JP2007086548A - 静電荷像現像用キャリア及び静電荷像現像用現像剤 - Google Patents

静電荷像現像用キャリア及び静電荷像現像用現像剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 長期に渡って高画質画像を得るため、経時でのトナー成分汚染などに伴う帯電能力低下を抑制した静電荷像現像用キャリアを提供する。
【解決手段】 芯材粒子表面に、脱溶媒法等の方法により被覆樹脂層を形成してなる静電荷像現像用キャリアであって、前記被覆樹脂層が、官能基として含窒素基、カルボキシル基、水酸基の少なくとも1種(特に好ましくは、4級アンモニウム塩化したアミノ基)を有する環状ポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とする静電荷像現像用キャリア
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等に用いられる電子写真用現像剤、及び該現像剤に用いられる静電荷像現像用キャリアに関する。
電子写真法は、潜像担持体(感光体)表面に形成された静電潜像を、着色剤を含むトナーで現像し、得られたトナー画像を被記録体表面へ転写し、これを熱ロール等で定着することにより画像が得られるものである。また、その潜像担持体は再び静電潜像を形成するために転写残存トナーがクリーニング等され、球形トナーのように該転写残トナーがほとんどない場合にはクリーニング工程が省かれる場合もある。このような電子写真法等に使用される乾式現像剤は、結着樹脂に着色剤等を配合したトナーを単独で用いる一成分現像剤と、そのトナーにキャリアを混合した二成分現像剤とに大別される。
1980年代の後半から、電子写真の市場ではデジタル化をキーワードとして小型化、高機能化の要求が強く、フルカラー画質に関しては、高級印刷、銀塩写真に近い高画質品位が望まれている。また、白黒画質についても同様に高画質が望まれるのと同時に、高生産性、小型化、低コストが要求されている。高画質を達成する手段としては、デジタル化処理が不可欠であり、このような画質に関するデジタル化の効能として、複雑な画像処理を高速で行えることが挙げられている。これにより、文字と写真画像とを分離して制御することが可能となり、両品質の再現性が、アナログ技術に比べ大きく改善されている。特に写真画像に関しては、階調補正と色補正とが可能になった点が大きく、階調特性、精細度、鮮鋭度、色再現、粒状性の点でアナログに比べ有利である。画像出力としては、光学系で作成された静電潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしては益々小粒径化が進み、忠実再現を狙った活動が加速されている。また、一方では小型化のための部品点数の抑制、低コスト化のための消耗品の延命化も要求され、現像剤への高機能化、高信頼性が命題である。さらに、高生産性を達成するために、潜像担持体の速度は高速化が進んでおり、安定的な高画質を得るためには、現像、転写、定着、クリーニングの各プロセスの改善が非常に重要となってきている。
また同時にトナー成分による他消耗品の延命機能などの高機能化も重要となってきており、2成分現像剤においては現像剤延命化による交換頻度の低減や無交換化の要求が高くなってきている。2成分現像剤はキャリア表面へのトナー成分汚染などに伴うキャリア帯電能力低下によってカブリやトナークラウドが発生し、寿命を縮める場合がある。
それを改善する為、キャリア被覆樹脂にトナー成分が付着しづらい含フッ素樹脂やシリコーン樹脂などの低表面エネルギー樹脂が多く用いられている。しかし、一方でこれら含フッ素樹脂やシリコーン樹脂は芯材粒子との密着性や、樹脂間の凝集力が小さいために、現像機内の攪拌ストレスにより、キャリア表面の被覆樹脂が剥がれ、抵抗の低い芯材粒子が露出することで現像剤抵抗が低下する。その結果、現像剤への現像電界の注入によって潜像担持体へのキャリア付着が増加し、寿命となる場合もある。そこで、芯材粒子との密着性が良好で、同時にトナー成分汚染を抑制できるキャリア表面設計が重要である。
そのため、キャリア被覆樹脂としてポリオレフィン樹脂が提案されている。ポリオレフィン樹脂は表面エネルギーが小さく離形性に優れ、耐汚染性も高く、トナー成分汚染を抑制しうるが、一方で帯電能力が低い。そのためスチレンアクリル樹脂を併用することにより帯電付与能力を高めたものが提案されており(例えば、特許文献1参照)、これは帯電付与能力は高まるものの、耐汚染性に優れたポリオレフィン樹脂の比率が減ってしまう為、帯電維持性が十分でない。また、帯電制御剤化合物を樹脂中に分散することでキャリアの帯電付与能力の向上を図った手段が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)ものの、帯電量向上と同時に長時間攪拌における電荷分布の拡大を生じてしまい、カブリを生じやすいという欠点がある。これは帯電制御剤の大きさが大きいため、長時間の攪拌によりその一部がトナーへ移行してしまい、帯電制御剤はトナーと逆極性であるため、汚染されたトナーの帯電量は低下し、結果として電荷分布の拡大が引き起こされるためである。このように、表面エネルギーの小さく、トナー成分汚染に有利なポリオレフィン樹脂を被覆樹脂として用い帯電維持性を向上させると同時に、帯電付与能力を与えるキャリアは未だ提案するにいたっていない。
ところで、定着工程においては、従来電子写真用トナーの定着方式として、常温で圧力ロールのみを用いる圧力定着方式、加熱ロール等を用いる接触加熱型定着方式、オーブン加熱によるオーブン定着方式、キセノンランプ等によるフラッシュ定着方式、マイクロ波等による電磁波定着方式、溶剤蒸気を用いる溶剤定着方式等の非接触定着方式が挙げられるが、熱を用いたオーブン定着方式や接触加熱型定着方式は信頼性や安全性の面から主に使用されている。特に加熱ロールやベルト等を用いる接触加熱型定着方式は、通常加熱源を設けた加熱ロールまたはベルトと加圧ロールまたはベルトとから構成され、加熱ロールまたはベルト表面に被定着シートのトナー画像面を圧接触させながら通過させることにより定着を行うものであり、加熱ロールまたはベルト表面と被定着シートのトナー画像面が直接接触するため、熱効率が有効で迅速に定着を行うことができるという特徴を有しており、広く採用されている。
これらの熱定着方式では、電源を入れてから定着機の温度が使用温度まで迅速に上昇し定着可能な状態となるまでの時間、いわゆるウォームアップタイムの短縮とともに、エネルギー使用量を低減するためにより低温で定着できることが望まれている。特に近年では省エネルギーの徹底のため使用時以外は定着機への通電を停止することが望まれており、定着機温度は通電とともに瞬時に定着可能温度に達する必要があるため、より一層低温での定着が必要となっている。また、定着温度を低減することにより同じ消費電力であってもプリントスピードの高速化が可能であり、さらに接触加熱型定着方式では加熱ロールなどの定着部材の長寿命化が可能となり、コストの面からも好ましい。しかしながら、従来の方法ではトナーの定着温度を低温化させることは、同時にトナー粒子のガラス転移点をも低下させてしまうことになり、トナーの保存性との両立が困難となる。従って、低温定着化とトナー保存性の両立のためには、トナーのガラス転移点をより高温に保ったまま、高温領域でトナーの粘度が急速に低下するいわゆるシャープメルト性をもつことが必要である。
しかしながら、トナーに使用される樹脂、すなわち非結晶の樹脂は、通常ある程度ガラス転移点、分子量等に幅を持つため、前記シャープメルト性を得るためには、極端に樹脂の組成、分子量をそろえる必要があるものの、前記樹脂を得るためには、特殊な製法を用いたり、樹脂をクロマトグラフィー等で処理をすることにより樹脂の分子量を整える必要が生じてしまい、この場合樹脂作製のためのコストが高くならざるを得ず、またその際に不要な樹脂が生じ、近年の環境保護の観点からも好ましくない。
このような低温定着性を実現するために、結着樹脂として結晶性樹脂を使用する方法(例えば、特許文献4〜6参照)が検討されている。結晶性樹脂を使用することにより、結晶の融点以下ではトナーの硬さが保持され、融点を超えたところで結晶の融解とともに粘度が急激に低下することにより、低温定着が図られる。しかし、これらの技術は、例えば結晶性樹脂の融点が62〜66℃等の範囲にあり若干融点が低すぎるため、粉体や画像の信頼性に問題がある。また、結晶性樹脂では紙への定着性能が十分ではないという問題点があった(例えば、特許文献7、8参照)。
