JP7395129B2 - 二成分現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、及び静電記録法などに用いられる静電荷像を現像するための二成分現像剤に関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及し、印刷市場への適用も始まっている。印刷市場では、幅広いメディア(多くの紙種)に対応しながら、高速、高画質、高安定性、高生産性が要求されるようになってきている。
高画質と高安定性のためには、トナーの帯電量および帯電分布を安定させることが必要である。トナーの帯電量を安定させるためには、キャリアの帯電付与能を維持することが必要である。キャリアの帯電付与能を変化させる要因としては、トナーの外添剤やワックス成分によるキャリアの樹脂被覆層への汚染、キャリアの樹脂被覆層の削れ、樹脂被覆層の剥がれが挙げられる。このため、キャリアの樹脂被覆層への外添剤付着、ワックス成分のスペントを抑制するために表面自由エネルギーの低い樹脂被覆層の検討が行われている。特許文献1ではフッ素樹脂を含有する第1コート層とシリコーン樹脂とフッ素シランとを含有する第2コート層とを用いた多層の樹脂被覆層が検討されている。
また、長期にわたり高画質を得るためには、トナーの補給によって発生する補給カブリを抑制する必要がある。補給カブリは、現像器内に滞留し帯電量の低下したトナー(以下、劣化トナーともいう)の帯電量と新たに補給されたトナー(以下、新トナーともいう)の帯電量との差によって発生する。したがって、劣化トナーの帯電量と新トナーの帯電量との差を低減する必要があり、さまざまな試みが行われている。特許文献2では、トナーの帯電極性とは反対の帯電極性を有する外添剤粒子を備えたトナーが検討されている。反対の帯電極性を有する外添剤粒子により、劣化トナーの帯電量と補給されたトナーの帯電量との差を低減し、補給カブリを抑制できる。
特開2019-45557号公報 特開2003-302786号公報
しかしながら、高画質と高安定性のために不可欠なキャリアの高耐久性化は、現状まだ不十分である。上述ように、従来からのキャリアの問題であるワックス成分のスペントや樹脂被覆層の削れ、樹脂被覆層の剥がれに対して更なる対策が必要である。
特許文献1に開示されているような多層構成の樹脂被覆層では、樹脂被覆層間の界面からの剥がれが発生する場合があり、更なる改善が必要である。また、樹脂被覆層の削れ対策として、樹脂被覆層の厚膜化やハードコート樹脂の採用等がなされてきたが、衝撃による樹脂被覆層の割れが発生する場合があり、未だ全ての問題に対する十分な対策となっていない。特に、樹脂被覆層の剥がれは、耐久前後におけるキャリア物性(抵抗値、帯電付与性等)が大きく変動し、ガサツキや色味変動、飛び散り等の画像特性も大きく変動するため、キャリアの長寿命化の大きな妨げとなっている。
また、特許文献2に開示されているトナーの帯電極性とは反対の帯電極性を有する外添剤粒子を備えるトナーでは、トナーの帯電極性と同じ帯電極性を有する外添剤粒子と反対の帯電極性を有する外添剤粒子とが引き付け合い凝集しやすい。このため、凝集した外添剤粒子が、樹脂被覆層の摩耗を促進したり、現像剤の流動性を悪化させ樹脂被覆層の剥がれを促進したりするため更なる対策が必要である。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、補給カブリ及びキャリアの樹脂被覆層の剥がれを抑制した二成分現像剤を提供することである。
本発明は、トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤あって、
該トナーは、トナー母粒子と、該トナー粒子の表面に存在する第1外添剤および第2外添剤を有し、
該第1外添剤は正帯電性シリカ微粒子であり、
該第2外添剤は負帯電性シリカ微粒子であり、
該磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子及び該磁性キャリアコア粒子の表面に存在する樹脂被覆層を有し、
該樹脂被覆層は、窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素を含有しており、
X線光電子分光法による元素分析において、
(i)該磁性キャリアの表面分析で検出される窒素原子、ケイ素原子、フッ素原子、炭素原子及び酸素原子の総和を基準として、該磁性キャリアの表面における窒素原子の比率をN1(原子%)、ケイ素原子の比率をS1(原子%)、フッ素原子の比率をF1(原子%)とし、
(ii)該磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置で検出される窒素原子、ケイ素原子、フッ素原子、炭素原子及び酸素原子の総和を基準として、該磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置における窒素原子の比率をN2(原子%)、ケイ素原子の比率をS2(原子%)、フッ素原子の比率をF2(原子%)としたとき、
該N1、S1、F1、N2、S2およびF2が、
0.1≦N1≦1.5
0.3≦S1≦5.0
45.0≦F1≦65.0
S1<S2
S1/N1<S2/N2
F1>F2
を満たすことを特徴とする二成分現像剤。
本発明によれば、補給カブリ及びキャリアの樹脂被覆層剥がれを抑制した二成分現像剤を提供できる。
本発明において、数値範囲を示す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明者らは、高画質と高安定性を目的とした二成分現像剤の検討を行った結果、
トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤あって、
該トナーは、トナー母粒子と、該トナー母粒子の表面に存在する第1外添剤および第2外添剤を有し、
前記第1外添剤は正帯電性シリカ微粒子であり、
前記第2外添剤は負帯電性シリカ微粒子であり、
該磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子及び該磁性キャリアコア粒子の表面に形成された樹脂被覆層を有し、
前記樹脂被覆層が、上述の範囲内の窒素原子、ケイ素原子、フッ素原子を含有している二成分現像剤が、従来にない補給カブリ及びキャリアの樹脂被覆層剥がれを抑制できることを見出した。
本発明の効果が得られた理由は以下のように考えている。
