JP4441465B2 - キャリアおよび電子写真用現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、キャリアおよび電子写真用現像剤に関する。
複写機、レーザープリンタ、ファックスなどの電子写真技術を利用する画像形成装置においては、芯金の表面に感光層が形成されてなる感光体上の現像領域に種々の作像プロセスにて静電潜像を形成し、次いで現像装置内に貯留される現像剤に含まれるトナーによって、感光体上の現像領域における静電潜像を現像し、得られるトナー像を記録材に転写した後、定着ローラにより加熱加圧して記録材に定着させて画像が記録される。
最近では、コンピュータの普及に伴う、電子写真技術の目覚しい発展により、たとえば、画像形成装置を構成する各種装置の耐用性が向上し、画像形成装置の長寿命化が進んでいる。そして、画像形成装置において画像形成のために用いられる現像剤にも長寿命化、すなわちその使用期間を通しての帯電特性の安定化が求められる。現像剤の帯電特性が長期にわたって安定し、現像剤に含まれるトナーに一定の電荷が付与されることによって、記録材に記録される画像の画像濃度にばらつきがなくなり、さらに画像欠陥の少ない高画質画像を安定的に形成することができる。
現像剤としては、結着樹脂および着色剤を含有し、静電潜像を現像するトナー粒子と、現像装置内でトナー粒子とともに撹拌されてトナー粒子を摩擦帯電させる磁性キャリアとを含む二成分現像剤が広く利用される。キャリアとしては、芯材と、芯材の表面に形成される樹脂被覆層とからなるものが一般的である。
従来から、二成分現像剤の特性を向上させるために、たとえば、その二成分現像剤がその特性を充分に発揮し得るように構成された現像装置を用いること、トナーに含まれる結着樹脂の種類を選択すること、トナーに帯電制御剤を添加すること、キャリアの樹脂被覆層を構成する樹脂の種類を選択すること、キャリアと樹脂被覆層との密着性を向上させる熱処理を行うこと、キャリアの樹脂被覆層中に無機系粒子を含有させることなどが行われる。また、二成分現像剤に添加剤としてアルミナを含有させることも公知である。
たとえば、表面に凹凸を有する多孔性鉄粉(芯材)と、多孔性鉄粉の表面に形成される樹脂被覆層とからなるキャリアと、結着樹脂が脂肪酸および/またはその金属塩を含有するトナーとを含む二成分現像剤が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。さらに、特許文献1の段落[0047]には、樹脂被覆層へアルミナを添加することが記載される。しかしながら、特許文献1の技術において、アルミナを添加することを示唆するのはは、樹脂被覆層をフッ素樹脂により構成する場合のみある。フッ素樹脂は、芯材に熱融着させる際に300〜400℃という非常に高い温度を必要とし、熱融着温度のわずかな違いによってもその電気的特性に差を生じる。このため、フッ素樹脂からなる樹脂被覆層を有するキャリアは、フッ素樹脂の電気的特性の差に基因して、僅かではあるけれどもトナーへの帯電付与性が個々に異なる。したがって、特許文献1の技術では、フッ素樹脂からなる樹脂被覆層を有するキャリアのトナーに対する帯電付与性を平均化するためにアルミナを添加するのであり、キャリアの帯電付与性を長期間にわたって高い水準で維持するためにアルミナを添加するのではない。さらに、特許文献1は、樹脂被覆層へのアルミナの添加による効果を具体的に示すものではない。また、樹脂被覆層に単にアルミナなどの無機系粒子を添加するだけでは、キァリアが感光体表面に付着するキャリア上りという現象が発生し、感光体表面を傷つけ、画像不良などが発生する原因になる。
また、表面に凹凸を有する多孔性鉄粉(芯材)と、結着樹脂が主成分としてポリエステル樹脂を含有し、さらにエステルアミドアミンおよび/またはその塩を含有するトナーとを含む二成分現像剤が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。特許文献2の段落[0044]には、流動性向上剤としてアルミナをトナーに添加できることが記載される。すなわち、特許文献2は、トナーの外添剤としてアルミナを添加することが記載されるのみである。外添剤としてトナー表面に付着するアルミナは、現像装置内での撹拌によってキャリアの表面にも付着するけれども、キャリアの樹脂被覆層内部に混入することはない。このような状態では、キャリアの帯電付与性を長期にわたる安定化効果は得られない。
