JP2009251138A - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラッシュ定着方式において、定着後に画像に光沢を付与する。
【解決手段】画像形成方法は、静電潜像担持体上表面を帯電させる工程と、前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を前記静電潜像担持体上に形成する工程と、前記トナー像を前記静電担持体から中間転写体を介してまたは介さずに転写体上に転写する工程と、前記転写体上に転写された前記トナー像を前記転写体に定着させる工程とを含み、前記トナーは結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤を含有するトナーであり、前記結着樹脂は非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を含有し、前記定着工程は転写体上に転写されたトナー像をフラッシュ光照射することにより加熱して定着する工程であり、さらに該定着工程の下流において、転写体を接触または非接触による加熱することにより画像光沢を付与する工程が設けられている。
【選択図】なし

Description

本発明は、画像形成方法および画像形成装置に関する。
電子写真における定着方法としては、加熱ロールまたは加熱ベルト等による用紙上のトナーを直接加圧しながら加熱し定着させる加熱加圧定着方式がよく用いられている。しかしながら、加熱加圧定着方式では、加熱加圧定着手段が用紙と直接接触するため、紙しわ、紙の伸び、紙詰まり等の問題が発生する可能性があり、また主に薄紙に対する画像定着を行っている加熱加圧手段を用い厚紙に画像定着を行う場合、厚紙に対して熱量が十分でないために十分な定着強度が得られず、厚紙への画像定着の生産性が低下する場合もあり、さらに加熱加圧手段を所定温度に到達させるためのプリント開始までのウォームアップ時間も必要となり、またオフセットによる画像汚れが発生しやすい等の問題が生じする可能性がある。
一方、フラッシュ光により瞬時にトナーを溶融させ定着させる閃光定着(フラッシュ定着)方式では、非接触定着であるため上記問題は起こらず、高速プリント適性に優れる利点を有している。
しかしながら、フラッシュ定着方式では、定着時に加圧されないため、画像最表面の平滑性が得られにくく、高光沢な定着像を得にくい場合がある。特にフルカラー画像においては、用紙の光沢と画像の光沢に差があると違和感のある画像となることから、用紙の光沢に即した画像光沢が得られることが求められている。このため、フラッシュ定着方式では、例えばフルカラー画像の高画質、高生産性の要求に対し十分な解決策が与えられていないのが現状である。
そこで、フラッシュ定着方式において、画像光沢を得る手段として、例えば、フラッシュランプにより印刷用紙上にトナーを定着させるフラッシュ定着装置と、該フラッシュ定着装置の後段に設けられ熱ローラにより印刷用紙上にトナーを定着させる熱ローラ定着装置とを備えたトナー定着装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかし、上述のような熱ローラ定着装置を用いた場合には、ローラ定着の欠点である用紙のしわ、伸びが発生することがあり、また厚紙に対しては熱量が十分でないために十分な光沢が得られないことがある。
特許文献2,3では、閃光を照射する閃光ランプと、該閃光ランプの後方に設けられていて上記画像支持体に、加熱ローラ内にヒータを設けて輻射熱を照射するトナー定着装置が開示されているが、トナーの組成については何ら開示されておらずまた、上記輻射熱定着も非接触定着であるため、フルカラー定着に適した高光沢を得るには不十分である。
また、カラーフラッシュ定着における高画質化の観点から、特許文献4には、損失弾性率G”/貯蔵弾性率G’)が3から6である非接触加熱定着用カラートナーが提案され、トナー粘弾性を制御し発色性を良くしたものが開示されいる。
また、特許文献5には、軟化点と融解熱の最大ピークの比が1.3より大きく4.0以下である非晶質ポリエステル及び軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比が0.6から1.3である結晶性ポリエステルを結着樹脂として含有し、高い定着性とボイド発生を防止する非接触定着用トナーが開示されている。
また、特許文献6には、フラッシュ定着を行う電子写真用トナーであって、少なくともバインダ樹脂及び着色剤を含み、トナーの損失弾性率が、100℃の温度で測定した時、2×10dyn/cm以下であり、140℃の温度で測定した時、2×10dyn/cm以下であり、180℃の温度で測定した時、2×10dyn/cm以上であるように構成された電子写真用トナーが開示されている。しかしながら、特許文献4から特許文献6のいずれも、特にコート紙などの光沢度の高い用紙を用いたときには定着画像の光沢が不十分であった。
特開昭61−230181号公報 特開昭54−111356号公報 特開昭56−116066号公報 特開2005−017442号公報 特開2004−077577号公報 特開平11−184142号公報
本発明は、主にその目的とする処は、フラッシュ定着方式において、フラッシュ定着後に、トナーの結着樹脂である結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂との相溶、非相溶挙動に着目し、トナー表面性がわずかな熱量で大きく変化することを利用して、定着後に画像に光沢を付与する画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
本発明は、以下の通りである。
(1)少なくとも、静電潜像担持体上表面を帯電させる工程と、前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を前記静電潜像担持体上に形成する工程と、前記トナー像を前記静電担持体から中間転写体を介してまたは介さずに転写体上に転写する工程と、前記転写体上に転写された前記トナー像を前記転写体に定着させる工程と、転写後の静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程を含む画像形成方法であり、前記トナーは少なくとも結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤を含有するトナーであって、前記結着樹脂は少なくとも、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を含有し、前記定着工程は、転写体上に転写されたトナー像を、フラッシュ光照射することにより加熱して定着する工程であり、さらに該定着工程の下流において、前記転写体を接触または非接触により加熱する工程を設けた画像形成方法である。
(2)上記(1)に記載の画像形成方法において、前記結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量(DSC)測定における吸熱ピーク温度をT(℃)が60℃以上100℃以下である画像形成方法である。
(3)上記(2)に記載の画像形成方法において、前記トナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度をT(℃)としたとき、前記加熱する工程において、転写体表面温度の最大値がT−30(℃)以上T(℃)以下である画像形成方法である。
(4)上記(2)に記載の画像形成方法において、前記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、T−Tg=ΔTとすると、ΔTは15℃以上50℃以下である画像形成方法である。
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の画像形成方法において、トナー100質量部に対し前記結晶性ポリエステル樹脂が4質量部以上40質量部以下の範囲で含まれている画像形成方法である。
(6)潜像担体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷現像用現像剤を用いて現像する現像手段と、現像されたトナー画像を中間転写体を介してまたは介さずに転写体上に転写する転写手段と、前記転写体上のトナー画像をフラッシュ光照射により定着する定着手段と、前記転写体を接触または非接触にて加熱して定着された画像に光沢を付与する光沢付与手段と、を含む画像形成装置であり、前記トナーは少なくとも結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤を含有するトナーであって、前記結着樹脂は少なくとも、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を含有し、前記結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量(DSC)測定における吸熱ピーク温度をT(℃)としたとき、Tが60℃以上100℃以下であり、前記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、T−Tg=ΔTとすると、ΔTは15℃以上50℃以下であり、前記光沢付与手段は、前記トナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度をT(℃)としたとき、前記転写体表面温度の最大値がT−30(℃)以上T(℃)以下となるように制御される画像形成装置である。
本発明によれば、従来のフラッシュ定着方式における画像形成方法に比べ、例えばコート紙などの光沢度の高い用紙を用いた場合においても、違和感のない十分な光沢を有する定着画像が得られる。
さらに詳細に説明すると、本願請求項1に係る発明によれば、非晶性ポリエステル樹脂と結着性ポリエステル樹脂を結着樹脂としたトナーを用いて、フラッシュ定着を行った後に、転写体(例えば、用紙)を加熱する工程を含むことにより、フラッシュ定着のみでは平滑化されない表面が、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化の挙動によって画像表面が平滑となり、その結果、高光沢な用紙に対しても違和感のない光沢を有した画像が得られる。
