JP7463828B2 - トナーセットおよび画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トナーセットおよび画像形成方法に関する。
トナーの定着方式の一つとして、幅広く用いられている熱定着方式では、近年、プリントスピードの高速化や省エネルギー化等の目的から、トナー画像定着時の熱エネルギーの低減が求められている。
トナー画像定着時の熱エネルギーの低減のために、トナーの低温定着性を向上させることが求められており、その方法の一つとして、結晶性樹脂をトナー中に添加することで、結着樹脂の溶融温度や溶融粘度を下げ、低温定着性を向上させる方法が知られている。
特許文献1には、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂を含有する、結着樹脂を主成分とする静電荷像現像用トナーが開示されている。特許文献1によれば、低融点の結晶性ポリエステル樹脂を用い、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂の熱的特性を制御することで、トナーの低温定着性だけでなく、トナーの保存安定性、トナーから形成される画像の保存安定性が向上したとされている。
特許文献2には、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂を少なくとも1種以上からなる結着樹脂等を含む、電子写真用トナーが記載されている。特許文献1によれば、ブラックトナーに使用される融解熱量と、カラートナーに使用される融解熱量との差を制御することにより、低温定着性を発現させつつ、黒色部の光沢を抑制し、画像全体としてバランスがとれて見やすい画像を提供できたとされている。
特開2006-251564号公報 特開2012-234103号公報
特許文献1~2に記載のように、結晶性樹脂を含有したトナーが知られている。
トナーは、通常、着色剤の種類または量が異なる複数色のトナーを組み合わせた、トナーセットとして用いられる。ここで、本発明者らの知見によると、記録媒体の表面により近い下層に、黒色着色剤の含有量がより多いトナーを配置し、記録媒体の表面からより遠い上層に、黒色着色剤の含有量がより少ないトナーを配置した、カラー・ブラック重ね合わせ画像を形成したときに、形成される画像の観察者が濃度ムラを感じやすいという問題がある。上記濃度ムラは、記録媒体として紙媒体や、特にはラフ紙などの表面の凹凸が大きい媒体を用いたときに顕著に見られる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、結晶性樹脂を含有しても、形成された画像の濃度ムラを抑制できる、トナーセットおよび画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に関するトナーセットは、黒色着色剤を含有する第1のトナーと、結晶性樹脂を含有し、かつ前記第1のトナーよりも黒色着色剤の含有量が少ないか、または黒色着色剤を含有しない 第2のトナーと、を含むトナーセットであって、前記第1のトナーが結晶性樹脂を含まないか、または、前記第1のトナーの全質量に対する、前記第1のトナーに含まれる前記結晶性樹脂の質量の割合(rC1)と、前記第2のトナーの全質量に対する、前記第2のトナーに含まれる前記結晶性樹脂の質量の割合(rC2)とは、式(1)の関係を満たす、トナーセットである。
rC1 < 0.75 × rC2 ・・・式(1)
また、上記課題を解決するための本発明の一実施形態に関する画像形成方法は、黒色着色剤を含有する第1のトナーを記録媒体に付着させ、定着させる工程と、結晶性樹脂を含有し、かつ前記第1のトナーよりも黒色着色剤の含有量が少ないか、または黒色着色剤を含有しない第2のトナーを記録媒体に付着させ、定着させる工程と、を有し、前記第1のトナーが結晶性樹脂を含まないか、または、前記第1のトナーの全質量に対する、前記第1のトナーに含まれる結晶性樹脂の質量の割合(rC1)と、前記第2のトナーの全質量に対する、前記第2のトナーに含まれる前記結晶性樹脂の質量の割合(rC2)とは、式(1)の関係を満たし、前記第1のトナーは、前記第2のトナーよりも先に前記記録媒体に付着する、画像形成方法である。
rC1 < 0.75 × rC2 ・・・式(1)
本発明により、結晶性樹脂を含有しても、形成された画像の濃度ムラを抑制できる、トナーセットおよび画像形成方法を提供される。
図1は、本発明の一実施形態に関する画像形成装置の概念を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
1.トナーセット
本発明の一実施形態に関するトナーセット(以下、単に「トナーセット」とも言う)は、黒色着色剤を含有する第1のトナーと、結晶性樹脂を含有し、かつ上記第1のトナーよりも黒色着色剤の含有量が少ないか、または黒色着色剤を含有しない第2のトナーと、を含むトナーセットであって、上記第1のトナーが結晶性樹脂を含まないか、または、上記第1のトナーの全質量に対する、上記第1のトナーに含まれる結晶性樹脂の質量の割合(rC1)と、上記第2のトナーの全質量に対する、上記第2のトナーに含まれる上記結晶性樹脂の質量の割合(rC2)とは、式(1)の関係を満たす、トナーセットである。
rC1 < 0.75 × rC2 ・・・式(1)
第1のトナーは、トナーセットに含まれる複数種のトナーのうち、黒色着色剤を含有するトナーであればいずれのトナーであってもよいが、黒色着色剤の含有量が最も多いトナーであることが好ましい。第2のトナーは、第1のトナーよりも黒色着色剤の含有量が少ないトナーであればよいが、第1のトナーを除く他のトナーのうち、黒色着色剤の含有量が最も多いトナーであることが好ましい。
例えば、トナーセットは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(Bk)の4色のトナーを含むトナーセットであり、このとき第1のトナーはブラック(Bk)トナーであり、第2のトナーはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のいずれかのトナーとすることができる。そして、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のいずれかに黒色着色剤が含まれるときには、第2のトナーは、これらのうち黒色着色剤の含有量が最も高いトナーであることが好ましい。なお、第2のトナーは、黒色着色剤を含有しないトナーであってもよい。
なお、トナーセットは、ブルー、ピンク、グリーンおよびオレンジなどの上記以外の色のトナーや、クリアトナーを含んでもよい。また、トナーセットは、同一色のトナーを複数種含んでもよく、例えば黒色着色剤の含有量が異なる複数種のブラックトナーを含んでもよい。このとき、黒色着色剤の含有量がより多いブラックトナーを第1のトナーとし、黒色着色剤の含有量がより少ないブラックトナーを第2のトナーとすればよい。
トナー中に含まれる結晶性樹脂は、加熱時に、その温度が融点より高くなると、急速に溶融し、大きく粘度を下げる(シャープメルト性)。このため、上記結晶性樹脂は、加熱時のトナーの軟化を促進して、低温での定着を可能するとされている。
本発明者らによると、この結晶性樹脂のシャープメルト性は、トナーの低温定着性を高める一方で、結晶性樹脂の融点付近でトナーの粘度を大きく低下させてしまうことがある。そして、上記粘度が低下したトナーが記録媒体の凹部に多量に染みこむと、記録媒体の凸部はトナーで被覆されず、この被覆されなかった凸部が浮き出て見えてしまう。特に、黒色着色剤をより多く含み、紙との明度差が大きいトナー(第1のトナー)を記録媒体の表面により近い下層に配置したとき、上記被覆されなかった凸部が浮き出て見えてしまうことによる画像の濃度ムラは、より視認されやすくなる。また、記録媒体が紙などの繊維質の媒体であるときは、上記染みこみ量がより多くなり、さらにはラフ紙などの表面の凹凸が大きい媒体であるときには、上記染みこみ量がさらに多くなる。
そのため、本発明では、記録媒体の表面により近い位置に配置される、黒色着色剤をより多く含んだトナー(第1のトナー)が含有する結晶性樹脂量をより少なくし、第1のトナーの粘度の大きな低下を抑制する。これにより、記録媒体の表面の凹凸への第1のトナー染みこみ量を低減させ、凸部が浮き出て見えることによる画像の濃度ムラを視認させにくくできると考えられる。
なお、第1のトナーが含有する結晶性樹脂の量が少なくても、第2のトナーに結晶性樹脂が十分に含有されていれば、低温定着性への影響は少ないと考えられる。
これらの理由により、上記トナーセットは、結晶性樹脂を含有するトナーを含むにも関わらず、形成される画像の濃度ムラが視認されにくいと考えられる。
1-1.第1のトナー
第1のトナーは、黒色着色剤を含有する公知のトナーであればよい。例えば、第1のトナーは、結着樹脂、着色剤、および離型剤を含有するトナーである。
1-1-1.結着樹脂
結着樹脂は、結晶性樹脂であってもよいし、非晶性樹脂であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
(結晶性樹脂)
本発明において、「結晶性」樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)により、得られる吸熱曲線において、昇温時に明確な吸熱ピークを有する樹脂と定義される。なお、本明細書において、「明確な吸熱ピーク」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、昇温速度10℃/minで測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークのことを意味する。
結晶性樹脂の融点は、低温定着性を実現する観点から、60℃以上120℃以下であることがこのましく、65℃以上100℃以下であることがより好ましく、70℃以上90℃以下であることが更に好ましい。60℃以上であると、保管状態においてトナー中の結晶性樹脂の一部が溶融することを抑制することができ、120℃以下であると、定着に必要な熱エネルギー量が少なくて済む。
結晶性樹脂の融点は、トナーの示差走査熱量計(DSC)を行うことにより測定することができる。例えば、示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて求めることができる。測定は、昇降速度10℃/minで室温(25℃)から150℃まで昇温し、5分間150℃で等温保持する1回目の昇温過程、冷却速度10℃/minで150℃から0℃まで冷却し、5分間0℃で等温保持する冷却過程、および、昇降速度10℃/minで0℃から150℃まで昇温する2回目の昇温過程をこの順に経る測定条件(昇温・冷却条件)によって行う。上記測定は、トナー3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」のサンプルホルダーにセットして行う。リファレンスとして空のアルミニウム製パンを使用する。上記測定において、1回目の昇温過程により得られた吸熱曲線から解析を行い、結晶性樹脂由来の吸熱ピークのトップ温度を結晶性樹脂の融点とする。
