JP5812406B2 - 電子写真用トナー、該トナーを用いた現像剤、画像形成装置、画像形成方法およびプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真用トナー、該トナーを用いた現像剤、画像形成装置、画像形成方法およびプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法において形成される静電潜像を現像するためのトナーに関する。
従来より、電子写真装置、静電記録装置等において、電気的又は磁気的潜像は、トナーによって顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成し、次いで、トナーを用いて該潜像を現像して、トナー画像を形成している。トナー画像は、通常、紙等の転写材上に転写され、次いで、加熱等の方法で定着させている。
トナーの構成成分の70%以上を占めるバインダーレジンに関しては、そのほとんどが石油資源を原料としており、石油資源の将来枯渇への問題、石油資源を大量消費することによる二酸化炭素を大気中へ排出することによる温暖化問題が懸念されている。そこで、大気中の二酸化炭素を取り込んで成長する植物を原料とする環境循環型高分子をトナーバインダーとして使用できれば、それによって生じる二酸化炭素は環境中で循環するだけとなり、地球温暖化の抑制と石油資源の枯渇の問題を同時に満たす可能性がある。このことから植物資源を原料とするポリマー(バイオマス)に注目が集まっている。
このような植物由来の樹脂をトナーバインダーに用いる検討としては、例えば、特許文献1では、ポリ乳酸を結着樹脂として使用することが提案されている。ポリ乳酸は植物資源を原料とするポリマーとして汎用で入手しやすく、特許文献2及び3に記載されているように、乳酸モノマーの脱水縮合、もしくは乳酸環状ラクチドの開環重合によって合成される。しかし、ポリ乳酸をそのままトナーに用いた場合、ポリエステル樹脂に比べてエステル基濃度が高く、エステル結合を介する分子鎖が炭素原子(N=1)のみであることから、トナーに必要な物性をポリ乳酸のみで達成することは困難である。
この問題に対しては、ポリ乳酸とそれ以外の第2の樹脂を混合すること、もしくは共重合させることで、トナーに必要な物性、及び熱特性を確保することが考えられる。例えば 熱特性を改良するため、特許文献4では、ポリ乳酸系生分解樹脂に低分子量成分として、テルペンフェノール共重合体を含有することが提案されている。しかし、この提案は、低温定着性とホットフセット性を同時に満足するものでなく、ポリ乳酸系樹脂をトナーに実用化するには至っていない。さらに、ポリ乳酸の場合トナーに汎用に用いられるポリエステル樹脂やスチレン−アクリル共重合体との相溶性や分散性が極めて悪く、他の樹脂を併用した場合に保存性・帯電性・流動性といったトナーの重要な特性を担う最表面の組成を制御することが非常に困難になる。
共重合化によって上記課題の解決を試みた例としては、ポリ乳酸のD/L比率を規定したポリ乳酸骨格以外のポリエステル樹脂とのブロック共重合樹脂が特許文献5にて報告されている。しかしながら、前記特許文献5記載の方法では、ポリ乳酸を用いた結着樹脂の強靭性は必ずしも高いものではなく、現像プロセスに用いた際には、強靭性が低いことに起因して長期攪拌ストレスに伴う地汚れやトナー飛散が発生することが本発明者らの検討により明らかとなった。
さらに、省エネルギーを目的とした低温定着性トナーのニーズが高く、このような背景において、電子写真用トナーとしては定着温度を下げることが望まれている。低温定着性を持つトナー設計をした場合、耐熱保管性が新たな課題として挙げられる。具体的には、トナー、またはトナーを含むカートリッジの輸送中、トナーには一定圧力が負荷されている場合が多く、単純に表面改質によりトナー粒子表面のガラス転移温度を上げるだけでは、高温高湿環境において圧力によるトナー変形は避けられない。
上記課題はポリ乳酸を用いた結着樹脂においても同様であり、低温定着かつ耐熱保管性や長期の攪拌ストレスに対するトナーの耐久性向上がもとめられる。特許文献6では、トナー表面にポリエステル樹脂からなる樹脂微粒子または被膜を被覆することで結着樹脂の低温定着性を損なうことなく耐ホットオフセット性や環境安定性を付与する手法を提案しているが、母体そのものの強靭性が十分ではなかった。
強靭性を確保し、画像濃度、ヘイズ度、定着性、耐熱保存性、及び環境変動性に優れ、経時での定着性変化が少ないと共に、低温定着を達成するポリ乳酸を含有するトナー及びその関連技術は未だ得られておらず、更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
本発明は、耐ホットオフセット性を確保しつつ、低温定着性にも優れ、長期の高温保存で固着したり、地汚れやフィルミング、トナー飛散の発生することがなく、画像濃度、ヘイズ度、環境変動性が良好な画像を得ることができる電子写真用トナー及び該トナーを用いた画像形成装置、画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題点を解決するべく鋭意検討した結果、結着樹脂の強靭性を向上させるため、トナーにおいて、応力緩和に有効に作用し、強靭性を向上しうる低Tgのユニットを、トナー保存性に有効に働く高Tgユニットの相中に微細な構造を持って分散させる構成とすることで、樹脂の靭性向上と保存性のトレードオフの関係を解消することが可能であることを見出し、また、さらにトナーの耐オフセット性と低温定着性を確保するために、上記結着樹脂表面に樹脂粒子または樹脂皮膜を形成することが有効であることを見出して、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の通りである。
(1)少なくとも樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)もしくは樹脂(a)を含有する被膜(P)が、結着樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に付着されてなる構造の樹脂粒子(C)からなるトナーであって、樹脂(b)が、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、前記樹脂(a)が、ポリエステル樹脂であって、多塩基酸、多価アルコールより構成されており、昇温速度5℃/分での示差走査熱量計における前記結着樹脂(b)のガラス転移温度Tgが25℃〜65℃の間の一箇所に観察されるトナーであって、タッピングモードAFMによって観察される二次元位相差像において、高位相差像として現れる構造が低位相差像として現れる構造中に分散された構造をとることを特徴とする電子写真用トナー。
(2)前記高位相差の分散相における平均ドメインサイズが10nm以上45nm未満であることを特徴とする(1)に記載の電子写真用トナー。
(3)前記結着樹脂(b)がポリエステル骨格を有し、少なくとも、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰返し構造に有するポリエステル骨格Aと、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない骨格Bとを、ブロック共重合させてなることを特徴とし、前記ポリエステル骨格Aのガラス転移温度と、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない骨格Bのガラス転移温度をそれぞれTgA、TgBとし、それぞれの質量比をMA、MBとした時、TgBは少なくとも20℃以下であり、結着樹脂のガラス転移温度Tgが下記関係式で表されることを特徴とする(1)または(2)に記載の電子写真用トナー。
−5≦Tg−(TgA×MA/(MA+MB)+TgB×MB/(MA+MB))≦5
(4)前記ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない骨格Bが、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まないポリエステルであることを特徴とする(3)に記載の電子写真用トナー。
(5)前記ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まないポリエステルが分岐構造を有することを特徴とする(4)に記載の電子写真用トナー。
(6)前記ポリヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まないポリエステルにおける酸成分が、三価以上の多価カルボン酸を1.5mol%以上含有していることを特徴とする(4)又は(5)記載の電子写真用トナー。
(7)前記結着樹脂(b)における骨格Bの質量比率が5%以上25%以下であることを特とする(3)〜(6)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(8)前記結着樹脂(b)における骨格Bの数平均分子量Mn(B)が1000以上3000未満であることを特徴とする(3)〜(7)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
)(1)〜()のいずれかに記載の電子写真用トナーからなるか、又は、該電子写真用トナーとキャリアとからなることを特徴とする現像剤。
10)静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記現像剤が、()に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
本発明のトナーは以下の効果を有する。
耐ホットオフセット性を確保しつつ、低温定着性にも優れ、長期の高温保存で固着したり、地汚れやフィルミング、トナー飛散の発生すること無く、画像濃度、ヘイズ度、環境変動性が良好な画像を得ることが可能である。
本発明に係る画像形成装置の一例を示す図である。 プロセスカートリッジの一例を示す図である。
本発明のトナーを構成する樹脂粒子(C)は次の(1)又は(2)の構造を有する。
(1)少なくとも樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)が、結着樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に付着されてなる構造
(2)樹脂(a)を含有する被膜(P)が、結着樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に付着されてなる構造
そして、本発明のトナーは、前記樹脂(a)がポリエステル樹脂であって、多塩基酸、多価アルコールより構成されており、前記樹脂(b)がポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有することを特徴としている。
本発明に係る結着樹脂(b)は、有機溶剤に可溶な、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する結着樹脂であって、少なくとも昇温速度5℃/分での示差走査熱量計における結着樹脂のガラス転移温度Tgが25℃〜65℃の間の一箇所に観察されるトナーであって、結着樹脂のビッカース硬度が10以上であり、タッピングモードAFMによって観察される二次元位相差像において、高位相差像として現れる構造が低位相差像として現れる構造中に分散された構造をとり、前記高位相差の分散相における平均ドメインサイズが10nm以上45nm未満であることを特徴とする。
結着樹脂の強靭性を向上させるには、樹脂の内部に外部からの変形や圧力を緩和させる構造を導入させる必要がある。このための手段として、より柔らかい構造を導入することが上げられる。例えば常温でゴム状態を有する結着樹脂などが好適である。しかし、この場合には結着樹脂のガラス転移温度は実使用温度よりも低くせざるを得ず、保管中にトナー粒子が融着するブロッキングが起こりやすかった。この反面、実使用温度域におけるトナーブロッキングを防ぐためには少なくとも該実使用温度以上のガラス転移温度にする必要があり、両立させるためにはこの双方のトレードオフの関係を解決する必要があった。
