JP2009139408A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被転写体上に形成されたトナー像を、定着像の折り曲げ試験後の画像欠損最大幅が0.30mm以下となる定着条件で前記被転写体に定着したものを定着後トナーとし、トナーを測定試料とした示差走査熱量測定の1回目の昇温工程で得られる吸熱ピークのうち最も低温側の吸熱ピークのピーク温度をT1(℃)としたとき、定着前のトナーの0℃乃至100℃の範囲における吸熱ピークのうち最も低温側の吸熱ピーク温度T1aが40℃以上であり、前記定着後のトナーについて得られる前記ピーク温度T1bが、前記ピーク温度T1aに比較して10℃乃至35℃低い静電荷像現像用トナーである。
【選択図】なし
Description
しかし、従来の粒度分布や形状分布のままでの単純な小径化では、微粉側トナーや歪な形状のトナーの存在により、キャリアや感光体への汚染やトナー飛散、定着時に用紙に定着せずに定着ロールに付着してしまうなどの問題が著しくなり、高画質と高信頼性とを同時に実現することは困難である。よって、粒度分布や形状分布を狭くすることができ、かつ小粒径化が可能でことも必要になる。
これら湿式製法によるトナーは、粒度分布がシャープで小粒径のトナー粒子を製造に適しており、特に凝集工程・融合合一工程を経て得られるトナーは表面形状の制御性において優れており、帯電性、耐久性の改善を図ることができる。
トナーの定着温度を低くする手段としては、トナー用樹脂(結着樹脂)のガラス転移点(Tg)を低くする技術が一般的に行われている。しかし、ガラス転移点をあまりに低くし過ぎると、粉体の凝集(ブロッキング)が起こり易くなったり、定着像上のトナーの保存性がなくなる為、実用上50℃程度を下限とする必要であった。
そして、前記種々の要求と低温定着性との両立の手段としては、トナーを構成する結着樹脂として結晶性樹脂を用いる技術が考えられるが、これに関しては、ブロッキング発生防止及び低温定着の両立を目的として、結晶性樹脂をトナーとして用いる方法が古くから知られている(例えば、特許文献3参照)。更に低融点結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを混合し、相溶化度を制御することで低温定着を獲得する技術が提案されている(例えば、特許文献4及び5参照)。
また、前記湿式製法によるトナーは、粒度分布が狭く小粒径のトナー粒子を製造に適しており、画像形成では高精細な画像を実現が可能となるだけでなく、前述のように、特にトナー表面形状の制御性に優れることから、上記課題に対しても帯電性、耐久性、クリーニング性の改善を図ることができる。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、被転写体上に形成されたトナー像を、定着像の折り曲げ試験後の画像欠損最大幅が0.30mm以下となる定着条件で前記被転写体に定着したものを定着後トナーとし、該定着後トナーを測定試料とした示差走査熱量測定の1回目の昇温工程で得られる0℃乃至100℃の範囲における吸熱ピークのうち最も低温側の吸熱ピークのピーク温度をT1(℃)としたとき、
定着前トナーの0℃乃至100℃の範囲における吸熱ピークのうち最も低温側の吸熱ピーク温度T1aが40℃以上であり、
前記定着後トナーについて得られる前記ピーク温度T1bが、前記ピーク温度T1aに比較して10℃乃至35℃低い静電荷像現像用トナーである。
前記ピーク温度T1bが、前記ピーク温度T2aに比較して1℃乃至25℃低い請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項2に係る発明によれば、トナーの帯電維持性、耐フィルミング性、耐ブロッキング性を満足しつつ、より優れた低温定着性が得られる。
請求項3に係る発明によれば、さらに長期にわたる安定した画像保存性が得られる。
請求項4に係る発明によれば、さらに画像の解像度が良好となるだけでなく、被転写体としてラフ紙を用いた場合に、定着時のオフセットの発生が防止される。
請求項5に係る発明によれば、帯電維持性、耐フィルミング性、耐ブロッキング性を満足しつつ、低温定着性に優れたトナーを含む静電荷像現像剤が提供される。
請求項6に係る発明によれば、帯電維持性、耐フィルミング性、耐ブロッキング性を満足しつつ、低温定着性に優れた静電荷像現像用トナーの供給を容易にし、上記特性の維持性を高めることができる。
請求項7に係る発明によれば、帯電維持性、耐フィルミング性、耐ブロッキング性を満足しつつ、低温定着性及び画像保存性に優れたトナーを含む静電荷像現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高めることができる。
請求項8に係る発明によれば、高画質な画像形成が維持されるとともに、低温定着及び定着部材へのトナー付着に起因する離型性不良や紙詰まりによる定着器の短寿命化の防止も達成される。
請求項9に係る発明によれば、さらに高速プロセスでも画質を維持しつつ低温定着を行うことができ、封筒などへのプリント時にも、低圧力定着で定着可能のため、シワ等の問題も回避できる。
<静電荷像現像用トナー>
