JP7163574B2 - 画像形成方法およびトナーセット - Google Patents

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本発明は、画像形成方法およびトナーセットに関する。
近年、電子写真方式の画像形成に用いられる静電荷像現像用トナーの分野では、市場からの様々な要求に応じて開発が行われている。特に、印刷に使用する記録媒体の種類が増えてきており、印刷機の記録媒体対応性についての市場からの要求が高い。例えば、色紙や黒紙、アルミ蒸着紙や透明のフィルムなどの特殊な記録媒体に印刷する場合、記録媒体の色特性が印刷に影響するためにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどを示す有色トナーだけでは十分な発色を得ることができない。このような要求に対して、様々な技術が開発されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1、2には、複数の有色トナーの組み合わせ構成される画像の下層あるいは上層に形成される白色トナーが記載されている。特許文献1、2に記載の白色トナーを用いることで、有色トナーにより十分な発色を得て、画像の付加価値を向上させている。
特開2002-311648号公報 特開2016-45418号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術を用いて白色トナーと有色トナーとを記録媒体に一括で転写および定着させて画像を形成する場合、重ね合わせ部の2次転写性が低下してしまい、特に文字あるいは線状画像においては、転写しない領域が発現する、いわゆる「中抜け」が発生することが考えられる。ここで、「中抜け」とは、複数のトナーで2層以上の画像を形成する時に、上層トナーおよび下層トナーの付着力よりも上層トナーおよび転写ベルトの付着力が大きい場合に、トナーが転写ベルトに付着して、画像が抜けてしまう現象を意味する。これは、白トナーを使用することによる転写ベルトに対する付着量の増加と、白トナーに含まれる白色顔料の導電性と、が原因と考えられる。
本発明は、白色トナーおよび有色トナーを一括して転写および定着させる際の中抜けを防止する画像形成方法を提供することを課題とする。また、本発明は、当該画像形成方法に使用されるトナーセットを提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するための一手段としての画像形成方法は、白色トナーと、少なくとも1色の有色トナーとを記録媒体に一括で転写および定着させて画像を形成する工程を含む、画像形成方法であって、前記有色トナーは、トナー母体粒子を有し、前記トナー母体粒子は、少なくともその表面に配置された前複数の凸部を有する。
また、本発明は、上記の課題を解決するための他の手段としてのトナーセットは、白色トナーと、少なくとも1色の有色トナーとを含むトナーセットであって、前記有色トナーは、トナー母体粒子を有し、前記トナー母体粒子は、少なくともその表面に配置された前複数の凸部を有する。
本発明によれば、白色トナーおよび有色トナーを一括して転写および定着させても、中抜けのない画像を提供できる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る有色トナー母体粒子の構成を示す模式図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
(画像形成方法)
本発明の一実施の形態に係る画像形成方法は、電子写真方式の画像形成方法であって、白色トナーと、少なくとも1色の有色トナーと、を記録媒体に一括で転写および定着させて画像を形成する工程を含む。
より具体的には、白色トナーを用いて得られる第1画像形成層と、第1画像形成層に隣接し、かつ、白色トナーと異なる有色トナーを用いて得られる第2画像形成層と、を記録媒体上に転写および定着させて画像を形成する。画像形成方法は、以下に述べるトナーセットを用いる以外は、電子写真方式における公知の画像形成方法と同様に実施できる。
例えば、像担持体上に静電的に形成された静電潜像を、現像装置において現像剤を摩擦帯電部材によって帯電させることにより顕在化させてトナー像(画像形成層)を得て、このトナー像を記録媒体上に転写する。その後、記録媒体上に転写されたトナー像を接触加熱方式の定着処理によって記録材に定着させることにより、可視画像が得られる。
定着方法の例には、いわゆる接触加熱方式が含まれる。接触加熱方式の例には、熱圧定着方式と、熱ロール定着方式と、固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式とが含まれる。
熱ロール定着方式の定着方法では、通常、表面にフッ素樹脂などが被覆された鉄やアルミニウムなどよりなる金属シリンダー内部に熱源が備えられた上ローラと、シリコーンゴムなどで形成された下ローラとから構成された定着装置を使用する。熱源としては、線状のヒータが用いられ、このヒータによって上ローラの表面温度が120~200℃程度に加熱される。上ローラおよび下ローラ間には圧力が加えられており、この圧力によって下ローラが変形されることにより、ニップが形成される。ニップの幅は1~10mmの範囲内が好ましく、1.5~7.0mmの範囲内がより好ましい。定着線速は、40mm/sec~600mm/secの範囲内が好ましい。
記録媒体(記録材、記録紙、記録用紙などともいう)は、市販品などでよく、例えば、画像形成装置などによる公知の画像形成方法により形成したトナー画像を保持するものであればよい。使用できる記録媒体の例には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙、コート紙などの塗工された印刷用紙、市販の和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布、アルミ蒸着フィルム、PETフィルム、合成紙が含まれる。
(トナーセット)
トナーセットは、白色トナーと、少なくとも1色の有色トナーと、を含む。「トナーセット」とは、画像形成方法において使用されているか、または使用されるべきトナーの組み合わせを意味する。トナーセットは、例えば、フルカラー画像形成装置の各色の現像装置における現像容器中に各色のトナーの全てが収容されている状態であってもよいし、各色のトナーを収容している全色のトナーボトルのセットやプロセスカートリッジのセットであってもよい。
(有色トナー)
本実施の形態では、有色トナーは、有色トナー粒子の集合体である。有色トナー粒子は、有色トナー母体粒子を有する。本実施の形態では、有色トナー粒子は、有色トナー母体粒子および外添剤を有する。また、本実施の形態では、白色トナーは、白色トナー粒子の集合体である。白色トナー粒子は、白色トナー母体粒子を有する。本実施の形態では、白色トナー粒子は、白色トナー母体粒子および外添剤を有する。なお、白色トナー母体粒子は、そのまま白色トナー粒子として使用してもよい。
図1は、有色トナー母体粒子の構造を示す模式図である。図1に示されるように、有色トナー母体粒子10は、少なくともその表面に配置された複数の凸部12を有する。有色トナー母体粒子10は、有色トナー母体粒子前駆体11と、複数の凸部12と、を有する。有色トナー母体粒子前駆体11の材料となる樹脂30は、ビニル樹脂31と、ビニル樹脂31の他に結晶性樹脂32を有していてもよい。また、凸部12の材料となる樹脂20は、ビニル重合セグメント21と、ポリエステル重合セグメント22と、を有することが好ましい。以下、それぞれについて説明する。
有色トナー母体粒子の表面における複数の凸部の分布密度の平均値は、2~25個/μmの範囲内であることが好ましい。例えば、凸部の分布密度の平均値の算出方法は、まず、走査型電子写真顕微鏡(以下、「SEM」ともいう)(JSM-7401F;日本電子株式会社)で10000倍のSEM画像データを準備する。次いで、1μm当たりにおける長軸方向の長さが30nm以上であってかつ高さが20nm以上の凸部の数を計測し、その平均値を凸部の分布密度の平均値とする。複数の凸部の分布密度の平均値が2~25個/μmの範囲内であれば、中抜けを防止できる。なお、高さの算出方法は、後述する。
複数の凸部の長軸方向の長さの平均値は、100~500nmの範囲内であることが好ましい。例えば、複数の凸部の長軸方向の長さの平均値は、まず、無作為に選択した5個の有色トナー母体粒子について、SEMで10000倍のSEM画像データを準備する。次いで、目視で確認した複数の凸部のそれぞれについて輪郭線を描き、この輪郭線を2本の平行線で挟んだとき、2本の平行線の最大距離を求める。次いで、最大距離が30nm以上の凸部を無作為に20個選択し、最大距離の平均値を、複数の凸部の長軸方向の長さの平均値とする。
複数の凸部の高さの平均値は、40~120nmの範囲内であることが好ましい。例えば、複数の凸部の高さの平均値は、まず、無作為に選択した10個の有色トナー母体粒子について、SEMで10000倍のSEM画像データを準備する。次いで、各有色トナー母体粒子について、前述した最大距離が30nm以上の凸部を無作為に20個選択する。次いで、各凸部について、有色トナー母体粒子の表面から、凸部の頂点を2本の平行線で挟み、2本の平行線の距離が最大となる最大高さの平均値を複数の凸部の高さの平均値とする。
前述したように、有色トナー母体粒子は、有色トナー母体粒子前駆体と、凸部と、を有する。有色トナー母体粒子前駆体は、結着樹脂と、白色以外の有色の着色剤を含む。結着樹脂は、ビニル樹脂と、離型剤と、を有する。
ビニル樹脂は、少なくともビニル系単量体を用いた重合により得られる樹脂である。非晶性のビニル樹脂には、アクリル樹脂、スチレン・アクリル共重合体樹脂が含まれる。非晶性のビニル樹脂は、フィルミングの発生を抑制する観点から、スチレン系単量体とアクリル系単量体が重合したスチレン・アクリル系樹脂が好ましい。
スチレン・アクリル系樹脂に用いられる重合性単量体には、芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体であり、かつラジカル重合を行うことができるエチレン性不飽和結合を有するものが好ましい。
芳香族系ビニル単量体の例には、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレン、p-クロロスチレン、p-エチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、3,4-ジクロロスチレンなどおよびその誘導体が含まれる。これらの芳香族系ビニル単量体は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体の例には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル、β-ヒドロキシアクリル酸エチル、γ-アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、およびメタクリル酸ジエチルアミノエチルが含まれる。これらの(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。なお、スチレン系単量体とアクリル酸エステル系単量体またはメタクリル酸エステル系単量体とを組み合わせて使用することが好ましい。
