JP2003270852A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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JP2003270852A
JP2003270852A JP2002070594A JP2002070594A JP2003270852A JP 2003270852 A JP2003270852 A JP 2003270852A JP 2002070594 A JP2002070594 A JP 2002070594A JP 2002070594 A JP2002070594 A JP 2002070594A JP 2003270852 A JP2003270852 A JP 2003270852A
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toner
wax
resin
amorphous polyester
crystalline polyester
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Application number
JP2002070594A
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English (en)
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Eiji Tenjiku
英司 天竺
Takeshi Kato
武 加藤
Sayaka Fujita
さやか 藤田
Takatsuru Matsumoto
香鶴 松本
Toshihiko Murakami
登司彦 村上
Masahiro Sakai
正博 酒井
Yasunori Matsuo
恭典 松生
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温定着性、耐オフセット性、耐ブロッキン
グ性、流動性及び粉砕性のいずれにも優れ、かつ感光体
汚染を生じることなく、長期にわたって優れた帯電量を
維持できるリサイクル方式に適した電子写真用トナーを
提供すること。 【解決手段】 結着樹脂が結晶性ポリエステル(樹脂A)
と非晶質ポリエステル及び/又は非晶質ポリエステルポ
リアミド(樹脂B)とを主成分とする結着樹脂を含有し、
樹脂Aが炭素数2〜6のジオールを80モル%以上含有
したアルコール成分とフマル酸を80モル%以上含有し
たカルボン酸成分とを縮重合させて得られる、軟化点が
85〜150℃の樹脂であり、樹脂Bが芳香族化合物を
50重量%以上含有した単量体を縮重合させて得られる
樹脂であり、樹脂A/樹脂Bの重量比が1/99〜50/
50であり、外添剤による表面被覆率が30%以上であ
る電子写真用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像の現
像に用いられる電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からキャリア粒子とトナー粒子との
混合物からなるいわゆる二成分系乾式現像剤はよく知ら
れている。この二成分系乾式現像剤は、比較的大きな粒
子表面上に微小なトナー粒子が、両粒子の摩擦により発
生した電気力により保持されており、静電潜像に近接す
ると、静電潜像が形成する電界によるトナー粒子に対す
る潜像方向への吸引力が、トナー粒子とキャリア粒子間
の結合力に打ち勝って、トナー粒子は静電潜像上に吸引
付着されて静電潜像が可視化されるものである。そし
て、現像剤は現像によって消費されたトナーを補充しな
がら反復使用される。
【0003】従来、そのような現像システムにおいて静
電潜像を転写紙に転写後、感光体上に残った未転写トナ
ーは、ゴム状弾性ブレードを感光体に当接することによ
り取り除く機構により回収され廃棄されていた。しか
し、リサイクルの気運が高まる中でそのような回収トナ
ーを再びトナーボトルへ循環搬送し再利用するシステム
が提案され実用化され始めている。しかし該システムに
おいて良好な画質の画像を形成するにはトナーが高い流
動性を有することが必要であり、この点から、シリカ微
粒子などよりなる流動化剤をトナー粉末に混合すること
が行われている。
【0004】例えば、特開昭51−120631号公
報、特開昭48−47346号公報、特開昭51−10
1535号公報などに開示されているように、珪素、チ
タニウム、もしくはアルミニウムなどの酸化物を現像剤
組成物に添加する方法があるが、近年、低温定着、高速
複写に使用されるトナーのように低軟化点の樹脂やワッ
クスを使用したトナーでは、その樹脂のもつ粘着性のた
め、流動性は充分ではなく、流動性がさらに向上する添
加剤が望まれている。
【0005】さらにこれを解決する方法として、2種類
の特性の異なる添加剤を混合して使用する方法が提案さ
れている。例えば特開昭60−136755号公報に
は、シリカとチタンとの混合が開示されている。特開昭
61−188546号公報、特開平2−151872号
公報には、粒径の異なる添加剤を混合することが開示さ
れている。さらに特開昭61−249059号公報に
は、疎水性シリカと親水性シリカとの混合が、また特開
昭61−20053号公報には、正極性の添加剤と負極
性の添加剤との混合が開示されている。これらの添加剤
の使用により、従来技術における欠点が比較的改良され
るようになったものの、低軟化点樹脂やワックスを使用
したリサイクルシステムに適用するトナーでは、流動性
及び画像上の地汚れに関し、まだ不十分なものであっ
た。
【0006】またトナー像の定着法として広く採用され
ているヒートロール定着方式は、他の定着法より高速で
堅牢な定着像が得られ、エネルギー効率が高く、溶剤等
の揮発による環境への害が少ない等の点で優れているも
のの、トナー像が定着ロールやベルトに直接接触するた
め、オフセット現象が生じやすいという欠点がある。一
方、省エネルギー化の観点からは、定着器の温度が使用
温度に達するまでの待ち時間を短くするとともに、より
低温でのトナー定着が望まれている。そこで、結着樹脂
等のガラス転移点を下げたり、低分子量成分を多くした
り、可塑剤等を用いる方法が試みられているが、トナー
が保存時あるいは現像機内で凝集固結する、いわゆるブ
ロッキングを生じることがある。
【0007】そこで、定着温度を低くする方法として、