上述した溶融粘度の急激な低下による繊維間への染みこみを抑制する観点からは、第1のトナー含まれる結晶性樹脂の含有量は、より少ないことが好ましい。具体的には、第1のトナーに含まれる結晶性樹脂の含有量は、第1のトナーに含まれる結着樹脂の全質量に対して0質量%以上7質量%以下であることが好ましく、0質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上2質量%以下であることがさらに好ましく、第1のトナーは結晶性樹脂を含有しないことが好ましい。なお、本明細書において、トナーがある成分を含有しないとは、当該成分の含有量がトナーの全質量に対して0.1質量%以下であることを意味する。
第1のトナーが結晶性樹脂を含有するとき、結晶性樹脂は、上記特性を有すれば特に限定されない。結晶性樹脂は、本技術分野における公知の結晶性樹脂を使用できる。結晶性樹脂の例には、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリエーテル樹脂が含まれる。結晶性樹脂は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。第1のトナーの低温定着性を高める観点から、上記結晶性樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は2価以上のアルコール(多価アルコール成分)と、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸成分)との重縮合反応によって得ることができる。
結晶性ポリエステル樹脂は、上記したとおりであれば特に限定されない。例えば、結晶性ポリエステル樹脂は、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との重縮合反応によって合成される単重合体であってもよいし、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との重縮合反応によって合成される結晶性ポリエステル樹脂ユニットと、ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニットと、が共重合したハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂としてもよく、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂ユニットからなる主鎖に他成分を共重合させた構造を有する樹脂や、結晶性ポリエステル樹脂ユニットを他成分からなる主鎖に共重合させた構造を有する樹脂が挙げられる。
多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール(1,2―ヘキサンジオール、1,6―ヘキサンジオール)、シクロヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの2価のアルコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミンなどの3価以上のポリオール、およびこれらのエステル化合物、ヒドロキシカルボン酸誘導体などを挙げることができる。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、メサコン酸、アジピン酸、β-メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン-3,5-ジエン-1,2-ジカルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p-カルボキシフェニル酢酸、p-フェニレン二酢酸、m-フェニレンジグリコール酸、p-フェニレンジグリコール酸、o-フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル-p,p′-ジカルボン酸、ナフタレン-1,4-ジカルボン酸、ナフタレン-1,5-ジカルボン酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸などの2価のカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸などの3価以上のカルボン酸、およびこれらのアルキルエステル、酸無水物、酸塩化物などを挙げることができる。
上記結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、通常3000以上100000以下を取り得るが、5000以上50000以下であることが好ましく、6000以上35000以下であることがより好ましく、7000以上25000以下であることが更に好ましい。50000以上であると溶融粘度が高くなり定着性が悪化しであり、5000以下であると結着樹脂への相溶性が高くなり、耐熱保管性が悪化するである。
上記結晶性ポリエステル樹脂の形成方法は特に制限されず、公知のエステル化触媒を利用して、上記多価アルコール成分および上記多価カルボン酸成分を重縮合する(エステル化する)ことにより形成することができる。
上記結晶性ポリエステル樹脂の製造の際に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、アルミニウム、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜リン酸化合物、リン酸化合物、アミン化合物等が挙げられる。具体的には、スズ化合物としては、酸化ジブチルスズ、オクチル酸スズ、ジオクチル酸スズ、これらの塩等などを挙げることができる。チタン化合物としては、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネートなどのチタンアルコキシド、ポリヒドロキシチタンステアレートなどのチタンアシレート、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンテトラブトキサイド、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネートなどのチタンキレートなどを挙げることができる。ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウムなどを挙げることができる。アルミニウム化合物としては、ポリ水酸化アルミニウムなどの酸化物、アルミニウムアルコキシド、トリブチルアルミネートなどを挙げることができる。これらは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂において、ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂ユニットの例として、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、耐熱性に優れると言う観点から、スチレンアクリル樹脂(スチレンアクリル重合セグメント)が好ましい。スチレンアクリル重合セグメントの形成が可能な単量体の例は、後述するハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂における、スチレンアクリル重合セグメントと同様のものが挙げられる。
(非晶性樹脂)
本発明において、「非晶性」樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)を行ったときに、明確な吸熱ピークを示さない樹脂と定義される。非晶性樹脂は、比較的高いガラス転移温度を有する樹脂である。
非晶性樹脂は特に限定されないが、例として、スチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体または共重合体、ポリエステル樹脂等が含まれる。また、低温定着性を実現させる観点からは、ポリエステル樹脂を含むことが好ましく、形成される画像の濃度ムラを抑制する観点からは、非晶性ポリエステル重合セグメントと、スチレン由来の構成単位を有するビニル重合セグメントとが、化学的に結合した、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。
上記ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂は、加熱時の粘度の低下幅がさほど大きくない。そのため、第1のトナーが、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂を含むことで、第1のトナーの過剰な染みこみによる濃度ムラをより抑制しやすくなる。
上記非晶性ポリエステル重合セグメントは、非晶性ポリエステル樹脂と同様の多価カルボン酸成分および多価アルコール成分との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂に由来する部分であって、トナーの示差走査熱量測定(DSC)において、明確な吸熱ピークが認められない重合セグメントをいう。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、β-メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン-3,5-ジエン-1,2-ジカルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p-カルボキシフェニル酢酸、p-フェニレン二酢酸、m-フェニレンジグリコール酸、p-フェニレンジグリコール酸、o-フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル-p,p′-ジカルボン酸、ナフタレン-1,4-ジカルボン酸、ナフタレン-1,5-ジカルボン酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸などのジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸などが挙げられる。これら多価カルボン酸は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。これらの中でも、フマル酸、マレイン酸、メサコン酸などの脂肪族不飽和ジカルボン酸や、イソフタル酸やテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、トリメリット酸を用いることが好ましい。
