JP2003262978A - 電子写真用トナーおよび現像剤 - Google Patents

電子写真用トナーおよび現像剤

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JP2003262978A JP2002064467A JP2002064467A JP2003262978A JP 2003262978 A JP2003262978 A JP 2003262978A JP 2002064467 A JP2002064467 A JP 2002064467A JP 2002064467 A JP2002064467 A JP 2002064467A JP 2003262978 A JP2003262978 A JP 2003262978A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温定着性および耐オフセット性に優れる電
子写真用トナーおよび現像剤を提供する。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂を含有するトナー粒
子を含む電子写真用トナーにおいて、結着樹脂に、少な
くとも、軟化点が120〜170℃であり、かつガラス
転移温度が55〜75℃である樹脂A、軟化点が90〜
120℃であり、かつガラス転移温度が58〜75℃で
あり、かつクロロホルム不溶分率が5質量%未満である
樹脂B、および融点が80〜140℃の結晶性樹脂Cを
含ませる。またトナー粒子に微粒子を含有させ、該微粒
子として粒子径が1.0μm以上2.0μm以下の粒子
を含有するトナー粒子の数を前記電子写真用トナーに含
まれる単位個数のトナー粒子のうちの半数以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
およびファクシミリなどの電子写真プロセスを利用する
電子写真装置、特にカラー電子写真装置に使用される電
子写真用トナーおよび現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子写真プロセスとしては多
数のプロセスが知られている。電子写真プロセスでは、
まず、光導電性物質を利用した電子写真感光体(以下、
単に「感光体」とも称す)表面上に種々の手段によって
電気的に潜像を形成し、この潜像を電子写真用トナー
(以下、単に「トナー」とも称す)を用いて現像する。
現像によって感光体表面上に形成されたトナー画像を中
間転写体を介してまたは介さずに紙などの被転写体に転
写した後、この転写画像を加熱、加圧、加熱加圧または
溶剤の蒸気などによって定着する。以上のような複数の
工程を経て定着画像が形成される。感光体表面上に残っ
たトナーは必要により種々のクリーニング方法で除去さ
れ、前述の複数の工程が繰り返されて連続的に画像が形
成される。
【0003】近年、情報化社会における機器の発達や通
信網の充実によって、このような電子写真プロセスが複
写機のみならずプリンタにも広く利用されるようになっ
ている。また電子写真プロセスのカラー化が急速に進展
している。カラー複写機やカラープリンタなどの電子写
真装置が普及するにつれて、白黒電子写真装置とカラー
電子写真装置との区別がなくなりつつあり、カラー電子
写真装置1台で白黒画像およびカラー画像の両方の複写
やプリントを行うという使われ方が増えている。
【0004】白黒画像の場合ももちろんであるが、特に
カラー画像の場合は、形成される画像が高画質かつ高発
色であることが強く要求される。高画質で高発色の画像
を得るためには、透光性および光沢性などの観点から、
トナーが定着工程で十分に融解し、定着後の画像の表面
が平滑にならなくてはならない。このため、カラー電子
写真装置では、トナーに分子量が低く、ガラス状態から
比較的シャープに溶けて溶融粘度が低下する樹脂を用
い、定着工程として熱効率、信頼性および安全性に優れ
る接触型の加熱加圧定着方式を用いている。
【0005】このような樹脂を用いたトナーは、ガラス
状態から溶融状態への変化が急激であることから、定着
工程の温度変化に対して敏感に溶融粘度が変化するとい
う欠点を有している。また、定着時の溶融粘度を低くし
なくてはならないので、被転写体として画像記録に主に
用いられている紙の繊維間にトナーが浸透する浸透現象
が発生し、画像が劣化するという欠点も有している。こ
のため、カラー電子写真装置において高画質の画像を得
るためには、紙の中でも、表面にコート層を有したり、
繊維間隔が比較的密で、トナーの浸透現象を低減するこ
とができる特定のカラー用紙を用いる必要がある。
【0006】ところが、前述のように近年のカラー電子
写真装置は、1台で白黒画像およびカラー画像の両方の
画像形成を行うようになっており、従来から白黒電子写
真装置に用いられてきた紙(以下、「普通紙」と称す)
をカラー用途にも使用できることが所望されている。普
通紙をカラー電子写真装置に用いた場合、普通紙はカラ
ー用紙に比べて紙自体の熱容量が小さいので定着時にト
ナーに加わる熱量が多くなり、カラー用紙に定着させる
場合に比べてトナーの溶融粘度が低下する傾向があり、
また繊維間隔が疎であるすなわち密でないので、トナー
の浸透現象が顕著に現れ、画像の劣化が発生しやすい。
トナーの浸透現象が生じると、普通紙の繊維の太さは数
10μmで繊維間の空隙程度の大きさがあることから、
目視で画像のむらとして十分認識され、画像の劣化とな
る。このような浸透現象による画像の劣化は、たとえば
印刷やインクジェット技術においてもコート紙やシリカ
コート紙などの受像層を設けた専用紙を用いて印刷用イ
ンクやインクジェット用インクのにじみを防止している
ことから考えて解決が困難であることは間違いないが、
トナーの浸透現象を防いで白黒電子写真装置の普通紙適
性という優れた利便性を引継ぎ、カラー電子写真装置に
おいても特別な用紙を選択することなく高画質の画像を
得ることができる技術を提供することは重要なことであ
る。
【0007】また、近年の更なる高画質化の要請に対し
て、定着画像の画像厚みを薄くする動きがある。従来の
電子写真画像の画像厚みは、1色につき5〜7μmもあ
り、フルカラーでは20μmにも達することから、画像
濃度の濃い部分と薄い部分との画像厚みの違いが見る人
に違和感を与える。一方、高画質画像の代表である印刷
画像の画像厚みはフルカラーでも数μmであり、前述の
ような違和感を感じさせない。このことから、電子写真
画像においても、トナーの粒子径を小さくして高解像度
を得て画像厚みを薄くし、印刷画像と同等の高画質を得
ようとしている。しかしながら、印刷画像ではコート紙
を用いることが前提であるのに対して、電子写真画像の
場合にはコート紙よりも著しく表面平滑度の低い紙を用
いるので、画像厚みが薄くなると前述のトナーの浸透現
象による画像劣化がより発生しやすくなる。この画像劣
化は画像中で白い斑点のように見え、特に同じ濃度で広
い面積を占めるような場合には非常に不快感を感じさせ
ることから、改善が強く望まれている。
【0008】このようにトナー特性としては浸透現象を
起こさないことが求められる。また、定着工程として接
触型の加熱加圧定着方式を用いた場合には、トナー画像
の一部が定着部表面に付着し、次に定着される被転写体
に転写されるオフセット現象が発生することがあり、耐
オフセット性も求められる。また、トナーの定着には大
きなエネルギが必要であるので、電子写真装置の省エネ
ルギ化の観点から、定着可能温度を低くして必要なエネ
ルギを小さくするために、低温定着性も求められる。
【0009】このような特性を満たすトナーとしていく
つかのトナーが提案されているが、要求されるすべての
特性を満たすトナーは得られていない。トナーの浸透現
象に関しては、浸透現象を直接防止する技術は提案され
ておらず、類似の効果を持つ技術がいくつか提案されて
いる。
【0010】その一つとして、トナー中に微粒子を含有
させて、トナーの溶融粘度の温度に対する変化割合を小
さくすることによって、低温定着性と耐オフセット性と
を両立させることを目的として、数平均分子量が1,0
00〜5,000、酸価が10〜50mgKOH/gの
ポリエステル樹脂をマトリックスとし、平均粒子径が
0.05〜2.0μmの架橋樹脂粒子をドメインとした
トナー用樹脂が提案されている。この技術では確かに溶
融粘度曲線は改善されるが、平均粒子径の大きな粒子を
含有させた場合には、トナーの浸透現象を防止できない
だけでなく、画像の光沢性が得られず発色性が低下す
る。また、粒子の分散性については考慮されておらず、
分散性が悪い場合には溶融特性が改善された部分と改善
されていない部分とが混在し、全体として良好な溶融特
性を得ることができず、トナーの浸透現象を防止するこ
とができない。さらに、ドメイン粒子とマトリックス樹
脂との混合に溶剤を用いているので、樹脂であるドメイ
ン粒子が溶解または膨潤することが避けられず、それに
よって粒子の凝集が発生する場合がある。また粒子中の
溶剤を除去するために高温下で乾燥させる必要があるこ
とから、乾燥工程で粒子の凝集や温度による樹脂の熱劣
化が発生する場合がある。粒子が凝集すると分散性が悪
くなることから前述のように浸透現象の防止が難しくな
り、また熱劣化が発生すると帯電性などのトナーの特性
が悪化するという問題が生じる。
【0011】また別の技術として、トナーの結着樹脂中
に無機粒子を含有させ、各色の粘弾性特性を黒色トナー
と同様にして、耐オフセット性を向上させたトナーが提
案されている。この技術では確かに粘弾性データ測定の
上ではトナーの溶融粘弾性曲線を改善することができる
が、高速、高画質および高発色が要求される高速の電子
写真装置においては、耐オフセット性に対してほとんど
効果が得られない。これは、粘弾性データ測定中のトナ
ーの状態と定着時のトナーの状態とが全く異なっている
ためである。また、この技術においても粒子の分散性が
悪い場合にはトナーの浸透現象を防止することができな
い。さらに、無機粒子の添加量が1〜10重量%の場合
には、高温でのオフセット現象すなわちホットオフセッ
ト現象が起こる粘度よりも低い粘度から起こる浸透現象
を十分に防止することはできない。
【0012】以上のように、従来の技術ではトナーの普
通紙への浸透現象を防止することは困難であり、新たに
設計されたトナーが求められている。
【0013】また、近年の電子写真装置の高速化、小型
化および省エネルギ化に鑑みれば、低温定着性および耐
オフセット性の更なる改善が望まれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低温
定着性および耐オフセット性に優れる電子写真用トナー
および現像剤を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
着樹脂を含有するトナー粒子を含む電子写真用トナーで
あって、前記結着樹脂は、少なくとも、軟化点が120
〜170℃であり、かつガラス転移温度が55〜75℃
である樹脂A、軟化点が90〜120℃であり、かつガ
ラス転移温度が58〜75℃であり、かつクロロホルム
不溶分率が5質量%未満である樹脂B、および融点が8
0〜140℃である結晶性樹脂Cを含むことを特徴とす
る電子写真用トナーである。
【0016】本発明に従えば、前記樹脂A、樹脂Bおよ
び結晶性樹脂Cを用いることによって、低温定着性、耐
オフセット性、耐ブロッキング性、耐久性および保存安
定性のいずれにも優れた電子写真用トナーを得ることが
できる。
【0017】また本発明は、前記トナー粒子は、微粒子
を含有し、前記電子写真用トナーに含まれる単位個数の
トナー粒子のうち、該微粒子として粒子径が1.0μm
以上2.0μm以下の粒子を含有するトナー粒子の数が
半数以下であることを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、前記電子写真用トナーに
含まれる単位個数のトナー粒子のうち、微粒子として粒
子径が1.0μm以上2.0μm以下の粒子を含有する
トナー粒子の数を半数以下とし、前記微粒子が前記電子
写真用トナー中に均一に分散された状態とすることによ
って、トナーの粘弾性特性を良好にすることができるの
で、紙などへの浸透現象を起こすことがなく、カラー発
色および定着が容易で、カラー画像の形成に適し、耐ブ
ロッキング性が良好な電子写真用トナーを得ることがで
きる。
【0019】また本発明は、粘弾性測定において、損失
弾性率G″と貯蔵弾性率G′との比G″/G′である損
失正接(tanδ)の値が、150℃で0.05〜1.
