結晶性ポリエステル樹脂と、80000程度の重量平均分子量の非結晶性ポリエステル樹脂とを、50/50の率で混合したもの等が挙げられる。
[離型剤]
離型剤としては、公知のものが使用され、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのごとき動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、合成ワックス及びそれらの変性物が挙げられる。
また、前記第3の吸熱ピークの温度が前記範囲に入るためには、用いる離型剤の融点が、80℃以上100℃以下であることが望ましく、85℃以上95℃以下であることがより望ましい。
さらに離型剤として、融点が上記範囲であるパラフィンワックスを用いることが好ましい。それにより、混錬工程における離型剤と結晶性ポリエステル樹脂との混合性が上がり、離型剤の周りに結晶性樹脂が存在することより粉砕後のトナー表面における離型剤の露出量がより抑えられ、更に同じ離型剤露出量でも粉体特性優れる。
またパラフィンワックスの中でも特に融点が80℃以上100℃以下のフィッシャートロプシュワックスを、更に好ましくは85から95℃のフィッシャートロプシュワックスを使用することにより、低速領域から高速領域のいかなるプロセススピードの画像形成装置においても、また坪量の少ない紙でのべた画像においても、高温領域(例えば220℃)での剥離性、オフセット性が良好となりより好ましい。
離型剤のトナー中の含有量は、5質量%以上15質量%以下であり、6.5質量%以上13.5質量%以下が好ましく、8質量%以上12質量%以下がより好ましい。5質量%未満の場合は、高温定着時においてオフセットが発生する場合があり、15質量%を超える場合は、結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂の選択、並びに混錬条件等を制御することにより分散が細かくなるように工夫しても、離型剤のトナー表面の露出を抑制することが困難となる。
前記第3の吸熱ピークに相当する離型剤以外に、更なる高温剥離性向上を目的に他の離型剤を含有させてもよい。前記他の離型剤は、その他の吸熱ピークとして出現する。前記他の離型剤としては、例えば、融点が100℃より高く130℃以下のものが使用される。トナー中における他の離型剤の含有量としては、0.1質量%以上3質量%以下が好ましい。他の離型剤を3質量%より多く含有させると、低温定着での剥離性及びオフセット性が低下する場合がある。また他の離型剤の含有量が0.1質量%より低い範囲ではその機能を果さない。他の離型剤の融点が100℃以下では、上記高温剥離性が得られず、130℃以上の融点の離型剤では、低温側のオフセットが発生してしまう場合がある。
[着色剤]
トナーは、必要に応じて着色剤を含んでもよい。着色剤としては、公知の着色剤が用いられる。具体的には、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、プリリアンカーミン6B、デイボンオイルレッド、ビラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メリレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレートなどの種々顔料や、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、リオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、リオインジコ系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、リアジン系、リアゾール系、キサンテン系などの各種染料などを1種または2種以上を合わせて使用される。
磁性トナーを得る場合には、上記着色剤の一部または全部を磁性体に置き換えればよい。磁性体としては、従来から一般的に使われている公知の磁性体であれば如何なるものでも使用される。具体的には、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の金属およびこれらの合金、Fe、γ−Fe、コバルト添加酸化鉄等の金属酸化物、MnZnフェライト、NiZnフェライト等の各種フェライトにより形成されるものが使用される。これらの磁性体の体積平均粒径は、一般に0.05μm以上0.5μm以下の範囲が適当である。また、帯電性、分散性を付与させるためにシランカップリング剤またはチタンカップリング材等で表面処理を施したものも使用される。
[その他の成分]
トナーには、上記成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分を添加してもよい。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
上記磁性体等を含有させて磁性トナーとして用いる場合、これらの強磁性体は平均粒子が2μm以下が望ましく、0.1から0.5μm程度のものがより望ましい。トナー中に含有させる量としては樹脂成分100質量部に対し20から200質量部が望ましく、特に樹脂成分100質量部に対し40から150質量部が望ましい。また、10Kエルステッド印加での磁気特性が保磁力(Hc)20から300エルステッド、飽和磁化(σs)50から200emu/g、残留磁化(σr)2から20emu/gのものが望ましい。
帯電制御剤としては、例えば4フッ素系界面活性剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物の様な含金属染料、マレイン酸を単量体成分として含む重合体の如き高分子酸、四級アンモニウム塩、ニグロシン等のアジン系染料等が挙げられる。
トナーは、粘弾性調整を目的として、無機粉体を含んでもよい。無機粉体としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、燐酸カルシウム、酸化セリウム等の下記に詳細に列挙する、通常トナー表面の外添剤として使用されるすべての無機粒子が挙げられる。
[外添剤]
トナーは、必要に応じて外添剤が表面に外添されていてもよい。表面に外添される外添剤としては、無機粒子や有機粒子が挙げられ、具体的には以下に挙げられたものの他、後述するトナーの製造方法において用いられる外添剤も含まれる。
無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
無機粒子は、一般に流動性を向上させる目的で使用される。前記無機粒子の1次粒径としては、1から200nmの範囲が望ましく、その添加量としては、トナー100質量部に対して、0.01から20質量部の範囲が望ましい。
有機粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で使用され、具体的には例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
上記外添剤の中でも、流動性や帯電特性を良好にする観点から、チタニアやシリカ等の無機酸化物を用いることが好ましい。特に無機酸化物のトナー構成材料に対する親和性に差がある場合(例えば、離型剤に対する親和性と結着樹脂に対する親和性との差が大きい場合)には、トナー表面に露出した離型剤又は結晶性樹脂の量が多いと、トナー表面において外添剤が偏在しやすくなる場合がある。しかし、本実施形態のトナーでは、上記の通り、トナー表面における離型剤及び結晶性樹脂の露出が抑制されているため、上記外添剤の偏在も抑制される。
上記外添剤の偏在が特に起こりやすい無機酸化物(トナー構成材料に対する親和性に差がある無機酸化物)としては、具体的には、例えば、チタニアもしくはシリカの未処理品、又はチタニアもしくはシリカのシランカップリング剤もしくはシリコンオイル等による処理品等が挙げられるが、特に一次粒径が30nmを越える無機酸化物が特に偏在を起こしやすい。