本願請求項2に係る発明によれば、結晶性ポリエステル樹脂の吸熱ピーク温度(すなわち、融点)Tを特定の範囲とすることにより、短時間の転写体(例えば、用紙)加熱であっても、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂が相溶してトナー定着画像中の非晶性ポリエステル部分が可塑化された状態となり、トナー表面のみが軟化した状態となって、定着画像表面が十分に平滑化させる。
本願請求項3に係る発明によれば、転写体(例えば、用紙)加熱温度を特定の範囲とすることで、光沢を得るのに十分な熱を加えるとともに、光沢ムラやにじみ等の2次障害が防止される。
本願請求項4に係る発明によれば、トナーの結着樹脂である結晶性ポリエステル樹脂の吸熱ピーク温度(すなわち、融点)Tと非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgとの差を特定の範囲とすることにより、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂との相溶、非相溶挙動を制御して、フラッシュ定着において、トナーを加熱冷却して画像を転写体に定着させ、一方光沢付与における転写体の加熱において、転写体を結晶性ポリエステル樹脂の吸熱ピーク温度T近傍まで加熱すると、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂が相溶してトナー定着画像中の非晶性ポリエステル部分が可塑化された状態となり、トナー表面のみが軟化した状態となり、これにより、定着画像表面を十分に平滑にすることができる。
本願請求項5に係る発明によれば、結晶性ポリエステル樹脂の添加量を特定の範囲とすることにより、定着画像表面に、さらに十分な光沢が付与される。
本願請求項6に係る発明によれば、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを結着樹脂としたトナーを用いて、フラッシュ定着を行った後に、転写体(例えば、用紙)を加熱する光沢付与手段を含むことにより、フラッシュ定着のみでは平滑化されない表面が、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化の挙動によって画像表面が平滑となり、その結果、高光沢な用紙に対しても違和感のない光沢を有した画像が得られる。
<画像形成方法>
本実施の形態の画像形成方法は、静電潜像担持体上表面を帯電させる工程と、前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を前記静電潜像担持体上に形成する工程と、前記トナー像を前記静電担持体から中間転写体を介してまたは介さずに転写体上に転写する工程と、前記転写体上に転写された前記トナー像を前記転写体に定着させる工程と、転写後の静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程を含む画像形成方法であり、前記トナーは少なくとも結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤を含有するトナーであって、前記結着樹脂は少なくとも、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を含有し、前記定着工程は、転写体上に転写されたトナー像を、フラッシュ光照射することにより加熱して定着する工程であり、さらに該定着工程の下流において、前記転写体を接触または非接触による加熱することにより画像光沢を付与する工程が設けられている。
さらに、本実施の形態の他の画像形成方法では、上記結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量(DSC)測定における吸熱ピーク温度をT(℃)としたとき、Tが60℃以上100℃以下である。
また、本実施の形態の他の画像形成方法では、上記トナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度をT(℃)としたとき、上記光沢付与工程において、転写体表面温度の最大値がT−30(℃)以上T(℃)以下であり、好ましくはT−10(℃)以上T(℃)以下である。T−30(℃)未満ではトナー表面の軟化が不十分であり、平滑な画像を得難い。T(℃)より高い場合には、用紙界面近傍のトナーまで軟化してしまい用紙の微小な影響を受けやすくなり、光沢ムラが発生しやすくなり、また画像のにじみなどが発生することがある。また、光沢付与工程における光沢付与時間は、1秒から5分、好ましくは1秒から2分、より好ましくは1秒から60秒である。但し、光沢付与時間は、上記転写体表面温度に応じトナー画像表面の軟化に適した時間で適宜選択される。
さらに、本実施の形態の他の画像形成方法では、上記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、トナー中の結着樹脂における結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂は、T−Tg=ΔTのとき、ΔTが15℃以上50℃以下であり、好ましくはΔTが20℃以上45℃以下となるように、後述する結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂からその組み合わせが選択される。ΔTが15℃未満の場合には、トナー表面の可塑化が著しくなり、用紙表面の影響を受けやすくなり光沢ムラなどが発生しやすくなり、またプリント画像の保管性が悪化することがある。一方ΔTが50℃を超えると、トナー画像表面が軟化し難くなり十分な光沢付与が困難となり、また光沢付与工程に必要な熱量が大きくなるため転写体である用紙に染み込み画像ムラが発生する場合がある。
本実施の形態の画像形成方法によれば、平滑度の高い高光沢な定着画像を得られるメカニズムは必ずしも明確ではないものの、以下のような機構が働いているものと推測される。すなわち、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を含有したトナーを、フラッシュ定着で定着させた場合には、トナー表面は急速に温度が上昇した後、再び急速に温度が低下する。このとき、転写体(例えば、用紙)そのものの温度変化はわずかである。このため、定着直後のトナー表面近傍では極端な過冷却状態にあり、完全に固化していない状態にあるものと考えられる。この定着後に再度用紙を結晶性ポリエステル樹脂の吸熱ピーク温度T(すなわち、融点)近傍まで加熱すると、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂が相溶して非晶性ポリエステル樹脂部分が可塑化された状態となり、トナー表面のみが軟化した状態となる。このとき、転写体(例えば、用紙)とトナー画像との界面では、フラッシュ定着における過冷却が小さいため、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との相溶化は小さいため、定着トナー画像表面に比べ、界面部分のトナーの粘度は高い状態にある。したがって、光沢付与工程における加熱により、トナー画像表面のみが局所的に軟化し、一方、転写体(例えば、用紙)とトナー画像との界面では、転写体の凹凸に影響されずに均一なトナーの固化が起こり、結果として定着画像の高い表面平滑性が得られるものと推定される。
<静電荷現像用トナー>
本実施の形態の静電荷現像用トナー(以下「トナー」と略す場合がある)は、上述したように、結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤を含有し、前記結着樹脂は少なくとも、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を含有する。以下、本実施の形態のトナーを構成する成分について詳細に説明する
(結晶性ポリエステル樹脂)
本実施の形態の結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を含有する。結晶性ポリエステル樹脂としては、後述する公知の樹脂を用いることができる。結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量(DSC)測定における吸熱ピーク温度Tは、60℃以上110℃以下である。吸熱ピーク温度Tが110℃を超える場合には、定着画像の光沢を得るために転写体(例えば、用紙)を高温に加熱しなければならず、光沢付与に必要なエネルギーが増大するとともに、非晶性ポリエステル樹脂が過剰に溶融するために、非晶性ポリエステルの粘度が低下して、例えば用紙へトナーが染み込み、このトナーの染み込みによる画像のムラや画像のにじみなどが発生する場合があり、好ましくない。一方、吸熱ピーク温度Tが60℃未満の場合には、プリント直後の用紙を重ねた時の裏面への汚れが発生する他、高温での定着画像の保管性が悪化する場合がある。
また、結晶性ポリエステル樹脂はトナー100質量部に対し、4質量部以上40質量部以下である。結晶性ポリエステル樹脂が4質量部未満の場合には、非晶性ポリエステル樹脂を可塑化させるためには十分な量でないために、平滑な画像表面が得られ難い。一方、結晶性ポリエステル樹脂が40質量部より多い場合には、トナーの粘弾性が結晶性ポリエステル樹脂の吸熱ピーク温度T近傍で急激に変化しやすくなるため、過剰なトナー溶融が起こり、転写体(例えば用紙)への染み込み、ムラや微小な光沢ムラが発生しやすくなる。
−結晶性ポリエステル樹脂−
本発明における結晶性ポリエステル樹脂について、以下に説明する。なお、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、明確な吸熱ピークを有するものを指す。本発明の静電荷像現像用トナーに用いられる『結晶性』とは、示差走査熱量測定(DSC)において、明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が6℃以内であることを意味する。