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」という場合がある)は、被転写体上に形成されたトナー像を、定着像の折り曲げ試験後の画像欠損最大幅が0.30mm以下となる定着条件で前記被転写体に定着したものを定着後トナーとし、該定着後のトナーを測定試料とした示差走査熱量測定の1回目の昇温工程で得られる0℃乃至100℃の範囲における吸熱ピークのうち最も低温側の吸熱ピークのピーク温度をT1(℃)としたとき、定着前トナーの0℃乃至100℃の範囲における吸熱ピークのうち最も低温側の吸熱ピーク温度T1aが40℃以上であり、前記定着後トナーについて得られる前記ピーク温度T1bが、前記ピーク温度T1aに比較して10℃乃至35℃低いことを特徴とする。
なお、前記低温定着とはトナーを135℃程度以下で加熱して定着させることをいう。
例えば、上記定着前トナーのDSCによる第1昇温工程でのピーク温度T1aが、30℃程度であったとすると、低温定着には有利となるが、35℃程度の環境で長期ランニング(連続画像出力)すれば、実機内の現像剤温度、感光体や中間転写体上の温度、またそれらからの回収トナーの温度は、通常、エアフロー設計やシステム設計により、40乃至45℃程度に収まるように設計すべきであるが、場合により50℃前後となる場合があるため、前記熱特性を有するトナーは、帯電維持性、耐フィルミング、耐ブロッキング性に劣ったものとなる。それゆえ、定着前トナーの前記ピーク温度T1aは、最低40℃以上であることが必要となる。
前記ピーク温度T1aは50℃以上であることが望ましく、55℃以上であることがより好適である。
そして、前記ピーク温度としては、吸熱ピークAの場合には図に示すように吸熱ピークのベースラインと立ち上がり勾配との交点pをピーク温度とし、融解ピークBの場合にはピークの頂点qをピーク温度とした。後述の第2昇温工程における吸熱ピーク等も同様である。
また、上記ピーク温度T1aに対してピーク温度T1bは20℃乃至30℃低いことが望ましく、25℃乃至30℃低いことがより好適であることも判明した。
したがって、前記良好な低温定着性と画像の長期保管性とを両立させるためには、第2昇温工程で得られる前記ピーク温度T2aは定着後トナーのピーク温度T1bより高いことが望ましい。
示差走査熱量計としては、DSC−60A(島津製作所社製)を用いた。測定は、まず第1昇温工程としては室温から150℃まで毎分10℃の速度で昇温することによりを行う。一方、第2昇温工程は、上記第1昇温工程を行った後、そのまま5分間150℃でホールドし、その後液化窒素を用いて0℃まで毎分10℃の速度で降温させ、5分間0℃でホールドした後、第2の昇温工程として0℃から150℃まで毎分10℃の速度で再昇温することにより行う。第1昇温工程、第2昇温工程ともに、得られた示差走査熱量曲線をJIS K−7121:87に準じて解析し、前述のピーク温度T1、T2を得た。
まず、測定対象のトナーについて用紙上(富士ゼロックス(株)製C2紙)に対象のトナーを3cm×3cmの面積で載り量が15g/m2となるように均一に散布し(通常の現像/転写工程を経てもよいし、目開き20μm程度のメッシュなどを介してトナーを静かに振りかけてもよい)、加熱・加圧方式の定着器(定着条件が可変)を使用して、前記良好な定着性が得られる定着条件を決定する(たとえば、定着温度を100℃から200℃まで5℃刻みに振って定着させ、上記折り曲げ評価法による、その画像の折り曲げ部分の画像欠損の幅が 0.30mm以下となる温度が150℃以上であれば、150℃とする)。
また、上記サンプリングした定着後トナーは、前記定着器通過直後から24時間以内にDSC測定に供される。
(結着樹脂)
本実施形態のトナーに用いられる結着樹脂としては、公知のものを用いることができ、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエン等のポリオレフィン類;などの単量体の重合体、これらを2種以上組み合せて得られる共重合体又はこれらの混合物を挙げることができる。
さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等も使用できる
なお、本実施形態において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピーク(融解ピーク)を有するものを指す。また、結晶性ポリエステル樹脂は、その主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
また、3価以上のカルボン酸として、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなども挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、3価以上のアルコールとして、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180℃乃至230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
具体的には、例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
なお、本実施形態のトナーが結晶性樹脂を含む場合には、上記結晶性樹脂のトナー中の融解温度は、前記DSC解析の第1昇温工程において融解ピークとして観察される。
本実施形態のトナーに用いられる着色剤としては、公知の着色剤であれば特に限定されない。
例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料;ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;などが挙げられる。