無機酸化物の外添量は、外添前のトナー粒子100質量部に対し、無機酸化物1種類あたり0.1質量部以上5質量部以下が好ましい。外添量が0.1質量部より少ないと、外添剤の流動性及び帯電性向上の機能が十分発揮されない場合がある。また外添量が5質量部より多いと、特に外添剤がチタニアである場合、十分な帯電性が付与されない場合がある。
[トナーの特性]
−表面離型剤存在比率−
トナーの表面離型剤存在比率は、上記の通り、10質量%以上35質量%以下であり、15質量%以上30質量%以上であることが好ましい。トナーの表面離型剤存在比率が35%以上となる場合は、粉体流動性が得られず、トナーぼた落ちによる筋、汚れ、トナーディスペンス不良などの不具合が生じる場合がある。また、トナーの表面離型剤存在比率が10%を下回る場合は、通常使用時には問題ない場合もあるが、定着時の離型剤の溶け出しが遅れ傾向となり、特に坪量の少ない紙を高速定着(例えばプロセススピード300m/sec)領域で使用した場合の先端0mmべた画像の剥離性が劣る場合がある。
トナーの表面離型剤存在比率は、XPS測定により求められる。XPS測定は、具体的には、X線光電子分光分析装置(JPS9000MX、日本電子(株)社製)を用いてXPS測定を行い、加速電圧10kV、電流値30mAの測定条件により行う。
さらに、上記XPS測定により得られた結果から、以下のようにしてトナーの表面離型剤存在比率を求める。具体的には、得られた波長とカウント数の測定値から元素比率を特定し、特に「C」と「O」の比(「O」/(「C」+「O」)を算出する。この元素比率を樹脂、離型剤、及びトナーについて求めることにより、トナーの表面離型剤存在比率が正確に算出される。例えば、離型剤に含まれる「C」をWC、「O」をWOとしたとき、離型剤の元素比率WはW=WO/(WC+WO)で表され、樹脂に含まれる「C」をRC、「O」をROとしたとき、樹脂の元素比率RはR=RO/(RC+RO)で表され、トナーに含まれる「C」をTC、「O」をTOとしたとき、トナーの元素比率TはT=TO/(TC+TO)で表される。すなわち、トナーの表面離型剤存在比率は、「トナーの表面離型剤存在比率(%)=(R−T)/(R−W)*100」で表される。
なお、トナー粒子表面に外添剤が付着している場合は、XPS測定を行う前に、以下の方法により外添剤を除去する必要がある。具体的には、イオン交換水にコンタミノン(和光純薬社製)等の界面活性剤を数滴入れ、そこにトナーを加え濡らし混合分散させ、その後超音波を1から5分当てることにより、外添剤の除去を行う。その後、混合分散させた分散液をろ紙に通し、リンス洗浄後、ろ紙上のトナーを乾燥させ、XPS測定を行なう。
−形状係数SF1−
トナーの形状係数SF1は、クリーニング性獲得の観点から、138以上155以下が好ましく、142以上150以下がより好ましい。形状係SF1数が138を下回ると、通常使用領域でのブレードクリーニング性は問題ない場合があるが、超高速プロセス(例えばプロセススピード300mm/sec)でのブレードクリーニング性が悪化する場合がある。特に、10000枚程度のプリント枚数走行後において劣化したトナーをクリーニングする場合、低温低湿環境(例えば温度10℃湿度30%の環境)及び高温高湿環境(例えば温度30℃湿度90%の環境)が繰り返される様な環境で使用される場合、プロセススピード300mm/s以上の場合、感光体の局率が大きい場合等に、ブレードクリーニング性が悪化する場合がある。一方、形状係数SF1が155を上回るトナーの作製は困難であり、そのようなトナーは転写性が著しく低下する場合がある。
ここで、上記の「形状係数SF1」とは、一定数(例えば100個)のトナー(トナー粒子)についての画像解析を行い、撮影された各々のトナー(トナー粒子)に対して下記式より求め、それらを平均した値である。なお下記式中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を表す。
式:形状係数SF1(%)=(ML/A)×(π/4)×100
前記形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化されたものである。例えば、以下の様にして算出される。
即ち、スライドガラス表面に散布したトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個以上のトナー粒子(トナー粒子)の絶対最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
−体積平均粒径(D50T)−
トナーの体積平均粒径(D50T)は、5μm以上9μm以下が望ましく、5.5μm以上8μm以下がより望ましく、5.5μm以上7μm以下がさらに望ましい。
トナーの体積平均粒径が5μmより小さいと、高帯電起因による現像性及び転写性の低下が出現し始め、背景かぶりの発生、低転写効率による画質の劣化が起こる場合がある。また、トナーの体積平均粒径が9μmを越えると、感光体上に形成される静電潜像の忠実再現性がトナー飛び散りなどにより劣り始め、細線再現性、粒状性等に劣る画像になってしまう場合がある。
[トナーの製造方法]
本実施形態のトナーの製造方法は、前記非結晶性ポリエステル樹脂、前記結晶性ポリエステル樹脂、及び前記離型剤を含むトナー形成材料を混錬する混錬工程、前記混錬工程により形成された混錬物を冷却する冷却工程、及び前記冷却工程により冷却された前記混錬物を粉砕する粉砕工程を有し、必要に応じてその他の工程を有してもよい。
以下、本実施形態のトナーの製造方法について、各工程に分けて説明する。
−混錬工程−
混錬工程は、前記第3の吸熱ピークの温度をTa、前記非結晶性ポリエステル樹脂の溶融温度をTmとしたとき、前記トナー形成材料をTa−10℃以上Ta+10℃以下の温度で混錬する第1の混錬工程と、前記第1の混錬工程により混錬された前記トナー形成材料をTm−10℃以上Tm+20℃以下の温度で混錬する第2の混錬工程と、を少なくとも含む。
なお、前記第3の吸熱ピークが複数得られる場合は、第1の混錬工程における温度は、以下のように取り扱う。具体的には、複数の吸熱ピークのうち一番温度の低いピークをTaとし、それを基準にTa−10℃以上Ta+10℃以下と設定する。
また、非結晶性ポリエステル樹脂を複数用いる場合は、第2の混錬工程における温度は、以下のように取り扱う。具体的には、複数の非結晶性ポリエステル樹脂のうち最も溶融温度の高い樹脂の溶融温度をTmとし、それを基準にTm−10℃以上Tm+20℃以下とする。
第1の混錬工程の温度を上記範囲とすることにより、離型剤と結晶性ポリエステル樹脂が相溶することにより、トナー形成材料中において、離型剤の周りに結晶性ポリエステル樹脂が被覆された混合物が形成される。すると、後の粉砕工程において離型剤と結着樹脂との界面における選択割れ(粉砕)が生じにくくなり、製造されたトナーの表面露出量が制御される。
第1の混錬工程の温度がTa−10℃よりも低い場合は、離型剤が十分溶融せず、上記相溶が生じにくくなり、後の粉砕工程における離型剤界面での選択割れを抑制しにくい場合がある。また第1の混錬工程の温度がTa+10℃よりも高い場合は、結晶性ポリエステル樹脂の粘度が低くなりすぎ、離型剤と結晶性ポリエステルとの相溶(混合分散)が不十分となる場合がある。
また、第2の混錬工程の温度を上記範囲とすることにより、第1の混錬工程により形成された混合物(離型剤の周りに結晶性ポリエステル樹脂が被覆された混合物)が、非結晶性ポリエステル樹脂中に分散される。そのため後の粉砕工程において、離型剤と結着樹脂との界面、及び結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂との界面において、選択割れ(粉砕)が生じにくくなり、製造されたトナーの表面における、離型剤及び結晶性ポリエステル樹脂の露出量が制御される。
第2の混錬工程の温度がTm−10℃よりも低い場合は、非結晶性ポリエステル樹脂の溶融が十分ではないため、上記混合物と非結晶性ポリエステル樹脂との相溶が不十分となる場合がある。また第2の混錬工程の温度がTm+20℃よりも高い場合は、上記混合物の粘度が低くなりすぎるため、上記混合物と非結晶性ポリエステル樹脂との相溶(拡散混合)が十分ではなく、上記混合物が非結晶性ポリエステル樹脂中に偏在してしまう場合がある。