本発明では、前記応力緩和に有効に作用し、強靭性を向上しうる低Tgのユニットを、トナー保存性に有効に働く高Tgユニットの相中に微細な構造を持って分散させる構成とすることで、樹脂の靭性向上と保存性のトレードオフの関係を解消することを知見した。前記分散状態を実現しうる結着樹脂の構造としては、ポリエステル骨格を有し、少なくとも、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰返し構造に有するポリエステル骨格Aと、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない骨格Bとを、ブロック共重合させた構成が、微細でかつ明確な低Tgユニットを分散させる上で有効である。
前記ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰返し構造に有するポリエステル骨格Aは、ヒドロキシカルボン酸が(共)重合した骨格を有し、ヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法、あるいは、対応する環状エステルを開環重合する方法で形成できる。重合法は、重合されるポリヒドロキシカルボン酸の分子量を大きくするという観点から環状エステルの開環重合体がより好ましい。トナーの透明性と熱特性の観点から、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成するモノマーとしては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜6のヒドロキシカルボン酸であり、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸などが挙げられるが、適切なガラス転移温度を示し、樹脂の透明性や着色剤との親和性の上で、乳酸は特に好ましい。
ポリマーの原材料としてヒドロキシカルボン酸以外に、ヒドロキシカルボン酸の環状エステルを用いる事も可能であり、その場合には重合して得られる樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格は、環状エステルを構成するヒドロキシカルボン酸が重合した骨格となる。例えば、ラクチド(乳酸ラクチド)を用いて得られる樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格は、乳酸が重合した骨格になる。
前記ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰返し構造に有するポリエステル骨格Aは、ポリ乳酸骨格であることが好ましい。ポリ乳酸は、乳酸がエステル結合により結合したポリマーであり、近年、環境に優しい生分解性プラスティックとして注目を集めている。即ち、自然界には、エステル結合を切断する酵素(エステラーゼ)が広く分布していることから、ポリ乳酸は環境中でこのような酵素により徐々に分解されて、単量体である乳酸に変換され、最終的には二酸化炭素と水になる。
ポリ乳酸樹脂組成物中において、下記式(1)で表される、モノマー成分換算での光学純度X(%)は、80%以下であることが好ましい。
X(%)=|X(L体)−X(D体)| ・・・ (1)
〔ただし、X(L体)は乳酸モノマー換算でのL体比率(%)、X(D体)は乳酸モノマー換算でのD体比率(%)を表す。〕
ここで、前記光学純度Xの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばポリエステル骨格を有する高分子乃至トナーを純水と1N水酸化ナトリウム及びイソプロピルアルコールの混合溶媒に添加し、70℃で加熱攪拌して加水分解をする。次いで、ろ過して液中の固形分を除去した後硫酸を加えて中和して、ポリエステル樹脂から分解されたL−及び/又はD−乳酸を含有する水性溶液を得る。該水性溶液を、キラル配位子交換型のカラムSUMICHIRAL OA−5000(株式会社住化分析センター製)を用いた高速液体クロマトグラフ(HPLC)で測定し、L−乳酸由来のピーク面積S(L)とD−乳酸由来のピーク面積S(D)を算出した。該ピーク面積から光学純度Xを次のようにして求めることができる。
X(L体)% =100× S(L)/(S(L)+S(D))
X(D体)% =100× S(D)/(S(L)+S(D))
光学純度X% =|X(L体)−X(D体)|
なお、当然のことながら、原料で用いているL体、D体は光学異性体であり、光学異性体は、光学特性以外の物理的、化学的性質は同じであるため、重合に用いた場合その反応性は等しく、モノマーの成分比と重合体におけるモノマーの成分比は同じとなる。
上記光学純度が80%以下であると、溶剤溶解性、樹脂の透明性が向上するため好ましい。
ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成するモノマーのX(D体)、X(L体)は、ヒドロキシカルボン酸骨格を形成する際に用いたモノマーのD体、X体の比率と等しくなる。従って、結着樹脂(b)のポリヒドロキシカルボン酸骨格のモノマー成分換算での光学純度X(%)を制御するにはモノマーとしてL体とD体のモノマーを適量併用しラセミ体を得ることで達成できる。
ポリ乳酸樹脂の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。公知の製造方法のうち、例えば、原料となるとうもろこし等の澱粉を発酵し、乳酸を得た後、乳酸モノマーから直接脱水縮合する方法や乳酸から環状二量体ラクチドを経て、触媒の存在下で開環重合によって合成する方法がある。中でも、分子量の制御を開始剤量で制御できること、および反応を短時間で完結できることなど、生産性の観点から鑑みて開環重合法による方法が好ましい。
反応開始剤としては、100℃、20mmHg以下の減圧乾燥や200℃程度の重合過熱を行っても揮散しないアルコール成分であれば、官能基数を問わず従来公知のいずれをも使用することができる。
また、前記ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない骨格Bは少なくとも20℃以下のガラス転移温度を有することが本発明における特徴であり、これによって結着樹脂の骨格Aを主成分とする外相に骨格Bを主成分とする内相が微分散した構造をとることができる。さらに、前記ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない骨格Bは少なくとも2個以上のヒドロキシル基を有する化合物であり、前記化合物を開始剤としてラクチドを開環重合して結着樹脂とすることができる。前記骨格Bとしてこのような2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を用いることで、着色剤との親和性を向上させる効果を示すとともに、両末端に骨格A由来の高Tgユニットを配置することで、前述のような骨格B由来の低Tgユニットが内部に分散しやすい結着樹脂の骨格を構築することができる。
骨格Bとしては、前記を満たす骨格であれば特に規定は無いが、例えばポリエーテルやポリカーボネート、ポリエステル、ヒドロキシル基を有するビニル樹脂、末端にヒドロキシル基を有するシリコーン樹脂等が挙げられる。中でも骨格Bとしては着色剤との親和性の観点からポリエステル骨格であることが特に好ましい。
前記骨格Bを構成するポリエステル骨格としては下記一般式(1)で表される1種若しくは2種以上のポリオールと、下記一般式(2)で表される1種若しくは2種以上のポリカルボン酸とをポリエステル化したものとを開環付加重合することで得ることができる。
A−(OH)m ・・・ 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Aは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。mは2〜4の整数を表す。
B−(COOH)n ・・・ 一般式(2)
ただし、前記一般式(2)式中、Bは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。nは2〜4の整数を表す。
前記一般式(1)で表されるポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールA酸化エチレン付加物、ビスフェノールA酸化プロピレン付加物、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA酸化エチレン付加物、水素化ビスフェノールA酸化プロピレン付加物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(2)で表されるポリカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(トリメリット酸)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記骨格Bを構成するポリエステル骨格のうち、酸成分として1.5mol%以上のトリメリット酸が含有されることが好ましい。トリメリット酸を導入することで適度な分岐・架橋構造を付与することが可能であり、分岐構造によって実質的な分子鎖を短くすることができる。これによって内相に分散する骨格Bのドメイン径を小さく制御することが可能となる。トリメリット酸が1.5mol%未満だと分岐が不十分となり、骨格Bのドメインサイズが必要以上に大きくなりやすく、耐熱保存性に悪影響を及ぼす場合がある。また、前記トリメリット酸の上限は3mol%であることが好ましい。3mol%を超える場合には分岐・架橋構造が複雑化することで樹脂の分子量が増大したり、溶剤溶解性が悪化したりする場合があり好ましくない。
この結着樹脂の内部分散状態は、原子間力顕微鏡(AFM)によるタッピングモードによる二次元位相差像によって確認される。原子間力顕微鏡におけるタッピングモードとはSurface Science Letter,290,668(1993)に記載されている方法であり、位相差像とは、例えばPolymer,35,5778(1994)、Macromolecules,28,6773(1995)等に説明が記載されているように、カンチレバーを振動させながら、試料表面の形状を測定する。このとき、試料表面の粘弾性的性質により、カンチレバーを振動元であるドライブと、実際の振動との間に位相差が生じる。この位相差をマッピングしたものが位相差像である。軟質な部位は位相の遅れが大きく、硬質部分は位相の遅れが小さく観察される。
本発明における結着樹脂は低いTgを有するユニットはより軟質、すなわち位相差が大きくなり、高いTgを有する部位は硬質であり位相差が小さい像として観察される。このとき、硬質である低位相差の像が外相であり、軟質な高位相差の像が内相で微分散された構造であることが本発明においては必要である。
前記位相差像を得るためのサンプルとしては、例えばライカ製ウルトラミクロトーム ULTRACUT UCTを用いて以下の条件で結着樹脂のブロックを切断して切片を出したものを用いることで観察できる。
・切削厚み:60nm
・切削速度:0.4/sec
・ダイヤモンドナイフ(Ultra Sonic 35°)使用
前記AFM位相差像を得るための代表的な装置としては、例えばアサイラムテクノロジー社製のMFP-3Dにて、カンチレバーとしてOMCL-AC240TS-C3を用いて以下の測定条件にて観察することができる。
・ target amplitude : 0.5V
・ target percent : −5%
・ amplitude setpoint : 315mV
・ scan rate : 1Hz
・ scan points : 256×256
・ scan angle : 0°
本発明における前記AFM位相差像の高位相差像(すなわち軟質・低Tgユニット)の分散径は任意に30点選んだ高位相差像の直線でもっとも長い径の平均値を平均ドメインサイズと定義する。この前記平均ドメインサイズは45nm未満であることが必要であり、10nm以上であることが好ましい。前記ドメインサイズが45nm以上になると、付着性の強い低Tgユニットがストレスによって露出しやすくなり、トナーフィルミング性が悪化することがある。10nm以下であると応力緩和の程度が著しく弱まり、靭性に対する改善効果が不十分なことがある。
なお、図1に本発明における代表的な結着樹脂の二次元位相差像を示した。
前記結着樹脂のガラス転移温度は示差走査熱量計(DSC)の吸熱チャートから求めることができる。代表的にはTAインスツルメンツ社製、Q2000が挙げられる。当該結着樹脂を5〜10mgをアルミ製の簡易密閉パンに充填したものを以下の測定フローに供することで求めることができる。
1st Heating:30℃〜220℃、5℃/min.、220℃到達後1分保持
冷却 :温度制御なしで−60℃までクエンチ、−60℃到達後1分保持
2nd Heating:−60℃〜180℃、5℃/min.