補給カブリが発生する原因としては、上述した通り、帯電量が低下したトナーと新たに補給されたトナーとの帯電量の差である。よって、本発明のように外添剤粒子としてトナーと反対の帯電極性の外添剤粒子を備えることで過剰な帯電が抑制され、帯電量の差が低減される。これにより、帯電量が低下したトナーの帯電が反転されなくなり、補給カブリが抑制されると考えられる。また、上述のように従来のキャリアでは凝集した外添剤により樹脂被覆層の剥がれが発生し、帯電性が変化するため、本発明のトナーの補給カブリを良化する効果が十分に得られない。しかし、本発明のキャリアでは樹脂被覆層の剥がれが低減されるため、本発明のトナーにより補給カブリを抑制する効果がより得られると考えられる。
以下、本実施形態に係る二成分現像剤の磁性キャリアの構成について説明する。
<磁性キャリア>
本発明における磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子及び前記磁性キャリアコア粒子上に形成された樹脂被覆層を有している。
前記樹脂被覆層は、窒素元素(N元素)、ケイ素元素(Si元素)、フッ素元素(F元素)を含有している。
X線光電子分光法による元素分析において、
(i)前記磁性キャリアの表面分析で検出されるN原子、Si原子、F原子、C原子(炭素原子)及びO原子(酸素原子)の総和に対するN原子、Si原子、F原子の割合をそれぞれN1、S1、F1(原子%)とし、
(ii)前記磁性キャリア表面から深さ40nmの位置で検出されるN原子、Si原子、F原子、C原子及びO原子の総和に対するN原子、Si原子、F原子の割合をそれぞれN2、S2、F2(原子%)としたとき、
前記N1、S1、F1、N2、S2及びF2が、以下の関係を満たす。
0.1≦N1≦1.5
0.3≦S1≦5.0
45.0≦F1≦65.0
S1<S2
S1/N1<S2/N2
F1>F2
上記範囲内の磁性キャリアを用いることで、トナーとの帯電性が良好となり、キャリアの樹脂被覆層の剥がれが抑制される。
本発明の磁性キャリアによって上述の効果が得られた理由は以下のように考えている。
キャリアの樹脂被覆層の剥がれの原因は、上述の通り、トナーの帯電極性と同じ帯電極性を有する外添剤粒子と反対の帯電極性を有する外添剤粒子とが引き付け合い、凝集しやすいため、凝集した外添剤粒子が、樹脂被覆層の摩耗・剥がれを促進すると考えられる。特に、キャリアの樹脂被覆層の界面、例えば、樹脂成分の異なる層を積層した場合の界面で樹脂被覆層の剥がれが起きやすい。よって、樹脂被覆層の界面間の密着性を向上させることが必要である。また、凝集した外添剤粒子のキャリアへの付着力を下げることが有効である。
本発明におけるキャリアの樹脂被覆層は、磁性キャリアの表面とキャリア表面から深さ40nmの位置とで検出されるN原子、Si原子、F原子の割合が異なることを特徴とする。
Si原子、F原子の割合が上記範囲内であることで、キャリアの樹脂被覆層の表面自由エネルギーが低く制御され、凝集した外添剤粒子のキャリアへの付着力が低減されると考えられる。
磁性キャリアの表面におけるSi原子の比率(S1)は、
凝集した外添剤粒子の付着抑制以外に、樹脂被覆層内のネットワークに影響し、樹脂被覆層の摩耗・剥がれを低減するためには0.3原子%以上が好ましく、
Si原子の帯電性が低いため、優れた帯電付与性と帯電維持性とを得るためには5.0原子%以下が好ましい。
磁性キャリアの表面におけるF原子の比率(F1)は、凝集した外添剤粒子の付着抑制以外に、帯電付与性および帯電維持性を向上させるためには45.0原子%以上が好ましく、樹脂被覆層の摩耗・剥がれのバランスからは65.0原子%以下が好ましい。
また、磁性キャリアの表面におけるN原子の比率(N1)が0.1原子%以上であることで、Si原子と同様に樹脂被覆層内のネットワークが強化されるため靭性が上がり樹脂被覆層の剥がれを抑制される。しかし、優れた帯電性と吸湿性を得るという観点から1.5原子%以下が好ましい。
磁性キャリアの表面とキャリア表面から深さ40nmの位置とで検出されるN原子、Si原子、F原子の割合が異なり、上記範囲内の関係性により、界面での密着性が上がるため樹脂被覆層の剥がれが抑制されると考えられる。これは、S1<S2かつS1/N1<S2/N2であることで、キャリア表面に対してキャリア芯材中心に向かって樹脂被覆層内ネットワークが強固になることを意味している。このため、キャリア表面全体に応力がかかった際に界面等から剥がれにくくなると考えられる。
また、F1>F2およびS1<S2の関係により、キャリア表面において電荷保持性が維持され、残留電荷による帯電低下が抑制されると考えられる。
さらに、電荷保持性を維持し、樹脂被覆層の密着性を高めるためにはS2/S1≧2であることがより好ましい。
また、キャリア表面のN原子の原子%(N1)とキャリア表面から深さ40nmの位置のN原子の原子%(N2)との差が小さいほど、界面での剥がれが抑制されるため、0.7≦N1/N2≦1.3であることがより好ましい。
さらに、樹脂被覆層の組成として、フッ素原子はフッ素系樹脂、ケイ素原子はシリコーン系樹脂、窒素原子は窒素系樹脂に由来することにより、良好な環境安定性を得ることが可能となる。
樹脂被覆層の膜厚(層厚)については、電荷漏洩と過剰帯電とを抑制し、優れた耐久性と耐剥がれ性とを得るために、50nm以上3000nm以下が好ましい。
透過型電子顕微鏡を用いてキャリア断面を観察することによって、キャリア表面を覆う樹脂被覆層の断面を観察し、樹脂被覆層の膜厚を測定することができるため、その膜厚の平均値を平均層厚とすることができる。
<磁性キャリアのX線光電子分光法による元素分析方法>
磁性キャリアの元素分析は、X線光電子分光分析(XPS)を用いて、以下のように測定する。測定サンプルとしては、XPS専用プラテン上に加工されたφ2mm・深さ2mmのサンプルセット孔に、磁性キャリアをセットする。そして、下記XPS装置により、X線照射箇所およびGCIB照射によるスパッタリング箇所を、上記サンプルセット孔部に設定する。
使用装置:アルバック・ファイ社製 PHI5000VersaProbeII
照射線:Al-Kα線
ビーム径:100μm
出力:25W15kV
光電子取り込み角度:45°
PassEnergy:58.70eV
Stepsize:0.125eV
XPSピーク:F1s、Si2p、N1s、C1s、O1s
測定範囲:300μm×200μm
以上の条件よりN1、S1、F1(原子%)の測定を行った。
更に、以下のスパッタ条件により、磁性キャリア表面から深さ40nmの位置までスパッタを行い、上記測定条件により測定した値をN2、S2、F2(原子%)とした。
GUNタイプ:GCIB
SputterSetting:20kV
