JP7027876B2 - 白色トナー、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、「転写材上に固着される白色トナーにおいて、白色部を核とし、外側に透明部を有することを特徴とする白色トナー」が開示されている。また、この構成により「転写材の持つ色等の下地の色による、仕上がり画像の色味の変化及び画質の劣化を防止することや、転写材表面の凹凸に起因する転写条件の乱れを無くし、画質が劣化するのを防止すること、また白色トナー像とその上に設けられた通常のトナー像との混合による色の濁りやくすみを防止すること」が、開示されている。
また、特許文献2には、「定着樹脂媒質中に白色顔料と青色系着色剤とを含有させた白トナーにおいて、白色顔料がアルミニウムとケイ素の少なくとも一方の含水酸化物で表面処理していない高純度酸化チタンであり、且つ青色系着色剤が疎水性の青色顔料であることを特徴とする白トナー」が開示されている。
本発明の課題は、結着樹脂と、白色着色剤と、を含む白色トナー粒子を有し、白色トナーの載り量が8.0g/m2のベタ画像を形成した場合において、隠蔽率が90%以上、彩度が5以下及び明度が85以上の白色(つまり純白)である場合に比べ、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際にも、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する白色トナーを提供することにある。
<1>に係る発明は、
結着樹脂と、白色着色剤と、を含む白色トナー粒子を有し、
白色トナーの載り量が8.0g/m2の白色ベタ画像を形成した場合の、
前記白色ベタ画像における、隠蔽率が70%以上80%以下、彩度が9以上12以下、色相角が210°以上270°以下、明度が70以上80以下、である白色トナーである。
前記白色トナーの載り量を8.0g/m2以上12.0g/m2以下に変動させ白色ベタ画像を形成し、前記白色トナーの載り量と白色ベタ画像の色相角の関係から、最小二乗法による線形近似式を求めたとき、前記線形近似式の傾きmが、-1≦m≦0である<1>に記載の白色トナーである。
前記白色トナー粒子の体積平均粒子径D50vが6.0μm以上9.0μm以下である<1>又は<2>に記載の白色トナー。
前記白色トナー粒子の体積粒度分布指標が、1.4以上1.5以下である<3>に記載の白色トナーである。
前記白色トナー粒子の体積粒子径D84vが10.5μm未満であり、且つ、体積粒子径D16vが6.5μm以上である<3>又は<4>に記載の白色トナーである。
前記白色着色剤の個数平均粒子径D50pが220nm以上300nm未満である<1>~<5>に記載の白色トナーである。
前記白色着色剤の個数粒度分布指標が、1.6以上1.7以下である<6>に記載の白色トナーである。
前記白色着色剤の個数粒子径D84pが330nm未満であり、且つ、個数粒子径D16pが220nm以上である<6>又は<7>に記載の白色トナーである。
前記白色着色剤の含有量が、前記結着樹脂に対して、15質量%以上45質量%以下である<1>~<8>のいずれか1項に記載の白色トナーである。
前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂及びスチレンアクリル樹脂、からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む<1>~<9>のいずれか1項に記載の白色トナーである。
前記ポリエステル樹脂が、ウレア変性ポリエステル樹脂を含む<10>に記載の白色トナーである。
<1>~<11>のいずれか1項に記載の白色トナーを含む静電潜像現像剤である。
<1>~<11>のいずれか1項に記載の白色トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
<12>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
<12>に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法である。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
<12>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置である。
結着樹脂と、白色着色剤と、を含む白色トナー粒子を有し、白色トナーの載り量が8.0g/m2のベタ画像を形成した場合において、隠蔽率が90%以上、彩度が5以下及び明度が85以上の白色(つまり純白)である場合に比べ、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際にも、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する白色トナーが提供される。
白色トナーの載り量を8.0g/m2以上12.0g/m2以下に変動させ白色ベタ画像を形成した際に、トナー載り量と白色ベタ画像の色相角の関係から求めた最小二乗法による線形近似式における傾きmが、-1>mとなる白色トナーである場合に比べ、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際にも、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する白色トナーが提供される。
前記白色トナー粒子の体積平均粒子径D50vが6.0μm未満又は9.0μm超えである白色トナー粒子を含む白色トナーである場合に比べ、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際にも、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する白色トナーが提供される。
前記白色トナー粒子の体積粒度分布指標が、1.4未満又は1.5超えである白色トナー粒子を含む白色トナーである場合に比べ、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際にも、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する白色トナーが提供される。
前記白色トナー粒子の体積粒子径D84vが10.5μm以上であり、且つ、体積粒子径D16vが6.5μm未満である、白色トナー粒子を含む白色トナーである場合に比べ、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際にも、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する白色トナーが提供される。
前記白色着色剤の個数平均粒子径D50pが220nm未満300nm以上である白色トナーである場合に比べ、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際にも、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する白色トナーが提供される。
前記白色着色剤の個数粒度分布指標が1.6未満又は1.7超えである場合に比べ、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際にも、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する白色トナーが提供される。