ガラス転移温度は、2nd HeatingのサーモグラムにおいてASTM D3418/82で定義されるミッドポイント法を採用して値を読み取り、ガラス転移温度とする。なお、ガラス転移点の特定には、一次微分をおこなったDrDSCチャートから変極点をもとめて判断することが好ましい。この結着樹脂のガラス転移温度Tgは前記測定フローにおける温度範囲において、一箇所のみに観察されることが必要であり、そのTgは前記ポリエステル骨格Aのガラス転移温度と、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない骨格Bのガラス転移温度をそれぞれTgA及びTgBとし、それぞれの質量比をMA、MBとした時、結着樹脂のガラス転移温度Tgが以下の関係で表されることを特徴とする。
−5≦Tg−(TgA×MA/(MA+MB)+TgB×MB/(MA+MB))≦5
前記骨格Aと骨格Bが互いに相溶する場合、一般的にガラス転移温度はその両者の混合比に応じた一箇所に決定される。しかし、本発明における結着樹脂の構成は前述の通り、AFMによって軟質な低Tgユニットがより硬質な高Tgユニットに分散された構造を有することが必要であるため、完全に相溶する構造ではない。一方、Tgの異なる互いに非相溶な二種のユニットが共存している場合、結着樹脂のガラス転移温度は通常二箇所に観察される。これらのことから、本発明における結着樹脂は軟質・硬質の異なるドメインを有しながらも、その両者が一箇所のみに観察されるガラス転移温度で示されるように親和性が強い半相溶な状態を有する特殊な状態と考えられる。本発明においては、前記条件を満たす結着樹脂が、トナーの耐ストレス性(強靭性)と耐熱保存性を向上させる上で必要である。
前記ガラス転移温度が二箇所以上に観察される場合、前記骨格A、Bの親和性に乏しく低Tgユニットである骨格B由来のドメインサイズが大きくなりやすい。この場合、長期の現像剤攪拌時のストレスに対して変形しやすくなるとともに、低Tgユニットがトナー表面に露出しやすくなり、キャリアや現像機内での固着を引き起こすため、逆に地汚れや白スジが悪化し好ましくない。また、前記ガラス転移温度が上記式を満たし、一箇所に観察される場合においても、硬質・軟質なドメインの分散構造が観察されない(すなわち平均ドメイン径が著しく小さい、もしくは存在しない)場合には、骨格A、Bはほぼ完全に相溶した均質な樹脂であると判断でき、この場合には応力緩和に有利に作用する骨格Bの効果が著しく薄められ、地汚れが悪化する場合がある。
前記骨格Bの構成としては、特定の分子量と含有率であることが好ましく、前記結着樹脂における骨格Bの質量比率が5%以上25%以下であり、数平均分子量Mn(B)が1000以上2500以下であることが、前記相溶・相分離状態を決定する上でより好ましい。
樹脂(a)に用いるポリエステル樹脂において、酸価は10〜40mgKOH/g、好ましくは10〜35mgKOH/gである。この酸価が40mgKOH/gを超えると、形成される被膜の耐水性が劣る傾向がある。一方、酸価が10mgKOH/g未満の場合は、水性化に寄与するカルボキシル基量が十分でなく、良好な水分散体を得ることができない傾向がある。また、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフイー,ポリスチレン換算)で測定される重量平均分子量が9,000以上、又はフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの等質量比混合溶媒中に1質量%の濃度で溶解させ、20℃で測定したときの相対粘度が1.20以上であることが好ましい。
重量平均分子量が9,000未満又は相対粘度が1.20未満の場合、該ポリエステル樹脂の水分散体から形成される被膜に十分な加工性が付与されない傾向がある。さらに、ポリエステル樹脂の重量平均分子量は12,000以上、更には15,000以上が特に好ましい。上限については45,000以下が好ましい。45,000を超えると、ポリエステル樹脂の製造時の操業性を悪化したり、このようなポリエステル樹脂を使用した水分散体では粘度が高くなり過ぎる傾向がある。また、相対粘度は1.22以上が好ましく、1.24以上がより好ましい。上限については1.95以下が好ましく、この値を越えると、ポリエステル樹脂の製造時の操業性を悪化させたり、このようなポリエステル樹脂を使用した水分散体では粘度が高くなり過ぎる傾向がある。
前記ポリエステル樹脂(a)は本来それ自身で水に分散又は溶解しない本質的に水不溶性のものであり、多塩基酸、多価アルコール類より実質的に合成されるものである。以下にこれらのポリエステル樹脂(a)の構成成分について説明する。
多塩基酸のうちの芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等を挙げることができ、必要に応じて耐水性を損なわない範囲で少量の5−ナトリウムスルホイソフタル酸や5−ヒドロキシイソフタル酸を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、(無水)コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、水添ダイマー酸等の飽和ジカルボン酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無水)シトラコン酸、ダイマー酸等の不飽和ジカルボン酸等を挙げることができ、脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸(無水物)、テトラヒドロフタル酸(無水物)等を挙げることができる。
全酸成分に占める芳香族多塩基酸の含有率の合計は、50モル%以上が好ましい。この値が50モル%未満の場合には脂肪族多塩基酸及び脂環族多塩基酸に由来する構造が樹脂骨格中の過半を占めるため、形成される被膜の硬度、耐汚染性、耐水性が低下する傾向があり、脂肪族及び/又は脂環族のエステル結合が芳香族エステル結合に比して耐加水分解性が低いために、水分散体の貯蔵安定性が低下することがある。水分散体の貯蔵安定性を確保するためには、全酸成分に占める芳香族多塩基酸の含有率は70モル%以上が好ましく、形成される被膜の他の性能とバランスをとりながらその加工性、耐水性、耐薬品性、耐候性を向上させることができる点において、ポリエステル樹脂を構成する全酸成分の65モル%以上がテレフタル酸であることは、本発明の課題を達成するうえで特に好ましい。
一方、多価アルコール成分については、グリコールとして炭素数2〜10の脂肪族グリコール、炭素数6〜12の脂環族グリコール、エーテル結合含有グリコールを挙げることができる。炭素数2〜10の脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール等、炭素数6〜12の脂環族グリコールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。エーテル結合含有グリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、さらにビスフェノール類の2つのフェノール性水酸基にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリコール類、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールも必要により使用しうる。ただし、エーテル構造はポリエステル樹脂被膜の耐水性、耐候性を低下させることから、その使用量は全多価アルコール成分の10質量%以下、更には5質量%以下にとどめることが好ましい。
本発明においては、ポリエステル樹脂の全多価アルコール成分の50モル%以上、特に65モル%以上がエチレングリコール及び/又はネオペンチルグリコールで構成されていることが好ましい。エチレングリコール及びネオペンチルグリコールは工業的に多量に生産されているので安価であり、しかも形成される被膜の諸性能にバランスがとれ、エチレングリコール成分は特に耐薬品性を、ネオペンチルグリコール成分は特に耐候性を向上させるという長所を有する。
本発明で樹脂(a)として使用されるポリエステル樹脂は、必要に応じて3官能以上の多塩基酸及び/又は多価アルコールを共重合することができるが、3官能以上の多塩基酸としては(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等が使用される。一方、3官能以上の多価アルコールとしてはグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が使用される。3官能以上の多塩基酸及び/又は多価アルコールは、全酸成分あるいは全アルコール成分に対し10モル%以下、好ましくは5モル%以下の範囲で共重合されるが、10モル%を越えるとポリエステル樹脂の長所である被膜の高加工性が発現されなくなる。
また、必要に応じて、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸やそのエステル形成性誘導体、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸等の高沸点のモノカルボン酸、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等の高沸点のモノアルコール、ε−カプロラクトン、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やそのエステル形成性誘導体を使用してもよい。
かかるポリエステル樹脂は、前記のモノマー類より公知の方法を用いて合成される。例えば、(a)全モノマー成分及び/又はその低重合体を不活性雰囲気下で180〜250℃、2.5〜10時間程度反応させてエステル化反応を行い、引き続いて触媒の存在下、1Torr以下の減圧下に220〜280℃の温度で所望の溶融粘度に達するまで重縮合反応を進めてポリエステル樹脂を得る方法、(b)前記重縮合反応を、目標とする溶融粘度に達する以前の段階で終了し、反応生成物を次工程で多官能のエポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、オキサゾリン系化合物等から選ばれる鎖長延長剤と混合し、短時間反応させることにより高分子量化を図る方法、(c)前記重縮合反応を目標とする溶融粘度以上の段階まで進めておき、モノマー成分を更に添加し、不活性雰囲気、常圧〜加圧系で解重合を行うことで目標とする溶融粘度のポリエステル樹脂を得る方法等を挙げることができる。
水性化に必要なカルボキシル基は、樹脂骨格中に存在するよりも樹脂分子鎖の末端に偏在していることが、形成される被膜の耐水性の面から好ましい。副反応やゲル化等を伴わずに、高分子量のポリエステル樹脂の分子鎖末端に特定量のカルボキシル基を導入する方法としては、ポリエステル樹脂を製造する場合、前記の方法(a)において重縮合反応の開始時以降に3官能以上の多塩基酸成分を添加するか、或いは、重縮合反応の終了直前に多塩基酸の酸無水物を添加する方法、前記の方法(b)において大部分の分子鎖末端がカルボキシル基である低分子量ポリエステル樹脂を鎖長延長剤により高分子量化させる方法、前記の方法(c)において解重合剤として多塩基酸成分を使用する方法等が好ましい態様である。
前記ポリエステル樹脂水分散体中におけるポリエステル樹脂の含有率はその使用される用途、乾燥膜厚、成形方法によって適宜選択されるべきであるが、一般には0.5〜50質量%、中でも1〜40質量%の範囲で使用することが好ましい。後述するように、本発明のポリエステル樹脂水分散体はポリエステル樹脂の含有率が20質量%以上といった高固形分濃度であっても貯蔵安定性に優れるという長所を有する。しかし、ポリエステル樹脂の含有率が50質量%を越えるとポリエステル樹脂水分散体の粘度が著しく高くなり、実質的に成形が困難となってしまう場合がある。
[塩基性化合物]
本発明における樹脂(a)のポリエステル樹脂は水媒体に分散させる際、塩基性化合物で中和される。本発明においてはポリエステル樹脂中のカルボキシル基との中和反応が水性化(樹脂微粒子の形成)の起動力であり、しかも生成したカルボキシアニオン間の電気反発力によって、後述のごく少量の保護コロイド作用を有する化合物との併用により、微粒子間の凝集を防ぐことができる。塩基性化合物としては被膜形成時、或いは硬化剤配合による焼付硬化時に揮散する化合物が好ましく、このようなものとしてはアンモニア、沸点が250℃以下の有機アミン化合物等が挙げられる。
望ましい有機アミン化合物の例としては、トリエチルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。塩基性化合物は、ポリエステル樹脂中に含まれるカルボキシル基に応じて、少なくとも部分中和し得る量、すなわち、カルボキシル基に対して0.2〜1.5倍当量を添加することが好ましく、0.4〜1.3倍当量を添加することがより好ましい。0.2倍当量未満では塩基性化合物添加の効果が認められず、1.5倍当量を越えると、ポリエステル樹脂水分散体が著しく増粘する場合がある。
[両親媒性の有機溶剤]
本発明においては、水性化処理速度を加速させる目的で、水性化工程では、ポリエステル樹脂に対して可塑化能力を有する両親媒性の有機化合物を必要とする。但し、沸点が250℃を超えるものは、あまりに蒸発速度がおそく、被膜の乾燥時にもこれを十分に取り除くことができないため、沸点が250℃以下であり、しかも毒性、爆発性や引火性の低い、いわゆる、有機溶剤と呼ばれる汎用の化合物が対象となる。
