JP5724586B2 - 電子写真用トナー、該トナーを用いた現像剤、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真用トナー、該トナーを用いた現像剤、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は複写機、静電印刷、プリンター、ファクシミリ、静電記録等の電子写真方式の画像形成に用いられるトナー、並びに該トナーを用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジに関する。
従来より、電子写真方式の画像形成装置、静電記録装置等において、電気的又は磁気的潜像は、トナーによって顕像化される。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成した後、トナーを用いて潜像を現像して、トナー画像を形成している。トナー画像は、通常、紙等の記録媒体上に転写された後、加熱等の方法で定着される。
静電荷像の現像に使用されるトナーは、一般に、結着樹脂中に、着色剤、帯電制御剤等を含有する着色粒子であり、その製造方法には、大別して粉砕法と懸濁重合法とがある。
前記粉砕法では、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤等を溶融混合により均一に分散させて得られるトナー組成物を粉砕し、分級することにより、トナーを製造する。この粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、材料の選択に制限がある。例えば、溶融混合により得られるトナー組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。この要請から、溶融混合により得られるトナー組成物は、充分に脆くせざるを得ない。このようなトナー組成物を粉砕する際には、粒径分布が広い粒子が形成されやすい。このとき、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉と、粒径20μm以上の粗粉とを分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという問題がある。また、前記粉砕法では、着色剤、帯電制御剤等を熱可塑性樹脂中に均一に分散させることが困難であり、得られるトナーは、流動性、現像性、耐久性、画像品質等に悪影響が生じるという問題がある。
そこで、特許文献1及び2には、予め重合反応により合成した樹脂を溶解させた樹脂溶液を、界面活性剤又は水溶性樹脂等の分散(助)剤及び無機微粒子、樹脂微粒子等の分散安定剤の存在下、水性媒体中に分散させ、加熱、減圧等によって溶剤を除去することによりトナーを得る溶解樹脂懸濁法が提案されている。この溶解樹脂懸濁法によれば、分級しなくても均一なトナーが得られる。
また、電子写真方式の画像形成装置では、熱ローラ等の加熱部材を使用して行われる接触加熱方式による定着工程において、加熱部材に対する離型性(以下、耐オフセット性と称することもある)が要求される。この耐オフセット性は、溶解樹脂懸濁法において、変性ポリエステル樹脂を用いることで解決が図られている(特許文献3参照)。
ところで、トナーの構成成分の70%以上を占める結着樹脂は、そのほとんどが石油資源を原料としており、石油資源の枯渇問題、石油資源を大量消費して二酸化炭素を大気中へ排出することによる温暖化問題が懸念されている。そこで、結着樹脂として、大気中の二酸化炭素を取り込んで成長する植物由来の樹脂を使用すれば、生じる二酸化炭素は、環境中で循環するだけとなり、温暖化問題と石油資源の枯渇問題を同時に解決できる可能性があり、このような植物由来の樹脂を結着樹脂として用いたトナーが種々提案されている。例えば、特許文献4では、結着樹脂として、ポリ乳酸を使用することが提案されている。しかし、この提案のようにポリ乳酸をそのまま用いた場合、ポリエステル樹脂に比べてエステル結合の濃度が高いため、定着時に熱可塑性樹脂としての作用が低くなる。また、トナーが非常に硬くなるため、粉砕性に欠け、生産性が劣るという問題がある。
また、植物由来の樹脂として、汎用で入手しやすいポリ乳酸は、特許文献5及び6に記載されているような乳酸の脱水縮合、もしくは乳酸環状ラクチドの開環重合によって合成される。このため、ポリ乳酸を用いてトナーを製造する際には、前記特許文献1〜3のような溶解樹脂懸濁法を用いることができる。しかし、ポリ乳酸は、L体又はD体のみでは結晶性が高いため、有機溶剤に対する溶解性が極めて低く、溶解樹脂懸濁法を用いることは困難である。このため、ポリ乳酸のL体及びD体を混合して結晶性を低下させて、有機溶剤への溶解性を向上させることが可能である。
その一方で、ポリ乳酸は、分子量の制御が難しいこと、炭素原子のみを介してエステル結合が存在することから、トナーに必要な物性をポリ乳酸のみで達成することは困難である。これに対して、従来から用いられている方法のように、ポリ乳酸と、それ以外の樹脂を混合することで、トナーに必要な物性、及び熱特性を確保することが考えられるが、ポリ乳酸は、トナーに汎用に用いられるポリエステル樹脂及びスチレン−アクリル共重合体に対する相溶性及び分散性が極めて悪いため、このようにしてトナーを製造することが非常に困難である。
また、ポリ乳酸の結晶化速度が遅いため、溶解樹脂懸濁法を用いて製造したトナーは、ポリ乳酸の結晶状態を制御することが困難であり、溶解樹脂懸濁法を用いて製造したトナーは、結晶性が高いポリ乳酸及び結晶性が低いポリ乳酸が混在していることがある。そのため、結晶性が低いポリ乳酸を有する部分が、経時で結晶成長することにより帯電量、画像濃度が経時で変化するという問題がある。
L体もしくはD体のみのポリ乳酸は、結晶性が高く、低温で溶融しないことが課題の一つであり、これに対して先に挙げたラセミ化による低温溶融可能にする解決手段は低温定着化に対しては有効な手段であるが、従来の石油由来樹脂に比べても低いTgの樹脂となる。特許文献7には、ラセミ体のポリ乳酸を使用し、かつコアシェル化することでトナーに好適な定着特性、耐熱保存性を持たせる方法が提案されている。ポリ乳酸の別の課題として、親水性であるエステル基濃度が高く、帯電量が低く安定しないことが挙げられるが、これについてもシェル化での表面被覆は有効な手段であると考えられる。
ただし、従来の改質しないラセミ体ポリ乳酸はそのTgの低さから、夏季などの比較的高めの気温環境下でもトナーの凝集体が発生する。要因としてはトナー母体に使用される樹脂自体が容易に変形すること、トナー内部にドメインを形成するワックスが経時で母体表面に露出/染み出しが発生しやすいことなどが確認されているが、ワックスが影響を及ぼす場合には長期保存時だけでなく、連続印刷時などにおいてはワックスがキャリア表面に付着(スペント)しやすくなり、画質、特に画像濃度に影響を及ぼす。
したがって低温定着、及び耐熱保存性に優れ、画像濃度劣化が少ない、ポリ乳酸を含有するトナー及びその関連技術は、未だ得られておらず更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
本発明は従来技術における上記の事情に鑑みてなされたものである。すなわち、ポリ乳酸を用いた場合においても、低温定着特性、耐熱保存性、および連続印刷時の画像濃度劣化の少ない、樹脂粒子からなるトナー、画像形成装置、画像形成方法、およびプロセスカートリッジを提供するものである。
前記問題は本質的には樹脂のTgが低いことが要因である。解決する手段としてはポリ乳酸樹脂の改質が直接的な方法として考えられる。樹脂改質の手段として、考えられる代表的な方法として、樹脂変性、異種材料導入等が考えられるが、工業的な生産工程の容易さ、樹脂の全分子に対しての均一な改質という点から、トナー用樹脂としてのポリ乳酸改質の手法としては、樹脂合成時の異種材料導入が望ましい。
