JP2005070758A - トナー - Google Patents

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Takashige Kasuya
貴重 粕谷
Nobuyuki Okubo
信之 大久保
Tsutomu Konuma
努 小沼
Hideto Iida
英人 飯田
Shuhei Moribe
修平 森部
Koji Nishikawa
浩司 西川
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Abstract

【課題】ドット再現性の良い、転写性に優れた現像性を有するトナーを提供する。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と、粒径が異なる2種以上の無機酸化物微粒子とを含有するトナーにおいて、1)第一の無機酸化物微粒子Aは、中心粒径が7nm以上20nm未満であり、かつ無機酸化物微粒子Aのトナー母粒子に対する被覆率Aが0.5〜2.0であり、2)第二の無機酸化物微粒子Bは中心粒径が20nm以上50nm以下であり、かつ無機酸化物微粒子Bのトナー母粒子に対する被覆率Bが0.02〜0.15であり、3)第一の無機酸化物微粒子Aと第二の無機酸化物微粒子Bの粒径差が10nm以上35nm以下であり、無機酸化物全量の被覆率(A+B)に対する無機酸化物微粒子Bの占める割合X、円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子における平均円形度Yが特定の値であり、YとXとの関係が特定の式を満足する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真,静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用されるトナー及びトナージェットに使用されるトナーに関する。
トナーの帯電性、流動性等を調整して良好な現像特性を得る目的で、トナー粒子に小粒径無機微粒子を外添することが一般に知られている。
このような小粒径無機微粒子が外添されているトナーは、例えば二成分現像剤として用いられたときの、キャリアとのストレス、一成分現像剤として用いられた時の現像ブレード、現像スリーブからのストレス、あるいは現像器内壁、トナー撹拌羽根、トナー同士の衝突等により、トナー粒子表面に小粒径無機微粒子が埋め込まれた状態になることが確認されている。
この小粒径無機微粒子の埋没を低減させるには、特許文献1乃至5に開示されているように、大粒径無機微粒子を併用する方法が有効である。
大粒径無機微粒子はスペーサーとしての効果を持つ為、小粒径無機微粒子が付着したトナー表面が、キャリア、現像ブレード、現像スリーブ、現像器内壁、トナー撹拌部材、他のトナー等と直接接するのを防ぎ、ストレスを低減する。これにより、小粒径無機微粒子の埋没を抑え、トナーの長寿命化が達成される。
特許文献6には、疎水性シリカと疎水性酸化チタン又は疎水性酸化アルミニウムを含有するトナーであり、疎水性酸化チタン又は疎水性酸化アルミニウムが一次粒径で10〜20mμmと30〜60mμmにピークを有することを特徴とするトナーが開示されている。
特許文献7には、BET比表面積80m2/g未満のシリコーンオイル処理された無機微粉末とBET比表面積80m2/g以上のシランカップリング剤処理された無機微粉末を混合することを特徴とするトナーが開示されている。
特許文献8には、トナー粒子と少なくとも二種類の外添剤とからなる電子写真用トナーであって、トナー粒子の粒度分布において、5μm以下が1乃至8vol%存在し、第一の外添剤の平均粒子径が、一次粒子の個数基準で0.1乃至0.5μmであり、第二の外添剤の平均粒子径が、一次粒子の個数基準で20nm以下であって疎水性であることを特徴とする電子写真用トナーについて開示されている。
特許文献9には、外添剤として15乃至20nmの疎水性シリカ、13nm以下の疎水性シリカ、アルミナを用いるトナーが提案されている。
しかしながら、これらのトナーは、粒径の異なる2種類の疎水性無機微粒子を添加しているため、両者の混合性やトナー粒子表面への分散に問題があり、現像耐久性や帯電安定性が不十分であった。
特許文献10には、無機微粒子の個数一次粒径分布曲線において、一次粒径x〔nm〕(但し、20≦x≦50)および一次粒径y〔nm〕(但し、3x≦y≦6x)のそれぞれに個数割合の極大値があり、かつ、一次粒径(x+y)/2〔nm〕における個数割合が10個数%以下であり、(x+y)/2〔nm〕未満の一次粒径を有する小粒径側の無機微粒子の個数割合をX個数%、(x+y)/2〔nm〕以上の一次粒径を有する大粒径側の無機微粒子の個数割合をY個数%とするときに、「X/Y」の値が0.5〜2.0の範囲にあり、トナー粒子の体積平均粒径をz(nm)とするとき、「z/x」の値が150〜400であることを特徴とする現像剤について開示されている。
しかしながらこの無機微粒子は、個数一次粒径分布で小粒径側の一次粒径のピークが20nm以上と比較的大きいうえに、大粒径側にもピークを持つ為、重量基準に換算すると小粒径粒子に対して大粒径粒子が非常に多く存在することになり、流動性や帯電性に問題がある。
特許文献11乃至13には、転写部材にバイアスを印加する手段によりバイアスを印加し、潜像担持体上の少なくとも2種類の平均粒径の異なる外添剤をトナー粒子に外添混合したトナーを被転写体に転移させる接触転写装置において、トナーの緩み見かけ密度と転写部材硬度との関係を規定した接触転写装置について開示されている。しかしながら、ここで用いられている2種類の平均粒径の異なる外添剤は、それぞれが個別に疎水化処理されている為、両者の凝集性やトナー粒子表面への分散し易さなどが異なり、トナー粒子表面に両者を均一に分散させることが難しかった。
また、近年、高画質化の要望も高く、ドット再現性の良い、転写性の良いトナー、更には現像でのスリーブゴースト、飛び散りがないトナー、更にはどのような環境においても優れた現像性(耐久性)を有するトナーが求められている。
一方、摩擦帯電部材(キャリア)表面の汚染防止、荷電安定化、環境(湿度)依存性改良、流動性、高転写性を目的として、特許文献14乃至17に、噴霧造粒法、溶液溶解法、重合法といった製造方法によってトナーの形状を球形に近づける技術が開示されている。しかし、これらの技術はいずれもトナー製造に大掛かりな設備が必要となり、生産効率の点において好ましくない。
また、高画質化(高転写性、再転写防止、定着尾引き改善)を目的として特許文献18乃至21に、粉砕法で製造されたトナーを熱的あるいは機械的衝撃により粒子の形状及び表面性を改質する技術が開示されている。しかしながら、これら手法においては転写性、耐久性、高画質化を含め未だ改善の要求が高い。
特開平4−204751号公報 特開平5−346682号公報 特開平6−313980号公報 特開平6−332235号公報 特開平7−92724号公報 特開平4−204751号公報 特開平5−346682号公報 特開平6−332235号公報 特開平7−104501号公報 特開平6−313980号公報 特開平8−36316号公報 特開2000−56595号公報 特開2002−23414号公報 特開平3−84558号公報 特開平3−229268号公報 特開平4−1766号公報 特開平4−102862号公報 特開平2−87157号公報 特開平10−97095号公報 特開平11−149176号公報 特開平11−202557号公報
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決したトナーを提供することにある。
本発明の目的は、ドット再現性の良い、転写性に優れた現像性を有するトナーを提供することにある。
本発明の目的は、スリーブネガゴースト、飛び散りを発生しないトナーを提供することにある。
本発明の目的は、どのような環境においても優れた現像性(耐久性)を有するトナーを提供することにある。
本発明者らは、トナー粒子に添加する疎水性無機微粒子について鋭意研究したところ、小粒径疎水性シリカと、大粒径疎水性シリカを併用する系において、トナー円形度(トナー平滑度)と大小のシリカ被覆率を連動し、規定することにより、トナー粒子表面に均一にシリカを分散、付着させることが極めて高度に制御が可能になり、ドット再現性の良い、転写性に優れた、耐久性に優れた、劣化しにくいトナーが得られることを見出した。
すなわち、少なくとも、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と、粒径が異なる2種以上の無機酸化物微粒子とを含有するトナーにおいて、
1)該第一の無機酸化物微粒子Aは、中心粒径が7nm以上20nm未満であり、かつ無機酸化物微粒子Aのトナー母粒子に対する被覆率Aが0.5〜2.0であり、2)第二の無機酸化物微粒子Bは中心粒径が20nm以上50nm以下であり、かつ無機酸化物微粒子Bのトナー母粒子に対する被覆率Bが0.02〜0.15であり、3)第一の無機酸化物微粒子Aと第二の無機酸化物微粒子Bの粒径差が10nm以上35nm以下であり、無機酸化物全量の被覆率(A+B)に対する無機酸化物微粒子Bの占める割合X[={被覆率B/(被覆率A+被覆率B)}×100]が1.0〜14.0%であり、
フロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子における平均円形度Yが0.935〜0.970であり、トナー粒子の平均円形度Yと無機酸化物全量の被覆率Xとの関係が次式を満足することを特徴とするトナーによって達成される。
10×10-3×X−0.925≦Y≦3.6×10-3×X+0.915
更に、好ましい形態として、該トナー粒子の走査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが5.0nm以上35.0nm未満であることを特徴とするトナーによって達成可能となる。
更に、好ましい形態として、該トナー粒子のフロー式粒子像測定装置で計測される円相当径0.6μm以上400μm以下のトナー粒子における個数基準の粒径分布において、0.6μm以上3μm未満のトナー粒子比率が0個数%以上20個数%未満であることを特徴とするトナーによって達成可能となる。
本発明によれば、高温高湿、低温低湿のような厳しい環境下における高速現像においても長期の使用において高い現像性を維持し、且つ初期濃度変動が少なく、スリーブゴーストや飛び散りを起こさないトナーを提供することができる。
小粒径無機酸化物微粒子は主にトナーに帯電性や流動性を付与する為に添加されており、大粒径無機酸化物微粒子はスペーサー粒子としてトナー粒子表面に存在することで、トナーと撹拌部材、トナーと現像スリーブ、トナーと現像ブレード、トナーと現像器内壁、トナーとトナー等の接触時に小粒径無機微粒子にかかる負荷を軽減し、小粒径無機微粒子がトナー粒子表面に埋没したり、或いはトナー粒子表面から剥離する等の、トナーの劣化を抑止する働きを付与する為に添加されている。しかしながら、より高度にトナー劣化を防止し、画質劣化なく高画質化、更には高転写性を保つためには、小粒径無機微粒子と大粒径無機微粒子の関係(粒度)及び、トナー表面への両者の被覆量、更にはトナー円形度(平滑度)との関係を詳細に関連付けることが重要である。