結着樹脂として結晶性ポリエステルを含有したトナーが
知られている。例えば特公昭62−39428号公報に
は、酸成分として芳香族ポリカルボン酸成分を50モル
%以上含有した結晶性ポリエステルと酸成分として芳香
族ポリカルボン酸成分を60モル%以上含有した非晶性
ポリエステルとからなる結着樹脂を含有したトナーが開
示されているが、両者のポリエステルの基本骨格が同じ
場合には、トナー製造時の混練りの際に樹脂が互いに相
溶してしまい、結晶性ポリエステルのガラス転移点を保
持しにくくなる。また特公平5−442032号公報に
は、軟化点が50〜100℃の結晶性ポリエステルと高
軟化点の結晶性ポリエステルとを含有したトナーも開示
されているが、やはり両者のポリエステルの基本骨格が
同じ場合には、前記と同様の理由で低融点側のポリエス
テルの軟化点が粉砕性または保存安定性に悪影響を及ぼ
す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温定着
性、耐オフセット性、耐ブロッキング性、流動性及び粉
砕性のいずれにも優れ、かつ感光体汚染を生じることな
く、長期にわたって優れた帯電量を維持することができ
るリサイクル方式に適した電子写真用トナーを提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)有機光
半導体上の静電潜像を現像したトナー像を転写後、該有
機光半導体上に残存する未転写トナーを、ゴム状弾性ブ
レードを該有機光半導体に当接することにより取り除く
機構を有するトナー回収装置により回収したトナーを現
像装置に循環して再使用する画像形成方法に用いるトナ
ーであって、結着樹脂が結晶性ポリエステルと非晶質ポ
リエステル及び/又は非晶質ポリエステルポリアミドと
を主成分とする結着樹脂を含有し、前記結晶性ポリエス
テルが炭素数2〜6のジオールを80モル%以上含有し
たアルコール成分とフマル酸を80モル%以上含有した
カルボン酸成分とを縮重合させて得られる、軟化点が8
5〜150℃の樹脂であり、前記非晶質ポリエステル及
び/又は非晶質ポリエステルポリアミドが芳香族化合物
を50重量%以上含有した単量体を縮重合させて得られ
る樹脂であり、前記非晶質ポリエステル及び/又は非晶
質ポリエステルポリアミドに対する前記結晶性ポリエス
テルの重量比〔結晶性ポリエステル/(非晶質ポリエス
テル及び/又は非晶質ポリエステルポリアミド)〕が1
/99〜50/50であり、外添剤による表面被覆率が
30%以上であるようにした。
【0010】(2)また前記(1)において、結晶性ポ
リエステルが3価以上の多価アルコール及び3価以上の
多価カルボン酸化合物からなる群より選ばれた3価以上
の単量体を0.1〜30モル%含有した単量体を縮重合
させて得られる樹脂であるようにした。 (3)また前記(1)又は(2)において、非晶質ポリ
エステルの軟化点が70〜180℃、ガラス転移点が4
5〜80℃であるようにした。 (4)また前記(1)又は(2)又は(3)において、
結晶性ポリエステルの軟化点よりも、融点が10℃以上
低い定着性向上のためのワックスの少なくとも1種をさ
らに含有するようにした。
【0011】(5)さらに前記(1)又は(2)又は
(3)又は(4)において、トナー表面の高温オフセッ
ト向上のため、ワックス露出量が15〜40重量%であ
るようにした。 (6)さらにまた前記(5)において、前記トナーに含
有される高温オフセット性向上のためのワックス量をY
とした時に、トナー表面のワックス露出量X(重量%)
との関係が、式40≦X×Y≦240を満足するように
した。 (7)さらにまた前記(5)又は(6)において、高温
オフセット性向上のためのワックスが低分子量ポリプロ
ピレン及び/又は低分子量ポリエチレンであるようにし
た。 (8)さらにまた前記(1)乃至(7)のいずれかにお
いて、平均粒子径が4〜10μmであるようにした。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真用トナーは、結
晶性ポリエステル(樹脂A)と非晶質ポリエステル及び
/又は非晶質ポリエステルポリアミド(樹脂B)とを主
成分とする結着樹脂を含有してなる。結着樹脂中の、結
晶性ポリエステルと非晶質ポリエステル及び/又は非晶
質ポリエステルポリアミドの総量は、50〜100重量
%が好ましく、80〜100重量%がより好ましく、1
00重量%が特に好ましい。
【0013】樹脂Aとしての結晶性ポリエステルは、2
価以上の多価アルコールからなるアルコール成分と、2
価以上の多価カルボン酸化合物からなるカルボン酸成分
とを含有した単量体を用いて得られるが、樹脂の軟化点
及び結晶性の観点から、アルコール成分には、炭素数2
〜6のジオールを80モル%以上、好ましくは90〜1
00モル%含有したものを、カルボン酸成分にはフマル
酸を80モル%以上、好ましくは85〜100モル%含
有したものを用いる。炭素数2〜6のジオールとして
は、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタン
ジオール等が挙げられ、これらの中ではα,ω−直鎖ア
ルキレングリコールが好ましく、1,4−ブタンジオー
ルがより好ましい。
【0014】炭素数2〜6のジオール以外に用いられて
もよい2価の多価アルコールとしては、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、1,8−オクタンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、水
添ビスフェノールA等が挙げられ、これらの中では、炭
素数7〜20の脂肪族系ジオール、それらの縮合物及び
炭素数2〜6のジオールの縮合物が好ましい。
【0015】3価以上の多価アルコールとしては、ソル
ビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,
4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−
ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、
グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチ
ル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒド
ロキシメチルベンゼン等が挙げられ、これらの中では樹
脂の軟化点及び結晶性の観点からグリセリンが好まし
い。また、フマル酸以外に用いられてもよい、好ましい
2価の多価カルボン酸化合物は、マレイン酸、シトラコ
ン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コ
ハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロ
ン酸、もしくはドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸
等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20の
アルケニル基で置換されたコハク酸及びこれらの酸の無
水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等
である。
【0016】3価以上の多価カルボン酸化合物として
は、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリッ
ト酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタ
ントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン
酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレ
ンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサント
リカルボン酸、テトラ (メチレンカルボキシル) メタ
ン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロ
メリット酸、エンポール三量体酸及びこれらの酸無水
物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等が
挙げられ、これらの中では樹脂の軟化点及び結晶性の観
点からトリメリット酸及びその誘導体が好ましい。
【0017】本発明では、結晶性ポリエステルとして非
線状のポリエステルを形成するため、3価以上の多価ア
ルコール及び3価以上の多価カルボン酸化合物からなる
群より選ばれた3価以上の単量体を、0.1〜30モル
%、好ましくは0.1〜20モル%、より好ましくは1
〜10モル%含有した単量体が望ましい。
【0018】アルコール成分とカルボン酸成分は、不活
性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒、重合禁
止剤等を用いて、150〜250℃の温度で反応させる
こと等により縮重合させることができる。具体的には、
樹脂の強度を上げるために全単量体を一括仕込みした
り、低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先
ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させ
る等の方法を用いてもよい。
【0019】なお本発明において、「結晶性」とは、軟
化点とDSCによる融解熱の最大ピーク温度の比(軟化
点/ピーク温度)が0.9以上1.1未満、好ましくは
0.98〜1.05であることをいい、また「非晶質」
とは、軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化点/
ピーク温度)が1.1〜4.0、好ましくは1.5〜
3.0であることをいう。結晶性ポリエステルの軟化点
は、好ましくは85〜150℃、より好ましくは100
〜140℃であり、融解熱の最大ピーク温度は、好まし
くは77〜150℃、より好ましくは90〜140℃で
ある。結晶性ポリエステルのテトラヒドロフラン可溶分
の数平均分子量は、耐ブロッキング性及び溶融粘度の観
点から、500〜6000が好ましく、500〜500
0がより好ましい。なお、結晶性ポリエステル樹脂が2
種以上の樹脂からなる場合は、その少なくとも1種、好
ましくはそのいずれもが以上に説明した結晶性ポリエス
テルであるのが望ましい。
【0020】樹脂Bとしては、非晶質ポリエステル及び
/又は非晶質ポリエステルポリアミドが用いられるが、
本発明では、定着性の観点から、非晶質ポリエステルが
好ましい。樹脂Bとしての非晶質ポリエステルは、公知
の多価アルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水
物、カルボン酸エステル等の多価カルボン酸成分を含有
した単量体を用いて得られる。
【0021】多価アルコール成分としては、ポリオキシ
プロピレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシ
フェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の
ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサ
イド(平均付加モル数1〜10)付加物、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロー
ルプロパン、水添ビスフェノールA、ソルビトール、又
はそれらのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平
均付加モル数1〜10)付加物等が挙げられ、これらの
1種以上を含有するものが好ましい。
【0022】また多価カルボン酸成分としては、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン
酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコ
ハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜
20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれら
の酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げら
れ、これらの1種以上を含有するものが好ましい。
【0023】また非晶質ポリエステルポリアミドは、前
記の多価アルコール成分及び多価カルボン酸成分に加え