本実施形態のトナーには、必要により離型剤を用いることができる。
前記離型剤としては、公知の離型剤であれば特に限定されないが、例えば、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス等の合成或いは鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、これらの離型剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本実施形態のトナーには、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分を添加することができる。
前記内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。前記帯電制御剤としては、例えば4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料、アミノ基含有高分子化合物、フッ素含有高分子化合物などが挙げられる。
前記無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、メタチタン酸、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。中でも、シリカ粒子や酸化チタン粒子、アルミナ粒子が好ましく、疎水化処理された粒子が特に好ましい。
前記有機粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で使用され、具体的には例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等の粒子が挙げられる。
以上説明した本実施形態のトナーを製造する方法としては、混練粉砕製法や、凝集・合一法、懸濁重合法、溶解懸濁造粒法、溶解懸濁法、溶解乳化凝集合一法などの製法の制限を受けるものではないが、酸性やアルカリ性の水系媒体中でトナー母粒子を生成する湿式製法で製造されることが好適であり、前記凝集・合一法で製造されることが好ましい。
なお、前記凝集・合一法においては、凝集系のイオンバランスが崩れるのを抑制して凝集速度の制御を容易とすることができ、前記懸濁重合法においては、重合阻害の発生を抑制し特に粒子径の制御を容易とすることができ、また溶解懸濁造粒法や溶解乳化凝集合一法においては、造粒や乳化の際の粒子安定化を図ることが可能となる。
また、前記金属塩の重合体等は、凝集粒子分散液における濃度が0.11質量%乃至1.25質量%となるように添加することが好ましく、凝集停止工程において、必要に応じてキレート剤等により、トナー中に含まれる残留アルミニウム重合体等の量を調整することが可能である。
結着樹脂として結晶性あるいは非晶性ポリエステル樹脂を用いる場合には、結晶性あるいは非晶性ポリエステル樹脂分散液は、公知の転相乳化、或いは融解温度以上に加熱し、機械的せん断力によって乳化させる。この際、樹脂の酸価の調整を行ったり、イオン性界面活性剤を添加もしくは中和アミンを用い自己中和による乳化液の安定性化を図ってもよい。
なお、前記凝集粒子分散液製造工程、付着工程は、段階的に複数回に分けて繰り返し実施してもよい。
特に、粒子構成成分の分子構造を安定化させるため、前記各種の乾燥に追加して、棚段乾燥(好ましくは45℃乃至48℃で20時間乃至24時間)を行うと、前記本実施形態のトナーの作用効果がより発揮される。
外添剤として使用される無機酸化物粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、メタチタン酸、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。通常使用される定着温度においても、溶融・軟化しにくいものである。中でも、シリカ粒子や酸化チタン粒子が好ましく、疎水化処理された粒子が特に好ましい。
本実施形態のトナーの体積平均粒径は3μm以上8μm以下の範囲が好ましく、3.5μm以上6.0μm以下の範囲がより好ましい。体積平均粒径が上記範囲にあると、画像の解像度が良好となるだけでなく、被転写体としてラフ紙を用いた場合に、定着時のオフセットの発生を防止することができる。
また、トナーの粒子径分布指標としては、体積平均粒度分布指標GSDvが1.15以上1.30以下であることが望ましく、1.15以上1.25以下であることがより望ましい。
次に、本発明の静電荷像現像剤について実施形態により説明する。
本実施形態の静電荷像現像剤は、前記本実施形態のトナーを一成分現像剤として適用してもよいし、あるいは前記トナーとキャリアとを含む二成分現像剤としても適用することができる。
キャリアの芯材の体積平均粒径としては、10μm以上500μm以下の範囲が好ましく、30μm以上100μm以下の範囲がより好ましい。
次に、前記の静電荷像現像用トナーを用いた本実施形態の画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤として前記本実施形態の静電荷像現像剤を用いるものである。
以下、本実施形態の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
感光体1Yは、導電性の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
本実施形態の画像形成装置では、トナーとして前記特性を有する本実施形態のトナーを用いているため、比較的高速のプロセス速度で、しかも定着装置における定着圧力を大きくしなくても十分な定着性を得ることができる。