すなわち、第一の無機酸化物微粒子Aは、中心粒径が7nm以上20nm未満(より好ましくは10nm以上15nm以下)であり、かつ無機酸化微粒子Aのトナー母粒子に対する被覆率Aが0.5〜2.0であり、第二の無機酸化物Bは中心粒径が20nm以上50nm以下(より好ましくは30nm以上40nm未満)であり、かつ無機酸化物微粒子Bのトナー母粒子に対する被覆率Bが0.02〜0.15(より好ましくは0.03〜0.10)であり、かつ第一の無機酸化物微粒子Aと第二の無機酸化物微粒子Bの粒径差が10nm以上35nm以下であり、無機酸化物微粒子全量の被覆率に対する無機酸化物微粒子Bの占める割合Xが1.0〜14.0%(より好ましくは5.0〜12.0%)であることが重要である。
第一の小粒径シリカ微粒子Aの中心粒径が7nm未満であるとトナー流動性は向上するが、耐久トナー劣化(トナー母体への埋め込み)が生じやすく、20nm以上であると高流動性が得られず、高画質化、高転写性が達成できない。
シリカ微粒子Aのトナー母粒子に対する被覆率Aが0.5〜2.0(より好ましくは0.8〜1.5)であることが必要であり、被覆率が0.5未満であると高流動性が得られず、2.0を超えると定着性が悪化する傾向となる。
本発明における被覆率は、トナー粒子表面積に対する無機酸化物微粒子の投影面積の総計の割合であり、下式で表される。
Figure 2005070758
(wA:無機酸化物微粒子の添加量、rA:無機酸化物微粒子の一次粒子の個数基準の平均半径、ρA:無機酸化物微粒子比重、WT:トナー量、RT:トナーの個数基準の平均半径、ρT:トナー比重)
第二の無機酸化物微粒子Bは中心粒径が20nm未満の場合、第一の小粒径無機酸化物微粒子Aとの粒径差が小さく、耐久トナー劣化(トナー母体への埋め込み)が生じやすくまた、転写性向上、トナー飛び散り抑制の効果が得られ難い。また、50nm超の場合、第一の小粒径無機酸化物微粒子Aとの粒径差が生じトナー劣化が逆に進んでしまう傾向にある。これは、粒径差がある物質を同時に外添するとトナーへの付着力差が生じ、トナーからの遊離或いは、大きな粒子を固着する条件では小さな粒子が埋め込まれる傾向にあるためであると推察される。また、この傾向は近年求められる低温定着性(省エネ)にたいして多く用いられる低融点WAXを含有するトナーにおいて顕著である。更に50nm超の場合、トナー流動性の悪化によるドット再現性が悪化する傾向があると同時にスリーブ(現像担持体)への供給性が劣る傾向にありゴーストが悪化する傾向にある。
本発明のより好ましい形態は、第一の無機酸化物微粒子Aと第二の無機酸化物微粒子Bの粒径差が10nm以上35nm以下(より好ましくは15nm以上30nm以下、更に好ましくは、20nm以上30nm以下)である。粒径差が10nm未満である場合、本発明の平滑性を有するトナーにおいて、耐久トナー劣化(トナー母体への埋め込み)が生じやくまた、転写性向上、トナー飛び散り抑制の効果が得られ難い。一方、粒径差が35nmを超える場合、流動性の悪化によるドット再現性が悪化する傾向があると同時にスリーブ(現像担持体)への供給性が劣る傾向にありゴーストが悪化する傾向にある。
更に外添でのかつ無機酸化物微粒子Bのトナー母粒子に対する被覆率Bが0.02未満である場合、耐久トナー劣化(トナー母体への埋め込み)が生じやすくまた、転写性向上、トナー飛び散り抑制の効果が得られ難い。一方、無機酸化物微粒子Bのトナー母粒子に対する被覆率Bが、0.15を超える場合は、流動性の悪化によるドット再現性が悪化する傾向があると同時にスリーブ(現像担持体)への供給性が劣る傾向にありゴーストが悪化する傾向にある。
更に無機酸化物全量の被覆率に対する無機酸化物微粒子Bの占める割合Xが1.0%未満の場合、耐久トナー劣化(トナー母体への埋め込み)が生じやすくまた、転写性向上、トナー飛び散り抑制の効果が得られ難い。一方、14.0%を超える場合、流動性の悪化によるドット再現性が悪化する傾向があると同時にスリーブ(現像担持体)への供給性が劣る傾向にありゴーストが悪化する傾向にある。
本発明は更に、フロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子における平均円形度Yが0.935〜0.970(より好ましくは0.940〜0.955)であり、トナー粒子の平均円形度Yと無機酸化物全量の被覆率に対する無機酸化物微粒子Bの占める割合Xの関係が次式を満足することを特徴とする。
10×10-3×X−0.925≦Y≦3.6×10-3×X+0.915
トナー粒子の平均円形度Yが0.935以上にあることにより、転写性が更に向上し、高画質化が可能となる。しかし、0.970を超える場合、外添剤の劣化が激しいのと同時に、クリーニング性が悪化する傾向となる。
このような円形度を有するトナーにおいて前記した外添剤構成を使用することは、本発明の目的を達成させるために有効だが、更に高度に目的を達成するためにはトナー粒子の平均円形度Yと無機酸化物全量の被覆率に対する無機酸化物微粒子Bの占める割合Xの関係が次式を満足する必要があることを見出した。
10×10-3×X−0.925≦Y≦3.6×10-3×X+0.915
トナーの円形度は、そのトナーの流動性、摩擦機会、トナー充填性に起因し、トナー劣化を受ける度合いが変化する。これに対して無機酸化物全量の被覆率に対するシリカ微粒子Bの占める割合を規定することにより、トナー劣化を防止し、且つ流動性を適度に維持し、転写効率、飛び散り、スリーブゴーストを改善することが高度に可能となる。
10×10-3×X−0.925>Yの場合、耐久トナー劣化(トナー母体への埋め込み)が生じやくまた、本発明の目的である転写性、トナー飛び散りを高度に改善できない。
Y>3.6×10-3×X+0.915の場合、流動性が悪化し、本発明の目的であるドット再現性、転写性、飛び散りを高度に改善できない。
また、本発明のトナーは、円相当径3μm以上400μm以下のトナーにおける平均円形度が好ましくは0.935以上0.970未満、より好ましく0.935以上0.965未満、更に好ましくは0.935以上0.960未満、特に好ましくは0.940以上0.955未満であることにより、画像面積あたりのトナーの消費量を減少できる。これは、円形度の高いトナーは、現像された画像において、より密な状態をとりやすくなるために、転写材に対するトナーの隠蔽率が高くなり、少ないトナー量でも十分な画像濃度を得ることによる。
平均円形度が0.935未満だと、トナーの消費量が増加しやすく、平均円形度が0.970以上だと、ブロッチが発生しやすくなる。
本発明におけるトナー粒子及びトナー平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではシスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて23℃、60%RHの環境下で測定を行い、円相当径0.60μm〜400μmの範囲内の粒子を測定し、そこで測定された粒子の円形度を下式(1)により求め、更に円相当径3μm以上400μm以下の粒子において、円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子投影像の周囲長を示す。〕
本発明に用いている円形度はトナー粒子及びトナーの凹凸の度合いの指標であり、トナー粒子及びトナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出にあたって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度の算出を行う算出法を用いている。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度の値と、各粒子の円形度の総和を用いる算出式によって算出される平均円形度の誤差は、非常に少なく、実質的には無視できる程度であり、本発明においては、算出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、各粒子の円形度の総和を用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いても良い。さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来よりトナー粒子及びトナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA1000」と比較して、処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)することによりトナー粒子及びトナーの形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な捕捉を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状及び粒度分布を測定する必要がある場合には、より正確に形状及び粒度分布に関する情報が得られるFPIA2100の方が有用である。
具体的な測定方法としては、予め容器中の不純物を除去した水200〜300ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波発振器で2分間分散し、分散液濃度を0.2〜1.0万個/μlとして粒子の円形度分布を測定する。超音波発振器としては、例えば以下の装置を使用し、以下の分散条件を用いる。
UH−150(株式会社エス・エム・テー社製)
OUTPUT レベル:5
コンスタントモード
測定の概略は、以下の通りである。
試料分散液は、フラットで扁平なフローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円形度を算出する。
更に本発明の好ましい形態としては、トナー粒子は円形度0.960未満のトナー粒子の個数累積値が20%以上70%未満、好ましくは25%以上65%未満、より好ましくは30%以上65%未満、より好ましくは35%以上65%未満であることが好ましい。トナー粒子の円形度は、個々のトナー粒子によって異なる。円形度が異なるとトナー粒子としての特性も異なるため、適度な円形度のトナー粒子比率が適正な値であることが、トナー粒子の現像性を高める上で好ましい。本発明のトナー粒子は適度な円形度を有しており、且つ適度な円形度分布を有しているため、トナー粒子の帯電分布が均一になり、カブリを低減することができる。円形度0.960未満のトナー粒子の個数累積値が20%未満だと、トナー粒子が耐久時に劣化する場合がある。円形度0.960未満のトナー粒子の個数累積値が70%以上だと、カブリが悪化したり、高温高湿環境下での画像濃度が低下する場合がある。