また、芯材、芯材の表面に形成されてアルミナを含有する中間層、ならびに中間層の表面に形成されて、N−アルコキシアルキル化ポリアミドとシラノール基および/またはアルコキシ基を有するシリコーン樹脂との縮合物を含有する表面層からなるキャリアが提案されている(たとえば、特許文献3参照)。しかしながら、特許文献3のキャリアは、樹脂被覆層が中間層と表面層との2層構造であり、さらに、キャリアのトナーへの帯電付与性に最も大きく関与する表面層は特殊なポリアミドとシリコーン樹脂との縮合物のみからなり、アルミナを含むものではない。また、特許文献3の技術において、段落[0009]に記載の様に、アルミナの中間層への添加は、キァリア表面に適度な凹凸を付与してキャリアの流動性を向上させるためである。すなわち、特許文献3には、アルミナの樹脂被覆層への添加によって、キャリアの長期的な帯電付与性を安定化させるという技術思想が開示されない。また、特許文献3のキャリアは、中間層と表面層との長期的な密着に難があるという欠点を有し、さらに特殊な合成樹脂を用いること、樹脂被覆層を2層構造とすることなどから、工業規模での製造が困難であるという欠点を有する。
特開平7−64330号公報 特開平7−134437号公報 特開2005−49478号公報
本発明の目的は、トナーへの帯電付与性が長期にわたって高い水準で維持され、キァリア上りの発生が低減化され、現在の高寿命化された画像形成装置にも対応可能なキャリア、および該キャリアを含み、画像濃度および鮮明度の高い高画質画像の形成に適する二成分現像剤を提供することである。
本発明は、体積平均粒子径10〜150μmの鉄系芯材と、芯材の表面に形成され平均粒度が10nm〜500nmのアルミナ粒子を含有するシリコーン被覆層を有するキャリアであって、蛍光X線分析により測定される樹脂被覆層のアルミナ粒子のX線強度と芯材中の鉄のX線強度との比(アルミナ粒子のX線強度/鉄のX線強度)が3×10 −3 〜10×10 −3 であることを特徴とするキャリアである。
また本発明は、前述のキァリアと、トナーとを含むことを特徴とする電子写真用現像剤である。
本発明によれば、体積平均粒子径10〜150μmの鉄系芯材の表面に平均粒度が10nm〜500nmのアルミナ粒子を含有する樹脂被覆層を形成してなるキャリアにおいて、蛍光X線分析により測定される樹脂被覆層のアルミナ粒子のX線強度(以後特に断らない限り単に「アルミナ粒子のX線強度」と称す)、蛍光X線分析により測定される鉄系芯材の強度(以後特に断らない限り単に「芯材のX線強度」と称す)の比が3×10−3〜10×10−3 であるように樹脂被覆層にアルミナ粒子を添加することによって、トナーに対する帯電付与性が向上し、さらにその帯電付与性が長期にわたって高い水準で安定的に保持される。
た、アルミナ粒子のX線強度と、芯材含有金属のX線強度との比が好ましくは3.5×10−3〜9.5×10−3になるように、樹脂被覆層へのアルミナ粒子の添加量を調整することによって、キャリアの帯電付与性の向上効果および帯電付与性の安定的な保持効果が一層顕著になるとともに、キァリア上りもほとんど発生しない。
た、芯材中に最も多く含まれる金属が鉄である鉄系磁性材料を芯材として用いることによって、該鉄系磁性体である芯材と樹脂被覆層中のアルミナ粒子とが相乗的に作用して、キャリアのトナーへの帯電付与性の一層の向上および一層の長期にわたる保持を図ることができる。
た、樹脂被覆層をシリコーン樹脂で構成することによって、樹脂被覆層中でのアルミナ粒子の分散性が高まり、樹脂被覆層中にアルミナ粒子が均一に分散し、アルミナ粒子の添加効果が効率的に発揮され、トナーに対する帯電付与性の長期的な安定性がさらに向上する。
た、アルミナ粒子をシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤およびアルミニウム系カップリング剤から選ばれる少なくとも1つによって表面処理することによっても、樹脂被覆層中でのアルミナ粒子の分散性が高まり、樹脂被覆層中にアルミナ粒子が均一に分散し、アルミナ粒子の添加効果が効率的に発揮され、トナーに対する帯電付与性の長期的な安定性がさらに向上する。
た、磁場12000Oeにおける飽和磁化が55〜70emu/gにするという比較的容易な操作によって、帯電付与性の向上および保持と、キャリア上りの防止という本発明の目的を、高水準でかつバランス良く達成できる。
また本発明によれば、本発明のキァリアとトナーとを含み、帯電特性がほぼ一定で、長寿命化、画像形成速度の高速化などが図られた電子写真方式の画像形成装置において好適に使用でき、画像濃度および精細度の高い高画質画像を形成できる電子写真用現像剤が提供される。
本発明のキャリアは、体積平均粒子径10〜150μmの鉄系芯材の表面に形成されるシリコーン樹脂被覆層中に、蛍光X線分析により測定される樹脂被覆層のアルミナ粒子のX線強度と芯材中の鉄のX線強度との比(アルミナ粒子のX線強度/鉄のX線強度)が3×10 −3 〜10×10 −3 なるようにアルミナ粒子が添加されることを特徴とする。
[芯材]