第2の混錬工程においては、トナー形成材料100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下の水系媒体(例えば、蒸留水やイオン交換水等の水、アルコール類等)を添加することが望ましい。水系媒体を添加することにより、その蒸発潜熱により溶融したトナー形成材料(以下、「溶融物」と称する場合がある)の温度が下がる。すなわち、第2の混錬工程においては、混錬による自己発熱により溶融物の温度が設定温度よりも高くなる場合があるが、添加された水系媒体の蒸発潜熱により温度上昇が抑制され、溶融物の温度が適度に保たれる。そのため、溶融物の粘度が適度に保たれ、十分なシェア(せん断力)が溶融物に与えられる。これにより、非結晶性ポリエステル樹脂中に、上記混合物(離型剤と結晶性ポリエステル樹脂との混合物)が細かく分散され、後の粉砕工程において界面における選択割れがより抑制され、トナー表面における離型剤の露出がさらに抑制される。
第2の混錬工程において添加する水系媒体の上記添加量が0.5質量部より少ないと、水系媒体を添加することによる溶融物の温度を低下させる効果が小さすぎる場合がある。上記水系媒体の添加量が5質量部より大きいと、水系媒体と溶融物との混合が不十分となる場合があり、溶融物と十分に混合されなかった水系媒体は溶融物の温度を低下させる効果をもたらさない場合がある。また水系媒体の添加量が多すぎることにより、第2の混錬工程において蒸発せずに残ってしまった水系媒体は、同様に上記溶融物温度低下の効果をもたらさない場合があるため、水系媒体の添加量を5質量部よりも多くしても、上記溶融物温度低下の効果があがらない場合がある。
また、第2の混錬工程における水系媒体の添加は、具体的には、例えば、第1の混錬工程が終了した後、かつ、第2の混錬工程が開始される前に行ってもよいし、第2の混錬工程が開始されるのと同時に行ってもよし、第2の混錬工程が開始された後に行ってもよい。すなわち、水系媒体を添加するタイミングは、第2の混錬工程の少なくとも一部において水系媒体と溶融物との混合が行われれば特に限られず、上記溶融物温度低下の効果を求める度合いに応じて水系媒体を添加するタイミングを調整してもよい。よって、上記溶融物温度低下の効果を最大限に発揮させるためには、第1の混錬工程終了後かつ第2の混錬工程開始前に行うか、又は第2の混錬工程開始と同時に行うことが好ましい。
混錬工程に用いられる混錬機としては、例えば、1軸押出し機、2軸押出し機等が挙げられる。以下、混錬機の一例として、送りスクリュー部と2箇所のニーディング部とを有する混錬機について図を用いて説明するが、これに限られるわけではない。
図1は、本実施形態のトナーの製造方法における混錬工程で用いるスクリュー押出機の一例について、スクリューの状態を説明する図である。
スクリュー押出し機11は、スクリュー(図示せず)を備えたバレル12と、バレル12にトナーの原料であるトナー形成材料を注入する注入口14と、バレル12中のトナー形成材料に水系媒体を添加するための液体添加口16と、バレル12中でトナー形成材料が混錬されて形成された混錬物を排出する排出口18と、から構成されている。
バレル12は、注入口14に近いほうから順に、注入口14から注入されたトナー形成材料をニーディング部NAに輸送する送りスクリュー部SA、トナー形成材料を第1の混錬工程により溶融混錬するためのニーディング部NA、ニーディング部NAにおいて溶融混錬されたトナー形成材料をニーディング部NBに輸送する送りスクリュー部SB、トナー形成材料を第2の混錬工程により溶融混錬し混錬物を形成するニーディング部NB、及び形成された混錬物を排出口18に輸送する送りスクリュー部SCに分かれている。
またバレル12の内部には、ブロックごとに異なる温度制御手段(図示せず)が備えられている。すなわち、ブロック12Aからブロック12Jまで、それぞれ異なる温度に制御してもよい構成となっている。なお図1は、ブロック12A及びブロック12Bの温度をt0℃に、ブロック12Cからブロック12Eの温度をt1℃に、ブロック12Fからブロック12Jの温度をt2℃に、それぞれ制御している状態を示している。そのため、ニーディング部NAのトナー形成材料はt1℃に加熱され、ニーディング部NBのトナー形成材料はt2℃に加熱される。なお、上記の通り、ニーディング部NAにおける温度t1℃はTa−10℃以上Ta+10℃以下の範囲内であり、ニーディング部NBにおける温度t2℃はTm−10℃以上Tm+20℃以下の範囲内である。
結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、離型剤、及び必要に応じて着色剤等を含むトナー形成材料を、注入口14からバレル12へ供給すると、送りスクリュー部SAによりニーディング部NAへトナー形成材料が送られる。このとき、ブロック12Cの温度がt1℃(Ta−10℃以上Ta+10℃以下の範囲内の温度)に設定されているため、トナー形成材料は加熱されて溶融状態へと変化した状態で、ニーディング部NAに送り込まれる。そして、ブロック12D及びブロック12Eの温度もt1℃に設定されているため、ニーディング部NAではt1℃の温度でトナー形成材料が溶融混錬される。つまり、非結晶性ポリエステル樹脂の溶融温度よりも低い温度で溶融する結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤は、ニーディング部NAにおいて溶融状態となり、スクリューによりせん断を受ける。そのため、溶融していない非結晶性ポリエステル樹脂中に、結晶性ポリエステル樹脂及び離型剤の混合物が、着色剤と共に、均一に、かつ、微細に分散される。また、特に結晶性ポリエステル樹脂の方が離型剤よりも粘度が低いため、離型剤の周りに結晶性ポリエステル樹脂が存在することになる。
次に、ニーディング部NAにおける第1の混錬工程を経たトナー形成材料は、送りスクリュー部SBによりニーディング部NBへと送られる。
ニーディング部NBにおいては、ブロック12Fからブロック12Jの温度がt2℃(Tm−10℃以上Tm+20℃以下の範囲内の温度)に設定されていため、非結晶性ポリエステル樹脂が溶融し、第1の混錬工程において溶融混合された結晶性ポリエステル樹脂と離型剤との混合物や着色剤等が、非結晶性ポリエステル樹脂中に分散される。
第2の混錬工程においては、上記の通り、混錬による自己発熱により、トナー形成材料の温度が設定温度よりも高くなってしまう場合がある。トナー形成材料の温度が高すぎると、トナー形成材料の粘度が低くなりすぎるため、混錬せん断力がかかりにくく、非結晶性ポリエステル樹脂中における離型剤及び結晶性ポリエステル樹脂の分散が悪くなる場合がある。一方、温度上昇を抑制するために、ブライン等を使ってスクリューを冷却する場合、表面積が小さいため冷却が十分ではない場合がある。そこで、温度上昇を抑える方法として、トナー形成材料に液体を注入することにより、内部から直接熱を奪う方法は、特にトナー形成材料の粘度低下、混錬シェアアップに効果的である。
具体的には、送りスクリュー部SBにおいて、液体添加口16からバレル12に水系媒体を注入することにより、トナー形成材料に水系媒体を添加する。なお、液体添加口16から注入する水系媒体としては、上記の通り、例えば、蒸留水、イオン交換水、エタノール、メタノール等が挙げられる。また図1では、送りスクリュー部SBにおいて水系媒体を注入する形態を示しているが、これに限られず、ニーディング部NBにおいて水系媒体が注入されてもよく、送りスクリュー部SB及びニーディング部NBの両方において水系媒体が注入されてもよい。すなわち、水系媒体を注入する位置及び注入箇所は、必要に応じて選択される。
上記のように、液体添加口16からバレル12に水系媒体が注入されることにより、バレル12中のトナー形成材料と水系媒体とが混合し、水系媒体の蒸発潜熱によりトナー形成材料が冷却され、第2の混錬工程におけるトナー形成材料の温度が適切に保たれる。そのため、第2の混錬工程において、離型剤が非結晶性ポリエステル樹脂中により細かく分散する。