紙への定着性改善が期待される結晶性樹脂としては、ポリエステル樹脂が挙げられる。ガラス転移温度40℃以上の非結晶性ポリエステルと、融点130℃〜200℃の結晶性ポリエステルを混合して用いる方法が提案されている(例えば、特許文献9参照)。しかし、この方法は優れた粉砕性、耐ブロッキング性を有するものの、結晶性ポリエステル樹脂の融点が高いため、従来以上の低温定着性は達成できない。また、結晶性樹脂の融点として110℃以下の樹脂を用い、非結晶性樹脂を混合させトナーとして使用する例も提案されている(例えば、特許文献10参照)。
しかし、結晶性樹脂を含有させることは低温定着などには有利であるが、静電荷像現像用トナーとしての基本機能である電荷の保持を十分にできないという欠点がある。これは結晶性樹脂の電気抵抗の低さに起因する。通常静電荷像現像用トナーは現像担持体に近接する帯電ロールや帯電ブレード、或いはトナーと混合されて摩擦帯電を引き起こすキャリアなどにより、トナーに電荷を与えられる。一方、感光体表面には帯電及び露光により出力画像に応じた電位差のある潜像が形成される。電荷のたまったトナーはこの潜像に現像バイアスなどにより現像される。このときトナーの電荷が漏洩してしまっていると、必要量のトナーが現像されず所望の濃度の画像が得られない。また、トナーの電荷が漏洩するまでには至らない場合においても、トナー表面に導通路が存在してしまう為に現像バイアスの注入によるカブリを引き起こす。さらに、現像されたトナーであっても、転写工程において転写電界の注入や剥離電界の注入により、転写ムラや転写効率の低下が引き起こされ高画質な画像を得ることが出来ない。
すなわち、特に結晶性樹脂を含有したトナーにおいては、より一層帯電付与能力の高いキャリアが必要となってくる。
特開平11−119474号公報 特開平4−70857号公報 特開平8−160674号公報 特公昭56−13943号公報 特公昭62−39428号公報 特公昭63−25335号公報 特公昭62−39428号公報 特公昭63−25335号公報 特公昭62−39428号公報 特公平4−30014号公報
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の課題を達成することを目的とする。
すなわち、本発明は、長期に渡って高画質画像を得ることを目的とし、経時でのトナー成分汚染などに伴う帯電能力低下を抑制した静電荷像現像用キャリア、及び、カブリやトナークラウドによる画質欠陥のない画像を長期にわたって達成できる電子写真用現像剤を提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像する現像剤、さらに該現像剤に用いるキャリアとして、以下のようなものを用いることで、上記の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的に、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> 芯材粒子表面を被覆樹脂層で被覆してなる静電荷像現像用キャリアであって、前記被覆樹脂層が、官能基として含窒素基、カルボキシル基、水酸基の少なくとも1種を有する環状ポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とする静電荷像現像用キャリアである。
<2> 前記官能基が含窒素基であることを特徴とする前記<1>に記載の静電荷像現像用キャリアである。
<3> 前記含窒素基が4級アンモニウム塩基であることを特徴とする前記<2>に記載の静電荷像現像用キャリアである。
<4> 前記環状ポリオレフィン樹脂を溶解した溶液と前記芯材粒子とを混合した後に減圧下で脱溶媒することによって、芯材粒子表面に被覆樹脂層を形成することを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか一項に記載の静電荷像現像用キャリアである。
<5> 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子に外部添加剤を添加してなる静電荷像現像用トナーと、静電荷像現像用キャリアと、を含有する静電荷像現像用現像剤であって、前記静電荷像現像用キャリアとして前記<1>〜<4>の何れか一項に記載の静電荷像現像用キャリアを用いることを特徴とする静電荷像現像用現像剤である。
<6> 前記結着樹脂として結晶性ポリエステルを用いることを特徴とする前記<5>に記載の静電荷像現像用現像剤である。
本発明によれば、経時でのトナー成分汚染などに伴う帯電能力低下を抑制した静電荷像現像用キャリア、及び、カブリやトナークラウドによる画質欠陥のない画像を長期にわたって達成できる電子写真用現像剤を提供することができる。
本発明の静電荷像現像用キャリアは、芯材粒子表面に、官能基として含窒素基、カルボキシル基、水酸基の少なくとも1種を有する環状ポリオレフィン樹脂を含有した被覆樹脂層を有することを特徴とする。
本発明者らは、トナー成分のキャリア被覆樹脂への汚染による帯電能力低下の抑制と、現像機攪拌ストレスに伴う樹脂皮膜はがれによるキャリア抵抗低下起因の潜像坦持体へのキャリア付着の抑制を両立するためには、やはり環状ポリオレフィン樹脂は非常に好適であることを見出し、その課題は帯電能力の低さにあると考えた。その帯電能力の改善には、帯電制御剤化合物を樹脂中に分散するのでは、いくら細かく分散できても、やはりその化合物成分のトナーへの移行は避けられがたく、結果として長時間攪拌による電荷分布の拡大や帯電量低下を引き起こしてしまうと考えた。そこで本発明者らは、該帯電制御機能を分子レベルまで小さくすると同時に、バインダーである環状ポリオレフィン樹脂に取り込むことで、分子鎖との強固な結合を持たせ、帯電制御化合物のトナーへの移行を原理的になくせることを見出した。
つまり、キャリア芯材粒子を被覆する樹脂として、含窒素基、カルボキシル基又は水酸基の官能基(以下、当該官能基を「本発明における官能基」とよぶ)を有する環状ポリオレフィン樹脂を用いることでトナー成分汚染が抑制でき、帯電付与能力の高いキャリアを提供することができることを見出した。
またさらに、近年は負極性の現像剤が多いため、キャリアの極性は逆に正極性帯電が望まれる。そのため、その官能基は仕事関数の小さな電子供与性のものが電子を与えることで正極性になりやすいと考え、前記本発明における官能基の中でも含窒素基がキャリアを正極に帯電させるためには非常に好適である。
また、含窒素基の添加によって、低温低湿下の帯電速度が低下傾向になり、逆に高温高湿下での一定期間攪拌による帯電減衰傾向になることで、結果として環境依存性が低下してしまう場合がある。その場合、原因は不明なのだが、含窒素官能基の中でも4級アンモニウム塩基を用いることで抑制することが可能となる。
さらに、芯材粒子との密着性を上げるために、被覆樹脂が芯材粒子表面に隙間無く密着する必要があるが、通常ポリオレフィン樹脂は溶剤不溶であるため芯材粒子表面に固定化するために、微粒化されたポリオレフィン樹脂と芯材粒子を混合しながら、融点以上に加熱することでポリオレフィン樹脂を溶融させ、芯材表面に密着させる。次にそのまま攪拌し続けながら、冷却し、樹脂を芯材粒子表面に固定化している。この場合、被覆固定化された樹脂層のうちごく表層は確かに溶融、冷却されたため成膜しているが、樹脂と芯材粒子界面においては、外部加熱だけでは十分に熱が伝わらないため、完全な溶融状態になっておらず、その結果強固な成膜が得られないことが多い。
これに対し、芯材粒子表面との密着性を上げるために、環状ポリオレフィン樹脂を含む被覆層用樹脂を溶剤に溶解した後に芯材粒子と混合し、減圧下で脱溶媒する成膜方法が強固な被覆層を得ることができる。これは、一度溶剤に溶かすことで分子が自由に運動できるようになり、そのまま芯材粒子表面に付着せしめられ、徐々に脱溶剤することで、溶剤中に運動していた分子鎖は芯材粒子表面に取り残され、強固な成膜が得られ、さらに途中脱溶剤が真空乾燥などの減圧下で行われる場合、芯材粒子表面に吸着していた空気分子や水分子なども脱気されることで、樹脂と芯材粒子表面に他の分子が存在しなくなる。このこともより強固な成膜を形成するのに好ましい方法である。
尚、前記溶剤可溶なポリオレフィン樹脂を得るためには、分子量のあまり大きくない樹脂であることが好ましく、通常の直鎖のポリオレフィンの場合、溶剤に可溶なまで分子量を小さくしてしまうと、室温の状態で固定化が困難となり、脱溶媒後のキャリアは著しく流動性が悪く、現像剤としてもトナーと混合することが困難となってしまう。これに対し、本発明に用いる環状ポリオレフィン樹脂は、室温での固定化、すなわち固体であることと、溶剤に可溶であることを両立でき、また、当該環状ポリオレフィン樹脂として、環状ポリオレフィンコポリマーも非常に好適に用いることができる。その結果、本発明のキャリアを前記脱溶媒方法で被覆し製造することでより強固な成膜ができ、現像機空回しによるストレス下においても、被覆膜が脱落せず、潜像坦持体へのキャリア付着も発生しない、抵抗維持性の良好なキャリアが得られる。