ポリ乳酸は、L体とD体を区別しなければ、同一のモノマーが連続したホモポリマーと見ることができる。ここに別のモノマー、もしくは別のモノマーからなるポリマーを導入する方法は複数考えられるが、本発明者らが鋭意検討した結果、植物から抽出するモノマー成分としては得られにくく、石油系ポリエステルなどには比較的多く含有される芳香環に着目し、(I)芳香環の両末端をジオール化したモノマーを開始剤として乳酸を重合したオリゴマーを作成し、(II)得られたオリゴマーの両末端ジオール部を、伸張剤を用いて伸張させて得られた直鎖状ポリエステル樹脂をトナーに使用し、さらに第二の樹脂をトナー作成時に混合させることで、目的の熱物性を持つトナーを発明するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)結着樹脂および離型剤を含有するトナーであって、前記結着樹脂が、第一の樹脂としてビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)とヒドロキシカルボン酸とから得られるポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するオリゴマーを伸張させた直鎖状ポリエステル樹脂を含有し、第二の樹脂として前記直鎖状ポリエステル樹脂以外の樹脂を含有することを特徴とする電子写真用トナー。
(2)前記オリゴマーの数平均分子量が2000〜5000であることを特長とする前記(1)記載の電子写真用トナー。
(3)前記直鎖状ポリエステル樹脂の数平均分子量が7000〜30000であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の電子写真用トナー。
(4)前記直鎖状ポリエステル樹脂に対する芳香環含有ジオール部の含有割合が10wt%以上50wt%以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(5)結着樹脂中の第二の樹脂の割合が30wt%以上60wt%以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のトナー。
(6)前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格が、光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、前記光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格がモノマー成分換算で光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が80%以下であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
)前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するオリゴマーを伸張させる際に、伸張剤としてジイソシアネート化合物を用いることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の電子写真用トナー。
)前記第二の樹脂がポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の電子写真用トナー。
)前記トナーが着色剤を含有することを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の電子写真用トナー。
10)前記トナーが帯電制御剤を含有することを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の電子写真用トナー。
11)前記(1)〜(10)のいずれかに記載の電子写真用トナーを使用したことを特徴とする現像剤。
12)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記トナーが、前記(1)〜(10)のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
13)静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記トナーが、前記(1)〜(10)のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
14)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記トナーが、前記(1)〜(10)のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明のトナーは、低温定着性、耐熱保存安定性のいずれにも優れ、帯電量が多く、経時での帯電量変化が少ないという効果を奏する。
本発明の画像形成装置の一例の概略断面図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例の概略断面図である。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の電子写真用トナーは結着樹脂および離型剤を含有するトナーであり、前記結着樹脂は第一の結着樹脂と第二の結着樹脂とを含んでいる。
以下、第一の結着樹脂及び第二の結着樹脂について説明する。
(第一の樹脂)
本発明における結着樹脂を構成する成分の一つである第一の樹脂は、芳香環を含有するジオールとヒドロキシカルボン酸とから得られるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有するオリゴマーを、伸張剤とともに反応させて得られる直鎖状のポリエステル系樹脂である。直鎖状のポリエステルとするためには、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有するオリゴマーおよび伸張剤が、それぞれ2官能である必要がある。どちらかが3官能以上であると、架橋反応が進行し直鎖状のポリエステルを得ることができない。
なお、直鎖状のポリエステルは、分岐状又は網目状のポリエステルに比べて溶剤溶解性と粘弾性の面でトナーに向いており、また物性制御の容易さと製造性の点で優れるという利点を有している。
芳香環の両末端をジオール化したモノマーを開始剤としてヒドロキシカルボン酸を重合したオリゴマーを作成し、得られたオリゴマーの両末端ジオール部を伸張剤を用いて伸張することにより、ランダム共重合の形の直鎖状ポリエステル系樹脂となる。このような構造とすることにより、ヒドロキシカルボン酸連続部位を高分子の特性が発現する重合度(繰り返し単位で50〜100以上)よりも下げ、かつ高Tgを発現させるモノマー種を導入することにより、ポリヒドロキシカルボン酸固有のTgの性質を消失させて高Tgの樹脂を得ることができる。
ポリヒドロキシカルボン酸固有のTgの性質を消失させるためには、前記オリゴマーの数平均分子量は2000〜5000であることが好ましい。オリゴマーが例えばMn=3000の場合、芳香族ジオールの両末端に乳酸が連結していることを考えると、平均して片側に15単位程度の繰り返しであり、一般に高分子の性質が発現されるとされる重合度である50〜100と比べると著しく短く、ポリ乳酸100%で構成される樹脂のTgの性質は現れない。開始剤に芳香環を含むモノマー成分を使用して短鎖のポリ乳酸合成を行い、その後イソシアネート伸張するという2段階での合成を行うことは、複数のモノマー成分を混合して1段階で長鎖の高分子合成を行うことに比べると、同一モノマーの連続部を作らせにくい合成方法であり、その様な構成を持つ樹脂は安定した熱物性を実現することが可能である。
第一の樹脂を構成するポリヒドロキシカルボン酸骨格は、ヒドロキシカルボン酸が重合した骨格を有し、ヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法、あるいは、対応する環状エステルを開環重合する方法で形成できるが、脱水縮合の場合には脱水しきれない水が合成後に得られる固塊状の樹脂に残留する可能性があることから、トナー用樹脂としての合成法としては環状エステルを開環重合する方法が好ましい。
