JP4525506B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、及び画像形成方法 Download PDF

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本発明は、電子写真法、静電記録法等を用いた印刷用途用の静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤及び画像形成方法に関する。
静電潜像を経て画像情報を可視化する電子写真法は、現在さまざまな分野で利用されており、その詳細が各種文献に記載されている(例えば、特許文献1及び2参照)。前記電子写真法は、一般には、帯電・露光工程において、感光体上に静電潜像を形成し、現像工程においてトナーを含む現像剤を用いて該静電潜像を現像してトナー像を形成し、転写工程において該トナー像を紙、シート等の転写材上に転写し、定着工程において、熱、溶剤、圧力等を利用して該トナー像を転写材上に定着し、永久画像を得る方法である。
近年電子写真は、マジェンタ、サイアン、イエロートナーに黒トナーを加えたいわゆるフルカラー機が一般的である。また最近はプリンターや複写機用途以外にも幅広く電子写真法が使用され始め、特に印刷機に近い用途が切望されている。しかし、いわゆるフルカラー機は一般オフィス向けのため印刷用途、例えばチラシ広告・本・雑誌等の紙記録媒体から家電・自動車等の紙以外記録媒体の表示板までありとあらゆる印刷物には対応できない。特に色に関して印刷は特殊色も多く、特に高濃度や白色は要求が多いがフルカラー機では出せない色である。また一般的に印刷は高濃度・高隠蔽性が要求されるが現在のフルカラー機では対応できないのが現状である。
上記要求を達成するには特殊色に対応する着色剤を使用し、着色剤濃度を高くすれば高濃度・高隠蔽性は獲得できる。例えば白色トナーにおいては酸化チタンに代表される白色着色剤を使用するのが一般的であるが高濃度・高隠蔽性を獲得するには従来のトナー着色剤濃度よりもかなり多く入れなければならない。これに対し、白色顔料を1〜50%をいれて更に青色顔料を配合し白色度を向上させ使用する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。また白色トナー顔料を多く入れる場合例えば酸化チタンなどの導電材料を使用した場合顔料がトナー表面に露出してしまい顔料量に比例して帯電が低下する傾向にある。これを回避する為に白色顔料を予め混練したり、製法を例えば重合法などを用いてトナー表面への顔料露出を防止する方法(例えば、特許文献4参照)、またトナー表面をせん断力で表面改質し顔料表面露出を工程工夫により対応する方法も開示されている(例えば、特許文献5参照)。
隠蔽性獲得に関して一般的なフルカラートナー(例えば、イエロー、マジェンタ、サイアン、黒等)を4色重ねて定着した場合上述したように個々のトナーの帯電性を損なわずある程度の帯電性を確保しつつ画像形成は可能である。
しかし、印刷や屋外ポスター用などの透明定着像担持体などに定着した場合は隠蔽性が足らないのが現状である。そこで着色剤を増加しさらにトナー載り量を増加させ隠蔽性を獲得している。また逆に積極的に白色トナー又は無色トナーを作像し多重トナー層を均一化し定着時のトナー層崩れを防止し(多重作像による凹凸差をなくして)良好な定着画像を獲得している(例えば、特許文献6参照)。しかし実際には定着時のトナー量が増えすぎてしまうことになり、定着時の熱量が多くなってしまう不具合がある。また着色剤を多量にいれる事も、同様に定着時の定着温度が上がってしまう。これは隠蔽性を得る為に入れた着色剤が溶融トナー中でフィラー材料のように働き定着時の溶融粘度を挙げてしまうことが原因と思われる。
また定着後はスクラッチ傷などの画像強度は若干向上するものの折り曲げなどによる画像強度は低下する、これは着色剤によるフィラー効果でトナー硬さは増加するが脆性も増してしまい折り曲げなどの応力には逆に弱くなってしまうためである。
この定着画像強度の不具合を回避する為に、結着樹脂の分子量やガラス転移温度(Tg)を下げたりWax量を増加し見かけ上の溶融粘度を下げる方法が試されている。また混和性の異なる樹脂でドメイン/マトリックス構造を造り対応して画像強度安定性を確保する方法も試されている(例えば、特許文献7参照)。しかしトナー保管性の観点で問題があり、このように隠蔽性、帯電性、定着性、画像強度、トナー保管性において全てを満足するものは現状困難とされている。
上記課題において定着性とトナー保管性両立の観点で結晶性樹脂を含有するトナー用いることが提案されている(例えば、特許文献8参照)。しかし単純に結晶性樹脂を使用した場合は紙への定着性に問題があり画像強度以前に定着不良になってしまう恐れがある。またこの定着性を改善する為に非結晶樹脂と混合して使用する方法が提案されているが単純混合すると可塑化が進み経時で画像強度が弱くなってしまう。
このように透明定着像担持体等の隠蔽性を上げるには定着画像中の着色剤濃度を増加させなければならないがそれにはトナー単体の着色剤量増加及びトナー載り量の増加が必須となる。この不具合としては帯電低下を促進させてしまう事になる(現像時のトナー飛翔、以下カブリと表記)。また定着時の単位面積あたりのトナー量(4色重ね合わせ等)が増えることにより定着熱量が増加し溶融状態にバラツキが出てしまう。これは定着ロール表面に近接しているトナー層と紙側に近接しているトナー層で溶け方が変わってしまい紙側が溶け方が不十分になってしまう。これにより定着されたトナー層中に空隙が出来てしまいこれが画質欠陥となってしまう。つまり例えばOHPなどの透明な画像担持体を用いた場合隠蔽性を大きく損なったり、また背面から光(日光、照明)などを当てた場合空隙から光が透過してしまい(以下ピンホールと呼ぶ)著しく商品価値を下げてしまう結果となる。また逆に定着温度を上げて紙側近傍のトナー層を十分に溶融させしまうと今度は定着ロール表面近傍のトナー層が溶融が進みすぎ溶融粘度が極端に下がってしまう。その結果紙側の空隙に溜まった空気や水蒸気がブリスターと呼ばれる画像破壊を起こす。これは定着像の断面を見た場合定着ロール側が溶けすぎてしまい画像に蓋をする形となってまだ十分に溶けていない紙側のトナー層中の空気や水蒸気を逃がしきれない結果発生すると考えられる。また更に定着温度を上げて溶融差をなくした場合高温オフセットを発生してしまう。このことによりトナー載り量が規制されてしまい隠蔽性と高温オフセットの両立が困難となる。これに対し、OHPシートに定着した場合に透過濃度が0.05以上を規定している(例えば、特許文献9参照)着色剤濃度を上げていくだけではOHP等の透明画像担持体を前提とした場合等は結果的に印刷物のような高隠蔽性の画像は得られない。
米国特許第2297691号明細書 米国特許第2357809号明細書 特開昭63−108355号公報 特開平10−260554号公報 特開平5−158283号公報 特開平7−5738号公報 特開平4−150484号公報 特公昭56−13943号公報 特開平11−194524号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、画像欠陥が生じ難く、高濃度且つ高い隠蔽性を有する静電荷像現像用トナー、該トナーを用いた静電荷像現像用現像剤、及び該現像剤を用いた画像形成方法を提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、本発明は、
<1> 白色の着色剤と、結晶性樹脂及び非結晶性樹脂からなる結着樹脂と、を含んでなる白色の静電荷像現像用トナーであって、前記結晶性樹脂のトナー中における含有量が5〜25質量%であり、前記着色剤のトナー中における含有量が15〜40質量%であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
<2> 前記白色の着色剤が酸化チタンであることを特徴とする前記<1>に記載の静電荷像現像用トナーである。
> 外添剤として、BET比表面積が40〜250m2/gである疎水性酸化微粒子を添加してなることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナーである。
> 前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアと、を含んでなることを特徴とする静電荷像現像用現像剤である。
> 前記キャリアの表面が樹脂で被覆されていることを特徴とする前記<>に記載の静電荷像現像用現像剤である。
