JP5541028B2 - 電子写真用トナー、該トナーを用いた現像剤、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真用トナー、該トナーを用いた現像剤、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる電子写真用トナー、該トナーを用いた現像剤、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジに関する。
従来より、電子写真方式の画像形成装置、静電記録装置等において、電気的又は磁気的潜像は、トナーによって顕像化される。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成した後、トナーを用いて潜像を現像して、トナー画像を形成している。トナー画像は、通常、紙等の記録媒体上に転写された後、加熱等の方法で定着される。
静電荷像の現像に使用されるトナーは、一般に、結着樹脂中に、着色剤、帯電制御剤等を含有する着色粒子であり、その製造方法には、大別して粉砕法と懸濁重合法とがある。
前記粉砕法では、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤等を溶融混合により均一に分散させて得られるトナー組成物を粉砕し、分級することにより、トナーを製造する。この粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、材料の選択に制限がある。例えば、溶融混合により得られるトナー組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。この要請から、溶融混合により得られるトナー組成物は、充分に脆くせざるを得ない。このようなトナー組成物を粉砕する際には、粒径分布が広い粒子が形成されやすい。このとき、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉と、粒径20μm以上の粗粉とを分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという問題がある。また、前記粉砕法では、着色剤、帯電制御剤等を熱可塑性樹脂中に均一に分散させることが困難であり、得られるトナーは、流動性、現像性、耐久性、画像品質等に悪影響が生じるという問題がある。
そこで、特許文献1及び2には、予め重合反応により合成した樹脂を溶解させた樹脂溶液を、界面活性剤又は水溶性樹脂等の分散(助)剤及び無機微粒子、樹脂微粒子等の分散安定剤の存在下、水性媒体中に分散させ、加熱、減圧等によって溶剤を除去することによりトナーを得る溶解樹脂懸濁法が提案されている。この溶解樹脂懸濁法によれば、分級しなくても均一なトナーが得られる。
また、電子写真方式の画像形成装置では、熱ローラ等の加熱部材を使用して行われる接触加熱方式による定着工程において、加熱部材に対する離型性(以下、耐オフセット性と称することもある)が要求される。この耐オフセット性は、溶解樹脂懸濁法において、変性ポリエステル樹脂を用いることで解決が図られている(特許文献3参照)。
ところで、トナーの構成成分の70%以上を占める結着樹脂は、そのほとんどが石油資源を原料としており、石油資源の枯渇問題、石油資源を大量消費して二酸化炭素を大気中へ排出することによる温暖化問題が懸念されている。そこで、結着樹脂として、大気中の二酸化炭素を取り込んで成長する植物由来の樹脂を使用すれば、生じる二酸化炭素は、環境中で循環するだけとなり、温暖化問題と石油資源の枯渇問題を同時に解決できる可能性があり、このような植物由来の樹脂を結着樹脂として用いたトナーが種々提案されている。例えば、特許文献4では、結着樹脂として、ポリ乳酸を使用することが提案されている。しかし、この提案のようにポリ乳酸をそのまま用いた場合、ポリエステル樹脂に比べてエステル結合の濃度が高いため、定着時に熱可塑性樹脂としての作用が低くなる。また、トナーが非常に硬くなるため、粉砕性に欠け、生産性が劣るという問題がある。
また、植物由来の樹脂として、汎用で入手しやすいポリ乳酸は、特許文献5及び6に記載されているような乳酸の脱水縮合、もしくは乳酸環状ラクチドの開環重合によって合成される。このため、ポリ乳酸を用いてトナーを製造する際には、前記特許文献1〜3のような溶解樹脂懸濁法を用いることができる。しかし、ポリ乳酸は、L体又はD体のみでは結晶性が高いため、有機溶剤に対する溶解性が極めて低く、溶解樹脂懸濁法を用いることは困難である。このため、ポリ乳酸のL体及びD体を混合して結晶性を低下させて、有機溶剤への溶解性を向上させることが可能である。
その一方で、ポリ乳酸は、分子量の制御が難しいこと、炭素原子のみを介してエステル結合が存在することから、トナーに必要な物性をポリ乳酸のみで達成することは困難である。これに対して、従来から用いられている方法のように、ポリ乳酸と、それ以外の樹脂を混合することで、トナーに必要な物性、及び熱特性を確保することが考えられるが、ポリ乳酸は、トナーに汎用に用いられるポリエステル樹脂及びスチレン−アクリル共重合体に対する相溶性及び分散性が極めて悪いため、このようにしてトナーを製造することが非常に困難である。
また、ポリ乳酸の結晶化速度が遅いため、溶解樹脂懸濁法を用いて製造したトナーは、ポリ乳酸の結晶状態を制御することが困難であり、溶解樹脂懸濁法を用いて製造したトナーは、結晶性が高いポリ乳酸及び結晶性が低いポリ乳酸が混在していることがある。そのため、結晶性が低いポリ乳酸を有する部分が、経時で結晶成長することにより帯電量、画像濃度が経時で変化するという問題がある。
L体もしくはD体のみのポリ乳酸は、結晶性が高く、低温で溶融しないことが課題の一つであり、これに対して先に挙げたラセミ化による低温溶融可能にする解決手段は低温定着化に対しては有効な手段であるが、従来の石油由来樹脂に比べても低いTgの樹脂となる。特許文献7には、ラセミ体のポリ乳酸を使用し、かつコアシェル化することでトナーに好適な定着特性、耐熱保存性を持たせる方法が提案されている。ポリ乳酸の別の課題として、親水性であるエステル基濃度が高く、帯電量が低く安定しないことが挙げられるが、これについてもシェル化での表面被覆は有効な手段であると考えられる。ただし、従来の改質しないポリ乳酸の場合にはそのTgの低さから、被覆不十分なトナーが存在した場合には、夏季などの比較的高めの気温環境下でもトナーの凝集体が発生する。全てのトナー粒子が充分に被覆されていれば前記問題は、発生しない問題であるが、そのような理想的なトナーを作成できるのは厳密に製造条件をコントロールできる実験室環境下での話であり、工業的な大量生産を前提としたスケールアップ条件下では被覆状態の不十分なトナーも発生する事は充分考えられる。近年の低温定着対応トナー開発の中で、トナー凝集体が発生した場合には現像時に不具合を発生させる事が知られてきたが、前記のような被覆不十分なトナーは少量であっても保存中に凝集体を発生させる可能性があり、シェル化と併用、またはシェル化とは別の方法による解決手段が望まれる。
したがって低温定着、及び耐熱保存性に優れ、帯電量が高く変化が少ない、ポリ乳酸を含有するトナー及びその関連技術は、未だ得られておらず更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
本発明は従来技術における上記の事情に鑑みてなされたものである。すなわち、ポリ乳酸を用いた場合においても、低温定着特性、耐熱保存性、および帯電性に優れた樹脂粒子からなるトナー、画像形成装置、画像形成方法、およびプロセスカートリッジを提供するものである。
前記問題は本質的には樹脂のTgが低いことが要因である。解決する手段としてはポリ乳酸樹脂の改質が直接的な方法として、考えられる。
樹脂改質の手段として考えられる代表的な方法として、
(方法1)樹脂合成後の変性
(方法2)樹脂合成時の異種材料導入
があげられる。
ポリ乳酸の合成は、ラクチド開環重合と、乳酸モノマーからの直接脱水縮合の2種があるが、物性面からの点では合成後の樹脂に水分の含有があると長期保存で加水分解が進行すること、トナー用樹脂としては水分を含んでいると帯電量の環境安定性が悪いこと、合成上の理由からは脱水縮合では高分子量のポリ乳酸の合成が困難で ある事が主な理由として、ラクチド開館重合が一般的であり、またトナー用樹脂の合成としては好ましい。
