JP7379172B2 - 二成分現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、及び静電記録法などに用いられる静電荷像を現像するための正帯電トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤に関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及し、印刷市場への適用も始まっている。印刷市場では、幅広いメディア(紙種)に対応しながら、高速、高画質、高生産性が要求されるようになってきている。
高画質化の為には、トナーの帯電特性を安定化する必要がある。トナーの帯電特性を安定化する為に、外添剤の検討が種々行われている。例えば、特許文献1乃至4では、カチオン系界面活性剤や4級アンモニウム塩を含有する外添剤を外添することで長期安定性を向上させたトナーが開示されている。
しかしながらカチオン系界面活性剤や4級アンモニウム塩を含有する外添剤は、強い正帯電性を有するため、キャリアに移行することでキャリアの帯電能にばらつきが生じ、カブリやトナー飛散を発生させやすくなる場合があった。
一方で、トナー由来成分のキャリアへの移行により、帯電能が低下することは広く知られており、キャリアの低表面自由エネルギー化のため、フッ素樹脂コートを行うことも広く知られている。またフッ素樹脂は正帯電トナーへの帯電性が高く、高帯電付与樹脂としても非常に有用である。ただしフッ素樹脂コートは脆い性質があり、長期安定性の悪化や、キャリア付着の増加といった問題が発生する場合がある。それを改善する例として、特許文献5では被覆樹脂中にフッ素、ケイ素、窒素を含有させた樹脂被覆層形成がなされたキャリアが開示されている。
特開2017-83601号公報 特開2018-185465号公報 特開2017-15977号公報 特開2018-54893号公報 特開2003-280286号公報
しかしながら、非常に長期にわたる安定性を確保するまでには至っておらず、更なる改善が必要であった。また上記キャリアをもってしてもカチオン系界面活性剤や4級アンモニウム塩を含有する外添剤のキャリアへの移行を完全に抑えることはできず、更なる向上が必要であった。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、長期使用後の過酷な環境変動においてもカブリ、トナー飛散を抑制するとともに、細線再現性が非常に優れた画像を出力することができる二成分現像剤を提供することである。
本発明は、トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤であって、
前記トナーは、トナー粒子と、前記トナー粒子の表面に存在する外添剤とを有し、
前記外添剤は、外添剤粒子表面に4級アンモニウム塩を有する微粒子を含み、
前記磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子及び前記磁性キャリアコア粒子の表面に存在する樹脂被覆層を有し、
前記樹脂被覆層は、窒素元素、ケイ素元素及びフッ素元素を含有しており、
X線光電子分光法による前記磁性キャリアの表面分析において、
(i)前記磁性キャリアの表面分析で検出される窒素原子、ケイ素原子、フッ素原子、炭素原子及び酸素原子の総和を基準として、
前記磁性キャリアの表面における窒素原子の比率をN1(原子%)とし、ケイ素原子の比率をS1(原子%)とし、フッ素原子の比率をF1(原子%)とし、
(ii)前記磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置で検出される窒素原子、ケイ素原子、フッ素原子、炭素原子及び酸素原子の総和を基準として、
前記磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置における窒素原子の比率をN2(原子%)とし、ケイ素原子の比率をS2(原子%)とし、フッ素原子の比率をF2(原子%)としたとき、
前記N1、S1、F1、N2、S2及びF2が、下記式を満たすことを特徴とする二成分現像剤に関する。
0.10≦N1≦1.50
0.30≦S1≦5.00
45.00≦F1≦65.00
S1<S2
S1/N1<S2/N2
F1>F2
本発明によれば、長期使用後の過酷な環境変動においてもカブリ、トナー飛散を抑制するとともに、細線再現性が非常に優れた画像を出力することができる正帯電トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤を提供することができる。
細線再現性評価用の画像チャートの概略図である。
本発明において、数値範囲を示す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
一般に二成分現像剤は、トナーと磁性キャリアが現像装置内で撹拌されながら使用されるため、撹拌によりトナー中の外添剤がトナー粒子から脱離すると、脱離した外添剤がキャリア粒子に付着することがある。現像装置内において、トナー粒子の外添剤がキャリア粒子に付着すると、キャリアの帯電付与性が不十分になる。その結果静電的に磁性キャリア表面にトナーが保持されず、現像工程時にカブリやトナー飛散、および画質低下が発生することがある。
そこで本発明者らは、正帯電トナー用外添剤として粒子表面に4級アンモニウム塩を有する外添剤を外添したトナーの検討を行った。これにより高い帯電付与性を有するとともに、外添剤のキャリアへの移行を低減し、帯電能の変動を低減することができた。これは他の処理剤に比べ、4級アンモニウム塩で処理された外添剤はトナーとの付着力が高く、トナー粒子の外添剤がトナー粒子から脱離しにくくなるためではないかと推察している。しかしながら、長期にわたる使用後にも高レベルでカブリや飛散を抑制されている状態までには至らなかった。また低湿環境から高湿環境へと環境の変動が生じるような事例においてもカブリやトナー飛散を抑制し、高画質を維持させるほど、外添剤の移行を低減させるまでには至らなかった。
一方、二成分現像剤において、トナーを正帯電させるためには、負帯電性を有する被覆樹脂層を有する磁性キャリアが必要であり、その一つとしてフッ素樹脂がある。上記にもある通り、フッ素樹脂をキャリアに被覆すると低表面自由エネルギー化も可能となり、トナー由来成分のキャリアへの移行の抑制効果も期待されている。本発明者らも、本発明の二成分現像剤用の磁性キャリアとしてフッ素樹脂コートを用いていたが、外添剤の移行を完全に抑制することはできず、上記課題を解決するまでには至らなかった。
これについて本発明者らは、鋭意検討の結果、確かに帯電能低減は抑えられているが、磁性キャリア粒子の帯電能のバラツキが大きくなることが原因であることを究明した。本発明の二成分現像剤の構成で、外添剤の磁性キャリアへの移行は低減できているが、4級アンモニウム塩の帯電能が高いため、少量のキャリアへの移行でも磁性キャリア粒子間で移行量のバラツキが大きくなり、帯電能のバラツキも大きくなったためと考えられる。そこで本発明者らは、磁性キャリア粒子間で移行量のバラツキを低減させる磁性キャリア構成を見出し、本発明の正帯電トナーと組み合わせた二成分現像剤として本発明に至った。