> 像担持体表面に形成された静電潜像を、白色トナーを少なくとも含む複数色のトナーを用いて現像しトナー像を得る現像工程と、前記トナー像を定着して定着画像を得る定着工程と、を有する多色の画像形成方法であって、前記白色トナーとして前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを用い、且つ前記定着画像の透過濃度が3.00以上であることを特徴とする画像形成方法である。
> 前記複数色のトナーとして、イエロー、マジェンタ、サイアン及び黒色のトナーから選ばれる3色のトナーと、前記白色トナーと、の4色のトナーを用いることを特徴とする前記<>に記載の画像形成方法である。
本発明によれば、画像欠陥が生じ難く、高濃度且つ高い隠蔽性を有する静電荷像現像用トナー、該トナーを用いた静電荷像現像用現像剤、及び該現像剤を用いた画像形成方法を提供することができる。
本発明の静電荷像現像用トナーは白色の着色剤と、結晶性樹脂及び非結晶性樹脂からなる結着樹脂と、を含んでなる白色の静電荷像現像用トナーであって、前記結晶性樹脂のトナー中における含有量が5〜25質量%であり、前記着色剤のトナー中における含有量が15〜40質量%であることを特徴とする。
前記着色剤の含有量が15質量%より少ないと白色度が低くなりすぎ、良好な隠蔽姓が得られない。一方40質量%を超えると帯電低下によるカブリ、定着時の画像強度低下、遊離着色剤付着による転写時の画像抜け、現像剤においてはキャリアへの着色剤付着が発生し、帯電維持性を著しく損なうことになる。尚、前記着色剤の含有量としては、より良好な白色が得られる観点から、20〜35質量%がより好ましく、25〜30質量%が特に好ましい。
また、結晶性樹脂を5〜25質量%含有することによりブリスターやピンホールの発生を回避できる。これは特に多重トナー層形成したときに顕著な効果が得られる。
詳細は不明であるが、これは定着時に結晶性樹脂が次のように作用していると考えられる。定着時の不具合としてブリスターやピンホールを考えた場合、多重トナー層(例えば、4色のトナーを積層した層)中の空隙が問題となる。結晶性樹脂はその樹脂物性上融点以上では極端に溶融粘度が低下することが知られており、また結晶化度により白濁することも知られているが、この特性がブリスター及びピンホールの抑制に効果があるものと考えられる。つまりブリスターに関しては、定着時に定着温度が低い場合空隙率が増えてしまうが、ここで結晶性樹脂が低粘度であることにより空隙を埋める働きをし、つまり溶融状態では充填剤のような働きを示している。また逆に定着温度が高い場合空隙は減少しブリスターが出てしまうが、ブリスターに関しても結晶性樹脂の溶融粘度差が有効に働く。つまり定着時にトナーに一定量の割合で結晶性樹脂が含有されている為、溶融時結晶性樹脂と非結晶性樹脂とで界面が出来る。このことにより空気や水蒸気は優先的に低粘度の結晶性樹脂界面を通り発散されブリスター抑制となる。またブリスターにより局所的に開いた穴は低粘度状態の結晶性樹脂により充填される。ピンホールに関しては結晶性樹脂が白濁することにより抑制され、特に優先的に空隙部に充填されているためピンホール抑制に効果が大きい。
ここで結晶性樹脂の含有量は5〜25質量%であることを必須とする。5質量%より少ない場合は十分な充填効果が得られず、また定着溶融時に非結晶性樹脂との間にブリスターに対して有効な界面を形成することができない。一方25質量%を超えると空隙の充填性及び界面形成は十分に作用するが、トナー抵抗が低下し始める。これは結晶性樹脂自体の抵抗が低いことに由来しており、非結晶性樹脂の割合がある程度ないとトナー抵抗を維持できないためである。この結果トナーが注入帯電してしまい現像不良や転写不良を起こしてしまう。尚、結晶性樹脂の含有量は、より好ましくは8〜20質量%であり、特に好ましくは10〜15質量%である。
前記結晶性樹脂と着色剤の含有量を満たす本発明の白色トナーを使用することにより、定着時の空隙の発生を防止しつつ、高い白色度が得られるため、少ないトナー載り量であっても良好な隠蔽性を有する画像を形成することができる。
<トナー構成材料の説明>
次いで、本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ということがある)の構成材料について述べる。
(結着樹脂)
本発明のトナー粒子は結着樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体又は共重合体等が挙げられる。これらの中でも特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン等が挙げられる。
尚、本発明においては結着樹脂として結晶性樹脂及び非結晶性樹脂を用いるが、ここで該結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が6℃以内であることを意味する。一方、半値幅が6℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非結晶性樹脂を意味するが、本発明において用いられる非結晶性樹脂としては、明確な吸熱ピークが認められない樹脂を用いることが好ましい。
−結晶性樹脂−
本発明においては、結晶性樹脂として結晶性ポリエステルを用いることが好ましい。また更に、適度な融点をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
本発明のトナーに用いられる結晶性ポリエステル樹脂や、その他すべてのポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお本発明においては、前記ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、多価カルボン酸成分としては、前述の脂肪族多価カルボン酸や芳香族多価カルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていることが好ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の着色剤の分散を良好にできる点で有効である。
このようにスルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらスルホン酸基を有する2価以上のカルボン酸成分は、結晶性ポリエステルを構成する全カルボン酸成分に対して0〜20モル%、更には0.5〜10モル%含有することが好ましい。20モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下することがあるだけではなく、例えば凝集合一法を用いた場合には凝集後、粒子が融合する工程に悪影響を与え、トナー径の調整が難しくなることがあり好ましくない。
さらに、前述の脂肪族多価カルボン酸や芳香族多価カルボン酸の他に、二重結合を持つジカルボン酸成分を含有することがより好ましい。二重結合を持つジカルボン酸は、二重結合を介して、ラジカル的に架橋結合させ得る点で定着時のホットオフセットを防ぐ為に好適に用いることができる。このようなジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級エステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でもコストの点で、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。
多価アルコール成分としては、脂肪族ジオールが好ましく、主鎖部分の炭素数が7〜20である直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。分岐型の脂肪族ジオールは、ポリエステル樹脂の結晶性を低下させ、融点が降下してしまうことがあり、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び低温定着性の悪化に繋がる懸念がある。また、炭素数が7未満であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合、融点が高くなり、低温定着が困難となることがある一方、20を超えると実用上の材料の入手が困難となり易い。前記炭素数としては14以下であることがより好ましい。