重合性単量体としては、第三のビニル系単量体を使用することもできる。第三のビニル系単量体の例には、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、ビニル酢酸などの酸単量体およびアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブチレン塩化ビニル、N-ビニルピロリドンおよびブタジエンが含まれる。
重合性単量体は、さらに多官能ビニル系単量体を使用してもよい。多官能ビニル単量体の例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのジアクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどの三級以上のアルコールのジメタクリレートおよびトリメタクリレートが含まれる。多官能ビニル系単量体の重合性単量体全体に対する共重合比は、0.001~5質量%の範囲内が好ましく、0.003~2質量%の範囲内がより好ましく、0.01~1質量%の範囲内がさらに好ましい。多官能ビニル系単量体の使用により、テトラヒドロフランに不溶のゲル成分が生成するが、ゲル成分の重合物全体に占める割合は、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
有色トナー粒子は、優れた低温定着性を得る観点から、結晶性樹脂を含んでいることが好ましい。結晶性樹脂は、結晶性を示す樹脂であり、公知の結晶性樹脂を使用できる。ここで、「結晶性を示す」とは、DSCにより得られる吸熱曲線において、融点すなわち昇温時に明確な吸熱ピークを有することを意味する。また、「明確な吸熱ピーク」とは、10℃/minの昇温速度で昇温したときの吸熱曲線において半値幅が15℃以内のピークを意味する。結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。有色トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、5~30質量%の範囲内が好ましい。有色トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、5質量%以上であれば十分な低温定着性が得られ、30質量%以下であれば帯電性の低下による有色トナーの飛散を抑えることができる。
結晶性ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)単量体と、2価以上のアルコール(多価アルコール)単量体との重合反応によって得られるポリエステル樹脂のうち、結晶性を示す樹脂をいう。
結晶性ポリエステル樹脂の合成に使用できる多価カルボン酸単量体の例には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n-ドデシルコハク酸、1,10-デカンジカルボン酸(ドデカン二酸)、1,12-ドデカンジカルボン酸(テトラデカン二酸)などの飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸;これらカルボン酸化合物の無水物、炭素数1~3のアルキルエステルが含まれる。これらの多価カルボン酸単量体は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の合成に使用できる多価アルコール単量体の例には、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオールなどの脂肪族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの3価以上の多価アルコールが含まれる。これらの多価アルコール単量体は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
有色トナー母体粒子前駆体には、離型剤としてワックスを添加してもよい。添加できるワックスの例には、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような炭化水素系ワックス類、カルナウバワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル、クエン酸ベヘニルなどのエステルワックスが含まれる。これらのワックスは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
ワックスの融点は、有色トナーの低温定着性および離型性を確実に得る観点から、50~95℃の範囲内が好ましい。有色トナー母体粒子前駆体の材料の樹脂全量に対するワックスの含有比率は、2~20質量%の範囲内が好ましく、3~18質量%の範囲内がより好ましく、4~15質量%の範囲内がさらに好ましい。
白色以外の有色の着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料などを任意に使用できる。カーボンブラックの例には、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックが含まれる。磁性体の例には、鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金、例えばマンガン-銅-アルミニウム、マンガン-銅-錫などのホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロムが含まれる。
黒色の着色剤の例には、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどのカーボンブラック、さらにマグネタイト、フェライトなどの磁性粉が含まれる。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤の例には、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド222が含まれる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤の例には、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185が含まれる。
さらに、グリーンもしくはシアン用の着色剤の例には、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7が含まれる。
これらの着色剤は、1種類を単独で使用してもよいし、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
着色剤の添加量は、画像の色再現性を確保する観点から、有色トナー全体に対して1~60質量%の範囲内が好ましく、2~25質量%の範囲内がより好ましい。
着色剤の大きさは、体積平均粒径で、10~1000nmの範囲内が好ましく、50~500nmの範囲内がより好ましく、80~300nmの範囲内がさらに好ましい。
有色トナー母体粒子前駆体の材料の樹脂は、乳化重合法で作製されることが好ましい。乳化重合は、水系媒体中にスチレン、アクリル酸エステルなどの重合性単量体を分散し重合することによって得ることができる。水系媒体に重合性単量体を分散するためには界面活性剤を用いることが好ましく、また重合には重合開始剤、連鎖移動剤を用いることができる。
トナー母体粒子前駆体の材料の樹脂の重合に使用される重合開始剤は、公知のものを使用できる。重合開始剤の例には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化-tert-ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1-フェニル-2-メチルプロピル-1-ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸-tert-ヒドロペルオキシド、過ギ酸-tert-ブチル、過酢酸-tert-ブチル、過安息香酸-tert-ブチル、過フェニル酢酸-tert-ブチル、過メトキシ酢酸-tert-ブチル、過N-(3-トルイル)パルミチン酸-tert-ブチル等の過酸化物類;2,2′-アゾビス(2-アミノジプロパン)塩酸塩、2,2′-アゾビス-(2-アミノジプロパン)硝酸塩、1,1′-アゾビス(1-メチルブチロニトリル-3-スルホン酸ナトリウム)、4,4′-アゾビス-4-シアノ吉草酸、及びポリ(テトラエチレングリコール-2,2′-アゾビスイソブチレート)などのアゾ化合物が含まれる。重合開始剤の添加量は、所望する分子量や分子量分布によって異なるが、具体的には重合性単量体に対して、0.1~5.0質量%の範囲内が好ましい。
有色トナー母体粒子前駆体の材料の樹脂の製造においては、重合性単量体とともに連鎖移動剤を添加しても良い。連鎖移動剤を添加することによって重合体の分子量を制御できる。前述の芳香族系ビニル単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合させる重合工程においては、スチレン・アクリル系重合体セグメントの分子量を調整することを目的として、一般の連鎖移動剤を使用できる。連鎖移動剤の例には、アルキルメルカプタンおよびメルカプト脂肪酸エステルが含まれる。連鎖移動剤の添加量は、所望する分子量や分子量分布によって異なるが、具体的には重合性単量体に対して、0.1~5.0質量%の範囲で添加するのが好ましい。
トナー母体粒子前駆体の材料の樹脂を水系媒体中に分散し乳化重合法により重合する場合は、分散した液滴の凝集を防ぐために通常、分散安定剤が添加される。分散安定剤としては、公知の界面活性剤が使用可能であり、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の中から選択される分散安定剤を用いることができる。これらの界面活性剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。なお、分散安定剤は着色剤やオフセット防止剤などの分散液にも使用できる。
カチオン性界面活性剤の例には、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、及びヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドが含まれる。ノニオン性界面活性剤の例には、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノリルフェニルポリキオシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、スチリルフェニルポリオキシエチレンエーテル、及びモノデカノイルショ糖が含まれる。アニオン性界面活性剤の例には、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪族石鹸や、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムが含まれる。
(凸部)
前述したように、複数の凸部は、有色トナー母体粒子前駆体の表面に配置されている。複数の凸部と、有色トナー母体粒子前駆体の材料の樹脂とは、異なる樹脂組成であることが好ましい。
