JP6409293B2 - 静電像現像用トナー、現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ - Google Patents

静電像現像用トナー、現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、静電像現像用トナー、現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジに関する。
昨今の環境配慮型商品の隆盛等により、植物由来の原材料を使用し、かつ低エネルギーでトナーを定着する技術が望まれている。
植物由来の原材料を使用した樹脂をトナー用材料として活用する手段として、結着樹脂に非晶性ポリ乳酸を使用する例がある(例えば特許文献1)。
特許文献2には、非晶性ポリ乳酸使用の結着樹脂を改質使用した静電像現像用トナーが提案されている。すなわち、特許文献2には、ポリ乳酸骨格のセグメントと、ポリ乳酸以外のポリエステル骨格のセグメントとをブロック共重合させてなる結着樹脂を用いたトナーであって、その特許請求の範囲記載の「ポリ乳酸骨格のセグメントを形成するL体乳酸とD体乳酸の光学異性体比率X(%)=|X(L体)−X(D体)|が80%以下」についての説明として、L体とD体のうちの一方が他方に比し非常に多くなることを避けることにより、ポリ乳酸骨格の結晶性が著しく増大することを防止して、重合法トナー及び改良重合法トナーの製造において必要な有機溶剤への溶解性を担保し、低温定着性と、長期保存性の双方に優れたトナーを提供することが開示(該公報段落[0018]他)されている。
しかし、この特許文献2記載の技術は、ポリ乳酸を使用したトナーの場合、着色剤が偏在するという問題の解決を志向したものとは言えない。
ポリ乳酸を使用すると、トナーとしたときに着色剤が偏在し、トナーの低温定着性や色特性に影響を与えるという問題がある。
本発明は、ポリ乳酸分を含む樹脂を結着樹脂に使用する静電像現像用トナーにおいて、ポリ乳酸特有の課題である、着色剤がトナー粒子内部に分散し難いという課題を解決し、並びに該トナーを用いた現像剤、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
本発明者等は、着色剤を用いたポリ乳酸分含有の結着樹脂について鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。すなわち本発明においては、ポリ乳酸部分を含有し、従来トナーにおける海島構造ほどには海と島の区別が明確でないが、海島構造に近い結着樹脂を含むトナー粒子からなるトナーの場合に、着色剤がトナー粒子内部に存在しやすいようにポリ乳酸とは異なる島(正確には島相当部分)をつくることで、着色剤の分散性を改善し、色特性や低温定着性に優れたトナーを提供することができる。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は、以下の(1)に記載のとおりのものである。
(1)「ポリ乳酸骨格を有する樹脂を含むトナーであって、該トナーの母体粒子の最表面からその中心部に向かって50nm以内の領域よりもさらに内部の領域に着色剤が存在し、前記内部領域における着色剤の面積率が5%以上であることを特徴とするトナー。」
本発明によれば、着色剤の分散が良好で、かつ色特性および低温定着性の高い静電画像形成用トナーを提供できる。
顔料の分散状態の一例を示す図である。 顔料の分散状態の一例を示す図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 図5の部分拡大図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
本発明は、上記(1)に記載の「トナー」に係るものであるが、この「トナー」は、以下の詳細な説明から理解されるように、つぎの(2)〜(9)に記載のような態様のものを包含する。また、本発明は、つぎの(10)〜(12)に記載される「現像剤」、「プロセスカートリッジ」、「画像形成装置」に係るものでもある。
(2)「前記内部領域における着色剤の面積率が10%以上30%以下であることを特徴とする前記(1)に記載のトナー。」
(3)「前記ポリ乳酸骨格を有する樹脂として、ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸以外のポリエステルセグメントとの共重合体を含むことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のトナー。」
(4)「前記共重合体は酢酸エチルに難溶な共重合体(A)であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のトナー。」
(5)「前記共重合体(A)におけるポリ乳酸セグメントの比が50wt%以下であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載のトナー。」
(6)「前記共重合体(A)が非晶性ポリエステルセグメントと非晶質ポリ乳酸セグメントの共重合体であることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載のトナー。」
(7)「前記ポリ乳酸骨格を有する樹脂として、さらに、結晶性ポリエステルセグメントと非晶質ポリ乳酸セグメントの共重合体(B)を含有することを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載のトナー。」
(8)「前記共重合体(B)が、グラフト共重合体であることを特徴とする前記(1)乃至(7)のいずれかに記載のトナー。」
(9)「含有比(共重合体(A)/共重合体(B))が50/50〜20/80であることを特徴とする前記(7)又は(8)に記載のトナー。」
(10)「前記(1)乃至(9)のいずれかに記載のトナーと、キャリアを含む現像剤。」
(11)「静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記トナーが、前記(1)乃至(9)のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。」
(12)「静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記トナーが、前記(1)乃至(9)のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。」
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂と、着色剤を含んでなり、更に必要に応じて、その他の成分を含む。
<結着樹脂>
(ポリ乳酸樹脂及びポリ乳酸部位)
本発明のトナーに用いる結着樹脂は、ポリ乳酸分を含む。
結着樹脂として用いるポリ乳酸分はポリ乳酸単独でもポリ乳酸と他の材料との共重合体、或いはポリ乳酸と他の樹脂分とのブレンドを用いても良い。前記共重合体における「他の材料」、或いはブレンドにおける「他の樹脂分」は、ポリエステル系のもの(変性ポリエステルを含む)であることが好ましい。
ポリ乳酸の製造においては一般公知の方法が用いられる。例えば、ポリ乳酸水溶液を適切な触媒の存在下、減圧脱水、加熱しながら直接脱水縮合する方法、あるいは、一度低分子量体のポリ乳酸を作成後、これを解重合し、二両体環状エステルであるラクチドを開環重合する方法で得られる。
ポリ乳酸は、光学異性体であるL−乳酸とD−乳酸があるが、本発明においてはこれらを併用してポリマーとすることで得られる非結晶性のポリ乳酸が好ましい。これは、トナーに要求される熱特性、すなわち加熱定着方式において適切な温度で熱溶融せしめるために、本来結晶性のポリ乳酸を一部非晶質化して用いるためである。
本発明においては、後ほど詳述するブロック共重合体A及びブロック共重合体Bのいずれも、非晶質とするためには、L体とD体の比は同じぐらいの方が好ましいが、ただ、L体とD体の比が同じぐらいになると、ガラス転移点の低い樹脂ができる。トナーとして用いるためには、ある程度Tgの高いものでないと、耐熱保存性などに影響を与えるため、どちらかが多い方が好ましくなる。であるので、トナーの耐熱保存性を維持する観点からは、どちらかが過剰な方が好ましく、経済性から、D型乳酸が少ないことがより好ましい。
但し、結着樹脂としてのブロック共重合体の一部非晶質化は、ポリ乳酸の共重合相手の樹脂分の種類、性質によっても左右されるところがある。
適切な配合比は、得られる樹脂のガラス転移温度を40℃乃至62℃、より好ましくは45℃から62℃の範囲とすることであり、そのためにL型乳酸とD型乳酸の比率は48:52〜95:5の範囲で任意に選択される。
また、D型乳酸が過剰であっても同様であり、48:52〜5:95の範囲から選択される。なかでもより好ましくは80:20〜95:5の範囲である。ポリ乳酸は、構造中でエステル結合部位が優越していることもあって、他の樹脂との相溶性がよい方ではない。
一部非晶質化してもこの傾向は本質的に残っている。したがって、本発明においては、他の樹脂とのブレンドとして用いることも可能ではあるが、他の樹脂成分と反応させた化学結合体として用いることがより好ましい。
(ポリ乳酸と共重合させる樹脂材料)
[ブロック共重合体A]
ポリ乳酸と共重合させる樹脂材料又は前駆体としては、特に規定はないが、例えばポリエステルやポリカーボネート、ポリエーテル、ヒドロキシル基を有するビニル樹脂、末端にヒドロキシル基を有するシリコーン樹脂及びそれらの前駆体等が挙げられる。