てさらに、アミド成分を形成するために、エチレンジア
ミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミ
ン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、トリエ
チレンテトラミン等のポリアミン、6−アミノカプロン
酸、ε−カプロラクタム等のアミノカルボン酸類、プロ
パノールアミン等のアミノアルコール等が用いられ、こ
れらの中ではヘキサメチレンジアミン及びε−カプロラ
クタムが好ましい。非晶質ポリエステル及び非晶質ポリ
エステルポリアミドも、結晶性ポリエステルと同様にし
て製造することができる。
【0024】本発明では、非晶質ポリエステル及びまた
は非晶質ポリエステルポリアミドの単量体として、芳香
族化合物を50重量%以上、好ましくは60〜95重量
%含有したものを用いる。これにより、樹脂Aの結晶性
ポリエステルと樹脂Bの非晶質ポリエステル及び/又は
非晶質ポリエステルポリアミドの基本骨格が異なるた
め、トナー製造時の混練の際にも、樹脂Aと樹脂Bとが
互いに相溶することなく、樹脂Aの結晶性ポリエステル
の特性を維持することができる。
【0025】非晶質ポリエステル及びまたは非晶質ポリ
エステルポリアミドの原料モノマーとして好ましい芳香
族化合物としては、トリメリット酸及びその誘導体、イ
ソフタル酸、テレフタル酸及びそれらの誘導体、ビスフ
ェノールAのアルキレンオキシド付加物、フェニレンジ
アミン、キシリレンジアミン等が挙げられる。
【0026】非晶質ポリエステル及びまたは非晶質ポリ
エステルポリアミドの軟化点は70〜180℃、融解熱
の最大ピーク温度は50〜85℃、ガラス転移点は45
〜80℃、クロロホルム不溶分率は0〜50重量%であ
ることが、それぞれ好ましい。軟化点が70℃より低い
と、トナーが熱でブロッキングしやすくなり、軟化点が
180℃より高いと定着温度が高くなりすぎ、省エネル
ギー定着が困難になる。またガラス転移点が70℃より
低いと、トナーが熱でブロッキングしやすくなり、ガラ
ス転移点が80℃より高いと定着温度が高くなり省エネ
ルギー定着が困難になる。
【0027】なお、非晶質ポリエステル及び/又は非晶
質ポリエステルポリアミドが2種以上の樹脂からなる場
合は、その少なくとも1種、好ましくはそのいずれもが
以上に説明した物性を有する非晶質ポリエステル及び/
又は非晶質ポリエステルポリアミドであるのが望ましい
が、定着性と耐ブロッキング性の両立の点からは、軟化
点が95〜180℃、ガラス転移点が50〜80℃の樹
脂(樹脂a)と、軟化点が70〜125℃、ガラス転移
点が45〜60℃の樹脂(樹脂b)の混合物が好まし
く、その配合比率(樹脂a/樹脂b)は、重量比で、5
0/50〜95/5が好ましい。
【0028】非晶質ポリエステル及び/又は非晶質ポリ
エステルポリアミドに対する前記結晶性ポリエステルの
重量比〔結晶性ポリエステル/(非晶質ポリエステル及
び/又は非晶質ポリエステルポリアミド)〕は、最低定
着温度の観点から、1/99以上、高温オフセット防止
の観点から、50/50以下であり、好ましくは5/9
5〜40/60、特に好ましくは10/90〜30/7
0である。なお、結晶性ポリエステル、非晶質ポリエス
テル及び非晶質ポリエステルポリアミドは、それぞれ単
独の樹脂であってもよく、2種以上の樹脂の混合物であ
ってもよい。
【0029】さらに本発明のトナーには、定着性向上の
ためのワックスが含有されていることが好ましい。ワッ
クスとしては、カルナウバワックス、ライスワックス等
の天然ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレ
ンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワック
ス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、アルコール
系ワックス、エステル系ワックス等が挙げられ、これら
は単独でまたは2種以上を混合して含有されていてもよ
く、またこれらのなかでは、結着樹脂との相溶性の観点
から、カルナウバワックス、ポリプロピレンワックス及
びフィッシャートロプッシュが好ましい。ワックスの融
点は、結晶性ポリエステルの軟化点(ただし、2種以上
の結晶性ポリエステルが含有される場合は、最も低い軟
化点を有する結晶性ポリエステルの軟化点)よりも10
℃以上、好ましくは10〜50℃低いことが望ましく、
その含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.5
〜10重量部が好ましい。
【0030】また、高温オフセットを向上させるための
ワックスとして、低分子量ポリプロピレンワックス、低
分子量ポリエチレンワックス等、軟化点90〜160℃
の範囲のものが好適に使用する。用いるワックスには、
低分子量ポリプロピレンワックス、低分子量ポリエチレ
ンワックスのいずれか一方を含有させることが好まし
く、両者を併用するのがさらに好ましい。両者を併用し
た場合には、耐オフセット性が良好となり、さらに定着
後のトナー画像を白紙でこすったときにトナー像の一部
が破断されてこすった白紙に移行する現像(スマッジ現
像)を改善できるという利点がある。好ましくは低分子
量ポリプロピレンワックス及び/又は低分子量ポリエチ
レンワックスを含むワックスは、トナー粒子表面上のワ
ックス露出量X(重量%)が15〜40であることが必
要であり、好ましくは20〜30の範囲である。
【0031】ここで、ワックスの添加量をYで表したと
き、40≦X×Y≦240になるように配合されること
が好ましい。この場合、ワックス露出量Xが15%未
満、或いはX×Yが40未満の場合、ホットオフセッ
ト、フィンガーマーク等が発生し、画像の定着性が低下
してしまう虞があり、また、ワックス露出量Xが40%
を超える、或いはX×Yが240を超える場合にはキャ
リアへのワックスの移行を引き起し易くなるため、本発
明では、ワックス露出量は15〜40%の範囲を採用す
る必要がある。
【0032】トナー表面上のワックス露出量の制御方法
としては、(1)ワックスの添加量の制御、(2)ワッ
クスの分散径の制御、(3)トナー表面への後処理な
ど、公知の方法を採用することができる。ワックス分散
径が大きすぎた場合、トナー作成時にワックスのドメイ
ンの部分で粉砕されやすくなり、表面ワックス量が増加