上記磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子及び磁性キャリアコア粒子の表面に形成された樹脂被覆層を有し、
前記樹脂被覆層は、窒素元素、ケイ素元素及びフッ素元素を含有しており、
X線光電子分光法による前記磁性キャリアの表面分析において、
(i)前記磁性キャリアの表面分析で検出される窒素原子、ケイ素原子、フッ素原子、炭素原子及び酸素原子の総和を基準として、
前記磁性キャリアの表面における窒素原子の比率をN1(原子%)とし、ケイ素原子の比率をS1(原子%)とし、フッ素原子の比率をF1(原子%)とし、
(ii)前記磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置で検出される窒素原子、ケイ素原子、フッ素原子、炭素原子及び酸素原子の総和を基準として、
前記磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置における窒素原子の比率をN2(原子%)とし、ケイ素原子の比率をS2(原子%)とし、フッ素原子の比率をF2(原子%)としたとき、
前記N1、S1、F1、N2、S2及びF2が、下記式を満たす。
0.10≦N1≦1.50
0.30≦S1≦5.00
45.00≦F1≦65.00
S1<S2
S1/N1<S2/N2
F1>F2
具体的に樹脂被覆層は磁性キャリアの最表層は、特定の原子比率で窒素原子、ケイ素原子、フッ素原子が存在しており、特にフッ素元素が最も多い構成となっている。さらに表面から磁性キャリアの内部方向に向かってケイ素元素の比率が増加し、フッ素元素の比率が減少している。また、窒素元素は深さ方向に関係無く、特定の範囲内で存在している。
本構成にすることで、長期使用時や過酷な使用環境においてもカブリやトナー飛散を抑制することが可能となる。これについて詳細は定かではないが、本発明者らは以下のように考える。
通常の被覆層最表面と被覆層内部で樹脂成分の比率が変わらない磁性キャリアの場合、長期使用によりコートの摩耗が発生しても、最表層の樹脂成分比率は変わらないため、移行量のバラツキは長期使用において拡大する。しかし本発明の現像剤に使用する磁性キャリアでは、最表層から深さ40nm位置に向けてケイ素原子の比率が増加し、フッ素原子の比率は減少することで、初期に比べ長期使用後のキャリア最表層は、摩耗によりケイ素元素成分が多くなる。ただし粒子毎の摩耗状態はランダムであることから、4級アンモニウム塩で処理された外添剤のキャリアへの移行に選択性が発生したのではないかと考える。つまりあまり摩耗していないキャリア粒子へ、選択的に4級アンモニウム塩で処理された外添剤が移行することで、キャリア粒子間の帯電量のバラツキが相殺されたものと推察している。
また特定の窒素原子を含有する化合物が被覆層内に存在することで、キャリア最表層面と4級アンモニウム塩で処理された外添剤との親和性が高まる。その結果キャリア間での4級アンモニウム塩で処理された外添剤の移行を促進し、キャリア粒子間の帯電量のバラツキの相殺を高めているのではないかと考える。
本発明の磁性キャリアの表面におけるX線光電子分光分析で検出されるN1(原子%)は、0.10%以上1.50%以下であり、好ましくは0.15%以上1.45%以下である。また、S1(原子%)は0.30%以上5.00%以下であり、好ましくは0.35%以上4.50%以下である。さらにF1(原子%)は45.00%以上65.00%以下であり、好ましくは46.00%以上62.00%以下である。上記範囲にあることで正帯電性トナー対して高い帯電を付与し、カブリ、トナー飛散を抑制するとともに、細線再現性が非常に優れた画像を出力することができるが、特にトナー飛散抑制に高い効果が得られる。
また磁性キャリアの表面から深さ40nm位置におけるX線光電子分光分析で検出されるS2(原子%)、F2(原子%)と、S1(原子%)、F1(原子%)との関係は、S1<S2、F1>F2である。これにより、長期使用後の過酷な環境変動においてもカブリ、トナー飛散を抑制するとともに、細線再現性が非常に優れた画像を出力することができるが、特にカブリ抑制に高い効果が得られる。また、S2(原子%)、N2(原子%)と、S1(原子%)、N1(原子%)との関係は、S1/N1<S2/N2である。長期使用後の過酷な環境変動においてもカブリ、トナー飛散を抑制するとともに、細線再現性が非常に優れた画像を出力することができるが、特に高い細線再現性を維持する効果が得られる。
また、S1(原子%)とS2(原子%)との関係が、S2/S1>2.00であることで本発明の効果が十分に得られやすくなる。
また、N1(原子%)とN2(原子%)との関係が、0.70≦N1/N2≦1.30であることでも本発明の効果が十分に得られやすくなる。
本発明の二成分現像剤に使用する磁性キャリアについて説明する。
磁性キャリアコアとしては、通常のフェライト、マグネタイト等の磁性キャリアコアを使用することができる。また、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型の磁性キャリアコアも用いることができる。
本発明の磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子と磁性キャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂被覆層を有する。樹脂被覆層に用いられる樹脂としては、フッ素元素を含有する樹脂、ケイ素元素を含有する樹脂、窒素元素を含有する化合物である。
本発明の磁性キャリアにおける樹脂被覆層のフッ素元素を含有する樹脂(フッ素系樹脂)としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリトリフルオロエチレン(より具体的には、ポリクロロトリフルオロエチレン等)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、及びテトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリビニリデンジフルオライド(PVDF)からなる群より選択される1種以上のフッ素系樹脂が好ましく、FEP又はPFAが特に好ましい。
フッ素元素を含有する樹脂の添加量としては、F1(原子%)が45.00%以上65.00%以下になるように調整して添加する。磁性キャリアコア100質量部に対して0.40質量部以上5.20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.55質量部以上4.90質量部以下である。
本発明の磁性キャリアにおける樹脂被覆層のケイ素元素を含有する樹脂としては、シリコーン系樹脂などが挙げられるが、メチルシリコーン樹脂又はメチルフェニルシリコーン樹脂が好ましい。中でも特に好ましいのはメチルシリコーン樹脂である。シリコーン樹脂は、主鎖としてシロキサン結合「Si-O-Si」を有し、側鎖として有機基を有する。メチルシリコーン樹脂は、側鎖の有機基としてメチル基のみを有する。メチルフェニルシリコーン樹脂は、側鎖の有機基としてメチル基及びフェニル基を有する。シリコーン樹脂が優れた耐久性を有するためには、シリコーン樹脂の主鎖(シロキサン結合:Si-O-Si)同士が3次元的につながっていることが好ましい。