上記定着圧力は、0.5kg/cm2以上0.75kg/cm2以下であることがより望ましく、定着時間は10msec以上19msec以下
図2は、本実施形態の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、300は記録紙である。
まず、実施例、比較例で測定したトナー等の物性測定方法(既述の測定方法は除く)について説明する。
(粒径、粒度分布)
測定する粒子直径が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5mg乃至50mg加え、これを前記電解液100ml乃至150ml中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0μm以上60μm以下の範囲の粒子の粒度分布を測定した。測定する粒子数は50,000であった。
トナーの平均円形度の測定は、Sysmex社製FPIA−2100で測定した。本装置では、水などに分散させた粒子をフロー式画像解析法によって測定する方式が採用されており、吸引された粒子懸濁液はフラットシースフローセルに導かれ、シース液によって偏平な試料流に形成される。その試料流にストロボ光を照射することにより、通過中の粒子は対物レンズを通してCCDカメラで、静止画像として撮像し、撮像された粒子像を、2次元画像処理して、投影面積と周囲長から円相当径および円形度を算出した。
円形度=円相当径周囲長/周囲長=[2×(Aπ)1/2]/PM ・・・ 式(1)
上式においてAは投影面積、PMは周囲長を表す。なお、測定にはHPFモード(高分解能モード)を使用し、希釈倍率は1.0倍とした。また、データの解析に当たっては、測定ノイズ除去の目的で、個数粒径解析範囲を2.0μm乃至30.1μmとし、円形度解析範囲を0.40乃至1.00の範囲に選択した。
樹脂の酸価(AV)は以下のようにして測定した。基本操作はJIS K−0070−1992に準ずる。
試料は予め結着樹脂のTHF不溶成分を除去して使用するか、上記のTHF不溶分の測定で得られるソックスレー抽出器によるTHF溶媒によって抽出された可溶成分を試料として使用した。試料の粉砕品1.5gを精秤し、300mlのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液100mlを加え溶解させた。自動滴定装置GT−100(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて、0.1mol/lのKOHのエタノール溶液により電位差滴定を行った。この時のKOH溶液の使用量をA(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。これらの値から、下記式(2)により酸価を計算した。式中、wは精秤した試料量、fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(A−B)×f×5.61}/w ・・・ 式(2)
(結晶性ポリエステル樹脂分散液(A)の調製)
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル98mol%及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%からなる酸成分と、エチレングリコールからなるアルコール成分と、を1:1のmol比で入れ、これらの合計100部に対して、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3部を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(a)を合成した。
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):1.8部
・イオン交換水:210部
以上の成分を混合し混合物を100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを12.5に調整し96℃で6時間処理した後、硝酸水溶液でpHを7.0に調整し、さらに固形分量を調整して、体積平均粒径200nm、固形分量が30%の結晶性ポリエステル樹脂分散液(A)を得た。
加熱乾燥した三口フラスコに、1,10−ドデカン二酸90.5mol%、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%及び5−t−ブチルイソフタル酸7.5mol%からなる酸成分と、1,9−ノナンジオールからなるアルコール成分と、を1:1のmol比で入れ、これらの合計100部に対して、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3部を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(b)を合成した。
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):1.8部
・イオン交換水:210部
以上の成分を混合し混合物を100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを13.0に調整し96℃で8時間処理した後、硝酸水溶液でpHを7.0に調整し、さらに固形分量を調整して、体積平均粒径300nm、固形分量が30%の結晶性ポリエステル樹脂分散液(B)を得た。