前記白色着色剤の個数粒子径D84pが330nm以上であり、且つ、個数粒子径D16pが220nm未満である白色トナーである場合に比べ、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際にも、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する白色トナーが提供される。
前記白色着色剤の含有量が、結着樹脂に対して15質量%未満である白色トナーである場合に比べ、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際にも、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する白色トナーが提供される。
結着樹脂と、白色着色剤と、を含む白色トナー粒子を有し、白色トナーの載り量が8.0g/m2のベタ画像を形成した場合において、隠蔽率が90%以上、彩度が5以下及び明度が85以上の白色(つまり純白)である白色トナーを適用した場合に比べ、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際に、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法又は画像形成装置が提供される。
[白色トナー]
本実施形態に係る白色トナーは、結着樹脂と、白色着色剤と、を含む白色トナー粒子を有し、白色トナーの載り量が8.0g/m2の白色ベタ画像を形成した場合の、前記白色ベタ画像における、隠蔽率が70%以上80%以下、彩度が9以上12以下、色相角が210°以上270°以下、明度が70以上80以下である。
以下、白色トナーの特性について説明する。
本実施形態の白色トナーの第一態様は、白色トナー載り量が8.0g/m2の白色ベタ画像を形成した場合の、前記白色ベタ画像における、隠蔽率が70%以上80%以下、彩度が9以上12以下、色相角が210°以上270°以下、明度が70以上80以下である。
彩度(C*)=((a*)2+(b*)2))1/2
色相角(h)=tan-1(b*/a*)
なお、本開示の白色トナーにおける色相角は、degree[°]表記を用いている。
上述の白色ベタ画像を形成方法において、白色トナーの載り量の条件のみを、8.0g/m2、9.0g/m2、10.0g/m2、11.0g/m2及び12.0g/m2に変動させ、白色ベタ画像を形成する。次に、得られた白色トナー載り量の異なる各白色ベタ画像について、上述した手法により色相角を測定し、各白色トナーの載り量に対する白色ベタ画像の色相角の値をプロットする。得られたグラフに対し、最小二乗法による線形近似を行い、近似式を求める。
以下、白色トナー粒子について説明する。
本実施形態に係る白色トナーは、白色トナー粒子を含んで構成される。
白色トナー粒子は、結着樹脂と、白色着色剤と、を含む。
白色トナー粒子は、離型剤及びその他の添加剤を含んで構成されてもよい。
以下、白色トナー粒子の特性について説明する。
前記白色トナー粒子の体積平均粒子径D50vは、6.0μm以上9.0μm以下であることが好ましく、7.0μm以上9.0μmであることがより好ましく、7.5μm以上9.0μm以下であることが更に好ましく、8.0μm以上9.0μm以下であることが最も好ましい。
特に、白色トナー粒子の体積平均粒子径D50vが、6.0μm以上9.0μm以下であると、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際にも、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する白色トナーが提供され易くなる。
特に、白色トナー粒子の体積粒度分布指標が1.4以上1.5以下であると、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際にも、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する白色トナーが提供され易くなる。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒子径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積を小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒子径を体積粒子径D16v、累積50%となる粒子径を体積平均粒子径D50v、累積84%となる粒子径を体積粒子径D84vと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2として算出される。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA-3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
以下、結着樹脂について説明する。
本実施形態の白色トナー粒子は、結着樹脂を含む。
ただし、非晶性樹脂と結晶性樹脂との質量比(非晶性樹脂/結晶性樹脂)は、50/50以上97/3以下が好ましく、70/30以上93/7以下がより好ましい。
非晶性樹脂としては、例えば、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂(例えばスチレン(メタ)アクリル樹脂等)、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等の公知の非晶性樹脂が挙げられる。これらの中でも、トナーの低温定着性および帯電性の点から、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂(例えばスチレン(メタ)アクリル樹脂等)が好ましく、非晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
多価イソシアネート化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
3価以上のポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコールとしては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタンとしては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
これらのアミノ基をブロックしたものとしては、ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸などのアミン化合物とケトン化合物(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)とから得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン化合物のうち、ケチミン化合物が好ましい。
アミン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋/伸長反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