ラクチド開環重合を用いたポリ乳酸樹脂の改質として、(方法1)樹脂合成後の変性、は困難である。得られた樹脂がバルクの固塊であり、化学反応を用いた改質を行う為には一旦溶剤への溶解や充分細かく粉砕などを工程として行う必要があり、工業的な生産工程上は容易ではなく、また、樹脂の全分子に対しての均一な改質も困難である。
そのため、トナー用樹脂としてのポリ乳酸改質の手法としては、(方法2)樹脂合成時の異種材料導入が望ましい。
ポリ乳酸は、L体とD体を区別しなければ、同一のモノマーが連続したホモポリマーと見ることができる。ここに別のモノマー、もしくは別のモノマーからなるポリマーを導入する方法は下記のようなものが考えられる。(1)ブロック共重合体、(2)グラフト共重合体、(3)ランダム共重合体である。
上記のうち、(1)、(2)についてはポリ乳酸の連続した部位が残っている状態であり、別種のモノマーからなる、ポリ乳酸よりも高Tgの樹脂を導入したとしても、ポリ乳酸のTgの特性は乳酸連続部位の存在により消失しない。これは一般的な高分子の特性として広く知られている。Tgの本質的な上昇には、乳酸連続部位を高分子の特性が発現する重合度(繰り返し単位で50〜100以上)よりも下げ、かつ高Tgを発現させるモノマー種を導入することにより、ポリ乳酸固有のTgの性質を消失させて(3)のランダム共重合の形の樹脂を作成する必要がある。
本発明者らが鋭意検討した結果、植物から抽出するモノマー成分としては得られにくく、石油系ポリエステルなどには比較的多く含有される芳香環に着目し、(I)芳香環の両末端をジオール化したモノマーを開始剤として乳酸を重合したオリゴマーを作成し、(II)得られたオリゴマーの両末端ジオール部を伸張剤を用いて伸張させ、得られた直鎖状ポリエステルをトナーに使用する事で、目的の熱物性を持つトナーを発明するに至った。
ただしこの場合にも、先の課題である、ポリ乳酸が低Tgであることについては解決可能であるが、ポリ乳酸のエステル基濃度が高いことによる低帯電性、に関しては乳酸のエステル基部分の親水性が問題であるため、完全な解決には至らない。
しかし、前述の樹脂を使用する事は過去に検討している表面樹脂粒子被覆によるシェル化と併用可能な方法である。Tgが低い樹脂の場合には、シェル化が不十分な粒子が僅かでも存在した場合にはトナー凝集体が発生するという問題があったが、筆者らが鋭意検討した結果、前述の樹脂を使用し、シェル化を行うことでシェル化の不十分なトナーが発生した場合にも、コア部の樹脂自体の高Tgにより凝集体を発生させず、またシェル部がコア部の親水性を抑制することで、前記問題を解決するトナーを発明するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)第1の樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)もしくは該樹脂(a)を含有する被膜(P)が、第2の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に付着されてなる構造の樹脂粒子(C)からなるトナーであって、樹脂(b)が、芳香環を含有するジオールとヒドロキシカルボン酸とから得られるポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するオリゴマーを伸張させた直鎖状ポリエステルであることを特徴とする電子写真用トナー。
(2)前記直鎖状ポリエステルのガラス転移温度が60℃以上75℃以下であることを特徴とする前記(1)記載の電子写真用トナー。
(3)前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するオリゴマーの数平均分子量が2000〜5000であることを特長とする前記(1)又は(2)に記載の電子写真用トナー。
(4)前記直鎖状ポリエステルの数平均分子量が7000〜30000であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(5)前記直鎖状ポリエステルに対する芳香環含有ジオール部の総重量比が10wt%以上50wt%以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(6)前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格が、光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、前記光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格がモノマー成分換算で光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が80%以下であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(7)前記芳香環を含有するジオールがビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(8)前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するオリゴマーを伸張させる際に、伸張剤としてジイソシアネート化合物を用いることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(9)前記樹脂(a)がポリエステルであることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(10)前記トナーが着色剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(11)前記トナーが離型剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(12)前記トナーが帯電制御剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(13)前記(1)〜(12)のいずれかに記載の電子写真用トナーを使用したことを特徴とする現像剤。
(14)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記トナーが、前記(1)〜(12)のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
(15)静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記トナーが、前記(1)〜(12)のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
(16)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記トナーが、前記(1)〜(12)のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明のトナーは以下の効果を有する。
低温定着性、耐熱保存安定性のいずれにも優れ、帯電量が多く、経時での帯電量変化が少ないトナー。
本発明の画像形成装置の一例の概略断面図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例の概略断面図である。
以下、本発明について詳しく説明する。
(樹脂b)
本発明の、第1の樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)もしくは樹脂(a)を含有する被膜(P)が、第2の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に付着されてなる構造の樹脂粒子(C)において、樹脂(b)は、芳香環を含有するジオールとヒドロキシカルボン酸とから得られるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有するオリゴマー(b1)を、伸張剤とともに反応させて得られる直鎖状のポリエステル系樹脂を含有する。直鎖状のポリエステルとするためには、(b1)および伸張剤が、それぞれ2官能である必要がある。どちらかが3官能以上であると、架橋反応が進行し直鎖状のポリエステルを得ることができない。