ケイ素元素を含有する樹脂の添加量としては、S1(原子%)が0.30%以上5.00%以下になるように調整して添加する。磁性キャリアコア100質量部に対して0.15質量部以上1.60質量部以下であることが好ましい。
本発明の磁性キャリアにおける樹脂被覆層の窒素元素を含有する化合物としては、含窒素系樹脂や含窒素系化合物が挙げられる。含窒素系樹脂としては、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、スルホンアミド系樹脂、グリオキザール系樹脂、グアナミン系樹脂、又はアニリン系樹脂が挙げられる。また、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、含フッ素系ポリアミドイミド樹脂等も好ましく使用できる。また含窒素系化合物としては、アミノシランカップリング剤等も好ましく使用できる。
アミノシランカップリング剤としては、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、(フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、N-エチルアミノイソブチルメチルジエトキシシラン、N-メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
窒素元素を含有する化合物の添加量としては、N1(原子%)が0.10%以上1.50%以下になるように調整して添加する。磁性キャリアコア100質量部に対して0.03質量部以上0.14質量部以下であることが好ましい。
本発明のように、磁性キャリア最表層から深さ40nm位置に向けてケイ素原子の比率が増加し、フッ素原子の比率は減少するような具体的な方法としては、例えば以下のような方法が挙げられる。
まず第一被覆層としてシリコーン樹脂等のケイ素元素を含有する樹脂を熱硬化させない状態で被覆する。その際に含窒素系樹脂や含窒素化合物などの窒素元素を含有する化合物を、ケイ素元素を含有する樹脂に添加しても良い。また第二被覆層で使用するフッ素元素を有する樹脂を少量添加してもよい。次に第二被覆層としてフッ素元素を有する樹脂を被覆後、加熱してケイ素元素を含有する樹脂の硬化、フッ素元素を有する樹脂の固着を行う。その際に含窒素系樹脂や含窒素化合物などの窒素元素を含有する化合物を、フッ素元素を含有する樹脂に添加しても良い。
磁性キャリア表面の元素比率や最表層から深さ40nm位置での元素比率は、使用する樹脂の種類や添加量により調整可能である。
樹脂コートキャリアは、上記のフッ素元素を含有する樹脂、ケイ素元素を含有する樹脂、窒素元素を含有する化合物以外に、以下に示すものを併用して使用することも可能である。スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン-アクリル系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂;ポリビニルブチラール;アミノアクリレート樹脂が挙げられる。その他には、アイオモノマー樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂が挙げられる。
<磁性キャリアのX線光電子分光法による元素分析方法>
磁性キャリアの元素分析は、X線光電子分光分析(XPS)を用いて、以下のように測定する。測定サンプルとしては、XPS専用プラテン上に加工された直径2mm・深さ2mmのサンプルセット孔に、磁性キャリアをセットする。そして、下記XPS装置により、X線照射箇所およびGCIB照射によるスパッタリング箇所を、上記サンプルセット孔部に設定する。
使用装置:アルバック・ファイ社製 PHI5000VersaProbeII
照射線:Al-Kα線
ビーム径:100μ
出力:25W15kV
光電子取り込み角度:45°
PassEnergy:58.70eV
Stepsize:0.125eV
XPSピーク:F1s、Si2p、N1s、C1s、O1s
測定範囲:300μm×200μm
以上の条件よりN1、S1、F1(原子%)の測定を行った。
更に、以下のスパッタ条件により、磁性キャリア表面から深さ40nmの位置までスパッタを行い、上記測定条件により測定した値をN2、S2、F2(原子%)とした。
GUNタイプ:GCIB
SputterSetting:20kV
なお、深さ40nmの位置に関しては、事前にスパッタレート(時間に対する深さのレート)を測定し、40nmに相当するスパッタ時間を算出し、該当する時間スパッタすることで、深さ40nmの位置とした。
本発明の磁性キャリアを好ましく製造する方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用しうる。例えば磁性キャリアコア粒子を浮遊流動させながら被覆樹脂溶液をスプレーし、磁性キャリアコア粒子表面に樹脂被覆層を形成させる方法及びスプレードライ法が挙げられる。かかる流動床被覆装置を使用する場合には、特に流動層の形成状態及び被覆樹脂を溶解した樹脂溶液の噴霧形式が重要である。前述した流動層の形成状態としては、磁性キャリアコア粒子の凝集が起こらず、且つ、効率良く被覆層を形成するため流動層内に回転式底板ディスクと撹拌羽根を設け、旋回流を形成させながら被覆を行う方式を挙げることができる。具体的にはかかる手法としては、(1)流動層を円筒の管体内を上昇する気体流によって形成し、(2)更に、被覆樹脂溶液を流動層の移動方向に対して垂直方向から供給し、(3)且つ樹脂溶液の噴霧圧が1.5kg/cm2以上でスプレー塗布されることを特徴とする磁性キャリア製造方法を挙げることができる。
本発明の磁性キャリアコア粒子上に形成された樹脂被覆層の平均層厚は50nm以上3000nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以上2600nm以下である。平均膜厚が上記範囲内にあることで本発明のコート構成の効果を十分に発揮することができ、カブリや飛散の抑制、高い細線再現性を維持し易くなる。
樹脂被覆層の平均層厚は、磁性キャリアコア粒子に対する樹脂成分の添加量を変更することで調整可能である。例えば被覆樹脂成分量を増やすことで樹脂被覆層の平均層厚は厚くなる。
<樹脂被覆層の平均層厚の測定>
樹脂被覆層の平均層厚は、磁性キャリアの断面を透過電子顕微鏡(TEM)(各50,000倍)で観察し、樹脂被覆層の厚みを計測した。
具体的には、アルゴンイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名E-3500)を用い、磁性キャリアをイオンミリングし、透過電子顕微鏡(TEM)(各50,000倍)にて磁性キャリア断面の樹脂被覆層厚みを1粒子につき任意に5点測定した。
磁性キャリア10粒子に対して上記と同様の測定を行い、得られた樹脂被覆層の厚みの測定値50点の平均値を平均層厚とした。イオンミリング測定条件は下記の通りである。