なお、深さ40nmの位置に関しては、事前にスパッタレート(時間に対する深さのレート)を測定し、40nmに相当するスパッタ時間を算出し、該当する時間スパッタすることで、深さ40nmの位置とした。
本発明の磁性キャリアを好ましく製造する方法としては、磁性キャリアコア粒子を浮遊流動させながら被覆樹脂溶液をスプレーし、磁性キャリアコア粒子の表面に樹脂被覆層を形成させる方法及びスプレードライ法が挙げられる。かかる流動床被覆装置を使用する場合には、特に流動層の形成状態及び被覆樹脂を溶解した樹脂溶液の噴霧形式が重要である。前述した流動層の形成状態としては、磁性キャリアコア粒子の凝集が起こらず、且つ、効率良く被覆層を形成するため流動層内に回転式底板ディスクと撹拌羽根を設け、旋回流を形成させながら被覆を行う方式を挙げることができる。
具体的にはかかる手法としては、
(1)流動層を円筒の管体内を上昇する気体流によって形成し、
(2)更に、被覆樹脂溶液を流動層の移動方向に対して垂直方向から供給し、
(3)且つ樹脂溶液の噴霧圧が1.5kg/cm以上でスプレー塗布されることを特徴とする磁性キャリア製造方法を挙げることができる。
<トナー粒子の構成>
以下、本実施形態に係る二成分現像剤のトナーに含まれるトナー粒子の構成について説明する。
トナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。外添剤は、第1外添剤および第2外添剤を有し、前記第1外添剤は正帯電性シリカ微粒子であり、前記第2外添剤は負帯電性シリカ微粒子である。
帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。
摩擦帯電における正帯電性や負帯電性は、トナー母粒子に対する帯電性を基に正帯電性と負帯電性と規定することができるし、周知の帯電列などで確認できる。
(第1外添剤 正帯電性シリカ微粒子)
第1外添剤である正帯電性シリカ微粒子の個数平均粒子径は、100nm以下であることが好ましい。更に好ましくは30nm以下である。これにより、分散した状態でトナー母粒子の表面に付着しやすいため、外添剤として機能しやすくなる。正帯電性シリカ微粒子としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能である。また、表面及びケイ酸微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNaO、SO 2-等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。ヒュームドシリカと称される乾式シリカとは、例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素炎中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次のようなものである。
SiCl+2H+O→SiO+4HCl
さらには、前記ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体がより好ましい。
第1外添剤(正帯電性シリカ微粒子)としては、一般的に公知の材料であることが好ましく、分子内に窒素原子を含むことが好ましい。例えば、アミノシランが挙げられる。より具体的には、以下のものが挙げられる。N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノアチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、又はN-フェニル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン。
第1外添剤の疎水化剤としては、一般的に公知の材料であることが好ましく、分子内に炭化水素基を含むことが好ましい。例えば、以下のものが挙げられる。メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、N,O-(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N-ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert-ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、メタクリル酸変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、又はメチルスチリル変性シリコーンオイルであることが好ましい。
(第2外添剤 負帯電性シリカ微粒子)
第2外添剤である負帯電性シリカ微粒子の個数平均粒子径は、100nm以下であることが好ましい。更に好ましくは30nm以下である。これにより、第1外添剤である正帯電性シリカ微粒子と同様に、分散した状態でトナー母粒子の表面に付着しやすいため、外添剤として機能しやすくなる。また、第1外添剤である正帯電性シリカ微粒子と同様に、乾式シリカや湿式シリカの両者が使用可能である。
第2外添剤である負帯電性シリカ微粒子および第2外添剤の疎水化剤としては、一般的に公知の材料であることが好ましく、シラン化合物やシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α-クロルエチルトリクロルシラン、β-クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラメン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、へキサメチルジシロキサン、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3-ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当たり2~12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位に夫々1個あたりのケイ素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサン。
また、第1外添剤の含有量と第2外添剤の含有量とは以下の範囲内であることで、より劣化トナーと補給された新トナーとの帯電量の差が低減し、補給カブリが抑制される。
第1外添剤の含有量は100質量部のトナー母粒子に対して、1.20質量部以上2.00質量部以下であることが好ましい。
また、第2外添剤の含有量は、100質量部のトナー母粒子に対して、0.200質量部以上0.600質量部以下であることが好ましい。