本発明のトナーに用いられる結晶性ポリエステルの合成に好適に用いられる脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコール成分のうち、前記脂肪族ジオール成分の含有量が80モル%以上であることが好ましく、更には90%以上であることがより好ましい。前記脂肪族ジオール成分の含有量が80モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性低下の懸念があり、その場合融点が降下し、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノールベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことが好ましく、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させることができる。モノマーが反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行うことが好ましく、共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、及びアミン化合物等が挙げられ、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
本発明における結晶性樹脂の融点としては、好ましくは50〜100℃であり、より好ましくは60〜80℃である。前記融点が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる場合がある一方、100℃より高いと従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない場合がある。
尚、結晶性樹脂には複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
本発明トナーに使用される結晶性樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が5000〜20000であることが好ましく、更に好ましくは8000〜16000であり、また数均分子量(Mn)は1500〜7000であることが好ましく、分子量分布Mw/Mnが1.4〜4.5であることが好ましく、更に好ましくは1.5〜3.0である。
重量平均分子量及び数平均分子量が上記範囲より小さい場合には、定着時において高温オフセット(急激にトナー溶融粘度が下がることにより発生)が発生したり、トナー保管時に固まってしまうなどの不具合が発生する。一方、上記範囲より分子量が大きい場合には、製造時において例えば混練粉砕法において粉砕性が極端に悪化する(割れにくくなる)などの不具合がある。
尚、前記分子量は、THF可溶物を、東ソー製GPC・HLC−8120、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出したものである。
−非結晶性樹脂−
本発明における非結晶性樹脂としては、公知の樹脂材料を用いることができるが、非結晶性ポリエステル樹脂が特に好ましい。本発明において用いる非結晶性ポリエステル樹脂とは、主として多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものである。
非結晶性ポリエステル樹脂を用いる場合には、樹脂の酸価の調整やイオン性界面活性剤などを用いて乳化分散することにより、樹脂粒子分散液を容易に調製することができる点で有利である。
多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられる。これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いることができる。これら多価カルボン酸の中、芳香族カルボン酸を使用することが好ましく、また良好な定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとることが好ましく、より詳しくはジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。これら多価アルコールの1種又は2種以上用いることができる。これら多価アルコールの中、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また良好な定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとることが好ましく、より詳しくはジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。なお、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合によって得られたポリエステル樹脂に、さらにモノカルボン酸および/またはモノアルコールを加えて、重合末端のヒドロキシル基および/またはカルボキシル基をエステル化し、ポリエステル樹脂の酸価を調整してもよい。モノカルボン酸としては酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等を挙げることができ、モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどを挙げることができる。
非結晶性ポリエステル樹脂は上記多価アルコールと多価カルボン酸を常法に従って縮合反応させることによって製造することができる。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸、必要に応じて触媒を入れ、温度計、攪拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、適温(たとえば、150〜250℃程度)で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の酸価に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造することができる。
この非結晶性ポリエステル樹脂の合成に使用する触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド等の有機金属やテトラブチルチタネート等の金属アルコキシドなどのエステル化触媒が挙げられる。このような触媒の添加量は、原材料の総量に対して0.01〜1.00質量%とすることが好ましい。
本発明トナーに使用される非結晶性樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が5000〜1000000であることが好ましく、更に好ましくは7000〜500000であり、数均分子量(Mn)は2000〜10000であることが好ましく、分子量分布Mw/Mnが1.5〜100であることが好ましく、更に好ましくは2〜60である。
重量平均分子量及び数平均分子量が上記範囲より小さい場合には、低温定着性には効果的ではある一方で、耐ホットオフセット性が著しく悪くなるばかりでなく、トナーのガラス転移点を低下させる為、トナーのブロッキング等保存性にも悪影響を及ぼす。一方、上記範囲より分子量が大きい場合には、耐ホットオフセット性は充分付与できるものの、低温定着性は低下する他、トナー中に存在する結晶性ポリエステル相の染み出しを阻害する為、ドキュメント保存性に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、上述の条件を満たすことによって低温定着性と耐ホットオフセット性、ドキュメント保存性を両立し得ることが容易となる。
尚、非結晶性樹脂の分子量は、前述の結晶性樹脂の分子量と同様の方法によって測定することができる。
また、非結晶性ポリエステル樹脂の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)は、前記のような分子量分布を得やすいことや、乳化分散法によるトナー粒子の造粒性を確保しやすいこと、得られるトナーの環境安定性(温度・湿度が変化した時の帯電性の安定性)を良好なものに保ちやすいことなどから、1〜30mg KOH/gであることが好ましい。ポリエステル樹脂の酸価は、原料の多価カルボン酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基を制御することによって調整することができる。あるいは多価カルボン酸成分として無水トリメリット酸を使用することによってポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものが得られる。
また本発明においては、公知の非結晶性樹脂としてスチレンアクリル系樹脂も使用することができる。この場合使用できる単量体としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類:ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類:ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類:エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類:などの単量体の重合体、これらを2種以上組み合せて得られる共重合体又はこれらの混合物を挙げることができ、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等も使用できる。
