JP5298485B2 - 静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
静電荷像を経て画像情報を可視化する電子写真法は、現在さまざまな分野で利用されているが、前記電子写真法は、一般には、帯電・露光工程において、感光体(像保持体)表面に静電荷像を形成し、現像工程において、トナーを含む静電荷像現像剤(以下、単に「現像剤」という場合がある。)を用いて前記静電荷像を現像してトナー像を形成し、転写工程において、前記トナー像を紙やシート等の転写材上に転写し、定着工程において、熱、溶剤、圧力等を利用して前記トナー像を記録紙(被転写体)上に定着し、永久画像を得る方法である。
近年、高画質を達成する手段としてデジタル化処理が採用されており、デジタル化処理により複雑な画像の高速処理が可能となった。これにより、文字と写真画像とを分離して制御することが可能となり、両品質の再現性がアナログ技術に比べ大きく改善されている。特に写真画像に関しては階調補正と色補正が可能になった点が大きく、階調特性、精細度、鮮鋭度、色再現、粒状性の点でアナログに比べ有利である。一方、画像出力としては光学系で作成された潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしては益々小粒径化が進み忠実再現を狙った活動が加速されている。しかし、単にトナーの小粒径化だけでは、安定的に高画質を得る事は困難であり、現像、転写、定着特性における基礎特性の改善が更に重要となっている。
一方、複写機、プリンターのエネルギー使用量を少なくするため、より低エネルギーでトナーを定着する技術が望まれており、そのためのより低温で定着し得る電子写真用トナーの要求が強い。トナーの定着温度を低くする手段として、トナーの結着樹脂のガラス転移温度を低くする技術が一般的に行われているが、ガラス転移温度を低くし過ぎると、粉体の凝集(ブロッキング)が起り易くなることから、低温定着性とブロッキング防止との両立を図ることが重要となる。
上記低温定着性とブロッキングの発生防止とを両立させる手段として、結晶性樹脂を結着樹脂として用いる方法が古くから知られている。また、結着樹脂として結晶性樹脂を単独で用いるのではなく、結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを併用する技術が提案されている。具体的にはガラス転移温度40℃以上の非結晶性ポリエステル樹脂と、溶融温度130〜200℃の結晶性ポリエステル樹脂とを混合して用いる方法である(例えば、特許文献1参照)。一方、低溶融温度の結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを混合し、相溶化度を制御することで低温定着を獲得する技術が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
ところで、結晶性樹脂を含むトナーでは特に現像性に関して問題が生じる場合があり、使用と共に濃度低下が大きくなり長期の画像安定性が獲得できなくなることがある。これは一般に、結晶性樹脂を含有したトナーはトナー硬度が比較的柔らかくなる傾向にあるためである。
具体的には、結晶性樹脂を含んだトナーが攪拌等の現像器ストレスを受けると外添剤埋没が起こり、その結果トナー表面は外添剤の効果が得られない部分が多くなり、トナーの非静電的付着力が増加することとなる。そしてこの非静電的付着力が増加すると、所謂現像ニップ領域においてトナーをキャリアから移動させるのにより大きな力が必要となるため、同じ電界で現像性が低下する結果となる。
この問題を解決するため、従来は非静電的付着力が増加するのを抑制する目的で外添剤量を増加させ。トナー表面の外添剤被覆率を増して非静電的付着力を低下させている。しかし、単純に外添剤量を増加させてしまうと、同時に帯電量も大幅に上昇させてしまい現像性は逆に落ちてしまい、さらには外添量を増やすと、相対的に外添剤の遊離量が増加してキャリア汚染を招くためトナー帯電性が低下してしまうことがある。
これに対して、キャリア側からは、例えばシリコーン樹脂やフッ素系樹脂ような表面エネルギーの小さい樹脂を用いて、キャリアの樹脂被覆層を形成することが試みられている(例えば、特許文献4、5参照)。また、帯電性低下に対しては、キャリア被覆層の窒素原子濃度を制御し経時で帯電が低下しない工夫が提案されている(例えば、特許文献6参照)。さらに結晶性樹脂を使用した場合の帯電性低下に関しても、イソシアネートを分散させた樹脂被覆層を設けることにより対応できるとされている(例えば、特許文献7参照)。
一方、トナー側からは、例えば粒径の異なる2種類のシリカ粉体を併用する方法が提案されている(例えば、特許文献8参照)。また、粒径の異なるシリカを用いた場合、初期的にはシリカ微粉体のうち大径側が帯電し徐々に帯電が上昇する現象、所謂チャージアップ現象が起こることがある。これに対しては、正帯電性シリカ及び負帯電性シリカの併用が提案されている(例えば、特許文献9参照)。
特公昭62−39428号公報 特開2004−206081号公報 特開2004−50478号公報 特開昭60−186844号公報 特開昭64−13560号公報 特開2000−314990号公報 特開2002−182428号公報 特開平11−184145号公報 特開2004−279912号公報
本発明の目的は、低温定着性を維持しつつ初期現像性の低下を防止し、さらに長期使用に際しても安定した画像を形成することができる静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、融解温度が50℃以上80℃以下の結晶性樹脂を含有するトナー粒子及び外添剤を含むトナーと、芯材表面に樹脂被覆層が形成されたキャリアと、を有し、
前記外添剤が体積平均1次粒径が80nm以上200nm以下の正帯電性シリカと体積平均1次粒径が10nm以上80nm以下の負帯電性シリカとを含み、前記樹脂被覆層が窒素含有樹脂の粒子を含むことを特徴とする静電荷像現像剤である。
請求項2に係る発明は、前記トナー粒子が、内部に疎水化処理された負帯電性シリカを含有する請求項1に記載の静電荷像現像剤である。
請求項3に係る発明は、前記窒素含有樹脂がアミノ樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像剤である。
請求項4に係る発明は、現像剤保持体を少なくとも備え、請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤を収めることを特徴とするプロセスカートリッジである。
請求項5に係る発明は、像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤が請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明の請求項1に係る発明によれば、低温定着性を維持しつつ初期現像性の低下を防止し、さらに長期使用に際しても安定した画像を形成することが可能な静電荷像現像剤を提供することができる。
請求項1に係る発明によれば、さらに長期にわたってトナーの固着や現像剤のブロッキングを発生させることのない静電荷像現像剤を得ることができる。
請求項2に係る発明によれば、さらにトナーの破片物等によるキャリアの汚染を低減させ、現像性の低下を抑制することができる。
請求項3係る発明によれば、トナーの帯電性を高め、初期及び長期使用時の現像性をより安定化させることができる。
請求項4に係る発明によれば、低温定着性を維持しつつ初期現像性の低下を防止し、さらに長期使用に際しても安定した画像を形成することが可能な静電荷像現剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高めることができる。
請求項5に係る発明によれば、低温定着性を維持しつつ初期現像性の低下を防止し、さらに長期使用に際しても安定した画像を形成することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<<静電荷像現像剤>>
本発明の静電荷像現像剤は、融解温度が50℃以上80℃以下の結晶性樹脂を含有するトナー粒子及び外添剤を含むトナーと、芯材表面に樹脂被覆層が形成されたキャリアと、を有し、前記外添剤が体積平均1次粒径が80nm以上200nm以下の正帯電性シリカと体積平均1次粒径が10nm以上80nm以下の負帯電性シリカとを含み、前記樹脂被覆層が窒素含有樹脂の粒子を含むことを特徴とする。
前記のように、結着樹脂の分子量やガラス転移温度を下げずに低温定着性を獲得するためには、結晶性樹脂を用いることが有効である。これは結晶性樹脂自体のシャープな溶融特性に起因するものであると共に、非晶性樹脂を併せて用いた場合にこれと相溶し見かけ上ガラス転移温度を下げる効果があるためである。また、これにより保管性を確保しつつ低温定着性を実現することができる。
一方、近年の小型化、高速化、フルカラー化に伴い現像器の攪拌ストレスが増加する傾向にあり、特に高速化に対して現像性が課題になることが多い。この現象としては高速化することにより現像性が低下するものであり、高速化することにより現像剤に対するストレスが増加し、その結果現像剤が劣化することによると考えられ、通常の場合では現像剤を長期に使用した場合に発生しやすい。
しかし、トナーの結着樹脂に結晶性樹脂を使用した場合には、初期から現像性が低下してしまうことがあった。
上記問題については、その原因は以下のように推察される。
トナーに結晶性樹脂を使用した場合、結晶性樹脂は通常非結晶性樹脂よりも柔らかいため、結晶性樹脂及び非結晶性樹脂を複合した場合においても部分的に柔らかい部分ができ、トナー1個中に硬さの異なる部分が偏在する構造となる。このような構造のトナーに外添剤を添加すると、外添剤は処理直後は均一に外添されているがストレスを受けた場合柔らかい部分に外添剤が偏在または埋没することとなる。この外添剤の偏在及び埋没が起こってしまうと、トナー表面における未外添部分の面積が大きくなり前記非静電的付着力が大きくなってしまう。その結果、現像性が初期から落ちてしまうという現象が起こるものと考えられる。