また、結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、4000以上であることが好ましく、6000以上であることがより好ましい。数平均分子量(Mn)が、4000未満であると、定着時にトナーが紙等の記録媒体の表面へしみ込んで定着ムラを生じたり、定着画像の耐折り曲げ強度が低下してしまう場合がある。
結晶性ポリエステルは、酸(ジカルボン酸)成分と、アルコール(ジオール)成分とから合成されるものである。以下、酸(ジカルボン酸)成分と、アルコール(ジオール)成分について、さらに詳しく説明する。尚、本発明では、結晶性ポリエステルの主鎖に対して、他成分を50質量%以下の割合で共重合した共重合体も結晶性ポリエステルとする。
上記酸(ジカルボン酸)成分としては、脂肪族ジカルボン酸が含まれていることが好ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,10−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記酸(ジカルボン酸)成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸成分のほか、二重結合を持つジカルボン酸成分の構成成分が含まれていても良い。尚、前記二重結合を持つジカルボン酸成分には、二重結合を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、二重結合を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。
前記二重結合を持つジカルボン酸は、その二重結合を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、定着強度を得るために好適に用いることができる。このようなジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。また脂肪族ジカルボン酸化合物以外にカルボン酸成分に含まれていてもよい2価のカルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式カルボン酸;及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。3価以上の多価カルボン酸成分としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の脂肪族カルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環式カルボン酸;及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等が挙げられる。
一方、前記アルコール(ジオール)成分としては脂肪族ジオールが含まれていることが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられるが、この限りではない。
一方、必要に応じて、二重結合を持つジオール成分が3価以上の多価アルコール等の構成成分が含まれていても良い。
前記二重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。3価以上の多価アルコール成分としては、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の脂肪族アルコール;1,4−ソルビタン等の脂環式アルコール等が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては特に制限はなくカルボン酸成分とアルコール成分を反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
前記結晶性ポリエステルの製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合はあらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定のカルボン酸成分またはアルコール成分とを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
前記結晶性ポリエステルの製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、およびアミン化合物等が挙げられ、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
また、結晶性ポリエステル末端の極性基を封鎖し、トナー帯電特性の環境安定性を改善する目的において単官能単量体が結晶性ポリエステルに導入される場合がある。
単官能単量体としては、安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、n−ドデシルアミノカルボニル安息香酸、ターシャリーブチル安息香酸、ナフトエ酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、及びこれらの低級アルキルエステル等のモノカルボン酸類;又は脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環族アルコール等のモノアルコール;を用いることができる。
−非晶性ポリエステル樹脂−
本実施の形態のトナーに用いる非晶性ポリエステル樹脂としては、公知の非晶性ポリエステル樹脂が利用できる。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)の範囲は、好ましくは45℃以上85℃以下であり、より好ましくは50℃以上75℃以下である。ガラス転移温度(Tg)が45℃よりも低いとトナーの保存が困難となる場合があり、85℃よりも高いと定着における消費エネルギーが増加する場合がある。
また、非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は5000以上100000以下の範囲であることが好ましいが、低温定着性と機械強度の観点から、重量平均分子量(Mw)は8000以上50000以下の範囲であることがより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の製造方法は、前述した結晶性ポリエステル樹脂の製造方法と同様に、特に制限はなく、結晶性ポリエステルと同様に一般的なポリエステル重合方法で製造することができる。
非晶性ポリエステル樹脂の合成に用いる酸(ジカルボン酸)成分としては、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた種々のジカルボン酸を同様に用いることができる。特に、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が好ましく用いられる。前記アルコール(ジオール)成分としても、非晶性ポリエステル樹脂の合成に用いる種々のジオールを用いることができるが、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた脂肪族ジオールに加えて、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物や水素添加ビスフェノールA等を用いることができる。また、酸(ジカルボン酸)成分、アルコール成分とも複数の成分を含んでもよい。
また、前述した結晶性ポリエステル樹脂と同様に、非晶性ポリステル樹脂末端の極性基を封鎖し、トナー帯電特性の環境安定性を改善する目的において単官能単量体が非晶性ポリエステル樹脂に導入される場合がある。単官能単量体としては、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた種々の化合物を用いることができる。
−赤外線吸収材料、着色剤、その他の成分−
上記赤外線吸収材料として、公知の赤外線吸収剤を用いることができるが、特に800μm以上1200μm以下の波長域に吸収ピークを有するものが好ましい。例えば、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ジイモニウム化合物、アミニウム化合物、ニッケル錯体化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物等を用いることができる。
具体的な赤外線吸収剤としては、ニッケル金属錯体系赤外線吸収剤(三井化学社製:SIR−130、SIR−132)、ビス(ジチオベンジル)ニッケル(みどり化学社製:MIR−101)、ビス[1,2−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2−エチレンジチオレート]ニッケル(みどり化学社製:MIR−102)、テトラ−n−ブチルアンモニウムビス(シス−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジチオレート)ニッケル(みどり化学社製:MIR−1011)、テトラ−n−ブチルアンモニウムビス[1,2−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2−エチレンジチオレート]ニッケル(みどり化学社製:MIR−1021)、ビス(4−tert−1,2−ブチル−1,2−ジチオフェノレート)ニッケル−テトラ−n−ブチルアンモニウム(住友精化社製:BBDT−NI)、シアニン系赤外線吸収剤(富士フィルム社製:IRF−106、IRF−107)、シアニン系赤外線吸収剤(山本化成社製、YKR2900)、アミニウム、ジイモニウム系赤外線吸収剤(長瀬ケムテック社製:NIR−AM1、IM1)、イモニウム化合物(日本カーリット社製:CIR−1080、CIR−1081)、アミニウム化合物(日本カーリット社製:CIR−960、CIR−961)、アントラキノン系化合物(日本化薬社製:IR−750)、アミニウム系化合物(日本化薬社製:IRG−002、IRG−003、IRG−003K)、ポリメチン系化合物(日本化薬社製:IR−820B)、ジイモニウム系化合物(日本化薬社製:IRG−022、IRG−023)、ジアニン化合物(日本化薬社製:CY−2、CY−4、CY−9)、可溶性フタロシアニン(日本触媒社製:TX−305A)、ナフタロシアニン(山本化成社製:YKR5010、山陽色素社製:サンプル1)、無機材料系(信越化学社製:イッテルビウムUU−HP、住友金属社製:インジュームチンオキサイド)等が挙げられる。これらの中で、光定着を行う場合には、ジイモニウム、アミニウム、ナフタロシアニン、シアニンが良好である。またブラックトナーについては、上記の赤外線吸収剤の代わりとして、カーボンブラック、マグネタイト、フェライト等の黒色着色剤を赤外線吸収剤として用いてもよい。