本発明に使用される非結晶性樹脂のガラス転移温度は、35〜100℃であることが好ましく、貯蔵安定性とトナーの定着性のバランスの点から、50〜80℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が35℃未満であると、トナーが貯蔵中又は現像機中でブロッキング(トナーの粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい傾向にある。一方、ガラス転移温度が100℃を超えると、トナーの定着温度が高くなる傾向にあり好ましくない。
また非結晶性樹脂の軟化点は80〜130℃の範囲に存在することが好ましい。より好ましくは90〜120℃の範囲である。軟化点が80℃未満の場合は、定着後及び保管時のトナー並びにトナーの画像安定性が悪化する懸念があり、また軟化点が130℃を超える場合は、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
ここで、非結晶性樹脂の軟化点の測定はフローテスター(島津社製:CFT−500C)、予熱:80℃/300sec,プランジャー圧力:0.980665MPa,ダイサイズ:1mmφ×1mm,昇温速度:3.0℃/minの条件下における溶融開始温度と溶融終了温度との中間温度を指す。
本発明のトナー中における前記非結晶性樹脂の含有量としては、5〜79質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。
(離型剤)
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、公知の離型剤であれば特に限定されないが、例えば、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス等の合成或いは鉱物・石油系ワックス、脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、これらの離型剤は、1種単独で用いても良く、2種以上併用しても良い。
離型剤の融点は、保存性の観点から、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。また、耐オフセット性の観点から、110℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。
離型剤の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して、1〜30質量部の範囲内であることが好ましく、2〜20質量部の範囲内であることがより好ましい。
離型剤の含有量が1質量部未満であると離型剤添加の効果が少なく、高温でのホットオフセットを引き起こす場合がある。一方、30質量部を超えると、帯電性に悪影響を及ぼすことがあり、またトナーの機械的強度が低下する懸念があり、現像機内でのストレスで破壊されやすくなってキャリア汚染などを引き起こす場合がある。また、カラートナーとして用いた場合、定着画像中にドメインが残留し易くなり、OHPフィルム等の透明媒体の場合、透明性が悪化するという問題が生じる場合がある。
(帯電制御剤)
本発明におけるトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含むことができる。その際、特にカラートナー等に用いる場合には、色調に影響を与えない無色又は淡色の帯電制御剤が好ましい。その帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯体、サルチル酸もしくはアルキルサルチル酸の金属錯体もしくは金属塩を用いることが好ましい。また、トナーは低分子量プロピレン、低分子量ポリエチレン、ワックス等のオフセット防止剤等、公知のその他の成分を含むこともできる。
(着色剤)
本発明の白色の静電荷像現像用トナーに用いられる白色の着色剤としては、公知の着色剤であれば特に限定されないが、酸化チタン、亜鉛華、アンチモン白、硫化亜鉛、酸化ケイ素等が挙げられ、特に、帯電性と隠蔽性の両立できるという観点から酸化チタンが好ましい。この酸化チタンは、硫酸法、塩素法等のいずれの製造方法により得ることができ、またアナターゼ型、ルチル型、またはブルカイト型等のいずれの結晶構造も使用できる。
またフルカラーの画像形成方法においては、本発明の白色トナーと共に、イエロー、マジェンタ、サイアン、黒色等の各色トナーが用いられるが、該トナーに用いられる着色剤としては、公知の着色剤であれば特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラロゾンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、デュポンオイルレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・57:1、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などの種々の顔料などを例示することができ、これらを1種または2種以上を併せて使用することができる。
また、本発明のトナーには、必要に応じてオフセット防止剤等、公知のその他の成分を含むことができる。その際、色調に影響を与えない無色又は淡色の成分が好ましい。オフセット防止剤としては、低分子量プロピレン、低分子量ポリエチレン、ワックス等が挙げられる。
<トナーの物性>
本発明のトナーは、その体積平均粒径が14μm以下であることが好ましく、より好ましくは5〜12μmであり、さらに好ましくは6〜10μmである。この体積平均粒径が14μmを超えると、良好な帯電性(電荷量や電荷分布)や、その適切な帯電性を長期にわたって維持し得ることが難しくなり、微細なドットの再現性、階調性、粒状性の改善効果が乏しくなる傾向にある。一方、体積平均粒径が5μm未満では、トナーの流動性が悪化することがあり、キャリアから十分な帯電能を付与されにくくなって、背景部へのカブリが生じたり、濃度再現性が低下しやすくなることがある。
尚、本発明のトナーの粒径測定(粒子直径が2μm以上の場合の測定)は、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して行った。測定法としては、分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100ml中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて、2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求めた。測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから体積累積分布及び数累積分布を描き、累積50%となる累積粒径を体積平均粒径及び数平均粒径とした。なお、測定する粒子数は50,000であった。
また、トナー粒子の粒度分布は、4μm以下の粒径のトナー粒子が全トナー粒子数の6〜25個数%であることが好ましく、より好ましくは6〜16個数%である。4μm以下の粒径のトナー粒子が6個数%未満であると、微小なドット再現性や粒状性に寄与する粒子が少なく、有効な粒子径であるがゆえに選択的に消費されるため、繰り返し複写を行うと現像に寄与しにくい粒子径のトナーが現像機中へ滞留してしまうため、次第に画質が悪化する懸念がある。一方、25個数%を越えると、トナーの流動性が悪化するため、現像剤の搬送性が低下し、現像性に悪影響を及ぼす懸念がある。一方、16μm以上の粒径のトナー粒子が1.0体積%以下であることが好ましい。1.0体積%より大きいと細線再現性や階調性に悪影響を及ぼすことがあり、転写時16μm以上の粗粉トナーがトナー層中に介在することによって、感光体と転写体の静電的付着状態を妨げる働きをするため、転写効率の低下、ひいては画質の低下を招く恐れがある。トナー粒子がこのような粒度分布を有することによって、写真や絵画、パンフレット等の画像面積の大きく、濃度階調がある原稿の繰り返し複写においても微細な潜像のドットに対して、忠実な再現性が期待できる。
<外添剤>