最後に、ニーディング部NBにより溶融混錬されて形成された混錬物は、送りスクリュー部SCにより排出口18に輸送され、排出口18から排出される。
以上のようにして、図1に示したスクリュー押出機10を用いた混錬工程が行われる。
−冷却工程−
冷却工程は、上記混錬工程において形成された混錬物を冷却する工程であり、冷却工程では、混錬工程終了時における混錬物の温度から4℃/sec以上の平均降温速度で40℃以下まで冷却することが好ましい。混錬物の冷却速度が遅い場合、混錬工程において非結晶性ポリエステル樹脂中に細かく分散された混合物(離型剤及び結晶性ポリエステル樹脂の混合物)が再結晶化し、分散径が大きくなる場合がある。一方、上記平均降温速度で急冷すると、混錬工程終了直後の分散状態がそのまま保たれるため好ましい。なお上記平均降温速度とは、混錬工程終了時における混錬物の温度(例えば図1のスクリュー押出し機11を用いた場合は、t2℃)から40℃まで降温させる速度の平均値をいう。
冷却工程における冷却方法としては、具体的には、例えば、冷水又はブラインを循環させた圧延ロール及び挟み込み式冷却ベルト等を用いる方法が挙げられる。なお、前記方法により冷却を行う場合、その冷却速度は、圧延ロールの速度、ブラインの流量、混錬物の供給量、混錬物の圧延時のスラブ厚等で決定される。スラブ厚は、1から3mmの薄さであることが好ましい。
−粉砕工程−
冷却工程により冷却された混錬物は、粉砕工程により粉砕され、トナーの粒子が形成される。粉砕工程では、例えば、機械式粉砕機、ジェット式粉砕機等が使用される。
粉砕工程においては、混錬物100質量部に対し、0.1質量部以上5質量部の無機酸化物を添加することが好ましい。粉砕工程において混錬物に無機酸化物を添加することにより、トナー表面に離型剤や結晶性ポリエステル樹脂が露出していることによる、外添剤の偏在が抑制される。また粉砕工程において1種の無機酸化物をトナー表面に均一に付着せしめると、後に他の無機酸化物(例えば、トナー表面における偏在が顕著である大粒径球形の外添剤)を外添させても、トナー表面における他の無機酸化物の偏在が抑制され、帯電性、転写性、及び粉体流動性が向上する。
添加する無機酸化物の添加量は、混錬物100質量部に対し、0.1質量部以上5質量部が好ましく、0.2質量部以上2質量部がより好ましい。無機酸化物の添加量が0.1質量部以下であると、上記効果が得られない場合があり、無機酸化物の添加量が5質量部以上であると、無機酸化物の種類によっては、帯電量が低下し、付着量の制御が困難になる場合がある。
粉砕工程で添加される無機酸化物は、通常のトナーで使用されている外添剤と同じものが使用される。無機酸化物は、具体的には、例えば、芯材からなるものでもよく、芯材の表面を処理剤で処理することによりコート層を設けたものでもよい。
芯材としては、例えば、チタニア、チタン化合物、シリカ、アルミナ、酸化錫等が挙げられる。特に、カラートナーに用いる際には、着色剤の色を妨げない、無色又は淡色の無機酸化物が好ましい。また処理剤は、帯電性付与、環境差低減、アドミックス性付与を目的として用いられ、例えば、シランカップリング剤等のシラン化合物が挙げられる。該シラン化合物としては、例えば、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用してもよい。
前記シラン化合物の具体的としては、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリプロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシクロロヘキシル)、エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプリピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプリピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。
前記無機酸化物の平均一次粒子径は、5から150nmが好ましく、10から50nmがより好ましい。該粒子径が150nmを超えると、トナーへの付着固定が弱くなり、この後の捕集・分級工程での脱離が生じてしまう。
−分級工程−
粉砕工程により得られたトナーは、必要に応じて、目的とする範囲の粒径のトナー粒子を得るため、分級工程により分級を行ってもよい。分級工程においては、従来から使用されている遠心式分級機、慣性式分級機等が使用され、微粉(目的とする範囲の粒径よりも小さいトナー粒子)及び粗粉(目的とする範囲の粒径よりも大きいトナー粒子)が除去される。トナーの粒径分布は、GSDvで1.3以下が好ましい。GSDvが1.3以上では、微粗粉が多く、キャリアへのトナーインパクションが発生し、画質や粒状性が悪化し好ましくない。
なお、前記GSDvの値は、次のようにして測定し算出した。まず、測定器としてマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて測定されたトナーの粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々のトナーの体積について小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、体積平均粒径D16vと定義し、累積84%となる粒径を、体積平均粒径D84vと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標GSDvは、(D84v/D16v)1/2として定義される。
−外添工程−
得られたトナー粒子は、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、粉砕工程で添加した無機酸化物に追加して、シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機粒子を添加付着してもよい。これらは、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等によって行われ、段階を分けて付着される。
無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げられる。これらの中でも、シリカ粒子が好ましく、特に疎水化処理されたシリカ粒子が好ましい。
前記無機粒子は、一般に流動性を向上させる目的で使用される。前記無機粒子の中でも、メタチタン酸TiO(OH)は透明性に影響を与えず、良好な帯電性、環境安定性、流動性、耐ケーキング性、安定した負帯電性、安定した画質維持性に優れた現像剤が提供される。また、メタチタン酸の疎水化処理化合物は、1010Ω・cm以上の電気抵抗を有するため、トナーとして用いられた場合に、転写電界を上げても逆極性に帯電したトナーが発生することなしに高転写性が得られるため好ましい。
流動性付与を目的とした場合の外添剤の体積平均粒径は、1次粒子径で1から40nmの範囲であることが好ましく、5から20nmの範囲であることがより好ましい。また転写性向上を目的とした外添剤の体積平均粒径は50から500nmが好ましい。これらの外添剤粒子は、疎水化等の表面改質を行う方が帯電性、現像性を安定させる点で好ましい。
前記表面改質の手段としては従来公知の方法が用いられる。具体的には、例えば、シラン、チタネート、アルミネート等の各カップリング処理が挙げられる。カップリング処理に用いるカップリング剤としては特に制限はないが、例えば、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェエルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキンシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ブロモプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキンシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキンシラン、フルオロアルキルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシランカップリング剤;チタネートカップリング剤;アルミネートカップリング剤;等が好適な例として挙げられる。