また、低温定着性の観点から、結晶性ポリエステルを含有したトナーを用いることが好ましいが、その結晶性ポリエステル添加によるトナーの低帯電化に対しても、前述の静電荷像現像用キャリアを用いることが非常に有用である。
上記により、経時でのキャリア表面へのトナー成分汚染などに伴うキャリア帯電能力低下を抑制し、特に結晶性樹脂を含有させるトナーなどにおいては、帯電能力の高い本発明のキャリアを用いることで、カブリやトナークラウドによる画質欠陥のない高画質な画像を長期にわたって達成することができる。
以下、本発明を詳細に説明するにあたり、まず静電荷像現像用キャリアについて詳述し、その後静電荷像現像用現像剤について述べる。
−キャリア−
本発明のキャリアに使用される被覆樹脂は、官能基として含窒素基、カルボキシル基、水酸基の少なくとも1種を導入した環状ポリオレフィン樹脂を用いることを特徴とし、主骨格はポリシクロヘキセン、ポリノルボルネン、ポリシクロペンテン、ポリシクロブテンなどの環状ポリオレフィンなどが挙げられ、さらにこれらの組み合わせの共重合体でもかまわない。
前記環状ポリオレフィン樹脂を構成する樹脂前駆体(構成単位)の総炭素数としては、3〜100が好ましく、5〜20が特に好ましい。
前記の通り、環状ポリオレフィンは、官能基として含窒素基、カルボキシル基、水酸基のいずれか一種を有し、負極性トナーを帯電させるための正極性キャリアの場合には含窒素基がより好ましい。含窒素基としては、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、アミド基、イミド基、ニトリル基、カルボン酸シアニド基、イソシアニド基、シアナート基、イソシアナート基、ニトリルオキシド基、ニトリルイミド基、ニトロ基等が挙げられ、また、環境依存性の低下を抑制する観点から、特に該アミノ基などを4級アンモニウム塩化して用いることが好ましい。
含窒素樹脂の4級アンモニウム塩のカウンターイオンは特に規定するものではないがスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、モリブデン酸アニオン、タングステン酸アニオン、ヘテロポリ酸アニオンや塩素アニオン、臭素アニオン、フッ素アニオンなどのハロゲンイオンなどの種々のアニオンが例示される。また、これらの中でも、電子吸引性の点で好適であることから、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ハロゲンイオンがより好ましく、スルホン酸アニオン、ハロゲンイオンが特に好ましい。
これら本発明における官能基を環状ポリオレフィンの樹脂骨格に反応させる方法としては、ラジカルを用いた重合などの種々の既知の方法が用いられ、4級アンモニウム塩化も既知のどの方法を用いてもよい。
以下に、官能基を樹脂骨格に反応させる具体例について説明する。
ポリオレフィンをハロゲン化し、そのハロゲン化したポリオレフィンをアンモニアと反応させることにより、アミノ基を導入することができる。この反応を行なうに際しては、紫外線またはアミノ化触媒を使用することができる。またヨウ化メチルなどのイソプロピルアルコール/水の混合溶液中に浸漬することなどによって、4級塩を形成することができる。
このアミノ基の導入に用いるハロゲンは特に限定されるものではないが、塩素または臭素が適当である。反応に際しては種々の触媒が使用でき、たとえば還元銅、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩、カリウムアミド、ナトリウムアミド、リチウムアミドなどの金属アミド、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等の金属ヨウ化物などを単独で、あるいは複数を添加して用いることができる。
また、キャリア芯材の表面に樹脂を被覆する方法としては、前記被覆層用樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を、適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が好適に用いられる。
より具体的には、キャリアの芯材粒子表面に樹脂微粒子を付着したのち、加熱溶融混合したのち冷却させるパウダーコート法、キャリアの芯材の粉末を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法などが挙げられる。これらの中でも、芯材粒子との密着性を考えると、一度樹脂を溶液に溶かしたのちコーティングする方法が好ましく、特に好ましくは減圧による脱溶剤が可能なニーダーコーター法である。
前記溶媒としては、特に限定されず、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよいが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、DMF、THF、クロロフォルム、メチルエチルケトン等を挙げることができる。
尚、前記脱溶媒方法によって被覆層を形成する場合、環状ポリオレフィン樹脂は溶剤への溶解性が好ましいことが要求され、溶解した際の不溶分が5質量%以下であることが好ましく、不溶分1質量%以下であることがより好ましく、不溶分0.2質量%以下であることが特に好ましい。
また、溶剤への好ましい溶解性を得る観点から、環状ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は、2000〜100000であることが好ましく、3000〜70000であることがより好ましく、4000〜50000であることが特に好ましい。
尚、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した。GPCは、HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)を用い、カラムは、TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
また、本発明に用いる被覆層用樹脂には、環状ポリオレフィン以外の他の樹脂を併用してもよい。併用する樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
一般に、キャリアは適度な電気抵抗値を有することが好ましく、その抵抗調整のために、導電性微粉末を被覆樹脂層中に分散させることが好ましい。前記導電性微粉末としては、金、銀、銅といった金属や、カーボンブラック、さらに酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、キャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、10〜100μmの範囲であることが好ましく、25〜50μmの範囲であることがより好ましい。
−電子写真用現像剤−
<トナー>
本発明に用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有してなるトナー母粒子に、必要により外部添加剤を添加してなる。
(トナー母粒子)
本発明に用いられるトナーのトナー母粒子は、結着樹脂と着色剤とを含有してなり、必要に応じて離型剤、シリカ及び帯電制御剤等を含んでもよい。
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体及び共重合体を例示することができ、代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。これらの中では、特にスチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体が好ましい。
また、本発明のトナーに用いられる結着樹脂には、必要に応じて結晶性樹脂を併用してもよい。結晶性を持つ樹脂であれば特に制限はなく、具体的には、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル系樹脂が挙げられるが、定着時の紙への接着性や帯電性、及び好ましい範囲での融点調整の観点から結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。また、適度な融点をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
前記結晶性ビニル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを用いたビニル系樹脂が挙げられる。尚、本明細書において、”(メタ)アクリル”なる記述は、”アクリル”および”メタクリル”のいずれをも含むことを意味するものである。