複写機内でのプロセス適合性を持たせるためには、流動性、耐ケーキング性、定着性、帯電性、クリーニング性等にトナーが優れていることが必要である。従来においては、例えば、シリカ、酸化チタン等の無機酸化物をトナーに外添することが行われており、前記シリカは、耐ケーキング性や流動性付与能には優れているものの、コア本来の強い負帯電性に起因して、帯電の環境依存性が大きいという欠点がある。このため、特開昭46−5782号公報、特開昭48−47345号公報、特開昭48−47346号公報、特開昭64−73354号公報、特開平1−237561号公報等には、前記シリカの表面に疎水化処理を行うことが種々提案されている。しかし、従来においては、前記シリカの耐ケーキング性、流動性等に悪影響を及ぼさずに帯電の環境依存性を改善することは十分には達成されていない。前記酸化チタンは、トナーに外添すると帯電レベルが低くなり、また、同じコアでも表面疎水化処理剤によって帯電レベル、環境依存性の制御が容易な反面、疎水化処理後の凝集性等に問題があり、疎水化処理量が限られてしまうため、帯電レベルもある一定以上に下げることが困難である。前記酸化チタンは、一般に、イルメナイト鉱石を用いた硫酸法(湿式法)で得られたTiO(OH)2を精製し、加熱焼成することにより生成される。このような製法により得られた酸化チタン中には、脱水縮合の結果として生じる凝集粒子も当然存在している。しかし、既存の技術でこのような凝集粒子を再分散させることは容易ではない。
結晶型酸化チタン(ルチル:比重4.2、アナターゼ:比重3.9)を微粉末として取り出すと、2次凝集、3次凝集を形成しており、トナーの流動性向上効果がシリカに比べ著しく劣る。特に、近年市場の高画質要求に伴って、トナーの小径化が進む傾向にあるが、トナーを小径化することによって粒子間付着力が増大するため、更にトナーの流動性が悪化し、酸化チタンの流動性付与能は一層乏しくなる。
そこで、流動性向上と帯電の環境依存性とを両立させる目的で、表面疎水化処理を行った疎水性酸化チタンと疎水性シリカとを併用してトナーに外添することが特開昭60−136755号公報に提案されている。しかしながら、攪拌等のストレスによりシリカ及び酸化チタンのいずれか一方の特長が現れ易く、長期間にわたって互いの欠点を補填し合うのは困難であるという問題がある。例えば、前記疎水性酸化チタンは、トナーの帯電特性と流動性とを初期的に向上させ得るものの、攪拌によるトナーとキャリアとの衝突、又は、トナーとブレード及びスリーブとの摺擦によりカップリング剤が表面から剥がれてしまい、トナーの帯電特性が大きく変化してしまう。これは、前記疎水性酸化チタンの場合、前記カップリング剤に対する酸化チタンコア表面の反応性が弱く、前記カップリング剤との結合がシリカの場合に比べて非常に弱いことに起因するものと推察される。また、これらの外添剤のトナー表面への埋め込みにより粉体流動性が悪化する上、これらの外添剤のキャリア表面への汚染(スペント)が生じてしまう等の問題がある。
一方、疎水性アモルファス酸化チタンをトナーに外添することが特開平5−204183号公報、特開平5−72797号公報に提案されている。しかし、この場合、アモルファス酸化チタンと感光体との付着力が強いため、クリーニング時に感光体上に傷を付けたり、画像上の白抜けの原因になる等の問題がある。
そこで、本発明の静電荷像現像用トナーには外添剤を添加することができ、中でも流動性改善、帯電制御性、熱保管性の観点から、疎水性酸化微粒子が好ましく用いられる。
前記疎水性酸化微粒子としては、疎水性チタン酸化物微粒子が好ましく、BET比表面積が40〜250m2/gである疎水性チタン酸化物微粒子が特に好適に用いられる。このBET比表面積は、更に好ましくは80〜200m2/gである。BET比表面積が250m2/gより大きいと流動性改善には効果があるものの、トナー粒子上での付着状態を制御しにくくなり、トナー粒子表面へ埋まり込みやすいため、トナー粒子が劣化したり、帯電性が低下する懸念がある。また、比表面積が40m2/g未満であると、流動性付与能が小さくなる懸念があり、感光体(潜像担持体)表面へのフィルミングや傷を誘発することがある。
ここで、前記BET比表面積の測定は、以下の方法により行った。
すなわち、測定装置としてSA3100型比表面積細孔分布測定装置(ベックマンコールター社製)を用い、窒素ガスを吸着することによって得られるものである。
前記疎水性チタン酸化物微粒子としては、TiO2、K2O・(TiO2)n等のチタン酸酸化物粒子を疎水化処理したものが挙げられる。また、外添剤としては、疎水性チタン酸化物微粒子以外に、SiO2,Al23,CuO,ZnO,SnO2,CeO2,Fe23,MgO,BaO,CaO,K2O,Na2O,ZrO2,CaO・SiO2,Al23・2SiO2,CaCO3,MgCO3,BaSO4,MgSO4等の無機酸化物粒子を併用することもできる。
なお、疎水化処理は、疎水化処理剤に無機酸化物を浸漬等することにより行うことができる。疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもシランカップリング剤が好適に挙げられる。シランカップリング剤としては、例えばクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプを使用することも可能である。具体的にはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。疎水化処理剤の量としては、前記無機酸化物微粒子の種類等により異なり一概に規定することはできないが、通常無機酸化物微粒子100質量部に対して、5〜50質量部程度であることが好適である。
疎水性酸化チタン微粒子の比重としては、2.8〜3.8が好ましく、3.0〜3.6がより好ましい。疎水性酸化チタン微粒子の比重が前記数値範囲内にあると、帯電の環境依存性改善、流動性向上において、従来の酸化チタンに比べて比重が小さいため、同様の効果を得るのに必要な添加量をより少なくでき、カラートナーの透明性を損なうことなく他の諸特性を両立することができるようになる点で有利である。一方、疎水性酸化チタン微粒子の比重が2.8未満であると、疎水化処理剤(例えばシラン化合物)を過剰に添加する必要があり、これにより疎水化処理剤同士の反応が一部で発生し、凝集体を形成し易く、所望の流動性が得られない。疎水性酸化チタン微粒子の比重が3.8を越えると、ブレンド時にトナー表面に分散しにくく、また均一に分散したとしても現像工程におけるストレスにより、トナー凸部の疎水性酸化チタン微粒子が凹部に移り、所望の流動性、帯電性を低下させ、又は凸部の疎水性酸化チタン微粒子が遊離し易く、2成分系現像剤において、遊離した疎水性酸化チタン微粒子がキャリア表面に移行して、キャリアの体積固有抵抗値を大きく変化させ、長期間安定して優れた画質を得ることができなくなる場合がある。
疎水性チタン酸化物微粒子としては、特にTiO(OH)2とシラン化合物とを反応させて得られるものが、焼成して疎水化処理させるものに比べて、シラン化合物の量を多く用いることができ、その結果として比重が小さくなるので好ましい。また、TiO(OH)2とシラン化合物とを反応させると、TiO(OH)2の加水分解時に前記シラン化合物を反応させることができ、その結果、TiO(OH)2から生じる酸化チタンが一次粒子の状態でシラン化合物にて表面処理され、凝集のない一次粒子状態の疎水性酸化チタン微粒子を得ることができ、流動性、耐ケーキング性に優れ、かつカラートナーに要求される透明性に優れたカラー画像を提供することが可能となる点で有利である。
ここで、TiO(OH)2とシラン化合物とを反応させて得られる疎水性チタン酸化物微粒子は、例えば以下に示すようにして作製することができる。まず、TiO(OH)2を下記式に示されるイルメナイト鉱石を用いた硫酸法(湿式)により作製する。
FeTiO2+2H2SO4 → FeSO4+TiOSO4+2H2
TiOSO4+2H2O → TiO(OH)2+H2SO4
次に作製したTiO(OH)2に、好ましくはTiO(OH)2の水分散物にシラン化合物を添加し、TiO(OH)2におけるOH基の一部又は全部を疎水化処理した後、この反応生成物をろ過し、洗浄し、乾燥し、粉砕することにより得ることができる。シラン化合物としては、特に制限はなく、上述のシラン化合物、即ち、上述のシランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などが挙げられ、これらの中でも前記シランカップリング剤が好ましい。シラン化合物の使用量としては、通常、TiO(OH)2100質量部に対して、2〜50質量部程度が好ましく、5〜20質量部程度がより好ましい。なお、この反応において、前記シラン化合物の種類や処理量等を適宜選択することにより、疎水性酸化チタン微粒子の比重、負帯電性等の微調整を行うことができる。即ち、シラン化合物の処理量を多くすると、比重が小さく帯電付与能力の高い疎水性酸化チタン微粒子が得られ、一方、シラン化合物の処理量を少なくすると、比重が大きく帯電付与能力の低い疎水性酸化チタン微粒子が得られる。