ビーム径 :400μm(半値幅)
イオンガン加速電圧 :5kV
イオンガン放電電圧 :4kV
イオンガン放電電流 :463μA
イオンガン照射電流量:90μA/cm3/1min
本発明の二成分現像剤に使用する正帯電トナーについて説明する。
本発明に係る正帯電性トナーは、トナー粒子(トナー母粒子)と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を複数含み、前記外添剤は表面に4級アンモニウム塩が付着した状態の粉体である。
その中でも特に好ましい4級アンモニウム塩は、下記式(1)で示される化合物である。
Figure 0007379172000001
(式(1)中、R1~R4は、水素原子または炭素数1以上30以下のアルキル基を表し、X-は、アニオンを表す)。
上記4級アンモニウム塩で処理された外添剤を使用することで、トナーとの付着力が増し、キャリアへの移行を低減することができる。その結果、長期にわたり、カブリや飛散の抑制、細線再現性の維持を満たすことができる。
第四級アンモニウム塩としては、例えば、塩化ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム又は塩化デシルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
4級アンモニウム塩が付着した外添剤の基材としては特に限定はされないが、シリカ粒子や酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、チタン酸カルシウム粒子、チタン酸ストロンチウム粒子、および樹脂粒子などが挙げられる。4級アンモニウム塩が付着した外添剤の一次粒子の個数平均粒子径としては、5nm以上500nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは10nm以上400nm以下である。また、第四級アンモニウム塩の処理量は、基材100質量部に対して2質量部以上30質量部以下であることが好ましい。さらに4級アンモニウム塩が付着した外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.01質量部以上8.00質量部以下用いることが好ましく、0.10質量部以上5.00質量部以下用いることがより好ましい。
上記範囲に収めることで本発明の効果を十分に引き出し、本発明のコート構成の効果を十分に発揮することができ、カブリや飛散の抑制、高い細線再現性を維持し易くなる。
<外添剤の一次粒子の個数平均粒子径の測定方法>
外添剤の一次粒子の個数平均粒子径については、走査電子顕微鏡で外添剤粒子を観察しながら、粒子の長軸と短軸の平均値を粒径とした。また粒子30個の粒径を測定してその平均値を一次粒子の個数平均粒子径とした。
次に4級アンモニウム塩が付着した外添剤以外のトナー構成について説明する。
トナー粒子は公知の結着樹脂を用いることができる。例えば、結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。
スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂。好ましく用いられる樹脂として、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリエステル樹脂とスチレン系共重合樹脂が混合又は両者が一部反応したハイブリッド樹脂が挙げられる。さらに好ましくは、結着樹脂として、ポリエステル樹脂を含む態様である。
本発明におけるトナー粒子は、結晶性ポリエステルを含有することが好ましい。結晶性ポリエステルを含有することで、転写時の放電の影響をより効果的に緩和することができ、エンボス転写性が良好となる。上記特性を効果的に得る上で、結晶性ポリエステルの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下含有することが好ましい。
結晶性ポリエステルの原料モノマーに用いられるアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,20-イコサンジオールなどの脂肪族ジオールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂肪族ジオールの含有量は、結晶性ポリエステルの結晶性をより高める観点から、アルコール成分中に80モル%以上100モル%以下含有されることが好ましい。
結晶性ポリエステルを得るためのアルコール成分としては、上記の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分を含有していても良い。例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物を含むビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
一方、結晶性ポリエステルの原料モノマーに用いられるカルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、さらにこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中に80モル%以上100モル%以下含有されることが好ましい。
結晶性ポリエステルを得るためのカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸化合物以外のカルボン酸成分を含有していても良い。例えば、芳香族ジカルボン酸化合物、3価以上の芳香族多価カルボン酸化合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。芳香族ジカルボン酸化合物には、芳香族ジカルボン酸誘導体も含まれる。芳香族ジカルボン酸化合物の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、並びにそれらのアルキル(炭素数1以上3以下)エステルが好ましく挙げられる。前記アルキルエステル中のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1以上3以下)エステル等の誘導体が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の原料モノマーであるアルコール成分とカルボン酸成分とのモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、0.80以上1.20以下であることが好ましい。
トナーに用いる場合の着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色の顔料としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが用いられ、また、マグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