また、本発明においては、フロー式粒子像測定装置で計測される円相当径0.6μm以上400μm以下のトナー粒子における個数基準の粒径分布において0.6μm以上3μm未満のトナー粒子比率が0個数%以上20個数%未満、好ましくは0%以上17%未満、より好ましくは1%以上15%未満であることが好ましい。0.6μm以上3μm未満のトナー粒子は、トナーの現像性、特にカブリ特性に大きな影響を与える。このような微粒子トナーは過度に高い帯電性を有しており、トナーの現像時に過剰に現像されやすく、画像上にカブリとして現れる。しかし本発明においてはこのような微粒子トナーの比率が少ないことによってカブリを低減することができる。
また、本発明においては、トナー粒子の平均面粗さが5.0nm以上35.0nm未満、好ましくは8.0nm以上30.0nm未満、より好ましくは10.0nm以上25.0nm未満であることを特徴とする。トナー粒子が適度な表面粗さを有していることにより、トナー間に適度な空隙が生まれ、トナーの流動性を向上させることができ、より良好な現像性をもたらすことができる。特に本発明の特徴とする円形度を有するトナー粒子において、前記平均面粗さを有していることにより優れた流動性をトナー粒子に付与することができる。また、本発明のトナー粒子において、3μm未満の超微粒子が少ない場合により良好な流動性をトナーに付与することができる。
即ち、トナー粒子中に超微粒子が多く存在すると、トナー表面の凹部分に超微粒子が入り込み、見かけ上のトナー平均面粗さを小さくしてしまい、トナー粒子間の空隙が減り、トナーにより好ましい流動性を付与することを妨げてしまう場合がある。トナー粒子の平均面粗さが5.0nm未満だと、トナーに十分な流動性が付与できず、フェーディングを生じて画像濃度が低下する。トナー粒子の平均面粗さが35.0nm以上だと、トナー粒子間の空隙が多くなりすぎることでトナーの飛び散りを生じる。
また、本発明の外添剤構成において、平均面粗さが5.0nm未満であると耐久トナー劣化(トナー母体への埋め込み)が生じやすくまた、本発明の目的である転写性、トナー飛び散りを高度に改善できない。
一方、本発明の外添剤構成において、平均面粗さが35.0nm以上である場合においても、凹部分に外添剤が入り込み、耐久トナー劣化(トナー母体への埋め込み)が生じやくまた、本発明の目的である転写性、トナー飛び散りを高度に改善できない。
さらに、本発明においては、トナーの平均面粗さが10.0nm以上26.0nm未満、好ましくは12.0nm以上24.0nm未満であることが好ましい。
トナーの平均面粗さが10.0nm未満の場合、トナー凹部に多数の外添剤粒子が埋め込まれている状態となり、十分な流動性が付与しにくく、フェーディングを生じて良好な画像が得られにくい。逆にトナーの平均面粗さが26.0nm以上の場合には、トナー表面の外添剤粒子が均一にコートされていない状態となり、帯電不良となりやすく、飛び散りの悪化が生じやすくなる。
このように、トナーにおいても、適度な表面粗さと円形度を有することで、本発明の効果を得られやすくなる。
また、トナー粒子の最大高低差が50nm以上250nm未満、好ましくは80nm以上220nm未満、より好ましくは100nm以上200nm未満であることが好ましく、より良好な流動性をトナーに付与することができる。トナー粒子の最大高低差が50nm未満だと、トナーに十分な流動性を付与できず、フェーディングを生じて画像濃度が低下する場合がある。トナー粒子の最大高低差が250nm以上だと、トナーの飛び散りを生じる場合がある。
また、走査型プローブ顕微鏡で測定されるトナー粒子の表面の1μm四方のエリアを測定した時の表面積が1.03μm2以上1.33μm2未満、好ましくは1.05μm2以上1.30μm2未満、より好ましくは1.07μm2以上1.28μm2未満であることが好ましく、より良好な流動性をトナー粒子に付与することができる。トナー粒子の表面積が1.03μm2未満だと、トナーに十分な流動性を付与できず、フェーディングを生じて画像濃度が低下する場合がある。トナー粒子の表面積が1.33μm2以上だと、飛び散りを生じる場合がある。
本発明において、トナー粒子およびトナーの平均面粗さ、トナー粒子の最大高低差、表面積は、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定される。以下に、測定方法の例を示す。
プローブテーション:SPI3800N(セイコーインスツルメンツ(株)製)
測定ユニット:SPA400
測定モード:DFM(共振モード)形状像
カンチレバー:SI−DF40
解像度:Xデーター数 256
Yデーター数 128
本発明においては、トナー粒子及びトナーの表面の1μm四方のエリアを測定する。測定するエリアは、走査型プローブ顕微鏡で測定されるトナー粒子及びトナー表面の、中央部の1μm四方のエリアとする。測定するトナー粒子及びトナーは、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)に等しいトナー粒子及びトナーをランダムに選択して、そのトナー粒子を測定する。測定されたデータは、2次補正を行う。異なるトナー粒子を5個以上測定し、得られたデータの平均値を算出して、そのトナー粒子及びトナーの平均面粗さ、トナー粒子の最大高低差、表面積とする。
トナー粒子に外添剤が外添されているトナーにおいて、トナー粒子の表面を走査型プローブ顕微鏡を用いて測定する場合は外添剤を取り除く必要があり、具体的な方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
1)トナー45mgをサンプル瓶に入れ、メタノールを10ml加える。
2)超音波洗浄機で1分間試料を分散させて外添剤を分離させる。
3)吸引ろ過(10μmメンブランフィルター)してトナー粒子と外添剤を分離する。磁性体を含むトナーの場合は、磁石をサンプル瓶の底にあててトナー粒子を固定して上澄み液だけ分離させても構わない。
4)上記2)、3)を計3回行い、得られたトナー粒子を真空乾燥機で室温で十分に乾燥させる。
外添剤を取り除いたトナー粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、外添剤がなくなっているのを確認した後、走査型プローブ顕微鏡でトナー粒子の表面観察をすることができる。外添剤が十分に取り除ききれていない場合には、外添剤が十分に取り除かれるまで2)、3)を繰り返し行った後に走査型プローブ顕微鏡でのトナー粒子の表面観察を行う。
2)、3)に代わる外添剤を取り除く他の方法としては、アルカリで外添剤を溶解させる方法が挙げられる。アルカリとしては水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
以下に各用語を説明する。
・平均面粗さ(Ra)
JIS B0601で定義されている中心線平均粗さRaを、測定面に対して適用できるよう三次元に拡張したもの。基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値で次式で表される。
Figure 2005070758
F(X,Y):全測定データの示す面
0 :指定面が理想的にフラットであると仮定したときの面積
0 :指定面内のZデータ(指定面に対して垂直方向のデータ)の平均値
指定面とは、本発明においては1μm四方の測定エリアを意味する。
・最大高低差(P−V)
指定面内におけるZデータの最大値と最小値の差。
・表面積(S)
指定面の表面積。
次に、本発明の特徴とするトナー粒子を得るための好ましい方法として、表面改質工程を用いたトナー粒子製造方法について説明する。以下に、表面改質工程で使用される表面改質装置及び表面改質装置を利用したトナー粒子の製造方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
尚、本発明において表面改質とは、トナー粒子の表面を平滑化することを意味する。
図1は、本発明に使用する表面改質装置の一例を示し、図2は図1において高速回転する回転子の上面図の一例を示す。
図1に示す表面改質装置では、ケーシング、冷却水或いは不凍液を通水できるジャケット(図示しない)、表面改質手段である、ケーシング内にあって中心回転軸に取り付けられた、上面に角型のディスク或いは円筒型のピン40を複数個有し、高速で回転する円盤上の回転体である分散ローター36、分散ローター36の外周に一定間隔を保持して配置されている表面に多数の溝が設けられているライナー34(尚、ライナー表面上の溝はなくても構わない)、更に、表面改質された原料を所定粒径に分級するための手段である分級ローター31、更に、冷風を導入するための冷風導入口35、被処理原料を導入するための原料供給口33、更に、表面改質時間を自在に調整可能となるように、開閉可能なように設置された排出弁38、処理後の粉体を排出するための粉体排出口37、更に、分級手段である分級ローター31と表面改質手段である分散ローター36−ライナー34との間の空間を、分級手段へ導入される前の第一の空間41と、分級手段により微粉を分級除去された粒子を表面改質手段へ導入するための第二の空間42に仕切る案内手段である円筒形のガイドリング39とから構成されている。分散ローター36とライナー34との間隙部分が表面改質ゾーンであり、分級ローター31及びローター周辺部分が分級ゾーンである。
尚、分級ローター31の設置方向は図1に示したように縦型でも構わないし、横型でも構わない。また、分級ローター31の個数は図1に示したように単体でも構わないし、複数でも構わない。
以上のように構成してなる表面改質装置では、排出弁38を閉とした状態で原料供給口33から原料トナー粒子を投入すると、投入された原料トナー粒子は、まずブロワー(図示しない)により吸引され、分級ローター31で分級される。その際、分級された所定粒径以下の微粉は装置外へ連続的に排出除去され、所定粒径以上の粗粉は遠心力によりガイドリング39の内周(第二の空間42)に沿いながら分散ローター36により発生する循環流にのり表面改質ゾーンへ導かれる。表面改質ゾーンに導かれた原料は分散ローター36とライナー34間で機械式衝撃力を受け、表面改質処理される。表面改質された表面改質粒子は、機内を通過する冷風にのって、ガイドリング39の外周(第一の空間41)に沿いながら分級ゾーンに導かれ、分級ローター31により、再度微粉は機外へ排出され、粗粉は、循環流にのり、再度表面改質ゾーンに戻され、繰り返し表面改質作用を受ける。一定時間経過後、排出弁38を開とし、排出口37より表面改質粒子を回収する。
本表面改質装置においては、トナー粒子表面改質工程において、トナー粒子の表面改質と同時に微粉成分を除去することができる。それにより、トナー粒子中に存在する超微粒子がトナー粒子表面に固着することがなく、所望の円形度、平均面粗さ及び超微粒子量を有するトナー粒子を効果的に得ることができる。表面改質と同時に微粉を除去することができない場合、表面改質後のトナー粒子中の超微粒子量が多く存在してしまう上に、トナー粒子表面改質工程において、機械的、熱的な影響により、適正な粒径を有するトナー粒子の表面に超微粒子成分が固着してしまう。その結果、トナー粒子の表面に、固着した微粉成分による突起が生成し、所望の円形度及び平均面粗さを有するトナー粒子が得られない。