芯材としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、鉄などの磁性金属、フェライト、マグネタイトなどの磁性酸化物などが挙げられる。これらの中でも、最も多く含む金属が鉄である鉄、フェライトなどの鉄系磁性金属が好ましく、フェライトが特に好ましい。フェライトとしては公知のものを使用でき、たとえば、亜鉛系フェライト、ニッケル系フェライト、銅系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、銅−マグネシウム系フェライト、マンガン−亜鉛系フェライト、マンガン−銅−亜鉛系フェライトなどが挙げられる。これらのフェライト系粒子は、原料を混合し、仮焼および粉砕を経た後に焼成して得られ、焼成温度を変化させることにより、粒子の表面形状を変化させることが可能となる。芯材の寸法は特に制限されないけれども、体積平均粒子径10〜150μmのものが好ましく、体積平均粒子径25〜100μmのものがさらに好ましく、25〜50μmのものが特に好ましい。芯材の形状は特に制限されず、球状、粒状、不定形状、薄片状などのいずれでもよいけれども、球状であることが好ましい。芯材は、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
芯材の表面に形成されるシリコーン樹脂被覆層としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、シリコーンワニス(商品名:TSR115、TSR114、TSR102、TSR103、YR3061、TSR110、TSR116、TSR117、TSR108、TSR109、TSR180、TSR181、TSR187、TSR144、TSR165、信越化学(株)製、KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR267、KR269、KR211、KR212など、(株)東芝製)、アルキッド変性シリコーンワニス(商品名:TSR184、TSR185など、(株)東芝製)、エポキシ変性シリコーンワニス(商品名:TSR194、YS54など、(株)東芝製)、ポリエステル変性シリコーンワニス(商品名:TSR187など、(株)東芝製)、アクリル変性シリコーンワニス(商品名:TSR170、TSR171など、(株)東芝製)、ウレタン変性シリコーンワニス(商品名:TSR175など、(株)東芝製)、反応性シリコーン樹脂(商品名:KA1008、KBE1003、KBC1003、KBM303、KBM403、KBM503、KBM602、KBM603など、信越化学(株)製)などが挙げられる。これらの合成樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。合成樹脂の使用量は特に制限されないけれども、好ましくは、樹脂被覆層の膜厚が0.1〜5μm程度になるように使用するのがよい。
樹脂被覆層には、上記合成樹脂とともに、アルミナ粒子が含まれる。主に、樹脂被覆層にアルミナ粒子の特定量を含有させることによって、本発明キャリアのトナーへの帯電付与性が向上し、さらに長期にわたって高水準で保持される。アルミナ粒子の樹脂被覆層における含有量は、アルミナ粒子のX線強度と芯材含有金属のX線強度との強度比(アルミナ粒子のX線強度/芯材含有金属のX線強度)が、3×10−3〜10×10−3の範囲、好ましくは3.5×10−3〜9.5×10−3の範囲である。強度比が前記範囲内にある場合は、キャリアのトナーに対する帯電付与性の向上および保持効果とキャリア上りの防止効果とを、ともに高い水準で発揮することができる。前記範囲を外れた場合でも、得られるキャリアの性能が極端に低下することはないけれども、長期的に見れば、前記範囲の下限未満ではトナーに対する帯電付与性が若干不安定になるおそれがあり、また前記範囲の上限を超えると、キャリア上りの防止の点で不充分になるおそれがある。アルミナ粒子の形状は特に制限されず、球形、方形などの粒状、繊維状、薄片状などのいずれであってもよい。またアルミナ粒子の粒径は特に制限されないけれども、平均粒径が10nm〜500nmのものが好ましい。アルミナ粒子は、たとえば、合成樹脂への分散性などを向上させ、その帯電付与性の向上および安定化効果を一層効率的に発揮させるために、表面処理を施すのが好ましい。表面処理には、公知のシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などから選ばれる1種または2種以上を使用できる。表面処理により、アルミナ粒子の使用量を低減化できる。
樹脂被覆層用の合成樹脂には、アルミナ粒子とともに、得られるキャリアの抵抗値などを調整するために他の無機粒子を加えることができる。このような無機粒子としては公知のものを使用でき、たとえば、酸化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。これらの中でも、非導電性のものが好ましい。非導電性無機粒子の導電値は好ましくは1.0×10〜1.0×10Ωcmである。無機粒子は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。添加剤の使用量は特に制限はないけれども、好ましくは樹脂被覆層中の合成樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部である。