ヒドロキシカルボン酸としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸等)、芳香族ヒドロキシカルボン酸(サリチル酸、クレオソート酸、マンデル酸、バーリン酸、シリング酸等)あるいはこれらの混合物を挙げられ、対応する環状エステルとしては、グリコリド、ラクチド、γ−ブチロラクトン、6−バレロラクトン等が挙げられる。これらのうちで、樹脂の透明性と熱特性の観点から、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成するモノマーとしては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸および環状エステルが好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜6のヒドロキシカルボン酸(対応する環状エステルも含める)であり、特に好ましくはグリコール酸、乳酸、グリコリド、ラクチドであり、最も好ましくは、グリコール酸および乳酸である。
ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成するモノマーが乳酸のように光学活性モノマーの場合、モノマー成分換算で光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(%)を表す〕が80%以下であることが好ましく、さらに好ましくは60%以下である。この範囲であると、溶剤溶解性が向上する。
ここで、前記光学純度Xの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばポリエステル骨格を有する高分子乃至トナーを純水と1N水酸化ナトリウム及びイソプロピルアルコールの混合溶媒に添加し、70℃で加熱攪拌して加水分解をする。次いで、ろ過して液中の固形分を除去した後硫酸を加えて中和して、ポリエステル樹脂から分解されたL−及び/又はD−乳酸を含有する水性溶液を得る。該水性溶液を、キラル配位子交換型のカラムSUMICHIRAL OA−5000(株式会社住化分析センター製)を用いた高速液体クロマトグラフ(HPLC)で測定し、L−乳酸由来のピーク面積S(L)とD−乳酸由来のピーク面積S(D)を算出した。該ピーク面積から光学純度Xを次のようにして求めることができる。
X(L体)% = 100× S(L)/(S(L)+S(D))
X(D体)% = 100× S(D)/(S(L)+S(D))
光学純度X% = |X(L体)−X(D体)|
なお、当然のことながら、原料で用いているL体、D体は光学異性体であり、光学異性体は、光学特性以外の物理的、化学的性質は同じであるため、重合に用いた場合その反応性は等しく、モノマーの成分比と重合体におけるモノマーの成分比は同じとなる。
ポリヒドロキシカルボン酸骨格を持つオリゴマーを合成する際、反応開始剤としては、100℃、20mmHg以下の減圧乾燥や200℃程度の重合加熱を行っても揮散しないアルコール成分であれば、従来公知のいずれをも使用することができ、ジオール成分を使用する事で、両末端に水酸基を持つ直鎖状オリゴマーを得ることができるが、本発明においては後述のジオール系成分を開始剤として使用し、ポリ乳酸骨格に導入する。使用するジオール成分は、芳香環を有するジオールであり、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)、ビス(2−ヒドロキシプロピル)テレフタレート(BHPT)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のアルキレンオキサイド(アルキレンオキサイドを以下AOと略記する、具体例としてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられる)付加物、およびこれらの併用が挙げられるが、好ましくはビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)、ビス(2−ヒドロキシプロピル)テレフタレート(BHPT)であり、特に好ましくはBHETである。
前記オリゴマーは、通常のポリエステルの合成と同様に公知の方法で合成することができ、オリゴマーの数平均分子量は、反応開始剤の仕込み量を調整することにより調整することができる。
上記芳香環を有するジオール成分は、直鎖状ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度を向上させるために加えており、含有量は直鎖状ポリエステル樹脂組成物中で10wt%以上50wt%以下であることが好ましく、15wt%以上25wt%以下であることがより好ましい。10wt%に満たないと、ポリ乳酸のみの直鎖状樹脂にくらべて本発明の直鎖状ポリエステルのTg上昇の効果が充分に得られない事から耐熱保存性が悪化し、50wt%を超えるとであるとポリ乳酸骨格を使用する事の利点である充分な低温定着性が得られない。
直鎖状ポリエステル中のジオール部の総重量比は、基本的には合成時に使用する原材料の重量比と同じとなるが、合成後の樹脂から重量比を求める場合には1H−NMR測定を用いたポリヒドロキシカルボン酸部分のプロトンピーク面積と、芳香環部分のプロトンピーク面積から算出されるモノマー比率から求めることが可能である。
本発明においては、上記芳香環含有ジオールおよびヒドロキシカルボン酸から得られるオリゴマーを伸張剤により高分子量化する。伸張剤としては、水酸基との反応性を有する官能基を2つ有する化合物であれば使用することができる。例えば、イソシアネート系化合物、グリシジル系化合物、カルボジイミド系化合物、ビニル系化合物などが挙げられる。
中でもイソシアネート系化合物は、水酸基とイソシアネートとの反応でウレタン結合を生じ、ウレタン結合同士の相互作用により分子鎖の剛直性向上に寄与するため、特に効果的である。具体的なイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(略称:HDI)、リジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートなど、従来公知の2官能性イソシアネート化合物が挙げられる。中でもイソホロンジイソシアネート(略称:IPDI)が反応性、安全性の面から好ましい。
伸張剤により高分子量化する際の反応条件としては、使用する溶媒の沸点以下での加熱条件下であれば良い。伸張剤量は、好ましくは合成後の重量に対して6〜25wt%、さらに好ましくは10〜20wt%である。6wt%未満の場合には伸張が不十分で所望の物性を達成できないことがあり、25wt%を超える場合には使用されなかった伸張剤が樹脂中に残りトナー作成後に不具合を生じる可能性がある。
第一の樹脂のガラス転移温度は、60℃以上75℃以下が好ましい。60℃未満の場合には保存性の改良が充分に達成されず、また75℃を超える場合には充分な低温定着性が得られない。
尚、ガラス転移温度は以下のように測定することができる。
(ガラス転移温度(Tg)の測定)
装置:DSC(TAインスツルメンツ社製、Q2000)
試料5〜10mgをアルミ製の簡易密閉パンに充填したものを以下の測定フローに供した。
1st Heating : 30℃〜220℃、5℃/min.、220℃到達後1分保持
冷却:温度制御なしで−20℃までクエンチ、−20℃到達後1分保持
2nd Heating : −20℃〜180℃、5℃/min.
ガラス転移温度は、2nd Heating のサーモグラムにおいてミッドポイント法を採用して値を読み取り、ガラス転移温度として評価を行った。
本発明により得られる直鎖状ポリエステルの数平均分子量は7000以上、30,000以下であることが好ましい。数平均分子量が30,000を超えると、定着下限温度が悪化し、数平均分子量が7000に満たないと、定着上限温度が悪化する。