複数の凸部は、有色トナー母体粒子前駆体のメインバインダーがビニル樹脂の場合は、非晶性ポリエステル樹脂が好ましく、非晶性ポリエステル樹脂にビニル系重合セグメントとポリエステル系重合セグメントとが結合したハイブリット非晶性ポリエステル樹脂を用いることがより好ましい。これは、ポリエステル重合セグメントが表面に凸部を形成しつつ、ビニル重合セグメントがコアと相溶し充分に固定化されることで、凸部の脱離などを防ぐためである。
さらに、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂は、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物の構成単位と、を含有することが好ましい。ポリエステルのビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物の構成単位とによって親水および疎水性をコントロールし、凸部の形状をコントロールできるためである。
ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂は、スチレン・アクリル系重合体などから構成されるビニル系重合セグメントと、非晶性ポリエステル樹脂から構成されるポリエステル系重合セグメントとが、両反応性単量体を介して結合した樹脂である。また、ビニル系重合セグメントは、芳香族ビニル系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合して得られる重合体部分をいう。
ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂におけるビニル系重合セグメントの含有比率は、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂の総質量に対して、5~30質量%の範囲内が好ましく、10~20質量%の範囲内がより好ましい。また、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂は、ポリエステル系重合セグメントを95~50質量%の範囲内で含有することが好ましい。
ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂が、5~30質量%の範囲内でビニル系重合セグメントを含有することで、凸部の脱離が起きにくく、耐久性が向上する。また、有色トナーの製造時に、凸部同士での合一が起こりにくく、結晶性樹脂が有色トナー母体粒子前駆体の表面に露出しにくく、凸部としての十分な効果を得ることができる。
ここで、「ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂におけるビニル系重合セグメントの含有比率」とは、具体的には、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂を合成するために用いられる樹脂材料の全質量、すなわち、ポリエステル系重合セグメントとなる未変性のポリエステル樹脂を形成する重合性単量体と、ビニル系重合セグメントとなる芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、これらを結合させるための両反応性単量体を合計した全質量に対する、ビニル系重合セグメントを形成する芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体の質量の比率を意味する。
また、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂のポリエステル系重合セグメントを形成するために、多価カルボン酸単量体として不飽和脂肪族ジカルボン酸が用いられる。そして、ポリエステル系重合セグメントには、不飽和脂肪族ジカルボン酸に由来の構造単位が含有されることが好ましい。「不飽和脂肪族ジカルボン酸」とは、分子内にビニレン基を有する鎖状のジカルボン酸を意味する。ここで、「構造単位」とは、樹脂中における単量体由来の分子構造の単位のことを意味する。
ポリエステル系重合セグメントを構成する多価カルボン酸単量体に由来の構造単位における、不飽和脂肪族ジカルボン酸に由来の構造単位の含有比率(以下、「特定の不飽和ジカルボン酸含有比率」ともいう。)は、18~75モル%の範囲内が好ましく、25~60モル%の範囲内がより好ましく、30~60モル%の範囲内がさらに好ましい。
不飽和脂肪族ジカルボン酸に由来の構造単位は、下記一般式(A)で表されるものに由来の構造単位であることが好ましい。
一般式(A):HOOC-(CR=CR-COOH
(式中、RおよびRは、水素原子、メチル基またはエチル基である。RおよびRは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。nは、1または2の整数である。)
このような不飽和脂肪族ジカルボン酸に由来の構造単位が含有されていることにより、炭素間二重結合の存在によってポリエステル樹脂の親水性が増大するため、水系媒体中における乳化凝集法でトナー粒子を製造する場合に、ポリエステル樹脂セグメントが有色トナー母体粒子前駆体に対して外側、すなわち水系媒体側へ配向する効果が大きくなり、トナー母体粒子前駆体の表面に凸部が形成しやすくなる。また、本発明においては、一般式(A)で表される不飽和脂肪族ジカルボン酸を重合反応に用いる場合は無水物の形態で使用できる。
有色トナー母体粒子中のハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、定着性を阻害せずに、凸部としての効果が得られる観点から、全樹脂量中、5~20質量%の範囲内が好ましい。
ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂は、耐ホットオフセット性と低温定着性の観点から、ガラス転移点が50~70℃の範囲内が好ましく、50~65℃の範囲内が好ましい。ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点は、ASTM(米国材料試験協会規格)D3418-12elに規定された方法(DSC法)によって測定された値であり、前述の有色トナー母体粒子前駆体の材料の樹脂と同様の測定方法で測定できる。
ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂の軟化点は、80~110℃の範囲内が好ましい。ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂の軟化点は、前述の有色トナー母体粒子前駆体の材料の樹脂と同様の測定方法で測定できる。
ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂を製造する方法は、以下に示す既存の手法を使用できる。
(1)非晶性ビニル重合セグメントを予め重合しておき、当該非晶性ビニル重合セグメントの存在下で非晶性ポリエステル重合セグメントを形成する重合反応を行ってハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(2)非晶性ポリエステル重合セグメントと非晶性ビニル重合セグメントとをそれぞれ形成しておき、これらを結合させてハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(3)非晶性ポリエステル重合セグメントを予め形成しておき、当該非晶性ポリエステル重合セグメントの存在下で非晶性ビニル重合セグメントを形成する重合反応を行ってハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
上記(1)~(3)の製造方法の中でも、(1)の方法は、非晶性ビニル重合セグメントに非晶性ポリエステル重合セグメントがグラフト化した構造であるハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂を形成しやすいことや生産工程を簡素化できるため好ましい。
また、芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体の相対的な割合は、下記式(B)で表されるFOX式で算出されるガラス転移点(Tg)が35~80℃の範囲内となることが好ましく、40~60℃の範囲内となることがより好ましい。
式(B):1/Tg=Σ(Wx/Tgx)
(式(B)において、Wxは単量体xの質量分率であり、Tgxは単量体xの単独重合体のガラス転移点である。)
なお、本明細書においては、両反応性単量体はガラス転移点の計算に用いない。
各単量体の全質量を100質量%としたときの両反応性単量体の使用割合は、0.1~5.0質量%の範囲内が好ましく、0.5~3.0質量%の範囲内がより好ましい。
ビニル系重合セグメントを形成するための両反応性単量体は、ポリエステル系重合セグメントを形成するための多価カルボン酸単量体または多価アルコール単量体と反応し得る基と重合性不飽和基とを有する単量体であればよい。ビニル系重合セグメントを形成するための両反応性単量体の例には、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸および無水マレイン酸が含まれる。ビニル系重合セグメントを形成するための両反応性単量体は、アクリル酸またはメタクリル酸であることが好ましい。
ビニル系重合セグメントを形成するための芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、ラジカル重合を行うことができるエチレン性不飽和結合を有する。
芳香族系ビニル単量体としてスチレン・アクリル系樹脂に用いられる芳香族系ビニル単量体を使用できる。芳香族系ビニル単量体は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。(メタ)アクリル酸エステル系単量体として、スチレン・アクリル系樹脂に用いられる(メタ)アクリル酸エステル系単量体を使用できる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
ビニル系重合セグメントを形成するための芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、優れた帯電性、画質特性などを得る観点から、スチレンまたはその誘導体を多く用いることが好ましい。具体的には、スチレンまたはその誘導体の使用量は、スチレン・アクリル系重合体セグメントを形成するために用いられる全単量体(芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体)中の50質量%以上であることが好ましい。
前述した芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合させる重合工程は、ラジカル重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。ラジカル重合開始剤の添加の時期は、特に制限されないが、ラジカル重合の制御が容易である観点から、混合工程で添加することが好ましい。