上記アミン化合物のアミノ基をブロック化した化合物としては、上記アミン化合物とケトン化合物(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)とから誘導されるケチミン化合物、オキサゾリン化合物等が挙げられる。
アミン化合物としては、ケチミン化合物が好ましい。アミン化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
スチレン(メタ)アクリル樹脂としては、スチレン系モノマー及び(メタ)アクリル系モノマー以外に、その他のモノマーを共重合した共重合体であってもよい。
ここで、「(メタ)アクリル」等の記述は、「アクリル」及び「メタクリル」等のいずれをも含む表現である。
スチレン系モノマーは、スチレン骨格を有する単量体であり、具体的には、スチレン;ビニルナフタレン;α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン等のアルキル置換スチレン;p-フェニルスチレン等のアリール置換スチレン;p-メトキシスチレン等のアルコキシ置換スチレン;p-クロロスチレン、3,4-ジクロロスチレン、4-フルオロスチレン、2,5-ジフルオロスチレン等のハロゲン置換スチレン;m-ニトロスチレン、o-ニトロスチレン、p-ニトロスチレン等のニトロ置換スチレン;などが挙げられる。これらの中でも、スチレン系モノマーとしては、スチレン、p-エチルスチレン、p-n-ブチルスチレン等がよい。
これらのスチレン系モノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
例えば、(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸n-メチル、(メタ)アクリル酸n-エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸n-ドデシル、(メタ)アクリル酸n-ラウリル、(メタ)アクリル酸n-テトラデシル、(メタ)アクリル酸n-ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n-オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリル系モノマーは、単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
非晶性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル樹脂(例えば、ポリアルキレン樹脂、長鎖アルキル(メタ)アクリレート樹脂等)等の公知の結晶性樹脂が挙げられる。これらの中でも、結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂がよい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に、結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数5以上12以下(好ましくは、炭素数7以上10以下)である脂肪族カルボン酸を含む多価カルボン酸成分に由来する構成単位と、炭素数4以上10以下(好ましくは、炭素数6以上10以下)である脂肪族ジオールを含む多価アルコール成分に由来する構成単位と、を含むものが好ましい。
結晶性樹脂の融解温度は、50℃以上100℃以下が好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下がさらに好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
結晶性樹脂の含有量を上記範囲にすると、トナーに特定の粘度特性が得られやすい。具体的に結晶性樹脂の含有量が、トナー粒子に対して5質量%以上であれば、定着時においてトナーの粘度が十分に低下するため、離型剤の染み出し性が向上し易い。また、結晶性樹脂の含有量が、トナー粒子に対して25質量%以下であれば、長期保管したときにトナー表面への結晶性樹脂の染み出し量が抑制されるため、トナー保管性の観点から有利である。
以下、白色着色剤について説明する。
本実施形態の白色トナー粒子は、白色着色剤を含む。
白色顔料として具体的には、例えば、無機顔料(例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、鉛白)、硫化亜鉛-硫酸バリウム混合物(リトポン)、硫化亜鉛(ZnS)、二酸化ケイ素(SiO2、シリカ)、酸化アルミニウム(Al2O3、アルミナ)、焼成カオリン、デラミネートカオリン、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクサイト等)、有機顔料(例えば、ポリスチレン樹脂粒子、尿素ホリマリン樹脂粒子等)が挙げられる。
白色顔料として酸化チタンが用いられる場合、酸化チタンは市販品を用いても合成されたものを用いてもよい。
酸化チタンを合成する場合、合成方法に特に限定はない。例えば、四塩化チタン水溶液に、グリセリンを添加して加熱した後、ろ過する。得られた白色粉体をイオン交換水に分散し、塩酸を加えて再度加熱する。水酸化ナトリウムによりpHを7に調整した後、ろ過し、水洗し、乾燥して含水二酸化チタン粒子を得る。次いで、含水二酸化チタン粒子に、Al2O3、K2O及びP2O5を混合して焼成することで、酸化チタン粒子を得ることができる。
上述の方法で酸化チタン粒子を得る場合、酸化チタン粒子を得るときに添加するAl2O3、K2O及びP2O5の添加量及び添加比率並びに焼成温度を変えて粒子径の異なる酸化チタン粒子を得ることができる。粒子径の異なる酸化チタン粒子を混合することで、酸化チタン粒子の平均粒子径、粒度分布を任意に調整することができる。また、Al2O3、K2O及びP2O5を混合する際の混合条件を弱くする(部分的に不均一状態を得る)ことで、粒度分布の広い酸化チタン粒子を得ることができる。なお、リン酸化合物(P2O5)の量を増加すると酸化チタン粒子の粒子径は小さくなる傾向にある。カリウム化合物(K2O)を増加すると酸化チタン粒子の粒子径は大きくなる傾向にある。焼成温度を上げると酸化チタン粒子の粒子径が大きくなる傾向にある。
特に、白色着色剤の個数粒度分布指標が1.6以上1.7以下であると、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際にも、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する白色トナーが提供され易くなる。
一方、本実施形態の白色トナーに含まれる白色着色剤は、個数平均粒子径D50pを小粒子径とする。また、粒度分布を制御する。これにより、白色トナー内における白色着色剤の凝集が少なく抑えられ、白色トナー全体に高分散化され易くなる。白色トナー内において白色着色剤の凝集が少なく抑えられ高分散化されると、当該白色トナーを用いて白色画像を形成した際に、入射光が広く散乱及び屈折され、入射光が下地の用紙に吸収されることが抑制され易くなる。すなわち、白色トナーによる白色画像の彩度が、好適な高白色を維持し易くなる。その結果、彩度及び明度の低い記録媒体に印刷した際にも、高隠蔽性を有しつつ、上層の有色画像の発色の低下を抑制する白色トナーが提供され易くなると考えられる。
本実施形態に係る白色トナー粒子を、エポキシ樹脂に混合し包埋し終夜放置することで固化した後、ウルトラミクロトーム装置(UltracutUCT、Leica社製)を用いて、たとえば厚み250nm以上450nm以下程度の薄片を作製する。