樹脂被覆層用の合成樹脂には、後述の熱処理において、樹脂被覆層の硬化を促進するために、乾燥促進剤を添加することができる。その具体例としては、ナフチル酸、オクチル酸などの鉛、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛などの金属石鹸、エタノールアミンなどの有機アミン類などが挙げられる。
本発明のキャリアは、芯材に、アルミナ粒子および必要に応じて他の無機粒子を含む合成樹脂を被覆し、さらに必要に応じて乾燥処理および熱処理を施すことによって製造できる。
アルミナ粒子および必要に応じて他の無機粒子を含む合成樹脂の芯材への被覆に際しては、浸漬法、スプレー法、流動床法、ニーダーコータ法などの公知の被覆法が採用できる。たとえば、浸漬法によれば、アルミナ粒子および必要に応じて他の無機粒子を含む合成樹脂の溶液または水分散液(以後単に「樹脂溶液」と総称する)に芯材を浸漬することによって、本発明のキャリアが得られる。スプレー法によれば、芯材に樹脂溶液を噴霧することによって、本発明のキャリアが得られる。流動床法によれば、流動エアにより浮遊状態にある芯材に樹脂溶液を噴霧することによって、本発明のキャリアが得られる。ニーダーコータ法によれば、ニーだコータ内にて芯材と樹脂溶液とを混合し、溶剤、水などの液体成分を除去することによって、本発明のキャリアが得られる。ここで、樹脂溶液を調製するための溶剤としては、合成樹脂を溶解または分散できるものであれば特に制限されないけれども、たとえばトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、高級アルコール、水、これらの2種以上の混合溶剤などが挙げられる。
乾燥処理は、樹脂被覆層中またはその周辺に残存する溶剤、水などの液状成分を除去するために実施する。
熱処理は、たとえば、樹脂被覆層の硬化による機械的強度の向上、樹脂被覆層と芯材との密着性の向上などを目的として実施される。熱処理温度は特に制限されず、樹脂被覆層に含まれる合成樹脂の種類によって適宜選択すればよいけれども、通常は150〜400℃程度である。樹脂被覆層にシリコーン樹脂が含まれる場合は、150〜260℃程度である。
このようにして、樹脂被覆層の膜厚が5μm以下程度、好ましくは0.1〜3μm程度であるキァリアが得られる。
本発明のキャリアは、磁場12000Oeにおける飽和磁化が、55〜70emu/gのものが好ましい。飽和磁化が前記範囲にある場合は、キャリアのトナーに対する帯電付与性を低下させることなく、キャリア上りを一層確実に防止できる。飽和磁化を前記範囲に調整するには、たとえば、芯材の選択、アルミナ粒子の使用量の調整、芯材の組成比の調整などといった方法が挙げられ、芯材の組成比を調整する。アルミナ粒子の使用量の調整により飽和磁化を前記範囲内にするためには、アルミナ粒子のX線強度が本発明に規定の範囲に入りかつ、樹脂被覆層に含まれる合成樹脂100重量部に対して、20重量部以下、好ましくは1〜17重量部、さらに好ましくは5〜15重量部の範囲でアルミナ粒子を使用すればよい。
本発明のキャリアの寸法には特に制限はないけれども、体積平均粒子径が20〜150μm程度のものを用いるのが好ましく、25〜90μm程度のものを用いるのがさらに好ましい。また、本発明のキャリアは、前述の製造方法により得られるものをそのまま使用できるけれども、体積平均粒径20μm未満の微粉を除去する分級操作を施すのが好ましい。これによって、キャリア上りの発生をさらに少なくすることができる。分級操作は一般的な分級装置を用いて実施できる。
また本発明のキャリアは、導電性および非導電性のいずれでもよく、その形状も特に制限されないけれども、非導電性で電気抵抗が高くかつ球形であることが好ましい。
[二成分現像剤]
本発明の二成分現像剤は、トナーと、本発明のキァリアとを含有する。本発明のキャリアについては前述したとおりである。
(トナー)
本発明の二成分現像剤に含まれるトナーとしては特に制限されず、電子写真方式による画像形成技術の分野で常用されるものをいずれも使用でき、たとえば、結着樹脂および着色剤を必須成分として含有し、さらに必要に応じて、電荷制御剤、離型剤、流動性改良剤などを含むトナーが挙げられる。
(結着樹脂)