一方前記結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本発明において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。本発明において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。また、前記結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステルと呼ぶ。
−酸由来構成成分−
前記酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が望ましく特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。直鎖型のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。中でも、炭素数6から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジカルボン酸を、酸構成成分の95mol%以上用いることが好ましく、98mol%以上用いることがより好ましい。
その他のモノマーとしては、特に限定は無く、例えば、高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編:培風館)に記載されているようなモノマー成分である、従来公知の2価又のカルボン酸と、2価のアルコールがある。これらのモノマー成分の具体例としては、2価のカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸由来構成成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸由来構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分等の構成成分が含まれているのが好ましい。
前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して、トナー母粒子を微粒子に作製する際に、スルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで乳化或いは懸濁が可能である。このようなスルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸の含有量は0.1から2.0mol%であることが好ましく、0.2から1.0mol%であることが好ましい。含有量が2mol%よりも多いと、帯電性が悪化する。尚、本発明において「構成mol%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(酸由来構成成分、アルコール由来構成成分)をそれぞれ1単位(mol)したときの百分率を指す。
−アルコール由来構成成分−
アルコール構成成分としては脂肪族ジアルコールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられ、中でも炭素数6から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジアルコールを、アルコール構成成分の95mol%以上用いることが好ましく、98mol%以上用いることがより好ましい。
その他の2価のジアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールや、ベンゼントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど3価のアルコールも使用することができる。
前記ポリエステル樹脂は、前記のモノマー成分の中から任意の組合せで、例えば、重縮合(化学同人)、高分子実験学(重縮合と重付加:共立出版)やポリエステル樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社編)等に記載の従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は組み合せて用いることができる。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のmol比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、直接重縮合の場合は通常1/1程度、エステル交換法の場合は、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなど真空下で脱留可能なモノマー過剰に用いる場合が多い。前記ポリエステル樹脂の製造は、通常、重合温度180〜250℃の間でおこなわれ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と供に重縮合させるとよい。
前記ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜リン酸化合物、リン酸化合物、及び、アミン化合物等が挙げられ、具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。この中で、帯電性の観点からスズ系触媒、チタン系触媒が好ましく、中でも、ジブチルスズオキシドが好ましく用いられる。
本発明の結晶性ポリエステル樹脂の融点は50〜120℃であり、好ましくは60〜110℃である。融点が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる。また、120℃より高いと、従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない。
尚、本発明において、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。尚、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
また、本発明に用いられるトナーには、必要に応じて離型剤や帯電制御剤が添加されてもよい。離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で、水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。なお、本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナー及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
トナー母粒子の製造は、例えば結着樹脂と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等とを混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等が使用できる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造を持たせる製造方法を行ってもよい。
以上のようにして製造したトナー母粒子の粒径は、体積平均粒径で2〜12μmの範囲であることが好ましく、3〜9μmの範囲であることがより好ましい。
前述のように、本発明に用いられるトナー母粒子は、現像性・転写効率の向上、高画質化の観点から擬似球形であることが必須である。トナー母粒子の球形化度は、下記式(1)の形状係数SF1を用いて表すことができるが、本発明に用いられるトナー母粒子の係数SF1の平均値は、140以下であることが好ましく、115〜140の範囲であることがさらに好ましく、120〜140の範囲であることがより好ましい。
SF1=(L2/A)×(π/4)×100
上記式において、Lは各々のトナー母粒子の最大長を表し、Aは各々のトナー母粒子の投影面積を表す。
形状係数SF1の平均値が、140より大きくなると、転写効率が低下してしまい、プリントサンプルの画質の低下が目視で確認できてしまう。
なお、前記形状係数SF1の平均値は、250倍に拡大した1000個のトナー像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEX III、ニレコ社製)に取り込み、その最大長及び投影面積から、個々の粒子について前記SF1の値を求め平均したものである。
本発明に用いられるトナー母粒子は特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。