尚、本発明において、「表面改質と同時に微粉成分を除去する」とは、トナー粒子の表面改質及び微粉除去を繰り返し行うことを意味し、それは前記のような単一装置内でそれぞれの工程を有する装置を用いても良く、また、表面改質と微粉除去を異なる装置によって行い、それぞれの工程を繰り返し行うことによっても良い。
本発明者が検討した結果、表面改質装置における表面改質時間(=サイクルタイム、原料供給が終了してから排出弁が開くまでの時間)としては、5秒以上180秒以下、更に好ましくは、15秒以上120秒以下であることが好ましい。表面改質時間が5秒未満の場合、改質時間が短時間過ぎるため、表面改質トナー粒子が十分に得られない場合がある。また、改質時間が180秒を超えると、改質時間が長時間過ぎるため、表面改質時に発生する熱による機内融着の発生、及び処理能力の低下を招く場合がある。
更に、本発明のトナー粒子の製造方法においては、該表面改質装置内に導入する冷風温度T1を5℃以下とすることが好ましい。該表面改質装置内に導入する冷風温度T1を5℃以下、より好ましくは、0℃以下、より好ましくは−5℃以下、更に好ましくは−10℃以下、特に好ましくは−15.0℃以下とすることにより、表面改質時に発生する熱による機内融着を防止することができる。該表面改質装置内に導入する冷風温度T1が5℃を超えると、表面改質時に発生する熱による機内融着を起こす場合がある。
尚、該表面改質装置内に導入する冷風は、装置内の結露防止という面から、除湿したものであることが好ましい。除湿装置としては公知のものが使用できる。給気露点温度としては、−15℃以下が好ましく、更には−20℃以下が好ましい。
更に、本発明のトナー粒子の製造方法においては、該表面改質装置内は、機内冷却用のジャケットを具備しており、該ジャケットに冷媒(好ましくは冷却水、更に好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を通しながら表面改質処理することが好ましい。該ジャケットによる機内冷却により、トナー粒子表面改質時における熱による機内融着を防止することができる。
尚、表面改質装置の該ジャケット内に通す冷媒の温度は5℃以下とすることが好ましい。表面改質装置内の該ジャケット内に通す冷媒の温度を5℃以下、より好ましくは、0℃以下、更に好ましくは、−5℃以下とすることにより、表面改質時に発生する熱による機内融着を防止することができる。該ジャケット内に導入する冷媒の温度が5℃を超えると、表面改質時に発生する熱による機内融着を起こす場合がある。
更に、本発明のトナー粒子の製造方法においては、該表面改質装置内の分級ローター後方の温度T2を60℃以下とすることが好ましい。該表面改質装置内の分級ローター後方の温度T2を60℃以下、好ましくは50℃以下とすることにより、表面改質時に発生する熱による機内融着を防止することができる。該表面改質装置内の分級ローター後方の温度T2が60℃を超えると、表面改質ゾーンにおいては、それ以上の温度が影響するため、表面改質時に発生する熱による機内融着を起こす場合がある。
更に、本発明のトナー粒子の製造方法においては、表面改質装置内の該分散ローターとライナーとの間の最小間隔が0.5mm乃至15.0mmとすることが好ましく、更には、1.0mm乃至10.0mmとすることが好ましい。また、該分散ローターの回転周速は75m/sec乃至200m/secとすることが好ましく、更には、85m/sec乃至180m/secとすることが好ましい。更に、表面改質装置内の該分散ローター上面に設置されている角型のディスク或いは円筒形のピンの上部と、該円筒型のガイドリングの下部との間の最小間隔が2.0mm乃至50.0mmとすることが好ましく、更には、5.0mm乃至45.0mmとすることが好ましい。
本発明において、該表面改質装置内の分散ローター及びライナーの粉砕面は耐摩耗処理されていることがトナー粒子の生産性上好ましい。尚、耐摩耗処理方法は何ら限定されるものではない。また、該表面改質装置内の分散ローター及びライナーの刃形状に関しても、何ら限定されるものではない。
本発明のトナー粒子製造方法としては、あらかじめ所望の粒径付近に微粒子化された原料トナー粒子を、気流式分級機を用いて微粉及び粗粉をある程度除去した上で、表面改質装置によってトナー粒子の表面改質及び超微粉成分の除去を行うことが好ましい。あらかじめ微粉を除去しておくことにより、表面改質装置内でのトナー粒子の分散が良好になる。特に、トナー粒子中の微粉成分は、比表面積が大きく、他の大きなトナー粒子と比較して相対的に帯電量が高いために他のトナー粒子からの分離がされにくく、分級ローターで適正に超微粉成分が分級されない場合があるが、あらかじめトナー粒子中の微粉成分を除去しておくことによって、表面改質装置内で個々のトナー粒子が分散しやすくなり、超微粉成分が適正に分級ローターによって分級され、所望の粒度分布を有するトナー粒子を得ることができる。気流式分級機によって微粉を除去されたトナーは、コールターカウンター法を用いて測定される粒度分布において、4μm未満のトナー粒子の個数基準の粒度分布の累積値が10個数%以上50個数%未満、好ましくは15個数%以上45個数%未満、より好ましくは15個数%以上40個数%未満であることが好ましく、本発明の表面改質装置によって効果的に超微粉成分を除去することができる。本発明で用いられる気流式分級機としては、エルボージェット(日鉄工業社製)等があげられる。
更に本発明においては、該表面改質装置内の分散ローター及び分級ローターの回転数等を制御することにより、トナー粒子の円形度、及びトナー粒子中の0.6μm以上3μm未満の粒子比率をより適正な値に制御することができる。
本発明においては、メタノール/水混合溶媒に対するトナー粒子の濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した時に、透過率が80%の時のメタノール濃度及び透過率50%の時のメタノール濃度が35〜75体積%、好ましくは40〜70体積%、より好ましくは45〜65体積%、より好ましくは45〜60体積%の範囲内であることが好ましい。このようなメタノール濃度−透過率特性を有するトナー粒子は、本発明の特徴とする表面改質装置を用いて、表面改質処理条件を適切な条件にすることによって得られ、トナー粒子表面における各原材料の露出割合が適切であり、適度且つシャープな帯電性をトナー粒子にもたらすことができる。
また、本発明のトナー粒子は平均円形度が0.935以上0.970未満であり、トナーとしたときの流動性に優れる。このように流動性が良く、且つ帯電量分布がシャープであるトナーは、トナー容器内でトナーが均一且つ高い帯電性を有することができ、長期の使用においても良好且つ安定した画像濃度を得ることができる。特に高温高湿環境下のようなトナーが凝集して流動性が悪化したり、また、帯電量が低下しやすい環境下において特に有効に作用する。
トナー粒子の、透過率が80%の時のメタノール濃度及び透過率が50%の時のメタノール濃度が40体積%より低いと、トナーの帯電性が不十分となり、画像濃度が劣るようになる場合がある。また、透過率が80%の時のメタノール濃度及び透過率が50%の時のメタノール濃度が75体積%を超えると、トナーの凝集性が高くなるために十分な流動性が得られなくなり、高温高湿環境下での現像性が不十分となる場合がある。
また、トナー粒子の、透過率が80%の時のメタノール濃度と透過率が50%の時のメタノール濃度の濃度差が10%以下、好ましくは7%以下、より好ましくは5%以下であることが好ましく、より良好な現像性をトナーに付与することができる。濃度差が10%を超えると、トナーの表面状態が不均一になり、不正に現像されるトナーが増加してカブリが増加する場合がある。
本発明で用いられる無機微粒子としては、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化スズの如き酸化物;チタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウムやジルコン酸カルシウムの如き複酸化物;炭酸カルシウム及び、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩化合物等があるが、現像性、流動性向上のために、シリカ、酸化チタン、アルミナ、あるいはそれらの副酸化物から選ばれることが好ましい。
特に好ましいのは、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉末であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次のようなものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、本発明に用いられるシリカとしてはそれらも包含する。
本発明においては、小粒径無機微粒子、大粒径無機微粒子ともに乾式法シリカであることが、両者を均一に混合し、疎水化処理するし易さ、また、トナーに帯電性や流動性を与えやすいという観点で特に好ましい。
本発明に用いられる無機微粒子は、ネガトナー、ポジトナーのどちらにも適用可能であり、無機微粒子と反応或いは物理吸着する、シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物の如き処理剤の一種又は二種以上により疎水化処理されていることが必要である。
特にシラン化合物,シリコーンオイルで処理されたものが好ましく、中でも両者で処理されたものが特に好ましい。すなわち、この2つのタイプの処理剤で表面処理することで疎水化度分布を高疎水性のものに揃え、しかも均質に処理でき、優れた流動性,均一帯電性,耐湿性を付与できるようになり、トナーに良好な現像性、特に高湿下での現像性,耐久安定性を与えることができる。
シラン化合物としては、メトキシシラン,エトキシシラン,プロポキシシラン等のアルコキシシラン類、クロルシラン,ブロモシラン,ヨードシラン等のハロシラン類、シラザン類、ハイドロシラン類、アルキルシラン類、アリールシラン類、ビニルシラン類、アクリルシラン類、エポキシシラン類、シリル化合物類、シロキサン類、シリルウレア類、シリルアセトアミド類、及びこれらのシラン化合物類が有する異種の置換基を同時に有するシラン化合物類があげられる。これらのシラン化合物を用いることにより、流動性,転写性,帯電安定化が得られる。これらのシラン化合物は複数用いても良い。
具体例として、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。これらは1種或いは2種以上の混合物として用いても良い。
本発明に好ましく用いられるシリコーンオイルとしてはアミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、異種官能基変性の如き反応性シリコーン;ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、脂肪酸変性、アルコキシ変性、フッ素変性の如き非反応性シリコーン;ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、ジフェニルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーンの如きストレートシリコーンがあげられる。