テレフタル酸30mol%及びフマル酸70mol%からなる酸成分と、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物20mol%及びビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物80mol%からなるアルコール成分と、を1:1のmol比で、攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに仕込み、1時間を要して190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した。その後、前記混合物100部に対しジブチル錫オキサイド1.2部を投入し、さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続して、酸価が12.0mgKOH/g、重量平均分子量が9700である非晶性ポリエステル樹脂(c)を得た。
テレフタル酸60mol%、無水トリメリット酸10mol%及びドデセニルコハク酸30mol%からなる酸成分と、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物50mol%及びビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物50mol%からなるアルコール成分と、を1:1のmol比で仕込み、前記非晶性ポリエステル樹脂(c)と同様にして、酸価が17.0mgKOH/g、重量平均分子量が16000である非晶性ポリエステル樹脂(d)を得た。
・スチレン:370部
・nブチルアクリレート:30部
・アクリル酸:8部
・ドデカンチオール:24部
・四臭化炭素:4部
以上を混合し溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製、ノニポール400)6部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンSC)10部をイオン交換水550部に溶解したものにフラスコ中で加えて分散させ、乳化した。10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを12.5に調整し96℃で6時間処理した後、硝酸水溶液でpHを3.0に調整し、さらに固形分量を調整して、体積平均粒径が155nm、ガラス転移温度が59℃、重量平均分子量(Mw)が12,000、固形分量が40%であるスチレン・アクリル樹脂分散液(E1)を調製した。
・スチレン:280部
・nブチルアクリレート:120部
・アクリル酸:8部
以上を混合し溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製、ノニポール400)6部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンSC)12部をイオン交換水550部に溶解したものにフラスコ中で加え分散させ、乳化した。10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム3部を溶解したイオン交換水50部を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを12.5に調整し96℃で6時間処理した後、硝酸水溶液でpHを3.0に調整し、さらに固形分量を調整して、体積平均粒径が105nm、ガラス転移温度が53℃、重量平均分子量(Mw)が550,000、固形分量が40%であるスチレン・アクリル樹脂分散液(E2)を調製した。
・シアン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)、大日精化製):45部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により10分間分散し、体積平均粒径が168nm、固形分量が23.0%の着色剤分散液を得た。
・カルナバワックス(融点:81℃):45部
・カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合し95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分量が20%の離型剤分散液(F)を得た。
・ペンタエリスリトールベヘン酸エステルワックス(融点:84.5℃):5部
・カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合し95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が220nm、固形分量が20%の離型剤分散液(G)を得た。
・パラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞製、融点:75℃):45部
・カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合し95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が190nm、固形分量が20%の離型剤分散液(H)を得た。
(トナーの作製)
−トナー母粒子(1)の作製−
