JP3060128B2 - 磁性トナー - Google Patents

磁性トナー

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JP3060128B2
JP3060128B2 JP3252878A JP25287891A JP3060128B2 JP 3060128 B2 JP3060128 B2 JP 3060128B2 JP 3252878 A JP3252878 A JP 3252878A JP 25287891 A JP25287891 A JP 25287891A JP 3060128 B2 JP3060128 B2 JP 3060128B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、磁気記録法などにおいて用いられる磁性トナーに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真・静電記録の如き画像形
成方法における乾式の現像方法としては、主に2成分系
現像剤を用いる方法と1成分系現像剤を用いる方法とに
分けられる。
【0003】2成分系現像剤を使用する現像方法ではキ
ャリア粒子とトナー粒子との混合現像剤を用いる。通常
現像過程の進行によりトナーとキャリアの混合比が変化
したり、キャリア粒子が劣化したりすることにより、ト
ナー画像の画質が低下するといった問題点を有してい
る。
【0004】他方、1成分系現像剤を用いる現像方法で
は本質的にキャリア粒子を含まないので、上述した混合
比の変動、キャリア粒子の劣化という問題点がなく、静
電荷像に忠実なトナー画像を形成し得、さらにトナー画
像の画質が安定している静電像現像方法である。中で
も、磁性を有するトナー粒子より成る現像剤を用いる方
法に優れたものが多い。
【0005】このような現像方法として、米国特許第
3,909,258号明細書には、電気的に導電性を有
する磁性トナーを用いて現像する方法が提案されてい
る。この現像方法は、内部に磁石を有する円筒状の導電
性スリーブ上に導電性磁性現像剤を担持し、これを静電
像を有する記録体に接触せしめ現像するものである。こ
の際、現像部において、導電性磁性トナー粒子により記
録体表面とスリーブ表面との間に導電路が形成され、こ
の導電路を経てスリーブより導電性磁性トナー粒子に電
荷が導入され、静電像導電性磁性トナーとの間のクーロ
ン力により、導電性磁性トナー粒子が該静電像に付着
し、静電像が現像される。導電性磁性トナーを用いる現
像方法は、従来の2成分系現像剤を使用する現像方法に
おける問題点を解消した優れた現像方法であるが、その
反面、トナーが導電性であるため、トナー画像を記録体
から普通紙の如き転写材へ静電的に転写することが困難
であるという問題点を有している。
【0006】静電的な転写が可能な高抵抗の磁性トナー
を用いる現像方法として、特開昭52−94140号公
報には、トナー粒子の誘電分極を利用した現像方法が記
載されている。しかし、かかる方法は本質的に現像速度
が遅く、現像画像の濃度が十分に得られないという問題
点を有している。
【0007】さらに、高抵抗の磁性トナーを用いる現像
方法として、磁性トナー粒子相互の摩擦、磁性トナー粒
子とスリーブ等との摩擦により磁性トナー粒子を摩擦帯
電し、摩擦電荷を有する磁性トナーを静電像保持部材に
接触させて現像する方法が知られている。しかしなが
ら、これらの現像方法においては、トナー粒子と摩擦部
材との接触回数が少なくトナー粒子の摩擦帯電が不十分
になり易い。
【0008】特開昭54−43037号公報において、
従来の現像方法を改善した新規な現像方法が提案されて
いる。この現像方法は、スリーブ上に磁性トナーを極め
て薄く塗布し、これを摩擦帯電し、次いでこれを磁界の
作用の下で静電像に極めて近接させ、且つ接触すること
なく磁性トナー層を対向させることにより、静電像を現
像するものである。この方法によれば、磁性トナーをス
リーブ上にきわめて薄く塗布することにより、スリーブ
とトナーとの接触する機会を増し、十分な摩擦帯電を可
能にしたこと、磁力によってトナーを支持し、且つ磁石
とトナーを相対的に移動させることによりトナー粒子相
互の凝集を解くとともにスリーブと十分に摩擦せしめて
いること、トナーを磁力によって支持し、これを静電像
に接する事なく対向させて現像することにより、地カブ
リを防止していることによって優れた画像が得られるも
のである。
【0009】このような現像方法に用いられる現像器は
簡単な構成で非常に小さくできることが特徴である。そ
のため例えば高速機では感光体のまわりに余裕ができる
ため他の色の現像器をいくつか配置しワンタッチで色の
変更をしたりアナログ光と同時にレーザー光を用い、ペ
ージや文字の書き込みを複写と同時に行うなどが容易に
なるというような利点がでてくる。
【0010】しかしながら、この現像方式はシンプルで
軽く小さい現像器という特徴のため逆にこの方式に使わ
れるトナーは、帯電状態の環境安定性が従来のトナー以
上により優れていないと全体として優れた画像性、耐久
性、安定性を得られない。即ち、かかるトナーの性能が
システムの性能にそのまま反映される場合が多いという
ことである。
【0011】さらに複写機はより高速化の方向にも進ん
でいるため、トナーは高解像と高速現像、高耐久などを