更に、必要に応じて種々の添加剤を添加しても良く、これらの添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子等のクリーニング助剤やジンクステアリルアミド、チタンサンストロンチウム、酸化セリウム等の感材付着物除去を目的とした研磨剤等があげられる。
滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩等が挙げられる。
前記外添剤の添加量は、外添剤が添加されない状態のトナー100質量部に対して、0.1から5質量部(即ち粉砕時に添加する無機酸化物の量と合わせて0.1から5質量部)の範囲が好ましく、0.3から3質量部の範囲がより好ましい。添加量が0.1質量部より少ないと、トナーの流動性が不十分な場合があり、更に帯電付与が不十分、電荷交換性が悪くなるなどの不具合がある場合があり、宜しくない。一方、該添加量が5質量部より多いと、過剰被覆状態となり、過剰無機酸化物が接触部材に移行し、二次障害を引き起こす場合がある。
更に本発明では、トナーの保存性をより向上させるために、トナー粒子表面に平均粒径が40から150nmの粒子を外添することが好ましい。平均粒径が40nm未満の粒子ではその十分な保存性の向上が得られない場合があり、150nmを超える粒子ではトナー表面に強固に付着されない為、トナー粒子表面から離脱し易く、キャリアへの汚染を引き起こしたり、感光体表面を傷つけたり、フィルミングが発生する場合がある。
保存性の向上を目的として利用される外添剤の具体例としては、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、または、これらの複合酸化物等の無機酸化物からなる粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の有機粒子が挙げられる。
このうちシリカ、チタニアが、粒径、粒度分布、製造性の観点から好ましく用いられ、特に形状が球形であるゾルゲル法を利用して作製されたシリカ粒子が好ましい。
これらの外添剤のトナーに対する添加量は特に制限はないが、外添前のトナー100質量部に対し、0.1から10質量部の範囲で好ましく用いられ、より好ましくは、0.3から5質量部程度の範囲である。
−篩分工程−
上記外添工程の後に、必要に応じて篩分工程を設けてもよい。篩分方法としては、具体的には、例えば、ジャイロシフター、振動篩分機、風力篩分機等が挙げられる。篩分することにより、外添剤の粗粉等が取り除かれ、筋の発生、ぼた汚れなどが抑制される。
本実施形態のトナーは、以上のようにして製造される。
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。本実施形態のトナーは、一成分現像方式で用いる一成分現像剤、二成分現像方式で用いる二成分現像剤のどちらに用いてもよいが、樹脂被覆キャリアと組み合わせた二成分現像方式で用いるのが好ましい。キャリアとして樹脂被膜キャリアを使用することにより、トナーの小粒径化による帯電の立ち上がりや帯電分布の悪化、及び帯電量の低下からくる地汚れや濃度ムラが改善される。
<静電潜像現像用現像剤>
本実施形態の静電潜像現像用現像剤(以下、「現像剤」という場合がある)は、上記本実施形態のトナーを含有するものであれば特に制限はなく、トナーを単独で用いる一成分系の現像剤であってもよく、トナーとキャリアとを含む二成分系の現像剤であってもよい。なお、一成分系の現像剤の場合には、磁性金属粒子を含むトナーであっても磁性金属粒子を含まない非磁性一成分トナーであっても構わない。
キャリアは、公知のキャリアであれば特に制限されるものでなく、鉄粉系キャリア、フェライト系キャリア、表面コートフェライトキャリア等が使用される。また、それぞれの表面添加粉末は所望の表面処理を施して用いてもよい。
キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30から200μm程度の範囲である。
また、上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマー;などの単独重合体、または2種類以上のモノマーからなる共重合体、さらに、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。被覆樹脂の被覆量としては、前記核体粒子100質量部に対して0.1から10質量部程度の範囲が好ましく、0,5から3.0質量部の範囲がより好ましい。
キャリアの製造には、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどが使用され、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどが使用される。
キャリアとして、フェライト粒子を核体としてアクリル酸メチル又はアクリル酸エチル及びスチレン等に導電剤としてカーボンブラック等及び又は帯電制御剤としてメラミンビーズ等を分散した樹脂をコートしたキャリアを用いると、コート層を厚膜化しても抵抗制御性に優れるため、画質及び画質維持性に優れ、より好ましい
現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて選択される。
<画像形成装置>
次に、本実施形態の静電荷像現像用トナーを用いた画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、潜像保持体と、該潜像保持体上に形成された静電潜像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、潜像保持体をクリーニング部材で摺擦し転写残留成分を除去するクリーニング手段(トナー除去手段)と、を有し、前記現像剤として本発明の静電荷像現像用現像剤を用いるものである。
なお、この画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、現像剤保持体を少なくとも備え、本発明の静電荷像現像用現像剤を収容する本発明のプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1から第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着されるプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。
上述した第1から第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2から第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電潜像を形成する露光装置3、静電潜像に帯電したトナーを供給して静電潜像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600Vから−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
静電潜像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電潜像は、感光体1Yの走行に従って現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロー着色剤と結晶性樹脂及び非結晶性樹脂とを含む体積平均粒径が7μmのイエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2から第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1から第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図3は、本実施形態の静電荷像現像用現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像剤保持体111Aを備えた現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに、記録紙300に画像を形成する画像形成装置を構成するものである。