さらに第1外添剤の含有量に対する第2外添剤の含有量の割合は、0.100以上0.400以下であることが好ましい。
(トナー母粒子)
トナー母粒子は公知の結着樹脂を用いることができる。例えば、結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。
スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂。好ましく用いられる樹脂として、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリエステル樹脂とスチレン系共重合樹脂が混合又は両者が一部反応したハイブリッド樹脂が挙げられる。さらに好ましくは、結着樹脂として、ポリエステル樹脂を含む態様である。
本発明におけるトナー粒子は、結晶性ポリエステルを含有することが好ましい。結晶性ポリエステルを含有することで、転写時の放電の影響をより効果的に緩和することができ、エンボス転写性が良好となる。上記特性を効果的に得る上で、結晶性ポリエステルの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下含有することが好ましい。
結晶性ポリエステルの原料モノマーに用いられるアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,20-イコサンジオールなどの脂肪族ジオールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂肪族ジオールの含有量は、結晶性ポリエステルの結晶性をより高める観点から、アルコール成分中に80モル%以上100モル%以下含有されることが好ましい。
結晶性ポリエステルを得るためのアルコール成分としては、上記の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分を含有していても良い。例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物を含むビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
一方、結晶性ポリエステルの原料モノマーに用いられるカルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、さらにこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中に80モル%以上100モル%以下含有されることが好ましい。
結晶性ポリエステルを得るためのカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸化合物以外のカルボン酸成分を含有していても良い。例えば、芳香族ジカルボン酸化合物、3価以上の芳香族多価カルボン酸化合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。芳香族ジカルボン酸化合物には、芳香族ジカルボン酸誘導体も含まれる。芳香族ジカルボン酸化合物の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、並びにそれらのアルキル(炭素数1以上3以下)エステルが好ましく挙げられる。該アルキルエステル中のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1以上3以下)エステル等の誘導体が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の原料モノマーであるアルコール成分とカルボン酸成分とのモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、0.80以上1.20以下であることが好ましい。
本発明のトナーの着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色の顔料としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが用いられ、また、マグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
イエロー色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12、13、14、15、17、23、62、65、73、74、81、83、93、94、95、97、98、109、110、111、117、120、127、128、129、137、138、139、147、151、154、155、167、168、173、174、176、180、181、183、191、C.I.バットイエロー1,3,20が挙げられる。染料としては、C.I.ソルベントイエロー19、44、77、79、81、82、93、98、103、104、112、162等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
シアン色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15;1、15;2、15;3、15;4、16、17、60、62、66等、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45が挙げられる。染料としては、C.I.ソルベントブルー25、36、60、70、93、95等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
マゼンタ色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,48;2、48;3、48;4、49,50,51,52,53,54,55,57,57;1、58,60,63,64,68,81,81;1、83,87,88,89,90,112,114,122,123,144、146,150,163,166、169、177、184,185,202,206,207,209,220、221、238、254等、C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35が挙げられる。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,52、58、63、81,82,83,84,100,109,111、121、122等、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27等、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40等、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、1質量部以上20質量部以下が好ましい。