以上、説明した本発明の静電荷像現像用トナーは、上記構成であれば、作製方法は特に制限はなく、従来公知の方法に従って適宜作製することができる。
<静電荷像現像用現像剤>
電子写真方式による現像剤の現像方法としては、例えば、米国特許第2618552号明細書に記載のカースケード現像法、米国特許第2874063号明細書に記載の磁気ブラシ法、米国特許第2895847号明細書に記載のタッチダウン法や、その他現像剤担持体と感光体の間にバイアス電界を印加し現像を行うジャンピングブラシ現像法等がある。その中でも、キャリアとトナーを混合してなる、所謂二成分現像剤の代表的な方法として、磁気ブラシ法があげられる。この方法は、キャリアに鋼、フェライト等の磁性を有する粒子を用い、トナーと磁性キャリアとからなる現像剤を磁石で担持させ、その磁石の磁界により現像剤をブラシ状に形成させる。ついで、該磁気ブラシが感光体上の静電潜像と接触することによって、ブラシ中のトナーがその潜像の電荷量の大きさに応じて引き付けられ、現像されると言うものである。前記キャリアとしては表面に被覆膜を有する被覆キャリアと、表面に被覆膜を有しない非被覆キャリアとに大別されるが、現像剤の寿命等を考慮した場合には、被覆キャリアの方が優れていことから、種々の被覆キャリアが開発され、実用化されている。前記被覆キャリアの特性としては、前記トナーに適当な帯電性(電荷量や電荷分布)を付与し得ること、その適切な帯電性を長期にわたって維持し得ること等が少なくとも要求される。そこで、前記トナーの帯電性を変化させず、耐衝撃性、耐摩擦性に優れ、湿度や温度等の環境変化に対して安定な各種の被覆キャリアとして、例えば、特開昭61−80161号公報、特開昭61−80162号公報、特開昭61−80163号公報等に記載のように、含窒素フッ素化アルキル(メタ)アクリレートとビニル系モノマーとの共重合体や、フッ素化アルキル(メタ)アクリレートと含窒素ビニル系モノマーとの共重合体をキャリア芯材表面に被覆することにより、比較的長寿命の被覆キャリアを得る方法がある。また、特開平1−18150号公報に記載のポリアミド樹脂、或いは特開平2−79862号公報に記載のメラミン樹脂を、それぞれキャリア芯材の表面に被覆し、硬化して、比較的固い被覆膜を有する被覆キャリアを得ることが記載されている。
しかしながら、これらのキャリアの場合、前記トナー成分によるキャリア表面への汚染(インパクション)が防止しきれないと言う問題がある。前記インパクションを防止するためには、例えば、特開昭60−186844号公報に記載のようにシリコーン樹脂や、特開昭64−13560号公報に記載のようにフッ素系樹脂のような表面エネルギーの小さい樹脂を用いてキャリアの被覆膜を形成することも考えられている。しかし、このようなキャリアにおいて、前記シリコーン樹脂やフッ素系樹脂は、キャリア表面近傍には比較的多く存在するものの、被覆層の厚さ方向にはわずかにしか存在しないので、このキャリアの場合、長期間使用すると被覆膜の摩耗により、樹脂の効果が徐々に失われ、逆に徐々に前記インパクションが生じてくる問題がある。また、このような現像剤を用いて、連続複写を行う場合、初期的には濃度再現性や画質の優れた画像が得られるものの、数万枚複写した後では、画像濃度が低下し、階調性や粒状性が乏しくなる。特に前述した高濃度を得るために着色剤濃度を上げたトナー、中でも白色トナーのように酸化チタン大量に使用した場合キャリア表面への汚染(インパクション)による画質劣化は免れないものであった。
これに対し、前述のトナーとキャリアとを含んでなる本発明の現像剤においては、フッ素系樹脂等の樹脂を含む被覆樹脂で表面を被覆された芯材を用いることが好ましい。
尚、前記芯材はその電気抵抗が1×107.5〜1×109.5Ω・cmであることが好ましい。この電気抵抗が1×107.5Ω・cm未満であると、繰り返し複写によって、現像剤中のトナー濃度が減少した際に、キャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう虞がある。一方、電気抵抗が1×109.5Ω・cmより大きくなると、際立ったエッジ効果や擬似輪郭等の画質に悪影響を及ぼす虞がある。
前記電気抵抗の測定は、図1に示されるように、測定試料3を厚みHとして下部電極4と上部電極2とで挟持し、上方より加圧しながらダイヤルゲージで厚みを測定し測定試料3の電気抵抗を高電圧抵抗計5で計測した。具体的には、キャリヤの試料を100φの下部電極4に充填し、上部電極2をセットし、その上から3.43kgの荷重を加え、ダイヤルゲージで厚みを測定した。次に電圧を印加し、電流値を読み取ることにより、体積固有抵抗を求めた。
(芯材)
芯材は、上記条件を満足すれば、特に制限はないが、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類等との合金、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。これらの中でも芯材表面性、芯材抵抗の観点から好ましくはフェライト、特にマンガン、リチウム、ストロンチウム、マグネシウム等との合金が好ましい。
(被覆樹脂)
前記被覆樹脂に用いられる樹脂としては、特にフッ素系樹脂が好ましく、該フッ素系樹脂としては目的に応じて適宜選択することができるが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル,ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等の公知の樹脂が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
キャリアにおいて、被覆樹脂により被覆される被覆膜には、樹脂粒子及び/または導電性粒子が少なくとも分散されてなることが好ましい。被覆膜に樹脂粒子が分散されている場合、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、均一に分散しているため、キャリアを長期間使用して被覆膜が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、トナーに対し、良好な帯電付与能力を長期間にわたって、維持することができる。又、被覆膜に導電性粒子が分散されている場合、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、導電性粒子が均一に分散しているため該キャリアを長期間使用して該被覆膜が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、キャリア劣化を長期間防止することができる。なお、被覆膜に樹脂粒子と導電性粒子とが分散されている場合、上述の効果を同時に奏する事ができる。
樹脂粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等が挙げられる。これらの中でも、比較的硬度を上げることが容易な観点から熱硬化性樹脂が好ましく、トナーに負帯電性を付与する観点からは、N原子を含有する含窒素樹脂による樹脂粒子が好ましい。なお、これらの樹脂粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。樹脂粒子の平均粒径としては、例えば、0.1〜2μm程度が好ましく、より好ましくは0.2〜1μmである。前記樹脂粒子の平均粒径が0.1μm未満であると、被覆膜における樹脂粒子の分散性が非常に悪く、一方、2μmを越えると被覆膜から樹脂粒子の脱落が生じ易く、本来の効果を発揮しなくなることがある。導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属粒子、カーボンブラック粒子、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物粒子、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズ、カーボンブラック、金属等で覆った粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、製造安定性、コスト、導電性等の良好な点で、カーボンブラック粒子が好ましい。前記カーボンブラックの種類としては、特に制限はないが、DBP吸油量が50〜250ml/100g程度であるカーボンブラックが製造安定性に優れて好ましい。
