JP2019159022A - トナー、2成分現像剤、現像装置及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
以下に実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、(現セイコーインスツル株式会社製、型番:DSC220)を用いて、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じて、試料1gを昇温速度10℃/分で加熱してDSC曲線を測定する。得られたDSC曲線において、ガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とする。
電解液(ベックマン・コールター株式会社製、商品名:ISOTON−II)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(アズワン株式会社製、卓上型2周波超音波洗浄器、型式:VS−D100)を用いて周波数20kHzで3分間分散処理して測定用試料を得る。得られた測定用試料を、粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製、型式:Multisizer3)を用いて、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下で測定し、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒子径を求める。
シリカ微粒子の平均一次粒子径は、トナーを走査型電子顕微鏡(SEM)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、型式:S-4800)を用いて粒子を撮影し、得られた画像から任意にトナー表面のシリカ微粒子100個の粒径(長径)を測定し、100個の粒径の平均値を算出し、これを平均一次粒子径とする。
作成したトナーをエポキシ樹脂に包埋し、ウルトラミクロトーム(Reichert社製、商品名:ウルトラカットN)で面出しを行い、試料を作成した。得られた試料を、走査透過電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、型式:S-4800)でトナー内部のシリカ微粒子径を観察した。この電子顕微鏡写真データから無作為に200〜300個のシリカ微粒子を抽出し、画像解析ソフト(商品名:A像くん、旭化成エンジニアリング株式会社製)で画像解析し円相当径を求めた。
作成したトナーをエポキシ樹脂に包埋し、ウルトラミクロトーム(Reichert社製、商品名:ウルトラカットN)で面出しを行い、試料を作成した。得られた試料を、走査透過電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、型式:S-4800)でシリカ微粒子数を観察した。トナー粒子中心から半径1μmの範囲内に存在する単位面積当たりのシリカ微粒子数「N1」と、トナー表層から1μm以内の深さに存在する単位面積当たりのシリカ微粒子数「N2」との比が
N2 > 2×N1
の関係式を満たせば、濃度勾配が『有』とした。
作成したトナーをエポキシ樹脂に包埋し、ウルトラミクロトーム(Reichert社製、商品名:ウルトラカットN)で面出しを行い、試料を作成した。得られた試料を、走査透過電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、型式:S-4800)でワックス分散径を観察した。この電子顕微鏡写真データから無作為に200〜300個のワックス部を抽出し、画像解析ソフト(商品名:A像くん、旭化成エンジニアリング株式会社製)で画像解析し円相当径を求めた。
[非晶性ポリエステル樹脂Aの調製]
反応槽中に、テレフタル酸440g(2.7モル)、イソフタル酸235g(1.4モル)、アジピン酸7g(0.05モル)、エチレングリコール554g(8.9モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5gを入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸103g(0.54モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ、所定の軟化点で樹脂を取出した。回収されたエチレングリコールは219g(3.5モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却した後、粉砕により粒子化した。これを非晶性ポリエステル樹脂Aとした。非晶性ポリエステル樹脂Aは、Tgが56℃、Tmが135℃、SP値が11.0、酸価が37mgKOH/g、水酸基価が50mgKOH/gであった。
反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール132g(1.12モル)、1、10−デカンジカルボン酸230g(1.0モル)、及び重合触媒としてテトラブトキシチタネート3gを入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2mgKOH/g以下になったところで樹脂を取出した。得られた樹脂を室温まで冷却した後、粉砕により粒子化した。これを結晶性ポリエステル樹脂Cとした。結晶性ポリエステル樹脂Cは、Tmpが80℃、Tmが88℃(Tm/Tmp=1.1)、SP値が9.5であった。