本発明でいう有機溶剤に要求される特性は、両親媒性であること、ポリエステル樹脂に対して可塑化能力を有することである。ここで両親媒性の有機溶剤とは、20℃における水に対する溶解性が少なくとも5g/L以上、望ましくは10g/L以上であるものをいう。この溶解性が5g/L未満のものは、水性化処理速度を加速させる効果に乏しい。また、有機溶剤の可塑化能力は、次のような簡便な試験によって判断することができる。すなわち、対象とするポリエステル樹脂から3cm×3cm×0.5cm(厚さ)の角板を試作し、これを50mlの有機溶剤に浸して25〜30℃の雰囲気で静置する。3時間後に角板の形状が明らかに変形しているか、或いは、厚さ方向に対して1kg/cm2の力を静的に加えながら0.2cm径のステンレス製の丸棒を接触させた際に、丸棒の0.3cm以上が角板に侵入する場合、その有機溶剤の可塑化能力はあると判断される。可塑化能力が無いと判断される有機溶剤は、水性化処理速度を加速させる効果に乏しい。
かかる有機溶剤としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体、さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等を例示することができる。これらの溶剤は単一でも、また2種以上を混合しても使用できる。
これら例示した有機溶剤のうち、次に述べる2条件を満足する化合物を単一で使用するか、また2種以上を混合して使用する場合、水性化処理速度を加速させる効果が特に優れるばかりでなく、生成したポリエステル樹脂水分散体の貯蔵安定性に優れるので好ましい。
(条件1)分子中に、炭素原子が直接4個以上結合した疎水性構造を有すること
(条件2)分子末端に、ポーリング(Pauling)の電気陰性度が3.0以上の原子を1個以上含有する置換基を有し、該置換基中の電気陰性度が3.0以上の原子と直接結合している炭素原子の13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトルのケミカルシフトが、室温、CDCl中で測定した場合に50ppm以上であるような極性の置換基を有すること。
条件2で規定される置換基としては、アルコール性ヒドロキシル基、メチルエーテル基、ケトン基、アセチル基、メチルエステル基等を例示でき、前記2条件を満足する化合物のうち、特に好適な有機溶剤としては、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル等のエステル類、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体、さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノールを例示することができる。
かかる有機溶剤は、沸点が100℃以下か、あるいは水と共沸可能であれば、水性化工程中、あるいはそれに続く工程でその一部又はその全てを系外に除去(ストリッピング)することができるが、最終的にはポリエステル樹脂水分散体に対して0.5〜10質量%、好ましくは0.5〜8.0質量%、さらに好ましくは1.0〜5.0質量%含有させるべきである。0.5〜10質量%で含有させたポリエステル樹脂水分散体は貯蔵安定性に優れ、しかも被膜形成性に優れる。0.5質量%未満では水性化に長時間を要したり、望ましい粒径分布を有するポリエステル樹脂微粒子が生成しない場合があるといった問題もある。一方、10質量%を越えると、水性化本来の目的が損なわれるだけでなく、後述する水分散体中の二次粒子の存在割合が高くなるために水分散体の粘度が異常に高くなったり、貯蔵安定性に劣ったり、さらには被膜形成性に劣ったりするという不具合を生じることがある。
[保護コロイド作用を有する化合物]
本発明では、前記した有機溶剤を系外に除去(ストリッピング)する工程、或いは貯蔵時の該水分散体の安定性を確保する目的で、必要に応じて保護コロイド作用を有する化合物を使用する。本発明でいう保護コロイドとは、水媒体中の樹脂微粒子の表面に吸着し、いわゆる、「混合効果」、「浸透圧効果」あるいは「容積制限効果」と呼ばれる安定化効果を示して樹脂微粒子間の吸着を防ぐ作用をいう。保護コロイド作用を有する化合物としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を一成分とするビニル単量体の重合物、ポリイタコン酸、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、膨潤性雲母等を例示することができる。かかる化合物は水溶性、或いは、塩基性化合物で部分的に中和することによって水溶化するが、形成される被膜の耐水性を損なわないためには、該塩基性化合物はアンモニア及び/又は前記の有機アミン化合物でなければならない。また、少量添加で保護コロイドとしての作用を発現し、形成される被膜の耐水性、耐薬品性等を損なわないためには、保護コロイド作用を有する化合物の数平均分子量は1,500以上のものが好ましく、2,000以上、更には2,500以上のものがより好ましい。
かかる保護コロイド作用を有する化合物の使用量は、前記ポリエステル樹脂に対しては0.01〜3質量%、好ましくは0.03〜2質量%である。この範囲であれば、形成される被膜の諸性能を低下させることなく、水性化工程及び貯蔵時のポリエステル樹脂水分散体の安定性を著しく向上させることができる。また、かかる保護コロイド作用を有する化合物を使用することにより、ポリエステル樹脂の酸価及び前記有機溶剤の含有量を低減できる。また、前記ポリエステル樹脂(A’)に対しての使用量は0.05質量%以下、好ましくは0.03質量%以下であり、0.05質量%以下であれば形成される被膜の諸性能を低下させることなく、水性化工程及び貯蔵時のポリエステル樹脂水分散体の安定性を著しく向上させることができる。
本発明における樹脂粒子(C)は、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)もしくは、樹脂(a)を含有する被膜(P)が、結着樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面を被覆するものであれば、いかなる製造方法で得られたものであってもよい。
本発明における樹脂粒子(C)はどのような方法および過程で製造された樹脂粒子であってもよいが、樹脂粒子を製造する方法として、次のような製造方法(I)あるいは(II)等が挙げられる。
(I):樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、[結着樹脂(b)もしくはそれらの有機溶剤溶液乃至分散液](以下(O)という)とを混合し、(W)中に(O)を分散し、(W)中で(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成する方法。
この場合、樹脂粒子(B)の造粒と同時に(B)表面に樹脂粒子(A)あるいは被膜(P)が付着して樹脂粒子(C)の水性分散体(X)ができ、これから水性媒体を除去することによって造られる。
(II):あらかじめ作製した結着樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)を樹脂(a)を含有するコーティング剤(W’)でコーティングして樹脂粒子(C)を得る方法。
この場合、コーティング剤(W’)は液体、固体、どのような形態であってもかまわず、さらに(a)の前駆体(a’)でコーティングした後に(a’)を反応させて(a)にしてもよい。また、用いる(B)は、乳化重合凝集法などで作製された樹脂粒子であっても、粉砕法で作製された樹脂粒子であっても、どのような製造法で作製されたものでもかまわない。またコーティング方法には、限定はなく、例えば、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中にあらかじめ作製した樹脂粒子(B)または(B)の分散体を分散させる方法や、(B)に(a)の溶解液をコーティング剤としてふりかける方法などが挙げられる。これらの中では(I)の製法が好ましい。
樹脂粒子(C)は、以下の製造方法により得られたものであることが、粒径が均一な樹脂粒子となることからさらに好ましい。樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、(O)(樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液乃至分散液)とを混合し、(W)中に(O)を分散させて、(b)を含有する樹脂粒子(B)が形成される際に、樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)を吸着させることで樹脂粒子(C)同士が合一するのを防ぎ、また、高剪断条件下で(C)が分裂され難くする。これにより、(C)の粒径を一定の値に収斂させ、粒径の均一性を高める効果を発揮する。そのため、樹脂粒子(A)は、分散する際の温度において、剪断により破壊されない程度の強度を有すること、水に溶解したり、膨潤したりしにくいこと、(b)、もしくはその有機溶剤溶液乃至分散液に溶解しにくいことが好ましい特性としてあげられる。
また、トナー成分である、着色剤、離型剤及び変性層状無機鉱物は、樹脂粒子(B)中に包含される。このため、(W)と(O)との混合前に、(O)の溶液中に分散させておく。また、帯電制御剤は樹脂粒子(B)に内包させてもよく、外添してもよい。内包させる場合には前記着色剤等と同様に(O)の溶液中に分散させておけばよく、また、外添する場合には粒子Cの形成後に外添する。
樹脂粒子(A)が水や分散時に用いる溶剤に対して、溶解したり、膨潤したりするのを低減する観点から、樹脂(a)の分子量、sp値(sp値の計算方法はPolymer Engineering and Science,Feburuary,1974,VoL14、No.2P、147〜154による)、結晶性、架橋点間分子量等を適宜調整するのが好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂等の、数平均分子量(Mn)、および重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分について、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) :東ソー製HLC−8120
カラム(一例) :TSKgelGMHXL(2本)
:TSKgelMultiporeHXL−M(1本)
試料溶液 :0.25%のTHF溶液
溶液注入量 :100μl
流量 :1ml/分
測定温度 :40℃
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :東ソー製標準ポリスチレン(TSKstandardPOLYSTYRENE)12点(分子量500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)は、樹脂粒子(C)の粒径均一性、粉体流動性、保存時の耐熱性、耐ストレス性の観点から、好ましくは50℃〜100℃、さらに好ましくは51℃〜90℃、とくに好ましくは52℃〜75℃ある。水性樹脂分散体を作成する温度よりTgが低いと、合一を防止したり、分裂を防止したりする効果が小さくなり、粒径の均一性を高める効果が小さくなる。また、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)および樹脂(a)を含有する被膜(P)のTgは、同様の理由で、好ましくは20〜200℃、さらに好ましくは30〜100℃、とくに好ましくは40〜85℃である。なお、本発明におけるTgは、DSC測定またはフローテスター測定(DSCで測定できない場合)から求められる値である。
DSCで測定する場合は、セイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTMD3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。フローテスター測定には、島津製作所製の高架式フローテスターCFT500型を用いる。フローテスター測定の条件は下記のとおりであり、以下測定は全てこの条件で行われる。
(フローテスター測定条件)
荷重:30kg/cm2、昇温速度:3.0℃/min、
ダイロ径:0.50mm、タイ長さ:10.0mm
樹脂(a)のガラス転移温度(g)を調整する場合、(a)の分子量および/または(a)を構成する単量体組成を変更することで容易に調整できる。(a)の分子量(分子量が大きくなるほど、これらの温度は高くなる。)を調整する方法としては、公知の方法でよく、例えば、ポリエステル樹脂のような逐次反応で重合する場合には、単量体の仕込み比の調整が挙げられる。
樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中に、水以外に後述の有機溶剤(u)のうち水と混和性の有機溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)が含有されていてもよい。この際、含有される有機溶剤は、樹脂粒子(A)の凝集を引き起こさないもの、樹脂粒子(A)を溶解しないもの、および樹脂粒子(C)の造粒を妨げることがないものであればどの種であっても、またどの程度の含有量であってもかまわないが、水との合計量の40質量%以下用いて、乾燥後の樹脂粒子(C)中に残らないものが好ましい。