中でも、ポリエステルであることが好ましく、うち、非晶質ポリエステル及びその前駆体であることがより好ましい。
着色剤を分散させるためには、結着樹脂としてヒドロキシカルボン酸、特に1個の炭素原子にヒドロキシ基とカルボキシ基が共に結合した不斉炭素原子C含有ヒドロキシカルボン酸、が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない非晶質ポリエステルとポリ乳酸のブロック共重合体(A)を用いることが望ましい。ブロック共重合体(A)は従来公知の方法で得られるが、生産性の点からラクチド開環法が好ましく、バッチ式、連続式は問わない。非晶質ポリエステルを出発原料としてラクチドを開環重合して結着樹脂とすることが好ましい。ブロック共重合体(A)の結着樹脂中の重量比率は、10wt%以上100であることができるが、15wt%以上97wt%以下が好ましい。顔料分散の点から15wt%以上、定着幅や保存性の点から80wt%以下であることが好ましい。
ブロック共重合体(A)における非晶質ポリエステルの含有率は30wt%以上が好ましく、着色剤の分散性とポリ乳酸との親和性から50wt%以上80wt%以下がより好ましい。
前記非晶質ポリエステル分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステル及びそのための中間体(前駆体)などが挙げられる。
前記非晶質ポリエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。非晶質ポリエステルには、大別して、非線状の(分枝鎖を有する又はスター型の非芳香族系の主鎖を有する)ポリエステル分と、芳香族系部位を含有する線状ポリエステル分とを挙げることができる。該スター型の非芳香族系の主鎖を有するポリエステル分は、3官能性以上のポリオール又はポリカルボン酸を原料として添加することにより合成することができる。
非線状のポリエステル分の非芳香族系バルクセグメント構造は、低温定着性のための非晶質化に寄与するだけでなく、ポリ乳酸分を含む各種の重合体、共重合体相互間の親和化にも寄与するように思われる。すなわち、この非晶質ポリエステル分には、トナー物性の調節作用、前記該芳香族系部位を含有する非晶質ポリエステルと、後に詳細に説明する結晶性ポリエステル分を含むブロック共重合体(B)との相溶性を高める等々の好ましい作用も期待される。
また、芳香族系部位を含有する線状ポリエステル樹脂分は、主鎖のバルク構造を齎らし、トナーの耐熱保存性向上に寄与するだけでなく、結着樹脂における著しい極性を緩和し、着色剤の分散性向上にも有効であるように思われる。
しかし、これは単なる一例であって、他のもの例えば非芳香族系の分枝鎖とスター型構造を併せ有するものであっても無論よい。また、ポリアルキレンオキシド付加ビスフエノールA等のポリオール由来の芳香族系部位を有するものであっても、無論よく、かつ、好ましい。
そして、非晶質ポリエステル樹脂分は、未変性ポリエステル、及び、変性ポリエステル例えばウレタン(及び/又はウレア)変性ポリエステル、であることができ、かつかような変性ポリエステルは、以降の説明から理解されるように、耐熱保存性向上等々の幾多の好ましい点を有する。
このうち、2価の脂肪族アルコール成分と多価の芳香族カルボン酸成分とを構成成分に有する非晶質ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記ポリオールとしては、例えば、2価のジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記2価のジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、直鎖型脂肪族アルコール、分岐型脂肪族アルコール等の脂肪族アルコール(2価の脂肪族アルコール)などが挙げられる。これらの中でも、鎖炭素数が2〜36の脂肪族アルコールが好ましく、鎖炭素数が2〜36の直鎖型脂肪族アルコールがより好ましい。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記直鎖型脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらのうち、入手容易性を考慮するとエチレングリコール、1,3−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。これらの中でも、鎖炭素数が2〜36の直鎖型脂肪族アルコールが好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。これらの中でも多価の芳香族カルボン酸が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、直鎖型脂肪族ジカルボン酸、分岐型脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカンジカルボン酸、アルケニルコハク酸、アルケンジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。
前記アルカンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケニルコハク酸としては、例えば、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸などが挙げられる。
前記脂環式ジカルボン酸としては、例えば、炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸(2量化リノール酸)などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。
前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、例えば、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
なお、前記ジカルボン酸又は前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4のアルキルエステルを用いてもよい。前記炭素数1〜4のアルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなどが挙げられる。
着色剤を分散させるためには、非晶質ポリエステルが酢酸エチルに対して、難溶性であることが好ましい。なお、酢酸エチル100質量部及び着色剤分散樹脂40質量部の混合物を50℃で12時間放置した後の光路長1cmにおける波長が500nmの光の透過率が20%未満となることを、酢酸エチルに対して、難溶性であると定義する。
酢酸エチルに対する溶解性は、分子量、モノマーの骨格の対称性、立体障害等を調整することにより、制御することができる。なお、モノマーの骨格の対称性を下げたり、立体障害を大きくしたりすると、着色剤分散樹脂の酢酸エチルに対する溶解性を向上させることができる。
着色剤としてもトナー中に分散することが難しいものでは、ブロック共重合体(A)が酢酸エチルに対して難溶性であることがさらに好ましい。
[ブロック共重合体B]
低温定着性の観点から、結晶性ポリエステルとポリ乳酸のブロック共重合体(B)を主成分とすることが好ましく、ブロック共重合体(B)は結晶性ポリエステルを開始剤としてラクチドを開環重合して結着樹脂とすることが好ましい。
ここで、ポリエステルが結晶性であるか否かは、示差走査熱量測定(DSC測定)による融点の評価、広角X線回折による相対結晶化度などによって確認できる。但し、X線回析スペクトル(XD)におけるブラッグ(Bragg)角(2θ±2°)を測定するには、平行な複数光路のX線(通常は、Cu、Kα線を線源とするX線)が平行状態を保持したまま照射されるだけの広さを持った大きさの明確な結晶であることが必要である等の理由もあり、本発明においては示差走査熱量測定(DSC測定)により評価した。
前記結晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステル樹脂、ラクトン開環重合物、ω,ω’型−ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2価の脂肪族アルコール成分と2価の脂肪族カルボン酸成分とを構成成分に有する結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
前記ポリオールとしては、例えば、2価のジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記2価のジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族アルコール、分岐型脂肪族アルコール等の脂肪族アルコール(2価の脂肪族アルコール)、炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール、炭素数4〜36の脂環式ジオール、前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」を「AO」と略記することがある)、ビスフェノール類のAO付加物、ポリラクトンジオール、ポリブタジエンジオール、カルボキシル基を有するジオール、スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオール、これらの塩等のその他の官能基を有するジオールなどが挙げられる。これらの中でも、鎖炭素数が2〜36の脂肪族アルコールが好ましく、鎖炭素数が2〜36の直鎖型脂肪族アルコールがより好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記直鎖型脂肪族アルコールのジオール全体に対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80mol%以上が好ましく、90mol%以上がより好ましい。前記含有量が、80mol%以上であると、樹脂の結晶性が向上し、低温定着性と耐熱保存性との両立性が良く、樹脂硬度が向上する傾向にある点で有利である。