これに対して、上記外添剤の偏在や埋没を減らす目的で、外添剤量を増加させトナー表面の外添剤被覆率を上げると、前記のように特に外添剤としてシリカなど使用すると帯電量が上昇する傾向が強く、帯電量が高くなりすぎて逆に現像性を落とす結果となる場合がある。また、酸化チタン等の電荷交換性の良い材料を使用した場合には、逆に帯電量が極端に落ちてしまい、特に高温高湿下では帯電量が著しく小さくなってしまいカブリなどの画質欠陥発生の原因となってしまう場合がある。
以上の推察、事実に基づき、本発明者等がこの問題について検討した結果、外添剤として体積平均1次粒径が80nm以上200nm以下の正帯電性シリカを使用し、樹脂被覆層に窒素含有樹脂の粒子を含んだキャリアを用いることで、トナーの結着樹脂に結晶性樹脂を使用しても初期現像性を損なうことなく低温定着を実現できることが見出された。
まず、外添剤として正帯電性シリカを用いるのは、負帯電量を上げず更には帯電量の上昇を抑制しつつ非静電的付着力を低下させることが可能であるためである。
そして、前記のように、トナーの結着樹脂として結晶性樹脂を使用すると外添構造(トナー表面における外添剤の分散状態)が変化するが、これを抑制するために粒径をある程度大きくすることが有効であることがわかった。
すなわち、トナー表面への埋まりこみを抑制しつつ遊離を少なくするためには、前記正帯電性シリカの体積平均1次粒径が80nm以上200nm以下であることが必要である。体積平均1次粒径が80nm未満であると、前記埋まりこみを有効に防止することができない。200nmを超えると、埋まりこみは起こりにくくなるもののトナーからの遊離が起こりやすい。
上記正帯電性シリカの体積平均1次粒径は90nm以上150nm以下であることが望ましく、100nm以上130nm以下であることがより好適である。
一方、トナーにおいて正帯電性シリカの埋まりこみを抑制しても、正帯電性シリカはトナー表面を移動して偏在しやすいため、使用によりトナー表面の外添剤のない領域が多くなり帯電特性が悪化しやすい。これに対しては、キャリアの樹脂被覆層に窒素含有樹脂の粒子を使用することにより、帯電特性を維持できることがわかった。
なおこの場合、トナーに使用している外添剤は正帯電性シリカであるため、該正帯電性シリカが遊離したとしても負帯電性シリカに比較してキャリア表面の帯電性とは同極性であるため、静電的反発により外添剤付着によるキャリア汚染も抑制されるものと考えられる。
以上の結果、結晶性樹脂を含むトナーの場合であっても、外添剤としての前記特定の粒径範囲の正帯電性シリカと、キャリアの樹脂被覆層に特定の樹脂粒子を用いることにより、初めて結晶性樹脂に起因する課題を解決でき、低温定着性に優れ初期から経時にかけて安定した現像性を確保できることが見出された。
本発明においては、前記正帯電性シリカに加えて外添剤として体積平均1次粒径が10nm以上80nm以下の負帯電性シリカを含む。これにより、帯電の安定化により寄与するだけでなく、現像剤として現像器中で高速で攪拌された場合でも、長期にわたってトナーの固着や現像剤のブロッキング(固化)の発生を抑制することができ、特に実機での連続使用時でも画質劣化を回避することができる。
すなわち、前記正帯電性シリカは使用時にトナー表面で移動するため偏在することとなるが、小粒径の外添剤は移動しないため初期の分散状態を維持している。このため正帯電性シリカが偏在しても、その他の領域には小粒径のシリカが存在しているため、結晶性樹脂を含むトナー粒子表面が完全にむき出しとなることがなく、特に結晶性樹脂がキャリア表面や現像器部材に直接接触することがない。したがって、前記トナーの固着やブロッキングの発生を回避することができる。
また、この場合の前記小粒径のシリカが負帯電性シリカであるため、前記キャリアによる負帯電性をより高めることができる。このとき、トナー表面の柔らかい部分には正帯電シリカがすでに集まっているため、負帯電シリカの偏在及び埋没は極力抑えられることになる。
前記負帯電性シリカの体積平均1次粒径が10nmに満たないと、外添処理時あるいは初期の攪拌でトナー粒子中に完全に埋没してしまう場合がある。80nmを超えると、性帯電性シリカと同様にトナー粒子表面を移動してしまう場合がある。
負帯電性シリカの体積平均1次粒径は20nm以上60nm以下であることがより望ましい。
以下、本発明の現像剤について、その構成を実施形態により説明する。
<トナー>
(トナー粒子)
−結晶性樹脂−
本実施形態のトナー粒子には結晶性樹脂が含まれる。
結晶性樹脂は、トナーを構成する結着樹脂のうち、5質量%以上30質量%以下の範囲で使用されることが望ましい。より好ましくは8質量%以上20質量%以下の範囲である。結晶性樹脂の割合が30質量%を超えると、良好な定着特性は得られるものの、定着像中の相分離構造が不均一となり、定着画像の強度、特に引っかき強度が低下し、傷がつきやすくなるといった問題を呈することがある。一方、5質量%未満では、結晶性樹脂由来のシャープな溶融特性が得られず、単純に非晶性樹脂の可塑化するのみで、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性を保つことができない場合がある。
なお、「結晶性樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。また、吸熱ピークは、トナーとしたときに、40〜50℃の幅を有するピークを示す場合がある。前記結晶性樹脂の主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下であれば、この共重合体も結晶性樹脂と呼ぶ。
結晶性樹脂としては、結晶性を持つ樹脂であれば特に制限はなく、具体的には、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル系樹脂などが挙げられるが、定着時の紙への定着性や帯電性、及び好ましい範囲での融解温度調整の観点から結晶性ポリエステルが好ましい。また更に適度な融解温度をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
本実施形態のトナーに用いられる結晶性ポリエステル樹脂や、その他後述する非晶性ポリエステル樹脂を含むすべてのポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、本実施形態においては、前記ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
前記多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていることが好ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の着色剤の分散を良好にできる点で有効である。また、樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して粒子を作製する際に、スルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで、乳化或いは懸濁が可能である。
このようにスルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらスルホン酸基を有する2価以上のカルボン酸成分は、ポリエステルを構成する全カルボン酸成分に対して0モル%以上20モル%以下、好ましくは0.5モル%以上10モル%以下含有させることが望ましい。含有量が少ないと乳化粒子の経時安定性が悪くなる一方、20モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下するばかりではなく、凝集後、粒子が融合する工程に悪影響を与え、トナー径の調整が難しくなるという不具合が生じる場合がある。
さらに、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸成分を含有することがより好ましい。2重結合を持つジカルボン酸は、2重結合を介して、ラジカル的に架橋結合させ得る点で定着時のホットオフセットを防ぐ為に好適に用いることができる。このようなジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級エステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でもコストの点で、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。
前記多価アルコール成分としては、脂肪族ジオールが好ましく、主鎖部分の炭素数が7〜20である直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。前記脂肪族ジオールが分岐型では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融解温度が降下してしまうため、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び低温定着性が悪化してしまう場合がある。また、炭素数が7未満であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合、融解温度が高くなり、低温定着が困難となることがある一方、20を超えると実用上の材料の入手が困難となり易い。前記炭素数としては14以下であることがより好ましい。
本実施形態の結晶性ポリエステル樹脂の合成に好適に用いられる脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコール成分のうち、前記脂肪族ジオール成の含有量が80モル%以上であることが好ましく、より好ましくは、90モル%以上である。前記脂肪族ジオール成の含有量が80モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し融解温度が降下するため、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノールベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