トナーに離型性を与えるために、離型剤(ワックス)を用いてもよい。本発明に用いられるワックスの一例としては、次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化型ワックス;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般的に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系共重合モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
特に好ましく用いられるワックスは、脂肪族炭化水素系ワックスである。例えば、以下のものが挙げられる。アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒で重合した低分子量の炭化水素;石炭又は天然ガスから合成されるフィッシャートロプシュワックス;高分子量のオレフィンポリマーを熱分解して得られるオレフィンポリマー。一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素ワックス、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックス。さらにプレス発汗法、溶剤法、減圧蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものが、より好ましく用いられる。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。
これらワックスは、一種類を単独で使用してもよいし二種類以上を併用して使用してもよい。ワックスは、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下添加することが好ましい。
トナーは、荷電制御剤として、既知の荷電制御剤を用いることができる。既知の荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。アゾ系鉄化合物、アゾ系クロム化合物、アゾ系マンガン化合物、アゾ系コバルト化合物、アゾ系ジルコニウム化合物、カルボン酸誘導体のクロム化合物、カルボン酸誘導体の亜鉛化合物、カルボン酸誘導体のアルミ化合物、カルボン酸誘導体のジルコニウム化合物。前記カルボン酸誘導体は、芳香族ヒドロキシカルボン酸が好ましい。正帯電性の荷電制御剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2-オキサジン、1,3-オキサジン、1,4-オキサジン、1,2-チアジン、1,3-チアジン、1,4-チアジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、1,2,4-オキサジアジン、1,3,4-オキサジアジン、1,2,6-オキサジアジン、1,3,4-チアジアジン、1,3,5-チアジアジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、1,2,4,6-オキサトリアジン、1,3,4,5-オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ-ンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等の直接染料;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等の酸性染料;ナフテン酸の金属塩類;高級有機カルボン酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、2-(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩等の4級アンモニウム塩。また、荷電制御樹脂も用いることもできる。必要に応じて一種類又は二種類以上の荷電制御剤を併用してもかまわない。荷電制御剤は結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下添加することが好ましい。
(第1外添剤および第2外添剤以外の外添剤)
本発明のトナーには、必要に応じて第1外添剤および第2外添剤以外の外添剤を添加してもよい。このような外添剤としては、例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラ定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粉体が挙げられる。帯電補助剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナなどの金属酸化物が挙げられる。滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられる。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられる。
(トナー粒子の製造方法)
本発明におけるトナー粒子を製造する方法としては、特に限定されず、公知の方法によって製造することができる。例えば、粉砕法、乳化凝集法、懸濁重合法、溶解懸濁法などが挙げられる。
粉砕法により製造されるトナー粒子は、例えば下記のようにして製造される。結着樹脂、着色剤及び必要に応じてその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミルのような混合機により充分に混合する。混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練する。その際、ワックス、磁性酸化鉄粒子及び含金属化合物を添加することもできる。溶融混練物を冷却固化した後、粉砕及び分級を行い、トナー粒子を得る。この際、微粉砕時の排気温度を調整することで、トナー粒子の平均円形度を制御することができる。さらに必要に応じて、トナー粒子と外添剤をヘンシェルミキサーのような混合機により混合し、トナーを得ることができる。