なお、直鎖状のポリエステルは、分岐状又は網目状のポリエステルに比べて溶剤溶解性と粘弾性の面でトナーに向いており、また物性制御の容易さと製造性の点で優れるという利点を有している。
芳香環の両末端をジオール化したモノマーを開始剤としてヒドロキシカルボン酸を重合したオリゴマーを作成し、得られたオリゴマーの両末端ジオール部を伸張剤を用いて伸張することにより、ランダム共重合の形の直鎖状ポリエステル系樹脂となる。このような構造とすることにより、ヒドロキシカルボン酸連続部位を高分子の特性が発現する重合度(繰り返し単位で50〜100以上)よりも下げ、かつ高Tgを発現させるモノマー種を導入することにより、ポリヒドロキシカルボン酸固有のTgの性質を消失させて高Tgの樹脂を得ることができる。
ポリヒドロキシカルボン酸固有のTgの性質を消失させるためには、前記オリゴマーの数平均分子量は2000〜5000が好ましい。オリゴマーが例えばMn=3000の場合、芳香族ジオールの両末端に乳酸が連結していることを考えると、平均して片側に15単位程度の繰り返しであり、一般に高分子の性質が発現されるとされる重合度である50〜100と比べると著しく短く、ポリ乳酸100%で構成される樹脂のTgの性質は現れない。開始剤に芳香環を含むモノマー成分を使用して短鎖のポリ乳酸合成を行い、その後イソシアネート伸張するという2段階での合成を行うことは、複数のモノマー成分を混合して1段階で長鎖の高分子合成を行うことに比べると、同一モノマーの連続部を作らせにくい合成方法であり、その様な構成を持つ樹脂は安定した熱物性を実現することが可能である。
(b1)を構成するポリヒドロキシカルボン酸骨格は、ヒドロキシカルボン酸が重合した骨格を有し、ヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法、あるいは、対応する環状エステルを開環重合する方法で形成できるが、脱水縮合の場合には脱水しきれない水が合成語に得られる固塊状の樹脂に残留する可能性があることから、トナー用樹脂としての合成としては環状エステルの開環重合が好ましい。
ヒドロキシカルボン酸としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸等)、芳香族ヒドロキシカルボン酸(サリチル酸、クレオソート酸、マンデル酸、バーリン酸、シリング酸等)あるいはこれらの混合物を挙げられ、対応する環状エステルとしては、グリコリド、ラクチド、γ−ブチロラクトン、6−バレロラクトン等が挙げられる。これらのうちで、樹脂粒子(C)の透明性と熱特性の観点から、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成するモノマーとしては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸および環状エステルが好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜6のヒドロキシカルボン酸(対応する環状エステルも含める)であり、特に好ましくはグリコール酸、乳酸、グリコリド、ラクチドであり、最も好ましくは、グリコール酸および乳酸である。
ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成するモノマーが乳酸のように光学活性モノマーの場合、モノマー成分換算で光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(%)を表す〕が80%以下であることが好ましく、さらに好ましくは60%以下である。この範囲であると、溶剤溶解性が向上する。
ここで、前記光学純度Xの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばポリエステル骨格を有する高分子乃至トナーを純水と1N水酸化ナトリウム及びイソプロピルアルコールの混合溶媒に添加し、70℃で加熱攪拌して加水分解をする。次いで、ろ過して液中の固形分を除去した後硫酸を加えて中和して、ポリエステル樹脂から分解されたL−及び/又はD−乳酸を含有する水性溶液を得る。該水性溶液を、キラル配位子交換型のカラムSUMICHIRAL OA−5000(株式会社住化分析センター製)を用いた高速液体クロマトグラフ(HPLC)で測定し、L−乳酸由来のピーク面積S(L)とD−乳酸由来のピーク面積S(D)を算出した。該ピーク面積から光学純度Xを次のようにして求めることができる。
X(L体)% = 100× S(L)/(S(L)+S(D))
X(D体)% = 100× S(D)/(S(L)+S(D))
光学純度X% = |X(L体)−X(D体)|
なお、当然のことながら、原料で用いているL体、D体は光学異性体であり、光学異性体は、光学特性以外の物理的、化学的性質は同じであるため、重合に用いた場合その反応性は等しく、モノマーの成分比と重合体におけるモノマーの成分比は同じとなる。
ポリヒドロキシカルボン酸骨格を持つオリゴマーを合成する際、反応開始剤としては、100℃、20mmHg以下の減圧乾燥や200℃程度の重合加熱を行っても揮散しないアルコール成分であれば、従来公知のいずれをも使用することができ、ジオール成分を使用する事で、両末端に水酸基を持つ直鎖状オリゴマーを得ることができるが、本発明においては後述のジオール系成分を開始剤として使用し、ポリ乳酸骨格に導入する。使用するジオール成分は、芳香環を有するジオールであり、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)、ビス(2−ヒドロキシプロピル)テレフタレート(BHPT)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のアルキレンオキサイド(アルキレンオキサイドを以下AOと略記する、具体例としてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられる)付加物、およびこれらの併用が挙げられるが、好ましくはビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)、ビス(2−ヒドロキシプロピル)テレフタレート(BHPT)であり、特に好ましくはBHETである。
前記オリゴマーは、通常のポリエステルの合成と同様に公知の方法で合成することができ、オリゴマーの数平均分子量は、反応開始剤の仕込み量を調整することにより調整することができる。
上記芳香環を有するジオール成分は、直鎖状ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度を向上させるために加えており、含有量は直鎖状ポリエステル樹脂組成物中で10wt%以上50wt%以下であることが好ましい。10wt%に満たないと、ポリ乳酸のみの直鎖状樹脂にくらべて本発明の直鎖状ポリエステルのTg上昇の効果が充分にえられない事から耐熱保存性が悪化し、50wt%を超えるとポリ乳酸骨格を使用する事の利点である充分な低温定着性が得られない。
直鎖状ポリエステル中のジオール部の総重量比は、基本的には合成時に使用する原材料の重量比と同じとなるが、合成後の樹脂から重量比を求める場合には1H−NMR測定を用いたポリヒドロキシカルボン酸部分のプロトンピーク面積と、芳香環部分のプロトンピーク面積から算出されるモノマー比率から求めることが可能である。
本発明においては、上記芳香環含有ジオールおよびヒドロキシカルボン酸から得られるオリゴマーを伸張剤により高分子量化する。伸張剤としては、水酸基との反応性を有する官能基を2つ有する化合物であれば使用することができる。例えば、イソシアネート系化合物、グリシジル系化合物、カルボジイミド系化合物、ビニル系化合物などが挙げられる。