前記直鎖型脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点で、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが特に好ましい。
前記分岐型脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、鎖炭素数が2〜36の分岐型脂肪族アルコールが好ましい。前記分岐型脂肪族アルコールとしては、例えば、1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36の脂環式ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数3〜36の3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール;トリスフェノール類のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂のAO付加物(付加モル数2〜30);ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーとの共重合物等のアクリルポリオールなどが挙げられる。
前記炭素数3〜36の3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリンなどが挙げられる。
これらの中でも、3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、ノボラック樹脂のAO付加物がより好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジカルボン酸(2価の脂肪族カルボン酸)、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、直鎖型脂肪族ジカルボン酸、分岐型脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカンジカルボン酸、アルケニルコハク酸、アルケンジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。
前記アルカンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケニルコハク酸としては、例えば、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸などが挙げられる。
前記脂環式ジカルボン酸としては、例えば、炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸(2量化リノール酸)などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。
前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、例えば、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
なお、前記ジカルボン酸又は前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4のアルキルエステルを用いてもよい。前記炭素数1〜4のアルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなどが挙げられる。
前記ジカルボン酸の中でも、前記脂肪族ジカルボン酸を単独で用いることが好ましく、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸を単独で用いることがより好ましい。また、前記脂肪族ジカルボン酸と共に前記芳香族ジカルボン酸を共重合したものも同様に好ましい。共重合する前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、これら芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルが好ましい。前記アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなどが挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸の共重合量としては、20mol%以下が好ましい。
[結晶性ポリエステルC]
結晶性ポリエステルは結晶性を持つため、定着開始温度付近において急激な熱溶融特性を示す。このような特性を有する結晶性ポリエステル(C)を、ブロック共重合体(B)と共に用いることがより好ましい。溶融開始温度直前までは結晶性による耐ブロッキング性が維持され、溶融開始温度では結晶性ポリエステル(C)の融解による急激な粘度低下を起こし、トナーの溶融変形のトリガーとなると共に、加熱−圧縮変形した結着樹脂同士の隙間を充填し、良好な耐ブロッキング性と低温定着性とを兼ね備えたトナーが得られる。
なお、結晶性ポリエステル(C)は、ブロック共重合体(B)と単純にブレンドするのではなく、微粒子化した(C)の分散体を(B)中にちりばめることが好ましい。単純にブレンドした場合、トナー中で(C)が偏在し易く、品質が安定しない。
ブロック共重合体におけるポリ乳酸部のL体、D体比率は、L体/D体=70/30〜90/10を満たすことが好ましい。即ちポリ乳酸部が非晶質であることが好ましい。
L体比率が90/10以下であれば、ポリ乳酸部の結晶性が増大して低温定着性が損なわれるようなことはなく、必要な定着温度幅も得られる。また、加工性が悪化したり、生産性の悪化やコストアップを招くこともない。他方、L体比率が70/30以上であれば、熱膨張により取り扱い難くなるようなことはなく、存在比率の少ないD体を多く使うことによりコストアップとなることもない。なお、ポリ乳酸部のラセミ度については、基本的には仕込み保証となるが、必要に応じてキラルカラムを接続した熱分解GC/MSなど、公知の手法で比率を確認できる。
結晶性ポリエステルCとしては、炭素数が4〜12の飽和脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位と、炭素数が2〜12の飽和脂肪族ジオールに由来する構成単位とを有することが、優れた低温定着性を発揮できる点で好ましい。
この結晶性ポリエステルの融点は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが50〜80℃が好ましい。融点が50℃未満では、結晶性ポリエステルが低温で溶融し易く、トナーの耐ブロッキング性が低下することがある。また融点が80℃を超えると、定着時の加熱による結晶性ポリエステル(B)の溶融が不十分となり、低温定着性が低下することがある。
前記融点は、示差走査熱量計(DSC)測定におけるDSCチャートの吸熱ピーク値により測定することができる。
更にブロック共重合体Bは、カルボジイミド化合物からなる部分を0.3〜3重量%の範囲で含有していることが好ましい。これは、ポリ乳酸部の加水分解性を抑制する上で非常に重要である。0.3重量%未満では、初期酸価低減及び分解により生成したカルボキシル基及び水酸基の封鎖効果が発現せず、3重量%を超えると過剰量となりコストアップ要因となる。
<着色剤>
本発明のトナーに用いる着色剤としては、トナー用として公知の染料、顔料等を適宜使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ソルベントイエロー(21,77,114など)、ピグメントイエロー(12,14,17,83など)、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、ソルベントレッド(17,49,128,5,13,22,48・2など)、ディスパースレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ソルベントブルー(25,94,60,15・3など)、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末又はマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、重量基準で、本発明のトナーバインダー100部に対して、好ましくは0.1〜40部、更に好ましくは0.5〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、更に好ましくは40〜120部である。
<離型剤>
本発明のトナーに用いる離型剤としては、軟化点が50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワックス(例えば、カルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス及びライスワックスなど)、炭素数30〜50の脂肪族アルコール(例えば、トリアコンタノールなど)、炭素数30〜50の脂肪酸(例えば、トリアコンタンカルボン酸など)及びこれらの混合物等が挙げられる。