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(C):95.0部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(D):95.0部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(B):18.0部
・着色剤分散液:22.0部
・離型剤分散液(H):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中に投入し、硝酸水溶液にてpHを2.5に調整し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.35部を加え、ウルトラタラックスT50で分散操作を継続した。その後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱し、48℃で60分保持した後、ここに非晶性ポリエステル樹脂分散液(C)及び(D)を緩やかに33.3部ずつ追加した。その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを7.8にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら89℃まで加熱し、3時間保持した。
−粒度分布−
外添トナー(1)の体積平均粒径D50vは7.7μm、粒度分布係数GSDvは1.23、平均円形度は0.93、円形度0.85未満の粒子が2.8個数%であった。
外添トナー(1)について、前述の条件によりDSC測定を行ったところ、第1昇温工程で56℃にピーク温度を有する階段状のピークと、68℃にピーク温度を有する融解ピークが得られたことから、定着前トナーのピーク温度T1aを56℃とした。また、第2昇温工程では同様にピーク温度40℃、70℃の2つのピークが得られたことから、定着前トナーのピーク温度T2aを40℃とした。
一方、前述の条件で定着を行い採取した定着後トナーについて同様にDSC測定をところ、第1昇温工程で30℃にピーク温度を有する階段状のピークと、40℃にピーク温度を有する融解ピークが得られたことから、定着後トナーのピーク温度T1bを30℃とした。以上より、外添トナー(1)のT1a−T1bは26℃、T2a−T1bは10℃となった。
トナー10gをプロピレン製カップの上に秤量し、50℃、50%RHの環境に17時間放置し、ブロッキング(凝集)状態を以下の基準で評価した。
◎:カップを傾けるとトナーがさらさら流れる。
○:カップを動かしているとトナーが徐々に崩れ、流れ出す。
△:ブロック体が発生しており、先のとがったもので突付くと崩れる。
×:ブロック体が発生しており、先のとがったもので突付いても崩れにくい。
結果を表1に示す。
・定着性
外添トナー(1)9部と、スチレン・メチルメタクリレート樹脂で被覆されたフェライト粒子(体積平均粒子径:35μm)100部と、を混合して二成分現像剤を調製し、これを市販の電子写真複写機(Docu Center Color 450(富士ゼロックス社製)改造機)を用いて、トナー載り量を15g/m2となるようにソリッド画像(3cm×3cm)出しを行い、未定着画像を得た。また、50%ハーフトーン画像もオフセット評価用として未定着画像を得た。評価用紙は、最低定着温度測定用には富士ゼロックス(株)製C2紙、オフセット評価用には、用紙表面が比較的ラフである4200用紙(201b、ゼロックス社製)を使用した。
前記定着性評価において得られた定着性が良好な条件で得られたソリッド(3cm×3cm、トナー載り量15g/cm2)定着画像を2枚用意する。ソリッド画像よりも1cmづつ大き目の余白部分をもつように、5cm×5cmに切り取り、10cm×10cm以上の大きさのガラス板上に互いにソリッド面同士が接するように重ねて置き、その上に厚み1mmの5cm×5cmのガラス板を載せ、さらに5cm×5cmの底面積をもつ、250gの重りをその上に載せる。これを、高温環境(50℃、50%RH)に1週間保管し、2つの定着画像を離したときの画像欠損を評価した。以下の基準により放置後の画像保持性を評価した。
◎:まったく画像欠損がなく、画像を離したときも何ら音も発生しない。
○:画像欠損はないが、画像を離した時にパリパリと音が発生。
△:0.5mm径以下の白抜け、グロスムラが発生。
×:0.5mm径以上の白抜け、グロスムラが発生。
前記画像形成装置(現像器を装填)を使用し、A4サイズのC2紙(富士ゼロックス社製)を使用して、画像面積率5%の画像を形成した。25℃50%RH環境にて、この画像を10万枚までプリントし、初期のマグロール上現像剤及び10万枚後のマグロール上現像剤を採取し、帯電量測定を実施した。
帯電量測定は、帯電量測定器TB−200(東芝製)を用いブローオフ法により行った。このときの測定条件は、ブローオフの気体は空気を1.0kg/cm3の圧力で行い、測定試料の量は0.2gで行なった。
前記10万枚プリント後、A3全面ハーフトーン画像(Cin(入力画像データの1ドット当たりの画像面積率を表す画像濃度カバレッジ)=30%)を採取し、画質への影響と、感光体及び現像ロール上のトナーフィルミングを目視により観察し、下記評価基準にて評価を行った。なお、評価基準において◎、○は許容レベルであるが、△、×は許容できないレベルである。
○:感光体上あるいは現像ロール上に軽微なフィルミングは見られるが、画質上は問題ない。
△:感光体上あるいは現像ロール上にフィルミングが見られ、画質上にも影響が見られる。
×:感光体上あるいは現像ロール上にフィルミングが見られ、画質上にも顕著な影響が見られる。