フラッシュ定着用トナー粒子中における赤外線吸収材料の含有濃度は、0.1重量%〜5重量量%の範囲が好ましく、0.3質量%〜2質量%の範囲がより好ましい。有機系赤外線吸収材料の含有濃度が、0.1重量%よりも小さい場合には、光エネルギー吸収性能が低下し、定着不良を招き、一方、5重量%よりも大きい場合には、定着性能は良好であるものの、定着時のボイドの発生や、トナーの色相変化などの不具合を招く。
また、フラッシュ定着用トナーは、結着樹脂と着色剤と赤外線吸収材料の他に、トナーの内部に含有・分散させて使用する内部添加剤として、定着性を調整するワックスや、帯電を調整する帯電制御剤等を少なくとも1種類以上含有してもよい。
着色剤としては、公知の有機、もしくは、無機の顔料や染料、油溶性染料を使用することができる。
シアントナーの場合においては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同23、同60、同65、同73、同83、同180、C.I.バットシアン1、同3、同20等や、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーの部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのシアン顔料、C.I.ソルベントシアン79、162等のシアン染料などを用いることができる。
マゼンタトナーの場合においては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同50、同51、同52、同53、同54、同55、同57、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同163、同184、同202、同206、同207、同209等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどを用いることができる。
イエロートナーの場合においては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、同3、同15、同16、同17、同74、同97、同180、同185、同139等のイエロー顔料などを用いることができる。
ブラックトナーにおいては、その着色剤として、例えば、カーボンブラック、活性炭、チタンブラック、鉄粉、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、Mn含有の非磁性粉などを用いることができる。さらに、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー顔料を混合した顔料ブラックトナーでもよい。
これらの着色剤は、トナー粒径や現像量に依存するが、一般にトナー100重量部に対して1〜20重量部程度の割合が適切である。
定着性の調整及び画像表面の保護等の観点から、ワックスを添加してもよい。ワックスとしては次のようものが例示できる。エステルワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンまたはポリエチレンとポリプロピレンの共重合物、ポリグリセリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス、脱酸カルナバワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリンアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
ワックスの、フラッシュ定着用トナーに対する添加量は、10質量%以下が好ましく、8質量%の範囲がより好ましい。ワックスの添加量が、10質量%より多いと、トナーの粉体流動性が悪化し、静電潜像を形成する感光体表面に遊離ワックスが付着して、静電潜像が正確に形成できなくなる。
またフラッシュ定着用トナーの帯電安定性、維持性獲得の観点から、帯電制御剤を添加してもよい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものを用いることができ、例えば、正帯電性の帯電制御剤として、ニグロシン染料、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、およびこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩、およびこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料;高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物、アミノアクリル系樹脂などが挙げられる。
また、負帯電性の帯電制御剤としては、トリメチルエタン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基及び/またはスルホニル基を含有する樹脂、等が好ましく用いられる。これらの帯電制御剤は、1種単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
フラッシュ定着用トナーの製造方法としては公知の手法を用いることができるが、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法等を用いることができる。混練粉砕法としては、例えば以下の方法にて製造することができる。まず、上述の結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤等の成分を混合した後、溶融混練を行う。溶融混練機としては、三本ロール型、一軸スクリュー型、二軸スクリュー型、バンバリーミキサー型が挙げられる。得られた混練物を粗粉砕した後、例えば、マイクロナイザー、ウルマックス、ジェット−O−マイザー、ジェットミル、クリプトロン、ターボミル等の粉砕機により粉砕を行い、エルボージェット、ミクロプレックス、DSセパレーターなどの分級装置により分級処理を施してトナーを得ることができる。
また、特許第2547016号明細書や特開平6−250439号公報等の乳化重合凝集法によりトナーを製造してもよい。乳化重合凝集法は、通常1ミクロン以下の、微粒化された原材料を出発物質とするため原理的に小径トナーを効率的に作製することができる。この製造方法は、一般に乳化重合などにより樹脂分散液を作成し、一方同じ液体中に着色剤を分散した着色剤分散液を作成し、これらの樹脂分散液と着色剤分散液を混合し、トナー粒径に相当する凝集粒子を形成し、その後加熱することによって凝集粒子を融合合一しトナーを得ることができる。
フラッシュ定着用トナーの体積平均粒径としては、3μm〜15μmの範囲が好ましく、5μm〜12μmの範囲がより好ましい。体積平均粒径が、3μmより小さいと、トナー飛散による機内汚染が発生したり、静電潜像担持体上のトナークリーニングが困難になる場合がある。一方、体積平均粒径が、15μmより大きいと、高精細な画像形成が困難となる場合がある。
更に、フラッシュ定着用トナーの長期保存性、流動性、現像性、転写性をより向上させる為に、添加剤として、無機粉、樹脂粉等の外添剤をトナー表面に外添してもよい。
この無機粉としては例えば、シリカ粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられる。樹脂粉としては、例えばスチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、エチレン系重合体などのビニル系重合体や、エステル系、メラミン系、アミド系、アリルフタレート系などの各種重合体、フッ化ビニリデンなどのフッ素系重合体等の球形粒子や、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、高級アルコールなどの不定形粉末が挙げられる。これら添加剤の添加量は、フラッシュ定着用トナー粒子に対して、好ましくは0.2質量%〜4質量%の範囲、より好ましくは0.5〜3質量%の範囲で添加される。
上記外添剤は、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機により充分混合し、トナー表面に外添させることができる。
(電子写真用現像剤)
本発明の電子写真用現像剤は、トナーのみからなる1成分現像剤としても、キャリアと、電子写真用トナーとからなる2成分現像剤としても好適に用いることができるが、高速適性の観点から2成分現像剤であることがより好ましい。