これらのシリコーンオイルの中でも、置換基として、アルキル基、アリール基、水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたアルキル基、水素を置換基として有するシリコーンオイルが好ましい。具体的には、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルである。
これらのシリコーンオイルは、25℃における粘度が5〜2,000mm2/sであることが好ましく、より好ましくは10〜1,000mm2/s、さらに好ましくは30〜100mm2/sである。5mm2/s未満では十分な疎水性が得られないことがあり、2,000mm2/sを超える場合には無機微粒子処理時に均一に処理しずらくなったり、凝集物ができやすく十分な流動性が得られないことがある。
また、本発明の疎水性無機微粒子は、窒素含有のシラン化合物Nで処理したものを用いてもよく、特にポジトナーに適用する場合に好ましい。そのような処理剤の例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール等がある。これらの処理剤は1種あるいは2種以上の混合物あるいは併用や多重処理して用いられる。
さらには他の有機処理として側鎖に窒素原子を有するシリコーンオイルNで処理することも可能であり、特にポジトナーに適用する場合は好ましい。そのようなシリコーンオイルとしては、少なくとも下記式(3),(4)で表される部分構造を具備するシリコーンオイルがある。
Figure 2005070758
[式中、R1は水素,アルキル基,アリール基またはアルコキシ基を示し、R2はアルキレン基またはフェニレン基を示し、R3及びR4は水素,アルキル基またはアリール基を示し、R5は含窒素複素環基を示す。]
なお、上記アルキル基、アリール基、アルキレン基、フェニレン基は窒素原子を有するオルガノ基を有していても良いし、ハロゲン等の置換基を有していても良い。
これらのシリコーンオイルは1種あるいは2種以上の混合物あるいは併用や多重処理して用いられる。また、シラン化合物による処理と併用しても構わない。
上記無機微粒子のシラン化合物処理は、無機微粒子を撹拌等によりクラウド状としたものに気化したシラン化合物を反応させる乾式処理又は、無機微粒子を溶媒中に分散させ、シラン化合物を滴下反応させる湿式法等、一般に知られた方法で処理することができる。
無機微粒子のシラン化合物処理は、無機微粒子原体100質量部に対し、処理剤を5〜40質量部、好ましくは5〜35質量部、より好ましくは10〜30質量部添加して処理することが好ましい。
オイルによる処理量としては、無機微粒子100質量部に対し3〜35質量部である場合に、トナーに添加した場合に均一に分散しやすく、高温高湿での濃度薄も発生しにくいために好ましい。
特に本発明では、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理後に、さらにシリコーンオイルで処理された疎水性無機微粒子が特に好ましく用いられる。ヘキサメチルジシラザンによる処理は、処理の均一性に優れ、流動性の良いトナーが得られるが、ヘキサメチルジシラザンによる処理だけでは高温高湿環境での帯電が安定しにくい。逆にシリコーンオイルによる処理は、高温高湿環境での帯電は高く保てるが、均一な処理が難しく、均一に処理しようとすると処理に必要なシリコーンオイルの量が多くなり、流動性が悪化しやすくなる。ヘキサメチルジシラザンで処理後にシリコーンオイルで処理を行なうと、少ないオイルの量で均一な処理が可能になる為、高い流動性と高温高湿環境での帯電安定性の両立が可能になる。
本発明の疎水性無機微粒子は、たとえば以下のようにして疎水化処理を行なうことができる。
小粒径無機微粒子と大粒径無機微粒子の原体を、任意の質量比であらかじめヘンシェルミキサー等で混合したものを処理槽に投入、あるいは混合せずに任意の質量比でそれぞれを処理槽に直接投入して、処理槽内を撹拌翼等で機械的に、あるいはエア撹拌することで小粒径無機微粒子と大粒径無機微粒子を混合しながら、ヘキサメチルジシラザンを所定量滴下或いは噴霧して充分に混合する。このとき、ヘキサメチルジシラザンをアルコールの如き溶媒で希釈して処理することも出来る。混合分散した処理剤を含む無機微粒子原体はパウダーリキッドを形成しており、このパウダーリキッドを窒素雰囲気中でヘキサメチルジシラザンの沸点以上の温度(好ましくは、150乃至250℃)に加熱し、0.5乃至5時間、撹拌しながら還流する。その後、必要に応じて余剰の処理剤等を除去することも可能である。
シリコーンオイルによる原体無機微粒子表面の疎水化処理方法には、公知の技術が用いられ、例えば、ヘキサメチルジシラザン処理と同様に、小粒径無機微粒子と大粒径無機微粒子の原体を、任意の質量比であらかじめヘンシェルミキサー等で混合したものを処理槽に投入、あるいは混合せずに任意の質量比でそれぞれを処理槽に直接投入して、処理槽内を撹拌翼等で機械的に、あるいはエア撹拌することで小粒径無機微粒子と大粒径無機微粒子を混合しながら、無機微粒子とシリコーンオイルとを混合する。シリコーンオイルとの混合はヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合させてもよいし、原体無機微粒子へシリコーンオイルを噴霧する方法によってもよい。或いは、適当な溶剤に、シリコーンオイルを溶解或いは分散せしめた後、ベースの無機微粒子と混合し、その後、溶剤を除去して作製してもよい。
シラン化合物及びシリコーンオイルで処理する場合には、原体無機微粒子をシラン化合物で処理後、シリコーンオイルを噴霧し、その後、200℃以上で加熱処理する方法が好適に用いられる。
本発明で使用する疎水性無機微粒子の作製に良好に用いられる方法としては、未処理の小粒径無機微粒子と未処理の大粒径無機微粒子、未処理の小粒径無機微粒子とシラン化合物処理した大粒径無機微粒子、シラン化合物処理した小粒径無機微粒子と未処理の大粒径無機微粒子、シラン化合物処理した小粒径無機微粒子とシラン化合物処理した大粒径無機微粒子、のうちから選ばれるいずれかの組み合わせの小粒径無機微粒子と大粒径無機微粒子を、同一の処理槽内で同時にシラン化合物又はシリコーンオイルで処理、あるいはシラン化合物およびシリコーンオイルにより処理するものである。
特に、小粒径無機微粒子と大粒径無機微粒子の均一混合性という観点で、未処理の小粒径無機微粒子と未処理の大粒径無機微粒子の組み合わせが最も好ましい。
本発明に係る疎水性無機微粒子の疎水化処理方法としては、小粒径無機微粒子と大粒径無機微粒子の原体を所定量バッチ内に仕込み、高速で撹拌することで小粒径無機微粒子と大粒径無機微粒子の原体を均一に混合し、混合しながら混合物の処理をバッチ内で行なうバッチ式処理方法が好ましく、バッチ式処理方法によって得られた疎水性無機微粒子は、均一に処理が施され、品質的にも安定したものが再現性良く得られる。
疎水化処理方法として特に好ましいのは、未処理の小粒径無機微粒子と未処理の大粒径無機微粒子をバッチ式処理槽でシラン化合物処理し、処理物を取り出さずにその後さらに同じ処理槽でシリコーンオイル処理を行なう方法が、均一処理、均一分散という点で優れている。
本発明では、このように疎水化処理された無機微粒子の中でも、メタノール濡れ性が60%以上(好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上)であるものを用いることが好ましい。メタノール濡れ性は疎水性無機微粒子の疎水化度をあらわし、メタノール濃度が高いものほど疎水性が高いことを示す。疎水性無機微粒子のメタノール濡れ性が60%未満であると、無機微粒子が吸湿しやすくなる為、高温高湿環境でトナーを長期にわたって使用した場合に帯電量の低下による濃度薄が発生しやすい。
メタノール滴下透過率曲線にショルダーが存在しないということは、疎水性無機微粒子に含まれる小粒径無機微粒子、大粒径無機微粒子それぞれが偏析せずに、1次粒子のレベルで均一に混合されており、しかも疎水化処理も無機微粒子の粒径による処理の差が無く、各粒子が均一に処理されていることを示している。メタノール滴下透過率曲線にショルダーが存在すると、疎水化処理が不均一であったり、小粒径無機微粒子と大粒径無機微粒子が均一に混合されておらず、トナーに添加しても1次粒子レベルで分散させることが難しくなったりする場合があり、トナーの帯電が安定せずにカブリが増えたり、長期の使用により濃度薄が発生したりする為、好ましくない。
本発明の疎水性無機微粒子は、カラートナー、モノクロトナー、磁性トナー、非磁性トナー等いずれのトナーにも適用可能であり、現像方式に関しても、二成分現像、磁性一成分現像、非磁性一成分現像等、いずれの現像方式においても効果が得られる。
なかでも、本発明の疎水性無機微粒子は、現像剤担持体と該現像剤担持体に当接してトナー層厚を規制するトナー層厚規制部材を有する画像形成方法に特に好ましく適用され、さらには、プロセススピードが300mm/秒以上である画像形成方法に用いられるトナーに添加した場合に特に優れた効果を発揮する。現像剤担持体に当接してトナー層厚を規制すると、トナーはトナー層厚規制部材により現像剤担持体に強く押し付けられる為、トナーにかかる機械的な負荷が非常に大きくなる。特にプロセススピードが300mm/秒以上である場合には、当接部位が摩擦により局所的にかなり昇温するので、トナーも温度が高い状態で摩擦されて、トナー粒子表面に付着した無機微粒子が埋め込まれやすく、劣化して濃度薄を発生しやすい。本発明の疎水性無機微粒子は、トナー粒子表面に均一に分散されやすく、大粒径無機微粒子の劣化防止効果が発揮されやすい為、現像剤担持体に当接してトナー層厚を規制するトナー層厚規制部材を有する現像器の高速化に対応することができる。
本発明に使用される結着樹脂の種類としては、スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂又は石油系樹脂が挙げられる。
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、ビニルトルエンの如きスチレン誘導体;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルの如きメタクリル酸エステル;マレイン酸;マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカルボン酸エステル;アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンの如きエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンの如きビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテルが挙げられる。これらのビニル系単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