前記ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン及びこれらの混合物など)の(共)重合体[(共)重合により得られるもの及び熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素及び/又はオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えば、マレイン酸及びその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチルなど)による変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸など]及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル、マレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルなど]等との共重合体、ポリメチレン(例えば、サゾールワックス等のフィシャートロプシュワックスなど)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸カルシウムなど)、脂肪酸エステル(ベヘニン酸ベヘニルなど)が挙げられる。
また、本発明のトナーの熱特性としては、相対湿度90%条件下における50℃のTMA(熱機械分析)圧縮変形量(TMA%)を10%以下とすることが好ましく、より好ましくは7%以下である。TMA%が10%を超えると、夏場の輸送や海上輸送を想定した場合に容易に変形しうることになり、侵入度試験等によって得られた静的保存性やドライ条件下での保存性に優れていたとしても、誤差因子込みの動的条件下では保存性が悪いことになる場合がある。つまり、耐ブロッキング性が悪くなり、夏場の輸送や倉庫保管、複写機内温度等を考慮すると、容易にトナー同士が膠着し、搬送性や転写性が悪化し画質不良等を生じてしまう場合がある。
本発明のトナーは、上記した構成成分の他に、必要に応じて荷電制御剤、流動化剤等の種々の添加剤を含有させてもよい。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、セチルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム等が挙げられる。
トナー中の各構成成分の組成比(重量%)は、トナー全体を100重量%として、結着樹脂が、好ましくは30〜97%、更に好ましくは40〜95%、特に好ましくは45〜92%;着色剤が、好ましくは0.05〜60%、更に好ましくは0.1〜55%、特に好ましくは0.5〜50%;離型剤が、好ましくは0.1〜30%、更に好ましくは0.5〜20%、特に好ましくは1〜10%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20%、更に好ましくは0.1〜10%、特に好ましくは0.5〜7.5%;流動化剤が、好ましくは0〜10%、更に好ましくは0〜5%、特に好ましくは0.1〜4%である。
また、添加剤の合計含有量は、好ましくは3〜70%、更に好ましくは4〜58%、特に好ましくは5〜50%である。
組成比を上記範囲にすれば帯電性が良好なトナーを容易に得ることができる。
また、トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーは、混練粉砕法、乳化転相法、重合法等の従来公知の方法で得ることができる。例えば混練粉砕法を採用する場合には、流動化剤を除くトナーの構成成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、粗粉砕し、ジェットミル粉砕機等を用いて微粒化し、更に分級して体積平均粒径(D50)が5〜20μm程度の微粒子とした後、流動化剤を混合すればよい。なお、体積平均粒径(D50)は、コールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定できる。
乳化転相法を採用する場合には、流動化剤を除くトナーの構成成分を、有機溶剤に溶解又は分散した後、水を添加するなどしてエマルジョン化し、次いで分離、分級すればよい。
また、特開2002−284881号公報に記載の有機微粒子を用いる方法を採用してもよい。
トナーの製造方法のうち、トナー母粒子を形成する方法について詳しく説明する。
−水系媒体(水相)の調製−
水系媒体の調製は、例えば、樹脂粒子を水系媒体に分散させることにより行うことができる。樹脂粒子の水系媒体中の添加量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜10重量%が好ましい。
水系媒体としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水、水と混和可能な溶媒、これらの混合物、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも水が好ましい。
水と混和可能な溶媒としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セロソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。前記アルコールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、などが挙げられる。前記低級ケトン類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、などが挙げられる。
−油相の調製−
油相の調製は、有機溶媒中に、ブロック共重合体(A)、結晶性ポリエステル(B)、離型剤、着色剤などを含むトナー材料を、溶解乃至分散させればよい。
有機溶媒としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、除去が容易である点で、沸点が150℃未満の有機溶媒が好ましい。
前記沸点が150℃未満の有機溶媒としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
−乳化乃至分散−
乳化乃至分散は、前記トナー材料を含有する油相を、前記水系媒体中に分散させることにより行うことができる。分散液を安定に形成する方法には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系媒体相中に、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した油相を添加し、せん断力により分散させる方法、などが挙げられる。
前記分散のための分散機としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。これらの中でも、分散体(油滴)の粒子径を2〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記回転数には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、1,000〜30,000rpmが好ましく、5,000〜20,000rpmがより好ましい。
前記分散時間には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合、0.1〜5分間が好ましい。
前記分散温度には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加圧下において、0℃〜150℃が好ましい。
トナー材料を乳化乃至分散させる際の水系媒体の使用量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100重量部に対して、50〜2,000重量部が好ましく、100〜1,000重量部がより好ましい。
前記水系媒体の使用量が50重量部未満では、トナー材料の分散状態が悪くなって所定の粒子径のトナー母粒子が得られないことがあり、2,000重量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
前記トナー材料を含有する油相を乳化乃至分散する際には、油滴等の分散体を安定化させ、所望の形状にすると共に粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤などを用いることができる。
前記陰イオン界面活性剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、などが挙げられる。
−有機溶媒の除去−
前記乳化スラリー等の分散液から有機溶媒を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の有機溶媒を除去する方法、などが挙げられる。
有機溶媒が除去されるとトナー母粒子が形成される。トナー母粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、更に分級等を行うことができる。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離、などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