重合開始剤は、公知の種々の重合開始剤を使用できる。重合開始剤の例には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化-tert-ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1-フェニル-2-メチルプロピル-1-ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸-tert-ヒドロペルオキシド、過ギ酸-tert-ブチル、過酢酸-tert-ブチル、過安息香酸-tert-ブチル、過フェニル酢酸-tert-ブチル、過メトキシ酢酸-tert-ブチル、過N-(3-トルイル)パルミチン酸-tert-ブチルなどの過酸化物類;2,2′-アゾビス(2-アミノジプロパン)塩酸塩、2,2′-アゾビス-(2-アミノジプロパン)硝酸塩、1,1′-アゾビス(1-メチルブチロニトリル-3-スルホン酸ナトリウム)、4,4′-アゾビス-4-シアノ吉草酸、およびポリ(テトラエチレングリコール-2,2′-アゾビスイソブチレート)などのアゾ化合物が含まれる。重合開始剤の添加量は、所望する分子量や分子量分布によって異なるが、具体的には重合性単量体に対して、0.1~5.0質量%の範囲内が好ましい。
重合反応時には、樹脂粒子の分子量を制御する観点から、一般の連鎖移動剤を使用できる。連鎖移動剤の例には、アルキルメルカプタン、メルカプト脂肪酸エステルが含まれる。連鎖移動剤は、上記の混合工程において樹脂形成材料とともに混合させておくことが好ましい。
連鎖移動剤の添加量は、所望するスチレン・アクリル系重合体セグメントの分子量や分子量分布によって異なるが、芳香族系ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ならびに両反応性単量体の合計量に対して、0.1~5.0質量%の範囲内が好ましい。
多価カルボン酸単量体の例には、多価カルボン酸単量体のアルキルエステル、酸無水物および酸塩化物が含まれる。多価アルコール単量体の例には、多価アルコール単量体のエステルおよびヒドロキシカルボン酸が含まれる。
多価カルボン酸単量体の例には、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、β-メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン-3,5-ジエン-1,2-ジカルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタール酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p-カルボキシフェニル酢酸、p-フェニレン二酢酸、m-フェニレンジグリコール酸、p-フェニレンジグリコール酸、o-フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル-p,p′-ジカルボン酸、ナフタレン-1,4-ジカルボン酸、ナフタレン-1,5-ジカルボン酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸などの2価のカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、およびピレンテトラカルボン酸などの3価以上のカルボン酸が含まれる。
多価カルボン酸単量体としては、フマル酸、マレイン酸、メサコン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましく、特に、上記一般式(A)で表される不飽和脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましい。また、本発明においては無水マレイン酸などのジカルボン酸の無水物を用いることもできる。
多価アルコール単量体の例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの2価のアルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、およびテトラエチロールベンゾグアナミンなどの3価以上のポリオールが含まれる。
多価アルコールの単量体は、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物と、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物と、の構成単位を含有する。ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物と、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物と、の構成単位を含有することで、結晶性樹脂との相溶を制御でき、結晶性樹脂がトナー母体粒子前駆体の表面に露出することを抑えることができる。
多価カルボン酸の単量体と、多価アルコールの単量体との比率は、多価アルコール単量体のヒドロキシ基[OH]と、多価カルボン酸のカルボキシ基[COOH]と、の当量比[OH]/[COOH]が、1.5/1~1/1.5の範囲内が好ましく、1.2/1~1/1.2が好ましい。
ポリエステル樹脂を合成するための触媒は、従来公知の種々の触媒を使用できる。
ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸の単量体または多価アルコールの単量体として、カルボン酸の価数またはアルコールの価数を選択することよって、一部枝分かれ構造や架橋構造などが形成されていてもよい。
ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂の作製において、重合工程後の残留単量体量など乳化物からの揮発性有機物質は、1000ppm以下に抑制されることが実用上好ましく、500ppm以下に抑制されることがより好ましく、200ppm以下に抑制されることが特に好ましい。
有色トナーの有色トナー母体粒子の円形度の平均値は、0.930~0.980の範囲内が好ましい。有色トナー母体粒子の円形度の平均値は、フロー式粒子像分析装置(FPIA-2100;Sysmex社)を用いて測定できる。具体的には、トナー母体粒子を界面活性剤水溶液に湿潤させ、超音波分散を1分間行い、分散した後、フロー式粒子像分析装置を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000~10000個の範囲内の適正濃度で測定を行う。この範囲であれば、再現性のある測定値が得られる。円形度は、下記式(C)で計算される。
式(C);円形度=(粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また、円形度の平均値は、各粒子の円形度を足し合わせ、測定した全粒子数で割った算術平均値である。
前述の例では、有色トナー母体粒子のみで複数の凸部の分布密度、複数の凸部の長軸方向の長さの平均値、複数の凸部の高さの平均値を測定している。外添剤が含まれている有色トナーをそのまま測定すると、適切に測定できないおそれがある。そこで、有色トナーに外添剤が含まれている場合には、有色トナーから外添剤を除去する必要がある。有色トナーから外添剤を除去する方法は、例えば、水中に界面活性剤を2wt%入れ、ウェブローターで1時間撹拌して馴染ませた後、ホモジナイザー(US-1200)で60μAの出力で10分超音波をかけ、吸引濾過して有色トナーを回収する。この工程を5回繰り返すことで、有色トナーから外添剤を除去できる。
(白色トナー)
前述したように、白色トナーは、白色トナー粒子の集合体であり、白色トナー粒子は、白色トナー母体粒子および外添剤を有する。白色トナー母体粒子の表面には、凸部が配置されていない。白色トナー母体粒子は、結着樹脂と、白色の着色剤とを有する。結着樹脂は、有色トナー母体粒子における結着樹脂と同じ樹脂を使用できる。
白色の着色剤の例には、無機顔料(例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、チタンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネートカオリン、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクサイトなど)、有機顔料(例えば、ポリスチレン樹脂粒子、尿素ホリマリン樹脂粒子など)が含まれる。また、着色剤の例には、中空樹脂粒子、中空シリカなどの中空構造を有する顔料も含まれる。白色の着色剤は、帯電性および隠蔽性の観点からは、酸化チタンであることが好ましい。酸化チタンは、アナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型などいずれの結晶構造も使用できる。
白色トナー白色トナー母体粒子の体積中位径をDwとし、有色トナーの有色トナー母体粒子の体積中位径をDcとしたときに、Dc<Dwを満たすことが好ましく、1.0<Dw/Dc<2.0であることがより好ましい。DcおよびDwが上記関係を満たす場合には、有色トナーの凸部の効果が発揮されやすい。
トナー母体粒子の体積基準メディアン径(体積中位径)(D50%径)は、例えば、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用のコンピュータシステムを接続した装置を用いて測定および算出できる。
測定手順は、トナー粒子0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー粒子分散液を作製する。このトナー粒子分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5~10質量%の範囲内になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを25000個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は100μmのものを使用する。測定範囲1~30μmの範囲を256分割しての頻度数を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メディアン径(D50%径)とする。
(白色トナーおよび有色トナーの製造方法)
白色トナーおよび有色トナーを製造する方法は、公知の方法により製造できる。白色トナーおよび有色トナーを製造する方法の例には、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法が含まれる。ここでは、混練粉砕法によるトナーの製造方法について説明する。
混練粉砕法とは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを混合し、混練処理を行った後、粉砕処理を行うことによってトナーを得る方法である。さらに、必要に応じて粉砕処理の後、公知の分級装置などを用いて分級処理を行う。また、混練処理の前に、結着樹脂、着色剤、必要に応じて、離形剤、荷電制御剤などの添加剤を、ヘンシェルミキサーやボールミル等の混合機により十分混合してもよい。
(1)混練処理工程
混練処理に用いられる混練機は、二軸押出混練機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般の混練機を使用できる。また、混練処理の際に内添剤を添加してもよい。混練の際には加熱することが好ましく、この際の加熱条件は、適宜設定できる。