5であり、かつこのときの損失弾性率G″の値が5.0
×102Pa以上5.0×104Pa以下であることを特
徴とする。
【0020】本発明に従えば、前記粘弾性特性を有する
ことによって、紙などへの浸透現象を起こすことがな
く、カラー発色および定着が容易で、カラー画像の形成
に適し、耐ブロッキング性が良好な電子写真用トナーを
得ることができる。
【0021】また本発明は、前記樹脂Aの含有量と前記
樹脂Bの含有量との比A/Bが、質量比で10/1〜1
0/8の範囲にあることを特徴とする。
【0022】本発明に従えば、前記比A/Bが質量比で
10/1〜10/8の範囲にあることによって、低温定
着性、耐ホットオフセット性および耐ブロッキング性の
バランスを良好にすることができる。
【0023】また本発明は、前記樹脂Aの含有量と、前
記樹脂Bおよび結晶性樹脂Cの合計含有量との比A/
(B+C)が、質量比で10/2〜10/14の範囲に
あり、かつ前記樹脂Bの含有量と前記結晶性樹脂Cの含
有量との比B/Cが、質量比で1/1〜4/1の範囲に
あることを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、前記比A/(B+C)が
質量比で10/2〜10/14の範囲にあり、かつ前記
比B/Cが質量比で1/1〜4/1の範囲にあることに
よって、低温定着性、耐ホットオフセット性および耐ブ
ロッキング性のバランスをさらに良好にすることができ
る。
【0025】また本発明は、前記樹脂Aは、多塩基酸成
分および多価アルコール成分を含むポリエステル樹脂で
あり、前記多塩基酸成分は、テレフタル酸を主成分と
し、前記多価アルコール成分は、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール(a)および下記一般式(1)で表され
るグリコール(b)を主成分とし、かつモル比(a):
(b)が35:65〜65:35の範囲にあることを特
徴とする。
【0026】
【化2】
【0027】(式中、Rは炭素数2または3のアルキレ
ン基を示し、mおよびnは各々整数を示し、2≦m+n
≦4である。)
【0028】本発明に従えば、前記樹脂Aがポリエステ
ル樹脂であることによって、定着性、耐久性および着色
剤の分散性を良好にすることができ、前記モル比
(a):(b)が35:65〜65:35の範囲にある
ことによって、1,4−シクロヘキサンジメタノール
(a)の使用比率が65モル%を越えるために結晶化傾
向が大きすぎて樹脂自体が完全に不透明となる現象を防
ぎ、また前記使用比率が35モル%未満であるために半
晶的な性状にならず、結着樹脂自体が着色してくる現象
を防ぐことができる。したがって、透明性および発色性
が良好で、細緻な色彩管理が要求されるデジタルカラー
複写機用のトナーとしても使用可能な電子写真用トナー
を提供することができる。
【0029】また本発明は、前記樹脂Aは、ガラス転移
温度が55〜75℃であり、かつ重量平均分子量が5,
000〜20,000であり、かつ100℃における溶
融粘度が103〜105Pa・sであり、かつ環球法軟化
点が90〜120℃であることを特徴とする。
【0030】本発明に従えば、前記樹脂Aであるポリエ
ステル樹脂のガラス転移温度が55〜75℃であること
によって耐熱凝集性および定着性を良好にでき、重量平
均分子量が5,000〜20,000であることによっ
てトナーの製造の際の生産性を高くでき、100℃にお
ける溶融粘度が103〜105Pa・sであり、環球法軟
化点が90〜120℃であることによって定着工程での
紙の巻き付きやオフセット現象を防いだり、溶融混合が
不完全となるために発色不良となることを防ぐことがで
きる。
【0031】また本発明は、前記多塩基酸成分の90モ
ル%以上が、テレフタル酸であることを特徴とする。
【0032】本発明に従えば、前記多塩基酸成分の90
モル%以上がテレフタル酸であることによって、耐熱凝
集性を特に良好にすることができる。
【0033】また本発明は、前記多価アルコール成分の
90モル%以上が、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルまたは前記グリコールであることを特徴とする。
【0034】本発明に従えば、前記多価アルコール成分
の90モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルまたは前記グリコールであることによって、他の多価
アルコール成分を10モル%以上含むために前述のトナ
ーの特性が損なわれることを防ぐことができる。
【0035】また本発明は、前記電子写真用トナーを含
むことを特徴とする現像剤である。本発明に従えば、前
述のような電子写真用トナーを用いることによって、低
温定着性、耐ホットオフセット性および保存安定性の均
衡がとれた現像剤を提供することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0037】本発明の実施の一形態による電子写真用ト
ナーは、結着樹脂、微粒子、ならびに着色剤、帯電制御
剤およびワックスなどの添加剤を含有し、無機微粉体な
どの表面処理剤が外添されたトナー粒子を含んで構成さ
れる。
【0038】前記結着樹脂は、軟化点などの異なる2種
以上の樹脂と、1種以上の結晶性樹脂とを含む。通常、
結晶性樹脂と、該結晶性樹脂の融点、たとえば後述の8
0〜140℃から大きく離れた高軟化点、たとえば後述
の120〜170℃の樹脂とを溶融混練させてトナーを
作製する際には、互いの溶融粘度が同じ温度において大
きく異なるため、トナー中に結晶性樹脂を均一に分散さ
せることは困難である。本発明による電子写真用トナー
では、軟化点などの異なる少なくとも2種類の樹脂、す
なわち結晶性樹脂の融点から大きく離れた軟化点を有す
る高軟化点の樹脂と、結晶性樹脂の融点に近い軟化点を
有する低軟化点の樹脂とを用いているので、溶融混練さ
せてトナーを作製する際に、低軟化点の樹脂が高軟化点
の樹脂と結晶性樹脂とのつなぎの役割を果たし、トナー
中に結晶性樹脂を均一に分散させることができる。これ
によって、定着性の向上された均一な性状のトナーを得
ることができる。
【0039】本実施形態において、融点とは、結晶性樹
脂が溶融し始める温度をいい、軟化点とは、融点を特定
できないような熱的性質を示す非晶性樹脂および半晶性
樹脂が溶融を起こして流動し始める温度をいう。(以
下、同様。)
【0040】具体的には、前記高軟化点の樹脂として、
軟化点が120〜170℃であり、かつガラス転移温度
(Tg)が55〜75℃である樹脂A、前記低軟化点の
樹脂として、軟化点が90〜120℃であり、かつガラ
ス転移温度(Tg)が58〜75℃であり、かつクロロ
ホルム不溶分率が5質量%未満である樹脂B、前記結晶
性樹脂として、融点が80〜140℃である結晶性樹脂
Cを用いる。
【0041】前記樹脂A、樹脂Bおよび結晶性樹脂Cの
物性および配合比率は、各樹脂が有する優れた特性を十
分に発現させて、低温定着性、耐オフセット性、耐ブロ
ッキング性、耐久性および保存安定性のいずれの特性に
も優れる電子写真用トナーを得るために以下のように選
ばれる。
【0042】前記樹脂Aの軟化点Tm(A)は、耐オフ
セット性および耐久性の観点から120℃以上であるこ
とが好ましく、低温定着性の観点から170℃以下であ
ることが好ましい。すなわち、120〜170℃である
ことが好ましく、より好ましくは130〜165℃であ
る。またガラス転移温度Tg(A)は、耐ブロッキング
性の観点から55℃以上であることが好ましく、低温定
着性の観点から75℃以下であることが好ましい。すな
わち、55〜75℃であることが好ましく、より好まし
くは55〜70℃である。
【0043】前記樹脂Bの物性は、特に、前記樹脂Aと
結晶性樹脂Cとの相溶性を高めるように選ばれる。前記
樹脂Bの軟化点Tm(B)は、90〜120℃であるこ
とが好ましく、より好ましくは90〜110℃であり、
さらに前記樹脂Aの軟化点Tm(A)との差が20℃以
上あることが好ましい。またガラス転移温度Tg(B)
は、58〜75℃であることが好ましく、より好ましく
は58〜70℃である。またクロロホルム不溶分率は、
5質量%未満であることが好ましく、より好ましくは0
〜3質量%であり、さらに好ましくは0質量%である。
【0044】前記結晶性樹脂Cの融点は、保存安定性お
よび低温定着性の観点から、示差走査熱量計(DSC:
Differential Scanning Calorimeter)を用いた測定に
おける融解ピーク温度で、80〜140℃であることが
好ましく、より好ましくは80〜120℃である。また
前記結晶性樹脂Cの融解は、保存安定性の観点から狭い
温度範囲で起こることが好ましく、融解ピークの半値幅
は20℃以下であることが好ましく、より好ましくは1
5℃以下である。
【0045】前記樹脂Aの含有量と前記樹脂Bの含有量
との比A/Bは、低温定着性、耐オフセット性および耐
ブロッキング性のバランスを良好にするという観点か
ら、質量比で10/1〜10/8であることが好まし
く、より好ましくは10/1〜10/5である。
【0046】また、低温定着性、耐オフセット性および
耐ブロッキング性のバランスをさらに良好にするという
観点から、前記樹脂Aの含有量と、前記樹脂Bおよび結
晶性樹脂Cの合計含有量との比A/(B+C)は、質量
比で10/2〜10/14であることが好ましく、より
好ましくは10/4〜10/10である。さらに前記樹
脂Bの含有量と結晶性樹脂Cの含有量との比B/Cは、
質量比で1/1〜4/1であることが好ましく、より好
ましくは1/1〜3/1である。
【0047】前記樹脂Aおよび樹脂Bとしては、ポリエ
ステル樹脂、ポリエステルポリアミド樹脂およびポリア
ミド樹脂などを挙げることができる。
【0048】前記ポリエステル樹脂は、2価以上のアル
コール成分すなわち多価アルコール成分と、2価以上の
カルボン酸成分すなわち多塩基酸成分とから構成され、
たとえば特開平7−175260号公報に開示の例示化
合物を用い、該公報に記載の方法を参考にして製造する
ことができる。
【0049】多価アルコール成分を形成するために用い
られる原料モノマーとしては以下のものが好ましい。2
価のアルコール成分では、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(慣用名:ビスフェノールA)の
炭素数2または3のアルキレンオキシド付加物で、平均
付加モル数1〜10のもの、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,6−へキサンジオール、ビスフ
ェノールAおよび水素添加ビスフェノールAなどが好ま
しい。3価以上のアルコール成分では、ソルビトール、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、グリセリ
ンおよびトリメチロールプロパンなどが好ましい。
【0050】多塩基酸成分を形成するために用いられる
原料モノマーとしては、2価以上のカルボン酸、カルボ
ン酸無水物およびカルボン酸エステルなどを挙げること
ができ、具体的には以下のものが好ましい。2価の多塩
基酸成分では、各種ジカルボン酸、炭素数1〜20のア
ルキル基またはアルケニル基で置換されたコハク酸、な
らびにこれらの酸の無水物および炭素数1〜12のアル
キルエステルなどを挙げることができ、特にマレイン