2成分現像剤は、公知の手法により、磁性を有するキャリアと、本発明の電子写真用トナーと、を混合処理することにより得ることができる。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。キャリアとしては例えば、芯材表面に被覆樹脂を被覆した樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアを挙げることができる。またキャリアは、マトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金属(例えば、金、銀、銅等)やカーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、キャリアの芯材としては、磁性金属(例えば、鉄、ニッケル、コバルト等)、磁性酸化物(例えば、フェライト、マグネタイト等)、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、キャリアの芯材は磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、10μm以上500μm以下の範囲が好ましく、30μm以上100μm以下の範囲がより好ましい。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適正等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、(1)キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、(2)被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、(3)キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、(4)ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
キャリアを含んだ現像剤における、トナーとキャリアの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲が好ましく、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
<画像形成装置>
次に、本実施の形態の画像形成装置の一例について説明する。
本発明の定着工程は、転写体上に転写されたトナー像を、フラッシュ光照射することにより加熱して定着する工程であり、フラッシュランプとしてはキセノンランプ、ネオンランプ、アルゴンランプ、クリプトンランプ等を用いることができる。光源の発光エネルギーは、1.0J/cm以上7.0J/cm以下の範囲であることが好ましい。
図1は、本発明の画像形成方法により画像を形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示した画像形成装置100は、像担持体101、帯電器102、像書き込み装置103、現像器104、転写ロール105、クリーニングブレード106、フラッシュ定着機107、非接触の光沢付与加熱部材108a,108bを含む画像形成手段を備えている。
像担持体101は、全体としてドラム状に形成されたもので、その外周面(ドラム表面)に感光層を有している。この像担持体101は、矢印A方向に回転可能に設けられている。帯電器102は、像担持体101を一様に帯電するものである。像書き込み装置103は、帯電器102によって一様に帯電された像担持体101に像光を照射することにより、静電潜像を形成するものである。
現像器104は、フラッシュ定着用トナーを収容し、このフラッシュ定着用トナーを、像書き込み装置103により静電潜像が形成された像担持体101表面に供給し、現像を行い、像担持体101表面にトナー像を形成する。転写ロール105は、図示しない用紙搬送手段によって矢印B方向に搬送される記録用紙(画像出力媒体または転写体)を像担持体101との間で挟持しつつ、像担持体101表面に形成された前記トナー像を記録用紙に転写するものである。記録用紙に転写されたフラッシュ定着用トナーは、フラッシュ定着装置107により記録用紙に定着される。クリーニングブレード106は、転写後に像担持体101表面に残った前記電子写真用トナーをクリーニング(除去)するものである。
また、記録用紙進行方向に対しフラッシュ定着機107の下流側には、非接触の光沢付与加熱部材108a,108bが、記録用紙を挟むように設けられている。光沢付与加熱部材108a,108bは、例えば赤外線ランプまたは加熱ヒータであり、記録用紙とは非接触で、輻射熱により記録用紙を加熱する。光沢付与加熱部材108a,108bは、上述したように、上記結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量(DSC)測定における吸熱ピーク温度をT(℃)とし、また、上記トナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度をT(℃)としたとき、転写体表面温度の最大値がT−30(℃)以上T(℃)以下であり、好ましくはT−10(℃)以上T(℃)以下となるように制御される。なお、光沢付与加熱部材108a,108bは、記録用紙に非接触であるため、両面印刷の場合に、両面の画像光沢が均一になる。ここで、光沢付与加熱部材108a,108bにおける記録用紙の輻射熱照射時間は、上述したように、1秒から5分、好ましくは1秒から2分、より好ましくは1秒から60秒である。但し、光沢付与時間は、転写速度と、上記転写体表面温度に応じトナー画像表面の軟化に適した時間で適宜選択される。
また、図2には、図1に示す画像形成装置100の光沢付与加熱部材108a,108bに代えて、接触式の光沢付与加熱ローラ117a,117bが、記録用紙を挟むように設けられ、光沢付与加熱ローラ117a,117bの内部には、それぞれ加熱ヒータ118a,118bが設けられている。なお、接触式の光沢付与加熱ローラ117a,117bの加熱条件は、上述した光沢付与加熱部材107a,107bと同様であるため、ここでの説明は省略する。
図3は、本発明の画像形成方法によりフラッシュ定着によるフルカラー画像の形成のための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示した画像形成装置200は、像担持体201、帯電器202、像書き込み装置203、ロータリー現像装置204、一次転写ロール205、クリーニングブレード206、中間転写体207、複数(図では3つ)の支持ロール208,209,210、二次転写ロール211、フラッシュ定着機212、非接触の光沢付与加熱部材220a,220b等を備えて構成されている。
像担持体201は、全体としてドラム状に形成されたもので、その外周面(ドラム表面)に感光層を有している。この像担持体201は図3の矢印C方向に回転可能に設けられている。帯電器202は、像担持体201を一様に帯電するものである。像書き込み装置203は、帯電器202によって一様に帯電された像担持体201に像光を照射することにより、静電潜像を形成するものである。
ロータリー現像装置204は、フラッシュ定着用のそれぞれイエロー用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用のトナーを収容する4つ現像器204Y,204M,204C,204Kの有するものである。本装置では、画像形成のための現像剤にトナーを用いることから、現像器204Yにはイエロー色トナー、現像器204Mにはマゼンタ色トナー、現像器204Cにはシアン色トナー、現像器4Kにはブラック色トナーがそれぞれ収容されることになる。このロータリー現像装置204は、上記4つの現像器204Y,204M,204C,204Kが順に像担持体201と近接・対向するように回転駆動することにより、それぞれの色に対応する静電潜像にトナーを転移してトナー像を形成するものである。
一次転写ロール205は、像担持体201との間で中間転写体207を挟持しつつ、像担持体201表面に形成されたトナー像をエンドレスベルト状の中間転写体207の外周面に転写(一次転写)するものである。クリーニングブレード206は、転写後に像担持体201表面に残ったトナーをクリーニング(除去)するものである。中間転写体207は、その内周面を、複数の支持ロール208,209,210によって張架され、矢印D方向及びその逆方向に周回可能に支持されている。二次転写ロール211は、図示しない用紙搬送手段によって矢印E方向に搬送される記録用紙(画像出力媒体)を支持ロール210との間で挟持しつつ、中間転写体207外周面に転写されたトナー像を記録用紙に転写(二次転写)するものである。フラッシュ定着機212は、記録用紙に転写されたトナー像をフラッシュ光により記録用紙に定着させるものである。
また、記録用紙進行方向に対しフラッシュ定着機212の下流側には、非接触の光沢付与加熱部材220a,220bが、記録用紙を挟むように設けられている。光沢付与加熱部材220a,220bは、例えば赤外線ランプまたは加熱ヒータであり、記録用紙とは非接触で、輻射熱により記録用紙を加熱する。光沢付与加熱部材220a,220bは、上述したように、上記結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量(DSC)測定における吸熱ピーク温度をT(℃)とし、また、上記トナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度をT(℃)としたとき、転写体表面温度の最大値がT−30(℃)以上T(℃)以下であり、好ましくはT−10(℃)以上T(℃)以下となるように制御される。なお、光沢付与加熱部材220a,220bは、記録用紙に非接触であるため、両面印刷の場合に、両面の画像光沢が均一になる。
光沢付与加熱部材220a,220bにおける記録用紙の輻射熱照射時間は、上述したように、1秒から5分、好ましくは1秒から2分、より好ましくは1秒から60秒である。但し、光沢付与時間は、転写速度と、上記転写体表面温度に応じトナー画像表面の軟化に適した時間で適宜選択される。
また、図4には、図2に示す画像形成装置200の光沢付与加熱部材220a,220bに代えて、接触式の光沢付与加熱ローラ230a,230bが、記録用紙を挟むように設けられ、光沢付与加熱ローラ230a,230bの内部には、それぞれ加熱ヒータ232a,232bが設けられている。なお、接触式の光沢付与加熱ローラ230a,230bの加熱条件は、上述した光沢付与加熱部材220a,220bと同様であるため、ここでの説明は省略する。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明を限定するものではない。なお、実施例中において特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