高度に満足しなければならなくなってきている。
【0012】さらに複写機はより低ランニングコスト化
が要求されており、トナーは着色力が高く、従来より少
ない消費量で高画像濃度を満足することが必要となって
いる。
【0013】これらのきびしい要求にこたえるためトナ
ーの研究開発が鋭意行なわれている。
【0014】ここで、特開昭58−189646号公報
にみられるように、FeO含有量が16〜25重量%の
磁性粉を含有する磁性トナーでは、確かに高い静電荷像
の現像効率と良好な転写効率が得られ、安定した充分な
画像が得られることが示されている。だが、近年のよう
に複写機が高速化や低ランニングコスト化の方向に進ん
でいるため上記の磁性トナーでは高解像と高速現像、高
耐久、高着色力などを充分に満足させることはできなく
なっている。また上記磁性トナーを高速機に適用させよ
うとすると低温低湿環境下ではトナー帯電量の適度なコ
ントロールがしにくくなり、トナー帯電量の過度の上昇
による画像濃度低下やバックグラウンドの汚れが発生す
ることが多い。また、トナー帯電量の過度の上昇を抑
え、さらにトナーの着色力を高める方法の1つとして、
磁性体を増加させる方法があるが、この方法では、定着
性が悪化する方向であり今後のさらなる高速機への対応
が困難であり、さらに、磁性トナーの磁気力が大きくな
ってしまい、静電荷像への現像効率が低下してしまう傾
向がある。
【0015】特開昭54−28142号ではカーブンブ
ラックを含有した磁性トナーが提案されているが、この
方法ではある程度のトナーの過帯電を防止し、着色力も
向上できるものの、磁性体とカーボンブラックの結着樹
脂への分散性が不充分であるため、繰り返し使用すると
トナーの帯電性が低下してしまう。
【0016】特開平1−191859号では炭化水素の
熱分解時に前記炭化水素と同一又は別ルートを介して遷
移金属を熱分解過程に導入して得られる磁性金属複合カ
ーボンブラックを用いて結着樹脂との分散性を改良した
磁性トナーが提案されている。しかしながらこのような
磁性金属複合カーボンは熱分解過程にカーボンブラック
以外にカーバイドなどの副生成物が生じ易く、磁性体表
面を均一にカーボンブラックで被覆することが困難であ
ると共に、高温反応下で処理を行なうため、1μm以下
の磁性酸化鉄は酸化され易く、磁気特性が大きく損なわ
れてしまう。さらに、磁性粒子の凝集も発生し易くな
り、前記磁性金属複合カーボンブラックを用いた磁性ト
ナーでは、結着樹脂中への金属複合カーボンブラックの
分散性がいまだ充分改良されていない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、異な
る環境条件下においても濃度変動の小さい磁性トナーを
提供することにある。
【0018】また、本発明の目的は、電荷がトナー粒子
に過剰に蓄積し、適正な電荷を維持できず、濃度低下も
発生する、いわゆる、チャージ・アップのない磁性トナ
ーを提供することにある。
【0019】また、本発明の目的は、画像濃度が高く、
カブリのない鮮明な磁性トナーを提供するところにあ
る。
【0020】また、本発明の目的は、少ない消費量で、
高い画像濃度をえることの可能な磁性トナーを提供する
ところにある。
【0021】また、本発明の目的は、トナーを長期にわ
たり連続使用した際にも初期の特性を維持する磁性トナ
ーを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、マグ
ネタイトを還元性ガス、次いでCO2 ガスにより加熱処
理し、CO2 の分解反応により表面にカーボンブラック
を被膜形成せしめた磁性体、及び結着樹脂を少なくとも
含有することを特徴とする磁性トナーである。
【0023】本発明によって、前記目的が達成される理
由は、必ずしも明確ではないが、以下のように推定され
る。
【0024】即ち、本発明の磁性トナーにおいては、本
発明に用いる磁性体が低温度でしかも副反応生成物がほ
とんど発生しないCO2 の分解反応によって生成したカ
ーボンブラックによって均一に被膜されているため粒子
同子の凝集もなく、磁性体の小粒径化も可能であるため
磁性トナー中に均一に分散され易く、さらに適度な電気
抵抗を保持するため、トナーの帯電量を安定化させる作
用があるものと考えられる。その結果、本発明の磁性ト
ナーは異なる環境条件下においても濃度変動が小さく、
高い画像濃度でカブリのない鮮明な画像が得られる。さ
らに本発明に用いられる磁性体は黒色顔料としての黒色
度が高いため、少ない消費量で高い画像濃度を得ること
が可能となる。
【0025】本発明のトナーに用いられる、カーボンブ
ラックが被膜形成された磁性体は、該磁性体中のカーボ
ンブラック含有量が0.1〜5.0重量%の範囲内であ
ることが好ましい。
【0026】ここで、カーボンブラック含有量が0.1
重量%未満の磁性体をトナーに用いると、特に高速機へ
の適応を考えた場合に低温低湿環境下ではトナー帯電量
を適度にコントロールしにくくなり、トナー帯電量の過
度の上昇による画像濃度低下やバックグラウンドの汚れ
に充分対処しきれるものではない。さらに磁性体の黒色
度を高める効果も得られず、少ない消費量で高い画像濃
度を得ることが困難となってしまう。
【0027】また、カーボンブラック含有量が5.0重