中でもイソシアネート系化合物は、水酸基とイソシアネートとの反応でウレタン結合を生じ、ウレタン結合同士の相互作用により分子鎖の剛直性向上に寄与するため、特に効果的である。具体的なイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(略称:HDI)、リジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートなど、従来公知の2官能性イソシアネート化合物が挙げられる。中でもイソホロンジイソシアネート(略称:IPDI)が反応性、安全性の面から好ましい。
伸張剤により高分子量化する際の反応条件としては、使用する溶媒の沸点以下での加熱条件下であれば良い。伸張剤量は、好ましくは合成後の重量に対して6〜25wt%、さらに好ましくは10〜20wt%である。6wt%以下の場合には伸張が不十分で所望の物性を達成できないことがあり、25wt%を越える場合には使用されなかった伸張剤が樹脂中に残りトナー作成後に不具合を生じる可能性がある。
本発明により得られる樹脂(b)のガラス転移温度は、60℃以上75℃以下が好ましい。60℃未満の場合には保存性の改良が充分に達成されず、また75℃を超える場合には充分な低温定着性が得られない。
尚、ガラス転移温度は以下のように測定することができる。
(ガラス転移温度(Tg)の測定)
装置:DSC(TAインスツルメンツ社製、Q2000)
試料5〜10mgをアルミ製の簡易密閉パンに充填したものを以下の測定フローに供した。
1st Heating : 30℃〜220℃、5℃/min.、220℃到達後1分保持
冷却:温度制御なしで−20℃までクエンチ、−20℃到達後1分保持
2nd Heating : −20℃〜180℃、5℃/min.
ガラス転移温度は、2nd Heating のサーモグラムにおいてミッドポイント法を採用して値を読み取り、ガラス転移温度として評価を行った。
本発明により得られる直鎖状ポリエステルの数平均分子量は7000以上、30,000以下であることが好ましい。数平均分子量が30,000を超えると、定着下限温度が悪化し、数平均分子量が7000に満たないと、定着上限温度が悪化する。
(樹脂a)
樹脂(a)としては、いかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性であっても熱硬化性樹脂であってもよく例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂(a)としては、上記樹脂の2種以上を併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいという観点からビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびそれらの併用であり、好ましくはスチレン−アクリル系樹脂またはポリエステル樹脂、さらに好ましくはポリエステル樹脂である。
前記スチレン−アクリル系樹脂(スチレン−アクリル樹脂、スチレン樹脂、及びアクリル樹脂を含む)としては、スチレン系モノマー及び/又はアクリル系モノマーから構成されているものであれば、特に制限はない。前記スチレン系モノマーとしては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン等が使用できる。前記アクリル系モノマーとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチル脂肪酸モノカルボン酸エステル類等が使用できる。
前記ポリエステル系樹脂としては、多塩基酸、多価アルコール類から構成されているものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記多塩基酸のうちの芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。更に必要に応じて耐水性を損なわない範囲で少量の5−ナトリウムスルホイソフタル酸や5−ヒドロキシイソフタル酸を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えばシュウ酸、(無水)コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、水添ダイマー酸等の飽和ジカルボン酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無水)シトラコン酸、ダイマー酸等の不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸(無水物)、テトラヒドロフタル酸(無水物)などが挙げられる。
一方、多価アルコール成分については、グリコールとして炭素数2〜10の脂肪族グリコール、炭素数6〜12の脂環族グリコール、エーテル結合含有グリコールなどが挙げられる。
前記炭素数2〜10の脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールなどが挙げられる。
前記炭素数6〜12の脂環族グリコールとしては、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
前記エーテル結合含有グリコールとしては、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、更にビスフェノール類の2つのフェノール性水酸基にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリコール類、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどが挙げられる。なお、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールも必要により使用しうる。ただし、エーテル構造はポリエステル樹脂被膜の耐水性、耐候性を低下させることから、その使用量は全多価アルコール成分の10質量%以下、更には5質量%以下にとどめることが好ましい。
前記ポリエステル系樹脂は、必要に応じて3官能以上の多塩基酸及び/又は多価アルコールを共重合させて合成することができる。
前記3官能以上の多塩基酸としては、例えば(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸などが挙げられる。
前記3官能以上の多価アルコールとしては、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
前記3官能以上の多塩基酸及び/又は多価アルコールは、全酸成分あるいは全アルコール成分に対し10モル%以下、好ましくは5モル%以下の範囲で共重合されるが、10モル%を超えると、ポリエステル樹脂の長所である被膜の高加工性が発現されなくなる。
更に必要に応じて、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸やそのエステル形成性誘導体、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸等の高沸点のモノカルボン酸、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等の高沸点のモノアルコール、ε−カプロラクトン、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やそのエステル形成性誘導体を使用してもよい。
樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)は、保存時の耐熱性、耐ストレス性の観点から、好ましくは50℃〜100℃、さらに好ましくは52℃〜75℃ある。水性樹脂分散体を作成する温度よりTgが低いと、合一を防止したり、分裂を防止したりする効果が小さくなり、粒径の均一性を高める効果が小さくなる。なお、本発明における樹脂(a)のTgは、DSC測定またはフローテスター測定(DSCで測定できない場合)から求められる値である。
(DSC測定条件)
装置:DSC(TAインスツルメンツ社製、Q2000)
試料5〜10mgをアルミ製の簡易密閉パンに充填したものを以下の測定フローに供した。
1st Heating : 30℃〜220℃、5℃/min.、220℃到達後1分保持
冷却:温度制御なしで−20℃までクエンチ、−20℃到達後1分保持
2nd Heating : −20℃〜180℃、5℃/min.