(第二の樹脂)
前記第二の樹脂としては、ポリエステル樹脂(変性ポリエステル樹脂、未変性ポリエステル樹脂等)、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。これらの中でも、良好な定着性が得られることから、ポリエステル樹脂(変性ポリエステル樹脂、未変性ポリエステル樹脂等)が特に好ましい。なお、前記ポリエステル樹脂の分子量、構成モノマー等は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ポリエステル樹脂は、多価アルコールと、多価カルボン酸を脱水縮合することにより得られる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルを付加することにより得られる2価のアルコール等が挙げられる。なお、ポリエステル樹脂を架橋させるためには、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等の3価以上のアルコールを併用することが好ましい。
前記多価カルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のべンゼンジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物;マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物;トリメット酸、ピロメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラキス(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、これらの無水物、部分低級アルキルエステル等が挙げられる。
前記第二の樹脂は、活性水素基と反応可能な官能基を有するポリエステル樹脂(以下、ポリエステルプレポリマーという)を活性水素基を有する化合物と反応させて得られる変性ポリエステル樹脂を含有してもよい。結着樹脂中の第二の樹脂の割合は30wt%以上60wt%以下であることが好ましい。
前記ポリエステルプレポリマーとしては、イソシアネート基を有するものを用いることができる。このようなポリエステルプレポリマーは、例えば、活性水素基を有するポリエステル樹脂をポリイソシアネートと反応させることにより得られる。なお、第二の樹脂がポリエステル樹脂及び変性ポリエステル樹脂を含有する場合は、それぞれを構成するモノマーの組成は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記ポリエステル樹脂が有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基、フェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられるが、アルコール性水酸基が好ましい。
前記ポリエステル樹脂及びポリエステルプレポリマーは、低温定着性、耐ホットオフセット性の面で、少なくとも一部が相溶していることが好ましい。したがって、ポリエステル樹脂及びポリエステルプレポリマーの組成が類似していることが好ましい。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば脂肪族ポリイソシアネート(例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアヌレート類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ポリイソシアネートとしては、フェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたものを用いてもよい。
水酸基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートを反応させる際の水酸基に対するイソシアネート基の当量比は、1〜5が好ましく、1.2〜4がより好ましく、1.5〜2.5が更に好ましい。前記当量比が5を超えると、低温定着性が低下することがあり、1未満では、後述する架橋及び/又は伸長反応により得られる変性ポリエステル樹脂中のウレア含量が低下して、耐ホットオフセット性が低下することがある。
ポリエステルプレポリマー中のポリイソシアネート由来の構成成分の含有量は、通常、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%%が更に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性の面で不利になることがあり、30質量%を超えると、耐熱保存性と低温定着性が低下することがある。
また、ポリエステルプレポリマー1分子当たりのイソシアネート基数(平均値)は、1個以上が好ましく、1.5〜3個がより好ましく、1.8〜2.5個が更に好ましい。このイソシアネート基数が1個未満では、架橋及び/又は伸長後の変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が低下することがある。
前記第二の樹脂となるポリエステルプレポリマーの前記結着樹脂における含有量は、5質量%〜30質量%が好ましく、10質量%〜20質量%がより好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になることがあり、30質量%を超えると、耐ホットオフセット性が低下することがある。
本発明においては、水系媒体中で、ポリエステルプレポリマーと、活性水素基を有する化合物(以下、架橋剤及び/又は伸長剤という)を反応(以下、架橋及び/又は伸長反応という)させることが好ましい。
前記架橋剤及び/又は伸長剤としては、アミン類を用いることができる。アミン類としては、2価のアミン、3価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸等が挙げられる。2価のアミンとしては、芳香族ジアミン(例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)等が挙げられる。3価以上のアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン等が挙げられる。アミノアルコールとしては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン等が挙げられる。アミノメルカプタンとしては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン等が挙げられる。アミノ酸としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。また、アミン類としては、アミノ基をブロックしたもの(例えば、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)でブロックしたケチミン化合物、オキサゾリン化合物)を用いてもよい。これらの中でも、2価のアミン又は2価のアミンと少量の3価以上のアミンの混合物が好ましい。
更に、架橋及び/又は伸長反応させる際には、必要に応じて、停止剤を用いて、変性ポリエステル樹脂の分子量を調整することができる。停止剤としては、モノアミン(例えば、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)及びモノアミンのアミノ基をブロックしたもの(例えば、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)でブロックしたケチミン化合物、オキサゾリン化合物)等が挙げられる。