また、前記のような結晶性ポリエステル樹脂は、その構成成分が100%ポリエステル構造からなるポリマー以外にも、ポリエステルを構成する成分と他の成分とを共に重合してなるポリマー(共重合体)も意味する。但し、後者の場合には、ポリマー(共重合体)を構成するポリエステル以外の他の構成成分が50質量%以下である。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180℃以上230℃以下の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させても良い。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させると良い。
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、及びアミン化合物等が挙げられ、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
一方、前記結晶性ビニル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを用いたビニル系樹脂が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」なる記述は、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含むことを意味するものである。
結晶性樹脂の融解温度としては、好ましくは50℃以上100℃以下であり、より好ましくは60℃以上80℃以下である。融解温度が50℃より低いと、トナーの保存性や定着後のトナー画像の保存性が問題となる場合がある。一方100℃より高いと、従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない場合がある。また結晶性樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本実施形態においては、最大のピークをもって融解温度とみなす。
また、結晶性樹脂を含むトナーの融解温度は、50℃以上90℃以下が望ましく、60℃以上80℃以下がより望ましい。トナーは、融解温度を境にして急激に粘度が低下するために、融解温度以上の温度環境下で保存されるとブロッキングを起こしてしまう。そこで、トナーの融解温度は、トナーの保存時や画像とした後に曝される一般的な高温環境下の下限温度以上、すなわち50℃以上であることが好ましい。一方、融解温度が90℃を超える場合には、低温定着ができなくなる場合がある。
本実施形態のトナーは、前記結晶性樹脂を含んでいればよく、これ以外に非晶性樹脂を含んでもよい。
非晶性樹脂としては、公知の樹脂材料を用いることができるが、非晶性ポリエステル樹脂が特に好ましい。本実施形態に用いる非晶性ポリエステル樹脂とは、主として多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものである。非晶性ポリエステル樹脂を用いる場合には、樹脂の酸価の調整やイオン性界面活性剤などを用いて乳化分散することにより、樹脂粒子分散液を容易に調製することができる点で有利である。
前記多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類;等が挙げられる。これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いることができる。これら多価カルボン酸のうち、芳香族カルボン酸を使用することが好ましく、また良好なる定着性を確保する目的で架橋構造あるいは分岐構造をとるために、ジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。
前記多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類;等が挙げられる。これら多価アルコールの1種又は2種以上用いることができるが、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
なお、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合によって得られたポリエステル樹脂に、さらにモノカルボン酸およびモノアルコールの少なくともいずれかを加えて、重合末端のヒドロキシル基およびカルボキシル基の少なくともいずれかをエステル化し、ポリエステル樹脂の酸価を調整しても良い。モノカルボン酸としては酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等を挙げることができ、モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどを挙げることができる。
非晶性ポリエステル樹脂は、上記多価アルコールと多価カルボン酸を常法に従って縮合反応させることによって製造することができる。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150℃以上250℃以下で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の酸価に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造することができる。
また、この合成に使用する触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド等の有機金属やテトラブチルチタネート等の金属アルコキシドなどのエステル化触媒が挙げられる。このような触媒の添加量は、原材料の総量に対して0.01質量%以上1.00質量%以下とすることが好ましい。
本実施形態に使用される非晶性樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量Mwが5000以上1000000以下であることが好ましく、更に好ましくは7000以上500000以下であり、数均分子量Mnは2000以上10000以下であることが好ましく、分子量分布Mw/Mnが1.5以上100以下であることが好ましく、更に好ましくは2以上60以下である。
重量平均分子量及び数平均分子量が上記範囲より小さいと、低温定着性には効果的ではある一方で、耐ホットオフセット性が著しく悪くなるばかりでなく、トナーのガラス転移温度を低下させる為、トナーのブロッキング等保存性にも悪影響を及ぼす場合がある。一方、上記範囲より分子量が大きいと、耐ホットオフセット性は充分付与できるものの、低温定着性は低下する他、トナー中に存在する結晶性ポリエステル相の染み出しを阻害する為、ドキュメント保存性に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、上述の条件を満たすことによって低温定着性と耐ホットオフセット性、ドキュメント保存性を両立し得ることが容易となる。
また、ポリエステル樹脂(結晶性ポリエステル樹脂も同様)の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)は、前記のような分子量分布を得やすいことや、乳化分散法によるトナー粒子の造粒性を確保しやすいことや、得られるトナーの環境安定性(温度・湿度が変化した時の帯電性の安定性)を良好なものに保ちやすいことなどから、1mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂の酸価は、原料の多価カルボン酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基を制御することによって調整することができる。あるいは多価カルボン酸成分として無水トリメリット酸を使用することによってポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものが得られる。
また、公知の非晶性樹脂として、スチレンアクリル系樹脂も使用できる。この場合使用できる単量体としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類;などの単量体の重合体、これらを2種以上組み合せて得られる共重合体又はこれらの混合物を挙げることができ、さらには、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等も使用できる。
本実施形態で使用される非晶性樹脂のガラス転移温度は、35℃以上100℃以下であることが好ましく、貯蔵安定性とトナーの定着性のバランスの点から、50℃以上80℃以下であることがより好ましい。ガラス転移温度が35℃未満であると、トナーが貯蔵中又は現像機中でブロッキング(トナーの粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい傾向にある。一方、ガラス転移温度が100℃を超えると、トナーの定着温度が高くなってしまい好ましくない。
また、非晶性樹脂の軟化温度は80℃以上130℃以下の範囲に存在することが好ましい。より好ましくは90℃以上120℃以下の範囲である。軟化温度が80℃以下であると、定着後及び保管時のトナー及びトナーの画像安定性が著しく悪化する場合がある。また軟化点が130℃を超えると、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
上記軟化温度の測定は、フローテスター(島津社製、CFT−500C)、予熱:80℃/300秒、プランジャー圧力:0.980665MPa、ダイサイズ:直径1mm×長さ1mm、昇温速度:3.0℃/分の条件下における溶融開始温度と溶融終了温度との中間温度として求めた。