イエロー色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12、13、14、15、17、23、62、65、73、74、81、83、93、94、95、97、98、109、110、111、117、120、127、128、129、137、138、139、147、151、154、155、167、168、173、174、176、180、181、183、191、C.I.バットイエロー1,3,20が挙げられる。染料としては、C.I.ソルベントイエロー19、44、77、79、81、82、93、98、103、104、112、162等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
シアン色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15;1、15;2、15;3、15;4、16、17、60、62、66等、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45が挙げられる。染料としては、C.I.ソルベントブルー25、36、60、70、93、95等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
マゼンタ色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,48;2、48;3、48;4、49,50,51,52,53,54,55,57,57;1、58,60,63,64,68,81,81;1、83,87,88,89,90,112,114,122,123,144、146,150,163,166、169、177、184,185,202,206,207,209,220、221、238、254等、C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35が挙げられる。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,52、58、63、81,82,83,84,100,109,111、121、122等、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27等、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40等、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、1質量部以上20質量部以下が好ましい。
トナーに離型性を与えるために、離型剤(ワックス)を用いてもよい。本発明に用いられるワックスの一例としては、次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化型ワックス;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系共重合モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
特に好ましく用いられるワックスは、脂肪族炭化水素系ワックスである。例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒で重合した低分子量の炭化水素;石炭又は天然ガスから合成されるフィッシャートロプシュワックス;高分子量のオレフィンポリマーを熱分解して得られるオレフィンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素ワックス、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックスがよい。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものが、より好ましく用いられる。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。
これらワックスは、一種類を単独で使用してもよいし二種類以上を併用して使用してもよい。ワックスは、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下添加することが好ましい。
トナーは、荷電制御剤として、既知の荷電制御剤を用いることができる。既知の荷電制御剤としては、アゾ系鉄化合物、アゾ系クロム化合物、アゾ系マンガン化合物、アゾ系コバルト化合物、アゾ系ジルコニウム化合物、カルボン酸誘導体のクロム化合物、カルボン酸誘導体の亜鉛化合物、カルボン酸誘導体のアルミ化合物、カルボン酸誘導体のジルコニウム化合物が挙げられる。前記カルボン酸誘導体は、芳香族ヒドロキシカルボン酸が好ましい。また、荷電制御樹脂も用いることもできる。必要に応じて一種類又は二種類以上の荷電制御剤を併用してもかまわない。荷電制御剤は結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下添加することが好ましい。
本発明のトナーにおいては、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のために、上記の4級アンモニウム塩が付着した外添剤以外に、シリカ微粉体をトナー粒子に外添することが好ましい。シリカ微粉体は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m2/g以上500m2/g以下であることが好ましく、50m2/g以上400m2/g以下であることがさらに好ましい。また、トナー粒子100質量部に対して、シリカ微粉体を0.01質量部以上8.00質量部以下用いることが好ましく、0.10質量部以上5.00質量部以下用いることがより好ましい。
シリカ微粉体のBET比表面積は、例えば比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)、GEMINI2360/2375(マイクロメティリック社製)、トライスター3000(マイクロメティリック社製)を用いてシリカ微粉体の表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
シリカ微粉体は、必要に応じ、疎水化、摩擦帯電性コントロールの目的で未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物又は、その他の有機ケイ素化合物のような処理剤で、あるいは種々の処理剤を併用して処理されていることも好ましい。
さらに本発明のトナーには、必要に応じて他の外添剤を添加してもよい。このような外添剤としては、例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラ定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粉体が挙げられる。帯電補助剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナなどの金属酸化物が挙げられる。滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられる。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられる。