架橋及び/又は伸長反応させる際のポリエステルプレポリマーのイソシアネート基に対するアミン類のアミノ基の当量比は、1/3〜3が好ましく、1/2〜2がより好ましく、2/3〜1.5が特に好ましい。この当量比が3を超える場合及び1/3未満である場合は、変性ポリエステル樹脂の分子量が低下し、耐ホットオフセット性が低下することがある。
前記第二の樹脂は、トナーの保存性の観点から、ガラス転移温度(Tg)が40℃〜70℃が好ましく、45℃〜65℃がより好ましい。前記ガラス転移温度(Tg)が40℃未満であると、高温雰囲気下でトナーが劣化しやすくなることがあり、更に、定着時にオフセットが発生しやすくなることがある。一方、前記ガラス転移温度(Tg)が70℃を超えると、定着性が低下することがある。
(帯電制御剤(CCA))
本発明のトナーは必要に応じ帯電制御剤をトナー中に含有させることができる。
例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料、例えばC.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Bas ic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など及びこれらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩、或いはジブチル又はジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。ブラック以外のカラートナーは、当然目的の色を損なう帯電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
トナー組成物中の帯電制御剤の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、0.1〜10wt%であることが好ましく、0.2〜5wt%がさらに好ましい。この含有量が、0.1wt%未満であると、必要な帯電量が得られないことがあり、10wt%を超えると、トナーの帯電が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラーとの静電的吸引力が増大し、トナーの流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
(着色剤)
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用できる。
例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキが挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
これらは、1種または2種以上を使用することができる。
トナー材料中の着色剤の含有量は、1〜15wt%であることが好ましく、3〜10wt%がさらに好ましい。この含有量が、1wt%未満であると、トナーに充分な色彩が付与できない事があり、15wt%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こりやすくなり好ましい着色力が得られない事があり、またトナーの電気特性の低下を招くことがある。
(マスターバッチ)
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。このような樹脂としては、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明のトナーの場合には、マスターバッチに使用する樹脂としてはトナーに用いる第一の樹脂と同じものが特に好ましい。
(離型剤)
本発明においてトナーに使用される離型剤としては公知のものが全て使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用することができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14mgKOH/gであることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30mgKOH/gが好ましい。その理由は本発明のトナー結着樹脂に対してこれらのワックスは適度に微分散するため後述するようにオフセット防止性と転写性・耐久性ともに優れたトナーとすることが容易なためである。これらワックス類は1種又は2種以上を併用して用いることができる。
その他の離型剤としては、固形シリコーンワックス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等、従来公知のいかなる離型剤をも混合して使用できる。
本発明のトナーに使用する離型剤のTgは70〜90℃が好ましい。70℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、90℃超では低温での離型性が発現されず、耐コールドオフセット性の悪化、定着機への紙の巻付きなどが発生する。これらの離型剤の使用量は、トナー樹脂成分に対し、1〜20質量%、好ましくは3〜10質量%である。1質量%未満ではオフセット防止効果が不十分であり20質量%を超えると転写性、耐久性が低下する。
(トナーの製造方法)
第一の樹脂、第二の樹脂及び離型剤を混合分散してトナーを形成する方法としては、少なくとも第一の樹脂と離型剤との混合物と第二の樹脂とを通常の加熱ニーダー、ロール混練機、単軸、または複数軸を持つ連続混練機等で加熱混練する方法でもよく、また、水系媒体などの流動媒体中に第一の樹脂と離型剤との混合物と第二の樹脂とを微粒子状で分散し、これを凝集、合一させる方法、第一の樹脂と離型剤との混合物と第二の樹脂とをスチレンやビニル系モノマーなどに再度溶解し、これを非水系溶媒中で重合する方法、第一の樹脂と離型剤との混合物と第二の樹脂とを適当な溶媒に溶解し、これを水などの水系溶媒中に分散し、その後、溶媒を除去し造粒する方法、また第一の樹脂と離型剤との混合物と第二の樹脂と、第二の樹脂前駆体とを適当な溶媒に溶解し、これを水などの水系溶媒中に分散し、第二の樹脂前駆体を反応せしめて高分子量化し、その後、溶媒を除去し造粒する方法、などいかなる方法でも用いることができる。
上記のように粉砕、整粒する方法や、各種のケミカルトナー製法を用いることが可能であり、トナー粒子を得る方法としてはこれに制限されない。
しかしながら、ポリ乳酸は硬い樹脂であり、粉砕に要するエネルギーが大きくなることから、湿式製法を利用することが好ましい。
特に、第一の樹脂と離型剤との混合物と第二の樹脂とを適当な溶媒に溶解し、これを水などの水系溶媒中に分散し、その後、溶媒を除去し造粒する方法、及び第一の樹脂と離型剤との混合物と第二の樹脂と、第二の樹脂前駆体とを適当な溶媒に溶解し、これを水などの水系溶媒中に分散し、第二の樹脂前駆体を反応せしめて高分子量化し、その後、溶媒を除去し造粒する方法が好ましい。
また、上記製造方法においては、トナー形状(円形度、粒度分布など)を制御するため、また水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために樹脂微粒子が、水系媒体中に添加されることが好ましい。樹脂微粒子は、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜50%の範囲になるように加えられることが好ましい。
また、該樹脂微粒子の重量平均粒径は50〜300nmが好ましく、該トナーのBET比表面積が1.5〜4.0m2/gが好ましい。
該樹脂微粒子の重量平均粒径が50nm未満、及び/又はトナーのBET比表面積が1.5m2/g未満では、トナー表面上に残存する有機微粒子が皮膜化またはトナー表面全体を密に覆う状態となり、樹脂微粒子がトナー内部のバインダー樹脂成分と定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られる。また、樹脂微粒子の重量平均粒径が300nmより大きい、及び/又はBET比表面積4.0m2/gを超えると、トナー表面上に残存する有機微粒子が凸部として大きく突出したり、粗状態の多重層として樹脂微粒子が残存し、やはり、樹脂微粒子がトナー内部のバインダー樹脂成分と定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られる。