量%を上まわる磁性体をトナーに用いると、トナーの帯
電量が低下し、特に高湿環境下では画像濃度低下が発生
する。
【0028】また、本発明に用いられる磁性体の平均粒
径は0.05〜1.0μmであることが好ましく、0.
1〜0.5μmであることがより好ましい。磁性体の平
均粒径が1.0μmを超えると磁性トナー中への磁性体
の分散性が悪化し、トナーの帯電量をコントロールしに
くくなり、画像濃度低下やバックグラウンドの汚れ等の
問題を発生し易くなる。
【0029】また、磁性体の平均粒径が0.05μmを
下まわると凝集しやすく、且つトナーの耐環境安定性が
低下する傾向にある。
【0030】また、本発明中の磁性体はその製造過程で
コバルト、ニッケル、マンガン、アルミニウム、シリコ
ンなどの金属や金属化合物を含有せしめても良い。
【0031】本発明に用いられるカーボンブラックが被
膜形成された磁性体は例えば、マグネタイト粒子を水素
ガス雰囲気下、200〜450℃の温度で加熱処理し、
次いで200〜400℃の温度下でCO2 と反応させる
ことにより得られる。
【0032】上記磁性体の生成反応過程は次の通りであ
ると推測される。先ず200〜450℃の温度下でマグ
ネタイトと水素ガスを反応させると、下記(1)で示す
ように酸素欠陥マグネタイト(Fe34-x 非化学量論
的に表現される)が得られる。
【0033】 Fe34 +xH2 →Fe34-x +xH2 O (1) ここで、非化学量論的な酸素欠陥マグネタイトFe3
4-xとはFe34がH2により2Feに変化する中間体と
考えられ、xの値は0.01〜0.50であることが好
ましい。
【0034】ここで、xの値は水素ガスとの処理温度及
び処理時間によって制御可能であり、xの値が0.01
未満及び0.50を超えてしまうと次の(2)式に示す
低温度でのCO2 の分解反応が充分に行なえず好ましく
ない。
【0035】次に前記酸素欠陥マグネタイトを200〜
400℃の温度下でCO2 と反応させると下記(2)で
示すような反応が起こりカーボンブラックが被覆形成さ
れた磁性体が得られる。
【0036】 Fe34-x +(1/2)xCO2 →Fe34 +(1/2)xC (2) 本発明に用いられる磁性体中のカーボンブラック被覆量
は酸素欠陥マグネタイトとCO2 との反応において、反
応温度、反応時間、CO2 量前記した酸素欠陥マグネタ
イトのx値を変化させることによって制御可能である。
【0037】尚、本発明に用いられる磁性体中のカーボ
ンブラックの含有量の測定は、元素分析装置により求め
た。
【0038】本発明の磁性トナーにおける磁性体は結着
樹脂100重量部に対し40〜150重量部含有させる
ことが好ましく、50〜120重量部含有させることが
より好ましい。
【0039】本発明において、磁性酸化物の平均粒径の
測定及び形状の観察は次のようにして行なう。透過電子
顕微鏡(日立製作所H−700H)でコロジオン膜銅メ
ッシュに処理した試料を用いて、加電圧100KVに
て、10,000倍で撮影し、焼きつけ倍率3倍とし
て、最終倍率30,000倍とする。これによって、形
状の観察を行ない、各粒子の最大長を計測し、その平均
をもって平均粒径とする。
【0040】本発明トナーに使用する結着剤としては、
オイル塗布する装置を有する加圧加熱ローラ定着装置を
使用する場合には、公知のあらゆるトナー用結着物質の
使用が可能で、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロ
ルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びそ
の置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共
重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン
−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天
然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル
樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、
エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、
テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂など
が使用できる。
【0041】オイルを殆ど塗布しない加熱加圧ローラ定
着方式においては、トナー像支持体部材上のトナー像の
一部がローラに転移するいわゆるオフセット現象及びト
ナー像支持部材に対するトナーの密着性が重要な問題で
ある。より少ない熱エネルギーで定着するトナーは通常
保存中もしくは現像器中でブロッキングもしくはケーキ
ングし易い性質があるので、同時にこれらの問題も考慮
しなければならない。これらの現象にはトナー中の結着
物質の物性が最も大きく関与しているが、本発明者等の
研究によればトナー中の磁性体の含有量を減らすと、定
着時に前述した様にトナー像支持部材に対するトナーの
密着性は良くなるが、オフセットが起こり易くなりまた
ブロッキングもしくはケーキングも生じ易くなる。それ