本発明におけるトナー粒子を製造する方法としては、特に限定されず、公知の方法によって製造することができる。例えば、粉砕法、乳化凝集法、懸濁重合法、溶解懸濁法などが挙げられる。
粉砕法により製造されるトナー粒子は、例えば下記のようにして製造される。結着樹脂、着色剤及び必要に応じてその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミルのような混合機により充分混合する。混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練する。その際、ワックス、磁性酸化鉄粒子及び含金属化合物を添加することもできる。溶融混練物を冷却固化した後、粉砕及び分級を行い、トナー粒子を得る。この際、微粉砕時の排気温度を調整することで、トナー粒子の平均円形度を制御することができる。さらに必要に応じて、トナー粒子と外添剤をヘンシェルミキサーのような混合機により混合し、トナーを得ることができる。
混合機としては、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)、メカノミル(岡田精工社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、トナー粒子の表面処理を行い、トナー粒子の平均円形度を制御することもできる。
分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラッシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
次に本発明に関わるトナー粒子の粒度分布の測定方法に関して記載する。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以上、本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下、実施例に基づいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、本発明は何らこれに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り部は、質量基準である。
<磁性キャリアコア粒子の製造例>
・Fe23 62.7部
・MnCO3 29.5部
・Mg(OH)2 6.8部
・SrCO3 1.0部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。
その後、ステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕及び混合した。得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。
このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
前記仮焼フェライトをクラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、ジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。さらに、得られたスラリーを、湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
前記フェライトスラリーに、仮焼フェライト100部に対して、分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム1.0部、及び、バインダーとしてのポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子の粒度を調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積基準の50%粒径(D50)が37.0μmの磁性キャリアコア粒子を得た。
<磁性キャリア1の製造例>
第1被覆工程として表1に示す熱硬化型シリコーン樹脂溶液(メチルシリコーン樹脂)を、被覆樹脂量が磁性コア粒子100部に対して0.20部になるよう流動床内に回転式底板ディスクと撹拌羽を設けて旋回流を形成させながら被覆を行う被覆装置を使用して磁性キャリアコア粒子1に塗布した。尚、上述の樹脂溶液は、流動床の装置内での移動方向に対して垂直な方向から噴霧した。
次いで、第2被覆工程として表1に示すフッ素樹脂溶液(テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共同合体(FEP))(固形分として磁性キャリアコア粒子100部に対して1.91部)と熱硬化型メラミン樹脂溶液(固形分として磁性コア粒子100部に対して0.09部)を十分な撹拌を行って混合し、キャリア被覆溶液を作製した。この被覆溶液を流動床内に回転式底板ディスクと撹拌羽を設けて旋回流を形成させながら被覆を行う被覆装置を使用して磁性コア粒子に塗布した。その後、得られたキャリアを流動床中で温度280℃で1時間乾燥して溶剤を除去後、磁性キャリア1を得た。
得られたキャリアに対して、X線光電子分光法による元素分析を行ったところ、N1が0.42、S1が0.71、F1が57.64、N2が0.41、S2が1.60、F2が56.70であった。またキャリアの樹脂被覆層の平均層厚は705nmであった。分析結果を表2に示す。
<磁性キャリア2~17の製造例>
第1被覆工程として表1に示す樹脂または化合物を、磁性キャリアコア粒子100部に対して固形分が表1に示す部数となるよう混合し、それ以外は磁性キャリア1と同様に流動床による被覆装置を用いて被覆した。次に第2被覆工程として表1に示す樹脂または化合物を、磁性キャリアコア粒子100部に対して固形分が表1に示す部数となるよう混合し、それ以外は磁性キャリア1と同様に塗布した。その後実施例1と同様に流動床中で加熱、乾燥させ、磁性キャリア2~17を得た。分析結果を表2に示す。
Figure 0007379172000002
表中、量は磁性キャリアコア粒子100部に対する部数である。また、樹脂は以下のものを用いた。
メチルシリコーン:KR-242A(信越化学社製)
メチルフェニルシリコーン:KR-300(信越化学社製)
FEP:テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共同合体(固形分)を20質量%含有した溶液
メラミン樹脂:メラミン、ホルムアルデヒド、メタノール及び水を、(メラミン/ホルムアルデヒド/メタノール/水=5/4/1/5)の質量比率で混合し、pH8.5に調整した溶液
PVDF:ポリフッ化ビニリデン(固形分)を20質量%含有した溶液
Figure 0007379172000003
<結着樹脂1の製造例>
・ビスフェノールAエチレンオキサイド(2.2モル付加物): 50.0モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド(2.2モル付加物): 50.0モル部