本発明に用いる有機溶剤(u)は、乳化分散の際に必要に応じて水性媒体中に加えても、被乳化分散体中[樹脂(b)を含む油相(O)]に加えてもよい。有機溶剤(u)の具体例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素系溶剤;n−ヘキサン、n−へブタン、ミネラルスピリットシクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤;塩化メチル、臭化メチルヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテートエチルセロソルブアセテートなどのエステル系またはエステルエーテル系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランジオキサン、エチルセロソルブ、プチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤:メタノールエタノールn−プロパノールイソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールt−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコールベンジルアルコールなどのアルコール系溶剤:ジメチルホルムアミドジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、N−メチルピロリドンなどの複素環式化合物系溶剤、ならびにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
可塑剤(v)は、乳化分散の際に必要に応じて水性媒体中に加えても、被乳化分散体中[樹脂(b)を含む油相(O)]に加えてもよい。可塑剤(v)としては、何ら限定されず、以下のものが例示される。
(vl)フタル酸エステル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジルフタル酸ジイソデシル等];
(v2)脂肪族2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];
(v3)トリメリット酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];
(v4)燐酸エステル[リン酸トリエチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジール等];
(v5)脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];
(v6)前記(v1)〜(v5)から選ばれる2種以上の混合物
本発明において用いる樹脂粒子(A)の粒径は、通常、形成される樹脂粒子(B)の粒径よりも小さく、粒径均一性の観点から、粒径比[樹脂粒子(A)の体積平均粒径]/[樹脂粒子(B)の体積平均粒径]の値が0.001〜0.3の範囲であるのが好ましい。粒径比の下限は、さらに好ましくは0.003であり、上限は、さらに好ましくは0.25である。粒径比が、0.3より大きいと(A)が(B)の表面に効率よく吸着しないため、得られる(C)の粒度分布が広くなる傾向がある。
樹脂粒子(A)の体積平均粒径は、所望の粒径の樹脂粒子(C)を得るのに適した粒径になるように、上記粒径比の範囲で適宜調整することができる。(A)の体積平均粒径は、一般的には、0.0005〜1μmが好ましい。上限は、さらに好ましくは0.75μm、とくに好ましくは0.5μmであり、下限は、さらに好ましくは0.01μm、とくに好ましくは0.02μm、最も好ましくは0.04μmである。ただし、例えば、体積平均粒径1μmの樹脂粒子(C)を得たい場合には、好ましくは0.0005〜0.30μm、とくに好ましくは0.001〜0.2μmの範囲、10μmの樹脂粒子(C)を得た場合には、好ましくは0.005〜0.8μm、とくに好ましくは0.05〜1μm、である。なお、体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)やマルチサイザーIII(コールター社製)、光学系としてレーザードップラー法を用いるELS−800(大塚電子社製)などで測定できる。もし、各測定装置間で粒径の測定値に差を生じた場合は、ELS−800での測定値を採用する。なお、上記粒径比が得やすいことから、後述する樹脂粒子(B)の体積平均粒径は、0.1〜15μmが好ましい。さらに好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは1〜8μmである。
結着樹脂(b)100質量部に対する水性分散液(W)の使用量は、好ましくは50〜2,000質量部、さらに好ましくは100〜1,000質量部である。50質量部以上では(b)の分散状態が良好であり2,000質量部以下であると経済的である。
樹脂粒子(C)は、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、結着樹脂(b)もしくはそれらの有機溶剤溶液乃至分散液(O)とが混合され、(W)中に(O)とが分散され、結着樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に樹脂(a)が付着してなる構造の樹脂粒子(C)の水性分散体(X)を得て、水性樹脂分散体(X)から水性媒体を除去することにより得られる。樹脂粒子(B)の表面に付着している樹脂(a)の状態は、樹脂粒子(A)でも被膜(P)のどちらでもよい。(A)となるか(P)となるかは、樹脂(a)のTg,樹脂粒子(C)の製造条件(脱溶媒温度等)により異なる。
前記製造方法(I)で得られる樹脂粒子(C)の形状の制御は、樹脂(a)と、結着樹脂(b)のsp値差、また樹脂(a)の分子量を制御することで粒子形状や粒子表面性を制御することができる。sp値差が小さいといびつな形で表面平滑な粒子が得られやすく、また、sp値差が大きいと球形で表面はザラつきのある粒子が得られやすい。また、(a)の分子量が大きいと表面はザラつきのある粒子が得られやすく、分子量が小さいと表面平滑な粒子が得られやすい。ただし、(a)と、(b)のsp値差は小さすぎても大きすぎても造粒困難になる。また樹脂(a)の分子量も小さすぎると造粒困難になる。このことから、好ましい(a)と、(b)のsp値差は0.01〜5.0で、より好ましくは0.1〜3.0、さらに好ましくは0.2〜2.0である。
前記の製造方法(II)の場合においては、樹脂粒子(C)の形状はあらかじめ作製する樹脂粒子(B)の形状に大きく影響し、樹脂粒子(C)は樹脂粒子(B)とほぼ同じ形状になる。ただし、(B)がいびつな場合、製造方法(II)でより多くコーティング剤(W’)を使用すると球形になる。
本発明において、樹脂粒子(C)の粒径均一性、保存安定性等の観点から、樹脂粒子(C)は、0.01〜60質量%の樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)あるいは樹脂(a)を含有する被膜(P)と40〜99.99質量%の結着樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)からなるのが好ましく、さらに好ましくは0.1〜50質量%の(A)あるいは(P)と50〜99.9質量%の(B)、とくに好ましくは1〜45質量%の(A)あるいは(P)と55〜99質量%の(B)からなるものである。(A)あるいは(P)が0.01質量%以上であると耐ブロッキング性が良好であり、60%質量以下であると定着特性、特に低温定着性が良好である。
また、樹脂粒子(C)の粒径均一性、粉体流動性、保存安定性等の観点からは、樹脂粒子(C)において、樹脂粒子(B)の表面の5%以上、好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、とくに好ましくは80%以上が樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)あるいは樹脂(a)を含有する被膜(P)で覆われているのがよい。(C)の表面被覆率は、走査電子顕微鏡(SEM)で得られる像の画像解析から下式に基づいて求めることができる。
表面被覆率(%)=[(A)あるいは(P)に覆われている部分の面積/(A)あるいは(P)に覆われている部分の面積+樹脂粒子(B)が露出している部分の面積]×100
粒径均一性の観点から、樹脂粒子(C)の体積分布の変動係数は、30%以下であるのが好ましく、0.1〜15%であるのがさらに好ましい。また、粒径均一性から、樹脂粒子(C)の[体積平均粒径/個数平均粒径]の値は、1.0〜1.4であるのが好ましく、1.0〜1.3であるのがさらに好ましい。(C)の体積平均粒径は、用途により異なるが、一般的には0.1〜16μmが好ましい。上限は、さらに好ましくは11μm、特に好ましくは9μmであり、下限は、さらに好ましくは0.5μm特に好ましくは1μmである。なお、体積平均粒径および個数平均粒径は、マルチサイザーIII(コールター社製)で同時に測定することができる。
本発明の樹脂粒子(C)は、樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)の粒径、および、樹脂(a)を含有する被膜(P)による樹脂粒子(B)表面の被覆率を変えることで、粒子表面に所望の凹凸を付与することができる。粉体流動性を向上させたい場合には、(C)のBET値比表面積が0.5〜5.0m/gであるのが好ましい。本発明のBET比表面積は、比表面積計、例えばQUANTASORB(ユアサアイオニクス製)を用いて測定(測定ガス:He/Kr=99.9/0.1vol%、検量ガス:窒素)したものである。同様に粉体流動性の観点から、(C)の表面平均中心線粗さRaが0.01〜0.8μmであるのが好ましい。Raは、粗さ曲線とその中心線との偏差の絶対値を算術平均した値のことであり、例えば、走査型プローブ顕微鏡システム(東陽テクニカ製)で測定することができる。
樹脂粒子(C)の形状は、粉体流動性、溶融レベリング性等の観点から球状であるのが好ましい。その場合、樹脂粒子(B)も球状であるのが好ましい。(C)の平均円形度は0.95〜1.00であるのが好ましい。平均円形度は、さらに好ましくは0.96〜1.0、とくに好ましくは0.97〜1.0である。なお、平均円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定する。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100〜150mlを入れ、分散剤として界面活性剤(ドライウエル;富士写真フィルム社製)0.1〜0.5mlを加え、さらに測定試料0.1〜9.5g程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器(ウルトラソニッククリーナモデルVS−150;ウエルボクリア社製)で約1〜3分間分散処理を行い、分散濃度を3,000〜10,000個/μlにして樹脂粒子の形状および分布を測定する。
(帯電制御剤:CCA)
本発明のトナーは必要に応じ帯電制御剤をトナー中に含有させることができる。例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料、例えばC.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.B
asic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Bas icBlue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など及びこれらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩、或いはジブチル又はジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。ブラック以外のカラートナーは、当然目的の色を損なう帯電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
前記帯電制御剤の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部〜2質量部が好ましく、0.02質量部〜1質量部がより好ましい。前記含有量が、0.01質量部以上であると、帯電制御性が得られ、2質量部以下であると、トナーの帯電性が大きくなりすぎることがなく、主帯電制御剤の効果を減退させることもなく、現像ローラとの静電的吸引力が増大してトナーの流動性低下や画像濃度の低下を招くということもない。
本発明のトナーは、層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有することが好ましい。本発明に用いる層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物は、スメクタイト系の基本結晶構造を持つものを有機カチオンで変性したものが望ましい。また、層状無機鉱物の2価金属の一部を3価の金属に置換することにより、金属アニオンを導入することが出来る。しかし、金属アニオンを導入すると親水性が高いため、金属アニオンの少なくとも一部を有機アニオンで変性した層状無機化合物が望ましい。
前記層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の、有機物カチオン変性剤としては第4級アルキルアンモニウム塩、フォスフォニウム塩やイミダゾリウム塩などが挙げられるが、第4級アルキルアンモニウム塩が望ましい。前記第4級アルキルアンモニウムとしては、トリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムなどが挙げられる。