加熱混練の後、通常は冷却して次工程の粉砕処理工程に進む。この際、混錬工程終了の際における冷却速度は適宜設定すればよい。
(2)粉砕処理工程
粉砕処理に用いられる粉砕機は、ターボミルなどの機械式粉砕機、気流式粉砕機(ジェットミル)などを使用できる。また、粉砕処理前に、混練処理によってチップ状に冷却固化した混練物を粉砕機に投入できる大きさまでハンマーミルやフェザーミルなどにより粗粉砕処理してもよい。
粉砕工程により得られたトナー粒子は、必要に応じて、目的とする範囲の体積中位径のトナー粒子を得るため、分級工程により分級を行ってもよい。分級工程においては、従来から使用されている重力分級機、遠心分級機、慣性分級機(コアンダ効果を利用した分級機など)等が使用され、微粉(目的とする範囲の粒径よりも小さいトナー粒子)や粗粉(目的とする範囲の粒径よりも大きいトナー粒子)が除去される。
粉砕処理、場合による分級処理後に得られる粒子(以下、母体粒子とも称する)の体積中位径は、4.8~13.2μmであることが好ましい。また、母体粒子の体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)が10~32であること好ましい。体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)は、トナー粒子の粒度分布における分散度を体積基準で表したもので、以下の式によって定義される。
CV値(%)=(個数粒度分布における標準偏差)/(個数粒度分布におけるメディアン径(D50v))×100
混練粉砕法によりトナーを得る場合、トナーの体積中位径は、粉砕条件(粉砕機の回転数、粉砕時間)、分級条件、下記の円形度制御工程における処理条件、後述の外添剤添加工程における処理条件(混合機の回転数、混合時間等)で制御することができる。
(3)円形度制御工程(球形化処理工程)
混練粉砕法によりトナーを得る場合、トナーの平均円形度が式(C)を満たすように制御するための円形度制御工程を有することが好ましい。この際、他のトナーおよび白色トナーのうち、少なくとも他のトナーについて円形度制御処理を行うことが好ましく、他のトナーおよび白色トナーの双方について円形度制御処理を行うことが好ましい。すなわち、好適な一実施形態は、その他のトナー(好適には、他のトナーおよび白色トナー)が、少なくとも結着樹脂および着色剤を混合する混練処理を行い、得られた混合物を粉砕処理する粉砕処理を行った後、円形度制御処理を行うことによって得られる形態である。
円形度制御処理としては、具体的には、母体粒子に対する加熱処理が挙げられる。加熱温度および保持時間により円形度を制御することができる。加熱温度を高くする、または保持時間を長くすることにより、円形度を1に近づけることができる。ただし、トナー粒子の再凝集や粒子間の融着が促進されるため、加熱温度を過度に高くすることは好ましくない。また、トナー内部のドメイン構造(バインダー樹脂をマトリクスとした場合に、ワックスや結晶性ポリエステル等のバインダー以外の配置)が変化するであるため、保持時間を過度に長くすることも好ましくない。
円形度制御処理における加熱温度としては、Sc/Swが上記式(C)を満たすように適宜調整すればよいが、70~95℃であることが好ましく、75~90℃であることがより好ましい。非晶性ポリエステル樹脂を用いる場合、通常非晶性ポリエステル樹脂のTg~軟化点付近の温度で円形度制御処理を行う。ただし、他構成材料(ワックスや着色剤量など)によってもその適点が変わるため、加熱温度はこれらの材料を考慮して適宜設定すればよい。また、加熱温度での保持時間としては、Sc/Swが上記式(C)を満たすように、加熱温度を考慮して適宜調整すればよい。円形度の制御は、加温中に円形度測定装置にて体積中位径が2μm以上の粒径の円形度を測定し、所望の円形度であるかどうかを適宜判断することによって制御が可能である。
円形度制御処理においては、乾式加熱で行っても湿式加熱で行ってもよい。湿式加熱は、母体粒子を水系媒体中に分散させて加熱処理を行う方法である。この際、母体粒子の分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤などが添加されていてもよい。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤などが挙げられ、また、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤やカチオン性界面活性剤も使用することができる。
混練粉砕法によるトナー粒子の製造方法においては、円形度制御処理工程の後、下記(4)濾過・洗浄工程、(5)乾燥工程、および(6)外添剤添加工程を含んでいてもよい。
(4)濾過・洗浄工程
この濾過・洗浄工程では、得られたトナー粒子の分散液を冷却して冷却後のスラリーとし、この冷却されたトナー粒子の分散液から、水等の溶媒を用いて、トナー粒子を固液分離してトナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。具体的な固液分離および洗浄の方法としては、遠心分離法、アスピレータ、ヌッチェなどを使用する減圧濾過法、フィルタープレスなどを使用する濾過法などが挙げられ、これらは特に限定されるものではない。この濾過・洗浄工程においては適宜、pH調整や粉砕などを行ってもよい。このような操作は繰り返し行ってもよい。
(5)乾燥工程
この乾燥工程では、洗浄処理されたトナー粒子に乾燥処理が施される。この乾燥工程で使用される乾燥機としては、オーブン、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などが挙げられ、これらは特に限定されるものではない。なお、乾燥処理されたトナー粒子中のカールフィッシャー電量滴定法にて測定される水分量は、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
また、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集して凝集体を形成している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、コーミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサーなどの機械式の解砕装置を使用することができる。
(6)外添剤添加工程
この外添剤添加工程は、乾燥処理されたトナー粒子に、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、荷電制御剤や種々の無機微粒子、有機微粒子、または滑剤などの外添剤を添加する工程であって、必要に応じて行われる。外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機、サンプルミルなどの種々の公知の混合装置を挙げることができる。また、トナーの粒度分布を適当な範囲とするため、必要に応じ篩分級を行ってもよい。
以上のように製造された白色トナーおよび有色トナーを用いた画像形成方法によって、中抜けが発生しにくくなる理由は、以下のように考えられる。本実施の形態では、有色トナーの有色トナー母体粒子が、少なくともその表面に複数の凸部を有している。
一般に、凸部を有することにより、転写部材との接触面積を減らすことで付着力を低減させる効果を発揮することが多い。しかしながら、本実施の形態における白色トナーは、着色剤(顔料)の影響のため、トナー母体粒子の表面が平滑ではない。よって、顔料による白色トナー(白色トナー母体粒子)の凹凸と、複数の凸部による有色トナー(有色トナー母体粒子)の凹凸と、が引っかかり合って物理的な付着力が生じる。そして、白色トナーおよび有色トナーの付着力が、白色トナー(または有色トナー)および転写部材の付着力よりも強いため、転写部材に白色トナー(または有色トナー)が付着しなかったと考えられる。
また、白色トナーおよび有色トナーとの付着力によって、転写部材への付着が発生しにくくなるため、白色トナーによる層が有色トナーによる層より上に配置された場合であっても、下に配置された場合であっても、中抜けが発生しにくかった。また、外添剤で形成された凸部では外添剤の回転や脱離などが起きるのに対し、本実施の形態では、有色トナー(有色トナー母体粒子)そのものの形であるため、従来の知見以上に充分な効果が発揮できたと考えられる。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに具体的に説明する。以下、特記しない限り、各操作は、室温(20℃)で行った。なお、本発明は、以下の実施例などに限定されない。
[ビニル樹脂粒子分散液の調製]
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部およびイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、再度液温を80℃として、下記単量体の混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 480.0質量部
n-ブチルアクリレート 250.0質量部
メタクリル酸 68.0質量部
n-オクチルメルカプタン 16.4質量部
滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、ビニル樹脂粒子分散液(A)を調製した。
(第2段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱した。加熱後、上記第1段重合により調製したビニル樹脂粒子分散液(A)を固形分換算で300質量部と、下記単量体、連鎖移動剤および離型剤を90℃にて溶解させた混合液と、を添加した。
スチレン 243.0質量部
n-ブチルアクリレート 45.5質量部
2-エチルヘキシルアクリレート 45.5質量部
メタクリル酸 33.1質量部
n-オクチルメルカプタン 5.5質量部
ベヘン酸ベヘネート(離型剤、融点73℃) 130.0質量部
循環経路を有する機械式分散機(CLEARMIX;エム・テクニック社)により、1時間の混合分散処理を行い、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤の溶液を添加し、この系を78℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行って、ビニル樹脂粒子分散液(B)を調製した。
(第3段重合)
上記第2段重合により得られたビニル樹脂粒子分散液(B)に、さらにイオン交換水400質量部を添加し、よく混合した後、過硫酸カリウム6.0質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた溶液を添加した。さらに、81℃の温度条件下で、下記単量体および連鎖移動剤の混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 354.8質量部
n-ブチルアクリレート 143.2質量部
メタクリル酸 52.0質量部
n-オクチルメルカプタン 8.0質量部
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し、ビニル樹脂粒子分散液(1)を調製した。