キャリアにおいて、具体的に芯材(キャリア芯材)表面に被覆樹脂により被覆させる方法としては、被覆樹脂を含む被覆膜形成用液に浸漬する浸漬法、被覆膜形成用液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆膜形成用液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。これらの中でも、本発明において、ニーダーコーター法が好ましい。被覆膜形成用液に用いる溶剤としては、被覆樹脂のみを溶解することが可能なものであれば、特に制限はなく、それ自体公知の溶剤の中から選択することができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類などが挙げられる。
本発明の静電荷像現像用現像剤は、トナー濃度(トナー/キャリア比)を8%とし帯電発生環境を25℃50RH%とした場合に、その帯電量の絶対値が20〜50μC/gであることが好ましく、より好ましくは25〜45μC/g、さらに好ましくは27〜40μC/gである。この帯電量の絶対値が20μC/g未満であると、背景部のカブリ、画像白抜け、キャリアの飛散等が発生することがある。一方、50μC/gを超えると、現像不良による画像濃度低下が発生することがある。この帯電量は、例えば、キャリアの被覆樹脂量、架橋メラミン樹脂微粒子量、被覆樹脂中のフッ素量等により適宜調整することができる。
本発明の静電荷像現像剤は、上述の特定なキャリアと特定のトナーと混合することにより作製することができるが、この作製方法は特に制限はなく、従来公知の方法に従って適宜行われる。
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、像担持体表面に形成された静電潜像を、前記本発明の白色静電荷像現像用トナーを少なくとも含む複数色のトナーを用いて現像しトナー像を得る現像工程と、前記トナー像を定着して定着画像を得る定着工程と、を有することを特徴とする。前記複数色のトナーとしては、イエロー、マジェンタ、サイアン及び黒色のトナーから選ばれる3色のトナーと、前記白色トナーと、の4色のトナーを用いることが好ましい。
特に、OHPシート等の透明媒体に対し、複数色のトナーを用いて定着画像を得た場合、隠蔽性として該画像の透過濃度が2.60以上であることが好ましく、3.00以上であることが特に好ましいが、本発明の画像形成方法によって定着画像をえることにより、前記透過濃度を達成することができる。
尚、本発明において前記透過濃度は、X−rite341(X−rite社製)で測定を行った。より詳しくは、電子写真複写機(ColorDocuTech60富士ゼロックス社製)を使用しフルカラー用OHPフィルム(富士ゼロックス社製)に単位面積あたりの単色トナー量を5g/m2(4色重ね合わせで20g/m2)になるようにプリントアウトを行った。サンプル画像は5×5cmのパッチを作成し、中心及び4隅の5点を測定してその平均値を透過濃度とした。
なお、前記画像形成方法においては、各工程は特に制限はなく従来公知の方法によって行うことができ、また他の工程を設けることができる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、以下、特に断りがない限り「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を意味する。
−イエロートナー粒子Aの作製−
・ポリエステル樹脂 :82部
(テレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/
シクロヘキサンジメタノールの縮重合による線状ポリエステル、
Tg=65℃、Mn=4500、Mw=18000)
・C.I.ピグメントイエロー180(クラリアントジャパン社製):10部
・パラフィンワックス HNP9(融点75℃:日本精鑞製) :8部
上記各成分をヘンシェルミキサーで充分予備混合を行い、2軸型ロールミルにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、さらに風力式分級機で2回分級を行い、平均体積粒径7.2μm、着色剤濃度10%のイエロートナー粒子Aを作製した。
−マジェンタトナー粒子Bの作製−
C.I.ピグメントイエロー180の代わりにC.I.ピグメントレッド122(大日精化社製)を使用し含有量を8部に変えた以外は、イエロートナー粒子Aと同様の処方で、平均体積粒径7.8μm、着色剤濃度8%のマジェンタトナー粒子Bを作製した。
−サイアントナー粒子Cの作製−
C.I.ピグメントイエロー180の代わりにC.I.ピグメントブルー15:3(大日精化社製)を使用し含有量を4部に変えた以外は、イエロートナー粒子Aと同様の処方で、平均体積粒径7.5μm、着色剤濃度4%のサイアントナー粒子Cを作製した。
−黒トナー粒子Dの作製−
C.I.ピグメントイエロー180の代わりにカーボンブラック(R330:キャボット社製)を使用し含有量を6部に変えた以外は、イエロートナー粒子Aと同様の処方で、平均体積粒径8.0μm、着色剤濃度6%の黒トナー粒子Dを作製した。
−白トナー粒子Eの作製−
<結晶性ポリエステル樹脂の製造方法>
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル98mol%、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%、エチレングリコール100mol%と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、その後乾燥させ結晶性ポリエステル樹脂を合成した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂のTg=64℃、Mn=4600、Mw=9700であった。
・前記結晶性ポリエステル樹脂・・・・・・20部
・非結晶性ポリエステル樹脂・・・・・・42部
(テレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/
シクロヘキサンジメタノールの縮重合による線状ポリエステル
Tg=62℃、Mn=4,000、Mw=12,000)
・酸化チタン(CR60:石原産業)・・・・・・30部
・パラフィンワックスHNP9(融点75℃:日本精鑞製)・・・・・・8部
上記各成分をヘンシェルミキサーで充分予備混合を行い、2軸型ロールミルにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、さらに風力式分級機で2回分級を行い、平均体積粒径7.0μm、着色剤濃度30%の白トナー粒子Eを作製した。
−白トナー粒子Fの作製−
酸化チタンの含有量を20部に、非結晶性ポリエステル樹脂含有量を52部に変えた以外は、白トナー粒子Eと同様の処方で、平均体積粒径7.4μm、着色剤濃度20%の白トナー粒子Fを作製した。
−白トナー粒子Gの作製−
酸化チタンの含有量を40部に、非結晶性ポリエステル樹脂含有量を32部に変えた以外は、白トナー粒子Eと同様の処方で、平均体積粒径6.9μm、着色剤濃度40%の白トナー粒子Gを作製した。
−白トナー粒子Hの作製−
酸化チタンの含有量を15部に、非結晶性ポリエステル樹脂含有量を57部に変えた以外は、白トナー粒子Eと同様の処方で、平均体積粒径7.2μm、着色剤濃度15%の白トナー粒子Hを作製した。
−白トナー粒子Iの作製−
酸化チタンの含有量を12部に、非結晶性ポリエステル樹脂含有量を60部に変えた以外は、白トナー粒子Eと同様の処方で、平均体積粒径7.5μm、着色剤濃度12%の白トナー粒子Iを作製した。
−白トナー粒子Jの作製−
酸化チタンの含有量を45部に、非結晶性ポリエステル樹脂含有量を27部に変えた以外は、白トナー粒子Eと同様の処方で、平均体積粒径6.8μm、着色剤濃度45%の白トナー粒子Jを作製した。
−白トナー粒子Kの作製−
用いた結晶性ポリエステル樹脂を全て非結晶性ポリエステル樹脂に置き換えた以外は、白トナー粒子Eと同様の処方で、平均体積粒径7.5μm、着色剤濃度30%の白トナー粒子Kを作製した。
−白トナー粒子Lの作製−
結晶性ポリエステル樹脂含有量を45部に、非結晶性ポリエステル樹脂含有量を17部に変えた以外は、白トナー粒子Eと同様の処方で、平均体積粒径7.0μm、着色剤濃度30%の白トナー粒子Lを作製した。
−疎水性酸化チタン微粒子Aの作製−
まず、イルメナイトを鉱石として用い、硫酸に溶解させ鉄粉を分離し、TiOSO4を加水分解する湿式沈降法を用いてTiO(OH)2を製造した。なお、TiO(OH)2の製造の過程で、加水分解と核生成のための分散調整及び水洗を行った。次に、水1000部中に得られたTiO(OH)2を100部分散し、これにイソブチルトリメトキシシラン20部を室温で攪拌しながら滴下した。次いで、これをろ過し、水洗を繰り返した。そして、イソブチルトリメトキシシランで表面疎水化処理された酸化チタンを150℃で乾燥し、BET比表面積が120m2/gであり、比重が3.4である疎水性酸化チタン微粒子Aを調製した。