する。両者の相関で言えば、ワックスの添加量が少ない
場合には、ワックスの分散径を大きくし、ワックスの添
加量が多い場合には、ワックスの分散径を小さくするこ
とによって、露出量を所望の範囲に調整することができ
る。このようなワックス分散径の制御方法としては、ト
ナー混練時の温度を制御する方法、ワックス分散時の剪
断力や処理速度を制御する方法等が挙げられる。例え
ば、トナー混練時に、ワックスの軟化点以下で混練する
ことにより、スラブ中のワックス部分についても混練シ
ェアがかかり、ある程度、ワックス分散を小さくするこ
とができる。一般的には、ワックスの分散径は、0.1
〜2μmの範囲であることが好ましく、0.5〜1μm
であることがより好ましい。
【0033】本発明においては、トナー表面のワックス
量は、ESCA(XPS)〔Electron Spe
ctroscopy for Chemical An
alysis(X−ray Photoelecron
Spectroscopy)〕により、トナー粒子の
表面層(5nm以内)に存在する元素個数比率を求め、
次に各トナー成分である結着樹脂、ワックス、着色材等
の各構成化合物の存在元素比率を配合量より求め、これ
らを標準としてトナー表面層に存在するワックスの量を
重量比率で算出した値を用いている。
【0034】さらに本発明の電子写真用トナーには、着
色剤、荷電制御剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強
充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、流動性向上剤、クリ
ーニング性向上剤等の添加剤が、適宜含有されていても
よい。着色剤としては、トナー用着色剤として用いられ
ている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カ
ーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネント
ブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピ
グメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベン
トレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブ
ルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロ
ー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合し
て用いることができる。着色剤の含有量は、結着樹脂1
00重量部に対して、1〜10重量部が好ましい。
【0035】トナーの外添処理については、母体トナー
単独の帯電量に比してトナーの帯電量を増加させる添加
剤を先に添加混合してから、トナーの帯電量を減少させ
る添加剤を混合することにより、帯電量を減少させる添
加剤がトナーの内側に保持されるため、画像上地汚れが
ない良好な結果を得ることができ、また母体トナー単独
の帯電量に比してトナーの帯電量を増加させる添加剤を
トナーの帯電量を減少させる添加剤よりも強く撹拌して
添加混合させる事により、常に安定した帯電性を得るこ
とができる。さらに本発明においては、トナー帯電量を
増加させる添加剤として母体トナーの帯電量を5〜50
%増加させる添加剤を用いる事により、画像上地汚れを
生じない良好なトナーが得られるものである。また、ト
ナーの帯電量を減少させる添加剤を添加する場合、母体
トナーの帯電量を5〜50%減少させる添加剤を用いる
事により、同様に画像上地汚れを生じない良好なトナー
が得られる。
【0036】リサイクル過程において回収したトナー粒
子が繰り返して画像形成プロセスに用いられるため、ト
ナー粒子が頻繁に機械的外力を受け、その結果添加剤が
トナーへ埋没し、トナーの凝集性が悪化するから、強固
に付着した添加剤の外側に弱く付着した添加剤が存在す
るトナーを用いることにより、トナーへの埋没が少なく
なり、凝集性が悪化することなく、トナーの凝集性を防
止することができる。
【0037】本発明のトナーにおいて用いられる外添剤
として、例えば、シリカ微粉体、アルミナ微粉体、酸化
チタン微粉体、酸化ジルコニウム微粉体、酸化マグネシ
ウム微粉体、酸化亜鉛の如き金属酸化物の微粉体;チッ
化ホウ素微粉体、チッ化アルミニウム微粉体、チッ化炭
素微粉体の如きチッ化物;さらにチタン酸カルシウム、
チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸
マグネシウムが挙げられる。本発明においては特に平均
一次粒子径0.001〜0.2μmの無機微粉体を用い
るのが好ましい。
【0038】上記添加剤においては、トナーの流動性を
高めるばかりでなく、トナーの帯電性を阻害しないこと
も重要な因子となる。よって本発明のトナーにおいて
は、無機微粉体が表面疎水化処理されていることが更に
好ましく、流動性の付与と帯電の安定化を同時に満足し
得ることが可能となる。すなわち疎水化処理されている
ことにより、帯電量を左右する因子である水分の影響を
除外し、高湿下及び低湿下での帯電量の格差を低減する
ことで環境特性を向上させることが可能になる点と、製
造工程の中で疎水化処理を入れることで一次粒子の凝集
を防ぐことが可能となり、トナーに均一な帯電付与を行
うことが可能になる。
【0039】一次粒子径が0.001μm未満のもの
は、凝集しやすい一方で、トナー表面へ埋め込まれやす
いことから、撹拌時などに、トナーに変化を生じてしま
う。一方、0.2μmを超えるものが多いとトナーの流
動性が不十分となる。本発明においては、特に平均一次
粒子径が0.001〜0.2μmの酸化チタン微粉体又
はアルミナ微粉体が、流動性が良好でトナーの帯電が均
一となり、結果としてトナー飛散、カブリが生じにくく
なるのでより好ましい。さらに、トナー粒子表面に埋め
込まれにくくなり、劣化が生じにくく、多数枚耐久性が
向上する。
【0040】本発明に用いられる疎水化処理剤として
は、表面改質の目的、たとえば帯電特性のコントロー
ル、さらには高湿下での帯電の安定化および反応性に応
じて適宜選択すれば良い。例えばアルキルアルコキシシ
ラン,シロキサン,シラン,シリコーンオイル等のシラ
ン系有機化合物であり、反応処理温度にて、それ自体が