故、本発明においてオイルを殆ど塗布しない加熱加圧ロ
ーラ定着方式を用いる時には結着物質の選択がより重要
である。好ましい結着物質としては架橋されたスチレン
系共重合体もしくはポリエステルがある。このスチレン
系共重合体のコモノマーとしては、例えば、アクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、
メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドな
どの様な二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその
置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレ
イン酸メチル、マレイン酸ジメチルなどの様な二重結合
を有するジカルボン酸及びその置換体;例えば塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどの様なビニルエス
テル類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどの
様なエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトンなどの様なビニルケトン類;
例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、
ビニルイソブチルエーテルなどの様なビニルエーテル類
等のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な
二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレンなどの様な芳香族ジビニ
ル化合物、例えばエチレングリコールジアクリレート、
エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタン
ジオールジメタクリレートなどの様な二重結合を2個有
するカルボン酸エステル、ジビニルアニリン、ジビニル
エーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなど
のジビニル化合物及び3個以上のビニル基を有する化合
物が単独もしくは混合物として用いられる。
【0042】また、加圧定着方式を用いる場合には、公
知の圧力定着性トナー用結着樹脂の使用が可能であり、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチレン、
ポリウレタンエラストマー、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオ
ノマー樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン
−イソプレン共重合体、線状飽和ポリエステル、パラフ
ィンなどがある。
【0043】本発明に用いる磁性トナーに添加する負荷
電性に制御するものとしては例えば有機金属錯体、キレ
ート化合物が有効でモノアゾ金属錯体、アセチルアセト
ン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダ
イカルボン酸系の金属錯体がある。他には芳香族ハイド
ロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及び
その金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等の
フェノール誘導体類、が挙げられる。
【0044】また本発明に用いる磁性トナーに添加する
正荷電性制御剤としては、ニグロシン及びその変成物、
トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4
−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテ
トラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、ジブ
チルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシ
クロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサ
イド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレー
ト、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズ
ボレートを用いることができる。
【0045】また、一般式
【0046】
【化1】 で表わされるモノマーの単重合体又は、前述したような
スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル
などの重合性モノマーとの共重合体を正荷電制御剤とし
て用いることができ、この場合、結着剤としての働きも
有している。
【0047】また、本発明の磁性トナーには、シリカ微
粉末を外添することが好ましい。
【0048】次に本発明トナー粒子の製造方法について
述べる。先ず、結着樹脂、磁性粉、荷電制御剤等のトナ