図3で示すプロセスカートリッジでは、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせられる。本実施形態のプロセルカートリッジでは、現像剤保持体111Aを備えた現像装置111を少なくとも備え、感光体107、帯電装置108、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備えてもよい。
次に、本実施形態のトナーカートリッジについて説明する。トナーカートリッジは、画像形成装置に着脱されるように装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収納するトナーカートリッジにおいて、前記トナーが既述した本実施形態のトナーであることを特徴とする。なお、本実施形態のトナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収容されてもよい。
従って、トナーカートリッジが着脱される構成を有する画像形成装置においては、本実施形態のトナーを収納したトナーカートリッジを利用することにより、本実施形態のトナーが容易に現像装置に供給される。
なお、図2に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kが着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換してもよい。
<画像形成方法>
次に、本実施形態のトナーを用いた画像形成方法について説明する。本実施形態のトナーは、公知の電子写真方式を利用した画像形成方法に利用される。具体的には以下の工程を有する画像形成方法において利用される。
すなわち、好ましい画像形成方法は、静電荷像保持体表面を一様に帯電させる帯電工程と、帯電した前記静電荷像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成工程と、前記静電荷像保持体の表面に形成された潜像を少なくともトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記静電荷像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記被転写体に転写されたトナー像を定着する定着工程と、転写後の前記静電荷像保持体表面の残留トナーを除去するクリーニング工程と、を有するもので、前記トナーとして、既述の本実施形態のトナーを用いる。また、転写工程は、静電荷潜像保持体から被転写体へのトナー像の転写を媒介する中間転写体を用いたものであってもよい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
<測定方法>
[トナー等の体積平均粒径、粒度分布の測定方法]
体積平均粒径及び粒径分布指標は、コールターマルチサイザー−II(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用する。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用い、その5%水溶液2ml中に測定試料を0.5から50mg加える。これを前記電解液100から150ml中に添加する。
測定試料を加え、懸濁した電解液は、超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザー−II型により、アパーチャー径30μmのアパーチャーを用いて0.6から18μmの粒子の粒度分布を測定し粒径を求める。
測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、個数、それぞれに小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を体積についてはD16v、個数についてはD16pと定義し、累積50%となる粒径を、体積についてはD50v、個数についてはD50pと定義する。同様に累積84%となる粒径についても、D84v、D84pと定義する。ここで体積平均粒径はD50vを意味し、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、(D84v/D16v)1/2で表され、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2で表される。
[トナーの形状係数SF1の測定方法]
トナーの形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナー径の最大長と、トナーの投影面積とを測定して、下式(2)により算出した。なお、計算に際しては、トナー50個以上の平均値として求めた。
・式(2) SF1=((トナー径の最大長)/トナーの投影面積)×(π/4)×100
[樹脂の分子量の測定方法]
結着樹脂(結晶性ポリエステル樹脂及び非結晶性ポリエステル樹脂)の分子量の測定においては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)として「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムとして「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。
測定は、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実施した。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
[ガラス転移温度及び融点の測定方法]
ガラス転移温度及び融点は、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)を用い、JIS 7121−1987に準拠して測定した。この装置の検出部の温度補正にはインジウムと亜鉛との混合物の融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いた。試料はアルミニウム製パンに入れ、サンプルの入ったアルミニウム製パンと対照用の空のアルミニウム製パンとをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
融点については、測定により得られたDSC曲線の吸熱ピークのうち、最大の吸熱ピークの頂点の温度をもって融点とした。
また、ガラス転移温度については、測定により得られたDSC曲線の吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度をもってガラス転移温度とした。
[溶融温度の測定方法]
非結晶性ポリエステル樹脂の溶融温度は、フローテスターCFT−500F型(島津製作所製)を用いて、温度−見かけ粘度曲線を求め、該粘度曲線上で、溶融粘度が1×10Pa・sのときの温度を溶融温度とした。溶融粘度の測定条件は以下の通りである。
溶融粘度の測定条件:昇温速度3.0℃/分、開始温度80.0℃、到達温度150.0℃、測定間隔3.0秒、予熱時間300.0秒、シリンダ圧力10.0kgf/cm(0.98MPa)、ダイ穴径1.0mm、ダイ長さ1.0mm
<実施例1>
・結着樹脂1(非晶性ポリエステル樹脂:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数2)/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2)/イソフタル酸/テレフタル酸ジメチル/無水ドデセニルコハク酸=200/100/60/100/40、重量平均分子量19000、ガラス転移温度61.5℃、Tm(溶融温度)=107℃) 50質量部