混合機としては、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)、メカノミル(岡田精工社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、トナー粒子の表面処理を行い、トナー粒子の平均円形度を制御することもできる。
分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
次に本発明に関わるトナー粒子の粒度分布の測定方法に関して記載する。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れ、この中に分散剤として下記「コンタミノンN」をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
コンタミノンN:非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以上、本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下、実施例に基づいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、本発明は何らこれに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り部及び%は、質量基準である。
<磁性キャリアコア粒子の製造例>
・Fe 62.7部
・MnCO 29.5部
・Mg(OH) 6.8部
・SrCO 1.0部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。
その後、ステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕及び混合した。得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。
このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
該仮焼フェライトをクラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、ジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。さらに、得られたスラリーを、湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
該フェライトスラリーに、仮焼フェライト100部に対して、分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム1.0部、及び、バインダーとしてのポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子の粒度を調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積基準の50%粒径(D50)が37.0μmの磁性キャリアコア粒子を得た。
<磁性キャリア1の製造例>
熱硬化型シリコーン樹脂溶液(メチルシリコーン樹脂)を被覆樹脂量が磁性キャリアコア粒子100部に対して0.2部になるように塗布した。流動床内に回転式底板ディスクと撹拌羽とを設けて旋回流を形成させながら被覆を行う被覆装置を使用して磁性キャリアコア粒子1に塗布した。なお、上述の樹脂溶液は、流動床の装置内での移動方向に対して垂直な方向から噴霧した。
次いで、熱硬化型フッ素樹脂溶液(FEP)と熱硬化型メラミン樹脂溶液を固形分比で20部:1部となるように十分な撹拌を行って混合し、キャリア被覆溶液を作製した。この被覆溶液を流動床内に回転式底板ディスクと撹拌羽を設けて旋回流を形成させながら被覆を行う被覆装置を使用して、磁性キャリアコア粒子100部に対して、フッ素樹脂とメラミン樹脂の合計が2部となるように磁性コア粒子に塗布した。その後、得られたキャリアを流動床中で温度280℃で1時間乾燥して溶剤を除去後、磁性キャリア1を得た。
得られたキャリアに対して、X線光電子分光法による元素分析を行ったところ、N1が0.42、S1が0.71、F1が57.6、N2が0.41、S2が1.6、F2が56.7であった。また磁性キャリアの樹脂被覆層の平均層厚は透過型電子顕微鏡でキャリア断面を観察して測定して得た値から算出した。
<磁性キャリア2~14の製造例>
磁性キャリア1の熱硬化型の樹脂溶液の種類と塗布量を変更した以外は、磁性キャリア1の製造例と同様にして、磁性キャリア2~14を得た。表1に熱硬化型の樹脂の種類と塗布量を示した。表2に、元素分析結果、平均膜厚を示した。
Figure 0007395129000001
表中、量は磁性キャリアコア粒子100部に対する部数である。また、樹脂は以下のものを用いた。
メチルシリコーン:KR-242A(信越化学社製)
APTES:3-アミノプロピルトリエトキシシラン
メチルフェニルシリコーン:KR-300(信越化学社製)
FEP:テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共同合体(固形分)を20質量%含有した溶液
メラミン樹脂:メラミン/ホルムアルデヒド/メタノール/水=5/4/1/5質量部含むpH8.5に調整した溶液
PVDF:ポリフッ化ビニリデン(固形分)を20質量%含有した溶液
Figure 0007395129000002
<第1外添剤である正帯電性シリカ微粒子1の製造例>
第1外添剤である正帯電性シリカ微粒子1は、一次粒子の個数平均粒子径30nmのシリカ微粒子100質量部を、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン5質量%で表面処理した。
<第2外添剤である負帯電性シリカ微粒子1の製造例>
第2外添剤である負帯電性シリカ微粒子1は、一次粒子の個数平均粒子径20nmのシリカ微粒子100質量部を、ヘキサメチルジシラザン4質量%で表面処理した。
<結着樹脂1の製造例>
・ビスフェノールAエチレンオキサイド(2.2モル付加物): 50.0モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド(2.2モル付加物): 50.0モル部
・テレフタル酸: 90.0モル部
・無水トリメリット酸: 10.0モル部
上記ポリエステルユニットを構成するモノマー100質量部をチタンテトラブトキシド500ppmと共に5リットルオートクレーブに混合した。