−疎水性酸化チタン微粒子Bの作製−
疎水性酸化チタン微粒子Aの調製において、イソブチルトリメトキシシラン量を10部に変えた以外は、前記疎水性酸化チタン微粒子Aの調製と同様にして行い、BET比表面積が100m2/gであり、比重が3.5である疎水性酸化チタン微粒子Bを調製した。
−疎水性酸化チタン微粒子Cの作製−
疎水性酸化チタン微粒子Aの調製において、イソブチルトリメトキシシラン量を30部に、乾燥の温度を180℃に変更した以外は、前記疎水性酸化チタン微粒子Aの調製と同様にして行い、BET比表面積が32m2/gであり、比重が3.2である疎水性酸化チタン微粒子Cを調製した。
−疎水性酸化チタン微粒子Dの作製−
水1000部中に、疎水性酸化チタン微粒子Aの作製において得られたTiO(OH)2を100部分散し、これにメチルトリメトキシシラン25部を室温で攪拌しながら滴下した。次いで、これをろ過し、水洗を繰り返した。そして、メチルトリメトキシシランで表面疎水化処理された酸化チタンを180℃で乾燥し、BET比表面積が280m2/gであり、比重が3.3である疎水性酸化チタン微粒子Dを調製した。
−疎水性二酸化ケイ素微粒子E−
疎水性二酸化ケイ素微粒子として、(株)日本アエロジル製「RX200」(BET比表面積が140m2/gであり、比重が2.2)を用いた。
−キャリアAの作製−
・フェライト粒子(電気抵抗1×108Ω・cm、体積平均粒径35μm)
・・・・・・100部
・トルエン・・・・・・14部
・パーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体
(共重合比40:60、Mw=5万)・・・・・・1.6部
・カーボンブラック(VXC−72:キャボット社製)・・・・0.12部
・架橋メラミン樹脂(平均粒径;0.3μm)・・・・・0.3部
フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで分散し、被覆膜形成用液を調整し、この被覆膜形成用液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、60℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、該フェライト粒子表面上に被覆膜を形成して、キャリアAを作製した。被覆膜における樹脂として用いたパーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体にはカーボンブラック粒子及び架橋メラミン樹脂粒子をトルエンにて希釈して分散しておいたため、得られたキャリアにおける被覆膜には、カーボンブラック及び架橋メラミン樹脂粒子が均一に分散されていた。
−キャリアBの作製−
被覆膜における樹脂として用いたパーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体をシリコーン樹脂(SR2411:東レダウコーニングシリコーン社製)に代えた以外は、キャリアAと同様の処方でキャリアBを作製した。
前記の方法により得たトナー、外添剤、キャリアの組成をそれぞれ表1,2,及び3に示す。
Figure 0004525506
Figure 0004525506
Figure 0004525506
(実施例1)
下記表4に記載の組み合わせのトナー粒子を用い、各トナー粒子100部毎に、表4に記載の外添剤0.6部を外添し、ヘンシェルミキサーにより混合して各色の外添トナーを作製した。さらに、各外添トナー8部と表4に記載のキャリア92部とを混合し、各色の現像剤を作製した。
(実施例2〜11及び比較例1〜5)
用いたトナー粒子、外添剤、キャリアを表4に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜11及び比較例1〜5の各色外添トナー及び現像剤を作製した。
Figure 0004525506
[評価]
得られた各色現像剤を用いて以下に示す評価を行った。尚、下記評価試験においてコピーテストは、得られた各色現像剤を現像剤機に収容し、電子写真複写機(ColorDocuTech60富士ゼロックス社製)により行った。結果を表5に示す。
−画像厚みの測定−
4色重ね合わせてプリントアウトされたOHPシートを10枚重ねてマイクロメーターを用いて厚みを測定した。
−隠蔽性の評価−
フルカラー用OHPフィルム(富士ゼロックス社製)に単位面積あたりの単色トナー量を5g/m2(4色重ね合わせで20g/m2)になるようにコピーテストを行い、得られた1枚目と10万枚目のサンプル画像の透過濃度を、X−rite341(X−rite社製)で測定し、下記基準により評価した。尚、サンプル画像は5×5cmのパッチを作成し、中心及び4隅の5点を測定してその平均値を透過濃度とした。尚、前記透過濃度と共に、得られたサンプル画像の画像膜厚(前記トナー量からの計算値)を表5に示す。
○:透過濃度3.00以上
△:透過濃度2.60以上3.00未満
×:透過濃度2.60未満
−画像強度の評価−
上記と同様にして1枚目と10万枚目のサンプル画像を得、表面試験機(HEIDON Type14DR:新東科学(株)社製)を用いて荷重50gで針先径0.2mmの針で5箇所を引っかき、それぞれの欠損度合いを目視にて観察し、下記基準により評価した。
○:表面のみ傷がつくだけで画像欠損無し
△:画像の一部が欠損
×:画像の半分以上欠損
−帯電量の評価−
実施例及び比較例のそれぞれにおいて、用いた白色の現像剤を電子写真複写機(ColorDocuTech60富士ゼロックス社製)中に25℃50%RH条件下で24時間放置した後、電子写真複写機中の現像機を3分間空回しし、スリーブ上から白色現像剤を2gサンプリングし、ブローオフ測定機TB200(東芝社製)を用いて初期帯電量を測定した。ケージは16μmのメッシュを使用している。測定環境は25℃/50%RH条件下で測定を行った。
また、10万枚のコピーテストを行った後の白色現像剤をスリーブ上からサンプリングし、同様にブローオフ測定器を用いて帯電量を測定した。
−画質の評価−
濃度階調のあるチャートのコピーテストを行い、1枚目と10万枚目の画像の画質を次に示すように評価した。
初期画質については、その階調性、濃度の均一性、エッジ効果の有無を目視で評価した。一方、10万枚複写後の画質については、粒状性、階調性/擬似輪郭、濃度再現性、その他の画質欠陥の観点で目視評価した。尚、印画紙はC2紙(富士ゼロックス社製)を用いた。
○:問題なし
△:一部不具合があるが問題ないレベル
×:画質欠陥
Figure 0004525506
表5において、*1はブリスター/ピンホールの発生、*2は濃度不良、*3はエッジ効果及び擬似輪郭の不良、*4はカブリの発生、*5は色筋の発生を表す。
キャリアの電気抵抗を測定する方法を示す説明図である。
符号の説明
1 ガード電極
2 上部電極
3 測定試料
4 下部電極
5 高電圧抵抗計
6 試料保持リング
7 直流安定化電源

Claims (5)

  1. 白色の着色剤と、結晶性樹脂及び非結晶性樹脂からなる結着樹脂と、を含んでなる白色の静電荷像現像用トナーであって、
    前記結晶性樹脂のトナー中における含有量が5〜25質量%であり、
    前記着色剤のトナー中における含有量が15〜40質量%であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記白色の着色剤が酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 外添剤として、BET比表面積が40〜250m 2 /gである疎水性酸化微粒子を添加してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアと、を含んでなることを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  5. 像担持体表面に形成された静電潜像を、白色トナーを少なくとも含む複数色のトナーを用いて現像しトナー像を得る現像工程と、前記トナー像を定着して定着画像を得る定着工程と、を有する多色の画像形成方法であって、
    前記白色トナーとして請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを用い、
    且つ前記定着画像の透過濃度が3.00以上であることを特徴とする画像形成方法。
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