酸、フマル酸、テレフタル酸および炭素数2〜20のア
ルケニル基で置換されたコハク酸が好ましい。3価以上
の多塩基酸成分では、1,2,4−ベンゼントリカルボ
ン酸(慣用名:トリメリット酸)、ならびにその無水物
および炭素数1〜12のアルキルエステルなどが好まし
い。
【0051】これらの原料モノマーを重合させる際に
は、反応を促進させるために、酸化ジブチル錫などの一
般に使用されているエステル化触媒などを適宜使用して
もよい。
【0052】前記ポリエステルポリアミド樹脂およびア
ミド樹脂のアミド成分を形成するために用いられる原料
モノマーとしては、従来公知の各種ポリアミン、アミノ
カルボン酸類およびアミノアルコールなどを挙げること
ができ、特にヘキサメチレンジアミンおよびε−カプロ
ラクタムが好ましい。
【0053】前記樹脂Aおよび樹脂Bは、定着性、耐久
性および着色剤の分散性の観点から、いずれもポリエス
テル樹脂であることが好ましい。
【0054】特に前記樹脂Aは、多塩基酸成分が耐熱凝
集性の観点からテレフタル酸を主成分とし、多価アルコ
ール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール(a)
および下記一般式(1)で表されるグリコール(b)を
主成分とするポリエステル樹脂Aであることが好まし
い。
【0055】
【化3】
【0056】(式中、Rは炭素数2または3のアルキレ
ン基を示し、mおよびnは各々整数を示し、2≦m+n
≦4である。)
【0057】前記一般式(1)で表されるグリコールの
うち好ましいものとしては、ビスフェノールAの1モル
に対して、エチレンオキシドが2モル付加したものまた
はプロピレンオキシドが2モル付加したものを挙げるこ
とができ、特にエチレンオキシドが2モル付加したもの
が好ましい。
【0058】前記1,4−シクロヘキサンジメタノール
(a)と前記一般式(1)で表されるグリコール(b)
とのモル比a:bは、35:65〜65:35の範囲に
あることが好ましく、特に好ましくは40:60〜6
0:40の範囲である。1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール(a)の使用比率が65モル%を越えると、結晶
化傾向が大きすぎて樹脂自体が完全に不透明となり、透
明性がよく発色性の良好なトナーを得ることができな
い。逆に、1,4−シクロヘキサンジメタノール(a)
の使用比率が35モル%より低くなると、半結晶的な性
状を呈しなくなるだけでなく、樹脂自体が黄褐色に着色
してくる傾向が強まり、精緻な色彩管理が要求されるデ
ジタルカラー複写機用のトナーを提供することができな
くなる。
【0059】前記多価アルコール成分を形成する原料モ
ノマーとして、前述の1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールおよび前記一般式(1)で表されるグリコールと併
用できるものとしては、エチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,
3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール
および水素添加ビスフェノールAなどの2価アルコール
類、ならびに、グリセリン、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、トリス(ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレートおよびペンタエリスリトールなどの3価
以上のアルコール類を挙げることができる。これらの多
価アルコールは、本発明の効果を損なわない範囲で用い
ることができ、多価アルコール成分の10モル%未満の
少量を併用することが好ましい。
【0060】また前記多塩基酸成分を形成する原料モノ
マーとしては、テレフタル酸およびその低級アルキルエ
ステルを挙げることができる。前記テレフタル酸および
その低級アルキルエステルと併用できる原料モノマーと
しては、たとえばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
アゼライン酸、ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハ
ク酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン
酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸、フタル酸およびイソフタル酸などの二塩基酸
類、トリメリット酸、トリメシン酸およびピロメリット
酸などの塩基度3以上の酸類、ならびにこれらの無水物
および低級アルキルエステル類を挙げることができる。
これらの多塩基酸は、耐熱凝集性の観点から、多塩基酸
成分の10モル%未満の範囲で少量併用することが好ま
しい。
【0061】前記ポリエステル樹脂Aは、これらの原料
モノマーを重縮合させることによって製造することがで
きる。重縮合に際しては、従来公知の重合触媒、たとえ
ばチタンテトラブトキシド、酸化ジブチル錫、酢酸錫、
酢酸亜鉛、二硫化錫、三酸化アンチモンおよび二酸化ゲ
ルマニウムなどを用いることができる。
【0062】このようにして得られるポリエステル樹脂
Aのガラス転移温度(Tg)は、55〜75℃であるこ
とが好ましく、より好ましくは60〜70℃である。ガ
ラス転移温度(Tg)が55℃未満であるとトナーとし
ての耐熱凝集性が不良となり、75℃を越えると定着性
が不良となる。
【0063】また前記ポリエステル樹脂Aの100℃に
おける溶融粘度は、103〜105Pa・sであることが
好ましく、より好ましくは5×103〜5×104Pa・
sである。100℃における溶融粘度が103Pa・s
未満であると、定着にヒートロールを用いた場合に、定
着ヒートロールへのシリコーンオイルの供給量にもよる
が、紙の巻き付きやオフセット現象が起こりやすくな
る。逆に105Pa・sを越えると、紙上に転写するカ
ラートナーとして使用した場合に、各色のトナーの定着
時における溶融混合が不完全となり、発色不良となる。
【0064】また前記ポリエステル樹脂Aの環球法軟化
点(SP:Softening Point)は、90〜120℃であ
ることが好ましく、より好ましくは95〜115℃であ
る。環球法軟化点が90℃未満であると、前述の100
℃における溶融粘度が103Pa・s未満である場合と
同様に紙の巻き付きやオフセット現象が起こりやすくな
る。逆に120℃を越えると、前述の100℃における
溶融粘度が105Pa・sを越える場合と同様に発色不
良となる。
【0065】また前記ポリエステル樹脂Aの重量平均分
子量(Mw)は、5,000〜20,000であること
が好ましく、より好ましくは7,000〜12,000
である。重量平均分子量が5,000未満であると、樹
脂が脆くなり過ぎて、粉砕してトナー粒子とする際に粒
子径2μm以下の微粉が大量に生成し、分級収率が低下
する。逆に重量平均分子量が20,000を越えると、
樹脂が強靭になり過ぎ、トナーの粉砕性が低下し、生産
性が低下する。
【0066】前述のように、前記樹脂Aにおいて、多塩
基酸成分としてテレフタル酸を主成分とし、多価アルコ
ール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール
(a)および前記一般式(1)で表されるグリコール
(b)を主成分とし、かつモル比a:bを35:65〜
65:35の範囲とし、ガラス転移温度(Tg)を55
〜75℃、重量平均分子量(Mw)を5,000〜2
0,000、100℃における溶融粘度を103〜105
Pa・s、環球法軟化点(SP)を90〜120℃とす
ることによって、半晶性とも言うべき状態を呈するポリ
エステル樹脂を得ることができる。
【0067】前記結晶性樹脂Cは、結晶性ポリエステル
樹脂Cであることが好ましい。トナー中に結晶性ポリエ
ステル樹脂Cを均一に分散させることによって、定着性
および保存安定性のバランスを最適化することができ
る。トナー中の結晶性ポリエステル樹脂Cの分散粒径と
しては、0.05〜0.2μmが好ましい。結晶性ポリ
エステル樹脂Cの分散性が不良である、すなわち分散粒
径が0.05未満または0.2μmを越えると、トナー
の帯電量分布が広がり、着色度も低下するので好ましく
ない。
【0068】前記結晶性ポリエステル樹脂Cは、前述の
ポリエステル樹脂と同様の多価アルコール成分と多塩基
酸成分とから構成されるポリエステル樹脂である。その
中でも、耐ブロッキング性が良好であることから、主鎖
に芳香環を有する芳香族ポリエステル樹脂が好ましく、
特に芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールまたはこれら
の誘導体からなる熱可塑性の結晶性芳香族ポリエステル
樹脂が好ましい。
【0069】前記芳香族ジカルボン酸としては、たとえ
ば無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸およびナフタレンジカルボン酸、ならびにそれらの誘
導体などを挙げることができる。
【0070】前記芳香族ジオールとしては、たとえば、
ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物では、ビス
フェノールAのエチレンオキシド2.0モル付加物であ
るポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンおよびその誘導体、そ
の他の芳香族ジオールでは、ポリオキシプロピレン−
(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオ
キシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−
(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプ
ロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンおよびポリオキシプロピレン−
(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ならびにそれらの誘導体を挙げることができ
る。
【0071】前記結晶性芳香族ポリエステル樹脂のう
ち、特に好ましいものとしては、フタル酸とビスフェノ
ールAのエチレンオキシド付加物とからなる骨格を有す
る熱可塑性の結晶性芳香族ポリエステル樹脂を挙げるこ
とができる。該結晶性芳香族ポリエステル樹脂は、芳香
環およびポリオキシエチレン鎖などが分子間相互作用に
よって一定の規則性をもって配列しうる骨格を有するた
め、結晶性がより高くなるので特に好ましい。前記ビス
フェノールAのエチレンオキシド付加物は、全アルコー
ル成分の50モル%以上含有することが好ましく、アル
コール成分の全量がビスフェノールAのエチレンオキシ
ド付加物であることが特に好ましい。
【0072】また前記結晶性ポリエステル樹脂Cは、必
要に応じて以下の多価カルボン酸成分および多価アルコ
ール成分を含んでもよい。
【0073】多価カルボン酸成分としては、ジカルボン
酸成分では、たとえばマレイン酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸などを挙げるこ
とができる。3価以上のカルボン酸成分では、たとえば
トリメリット酸およびピロメリット酸、ならびにこれら
の無水物などを挙げることができる。
【0074】多価アルコール成分としては、ジオール成
分では、たとえば水素添加ビスフェノールA、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコールおよびシクロヘキサンジメタノールなど
を挙げることができる。3価以上のアルコール成分で
は、ソルビトール、1,2,3,6−へキサンテトラオ
ール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、
1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタン
トリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオー
ル、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパンおよび1,
3,5−トリメチロールベンゼンなどを挙げることがで
きる。
【0075】なお、前述の3価以上のカルボン酸成分お
よびアルコール成分は、本発明による電子写真用トナー
の特性を阻害しない範囲で使用することができるが、ジ
カルボン酸およびジオールのみを用いて線状ポリエステ
ル樹脂を得る方が各特性の最適化をはかりやすいので好
ましい。
【0076】前記結晶性ポリエステル樹脂Cは、触媒の
存在下、前述の原料モノマーを用いて脱水縮合反応また
はエステル交換反応を行うことにより製造することがで
きる。このときの反応温度および反応時間は特に限定さ
れるものではないが、一般には20〜300℃の反応温
度で0.5〜24時間反応させる。反応に用いる触媒と
しては、たとえば酸化亜鉛、酸化第一錫、酸化ジブチル
錫およびジブチル錫ジラウレートなどを適宜使用するこ
とができる。
【0077】このようにして得られる結晶性ポリエステ
ル樹脂Cの溶融粘度は、低温定着性の観点から、150
℃において、5〜1000mPa・sが好ましく、より
好ましくは5〜800mPa・sであり、10〜500
mPa・sが最適である。
【0078】また結晶性ポリエステル樹脂Cの水酸基価
は、環境に対する安定性の観点から、0.5〜5mgK
OH/gが好ましく、より好ましくは0.5〜4mgK
OH/gである。通常のポリエステル樹脂では、水酸基
価を低くするために酸成分を多く反応させることが考え
られるが、この方法では酸価が高くなり過ぎ、トナーに
したときの帯電性が悪くなる。また酸成分としてカルボ
ン酸の低級アルキルエステルを使用することも考えられ
るが、酸成分が昇華しやすかったり、反応が十分に進み
にくく、水酸基価を5mgKOH/g以下にすることは
困難である。また酸成分とアルコール成分との反応率を
上げることも考えられるが、反応率を上げるだけでは粘
度が高くなり過ぎ、トナーにしたときの低温定着性の効
果が小さくなる。本発明における結晶性ポリエステル樹
脂Cでは、重合後に残存する水酸基をモノカルボン酸無
水物でエステル化することによって水酸基価を0.5〜
5mgKOH/gにすることができる。
【0079】また結晶性ポリエステル樹脂Cの酸価は、
トナーにしたときの帯電性の観点から、3〜20mgK
OH/gが好ましく、より好ましくは3〜15mgKO
H/gである。
【0080】また結晶性ポリエステル樹脂Cの重量平均
分子量は、1,000〜20,000が好ましく、より
好ましくは2,000〜10,000である。
【0081】なお、前述の樹脂A、樹脂Bおよび結晶性
樹脂Cの軟化点、融点、ガラス転移温度およびクロロホ
ルム不溶分率などの各物性の調整は、各樹脂を製造する
際の原料モノマー、重合開始剤および触媒などの種類、
使用量および反応条件などを適当に選択することによ
り、容易に行うことができる。また、このように前記樹
脂A、樹脂Bおよび結晶性樹脂Cの各物性を調整するこ
とによって、後述する結着樹脂としての好ましい物性を
得ることができる。
【0082】また、本発明による電子写真用トナーは、
前述のようにトナー粒子が後述する微粒子を含有して構
成され、該微粒子として粒子径が1.0μm以上2.0
μm以下の粒子を含有するトナー粒子の数がトナーに含
まれる単位個数のトナー粒子のうちの半数以下であるこ
とを特徴とする。このことは、トナー全体として見たと
きに、前記微粒子の平均粒子径が1.0μm以上の1次
粒子、および平均粒子径が1.0μm未満の1次粒子の
凝集による粒子径が1.0μm以上の2次粒子(以下、
「凝集体」とも称す)の存在が少ないことを示す。すな
わち、通常、トナー中に微粒子を含有させると凝集体を
形成してしまうために分散性が悪くなるが、本発明によ
るトナーでは、前記微粒子があまり凝集体を形成してお
らず、トナー全体として見たときに前記微粒子が均一に
分散している状態となっている。
【0083】前記微粒子として、粒子径が1.0μm以
上の粒子を含有するトナー粒子の数は、たとえば以下の
ようにして算出する。まず、本発明による電子写真用ト
ナーを透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Elect
ron Microscope)または走査型電子顕微鏡(SEM:Sc
anning Electron Microscope)で観察し、無作為に抽出
したトナー粒子1個を30,000倍の倍率で写真撮影
する。これをたとえば50回、すなわちトナー粒子50
個に対して行い、得られた50枚の写真から、前記微粒
子として、最大長で1.0μm以上の粒子を含有するト
ナー粒子の個数を数えることにより算出する。
【0084】前記微粒子を前記分散状態に分散させる具
体的手法としては、後述するように結着樹脂および微粒
子に必要に応じて着色剤およびワックスなどの各種添加
剤を加え、ボールミルなどの混合機で均一に混合する前
混合の条件を最適化する方法、および混練において前記
結着樹脂および微粒子に必要に応じて着色剤およびワッ
クスなどの各種添加剤を加えた材料の流れ方向を送りに
対して戻りを多くする方法などを挙げることができる。
【0085】前述のように微粒子をトナー中に均一に分
散させることによって、トナーの溶融流動特性を改善す
ることができ、紙の繊維間の隙間に浸透していくトナー
の浸透現象を防止することができる。この理由は明らか
ではないが、以下のように推察することができる。
【0086】紙の種類によっても異なるが、紙の繊維間
の隙間の大きさには分布があり、0.1〜10μm程度
の孔径の隙間が存在する。この中でも、数μm以上のも
のは隙間というよりも紙表面の凹凸と考えてよく、トナ
ーの浸透現象に寄与するのは主に1μm以下のものと考
えられる。トナーは、定着時の熱および圧力によって押
しつぶされてこの隙間を流れるわけであるが、このとき
トナーが微粒子を含有していないと容易に隙間の奥まで
押し込まれ、浸透現象が発生する。一方、トナーが微粒
子を含有していると、該微粒子が抵抗点となることによ
ってトナーの流れが阻害され、トナーの浸透が防止され
る。一般に、レオロジー学では、この紙の繊維間の隙間
のような細い管を、トナーのような高粘度媒体が添加剤
を含有して流れるときには、流れに大きな乱れが生じる
ことが知られており、トナーが紙の繊維間の隙間を流れ
るときにも同様のことが起こり、浸透が防止されると推
察される。このようにトナーが細管内を流れるときを考
えた場合、細管断面に微粒子が複数存在することが好適
であると考えられる。したがって、前記微粒子はトナー
中に均一に分散されていることが必要である。
【0087】この浸透現象防止効果は、粒子径1.0μ
m以上の微粒子を含有するトナー粒子の割合が低いほど
高いことが実験的にわかっている。すなわち、前記微粒
子として粒子径が1.0μm以上の粒子を含有するトナ
ー粒子の割合は、トナーに含まれる単位個数のトナー粒
子のうちの半数以下であることが好ましく、より好まし
くは2/5以下であり、3/10以下が最適である。こ
の割合が高く、前記微粒子の分散性が悪いと、前述のよ
うにトナーが細管内を流れるときを考えた場合、抵抗点
となり得る粒子、すなわち粒子径が1.0μm未満の微
粒子を含有しないトナー成分が流れるという状態が生
じ、浸透防止の効果が得られないだけでなく、定着後の
画像の光沢が得られにくくなり、画像の鮮明性が損なわ
れる。また微粒子の凝集体によって画像の平滑性が低下
し、発色が阻害される。
【0088】前記微粒子の1次粒子の平均粒子径である
平均1次粒子径は、前述のようにトナーが細管内を流れ
るときを考えた場合、細管断面に微粒子が複数存在する
ことが好適であるという観点から、1〜500nmであ
ることが好ましい。この平均1次粒子径は、300nm
以下がより好ましく、200nm以下がさらに好まし
い。平均1次粒子径が500nmより大きくなると、浸
透現象の防止効果が弱まるとともに定着後の画像の光沢
が得られにくくなり、画像の鮮明性が損なわれるおそれ
がある。また、前記微粒子の平均1次粒子径が小さいほ
ど浸透防止の効果が高くなる傾向があるが、粒子の製造
性および取り扱い性などの観点から、平均1次粒子径は
5nm以上がより好ましい。
【0089】また、前記微粒子の平均1次粒子径と含有
量との間には関係があり、平均1次粒子径が小さいほど
含有量が少なくても浸透防止の効果を得ることができ
る。したがって、トナーの単位体積当たりに含まれる前
記微粒子の含有量、すなわち体積分率Φは、平均1次粒
子径Dにより有効な範囲が異なり、下記式(1)で示さ
れる範囲であることが好ましく、さらに好ましくは下記
式(1−a)で示される範囲であり、下記式(1−b)
で示される範囲であることが最適である。 0.015D0.4<Φ<0.5 …(1) 0.02D0.4<Φ<0.4 …(1−a) 0.022D0.4<Φ<0.4 …(1−b) (前記式(1)、(1−a)および(1−b)におい
て、Φは体積分率であり、Dは平均1次粒子径であ
る。)
【0090】前記微粒子の体積分率Φは、結着樹脂や微
粒子の材質、およびその他の添加剤に鑑みて、定着性を
良好にしながら、かつ定着性以外のトナーの特性を悪化
させないように前記範囲内で適宜決定することが好適で
ある。なお、体積分率Φが0.015D0.4以下であ
ると浸透防止の効果を発揮し難くなり、0.5以上であ
ると定着可能温度の上昇や定着性の低下が生じるおそれ
がある。
【0091】また、前述のように前記微粒子をトナー中
に均一に分散させることによって、トナーの浸透現象を
防止するだけでなく、トナーの溶融特性および固体物性
を変化させることができる。以下にその特長を挙げる。
【0092】前記微粒子をトナー中に分散性よく含有さ
せることによって、トナーの粘弾性の温度依存性、すな
わちトナーの貯蔵弾性率G′と損失弾性率G″との和と
して表される動的複素弾性率G(=G′+G″)の降下
度合いを温度変化に対して緩やかにすることができる。
このようなトナーの粘弾性の温度依存性は、トナーの動
的複素弾性率Gを、そのトナーが定着工程における加熱
によって浸透を開始するときの動的複素弾性率Gである
3,000Pa程度には達しないように下がりにくく
し、かつ、トナーの動的複素弾性率Gが、トナーが前記
定着工程において定着を開始するときの値である10,
000Pa程度のときには、粘性的でつぶれやすい状態
とすることができるので、カラー発色および定着が容易
で、カラー画像の形成に適する電子写真用トナーを得る