前記有機物アニオン変性剤としては、さらに分岐、非分岐または環状アルキル(C1〜C44)、アルケニル(C1〜C22)、アルコキシ(C8〜C32)、ヒドロキシアルキル(C2〜C22)、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を有する硫酸塩、スルフォン酸塩、カルボン酸塩、またはリン酸塩が挙げられる。エチレンオキサイド骨格を持ったカルボン酸が望ましい。
層状無機鉱物を少なくとも一部を有機物イオンで変性することにより、適度な疎水性を持ち、トナー組成物含む前記油相(O)が非ニュ−トニアン粘性を持ち、トナーを異形化することが出来る。このとき、トナー材料中の一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の含有量は、0.05〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましい。
一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物は、適宜選択することができるが、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト及びこれらの混合物等が挙げられる。中でも、トナー特性に影響を与えず、容易に粘度調整ができ、添加量を少量とすることができることから有機変性モンモリロナイト又はベントナイトが好ましい。
一部を有機カチオンで変性した層状無機鉱物の市販品としては、Bentone 3、Bentone 38、Bentone 38V(以上、レオックス社製)、チクソゲルVP(United catalyst社製)、クレイトン34、クレイトン40、クレイトンXL(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18ベントナイト;Bentone 27(レオックス社製)、チクソゲルLG(United catalyst社製)、クレイトンAF、クレイトンAPA(以上、サザンクレイ社製)等のステアラルコニウムベントナイト;クレイトンHT、クレイトンPS(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18/ベンザルコニウムベントナイトが挙げられる。特に好ましいのはクレイトンAF、クレイトンAPAがあげられる。また一部を有機アニオンで変性した層状無機鉱物としてはDHT−4A(協和化学工業社製)に下記一般式(3)で表される有機アニオンで変性させたものが特に好ましい。下記一般式(1)で表されるものとしては例えばハイテノール330T(第一工業製薬社製)が上げられる。
(OR)nOSO3M 一般式(3)
[式中、Rは炭素数13を有するアルキル基、Rは炭素数2から6を有するアルキレン基を表す。nは2から10の整数を表し、Mは1価の金属元素を表す]
(着色剤)
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用できる。例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。 赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキが挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
これらは、1種または2種以上を使用することができる。
トナー中における着色剤の含有量は、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力が低下することがあり、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。このような樹脂としては、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレン又はその置換体の重合体が特に好ましい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリビニルトルエン等が挙げられる。スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
前記マスターバッチは、高せん断力をかけて、樹脂と着色剤を混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒と共に混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水及び有機溶媒を除去する方法である。混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置を用いることができる。
(離型剤)
本発明においてトナーに使用される離型剤としては公知のものが全て使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用することができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30が好ましい。その理由は本発明のトナー結着樹脂に対してこれらのワックスは適度に微分散するため後述するようにオフセット防止性と転写性・耐久性ともに優れたトナーとすることが容易なためである。これらワックス類は1種又は2種以上を併用して用いることができる。
その他の離型剤としては、固形シリコーンワックス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等、従来公知のいかなる離型剤をも混合して使用できる。
本発明のトナーに使用する離型剤のTgは70〜90℃が好ましい。70℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、90℃超では低温での離型性が発現されず、耐コールドオフセット性の悪化、定着機への紙の巻付きなどが発生する。これらの離型剤の使用量は、トナー樹脂成分に対し、1〜20質量%、好ましくは3〜10質量%である。1質量%未満ではオフセット防止効果が不十分であり20質量%を超えると転写性、耐久性が低下する。
(現像剤)
現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
(キャリア)
キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。 前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、平均粒径(重量平均粒径(D50))で、10〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。前記平均粒径(重量平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、200μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。 前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を有機溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付の方法としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合には、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、二成分系現像剤のトナーとキャリアの好ましい混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部である。
(画像形成装置)
本発明のトナーを用いる画像形成装置の概略について以下述べる。
本発明の画像形成装置は静電潜像担持体(感光体)と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有しており、使用するトナーとして本発明のトナーを用いる。
本発明の電子写真式画像形成装置の一例としての複写機を図1に示す。
図1は、本発明の一実施の形態に係るカラー画像形成装置の内部構成図の一例を示す。この具体例はタンデム型間接転写方式の電子写真複写装置であるが、本発明の画像形成装置は本具体例に限ったものではない。
図中符号100は複写装置本体、200は複写装置本体100を載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ(読取り光学系)、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体100の中央位置には、横方向へ延びる無端ベルト状の中間転写体10を設ける。そして、図示例では中間転写体を3つの支持ローラ14・15・16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つの支持ローラの中で、第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。また、3つの支持ローラの中で第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成部20を構成する。タンデム画像形成部20の直上には、図に示すように、さらに露光装置21を設ける。一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成部20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。上述した2次転写装置22は、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成部20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動させた後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16のうちの1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。
そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着した後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。
さて、上述したタンデム画像形成部20において、個々の画像形成手段18は、ドラム状の感光体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、除電装置64などを備えている。感光体クリーニング装置63は少なくともブレードクリーニング部材を持つ。
[画像形成方法]
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含み、現像剤として本発明の画像形成用トナーを含む現像剤を用いる。
本発明の画像形成用トナーを前記静電潜像担持体と、現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジに収容して用いることもできる。
図2に本発明の画像形成用トナーを有するプロセスカ−トリッジを備えた画像形成装置の概略構成を示す。
図2において、1はプロセスカ−トリッジ全体を示し、2は感光体、3は帯電手段、4は現像手段、5はクリーニング手段を示す。
本発明においては、上述の感光体2、帯電手段3、現像手段4及びクリ−ニング手段5等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やプリンター等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
本発明の画像形成用トナーを有するプロセスカ−トリッジを備えた画像形成装置の動作を説明すると次の通りである。
感光体2が所定の周速度で回転駆動される。感光体2は回転過程において、帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段4によりトナ−現像され、現像されたトナ−像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピ−)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリ−ニング手段によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
以下実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は質量部を示す。
[実施例及び比較例で用いた成分の各物性値の測定方法]
(分子量の測定)
装 置:GPC(東ソー(株)製)、 検出器:RI、測定温度:40℃、
移動相:テトラヒドロフラン、 流 量:0.45mL/min.
分子量Mn、Mw、は分子量既知のポリスチレン試料によって作成した検量線を標準としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定される数平均分子量、重量平均分子量である。
(ガラス転移温度(Tg)の測定)
装置:DSC(TAインスツルメンツ社製、Q2000)
試料5〜10mgをアルミ製の簡易密閉パンに充填したものを以下の測定フローに供した。
1st Heating:30℃〜220℃、5℃/min.、220℃到達後1分保持
冷却 :温度制御なしで−60℃までクエンチ、−60℃到達後1分保持
2nd Heating:−60℃〜180℃、5℃/min.