ー組成物をボールミルのような混合機を用いて予備混合
する。得られた混合物をロールミルのような溶融混練機
を用いて混練する。冷却後ハンマーミルのような粉砕機
を用いて数mm以下の大きさに粗粉砕し、次いで超音速
ジェット粉砕機を用いて微粉砕する。得られる粒子は
0.1〜50μm程度の微粒子である、これを分級して
トナーを得る。このとき、粉砕をコントロールして分級
前の粒度分布を設定し、さらに分級をトナーの比重、フ
ィード量に応じて設定することにより、所定の粒度分布
を有するトナーが得られる。上記分級時に微粉側のカッ
トに用いられるものとして、アルピネ社製、商品名、ミ
クロプレックス132MP、ドナルドソン社製、商品
名、アキュカットA−12、もしくは細川鉄工所社製、
商品名、ミクロンセパレーターMS−1等の風力分級機
などがある。粗粉側をカットするものとしてアルピネ社
製、商品名、ミクロプレックス400MPもしくはミク
ロセパレーターMS−1等の風力分級機、泰工社製ブロ
ワシフターのようなふるいによる分級機がある。
【0049】以上は、粉砕トナーの製造方法の1例であ
り、これ以外にも懸濁重合法によるトナー、マイクロカ
プセル法によるトナー等の種々の方法が可能である。
【0050】トナー中には熱ロール定着時の離型性を向
上させる目的で低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプ
ロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワ
ックス、サゾールワックス等のワックス状物質を0.5
〜6重量%程度加えることもできる。
【0051】本発明のトナーにおいては、帯電安定性、
現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末を添
加することが好ましい。
【0052】本発明に用いられるシリカ微粉末は、BE
T法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2 /g
以上(特に50〜400m2 /g)の範囲内のものが良
好な結果を与える。トナー100重量部に対してシリカ
微粉体0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜5重量
部使用するのが良い。
【0053】また本発明に用いられるシリカ微粉末は、
必要に応じ、疎水化、帯電性コントロール、などの目的
でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリ
コーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカッ
プリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、そ
の他の有機ケイ素化合物等の処理剤で、或いは種々の処
理剤で併用して処理されていることも好ましい。
【0054】他の添加剤としては、例えばテフロン、ス
テアリン酸亜鉛、ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤、中で
もポリ弗化ビニリデンが好ましい。或いは酸化セリウ
ム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、
中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。或いは例え
ば酸化チタン、酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中
でも特に疎水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、
或いは例えばカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチ
モン、酸化スズ等の導電性付与剤、また逆極性の白色微
粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いるこ
ともできる。
【0055】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、これは本発明を何ら限定するものではない。尚、以
下の配合における部数は全て重量部である。
【0056】製造例1〜5 先ずFe2+を所定量含む硝酸第一鉄水溶液をNaOH水
溶液に加え、70〜100℃の温度で両者を反応させて
水酸化第一鉄コロイド溶液を作り、次に前記コロイド溶
液に70〜100℃の温度で空気を吹き込んで酸化す
る。得られたスラリーを濾過、水洗して、乾燥して平均
粒径0.15μmのマグネタイト微粒子を得た。
【0057】次に、前記マグネタイト微粒子を水素ガス
雰囲気下、表1に示したような種々な温度条件下で2時
間加熱処理して酸素欠陥マグネタイトをそれぞれ得て、
続けて360℃以下の温度条件下でCO2 ガスと反応さ
せることによって種々のカーボンブラック量が被覆形成
させた磁性体をそれぞれ製造した。
【0058】
【表1】 比較製造例1 水素加熱処理及びCO2 との反応を行なわないことを除
いては製造例1と同様にして磁性体を得た。
【0059】比較製造例2 比較製造例1の磁性体100部にカーボンブラック0.