上記トナーに添加される外部添加剤は特に規定はないが、少なくとも1種は、粉体流動性、帯電制御等の機能を担う、1次粒径が平均粒径で7〜40nmの小径無機酸化物であることが好ましい。小径無機酸化物としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタン酸化物(酸化チタン、メタチタン酸等)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、カーボンブラック等を挙げることができる。
特に、体積平均粒径が15〜40nmの酸化チタンを用いることが、透明性に影響を与えず、良好な帯電性、環境安定性、流動性、耐ケーキング性、安定した負帯電性・画質維持性が得られる点で好ましい。
また、無機微粒子については、表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなる。表面処理としては公知のものが使用できるが、具体的にはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、βー(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γークロロプロピルトリメトキシシランを代表的なものとして例示することができる。該小径無機酸化物の添加量はトナー母粒子100質量部に対し、0.5〜2.0質量部の範囲であることが好ましい。
また、上記トナーには小径外添剤の代わりにあるいは同時に体積平均粒径が60〜300nmの大径無機酸化物を添加してもかまわない。この台形外添剤は80〜300nmの体積平均粒径であることがさらに好ましい。これらの大径無機酸化物微粒子としては、シリカ、酸化チタン、メタチタン酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化クロム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の微粒子が挙げられる。これらの中では、精密な帯電制御を行う観点から、シリカ、酸化チタン、メタチタン酸から選ばれるものを用いること望ましい。
また、特にフルカラー画像などの高転写効率が要求される画像に置いては、上記シリカは、真比重が1.3〜1.9であり、体積平均粒径が60〜300nmである単分散球形シリカであることが好ましく、さらに好ましくは体積平均粒径80〜200nmである。真比重を1.9以下に制御することにより、トナー母粒子からの剥がれを抑制することができる。また、真比重を1.3以上に制御することにより、凝集分散を抑制することができる。当該単分散球形シリカの真比重は、1.4〜1.8の範囲であることがより好ましい。
前記単分散球形シリカの平均粒径が60nm未満であると、トナーと感光体との非静電的付着力低減に有効に働かなくなりやすい。特に、現像器内のストレスにより、単分散球形シリカがトナー母粒子に埋没しやすくなり、現像性、転写性向上効果が著しく低減しやすい。一方、300nmを超えると、トナー母粒子から離脱しやすくなり、前記非静電的付着力低減に有効に働かないと同時に、接触部材に移行しやすくなり、帯電阻害、画質欠陥等の二次障害を引き起こしやすくなる。当該単分散球形シリカの平均粒径は、80〜200nmであることがより好ましい。
前記単分散球形シリカは、単分散かつ球形であるため、トナー母粒子表面に均一に分散し、安定したスペーサー効果を得ることができる。上記単分散の定義としては、凝集体を含め平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差として体積平均粒径D50×0.22以下であることが好ましい。また、球形の定義としては、Wadellの球形化度で議論することができ、球形化度が0.6以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましい。
なお、球形化度は、Wadellの球形化度は下記式より求めた。
球形化度=(実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積)/(実際の粒子の表面積)
上記式において、分子=(実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積)は、平均粒径から計算により求めた。また、分母=(実際の粒子の表面積)は、島津粉体比表面積測定装置SS−100型を用い、BET比表面積より代用させた。
シリカが好ましい理由としては、屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくしても光散乱による透明度の低下、特にカラー画像におけるOHP表面への画像採取時のPE値(光透過性の指標)等に影響を及ぼさないことが挙げられる。
該大粒径無機酸化物の添加量は、トナー母粒子100質量部に対し、1.0〜5.0質量部であることが好ましい。
さらに滑剤粒子としてグラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、高級アルコール、脂肪族アルコール、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス;及びそれらの変性物を併用してもよいがこれら滑剤粒子の形状係数SF1はクリーニング性を得るために140以上であることがより好ましい。
さらに研磨剤として公知の無機酸化物材料を併用してもよい。例えば、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化マグネシウム、アルミナ、炭化ケイ素、酸化亜鉛、シリカ、酸化チタン、窒化ホウ素、ピロリン酸カルシウム、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、炭酸カルシウム、等が挙げることができる。また、これらの複合材料を用いてもよい。
本発明に用いられるトナー母粒子は擬似球形であることが転写効率とクリーニング性の両立から好ましく、上記無機酸化物を添加した効果も、不定形のトナー母粒子の場合より優れたものとなる。すなわち、トナー母粒子に同一量の無機酸化物を添加した場合、不定形のトナー母粒子の場合に比べ、擬似球形トナー母粒子のトナーの粉体流動性はかなり高いものとなり、その結果、トナー帯電量として同程度であっても、擬似球形トナー母粒子のトナーは高い現像性、転写性を示すこととなる。
本発明に用いられるトナーは、前記トナー母粒子及び上記外部添加剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー母粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
<現像剤>
本発明の二成分現像剤は、以上説明したトナーとキャリアとを混合することで製造される。当該現像剤における前記トナーと上記キャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:99〜20:80の範囲であることが好ましく、3:97〜12:88の範囲であることがより好ましい。
−画像形成方法−
以下に、本発明の画像形成方法について詳細に説明する。本発明の画像形成方法は、潜像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー画像を被記録体あるいは中間転写体の表面に転写する転写工程と、被記録体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程とを含むものであって、必要に応じて潜像担持体表面に残ったトナーをクリーニングするクリーニング工程とを含んでもよい。
前記潜像形成工程とは、潜像担持体の表面を、帯電手段により一様に帯電した後、レーザー光学系やLEDアレイなどで潜像担持体に露光し、静電潜像を形成する工程である。前記帯電手段としては、コロトロン、スコロトロンなどの非接触方式の帯電器、及び、潜像担持体表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより、潜像担持体表面を帯電させる接触方式の帯電器が挙げられ、いかなる方式の帯電器でもよい。しかし、オゾンの発生量が少なく、環境に優しく、かつ耐刷性に優れるという効果を発揮するという観点から、接触帯電方式の帯電器が好ましい。前記接触帯電方式の帯電器においては、導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ローラー状等の何れでもよいが、ローラー状部材が好ましい。本発明の画像形成方法は、潜像形成工程においてなんら特別の制限を受けるものではない。