ガラス転移温度は、2nd Heating のサーモグラムにおいてミッドポイント法を採用して値を読み取り、ガラス転移温度として評価を行った。
(フローテスター測定条件)
荷重:30kg/cm2、昇温速度:3.0℃/min、
ダイロ径:0.50mm、ダイ長さ:10.0mm
(CCA)
本発明のトナーは必要に応じ帯電制御剤をトナー中に含有させることができる。
例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料、例えばC.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Bas ic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など及びこれらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩、或いはジブチル又はジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。ブラック以外のカラートナーは、当然目的の色を損なう帯電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
トナー組成物中の帯電制御剤の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、0.1〜10wt%であることが好ましく、0.2〜5wt%がさらに好ましい。この含有量が、0.1wt%未満であると、必要な帯電量が得られないことがあり、10wt%を超えると、トナーの帯電が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラーとの静電的吸引力が増大し、トナーの流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
(着色剤)
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用できる。
例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキが挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
これらは、1種または2種以上を使用することができる。
トナー材料中の着色剤の含有量は、1〜15wt%であることが好ましく、3〜10wt%がさらに好ましい。この含有量が、1wt%未満であると、トナーに充分な色彩が付与できない事があり、15wt%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こりやすくなり好ましい着色力が得られない事があり、またトナーの電気特性の低下を招くことがある。
(離型剤)
本発明においてトナーに使用される離型剤としては公知のものが全て使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用することができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14mgKOH/gであることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30mgKOH/gが好ましい。その理由は本発明のトナー結着樹脂に対してこれらのワックスは適度に微分散するため後述するようにオフセット防止性と転写性・耐久性ともに優れたトナーとすることが容易なためである。これらワックス類は1種又は2種以上を併用して用いることができる。
その他の離型剤としては、固形シリコーンワックス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等、従来公知のいかなる離型剤をも混合して使用できる。
本発明のトナーに使用する離型剤のTgは70〜90℃が好ましい。70℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、90℃超では低温での離型性が発現されず、耐コールドオフセット性の悪化、定着機への紙の巻付きなどが発生する。これらの離型剤の使用量は、トナー樹脂成分に対し、1〜20質量%、好ましくは3〜10質量%である。1質量%未満ではオフセット防止効果が不十分であり20質量%を超えると転写性、耐久性が低下する。
本発明の樹脂粒子(C)は、第1の樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)もしくは、樹脂(a)を含有する被膜(P)が、第2の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)に付着されてなるものであれば、いかなる製造方法で得られたものであってもよい。
本発明の樹脂粒子(C)はどのような方法および過程で製造された樹脂粒子であってもよいが、樹脂粒子を製造する方法として、次のような製造方法(I)あるいは(II)等が挙げられる。
(I):樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、[樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液乃至分散液](以下(O)という))とを混合し、(W)中に(O)を分散し、(W)中で(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成する方法。この場合、樹脂粒子(B)の造粒と同時に(B)表面に樹脂粒子(A)あるいは被膜(P)が付着して樹脂粒子(C)の水性分散体(X)ができ、これから水性媒体を除去することによって造られる。
(II):あらかじめ作製した樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)を樹脂(a)を含有するコーティング剤(W’)でコーティングして樹脂粒子(C)を造る方法。この場合、コーティング剤(W’)は液体、固体、どのような形態であってもかまわず、さらに(a)の前駆体(a’)でコーティングした後に(a’)を反応させて(a)にしてもよい。また、用いる(B)は、乳化重合凝集法などで作製された樹脂粒子であっても、粉砕法で作製された樹脂粒子であっても、どのような製造法で作製されたものでもかまわない。またコーティング方法には、限定はなく、例えば、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中にあらかじめ作製した樹脂粒子(B)または(B)の分散体を分散させる方法や、(B)に(a)の溶解液をコーティング剤としてふりかける方法などが挙げられる。これらの中では(I)の製法が好ましい。
樹脂粒子(C)は、以下の製造方法により得られたものであることが、粒径が均一な樹脂粒子となることからさらに好ましい。
樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、(O)(樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液乃至分散液))とを混合し、(W)中に(O)を分散させて、(b)を含有する樹脂粒子(B)が形成される際に、樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)を吸着させることで樹脂粒子(C)同士が合一するのを防ぎ、また、高剪断条件下で(C)が分裂され難くする。これにより、(C)の粒径を一定の値に収斂させ、粒径の均一性を高める効果を発揮する。そのため、樹脂粒子(A)は、分散する際の温度において、剪断により破壊されない程度の強度を有すること、水に溶解したり、膨潤したりしにくいこと、(b)もしくはその有機溶剤溶液乃至分散液に溶解しにくいことが好ましい特性としてあげられる。