65部をヘンシェルミキサーで混合して磁性体を得た。
【0060】実施例1 スチレン/n−ブチルアクリレート/ジビニルベンゼン共重合体 100部 (共重合重量比80/19.5/0.5 重量平均分子量30万) 負荷電性制御剤(モノアゾ系クロム錯体) 2部 低分子量ポリプロピレン 3部 製造例1の磁性体 80部 上記材料をブレンダーでよく混合した後、ロールミルに
て150℃で溶融混練した。混練物を冷却後、ハンマー
ミルにて粗粉砕したのち、ジェット気流を用いた粉砕機
にて微粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級し、体積
平均径が9.0μmの黒色粉体を得た。
【0061】この黒色粉体100部に疎水性乾式シリカ
0.6部を加え、ヘンシェルミキサーで混合して磁性ト
ナーとした。
【0062】このトナーを市販のキヤノン製複写機NP
−8580で画出しを行なったところ、常温常湿で画像
濃度は1.47と高く、地カブリもない解像度の高い画
像が得られた。さらに15℃,10%の低温低湿環境及
び、32.5℃,85%の高温高湿環境下においても、
画像濃度は1.48,1.35と高く、異なる環境条件
においても画像濃度の変動は小さく、また5万枚の繰り
返しコピーを続けても画像濃度は安定しており、地カブ
リも問題とならなかった。
【0063】実施例2〜4 製造例1の磁性体の代わりに表1の製造例2〜4の磁性
体を用いることを除いては実施例1と同様に行なったと
ころ、異なる環境条件下において、いずれも高い画像濃
度でその変動も小さく、繰り返しコピーによっても安定
していた。
【0064】実施例5 製造例1の磁性体の代わりに製造例5の磁性体を用いる
ことを除いては実施例1と同様に行なったところ常温常
湿において実施例1のものよりも画像濃度が1.37と
やや低く、低温低湿環境下での3万枚の繰り返しコピー
によってはじめ1.39であった画像濃度が1.22と
やや低下した以外は実施例1とほぼ同様に良好な結果が
得られた。
【0065】実施例6 実施例1の負荷電性制御剤2部の代りにニグロシン2部
を用いることを除いては実施例1とほぼ同様にトナーを
作成し、キヤノン製複写機NP4835で画出しした。
【0066】鮮明な高い画像濃度の画像が得られ、環境
条件をかえても変動も小さく繰返しコピーによっても安
定していた。
【0067】比較例1 製造例1の磁性体の代わりに、比較例1の磁性体を用い
ることを除いては、実施例1と同様にしてトナーを得、
テストを行なった。
【0068】常温常湿においては、実施例1のものより
も画像濃度が1.28と低くカブリがわずかにあり、低
温低湿環境条件下では地カブリが増え、3万枚の繰り返
しコピーをすることによって画像濃度の低下が起こり、
はじめ1.30であった画像濃度が1.06に下った。
また、高温高湿環境条件では、初めから濃度が1.20
と低く、3万枚の繰り返しコピーによって濃度が1.1
1まで下った。
【0069】比較例2 製造例1の磁性体の代わりに、比較製造例2の磁性体を
用いることを除いては実施例1と同様に行なったとこ
ろ、常温常湿で3万枚繰り返しコピーすることによって
初期1.41であった濃度が1.15まで低下し、カブ
リが発生した。また、低温低湿条件下及び高温高湿条件
下においても同様に3万枚繰り返しコピーすることによ
って画像濃度が低下し、カブリが発生した。
【0070】各実施例及び各比較例のトナーによる画像
濃度を表2及び表3に示す。
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】本発明の磁性トナーはカブリのない、濃
度の高い画像が得られ、異なる環境条件下においても画
像濃度変動が小さく、さらに低温低湿環境条件下におい
ても適正な電荷を保ちチャージ・アップによる濃度低下
などを発生することがなく、高い画像濃度を維持でき
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネタイトを還元性ガス、次いでCO
    2 ガスにより加熱処理し、CO2 の分解反応により表面
    にカーボンブラックを被膜形成せしめた磁性体、及び結
    着樹脂を少なくとも含有することを特徴とする磁性トナ
    ー。
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