前記現像工程とは、潜像担持体表面に、少なくともトナーを含む現像剤層を表面に形成させた現像剤担持体を接触若しくは近接させて、前記潜像担持体表面の静電潜像にトナーの粒子を付着させ、潜像担持体表面にトナー画像を形成する工程である。現像方式は、既知の方式を用いて行うことができるが、本発明に用いられる二成分現像剤による現像方式としては、カスケード方式、磁気ブラシ方式などがある。本発明の画像形成方法は、現像方式に関し、特に制限を受けるものではない。
前記転写工程とは、潜像担持体表面に形成されたトナー画像を、被記録体に直接転写、或いは中間転写体に一度転写した画像を被記録体に再度転写して転写画像を形成する工程である。
潜像担持体からのトナー画像を紙等に転写する転写装置としては、コロトロンが利用できる。コロトロンは用紙を均一に帯電する手段としては有効であるが、被記録体である用紙に所定の電荷を与えるために、数kVという高圧を印加しなければならず、高圧電源を必要とする。また、コロナ放電によってオゾンが発生するため、ゴム部品や潜像担持体の劣化を引き起こすので、弾性材料からなる導電性の転写ロールを潜像担持体に圧接して、用紙にトナー画像を転写する接触転写方式が好ましい。本発明の画像形成方法においては、転写装置に関し、特に制限を受けるものではない。
前記クリーニング工程とは、ブレード、ブラシ、ロール等を潜像担持体表面に直接接触させ、潜像担持体表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどを除去する工程である。
最も一般的に採用されている方式として、ポリウレタン等のゴム製のブレードを潜像担持体に圧接させるブレードクリーニング方式である。これに対し、内部に磁石を固定配置し、その外周に回転可能な円筒状の非磁性体のスリーブを設け、そのスリーブ表面に磁性キャリアを担持させてトナーを回収する磁気ブラシ方式や、半導電性の樹脂繊維や動物の毛をロール状に回転可能にし、トナーと反対極性のバイアスをそのロールに印加してトナーを除去する方式でもよい。前者の磁気ブラシ方式では、クリーニングの前処理用コロトロンを設置してもよい。本発明の画像形成方法においては、クリーニング方式については少なくともブレードを有するクリーニング工程である。
前記定着工程とは、被記録体表面に転写されたトナー画像を定着装置にて定着する工程である。定着装置としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好ましく用いられる。加熱定着装置は、円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層あるいは耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した定着ローラと、この定着ローラに対し圧接して配置され、円筒状芯金の外周面あるいはベルト状基材表面に耐熱弾性体層を形成した加圧ローラあるいは加圧ベルトと、で構成される。未定着トナー画像の定着プロセスは、定着ローラと加圧ローラあるいは加圧ベルトとの間に未定着トナー画像が形成された被記録体を挿通させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。本発明の画像形成方法においては、定着方式については特に制限を受けるものではない。
なお、本発明の画像形成方法において、フルカラー画像を作製する場合には、複数の潜像担持体がそれぞれ各色の現像剤担持体を有しており、その複数の潜像担持体及び現像剤担持体それぞれによる潜像形成工程、現像工程、転写工程及びクリーニング工程からなる一連の工程により、同一の被記録体表面に前記工程ごとの各色トナー画像が順次積層形成され、その積層されたフルカラーのトナー画像を、定着工程で熱定着する画像形成方法が好ましく用いられる。そして、前記電子写真用現像剤を、上記画像形成方法に用いることにより、例えば、小型、カラー高速化に適したタンデム方式においても、安定した現像、転写、定着性能を得ることができる。
トナー画像を転写する被記録体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
本発明の電子写真用現像剤を用いた画像形成方法によると、経時に伴うキャリア表面へのトナー成分汚染などに伴うキャリア帯電能力低下を抑制し、特に結晶性樹脂を含有させるトナーにおいては、帯電能力の高いキャリアを用いることで、カブリやトナークラウドによる画質欠陥のない高画質な画像を長期にわたって達成できる電子写真用現像剤及びそれを用いた画像形成方法を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り「部」及び「%」はすべて「質量部」及び「質量%」を意味する。
−物性の測定方法−
<トナー母粒子、トナーの平均粒径>
トナー母粒子及びトナー、即ち測定する粒子直径が2μm以上の場合、測定装置としては粒度分布測定装置(マルチサイザー:日科機社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して、粒径を測定した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5〜50mg加え、これを前記電解液100〜150ml中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0〜60μmの範囲の粒子の粒度分布を測定した。測定する粒子数は50,000であった。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し小径側から累積分布を描き、体積で累積50%となる粒径を体積平均粒子径D50vと定義し、該D50vを体積平均粒径とした。
<トナー帯電量測定>
現像器のスリーブ(現像剤担持体)表面の現像剤を0.3〜0.7g程度採取し、帯電量測定装置(TB200:東芝社製)を用い、ブローオフ法により測定した。
具体的な測定方法としては、まず測定前に22℃±3℃、50RH%±10RH%の環境下に帯電量測定装置を24時間以上置き、調温調湿を行う。十分に帯電量測定装置が調温調湿されたことを確認し、上記採取した現像剤の測定を実施する。採取された0.3〜0.7gの現像剤を化学天秤で0.500±0.005g秤量し、測定用ケージに入れる。ケージを帯電量測定装置(TB200)にセットし、ブローオフによりトナーを分離し、ファラデーケージに残った電荷を測定する。ブローオフ後にケージに残ったキャリア質量を最初の現像剤質量から引き、ブローオフされたトナー質量を算出し、電荷を割ることでトナーの帯電量を算出する。また、ブローオフケージにセットする網の目開きは特に指定は無いが、現像剤中のキャリアの微粉が0.2%以上抜けない目開きを選定することが望ましい。
<画像濃度>
記録媒体に印画された画像の濃度は、画像濃度計(X−Rite404A:X−Rite社製)を用いて測定した。
<キャリア体積固有抵抗>
体積抵抗の測定は、図1に示す装置を用いて行った。図1に示されるように、測定試料53を下部電極54と上部電極52とで挟持し、上方より加圧しながらダイヤルゲージで測定試料53の厚みHを測定し、測定試料53の体積抵抗を高電圧抵抗計55で計測した。
具体的には、キャリアの試料をセル(100mmφ、厚み1.0mm)の下部電極54上に充填し、上部電極52をセットし、その上から3.43kgの荷重を加えダイヤルゲージで厚みHを測定した。その後、高電圧抵抗計55により、電圧を印加し、電流値を読み取ることにより、体積抵抗を求めた。
−結晶性ポリエステル樹脂(1)の調製−
攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器中に、1,8−オクタンジカルボン酸を4.9mol、5−スルホイソフタル酸ナトリウムジメチルを0.1mol、1,6−ヘキサンジオールを4.8mol、エチレングリコールを0.22mol入れた後、容器内を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、ジブチルスズオキシドを0.04mol投入し、窒素ガス気流下180℃で5時間撹拌反応させ、その後更にチタンテトラブトキサイドを0.02mol加えて、温度220℃、反応容器内圧力10.0mmHgの減圧下で、4時間追加反応させて、結晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した融点は65℃、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量測定(ポリスチレン換算)で、重量平均分子量(Mw)が15100、数平均分子量(Mn)が7220、JIS−K0070に従ってアセトン−トルエン混合溶液を用いて測定した酸価が8KOHmg/gであった。
−非晶性ポリエステル樹脂(1)の調製−
攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物を1.5molと、ビスフェノールAトリメチレンオキサイド2mol付加物を1.8molと、シクロヘキサンジメタノールを1.1molと、エチレングリコールを0.62molと、テレフタル酸を4.0molと、イソフタル酸を1.0mol投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、ジブチルスズオキサイドを0.04mol投入して、窒素ガス気流下195℃で6時間撹拌反応させ、さらに温度を230℃に上げて6.0時間撹拌反応させた。その後、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で0.5時間攪拌反応させて、淡黄色透明な線状の非晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。DSC法によって測定したTgが56℃、GPC法(ポリスチレン換算)によって測定したMwが11100、Mnが4410、Mw/Mnが2.5、JIS−K0070に従ってアセトン−トルエン混合溶液を用いて測定した酸価が12KOHmg/g、粘弾性測定によるG''が10000Paになる温度が100℃であった。
−着色剤分散液(1)の調製−
シアン顔料20部(大日精化社製:ECB−301)、アニオン界面活性剤2部(第一工業製薬社製:ネオゲンSC、有効成分として着色剤に対して10%添加)、イオン交換水78部を用い、上記成分をすべて投入した時に液面の高さが容器の高さの1/3程度になるような大きさのステンレス容器に投入し、ホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5000回転で5分間分散した。その後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡し、続けて、分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力235MPaで分散した。分散は、トータルしこみ量と装置の処理能力から換算して28パス相当行なった。その後イオン交換水を加えて、固形分濃度を16.5%に調整した。得られた着色剤分散液の平均粒径をマイクロトラックUPAにて測定し、D50は110nmであった。
−非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調製−
ついで、得られた非晶性ポリエステル樹脂(1)を、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を高温高圧型に改造した分散機を用いて分散した。イオン交換水79%、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)が1%(有効成分として)、非晶性樹脂の濃度が20%の組成比で、アンモニアによりpHを8.5に調整し、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5.5Kg/cm2、熱交換器による加熱135℃の条件でキャビトロンを運転し、平均粒径284nmの非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)を得た。
−結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂(1)200部を蒸留水800部中に入れ、85℃に加熱後、アンモニアにてpH9.0に調整し、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)0.4部(有効成分として)を加え、85℃に加熱しながら、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、7500rpmで9分間分散し、結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)を得た。平均粒径は254nmであった。
−追加微粒子(1)の調製−
非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)150部(非晶性ポリエステル樹脂濃度20%)、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60%)1.5部(有効成分として0.9部)を混合した後、1.0%硝酸水溶液を添加し、pHを4.0にして、追加微粒子(1)を調製した。
<トナーC1の作製>
・イオン交換水 410部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)140部(結晶性ポリエステル樹脂濃度20%)
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)360部(非晶性ポリエステル樹脂濃度20%)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK、有効成分量60%)
2.5部(有効成分として1.5部)
を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、着色剤分散液(1)40部(着色剤濃度15%)を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0%硝酸水溶液を添加し、pHを2.7に調整した。攪拌機、マントルヒーターをはずし、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)にて、3000rpmで分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.33部、0.1%硝酸水溶液37.5部の混合溶液の1/2を添加した後、分散回転数を5000rpmにして、残りの1/2を1分間かけて添加し、分散回転数を6500rpmにして、7分間分散した。
反応容器に、攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を適宜調整しながら、42℃まで、0.5℃/分で昇温し、42℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで、追加微粒子(1)200部を4分間かけて投入した。投入後25分間保持した後、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で96℃まで昇温し、96℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、1.5時間目でほぼ球形化したので、1℃/分で20℃まで降温して粒子を固化させた。
その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で通水洗浄し、ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ上になった粒子を取り出し、粒子質量の10倍量のイオン交換水中に投入し、スリーワンモータで攪拌し充分に粒子がほぐれたところで、1.0%硝酸水溶液でpHを3.9に調整して10分間保持した。その後再度ろ過、通水洗浄し、ろ液の伝導度が10mS以下となったところで、通水を停止し、固液分離した。得られたケーキ状になった粒子をサンプルミルで解砕して、40℃のオーブン中で24時間乾燥した。得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で7時間真空乾燥して、トナー母粒子C1を得た。得られたトナー母粒子は、体積平均粒径が5.7μm、GSD(vol)1.2で、形状係数SF1は130であった。
このトナー母粒子:100部に、ルチル型酸化チタン(平均粒径20nm、n−デシルトリメトキシシラン処理)1.2部、大径外添剤としてシリカ(ゾルゲル法により作製、体積平均粒径D50=135nm、HMDS処理)1.0部、を加え、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで10分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーC1を作製した。このトナーの体積平均粒径は5.7μmであった。
<トナーC2の作成>
・非晶性ポリエステル樹脂(1) 80部
・植物系ワックス(カルナバワックス) 5部
・芳香族炭化水素共重合石油樹脂 6部
・SiO2微粒子(R972;日本アエロジル製) 3部
・C.I.ピグメント・ブルー15:3 6部