結着樹脂としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、スチレン系重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、スチレン系重合体およびポリエステルが好ましい。スチレン系重合体には、スチレン系単独重合体およびスチレン系共重合体がある。スチレン系単独重合体としては、たとえば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン置換体の単独重合体が挙げられる。一方、スチレン系共重合体において、スチレンとともに用いられるコモノマーとしては公知のビニル系単量体を使用でき、たとえば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類およびその置換体、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルなどの二重結合を有するジカルボン酸類及びその置換体、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類、エチレン、プロピレン、ブチレンなどのエチレン系オレフィン類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどが挙げられる。ビニル系単量体は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。このようなビニル系単量体を含むスチレン系共重合体の具体例としては、たとえば、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレンビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などが挙げられる。
これらの中でも、架橋剤により架橋されたスチレン系重合体が好ましい。架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。たとえば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどの二重結合を2個有するカルボン酸エステル、ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物、3個以上のビニル基を有する化合物がなど挙げられる。架橋剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
さらに、これらの中でも、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)における重量平均分子量(Mw)が15×10〜25×10、数平均分子量(Mn)が2×10〜4×10であるものが好ましい。また、軟化点が145℃〜165℃、140℃における損失弾性率G”が1×10dyn/cm〜2×10dyn/cmであることが特に好ましい。
またポリエステルとしては、多価アルコールと多価カルボン酸との縮重合物が挙げられる。ここで、多価アルコールには、脂肪族多価アルコール、脂環式多価アルコール、芳香族多価アルコールなどである。脂肪族多価アルコールとしては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリール、ポリテトラメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどのトリオール、テトラオールなどが挙げられる。脂環式多価アルコールとしては、たとえば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノールなどが挙げられる。芳香族多価アルコールとしては、たとえば、パラキシレングリコール、メタキシレングリコール、オルトキシレングリコール、1,4−フェニレングリコール、1,4−フェニレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。多価アルコールは、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環式アルコールなどのモノアルコールを含むものでもよい。
多価カルボン酸としては、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジプロピオン酸、アントラセンジカルボン酸、ジフェン酸、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5−(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸、それらの金属塩およびアンモニウム塩などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などの脂肪族不飽和多価カルボン酸、フェニレンジアクリル酸などの芳香族不飽和多価カルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの三価以上の多価カルボン酸などが挙げられる。多価カルボン酸は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。必要に応じて、多価カルボン酸とともにモノカルボン酸も使用できる。モノカルボン酸としては芳香族モノカルボン酸が好ましい。芳香族モノカルボン酸としては、たとえば、安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸、tert−ブチルナフタレンカルボン酸、アントラセンカルボン酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、tert−ブチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、これらの低級アルキルエステル、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、n−ドデシルアミノカルボニル安息香酸などが挙げられる。