本発明のトナーに含有させる樹脂微粒子は水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよく、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
また、トナーに適切な帯電能を付与するために、必要に応じて帯電制御剤をトナーに含有させることも可能である。
帯電制御剤の含有方法としては、樹脂内部に混練分散する方法、懸濁重合のようなケミカルトナーでは溶媒または、モノマー滴中に分散ないし溶解させて導入する方法、水中に分散した帯電制御剤を粒子中に凝集合一して取り込む方法、粒子表面に化学的に付加する方法などいずれの方法も可能である。
(現像剤)
現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
(キャリア)
キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、平均粒径(重量平均粒径(D50))で、10〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。前記平均粒径(重量平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、200μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合には、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
前記二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部が好ましい。
<画像形成方法及び画像形成装置>
静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記トナーとして本発明のトナーを用いる。
さらに本発明の画像形成装置は、潜像担持体(感光体)と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有しており、トナーとして本発明のトナーを備えている。
本発明のトナーを用いる画像形成装置の概略について以下述べる。
本発明の画像形成装置は静電潜像担持体(感光体)と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有しており、使用するトナーとして本発明のトナーを用いる。
本発明の電子写真式画像形成装置の一例としての複写機を図1に示す。
図1は、本発明の一実施の形態に係るカラー画像形成装置の内部構成図の一例を示す。この具体例はタンデム型間接転写方式の電子写真複写装置であるが、本発明の画像形成装置は本具体例に限ったものではない。
図中符号100は複写装置本体、200は複写装置本体100を載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ(読取り光学系)、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体100の中央位置には、横方向へ延びる無端ベルト状の中間転写体10を設ける。そして、図示例では中間転写体を3つの支持ローラ14・15・16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つの支持ローラの中で、第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。また、3つの支持ローラの中で第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成部20を構成する。タンデム画像形成部20の直上には、図に示すように、さらに露光装置21を設ける。一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成部20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。上述した2次転写装置22は、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成部20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動させた後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16のうちの1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。
そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着した後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。
図2に本発明の現像方法を用いるプロセスカートリッジの概略構成を示す。図2において、1はプロセスカートリッジ全体を示し、2は感光体、3は帯電手段、4は現像手段、5はクリーニング手段を示す。
本発明においては、上述の感光体2、帯電手段3、現像手段4及びクリーニング手段5等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンター等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は「質量部」を示すものとする。
(第一の樹脂bの合成)
300mLの四つ口セパラブルフラスコ中に、表1のオリゴマー原材料に示す材料を表1に示す部数投入し、内温を徐々に160℃まで昇温し、その後、10mmHgで30min.脱水処理を行った。次いで、N2パージ下で170℃まで昇温し、目視下で系が均一化したことを確認した後、2−エチルヘキサン酸スズ0.05質量部を系に投入して重合反応を行った。この際、系の内温が190℃を超えないように制御した。2時間の反応時間経過後、系を再び流出ラインに切り替え、190℃、10mmHgの条件下で脱ラクチドし、重合反応を完結させた。その後、内温を徐々に120℃まで昇温した。目視下で系の均一化を確認した後、10mmHgで10min.脱水処理を行った。次いで、内温が50℃になるまで冷却し、脱水した酢酸エチルを50質量部を加えてオリゴマーを完全に溶解させた。その後、2−エチルヘキサン酸スズ0.02質量部を系に投入したのち、表1に示す伸張剤を表1に示す部数、徐々に加えて伸張反応を開始した。この際、系の内温が80〜85℃になるよう制御した。5時間の反応時間経過後、内温を100℃まで昇温して反応溶液中の酢酸エチルを除去し、最後に反応溶液を取り出して120℃の乾燥機中で4h乾燥することにより、樹脂b−1〜17を得た。
得られた樹脂b−1〜17の分子量及びガラス転移点を表2に示す。
Figure 0005724586
Figure 0005724586
(第二の樹脂cの合成)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、表3に示す部数で各原材料およびジブチルスズオキサイド2部を投入し、常圧下、220℃で10時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させて、樹脂(c−1)〜(c−18)を合成した。
Figure 0005724586
(微粒子分散液aの製造)