ことができる。
【0093】一方、トナー中に前記微粒子を含有せず
に、結着樹脂の分子量を大きくすることによって微粒子
を含有する場合と同様の粘弾性の温度変化を得ようとす
ると、樹脂の分子量が微粒子を含有する場合に比べて約
一桁大きくなり、貯蔵弾性率G′と損失弾性率G″との
比G″/G′である損失正接(tanδ)の値が小さく
なり過ぎ、また動的複素弾性率が上がり過ぎて、カラー
発色および定着が容易でなくなる。この粘弾性の温度変
化と粘弾性との関係は、樹脂のみの場合には高分子鎖の
緩和過程だけでほぼ一義的に決まるが、微粒子を含有し
た微粒子分散樹脂の場合には、緩和過程を微粒子の種
類、含有量および分散状態などによって変化させること
ができるので、同様の粘弾性の温度変化であっても粘弾
性を粘性的から弾性的まで独立に制御することができ、
浸透現象の防止と、カラー発色性および定着性との両立
が可能である。このような意味から、微粒子を含有させ
たトナーをカラー画像用トナーに適応させる際には粘弾
性特性が非常に重要である。また前述のような粘弾性特
性は、常温からガラス転移温度付近の固体状態において
も、粉体トナー同士、定着画像と紙、および定着画像同
士のブロッキング現象を抑制する効果を有する。
【0094】したがって、本発明による電子写真用トナ
ーは、浸透防止効果を達成するためには前述のようにト
ナーが細管内を流れるときを考えた場合に細管断面に微
粒子が複数存在することが好適であるという観点、およ
び純粋にトナーのレオロジー的な物性の観点から、粘弾
性条件として、損失弾性率G″と貯蔵弾性率G′との比
G″/G′である損失正接(tanδ)の値が、150
℃で0.05〜1.5の範囲で、かつこのときの損失弾
性率G″の値が5.0×104Pa以下であるという条
件を満たすことが好ましい。この粘弾性条件は、トナー
中に前記微粒子を前述のように均一に分散させることに
よって満たすことができる。
【0095】また本発明による電子写真用トナーは、前
記微粒子が分散性よく含有されているので、ガラス転移
温度(Tg)および溶融温度(Tm)の低い樹脂を結着
樹脂として用いても粉体トナー同士、定着画像と紙、お
よび定着画像同士の熱によるブロッキング現象を抑える
ことができる。この耐熱ブロッキング性を有することに
よって定着温度の低温化が可能となり、低いエネルギで
定着することができるので、省エネルギ化を図ることが
できる。
【0096】従来のトナーでは、ガラス転移温度(T
g)が60℃程度以上、かつ溶融温度(Tm)が100
℃以上の結着樹脂を用いなければ、十分な耐熱ブロッキ
ング性を得ることができなかった。これに対し、前記微
粒子を分散性よく含有している本発明による電子写真用
トナーでは、ガラス転移温度および溶融温度が低い樹脂
を結着樹脂として用いても、十分な耐熱ブロッキング性
を得ることができる。この理由に関しては、以下のよう
に推察することができる。
【0097】熱によるブロッキング現象は、まずトナー
表面近傍に存在する結着樹脂の低分子成分が拡散移動
し、トナー粒子同士、トナー像と紙、またはトナー像と
トナー像とを接着することから開始すると考えられる。
本発明による電子写真用トナーでは結着樹脂中に微粒子
が均一に分散されているので、該微粒子が結着樹脂の低
分子成分の拡散移動を抑制し、熱ブロッキング現象を防
いでいると思われる。微粒子がその周りの溶媒分子の拡
散を抑制する、または束縛するという考え方は、別の材
料系において文献に示されている。たとえば、微粒子の
水系分散体のレオロジー挙動を微粒子の存在によって説
明する際に、水和層によって粒子の粒子径が実際の粒子
径よりも大きくなる効果を用いて考察している。本発明
による電子写真用トナーにおいて、粒子間表面距離は1
0〜50nm程度で粒子同士が非常に近接していること
から、結着樹脂分子のうちの相当多い量が微粒子表面近
傍にあることが判る。すなわち結着樹脂分子は分子間相
互作用などによって粒子に束縛されているので、耐熱ブ
ロッキング性が現れると推察される。ブロッキング現象
を防止するためには、一般には塗料などのアンチブロッ
キング剤を用いる。これは塗膜表面に微小突起を存在さ
せ、他のものとの面接触を避け、点接触させることによ
ってブロッキング現象を防止する手法であり、アンチブ
ロッキング剤としては前記微粒子よりも大きい粒子径1
μm程度の粒子が有効である。しかし、粒子径500n
m以上の粒子では、トナー粒子同士の熱ブロッキング現
象にはあまり効果がなく、また表面平滑性が上がらない
のでカラー画像には適さない。
【0098】この耐熱ブロッキング性の観点からは、前
記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40〜100
℃であることが好ましく、40〜85℃であることがよ
り好ましく、50〜75℃であることがさらに好まし
い。Tgが40℃より低いと、トナーが熱でブロッキン
グしやすく、Tgが100℃より高いと、トナーの定着
可能温度が高くなり過ぎる。なおTgは、DSCたとえ
ば株式会社マック・サイエンス製DSC3110の熱分
析システム001を用いて、たとえば昇温速度5℃/分
の条件で測定することができ、得られたチャートのTg
に相当する吸熱点の低温側の肩の温度をTgとする。
【0099】また前記結着樹脂の溶融温度(Tm)は、
60〜100℃であることが好ましく、60〜90℃で
あることがより好ましく、60〜80℃であることがさ
らに好ましい。Tmが60℃より低いと、トナーが熱で
ブロッキングしやすく、Tmが100℃より高いと、ト
ナーの定着可能温度が高くなり過ぎる。
【0100】また前記結着樹脂は、以下のような粘弾性
特性を有することが好ましい。トナーが定着器表面から
剥離する変形において、トナー層の厚みが10μm程度
と薄いことからトナーの実質の剥離変形速度は非常に速
いので、粘弾性の温度−時間換算則から、剥離変形には
ガラス転移領域の後半の温度付近の結着樹脂の粘弾性が
大きく影響すると考えられる。したがって、良好な耐巻
き付き性を得るための結着樹脂の粘弾性特性としては、
剥離変形における粘性変形によるエネルギ損失を小さく
抑えることが必要である。すなわち、結着樹脂のガラス
転移温度と、結着樹脂の損失弾性率G″が1×104
aとなる温度との間に、結着樹脂の粘弾性における損失
弾性率G″と貯蔵弾性率G′との比G″/G′である損
失正接(tanδ)が極小値を有し、かつその極小値が
1.2未満であることが好適である。
【0101】なお、このような結着樹脂の物性は、前述
のように、結着樹脂に含まれる樹脂成分、すなわち前記
樹脂A、樹脂Bおよび結晶性樹脂Cの各物性によって調
整することができる。
【0102】また耐熱ブロッキング性の効果を十分に引
き出すという観点からは、前記微粒子は、前記1次粒子
および2次粒子を含めたすべての粒子の粒子径の平均で
ある平均粒子径が1〜300nmであることが好適であ
る。またトナー粉体の熱保存性を上げるという観点から
は、平均粒子径の異なる微粒子を含むことが好適であ
り、具体的には、前記微粒子として、平均粒子径が30
〜200nm、好ましくは30〜150nmの微粒子
と、その範囲外の平均粒子径の微粒子とを含むことが好
適である。前記範囲外の平均粒子径の微粒子としては、
前記範囲よりも小さい平均粒子径の微粒子では、平均粒
子径が1〜30nmの微粒子が好ましく、より好ましく
は5〜30nmであり、また前記範囲よりも大きい平均
粒子径の微粒子では、平均粒子径が200〜300nm
の微粒子が好適である。
【0103】前記微粒子としては、有機微粒子および無
機微粒子などの淡色または無色の微粒子を挙げることが
でき、これらの微粒子は1種単独で用いても2種以上併
用してもよい。
【0104】前記有機微粒子としては特に限定はない
が、有機架橋粒子が好適である。前記有機微粒子の材料
としては、たとえばビニル系、スチレン系、メタクリル
系、アクリル系、エステル系、アミド系、メラミン系、
エーテル系およびエポキシ系などの単一樹脂、ならびに
これらの共重合樹脂を用いることができる。これらの中
でも、電子写真分野での使用実績の観点から、ビニル
系、スチレン系、メタクリル系およびアクリル系樹脂に
代表される付加重合系樹脂、ならびにエステル系樹脂に
代表される重縮合系樹脂を用いることが好ましい。これ
らの樹脂としては、日本ペイント株式会社製のマイクロ
ジェルシリーズ(商品名)、JSR株式会社製のSTA
DEXシリーズ(商品名)、ならびに綜研化学株式会社
製のMRシリーズ(商品名)およびMPシリーズ(商品
名)などが入手しやすい。
【0105】前記無機微粒子としては、平均粒子径が1
〜300nmの無色または淡色の無機微粒子が好適であ
る。前記無機微粒子の材料としては、金属元素などの酸
化物および非酸化物などを用いることができる。具体的
には、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウ
ム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタ
ン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲
母、ケイ灰石、ケイソウ土、べんがら、酸化クロム、酸
化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸
化ジルコニウム、塩化セリウム、炭化ケイ素および窒化
ケイ素などを挙げることができる。特に、チタン系微粒
子およびシリカ微粒子が好ましい。
【0106】前記無機微粒子のうち、金属元素などの酸
化物の微粒子の合成方法としては、たとえば、四塩化ケ
イ素、四塩化チタンおよび四塩化アルミニウムなどの塩
化物を気相中で加水分解して合成する方法、湿式法によ
って合成する方法および高温溶融法によって合成する方
法などを挙げることができる。また非酸化物の微粒子の
合成方法としては化学気相法によって合成する方法など
を挙げることができる。
【0107】また前記無機微粒子は、疎水化剤で疎水処
理されたものであることが好ましい。前記疎水化剤とし
ては、たとえばシラン系カップリング剤、チタネート系
カップリング剤、アルミネート系カップリング剤および
ジルコニウム系カップリング剤などのカップリング剤、
ならびにシリコーンオイルなどを挙げることができる。
これらの中でも、シラン系カップリング剤およびシリコ
ーンオイルが好ましい。これらの疎水化剤は単独で用い
ても2種以上併用してもよい。
【0108】前記シラン系カップリング剤としては、ク
ロロシラン、アルコキシシラン、シラザンおよび特殊シ
リル化剤などのいずれのタイプのものも用いることがで
きる。具体的には、メチルトリクロロシラン、ジメチル
ジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルト
リクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメ
トキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピル
トリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエト
キシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、オクチル
トリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキ
サデシルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラ
ン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−ビス(トリメチ
ルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシ
リル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシ
シラン、γ−(メタクリロキシ)プロピルトリメトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、γ−(グリシドキシ)プロピル
トリエトキシシラン、γ−(グリシドキシ)プロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシランおよびγ−クロロプロピルトリメトキシシ
ランなどのシラン化合物、ならびにこれらのシラン化合
物の水素原子の一部をフッ素原子で置換したフッ素系シ
ラン化合物およびアミノ基で置換したアミノ系シラン化
合物などを挙げることができるが、これらに限定される
ものではない。
【0109】前記シリコーンオイルとしては、ジメチル
シリコーンオイル、メチルハイドロゲンシリコーンオイ
ル、メチルフェニルシリコーンオイル、環状ジメチルシ
リコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カル
ボキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコ
ーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカ
プト変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコー
ンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アル
キル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイ
ルおよびフッ素変性シリコーンオイルなどを挙げること
ができるが、これらに限定されるものではない。
【0110】前記無機微粒子の疎水化処理の方法として
は、従来公知の方法を用いることができる。具体的に
は、微粒子に前述の疎水化剤を直接噴霧する方法、なら
びに前述の疎水化剤を適当な溶媒、たとえばテトラヒド
ロフラン(THF)、トルエン、酢酸エチル、メチルエ
チルケトンおよびアセトンなどで希釈した溶媒溶液を用
いる方法などを挙げることができる。疎水化剤の溶媒溶
液を用いる方法としては、たとえば、疎水化剤の溶媒溶
液を微粒子にブレンダなどで強制的に滴下または噴霧し
て十分に混合し、必要に応じて洗浄および濾過を行った
後、加熱乾燥させ、乾燥後の凝集物をブレンダおよび乳
鉢などで解砕して処理する方法、疎水化剤の溶媒溶液に
微粒子を浸漬した後、該微粒子を沈殿させて加熱乾燥さ
せ、解砕して処理する方法、微粒子を水中に分散してス
ラリー状にし、これを疎水化剤の溶媒溶液に滴下した
後、該微粒子を沈殿させて加熱乾燥させ、解砕して処理
する方法などを挙げることができる。
【0111】前記疎水化剤の微粒子への付着量は、微粒
子に対して0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜
25重量%がより好ましい。付着量は、前述の疎水化処
理の段階で疎水化剤の混合量を増やしたり、疎水処理後
の洗浄工程の数を変えるなどの方法によって調整するこ
とができる。また付着量は、X線光電子分光法(XP
S:X−ray Photoelectron Spectroscopy)および元素
分析などによって定量することができる。なお、付着量
が0.01重量%未満であると高湿度下で帯電性が低下
する場合があり、また50重量%を超えると低湿度下で
帯電が過剰になり、疎水化剤が遊離してトナーの粉体流
動性を悪化させる場合がある。
【0112】前記着色剤としては、従来公知の黒色着色
剤および有彩色着色剤を用いることができる。前記黒色
着色剤としては、カーボンブラックを挙げることができ
る。前記カーボンブラックは製法によって分類され、た
とえばファーネスブラック、チャンネルブラック、アセ
チレンブラック、サーマルブラックおよびランプブラッ
クなどを挙げることができる。
【0113】前記有彩色着色剤としては、有機顔料を挙
げることができる。青系の有機顔料としては、たとえば
フタロシアニン系のC.I.(Color Index) Pig
ment Blue 15−3およびインダンスロン系
のC.I. PigmentBlue 60などを挙げ
ることができる。赤系の有機顔料としては、たとえばキ
ナクリドン系のC.I. Pigment Red 1
22、アゾ系のC.I. Pigment Red 2
2、C.I. Pigment Red 48:1、
C.I. Pigment Red 48:3および
C.I. Pigment Red 57:1などを挙
げることができる。黄系の有機顔料としては、たとえば
アゾ系のC.I. Pigment Yellow 1
2、C.I. Pigment Yellow 13、
C.I. Pigment Yellow 14および
C.I. Pigment Yellow 17、イソ
インドリノン系のC.I. Pigment Yell
ow 110、ならびにベンズイミダゾロン系のC.
I. Pigment Yellow 151、C.
I. Pigment Yellow 154および
C.I. PigmentYellow 180などを
挙げることができる。
【0114】前記着色剤の含有量は、1〜20質量部の
範囲内にあることが好ましく、より好ましくは2〜10
質量部の範囲内である。
【0115】トナーの帯電制御は、前記結着樹脂または
着色剤によって行ってもよいが、必要に応じて帯電制御
剤を併用してもよい。前記帯電制御剤としては、たとえ
ばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、トリメチル
エタン系染料、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリ
ドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料およびアゾクロ
ム錯体などの重金属含有酸性染料などが用いられる。具
体的には、「ボントロンS−32」(オリエント化学株
式会社製)および「Aizen SpilonBlac
k TRH」(保土谷化学工業株式会社製)などを挙げ
ることができる。
【0116】なお、カラー用トナーにおいては無色の帯
電制御剤を使用することが好ましく、サリチル酸または
サリチル酸とアルキルアルコールとのエステルの金属錯
化合物などが用いられる。具体的には「ボントロンE−
84」(オリエント化学株式会社製)および「LR−1
47」(日本カーリット株式会社製)などを挙げること
ができる。
【0117】また前記トナー粒子には、前記耐熱ブロッ
キング性の効果を十分に引き出すために、さらに低融点
滑剤を添加することが好ましい。前記低融点滑剤は、定
着工程において画像表面にしみ出し、画像表面に数10
nmの膜を形成する。この膜は、微粒子によって抑制さ
れた結着樹脂の低分子成分の拡散移動をさらに抑制する
働きをし、前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)およ
び溶融温度(Tm)よりもやや高い温度という厳しい定
着条件下においても良好な耐熱ブロッキング性を付与す
る。
【0118】前記低融点滑剤としては、前述の耐オフセ
ット性を向上させる目的で用いられる従来公知の低融点
滑剤を挙げることができる。特に、融点が100℃以下
の低融点滑剤が好ましい。トナー中の前記低融点滑剤の
含有量は、3〜10重量%が好ましく、より好ましくは
3〜7重量%である。
【0119】前記微粒子および結着樹脂に加えて低融点
滑剤を含有させることによって、十分な耐熱ブロッキン
グ性を付与することができる。これによって、オイルレ
ス条件下で定着する場合において良好な離型性をもつト
ナーを得ることができ、また定着温度の低温化を図るこ
とができる。ただし、オイルレス条件下で定着する場合
には、トナーの耐ホットオフセット性だけでなく、耐巻
き付き性を確保し、トナー層を接着層として紙が定着部
に巻き付く現象を避けなければならない。耐巻き付き性
を確保するためには、前記低融点滑剤による離型効果だ
けでは不十分であり、結着樹脂が前述のような特定の粘
弾性特性を有することが好適である。
【0120】また本発明による電子写真用トナーには、
必要に応じて種々のワックス類を分散させて用いること
ができる。前記ワックス類としては、たとえばモンタン
酸エステルワックスなどの天然ワックス、高圧法ポリエ
チレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン系ワ
ックス、シリコーン系ワックスならびにフッ素系ワック
スなどを使用することができる。これらのワックス類の
うち好ましいものとしては、「ビスコール660P」、
「ビスコール550P」、「ビスコール330P」、
「TP−32」(以上、三洋化成工業株式会社製)、
「ミツイハイワックスNP505」、「ミツイハイワッ
クスP200」、「ミツイハイワックスP300」およ
び「ミツイハイワックスP400」(以上、三井化学株
式会社製)などを挙げることができる。
【0121】また前記トナー粒子には、必要に応じてシ
リカなどの無機微粉体を表面処理剤として外添してもよ
い。これによって、より粉体流動性などを向上させるこ
とができるので、実用上好適である。
【0122】前記シリカとしては、疎水性などを有する
ものが好ましく、たとえば二酸化ケイ素を各種のポリオ
ルガノシロキサンおよびシランカップリング剤などで表
面処理したものを挙げることができる。具体的には、
「AEROSIL R972」、「AEROSIL R
974」、「AEROSIL R202」、「AERO
SIL R805」、「AEROSIL R812」、
「AEROSIL RX200」、「AEROSIL
RY200」、「AEROSIL R809」、「AE
ROSIL RX50」(以上、日本アエロジル株式会
社製)、「WACKER HDK H2000」、「W
ACKER HDK H2050EP」(以上、ワッカ
ーケミカルズイーストアジア株式会社製)、「Nips
il SS−10」、「Nipsil SS−15」、
「Nipsil SS−20」、「Nipsil SS
−50」、「Nipsil SS−60」、「Nips
ilSS−100」、「Nipsil SS−50
B」、「Nipsil SS−50F」、「Nipsi
l SS−10F」、「Nipsil SS−40」、
「Nipsil SS−70」および「Nipsil
SS−72F」(以上、日本シリカ工業株式会社製)な
どの商品名で市販されているものを挙げることができ
る。
【0123】前記シリカとしては、比較的大きい平均粒
子径を有するものと、比較的小さい平均粒子径を有する
ものがあり、これらは単独で用いても併用してもよい。
【0124】前記シリカのトナー粒子への外添量として
は、トナーに必要な帯電性の付与、感光体ドラムへの影