熱分解しないものが良い。特に好ましいものとしては、
カップリング剤等の揮発性を有し、疎水性基及び反応性
に富んだ結合基の双方を有している一般式RmSiYn
示されるアルキルアルコキシシランを用いるのが良い。
式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示
し、Yはアルキル基,ビニル基,グリシドキシ基,メタ
クリル基の如き炭化水素基を示し、nは、1〜3の整数
を示す。
【0041】例えばビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イ
ソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシ
ラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシ
シラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げ
ることができる。より好ましくは、式Ca2a+1−Si
−(OCb2b+13[式中、aは4〜12の整数を示
し、bは1〜3の整数を示す]で示されるアルキルアル
コキシシラン化合物が良い。
【0042】ここで一般式におけるaが4より小さい
と、処理は容易となるが良好な疎水性が得られにくい。
また、aが13より大きいと疎水性は十分になるが、微
粉体同士の合一が多くなり流動性付与能が低下してしま
う傾向を示す。また、bは3より大きいと反応性が低下
して良好な疎水化が得られにくい。したがって本発明に
おいて、aは好ましくは4〜12、より好ましくは4〜
8であり、bは好ましくは1〜3、より好ましくは1〜
2が良い。その処理量は、酸化チタン微粉体もしくはア
ルミナ微粉体100重量部に対して1〜50重量部、好
ましくは3〜45重量部とし、疎水化度を30〜90
%、好ましくは40〜80%にすれば良い。
【0043】さらに、帯電量や流動性の点から外添剤の
トナー表面被覆率が30%以上であることが望ましい。
これによりリサイクル方式においても良好なトナーの流
動性が得られ、トナー凝集を防止することができる。ま
た、これら添加剤の添加量は2種類混合時に母体トナー
に対し、それぞれ0.1〜5.0重量部、好ましくは
0.2〜2.0重量部である。この範囲より少ない場合
は充分な帯電量と流動性をトナーに付与することができ
ず、逆にこの範囲より多い場合には帯電量や流動性の環
境依存性が大きくなる。
【0044】本発明のトナーは、混練粉砕法等により得
られる粉砕トナーが好ましく、例えば、結着樹脂、着色
剤等をボールミル等の混合機で均一に混合した後、密閉
式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で溶融混練
し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。さら
にトナーの表面には、必要に応じて流動性向上剤等を添
加してもよい。このようにして得られるトナーの重量平
均粒子径は、好ましくは3〜10μmである。粒径が4
μm以下では、通常用紙に複写した際に、紙の繊維にト
ナー粒子が埋まり、ソリッド画面が荒れた感じとなり、
10μm以上では階調性、細線再現性が悪くなるため、
上記範囲にあることが好適である。本発明の電子写真用
トナーは、磁性体微粉末を含有するときは単独で現像剤
として、また磁性体微粉末を含有しないときは非磁性一
成分系現像剤として、もしくはキャリアと混合して二成
分系現像剤として使用される。
【0045】
【実施例】〔軟化点〕高化式フローテスター((株)島
津製作所製、CFT−500D)を用い、1gの試料を
昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより
1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mm
のノズルを押し出すようにし、これによりフローテスタ
ーのプランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、
そのS字曲線の高さをhとするときh/2に対応する温
度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
【0046】〔融解熱の最大ピーク温度及びガラス転移
点〕示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC2
10)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温
速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度
10℃/分で測定し、融解熱の最大ピーク温度を求め
る。また、ガラス転移点は、前記測定でガラス転移点以
下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分か
ら、ピークの頂点まで、最大傾斜を示す接線との交点の
温度とする。
【0047】〔テトラヒドロフラン可溶分の数平均分子
量〕ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定する(試
料濃度:0.5重量%、溶離液:テトラヒドロフラン、
流量:1ml/分、温度:40℃、カラム:GMHLX
/G3000HXL(東ソー(株)製)、標準試料:単
分散ポリスチレン)。 なお、試料には樹脂粉末40m
gとテトラヒドロフラン10mlを20ml容のサンプ
ル管に入れ、ボールミルにて室温で3時間攪拌後、メン
ブランフィルター(東洋濾紙(株)製、0.2μm穴
径)で濾過して調製したものを用いる。
【0048】〔クロロホルム不溶分率〕100ml容の
ふた付きガラス瓶に樹脂粉体5g、ラジオライト「♯7
00」5g(昭和化学工業(株)製)及びクロロホルム
100mlを入れ、ボールミルにて25℃で5時間攪拌
した後、ラジオライト5gを均一に敷き詰めた濾紙(東
洋濾紙(株)製、No.2)で加圧濾過する。濾紙上の固形
物をクロロホルム100mlで2回洗浄し、乾燥させた
後、以下の式に従い不溶分率を算出する。不溶分率(重
量%)=(濾紙上の固形物の重量−ラジオライト10
g)/5g×100
【0049】〔ワックスの融点〕示差走査熱量計(セイ
コー電子工業社製、DSC210)を用いて昇温速度1
0℃/分で測定した際に得られる吸熱ピークの頂点の温