以上の結果をまとめて表2に示す。
実施例1のトナーの作製において、同一の原料を用い次のように製造条件を変更してトナーの作製を行った。
まず、前記丸型ステンレス製フラスコ中の混合物のpHを硝酸水溶液にて2.8に調整し、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.30部を加え、ウルトラタラックスT50で分散操作を継続した。その後、同様に43℃まで加熱し、43℃で60分保持した後、ここに非結晶性ポリエステル樹脂分散液(C)及び(D)を緩やかに33.3部ずつ追加した。そして、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.3にした後、同様に93℃まで加熱し、5時間保持した。その他は実施例1と同様にして外添トナー(2)を作製した。
実施例1のトナーの製造において、ポリ塩化アルミニウムの添加量を0.35部から0.40部に、加熱用オイルバスによる加熱温度を48℃から50℃に変更した以外は、実施例1と同様にして外添トナー(3)を作製した。
実施例2のトナーの作製において、93℃まで加熱した後の保持時間を5時間から9時間に変更した以外は、実施例1と同様にして外添トナー(4)を作製した。
実施例2のトナーの作製において、ポリ塩化アルミニウムの添加量を0.30部から0.20部に、加熱用オイルバスによる加熱温度を43℃から41℃に、その後の保持時間を60分から15分に変更した以外は、実施例1と同様にして外添トナー(5)を作製した。
実施例2のトナーの作製において、用いた離型剤分散液(H)を離型剤分散液(G)に変更した以外は、実施例2と同様にして外添トナー(6)を作製した。
実施例2のトナーの作製において、用いた離型剤分散液(H)を離型剤分散液(F)に変更した以外は、実施例2と同様にして外添トナー(7)を作製した。
(トナーの作製)
・スチレン・アクリル樹脂分散液(E1):120部
・スチレン・アクリル樹脂分散液(E2):80部
・着色剤分散液:30部
・離型剤分散液(H):40部
・ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S):0.3部
以上の成分を丸型ステンレス鋼製フラスコ中で混合し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら55℃まで加熱した。55℃で30分保持した後、コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)で粒子サイズを測定したところ、体積平均粒径が約4.5μmの凝集粒子が生成していることが確認された。さらにここに、スチレン・アクリル樹脂分散液(E1)及び(E2)を緩やかに30部ずつ追加し、加熱用オイルバスの温度を上げて65℃で1時間保持した。粒子サイズを測定したところ約5.3μmの凝集粒子が生成していることが確認された。
上記トナー粒子(8)を用いて、実施例1と同様にして外添トナー(8)を作製した。 上記外添トナー(8)の体積平均粒径D50vは5.7μm、粒度分布係数GSDvは1.23、平均円形度は0.96、円形度0.85未満の粒子が0.2個数%であった。外添トナー(8)について、実施例1と同様にしてトナーの評価を行った。結果をまとめて表1、2に示す。
(トナーの作製)
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(C)の乾燥物(水分率:1%乃至2%):41部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(D)の乾燥物(水分率:1%乃至2%):41部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(B)の乾燥物(水分率:1%乃至2%):6部
・シアン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)、大日精化製):5部
・パラフィンワックスHNP−9(日本精鑞 融点:75℃):7部
以上の成分を混合し、エクストルーダーで、排出樹脂温度が100℃乃至120℃となるように設定して混練し、この混練物について粗粉砕、微粉砕を行い、風力式分級機で分級し、熱風球形化処理(日本ニューマチック工業(株)、SFS-3、熱風温度:280℃)を行った後、更に風力式分級機で分級し、次いで棚段乾燥で、トナー厚みを5mmから1cmにバットにならして通風しながら、雰囲気温度48℃で24時間乾燥し、トナー粒子(9)を得た。
上記トナー粒子(9)を用いて、実施例1と同様にして外添トナー(9)を作製した。 上記外添トナー(9)の体積平均粒径D50vは6.4μm、粒度分布係数GSDvは1.3、平均円形度は0.95、円形度0.85未満の粒子が3.0個数%であった。外添トナー(9)について、実施例1と同様にしてトナーの評価を行った。結果をまとめて表1、2に示す。
実施例1のトナーの作製において、ポリ塩化アルミニウムの添加量を0.35部から0.40部に、加熱用オイルバスによる加熱温度を48℃から53℃に変更した以外は、実施例1と同様にして外添トナー(10)を作製した。
実施例2のトナーの作製において、ポリ塩化アルミニウムの添加量を0.30部から0.15部に、加熱用オイルバスによる加熱温度を43℃から40℃に、その後の保持時間を60分から12分に変更した以外は、実施例2と同様にして外添トナー(11)を作製した。
(トナーの作製)