また、多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物などの2価のアルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミンなどの3価以上のポリオールなどが挙げられる。これら多価アルコール成分は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。これらの中でも、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物などの2価のアルコールが好ましい。
非晶性ポリエステル重合セグメントは、上記定義したとおりであれば特に限定されない。例えば、非晶性ポリエステル重合セグメントによる主鎖に他成分を共重合させた構造を有する樹脂や、非晶性ポリエステル重合セグメントを他成分からなる主鎖に共重合させた構造を有する樹脂について、この樹脂を含むトナーが上記のように明確な吸熱ピークが認められないものであれば、その樹脂は、本発明でいう非晶性ポリエステル重合セグメントを有するハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂に該当する。
上記非晶性ポリエステル重合セグメントの含有量は、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂の全量に対して75質量%以上98質量%以下であることが好ましい。なお、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂中の各セグメントの構成成分および含有割合は、例えば、NMR測定、またはメチル化反応Py-GC/MS測定により特定することができる。
スチレン由来の構成単位を含むビニル重合セグメントを含む、ビニル重合セグメントとしては、スチレン由来の構成単位を含むものであれば特に制限されないが、熱定着時の可塑性を考慮すると、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル重合セグメント(スチレンアクリル重合セグメント)が好ましい。
上記スチレンアクリル重合セグメントは、少なくとも、スチレン単量体と、(メタ)アクリル酸エステル単量体と、を付加重合させて形成されるものである。スチレンアクリル重合セグメントの形成が可能な単量体の具体例としては、ここでいうスチレン単量体は、スチレンの他に、スチレン構造中に公知の側鎖や官能基を有する構造のものを含むものである。また、ここでいう(メタ)アクリル酸エステル単量体は、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの他に、アクリル酸エステル誘導体やメタクリル酸エステル誘導体等の構造中に公知の側鎖や官能基を有するエステルを含むものである。
まず、スチレン単量体の具体例としては、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、p-フェニルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n- オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン等が挙げられる。これらスチレン単量体は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n-オクチルアクリレート、2- エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、フェニルアクリレート等のアクリル酸エステル単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル単量体等が挙げられる。
ビニル重合セグメント中のスチレン由来の構成単位の含有率は、ビニル重合セグメントの全量に対し、40質量%以上95質量%以下であることが好ましい。また、ビニル重合セグメント中の(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する構成単位の含有率は、ビニル重合セグメントの全量に対し、5質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
さらに、ビニル重合セグメントは、上記スチレン単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体の他、上記非晶性ポリエステル重合セグメントに化学的に結合するための化合物が付加重合されてなると好ましい。具体的には、上記結晶性ポリエステル重合セグメントに含まれる、多価アルコール成分由来のヒドロキシ基[-OH]または多価カルボン酸成分由来のカルボキシ基[-COOH]とエステル結合する化合物を用いると好ましい。したがって、ビニル重合セグメントは、スチレンおよび(メタ)アクリル酸エステル単量体に対して付加重合可能であり、かつ、カルボキシ基[-COOH]またはヒドロキシ基[-OH]を有する化合物をさらに重合してなると好ましい。
このような化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシ基を有する化合物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する化合物が挙げられる。
ビニル重合セグメント中の上記化合物に由来する構成単位の含有率は、ビニル重合セグメントの全量に対し、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
ビニル重合セグメントの含有量は、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂中2質量%以上25質量%以下であることが好ましい。
1-1-2.着色剤
第1のトナーは、黒色着色剤を含有する。黒色着色剤の例には、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、さらにマグネタイト、フェライト等が挙げられる。
なお、第1のトナーは、黒色着色剤以外の着色剤を含有してもよい。黒色着色剤以外の着色剤の例には、マゼンタまたはレッド用の着色剤、オレンジまたはイエロー用の着色剤、および、グリーンまたはシアン用の着色剤が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の着色剤(顔料)としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド238等が挙げられる。
また、オレンジまたはイエロー用の着色剤(顔料)としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
さらに、グリーンまたはシアン用の着色剤(顔料)としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
着色剤の含有量は、トナーの全質量に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、2質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。また、このような範囲であると画像の色再現性を確保できる。
着色剤粒子の大きさは、特に限定されないが、高い色再現性を得るという観点から、体積基準のメジアン径が、10nm以上1000nm以下であることが好ましく、50nm以上500nm以下であることがより好ましい。粒子のメジアン径は「MICROTRAC UPA-150」(HONEYWELL社製)を用いて測定することができる。
1-1-3.離型剤
第1のトナーは、離型剤を含有してもよい。離型剤は、特に限定されるものではなく公知の種々のワックスを用いることができ、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
離型剤の含有量は、結着樹脂の全質量に対して、1質量%以上30質量%であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。離型剤の含有量が上記の範囲内にあると、十分な定着分離性が得られる。
1-1-4.その他の成分
本発明のトナーに含まれるその他の成分は、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。例として、無機微粒子、有機微粒子、帯電制御剤等の公知の各種外添剤等が挙げられる。
上記無機微粒子は、一般にトナーの流動性を向上させる目的で使用される。上記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の微粒子が挙げられる。これらの中でも、シリカ微粒子が好ましく、疎水化処理されたシリカ微粒子が特に好ましい。
上記有機微粒子は、一般にクリーニング性や転写性、時には帯電性を向上させる目的で使用される。前記有機微粒子としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン- アクリル共重合体等の微粒子が挙げられる。
上記帯電制御剤は、一般に帯電性を向上させる目的で使用される。上記帯電制御剤としては、例えば、サリチル酸金属塩、含金属アゾ化合物、ニグロシンや4級アンモニウム塩等が挙げられる。
1-2.第2のトナー
第2のトナーは、黒色着色剤の含有量が第1のトナーよりも少なければよく、黒色着色剤は含有しなくても良い。この限りにおいて、いかなるトナーを第2のトナーとして用いることができる。例えば、第2のトナーは、第1のトナーと同様に結着樹脂、着色剤、および離型剤を含有するトナーである。
1-2-1.結着樹脂
第2のトナーが含有する結着樹脂は、第1のトナーが含有する結着樹脂と同様の樹脂から選択することができる。
ただし、第2のトナーは、結晶性樹脂を含有する。結晶性樹脂は、上記特性を有すれば特に限定されない。結晶性樹脂は、本技術分野における公知の結晶性樹脂を使用できる。結晶性樹脂の例には、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリエーテル樹脂が含まれる。結晶性樹脂は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
低温定着性の観点から、第2のトナーにおける結晶性樹脂の含有量は、第2のトナーに含まれる結着樹脂の全質量に対して、2質量%以上20質量%以下であることが好ましく、7質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
第2のトナーの低温定着性を高める観点から、上記結晶性樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。第2のトナーが含有する結晶性ポリエステル樹脂は、第1のトナーが含有する結晶性ポリエステル樹脂と同様の樹脂から選択することができる。第一のトナーと第二のトナーがそれぞれ含む結晶性樹脂は同じでも異なっても良い。