多価アルコールと多価カルボン酸との縮重合は、公知の方法に従って実施できる。
(着色剤)
着色剤として、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、イエロートナー用着色剤、マゼンタトナー用着色剤、シアントナー用着色剤、ブラックトナー用着色剤などが挙げられる。
イエロートナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17などのアゾ系顔料、黄色酸化鉄、黄土などの無機系顔料、C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21などの油溶性染料などが挙げられる。
マゼンタトナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、C.I.ディスパーズレッド15などが挙げられる。
シアントナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー 25、C.I.ダイレクトブルー86などが挙げられる。
ブラックトナー用着色剤としては、たとえば、チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。これら各種カーボンブラックの中から、得ようとするトナーの設計特性に応じて、適切なカーボンブラックを適宜選択すればよい。
着色剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。また、同色系のものを2種以上用いることができ、異色系のものをそれぞれ1種または2種以上用いることもできる。
着色剤の使用量は特に制限されないけれども、好ましくは結着樹脂100重量部に対して、5〜20重量部である。着色剤をこの範囲で用いることによって、トナーの各種物性を損なうことなく、高い画像濃度を有し、画質品位の非常に良好な画像を形成することができる。
(電荷制御剤)
電荷制御剤としてはこの分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用のものを使用できる。正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、塩基性染料、第四級アンモニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料などが挙げられる。負電荷制御用の電荷制御剤としては、オイルブラック、巣ピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、ナフテン酸金属塩、サリチル酸金属塩、脂肪酸石鹸、樹脂酸石鹸などが挙げられる。電荷制御剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。電荷制御剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.5〜3重量部である。
(離型剤)
離型剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスおよびその誘導体、低分子量ポリエチレンワックスおよびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体などが挙げられる。なお、誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。ワックスの使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.2〜20重量部である。
(流動性改良剤)
流動性改良剤は外添剤として用いられ、たとえば、トナー表面に付着させることによってその効果が発揮される。流動性改良剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、酸化ケイ素、酸化チタン、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウムなどが挙げられる。流動性改良剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。流動性改良剤の使用量は特に制限されないけれども、好ましくは、トナー粒子100重量部に対して0.1〜3.0重量部である。