[非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の調製]
(非晶性ポリエステル樹脂(A)の作製)
下記非晶性ポリエステル樹脂の単量体を、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を備えた四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 59.1質量部
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 281.7質量部
テレフタル酸 63.9質量部
コハク酸 48.4質量部
撹拌下で、エステル化触媒としてTi(OBu)を0.4質量部投入した。窒素ガス気流下、235℃で6時間反応させた後、200℃まで冷却し、減圧下(20kPa)にてさらに5時間反応を行った後、脱溶剤を行い、非晶性ポリエステル樹脂(A)を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は27000であり、酸価は18.0mgKOH/gであり、ガラス転移点(Tg)は60℃であった。
(非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A)の調製)
非晶性ポリエステル樹脂(A)100質量部を、400質量部の酢酸エチル(関東化学社)に溶解し、あらかじめ調製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液600質量部と混合した。混合液を撹拌しながら、超音波ホモジナイザー(US-150T;株式会社日本精機製作所)によりV-LEVEL 250μAで30分間の超音波分散処理を行った。その後、40℃に加温した状態で、ダイヤフラム真空ポンプ(V-700;BUCHI社)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去して、固形分量が13.5質量%の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A)を調製した。分散液中の非晶性ポリエステル樹脂粒子における体積基準のメディアン径は、277nmであった。
[ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の調製]
(ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂(B1)の作製)
下記ビニル樹脂の単量体、非晶性ポリエステル樹脂とビニル樹脂のいずれとも反応する置換基を有する単量体および重合開始剤の混合液を滴下ロートに入れた。
スチレン 80.0質量部
n-ブチルアクリレート 20.0質量部
アクリル酸 10.0質量部
ジ-t-ブチルパーオキサイド(重合開始剤) 16.0質量部
また、下記非晶性ポリエステル樹脂の単量体を、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を備えた四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 59.1質量部
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 281.7質量部
テレフタル酸 63.9質量部
コハク酸 48.4質量部
撹拌下で、滴下ロートに入れた混合液を四つ口フラスコへ90分かけて滴下し、60分間熟成を行った後、減圧下(8kPa)にて未反応の単量体を除去した。その後、エステル化触媒としてTi(OBu)を0.4質量部投入し、235℃まで昇温して、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8kPa)にて1時間、反応を行った。
次いで、200℃まで冷却し、減圧下(20kPa)にて反応を行った後、脱溶剤を行い、ビニル樹脂により変性されたハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂(B1)を得た。得られたハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂(B1)の重量平均分子量(Mw)は24000であり、酸価は16.2mgKOH/gであり、ガラス転移点(Tg)は60℃であった。また、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂(B1)のハイブリッド率(ビニル系重合セグメントの質量部/ビニル系重合セグメントの質量部+ポリエステル系重合セグメントの質量部)は、表1に示すとおりである。
(ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)の調製)
次に、得られたハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂(B1)100質量部を、400質量部の酢酸エチル(関東化学株式会社)に溶解し、あらかじめ調製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液600質量部と混合した。混合液を撹拌しながら、超音波ホモジナイザー(US-150T)によりV-LEVEL 400μAで30分間の超音波分散処理を行った。その後、40℃に加温した状態で、ダイヤフラム真空ポンプ(V-700;BUCHI社)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去して、固形分量が13.5質量%のハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を調製した。分散液中のハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子における体積基準のメディアン径は、109nmであった。
(ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)の調製)
ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂(B1)100質量部を、400質量部の酢酸エチル(関東化学社製)に溶解し、あらかじめ調製しておいた0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合した。混合液を撹拌しながら、超音波ホモジナイザー(US-150T)によりV-LEVEL 500μAで30分間の超音波分散処理を行った。その後、40℃に加温した状態で、ダイヤフラム真空ポンプV-700(BUCHI社製)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去して、固形分量が13.5質量%のハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)を調製した。分散液中のハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子における体積基準のメディアン径は、63nmであった。
(ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂(B2)の作製)
下記ビニル樹脂の単量体、非晶性ポリエステル樹脂とビニル樹脂のいずれとも反応する置換基を有する単量体および重合開始剤の混合液を滴下ロートに入れた。
スチレン 30.0質量部
n-ブチルアクリレート 7.8質量部
アクリル酸 3.8質量部
ジ-t-ブチルパーオキサイド(重合開始剤) 6.0質量部
また、下記非晶性ポリエステル樹脂の単量体を、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を備えた四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 150.0質量部
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 220.0質量部
テレフタル酸 70.0質量部
コハク酸 52.8質量部
撹拌下で、滴下ロートに入れた混合液を四つ口フラスコへ90分かけて滴下し、60分間熟成を行った後、減圧下(8kPa)にて未反応の単量体を除去した。その後、エステル化触媒としてTi(OBu)を0.4質量部投入し、235℃まで昇温して、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8kPa)にて1時間、反応を行った。
次いで、200℃まで冷却し、減圧下(20kPa)にて反応を行った後、脱溶剤を行い、ビニル樹脂により変性されたハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂(B2)を得た。得られたハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂(B2)の重量平均分子量(Mw)が25000、酸価が16.3mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)が60℃であった。
また、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂(B2)のハイブリッド率は、表1に示すとおりである。
(ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(3)の調製)
ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂(B2)100質量部を、400質量部の酢酸エチル(関東化学株式会社)に溶解し、あらかじめ調製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液600質量部と混合した。混合液を撹拌しながら、超音波ホモジナイザーUS-150T(株式会社日本精機製作所)によりV-LEVEL 250μAで30分間の超音波分散処理を行った。その後、40℃に加温した状態で、ダイヤフラム真空ポンプ(V-700)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去して、固形分量が13.5質量%のハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(3)を調製した。分散液中のハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子における体積基準のメディアン径は、280nmであった。
[結晶性樹脂粒子分散液の調製]
(結晶性ポリエステル樹脂(C)の作製)
下記モノマーを、窒素導入管、脱水管、攪拌器および熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
テトラデカン二酸 440質量部
1,6-ヘキサンジオール 173質量部
次いで、エステル化触媒としてTi(OBu)を0.8質量部投入し、235℃まで昇温、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8kPa)にて1時間反応を行った。