上記各成分をヘンシェルミキサーで充分予備混合を行い、バンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却圧延、予備粉砕した後に、ジェットミルにより微粉砕を行い、さらに熱処理球形化装置ファカルティー(ホソカワミクロン製)により球形化処理をした後に、さらにコアンダ効果を利用した分級機エルボージェット(マツボー製)で分級を行い、平均粒径5.9μm、4μm以下の粒径のトナー粒子数が5個数%、16μm以上の粒径のトナー粒子が1体積%であり、形状係数SF1が129のトナー母粒子を得た。
このトナー母粒子:100部に、ルチル型酸化チタン(平均粒径20nm、n−デシルトリメトキシシラン処理)1.2部、大径外添剤としてシリカ(ゾルゲル法により作製、体積平均粒径D50=135nm、HMDS処理)1.0部、を加え、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで10分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーC2を作製した。このトナーの体積平均粒径は5.9μmであった。
<キャリアAの作製>
トルエン25部、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比:10/90)3.0部を混合し、10分間スターラーで撹拌して被覆層形成用溶液Aを調製した。次に、この溶液AとMn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)100部とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアAを作製した。このキャリアは、1000V/cmの電界印加時の体積固有抵抗値が1014Ωcmであった。
<キャリアBの作製>
トルエン25部、環状ポリオレフィンCOC(三井化学社製アペル:APL6509T)3.0部を混合し、10分間スターラーで撹拌させて被覆層形成用溶液Bを調製した。次に、この溶液BとMn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)100部とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアBを作製した。このキャリアは、1000V/cmの電界印加時の体積固有抵抗値が1014.1Ωcmであった。
<キャリアCの作製>
まず、アミノ基を有する環状ポリオレフィン樹脂を調製した。
環状ポリオレフィンCOC(三井化学社製、アペル:APL6509T)100部を水3リットルに懸濁させ、塩素を1リットル/minで吹き込みながら、65℃で攪拌し、6時間反応させた。その後、水酸化バリウムで中和洗浄したのち、ろ過、乾燥することで塩素化COCを得た。これをアンモニアに添加し、55℃で攪拌することで塩素とアミノ基を置換したのち、15質量%のKOH水溶液で中和した後、洗浄攪拌し、アミノ基を付加した官能基含有環状ポリオレフィン樹脂Cを得た。このときのアミノ基量は0.5部であった。
この樹脂は、重量平均分子量15000、溶解度(トルエン不溶分)0.1質量%以下であった。
次いで、トルエン25部と、前記官能基含有環状ポリオレフィン樹脂C3.0部とを混合し、10分間スターラーで撹拌させて被覆層形成用溶液を調製した。次に、この被覆液とMn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)100部とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを作製した。このキャリアは、1000V/cmの電界印加時の体積固有抵抗値が1013.9Ωcmであった。
<キャリアDの作製>
まず、4級アンモニウム塩化したアミノ基を有する環状ポリオレフィン樹脂を調製した。
前記官能基含有環状ポリオレフィン樹脂C200部をトルエン1000部で溶解し、ヒドロキシルアミンを加え100℃で2時間攪拌し反応させた。さらに塩酸で酸性にした後にメタノール中に注ぎ、樹脂を析出させ、ろ過、洗浄、乾燥することによって、アミノ基をスルホン酸アニオンで4級アンモニウム塩化した官能基含有環状ポリオレフィン樹脂Dを得た。
この樹脂は、重量平均分子量28000、溶解度(トルエン不溶分)0.2質量%であった。
トルエン25部と、前記官能基含有環状ポリオレフィン樹脂D3.0部を混合し、10分間スターラーで撹拌させて被覆層形成用溶液を調製した。次に、この被覆液とMn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)100部とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを作製した。このキャリアは、1000V/cmの電界印加時の体積固有抵抗値が1013.8Ωcmであった。
<キャリアEの作製>
環状ポリオレフィンCOCを環状ポリオレフィン樹脂(住友ベークライト社製スミライト:FS-1700)に変更した以外はキャリアBと同様の方法により、キャリアEを作製した。このキャリアは、1000V/cmの電界印加時の体積固有抵抗値が1013.8Ωcmであった。
[実施例1]
前記キャリアD:92部、トナーC2:8部とをV−ブレンダーにより40rpmで20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより電子写真用現像剤DV1を作製した。
得られた現像剤DV1を用いて、Fuji Xerox社製Docu Centre Color400改造機(画像を用紙へ転写する前に強制停止できるように改造)を用いて、高温高湿(29℃/87%RH)の環境下で画像密度10%で10万枚の連続コピーテストを行い、10枚後(初期)と10万枚後に現像量、かぶり、ハーフトーン画像における潜像担持体へのキャリア付着による白抜けの評価を、下記の方法により実施した。
=評価=
(現像量評価方法)
2cm×5cmのベタパッチを2箇所有する画像をコピーし、用紙への転写前に装置を強制停止させて、現像量(用紙への転写前のトナーの量)を測定した。具体的には、精秤したテープを2つ用意し、潜像担持体表面の2箇所の現像部分をそれぞれ前記テープに粘着性を利用し転写して、トナー採取後のテープを再度精秤し、トナー採取前のテープ質量をそれぞれ差し引いた後に平均化することにより現像量とした。
[判断基準]
現像量 ○ :現像量4.5±0.5g/m2の範囲内
△ :現像量4.5±0.75g/m2の範囲内
×+:現像量5.25g/m2を超える現像量
×−:現像量3.75g/m2より少ない現像量
(かぶり評価方法)
上記(現像量評価方法)における、潜像担持体表面からのテープによるトナー採取時に、前記ベタパッチから10mm離れた箇所の背景部について、現像量評価の場合と同様の方法を用いてテープによるトナー採取を行い、該テープにおける1cm2当たりのトナー個数をカウントした。
[判断基準]
かぶり ○:100個未満
△:100個以上200個未満
×:200個以上
(ハーフトーン画像における潜像担持体へのキャリア付着による白抜けの評価方法)
エリアカバレッジ30%の全面ハーフトーン画像をA3用紙に出力し、色点並びに白点の個数をカウントした。
[判断基準]
色点/色点 ○:色点/白点なし
△:トータル10個未満
×:トータル10個以上
これらの評価結果を表1に示す。
[実施例2〜4、比較例1〜6]
前記実施例1のトナーとキャリアを表1のように変更した以外は、実施例1と同様の方法により現像剤を作製し評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2007086548
キャリア体積固有抵抗の測定方法を示す概略構成図である。
符号の説明
52 上部電極
53 測定試料
54 下部電極
55 高電圧抵抗計

Claims (2)

  1. 芯材粒子表面を被覆樹脂層で被覆してなる静電荷像現像用キャリアであって、
    前記被覆樹脂層が、官能基として含窒素基、カルボキシル基、水酸基の少なくとも1種を有する環状ポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とする静電荷像現像用キャリア。
  2. 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子に外部添加剤を添加してなる静電荷像現像用トナーと、静電荷像現像用キャリアと、を含有する静電荷像現像用現像剤であって、
    前記静電荷像現像用キャリアとして請求項1に記載の静電荷像現像用キャリアを用いることを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
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