本発明の二成分現像剤に用いられるトナー粒子は、公知の方法に従って製造できる。たとえば、結着樹脂、着色剤および電荷制御剤ならびにその他の添加剤を、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ、メカノミル、Q型ミキサなどの混合機により混合し、得られる原料混合物を2軸混練機、1軸混練機、連続式2本ロール型混練機などの混練機により70〜180℃程度の温度にて溶融混練し、得られる混練物を冷却固化し、固化物をジェットミルなどのエア式粉砕機により粉砕し、必要に応じて分級などの粒度調整を行うことにより、好ましくは平均粒子径3〜15μm、さらに好ましくは平均粒子径6.0〜7.5μmのトナー粒子が得られる。
なお、本発明では、トナー粒子全量の10重量%以上の着色剤をトナー粒子中に含有させるので、着色剤およびその他の添加剤を結着樹脂中に均一に分散させ、結着樹脂の物性を損なわず、効率良くトナーを製造することを考慮すると、トナー粒子の製造にあたり、マスターバッチ法を採用するのが好ましい。
マスターバッチ法によれば、所定量よりも少ない量の結着樹脂と所定量の着色剤とを上記と同様にして混合機により混合し、得られる原料混合物を連続式2本ロール型混練機によりせん断力を加えながら混練する。得られる混練物を冷却固化し、さらに粗砕して混練粗砕物を得る。この混練粗砕物に残りの結着樹脂および他の添加剤を混合し、押出機により希釈混練し、得られる混練物を上記と同様にして冷却固化し、粉砕し、必要に応じて粒度調整することにより、トナー粒子を得ることができる。
本発明の二成分現像剤におけるトナーと本発明キャリアとの使用割合は特に制限されず、画像形成装置に設定される画像形成速度、画像濃度、現像バイアス電圧、供給バイアス電圧、現像装置内へのトナーの補給能力その他の各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、トナーの投影面積に対するキャリアの表面積の比率が30〜70%の範囲内になるようにトナーとキャリアとを混合するのが好ましい。この範囲を重量基準で表すと、キャリア100重量部に対して、トナーを1〜10重量部程度、好ましくは1.5〜5.5重量部程度という使用割合になる。
図1は、本発明の二成分現像剤における一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。本発明の二成分現像剤1は、芯材4と、芯材4表面に形成されてアルミナ粒子6を含有する樹脂被覆層5とからなるキャリア2と、トナー3とを含む。トナー3は通常はキャリア2表面の樹脂被覆層5に付着した状態で、現像装置内をキャリア2とともに移動する。
本発明の二成分現像剤は、電子写真方式を利用する複写機、プリンタ、ファクシミリなどの各種画像形成装置において、好適に使用できる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。本実施例において、「部」は「重量部」を意味する。
また、アルミナ粒子と芯材含有金属とのX線強度、初期Q/M、ライフQ/M、帯電保持率、枚数、キャリアの飽和磁化およびキャリア上りは次のようにして評価した。
[X線強度]
アルミナ粒子および芯材含有金属の蛍光X線分析は、蛍光X線分析装置(商品名:ZSX・PrimusII、(株)リガク製)を用い、X線源のターゲット:Rh、X線源への印加電圧:40kV、電流値:50mAとし、光学系の分光結晶にはLiF(対象:アルミナ粒子)またはペンタエリスリトール(PET、対象:芯材含有金属、本実施例では鉄)を用いまた検出器にはシンチレーションカウンタとフォトカウンタとを用い、さらに分光器の走査はスキップスキャン法を用い、1ステップあたり0.05度の角度に設定して特性X線強度の測定を行った。
[初期Q/M]
初期Q/Mとは、モノクロ複写機(商品名:AR−450、シャープ(株)製)を用いて画像形成を実施する際の、初期現像剤(最初に(1枚目の)画像形成を行う際の現像剤)中のトナー帯電量である。測定方法は下記のとおりである。
試料としてトナー濃度B重量%の現像剤0.2gを用い、ブローオフ機(商品名:TB−200型、京セラケミカル(株)製、ブローオフ圧:1.0kg/cm)により測定を行い、30秒後のブローオフ値Aを求め、トナーの帯電量(μC/g)を下記式から算出した。
帯電量(μC/g)=A×100/(B×0.2)
[ライフQ/M]
ライフQ/Mとは、モノクロ複写機(商品名:AR−450、シャープ(株)製)を用いて画像形成装置を行い、ライフ現像剤(設定された使用期間が終了した後の現像剤)中のトナー帯電量であり、測定は初期Q/Mと同様にして実施した。
[帯電保持率]
帯電保持率(%)=(ライフQ/M)/(初期Q/M)×100
[枚数(K)]
現像剤の使用期間中における複写枚数の総計である。
[飽和磁化]
B−Hトレーサ(商品名:BHU−60型、理研電子(株)製)を用い、磁場12000エルステッド(Oe)を印加して得られたヒステリシス曲線から飽和磁化を求めた。
[キャリア上り]