響およびトナーの環境特性などを考慮して、トナー粒子
100質量部に対して0.1〜5.0質量部が実用上好
適である。
【0125】前記シリカをトナー粒子に外添させる方法
としては、たとえば通常の粉体混合機であるヘンシェル
ミキサなどを用いる方法、およびハイブリダイザなどの
いわゆる表面改質機を用いる方法などを挙げることがで
きる。なお、このシリカの外添は、トナー粒子の表面に
シリカを付着させるようにしてもよいし、シリカの一部
がトナー粒子に埋め込まれるようにしてもよい。
【0126】また前記トナー粒子の表面には、必要に応
じて流動性向上剤などを添加してもよい。
【0127】他の実施形態において、電子写真用トナー
に含まれるトナー粒子は、前述の各種添加剤および外添
剤を含まなくてもよい。
【0128】次に、本発明による電子写真用トナーの製
造方法を説明する。本発明による電子写真用トナーは、
混練粉砕法、スプレイドライ法および重合法などの公知
の方法により製造することができる。
【0129】具体的には、たとえば、前記結着樹脂およ
び微粒子に、必要に応じて着色剤およびワックスなどの
各種添加剤を加え、ボールミルなどの混合機で均一に混
合する。この際、前記結着樹脂は、前記樹脂Aおよび樹
脂B、または樹脂A、樹脂Bおよび結晶性樹脂Cの粉末
状のものまたはペレット状のものが単に混合されたもの
であってもよく、それらの樹脂が溶融混練により均一に
混合分散された後、粉砕などによって粉末状またはペレ
ット状にされたものであってもよい。また前記着色剤
は、前記結着樹脂中に均一に分散するように、予めフラ
ッシング処理を施して用いてもよく、また前記結着樹脂
と高濃度で溶融混練してマスターバッチとして用いても
よい。
【0130】次いで、2本ロールニーダ、3本ロールニ
ーダ、加圧ニーダ、密閉式ニーダおよび1軸または2軸
の押し出し機などの混練手段によって、結着樹脂の融点
または軟化点以上で溶融混練する。この際、前記結着樹
脂中に着色剤などが均一に分散すればよく、溶融混練の
条件は特に限定されるものではないが、一般的には80
〜180℃で10分〜2時間である。次いで、前記処理
を施した混合物を冷却した後、ジェットミルなどの粉砕
機で微粉砕し、風力分級機などによって分級し、本発明
による電子写真用トナーを得る。
【0131】こうして得られるトナーは、前述のように
粘弾性測定において、損失弾性率G″と貯蔵弾性率G′
との比G″/G′である損失正接(tanδ)の値が1
50℃で0.05〜1.5であり、かつこのときの損失
弾性率G″の値が5.0×10Pa以上5.0×10
4Pa以下であることが好ましい。
【0132】またトナーに含まれるトナー粒子は、平均
粒子径で5〜10μmであることが好ましく、体積平均
粒子径(Dp)で5〜15μmであることが好ましい。
【0133】本発明による現像剤は、前記電子写真用ト
ナーを用いるものである。前記電子写真用トナーのう
ち、磁性体微粉末を含有するトナーは、単独で現像剤と
して使用される。また磁性体微粉末を含有しないトナー
は、非磁性一成分系現像剤として、またはキャリアと混
合して二成分系現像剤として使用される。
【0134】前記電子写真用トナーを用いることによっ
て、低温定着性、耐ホットオフセット性および保存安定
性の均衡がとれた現像剤を得ることができる。
【0135】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を用いて
説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもの
ではない。
【0136】《物性値測定方法》 〔軟化点〕高化式フローテスタ(株式会社島津製作所製
CFT−500)を用い、試料1gに対して、昇温速度
6℃/分、荷重20kg/cm2、ノズル1mmφ×1
mmの条件で測定を行い、試料の半分が流出する温度を
軟化点とする。
【0137】〔融点〕JIS K 7121−1987
に準じて測定し、融解ピークの温度を融点とする。
【0138】〔ガラス転移温度(Tg)〕示差走査熱量
計(セイコー電子工業株式会社製DSC210)を用
い、昇温速度10℃/分で測定し、JIS K 712
1−1987に準じて、得られたチャートのガラス転移
に相当する吸熱点の低温側の肩をガラス転移温度とす
る。
【0139】〔クロロホルム不溶分率〕容積100ml
の蓋付きガラス瓶に粉体試料5g、ラジオライト(昭和
化学工業株式会社製#700)およびクロロホルム10
0mlを入れ、ボールミルにて25℃で5時間攪拌した
後、ラジオライト(昭和化学工業株式会社製#700)
5gを均一に敷き詰めた濾紙(東洋濾紙株式会社製N
o.2)で加圧濾過する。濾紙上の固形物をクロロホル
ム100mlで2回洗浄し、乾燥させた後、下記の式に
従って不溶分率を算出する。 不溶分率(質量%)=〔濾紙上の固形物の重量(g)−
10g(ラジオライトの重量)〕/5g(試料の重量)
×100
【0140】《樹脂の製造》 (結晶性ポリエステル樹脂Cの製造) (製造例1) 結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の製
造 四つ口フラスコに、テレフタル酸2.5モル部と、イソ
フタル酸2.5モル部と、ポリオキシエチレン−(2.
0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン4.8モル部とを入れ、攪拌器、コンデンサおよび温
度計をセットし、窒素ガスを吹き込み、触媒として酸化
ジブチル錫を全酸成分に対して0.07質量%添加し、
220℃にて、脱水縮合により生成した水を除去しなが
ら15時間反応させ、線状の結晶性ポリエステル樹脂
(C−1)を得た。得られた線状の結晶性ポリエステル
樹脂(C−1)を分析したところ、重量平均分子量(M
w)は11,000、数平均分子量(Mn)は4,10
0、融点は121℃、酸価は4.2、水酸基価は1.2
であった。
【0141】(製造例2) 結晶性ポリエステル樹脂
(C−2)の製造 製造例1において、ポリオキシエチレン−(2.0)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン4.
8モル部に代えて、ポリオキシエチレン−(2.0)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2.
6モル部およびポリオキシプロピレン−(2.0)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2.
2モル部を用いた以外は、製造例1と同様にして、結晶
性ポリエステル樹脂(C−2)を製造した。得られた結
晶性ポリエステル樹脂(C−2)を分析したところ、重
量平均分子量(Mw)は12,000、数平均分子量
(Mn)は4,300、融点は116℃、酸価は4.
7、水酸基価は1.9であった。
【0142】(製造例3) 結晶性ポリエステル樹脂
(C−3)の製造 シクロヘキサンジメタノール1008質量部とビスフェ
ノールAのエチレンオキシド2.2モル付加物の975
質量部とに、さらにテレフタル酸1461質量部(8.
8モル相当)と酸化ジブチル錫2.0質量部とを加え、
均一溶解した後、脱水しながら120℃にて8時間反応
させた後、徐々に温度を上げて200℃とし、さらに減
圧下で反応させ、結晶性ポリエステル樹脂(C−3)を
得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(C−3)を分
析したところ、融点は92℃、酸価は16、水酸基価は
35であった。
【0143】(製造例4) 結晶性ポリエステル樹脂
(C−4)の製造 製造例3において、ビスフェノールAのエチレンオキシ
ド2.2モル付加物を895質量部として用いた以外
は、製造例3と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂
(C−4)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂
(C−4)を分析したところ、融点は85℃、酸価は1
8、水酸基価は3.4であった。
【0144】(比較製造例1) 結晶性ポリエステル樹
脂(C−5)の製造 セバシン酸707質量部と1,6−ヘキサンジオール4
96質量部と酸化ジブチル錫1.5質量部とを均一溶解
した後、脱水しながら120℃にて8時間反応させた。
次に徐々に温度を上げて200℃とし、減圧下で反応さ
せた。その後、温度を130℃とし、無水酢酸80質量
部を加え、3時間反応させた後、生成した酢酸と過剰の
無水酢酸とを留去し、結晶性ポリエステル樹脂(C−
5)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(C−
5)を分析したところ、融点は65℃、酸価は10、水
酸基価は2であった。
【0145】(樹脂Aの製造) (製造例5) 樹脂(A−1)の製造 攪拌機、温度計、窒素(N2)ガス導入管および分留管
を有するフラスコに、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール576g(4.0モル)とビスフェノールAのエチ
レンオキシド2.2モル付加物の1950g(6.0モ
ル)とを加え、さらにテレフタル酸1461g(8.8
モル)と酸化ジブチル錫4gとを加え、N2ガス気流
下、攪拌しながら加熱昇温し、240℃にて脱水縮合反
応を行った。その際、原料モノマーが留出しないように
注意を払い、もし留出した場合には留出分を補填して、
仕込み時の組成通りの樹脂組成となるように調整した。
酸価が5mgKOH/gとなるまで反応させた後取り出
し、固形のポリエステル樹脂(A−1)を得た。
【0146】(製造例6〜9)表1に示す原料を用い
て、製造例5と同様にして、ポリエステル樹脂(A−
2)〜(A−5)を製造した。
【0147】
【表1】
【0148】(樹脂Bの製造)表2に示す樹脂原料およ
び触媒を、窒素雰囲気下、220℃で反応させ、AST
M E−28−87に準じた測定における軟化点が表3
に示す所定の温度に達したときに反応を終了し、冷却
後、粉砕し、製造例として樹脂(B−1)〜(B−
3)、比較製造例とて樹脂(B−4)を得た。なお、表
2において、各欄の上段は質量を示し、下段はモル数を
示す。
【0149】
【表2】
【0150】《物性値の測定》以上の樹脂(A−1)〜
(A−5)および樹脂(B−1)〜(B−4)につい
て、軟化点、ガラス転移温度およびクロロホルム不溶分
率の測定を行った。その結果を表3に示す。
【0151】
【表3】
【0152】《電子写真用トナーの製造》 (実施例1)表4に示す組成の結着樹脂(TB−1)の
88質量部に、微粒子としてAEROSIL R972
(日本アエロジル株式会社製)1.5質量部、カーボン
ブラック(三菱化学株式会社製MA100)6質量部、
帯電制御剤(保土谷化学工業株式会社製スピロンブラッ
クTRH)2質量部およびポリプロピレンワックス4質
量部を均一に混合した後、内部温度150℃の二軸押出
機で混練した。冷却物をジェットミルで微粉砕し、ディ
スパージョンセパレータで分級した後、表面処理剤を外
添し、体積平均粒子径9μmの電子写真用トナーを得
た。
【0153】(実施例2〜9)実施例1において、結着
樹脂(TB−1)に代えて、表4に示す組成の結着樹脂
(TB−2)〜(TB−9)を用いた以外は、実施例1
と同様にして、8種類の電子写真用トナーを製造した。