得られた薄片を超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(S-4800、日立ハイテクノロジーズ社製)にて観察し、白色トナー粒子内部の白色着色剤を確認する。白色着色剤の輪郭部がはっきりしない場合は、観察薄片の厚さを調整して観察しなおすことができる。白色トナー粒子の内部に空白欠損部が多い場合、薄片作製時に白色着色剤が脱落した可能性があるため、薄片の厚さを厚めに調整することが好ましい。白色トナー粒子内部の白色着色剤の多くが重なって見えることで白色着色剤の輪郭が判別しにくい場合は、薄片の厚さが厚すぎて複数の白色着色剤が重なって観察されている可能性があるため、薄片の厚さを薄めに調整することが好ましい。
観察した写真を電子化し、三谷商事株式会社製の画像解析ソフト(Win ROOF)に取り込み、例えば次のような手順で白色トナー粒子中の白色着色剤の粒子径が求められる。
つまり、包埋剤の中のトナー断面領域を選択対象として選択し、「2値化処理」コマンドの「自動2値化-判別分析法」を用い、2値化処理を行ない、白色着色剤と結着樹脂部を分離する。このとき、2値化前の画像と比較し、2値化画像の白色着色剤領域部分は白色着色剤が1粒子ずつ分離されているか確認する。複数の粒子がつながって2値化されているものは2値化の閾値を調整して1粒子ずつ独立して2値化されるようにするか、又は手動で領域分割して白色着色剤1粒子で各々の白色着色剤領域部分が形成されるように修正する。抽出された白色着色剤領域を選択し最大フェレ径を求めて白色着色剤の粒子径とした。
写真の撮影濃度やノイズなどにより2値化が正常に行なえない場合は「フィルタ-メディアン」処理やエッジ抽出処理を行なうことにより画像の鮮明化を行なったうえで、手動で境界を設定するなどしてもよい。
白色着色剤の個数平均粒子径の算出には、1視野に白色着色剤が10個以上100個以下程度見える画像を用いて白色着色剤300個以上の測定値を求める。測定値から、粒度分布を得て、この粒度分布に基づき、数基準で、小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒子径を個数粒子径D16p、累積50%となる粒子径を個数平均粒子径D50p、累積84%となる粒子径を個数粒子径D84pと定義する。これらを用いて、個数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
白色着色剤単独で白色着色剤の個数平均粒子径を算出する場合は、たとえば白色着色剤と100μmのジルコニア粒子とを軽く混合し、ジルコニア粒子表面に付着している白色着色剤を電子顕微鏡(たとえばS-4800、日立ハイテクノロジーズ社製)で観察して得られた電子化画像を用いて、上記と同様に画像解析を行なって算出することができる。このとき、白色着色剤が凝集状態である場合は手動で領域分割して白色着色剤1粒子で各々の白色着色剤領域部分が形成されるように修正する。また、あらかじめ白色着色剤を導電テープ上に付着させて電子顕微鏡観察した画像を用意しておき、観察される白色着色剤の形状を比較し、ジルコニア粒子と混合時につぶれたりして変形した白色着色剤は測定対象から除外する。
ジルコニア粒子表面の白色着色剤が重なっていたり凝集したりして観察しにくい場合は混合する白色着色剤の比率を下げたり、混合条件を調整することで改善できる。
一方、白色着色剤の含有量が、結着樹脂に対して40質量%以下であると、本実施形態の白色トナーを記録媒体に印刷した際の、白色画像の定着性の低下が抑制され易くなる。
以下、その他の添加剤について説明する。
本実施形態の白色トナー粒子は、結着樹脂及び白色着色剤の他に、離型剤及びその他の添加剤を含んで構成されてもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K-7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
(外添剤)
白色トナーに含まれるその他の外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子、高級アルコール類)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、白色トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
次に、本実施形態に係る白色トナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係る白色トナーは、白色トナー粒子を製造後、白色トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、白色トナー粒子を得ることがよい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、白色トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、白色トナー粒子を製造する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含む白色トナー粒子を得る方法について説明する。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の個数平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA-700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒子径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒子径を個数平均粒子径D50pとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の個数平均粒子径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とする白色トナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、白色トナー粒子を形成する。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造の白色トナー粒子を形成する工程と、を経て、白色トナー粒子を製造してもよい。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
未変性ポリエステル樹脂、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、アミン化合物、白色着色剤又は有色着色粒子、及び離型剤を含む白色トナー粒子材料を有機溶媒に溶解又は分散させた油相液を調製する(油相液調製工程)。この油相液調製工程は、白色トナー粒子材料を有機溶媒中に溶解又は分散させて、白色トナー材料の混合液を得る工程である。
次に、得られた油相液を水相液中に分散させて懸濁液を調製する(懸濁液調製工程)。
そして、懸濁液の調製と共に、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン化合物との反応を行う。そして、この反応によりウレア変性ポリエステル樹脂を生成する。なお、この反応は、分子鎖の架橋反応及び伸長反応の少なくとも一方の反応が伴う。なお、このイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン化合物との反応は、後述する溶媒除去工程と共に行ってもよい。