ガラス転移温度は、2nd HeatingのサーモグラムにおいてASTM D3418/82に記載される方法に基づいてミッドポイントによるガラス転移温度を求めて評価を行った。
(平均ドメインサイズの測定)
装置:AFM(アサイラムテクノロジー社製 MFP-3D)
・ カンチレバー:OMCL-AC240TS-C3target amplitude:0.5V
・ target percent:-5%
・ amplitude setpoint:315mV
・ scan rate:1Hz
・ scan points:256×256
・ scan angle:0°
結着樹脂をライカ製ウルトラミクロトーム ULTRACUT UCTを用いて以下の条件で結着樹脂のブロックを切断して切片を出したものを用いて観察した。
・切削厚み:60nm
・切削速度:0.4mm/sec
・ダイヤモンドナイフ(Ultra Sonic 35°)使用
得られたAFM位相差像の高位相差像(すなわち軟質・低Tgユニット)の分散径を任意に30点選び、高位相差像の直線でもっとも長い径の平均値を平均ドメインサイズとして算出した。
[製造例1]
(樹脂a−1の製造)
テレフタル酸1,578部、イソフタル酸83部、エチレングリコール374部、ネオペンチルグリコール730部からなる混合物をオートクレープ中で、260℃で2.5時間加熱してエステル化反応を行った。次いで二酸化ゲルマニウムを触媒として0.262部添加し、系の温度を30分で280℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1時間後に0.1Torrとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、1.5時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、260℃になったところでイソフタル酸50部、無水トリメリット酸38部を添加し、255℃で30分撹拌し、シート状に払い出した。そしてこれを室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画のポリエステル樹脂を[樹脂a−1]として得た。[樹脂a−1]の分析結果を表1に示す。
[製造例2、3]
(樹脂a−2、樹脂a−3の製造)
[樹脂a−1]と同様な方法で二種のポリエステル樹脂を得て、これらを[樹脂a−2]、[樹脂a−3]とした。各樹脂の分析結果を表1に示す。
Figure 0005812406
[製造例4]
(微粒子分散液(w−1)の製造)
ジャケット付きの2Lガラス容器に、[樹脂a−1]200部、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル35部、ポリビニルアルコール(ユニチカ(株)「ユニチカポバール」050G)0.5質量%水溶液(以下、PVA−1)459部及び該ポリエステル樹脂中に含まれる全カルボキシル基量の1.2倍当量に相当するN,N−ジメチルエタノールアミン(以下、DMEA)を投入し、これを開放系で卓上型ホモディスパー(特殊機化工業(株)製,TKロボミックス)を用いて6,000rpmで撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、完全浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ち、10分後にジャケットに熱水を通し、加熱した。そして容器内温度が68℃に達したところで撹拌を7,000rpmとし、容器内温度を68〜70℃に保って更に20分間撹拌し、乳白色の均一な水分散体を得た。そしてジャケット内に冷水を流して3500rpmで撹拌しながら室温まで冷却し、ステンレス製のフィルター(635メッシュ,平織)を用いて濾過したところ、フィルター上には樹脂粒子がほとんど残らなかった。得られた濾液(微粒子分散液w−1)の分析結果を表2に示す。
[製造例5、6]
(微粒子分散液w−2、微粒子分散液w−3の製造)
製造例4と同様にして、表2で示す割合で微粒子分散液を作製し、[微粒子分散液w−2]及び[微粒子分散液w−3]とした。
Figure 0005812406
[製造例7]
(微粒子分散液w−4の製造)
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン120部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル45部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)10部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で20分攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し6時間反応させた。さらに1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成してビニル樹脂(スチレンーメタクリル酸一メタクリル酸ブチルーアルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液W−4]を得た。[微粒子分散液W−4]をELS−800で測定した体積平均粒径は0.08μmであった。[微粒子分散液W−4]の一部を乾燥して樹脂分を単離し、該樹脂分のフローテスター測定によるガラス転移温度は74℃であった。
[製造例8]
−水系媒体の調製−
イオン交換水300部、[微粒子分散液W−1]300部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を混合撹拌して均一に溶解させて[水系媒体相1]を調製した。
[製造例9]
(結着樹脂(b−1)の合成)
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた300mlの反応容器中に、アルコール成分、酸成分を表3に示すような比率で試薬全体の質量が250gとなるように加えた。その際、重合触媒として、チタンテトライソプロポキシド(1000ppm対樹脂成分)も合わせて投入した。窒素気下中、4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出成分がなくなるまで反応を行った。その後さらに、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し[ポリエステル開始剤1]を得た。
得られた[ポリエステル開始剤1]の数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表4に記載した。
次いで、温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、前記「ポリエステル開始剤1」、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表4に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、[結着樹脂b−1]を合成した。得られた[結着樹脂b−1]の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表5に記載した。
[製造例10]
(結着樹脂(b−2)の合成)
製造例9における[ポリエステル開始剤1]の仕込み量を表3記載の比率に変更した以外は製造例9と同様にして[結着樹脂b−2]を合成した。得られた[結着樹脂b−2]の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表5に記載した。
[製造例11]
(結着樹脂(b−3)の合成)
製造例9における[ポリエステル開始剤1]の仕込み量を表3記載の比率に変更した以外は製造例9と同様にして[結着樹脂b−3]を合成した。得られた[結着樹脂b−3]の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表5に記載した。
[製造例12]
(結着樹脂(b−4)の合成)
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた300mlの反応容器中に、アルコール成分、酸成分を表3に示すような比率で試薬全体の質量が250gとなるように加えた。その際、重合触媒として、チタンテトライソプロポキシド(1000ppm対樹脂成分)も合わせて投入した。窒素気下中、4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出成分がなくなるまで反応を行った。その後さらに、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し[ポリエステル開始剤2]を得た。
得られた[ポリエステル開始剤2]の数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表4に記載した。
次いで、温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、前記[ポリエステル開始剤2]、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表4に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタン外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、[結着樹脂b−4]を合成した。得られた[結着樹脂b−4]の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表5に記載した。
[製造例13]
(結着樹脂b−5の合成)
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた300mlの反応容器中に、アルコール成分、酸成分を表3に示すような比率で試薬全体の質量が250gとなるように加えた。その際、重合触媒として、チタンテトライソプロポキシド(1000ppm対樹脂成分)も合わせて投入した。窒素気下中、4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出成分がなくなるまで反応を行った。その後さらに、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し[ポリエステル開始剤3]を得た。
得られた[ポリエステル開始剤3]の数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表4に記載した。
次いで、温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、前記[ポリエステル開始剤3]、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表4に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、[結着樹脂b−5]を合成した。得られた[結着樹脂b−5]の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表5に記載した。
[製造例14]
(結着樹脂b−6の合成)
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた300mlの反応容器中に、アルコール成分、酸成分を表3に示すような比率で試薬全体の質量が250gとなるように加えた。その際、重合触媒として、チタンテトライソプロポキシド(1000ppm対樹脂成分)も合わせて投入した。窒素気下中、4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出成分がなくなるまで反応を行った。その後さらに、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し[ポリエステル開始剤4]を得た。
得られた[ポリエステル開始剤4]の数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表4に記載した。
次いで、温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、前記[ポリエステル開始剤4]、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表4に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し1質量部を入れ、窒素置換後160℃で6時間重合し、[結着樹脂b−6]を合成した。得られた[結着樹脂b−6]の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表5に記載した。
[製造例15]
(結着樹脂b−7の合成)
温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、開始剤として、ポリエステルポリオール(住友バイエルウレタン社製:デスモフェン1652 数平均分子量 約1100、水酸基価53mgKOH/g)L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表4に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、[結着樹脂b−7]を合成した。得られた[結着樹脂b−7]の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表5に記載した。
[製造例16]
(結着樹脂b−8の合成)
温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、開始剤として、ポリテトラメチレングリコール(Aldrich社製:数平均分子量 約2000)L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表4に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、[結着樹脂b−8]を合成した。得られた[結着樹脂b−8]の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表5に記載した。
[製造例17]
(結着樹脂b−9の合成)
温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、開始剤として、ポリエステルポリオール(住友バイエルウレタン社製:デスモフェン1200 数平均分子量 約1000、水酸基価165mgKOH/g)L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表4に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、[結着樹脂b−9]を合成した。得られた[結着樹脂b−9]の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表5に記載した。
[製造例18]
(結着樹脂b−10の合成)
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた300mlの反応容器中に、アルコール成分、酸成分を表3に示すような比率で試薬全体の質量が250gとなるように加えた。その際、重合触媒として、チタンテトライソプロポキシド(1000ppm対樹脂成分)も合わせて投入した。窒素気下中、4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出成分がなくなるまで反応を行った。その後さらに、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し[ポリエステル開始剤5]を得た。
得られた[ポリエステル開始剤5]の数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表4に記載した。
次いで、温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、前記[ポリエステル開始剤5]、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表4に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、[結着樹脂b−10]を合成した。得られた[結着樹脂b−10]の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表5に記載した。
[製造例19]
(結着樹脂b−11の合成)
温度計、及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽内に、開始剤として、ラウリルアルコール、L−ラクチド、及びD−ラクチドを、下記表2に記載の比率で投入し、更にテレフタル酸チタンを外割で1質量%添加し、窒素置換後160℃で6時間重合し、[結着樹脂b−11]を合成した。得られた[結着樹脂b−11]の数平均分子量Mn・ガラス転移温度Tgを表4に記載した。