以上述べた樹脂を用いた樹脂粒子分散液の作製については、例えば樹脂の酸価の調整やイオン性界面活性剤などを用いて乳化分散することにより、調製することが可能である。
−着色剤−
本実施形態に用いられる着色剤としては、公知の着色剤であれば特に制限されないが、例えば、黒顔料としてはカーボンブラック、磁性粉等が挙げられる。黄色顔料としては、例えば、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG等が挙げられる。赤色顔料としては、ベンガラ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等が挙げられる。青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどが挙げられる。さらには、これらを混合し、更には固溶体の状態で使用できる。
これらの着色剤は、公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。また、これらの着色剤は、極性を有するイオン性界面活性剤を用い、既述したようなホモジナイザーを用いて水系溶媒中に分散し、着色剤粒子分散液を作製することができる。
トナーにおける前記着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲が好ましいが、また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ることができる。
−その他の成分−
本実施形態のトナー粒子には、必要に応じて離型剤を用いることができる。離型剤としては、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークが50℃以上140℃以下の範囲内にある物質が好ましい。主体極大ピーク50℃未満であると定着時にオフセットを生じやすくなる場合がある。また、140℃を超えると定着温度が高くなり、画像表面の平滑性が不充分なため光沢性を損なう場合がある。
主体極大ピークの測定には、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融解温度を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行う。
また、離型剤の160℃における粘度η1は20cps以上600cps以下の範囲内であることが好ましい。粘度η1が20cpsよりも小さいとホットオフセットを生じ易く、600cpsより大きいと定着時のコールドオフセットを生じる場合がある。
また、離型剤の160℃における粘度η1と200℃における粘度η2との比(η2/η1)は、0.5以上0.7以下の範囲内が好ましい。η2/η1が0.5より小さいと低温度時のブリード量が少なくコールドオフセットを生じる場合がある。また、0.7より大きいと高温での定着の際のブリード量が多くなり、ワックスオフセットを生じることがあるばかりでなく、剥離の安定性に問題を生じる場合がある。
離型剤の具体的な例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのごとき動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス;及びそれらの変性物が使用できる。
これらの離型剤は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融解温度以上に加熱するとともに強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により微粒子化し、粒子径が1μm以下の離型剤粒子を含む離型剤分散液を作製することができる。
本実施形態においては、トナー粒子の内部に疎水化処理された負帯電性シリカを含むことが望ましい。このようなシリカ粒子をトナー粒子中に内添させることにより、トナー粒子の強度が向上し、実機中で攪拌使用されてもトナー粒子の割れ、欠けを生じさせにくくし、破片物によるキャリアへの汚染を低減することができる。また、内添されたシリカ粒子はトナー粒子中の結晶性樹脂と非晶性樹脂との界面に集中することが多くなるため、例えば仮にトナー粒子がストレスにより割れた場合でも、断面の結晶性樹脂部分にはシリカ粒子が存在しており、結晶性樹脂によるキャリア汚染を防止することができる。
内添に用いるシリカ粒子は、結着樹脂として好ましいポリエステル樹脂との濡れ性、疎水化度の向上、トナー粒子内部での分散性制御の観点から、負帯電性の疎水化処理がなされていることが望ましい。処理剤としては特に制限されないが、ヘキサメチルジシラザン;アルコキシシラン系化合物;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン及びトリメチルクロロシランなどのクロロシラン系化合物;等を用いることが望ましく、ヘキサメチルジシラザンまたはジメチルジクロロシランを用いることがより好適である。
疎水化処理に用いるシリカ母粒子については後述するが、体積平均1次粒径で10nm以上30nm以下の粒子であることが望ましく、より好適には12nm以上20nm以下である。
また、トナー粒子中に内添する量としては、トナー粒子全体中の0.1質量%以上2質量%以下とすること望ましい。
その他、本実施形態のトナーには、必要に応じて滑剤や帯電制御剤を用いることもできる。
使用できる滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩が挙げることができる。また前記帯電制御剤は、帯電性をより向上安定化させるために添加するものであり、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができる。
(トナー粒子の製造)
本実施形態においては、トナーは、凝集・合一法、懸濁重合法、溶解懸濁造粒法、溶解懸濁法、溶解乳化凝集合一法などの、酸性やアルカリ性の水系媒体中でトナー粒子を生成する湿式製法で製造されることが好適であるが、特に凝集合一法が好ましい。
より具体的には、本実施形態のトナー、少なくとも粒子径が1μm以下の、第1の樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液と、必要に応じて離型剤粒子を分散した離型剤粒子分散液とを混合し前記第1の樹脂粒子と前記着色剤粒子と前記離型剤粒子とを含むコア凝集粒子を形成する第1の凝集工程と、前記コア凝集粒子の表面に第2の樹脂粒子を含むシェル層を形成しコア/シェル凝集粒子を得る第2の凝集工程と、前記コア/シェル凝集粒子を前記第1の樹脂粒子または前記第2の樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱し融合・合一する融合・合一工程と、を少なくとも含む製造方法により製造されることが望ましい。
第1の凝集工程においては、まず、樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、必要に応じて離型剤粒子分散液とを準備する。樹脂粒子分散液は、乳化重合などによって作製した第1の樹脂粒子をイオン性界面活性剤を用いて溶媒中に分散させることにより調製する。着色剤粒子分散液は、樹脂粒子分散液の作製に用いたイオン性界面活性剤と反対極性イオン性界面活性剤を用いて、黒色、青色、赤色、黄色等の所望の色の着色剤粒子を溶媒中に分散させることにより調製する。また、離型剤粒子分散液は、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融解温度以上に加熱するとともに強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により粒子化することにより調製する。
次に、樹脂粒子分散液と着色剤粒子分散液と離型剤粒子分散液とを混合し、第1の樹脂微粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ所望のトナー径にほぼ近い径を持つ、第1の樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。
第2の凝集工程は、第1の凝集工程で得られたコア凝集粒子の表面に、第2の樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液を用いて、第2の樹脂粒子を付着させ、所望の厚みの被覆層(シェル層)を形成することによりコア凝集粒子表面にシェル層が形成されたコア/シェル構造も持つ凝集粒子(コア/シェル凝集粒子)を得る。なお、この際用いる第2の樹脂粒子は、第1の樹脂粒子と同じであってもよく、異なったものであってもよい。
また第1および第2の凝集工程において用いられる、第1の樹脂粒子、第2の樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子の粒子径は、トナー径および粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが好ましく、100nm以上300nm以下の範囲内であることがより好ましい。
第1の凝集工程においては、樹脂粒子分散液や着色剤粒子分散液に含まれる2つの極性のイオン性界面活性剤(分散剤)の量のバランスを予めずらしておくことができる。例えば、硝酸カルシウム等の無機金属塩、もしくは硫酸バリウム等の無機金属塩の重合体を用いてこれをイオン的に中和し、第1の樹脂粒子のガラス転移温度以下で加熱してコア凝集粒子を作製することができる。
このような場合、第2の凝集工程においては、上記のような2つの極性の分散剤のバランスのずれを補填するような極性および量の分散剤で処理された樹脂微粒子分散液を、コア凝集粒子を含む溶液中に添加し、さらに必要に応じてコア凝集粒子または第2の凝集工程において用いられる第2の樹脂微粒子のガラス転移温度以下でわずかに加熱してコア/シェル凝集粒子を作製することができる。なお、第1および第2の凝集工程は、段階的に複数回に分けて繰り返し実施したものであってもよい。