本発明においては、スチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体が特に好ましい結着樹脂として用いられ、それによりトナー粒子の円形度を適切な値に制御しやすくなる。
本発明で使用する結着樹脂は、保存性の観点から、ガラス転移温度(Tg)が45〜80℃、好ましくは50〜70℃である。Tgが45℃より低いと高温雰囲気下でのトナーの劣化や定着時でのオフセットの原因となりやすい。また、Tgが80℃を超えると、定着性が低下する傾向にある。
Tgの測定方法は、TAインスツルメンツ社製Q−1000を用いて、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、昇温速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。定義は次のように定める。
・ガラス転移点(Tg)
昇温時のDSC曲線において比熱変化の現われる前後のベースラインの中間点を結ぶ線とDSC曲線の交点の温度。
また、結着樹脂のピーク分子量は3000〜30000、好ましくは5000〜25000、より好ましくは8000〜20000であることが好ましく、これによりトナー粒子に適度な硬さを有するようになり、トナー粒子の表面改質を行いやすくなる。
本発明において、結着樹脂の、THF(テトラハイドロフラン)を溶媒としたGPCによる分子量分布は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラハイドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料のTHF溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良い。たとえば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(HXL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),G4000H(HXL),G5000H(HXL),G6000H(HXL),G7000H(HXL),TSKguardcolumnの組み合わせを挙げることができる。
試料は以下のようにして作製する。
試料をTHFに入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。このときTHF中への試料の放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えば、マイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの測定試料とする。試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
本発明の結着樹脂の重合法としては、溶液重合法、乳化重合法や懸濁重合法が挙げられる。
本発明に用いられる結着樹脂は、以下に例示する様な多官能性重合開始剤単独あるいは単官能性重合開始剤と併用して生成することが好ましい。
多官能構造を有する多官能性重合開始剤の具体例としては、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリックアシッド−n−ブチルエステル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−t−ブチルパーオキシオクタン及び各種ポリマーオキサイドの1分子内に2つ以上のパーオキサイド基の如き重合開始機能を有する官能基を有する多官能性重合開始剤;及びジアリルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート及びt−ブチルパーオキシイソプロピルフマレート等の1分子内に、パーオキサイド基の如き重合開始機能を有する官能基と重合性不飽和基の両方を有する多官能性重合開始剤から選択される。
これらの内、より好ましいものは、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、及びt−ブチルパーオキシアリルカーボネートである。
これらの多官能性重合開始剤は、トナー用バインダーとして要求される種々の性能を満足する為には、単官能性重合開始剤と併用されることが好ましい。特に該多官能性重合開始剤の半減期10時間を得る為の分解温度よりも低い半減期10時間を有する重合開始剤と併用することが好ましい。
具体的には、ベンゾイルパーオキシド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシクメン、ジ−t−ブチルパーオキシドの如き有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノアゾベンゼン等のアゾおよびジアゾ化合物が挙げられる。
これらの単官能性重合開始剤は、前記多官能性重合開始剤と同時にモノマー中に添加しても良いが、該多官能性重合開始剤の効率を適正に保つ為には、重合工程において該多官能性重合開始剤の示す半減期を経過した後に添加するのが好ましい。
これらの重合開始剤は、効率の点からモノマー100質量部に対し0.05〜2質量部で用いるのが好ましい。
結着樹脂は架橋性モノマーで架橋されていることも好ましい。
架橋性モノマーとしては主として2個以上の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いらる。具体例としては、芳香族ジビニル化合物(例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等);アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び、以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);更には、ポリエステル型ジアクリレート化合物類(例えば、商品名MANDA(日本化薬))が挙げられる。多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート;等が挙げられる。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、0.00001〜1質量部、好ましくは0.001〜0.05質量部の範囲で用いることが好ましい。
結着樹脂組成物を製造する方法として、溶液重合法により高分子量重合体と低分子量重合体を別々に合成した後にこれらを溶液状態で混合し、次いで脱溶剤する溶液ブレンド法、また、押出機等により溶融混練するドライブレンド法、溶液重合法等により得られた低分子量重合体を溶解した高分子量重合体を構成するモノマーに溶解し、懸濁重合を行い、洗浄・乾燥し、樹脂組成物を得る二段階重合法等が挙げられる。但し、ドライブレンド法では、均一な分散・相溶の点で改善すべき点がある。二段階重合法だと均一な分散性等に利点が多いが、低分子量分を高分子量分以上に増量することができ、分子量の大きい高分子量重合体の合成ができ、不必要な低分子量重合体が副生成するという問題が少ないことから、溶液ブレンド法が最も好適である。また、低分子量重合体成分に所定の酸価を導入する場合には、水系媒体を使用するの重合法に比べて酸価の設定が容易である溶液重合が好ましい。
本発明で、結着樹脂として用いられるポリエステル樹脂の組成の例を以下に示す。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(A)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
Figure 2005070758
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0〜10である。)
式(B)で示されるジオール類;
Figure 2005070758
2価の酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、又は低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸の如きアルケニルコハク酸もしくはアルキルコハク酸、又はその無水物、又は低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物、又は低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
また、架橋成分として働く3価以上のアルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが好ましい。
3価以上の多価アルコール成分としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
また、本発明における三価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−シカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;次式
Figure 2005070758
(式中、Xは炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素数5〜30のアルキレン基又はアルケニレン基である。)
で表わされるテトラカルボン酸、及びこれらの無水物、又は低級アルキルエステルの如き多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
アルコール成分としては40〜60mol%、好ましくは45〜55mol%、酸成分としては60〜40mol%、好ましくは55〜45mol%であることが好ましい。
また三価以上の多価の成分は、全成分中の5〜60mol%であることが好ましい。該ポリエステル樹脂も通常一般に知られている縮重合によって得られる。
本発明のトナーには、荷電制御剤を含有させることが好ましい。
トナーを負荷電性に制御するものとして下記化合物が挙げられる。
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類などがある。
中でも、下記一般式(1)で表わされるアゾ系金属錯体が好ましい。
Figure 2005070758
特に中心金属としてはFeが好ましく、置換基としてはハロゲン、アルキル基又はアニリド基が好ましく、カウンターイオンとしては水素、アルカリ金属、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムが好ましい。またカウンターイオンの異なる錯塩の混合物も好ましく用いられる。
あるいは次の一般式(2)に示した塩基性有機酸金属錯体も負帯電性を与える荷電制御剤として好ましい。
Figure 2005070758
特に中心金属としてはFe,Cr,Si,Zn又はAlが好ましく、置換基としてはアルキル基、アニリド基、アリール基、ハロゲンが好ましく、カウンターイオンは水素、アンモニウム、脂肪族アンモニウムが好ましい。