度とする。
【0050】樹脂製造例1 表1に示す原料を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱
伝対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、
160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1
時間反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応させ
た。得られた樹脂A〜D(結晶性ポリエステル)の軟化
点、融解熱の最大ピーク温度及びテトラヒドロフラン可
溶分の数平均分子量を表1に示す。
【0051】樹脂製造例2 表2に示す原料及び酸化ジブチル錫4gを、脱水管、攪
拌器及び熱伝対を装備した5リットル容の四つ口フラス
コに入れ、220℃で8時間反応させた後、8.3kP
aにて所定の軟化点に達するまでさらに反応させた。得
られた樹脂a〜d(非晶質ポリエステル)の軟化点、融
解熱の最大ピーク温度、ガラス転移点、原料中の芳香族
化合物の含有率及びクロロホルム不溶分率を表2に示
す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】実施例1〜5及び比較例1〜4 結着樹脂として表3に示す結着樹脂の合計100重量
部、カーボンブラック「モーガルL」(キャボットコー
ポレーション社製)5重量部、ポリプロピレンワックス
「ビスコール550P」(三洋化成社製、融点:140
℃)5重量部及び荷電制御剤「S−34」(オリエント
化学社製)1重量部をヘンシェルミキサーを用いて混合
した後、二軸押出機により溶融混練した。得られた溶融
混練物を、高速ジェットミル粉砕分級機「IDS−2
型」(日本ニューマティック社製)を用いて、重量平均
粒径が8μmとなるよう、粉砕、分級した。その際の粉
砕性を以下の評価基準に従って評価した。結果を表4に
示す。 〔粉砕性の評価基準〕 ○:全く問題なく重量平均粒径8μmの粉体が得られ
る。 ×:粉砕途中に融着が生じ、連続粉砕が出来ない。 得られた粉体100重量部に疎水性シリカ「R−976
S」(日本アエロジル社製)0.5重量部を添加し、ヘ
ンシェルミキサーで混合してトナーを得た。
【0055】
【表3】
【0056】実施例6〜9及び比較例6〜8 結着樹脂として表3に示す決着樹脂の合計100重量部
を、実施例9ではポリプロピレンワックス「ビスコール
550P」(三洋化成社製、融点:140℃)3重量部
及びフィッシャートロプッシュ「サゾールワックスSP
−105」(サゾール社製、融点:105℃)2重量部
を、比較例6では、ポリプロピレンワックスの代りにフ
ィッシャートロプッシュ「サゾールワックスSP−10
5」(サゾール社製、融点:105℃)5重量部をそれ
ぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、粉砕性を評
価し、得られた粉体に疎水性シリカをそれぞれ適量添加
し、ヘンシェルミキサーで混合してトナーを得た。得ら
れたトナーの外添剤表面被覆率およびトナー表面ワック
ス量、(トナー表面ワックス量)×(ワックス添加量)
を表4に示す。
【0057】比較例5 結着樹脂として表3に示す決着樹脂の合計100重量
部、ワックスの添加量は5重量部から7重量部に変え
た。得られた粉体100重量部に疎水性シリカ「R−9
72」(日本アエロジル社製)0.25重量部を添加
し、ヘンシェルミキサーで混合してトナーを得た。ワッ
クス及び疎水性シリカの重量部を変更した以外は、実施
例1と同様にして、粉砕性を評価し、トナーを得た。得
られたトナーの外添剤表面被覆率およびトナー表面ワッ
クス量、(トナー表面ワックス量)×(ワックス添加
量)を表4に示す。
【0058】特性評価 トナー4重量部に対し、平均粒子径60μmのシリコン
コートフェライトキャリア(パウダーテック社製)96
重量部を混合して現像剤とした。ついで複写機「AR−
505」(シャープ社製)を改造した装置(印字枚数:
50枚/分)に、得られた現像剤を実装し、定着ローラ
ーの温度を90℃から240℃へと順次上昇させなが
ら、画像出しを行い、下記方法により最低定着温度及び
ホットオフセット発生温度を測定した。結果を表5に示
す。 (1)最低定着温度 500gの荷重をかけた底面が15mm×7.5mmの
砂消しゴムで、定着機を通して定着された画像を5往復
こすり、こする前後の光学反射密度を反射濃度計「RD
−915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比
率(こすり後/こすり前)が最初に70%を越える定着
ローラーの温度を最低定着温度とする。結果を表5に示
す。
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】(2)高温オフセット発生温度 各温度で画像出しを行った後、続けて白紙の転写紙を同
様の条件下で定着ローラーに送り、該白紙にトナー汚れ
が最初に生じる定着ローラーの温度を高温オフセット発
生温度とする。 (3)耐ブロッキング性 100ml容のガラス瓶にトナー10gを入れ、下記の
環境条件下で24時間放置し、以下の評価基準に従っ
て、耐ブロッキング性を評価した。結果を表5に示す。 条件A:温度50℃、相対湿度50% 条件B:温度50℃、相対湿度90% 〔評価基準〕 ○:いずれの条件下でも全くブロッキングが見られな
い。 △:条件Bのときのみブロッキングが見られる。 ×:いずれの条件下でもブロッキングが見られる。
【0062】(4)画質試験 トナー4重量部に対し、平均粒子径60μmのシリコン
コートフェライトキャリア(パウダーテック社製)96
重量部を混合して現像剤とした。ついで複写機「AR−
505」(シャープ社製)を改造した装置(印字枚数:
50枚/分)に、得られた現像剤を実装し、黒化率5%
のA4相当の原稿を30万枚連続印刷した。連続印刷の
際、1000枚印刷後(印刷初期)と連続印刷終了後
(耐刷後)に少量のトナーをサンプリングし、「E−S
PARTアナライザー」(ホソカワミクロン社製)にて
トナーの帯電量を測定するとともに、連続印刷終了後の
感光体汚染を目視にて判断した。結果を表5に示す。 (5)流動性試験 複写機「AR−P350」(シャープ社製)を改造した
装置(印字枚数:35枚/分)に、得られた現像剤を実