(トナー粒度及び粒度分布測定方法)
本発明におけるトナー粒度及び粒度分布測定は、測定装置としてはマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記マルチサイザーII型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して、体積平均粒径を求めた。測定する粒子数は50000であった。
(樹脂の重量平均分子量、分子量分布測定方法)
本発明において、結着樹脂等の分子量は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(樹脂微粒子、着色剤粒子等の体積平均粒径)
樹脂微粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
(樹脂のガラス転移温度および吸熱ピーク温度の測定方法)
結晶性ポリエステル樹脂の吸熱ピーク温度および非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ASTM D3418に準拠して、示差走査熱量計(島津製作所製:DSC−60A)を用いて得ることができる。この装置(DSC−60A)の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで昇温し、200℃で5分間ホールドし、200℃から0℃まで液体窒素を用いて−10℃/分で降温し、0℃で5分間ホールドし、再度0℃から200℃まで10℃/分で昇温を行う。2度目の昇温時の吸熱曲線から解析を行い、非晶性ポリエステル樹脂についてはオンセット温度をTgとし、結晶性ポリエステル樹脂については極大ピークより吸熱ピーク温度とする。
(トナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度Tの測定)
1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度Tは、レオメータARES(ティー・エイインスツルメント社製)によって測定した。測定の際の諸条件を以下のように設定して測定を行った。トナー試料はあらかじめ厚さ約2mmに圧縮成型したものを用いた。
・測定治具:パラレルプレート(直径25mm)
・ギャップ:2mm
・測定温度:80℃から200℃(昇温速度:1℃/分)
・周波数:1Hz
・歪み:0.1%からスタートしトルクに合わせて自動制御(最大20%)
測定により得られた温度とG’の関係から、G’が1×10Paとなる温度Tを求めることができる。
<実施例1>
(結着樹脂の作製)
<非晶性ポリエステル樹脂(A)の合成>
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物: 15モル%
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物: 35モル%
テレフタル酸: 50モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2.5時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が63℃、重量平均分子量(Mw)17000である非晶性ポリエステル樹脂(A)を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂(A)の合成>
コハク酸679.4部、ブタンジオール450.5部、フマル酸40.6部、ジブチルスズ2.5部をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下で240℃に加熱して6時間脱水縮合し結晶性ポリエステル樹脂(A)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)を前述の方法にて測定したところ14000であった。また、得られた結晶性ポリエステル樹脂(A)の吸熱ピーク温度を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ91℃であった。
(トナー1の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A) 83.5質量部
結晶性ポリエステル樹脂(A) 10質量部
シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3:大日精化社製) 4質量部
ポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製、商品名ポリワックス2000)2質量部
赤外線吸収剤(ジイモニウム系化合物、日本化薬社製:IRG−022) 0.5質量部
上記組成をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度100℃のエクストルーダーにより熱混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級し、体積平均粒径D50が8.2μmのトナー母粒子を得た。
このトナー母粒子100質量部と、ジメチルシリコーンオイル処理シリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名:RY200)0.7質量部をヘンシェルミキサーにより混合しシアントナー1を得た。このトナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度Tを測定したところ120℃であった。
また、上記シアン顔料の代わりに、イエロー顔料(C.I.Pigment Yellow 74:クラリアント社製)、マゼンタ顔料(C.I.Pigment Red 122:クラリアント社製)、カーボンブラック リーガル330:(キャボット社製)を用いて、それぞれイエロートナー1、マゼンタトナー1、黒トナー1を作製した。
<キャリアの調製>
フェライト粒子(平均粒径:50μm): 100重量部
トルエン: 14重量部
スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比:15/85): 2重量部
カーボンブラック: 0.2重量部
まずフェライト粒子を除く上記成分をサンドミルにて分散し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、攪拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリアを得た。
<現像剤の調製>
上記キャリア100重量部に対して、上記シアントナー1、イエロートナー1、マゼンタトナー1,黒トナー1の各トナー5重量部を混合し実施例1のシアン現像剤1、イエロー現像剤1、マゼンタ現像剤1、黒現像剤1を作製した。
<実施例2>
(シアントナー2の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A) 65.5質量部
結晶性ポリエステル樹脂(A) 28質量部
シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3) 4質量部
ポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製、商品名ポリワックス2000)2質量部
赤外線吸収剤(ジイモニウム系化合物、日本化薬社製:IRG−022) 0.5質量部
上記組成をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度100℃のエクストルーダーにより熱混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級し、体積平均粒径D50が8.2μmのトナー母粒子を得た。
このトナー母粒子100質量部と、ジメチルシリコーンオイル処理シリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名:RY200)0.7質量部をヘンシェルミキサーにより混合しシアントナー2を得た。このトナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度Tを測定したところ113℃であった。
<現像剤の調製>
上記キャリア100重量部に対して、上記シアントナー2の5重量部を混合し実施例2のシアン現像剤2を作製した。
<実施例3>
<結晶性ポリエステル樹脂(B)の合成>
コハク酸450.9部、エチレングリコール310.5部、イソフタル酸−5−スルホン酸ナトリウム201.0部、フマル酸58.0部、ジブチルスズ2.0部を結晶性ポリエステル樹脂(A)の調製の場合と同様の条件で脱水縮合し、結晶性ポリエステル樹脂(B)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)を前述の方法にて測定したところ16000であった。また、得られた結晶性ポリエステル樹脂(B)の吸熱ピーク温度を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ100℃であった。
(シアントナー3の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A) 83.5質量部
結晶性ポリエステル樹脂(B) 10質量部
シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3) 4質量部
ポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製、商品名ポリワックス2000)2質量部
赤外線吸収剤(ジイモニウム系化合物、日本化薬社製:IRG−022) 0.5質量部
上記組成をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度100℃のエクストルーダーにより熱混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級し、体積平均粒径D50が8.2μmのトナー母粒子を得た。