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン135部、メタクリル酸110部、アクリル酸ブチル50部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)13部、過硫酸アンモニウム2部を仕込み、400回転/分で20分攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し6時間反応させた。さらに1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成してビニル樹脂(スチレンーメタクリル酸一メタクリル酸ブチルーアルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液a]を得た。[微粒子分散液a]をELS−800で測定した体積平均粒径は0.09μmであった。[微粒子分散液a]の一部を乾燥して樹脂分を単離し、該樹脂分のフローテスター測定によるガラス転移温度は76℃であった。
(水系媒体の調製)
イオン交換水300質量部に、[微粒子分散液a]300質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を混合撹拌して均一に溶解させて水系媒体相を調製し、[水系媒体1]を得た。
(ポリエステルプレポリマーの合成)
<プレポリマー1の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物650質量部、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物80質量部、テレフタル酸300質量部、無水トリメリット酸20質量部、及びジブチルスズオキシド2質量部を入れ、常圧下、230℃で7時間反応させた後、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ、中間体ポリエステル樹脂1を合成した。得られた中間体ポリエステル樹脂1は、数平均分子量(Mn)が2,400、重量平均分子量(Mw)が10,300、ピーク分子量が3,400、ガラス転移温度(Tg)が57℃、酸価が0.4mgKOH/g、水酸基価55mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、400質量部の中間体ポリエステル樹脂1、イソホロンジイソシアネート90質量部、及び酢酸エチル600質量部を入れ、100℃で6時間反応させ、[ポリエステルプレポリマー1]を合成した。得られたポリエステルプレポリマー1は、遊離イソシアネートの含有量が1.42質量%であった。
<プレポリマー2の製造>
温度計、攪拌機および窒素挿入管の付いたオートクレーブ反応槽中に、1,3−プロパンジオール3質量部、L−ラクチド86質量部、D−ラクチド14質量部、オクタン酸第1スズ0.06質量部を入れ、窒素雰囲気下、160℃で8時間開環重合させた。その後、残留ラクチドを減圧留去し、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する中間体ポリエステル樹脂2を得た。中間体ポリエステル樹脂2の数平均分子量は3,600、重量平均分子量は14,000であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器内に、中間体ポリエステル樹脂2を450質量部、イソホロンジイソシアネートを95質量部、酢酸エチル600質量部を入れ、100℃で6時間反応させ、[ポリエステルプレポリマー2]を合成した。得られたポリエステルプレポリマー2は、遊離イソシアネート含有量が1.55質量%であった。
<プレポリマー3の製造>
温度計、攪拌機および窒素挿入管の付いたオートクレーブ反応槽中に、ε−カプロラクトン2質量部、L−ラクチド70質量部、D−ラクチド10、LD−メソラクチド10質量部、オクタン酸第1スズ0.08質量部を入れ、窒素雰囲気下、160℃で8時間開環重合させた。その後、残留ラクチドを減圧留去し、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する中間体ポリエステル樹脂3を得た。中間体ポリエステル樹脂3の数平均分子量は3,800、重量平均分子量は15,000であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器内に、中間体ポリエステル樹脂3を450質量部、イソホロンジイソシアネートを95質量部、酢酸エチル600質量部を入れ、100℃で6時間反応させ、[ポリエステルプレポリマー3]を合成した。得られたポリエステルプレポリマー3は、遊離イソシアネート含有量が2.18質量%であった。
(マスターバッチの作製)
<マスターバッチ1の作製>
水1,000質量部、及びDBP吸油量が42ml/100g、pHが9.5のカーボンブラック(Printex35、デグサ社製)530質量部、及び1200質量部の[樹脂b−1]を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを作製した。
<マスターバッチ2の作製>
マスターバッチ1の作製時において、樹脂b−1の代わりに樹脂c−18を使用した以外はマスターバッチ1と同様にして、マスターバッチ2を作製した。
(ケチミン化合物の合成)
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、イソホロンジアミン30質量部、及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃で5時間反応させ、ケチミン化合物を合成した。得られたケチミン化合物は、アミン価が423mgKOH/gであった。
(トナー母体粒子の作製)
反応容器内に表4に示す部数で[樹脂b−1〜17]、[樹脂c−1〜18]、[ポリエステルプレポリマー1〜3]、及び酢酸エチル80質量部を加えて攪拌して、樹脂溶液1〜28を調製した。
次に、樹脂溶液1〜28に表4に示す質量部でカルナウバワックス(分子量1,800、酸価2.7mgKOH/g、針入度1.7mm(40℃))、及びマスターバッチ1を仕込み、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスク周速度6m/秒で、粒径が0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスした。更に、表4に示す質量部でケチミン化合物を加えて溶解させ、トナー材料液1〜28を得た。なお、トナー材料液18においてはマスターバッチ1の代わりにマスターバッチ2を用いた。
次に、容器内に表4に示す部数で水系媒体1を入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12,000rpmで攪拌しながら、トナー材料液1〜28を100質量部を添加し、10分間混合して乳化スラリーを得た。更に、攪拌機、及び温度計をセットしたコルベンに、乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら、30℃で10時間脱溶剤し、分散スラリー1〜28を得た。
次に、分散スラリー1〜28それぞれ100質量部を減圧濾過し、得られた濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで30分間混合した後、減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、フッ素系第四級アンモニウム塩化合物フタージェントF−310(ネオス社製)を、フッ素系四級アンモニウム塩がトナーの固形分100質量部に対して0.1質量部相当になるよう5%メタノール溶液で添加し、10分間攪拌した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。循風乾燥機を用いて、得られた濾過ケーキを40℃で36時間乾燥し、目開きが75μmのメッシュで篩い、トナー母体粒子1〜28を作製した。
(トナーの作製)