そこに、還流冷却器、水分分離装置、Nガス導入管、温度計及び攪拌装置を付し、オートクレーブ内にNガスを導入しながら230℃で縮重合反応を行った。所望の軟化点になるように反応時間を調整し、反応終了後、容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂1を得た。結着樹脂1の軟化点Tmは130℃、ガラス転移温度Tgは57℃であった。
<結晶性ポリエステル1の製造例>
・1,10-デカンジカルボン酸 50モル部
・エチレングリコール 50モル部
上記モノマー及びモノマー総量に対して、0.2%のジブチル錫オキシドを、窒素導入管、脱水管、攪拌装置及び熱電対を装備した10Lの四つ口フラスコに入れ、180℃で4時間反応させた。その後、10℃/1時間で210℃まで昇温し、210℃で8時間保持した後、8.3kPaにて1時間反応させることにより、結晶性ポリエステル1を得た。
<トナー粒子1の製造例>
・結着樹脂1 100部
・結晶性ポリエステル1 5部
・ベヘン酸ベヘニル(融点72℃) 5部
・C.I.ピグメントブルー 15:3 4部
上記材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、二軸混練押し出し機によって、160℃で溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミルで微粉砕した。
得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)6.0μmの粒子を得た。その後、得られた粉体100部に対して、第1外添剤である正帯電性シリカ微粒子1を1.61部と第2外添剤である負帯電性シリカ微粒子1を0.42部、外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー粒子1を得た。
<トナー粒子2~11の製造例>
正帯電性シリカ微粒子と負帯電性シリカ微粒子の外添量を変更した以外は、トナー粒子1の製造例と同様にして、トナー粒子2~11を得た。表3に、正帯電性シリカ微粒子の外添量、負帯電性シリカ微粒子の外添量、正帯電性シリカ微粒子に対する負帯電性シリカ微粒子の割合を示した。トナー粒子11は負帯電性シリカ微粒子を外添しなかった。
Figure 0007395129000003
<実施例1>
(二成分現像剤1の製造例)
実施例1で用いた二成分現像剤1を以下のような方法で製造した。
トナー粒子1と磁性キャリア1を、磁性キャリア90部に対して、トナー粒子が10部になるように、V型混合機(V-10型:(株)徳寿製作所)を用いて、0.5s-1、回転時間5minの条件で混合して二成分現像剤1を調製した。得られた二成分現像剤1を用いて以下の評価を行った。評価結果を表5に示す。
<実施例2~15、比較例1~8>
トナー粒子と磁性キャリアとを変更した以外は二成分現像剤1の製造例と同様にして、実施例2~15、比較例1~8に用いた二成分現像剤を得た。表4に、各実施例と比較例とで用いたトナー粒子と磁性キャリアを示した。
実施例2~15、比較例1~8の二成分現像剤についても二成分現像剤1と同様に評価を行った。評価結果を表5に示す。
Figure 0007395129000004
<評価>
<帯電維持性>
各現像剤30gを量り採り、常温低湿(温度23℃/相対湿度5%)の環境下で24時間静置し、その後それぞれを50ccのポリ容器に入れ、1分間かけて200回振とうさせる。その後、吸引式の帯電量測定装置で測定した。得られた帯電量を帯電量L(μC/g)とした。
また、現像剤30gを量り採り、高温高湿(30℃/80%)の環境下で24時間静置し、その後それぞれを50ccのポリ容器に入れ、1分間かけて200回振とうさせ、帯電量Lと同様の方法で測定した帯電量を帯電量H(μC/g)とした。
得られた帯電量L(μC/g)と帯電量H(μC/g)とから下記式を用いて高湿環境下における帯電維持率(%)を計算し、以下の基準で帯電維持性の評価を行った。また、ランクC以上で、本発明の効果があったと判断した。
帯電維持率(%)=100×帯電量H(μC/g)/帯電量L(μC/g)
A:帯電維持率(%)が90%以上
B:帯電維持率(%)が85%以上90%未満
C:帯電維持率(%)が80%以上85%未満
D:帯電維持率(%)が75%以上80%未満
E:帯電維持率(%)が70%以上75%未満
F:帯電維持率(%)が60%以上70%未満
G:帯電維持率(%)が60%未満
<ガサツキ性>
樹脂被覆層の剥がれを以下のようにガサツキ性で評価した。
画像形成装置として、imagePRESS C800(キヤノン(株)製)改造機を用い、シアン色の位置の現像器に二成分系現像剤1を入れた。改造点としては、定着温度、プロセススピード、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、レーザーパワー、及び、帯電器の総放電電流量を自由に設定できるように変更した。画像出力評価は、所望の画像比率のFFh画像(ベタ画像)を出力し、FFh画像のトナーの載り量が所望になるようにVDC、VD、及びレーザーパワーを調整して、後述の評価を行った。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
この改造機のシアン位置の現像器に二成分現像剤1を入れ、温度30℃、相対湿度80%の高温高湿環境下にて、プロセススピードを357mm/s、帯電器の総放電電流量を100μAに設定した。下記のA4用紙に1ドット2スペース横罫線の画像で紙上のトナーの載り量が0.35mg/cm(FFh画像)となるように現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーを調整した。
A4用紙:CS-680(68.0g/m)(キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
その後、評価機の安定化及び耐久評価として、画像比率0.1%の帯チャートを用いて、A4用紙に20000枚出力を行った後に、ハーフトーン画像(30h)をA4で1枚印刷した。画像はデジタルマイクロスコープVHX-500(レンズワイドレンジズームレンズVH-Z100 (株)キーエンス製)を用い、ドット1000個の面積を測定した。
ドット面積の個数平均(S)とドット面積の標準偏差(σ)とを算出し、ドット再現性指数を下記式により算出した。そして、ハーフトーン画像のガサツキをドット再現性指数(I)とし、初期との差を比較した。
ドット再現性指数(I)=σ/S×100
ガサツキの評価基準としては、シアン単色で、以下の基準により評価した。また、ランクC以上で、本発明の効果があったと判断した。
A:初期との差が2.0未満
B:初期との差が2.0以上4.0未満
C:初期との差が4.0以上6.0未満