次に、融合・合一工程において、第2の凝集工程を経て得られたコア/シェル凝集粒子を、溶液中にて、このコア/シェル凝集粒子中に含まれる第1または第2の樹脂粒子のガラス転移温度(樹脂の種類が2種類以上の場合は最も高いガラス点移温度を有する樹脂のガラス転移温度)以上に加熱し、融合・合一することによりトナー粒子を得る。
融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。なお、洗浄工程は、帯電性の点から十分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが好ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
(外添剤)
本実施形態のトナーには、外添剤として、体積平均1次粒径が80nm以上200nm以下の正帯電性シリカを含まれ、また望ましくはさらに体積平均1次粒径が10nm以上80nm以下の負帯電性シリカを含まれる。
ここで、上記「正帯電性」、「負帯電性」に関しては、本実施形態では、シリカ粒子と鉄粉とを混合し、通常のトナー帯電量の測定法と同様にブローオフ法により帯電量を測定し、その値が正となるものを正帯電性シリカ、負となるものを負帯電性シリカとした。
具体的には、測定するシリカ粒子の粒径と比重とから、鉄粉に対するカバレッジを計算し、鉄粉に対するシリカ粒子のカバレッジが200%となる外添剤仕込み量を下記式(1)より求めた。
200(%)=(√3/2π)×(Dc・ρc)/(Da・ρa)×(シリカ仕込み量)/(鉄粉仕込み量)×100 ・・・ 式(1)
(上記式において、Dcは鉄粉粒径(μm)、ρcは鉄粉比重、Daは外添剤粒径(μm)、ρaは外添剤比重を各々表す。)
次に、鉄粉10gと、上記計算で求めた仕込み量のシリカとを混合し、20分間ターブラーミキサーにて混合した。その後、帯電量測定装置TB−200(東芝社製)によりブローオフ法で帯電量を測定した。
本実施形態における正帯電性シリカ、負帯電性シリカは、異なる疎水化処理剤によってシリカコア粒子(未処理シリカ)を表面処理することにより各々の帯電極性となる。
母体となる未処理シリカの製法は問わず、湿式法あるいは気相法で製造されたいずれの粒子を使用しても良く、例えば特開2000−258974号公報に開示されている方法により、所望の体積平均1次粒径を有するシリカコア粒子を得ることができる。
前記疎水化処理剤としては、特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもシランカップリング剤及びシリコーンオイルが好適に挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、例えばクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプを使用することも可能である。ここで、表面処理に使用される疎水化処理剤としては次のようなものを例示することができる。
すなわち、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノ変性アルコキシシラン、アミノ変性シリコーンオイルを代表的なものとして例示することができる。
また、前記シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
前記正帯電性シリカとするためには、上記から選択される疎水化処理剤として、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリ キシシラン、アミノ変性アルコキシシラン、アミノ変性シリコーンオイルなどを用いることが好ましい。
また、負帯電性シリカとするためには、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、などを用いることが好ましい。
特に正帯電性シリカ及び負帯電性シリカを組み合わせて用いる場合には、正帯電性用としてはアミノ変性アルコキシシラン、負帯電性用としてはジメチルジクロロシランまたはヘキサメチルジシラザンを用いる組み合わせが最も好ましい。
シリカコア粒子への各種疎水化処理剤の処理法としては、水系媒体中で処理する方法、有機溶剤中で処理する方法、気相中で処理する方法が挙げられる。
疎水化処理剤の処理量は、シリカ粒子コア100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下の範囲とすることが好ましい。正帯電性シリカ、負帯電性シリカ外添剤粒子に対して処理量は同一でなくてもよいが、好ましくは正帯電性シリカ粒子への処理量を1質量部以上10質量部以下の範囲、負帯電性シリカ粒子への処理量を0.5質量部以上10質量部以下の範囲とすることがより好ましい。
なお、上記処理量とは、外添剤粒子に実際に処理されている疎水化処理剤の量ではなく、疎水化処理時に外添剤コアに対して用いた疎水化処理剤の量をいう。
また、本実施形態においては、正帯電性シリカ、負帯電性シリカ以外に、必要に応じて従来公知の外添剤を組み合わせて利用することもできる。
例えばコアとなる無機酸化物粒子としては、SiO,TiO,Al,CuO,ZnO,SnO,CeO,Fe,MgO,BaO,CaO,KO,NaO,ZrO,CaO・SiO,KO・(TiO)n,Al・2SiO,CaCO,MgCO,BaSO,MgSO等を例示することができる。これらのうち、特にシリカ粒子、チタニア微粒子が好ましい。該無機酸化物粒子は、表面が予め疎水化処理されていることが望ましい。この疎水化処理によりトナーの粉体流動性改善のほか、帯電の環境依存性、耐キャリア汚染性に対してより効果的である。疎水化処理は、前記シリカ粒子の場合と同様に行うことができる。さらには、金属酸化物粒子等の研磨剤を用いることもできる。
前記正帯電性シリカの添加量としては、前述のトナー粒子100質量部に対して、0.5質量部以上3質量部以下が好ましく、1質量部以上2.5質量部以下がより好ましい。正帯電性シリカ添加量が0.5質量部より少ないと、非静電的付着力の低減効果が小さく、現像性、転写性向上効果が十分得られなくなることがあり、一方、該添加量が3質量部より多いと、トナー粒子表面を1層被覆し得る量を超え、被覆が過剰な状態となり、正帯電性シリカが遊離しやすくなり、二次障害を引き起こす場合がある。
また、正帯電性シリカに加えて負帯電性シリカを用いる場合には、負帯電性シリカの添加量は、トナー粒子100質量部に対し、0.2質量部以上1.5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上1質量部以下である。
添加量が0.2質量部に満たないと、トナー粒子表面全体を有効に覆うことができずトナー表面における前記正帯電性シリカがない領域でのスペーサー効果や帯電量付与効果を得ることができない場合がある。1.5質量部を超えると、トナー粒子から遊離したシリカ粒子による感光体等の汚染により画像欠陥が発生する場合がある。
またこの場合、トナーにおける前記正帯電性シリカと負帯電性シリカの表面被覆率(正帯電性シリカ:負帯電性シリカ)は、それぞれの外添剤によるトナー表面の分散、被覆状態の点で、10:1〜1:1の範囲内であることが好ましく、8:1〜4:1の範囲内であることがより好ましい。
本実施形態において、前記それぞれのシリカ粒子等の外添剤はトナー粒子に添加され、混合されることが好ましいが、混合は、例えば、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲミキサー、Q型ミキサー、ハイブリダイゼーションシステム等の公知の混合機によって行うことができる。
また、この際、必要に応じて種々の添加剤を添加してもよい。該添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等が挙げられる。また、外添混合後に篩分プロセスを通しても構わない。
本実施形態のトナーの体積平均粒径は、3μm以上9μm以下の範囲であることが好ましく、3μm以上8μm以下の範囲であることがより好ましい。トナー粒子の体積平均粒径が9μmを超えると、粗大粒子の比率が高くなり、定着工程を経て得られる画像の細線や微小ドットの再現性、および階調性が低下する。一方、トナー粒子の体積平均粒径が3μm未満となると、トナーの粉体流動性、現像性、あるいは転写性が悪化し、像担持体表面に残留するトナーのクリーニング性が低下する等、粉体特性低下に伴う他の工程における種々の不具合が生じる。
また、本実施形態のトナーの粒子径分布指標としては、体積平均粒度分布指標GSDvが1.30以下であることが好ましく、数平均粒度分布指標GSDpとの比GSDv/GSDpが0.95以上であることがより好ましい。体積分布指標GSDvが1.30を超えると解像性が低下し、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比が0.95未満の場合、帯電性の低下を発生させることがあると同時に飛び散り、カブリ等の画像欠陥の原因ともなり得る。
なお、前記体積平均粒径、粒度分布指標の値は、次のようにして測定し算出した。まず、測定器としてコールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて測定されたトナーの粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々のトナー粒子の体積、数について小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、体積平均粒子径D16v、数平均粒子径D16pと定義し、累積50%となる粒径を、体積平均粒子径D50v(この値を体積平均粒径とする)、D50pと定義する。同様に、累積84%となる粒径を、体積平均粒子径D84v、D84pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標GSDvは、(D84v/D16v)1/2として定義され、数平均粒度分布指標GSDpは、(D84p/D16p)1/2として定義される。