次いで、200℃まで冷却した後、減圧下(20kPa)にて1時間反応させることにより、結晶性ポリエステル樹脂(C)を得た。
得られた結晶性ポリエステル樹脂(C)は、重量平均分子量(Mw)が20500、酸価が22.1mgKOH/g、融点(mp)が75.2℃、であった。
(結晶性樹脂粒子分散液(C)の調製)
次に、得られた結晶性ポリエステル樹脂(C)100質量部を、400質量部の酢酸エチル(関東化学株式会社製)に溶解し、あらかじめ調製しておいた0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合した。混合液を撹拌しながら、超音波ホモジナイザーUS-150T(株式会社日本精機製作所製)によりV-LEVEL 300μAで30分間の超音波分散処理を行った。その後、40℃に加温した状態で、ダイヤフラム真空ポンプV-700(BUCHI社製)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去して、結晶性樹脂粒子分散液(C)を調製した。当該分散液中の結晶性樹脂粒子は、体積基準のメディアン径が160nmであった。
[着色剤粒子分散液の調製]
(着色剤微粒子分散液(Cy)の調製例)
ドデシル硫酸ナトリウム 90質量部
C.I.ピグメントブルー15:3 200質量部
イオン交換水 1600質量部
以上の成分を混合した溶液をウルトラタラックスT50(IKA社)にて十分に分散した後、超音波分散機で20分間処理することにより着色剤微粒子分散液(Cy)を調製した。
得られた着色剤微粒子分散液(Cy)における着色剤微粒子の平均粒径(体積基準のメディアン粒径)は、180nmであった。
(着色剤微粒子分散液(Ye)の調製例)
ドデシル硫酸ナトリウム 90質量部
C.I.ピグメントイエロー74 200質量部
イオン交換水 1600質量部
以上の成分を混合した溶液をウルトラタラックスT50(IKA社)にて十分に分散した後、超音波分散機で20分間処理することにより着色剤微粒子分散液(Ye)を調製した。
得られた着色剤微粒子分散液(Ye)における着色剤微粒子の平均粒径(体積基準のメディアン粒径)は、240nmであった。
(着色剤微粒子分散液(Ma)の調製例)
ドデシル硫酸ナトリウム 90質量部
C.I.ピグメントレッド269 200質量部
イオン交換水 1600質量部
以上の成分を混合した溶液をウルトラタラックスT50(IKA社)にて十分に分散した後、超音波分散機で20分間処理することにより着色剤微粒子分散液(Ma)を調製した。
得られた着色剤微粒子分散液(Ma)における着色剤微粒子の平均粒径(体積基準のメディアン粒径)は、200nmであった。
(着色剤微粒子分散液(Bk)の調製例)
ドデシル硫酸ナトリウム 90質量部
カーボンブラック「リーガル330R;キャボット社) 200質量部
イオン交換水 1600質量部
以上の成分を混合した溶液をウルトラタラックスT50(IKA社)にて十分に分散した後、超音波分散機で20分間処理することにより着色剤微粒子分散液(Bk)を調製した。
得られた着色剤微粒子分散液(Bk)における着色剤微粒子の平均粒径(体積基準のメディアン粒径)は、110nmであった。
[トナーC1の製造]
撹拌装置、温度センサーおよび冷却管を取り付けた反応容器に、ビニル樹脂粒子分散液(1)を441質量部(固形分換算)、結晶性樹脂粒子分散液(C)を45質量部(固形分換算)、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩を樹脂比で1質量%(固形分換算)およびイオン交換水200質量部を投入した。室温下(25℃)下で、5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.5に調整した。
さらに、着色剤微粒子分散液(Cy)40質量部(固形分換算)を投入し、塩化マグネシウム40質量部をイオン交換水40質量部に溶解させた溶液を、撹拌下、30℃において15分間かけて添加した。5分間放置した後、90分かけて85℃まで昇温し、85℃に到達後、粒子径の成長速度が0.02μm/分となるように撹拌速度を調整して、コールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)により測定した体積基準のメディアン径が6.1μmになるまで成長させた。6.1μmに到達したところで撹拌速度を調整して、粒子径の成長を止めつつ、トナー母体粒子前駆体の平均円形度が0.945になるまで粒子の融着を進行させた。
次いで、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)54質量部(固形分換算)を90分間かけて投入し、反応液の上澄みが透明になった時点で、粒子径の再成長抑制のために塩化ナトリウム15質量部をイオン交換水60質量部に溶解させた水溶液を添加し、トナー母体粒子の平均円形度が0.960になるまで粒子の融着を進行させた。その後、2.5℃/minの冷却速度で30℃に冷却した。
次いで、固液分離し、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散し固液分離する操作を3回繰り返して洗浄した。洗浄後、35℃で24時間乾燥させることにより、トナー母体粒子を得た。
得られたトナー母体粒子100質量部に、疎水性シリカ粒子(個数平均一次粒径:12nm、疎水化度:68)0.6質量部、疎水性酸化チタン粒子(個数平均一次粒径:20nm、疎水化度:63)1.0質量部およびゾルゲルシリカ(数平均一次粒子径=110nm、)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社)により回転翼周速40mm/sec、32℃で20分間混合した。混合後、45μmの目開きのふるいを用いて粗大粒子を除去し、トナーC1を得た。
[トナーC2の製造]
トナーC1の製造において、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を27質量部とし、当該ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を投入する前のトナー母体粒子前駆体の平均円形度を0.910と変更した以外はトナーC1と同様に製造した。
[トナーC3の製造]
トナーC1の製造において、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)54質量部をハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)108質量部と変更した以外はトナーC1と同様に製造した。
[トナーC4の製造]
トナーC1の製造において、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)をハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(3)とし、当該ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(3)を投入する前のトナー母体粒子前駆体の平均円形度を0.930と変更した以外はトナーC1と同様に製造した。
[トナーC5の製造]
トナーC1の製造において、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を投入する前のトナー母体粒子前駆体の平均円形度を0.890と変更した以外はトナーC1と同様に製造した。
[トナーC6の製造]
トナーC1の製造において、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)をハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(3)と変更した以外はトナーC1と同様に製造した。
[トナーC7の製造]
トナーC3の製造において、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)を投入する前のトナー母体粒子前駆体の平均円形度を0.960と変更した以外はトナーC3と同様に製造した。
[トナーC8の製造]
トナーC1の製造において、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)54質量部を非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A)27質量部と変更した以外はトナーC1と同様に製造した。
[トナーC9の製造]
トナーC1の製造において、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)54質量部をハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)135質量部とし、当該ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)を投入する前のトナー母体粒子前駆体の平均円形度を0.930と変更した以外はトナーC1と同様に製造した。
[トナーC10の製造]
トナーC1の製造において、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を除いた以外はトナーC1と同様に製造した。
[トナーC11の製造]
トナーC1の製造において、ビニル樹脂粒子分散液(1)およびハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)をそれぞれ非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A)とした以外はトナーC1と同様に製造した。
[トナーC12の製造]
(粒径制御工程)
2軸押出混練機に非晶性ポリエステル樹脂(A)を441質量部(固形分換算)、結晶性ポリエステル樹脂(C)を45質量部(固形分換算)、C.I.ピグメントブルー15:3を40質量部、およびベヘン酸ベヘネート(離型剤、融点73℃)を46質量部投入し、120℃で混練した。混練後、25℃まで冷却した。
次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粗粉粉砕し、さらにコアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行って、体積基準のメディアン径が7.1μmおよびCV29のシアン色母体粒子を製造した。
(円形度制御工程)
撹拌装置、温度センサーおよび冷却管を取り付けた反応容器に、イオン交換水500質量部にドデシル硫酸ナトリウム10質量部を溶解した水分散媒と得られたシアン色母体粒子を添加した後、粒径が変わらないよう撹拌させながら80℃で1時間保持させ、円形度が0.920となった時点で冷却工程に入った。
次いで、固液分離し、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散し固液分離する操作を3回繰り返して洗浄した。洗浄後、35℃で24時間乾燥させることにより、トナー母体粒子を得た。
(外添工程)