第2のトナーの低温定着性を高める観点から、第2のトナーに含まれる非晶性樹脂は非晶性ポリエステル樹脂を含むことが好ましく、形成される画像の濃度ムラを抑制する観点からは、非晶性ポリエステル重合セグメントと、スチレン由来の構成単位を有するビニル重合セグメントとが、化学的に結合した、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。第2のトナーが含有する非晶性ポリエステル樹脂およびハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂は、第1のトナーが含有する非晶性ポリエステル樹脂およびハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂と同様の樹脂から、それぞれ選択することができる。第1のトナーと第2のトナーがそれぞれ含む非晶性樹脂は同じでも異なっていても良い。
第2のトナーが含有する結着樹脂は、第1のトナーについて説明したものと同様とできるので、詳しい説明は省略する。
1-2-2.着色剤
第2のトナーは、当該のトナーにより呈されるべき色調に応じた種類および量の着色剤を含有してもよい。
第2のトナーが含有する着色剤は、第1のトナーが含有する着色剤と同様の着色剤から選択することができる。また、第2のトナーが含有する着色剤の含有量および粒径は、第1のトナーが含有する着色剤について説明したものと同様とできるので、詳しい説明は省略する。
なお、第2のトナーは、黒色着色剤を含有してもよいし、黒色着色剤を含有しなくても良い。ただし、第2のトナーが黒色着色剤を含有する場合、第2のトナーが含有する黒色着色剤の量は、第1のトナーが含有する黒色着色剤の量よりも少ない。
1-2-3.離型剤
第2のトナーは、離型剤を含有してもよい。
離型剤は、第1のトナーについて説明したものと同様とできるので、詳しい説明は省略する。
1-2-4.その他の成分
第2のトナーに含まれるその他の成分は、第1のトナーが含有するその他の成分について説明したものと同様に、目的に応じて適宜選択することができるので、詳しい説明は省略する。
1-3.第1のトナーと第2のトナーとの関係
第1のトナーの全質量に対する、第1のトナーに含まれる上記結晶性樹脂の質量の割合(rC1)と、第2のトナーの全質量に対する、第2のトナーに含まれる上記結晶性樹脂の質量の割合(rC2)とは、式(1)の関係を満たすことが好ましい。
rC1 < 0.75 × rC2 ・・・式(1)
rC1とrC2とが上記関係を満たすことで、記録媒体(紙)により近い位置に付与される第1のトナーの、繊維間への染みこみを抑制することができ、一方で第2のトナーが含有する上記結晶性樹脂により、トナーセットを用いて画像を形成するときの低温定着性を確保することができる。上記観点から、rC1とrC2とは、rC1 < 0.60 × rC2を満たすことが好ましく、rC1 < 0.50 × rC2を満たすことがより好ましく、rC1 < 0.20 × rC2を満たすことがさらに好ましい。
また、上記の方法で測定された第1のトナーの複素粘度ηは、上記の方法で測定された第2のトナーの複素粘度ηよりも小さいことが好ましい。第1のトナーの複素粘度と第2のトナーの複素粘度とが上記関係を満たすことで、画像濃度ムラを抑制しつつ、低温定着性をより確保しやすくなる。
また、第一のトナーが非晶性ポリエステル樹脂を含む場合、第1のトナーの全質量に対する、第1のトナーに含まれる上記非晶性ポリエステル樹脂の質量の割合(rAP1)と、第2のトナーの全質量に対する、第2のトナーに含まれる上記非晶性ポリエステル樹脂の質量の割合(rAP2)とは、式(2)の関係を満たすことが好ましい。このとき第2のトナーは非晶性ポリエステル樹脂を含んでも含まなくても良い。
rAP1 > rAP2 ・・・式(2)
rAP1とrAP2とが上記関係を満たすことで、低温定着性に優れる非晶性ポリエステル樹脂の、第1のトナーにおける含有量をより多くして、第1のトナーの低温定着性をより確保しやすくすることができる。そのため、トナーセットを用いて画像を形成するときの低温定着性を確保することができる。上記観点から、rAP1とrAP2とは、rAP1 ≧ 1.5×rAP2を満たすことがより好ましく、rAP1 ≧ 2.0×rAP2を満たすことがさらに好ましい。
また、非晶性ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度以上で素早く溶融するが、ガラス転移温度以上において、トナーの溶融粘度は急激に低下しない。そのため、本発明者らによれば、第1のトナーと第2のトナーとが、式(2)の関係を満たすことで、第1のトナーの溶融粘度の急激な低下を抑制し、ラフ紙への染みこみが抑制されると考えられる。黒色着色剤をより多く含んだ第1のトナーは、紙との明度差が大きいため、第1のトナーのラフ紙への染みこみの抑制は、画像の濃度ムラの抑制に繋がると考えられる。
1-4.第1のトナーおよび第2のトナー粒子の形態
トナー粒子は、いわゆる単層構造を有するものであってもよいし、コア-シェル構造(コア粒子の表面にシェル層を形成する樹脂を凝集、融着させた形態)を有するものであってもよい。なお、コア-シェル構造は、シェル層がコア粒子を完全に被覆した構造のものに限定されるものではなく、例えば、シェル層がコア粒子を完全に被覆せず、所々コア粒子が露出しているものも含む。
また、高温高湿環境下における帯電性を向上させるという観点から、本発明に係る第1のトナーは、第1のトナーが結晶性樹脂を含む場合、結晶性樹脂がトナー粒子表面に露出せず、トナー粒子の内部に含有されると共に、非晶性樹脂がトナー粒子表面に露出した形態であると好ましい。一方、低温低湿環境下における転写性を向上させ、画像濃度むらを低減するという観点から、本発明に係る第2のトナーは、結晶性樹脂がトナー粒子表面に露出した形態であると好ましい。かような第1のトナーおよび第2のトナーのトナー粒子の各形態は、上述のように、結晶性ポリエステル樹脂を形成する直鎖脂肪族ジカルボン酸の炭素数によって制御することができる。また、後述するように、乳化凝集法によりトナー粒子を製造する際、各樹脂の添加のタイミング等によってもまたトナー粒子の形態を制御することができる。
上述のトナー粒子の形態(コア-シェル構造の断面構造や結晶性ポリエステル樹脂の存在位置)は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型プローブ顕微鏡(SPM)等の公知の手段を用いて確認することが可能である。
定着時における加熱部材へのトナーの飛翔による定着オフセットの発生を抑制する観点、転写効率を高める観点、及びトナーの流動性を高める観点から、本発明におけるトナーの体積メジアン径は3μm以上10μm以下であることが好ましく、4μm以上8μm以下であることがより好ましく、4.5μm以上7.5μm以下であることがさらに好ましい。
トナー粒子の平均円形度は0.920以上0.995以下であることが好ましく、0.930以上0.990以下であることがより好ましく、0.940以上0.990以下であることがさらに好ましい。0.995以上であるとクリーニング性が悪化しであり、0.920以下であると転写効率が悪化するである。トナー粒子の平均円形度はフロー式粒子像測定装置「FPIA-3000」(シメックス社製)を用いて測定することができる。
1-5.第1のトナーおよび第2のトナーの物性
本発明におけるトナーの複素粘度はレオメーター「ARES G2」(TA instrument社製)を用いて測定することができる。上記レオメーターを用いた動的粘弾性測定において、50℃から130℃まで10℃毎に周波数分散測定を行い、基準温度70℃で作製したマスターカーブより求めた、角周波数ω=0.01rad/sにおける複素粘度η(Pa・s)を、本発明では複素粘度の測定値とした。
上記の方法で測定された、本発明のトナーの複素粘度η(Pa・s)において、常用対数で表されるlog(η)は、通常1以上10以下であるが、4以上8以下であることが好ましく、5以上7.5以下であることがより好ましく、5.5以上7.5以下であることがさらに好ましい。8以上であると低温定着性が悪化しであり、4以下であると定着分離性が悪化するである。
低温定着性と画像濃度ムラの抑制の両立という観点から、第1のトナーの複素粘度ηは、第2のトナーの複素粘度ηよりも小さいことが好ましい。第1のトナーの複素粘度をη 、第2のトナーの複素粘度をη とすると、0.1≦η -η ≦0.8を満たすことが好ましく、0.5≦η -η ≦0.8を満たすことがより好ましい。本発明者らによれば、これは第1のトナーの複素粘度が、第2のトナーよりも低くなることで、定着時に効率良く、紙と接着する下層の第1のトナーにまで伝熱するためであると考えている。また、理由は不明であるが、本条件で測定される複素粘度は、低温定着性とよく相関する物性値であり、画像濃度ムラとは相関性が低いことを見出した。そのため、低温定着性と画像濃度ムラの抑制ができると考えられる。
1-6.第1のトナーおよび第2のトナーの製造方法
第1のトナーおよび第2のトナーを製造する方法としては、特に限定されず、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法など公知の方法が挙げられる。粒子径の均一性、形状の制御性、コア-シェル構造形成の容易性の観点からは、乳化凝集法を採用することが好ましい。また、結晶性ポリエステル樹脂および離型剤の疎水性を利用して、トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂が所望の位置となるように制御しやすいという観点からも、乳化凝集法を用いることが好ましい。
1-6-1.乳化凝集法
乳化凝集法は、結晶性樹脂の粒子と、非晶性樹脂の粒子、着色剤粒子、それぞれの分散液を、混合し、所定の粒子径となるまで凝集させ、さらに結晶性樹脂と非晶性樹脂の粒子間の融着を行うことにより、形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。具体的には、下記の(a)~(g)の工程を経てトナー粒子を製造する。
(a)各分散液の調製
(a-1)結晶性樹脂粒子分散液の調製
結晶性樹脂粒子分散液は、例えば、溶剤を用いることなく、水系媒体中において分散処理を行う方法、あるいは結晶性樹脂を酢酸エチルやメチルエチルケトンなどの溶剤に溶解させて溶液とし、分散機を用いて当該溶液を水系媒体中に乳化分散させた後、脱溶剤処理を行う方法などが挙げられる。
本発明において、「水系媒体」とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものをいい、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶剤を挙げることができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルセルソルブ、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらのうち、樹脂を溶解しない有機溶剤であるメタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール系有機溶剤を使用することが好ましい。好ましくは、水系媒体として水のみを使用する。