ここで、反応条件は、ポリエステルプレポリマーの有するイソシアネート基構造とアミン化合物との反応性により選択される。一例として、反応時間は、10分以上40時間以下が好ましく、2時間以上24時間以下が好ましい。反応温度は、0℃以上150℃が好ましく、40℃以上98℃以下が好ましい。なお、ウレア変性ポリエステル樹脂の生成には、必要に応じて公知の触媒(ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート等)を使用してもよい。つまり、油相液、又は懸濁液に、触媒を添加してもよい。
上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸またはα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、アミン等により中和された塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)から選ばれる少なくとも1種と、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物が挙げられる。上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸とα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、アミン等により中和された塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)も挙げられる。上記カルボキシル基を有する重合体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、得られた懸濁液から有機溶媒を除去してトナー粒子分散液を得る(溶媒除去工程)。この溶媒除去工程では、懸濁液に分散した水相液の液滴中に含まれる有機溶媒を除去して白色トナー粒子を生成する工程である。懸濁液からの有機溶媒除去は、懸濁液調製工程の直後に行ってもよいが、懸濁液調製工程終了後、1分以上経過した後に行ってもよい。
溶媒除去工程では、得られた懸濁液を例えば0℃以上100℃以下の範囲に冷却または加熱することにより、懸濁液から有機溶媒を除去することがよい。
(1)懸濁液に気流を吹き付けて、懸濁液面上の気相を強制的に更新する方法。この場合には、懸濁液中に気体を吹き込んでもよい。
(2)圧力を減圧する方法。この場合には、気体の充填により懸濁液面上の気相を強制的に更新してもよいし、さらに懸濁液中に気体を吹き込んでもよい。
ここで、溶媒除去工程終了後は、白色トナー粒子分散液中に形成された白色トナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態の白色トナー粒子として得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。
また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3Yからレーザ光線を照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として現像され可視化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエローのトナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第5のユニット10M、10C、10K、10Wを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係る白色トナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
(結着樹脂(結晶性ポリエステル樹脂及びその粒子分散液)の調製)
-結晶性ポリエステル樹脂の合成-
加熱乾燥した三口フラスコに、1,12-ドデカンジカルボン酸266部、及び、1,10-デカンジオール169部と、触媒としてテトラブトキシチタネートを0.035部を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、更に窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間撹拌し、粘稠な状態となったところで樹脂酸価を測定し、樹脂酸価が15.0mgKOH/gになったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂を得た。
得られた結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)を前述の方法にて測定したところ13,000であった。また、得られた結晶性ポリエステル樹脂の融解温度を、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ73℃であった。
-結晶性ポリエステル樹脂の粒子分散液の調整-
次に、得られた結晶性ポリエステル樹脂を180部、及び、脱イオン水585部をステンレスビーカーに入れ、温浴につけ、95℃に加熱した。結晶性ポリエステル樹脂が溶融した時点で、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて8,000rpmで撹拌し、同時に希アンモニア水を添加しpHを7.0に調整した。ついでアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンR)0.8部を希釈した水溶液20部を滴下しながら、乳化分散を行い、個数平均粒子径が0.23μmの結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(樹脂粒子濃度:40質量%)を調製した。
-非結晶性ポリエステル樹脂の合成-
加熱乾燥した二口フラスコに、アジピン酸ジメチル74部、テレフタル酸ジメチル192部、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物216部、エチレングリコール38部と、触媒としてテトラブトキシチタネート0.037部とを入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち撹拌しながら昇温した後、160℃で約7時間共縮重合反応させ、その後、10Torrまで徐々に減圧しながら220℃まで昇温し4時間保持した。一旦常圧(大気圧、以下同様)に戻し、無水トリメリット酸9部を加え、再度10Torrまで徐々に減圧し1時間保持することにより非晶性ポリエステル樹脂を合成した。なお、1Torr=(101,325/760)Paである。
得られた非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度を、前述の測定方法により示差走査熱量系(DSC)を用いて測定したところ、60℃であった。得られた非晶性ポリエステル樹脂の分子量を前述の測定方法によりGPCを用いて測定したところ、重量平均分子量(Mw)は12,000であった。また、得られた非晶性ポリエステル樹脂の酸価を測定したところ、25.0mgKOH/gであった。
-非結晶性ポリエステル樹脂の粒子分散液の調整-