前記得られたトナー母粒子は、外添剤、帯電制御剤等の粒子と混合してもよい。このとき、機械的衝撃力を印加することにより、トナー母粒子の表面から外添剤等の粒子が脱離するのを抑制することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、などが挙げられる。
前記方法に用いる装置としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
<現像剤>
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
これにより、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。
なお、現像剤は、一成分現像剤であっても二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命が向上することから、二成分現像剤が好ましい。
前記現像剤を一成分現像剤として用いる場合、トナーの収支が行われてもトナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するブレード等の部材へのトナーの融着が少なく、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
前記現像剤を二成分現像剤として用いる場合、長期に亘るトナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
二成分系現像剤として用いる場合には、本発明のトナーとキャリアを混合して用いる。
キャリアの含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、90〜98重量%が好ましく、93〜97重量%がより好ましい。
−キャリア−
キャリアとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
−芯材−
芯材の材料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、マンガン−マグネシウム系材料などが挙げられる。また画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30〜80emu/gの銅−亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
芯材の体積平均粒子径には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、10〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。体積平均粒子径が10μm未満では、キャリア中に微粉が多くなり、一粒子当たりの磁化が低下してキャリアの飛散が生じることがある。また、150μmを超えると、比表面積が低下しトナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
<画像形成装置、画像形成方法>
本発明のトナーを用いた画像形成装置は、静電潜像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて適宜その他の手段を有する。
前記現像手段は、トナーを用いて静電潜像を現像して可視像を形成する手段である。
図3に示すカラー画像形成装置100は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下「感光体10」と称することがある)とを備える。
また、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像器40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50の近傍には、クリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されている。また、中間転写体50の近傍には、記録媒体としての転写紙95に現像像(トナー画像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が、中間転写体50に対向して配置されている。
中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー画像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
現像器40は、前記現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えている。イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えている。マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えている。シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が静電潜像担持体10と接触している。
図3に示すカラー画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光体ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光体ドラム10上に形成された静電潜像を、現像器40からトナーを供給して現像してトナー画像を形成する。該トナー画像が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
図4に、本発明の画像形成装置の他の一例を示す。画像形成装置100Bは、現像ベルト41を設けずに、感光体ドラム10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されている以外は、図3に示す画像形成装置100と同様の構成を有する。
図5は、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いた二成分現像装置の一例を示す概略図である。
この画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。
そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図5中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング手段17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光手段21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写手段22が配置されている。
二次転写手段22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写手段22の近傍には定着手段25が配置されている。
定着手段25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、画像形成装置においては、二次転写手段22及び定着手段25の近傍に、記録媒体の両面に画像形成を行うために該記録媒体を反転させるための反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成方法について説明する。
即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は、直ちにスキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。
このとき第1走行体33により光源からの光が照射されると共に、原稿面からの反射光が第2走行体34におけるミラーで反射され、結像レンズ35を通して読み取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。
即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18は、図6に示すように、それぞれ、静電潜像担持体10(感光体)と、該静電潜像担持体を一様に帯電させる帯電器160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図6中、L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像器61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための一次転写装置62と、クリーニング手段63と、除電装置64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。
こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれの色の感光体10上に形成された画像が、順次転写(一次転写)される。
そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つから記録媒体を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、記録媒体の紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間に記録媒体を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該記録媒体上に転写(二次転写)することにより、該記録媒体上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記記録媒体は、二次転写手段22により搬送されて、定着手段25へと送出され、定着手段25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該記録媒体上に定着される。その後、該記録媒体は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えて反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
図7に、本発明に関するプロセスカートリッジの一例を示す。
プロセスカートリッジ110は、感光体ドラム10、コロナ帯電器58、現像器40、転写ローラ80及びクリーニング装置90を有する。
本発明においては、上述の各構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成することができる。
以下、本発明を実施例に基き、更に詳細具体的に説明するが、これら実施例は、本発明に対する理解を容易ならしめるためのものであって、本発明を限定するためのものではない。実施例の記載中、「部」、「%」は、別段の断りないかぎり「質量部」、「質量%」を表わす。
[製造例1;非晶質ポリエステルa1の合成]
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてプロピレングリコールと1,3−プロパンジオールとをプロピレングリコール/1,3−プロパンジオール=80/20(モル比率)の割合になるように仕込み、ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチルを、OH基(ジオールのOH基)とCOOH基(テレフタル酸のCOOH基)のモル比率(OH/COOH)が1.2になるように仕込み、仕込んだ原料の質量に対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドを仕込み、メタノールを流出させながら反応させ、最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。その後、20mmHg〜30mmHgの減圧下にて4時間反応させ、線状ポリエステル樹脂である非晶質ポリエステルa1を得た。
[製造例2;非晶質ポリエステルa2の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ネオペンチルアルコール187.5部、エチレンオキサイド79.3部、テレフタル酸438.6部及び縮合触媒としてのテトラブトキシチタネート0.21部を入れ、窒素気流下、生成するメタノールを留去しながら、180℃で8時間反応させた。次に、230℃まで徐々に昇温し、窒素気流下、生成するメタノールを留去しながら4時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下、重量平均分子量が7460に達するまで反応させ、ガラス転移温度が68℃の非結晶質ポリエステルa2を得た。
[製造例3;非晶質ポリエステルa3の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ネオペンチルアルコール187.5部、エチレンオキサイド79.3部、テレフタル酸199.4部、イソフタル酸239.2部及び縮合触媒としてのテトラブトキシチタネート0.21部を入れ、窒素気流下、生成するメタノールを留去しながら、180℃で8時間反応させた。次に、230℃まで徐々に昇温し、窒素気流下、生成するメタノールを留去しながら4時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下、重量平均分子量が5800に達するまで反応させ、ガラス転移温度が52℃の非晶質ポリエステルa3を得た。
これら非晶質ポリエステルの特性を、次表に纏めて示す。
Figure 0006409293
[製造例4;結晶性ポリエステルb1の合成]
加熱乾燥した窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸を、OH/COOH=1.15の割合で仕込み、300ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に、常圧下、200〜230℃で10時間反応させ、更に10mmHg以下の減圧で5時間反応させて結晶性ポリエステルb1を得た。この樹脂の融点は55℃であった。
[製造例5;ポリ乳酸Pの合成]
500mLの四つ口セパラブルフラスコ中に、L−ラクチド255g、D−ラクチド45g(重量比でL体/D体=85/15)、及びエチレングリコールを1.8g投入し、40℃で5時間乾燥した後、内温を徐々に150℃まで昇温し、目視で系が均一化したことを確認した後、2−エチルヘキサン酸スズ50mgを投入して重合反応させた。この際、系の内温が190℃を超えないように制御した。2時間の反応時間経過後、系を175℃に冷却し、再び流出ラインに切り替え、10mmHgの条件下で60分間、脱ラクチドし、重合反応を完結させてポリ乳酸Pを得た。この樹脂の重量平均分子量(Mw)は25000であった。
[製造例6;ブロック共重合体A1の合成]
500mLの四つ口セパラブルフラスコ中に、L−ラクチド212g、D−ラクチド38g(重量比でL体/D体=85/15)、及び非晶質ポリエステルa1を250g投入し、40℃で5時間乾燥した後、内温を徐々に150℃まで昇温し、目視で系が均一化したことを確認した後、2−エチルヘキサン酸スズ50mgを投入して重合反応させた。この際、系の内温が190℃を超えないように制御した。2時間の反応時間経過後、系を175℃に冷却し、再び流出ラインに切り替え、10mmHgの条件下で60分間、脱ラクチドし、重合反応を完結させてブロック共重合体A1を得た。
[製造例7;ブロック共重合体A2の合成]
500mLの四つ口セパラブルフラスコ中に、L−ラクチド212g、D−ラクチド38g(重量比でL体/D体=85/15)、及び非晶質ポリエステルa2を250g投入し、40℃で5時間乾燥した後、内温を徐々に150℃まで昇温し、目視で系が均一化したことを確認した後、2−エチルヘキサン酸スズ50mgを投入して重合反応させた。この際、系の内温が190℃を超えないように制御した。2時間の反応時間経過後、系を175℃に冷却し、再び流出ラインに切り替え、10mmHgの条件下で60分間、脱ラクチドし、重合反応を完結させてブロック共重合体A2を得た。
[製造例8;ブロック共重合体A3の合成]
500mLの四つ口セパラブルフラスコ中に、L−ラクチド106g、D−ラクチド19g(質量比でL体/D体=85/15)、及び非晶質ポリエステa2を375g投入し、40℃で5時間乾燥した後、内温を徐々に150℃まで昇温し、目視で系が均一化したことを確認した後、2−エチルヘキサン酸スズ50mgを投入して重合反応させた。この際、系の内温が190℃を超えないように制御した。2時間の反応時間経過後、系を175℃に冷却し、再び流出ラインに切り替え、10mmHgの条件下で60分間、脱ラクチドし、重合反応を完結させてブロック共重合体A3を得た。
[製造例9;ブロック共重合体A4の合成]
製造例のa2の代わりにa3を用いてブロック共重合体A4を得た。
これらブロック共重合体Aの特性を、次表に纏めて示す。
Figure 0006409293
[製造例10;ブロック共重合体B1の製造]
500mLの四つ口セパラブルフラスコ中に、L−ラクチド212g、D−ラクチド38g(重量比でL体/D体=85/15)、及び結晶性ポリエステルb1を107g投入し、40℃で5時間乾燥した後、内温を徐々に150℃まで昇温し、目視で系が均一化したことを確認した後、2−エチルヘキサン酸スズ50mgを投入して重合反応させた。この際、系の内温が190℃を超えないように制御した。2時間の反応時間経過後、系を175℃に冷却し、再び流出ラインに切り替え、10mmHgの条件下で60分間、脱ラクチドし、重合反応を完結させてブロック共重合体B1を得た。
この樹脂の重量平均分子量(Mw)は31000、融点は51℃であった。
<着色剤マスターバッチEの作製>
[製造例11;着色剤マスターバッチE1の作製]
シアン顔料(C.I.Pigment blue 15:3)18部、82部のブロック共重合体A1及びイオン交換水15部を混合した後、オープンロール型混練機ニーデックス(三井鉱山社製)を用いて混練し、顔料のマスターバッチを得た。
具体的には、100℃から混練し始め、50℃まで徐々に冷却した。
[製造例12;着色剤マスターバッチE2の作製]
製造例9のA1をA2に代えた他は同様に処理して、着色剤マスターバッチE2を得た。
[製造例13;着色剤マスターバッチE3の作製]
製造例9のA1をA3に代えた他は同様に処理して、着色剤マスターバッチE3を得た。
[製造例14;着色剤マスターバッチE4の作製]
製造例9のA1をA4に代えた他は同様に処理して、着色剤マスターバッチE4を得た。
[製造例15;着色剤マスターバッチE5の作製]
ブロック共重合体B1を100部、シアン顔料(C.I.Pigment blue 15:3)100部、及びイオン交換水30部をよく混合して、オープンロール型混練機(ニーデックス、日本コークス工業株式会社製)を用いて混練を行った。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却し、樹脂と顔料の比率(質量比)が1:1である着色剤マスターバッチE5を作製した。