このトナー母粒子100質量部と、ジメチルシリコーンオイル処理シリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名:RY200)0.7質量部をヘンシェルミキサーにより混合しシアントナー3を得た。このトナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度Tを測定したところ124℃であった。
<現像剤の調製>
上記キャリア100重量部に対して、上記シアントナー3の5重量部を混合し実施例3のシアン現像剤3を作製した。
<実施例4>
<非晶性ポリエステル樹脂(B)の合成>
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物: 35モル%
シクロヘキサンジメタノール: 15モル%
テレフタル酸: 50モル%
を非晶性ポリエステル樹脂(A)の調製の場合と同様の条件で脱水縮合し、ガラス転移点が71℃、重量平均分子量(Mw)13000の非晶性ポリエステル樹脂(B)を得た。
(シアントナー4の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(B) 83.5質量部
結晶性ポリエステル樹脂(A) 10質量部
シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3) 4質量部
ポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製、商品名ポリワックス2000)2質量部
赤外線吸収剤(ジイモニウム系化合物、日本化薬社製:IRG−022) 0.5質量部
上記組成をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度100℃のエクストルーダーにより熱混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級し、体積平均粒径D50が8.2μmのトナー母粒子を得た。
このトナー母粒子100質量部と、ジメチルシリコーンオイル処理シリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名:RY200)0.7質量部をヘンシェルミキサーにより混合しシアントナー4を得た。このトナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度Tを測定したところ127℃であった。
<現像剤の調製>
上記キャリア100重量部に対して、上記シアントナー4の5重量部を混合し実施例3のシアン現像剤4を作製した。
<実施例5>
セバシン酸757.5部、1,10−デカンジオール870.0部、イソフタル酸−5−スルホン酸ナトリウム201.0部、フマル酸58.0部、ジブチルスズ2.0部を結晶性ポリエステル樹脂(A)の調製の場合と同様の条件で脱水縮合し、結晶性ポリエステル樹脂(C)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)を前述の方法にて測定したところ12000であった。また、得られた結晶性ポリエステル樹脂(C)の吸熱ピーク温度を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ78℃であった。
(シアントナー5の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A)(Tg=63℃) 83.5質量部
結晶性ポリエステル樹脂(C)(DSCによる吸熱ピーク温度:78℃) 10質量部
シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3) 4質量部
ポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製、商品名ポリワックス2000)2質量部
赤外線吸収剤(ジイモニウム系化合物、日本化薬社製:IRG−022) 0.5質量部
上記組成をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度100℃のエクストルーダーにより熱混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級し、体積平均粒径D50が8.2μmのトナー母粒子を得た。
このトナー母粒子100質量部と、ジメチルシリコーンオイル処理シリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名:RY200)0.7質量部をヘンシェルミキサーにより混合しシアントナー5を得た。このトナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度Tを測定したところ111℃であった。
<現像剤の調製>
上記キャリア100重量部に対して、上記シアントナー5の5重量部を混合し実施例3のシアン現像剤5を作製した。
<比較例1>
実施例1において用紙加熱を行わない以外は、実施例1に記載の現像剤を用い、以下に示す評価方法に基づき定着画像の光沢を評価した。
<比較例2>
(シアントナー6の作製)
結晶性ポリエステル樹脂(C)(DSCによる吸熱ピーク温度:78℃)93.5質量部
シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3) 4質量部
ポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製、商品名ポリワックス2000)2質量部
赤外線吸収剤(ジイモニウム系化合物、日本化薬社製:IRG−022) 0.5質量部
上記組成をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度100℃のエクストルーダーにより熱混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級し、体積平均粒径D50が8.2μmのトナー母粒子を得た。
このトナー母粒子100質量部と、ジメチルシリコーンオイル処理シリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名:RY200)0.7質量部をヘンシェルミキサーにより混合しシアントナー6を得た。このトナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度Tを測定したところ80℃であった。
<現像剤の調製>
上記キャリア100重量部に対して、上記シアントナー6の5重量部を混合し実施例3のシアン現像剤6を作製した。後述する画像形成においてボイドが発生した。
<比較例3>
(シアントナー7の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A)(Tg=63℃) 93.5質量部
シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3) 4質量部
ポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製、商品名ポリワックス2000)2質量部
赤外線吸収剤(ジイモニウム系化合物、日本化薬社製:IRG−022) 0.5質量部
上記組成をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度100℃のエクストルーダーにより熱混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級し、体積平均粒径D50が8.2μmのトナー母粒子を得た。
このトナー母粒子100質量部と、ジメチルシリコーンオイル処理シリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名:RY200)0.7質量部をヘンシェルミキサーにより混合しシアントナー7を得た。このトナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度Tを測定したところ127℃であった。
<現像剤の調製>
上記キャリア100重量部に対して、上記シアントナー7の5重量部を混合し実施例3のシアン現像剤7を作製した。
<実施例6>
[結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液1の調製]
結晶性ポリエステルA 50質量部
アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製) 2質量部
イオン交換水 200質量部
上記成分を120℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が180nmになったところで回収した。このようにして固形分20質量%の結晶性樹脂微粒子分散液1を得た。
[非晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液1の調製]
非晶性ポリエステル樹脂(A)を溶融状態にて、キャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクに試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cmの条件でキャビトロンを運転し、体積平均粒径160nm、固形分20質量%の非晶性ポリエステル樹脂分散液1を得た。
[着色剤分散液の調製]
−シアン着色剤分散液の調製−
シアン顔料(PigmentBlue15:3、大日精化社製) 20質量部
アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製) 2質量部
イオン交換水 80質量部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー(HJP30006、(株)スギノマシン製)により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20質量%の着色剤粒子分散液を得た。