・結着樹脂2(非晶性ポリエステル樹脂:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2)/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2)/イソフタル酸/テレフタル酸ジメチル/無水ドデセニルコハク酸=150/150/20/100/80、重量平均分子量78000、ガラス転移温度56.2℃、Tm=118℃) 50質量部
・結晶性ポリエステル樹脂1:(1,10ドデカン2酸/1,9ノナンジオール、重量平均分子量24500、融点75℃) 7質量部
・離型剤1:(パラフィンワックス、製品名FNP0090、融点90.2℃、日本精蝋社製) 10質量部
・着色剤1:(銅フタロシアニン顔料 B15:3、BASF社製) 5質量部
以上の成分を、75Lヘンシェルミキサーにて原料ブレンドを行い、その後、図1のスクリュー構成を有する連続混錬機(2軸押出し機)にて、以下条件にて混錬を実施した。なお、スクリューの回転数は500rpmであり、供給量は50kg/分である。
・フィード部(ブロック12A及び12B)設定温度 20℃
・ニーディング部1混錬設定温度(ブロック12Cから12E) 90℃
・ニーディング部2混錬設定温度(ブロック12Fから12J) 115℃
・水系媒体(蒸留水)添加量:原料供給量100質量部に対して 1.5質量部
この時の排出口(排出口18)での混錬物温度は、125℃であった。
この混錬物を、内部を−5℃のブラインを通した圧延ロール及び2℃の冷水冷却のスラブ挟み込み式の冷却ベルトにて急冷却を行い、ピンミルで粗砕後、ハンマーミルで破砕を行った。急冷却速度は冷却ベルトの速度を変化させて確認したが、平均降温速度は10℃/secであった。
この後粗粉分級機内蔵の粉砕機(AFG400)にて、粉砕し、体積平均径5.8μmのトナーを得た。この粉砕時に、トナー構成材料100質量部に対して、0.7質量部のシリカ(ヘキサメチルジシラザン処理された体積平均粒径40nmのシリカ)を添加した。その後、慣性式分級機にて分級を行い、微粉・粗粉を除去した。
得られたトナー粒子に、メタチタン酸100質量部に対して40質量部のイソブチルトリメトキシシラン処理したチタン化合物1.5質量部、及び130nmのヘキサメチルジシラザン処理した球状シリカ1.2質量部を加え、75Lヘンシェルミキサーで10分間混合(外添ブレンド)した後、風力篩分機(ハイボルター)にて45μmで篩分を行いトナー1−Cを得た。
着色剤1を、「銅フタロシアニン顔料 B15:3(5質量部)」から、それぞれ「PY180(6.5質量部)」、「カーボンブラックR330(6質量部)」、「PR122(4質量部)及びPR283(4質量部)」に代えた以外は、トナー1−Cと全く同様な製造方法で、それぞれトナー1−Y、トナー1−K、トナー1−Mを作製した。
<比較例1>
結晶性ポリエステル樹脂1を「(1,10ドデカン2酸/1,9ノナンジオール、重量平均分子量24500、融点75℃) 7質量部」から、「(テレフタル酸/1,9ノナンジオール、重量平均分子量22000、融点94℃) 7質量部 」に変えた以外は、トナー1−Y、トナー1−M、トナー1−C、トナー1−Kと同様な方法で、それぞれトナー2−Y、トナー2−M、トナー2−C,トナー2−Kを得た。
<比較例2>
離型剤1を「(パラフィンワックス、製品名FNP0090、融点90.2℃、日本精蝋社製) 10質量部」の代わりに「(ポリエチレンワックス、製品名PW725、融点104℃、東洋ペトロライト社製) 10質量部」に代え、ニーディング部1混錬設定温度を90℃から105℃に代えた以外は、実施例1と全く同様な方法でトナー3−Y、トナー3−M、トナー3−C、トナー3−Kを作製した。
<比較例3>
実施例1の組成において、結着樹脂1及び結着樹脂2の代わりに「結着樹脂3(非晶性ポリエステル樹脂:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数2)/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2)/イソフタル酸/テレフタル酸ジメチル=200/100/100/120/、重量平均分子量25000、ガラス転移温度64.5℃、Tm=112℃) 100質量部」を用い、更に混錬条件を以下示す条件に変え、冷却条件を、ブライン設定温度を17℃、スラブ厚を5mm、冷却ベルトの速度を上げ、且つ冷却水温度を17℃にした以外は実施例1と全く同じ条件でトナーを作製し、トナー4−Y、トナー4−M、トナー4−C、トナー4−Kを得た。
・ニーディング部1の設定温度 115℃
・ニーディング部2の設定温度 140℃
・水系媒体(蒸留水)添加量 0%
この時の混錬樹脂温度は、150℃、冷却速度は、Δ1.5℃であった。
<実施例2>
・結着樹脂4(非晶性ポリエステル樹脂:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2)/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2)/イソフタル酸/テレフタル酸ジメチル=150/160/120/100、分子量48000、Tg=58.3℃、Tm=112℃) 90質量部
・結晶性ポリエステル樹脂(1,10ドデカン2酸/1,6ヘキサンジオール、融点75℃) 14質量部
・離型剤2(エステルワックス、製品名WEP5、融点84.5℃、中京油脂社製) 12質量部
・離型剤3(ポリエチレンワックス、製品名PW725、融点104℃、東洋ペトロライト社製) 2質量部
・着色剤1(実施例1と同一)
上記材料を用い、混錬条件を下記表1のようにした以外は、実施例1と同じ条件で、トナー5−Y,トナー5−M、トナー5−C、トナー5−Kを得た。
<実施例3>
実施例1において、粉砕時にシリカを添加しない以外は実施例1と同じ条件で、トナー6−Y,トナー6−M,トナー6−C,トナー6−Kを作製した。
参考例4>
実施例1において、混練条件を下記表2の条件にし、スクリューの回転数を(実施例1の0.74倍に)落とし、供給量を(実施例1の1/2に)落とした以外は、同じ条件でトナーを作製し、トナー7−Y、トナー7−M、トナー7−C、トナー7−Kを得た。この時の混練物排出温度は138℃であった。
<実施例5>
実施例1において、蒸留水添加量を4質量部、冷却条件を比較例3と同じ条件にした以外は、実施例1と同様な方法でトナーを作製し、トナー8−Y、トナー8−M、トナー8−C、トナー8−Kを得た。
参考例6>
実施例2において、混練条件を下記表2の条件にし、蒸留水添加量を2.5質量部にし、実施例3と同様に粉砕時にシリカを添加しない以外は、実施例2と同様な方法でトナーを作製し、トナー9−Y、トナー9−M、トナー9−C、トナー9−Kを得た。
<実施例7>
実施例1において、混練時の蒸留水添加及び混練後の急冷及び粉砕時の無機酸化物添加を行なわないこと以外は、実施例1と同様なプロセスにてトナーを作製し、トナー10−Y、トナー10−M、トナー10−C、トナー10−Kを得た。
<実施例8>
実施例1において、離型剤を10質量部から19質量部に変えた以外は、実施例1と同様なプロセスにてトナーを作製し、トナー11−Y、トナー11−M、トナー11−C、トナー11−Kを得た。
<実施例9>
実施例1において、
結着樹脂1を(非晶性ポリエステル樹脂:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数2)/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2)/イソフタル酸/テレフタル酸ジメチル/無水オクテニルコハク酸=250/50/50/50/100、重量平均分子量18000、ガラス転移温度58.5℃、Tm(溶融温度)=105℃) 50質量部