また、トナー成分である、着色剤、離型剤及び変性層状無機鉱物は、樹脂粒子(B)中に包含される。このため、(W)と(O)との混合前に、(O)の溶液中に分散させておく。また、帯電制御剤は樹脂粒子(B)に内包させてもよく、外添してもよい。内包させる場合には前記着色剤等と同様に(O)の溶液中に分散させておけばよく、また、外添する場合には粒子Cの形成後に外添する。
トナーのシェル化状態については、例えば、トナーをエポキシ樹脂に包埋して約100μmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率10,000倍で観察を行い、写真撮影し、この写真を画像評価することにより確認することができる。トナー母体樹脂とWAX、顔料、シェル層の材料はそれぞれ異なる為、染色状態はそれぞれ異なる。トナー粒子断面の外周の状態を観察し、母体樹脂とは異なる染色状態の層が全周に存在するかどうかを確認する事で測定することができ、前記の異なる染色状態の層がトナー粒子断面外周の一部にしか確認されない場合、もしくは大半に確認されるが部分的に存在しない部位が確認される場合、前記トナーはシェル化されていないと判断することができる。
(現像剤)
現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
(キャリア)
キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、平均粒径(重量平均粒径(D50))で、10〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。前記平均粒径(重量平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、200μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合には、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
前記二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部が好ましい。
<画像形成方法及び画像形成装置>
静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記トナーとして本発明のトナーを用いる。
さらに本発明の画像形成装置は、潜像担持体(感光体)と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有しており、トナーとして本発明のトナーを備えている。
(画像形成装置)
本発明のトナーを用いる画像形成装置の概略について以下述べる。
本発明の画像形成装置は静電潜像担持体(感光体)と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有しており、使用するトナーとして本発明のトナーを用いる。
本発明の電子写真式画像形成装置の一例としての複写機を図1に示す。
図1は、本発明の一実施の形態に係るカラー画像形成装置の内部構成図の一例を示す。この具体例はタンデム型間接転写方式の電子写真複写装置であるが、本発明の画像形成装置は本具体例に限ったものではない。
図中符号100は複写装置本体、200は複写装置本体100を載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ(読取り光学系)、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体100の中央位置には、横方向へ延びる無端ベルト状の中間転写体10を設ける。そして、図示例では中間転写体を3つの支持ローラ14・15・16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つの支持ローラの中で、第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。また、3つの支持ローラの中で第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成部20を構成する。タンデム画像形成部20の直上には、図に示すように、さらに露光装置21を設ける。一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成部20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。上述した2次転写装置22は、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成部20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動させた後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16のうちの1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。
そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着した後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。
図2に本発明の現像方法を用いるプロセスカートリッジの概略構成を示す。図2において、1はプロセスカートリッジ全体を示し、2は感光体、3は帯電手段、4は現像手段、5はクリーニング手段を示す。
本発明においては、上述の感光体2、帯電手段3、現像手段4及びクリーニング手段5等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は「質量部」を示すものとする。
(樹脂bの製造)
300mLの四つ口セパラブルフラスコ中に、表1のオリゴマー原材料に示す材料を表1に示す部数投入し、内温を徐々に150℃まで昇温し、その後、10mmHgで30min.脱水処理を行った。次いで、N2パージ下で170℃まで昇温し、目視下で系が均一化したことを確認した後、2−エチルヘキサン酸スズ0.05質量部を系に投入して重合反応を行った。この際、系の内温が190℃を超えないように制御した。2時間の反応時間経過後、系を再び流出ラインに切り替え、190℃、10mmHgの条件下で脱ラクチドし、重合反応を完結させた。その後、内温を徐々に120℃まで昇温した。目視下で系の均一化を確認した後、10mmHgで10min.脱水処理を行った。次いで、内温が50℃になるまで冷却し、脱水した酢酸エチルを50質量部を加えてオリゴマーを完全に溶解させた。その後、2−エチルヘキサン酸スズ0.02質量部を系に投入したのち、表1にしめす伸張剤を表1に示す部数、徐々に加えて伸張反応を開始した。この際、系の内温が80〜85℃になるよう制御した。4時間の反応時間経過後、内温を100℃まで昇温して反応溶液中の酢酸エチルを除去し、最後に反応溶液を取り出して120℃の乾燥機中で3h乾燥することにより、樹脂b−1〜18を得た。
Figure 0005541028
樹脂b−1〜18それぞれの光学純度、芳香族ジオール重量比、オリゴマー分子量、伸張後分子量は表2に示す通りである。
尚、実施例及び比較例で用いた成分の分子量は以下の方法で測定した。
(分子量の測定)
装 置:GPC(東ソー(株)製)、 検出器:RI、測定温度:40℃、
移動相:テトラヒドロフラン、 流 量:0.45mL/min.