反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール132g(1.12モル)、1、18−オクタデカンジカルボン酸343g(1.0モル)、及び重合触媒としてテトラブトキシチタネート3gを入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2mgKOH/g以下になったところで樹脂を取出した。得られた樹脂を室温まで冷却した後、粉砕により粒子化した。これを結晶性ポリエステル樹脂C2とした。結晶性ポリエステル樹脂C2は、Tmpが75℃、Tmが90℃(Tm/Tmp=1.2)、SP値が9.0であった。
反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール118g(1.00モル)、1、18−オクタデカンジカルボン酸343g(1.0モル)、及び重合触媒としてテトラブトキシチタネート3gを入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2mgKOH/g以下になったところで樹脂を取出した。得られた樹脂を室温まで冷却した後、粉砕により粒子化した。これを結晶性ポリエステル樹脂C3とした。結晶性ポリエステル樹脂C3は、Tmpが72℃、Tmが90℃(Tm/Tmp=1.3)、SP値が9.9であった。
四塩化ケイ素を酸水素火炎中において燃焼すること(火炎加水分解法)により製造されたフュームドシリカに対し疎水化処理(HMDS処理)を行い、疎水性シリカを得た。平均一次粒子径は10nmであった。
シリカ微粒子SiA1の製造方法に対し、四塩化ケイ素供給量を増加させ、燃焼時のシリカ濃度を上げて製造されたフュームドシリカに対し、疎水化処理(HMDS処理)を行い、疎水性シリカを得た。平均一次粒子径は50nmであった。
シリカ微粒子SiA2の製造方法に対し、四塩化ケイ素供給量を増加させ、燃焼時のシリカ濃度を上げて製造されたフュームドシリカに対し、疎水化処理(HMDS処理)を行い、疎水性シリカを得た。平均一次粒子径は70nmであった。
ゾルゲル法により得られたシリカゾルに対し疎水化処理(HMDS処理)を行い、疎水性シリカを得た。平均一次粒子径は100nmとなるように核成長を制御した。
SiB1の製造方法に対し平均一次粒子径は200nmとなるように核成長を制御した。
SiB1の製造方法に対し平均一次粒子径は50nmとなるように核成長を制御した。
SiB1の製造方法に対し平均一次粒子径は220nmとなるように核成長を制御した。
SiB1の製造方法に対し平均一次粒子径は30nmとなるように核成長を制御した。
シリカ微粒子SiA3の製造方法に対し、四塩化ケイ素供給量を増加させ、燃焼時のシリカ濃度を上げて製造されたフュームドシリカに対し、疎水化処理(HMDS処理)を行い、疎水性シリカを得た。平均一次粒子径は100nmであった。
結着樹脂:非晶性ポリエステル樹脂A 68重量%
着色剤:着色剤(C.I.Pigment Blue 15:3、DIC製) 7重量%
離型剤:離型剤(日油株式会社製、商品名:WEP3) 5重量%
帯電制御剤:サリチル酸系化合物 1重量%
(オリエント化学工業株式会社、商品名:ボントロE84)
結晶性ポリエステル樹脂:結晶性ポリエステル樹脂C1 20重量%
ヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社(現 日本コークス工業株式会社)製、型式:FM20C)を用いて、上記材料を5分間、前混合した後、オープンロール型連続混練機(商品名:MOS320−1800、三井鉱山株式会社製)を用いて溶融混練した。オープンロールの設定条件は、加熱ロールの供給側温度が130℃、排出側温度が100℃、冷却ロールの供給側温度が40℃、排出側温度が25℃であった。加熱ロール及び冷却ロールとしては、ともに直径が320mm、有効長が1550mmであるロールを用い、供給側及び排出側におけるロール間ギャップをいずれも0.3mmとした。加熱ロールの回転数を75rpm、冷却ロールの回転数を65rpmとし、トナー原料の供給量を5.0kg/hとした。
表1に示した結晶性ポリエステル樹脂、トナー内部含有シリカ、外添シリカ、ワックスの組合せにしたこと以外は、実施例1と同様にして、外添トナー、2成分現像剤を得た。
『WEP3』 日油株式会社製 モノエステル系
『PE130』 クラリアントケミカルズ株式会社製 ポリエチレン系
『WEP8』 日油株式会社製 ジエステル系
実施例1と同様に溶融混練を行った後、溶融混練物を冷却ベルトで冷却させた後、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルを用いて粗粉砕し、得られた粗粉砕品をそのままジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製、型式:IDS−2)を用いて微粉砕し、さらにエルボージェット分級機(日鉄鉱業株式会社製、型式:EJ−LABO)を用いて分級して、6.7μmのトナー母体粒子を得た。得られたトナー母体粒子のTgは50℃、ワックス分散径は0.7μmとなった。トナー内部のシリカは含有していない。
前混合工程において、シリカ微粒子SiA1を1重量部添加すること以外は実施例1と同様にして、外添トナー、2成分現像剤を得た。得られたトナー母体粒子のTgは50℃、ワックス分散径は0.7μmとなった。トナー内部のシリカ含有濃度勾配は「無」となった。
表2に示した結晶性ポリエステル樹脂、トナー内部含有シリカ、外添シリカ、ワックスの組合せにしたこと以外は、実施例1と同様にして、外添トナー、2成分現像剤を得た。