次に、得られた非晶性ポリエステル樹脂を115部と、脱イオン水180部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンR)5部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(樹脂粒子濃度:40質量%)を調整した。
(白色着色剤を含む分散液の調整)
白色着色剤(酸化チタン、KRONOS株式会社製、商品名2500)45部、アニオン性界面活性剤0.3部、イオン交換水100部、イオン交換水に0.1mol/lの塩化水素水溶液を加えてpHを4.5に調整し、100μmのジルコニアビーズと混合しボールミルにて24時間撹拌・解砕した後、ジルコニアビーズを除去して白色着色剤を含む分散液を得た。
なお、白色着色剤の個数平均粒子径(D50p)は253nmであった。
・離型剤(東亜合成社製、カルナバワックスRC-160)90部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬株式会社製、ネオゲンR、20%水溶液)15部
・イオン交換水400部
以上を混合し、100℃に加熱した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子分散液を得た。得られた離型剤粒子分散液内における離型剤粒子の個数平均粒子径を、レーザー回折粒度測定器を用いて測定したところ、個数平均粒子径は0.20μmであった。また、離型剤粒子分散液の固形分比率は20質量%であった。
・結晶性ポリエステル樹脂分散液 80部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液 265部
・白色着色剤を含む分散液 522部
・離型剤粒子分散液 98部
・イオン交換水 500部
上記成分を、円筒型ステンレス容器に加えて撹拌した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で1分間分散した。次いで、凝集剤として硫酸アルミニウムの1質量%水溶液1.5質量部を滴下して、更に5分間分散混合し、凝集スラリーを得た。次いで、前記容器に攪拌機と温度計とを設置し、適度な撹拌を継続しながらマントルヒーターで徐々に加熱し、45°で1時間保持した。次いで、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液56質量部を添加して50℃に昇温し、前記凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着させた。光学顕微鏡で、樹脂被覆槽の厚みが増したことを確認した後、凝集粒子スラリーのpHを8.0に調整して80℃に昇温し、光学顕微鏡で合一度合を確認しながら適当な時間保持して冷却した。
この合一スラリーを冷却し、20μmのナイロン網で濾した後、吸引濾過器でケーキを形成してイオン交換水で十分にケーキ洗浄を行った。この洗浄ケーキをバットに移し、真空乾燥機で水分率が1%以下になるまで乾燥し、白色トナー粒子を得た。
得られた白色トナー粒子の体積平均粒子径D50vは8.7μmであった。
実施例1の白色トナーの作製において、白色着色剤を、酸化チタン(KRONOS株式会社製、商品名2450)へと変更し、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液56質量部を添加した後の昇温温度を、50℃から43℃へと変更した以外は、実施例1と同様にして、白色現像剤を作製した。得られた白色着色剤及び白色トナー粒子の粒子径の情報は、表1に示す通りとなった。
実施例1の白色トナーの作製において、白色着色剤を含む分散液を、pH4.5からpH5.5へと変更し、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液56質量部を添加した後の昇温温度を、50℃から53℃へと変更した以外は、実施例1と同様にして、白色現像剤を作製した。
実施例1の白色トナーの作製において、45℃で1時間保持を、43℃で1時間保持へと変更し、白色トナー粒子の体積平均粒子径D50vを、7.9μmとした以外は、実施例1と同様にして、白色現像剤を作製した。
実施例1の白色トナーの作製において、白色着色剤を含む分散液を、pH4.5からpH4.0へと変更し、白色着色剤の個数粒子径D84p及びD16pを、329nm、及び220nmとした以外は、実施例1と同様にして、白色現像剤を作製した。
実施例1の白色トナーの作製において、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液56質量部を添加した後の昇温温度を、50℃から47℃へと変更して、白色トナー粒子の体積粒度分布指標D84v/D16vを、1.61とした以外は、実施例1と同様にして、白色現像剤を作製した。
実施例1の白色トナーの作製において白色着色剤を、白色着色剤(酸化チタン、KRONOS株式会社製、商品名2230)へと変更し、白色着色剤を含む分散液を、pH4.5からpH6.0へと変更し、白色着色剤の個数平均粒子径D50pを302nm、個数粒子径D84p及びD16pを360nm及び210nmとした以外は、実施例1と同様にして、白色現像剤を作製した。
(スチレンアクリル樹脂分散液Aの調製)
スチレン370g、n-ブチルアクリレート30g、アクリル酸8g、ドデカンチオール24g四臭化炭素4gを混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6g及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10gをイオン交換水550gに溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、体積平均粒径150nm、固形分濃度35%のスチレンアクリル樹脂分散液Aを得た。得られたスチレンアクリル樹脂分散液Aを乾燥させたところ重量平均分子量は11500、ガラス転位温度は58℃、樹脂比重は1.0g/cm3であった。
(離型剤分散液Aの調製)
・パラフィンワックスHNP9(融点:74℃、日本精蝋社製, 比重:0.925g/cm3):45部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK):5部
・イオン交換水:200部
以上の材料を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径が0.21μmである離型剤分散液(a)(離型剤濃度:20%)を調製した。
白色着色剤(酸化チタン、KRONOS株式会社製、商品名2500)45部、アニオン性界面活性剤0.3部、イオン交換水100部、イオン交換水に0.1mol/lの塩化水素水溶液を加えてpHを4.5に調整し、100μmのジルコニアビーズと混合しボールミルにて24時間撹拌・解砕した後、ジルコニアビーズを除去して白色顔料分散液Aを得た。なお、白色着色剤の個数平均粒子径(D50p)は268nmであった。
・スチレンアクリル樹脂分散液A・・・94部
・離型剤分散液A・・・35部
・白色顔料分散液A・・・174部
・イオン交換水・・・900部