トナーを正荷電性に制御するものとして下記の化合物がある。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート;グアニジン化合物、イミダゾール化合物。これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。また一般式(3)
Figure 2005070758
で表わされるモノマーの単重合体:前述したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いることができる。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
特に下記一般式(4)で表わされる化合物が本発明の正荷電制御剤として好ましい。
Figure 2005070758
電荷制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー粒子内部に添加する方法とトナー粒子の外部に外添する方法がある。これらの電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
本発明のトナーはワックスを含有してもよい。本発明に用いられるワックスには次のようなものがある。例えばパラフィンワックスおよびその誘導体、モンタンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、カルナバワックスおよびその誘導体などである。誘導体には酸化物やビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
本発明のトナーにおいては、これらのワックス総含有量は、結着樹脂100質量部に対し、0.1〜15質量部で用いられ、好ましくは0.5〜12質量部で用いるのが効果的である。
これらのワックスは、示差熱分析測定装置(DSC)を用いて測定される融点が65℃以上130℃未満、好ましくは70°以上120℃未満、更に好ましくは70℃以上110℃未満、更に好ましくは75℃以上100℃未満であることが低温定着、所望のトナー表面平滑性を得る上で好ましい。トナー粒子中にこのような融点を有するワックスは適度な硬さを有しており、トナー粒子の表面改質工程において所望の円形度、粒度分布、表面面粗さを有するトナー粒子を効果的に得ることができる。ワックスの融点が65度未満の場合、トナーの保存性が悪化する場合がある。ワックスの融点が130℃を超えると、トナー粒子が硬くなりすぎて表面改質されたトナーの生産性が悪化する場合がある。しかしながら、一方ワックスの低融点化はトナー表面にワックスが染み出し易く、トナー劣化が生じ易く、耐久性に問題を生じる傾向がある。本発明の外添構成により、低温定着性に有効な融点の低いワックスを現像性を損なうことなく使用可能となる。
<ワックスの融点の測定方法>
試料:0.5〜2mg、好ましくは1mg
測定法:試料をアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。
温度曲線:昇温I(20℃〜180℃、昇温速度10℃/min)
降温I(180℃〜10℃、降温速度10℃/min)
昇温II(10℃〜180℃、昇温速度10℃/min)
上記温度曲線において昇温IIで測定される吸熱ピーク温度を融点とする。
本発明のトナーは磁性体を含有する場合、磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。トナーに使用される磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられる。
これらの磁性体は個数平均粒径が0.05〜1.0μmが好ましく、更には0.1〜0.5μmのものが好ましい。磁性体はBET比表面積が2〜40m2/g(より好ましくは4〜20m2/g)のものが好ましく用いられる。形状には特に制限はなく、任意の形状のものが用いられる。磁気特性としては、磁場795.8kA/m下で飽和磁化が10〜200Am2/kg(より好ましくは70〜100Am2/kg)、残留磁化が1〜100Am2/kg(より好ましくは2〜20Am2/kg)、抗磁力が1〜30kA/m(より好ましくは2〜15kA/m)であるものが好ましく用いられる。これらの磁性体は結着樹脂100質量部に対し、20〜200質量部で用いられる。好ましくは40〜150質量部で用いられる。
個数平均径は、透過電子顕微鏡等により拡大撮影した写真をデジタイザー等で測定することにより求めることができる。磁性体の磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業社製)を用いて外部磁場795.8kA/mの下で測定することができる。比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することができる。
本発明のトナーに使用し得るその他の着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。顔料としてカーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等が挙げられる。これらは定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量が用いられ、結着樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部の添加量が良い。染料としては、アゾ系染料、アントラキノン染料、キサンテン系染料、メチン系染料等が挙げられる。染料は結着樹脂100質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部の添加量が良い。
トナーの重量平均粒径及び粒度分布はコールターカウンター法を用いて行うが、例えばコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることが可能である。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えばISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナー粒子の体積・個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)を算出する。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用いる。
本発明のトナーは、キャリアと併用して二成分現像剤として用いることができる。二成分現像方法に用いる場合のキャリアとしては、従来知られているものが使用可能である。具体的には、表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属及びそれらの合金または酸化物で形成される平均粒径20〜300μmの粒子がキャリア粒子として使用される。
キャリア粒子の表面は、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂の如き物質を付着または被覆されているものが好ましい。
本発明に係るトナー粒子は、結着樹脂と着色剤と、必要に応じてその他の成分を含有する組成物を溶融混練(混練工程)し、得られた混練物を粉砕(粉砕工程)することによって得られたものであることが好ましい。トナー粒子の構成材料は、ボールミルその他の混合機により十分混合した後、熱混練機を用いてよく混練することが好ましい。また粉砕工程は、粗粉砕工程と微粉砕工程に分かれていても良く、またその後に、分級(分級工程)を行っても良い。更に、本発明に係るトナー粒子の平均円形度及び平均面粗さを満たすために、上述したような表面改質装置を用いてトナー粒子の表面改質を行う方法が好ましく、特には分級工程後に表面改質を行うことが好ましい。また、微粉除去を、表面改質と同時に行うことが好ましい。
混練工程を経てトナーを製造した場合、トナー粒子の構成材料が粒子中で均一、且つ微細に分散させることができる。また、構成材料が良好に分散された混練物を粉砕することにより、トナー粒子表面における構成材料の分布が好適なものとなり、その結果、本発明の特徴とする特定の平均面粗さ、平均円形度を有するトナー粒子の効果を十分に発揮することができる。混練工程、粉砕工程を経ずにトナー粒子を製造した場合、トナー粒子表面における構成材料の分布の制御が困難となり、トナー粒子が適正な平均面粗さ、平均円形度を有していたとしても、十分な効果を発揮しにくくなる傾向にある。
例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられる。粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)が挙げられる。分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラッシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボフレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられる。粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所杜);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
以下、具体的実施例によって本発明を説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
[トナー粒子1の調製]
・結着樹脂(スチレン−ブチルアクリレート共重合体、St/BA=83/17、メイン ピーク分子量=10000、サブピーク分子量=65万、Mn=5500、Mw=35 万) 100質量部
・磁性体(球状、個数平均粒径0.2μm、1キロエルステッドの磁場における磁気特性
〔σr=5.1Am2/kg、σs=69.6Am2/kg〕) 90質量部
・モノアゾ鉄錯体(T77、保土ヶ谷化学工業) 1質量部
・ワックス(低分子量ポリエチレン、DSCピーク=102℃、Mn=850、Mw=
1250) 4質量部