・テレフタル酸: 90.0モル部
・無水トリメリット酸: 10.0モル部
上記ポリエステルユニットを構成するモノマー100部をチタンテトラブトキシド500ppmと共に5リットルオートクレーブに混合した。
そこに、還流冷却器、水分分離装置、N2ガス導入管、温度計及び撹拌装置を付し、オートクレーブ内にN2ガスを導入しながら230℃で縮重合反応を行った。所望の軟化点になるように反応時間を調整し、反応終了後、容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂1を得た。結着樹脂1のTmは130℃、Tgは57℃であった。
<結晶性ポリエステル1の製造例>
・1,10-デカンジカルボン酸 50モル部
・エチレングリコール 50モル部
上記モノマー及びモノマー総量に対して、0.2%のジブチル錫オキシドを、窒素導入管、脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した10Lの四つ口フラスコに入れ、180℃で4時間反応させた。その後、10℃/1時間で210℃まで昇温、210℃で8時間保持した後、8.3kPaにて1時間反応させることにより、結晶性ポリエステル1を得た。
<樹脂微粒子分散液1の製造例>
撹拌装置のついたビーカーに、ドデシル硫酸ナトリウム2部と、イオン交換水1600部を投入し、25℃にて完全に溶解するまで撹拌を続け、水系媒体1を調製した。ついで、密閉容器に、以下の原料とトルエン160部を仕込み、70℃に加熱して完全に溶解し、モノマー溶液1を調製した。
・アミノエチルメタクリレート 10部
・シクロヘキシルメタクリレート 10部
・スチレン 60部
・メチルメタクリレート 20部
上記のモノマー溶液1を25℃まで降温した後、重合開始剤としてターシャリーブチルパーオキシピバレートを6部混合し、上記の水系媒体1に投入し、高出力超音波ホモジナイザー(VCX-750)で超音波を照射することで、上記のモノマー溶液1の乳化液を調製した。
加熱乾燥した四口フラスコに、上記乳化液を仕込んだ。乳化液を200rpmで撹拌しながら30分間窒素をバブリングした後、75℃にて6時間撹拌を行った。その後、乳化液を撹拌させた状態で空冷し、反応を停止させ、粗粒子状の樹脂の分散体を得た。
前記分散体中の微粒子状の樹脂とトルエンを16500rpmで2.5時間遠心分離機により分離した。
その後、上澄みを除去することで、濃縮された樹脂微粒子の分散体を得た。
その後、撹拌装置のついたビーカーに、濃縮された樹脂微粒子の分散体を、高出力超音波ホモジナイザー(VCX-750)を用いて、アセトンに分散させることで、固形分濃度10.0質量%の樹脂微粒子分散液1を調製した。樹脂微粒子分散液1中の樹脂微粒子の体積平均粒径は0.20μmであった。
<トナー粒子1>
・結着樹脂1 100部
・結晶性ポリエステル1 5部
・C.I.ピグメントブルー 15:3 4部
上記材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、二軸混練押し出し機によって、160℃で溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミルで微粉砕した。
得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)6.0μmの粒子を得た。
続いて、還流冷却管、撹拌機、温度計を備えた反応容器にイオン交換水300部を投入し、25℃にて希塩酸を加えてpHを4に調整した。次いで、上記トナー粒子1を100部と樹脂微粒子分散液1を固形分で1.0部となるように緩やかに添加して、200回転/分で15分撹拌を行った。次いで、加熱用オイルバスを用いて80℃(固着温度)に加熱して、1時間撹拌を続けた。その後分散液を20℃まで冷却した後、ろ過し、イオン交換水で洗浄した。その後、乾燥および分級してトナー粒子1を得た。
<外添剤樹脂微粒子1~3の製造例>
撹拌装置、冷却管、温度計、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコ内に、イオン交換水400部と、開始剤(過酸化ベンゾイル)8部、メタクリル酸n-ブチル40部、スチレン40部、架橋剤(ジビニルベンゼン)20部と、表3に示す4級アンモニウム塩を入れた。
続けてフラスコ内容物を撹拌しながら、フラスコ内に窒素ガスを導入して、フラスコ内を窒素雰囲気にした。さらにフラスコ内容物を撹拌しながら、窒素雰囲気でフラスコ内容物の温度を90℃に上昇させた。そして、窒素雰囲気かつ温度90℃の条件でフラスコ内容物を3時間反応させて、反応生成物を含むエマルションを得た。その後冷却、脱水して、個数平均粒子系200nmの外添剤樹脂微粒子1~3を得た。
<外添剤微粒子1の製造例>
1次粒子径150nmのフュームドシリカ100部に対し、窒素雰囲気下、250℃に加熱したミキサーを密閉し、ヘキサメチルジシラザン20部を流体ノズルで噴霧した。噴霧後1時間撹拌し、その後ミキサーを開放して窒素置換を行い、さらに100℃まで冷却後、塩化ベンザルコニウム10部を噴霧した。噴霧後、1時間撹拌状態を保ち、外添剤微粒子1を得た。
Figure 0007379172000004
<トナー1~5の製造例>
トナー粒子1を100部に対して、疎水化処理したシリカ微粒子(アミノシランカップリング剤による表面処理、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が140m2/g)1.0部と酸化チタン微粒子0.5部、さらに表3に示す外添剤を表4に示す処方にて外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー1~4を得た。また疎水化処理したシリカ微粒子(アミノシランカップリング剤による表面処理、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が140m2/g)1.0部と酸化チタン微粒子0.5部のみを外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩ったものをトナー5とした。
Figure 0007379172000005
〔実施例1~10、比較例1~8〕
トナー1と磁性キャリア1を、磁性キャリア90部に対して、トナーが10部になるように、V型混合機(V-10型:株式会社徳寿製作所)を用いて、0.5s-1、回転時間5minの条件で混合して二成分現像剤1を調製した。同様にして表5に示すトナーと磁性キャリアの組み合わせで現像剤2~18を作製し、得られた現像剤1~18をそれぞれ用いて以下の評価を行った。
<評価>
画像形成装置として、imagePRESS C800(キヤノン製)を用い、現像剤担持体の露光を、非画像部に露光するように反転させた。また現像の直流電圧VDCを自由に設定できるようにし、転写電圧の極性を反転させ、自由に設定できるように改造し、正帯電トナー用現像剤の画像が出力できるようにした。この改造機のシアン位置の現像器に二成分現像剤を入れ、紙上のトナーの載り量が所望になるように静電潜像担持体の帯電電圧VD、レーザーパワーを調整し、後述の評価を行った。