結晶性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂を含み、その構造中にカルボキシ基を含む場合、当該カルボキシ基をイオン解離させて、水相に安定に乳化させて乳化を円滑に進めるためにアンモニア、水酸化ナトリウムなどを添加してもよい。さらに、水系媒体中には、分散安定剤が溶解されていてもよく、また油滴の分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤や樹脂粒子などが添加されていてもよい。
分散安定剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、リン酸三カルシウムなどのように酸やアルカリに可溶性のものを使用することが好ましく、または環境面の視点からは、酵素により分解可能なものを使用することが好ましい。界面活性剤としては、公知のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤を用いることができる。また、分散安定性の向上のための樹脂粒子としては、ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリスチレン-アクリロニトリル樹脂粒子などが挙げられる。
このような上記分散処理は、機械的エネルギーを利用して行うことができ、分散機としては、特に限定されるものではなく、ホモジナイザー、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、高圧衝撃式分散機アルティマイザー、乳化分散機などが挙げられる。
分散の際には、溶液を加熱することが好ましい。加熱条件は特に限定されるものではないが、通常60℃以上200℃以下である。
このように準備された結晶性樹脂粒子分散液中の結晶性樹脂粒子の体積基準のメジアン径は、60nm以上1000nm以下が好ましく、80nm以上500nm以下であることがより好ましい。なお、このメジアン径は、乳化分散時の機械的エネルギーの大きさなどによって制御することができる。
また、結晶性樹脂粒子分散液における結晶性樹脂粒子の含有量は、分散液全体に対して10質量%以上50質量%以下の範囲が好ましく、15質量%以上40質量%以下の範囲がより好ましい。このような範囲であると、粒度分布の広がりを抑制し、トナー特性を向上させることができる。
(a-2)非晶性樹脂粒子分散液の調製
水系媒体中で、例えば乳化重合を行い、非晶性樹脂を得た場合には、重合反応後の液をそのまま非晶性樹脂粒子分散液として用いることができる。
単離した非晶性樹脂を必要に応じて粉砕した後、界面活性剤の存在下で超音波分散機などを用いて水系媒体中に、非晶性樹脂を分散させる方法を用いることもできる。水系媒体および界面活性剤の例は、上記(a-1)結晶性樹脂粒子分散液の調製、と同様のものである。
非晶性樹脂粒子分散液中の非晶性樹脂粒子の体積基準のメジアン径は、60nm以上1000nm以下であることが好ましく、80nm以上500nm以下であることが好ましい。なお、このメジアン径は、重合時の機械的エネルギーの大きさなどによってコントロールすることができる。
非晶性樹脂粒子分散液におけるビニル樹脂粒子の含有量は、分散液全体に対して10質量%以上50質量%以下の範囲とすることが好ましく、15質量%以上40質量%以下の範囲とすることがより好ましい。このような範囲であると、粒度分布の広がりを抑制し、トナー特性を向上させることができる。
本発明において、非晶性樹脂粒子分散液は、離型剤を含んでいてもよい。非晶性樹脂粒子分散液に対する、離型剤の含有量は2質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
(a-3)着色剤粒子分散液の調製
着色剤を水系媒体中に微粒子状に分散させて、着色剤粒子分散液を調製する。
用いる水系媒体の例は、上記(a-1)結晶性樹脂粒子分散液の調製、と同様のものである。上記水系媒体中には、分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤や樹脂粒子などが添加されていてもよい。
着色剤の分散は、機械的エネルギーを利用した分散機で行うことができ、分散機の例は、上記(a-1)結晶性樹脂粒子分散液の調製と、同様のものである。
着色剤粒子分散液中の着色剤粒子の体積基準のメジアン径は、10nm以上300nm以下であることが好ましい。
着色剤粒子分散液における着色剤の含有量は、分散液全体に対して5質量%以上45質量%以下であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。このような範囲であると、色再現性確保の効果がある。
(b)凝集・融着
水系媒体中で上記結晶性樹脂粒子、非晶性樹脂粒子および着色剤粒子それぞれの分散液を混合し、水系媒体中にこれら粒子を分散させた後、凝集剤を添加し、非晶性樹脂粒子のガラス店移転以上の温度で加熱してそれぞれの粒子を凝集させ、粒子同士を融着させる。
本発明で用いられる凝集剤は、特に限定されないが、アルカリ金属塩や第2族の金属の塩などの金属塩から選択されるものが好適に使用される。金属塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの一価の金属塩; カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅などの二価の金属塩; 鉄、アルミニウムなどの三価の金属塩などが挙げられる。具体的な金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸アルミニウムなどを挙げることができる。これらの中で、より少量で凝集を進めることができることから、二価または三価の金属塩を用いることが特に好ましい。これら凝集剤は単独でも、または2種以上を組み合わせても用いることができる。
上記凝集剤の使用量は、特に制限されないが、トナー粒子を構成する結着樹脂の固形分に対して、トナーの粒径制御性の観点から、2質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
凝集工程においては、凝集剤を添加した後、加熱により速やかに昇温させることが好ましく、昇温速度は0.05℃/分以上とすることが好ましい。昇温速度の上限は、特に限定されないが、急速な融着の進行による粗大粒子の発生を抑制する観点から15℃/分以下とすることが好ましい。さらに、凝集用分散液が所望の温度に到達した後、当該凝集用分散液の温度を一定時間、好ましくは体積基準のメジアン径が4.5~7.0μmになるまで保持して、融着を継続させることが重要である。
(c)熟成
熟成処理は、会合粒子が分散された系を加熱攪拌し、会合粒子の形状を所望の円形度になるまで、加熱温度、攪拌速度、加熱時間などを調整することにより、行われる。熟成処理は必要に応じて行われる。
(d)冷却
トナー粒子の分散液を冷却する。冷却処理の条件としては、1~20℃/分の冷却速度で冷却することが好ましい。冷却処理の具体的な方法としては特に限定されるものではなく、例として、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法などが挙げられる。
(e)濾過・洗浄
冷却されたトナー粒子の分散液から、トナー粒子を固液分離し、固液分離によって得られた、トナーケーキ(ウェット状態にあるトナー粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去して洗浄する。
固液分離する方法は、特に限定されないが、例として、遠視分離法、ヌッチェなどを使用して行う減圧濾過法、フィルタープレスなどを使用して行う濾過法などが挙げられる。
(f)乾燥
洗浄処理されたトナーケーキを乾燥する。乾燥方法は特に限定されないが、例として、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などが挙げられる。生産安定性の観点から、静置棚乾燥機、移動式乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
(g)外添剤の添加
トナー粒子に対して外添剤を添加する場合に、必要に応じて行う。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、サンプルミルなどの機械式の混合装置を使用することができる。
2.画像形成方法
本発明の他の実施形態に関する画像形成方法(以下、単に「画像形成方法」とも言う)は、トナーを用いる公知の画像形成方法と同様に行うことができる。
画像形成方法は、公知の画像形成装置を用いて行うことができる。以下、図を用いてさらに説明する。
2-1.画像形成装置
図1は、本実施の形態で用いられる画像形成装置100の構成例を模式的に示す図である。
画像形成装置100は、いわゆるタンデム型カラー画像形成装置であり、図1に示されるように、原稿画像を読み取るための原稿画像読取装置SCと、トナー画像を形成するための四つの画像形成部と、画像形成部で形成されたトナー画像を記録媒体Pに転写するための転写装置と、記録媒体Pを搬送するための給紙搬送装置と、記録媒体Pが担持する未定着のトナー画像を記録媒体Pに定着させるための定着手段としての熱ロール式の定着装置50とを有する。
原稿画像読取装置SCは、原稿の画像情報を読み取り、YMCKの各色の画像データに変換し、対応する色の画像データを、後述する露光装置3に送る。
四つの画像形成部は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の四色の画像を形成するための装置であり、例えば、図1の上からYMCKの順で配置されている。それぞれの画像形成部は、感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、一次転写ローラ5、およびクリーニング装置6を有する。
ただし、本実施形態では、ブラックトナーが第1のトナー、ブラックトナー以外のトナーが第2のトナーである。
感光体1は、例えばドラム状の有機感光体であり、帯電装置2は、例えばコロナ放電による非接触の帯電装置である。露光装置3は、例えばレーザー発振装置であり、現像装置4は、YMCKのいずれかの色の二成分現像剤を収容する二成分現像剤用の現像装置である。一次転写ローラ5は、例えば、中間転写ベルト7を介して感光体1に向けて自在に付勢される帯電ローラであり、クリーニング装置6は、例えば、感光体1の表面に当接するゴム製の弾性ブレードを有するブレードクリーニング装置である。上記二成分現像剤は、本実施の形態のトナーである。
転写装置は、無端状の中間転写ベルト7と、中間転写ベルト7を張設する複数のローラ8と、二次転写ローラ9と、クリーニング装置10とを有する。ローラ8は、一つ以上の駆動ローラを含み、駆動ローラ以外の従動ローラを含んでいてもよい。二次転写ローラ9は、例えば、搬送されてくる記録媒体Pを介して中間転写ベルト7との間にニップ部を形成可能なる帯電ローラであり、クリーニング装置10は、例えば、中間転写ベルト7の表面に当接する弾性ブレードを有するブレードクリーニング装置である。