さらに、本実施形態におけるトナーの形状係数SF1は110以上140以下の範囲にあることが好ましい。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(2)により求められる。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(2)
上記式(2)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
前記SF1は、主に顕微鏡画像または走査電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個のトナー粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(2)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
<キャリア>
本実施形態におけるキャリアは、二成分現像剤に使用し得る樹脂被覆層を有するキャリアであり、該樹脂被覆層が窒素含有樹脂の粒子を含んでいれば、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば、樹脂被覆層のマトリックス樹脂に磁性粉末などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよいし、芯材粒子に空隙を有するような多孔質コアに樹脂を含浸被覆する樹脂含浸型キャリアでも良い。
前記樹脂被覆層を形成するキャリアの芯材としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30μm以上200μm以下程度の範囲である。
キャリア芯材は、その体積抵抗率が1×107.5Ωcm以上1×109.5Ωcm以下であることが好ましい。この体積抵抗率が1×107.5Ω・cm未満であると、繰り返し複写によって現像剤中のトナー濃度が減少した際に、キャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう場合がある。一方、体積抵抗率が1×109.5Ω・cmより大きくなると、際立ったエッジ効果や擬似輪郭等の画質に悪影響を及ぼす場合がある。芯材は、上記条件を満足すれば、特に制限はないが、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類等との合金、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。これらの中でも芯材表面性、芯材抵抗の観点から好ましくはフェライト、特にマンガン、リチウム、ストロンチウム、マグネシウム等との合金が好ましい。
樹脂被覆層に用いられるマトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態では樹脂被覆層に窒素含有樹脂の粒子が含まれる。窒素含有樹脂はN原子に由来してトナーに対する負帯電性が大きいが、これが樹脂粒子としてキャリアの樹脂被覆層中に存在することにより、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、均一に分散しているため、キャリアを長期間使用して樹脂被覆層が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、トナーに対し、良好な帯電付与能力を長期間にわたって、維持することができる。このため、例えば前記正帯電性シリカが偏在したトナー粒子表面でも帯電性を高めることができる。
前記窒素含有樹脂としては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル等を含むアクリル系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂等を含むアミノ樹脂;アミド樹脂;ウレタン樹脂;などが挙げられる。また、これらの共重合樹脂でもかまわない。
特に、樹脂粒子として用いる場合には熱硬化性樹脂であることが望ましく、その点からは、メラミン樹脂などのアミノ樹脂を用いることがより望ましい。
窒素含有樹脂の粒子の体積平均粒径としては、0.1μm以上2μm以下程度が好ましく、より好ましくは0.2μm以上1μm以下である。前記樹脂粒子の体積平均粒径が0.1μm未満であると、樹脂被覆層における樹脂粒子の分散性が非常に悪く、一方、2μmを越えると樹脂被覆層から樹脂粒子の脱落が生じ易く、本来の効果を発揮しなくなることがある。
また、樹脂被覆層中の窒素含有樹脂粒子の含有量は、被覆層全体の1質量%以上50質量%以下であることが望ましく、5質量%以上25質量%以下であることがより好適である。
また樹脂被覆層(被覆膜)には、上記樹脂粒子以外に、導電性粒子が分散されてなることが好ましい。樹脂被覆層に導電性粒子が分散されている場合、その厚み方向及びキャリア表面の接線方向に、導電性粒子が均一に分散しているため該キャリアを長期間使用して該樹脂被覆層が摩耗したとしても、常に未使用時と同様な表面形成を保持でき、キャリア劣化を長期間防止することができる。なお、樹脂被覆層に前記樹脂粒子と導電性粒子とが分散されている場合、上述の効果を同時に奏することができる。
上記導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属粒子、カーボンブラック粒子、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物粒子、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズ、カーボンブラック、金属等で覆った粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、製造安定性、コスト、導電性等の良好な点で、カーボンブラック粒子が好ましい。前記カーボンブラックの種類としては、特に制限はないが、DBP吸油量が50ml/100g以上250ml/100g以下程度であるカーボンブラックが製造安定性に優れて好ましい。
前記芯材表面に樹脂被覆層を形成する方法としては、被覆樹脂を含む被覆膜形成用液に浸漬する浸漬法、被覆膜形成用液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆膜形成用液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
上記方法により形成される樹脂被膜量は、キャリア芯材に対して0.5質量%以上10質量%以下の量を被覆して用いられる。また、トナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100から30:100の範囲であることが好ましく、3:100から20:100の範囲がより好ましい。
調製された2成分現像剤においては、実機に充填したときの初期のトナー帯電量Q1(μC/g)と10万枚以上印字した後の現像剤中のトナー帯電量Q2(μC/g)との関係が、1≦Q1/Q2<2.8を満たすことが望ましい。実機使用時のトナー帯電量がこの範囲にあれば、初期の現像性を維持したまま画像形成を行うことができる。前記関係は、1≦Q1/Q2<2.0であることがより望ましい。
なお、上記トナー帯電量は、現像スリーブから採取した現像剤について、22℃、50%RH環境下で、帯電量測定装置TB−200(東芝社製)を用いてブローオフ法により測定したものである。
<<画像形成装置>>
次に、本発明の静電荷像現像剤を用いた本発明の画像形成装置について説明する。
本発明の画像形成装置は、像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤として本発明の静電荷像現像剤を用いるものである。
なお、この画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着可能なカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、現像剤保持体を少なくとも備え、本発明の静電荷像現像剤を収容する本発明のプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本発明の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1〜第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに所定距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に所定の張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
上述した第1〜第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を所定の電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V〜−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロー着色剤と結晶性樹脂及び非結晶性樹脂とを含む体積平均粒径が7μmのイエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き所定速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が所定の1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに所定の1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1〜第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に所定のタイミングで給紙され、所定の2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
<<プロセスカートリッジ>>