[製造例16;着色剤マスターバッチE6の作製]
ポリ乳酸Pを100部、シアン顔料(C.I.Pigment blue 15:3)100部、及びイオン交換水30部をよく混合して、オープンロール型混練機(ニーデックス、日本コークス工業株式会社製)を用いて混練を行った。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却し、樹脂と顔料の比率(質量比)が1:1である着色剤マスターバッチE6を作製した。
これらマスターバッチEは、次表に纏められる。
Figure 0006409293
[製造例17;ワックス分散液の製造]
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、パラフィンワックス(HNP−9(融点75℃)、日本精蝋株式会社製)20部、及び酢酸エチル80部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、更にウルトラビスコミル(アイメックス社製)にて、送液速度1.0kg/時間、ディスク周速度:10m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液]を作製した。
[実施例1;トナー1の製造、及び現像剤1の製造]
(トナー1の製造)
温度計及び攪拌機を装備した容器中に、70部のブロック共重合体B1及び酢酸エチル57部を入れた後、ブロック共重合体B1の融点以上の温度まで昇温して溶解させた。次に、ワックスの分散液25部、36部の着色剤マスターバッチE1及び酢酸エチル36部を加えた後、TK式ホモミキサー(特殊機化社製)を用いて撹拌し、第一の液を得た。
撹拌機及び温度計を装備した容器中に、イオン交換水90部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル型ノニオン性界面活性剤NL450(第一工業製薬社製)の5質量%水溶液3部及び酢酸エチル10部を入れた後撹拌し、水系媒体を得た。
水系媒体に、第一の液50部を加えた後、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて、13000rpmで1分間攪拌し、第二の液を得た。
撹拌機及び温度計を装備した容器中に、第二の液を入れた後、1時間脱溶剤し、スラリーを得た。
スラリー100部を減圧濾過した。次に、濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて、6000rpmで5分間攪拌した後、濾過した。さらに、濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて、6000rpmで10分間攪拌した後、減圧濾過した。次に、濾過ケーキに10質量%塩酸100部を加え、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて、6000rpmで5分間攪拌した後、濾過した。さらに、濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて、6000rpmで5分間攪拌した後、濾過する操作を2回繰り返した。
循風乾燥機を用いて、45℃で48時間濾過ケーキを乾燥させた後、目開きが75μmのメッシュで篩い、母体粒子を得た。
ヘンシェルミキサーを用いて、母体粒子100部及び疎水性シリカHDK−2000(ワッカー・ケミー社製)1部を混合し、トナー1を得た。
(キャリア1の製造)
芯材として、Mnフェライト粒子(重量平均径:35μm)5,000部を用いた。
被覆材として、トルエン300部、ブチルセロソルブ300部、アクリル樹脂溶液(組成比(モル比)メタクリル酸:メタクリル酸メチル:2−ヒドロキシエチルアクリレート=5:9:3、固形分50%トルエン溶液、Tg38℃)60部、N−テトラメトキシメチルベンゾグアナミン樹脂溶液(重合度1.5、固形分77%トルエン溶液)15部、及びアルミナ粒子(平均一次粒子径0.30μm)15部をスターラーで10分間分散して調製されたコート液を用いた。
前記芯材と、前記コート液とを、流動床内において回転式底板ディスクと撹拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、前記コート液を前記芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で220℃、2時間の条件で焼成し、[キャリア1]を得た。
(現像剤1の製造)
[キャリア1]100部に対して[トナー1]7部を、容器が転動して撹拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し、二成分現像剤である[現像剤1]を得た。
作製した二成分現像剤について、接触帯電方式、二成分現像方式、二次転写方式、ブレードクリーニング方式、及び外部加熱のローラ定着方式を採用した間接転写方式の図5に示すタンデム型画像形成装置画像の現像ユニットに装填して画像形成を行い、下記性能評価を行った。結果を表4に示した。
[実施例2;トナー2の製造、及び現像剤2の製造]
実施例1と同様にして、着色剤マスターバッチE1をE2に変えてトナー2を得た。また、トナー1の代わりにトナー2を用い、実施例1と同様にして、現像剤2を得た。
作製した現像剤2を用い、実施例1と同様に画像形成し、下記性能評価を行った。結果を表4に示した。
[実施例3;トナー3の製造、及び現像剤3の製造]
実施例1と同様にして、着色剤マスターバッチE1をE3に変えてトナー3を得た。また、トナー1の代わりにトナー3を用い、実施例1と同様にして、現像剤3を得た。
作製した現像剤3を用い、実施例1と同様に画像形成し、下記性能評価を行った。結果を表4に示した。
[実施例4;トナー4の製造、及び現像剤4の製造]
実施例1と同様にして、ブロック共重合体B1をPに変えてトナー4を得た。また、トナー1の代わりにトナー4を用い、実施例1と同様にして、現像剤4を得た。
作製した現像剤4を用い、実施例1と同様に画像形成し、下記性能評価を行った。結果を表4に示した。
[実施例5:トナー5の製造、及び現像剤5の製造]
温度計及び攪拌機を装備した容器中に、50部のブロック共重合体B1及び20部のブロック共重合体A2及び酢酸エチル90部を入れた後、ブロック共重合体B1の融点以上の温度まで昇温して溶解させた。次に、ワックスの分散液25部、36部の着色剤マスターバッチE1及び酢酸エチル36部を加えた後、TK式ホモミキサー(特殊機化社製)を用いて撹拌し、第一の液を得た。
後は実施例1と同様にしてトナー5及び現像剤5を得た。作製した現像剤5を用い、実施例1と同様に画像形成し、下記性能評価を行った。結果を表4に示した。
[実施例6:トナー6の製造、及び現像剤6の製造]
温度計及び攪拌機を装備した容器中に、40部のブロック共重合体B1及び酢酸エチル72部を入れた後、ブロック共重合体B1の融点以上の温度まで昇温して溶解させた。次に、ワックスの分散液25部、60部の着色剤マスターバッチE1及び酢酸エチル30部を加えた後、TK式ホモミキサー(特殊機化社製)を用いて撹拌し、第一の液を得た。
後は実施例1と同様にしてトナー6及び現像剤6を得た。作製した現像剤6を用い、実施例1と同様に画像形成し、下記性能評価を行った。結果を表4に示した。
[実施例7:トナー7の製造、及び現像剤7の製造]
温度計及び攪拌機を装備した容器中に、65部のブロック共重合体B1、5部の結晶性ポリエステル5部及び酢酸エチル70部を入れた後、ブロック共重合体B1の融点以上の温度まで昇温して溶解させた。次に、ワックスの分散液25部、30部の着色剤マスターバッチE1及び酢酸エチル36部を加えた後、TK式ホモミキサー(特殊機化社製)を用いて撹拌し、第一の液を得た。
後は実施例1と同様にしてトナー7及び現像剤7を得た。作製した現像剤7を用い、実施例1と同様に画像形成し、下記性能評価を行った。結果を表4に示した。
[比較例1;トナー8の製造、及び現像剤8の製造]
実施例1と同様にして、着色剤マスターバッチE1をE4に変えて、トナー8を得た。
また、トナー1の代わりにトナー8を用い、実施例1と同様にして、現像剤8を得た。
作製した現像剤8を用い、実施例1と同様に画像形成し、下記性能評価を行った。結果を表4に示した。
[比較例2;トナー9の製造、及び現像剤9の製造]
温度計及び攪拌機を装備した容器中に、94部のブロック共重合体B1及び酢酸エチル部を入れた後、ブロック共重合体B1の融点以上の温度まで昇温して溶解させた。次に、ワックスの分散液25部、12部の着色剤マスターバッチE5及び酢酸エチル30部を加えた後、TK式ホモミキサー(特殊機化社製)を用いて撹拌し、第一の液を得た。
後は実施例1と同様にしてトナー9及び現像剤9を得た。
作製した現像剤9を用い、実施例1と同様に画像形成し、下記性能評価を行った。結果を表4に示した。
[比較例3;トナー10の製造、及び現像剤10の製造]
比較例1と同様にして、着色剤マスターバッチE4をE6に変えてトナー10を得た。
また、トナー8の代わりにトナー10を用い、比較例1と同様にして、現像剤10を得た。
作製した現像剤10を用い、比較例1と同様に画像形成し、下記性能評価を行った。結果を表4に示した。
(分子量の測定)
・装置:GPC(東ソー社製)、検出器:RI、測定温度:40℃
・移動相:テトラヒドロフラン、流量:0.45mL/min.