以上の材料を丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中に投入し、ポリ塩化アルミニウム(PAC100W:浅田化学社製)1.8gを添加し、ウルトラタラックスT50(IKA社製)を用いて混合、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら45℃まで、0.5℃/分で昇温し、45℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに粒径を測定し、体積平均粒径が4.8μmとなったところで追加用スチレンアクリル樹脂分散液A 100部を3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、0.1N水酸化ナトリウムを追加して、pHを7に調整した後、攪拌を継続しながら、昇温速度1℃/分で95℃まで昇温し、95℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE-SEM)にて粒子形状及び表面性を観察し、凝集粒子が十分融合した後、氷水にて冷却し、粒子を固定化させた。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水にて十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより、白色トナー粒子Aを得た。
そして、上述の白色トナー粒子Aを使用した以外は、実施例1と同様にして白色現像剤を得た。
[実施例9]
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ、及び精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、フマル酸80.9部、及び1,10-デカンジオール46.3部と共に、上記材料(フマル酸及び1,10-デカンジオール)100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を除去しながら150℃で4時間反応を行い、その後、窒素気流下、6時間時間かけて180℃まで昇温し、180℃で6時間反応した。その後減圧下で1時間反応をさせ冷却することで未変性の結晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。
・テレフタル酸 :1243部
・ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物 :1800部
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド付加物 :800部
上記成分を185℃で加熱混合した後、ジブチル錫オキサイド2.5部を加え、225℃で加熱しながら水を留去し、未変性ポリエステル樹脂(1)を得た。
・テレフタル酸 :1255部
・ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物 :1845部
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド付加物 :850部
上記成分を180℃で加熱混合した後、ジブチル錫オキサイド2.5部を加え、225℃で加熱しながら水を留去し、ポリエステルを得た。得られたポリエステル350部、トリレンジイソシアネート55部、酢酸エチル500部を容器に入れ、この混合物を120℃で5時間加熱して、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(1)(以下「イソシアネート変性ポリエステルプレポリマー(1)」)を得た。
容器にメチルエチルケトン60部とヘキサメチレンジアミン155部を入れ、65℃で撹拌してケチミン化合物(1)を得た。
(白色着色粒子(1)の製造)
酸化チタン粒子(1)30部と酸化チタン粒子(2)70部を0.1規定塩化水素溶液を用いてpH4に調整したイオン交換水200部と混合して一晩ボールミル分散したのちに、静置して上澄みを除去して凍結真空乾燥機で12時間乾燥してから、ジェットミルで解砕し、篩分して粗大粉を除去して、個数平均粒径280nm、個数粒子径が350nm以上600nm以下の白色着色粒子の割合が18個数%の白色着色粒子(1)を得た。
白色着色剤(酸化チタン、KRONOS株式会社製、商品名2500)45部、アニオン性界面活性剤0.3部、イオン交換水100部、イオン交換水に0.1mol/lの塩化水素水溶液を加えてpHを4.5に調整し、100μmのジルコニアビーズと混合しボールミルにて24時間撹拌・解砕した後、ジルコニアビーズを除去して白色着色粒子分散液(11)を得た。なお、白色着色剤の個数平均粒子径(D50p)は268nmであった。
・パラフィンワックス(融解温度89℃) :30部
・酢酸エチル :270部
上記成分を10℃に冷却した状態で、マイクロビーズ型分散機(DCPミル)により湿式粉砕し、離型剤粒子分散液(2)を得た。
・未変性ポリエステル樹脂(1) :136部
・白色着色粒子分散液(11) :630部
・酢酸エチル :56部
上記成分を撹拌混合後、得られた混合物に離型剤粒子分散液(2)75部を加え、撹拌して、油相液(1)を得た。
・スチレン :400部
・n-ブチルアクリレート :30部
・アクリル酸 : 4部
・ドデカンチオール :25部
・四臭化炭素 : 5部
上記成分を混合し、溶解した混合物を、非イオン系界面活性剤(三洋化成工業(株)製:ノニポール400)5部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)10部をイオン交換水560部に溶解した水溶液に、フラスコ中で乳化した後、10分間混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部をイオン交換水50部に溶解した水溶液を投入し、窒素置換を行った後、フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続して、樹脂粒子を分散させてなるスチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)を得た。
・スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1) :60部
・セロゲンBS-H(第一工業製薬(株))の2%水溶液 :200部
・イオン交換水 :200部
上記成分を撹拌混合し、水相液(1)を得た。
・結晶性ポリエステル樹脂(1):80部
・油相液(1) :300部
・イソシアネート変性ポリエステルプレポリマー(1) :25部
・ケチミン化合物(1) :1.5部
上記成分のうち、油相液(1)300部に結晶性ポリエステル樹脂(1)80部を溶解させたのち、残りの成分を容器に入れ、ホモジナイザー(ウルトラタラックス:IKA社製)により2分間撹拌して油相液(1P)を得た後、容器に水相液(1)1000部を加え、ホモジナイザーで20分間撹拌した。次に、室温(25℃)、常圧(1気圧)で48時間、プロペラ型撹拌機でこの混合液を撹拌し、イソシアネート変性ポリエステルプレポリマー(1)とケチミン化合物(1)とを反応させ、ウレア変性ポリエステル樹脂を生成すると共に、有機溶媒を除去し、粒状物を形成した。次に、粒状物を水洗し、乾燥し、分級して、トナー粒子Bを得た。
そして、上述の白色トナー粒子Bを使用した以外は、実施例1と同様にして白色現像剤を得た。
実施例1の白色トナーの作製において、白色着色剤を含む分散液を、pH4.5からpH8.5へと変更した以外は、実施例1と同様にして、白色現像剤を作製した。
実施例1の白色トナーの作製において、白色着色剤を、白色着色剤(酸化チタン、KRONOS株式会社製、商品名2450)へと変更し白色着色剤を含む分散液を、pH4.5からpH8.5へと変更した以外は、実施例1と同様にして、白色現像剤を作製した。