図2は、本発明の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、300は記録紙である。
図2で示すプロセスカートリッジでは、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせることが可能である。本発明のプロセスカートリッジでは、感光体107のほかには、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備える。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお以下の説明において、特に断りがない限り、「部」「%」は全て「質量部」「質量%」を意味する。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、参考例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法(既述の方法は除く)について説明する。
(樹脂の分子量、分子量分布測定方法)
結着樹脂等の分子量、分子量分布は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
なお、試料解析におけるデータ収集間隔は300msとした。
(樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒径)
樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
(樹脂のガラス転移温度、融解温度)
結着樹脂等のガラス転移温度(Tg)、融解温度は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(島津製作所製:DSC60、自動接線処理システム付き)を用い、25℃から150℃まで昇温速度10℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、ガラス転移温度は階段状の吸熱量変化における中間点の温度とし、融解温度(は吸熱ピークのピーク温度とした。
(外添剤の体積平均一次粒子径)
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マスターサイザー2000、マルバーン社製)を用いて行った。
測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積粒度分布に関し、粒径の小さい方から累積して累積50%になったところを体積平均粒径とし、これを外添剤粒子の体積平均一次粒子径とした。
なお、外添剤粒子などの各粒子を測定する場合は、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1000Hz)にて2分分散して、試料を作製し、前述の分散液と同様の方法で測定した。
<トナー粒子の作製>
(各分散液の調製)
−結晶性樹脂分散液−
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル98mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%からなる酸性成分と、エチレングリコールからなるアルコール成分と、を1:1のmol比で入れ、これの100部に対して、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3部を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂を合成した。 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwを確認したところ9700であった。また、融解温度は72℃であった。
・結晶性ポリエステル樹脂:90部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):1.8部
・イオン交換水:210部
以上を100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、体積平均粒径200nm、固形分量20%の結晶性樹脂分散液を得た。
−非晶性樹脂分散液−
・テレフタル酸:30mol%
・フマル酸:70mol%
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:20mol%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:80mol%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、酸成分及びアルコール成分を上記モル比としたモノマーを仕込み、1時間を要して190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、このモノマー混合物100部に対してジブチル錫オキサイドを1.2部を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、酸価が12.0mg/KOH、重量平均分子量が9700、ガラス転移温度が61℃である非晶性ポリエステル樹脂を得た。
次いで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記非晶性ポリエステル樹脂溶融体と同時にキャビトロンCD1010に移送した。
回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、体積平均粒径が0.16μm、固形分量が30%の非晶性樹脂分散液を得た。
−着色剤分散液−
・シアン顔料(大日精化(株)製、C.I.Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):45部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により10間分散し、体積平均粒径が168nm、固形分量が22.0%の着色剤分散液を得た。
−離型剤分散液−
・パラフィンワックス(HNP9、日本精鑞製、融解温度:75℃):45部
・カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合し95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分量が20.0%の離型剤分散液を得た。
(トナー粒子の作製)
−トナー粒子1−
・非晶性樹脂樹分散液:256.7部
・結晶性樹脂分散液:33.3部
・着色剤分散液:27.3部
・離型剤分散液:35部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.20部を加え、ウルトラタラックスT50で分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱し、この温度で60分保持した後、ここに非晶性樹脂分散液70.0部を緩やかに70.0部を追加した。
その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水1リットルに再分散し、300rpmで15分間攪拌・洗浄した。これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度が7.0μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続した。
この時の粒子径をコールターマルチサイザーIIにて測定したところ、体積平均粒径は5.9μm、体積粒度分布指標GSDvは1.24であった。また、ルーゼックス画像解析装置による形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は130であることが観察された。
−トナー粒子2−
トナー粒子1の作製において、疎水性シリカR972(日本アエロジル社製)シリカ5部をエタノール10部及びイオン交換水100部に加え、予めウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した溶液を作製した。この疎水性シリカ分散液50部を追加した以外は、トナー粒子1の作製と同様にしてトナー粒子2を作製した。
この時の粒子径をコールターカウンターにて測定したところ、体積平均粒径は5.88μm、体積粒度分布係数GSDvは1.25であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は128であることが観察された。
−トナー粒子3−
トナー粒子1の作製において、結晶性樹脂分散液の代わりに非晶性樹脂分散液を用いた以外は、トナー粒子1の作製と同様にしてトナー粒子3を作製した。
この時の粒子径をコールターカウンターにて測定したところ、体積平均粒径は6.4μm、体積粒度分布係数GSDvは1.27であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は133であることが観察された。
<外添剤の調製>
(正帯電性シリカの調製)
−未処理シリカの作製−
テトラメトキシシランをイオン交換水、アルコールの存在下でアンモニア水を触媒として温度をかけながら滴下・攪拌する。この反応で得られたシリカゾル懸濁液の遠心分離を行い、湿潤シリカゲルとアルコール、アンモニア水に分離し、更に分離した湿潤シリカゲルを120℃で2時間乾燥し未処理シリカとした。このとき滴下速度を変え、任意の粒径を作製した。
−正帯電性シリカA−
体積平均1次粒径140nmの未処理シリカ(1)100部とエタノール500部とをエバポレーターに入れ、温度を40℃に維持したまま15分間攪拌した。次に、シリカ粒子100部に対して10部のγアミノシシランを入れ更に15分間攪拌した。最後に温度を90℃に上げエタノールを減圧乾燥させた、その後、処理物を取り出して更に120℃で30分間真空乾燥を行った。乾燥されたシリカを粉砕し正帯電性シリカAとした。
−正帯電性シリカB−