上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、100℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業社製;回転子および固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティング(めっき厚150μm、表面硬さHV1050))を用いて、表1の条件表に基づき、エアー温度を調整して機械式粉砕させて微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉を同時に分級除去した。そこで得られた原料トナー粒子のコールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)は6.6μm、4μm未満のトナー粒子の個数基準の粒度分布の累積値は24.8個数%であった。その原料トナー粒子を、図1に示す表面改質装置で表面改質及び微粉除去を行った。その際、本実施例においては、分散ローター上部に角型のディスクを16個設置し、ガイドリングと分散ローター上角型ディスクの間隔を60mm、分散ローターとライナーとの間隔を3.5mmとした。また分散ローターの回転周速を140m/secとし、ブロワー風量を30m3/minとした。また微粉砕品の投入量を300kg/hrとし、サイクルタイムを45secとした。またジャケットに通す冷媒の温度を−15℃、冷風温度T1を−20℃とした。更に、分級ローターの回転数を制御することにより、0.6μm以上3μm未満の粒子比率を所望の値とした。以上の工程を経て、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)6.8μm、4μm未満のトナー粒子の基準の粒度分布の累積値が18個数%の負帯電性トナー粒子1を得た。トナー粒子1の、FPIA2100で測定された物性及び走査型プローブ顕微鏡測定値を表2に示す。
[トナー粒子2〜5の調製]
ターボミルの微粉砕条件及び、多分割分級装置での分級条件、及び表面改質装置の条件を表1に示すように変更し、以外はトナー粒子1と同様にしてトナー粒子2〜5を得た。トナー粒子2〜10の、FPIA2100で測定された物性、及び走査型プローブ顕微鏡測定値を表2に示す。
[トナー粒子6の調製]
ターボミルの微粉砕条件を表1に示すように変更し、多分割分級装置での分級条件を変更し、得られたトナー粒子を300℃の熱風中を瞬間的に通過させる処理を行った以外はトナー1と同様にしてトナー粒子6を得た。トナー粒子6の、FPIA2100で測定された物性、及び走査型プローブ顕微鏡測定値を表2に示す。
[トナー粒子7の調製]
機械式粉砕機を用いずにジェット気流式粉砕機を用い、多分割分級装置での分級条件を変更し、更に表面改質装置による表面改質を行わなかった以外はトナー粒子1と同様にしてトナー粒子7を得た。トナー粒子7の、FPIA2100で測定された物性及び、走査型プローブ顕微鏡測定値を表2に示す。
Figure 2005070758
Figure 2005070758
Figure 2005070758
Figure 2005070758
Figure 2005070758
[実施例1〜7、比較例1〜5]
トナー粒子1〜7を用いそれぞれのトナー粒子に対し、表3に示す無機微粒子A及び表4に示す無機微粒子Bを、表5に示す組み合わせでトナー粒子100質量部に対し表5に示す割合でヘンシェルミキサーにて外添混合しトナー1〜12を得た。
この実施例トナー1の、FPIA2100で測定された円相当径3μm以上400μm以下のトナーにおける平均円形度は0.947であり、走査型プローブ顕微鏡で測定されるトナー1の平均面粗さは18.0nmであった。
また、このうち比較例トナー12の、FPIA2100で測定された円相当径3μm以上400μm以下のトナーにおける平均円形度は0.920であり、走査型プローブ顕微鏡で測定されるトナー10の平均面粗さは28.5nmであった。
次に、調製されたトナーを用いて、以下に示すような方法によって評価を行った。評価結果を表6に示す。
Hewlett−Packard社製レーザービームプリンターLaser Jet4300nを1.1倍速及び現像カートリッジの現像ブレード当接圧を1.1倍に改造した装置を用いて以下の評価を行った。
(1)画像濃度、カブリ
低温低湿環境下(15℃、10%RH)、高温高湿環境下(32.5℃,80%RH)の各環境下で、2枚/10秒のプリント速度、印字比率5%で複写機用普通紙(A4サイズ:75g/m2)に9000枚の画出し試験を行い、一日放置して再び9000枚、計18000枚の画出し試験を行った。結果を表6に示す。
画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
リフレクトメーター(東京電色(株)製)により測定した転写紙の白色度と、ベタ白をプリント後の転写紙の白色度との比較からカブリを算出した。
(2)スリーブネガゴースト
通常の複写機用普通紙(A4サイズ:75g/m2)に、低温低湿環境下(15℃,10%RH)で18000枚プリントアウトし、4500枚ごとにスリーブネガゴーストの評価を行った。ゴーストに関する画像評価には、スリーブ一周分だけベタ黒の帯を出力した後ハーフトーンの画像を出力した。パターンの概略図を図3に示す。評価方法は、一枚のプリント画像のうち、スリーブ2周目で、1周目で黒画像が形成された場所(黒印字部)と、されない場所(非画像部)での、マクベス濃度反射計により測定された反射濃度の差を下記のごとく算出した。ネガゴーストは、一般的にスリーブ2周目で出る画像において、スリーブ1周目に黒印字部だった部分の画像濃度が、スリーブ1周目に非画像部だった部分の画像濃度よりも低く、1周目で出したパターンの形がそのまま現れるゴースト現象である。ここの濃度差を、反射濃度差を測定することにより評価を行った。
反射濃度差=反射濃度(像形成されない場所)−反射濃度(像形成された場所)
反射濃度差が小さいほどゴーストの発生はなくレベルは良い。ゴーストの総合評価としてA、B、C、Dの4段階で評価し、4500枚ごとの評価の中での最悪の評価結果を表6に示す。
反射濃度差 0.00以上0.02未満:A
0.02以上0.04未満:B
0.04以上0.06未満:C
0.06以上:D
(3)飛び散り
常温常湿環境下(23℃,50%RH)で(1)同様の耐久を行い、初期と18000枚時に100μm(潜像)ラインでの格子パターン(1cm間隔)をプリントし、その飛び散りを光学顕微鏡を用いて目視で評価した。
A:ラインが非常にシャープで飛び散りはほとんどない
B:わずかに飛び散っている程度でラインは比較的シャープ
C:飛び散りがやや多くラインがぼんやりした感じになる
D:Cのレベルに満たない
(4)初期濃度立ち上がり
常温常湿環境下(23℃,50%RH)において、トナー充填量80gとし、現像ブレードを何も塗布しない状態の新品に交換し、2枚/10秒で100枚まで耐久し、その濃度変動を1枚目と100枚目における差として評価した。
尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
(6)定着性
定着性は、90g/m2の坪量の複写機用普通紙を用いて、低温低湿環境(7.5℃・10%RH)で、Hewlett−Packard社製レーザービームプリンターLaser Jet4300n改造機を用いて、立ち上げ直後に得られた画像を4.9kPaの圧力をかけ、柔和な薄紙により定着画像を摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)を測定し、下記評価基準に従い評価した。なお、画像上のトナーの載り量を5g/m2とした。
A:2%未満
B:2〜4%
C:4〜8%
D:8%超え
Figure 2005070758
本発明の表面改質工程において使用される一例の表面改質装置の概略的断面図である。 図1に示す分散ローターの上面図の一例を示す概略図である。 スリーブゴーストを評価するためのパターンの説明図である。
符号の説明
31 分級ローター
32 微粉回収
33 原料供給口
34 ライナー
35 冷風導入口
36 分散ローター
37 製品排出口
38 排出弁
39 ガイドリング
40 角型ディスク
41 第一の空間
42 第二の空間

Claims (9)

  1. 少なくとも、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と、粒径が異なる2種以上の無機酸化物微粒子とを含有するトナーにおいて、
    1)該第一の無機酸化物微粒子Aは、中心粒径が7nm以上20nm未満であり、かつ無機酸化物微粒子Aのトナー母粒子に対する被覆率Aが0.5〜2.0であり、2)第二の無機酸化物微粒子Bは中心粒径が20nm以上50nm以下であり、かつ無機酸化物微粒子Bのトナー母粒子に対する被覆率Bが0.02〜0.15であり、3)第一の無機酸化物微粒子Aと第二の無機酸化物微粒子Bの粒径差が10nm以上35nm以下であり、無機酸化物全量の被覆率(A+B)に対する無機酸化物微粒子Bの占める割合X[={被覆率B/(被覆率A+被覆率B)}×100]が1.0〜14.0%であり、
    フロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子における平均円形度Yが0.935〜0.970であり、トナー粒子の平均円形度Yと無機酸化物全量の被覆率Xとの関係が次式を満足することを特徴とするトナー。
    10×10-3×X−0.925≦Y≦3.6×10-3×X+0.915
  2. 該トナー粒子の走査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが5.0nm以上35.0nm未満であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該トナー粒子のフロー式粒子像測定装置で計測される円相当径0.6μm以上400μm以下のトナー粒子における個数基準の粒径分布において、0.6μm以上3μm未満のトナー粒子比率が0個数%以上20個数%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該トナー粒子の円形度0.960未満の個数累積値が20%以上70%未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 該トナー粒子の走査型プローブ顕微鏡で測定される最大高低差が50nm以上250nm未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 該無機酸化物微粒子A及び、無機酸化物微粒子Bはどちらか一方又は共にシラン化合物による処理されているシリカ微粒子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 該無機酸化物微粒子A及び、無機酸化物微粒子Bはどちらか一方又は共にシリコーンオイルによる処理されているシリカ微粒子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  8. 該無機酸化物微粒子A及び、無機酸化物微粒子Bはどちらか一方又は共にシラン化合物及びシリコーンオイルにより処理されているシリカ微粒子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  9. フロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナーにおける平均円形度が0.935以上0.970未満であり、該トナーの走査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが10.0nm以上26.0nm未満であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
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