結晶性ポリエステル樹脂C2の量を5重量%にすること以外は実施例5と同様にして外添トナー、2成分現像剤を得た。得られたトナー母体粒子のTgは60℃、ワックス分散径は0.7μmとなった。
結晶性ポリエステル樹脂C3の量を25重量%にすること以外は実施例6と同様にして外添トナー、2成分現像剤を得た。得られたトナー母体粒子のTgは35℃、ワックス分散径は0.7μmとなった。
ワックス『PE130』の量を7重量%にすること以外は実施例7と同様にして外添トナー、2成分現像剤を得た。得られたトナー母体粒子のTgは50℃、ワックス分散径は3.5μmとなった。
ワックス『WEP8』の量を2重量%にすること以外は実施例8と同様にして外添トナー、2成分現像剤を得た。得られたトナー母体粒子のTgは48℃、ワックス分散径は0.1μmとなった。
(定着性能の評価方法)
評価用に改造した市販複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−5100FN)を改造したものを用いて、上記2成分現像剤による定着画像を作製した。
○:良好 最低温度が115℃以上125℃未満
△:不良 最低温度が125℃以上135℃未満
×:不可 最低温度が135℃以上145℃未満
また、『高温定着性能』は次の基準により評価した。
○:良好 最高温度が180℃以上190℃未満
△:不良 最高温度が170℃以上180℃未満
×:不可 最高温度が160℃以上170℃未満
(耐熱保存性の評価方法)
高温保存後の凝集物の有無によって耐熱保存安定性を評価した。外添トナー20gをポリ容器に密閉し、50℃で72時間放置した後、トナーを取り出して230メッシュのふるいに掛けた。ふるい上に残存するトナーの重量を測定し、この重量のトナー全重量に対する割合である残存量を求め、下記の評価基準で評価した。残存量の数値が低いほど、トナーがブロッキングを起こしておらずトナー母体粒子が被覆層で充分に被覆されていることを示す。
○:良好 凝集微量。残存量が0.5%以上10%未満である
△:不良 凝集多量。残存量が10%以上15%未満である
×:不可 凝集多量。残存量が15%以上である
(焼き付き現象の評価方法)
作製した上記2成分現像剤及びトナーを、カラー複合機(商品名:MX−2640、シャープ株式会社製)の現像装置及びトナーカートリッジにそれぞれ充填し、現像ローラの軸方向における中央部と両端部の3点の位置に、一辺が1cmの正方形のベタ画像(ID=1.45〜1.50)が形成されるように、30℃湿度80%の環境で50000枚の連続プリントテストを行った。
現像ローラ表面にトナーの融着がない。
現像ローラ表面にトナーの融着が見られる。
現像ローラ表面にトナーの融着がある。
現像ローラ表面にトナーの融着がある。
作製した上記2成分現像剤及びトナーを、カラー複合機(商品名:MX−2640、シャープ株式会社製)の現像装置及びトナーカートリッジにそれぞれ充填し、現像ローラの軸方向における中央部と両端部の3点の位置に、一辺が1cmの正方形のベタ画像(ID=1.45〜1.50)が形成されるように、25℃湿度5%の環境で50000枚の連続プリントテストを行った。その後、A3用紙にベタ画像(ID1.6〜1.8)を出力し、目視で画像の判定を行った。
感光体表面に筋が全く見られない。
感光体表面には、やや筋が見られる。
感光体表面には、部分的に筋が見られる。
感光体表面には、全面的に筋が見られる。
上記の評価結果に基づいて、次の基準で総合評価を行った。
Claims (9)
- 少なくとも結晶性ポリエステル及び離型剤を含有するトナーであって、
トナー内部に、体積平均粒子径が50nm以下である第1のシリカ微粒子を含有し、
またトナー表面にゾルゲル法で作製され、体積平均粒子径が50nm以上200nm以下である第2のシリカ微粒子を含有することを特徴とするトナー。 - 請求項1に記載のトナーにおいて、
前記第1のシリカ微粒子は、トナー表層近くに埋没しているシリカ濃度が前記トナー内部よりも高いことを特徴とするトナー。 - 請求項1または2に記載のトナーにおいて、
前記第2のシリカ微粒子は、疎水化処理されていることを特徴とするトナー。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーにおいて、
ガラス転移温度が40℃以上55℃以下であることを特徴とするトナー。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナーにおいて、
ワックス分散径が0.2μm以上、3.0μm以下であることを特徴とするトナー。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナーにおいて、粗粉砕された溶融混練物とシリカ微粒子とを混合した後に、微粉砕されることを特徴とするトナー。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナーと、キャリアとを含むことを特徴とする2成分現像剤。
- 請求項7に記載の2成分現像剤を用いて、像坦持体に形成される静電潜像を現像して可視像を形成することを特徴とする現像装置。
- トナーの製造方法であって、
粗粉砕された溶融混練物とシリカ微粒子とを混合する混合工程と、
該混合工程で得られた混合物を微粉砕する微粉砕工程と
を含むことを特徴とするトナーの製造方法。
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