・結着樹脂2を(非晶性ポリエステル樹脂:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2)/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2)/テレフタル酸ジメチル/無水オクテニルコハク酸=150/150/50/150、重量平均分子量98000、ガラス転移温度55.1℃、Tm=116℃) 50質量部
に変えた以外は、実施例1と同様なプロセスにてトナーを作製し、トナー12−Y、トナー12−M、トナー12−C、トナー12−Kを得た。
<現像剤の作製>
[キャリアの作製]
粒径35μmのフェライトコア100質量部に対して、2.0質量部のメチルメタクリレート樹脂、カーボンブラック(VXC72)0.6質量部、及び0.3質量部のメラミンビーズ(エポスターS)をトルエン10質量部に溶解混合した混合液を、ニーダー装置を用いてコーティングして、キャリアを得た。得られたキャリア92質量部と、上述のトナーをそれぞれ8質量部と、をV型ブレンダーにて混合し、現像剤を得た。
<トナー及び現像剤の評価>
作製した二成分系の現像剤について、プロセススピードが可変のDocucentre−IIC7500改造機を用いて、プロセススピード350mm/secに固定した条件で、定着温度を120から250℃の範囲で変えて定着テストを実施した。
更に、得られた現像剤を用いて、上記改造機にて、定着温度を最低定着温度+20℃、プロセススピードを350mm/secに固定し、温度30℃湿度90%の環境下及び温度10℃湿度30%の環境下交互に、それぞれ1万枚ずつ合計10万枚の画質維持性テストを行った。
更に得られたトナーを、温度50℃湿度50%の環境に24時間放置した後、更に温度55℃湿度50%の環境に60時間放置した後、現像剤を作製し、上記改造機にて、定着温度を最低定着温度+20℃、プロセススピードを350mm/secに固定し、1千枚のInltial画質テストを実施した。
更に放置されたトナーに関しては、100gを目開き106μmの網にて手篩にかけ、ブロッキングの状態を観察した。
更に、得られたトナーに関しては、体積平均粒径、形状係数SF1、示唆走査熱量測定の昇温工程において得られる吸熱ピークの温度、表面離型剤存在比率(XPS測定のCC/CO比を使って算出)によりを、上記の方法により測定し、結果を表1及び表2に示す。
なお、表1及び表2中、「DSCピーク1番目」とは、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂との相溶に由来する吸熱ピークの温度を意味し、「DSCピーク2番目」とは、結晶性ポリエステル樹脂に由来する吸熱ピークの温度を意味し、「DSCピーク3番目」とは、離型剤に由来する吸熱ピークの温度を意味する。
<評価>
[定着性評価]
定着性の評価は、定着温度を変えた場合のオフセットが起こらなかった最も低い定着温度(最低定着温度)及び最も高い定着温度を測定し、以下の基準で評価した。
−定着特性(低温側)の評価基準−
◎:最低定着温度が120℃未満
○:最低定着温度が120℃以上130℃未満
△:最低定着温度が130℃以上140℃未満
×:最低定着温度が140℃以上150℃未満
××:最低定着温度が150℃以上
−定着特性(高温側)の評価基準−
◎:オフセット発生定着温度が230℃以上
○:オフセット発生定着温度が220℃以上230℃未満
△:オフセット発生定着温度が210℃以上220℃未満
×:オフセット発生定着温度が200℃以上210℃未満
××:最低定着温度が200℃未満
[保存性評価(手篩テスト)]
各環境において保管後、トナー100gを目開き106μmの標準篩で篩った時の篩い上に残ったトナーの残量を測定し、以下に基準で評価した。
−保存性(手篩テスト)の評価基準−
◎:残量が0.1g以下
○:残量が0.1gを超え0.5g未満
△:残量が0.5g以上1.0g未満
×:残量が1.0g以上2.0g未満
××:残量が2.0g以上
上記トナーの定着性、保存性(手篩テスト)の評価結果を表3に示す。
表3に示す結果から、実施例では、比較例に比べ、定着特性及び粉体特性(保存性)が良好であることがわかる。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造に用いるスクリュー押出機の一例について、スクリューの状態を説明する図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(潜像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線(静電潜像形成手段)
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
11 スクリュー押出し機
12 バレル
12Aから12J ブロック
14 注入口
16 液体添加口
18 排出口
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
111A 現像剤保持体
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
SA、SB、SC 送りスクリュー部
NA、NB ニーディング部
P、300 記録紙(被転写体)

Claims (6)

  1. 非結晶性ポリエステル樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂と、離型剤と、を含み、トナー中における前記離型剤の含有量が5質量%以上15質量%以下であり、前記トナーの表面離型剤存在比率が10質量%以上35質量%以下であり、前記トナーの示差走査熱量測定の昇温工程において、45℃以上60℃以下の範囲内、65℃以上80℃以下の範囲内、及び85℃以上100℃以下の範囲内に、それぞれ少なくとも1つ以上の吸熱ピークが得られる、静電荷像現像用トナーを製造する方法であり、
    前記非結晶性ポリエステル樹脂、前記結晶性ポリエステル樹脂、及び前記離型剤を含むトナー形成材料を混錬する混錬工程、前記混錬工程により形成された混錬物を冷却する冷却工程、及び前記冷却工程により冷却された前記混錬物を粉砕する粉砕工程を有し、
    前記混錬工程は、前記85℃以上100℃以下の範囲内に得られる前記吸熱ピークの温度をTa、前記非結晶性ポリエステル樹脂の溶融温度をTmとしたとき、前記トナー形成材料をTa−10℃以上Ta+10℃以下の温度で混錬する第1の混錬工程と、前記第1の混錬工程により混錬された前記トナー形成材料をTm−10℃以上Tm+20℃以下の温度で混錬する第2の混錬工程と、を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 前記非結晶性ポリエステル樹脂は、構成成分としてアルケニルコハク酸成分を含む、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法
  3. 前記非結晶性ポリエステル樹脂中における前記アルケニルコハク酸成分の含有量は、1質量%以上35質量%以下である、請求項2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法
  4. 前記第2の混錬工程において、前記トナー形成材料100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下の水系媒体を、前記トナー形成材料に添加する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 前記冷却工程において、前記混錬物を、4℃/sec以上の平均降温速度で40℃以下まで冷却する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 前記粉砕工程において、前記混錬物100質量部に対し、0.1質量部以上5質量部以下の無機酸化物を添加する、請求項から請求項までのいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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