(1)カブリ(評価X)
常温低湿環境23℃/5%RH(以下 N/L)にて画像比率10%のFFH出力チャート90000枚出力後、画像形成装置を高温高湿環境32℃/80%RH(以下 H/H)にて8時間調湿した。その後画像比率100%の00H出力チャート(A4全面ベタ白画像)を10枚出力し、白地部分の白色度をリフレクトメーター(東京電色社製)により測定した。その白色度と転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出し、10枚の中でカブリ濃度の平均値を評価した。
ここで、FFHとは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFHが256階調の256階調目(ベタ部)である。
評価基準は次のとおりである。
A(10点):0.6%未満
B(9点):0.6%以上0.8%未満
C(8点):0.8%以上1.0%未満
D(7点):1.0%以上1.2%未満
E(6点):1.2%以上1.4%未満
F(5点):1.4%以上1.6%未満
G(4点):1.6%以上1.8%未満
H(3点):1.8%以上2.0%未満
I(2点):2.0%以上2.2%未満
J(1点):2.2%以上
結果を表5に示す。
(2)トナーの機内飛散評価(評価Y)
N/L環境にて画像比率10%のFFH出力チャート90000枚出力後、画像形成装置をH/H環境にて8時間調湿した。その後同環境にて画像比率70%のFFH出力チャート5000枚出力後、画像形成装置内部のトナー飛散レベルを目視で観察した。
A(10点):ほとんど飛散は見られない。
B(9点):補給口の周りにのみ、若干飛散がある。
C(8点):補給口の周りにのみ、飛散がある。
D(7点):補給口の周りと極狭い範囲の周辺に飛散がある。
E(6点):補給口の周りと周辺に飛散がある。
F(5点):補給口の周りと周辺に飛散があり、中間転写体の一部に若干の飛散がある。
G(4点):補給口の周りと周辺、および中間転写体の一部に飛散がある。
ただし、いずれのレベルも複写機外部にトナーが飛散するレベルではない。結果を表5に示す。
(3)細線再現性(評価Z)
シアントナー1を用いて評価した。
N/L環境で72時間放置後、紙上のFFH画像の反射濃度が1.50となるように、現像コントラストを調整し、図1に示す画像(ライン数19本、ライン幅100μm、間隔300μm、ライン長さ1.0cm)を1枚出力した。このとき、19本のラインは全てライン幅が85μm以上115μm以下の範囲であることをルーペを用いて確認した。次にN/L環境で画像比率10%のFFH出力チャート90000枚出力後、画像形成装置をH/H環境にて8時間調湿した。次に同じH/H環境で画像比率70%のFFH出力チャート5000枚出力した直後に紙上のFFH画像の反射濃度が1.50となるように現像コントラストを調整し、図1に示す画像を出力した。
この画像のラインを、ルーペで観察し、ライン幅が85μm未満、115μmを超える部分があるラインの個数をカウントした。判定基準は以下のとおりである。
A(10点):18本以上が適正なライン幅
B(9点):17本が適正なライン幅
C(8点):16本が適正なライン幅
D(7点):15本が適正なライン幅
E(6点):14本が適正なライン幅
F(5点):13本が適正なライン幅
G(4点):12本が適正なライン幅
H(3点):11本が適正なライン幅
I(2点):10本が適正なライン幅
J(1点):適正なライン幅が9本以下
評価結果を表5に示す。
(4)総合評価
上記評価X、Y、Zにおける評価ランクに対し、(A=10、B=9、C=8、D=7、E=6、F=5、G=4、H=3、I=2、J=1)として数値化した。結果を表5に示す。
Figure 0007379172000006

Claims (8)

  1. トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤であって、
    前記トナーは、トナー粒子と、前記トナー粒子の表面に存在する外添剤とを有し、
    前記外添剤は、外添剤粒子表面に4級アンモニウム塩を有する微粒子を含み、
    前記磁性キャリアは、磁性キャリアコア粒子及び前記磁性キャリアコア粒子の表面に形成された樹脂被覆層を有し、
    前記樹脂被覆層は、窒素元素、ケイ素元素及びフッ素元素を含有しており、
    X線光電子分光法による前記磁性キャリアの表面分析において、
    (i)前記磁性キャリアの表面分析で検出される窒素原子、ケイ素原子、フッ素原子、炭素原子及び酸素原子の総和を基準として、
    前記磁性キャリアの表面における窒素原子の比率をN1(原子%)とし、ケイ素原子の比率をS1(原子%)とし、フッ素原子の比率をF1(原子%)とし、
    (ii)前記磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置で検出される窒素原子、ケイ素原子、フッ素原子、炭素原子及び酸素原子の総和を基準として、
    前記磁性キャリアの表面から深さ40nmの位置における窒素原子の比率をN2(原子%)とし、ケイ素原子の比率をS2(原子%)とし、フッ素原子の比率をF2(原子%)としたとき、
    前記N1、S1、F1、N2、S2及びF2が、下記式を満たすことを特徴とする二成分現像剤。
    0.10≦N1≦1.50
    0.30≦S1≦5.00
    45.00≦F1≦65.00
    S1<S2
    S1/N1<S2/N2
    F1>F2
  2. 前記磁性キャリアコア粒子上に形成された樹脂被覆層の平均層厚が、50nm以上3000nm以下である請求項1に記載の二成分現像剤。
  3. 前記S1及び前記S2が、
    S2/S1≧2.00
    である請求項1又は2に記載の二成分現像剤。
  4. 前記N1及び前記N2が、
    0.70≦N1/N2≦1.30
    である請求項1~3のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  5. 前記樹脂被覆層は、フッ素系樹脂を含有する請求項1~4のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  6. 前記樹脂被覆層は、シリコーン系樹脂を含有する請求項1~5のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  7. 前記樹脂被覆層は、含窒素系化合物を含有する請求項1~6のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  8. 前記4級アンモニウム塩は、下記式(1)で示される化合物である請求項1~7のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
    Figure 0007379172000007
    (式(1)中、R1~R4は、水素原子または炭素数1以上30以下のアルキル基を表し、X-は、アニオンを表す。)
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