得られたトナー母体粒子1〜28を100質量部と、外添剤としての疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、トナー1〜28を作製した。
トナー1〜16、19〜28が本発明のトナーである。
Figure 0005724586
(キャリアの作製)
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)100質量部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径が50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
(現像剤の作成)
トナー1〜28のそれぞれを5質量部と、前記キャリア95質量部とを混合して、実施例1〜26及び比較例1、2の各現像剤を作製した。
得られたトナー又は現像剤を用いて以下のように評価を行なった。
<定着性>
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した電子写真方式の複写機(MF−200、株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、定着ベルトの温度を変化させて、普通紙及び厚紙の転写紙タイプ6200(株式会社リコー製)及び複写印刷用紙<135>(NBSリコー社製)に、トナーの付着量が0.85±0.1mg/cm2のベタ画像を形成した。このとき、厚紙でベタ画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる下限温度を定着下限温度とした。C以上が実用可能である。
〔定着下限温度の評価基準〕
A:定着下限温度が120℃未満
B:定着下限温度が120℃以上125℃未満
C:定着下限温度が125℃以上130℃未満
D:定着下限温度が130℃以上
<耐熱保存性(針入度)>
50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により、針入度(mm)を測定し、下記基準で耐熱保存性を評価した。なお、針入度が大きい程、耐熱保存性が優れていることを意味し、針入度が5mm未満であるものは、使用上、問題が発生する可能性が高く、C以上が実用可能である。
〔評価基準〕
A:針入度が25mm以上
B:針入度が15mm以上25mm未満
C:針入度が5mm以上15mm未満
D:針入度が5mm未満
<画像濃度>
タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、定着ローラの表面温度を160±2℃にして、複写紙TYPE 6000<70W>(株式会社リコー製)に画像面積率7%の印刷を1000枚行った後、トナーの付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を形成した。得られたベタ画像の任意の6箇所の画像濃度を、分光計(938 スペクトロデンシトメータ、X−Rite社製)を用いて測定し、画像濃度(平均値)を求め、下記基準で評価した。C以上が実用可能である。
〔評価基準〕
A:画像濃度が2.0以上
B:画像濃度が1.8以上2.0未満
C:画像濃度が1.6以上1.8未満
D:画像濃度が1.6未満
Figure 0005724586
芳香環を含有しないポリ乳酸樹脂を使用したものは、耐熱保存性に課題があり、また連続印刷を行う間に画像濃度の悪化が見られた(比較例1)。ポリ乳酸樹脂を使用しないものは、耐熱保存、画像濃度は良好であるが、近年要求の高まるさらなる低温定着性を充分に達成するものではなかった(比較例2)。それに対し、芳香環含有ポリ乳酸樹脂と従来トナーに使用されているポリエステル樹脂を併用したものは、低温定着性と耐熱保存性を両立し、また連続印刷後の画像濃度についても良好な結果が得られた。
特開平9−319144号公報 特開2002−284881号公報 特許第3640918号公報 特許第2909873号公報 特開平7−33861号公報 特開昭59−96123号公報 特開2010−014757号公報

Claims (14)

  1. 結着樹脂および離型剤を含有するトナーであって、前記結着樹脂が、第一の樹脂としてビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)とヒドロキシカルボン酸とから得られるポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するオリゴマーを伸張させた直鎖状ポリエステル樹脂を含有し、第二の樹脂として前記直鎖状ポリエステル樹脂以外の樹脂を含有することを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記オリゴマーの数平均分子量が2000〜5000であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. 前記直鎖状ポリエステル樹脂の数平均分子量が7000〜30000であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナー。
  4. 前記直鎖状ポリエステル樹脂に対する芳香環含有ジオール部の含有割合が10wt%以上50wt%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  5. 結着樹脂中の第二の樹脂の割合が30wt%以上60wt%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
  6. 前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格が、光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、前記光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格がモノマー成分換算で光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が80%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  7. 前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するオリゴマーを伸張させる際に、伸張剤としてジイソシアネート化合物を用いることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  8. 前記第二の樹脂がポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  9. 前記トナーが着色剤を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  10. 前記トナーが帯電制御剤を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真用トナーを使用したことを特徴とする現像剤。
  12. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記トナーが、請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
  13. 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記トナーが、請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
  14. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記トナーが、請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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