・数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw、分子量分布Mw/Mnは、それぞれ、分子量既知のポリスチレン試料によって作成した検量線を標準としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定した。
(融点の測定)
対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、40℃から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した。その後、150℃から降温速度10℃/minで−60℃まで冷却し、更に、昇温速度10℃/minで150℃まで加熱して、示差走査熱量計([Q−2000]、TAインスツルメンツ社製)を用いてDSC曲線を計測した。
得られたDSC曲線から、システム中の解析プログラムを用いて、二回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、そのピークトップから対象試料の最高ピーク温度(融点)を求めた。
<評価>
<<定着性(定着下限温度)>>
図5に示す画像形成装置を用いて、転写紙(リコービジネスエキスパート株式会社製、複写印刷用紙<70>)上に、転写後のトナーの付着量が0.85±0.10mg/cmの紙全面ベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、得られた定着画像表面を描画試験器AD−401(株式会社上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260μmR〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/秒間である。定着下限温度は、低い程、低温定着性に優れる。以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:110℃以下
○:110℃超120℃以下
△:120℃超130℃以下
×:130℃超
<顔料の分散性評価>
トナーをエポキシ樹脂中に包埋し、一晩固化させた後、ウルトラミクロトーム(ダイヤトーム社製)を用いて、平均厚みが80nmの切片を作製した。次に、透過型電子顕微鏡H7000(株式会社日立製作所製)を用いて、顔料の分散状態を観察した。以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○:図2に示すように顔料がトナーの内部に分散している(均一なもの、不均一なものに関わらず、トナー表面ではなく、内部に存在しているもの)。
△:顔料がトナーの表面にやや偏在しているが、トナーの内部にも分散している。
×:図1に示すように顔料がほとんどトナー表面に偏在している。
<顔料の面積率>
透過型電子顕微鏡で観察した画像から顔料の面積率を求めた。まず、包埋樹脂とトナーとの境界面から50nm内側の部分だけ切り出し、2値化した後、切り出した画像中の顔料部分の面積率を求めた。これをトナー20個分測定し、平均値をとった。画像処理するソフトは、レーザーテック社製のOPTELICS C130のLM eyeを用いた。
結果は表4に示される。
<色評価>
現像剤を用いて、A4サイズの用紙(T6000 70W T目、リコー社製)に面積率20%の単色画像をトナー量が0.40mg/cmとなるように出力し、定着画像をX−Rite938(X−Rite社製)のステータスAモード、d50光にて色度a*b*を測定し、このa*とb*の2乗の和の平方根から彩度c*を計算し求めた。
(トナーの画質合否判定)
彩度c*の評価結果より、以下のようにトナーの合否判定を行った。
◎:彩度c*が60以上
○:彩度c*が55以上60未満
×:彩度c*が55未満
◎および○を合格とし、×を不合格判定とした。
Figure 0006409293
(図3、図4について)
100 画像形成装置
100B 画像形成装置
10 感光体
20 帯電ローラ
30 露光装置
40 現像器
41 現像ベルト
42C 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42K 現像剤収容部
43C 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43K 現像剤供給ローラ
44C 現像ローラ
44M 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44K 現像ローラ
45C シアン現像ユニット
45M マゼンタ現像ユニット
45Y イエロー現像ユニット
45K ブラック現像ユニット
50 中間転写体
51 ローラ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
L 露光装置
(図5について)
10(K、Y、M、C) 感光体ドラム
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング手段
18 画像形成手段
21 露光手段
22 二次転写手段
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着手段
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読み取りセンサ
49 レジストローラ
50 中間転写体
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
62 転写ローラ
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
(図6について)
10 静電潜像担持体
18 画像形成手段
50 中間転写体
61 現像器
62 一次転写装置
63 クリーニング手段
64 除電装置
160 帯電器
L 露光
(図7について)
110 プロセスカートリッジ
10 感光体ドラム
40 現像器
58 コロナ帯電器
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録紙
L 露光光
特開2009−162956号公報 特開2008−262179号公報

Claims (10)

  1. ポリ乳酸骨格を有する樹脂(ただし、−SO 基を有するものを除く)を含むトナーであって、
    前記ポリ乳酸骨格を有する樹脂として、ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸以外のポリエステルセグメントとの共重合体(A)を含み、
    前記共重合体(A)は酢酸エチルに難溶な共重合体(A)であり、
    該トナーの母体粒子の最表面からその中心部に向かって50nm以内の領域よりもさらに内部の領域に着色剤が存在し、前記内部領域における着色剤の面積率が5%以上であることを特徴とするトナー。
  2. ポリ乳酸骨格を有する樹脂(ただし、−SO 基を有するものを除く)を含むトナーであって、
    前記ポリ乳酸骨格を有する樹脂として、ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸以外のポリエステルセグメントとの共重合体(A)を含み、
    前記共重合体(A)におけるポリ乳酸セグメントの比が50wt%以下であり、
    該トナーの母体粒子の最表面からその中心部に向かって50nm以内の領域よりもさらに内部の領域に着色剤が存在し、前記内部領域における着色剤の面積率が5%以上であることを特徴とするトナー。
  3. ポリ乳酸骨格を有する樹脂(ただし、−SO 基を有するものを除く)を含むトナーであって、
    前記ポリ乳酸骨格を有する樹脂として、ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸以外のポリエステルセグメントとの共重合体(A)を含み、
    前記共重合体(A)が非晶性ポリエステルセグメントと非晶質ポリ乳酸セグメントの共重合体であり、
    該トナーの母体粒子の最表面からその中心部に向かって50nm以内の領域よりもさらに内部の領域に着色剤が存在し、前記内部領域における着色剤の面積率が5%以上であることを特徴とするトナー。
  4. 前記内部領域における着色剤の面積率が10%以上30%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. ポリ乳酸骨格を有する樹脂を含むトナーであって、
    前記ポリ乳酸骨格を有する樹脂として、ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸以外のポリエステルセグメントとの共重合体(A)を含み、
    前記ポリ乳酸骨格を有する樹脂として、さらに、結晶性ポリエステルセグメントと非晶質ポリ乳酸セグメントの共重合体(B)を含有し、
    該トナーの母体粒子の最表面からその中心部に向かって50nm以内の領域よりもさらに内部の領域に着色剤が存在し、前記内部領域における着色剤の面積率が5%以上であることを特徴とするトナー。
  6. 前記共重合体(B)が、グラフト共重合体であることを特徴とする請求項5に記載のトナー。
  7. 含有質量比(共重合体(A)/共重合体(B))が50/50〜20/80であることを特徴とする請求項5又は6に記載のトナー。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のトナーと、キャリアを含む現像剤。
  9. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記トナーが、請求項1乃至7のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記トナーが、請求項1乃至7いずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
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