非晶性ポリエステル樹脂分散液(C)を調製する際に、非晶性ポリエステル樹脂(c)28.5部に対し、結晶性ポリエステル樹脂(b)5.4部を溶融状態で混合したのち、キャビトロンCD1010に毎分100gの速度で移送した他は、非晶性ポリエステル樹脂分散液(C)の調整と同様にして、固形分30%の非晶性結晶性混合ポリエステル樹脂分散液(I)を得た。非晶性ポリエステル樹脂分散液(C)と結晶性ポリエステル樹脂分散液(B)を、非晶性結晶性混合ポリエステル樹脂分散液(I)113.0部に変更した他は、実施例2と同様にして、外添トナー(12)を作製した。
(トナーの作製)
非晶性ポリエステル樹脂(c)23.5部に対し、結晶性ポリエステル樹脂(b)10.4部とした他は、実施例12と同様にして外添トナー(13)を作製した。
(トナーの作製)
棚段乾燥をしない他は、実施例2と同様にして外添トナー(14)を作製した。
・非晶性ポリエステル樹脂(c):41部
・非晶性ポリエステル樹脂(d):41部
・結晶性ポリエステル樹脂(b):6部
・シアン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)、大日精化製):5部
・パラフィンワックスHNP−9(日本精鑞、融点:75℃):7部
以上の成分を混合し、エクストルーダーで排出樹脂温度が130℃から150℃となるように設定して混練し、この混練物について粗粉砕、微粉砕を行い、風力式分級機で分級し、熱風球形化処理を行い、さらに風力分級機で分級し、トナー粒子(15)を得た。
上記外添トナー(15)の体積平均粒径D50vは6.8μm、粒度分布係数GSDvは1.33、平均円形度は0.92、円形度0.85未満の粒子が5.0個数%であった。外添トナー(15)について、実施例1と同様にしてトナーの評価を行った。結果をまとめて表1、2に示す。
(トナーの作製)
非晶性ポリエステル樹脂分散液(C)を調製する際に、非晶性ポリエステル樹脂(c)28.5部に対し、結晶性ポリエステル樹脂(b)10.8部を溶融状態で混合したのち、キャビトロンCD1010に毎分100gの速度で移送した他は、非晶性ポリエステル樹脂分散液(C)の調整と同様にして、固形分30%の非晶性結晶性混合ポリエステル樹脂分散液(J)を得た。非晶性ポリエステル樹脂分散液(C)と結晶性ポリエステル樹脂分散液(B)を 非晶性結晶性混合ポリエステル樹脂分散液(J)113.0部に変えた他は、実施例2と同様にして、外添トナー(16)を作製した。
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、110 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
P、300 記録紙(被転写体)
Claims (9)
- 被転写体上に形成されたトナー像を、定着像の折り曲げ試験後の画像欠損最大幅が0.30mm以下となる定着条件で前記被転写体に定着したものを定着後トナーとし、該定着後トナーを測定試料とした示差走査熱量測定の1回目の昇温工程で得られる0℃乃至100℃の範囲における吸熱ピークのうち最も低温側の吸熱ピークのピーク温度をT1(℃)としたとき、
定着前トナーの0℃乃至100℃の範囲における吸熱ピークのうち最も低温側の吸熱ピーク温度T1aが40℃以上であり、
前記定着後トナーについて得られる前記ピーク温度T1bが、前記ピーク温度T1aに比較して10℃乃至35℃低いことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 前記ピーク温度T1bが、前記ピーク温度T1aに比較して20℃乃至30℃低いことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記定着前トナーを測定試料とした示差走査熱量測定の2回目の昇温工程で得られる0℃乃至100℃の範囲における吸熱ピークのうち最も低温側の吸熱ピークのピーク温度をT2a(℃)としたとき、
前記ピーク温度T1bが、前記ピーク温度T2aに比較して1℃乃至25℃低いことを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。 - 体積平均粒径が3μm以上8μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- トナーを含み、該トナーが請求項1乃至4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする静電荷像現像剤。
- トナーが少なくとも収められ、該トナーが請求項1乃至4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とするトナーカートリッジ。
- 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容することを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤が請求項5に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
- 前記定着手段における定着温度100℃以上135℃以下であり、定着圧力が0.5kg/cm2以上1.5kg/cm2以下であり、定着時間が10msec以上30msec以下であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
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