分子量Mn、Mw、及び分子量分布Mw/Mnは、夫々、分子量既知のポリスチレン試料によって作成した検量線を標準としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定される数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布である。
Figure 0005541028
(微粒子分散液a1の製造)
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン135部、メタクリル酸110部、アクリル酸ブチル50部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)13部、過硫酸アンモニウム2部を仕込み、400回転/分で20分攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し6時間反応させた。さらに1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成してビニル樹脂(スチレンーメタクリル酸一メタクリル酸ブチルーアルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液a1]を得た。[微粒子分散液a1]をELS−800で測定した体積平均粒径は0.09μmであった。[微粒子分散液a1]の一部を乾燥して樹脂分を単離し、該樹脂分のフローテスター測定によるガラス転移温度は76℃であった。
(微粒子分散液a2の製造)
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン120部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル55部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)20部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で20分攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し6時間反応させた。さらに1%過硫酸アンモニウム水溶液50部を加え、75℃で6時間熟成してビニル樹脂(スチレンーメタクリル酸一メタクリル酸ブチルーアルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液a2]を得た。[微粒子分散液a2]をELS−800で測定した体積平均粒径は0.07μmであった。[微粒子分散液a2]の一部を乾燥して樹脂分を単離し、該樹脂分のフローテスター測定によるガラス転移温度は73℃であった。
(微粒子分散液a3の製造)
テレフタル酸1600部、イソフタル酸95部、エチレングリコール410部、ネオペンチルグリコール730部からなる混合物をオートクレープ中で、260℃で2.5時間加熱してエステル化反応を行った。次いで二酸化ゲルマニウムを触媒として0.25部添加し、系の温度を30分で280℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1時間後に0.1Torrとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、1.5時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、260℃になったところでイソフタル酸55部、無水トリメリット酸40部を添加し、255℃で30分撹拌し、シート状に払い出した。そしてこれを室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画の[ポリエステル樹脂a3]を得た。[ポリエステル樹脂a3]の酸価は28.5mgKOH/g、重量平均分子量Mwは11500、Tgは65℃であった。
ジャケット付きの2Lガラス容器に、前記[ポリエステル樹脂a3]200部、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル35部、ポリビニルアルコール(ユニチカ(株)「ユニチカポバール」050G)0.5重量%水溶液(以下、PVA−1)460部及び該ポリエステル樹脂中に含まれる全カルボキシル基量の1.2倍当量に相当するN,N−ジメチルエタノールアミン(以下、DMEA)を投入し、これを開放系で卓上型ホモディスパー(特殊機化工業(株)製,TKロボミックス)を用いて6,000rpmで撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、完全浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ち、10分後にジャケットに熱水を通し、加熱した。そして容器内温度が68℃に達したところで撹拌を7,000rpmとし、容器内温度を68〜70℃に保って更に20分間撹拌し、乳白色の均一な水分散体を得た。そしてジャケット内に冷水を流して3500rpmで撹拌しながら室温まで冷却し、ステンレス製のフィルター(635メッシュ,平織)を用いて濾過したところ、フィルター上には樹脂粒子がほとんど残らなかった。得られた微粒子分散液の、体積平均粒径は0.09μmであった。[微粒子分散液a3]の一部を乾燥して樹脂分を単離し、該樹脂分のフローテスター測定によるガラス転移温度は69℃であった。
(微粒子分散液a4の製造)
テレフタル酸1800部、イソフタル酸90部、エチレングリコール450部、ネオペンチルグリコール700部からなる混合物をオートクレープ中で、260℃で2.5時間加熱してエステル化反応を行った。次いで二酸化ゲルマニウムを触媒として0.25部添加し、系の温度を30分で280℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1時間後に0.1Torrとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、1.5時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、260℃になったところでイソフタル酸50部、無水トリメリット酸45部を添加し、255℃で30分撹拌し、シート状に払い出した。そしてこれを室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画の[ポリエステル樹脂a4]を得た。[ポリエステル樹脂a4]の酸価は30.2mgKOH/g、重量平均分子量Mwは10300、Tgは62℃であった。
ジャケット付きの2Lガラス容器に、前記[ポリエステル樹脂a4]200部、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル35部、ポリビニルアルコール(ユニチカ(株)「ユニチカポバール」050G)0.5重量%水溶液(以下、PVA−1)500部及び該ポリエステル樹脂中に含まれる全カルボキシル基量の1.2倍当量に相当するN,N−ジメチルエタノールアミン(以下、DMEA)を投入し、これを開放系で卓上型ホモディスパー(特殊機化工業(株)製,TKロボミックス)を用いて6,000rpmで撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、完全浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ち、10分後にジャケットに熱水を通し、加熱した。そして容器内温度が68℃に達したところで撹拌を7,000rpmとし、容器内温度を68〜70℃に保って更に20分間撹拌し、乳白色の均一な水分散体を得た。そしてジャケット内に冷水を流して3500rpmで撹拌しながら室温まで冷却し、ステンレス製のフィルター(635メッシュ,平織)を用いて濾過したところ、フィルター上には樹脂粒子がほとんど残らなかった。得られた微粒子分散液の、体積平均粒径は0.11μmであった。[微粒子分散液a4]の一部を乾燥して樹脂分を単離し、該樹脂分のフローテスター測定によるガラス転移温度は67℃であった。
(水系媒体の調整)
イオン交換水300質量部に、[微粒子分散液a1〜4]300質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を混合撹拌して均一に溶解させて水系媒体相を調製し、[水系媒体1〜4]を得た。
(マスターバッチの作製)
水1,000質量部、及びDBP吸油量が42ml/100g、pHが9.5のカーボンブラック(Printex35、デグサ社製)530質量部、及び1200質量部の樹脂を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを作製した。
(ケチミン化合物の合成)
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、イソホロンジアミン30質量部、及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃で5時間反応させ、ケチミン化合物を合成した。得られたケチミン化合物は、アミン価が423mgKOH/gであった。
実施例1〜15、比較例1〜3
(トナー母体粒子の作製)
反応容器内に表3に示す部数で[樹脂b−1〜18]、及び酢酸エチル80質量部を加えて攪拌して、樹脂溶液1〜18を調製した。
次に、樹脂溶液1〜18に表3に示す質量部でカルナウバワックス(分子量1,800、酸価2.7mgKOH/g、針入度1.7mm(40℃))、及びマスターバッチを仕込み、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスク周速度6m/秒で、粒径が0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスし、トナー材料液1〜18を得た。
次に、容器内に表3に示す部数で水系媒体1〜4を入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12,000rpmで攪拌しながら、トナー材料液1〜18を100質量部を添加し、10分間混合して乳化スラリーを得た。更に、攪拌機、及び温度計をセットしたコルベンに、乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら、30℃で10時間脱溶剤し、分散スラリー1〜18を得た。
次に、分散スラリー1〜18それぞれ100質量部を減圧濾過し、得られた濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで30分間混合した後、減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、フッ素系第四級アンモニウム塩化合物フタージェントF−310(ネオス社製)を、フッ素系四級アンモニウム塩がトナーの固形分100質量部に対して0.1質量部相当になるよう5%メタノール溶液で添加し、10分間攪拌した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。循風乾燥機を用いて、得られた濾過ケーキを40℃で36時間乾燥し、目開きが75μmのメッシュで篩い、トナー母体粒子1〜18を作製した。