装し、リサイクル方式のトナー供給機から時間当りに搬
送できるトナー量を測定した。結果を表5に示す。
【0063】以上の結果から、実施例1〜9のトナー
は、最低定着温度が低く、耐オフセット性及び耐ブロッ
キング性、粉砕性、流動性のいずれにも優れており、か
つ感光体汚染を生じることなく耐刷後も優れた帯電性を
維持できることが分かる。これに対して、結晶性ポリエ
ステルを含有せず、2種の非晶質ポリエステルを含有し
た比較例1のトナーは、低温定着性に欠け、また結晶性
ポリエステルを多量に含有した比較例2のトナーは、粉
砕性が悪化し、また溶融混練時の粘度が低く、荷電制御
剤の分散不良が生じて十分な帯電量が得られなかった。
【0064】使用した単量体中の芳香族化合物の含有量
が少ない非晶質ポリエステルを含有した比較例3のトナ
ーは、樹脂同士の相溶性が高く、結晶性ポリエステルの
一部が非晶化してしまうため、耐ブロッキング性に欠
け、感光体上にフィルミングが発生する。また、結晶性
ポリエステルの軟化点が低い比較例4のトナーは、キャ
リア汚染は見られないものの、耐ブロッキング性及び粉
砕性が悪化し、耐刷後の帯電量の低下も著しい。外添剤
の表面被覆率が20%の比較例5のトナーは、流動性が
劣り、また十分な帯電量が得られなかった。結晶性ポリエ
ステルの軟化点よりも、融点が高いワックスを用いた比
較例6のトナーは、ホットオフセット性及び定着性の低
下が著しい。トナー粒子表面のワックス露出量が少ない
比較例7のトナーは、オフセット性に劣り、また逆にワ
ックス露出量が多い比較例8のトナーは、耐ブロッキン
グ性及び流動性に劣り、感光体汚染が生じた。
【0065】
【発明の効果】本発明により、低温定着性、耐オフセッ
ト性、耐ブロッキング性、流動性及び粉砕性のいずれに
も優れ、かつ感光体汚染を生じることなく、長期にわた
って優れた帯電量を維持することができる電子写真用ト
ナーを提供することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 さやか 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 松本 香鶴 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 村上 登司彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 酒井 正博 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 松生 恭典 奈良県奈良市大森町21番地1 ユーテック 株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA08 AB02 AB10 CA08 CA09 CA13 CA14 EA03 EA05 EA07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機光半導体上の静電潜像を現像したト
    ナー像を転写後、該有機光半導体上に残存する未転写ト
    ナーを、ゴム状弾性ブレードを該有機光半導体に当接す
    ることにより取り除く機構を有するトナー回収装置によ
    り回収したトナーを現像装置に循環して再使用する画像
    形成方法に用いるトナーであって、結着樹脂が結晶性ポ
    リエステルと非晶質ポリエステル及び/又は非晶質ポリ
    エステルポリアミドとを主成分とする結着樹脂を含有
    し、前記結晶性ポリエステルが炭素数2〜6のジオール
    を80モル%以上含有したアルコール成分とフマル酸を
    80モル%以上含有したカルボン酸成分とを縮重合させ
    て得られる、軟化点が85〜150℃の樹脂であり、前
    記非晶質ポリエステル及び/又は非晶質ポリエステルポ
    リアミドが芳香族化合物を50重量%以上含有した単量
    体を縮重合させて得られる樹脂であり、前記非晶質ポリ
    エステル及び/又は非晶質ポリエステルポリアミドに対
    する前記結晶性ポリエステルの重量比〔結晶性ポリエス
    テル/(非晶質ポリエステル及び/又は非晶質ポリエス
    テルポリアミド)〕が1/99〜50/50であり、外
    添剤による表面被覆率が30%以上である電子写真用ト
    ナー。
  2. 【請求項2】 結晶性ポリエステルが3価以上の多価ア
    ルコール及び3価以上の多価カルボン酸化合物からなる
    群より選ばれた3価以上の単量体を0.1〜30モル%
    含有した単量体を縮重合させて得られる樹脂である請求
    項1記載の電子写真用トナー。
  3. 【請求項3】 非晶質ポリエステルの軟化点が70〜1
    80℃、ガラス転移点が45〜80℃である請求項1又
    は請求項2記載の電子写真用トナー。
  4. 【請求項4】 結晶性ポリエステルの軟化点よりも、融
    点が10℃以上低い定着性向上のためのワックスの少な
    くとも1種をさらに含有してなる請求項1又は請求項2
    又は請求項3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  5. 【請求項5】 トナー表面の高温オフセット向上のため
    のワックス露出量が15〜40重量%であることを特徴
    とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子写
    真用トナー。
  6. 【請求項6】 前記トナーに含有される高温オフセット
    性向上のためのワックス量をYとした時に、トナー表面
    のワックス露出量X(重量%)との関係が、下記式を満
    足することを特徴とする請求項5に記載の電子写真用ト
    ナー。 40≦X×Y≦240
  7. 【請求項7】 高温オフセット向上のためのワックスが
    低分子量ポリプロピレン及び/又は低分子量ポリエチレ
    ンであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載
    の電子写真用トナー。
  8. 【請求項8】 平均粒子径が4〜10μmであることを
    特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の電
    子写真トナー。
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