モノクロ複写機(商品名:AR−450、シャープ(株)製)を用い、感光体上に白ベタ画像を潜像させたときに、感光体上に付着したキャリアの個数として示した。なお、キャリア上りについては、キャリアの付着個数が50個未満であれば実用上問題のない状態であるけれども、30個以下が好ましく、15個以下であることが特に好ましい。
(製造例1)
[トナーの製造]
ポリエステル(商品名:EPA501、三洋化成(株)製)100部
ポリエチレンワックス(離型剤、商品名:PE130、クラリアントジャパン(株)製)1.0部
ポリプロピレン(離型剤、商品名:NP−505、三井化学(株)製)1.5部
カーボンブラック(着色剤、商品名:330R、キャボット社製)10部
帯電制御剤(商品名:S−34、保土ヶ谷化学工業(株)製) 1部
上記各原料の所定量をスーパーミキサ(商品名:V−20、(株)カワタ製)により混合し、この混合物を二軸混練機(商品名:PCM−30、(株)池貝製)により溶融混練し、この溶融混練物をジェット式粉砕機(商品名:IDS−2、日本ニューマチック工業(株)製)にて粉砕後、分級して体積平均粒径7.5μmのトナー母体粒子を製造した。このトナー母体粒子100部にシリカ粒子(商品名:R972、日本アエロジル(株)製)0.3部を添加して混合し、黒色トナーを製造した。なお、体積平均粒径は、コールターカウンター(TA−II)にて測定した。
(実施例1)
[キャリアの製造]
シリコーン樹脂(商品名:KR−255、信越化学(株)製)100部(固形分換算)およびアルミナ粒子(体積平均粒子径10nm)15部をトルエンに分散させ、樹脂被覆層形成用分散液を調製した。
Mn−Mg系フェライト(体積平均粒子径50μm、コア材)100部に、流動床型コーティング装置により上記で得られた樹脂被覆層用分散液2部を噴霧塗布し、250℃で2時間加熱し、本発明のキャリアを製造した。
(実施例
アルミナ粒子の使用量を20部から10部に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明のキャリアを製造した。
(実施例
アルミナ粒子の使用量を20部から5部に変更する以外は、実施例1と同様にして本発明のキャリアを製造した。
比較例1
アルミナ粒子の使用量を20部に変更する以外は、実施例1と同様にして比較用のキャリアを製造した。
比較例2
芯材の組成比(Fe元素/Mg元素比)の調整を行い、飽和磁化を60に変更する以外は、実施例1と同様にして比較用のキャリアを製造した。
比較例3
実施例1と同様にして得られるキャリアに分級操作を施し、粒径20μm未満の微粉を除去した。
(実施例
[二成分現像剤の製造]
製造例1で得られたトナー粒子および実施例1〜のシリコーン樹脂被覆キャリアをそれぞれ用い、シリコーン樹脂キャリアのトナー粒子による被覆率が35%になるような割合で両者を混合し、本発明の二成分現像剤を製造した。
(比較例
アルミナ粒子を使用しない以外は実施例1と同様にして、従来のキャリアを製造した。比較例1〜3およびこの従来のキャリアをそれぞれ用い、実施例4と同様にして比較用の二成分現像剤を製造した。
(試験例1)
実施例および比較例で得られた二成分現像剤について、前述の試験方法に従って、性能試験を実施した。結果を表1に示す。
Figure 0004441465
(実施例
アルミナ粒子使用量を20部から15部に変更し、芯材の組成比(Fe元素/Mg元素比)を調整して飽和磁化50とする以外は、実施例1と同様にして本発明のキャリアを製造した。
(実施例
アルミナ粒子使用量を20部から10部に変更する以外は実施例と同様にして、飽和磁化50の本発明のキャリアを製造した。
(実施例
アルミナ粒子使用量を20部から5部に変更する以外は実施例と同様にして、飽和磁化50の本発明のキャリアを製造した。
(実施例
実施例5〜7で得られたキャリアを用いる以外は、実施例と同様にして本発明の二成分現像剤を製造した。得られた二成分現像剤を用いて、前述の試験方法に従ってキャリア上りの個数を調べたところ、15個(実施例)、11個(実施例)および11個(実施例)であった。
本発明の実施の第1形態である二成分現像剤の構成を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 二成分現像剤
2 キャリア
3 トナー
4 芯材
5 樹脂被覆層
6 アルミナ粒子

Claims (2)

  1. 体積平均粒子径10〜150μmの鉄系芯材と、芯材の表面に形成され平均粒度が10nm〜500nmのアルミナ粒子を含有するシリコーン被覆層を有するキャリアであって、蛍光X線分析により測定される樹脂被覆層のアルミナ粒子のX線強度と芯材中の鉄のX線強度との比(アルミナ粒子のX線強度/鉄のX線強度)が3×10 −3 〜10×10 −3 であることを特徴とするキャリア。
  2. 請求項のキァリアと、トナーとを含むことを特徴とする電子写真用現像剤。
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