得られたトナー母体粒子1〜18について、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率10,000倍で観察を行い、写真撮影し、この写真を画像評価することによりトナー粒子断面の外周の状態を観察した。トナー母体粒子1〜17については、母体樹脂とは異なる染色状態の層が全周に存在することが確認できたが、トナー母体粒子18については前記の異なる染色状態の層がトナー粒子断面外周の一部にしか確認されなかった。
Figure 0005541028
(トナーの作製)
得られたトナー母体粒子1〜18を100質量部と、外添剤としての疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、トナー1〜18を作製した。
(キャリアの作製)
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)100質量部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径が50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
(現像剤の作成)
トナー1〜18のそれぞれを5質量部と、前記キャリア95質量部とを混合して、実施例1〜15及び比較例1〜3の各現像剤を作製した。
得られたトナー又は現像剤を用いて以下のように評価を行なった。
<定着性>
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した電子写真方式の複写機(MF−200、株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、定着ベルトの温度を変化させて、普通紙及び厚紙の転写紙タイプ6200(株式会社リコー製)及び複写印刷用紙<135>(NBSリコー社製)に、トナーの付着量が0.85±0.1mg/cm2のベタ画像を形成した。このとき、厚紙でベタ画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる下限温度を定着下限温度とした。C以上が実用可能である。
〔定着下限温度の評価基準〕
A:定着下限温度が135℃未満
B:定着下限温度が135℃以上145℃未満
C:定着下限温度が145℃以上155℃未満
D:定着下限温度が155℃以上
<耐熱保存性(針入度)>
50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により、針入度(mm)を測定し、下記基準で耐熱保存性を評価した。なお、針入度が大きい程、耐熱保存性が優れていることを意味し、針入度が5mm未満であるものは、使用上、問題が発生する可能性が高く、C以上が実用可能である。
〔評価基準〕
A:針入度が25mm以上
B:針入度が15mm以上25mm未満
C:針入度が5mm以上15mm未満
D:針入度が5mm未満
<帯電量分布>
帯電量分布は、作製した現像剤に対して、帯電量分布測定装置(イースパートアナライザー、ホソカワミクロン株式会社製)によりQ/d分布(fC/μm)を測定し、この測定値から半値幅を求めた。なお、イースパートアナライザー(E−SPART ANALYZER)の測定条件としては、窒素ガス流量を0.3NL/min、ガス圧0.3気圧とした。帯電量の分布を示す指標としては、最頻値(ピーク値)[q/d]、及び最頻度の2分の1の高さの位置での分布の幅(半値幅)で表し、下記基準で評価した。C以上が、実用可能である。
〔評価基準〕
A:最頻値0.25fC/μm以上かつ半値幅0.2未満
B:最頻値0.20以上0.25fC/μm未満または半値幅0.2以上0.3未満
C:最頻値0.15以上0.20fC/μm未満または半値幅0.3以上0.4未満
D:最頻値0.15fC/μm未満又かつ半値幅0.4以上
<トナー帯電量経時変化>
トナー0.6gとシリコーンフェライトキャリア(関東電化工業社製、平均粒子径:90μm)19.4gとを50ml容のポリ瓶に入れ、ボールミルを用いて250r/minで60秒間混合した直後の帯電量をq/mメーター(EPPING社製)を用いて測定し、初期帯電量とした。同様にトナーとシリコーンフェライトキャリアを入れたポリ瓶を300回振盪したあとの帯電量を経時帯電量とした。その後、下記評価基準にしたがって帯電量の経時変化を評価した。
C以上が、実用可能である。
〔評価基準〕
A:経時帯電量が初期帯電量の80%以上
B:経時帯電量が初期帯電量の70%以上、80%未満
C:経時帯電量が初期帯電量の60%以上、70%未満
D:経時帯電量が初期帯電量の60%未満
Figure 0005541028
ポリ乳酸含有樹脂を使用したトナーはいずれも充分な低温定着性を示すが、耐熱保存性については比較例1〜3のトナーはいずれも実用可能なものではない。これに対しポリ乳酸に芳香環含有成分を含ませ伸張させるよう改質した樹脂を使用した本発明のトナーは低温定着性と耐熱保存性の向上が両立するような効果が発現した。
特開平9−319144号公報 特開2002−284881号公報 特許第3640918号公報 特許第2909873号公報 特開平7−33861号公報 特開昭59−96123号公報 特開2010−014757号公報
1 プロセスカートリッジ
2 感光体
3 帯電手段
4 現像手段
5 クリーニング手段
10 中間転写体
14・15・16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成部
22 2次転写装置
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 感光体
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
55 切換爪
56排出ローラ
57 排紙トレイ
60 帯電装置
61 現像装置
62 1次転写装置
64 除電装置
63 感光体クリーニング装置
61現像装置
86 トナー補給側攪拌室
87 現像側攪拌室
68 現像スリーブ
75 トナー濃度センサ
77 ドクタブレード
87 第二の現像剤撹拌室
80 仕切り板
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (16)

  1. 第1の樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)もしくは該樹脂(a)を含有する被膜(P)が、第2の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に付着されてなる構造の樹脂粒子(C)からなるトナーであって、樹脂(b)が、芳香環を含有するジオールとヒドロキシカルボン酸とから得られるポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するオリゴマーを伸張させた直鎖状ポリエステルであることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記直鎖状ポリエステルのガラス転移温度が60℃以上75℃以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. 前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するオリゴマーの数平均分子量が2000〜5000であることを特長とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナー。
  4. 前記直鎖状ポリエステルの数平均分子量が7000〜30000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  5. 前記直鎖状ポリエステルに対する芳香環含有ジオール部の総重量比が10wt%以上50wt%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  6. 前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格が、光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、前記光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格がモノマー成分換算で光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が80%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  7. 前記芳香環を含有するジオールがビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  8. 前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するオリゴマーを伸張させる際に、伸張剤としてジイソシアネート化合物を用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  9. 前記樹脂(a)がポリエステルであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  10. 前記トナーが着色剤を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  11. 前記トナーが離型剤を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  12. 前記トナーが帯電制御剤を含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の電子写真用トナーを使用したことを特徴とする現像剤。
  14. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記トナーが、請求項1〜12のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
  15. 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記トナーが、請求項1〜12のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
  16. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記トナーが、請求項1〜12のいずれかに記載の電子写真用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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