給紙搬送装置は、記録媒体Pを収容する給紙カセット11と、給紙カセット11から記録媒体Pを取り出すための給紙ローラ12と、記録媒体Pを二次転写ローラ9のニップ部まで搬送するための搬送ローラ13と、搬送されている記録媒体Pの位置を制御するためのレジストローラ14と、定着装置50から排出された記録媒体Pを機外へ排出するための排出ローラ15と、機外に排出された記録媒体Pを収容するための排紙トレイ16とを有する。記録媒体Pは、例えば、普通紙やラフ紙が用いられる。
このように構成された画像形成装置100において、画像形成部では、回転駆動する感光体1の表面が帯電装置2からの電圧の印加によって帯電する。帯電した感光体1の表面に、露光装置3がYMCKの対応する色の画像データに応じたレーザー光を照射して静電潜像を形成する。静電潜像が形成された感光体1の表面には、現像装置4からトナー粒子が供給され、当該トナー粒子が静電潜像の部分に付着して静電潜像が現像される。
それぞれの画像形成部において形成された、感光体1の表面に担持されているYMCKのそれぞれの色のトナー画像は、一次転写ローラ5からの電圧の印加により、回動する中間転写ベルト7上に逐次重なるように転写されて、合成されたカラートナー画像が中間転写ベルト7上に形成される。一次転写ローラ5は、一次転写時のみに感光体1に当接してもよく、例えば、黒色画像用の画像形成部における一次転写ローラ5は、常時、感光体1に当接しており、他の色用の一次転写ローラ5は、一次転写時のみに感光体1に当接する。
なお、本実施形態では、4個配置された現像装置4のうち、最も下流側の現像装置4が、第1のトナーであるブラックトナーを供給する。これにより、第1のトナーは中間転写ベルトに形成されたカラートナー画像のうち、最も表層側に配置され、記録媒体Pに転写されたときには、記録媒体の表面により近い位置に配置される。つまり、第1のトナーが、第2のトナーよりも先に記録媒体に付着する。
一次転写後の感光体1の表面における転写残トナーなどの付着物は、クリーニング装置6によって当該表面から除去される。
給紙カセット11内に収容された記録媒体P(例えば普通紙)は、給紙ローラ12により給紙カセット11から取り出され、搬送ローラ13、レジストローラ14を経て二次転写ローラ9に搬送される。中間転写ベルト7上のカラートナー画像は、二次転写ローラ9からの電圧の印加により、記録媒体P上に転写される。二次転写ローラ9は、例えば、二次転写時のみ中間転写ベルト7に向けて付勢される。
二次転写後の中間転写ベルト7の表面における転写残トナーなどの付着物は、クリーニング装置10によって当該表面から除去される。
記録媒体P上のカラートナー画像は、定着装置50の加熱加圧により記録媒体Pの表面に定着される。こうして、定着したカラートナー画像が記録媒体Pに形成される。カラートナー画像が形成された記録媒体Pは、排出ローラ15を経て排紙トレイ16上に搬送される。上記の工程の繰り返しにより、記録媒体P上に定着したトナー画像が次々と形成される。
なお、記録媒体は特に限定されず、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙およびキャスト紙を含む塗工紙ならびに非塗工紙を含む紙媒体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブタジエンテレフタレートを含むプラスチックで構成される非吸収性の記録媒体(プラスチック基材)、ならびに金属類およびガラス等の非吸収性の無機記録媒体とすることができる。これらのうち、紙媒体を用いるときに、本発明により濃度ムラの視認性が低下する効果が顕著であり、ラフ紙などの表面凹凸が大きい紙媒体を用いたときに本発明により濃度ムラの視認性が低下する効果がさらに顕著である。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、これらの記載によって本発明の範囲は限定して解釈されない。
《結晶性樹脂粒子分散液の調整》
〈結晶性樹脂の合成〉
(結晶性樹脂1(CP1)の合成)
下記のスチレンアクリル重合セグメントの原料単量体およびラジカル重合開始剤を滴下ロートに入れた。
スチレン 36.0質量部
n-ブチルアクリレート 13.0質量部
アクリル酸 2.0質量部
ラジカル重合開始剤(ジ-t-ブチルパーオキサイド)7.0質量部
また、下記の結晶性ポリエステル重合セグメントの原料単量体を、窒素ガス導入管、脱水管、攪拌器および熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
テトラデカン二酸 440.0質量部
1,4-ブタンジオール 153.0質量部
次いで、攪拌下でスチレンアクリル重合セグメントの原料単量体を90分間かけて滴下し、60分間熟成を行った後、減圧下(8.0kPa)にて未反応のスチレンアクリル重合セグメントの原料単量体を除去した。なお、このとき除去された原料単量体の量は、上記の仕込みの原料単量体に対してごく微量であった。その後、触媒としてチタンテトラブトキサイド(Ti(O-n-Bu))を0.8質量部投入し、235℃まで昇温し、常圧下(101.3kPa)にて5時間反応を行い、さらに減圧下(8.0kPa)にて1時間反応を行った。
次いで、200℃まで冷却した後、減圧下(20.0kPa)にて1時間反応させることにより、結晶性樹脂(CP1)を得た。結晶性樹脂は、重量平均分子量が24500であり、融点が76℃であった。
なお、本実施例における各樹脂の重量平均分子量は、「HLC-8220」(東ソー社製)およびカラムとして「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM-M3連」(東ソー社製)を有するGPC装置と、標準ポリスチレン試料から求められた検量線とを用いて求めた値である。
(結晶性樹脂2(CP2)の合成)
攪拌装置、窒素導入管、温度センサーおよび精留塔を備えた反応容器に、下記の原料単量体を入れた。
テトラデカン二酸 315.0質量部
1,4-ブタンジオール 252.0質量部
前記反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイド0.1質量部を添加し、窒素ガス気流下において180℃で撹拌しながら8時間重合反応を行った。さらに、チタンテトラブトキサイド0.2質量部を添加し、温度を220℃に上げて撹拌しながら6時間重合反応を行った。その後、反応容器内を13.3hPaまで減圧し、減圧下で1.5時間反応させ、結晶性樹脂2(CP2)を得た。得られた結晶性樹脂2は、重量平均分子量が22000であり、融点が75℃であった。
〈結晶性樹脂分散液の製造〉
(結晶性樹脂1分散液の調製)
結晶性樹脂1(CP1)100.0質量部を、400.0質量部の酢酸エチルに溶解し、あらかじめ調製しておいた0.26質量%濃度のドデシル硫酸ナトリウム溶液638.0質量部と混合した。得られた混合液を撹拌しながら、超音波ホモジナイザー(US-150T、株式会社日本精機製作所製)によりV-LEVEL 300μAで30分間の超音波処理を行った。その後、40℃に加温した状態で、ダイヤフラム真空ポンプ(V-700、BUCHI社製)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら、酢酸エチルを完全に除去して、結晶性樹脂粒子分散液1(D-CP1)を調製した。分散液中の結晶性樹脂粒子は、体積基準のメジアン径が160nmであった。
なお、本実施例における各粒子の体積基準のメジアン径および数平均一次粒径は、「MICROTRAC UPA-150」(HONEYWELL社製)を用いて測定した値である。
(結晶性樹脂2分散液の調製)
上記(結晶性樹脂1分散液)結晶性樹脂1(CP1)を、結晶性樹脂2(CP2)に変更した以外は、上記の方法と同様にして、結晶性樹脂粒子分散液2(D-CP2)を調製した。
《非晶性樹脂粒子分散液の調製》
〈非晶性樹脂1粒子分散液(D-AP1)の製造〉
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサーを取り付けた反応容器内に、下記混合液を滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、粒子分散液(1-a)を調製した。
スチレン 570.0質量部
n-ブチルアクリレート 165.0質量部
メタクリル酸 680.0質量部
(第2段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3質量部をイオン交換水1210質量部に溶解させた溶液を仕込み80℃に加熱した。加熱後上記第1段重合により調製した粒子分散液(1-a)を固形分換算で60.0質量部と、下記単量体、連鎖移動剤および離型剤を80℃にて溶解させた混合液と、を添加した。
スチレン 245.0質量部
2-エチルヘキシルアクリレート 97.0質量部
メタク 30.0質量部
n-オクチル-3-メルカプトプロピオネート 4.0質量部
ベヘン酸ベヘネート 170.0質量部
循環経路を有する機械式分散機(CLEARMIX(登録商標)、エム・テック株式会社製)により、1時間の混合分散処理を行い、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。この分散液に、過硫酸カリウム5.2質量部をイオン交換水200.0質量部に溶解させた重合開始剤の溶液、およびイオン交換水1000質量部を添加し、この系を84℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行って、粒子分散液(1-b)を調製した。
(第3段重合)
上記第2段重合により得られた、粒子分散液(1-b)に、過硫酸カリウム7.0質量部をイオン交換水130.0質量部に溶解させた溶液を添加した。さらに、82℃の温度条件下で、下記単量体および連鎖移動剤の混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 350.0質量部
メタクリル酸メチル 50.0質量部
アクリル酸n-ブチル 170.0質量部
メタクリル酸 35.0質量部
n-オクチル-3メルカプトプロピオネート 8.0質量部
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し、非晶性樹脂1粒子分散液(D-AP1)を調製した。前記分散液中の非晶性樹脂粒子は体積基準のメジアン径が145nmであった。また、得られた非晶性樹脂1の重量平均分子量は35000であり、ガラス転移温度(Tg)は37℃であった。
なお、本実施例における各樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて、温度の昇降速度を10℃/min、昇温範囲を0℃から150℃までとする昇温・冷却条件によって測定された値である。