[ワックス分散液の調整]
ポリエチレンワックス(商品名:ポリワックス1000:東洋ペトロライト社製)90重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC)3.6重量部と、イオン交換水360重量部とを混合し、100℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50にて十分分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径200nm、固形分20質量%の離型剤分散液を得た。
[赤外線吸収剤分散液の調製]
まず結晶性ポリエステル樹脂(A)80質量部と、赤外線吸収剤(ジイモニウム系化合物、日本化薬社製:IRG−022)20質量部をバンバリーミキサーで溶融混合後、粉砕し、内部に赤外線吸収剤を含有する結晶性ポリエステル樹脂(A−1)を得た。次いで、赤外線吸収剤含有結晶性ポリエステル(A−1) 50質量部
アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製) 2質量部
イオン交換水 200質量部
上記成分を120℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が180nmになったところで回収した。このようにして固形分20質量%の赤外線吸収剤含有結晶性樹脂微粒子分散液を得た。
[シアントナー8の作製]
結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液1(T=91℃) 180部
非晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液1(Tg=63℃) 500部
シアン着色剤分散液 40部
ワックス分散液 20部
赤外線吸収剤含有結晶性樹脂微粒子分散液 25部
イオン交換水 500部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.4部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。さらに加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら57℃まで加熱した。57℃で3時間保持した後、ここに非晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液1を緩やかに235部追加した。
その後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3リットルに再分散し、15分間、300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが6.88、電気伝導度8.4μS/cm、表面張力が7.02Nmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行い、次いで真空乾燥を12時間実施し体積平均粒径D50が7.5μmのトナー母粒子を得た。このトナー母粒子100質量部と、ジメチルシリコーンオイル処理シリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名:RY200)0.7質量部をヘンシェルミキサーにより混合しシアントナー8を得た。このトナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度Tを測定したところ116℃であった。
<現像剤の調製>
上記キャリア100重量部に対して、上記シアントナー8の5重量部を混合し実施例3のシアン現像剤8を作製した。
(評価方法)
図3に示すように、富士ゼロックス社製DocuColor 8000の定着装置をフラッシュ定着装置と光沢付与手段とを入れるように改造した改造機を用い、上記トナー、現像剤を入れて評価を行った。なお、フラッシュ定着装置は光定着器として700〜1500nmの波長範囲に高い発光強度を有するキセノンフラッシュランプを8本搭載した富士ゼロックス社製DocuPrint 1100CFに用いられているフラッシュ定着装置を用いた。さらに用紙排出部に非接触の光沢付与加熱部材108a,108bとして遠赤外線ランプを設け、用紙表面の温度は、表1に示すように調整し、20秒間光沢付与を行った。温度は非接触式温度計にて測定を行った。
(光沢度)
画像の光沢度はJIS Z 8741に基づき、Gloss Meter GM−26D(村上色彩技術研究所)を用い、入射角75°で測定した。また用紙は、富士ゼロックス製JDコート紙を用いた。
Figure 2009251138
本発明の画像形成方法および画像形成装置は、特に電子写真法、静電記録法等の用途に有用である。
本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。 本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の構成に関する他の例を示す概略図である。 本発明の画像形成方法のフルカラー画像形成に用いる画像形成装置の構成に関する一例を示す概略図である。 本発明の画像形成方法のフルカラー画像形成に用いる画像形成装置の構成に関する他の例を示す概略図である。
符号の説明
100 画像形成装置、101 像担持体、102 帯電器、103 像書き込み装置、104 現像器、105 転写ロール、106 クリーニングブレード、107 フラッシュ定着機、108a,108b 光沢付与加熱部材、200 画像形成装置、201 像担持体、202 帯電器、203 像書き込み装置、204 ロータリー現像器、204Y イエロー用現像器、204M マゼンタ用現像器、204C シアン用現像器、204K ブラック用現像器、205 転写ロール、206 クリーニングブレード、207 中間転写体、208,209,210 支持ロール、211 2次転写ロール、212 フラッシュ定着機、220a,220b 光沢付与加熱部材。

Claims (6)

  1. 少なくとも、静電潜像担持体上表面を帯電させる工程と、前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を前記静電潜像担持体上に形成する工程と、前記トナー像を前記静電担持体から中間転写体を介してまたは介さずに転写体上に転写する工程と、前記転写体上に転写された前記トナー像を前記転写体に定着させる工程と、転写後の静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程を含む画像形成方法であり、
    前記トナーは少なくとも結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤を含有するトナーであって、
    前記結着樹脂は少なくとも、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を含有し、
    前記定着工程は、転写体上に転写されたトナー像を、フラッシュ光照射することにより加熱して定着する工程であり、
    さらに該定着工程の下流において、転写体を接触または非接触により加熱する工程を設けたことを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量(DSC)測定における吸熱ピーク温度(T)が60℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記トナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度をT(℃)としたとき、前記加熱する工程において、転写体表面温度の最大値がT−30(℃)以上T(℃)以下であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、T−Tg=ΔTとすると、ΔTは15℃以上50℃以下であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
  5. トナー100質量部に対し前記結晶性ポリエステル樹脂が4質量部以上40質量部以下の範囲で含まれていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 潜像担体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷現像用現像剤を用いて現像する現像手段と、現像されたトナー画像を中間転写体を介してまたは介さずに転写体上に転写する転写手段と、前記転写体上のトナー画像をフラッシュ光照射により定着する定着手段と、前記転写体を接触または非接触にて加熱して定着された画像に光沢を付与する光沢付与手段と、を含む画像形成装置であり、
    前記トナーは少なくとも結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤を含有するトナーであって、
    前記結着樹脂は少なくとも、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を含有し、
    前記結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量(DSC)測定における吸熱ピーク温度をT(℃)としたとき、Tが60℃以上100℃以下であり、
    前記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、T−Tg=ΔTとすると、ΔTは15℃以上50℃以下であり、
    前記光沢付与手段は、前記トナーの1Hzにおける貯蔵弾性率G’が1×10Paとなる温度をT(℃)としたとき、前記転写体表面温度の最大値がT−30(℃)以上T(℃)以下となるように制御されることを特徴とする画像形成装置。
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