[Tg−(TgA×MA/(MA+MB)+TgB×MB/(MA+MB))の算出]
表3に記載したL−ラクチドとD−ラクチドの合計比率をMA、開始剤のガラス転移温度をTgB、開始剤の仕込み量をMBとしてTg−(TgA×MA/(MA+MB)+TgB×MB/(MA+MB)を求めた。なお、TgAは[結着樹脂b−11]のガラス転移点とした。[結着樹脂b−11]は、開始剤の比率、分子量とも極めて低く、ほぼ純粋なポリ乳酸樹脂とみなすことができ、同一のL/D比であれば、その他の結着樹脂におけるポリ乳酸ユニットのガラス転移点に近似できるためである。結果を表5に記載した。
−マスターバッチの作製−
水1,000質量部、及びDBP吸油量が42ml/100g、pHが9.5のカーボンブラック(Printex35、デグサ社製)530質量部、及び1200質量部の[結着樹脂b−1]を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。
二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを作製した。
[実施例1]
−トナー1の作製−
反応容器内に[結着樹脂b−1]を100質量部、及び酢酸エチル100質量部を加えて攪拌して、樹脂溶液1を調製した。
次に、樹脂溶液1にカルナウバワックス(分子量1,800、酸価2.7mgKOH/g、針入度1.7mm(40℃))5質量部、及びマスターバッチ5質量部を仕込み、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスク周速度6m/秒で、粒径が0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスしてトナー材料液を得た。
次に、容器内に[水系媒体相1]150質量部を入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12,000rpmで攪拌しながら、トナー材料液100質量部を添加し、10分間混合して乳化スラリーbを得た。
更に、攪拌機、及び温度計をセットしたコルベンに、乳化スラリーb100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら、30℃で10時間脱溶剤し、分散スラリーbを得た。
次に、分散スラリーb100質量部を減圧濾過し、得られた濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。
得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで30分間混合した後、減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、フッ素系第四級アンモニウム塩化合物フタージェントF−310(ネオス社製)を、フッ素系四級アンモニウム塩がトナーの固形分100質量部に対して0.1質量部相当になるよう5%メタノール溶液で添加し、10分間攪拌した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
循風乾燥機を用いて、得られた濾過ケーキを40℃で36時間乾燥し、目開きが75μmのメッシュで篩い、トナー母粒子1を作製した。次にトナー母粒子1の100質量部に対し、疎水性シリカ(キャボット製、TS720)を1.5質量部添加し、ヘンシェルミキサーにて3000rpmで5分間ブレンドして[トナー1]を得た。
[実施例2〜7]
−トナー2〜8の作製−
実施例1において、使用した結着樹脂(b)の種類、[微粒子分散液w]の種類を表5に示すように変更した以外は実施例1と同様の手順により実施例2〜8の[トナー2]〜[トナー8]を作製した。
[比較例1〜3]
−トナー9〜11の作製−
実施例1において、使用する結着樹脂(b)の種類、微粒子分散液の種類を表5に示すように変更した以外は実施例1と同様の手順により比較例1〜3の[トナー9]〜[トナー11]を作製した。
−キャリアの作製−
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、SR2411)100質量部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、コート層形成液を調製した。該コート層形成液を、流動床型コーティング装置を用い、粒径50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面にコーティングして磁性キャリアを作製した。
−現像剤の作製−
実施例1〜8及び比較例1〜3の各トナー5質量部と前記キャリア95質量部とをボールミル混合し、実施例1〜8及び比較例1〜3の各二成分現像剤を製造した。
得られた各現像剤について、以下のようにして、(a)画像濃度、(b)耐熱保存性、及び(c)定着性(d)トナーフィルミング(e)地汚れ(f)トナー飛散性(g)ヘイズ度及び(h)環境安定性を測定した。結果を表3に示した。
(a)画像濃度
タンデム型カラー電子写真装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE 6000<70W>、株式会社リコー製)に各現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成した。得られたベタ画像における任意の6箇所の画像濃度を、分光計(938 スペクトロデンシトメータ、X−Rite社製)を用いて測定し、下記評価基準に基づいて、評価を行った。なお、画像濃度値は、6箇所の画像濃度の平均値で示した。
〔評価基準〕
○:2.0以上
△:1.70以上2.0未満
×:1.70未満
(b)耐熱保存性(針入度)
50mlのガラス容器に各トナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により針入度(mm)を測定し、下記基準に基づいて評価した。なお、前記針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示し、5mm未満の場合には、使用上問題が発生する可能性が高い。
〔評価基準〕
◎:針入度25mm以上
○:針入度15mm以上25mm未満
△:針入度5mm以上15mm未満
×:針入度5mm未満
(c)定着性
定着ローラとしてテフロン(登録商標)ローラを使用した株式会社リコー製複写機MF−200の定着部を改造した装置を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(株式会社リコー製のタイプ6200及びNBSリコー製の複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cm2のトナー付着量で定着評価した。定着ベルトの温度を変化させて定着試験を行い、普通紙でホットオフセットの発生しない上限温度を定着上限温度とした。また、厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
〔評価基準〕
−定着上限温度−
定着上限温度は190℃以上の場合は◎、190〜180℃の場合は○、180〜170℃の場合は△、170℃以下の場合は×とした。
−定着下限温度−
定着下限温度は125℃以下の場合は◎、125〜135℃の場合は○、135〜145℃の場合は△、145℃以上の場合は×とした。
(d)トナーフィルミング
作製した各現像剤をタンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo450、株式会社リコー製)を用いて、20%画像面積のチャートを、画像濃度1.4±0.2になるようにトナー濃度を制御しながら、20万枚出力後の電子写真用現像剤の帯電量(μc/g)の変化量(20万枚ラン後の帯電量の低下量/ラン初期の帯電量)で、出力前の初期値と比較して、下記基準で評価した。なお、帯電量は、ブローオフ法で測定した。
〔評価基準〕
◎:15%未満
○:15%以上30%未満
△:30%以上50%未満
×:50%以上
トナーが電子写真用キャリアにフィルミングすることで、電子写真用キャリア最表面の組成が変化して、帯電量が低下する。この、ラン前後における帯電量の変化が少ないほど、トナーの電子写真用キャリアへのフィルミングの程度が少ないと判断される。
(e)地汚れ
得られた各現像剤を用いて、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)により、画像面積率5%のチャートを20万枚連続出力した際の画像背景部の地汚れの程度を目視により、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○:画像背景部に地汚れの発生がない
△:画像背景部に地汚れがやや発生しているが実使用上問題ない
×:画像背景部に地汚れが発生しており、実使用上問題がある
(f)トナー飛散性
得られた各現像剤を用いて、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)により、画像面積率5%のチャートを20万枚連続出力した際の機内のトナー汚染の程度を目視にて、下記基準により4段階で評価した。
〔評価基準〕
◎:画像形成装置内のトナー汚染がまったくなく、優良な状態である
○:画像形成装置内のトナー汚染がなく、良好な状態である
△:画像形成装置内のトナー汚染があるが、実使用可能なレベルである
×:画像形成装置内のトナー汚染がひどく、実使用不可能なレベルである
(g)ヘイズ度
定着性評価の画像サンプルとして単色画像サンプルを、定着ベルトの温度を160℃に
して、OHPシートのタイプPPC−DX(株式会社リコー製)に現像したサンプルのヘ
イズ度を、直読ヘイズ度コンピュータ(HGM−2DP型、スガ試験機株式会社製)を用
いて測定した。ヘイズ度は、曇り度とも言われ、トナーの透明性を示す尺度として測定さ
れ、この値が低い程、透明性が高く、OHPシートを用いた場合の発色性が良好となる。
〔評価基準〕
◎:ヘイズ度が20%未満
○:ヘイズ度が20%以上30%未満
×:ヘイズ度が30%以上
(h)環境安定性
得られた現像剤を気温23℃、湿度50%RHの環境下(M/M環境)にてボールミル
で5分間攪拌した後に、現像剤1.0gを採取し、ブローオフ帯電量測定装置(京セラケ
ミカル社製TB−200)を用い、1分間窒素ブローした後の測定値を帯電量として用い
た。また、この測定を気温40℃、湿度90%RHの環境下(H/H環境)、気温10℃
、湿度30%RHの環境下(L/L環境)、の2つの条件にて各現像剤の帯電量を評価し
た。下記式より環境変動率を算出した。環境変動率が低いほど帯電性の安定な現像剤であ
ると言うことができる。
〔評価基準〕
◎:環境変動率が10%未満
○:環境変動率が10%以上30%未満
△:環境変動率が30%以上50%未満
×:環境変動率が50%以上
ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する樹脂粒子表面に、多塩基酸、多価アルコールより構成されているポリエステル樹脂を付着させたトナーは、良好な定着性、画像濃度、ヘイズ度を持ち、環境変動性も良好に得られた。表面に付着させる樹脂が適切でない場合、環境変動に悪化が見られた。
Figure 0005812406
Figure 0005812406
Figure 0005812406
表5に示すように実施例1〜8の電子写真用トナーは良好な定着性・保存性を示すだけでなく、長期の現像器攪拌にともなうストレスに対しても良好であり、地汚れやトナー飛散が発生しがたいことが確認された。比較例1のトナーは、現像機中でのトナーの破損に伴うフィルミングが引き起こされた。この結着樹脂は、AFMにおける位相差のある画像が確認されず、低Tgユニットである骨格Bとポリ乳酸(PLA)骨格がほぼ均質に存在した構造をとるためと考えられた。比較例2のトナーはガラス転移温度が二箇所に観察され、AFMによる平均ドメインサイズも大きかった。
このような結着樹脂を用いた場合にはトナー定着性は良好なものの、フィルミングや地汚れ、トナー飛散が悪化した。比較例3はほぼ均一なPLA樹脂とみなすことができるが、定着性、耐熱保存性、現像機中での耐ストレス性いずれにおいても満足のいく結果が得られなかった。
(図1について)
10 中間転写体
14・15・16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成部
22 2次転写装置
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 感光体
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
55 切換爪
56排出ローラ
57 排紙トレイ
60 帯電装置
61 現像装置
62 1次転写装置
64 除電装置
63 感光体クリーニング装置
61現像装置
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
(図2について)
1 プロセスカートリッジ
2 感光体
3 帯電手段
4 現像手段
5 クリーニング手段
特許第2909873号公報 特許第3347406号公報 特開昭59−96123号公報 特許第3785011号公報 特開2008−262179号公報 特開2011−13245号公報

Claims (10)

  1. 少なくとも樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)もしくは樹脂(a)を含有する被膜(P)が、結着樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に付着されてなる構造の樹脂粒子(C)からなるトナーであって、樹脂(b)が、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有し、前記樹脂(a)が、ポリエステル樹脂であって、多塩基酸、多価アルコールより構成されており、昇温速度5℃/分での示差走査熱量計における前記結着樹脂(b)のガラス転移温度Tgが25℃〜65℃の間の一箇所に観察されるトナーであって、タッピングモードAFMによって観察される二次元位相差像において、高位相差像として現れる構造が低位相差像として現れる構造中に分散された構造をとることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記高位相差の分散相における平均ドメインサイズが10nm以上45nm未満であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記結着樹脂(b)がポリエステル骨格を有し、少なくとも、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰返し構造に有するポリエステル骨格Aと、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない骨格Bとを、ブロック共重合させてなることを特徴とし、前記ポリエステル骨格Aのガラス転移温度と、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない骨格Bのガラス転移温度をそれぞれTgA、TgBとし、それぞれの質量比をMA、MBとした時、TgBは少なくとも20℃以下であり、結着樹脂のガラス転移温度Tgが下記関係式で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナー。
    −5≦Tg−(TgA×MA/(MA+MB)+TgB×MB/(MA+MB))≦5
  4. 前記ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まない骨格Bが、ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まないポリエステルであることを特徴とする請求項3に記載の電子写真用トナー。
  5. 前記ヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まないポリエステルが分岐構造を有することを特徴とする請求項4に記載の電子写真用トナー。
  6. 前記ポリヒドロキシカルボン酸が脱水縮合された構成単位を繰り返し構造に含まないポリエステルにおける酸成分が、三価以上の多価カルボン酸を1.5mol%以上含有していることを特徴とする請求項4又は5に記載の電子写真用トナー。
  7. 前記結着樹脂(b)における骨格Bの質量比率が5%以上25%以下であることを特とする請求項3〜6のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  8. 前記結着樹脂(b)における骨格Bの数平均分子量Mn(B)が1000以上3000未満であることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナーからなるか、又は、該電子写真用トナーとキャリアとからなることを特徴とする現像剤。
  10. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記現像剤が、請求項に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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