〈非晶性樹脂2粒子分散液(D-AP2)の製造〉
上記(第3段重合)において、滴下する単量体の量を以下のように変更した以外は、非晶性樹脂1粒子分散液(D-AP1)の製造方法と同様にして、非晶性樹脂2分散液(D-AP2)を得た。また、得られた非晶性樹脂2の重量平均分子量は35000であり、ガラス転移温度(Tg)は32℃であった。
スチレン 330.0質量部
メタクリル酸メチル 50.0質量部
アクリル酸n-ブチル 190.0質量部
メタクリル酸 35.0質量部
n-オクチル-3メルカプトプロピオネート 8.0質量部
〈非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の製造〉
(非晶性ポリエステル樹脂1(AP3)の合成)
下記スチレンアクリル樹脂の単量体、非晶性ポリエステル樹脂およびスチレンアクリル樹脂のいずれとも反応する置換基を有する単量体および重合開始剤の混合液をロートに入れた。
スチレン 80.0質量部
n-ブチルアクリレート 20.0質量部
アクリル酸 10.0質量部
ジ-t-ブチルパーオキサイド(重合開始剤) 16.0質量部
また、下記非晶性ポリエステル樹脂の単量体を、窒素導入管、脱水管、撹拌器および、熱電対を備えた四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 285.7質量部
テレフタル酸 66.9質量部
フマル酸 47.4質量部
撹拌下で、滴下ロートに入れた上記混合液を四つ口フラスコへ90分かけて滴下し、60分間熟成を行った後、減圧下(8.0kPa)にて未反応の単量体を除去した。その後、エステル化触媒として、チタンテトラブトキサイドを0.4質量部投入し、235℃まで昇温し、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8.0kPa)にて1時間、反応を行った。次いで200℃まで冷却し、減圧下(20.0kPa)にて反応を行った後、脱溶剤を添加し、非晶性ポリエステル樹脂を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は25000であり、ガラス転移温度は60℃であった。
(非晶性ポリエステル2樹脂(AP4)の合成)
窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した四つ口フラスコに、下記の非晶性ポリエステル樹脂の単量体を入れ、230℃で8時間縮重合反応させ、更に、減圧下(8kPa)で1時間反応させ、非晶性ポリエステル樹脂(AP4)を得た。上記で得られた非晶性ポリエステル樹脂(AP4)の重量平均分子量は15700であり、ガラス転移温度は60℃であった。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 50.0質量部
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 249.0質量部
テレフタル酸 91.0質量部
フマル酸 46.0質量部
エステル化触媒(オクチル酸スズ) 2.0質量部
(非晶性ポリエステル樹脂1粒子分散液(D-AP3)の調製)
上記(非晶性ポリエステル樹脂(AP3)の合成)において、得られた非晶性ポリエステル樹脂(AP3)100.0質量部を、酢酸エチル400.0質量部に溶解させ、あらかじめ調製しておいた0.26質量%濃度のドデシル硫酸ナトリウム溶液638.0質量部と混合した。得られた混合液を撹拌しながら、超音波ホモジナイザー(US-150T、株式会社日本精機製作所製)によりV-LEVEL 300μAで30分間の超音波分散処理を行った。その後、40℃に加温した状態で、ダイヤフラム真空ポンプ(V-700、BUCHI社製)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去して、固形分量が13.5質量%の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(AP3)を調製した。分散液中の非晶性ポリエステル樹脂粒子は、体積基準のメジアン径が160nmであった。
(非晶性ポリエステル樹脂2粒子分散液(D-AP4)の調製)
上記(非晶性樹脂粒子分散液2(D-AP3)の調製)において、非晶性ポリエステル樹脂(AP3)を、非晶性ポリエステル樹脂(AP4)に変更した以外は、上記の方法と同様にして、非晶性樹脂2粒子分散液(D-AP4)を得た。
《シアントナー(Cy)の製造》
〈着色剤分散液の調製〉
ドデシル硫酸ナトリウム90.0質量部をイオン交換水1600質量部に添加した溶液を撹拌しながら、着色剤として「C.I.ピグメントブルー15:3」420.0質量部を徐々に添加した。次いで、撹拌装置(CLEARMIX(登録商標)エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、シアン着色剤粒子分散液を調製した。上記分散液中の着色剤粒子は、体積基準のメジアン径が110nmであった。
〈シアントナー(Cy)1の製造〉
撹拌装置、温度センサーおよび冷却管を取り付けた反応容器に、上記で調製した非晶性樹脂1粒子分散液(D-AP1)601.5質量部(固形分換算)、シアン着色剤粒子分散液30.0質量部(固形分換算)、イオン交換水を500.0質量部、それぞれ投入し、5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。さらに塩化マグネシウム・六水和物60.8質量部をイオン交換水により2倍に希釈した溶液を、撹拌しながら、30℃の条件下で10分間かけて添加し、5分間放置した。その後、結晶性樹脂1粒子分散液(D-CP1)68.5質量部(固形分換算)に、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩を10.0質量部(固形分換算)混合した溶液を30分間かけて添加し、反応液の上澄みが透明になった時点で、粒径の成長速度が0.02μm/分となるように撹拌速度を調整した。次いで、コールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)により測定した体積基準のメジアン径が5.8μmになった時点で、撹拌速度を調整し、粒子成長を停止させ、塩化ナトリウム80.0質量部をイオン交換水320.0質量部に溶解させた水溶液を添加し、温度を保持したまま撹拌し、フロー式粒子像測定装置(FPIA-3000、シメックス社製)を用い、平均円形度が0.970になった時点で反応液を10℃/分の冷却速度で25℃まで冷却し、シアントナー(Cy)1の分散液を得た。
得られたトナー母体粒子100.0質量部に、疎水性シリカ粒子(数平均一次粒径:12nm、疎水化度:68)0.6質量部、疎水性酸化チタン粒子(数平均一次粒径:20nm、疎水化度:63)1.0質量部およびゾルゲルシリカ(数平均一次粒径:110nm、疎水化度:63)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)により回転翼周速40m/秒、32℃で20分間混合させた。混合後、45μmの目開きのふるいを用いて粗大粒子を除去し、シアントナー1を得た。
〈シアントナー(Cy)2の製造〉
撹拌装置、温度センサーおよび冷却管を取り付けた反応容器に、上記で調製した非晶性樹脂1粒子分散液(D-AP1)533.0質量部(固形分換算)、シアン着色剤粒子分散液30.0質量部(固形分換算)、イオン交換水を500.0質量部、それぞれ投入し、5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。さらに塩化マグネシウム・六水和物60.8質量部をイオン交換水により2倍に希釈した溶液を、撹拌しながら、30℃の条件下で10分間かけて添加し、5分間放置した。その後、結晶性樹脂1粒子分散液(D-CP1)68.5質量部(固形分換算)に、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩を10.0質量部(固形分換算)混合した溶液を30分間かけて添加し、反応液の上澄みが透明になった時点で、粒径の成長速度が0.02μm/分となるように撹拌速度を調整した。次いで、コールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)により測定した体積基準のメジアン径が5.8μmになった時点で、撹拌速度を調整し、粒子成長を停止させた。
次いで、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(D-AP3)68.5質量部(固形分換算)を30分間かけて投入し、反応液の上澄みが透明になった時点で、塩化ナトリウム80.0質量部をイオン交換水320.0質量部に溶解させた水溶液を添加し、粒径成長を停止させた。次いで、昇温して80℃の状態で撹拌し、フロー式粒子像測定装置(FPIA-3000、シメックス社製)を用い、平均円形度が0.970になった時点で反応液を10℃/分の冷却速度で25℃まで冷却し、シアントナー2の分散液を得た。
得られたトナー母体粒子100.0質量部に、疎水性シリカ粒子(数平均一次粒径:12nm、疎水化度:68)0.6質量部、疎水性酸化チタン粒子(数平均一次粒径:20nm、疎水化度:63)1.0質量部およびゾルゲルシリカ(数平均一次粒径:110nm、疎水化度:63)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)により回転翼周速40m/秒、32℃で20分間混合させた。混合後、45μmの目開きのふるいを用いて粗大粒子を除去し、シアントナー(Cy)2を得た。
〈シアントナー(Cy)3の製造〉
上記〈シアントナー1の製造〉において、使用する結晶性樹脂1粒子分散液(D-CP1)を、結晶性樹脂粒子2分散液(D-CP2)に変更した以外は、上記の方法と同様にして、シアントナー(Cy)3を得た。
製造したシアントナー(Cy)1~3の組成を表1に示した。
《ブラックトナー(Bk)の製造》
〈ブラック着色剤分散液の調製〉
ドデシル硫酸ナトリウム90.0質量部をイオン交換水1600.0質量部に添加した溶液を撹拌しながら、着色剤としてカーボンブラック(リーガル(登録商標)330R、キャボット社製)200.0質量部を混合した溶液をウルトラタラックスT50(IKA社製)にて十分に分散した後、超音波分散機で20分間処理することによりブラック着色剤粒子分散液を調製した。得られた着色剤粒子の体積基準のメジアン径は110nmであった。
〈ブラックトナー(Bk)1~5,11~13の製造〉
上記〈シアントナー1の製造〉において、表1に示した組成に変更した以外は、上記の方法と同様にして、ブラックトナー(Bk)1~5、11~13を得た。
〈ブラックトナー(Bk)6~10の製造〉
上記〈シアントナー2の製造〉において、表1に示した組成に変更した以外は、上記の方法と同様にしてブラックトナー(Bk)6~10を得た。