正帯電性シリカAの作製において、未処理シリカ(1)の代わりに体積平均1次粒径が85nmの未処理シリカ(2)を用いた以外は、正帯電性シリカAの作製と同様にして正帯電性シリカBを得た。
−正帯電性シリカC−
正帯電性シリカAの作製において、未処理シリカ(1)の代わりに体積平均1次粒径が190nmの未処理シリカ(3)を用いた以外は、正帯電性シリカAの作製と同様にして正帯電性シリカCを得た。
−正帯電性シリカD−
正帯電性シリカAの作製において、未処理シリカ(1)の代わりに体積平均1次粒径が70nmの未処理シリカ(4)を用いた以外は、正帯電性シリカAの作製と同様にして正帯電性シリカDを得た。
−正帯電性シリカE−
正帯電性シリカAの作製において、未処理シリカ(1)の代わりに体積平均1次粒径が205nmの未処理シリカ(5)を用いた以外は、正帯電性シリカAの作製と同様にして正帯電性シリカEを得た。
(負帯電性シリカの調製)
−負帯電性シリカA−
正帯電性シリカAの作製において、未処理シリカ(1)の代わりに体積平均1次粒径が16nmの未処理シリカ(6)を用い、処理剤としてγアミノシランの代わりにジメチルジメトキシシランを用いた以外は、正帯電性シリカAの作製と同様にして負帯電性シリカAを得た。
−負帯電性シリカB−
負帯電性シリカAの作製において、未処理シリカ(6)の代わりに体積平均1次粒径が75nmの未処理シリカ(7)を用いた以外は、負帯電性シリカAの作製と同様にして負帯電性シリカBを得た。
−負帯電性シリカC−
負帯電性シリカAの作製において、シリカ粒子(6)の代わりに体積平均1次粒径が5nmの未処理シリカ(8)を用いた以外は、負帯電性シリカAの作製と同様にして負帯電性シリカCを得た。
−負帯電性シリカD−
負帯電性シリカAの作製において、シリカ粒子(6)の代わりに体積平均1次粒径が85nmの未処理シリカ(9)を用いた以外は、負帯電性シリカAの作製と同様にして負帯電性シリカDを得た。
(酸化チタンの調製)
イルメナイトを鉱石として用い、硫酸に溶解させ鉄粉を分離し、TiOSOを加水分解してTiO(OH)を生成させる湿式沈降法を用いてTiO(OH)を製造した。なお、TiO(OH)の製造の過程で、加水分解と核生成のための分散調整及び水洗を行った。
水1000ml中に得られたTiO(OH):100部を分散し、これにデシルシラン20部を室温で撹拌しながら滴下した。次いで、これをろ過し、水洗を繰り返した。そして、デシルシランで表面疎水化処理された酸化チタンを150℃で乾燥し、体積平均1次粒径が20nmである疎水性酸化チタンを調製した。
<外添トナーの作製>
(外添トナー1−1)
トナー粒子1:100部に対して、正帯電性シリカA:2.0部及び前記疎水性酸化チタン0.3部を添加し、ヘンシェルミキサーにて2500rpmで10分間処理して外添トナー1−1を作製した。
(外添トナー1−2〜1−5)
外添トナー1−1の作製において、正帯電性シリカAの代わりに正帯電性シリカB〜Eを各々用いた以外は、外添トナー1−1の作製と同様にして外添トナー1−2〜1−5を作製した。
(外添トナー1−6)
外添トナー1−1の作製において、トナー粒子1の代わりにトナー粒子2を用いた以外は、外添トナー1−1の作製と同様にして外添トナー1−6を作製した。
(外添トナー1−7)
外添トナー1−1の作製において、トナー粒子1の代わりにトナー粒子3を用いた以外は、外添トナー1−1の作製と同様にして外添トナー1−7を作製した。
(外添トナー2−1)
トナー粒子1:100部に対して負帯電性シリカAを1部、及び正帯電性シリカAを2部添加し、ヘンシェルミキサーで2500rpmにて10分間攪拌して外添トナー2−1を作製した。
(外添トナー2−2〜2−4)
外添トナー2−1の作製において、負帯電性シリカAの代わりに負帯電性シリカB〜Dを各々用いた以外は、外添トナー2−1の作製と同様にして外添トナー2−2〜4を作製した。
(外添トナー2−5)
トナー粒子1:100部に対して負帯電性シリカAを1部、及び正帯電性シリカDを2部添加し、ヘンシェルミキサーで2500rpmにて10分間攪拌して外添トナー2−5を作製した。
(外添トナー2−6)
トナー粒子1:100部に対して負帯電性シリカAを1部、及び正帯電性シリカEを2部添加し、ヘンシェルミキサーで2500rpmにて10分間攪拌して外添トナー2−6を作製した。
(外添トナー2−7)
トナー粒子1:100部に対して負帯電性シリカAを1部のみ添加し、ヘンシェルミキサーで2500rpmにて10分間攪拌して外添トナー2−7を作製した。
(外添トナー2−8)
外添トナー2−1の作製において、トナー粒子1の代わりにトナー粒子2を用いた以外は、外添トナー2−1の作製と同様にして外添トナー2−8を作製した。
<キャリアの作製>
(キャリア1)
・フェライト粒子(体積平均粒径:50μm、体積抵抗率:3×108Ωcm):100部
・トルエン:14部
・パーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体(共重合比:40/60、Mw:5万):1.6部
・カーボンブラック(VXC−72、キャボット社製):0.12部
・架橋メラミン樹脂粒子(数平均粒子径:0.3μm):0.3部
上記成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10分間スターラーで分散し、被膜形成用液を調製し、この被膜形成用液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、60℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、フェライト粒子表面に樹脂被覆層を形成して、キャリアを製造した。
(キャリア2)
キャリア1の作製において、架橋メラミン樹脂粒子を用いなかった以外は、キャリア1の作製と同様にしてキャリア2を得た。
<現像剤の作製>
前記外添トナー1−1:4部とキャリア1:96部とを混合し、V型ブレンダーで5分間攪拌し現像剤(1)を作製した。また、前記その他の外添トナーについても、同様にしてキャリアと混合して現像剤(2)〜(15)を作製した。
さらに、外添トナー1−1:4部とキャリア2:96部とを混合し、上記と同様にして現像剤(16)を作製した。
参考例1>
画像形成装置として、DocuCentreColor400CP(富士ゼロックス社製)改造機を用意し、以下の評価を行った。
(定着評価)
上記画像形成装置に前記現像剤(1)を充填し、現像条件をトナー載り量で15.0g/mとなるように設定し、C2紙(富士ゼロックス社製)を使用して、4cm×4cmのべた画像を形成した。このとき、前記画像形成装置における定着温度が150℃固定になるように定着器を改造し、連続で20枚プリントした。これらの画像について以下の評価基準で定着性を評価した。
○:すべての画像で問題なし。
×:1枚以上でオフセット発生。
(現像性評価)
前記画像形成装置を使用し、現像条件をトナー載り量で6.0g/mとなるように設定し、C2紙(富士ゼロックス社製)を使用して、4cm×4cmのべた画像を3箇所形成した。この画像を10万枚までプリントし、初期と10万枚後の画像濃度を画像濃度計X−Rite938(X−Rite社製)により測定した。
(トナー帯電性評価)
前記現像性評価時の初期のマグロール上現像剤及び10万枚後のマグロール上現像剤を採取し、帯電量測定を実施した。
帯電量測定は、帯電量測定器TB−200(東芝製)を用いブローオフ法により行った。このときの測定条件は、ブローオフの気体は空気を1.0kg/cm の圧力で行い、測定試料の量は0.2gで行なった。
以上の結果をまとめて表1に示す。
参考例2〜4、実施例〜9、比較例1〜7>
参考例1において、現像剤(1)の代わりに表1に示した外添トナー、あるいは、キャリアを含む現像剤を各々用いた以外は、同様にして評価を行った。
結果をまとめて表1に示す。
Figure 0005298485
表1の結果から、特定の粒径範囲の正帯電性シリカを外添処理したトナーとメラミン樹脂粒子を含む樹脂被覆層を有するキャリアとからなる現像剤を用いた実施例及び参考例では、定着性だけでなく、初期及び10万枚後においても問題となる現像性の低下が見られないことがわかる。一方、前記構成のいずれかを満足しない比較例では、何らかの特性で問題が生じた。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、110 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
P、300 記録紙(被転写体)

Claims (5)

  1. 融解温度が50℃以上80℃以下の結晶性樹脂を含有するトナー粒子及び外添剤を含むトナーと、芯材表面に樹脂被覆層が形成されたキャリアと、を有し、
    前記外添剤が体積平均1次粒径が80nm以上200nm以下の正帯電性シリカと体積平均1次粒径が10nm以上80nm以下の負帯電性シリカとを含み、前記樹脂被覆層が窒素含有樹脂の粒子を含むことを特徴とする静電荷像現像剤。
  2. 前記トナー粒子が、内部に疎水化処理された負帯電性シリカを含有することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像剤。
  3. 前記窒素含有樹脂がアミノ樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像剤。
  4. 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤を収めることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  5. 像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤が請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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