D:初期との差が6.0以上8.0未満
E:初期との差が8.0以上10.0未満
F:初期との差が10.0以上
<補給カブリ>
低温低湿(温度15℃、相対湿度10%)環境下において、上記改造機により画像比率0.1%の帯チャートを用いて、A4用紙に20000枚出力を行った後に、A3紙全面に00hのベタ画像(ベタ白画像)を印字し、以下の基準で判断した。印字しない紙の6点の平均反射率Dr(%)と、印字した紙の6点の平均反射率Ds(%)とを、リフレクトメータ((有)東京電色製の「REFLECTOMETER MODEL TC-6DS」)によって測定し、下記式を用いてカブリ率(%)を算出した。
カブリ率(%)=Dr(%)-Ds(%)
以下の基準で評価した。また、ランクD以上で、本発明の効果があったと判断した。
A:カブリ率が0.5%未満
B:カブリ率が0.5以上1.0%未満
C:カブリ率が1.0以上1.5%未満
D:カブリ率が1.5以上2.0%未満
E:カブリ率が2.0以上3.0%未満
F:カブリ率が3.0以上
<耐久時の帯電量>
キャリア汚染について、以下の耐久時の帯電量変化で評価した。
温度30℃、相対湿度80%の高温高湿環境下にて、プロセススピードを357mm/s、帯電器の総放電電流量を100μAに設定した。下記のA4用紙に1ドット2スペース横罫線の画像で紙上のトナーの載り量が0.35mg/cm(FFh画像)となるように現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧VD、及びレーザーパワーを調整した。
A4用紙:CS-680(68.0g/m)(キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
上記改造機により画像比率40%の帯チャートを用いて、A4用紙に20000枚出力を行った。出力前には、トナーの載り量が0.35g/cmとなる画像を出力し、感光体上にトナーが載った時点で装置を停止した。そして、装置から感光体を取り出し、感光体上のトナーの単位質量あたりの帯電量Q/M(μC/g)を測定して初期値とした。
そして20000枚出力後に、同様にして、感光体上のトナーの単位質量あたりの帯電量Q/Mを測定した。そして、初期値のQ/Mを100%としたときの、20000枚出力後の感光体上のトナーのQ/Mの維持率を算出し、以下の基準で判断した。また、ランクC以上で、本発明の効果があったと判断した。
A:維持率が90%以上である。
B:維持率が85%以上、90%未満である。
C:維持率が80%以上、85%未満である。
D:維持率が75%以上、80%未満である。
E:維持率が70%以上、75%未満である。
F:維持率が60%以上、70%未満である。
G:維持率が60%未満である。
また、各ランクに対し点数を対応させ、例えば、Aランクを10点、Bランクを9点、Cランクを8点のようにし、Jランクの場合を1点として、各評価のランクを換算した点数の合計点(総合評価)を表5に示した。
Figure 0007395129000005

Claims (8)

  1. トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤あって、
    該トナーは、トナー母粒子と、該トナー母粒子の表面に存在する第1外添剤および第2外添剤を有し、
    該第1外添剤は、正帯電性シリカ微粒子であり、
    該第2外添剤は、負帯電性シリカ微粒子であり、
    該磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子及び該磁性キャリアコア粒子の表面に存在する樹脂被覆層を有し、
    該樹脂被覆層は、窒素元素、ケイ素元素、フッ素元素を含有しており、
    X線光電子分光法による元素分析において、
    (i)該磁性キャリアの表面分析で検出される窒素原子、ケイ素原子、フッ素原子、炭素原子及び酸素原子の総和を基準として、該磁性キャリアの表面における窒素原子の比率をN1(原子%)、ケイ素原子の比率をS1(原子%)、フッ素原子の比率をF1(原子%)とし、
    (ii)該磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置で検出される窒素原子、ケイ素原子、フッ素原子、炭素原子及び酸素原子の総和を基準として、該磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置における窒素原子の比率をN2(原子%)、ケイ素原子の比率をS2(原子%)、フッ素原子の比率をF2(原子%)としたとき、
    該N1、S1、F1、N2、S2およびF2が、
    0.1≦N1≦1.5
    0.3≦S1≦5.0
    45.0≦F1≦65.0
    S1<S2
    S1/N1<S2/N2
    F1>F2
    を満たすことを特徴とする二成分現像剤。
  2. 前記磁性キャリアコア粒子上に形成された樹脂被覆層の平均層厚が、50nm以上3000nm以下である請求項1に記載の二成分現像剤。
  3. 前記S1と前記S2との関係が、
    S2/S1≧2
    である請求項1又は2に記載の二成分現像剤。
  4. 前記N1と前記N2との関係が、
    0.7≦N1/N2≦1.3
    である請求項1~3のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  5. 前記樹脂被覆層は、フッ素系樹脂を含有する請求項1~4のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  6. 前記樹脂被覆層は、シリコーン系樹脂を含有する請求項1~5のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  7. 前記樹脂被覆層は、窒素系樹脂を含有する請求項1~6のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  8. 前記第1外添剤の含有量は、100質量部の該トナー母粒子に対して、1.20質量部以上2.00質量部以下であり、
    前記第2外添剤の含有量は、100質量部の前記トナー母粒子に対して、0.200質量部以上0.600質量部以下であり、
    前記第1外添剤の含有量に対する前記第2外添剤の含有量の割合は、0.100以上0.400以下である請求項1~7のいずれか一項に記載の二成分現像剤。

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