なお、本実施例におけるブラックトナー(Bk)、シアントナー(Cy)は、それぞれ本発明における第1のトナー、第2のトナーである。
[実験1~13]
表2に実験1~13に用いた、シアントナー(Cy)、ブラックトナー(Bk)の組成を示した。表2におけるブラックトナー中の結晶性樹脂および非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、それぞれ、シアントナー中の結晶性樹脂および非晶性樹脂の含有量を10としたときの値を示している。
〈複素粘度の測定方法〉
上記の方法で製造した、シアンおよびブラックのトナー粒子0.2gを計量し、油圧プレス(SSP-10A、島津製作所社製)で25MPaの圧力を印加して加圧成型を行い、直径10mmの円柱状ペレットを作製した。レオメーター(ARES G2、TA instrument製)を使用し、直径8mmのパラレルプレートを上下セットで用いて、測定を行った。サンプルセットを100℃にて行い、上記プレート間の隙間を一度1.4mmにセットした後、にプレート間から、はみ出したサンプルを掻き取り、1.1mmに上記隙間をセットし、上記ペレットに軸力をかけつつ50℃まで冷却し、10分間静置した。その後、軸力を止め、50℃から10℃毎に130℃まで、粘弾性の周波数分散測定(0.628rad/s~628rad/s)を行った。得られた粘弾性データより、基準温度を70℃としたマスターカーブを作製し、角周波数ω=0.01rad/sの時の複素粘度ηを測定した。なお、ブラックトナー、すなわち第1のトナーの複素粘度をη 、シアントナー、すなわち第2のトナーの複素粘度をη とした。以下に詳細な測定条件を示す。
軸力:0g
感度:10g
初期歪み:0.05%
歪み調製:30.0%
最小歪み:0.01%
最大歪み:10.0%
最小トルク:1g・cm
最大トルク:80g・cm
測定間隔:1.0℃/pt
〈画像ムラの評価〉
市販の複合機(bizhub PRESS(登録商標) C1070、コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)を使用し、常温常湿(温度20℃、相対湿度50%RH)の環境下において、A4サイズのラフ紙(Hammermill tidal、Hammermill社製)の上で、シアンおよびブラックトナーの付着量を各色4.0g/mに設定した後、最初にブラックトナーによる、100mm×100mmサイズのベタ画像を形成し、次にシアントナーによる同サイズの画像を、ブラックトナーで形成した画像の上に重ねて合わせて形成した。形成された画像を観察し、画像ムラの発生程度を下記評価基準により評価した。
(評価基準)
A:ベタ画像に画像ムラの発生なし
B:ベタ画像に僅かに画像ムラが発生しているが実用上問題ないレベル
C:Aより劣りムラが発生しているが実用上問題ないレベル
D:Bより劣るが実用上問題ないレベル
E:ベタ画像に画像ムラが発生しており、実用上問題となるレベル
<低温定着性の評価>
市販の複合機(bizhub PRESS(登録商標) C1070、コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)において、定着装置を、定着用ヒートローラの表面温度を120~170℃の範囲で変更することができるように改造したものに現像剤を順次装填して評価を行った。
常温常湿(温度20℃、相対湿度50%RH)の環境下において、A4サイズの上質紙(NPI 128g/m、日本製紙株式会社製)上で、シアンおよびブラックトナーの付着量を各色4.0g/mに設定した後、2色を重ね合わせた100mm×100mmサイズのベタ画像を定着させる定着実験を、設定される定着温度を120℃から2℃刻みで増加させるように変更しながら170℃まで繰り返し行い、アンダーオフセットが発生しない定着温度を定着下限温度とし、低温定着性の指標とした。アンダーオフセットとは、定着装置を通過する際に与えられた熱によるトナー層の溶融が不十分であるために記録紙等の転写材から、トナー層が剥離してしまう画像欠陥をいう。この定着下限温度が低ければ低い程、定着性が優れている。
(評価基準)
◎:136℃以下
○:136℃を超え142℃以下
△:142℃を超え146℃以下
×:146℃を超える
〈結果および考察〉
実験1~3では、ブラックトナーおよびシアントナー、すなわち第1のトナーおよび第2のトナーが、式(1)を満たし、ブラックトナー中の結晶性樹脂の含有量が少ないほど、濃度ムラは改善された。また、実験4では、シアントナーは結晶性樹脂を含み、ブラックトナーは結晶性樹脂を含まないため、濃度ムラはさらに改善された。これは、ブラットナーの結晶性樹脂の含有量を、シアントナーの結晶性樹脂の含有量よりも少なくすることで、トナーの溶融粘度が過剰に低下することが抑制され、下層にあるブラック画像のしみ込みが抑制された結果、濃度ムラが改善されたと考えられる。
実験5では、ブラックトナー中の非晶性樹脂が、AP2に変更されることで、低温定着性が実験4より改善された。また、実験6と実験7では、ブラックトナーおよびシアントナーに含まれるハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂の量が同量であるが、実験7では、ブラックトナーにAP2を用いたことで、低温定着性が実験6よりも改善された。これは、ブラックトナー、すなわち第1のトナーの複素粘度が、シアントナー、すなわち第2のトナーの複素粘度よりも低くなることで、定着時に、紙と接着する下層のブラックトナーに効率よく熱が伝わるためであると考えられる。
さらに、実験8~9では、ブラックトナーおよびシアントナー、すなわち第1のトナーおよび第2のトナーが、式(2)を満たし、非晶性ポリエステル樹脂がハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂を含有しており、濃度ムラが、非晶性ポリエステル樹脂の含有量がシアントナーとブラックトナーとで同量である実験6~7よりも改善された。これは、非晶性ポリエステル樹脂は、ガラス転移点以上で素早く溶融するが、ガラス転移点以上でも、結晶性樹脂と異なり、トナーの粘度を大きく低下させない性質を持つためであると考えられる。さらに、実験8~9は、含有する非晶性ポリエステル樹脂が、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂でない実験10よりも濃度ムラが改善された。これは、ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂は異種の樹脂セグメントを同一分子内に含むため、溶融時の拡散が抑制され、過剰な熱を受けた際の溶融粘度の低下を抑制する効果があるため、濃度ムラが改善されたと考えられる。
一方で、実験10~13では、実験1よりも低温定着性は改善されたが、濃度ムラは悪化した。これは、トナー全体の結晶性樹脂の量が増えたことで、低温定着性が向上したが、シアントナーとブラックトナーとで、すなわち第1のトナーと第2のトナーとで、式(1)を満たしていないため、ブラックトナーの紙へのしみ込みによる濃度ムラが生じやすくなったと考えられる。
1 感光体
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 一次転写ローラ
6、10 クリーニング装置
7 中間転写ベルト
8 ローラ
9 二次転写ローラ
11 給紙カセット
12 給紙ローラ
13 搬送ローラ
14 レジストローラ
15 排出ローラ
16 排紙トレイ
50 定着装置
100 画像形成装置
P 記録媒体
SC 原稿画像読取装置

Claims (6)

  1. 黒色着色剤を含有する第1のトナーと、
    結晶性樹脂を含有し、かつ前記第1のトナーよりも黒色着色剤の含有量が少ないか、または黒色着色剤を含有しない第2のトナーと、
    を含むトナーセット(着色剤を含まない透明トナーを含むものを除く)であって、
    前記第1のトナーが結晶性樹脂を含まないか、または、
    前記第1のトナーの全質量に対する、前記第1のトナーに含まれる結晶性樹脂の質量の割合(rC1)と、前記第2のトナーの全質量に対する、前記第2のトナーに含まれる前記結晶性樹脂の質量の割合(rC2)とは、式(1)の関係を満た
    前記第1のトナーの全質量に対する、前記第1のトナーに含まれる非晶性ポリエステル樹脂の質量の割合(rAP1)と、前記第2のトナーの全質量に対する、前記第2のトナーに含まれる非晶性ポリエステル樹脂の質量の割合(rAP2)とは、式(2)の関係を満たす、
    トナーセット。
    rC1 < 0.75 × rC2 ・・・式(1)
    rAP1 > rAP2 ・・・式(2)
  2. 前記第1のトナーは、前記結晶性樹脂を含有しない、請求項1に記載のトナーセット。
  3. 動的粘弾性測定において、50℃から130℃まで10℃毎に周波数分散測定を行い、
    基準温度を70℃で作製したマスターカーブより求めた、
    各周波数ω=0.01rad/sにおける複素粘度η(Pa・s)について、
    前記第1のトナーの複素粘度ηは、前記第2のトナーの複素粘度ηよりも小さい、請求項1または2に記載のトナーセット。
  4. 前記第1のトナーは、非晶性ポリエステル重合セグメントと、スチレン由来の構成単位を有するビニル重合セグメントとが、化学的に結合したハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂を含有する、
    請求項1~3のいずれかに記載のトナーセット。
  5. 前記第2のトナーは、結晶性ポリエステル樹脂を含む、請求項1~のいずれかに記載のトナーセット。
  6. 黒色着色剤を含有する第1のトナーを記録媒体に付着させ、定着させる工程と、
    結晶性樹脂を含有し、かつ前記第1のトナーよりも黒色着色剤の含有量が少ないか、または黒色着色剤を含有しない第2のトナーを記録媒体に付着させ、定着させる工程と、を有し、
    前記第1のトナーが結晶性樹脂を含まないか、または、
    前記第1のトナーの全質量に対する、前記第1のトナーに含まれる結晶性樹脂の質量の割合(rC1)と、前記第2のトナーの全質量に対する、前記第2のトナーに含まれる前記結晶性樹脂の質量の割合(rC2)とは、式(1)の関係を満たし、
    前記第1のトナーの全質量に対する、前記第1のトナーに含まれる非晶性ポリエステル樹脂の質量の割合(rAP1)と、前記第2のトナーの全質量に対する、前記第2のトナーに含まれる非晶性ポリエステル樹脂の質量の割合(rAP2)とは、式(2)の関係を満たす、
    前記第1のトナーは、前記第2のトナーよりも先に前記記録媒体に付着する、
    画像形成方法(着色剤を含まない透明トナーを用いるものを除く)
    rC1 < 0.75 × rC2 ・・・式(1)
    rAP1 > rAP2 ・・・式(2)
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