得られたトナー母体粒子100質量部に、疎水性シリカ粒子(個数平均一次粒径:12nm、疎水化度:68)0.6質量部、疎水性酸化チタン粒子(個数平均一次粒径:20nm、疎水化度:63)1.0質量部およびゾルゲルシリカ(数平均一次粒子径=110nm、)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業社製)により回転翼周速40mm/sec、32℃で20分間混合した。混合後、45μmの目開きのふるいを用いて粗大粒子を除去し、トナーC12を得た。
[トナーY1の製造]
トナーC1の製造において、着色剤微粒子分散液(Cy)40質量部(固形分換算)を着色剤微粒子分散液(Ye)40質量部(固形分換算)と変更した以外はトナーC1と同様に製造した。
[トナーM1の製造]
トナーC1の製造において、着色剤微粒子分散液(Cy)40質量部を着色剤微粒子分散液(Ma)40質量部(固形分換算)と変更した以外はトナーC1と同様に製造した。
[トナーK1の製造]
トナーC1の製造において、着色剤微粒子分散液(Cy)40質量部を着色剤微粒子分散液(Bk)50質量部(固形分換算)と変更した以外はトナーC1と同様に製造した。
[トナーW1の製造]
(粒径制御工程)
2軸押出混練機に非晶性ポリエステル樹脂(A)を441質量部(固形分換算)、結晶性ポリエステル樹脂(C)を45質量部(固形分換算)、アナタース型酸化チタン(体積平均粒径150nm)を97質量部、およびベヘン酸ベヘネート(離型剤、融点73℃)を46質量部投入し、120℃で混練した。混練後、25℃まで冷却した。
次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粗粉粉砕し、さらにコアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行って、体積基準のメディアン径が7.1μmおよびCV30の白色母体粒子を製造した。
(円形度制御工程)
撹拌装置、温度センサーおよび冷却管を取り付けた反応容器に、イオン交換水500質量部にドデシル硫酸ナトリウム10質量部を溶解した水分散媒と得られた白色母体粒子を添加した後、粒径が変わらないよう撹拌させながら80℃で3時間保持させ、円形度が0.927となった時点で冷却工程に入った。
次いで、固液分離し、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散し固液分離する操作を3回繰り返して洗浄した。洗浄後、35℃で24時間乾燥させることにより、トナー母体粒子を得た。
(外添工程)
得られたトナー母体粒子100質量部に、疎水性シリカ粒子(個数平均一次粒径:12nm、疎水化度:68)0.6質量部、疎水性酸化チタン粒子(個数平均一次粒径:20nm、疎水化度:63)1.0質量部およびゾルゲルシリカ(数平均一次粒子径=110nm、)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業社製)により回転翼周速40mm/sec、32℃で20分間混合した。混合後、45μmの目開きのふるいを用いて粗大粒子を除去し、トナーW1を得た。
[トナーW2の製造]
トナーW1の製造において、円形度制御工程の保持温度を75℃とし、冷却工程に入る時の円形度を0.885と変更した以外はトナーW1と同様に製造した。
[トナーW3の製造]
トナーW1の製造において、円形度制御工程を経ず、得られた白色母体粒子をトナー母体粒子として直接外添工程に用いたこと以外はトナーW1と同様に製造した。なお、得られた白色母体粒子の円形度は0.874であった。
[トナーW4の製造]
トナーW1の製造において、円形度制御工程の保持温度を85℃とし、冷却工程に入る時の円形度を0.950と変更した以外はトナーW1と同様に製造した。
[トナーW5の製造]
トナーW1の製造において、円形度制御工程の保持温度を88℃とし、冷却工程に入る時の円形度を0.959と変更した以外はトナーW1と同様に製造した。
[トナーW6の製造]
トナーW1の製造において、ターボミル粉砕機による粉砕条件(回転時間)を変更して、体積基準のメディアン径を11.3μmとし、円形度制御工程における80℃での保持時間を2時間にして円形度を0.915とした以外はトナーW1と同様に製造した。
[トナーW7の製造]
トナーW1の製造において、ターボミル粉砕機による粉砕条件(回転時間)を変更して、体積基準のメディアン径を13.1μmとし、円形度制御工程における80℃での保持時間を2時間にして円形度を0.913とした以外はトナーW1と同様に製造した。
各トナーの製造条件を表1に示す。
Figure 0007163574000001
前述した方法で、複数の凸部の分布密度の平均値、複数の凸部の長軸方向の長さの平均値、複数の凸部の高さの平均値、有色トナーのトナー母体粒子の体積中位径、有色トナーのトナー母体粒子の円形度の平均値をそれぞれ算出した。製造した各有色トナーにおける各パラメーターを表2に示す。
Figure 0007163574000002
製造した各白色トナーにおける各パラメーターを表3に示す。
Figure 0007163574000003
[評価方法]
市販のフルカラー複写機(bizhub PRESS C1060;コニカミノルタ株式会社)を改造して各現像位置に任意の色の現像器を装着できるようにした。そして、表に示した現像剤の組み合わせに従って各現像剤を現像器内へ投入し、下記の評価を行った。
高温高湿環境下(温度30.0℃、湿度80%RH)において、印字率2%となる横線パターンを5000枚画出し試験後、紙上のトナー付着量を有色トナーは3.8g/m、白色トナーは5g/mになるよう現像コントラストを調整した。縦横両方向に細線が存在するよう画像を形成し、2、4、6、8、10ドットラインを各2本、各ライン間の非潜像部幅が約1mmになるようプリントし、目視および20倍ルーペにより観察した結果を以下の基準にて評価した。なお、各ドットラインは、白色トナーが上層に位置する場合と、白色トナーが下層に位置する場合と、について印刷した。
◎(非常に良い):2ドットラインにおいて、拡大観察で中抜けが殆ど確認できない。
○(良い):2ドットラインにおいて、拡大観察で中抜けが若干確認されるが、目視では中抜けが確認できない。
△(普通):2ドットラインにおいて、目視で中抜けが確認できる。4ドットラインにおいて、目視で中抜けが確認できない。実用上は問題ないとしている。
×(悪い):4ドットラインにおいて、目視で中抜けが確認できる。
使用したトナーおよび評価結果を表4に示す。
Figure 0007163574000004
[結果]
表4に示されるように、有色トナーの有色トナー母体粒子に複数の凸部が形成されたC1~9、Y1、M1、K1を用いた場合では、白色トナーによって形成された層が有色トナーによって形成された層の上に配置された場合でも、下に配置された場合であっても、中抜けが発生しなかった。
一方、有色トナーの有色トナー母体粒子に複数の凸部が形成されていないC10~C12を用いた場合では、白色トナーによって形成された層が有色トナーによって形成された層の上に配置された場合でも、下に配置された場合であっても、中抜けが発生した。これは、有色トナー母体粒子に複数の凸部が形成されていないため、定着ベルトに白色トナー(または有色トナー)が付着したためと考えられる。
本発明によれば、定着部材を有する高速機による電子写真方式の画像形成装置において、良好な定着を実現し、中抜けの発生を防止することができる。よって、本発明によれば、電子写真方式の画像形成装置におけるさらなる高速化、高性能化および省力化が期待され、画像形成装置のさらなる普及が期待される。
10 トナー母体粒子
11 トナー母体粒子前駆体
12 凸部
20 凸部の材料の樹脂
21 ビニル系重合セグメント
22 ポリエステル系重合セグメント
30 トナー母体粒子前駆体の材料の樹脂
31 ビニル樹脂
32 結晶性樹脂

Claims (12)

  1. 白色トナーと、少なくとも1色の有色トナーとを記録媒体に一括で転写および定着させて画像を形成する工程を含む、画像形成方法であって、
    前記有色トナーは、トナー母体粒子を有し、
    前記トナー母体粒子は、ビニル樹脂で構成されたトナー母体粒子前駆体と、少なくともその表面に配置され、非晶性ポリエステル樹脂で構成された複数の凸部を有する、
    画像形成方法。
  2. 前記有色トナーの前記トナー母体粒子の表面における前記複数の凸部の分布密度の平均値は、2~25個/μmの範囲内である、請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記複数の凸部の長軸方向の長さの平均値は、100~500nmの範囲内である、請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記複数の凸部の高さの平均値は、40~120nmの範囲内である、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記白色トナーのトナー母体粒子の円形度の平均値は、0.880~0.950の範囲内である、請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記白色トナーの前記トナー母体粒子の円形度の平均値は、0.880~0.930の範囲内である、請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記有色トナーの前記トナー母体粒子の円形度の平均値は、0.930~0.980の範囲内である、請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  8. 前記白色トナーの前記トナー母体粒子の体積中位径をDwとし、前記有色トナーの前記トナー母体粒子の体積中位径をDcとしたとき、Dc<Dwを満たす、請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  9. 前記白色トナーの前記トナー母体粒子の体積中位径をDwとし、前記有色トナーの前記トナー母体粒子の体積中位径をDcとしたとき、1.0<Dw/Dc<2.0を満たす、請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  10. 白色トナーと、少なくとも1色の有色トナーとを記録媒体に一括で転写および定着させて画像を形成する画像形成方法であって、
    前記記録媒体上に転写される転写体上の画像形成層における最上層は、前記白色トナーにより形成された層である、
    請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  11. 白色トナーと、少なくとも1色の有色トナーとを記録媒体に一括で転写および定着させて画像を形成する画像形成方法であって、
    前記記録媒体上に転写される転写体上の画像形成層における最下層は、白色トナーにより形成された層である、
    請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  12. 白色トナーと、少なくとも1色の有色トナーとを含むトナーセットであって、
    前記有色トナーは、トナー母体粒子を有し、
    前記トナー母体粒子は、ビニル樹脂で構成されたトナー母体粒子前駆体と、少なくともその表面に配置され、非晶性ポリエステル樹脂で構成された複数の凸部を有する、
    トナーセット。
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