【0154】(実施例10)実施例1において、微粒子
を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、電子写
真用トナーを製造した。
【0155】(実施例11および12)実施例1におい
て、結着樹脂(TB−1)に代えて、表4に示す配合比
の結着樹脂(TB−11)および(TB−12)を用い
た以外は、実施例1と同様にして、2種類の電子写真用
トナーを製造した。
【0156】(比較例1〜4)実施例1において、結着
樹脂(TB−1)に代えて、表4に示す結着樹脂(TB
−13)〜(TB−16)を用いた以外は、実施例1と
同様にして、4種類の電子写真用トナーを製造した。
【0157】
【表4】
【0158】《評価》 (1)低温定着性 以上の実施例1〜12および比較例1〜4で製造した電
子写真用トナーの各4質量部に、フェライトキャリア
(パウダーテック株式会社製F−150)96質量部を
均一に混合し、現像剤とした。この現像剤を、定着部を
取除いた複写機(シャープ株式会社製AR5030F)
の現像器に投入し、紙上にトナー像を転写した。紙上に
転写されたトナーを、定着部を改造した複写機(シャー
プ株式会社製SF8400A)にて、A4用紙35枚/
分のスピードで定着させた。
【0159】次いで、学振式堅牢度試験機の砂消しゴム
に1kgの荷重を載せたものによって、定着部を通過し
て定着された画像の上を3往復こすった。反射濃度計
(マクベス社製)にて、こする前後の光学反射密度を測
定して画像濃度を求め、以下の定義による定着率の変化
を観測した。 定着率(%)=〔(こすった後の画像濃度)/(こする前
の画像濃度)〕×100
【0160】この操作を定着ローラの設定温度を100
℃から240℃まで順次上昇させて繰返し、前記定着率
が初めて70%を越えたときの定着ローラの設定温度を
定着に必要な最低温度すなわち最低定着温度として求
め、低温定着性を評価をした。その結果を表5に示す。
表5において、判定符号○、△および×は、以下の評価
を示す。 ○:最低定着温度が160℃未満。 △:最低定着温度が160℃以上175℃未満。 ×:最低定着温度が175℃以上。
【0161】(2)耐ホットオフセット性 前記最低定着温度の測定と同様にして、トナー像を転写
して前記定着部を改造した複写機の定着ローラによって
定着処理を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で
前記定着ローラに送って通過させ、該転写紙にトナーに
よる汚れが生じるか否かを目視観測した。この操作を前
記定着ローラの設定温度を順次上昇させて繰返し、トナ
ーの汚れが初めて生じたときの定着ローラの設定温度を
ホットオフセット発生温度として求め、耐ホットオフセ
ット性を評価した。その結果を表5に示す。表5におい
て、判定符号○、△および×は、以下の評価を示す。 ○:ホットオフセット発生温度が210℃以上。 △:ホットオフセット発生温度が190℃以上210℃
未満。 ×:ホットオフセット発生温度が190℃未満。
【0162】(3)耐ブロッキング性 実施例1〜12および比較例1〜4で製造した電子写真
用トナーの各10gを容積100mlのガラス瓶に入
れ、温度50℃の恒温槽に2日間放置し、トナーの状態
を観察した。その結果を表5に示す。表5において、判
定符号○、△および×は、以下の評価を示す。 ○:ブロッキングが全く見られない。 △:ソフトケーキング状態。 ×:ハードケーキング状態。
【0163】また、表5に実施例および比較例の電子写
真用トナー中の結晶性ポリエステル樹脂Cの分散粒径
(μm)を示す。
【0164】
【表5】
【0165】表5の結果から、実施例の電子写真用トナ
ーは、前述の特定の物性を有する樹脂A、樹脂Bおよび
結晶性樹脂Cを含有するので、比較例のトナーに比べ、
低温定着性、耐ホットオフセット性および耐ブロッキン
グ性が良好であることが判った。具体的には、樹脂A、
樹脂Bおよび結晶性樹脂Cを用いていない比較例3のト
ナーでは、低温定着性、耐ホットオフセット性および耐
ブロッキング性のいずれも良好でなかった。また、好ま
しい範囲より若干低い融点の結晶性樹脂Cを用いた比較
例1、ならびに樹脂Bの軟化点およびクロロホルム不溶
分率が好ましい範囲にない比較例4のトナーでは、樹脂
Cの分散性が悪かった。また、結晶性樹脂Cを用いなか
った比較例2のトナーでは、低温定着性が不良となっ
た。
【0166】実施例10では、微粒子を含有していない
ので、耐ブロッキング性が良好でなかった。
【0167】実施例11および12では、樹脂A、樹脂
Bおよび結晶性樹脂Cの配合比が好ましい範囲にないの
で、低温定着性、耐ホットオフセット性および耐ブロッ
キング性のバランスが良好でなかった。
【0168】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、特定の物
性を有する樹脂A、樹脂Bおよび結晶性樹脂Cを用いる
ことによって、低温定着性、耐オフセット性、耐ブロッ
キング性、耐久性および保存安定性のいずれにも優れた
電子写真用トナーを提供することができる。
【0169】また本発明によれば、微粒子を特定の分散
状態で含有させ、また特定の粘弾性とすることによっ
て、紙などへの浸透現象を起こすことがなく、カラー発
色および定着が容易で、カラー画像の形成に適し、耐ブ
ロッキング性が良好な電子写真用トナーを提供すること
ができる。
【0170】また本発明によれば、前記樹脂A、樹脂B
および結晶性樹脂Cを特定の比率で含有させることによ
って、低温定着性、耐ホットオフセット性および耐ブロ
ッキング性のバランスを良好にすることができる。
【0171】また本発明によれば、前記樹脂Aが、多価
アルコール成分として、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールおよび特定のグリコールを特定の比率で含み、多
塩基酸成分としてテレフタル酸を含むポリエステル樹脂
であることによって、透明性がよく発色性が良好で、細
緻な色彩管理が要求されるデジタルカラー複写機用のト
ナーとしても使用可能な電子写真用トナーを提供するこ
とができる。
【0172】また本発明によれば、前記樹脂Aのポリエ
ステル樹脂が特定の物性であることによって、耐熱凝集
性、定着性および発色性を良好にするとともに、製造の
際の生産性を高くすることができる。
【0173】また本発明によれば、特定の多塩基酸成分
または多価アルコール成分を特定の割合以上含むことに
よって、耐熱凝集性を特に良好にしたり、トナーの特性
が損なわれることを防ぐことができる。
【0174】また本発明によれば、前述のような電子写
真用トナーを用いることによって、低温定着性、耐ホッ
トオフセット性および保存安定性の均衡がとれた現像剤
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 登司彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 藤田 さやか 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 加藤 武 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 天竺 英司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA21 CA08 CB07 CB13 DA05 DA06 EA03 EA05 EA06 EA07 EA10 FB02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂を含有するトナー粒
    子を含む電子写真用トナーであって、 前記結着樹脂は、少なくとも、軟化点が120〜170
    ℃であり、かつガラス転移温度が55〜75℃である樹
    脂A、軟化点が90〜120℃であり、かつガラス転移
    温度が58〜75℃であり、かつクロロホルム不溶分率
    が5質量%未満である樹脂B、および融点が80〜14
    0℃である結晶性樹脂Cを含むことを特徴とする電子写
    真用トナー。
  2. 【請求項2】 前記トナー粒子は、微粒子を含有し、 前記電子写真用トナーに含まれる単位個数のトナー粒子
    のうち、該微粒子として粒子径が1.0μm以上2.0
    μm以下の粒子を含有するトナー粒子の数が半数以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 粘弾性測定において、損失弾性率G″と
    貯蔵弾性率G′との比G″/G′である損失正接(ta
    nδ)の値が、150℃で0.05〜1.5であり、か
    つこのときの損失弾性率G″の値が5.0×102Pa
    以上5.0×104Pa以下であることを特徴とする請
    求項1または2記載の電子写真用トナー。
  4. 【請求項4】 前記樹脂Aの含有量と前記樹脂Bの含有
    量との比A/Bが、質量比で10/1〜10/8の範囲
    にあることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1
    記載の電子写真用トナー。
  5. 【請求項5】 前記樹脂Aの含有量と、前記樹脂Bおよ
    び結晶性樹脂Cの合計含有量との比A/(B+C)が、
    質量比で10/2〜10/14の範囲にあり、かつ前記
    樹脂Bの含有量と前記結晶性樹脂Cの含有量との比B/
    Cが、質量比で1/1〜4/1の範囲にあることを特徴
    とする請求項4記載の電子写真用トナー。
  6. 【請求項6】 前記樹脂Aは、多塩基酸成分および多価
    アルコール成分を含むポリエステル樹脂であり、 前記多塩基酸成分は、テレフタル酸を主成分とし、 前記多価アルコール成分は、1,4−シクロヘキサンジ
    メタノール(a)および下記一般式(1)で表されるグ
    リコール(b)を主成分とし、かつモル比(a):
    (b)が35:65〜65:35の範囲にあることを特
    徴とする請求項1〜5のうちいずれか1記載の電子写真
    用トナー。 【化1】 (式中、Rは炭素数2または3のアルキレン基を示し、
    mおよびnは各々整数を示し、2≦m+n≦4であ
    る。)
  7. 【請求項7】 前記樹脂Aは、ガラス転移温度が55〜
    75℃であり、かつ重量平均分子量が5,000〜2
    0,000であり、かつ100℃における溶融粘度が1
    3〜105Pa・sであり、かつ環球法軟化点が90〜
    120℃であることを特徴とする請求項6記載の電子写
    真用トナー。
  8. 【請求項8】 前記多塩基酸成分の90モル%以上が、
    テレフタル酸であることを特徴とする請求項6または7
    記載の電子写真用トナー。
  9. 【請求項9】 前記多価アルコール成分の90モル%以
    上が、1,4−シクロヘキサンジメタノールまたは前記
    グリコールであることを特徴とする請求項6〜8のうち
    いずれか1記載の電子写真用トナー。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の電子
    写真用トナーを含むことを特徴とする現像剤。
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