[比較例3]
実施例1の白色トナーの作製において、白色着色剤を、白色着色剤(酸化チタン、テイカ株式会社製、商品名JR301)へと変更した以外は、実施例1と同様にして、白色現像剤を作製した。
[比較例4]
実施例1の白色トナーの作製において、白色着色剤を、白色着色剤(酸化チタン、KRONOS株式会社製、商品名2230)へと変更し白色着色剤を含む分散液を、pH4.5からpH8.5へと変更した以外は、実施例1と同様にして、白色現像剤を作製した。
(白色トナーの載り量と白色ベタ画像の色相角の関係式の作成)
実施例1及び比較例1においては、白色トナーの載り量を8.0g/m2から12.0g/m2まで変動させて各白色ベタ画像を形成し、色相角を測定した。その後、白色トナーの載り量と白色ベタ画像の色相角との関係から、線形近似式及びそこから得られる傾きmを、先述した手法により、下記の通り求めた(図3参照)。また、このとき得られた実施例1及び比較例1における色相角のプロットを図2に示す。
・線形近似式:Y=-0.5745X+253.08
・ 傾きm:-0.5745
[比較例1]
・線形近似式:Y=-1.0563X+255.02
・ 傾きm:-1.0563
トナーの載り量を6.0g/m2に調整した有色画像を連続して100枚出力し、その中から任意に10枚を抽出し、各画像の周辺部(端部から10mm)と、画像内部のそれぞれ10箇所について、エックスライト社製X-Rite939(アパーチャー径4mm)を用いてCIE1976L*a*b*表色系の座標値(L*値、a*値及びb*値)を求めた。
なお、有色画像の彩度、明度、色相角の評価の出力チャートは、電子写真学会テストチャートNo.5-1の画像サンプルを用いた。具体的に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)で構成されるYMCKの各下層に、本実施形態の白色トナーによる白色ベタ画像を出力した。
白ベタ画像及び白色ベタ画像の上層に設けた有色画像における、彩度、色相角及び明度は、先述した手法を用いて求めた。また、白色ベタ画像の上層に設けた有色画像の彩度、色相角及び明度については、下記の評価基準に沿って評価を行った。
-彩度(C)-
A(◎):上層の有色画像の彩度が阻害されずに良好に表れている(82以上;ΔC≦12)。
B(〇):上層の有色画像の彩度が阻害されずに表れている(79以上82未満;12<ΔC≦15)。
C(×):上層の有色画像の彩度が阻害され低下している(79未満;15<ΔC)。
A(◎):上層の有色画像の色相角が阻害されずに良好に表れている(94;Δθ≦1)。
B(〇):上層の有色画像の色相角が阻害されずに表れている(1<θ≦4)。
C(×):上層の有色画像の色相角が阻害され低下している(4<θ)。
A(◎):上層の有色画像の明度が阻害されずに良好に表れている(87以上;ΔL≦5)。
B(〇):上層の有色画像の明度が阻害されずに表れている(80以上87未満;5<ΔL≦12)。
C(×):上層の有色画像の明度が阻害され低下している(80未満;12<ΔL)。
前述の有色画像の各測定値に対して、最小値と最大値との色差ΔEが小さいほど色再現性に優れる。得られた結果を表2に示す。
-白ベタ画像上の有色画像の最大色差(ΔE)-
A(◎):上層の有色画像の発色が阻害されずに良好に表れている。(ΔE≦3)
B(〇):上層の有色画像の発色が阻害されずに表れている。(3<ΔE≦4)
C(×):上層の有色画像の発色が阻害され低下している。(4<ΔE)
前述の有色画像の色相角θの各測定値に対して、最小値と最大値との色差Δθが小さいほど色再現性に優れる。得られた結果を表2に示す。また、得られた有色画像の最大色差の値から、下記の評価基準にそって有色画像の発色の評価を行った。
-有色画像の発色の評価(Δθ)-
A(◎):上層の有色画像の発色が阻害されずに良好に表れている(Δθ≦2)。
B(〇):上層の有色画像の発色が阻害されずに表れている(2<Δθ≦5)。
C(×):上層の有色画像の発色が阻害され低下している(5<Δθ)。
2Y、2M、2C、2K、2W 帯電ロール(帯電手段の一例)
3Y、3M、3C、3K、3W 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
4Y、4M、4C、4K、4W 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K、5W 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K、6W 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K、8W トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K、10W 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
21 中間転写体クリーニング装置
22 駆動ロール
23 支持ロール
24 対向ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (9)
- 結着樹脂と、白色着色剤と、を含む白色トナー粒子を有し、
白色トナーの載り量が8.0g/m2の白色ベタ画像を形成した場合の、
前記白色ベタ画像における、隠蔽率が70%以上80%以下、彩度が9以上12以下、色相角が210°以上270°以下、明度が70以上80以下、であり、
前記白色着色剤の、個数平均粒子径D50pが253nm以上277nm以下、個数粒度分布指標が1.50以上1.73以下、個数粒子径D84pが329nm以上368nm以下、個数粒子径D16pが205nm以上220nm以下であり、
前記白色トナー粒子の、体積平均粒子径D50vが7.9μm以上9.2μm以下、体積粒度分布指標が1.46以上1.51以下、体積粒子径D84vが9.9μm以上10.7μm以下、体積粒子径D16vが6.7μm以上7.3μm以下であり、
前記白色トナーの載り量を8.0g/m2以上12.0g/m2以下に変動させ白色ベタ画像を形成し、前記白色トナーの載り量と白色ベタ画像の色相角の関係から、最小二乗法による線形近似式を求めたとき、前記線形近似式の傾きmが、-0.6≦m≦0である、
白色トナー。 - 前記白色着色剤の含有量が、前記結着樹脂に対して、15質量%以上45質量%以下である請求項1に記載の白色トナー。
- 前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂及びスチレンアクリル樹脂、からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は請求項2に記載の白色トナー。
- 前記ポリエステル樹脂が、ウレア変性ポリエステル樹脂を含む請求項3に記載の白色トナー。
- 請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の白色トナーを含む静電潜像現像剤。
- 請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の白色トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
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